Jetの共同創業者Nate Faust氏が届けるより持続可能なeコマース体験「Olive」

Nate Faust(ネイト・ファウスト)氏は、Quidsi(Diapers.comとSoap.comを運営)の副社長、Jet(33億ドル、約3492億円でWalmartに買収された)の共同設立者兼COO、そしてWalmart(ウォルマート)のSVPとして、eコマースビジネスに長年携わってきた。

時が経つにつれ、業界が始まってから25年経った今でも「使い捨て、一方通行の包装」に頼っているのは「クレイジー」だと、彼はゆっくりと気付いたという。これは消費者にとっては厄介なことであり、環境への影響も大きいが、ファウスト氏は、「もし小売業者が単独でこの問題に取り組もうとした場合、より高価な包装と双方向輸送のために莫大なコスト増に見舞われることになるでしょう」と語る。

そこで同氏は、買い物客が購入した商品を再利用可能なパッケージにまとめて週に一度の配送にする新スタートアップ「Olive」を立ち上げ、この状況を変えようとしている。

Oliveは、Adidas(アディダス)、Anthropologie、Everlane、Hugo Boss(ヒューゴ・ボス)、Outdoor Voices、Saks Fifth Avenue(サックス・フィフス・アベニュー)など、何百ものアパレルブランドや小売店と提携している。消費者がサインアップした後、OliveのiOSアプリやChromeブラウザー拡張機能をインストールし、「通常通り小売店やブランドのサイトで直接買い物をすると、Oliveがそのチェックアウトプロセスをサポートし、自動的にOliveアカウントの詳細情報を入力してくれます」とファウスト氏は語る。

Image Credits: Olive

商品はOliveのコンソリデーション(混載)施設に送られ、そこで一旦保管され、1週間分の出荷にまとめられる。小売業者は通常通りに製品を出荷しているため、梱包材はまだ使用されているが、少なくとも消費者が廃棄する必要はない。ファウスト氏によると、最終的には小売店との連携を強化して、包装材の削減や廃止に取り組んでいきたいという。

それまでの間は、環境への大きな影響は「配達をより少ないラストマイル停車に集約すること」から来るとファウスト氏は語った。同社は、配達のアイテム数を2倍にすることで、アイテムごとのカーボンフットプリントを30%削減できると推定している。

毎週の配送は、米国のほとんどの地域では普通郵便で行われ、そして密集した都市部では地元の宅配業者が配達する。荷物はリサイクル可能な素材で作られた再利用可能なシッパーに入って届き、返品する場合はOliveアプリで商品を選択した後、シッパーに戻してラベルを裏返すことで返送できる。

実際、ファウスト氏は、返品手続きの利便性(ラベルを印刷する必要がなく、地元のFedExやUPSの店舗に出向く必要がない)が、環境への影響を気にしない買い物客にとってもオリーブの魅力になるはずだと主張している。

「環境への影響を最大にするには、環境への影響以外のセールスポイントがなくてはなりません」と同氏はいう。

消費者は通常の送料を支払うだけで、Oliveの配送は追加料金なしで利用できる。

ファウスト氏は、OliveがAmazon(アマゾン)のような、購入した商品をできるだけ早く届けることを目的とした他のeコマースサービスとの「力の誇示合戦」に逆行するものであることを認めている。しかし、消費者調査の結果、買い物客は他のメリットを得るためにはもう少し待ってもいいと思っていることがわかった、とファウスト氏は述べている。

さらに、Oliveがアパレルから始めようとしているのは、他のカテゴリーに比べて「スピードに対する期待値が低い」ことと、1週間に1つの商品しか注文しなくても、配送の経済性が十分に発揮されるほどの商品価格があるからだとも同氏は述べた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:eコマース

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nakazato)

有名人から零細事業者まで利用するライブビデオショッピングTalkshopliveが約3億円調達

Talkshoplive(トークショップライブ)は、ショッピング専門のライブビデオをホストするのにPaul McCartney(ポール・マッカートニー)氏、Garth Brooks(ガース・ブルックス)氏のようなスターや零細事業者と協業しているスタートアップだ。同社は米国時間2月16日、シードラウンドでSpero Venturesから300万ドル(約3億2000万円)を調達したと発表した。

CEOのBryan Moore(ブライアン・ムーア)氏は同社を姉妹のTina Moore(ティナ・ムーア)氏と2018年に設立した。ブライアン氏は以前、Twentieth Television(前Twentieth Century Fox)とCBS Televisionでソーシャルメディアの事業を率い、中国でのライブストリームを使った買い物体験の興隆に感化されてTalkshopliveを立ち上げたと語った。

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と同時に、ブライアン氏は中国でうまくいっていることをコピーするだけでは十分でなかったとも述べた。「ここでは零細企業は異なり、人材も異なり、そしてニーズも異なります」。同氏の見方では、クリエイターや事業者がすでに顧客がいるところで自身の顧客に会えるようにすることがカギの1つだという。この点が競合サービスと異なると同氏は述べた。

一例を挙げると、Talkshopliveでは消費者はビデオを視聴するために追加のアプリをダウンロードする必要はない。その代わりTalkshopliveや同社のパートナーのウェブサイト、ビデオが埋め込めるその他のところで使えるビデオプレイヤーを作った。再生されるビデオには、ワンクリックで購入できるボタンが含まれている。

ブライアン氏はTalkshopliveがMatthew McConaughey(マシュー・マコノヒー)氏、Alicia Keys(アリシア・キーズ)氏、Dolly Parton(ドリー・パートン)氏、そして前述のブルックス氏やマッカートニー氏といった有名人と協業して書籍と音楽にフォーカスして事業を開始したと話した。たとえばブルックス氏は2019年に自身の「Legacy Collection」ボックスセット100万点超を前売りするためにTalkshopliveを使った。

書籍では、Harper Collins、Penguin Random House、Simon & Schuster 、Macmillanなどの出版社と協業してきた。ブライアン氏は、著者が他のeコマースサイトで目にするものの3〜9倍の売上をTalkshopliveはもたらす、と主張した。

と同時に、同氏はTalkshopliveが3500超の零細事業者と協業していることを強調した。そして、零細事業のオーナーがTalkshopliveで放送するとき、「あなたはストーリーを語れることで自前のマイクロファンダムを作っています。零細事業であっても自身をブランドストーリーにしているのです」。

そして「人々が番組で2万5000ドル(約265万円)を動かすのをサポートすることができるとき、それは零細事業者にとって巨大なディールです」。

そうした意味で、ブライアン氏はTalkshopliveを以前のソーシャルメディアでの仕事の続きだととらえていると述べた。すべては「デジタルの時代に、あなたはいかに人間のつながりを作っているか」という質問でつながる。「最終目標」はプラットフォームをあらゆる場所の事業所にとって「デジタルメーンストリート」にすることだと同氏はつけ加えた。

直近では、Talkshopliveは食品や美容といったカテゴリーにも手を広げ、同氏はSperoの創業パートナーであるShripriya Mahesh(シュリプリヤ・マヘシュ)氏と「継続的にプロダクトを発展させ、急速展開するのに役立つツールを作り出し、これらの恩恵を事業者へ還元」に対してともに取り組むことに興奮している、と述べた。

「Talkshopliveのチームと出会った瞬間から、我々は中小企業が新しくてクリエイティブ、そしてイノベイティブな方法で事業を構築できるようにすることにチームが注力していることに感銘を受けました」とマヘシュ氏は声明で述べた。「Talkshopliveはまた、バイヤーがセラーに真に関わり、知り合い、まったく新しい方法でショッピングを体験する方法でマーケットプレイスモデルを刷新しています。我々はTalkshopliveで形成されつつあるコミュニティに信じられないほど興奮しており、コミュニティやマーケットプレイスが成長する中でブライアンやティナ、チームとともに働くのを楽しみにしています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Talkshoplive資金調達eコマース

画像クレジット:Talkshoplive

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

未公開企業ファームのMarlinがeコマース最適化プラットフォームのLengowを買収

フランスのスタートアップLengowは、Marlin Equity Partnersが会社の過半数の株式を取得したことで、新たなオーナーを得た。Lengowはeコマースリスティングを最適化するためのSaaSプラットフォームを運営している。なお、買収条件は明かされていない。

現在、多くのセラーは一度に複数のeコマースサイトに商品を掲載している。たとえばある企業が自社のeコマースサイトを持ちながら、Amazon(アマゾン)やeBay(イーベイ)などでも商品を販売することができる。そして、異なるマーケットプレイスで同じサードパーティのセラーが出品していることに気づくかもしれない。

複数のeコマースプラットフォームにまたがって手動で商品をリストアップするのは、非常に面倒だ。一方、Lengowは可能な限り多くのステップを自動化しようとしている。まず、商品情報管理システム(PIM)やeコマースのバックエンド(Akeneo、Shopify、Magento、WooCommerceなど)にLengowを接続することで、商品をインポートできる。

その後、一度に複数の販売チャネルで商品を公開できる。Amazon、Google Shopping、Criteo、Instagram(インスタグラム)といったマーケットプレイス、価格比較ウェブサイト、ソーシャルネットワーク、アドテックのプラットフォームなどが対象となる。

Lengowはまた、注文を追跡したり、在庫が不足しているときのルールを作ったり、広告戦略を管理したりするのにも役立つ。本質的には、電子商取引のすべての可動部分をつなぎ合わせる接着剤ともいえる。Lengowを利用している加盟店は世界中で4600社に上る。

Marlinは、今回の買収を成長投資だと表現している。同社はLengowの潜在能力がまだ十分に発揮されていないとし、今後数年間でLengowの価値を高めることを計画している。「私たちはLengowの成長軌道と継続的な国際的な拡大をサポートするために、当社の運営と財務のリソースを活用することを楽しみにしています」と、Marlinの会長であるRoland Pezzutto(ローランド・ペズット)氏は声明で述べている。

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タグ:Lengoweコマース買収Marlin Equity Partners

画像クレジット:Mike Petrucci / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter)

「ヘッドレス」eコマースプラットフォームFabricが早くもシリーズAで約45億円調達

FabricはGNCやABC Carpet、Homeなどの企業にeコマース機能を提供している。同社はこのほど、シリーズAで4300万ドル(約45億円)を調達した。

Fabricはこの発表からわずか4カ月前に、950万ドル(約9億9000万円)のシードラウンドを発表している。CEOのFaisal Masud(ファイサル・マスウド)氏によると、ここまで早く資金を調達するつもりはなかったが、成長と投資家の関心を見るかぎり「成長を遅らせるよりは、今行けるところまで行く」という積極路線を選ばざるをえなかったという。

というわけで、本誌のこの記事もある。ラウンドをリードしたのはNorwest Venture Partnersで、NorwestのScott Beechuk(スコット・ビーチク)氏がFabricの取締役会に加わる。他にRedpoint VenturesとSierra Venturesも投資に参加した。

ビーチク氏の説明によると「Fabricはドラッグ&ドロップで簡単に構成できて、しかもリッチでモダンな顧客体験を大きな開発チームがなくても作れる唯一のヘッドレスコマースプラットフォームだ。しかし最も重要なのは、CEOのファイサル(・マスウド)氏と共同創業者のRyan Bartley(ライアン・バートリー)氏が、AmazonやeBay、Staples、Grouponなどで経験を積んだeコマースの優秀なベテランであることだ。彼らは顧客の気持ちがよくわかり、既存のプロダクトよりもはるかに優れたプロダクトで、eコマースの市場を変革することができる」。

eコマースはパンデミックの間に急成長し、ネットショップを持たない「ヘッドレス」なプラットフォームも増えた。マスウド氏のブログで説明されているが、ヘッドレスではショッピング体験のフロントエンド(ネット店舗)とバックエンド(ショップの経営)が別になる。

しかしマスウド氏によると「今日の市場ではギャップがまだ大きい」という。D2Cであっても、B2Bであっても、特に大きな成長ブランドをサポートするのが難しい、とマスウド氏は語る。

画像クレジット:Fabric

「よく言うことだが、私たちを高速道路だとすると、Shopify PlusはオンランプでSalesforce Commerce Cloudがオフランプとなる。つまりFabricのサービスが合う企業は『Shopify Plusという服は小さすぎてもう合わないが、Salesforce Commerce Cloudはまだ贅沢すぎる』というレベルの企業となる」とマスウド氏はいう。

そんな顧客にサービスを提供するためにFabricには、既存のeコマースツールと統合して使うアプリケーションが32ある。それらのアプリケーションは、顧客体験やプロダクトの情報、注文の管理など、さまざまなタスクを引き受ける。

マスウド氏の主張によると、ヘッドレスのeコマースプラットフォームを自称しているプロダクトの多くは、粗末な作りのサイトであるため、ヘッドレスと自称しているだけだという。

「それらが作られたのは2007年ごろで、柔軟性、自由度がなく、モジュール構造になってない」とマスウド氏はいう。そんな古いプラットフォームに大きな顧客を乗せようとすると工事には18カ月かかるが、Fabricなら数週間で済むという。

また同社によると、顧客はAmazonなど既存のマーケットプレースに出店していてもよいという。しかし以前、AmazonベーシックとAmazonウェアハウスのディレクターを務めていたマスウド氏によると、彼らだって独自に差別化されたショッピング体験を構築した方がいいし、顧客との直接的な関係を築くべきだという。

「私はAmazonベーシック作りましたが、Fabricはそれぞれの顧客のためのAmazonベーシックです。だからこそ、しっかりと差別化してほしいし、自分のマーケットプレイスとしての道を進み、顧客との直接的なビジネスを築いてほしい」とマスウド氏は語る。

Fabricは今回の資金で、営業とマーケティングのチームを拡大し、プロダクトの改良も継続したいという。現在、マスウド氏は大企業や小企業にはあまり関心がなく、むしろ「副操縦士のようなアプリケーションを提供して成長を一層支援できる」ような中規模の企業に関心があり、オーダーのロジスティクスやフルフィルメントの部分を補強するアプリケーションを提供などを考えているという。

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タグ:Fabric資金調達eコマース

画像クレジット:Christina Reichl Photography/Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)

独Berlin Brands GroupがD2CとAmazon加盟店を約318億円で買収

D2C(消費者直接取引)事業の興隆が直近10年の大きなeコマーストレンドの1つであるなら、D2Cプレイヤーを統合するための巨大な資金を調達するスタートアップの成長は間違いなく2020年のテーマだった。

その最新の動きとして、Berlin Brands Group(ベルリンブランドグループ、BBG)というドイツのスタートアップは中小企業の買収・統合に2億5000万ユーロ(約318億円)を投資する計画であることを発表した。

統合レースにおける競合相手となりそうな企業の多くが、流通とロジスティックでAmazon(アマゾン)のフルフィルメント(配送センター)に頼っているAmazon Marketplaceに主にフォーカスしている一方で、創業者でCEOのPeter Chaljawski(ピーター・チャルジャウスキー)氏は欧州の既存のターゲットマーケットにおいては少し状況は異なる、と話す。

「M&Aマーケットでの米国と欧州の大きな違いの1つは、欧州の方がより細分化されていることです」と同氏は述べた。「米国ではD2CセラーはAmazonをかなり利用しています。欧州では代替の選択肢が多くあります。フランスような一部のマーケットでは消費者はAmazonに対して好意的ですらありません」。もちろんこれは消費者に直接販売し、またすべてのマーケットプレイスを迂回することに加わる要素であり、BBGにとって大きなフォーカスであり続けるエリアだと同氏は述べた。BBGはプロダクトを販売するのに計100のチャンネルを使っている。

BBGはほぼ自力で巨大で儲けの多い事業を構築したという点で、消費者にとって典型的なeコマーススタートアップではない。ベルリンで大きなeコマースプレイヤーであるにもかかわらず、BBGはベルリンで創業された有名なeコマース事業インキュベーターであるRocket Internet(ロケットインターネット)とつながりはない。

買収に割り当てた2億5000万ユーロはBBGの懐から拠出される。TechCrunchが把握しているところでは、同社が成長を続けるために自社外でかなりの額の資金を調達するのに先駆けて行う。BBGは過去に資金を調達しているが(PitchBookによると額は非公開)、今回のものはクローズすれば初の大きなエクイティラウンドになる。

BBGは収益を上げている自前のD2C事業をゼロから構築した。2005年に創業された当初はオーディオ機器を専門とし(チャルジャウスキー氏は過去にDJになるという野望を抱いていた)、いまでは14ブランドの2500ものアイテムを扱っている。順調に成長を続け、28のマーケットで販売している。

BBGがとってきたコングロマリットモデルはさまざまな部門を網羅している。その多くは電化製品(オーディオ機器やフィットネス機器、家電を含む)で、auna、Klarstein、Capital Sportsといったさまざまなブランドの下で販売されている。これまでに1000万点超のプロダクトを販売し、収益を上げていて、2020年の売上高は3億ユーロ(約380億円)だったと同社は話す。

新たな買収ではガーデニング、家庭リビング用品、スポーツ、電化製品、家電のブランドやプロダクトに注力し、50万〜3000万ユーロ(約6300万〜38億円)の売上を目指す。

BBGはほぼオーガニック成長してきた一方で、2020年12月に家庭用品ブランドSleepwiseを買収し、非オーガニックの事業拡大に初めて足を踏み入れた。チャルジャウスキー氏いわく、Sleepwiseは「とてもすてきな毛布」を作っているとのことだ。

すてきな毛布の快適さは、助けになるかもしれない。これまでの成功にかかわらず、多くの難題がBBGを待ち受けている。

まずは競争だ。BBGの戦略変更と買収計画は、この分野における統合が始まろうとしている最中でのものだ。Amazonのようなマーケットプレイスで成功を収めたものの拡大に向けはっきりとした道筋を描けていない小さなブランドを統合するのにひと握りの資金を用意している。

競合相手にはThrasio(最近企業を買収するのに借金で5億ドル=約524億円を調達した)、SellerXHeydayHeroesPerchなどがある。

ファイナンシャルタイムズ紙が2020年12月に報じた記事では、これら企業がこのモデルに基づいて新しいオンライン消費者帝国を築くのに合計で少なくとも10億ドル(約1047億円)を調達したと推測している。

これら企業のビジョンは実に明快だ。次のUnilever、あるいはP&G、Sony(ソニー)を作り出したいのだ。そして実現するために製造やロジスティック、規模の経済、セールス分析、マーケティングにおける新たなイノベーションに新経済モデルやテクノロジーを活用している。

別の難題は、これまで意図的にそしてオーガニックな道をとってきた同社が多くの新ブランド統合でいかに成功し、効率的に統合を行うかだ。そうしたブランドにはカルチャーがあり、事業提携の関係もともなう。

そして3つめの難題は、高品質ブランドのソーシングだ。以前TechCrunchが指摘したように、Amazonを例にとると、そこでは膨大な数のどうしようもないようなものが売られている。卸売サイトを買い取ってAmazonで再販するような人たちの産業も含まれる。これが、多くの販売業者が特定の部門で似たようなプロダクトを販売する1つの理由だ。こうしたマーケットプレイスのセラーは、検索結果の長いリストのトップに自分たちのプロダクトがくるようにSEOやたくさんのレビューのようなものを活用している。消費者にとっては実際にいい買い物ではなくてもだ。つまり、手に入れたいホットな企業を探している企業にとって誤解を招くようなシグナルとなることを意味する。

マーケットプレイスにいかに力を加えるか、そしてどれくらいのブランドやそれらのオーナーがこうしたものを自前で構築するのか。その間のバランスは今後数年興味深いものになりそうだ。Amazonやそれに近い企業は成長を続け、かなり効率的になった。しかし、これはそうした企業がサードパーティにとって使い勝手がいいというより、あまりにもパワフルすぎることをときに意味する。

一方で我々は別の永続的なテーマを目の当たりにしている。スタートアップと大手企業の存在が小規模のプレイヤーがゲームに参戦し続けられるようサポートするためにツールを作り続けているということだ。ここにはShopifyのような大手企業だけでなくGoSiteShogunXentralといった新手のプレイヤーも含まれる。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi)

eコマースの広告効果アップを目指すShopalystが新プラットフォーム立ち上げ

インドのShopalystは、ブランドや企業がデジタル広告の広告効果を最大化することができるDiscovery Commerce Cloudという新しいプラットフォームを立ち上げた。

共同創業者でCEOのGirish Ramachandra(ギリッシュ・ラマチャンドラ)氏によると、Shopalystは広告からeコマースを横断した「買い物客が1つのシームレスな旅」ができるよう開発されたという。現在のシステムではそれはサポートされていない。

同社初のプロダクトは「ユニバーサルな購入ボタン」であり、Shopalystは2020年にベータテストを行ってきたクロスプラットフォーム広告用の幅広いツールセットに「自然に進歩した」とラマチャンドラ氏はいう。

Discovery Commerce Cloudは5つのモジュールで構成されており、ラマチャンドラ氏によれば合わせて利用するのがベストだが、個別でもよいという。モジュールは、以下のとおりだ。

  1. 消費者が何を探しているか、メディアやeコマースプラットフォームで何が人気があるかについての情報を得ることができるマーケットインテリジェンスプトダクト
  2. オーディエンスの関心、行動、購買意図に基づいて広告をターゲットにするオーディエンスインテリジェンスプロダクト
  3. Google Ads、DV 360、Facebook、Instagram、Amazon Ads、Twitter、TikTokに広告を配信するユニバーサルアドマネージャー
  4. ブランドの消費者向けサイトでの即時チェックアウト、eコマースマーケットプレイスでの比較ショッピング、即時配送、実店舗の検索をサポートするランディングページビルダー
  5. 顧客ファネル全体を測定するリアルタイムのメトリクス

画像クレジット:Shopalyst

ラマチャンドラ氏によると、上記のUniversal Ads Builderで作った広告は各プラットフォーム向けに最適化され、オーディエンスのデータに基づいて動的に生成されるクリエイティブを使用しているという。またランディングページビルダーを使うことで、ブランドは視聴者の「ショッピングでの行動」に関する新しいデータを収集することもできる。

「以前は小売業者はデータを共有していないため、ブランドはショッピングでの行動を知ることはできなかった。それはすべて変わりました。ブランドはShopalystでファーストパーティデータの取得が可能になり、今後の適切な広告キャンペーンを行うことができます」とラマチャンドラ氏はいう。

Shopalystの顧客にはUnilever、Nestle、Diageo、Nivea、L’Oreal、Estee Lauderなどがいる。同社は最初、インドの市場に焦点を当てていたが、現在では30カ国で利用になっている。

Shopalystによると、ベータテストではDiscovery Commerce Cloudを使ったキャンペーンは、ターゲティング適正率は3倍に、オーディエンスの注目度は5倍に、広告に影響されたショッピングは8倍に向上したという。

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タグ:Shopalyst広告eコマース

画像クレジット:Shopalyst

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)

AIでファッショントレンドを予測し商品開発を行うFinesseが4.7億円調達、Z世代がターゲット

ファッションのトレンドの予測から、当てにならない推測による時間の無駄を省くことを目指すスタートアップFinesseが、シードとプレシードのラウンドで450万ドル(4億7000万円)のベンチャー資金を調達したと発表した。

ファウンダーでCEOのRamin Ahmari(ラミン・アーマリ)氏は「ファッション業界が毎年、途方もない無駄を出しているのは公然の秘密です」と述べた。たとえば著名なアパレルブランドのBurberry(バーバリー)は売れ残った商品を焼却するという同社の慣行に対する批判の高まりに直面している。業界全体ではおよそ1300万トンの繊維製品が廃棄物となっていると推定されている

アーマリ氏は「Finesseの目的は、これを変えることです」と語った。ファッショントレンドがファッションショーというクローズドな世界からソーシャルメディアに移行している。これにより新商品がKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)のようなインフルエンサーが実際に着用することで人気になるケースが増えている。

「インターネット上のデータなら我々は自由にアクセスできます。以前、働いていた金融ビジネスに比べればファッション業界ははるかに予測しやすい。自然言語処理やディープラーニングなどのツールをファッションビジネスに適用するテクノロジー・スタートアップがまだ存在していなかっただけです」とアーマリ氏は述べた。

「つまりカイリー・ジェンナーがInstagramに新しいファッションの写真を投稿し、人々がそれに夢中になっているとしましょう。【略】データはカイリーの投稿だけではありません。Instagram、TikTok、Google(グーグル)トレンド全体で何が起きているかを推測できます。我々は新しいファッションがブレークする前に、次のトレンドを予測できるのです」。

画像クレジット:Finesse

Finesseは予測データをベースに新商品を開発する。アーマリ氏はCLO 3Dモデリングソフトウェアなどのツールを利用すれば「サプライチェーンの大幅な高速化」が可能だとする。Finesseはトレンドの推定から25日以内に、ユーザーが実際に商品を購入できるようにすることができると述べた。

Finessは米国時間1月27日に正式スタートしたが、すでに「ドロップマーケティング」を通じて商品販売を行っている。ユーザーはほしいアイテムに投票し、予約する。商品は数量限定だ。アーマリ氏によれば、Finesseは売れ行きが予測しやすい定番商品ではなくユニークなアイテムに重点を置いているが、需要に自信があるため商品を手頃な価格にすることができるという。事実、現在販売されている商品は8ドル(約830円)から116ドル(約1万2100円)の価格帯だ。

また多くのファッション企業と違い、アーマリ氏は、Finesseは巨大で費用のかかるデザイン部門を抱える必要がないと指摘している。ただしプロダクト担当バイスプレジデントのAndrea Knopf(アンドレア・クノップ)氏、プロダクト開発責任者のBrittany Fleck(ブリタニー・フランク)氏などのメンバーについて「彼ら自身が優秀なアーティストです」と述べた。

「本当のAIが実現しない限り(これはもちろん遠い目標です)、AIがクリエイティブになることはできない。ユーザーからのフィードバックがどうしても必要です。【略】私たちが排除したいのは、この業界で給料の安いインターン社員がこなしている重労働です。私たちは非常に効果的なテクノロジーによってInstagramなどを通じて新しいファッショントレンドを見つけています」とアーマリ氏は説明する。

アーマリ氏はまた、持続可能性とLGBTQコミュニティとの関係も重視しており(アーマリ氏自身、自分が男女の性別に区分けされることを拒むノンバイナリーだと認めている)、プロダクトはすべてユニセックスのものとしてデザインされている。Finesseは「白人高齢シスジェンダーの男性」が支配するファッションにうんざりしているZ世代の消費者をターゲットにしている。

このスタートアップの投資家には、Hoxton Ventures、MaC Venture Capital、Mango Capitalなどのベンチャーキャピタルに加えて元Twitterのエンジニアリング責任者であるAlex Roetter(アレックス・レトラー)氏、Collective HealthのCEOであるAli Diab(アリ・ディアブ)氏、Fab Fit Funの共同ファウンダーであるSam Teller(サム・テラー)氏らの個人投資家も含まれている。

MaCのマネージングパートナーMarlon Nichols(マリオン・ニコルズ)氏は声明で「Finesseは、トレンド予測から持続可能なサプライチェーンの構築に至るまで、まさにファッションの未来であると信じています。Finesseによる創造的破壊から他のファッションブランドが学ぶべきことは多いと考えており、次に何をしてくれるのか大いに期待しています」と述べている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Finesseファッションネットショッピング人工知能

画像クレジット:Finesse

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECプラットフォーム「NOIN」(ノイン)を運営するノインは1月26日、KDDIとの協業を目的として「KDDI Open Innovation Fund 3号」(KOIF3号)より出資を受けたと発表した。同提携により、両社協力のもとノインのメインユーザーである20代・30代の女性向けに、化粧品販売におけるオンラインカウンセリングの導入など新たなオンラインでの化粧品購入体験の創造に取り組んでいく。

NOINは、最先端技術を使ったオンラインカウンセリングや、自身に似合う化粧品のオンライン版タッチアップ・レコメンドのシステム実装により、ユーザーが感じる「ネットでコスメを選びにくい」をオフラインでもなくしていくという。

また、au Payのような決済、コマースサービスとの連携、KDDIが運営するプラットフォームとのシナジー創出により、さらに多くの「コスメ選び」に悩む女性とつながり、ひとりひとりの課題を解決するとしている。

近年のEC市場の拡大により、日用品などはオンライン購入が一般的となったものの、経済産業省「令和元年度電子商取引に関する市場調査」によると化粧品についてはオンラインの購入比率は約6%と低く、対面のカウンセリングが可能な店舗での購入が中心という。

一方ノインの調査「外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」によると、コロナ禍により、外出自粛期間中はスキンケア商品などを中心にオンライン購入比率が約64%に上昇するなど、今後オンライン販売の拡大が期待されているとした。

「<a href="https://speakerdeck.com/tivash/wai-chu-zi-su-qian-hou-niokeruhua-zhuang-pin-gou-ru-niguan-sitefalseyi-shi-diao-cha-repoto"  width=

外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」、調査対象:化粧品プラットフォーム「NOIN」に登録するユーザー、調査方法:アプリ内でアンケートを実施、対象地域:全国、調査期間:2020年5月28日~2020年6月3日・有効回答数:2350名

KDDI Open Innovation Fundは、スタートアップ企業を支援するコーポレートベンチャーファンド(CVC)。KDDIとグローバル・ブレインで2018年4月に立ち上げた「KDDI Open Innovation Fund 3号」は、運用総額約200億円規模で、エンターテイメント、ホーム、IoT、ビッグデータ、フィンテックなどを注力分野としている。

ノインでは「誰でも自分に合う化粧品に、あたりまえに出会える世界」を目指し、化粧品ECプラットフォーム「NOIN」事業をはじめ、化粧品ブランドのEC進出支援などを実施。現在ノインで取り扱う化粧品は1万5000点を超えているという。

またメイクアップ術やメイクの悩みを解決するオリジナル記事の提供などを通じ、顧客に最も適した化粧品をアプリ(Android版iOS版)で見つけるサポートも展開。アプリは累計ダウンロード数250万を突破し、月間アクティブユーザー数も10代から30代前半の女性を中心に約60万ユーザー超となっているそうだ。

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

このほか、プライベートブランドとして、ヘアオイルtioo(ティオ)、トレンドのメイクアップアイテムsöpö(ソポ)も開発・販売している。

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Pinterestがアイシャドウを購入前に試せるバーチャルメイク機能を発表

Pinterest(ピンタレスト)は米国時間1月22日、オンラインショップの買い物客が新しいアイシャドウをバーチャルで試用できる拡張現実機能を発表した。当初はLancome(ランコム)、YSL(イヴ・サンローラン)、Urban Decay(アーバンディケイ)、NYX Cosmetics(ニックス コスメティックス)などのブランドの約4000種類の製品を画面上で試すことができる。

Pinterestによれば、この「AR Try on(日本では「バーチャルトライ」)」機能は、既存の「Pinterest レンズ」と呼ばれるカメラで撮影した画像から検索する技術や、検索結果をさまざまな肌の色から選択する機能、そしてコンピュータビジョンを使ったおすすめ機能を活用しているという。また、同社はデータパートナーであるModiFace(モディフェイス)の技術も取り入れており、顔認識によってデジタル化されたパラメーターを元に、選択したアイシャドウがModiFaceのデータベースでマッピングされ、高画質なレンダリングが行われる。

これがPinterestによる最初のバーチャルメイク機能というわけではない。同社は1年前に口紅のAR Try onを開始している。この機能を使ってバーチャルで試用できる口紅の色は、現在では1万色にまで拡大しており、Estée Lauder(エスティローダー)、bareMinerals(ベアミネラル)、Neutrogena(ニュートロジーナ)、NARS(ナーズ)、Cle de Peau(クレ・ド・ポー)、Thrive Causemetics(スライヴコーズメティックス)、NYX Professional Makeup(ニックス プロフェッショナル メイクアップ)、YSL Beautét(イヴ・サンローラン・ボーテ)、Lancôme(ランコム)、Urban Decayなどのブランドによる4800万枚の「ピン」から見つけることができる。Kohl’s(コールズ)などの小売店も、消費者にリーチするためにAR Try onを利用している。

今回新たに導入されたアイシャドウのAR Try onでは、色や価格帯、ブランドなどの条件で商品検索結果を絞り込むことが可能だ。気に入ったものを見つけたら、すぐに購入したり、ボードに保存したり、関連ボタンを使って似たような色合いのピンを探すことができる。

画像クレジット:PInterest

アイシャドウへの拡張は、ユーザーが単に個々の色を試すだけでなく、より多くのフルメイクを試すことができるようになったことを意味する。Pinterestによれば、トグルで口紅とアイシャドウを切り替えて、一度に複数の製品を試すことができるようになったという。ModiFaceのアプリや、YouCam メイクSephora(セフォラ)のVirtual Artist(バーチャルアーティスト)Ulta(ウルトラ)のGLAMLab(グラムラボ)などのARビューティーアプリが登場したことによって、ARを使ったバーチャルメイクアップ体験はここ数年で人気が高まっている。また、L’Oréal(ロレアル)はウェブサイト上で「Live Try-On」を提供したり、Facebookと提携してバーチャルメイクアップをソーシャルメディアに導入している。Target(ターゲット)のオンラインストアも、バーチャルメイクアップを提供している。

さらに最近では、GoogleがARバーチャルメイクアップの分野に参入。当初はYouTubeで一部の美容インフルエンサーが自分の動画にARを使った化粧品の試用を組み込むことができるという、限定的な機能の提供を開始したが、2020年12月にはModiFaceと提携し、Google検索でバーチャルメイクアップ機能を導入。ARを使った化粧品の試用体験を本格的に取り入れた。

しかし、今回のPinterestによる新たな発表は、視覚的な検索技術とバーチャルメイクに関しては、再びGoogleより先行したことを意味する。PinterestではGoogleよりも多い口紅の試用を提供するだけでなく、今では製品分野までも拡大し、アイシャドウのバーチャル試用も可能になったのだ。

Pinterestによると、このAR Try on機能は、ビジュアルなショッピング体験を創造し、顧客の意思決定プロセスの早い段階でリーチしたいと考えているブランドに無料で提供されているという。同社はショッピングを含む広告を通じて収益を上げ続けており、AR機能それ自体で儲けたり、AR Try onで購入に結びついた製品の売り上げから利益の一部を求めることはしないという。

「AR Try onのような機能を導入して、Pinterestをショッピングに利用しやすくすることで、このプラットフォームはPinners(Pinterestユーザー)にとってさらに魅力的で実用的なものになり、その結果、広告の利用率やクリック率が増える可能性があります」と、広報担当者は説明している。また「Try onのような有機的な機能や、製品のピンを作成するためのカタログの取り込みによって、ブランドがサイト全体のアクセス数を引き上げ、それが我々の収益戦略を補完することになるのです」と、広報担当者は指摘している。

PinterestがAR Try on機能にアイシャドウのサポートを加えたことは、時勢にかなっている。一部の美容ブランドの売り上げは、新型コロナウイルスによって落ち込んでいる。マスクを着用する際に隠れてしまう唇に口紅を使っても意味がないため、特にリップスティックの販売が激減しているのだ。代わって現在の美容トレンドは、目を強調することにシフトしており、明るく大胆な色のアイシャドウや、ワイルドなフローティングアイライナー大きな付けまつ毛などに注目が集まっている。これはもちろん、ソーシャルメディアに投稿する写真を撮影する時の効果も狙ったトレンドだ。

Pinterestによると、実際にこのAR機能は潜在的な顧客に購入を決断させている傾向が見られるという。2020年のPinterestの調査によると、ユーザーはAR Try on体験の利用を始めると、平均6色の口紅をバーチャル試用し、それから購入意思を示す可能性が、通常のピンと比べて5倍に増えたという。

新しいアイシャドウのAR Try onは、米国では1月22日より、iOSとAndroid向けアプリのPinterestレンズで利用できる。

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タグ:Pinterestネットショッピング拡張現実化粧

画像クレジット:Pinterest

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(翻訳:TechCrunch Japan)

WeChatのeコマースが急成長、年間取引額は約25.6兆円

WeChat(ウィーチャット)はソーシャルネットワーキングアプリとして10年が経とうとする中、ショッピングへの野望を高め続けている。この中国のメッセージアプリは年間取引額にして1兆6000億元(約25兆6200億円)を仲介した。スーパーアプリで実行されるサードパーティのサービス「ミニプログラム」を通じて、ユーザーは服を買ったり、食べ物を注文したり、タクシーを呼んだりできる。

これは2019年のミニプログラムの取引額の2倍だ。ネットワーキングの巨人である同社はこれをビジネスパートナーとエコシステム開発者のための年次会議で発表した。通常、WeChatはホームタウンである中国南部の広州で開催するが、2021年はパンデミックのためオンラインで行った。

Alibaba(アリババ)の最大の競争相手であるeコマースのスタートアップのPinduoduo(拼多多=ピンドゥオドゥオ)は、第3四半期に合計2147億ドル(約22兆円)の取引を記録した。

WeChatは2017年の初め、Apple(アップル)のApp Storeへの挑戦とも見られた動きでミニプログラムを導入し、時が経つにつれメッセージアプリを人々の生活を維持するオンラインインフラに仕立てていった。WeChatがホストするサードパーティのライトアプリがいくつあるのかは最近明らかにされていないが、2018年までにその数は100万に達し、当時のApp Storeの半分を占めた。

Tencent(テンセント)の戦略的観点から、ミニプログラムをベースとした取引の成長は、フィンテックビジネスを強化するという同社の目標をさらに促進するのに役立つ。同社のフィンテックビジネスにとってデジタル決済は重要な収入源だ。

WeChatのミニプログラムの大部分はゲームであり、女性と中年のユーザー、および中国のティア3の都市に住むプレイヤーの増加により、月間ユーザー数が5億人を超えたとWeChatは述べている。

このバーチャル会議では、2020年の月間アクティブユーザー数が12億人を超えた中国最大のメッセージアプリから、一連のマイルストーンも発表された。

毎月のユーザーのうち5億人がWeChat検索機能を利用した。中国のインターネットはTencent、Alibaba、Baiduなどの巨人が管理するいくつかの壁に囲まれた庭に分けられており、競合他社のサービスをブロックすることがよくある。ユーザーがWeChatで検索すると、実際にはオープンウェブではなく、メッセージアプリやSogou、Pinduoduo、ZhihuなどのTencentの同盟国で公開されている情報を取得する。

WeChatによると、2億4000万人が「決済スコア」を利用している。この機能が2019年にデビューしたとき、それはWeChatが消費者信用金融に参入し、政府の社会信用システムに参加したことを示しているとの憶測があった。WeChatは2021年のイベントで、WeChatスコアはどちらも行っていないと繰り返した。

Ant Group(アントグループ)のセサミスコアと同様、WeChatの評価システムは「販売者とユーザーの間の信頼を構築するように設計」されたロイヤルティプログラムのように機能する。たとえば特定のスコアに達した人は、WeChatで業者のサービスを使用するとき、デポジットを免除されたり、支払いを遅らせたりすることができる。WeChatによると、このスコアによりユーザーは年間300億ドル(約3兆1200億円)以上のデポジットを回避することができた。

WeChatの法人バージョンのアクティブユーザーは1億3000万人を超えた。最大のライバルであるAlibabaが運営するDingtalkは、2020年3月に1日のアクティブユーザーが1億5500万人に達している

終日行われたイベントは、WeChatを生み出したAllen Zhang(アレン・チャン)氏の待望の登場で締めくくられた。チャン氏は、Snap(スナップ)のストーリーにいくぶん似ているWeChatの初期のショートビデオ機能について非常に長い時間をかけて話した。同氏は「広報チームが許可していない」ため、ショートビデオのパフォーマンスについては明かさなかったが、「私たちが自分たちの目標を設定する場合、それは達成されなければならない」と述べた。

チャン氏はまた、WeChatチームがユーザー向けの入力ツールを検討していると発表した。Tencentの巨大な規模を考えると、これは小さなプロジェクトだが、このプロジェクトは「プライバシー保護」に対するチャン氏の信念を反映している。WeChatのユーザーデータの扱いについて一般の人々が懐疑的であるにもかかわらずだ。

「ユーザーのチャットの履歴を分析すれば、その会社に大きな広告収入をもたらすことができます。しかし、私たちはそういうことはしません。WeChatはユーザーのプライバシーを大切にします」とチャン氏は主張した。

「しかし、なぜWeChatで今。発言したことに関連する広告がいまだに表示されるのか。WeChatに限らず、情報を処理するチャネルは他にもたくさんあります。そこで私たちの技術チームは『自分たちで入力ツールを作成してみては』といったのです」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:WeChat中国eコマース

画像クレジット:WeChat founder Allen Zhang

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(翻訳:Mizoguchi

Amazonプライム会員の解約手続きがわかりづらいと欧米の消費者権利団体が苦情

Amazon(アマゾン)が、意図的に「Amazonプライム」の解約プロセスに摩擦を加えている、いわゆるダークパターンを使用していると、欧米の16の消費者権利団体から標的にされている。これらの団体は、規制の介入を促すために協調的な行動を取っている。

そのうちの1つであるノルウェーの消費者協議会(NCC)は、eコマース大手のAmazonが提供する有料会員サービスであるAmazonプライムの解約プロセスを「操作的」で「不合理に面倒」と表現した報告書を発表した。このリポートはイーグルスの名曲に出てくる歌詞をもじって「You can log out, but you can never leave(ログアウトはできるが、退会はできない)」という題が付けられている。

「有料会員を解約するのは、最初に申し込みした時と同じように簡単であるべきです。Amazonは顧客の邪魔をしたり、顧客を騙して必要のない有料サービスを継続させたりするのではなく、良いユーザー体験を促進するべきです」と、NCCのデジタル施策担当ディレクターであるFinn Lützow-Holm Myrstad(フィン・リュッツオ=ホルム・ミルスタッド)氏は声明で述べている。

「このような行為は、消費者の期待と信頼を裏切るだけでなく、欧州の法律に違反していると考えています」と、同氏は付け加えた。

プライム会員はAmazonの武器の中で重要なツールであり、確実に定期的な収益を生み出すと同時に、無制限の「無料」お急ぎ便配送(マーケットプレイスの商品では対象となる一部に適用される)というニンジンを使って、ユーザーが自分から何度も購入したくなるように仕向けている。

Amazonがプライム会員に「甘い汁」として用意している特典には映画、テレビ番組、音楽、ゲームのストリーミング配信や、会員限定のお得なショッピングプログラム、会員限定セールなども含まれている(特典の内容は市場によって異なるが)。

しかし、会員が解約しないように「縛る」ような雰囲気も確かにあり、それが苦情の元になっている。実際に契約を終了するボタンを見つけるためには、複数のメニューを間違いなくたどっていく必要があり、まぎらわしい言葉で書かれた複数の選択肢から選び、様々な気を散らすおよび / もしくは無関係なインタースティシャル(間に挟まるページ)を見せられ、ページをスクロールしなければならない。

そして忘れてはいけないのが、これは有名な「1クリック」ボタンの特許を取得した会社であることだ。消費者のお金を会社の利益に繋げるためには、極めて簡単なプロセスを用意しているのだ……。

NCCは以下のような動画を作成し、Amazonがプライム会員を解約から翻意させるために仕かけたダークパターンを説明している。この動画には、プライム会員を解約しようとして悪戦苦闘させられるユーザーがアニメで描かれているのだが…いや、正直にいってなんともわかり難い。

Amazonの何度もクリックを強いるプライム会員解約の手順に対する苦情はデンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、スイス、ノルウェー、米国の消費者団体によって訴えられており、様々な国および地域の消費者保護法が関係する。

たとえばNCCの訴状では、ノルウェーのマーケティングコントロール法(Marketing Control Act)を参照している。これはEUの「不公正な取引慣行に関する指令」を実行するもので、訴状の中で説明されているように、「サービス提供者が異なる市場でどのようなマーケティング、商業慣行、サービス条件を使用することが許されるか」の枠組みを定めている。

「マーケティングコントロール法第6条は、不公正な商行為が禁止されているという指令第5条の一般条項を実行するものです。不公正な商法を構成するものは第6項の第2段落で定義されており、消費者に対する『善良な商習慣』に違反し、それがなければ消費者がしなかったであろう決断をするように仕向け、消費者の金融行動を大幅に変えることができる場合には、その商法は不公正であると記されています」と、NCCは主張している。

協調的な苦情の中には、それほど型式張ったものではなく、消費者保護機関に調査を促す書簡の形をとるものもある。たとえば米国では、FTC(連邦取引委員会)に「Amazonの行為を調査し、FTC法第5条に違反していないかどうかを分析するように」求めている。

ドイツの消費者保護機関であるVZBVは、Amazonプライムの解約手順を現在評価中と我々に語ったが、ノルウェーの苦情とは「少し違う」と指摘しており、この問題について裁判所に差止命令を出すかどうかはまだ明らかになっていないと述べた。

「他の消費者団体とは異なり、私たちは当局に訴状を送っているわけではありません」と、VZBVの広報担当者は付け加えた。「私が勤務するドイツ消費者団体連合会(VZBV)は、法的な警告を発したり、停止および差し控えの要求が満たされない場合には、消費者保護法を侵害する企業を自らの権限で訴えることができます。今回の訴えに十分な法的価値が認められる場合には、そのようにしていきたいと考えています。しかし、先ほど申し上げたように、まだ完全に決まったわけではありません」。

我々は、Amazonにプライムの解約手順に対する苦情についてコメントを求めたが、それはオンラインでの「数回のクリック」または「簡単な電話」だけで済むと主張し、プライム会員の解約を不明瞭かつ困難にしているということは否定した。

以下がその声明の全文だ。

Amazonはプライム会員がいつでも解約できるように、オンラインで数回クリックするだけ、簡単な電話をするだけ、または会員オプションで自動更新をオフにするだけで、解約できるようにしています。お客様の信頼は、当社のすべての製品とサービスの中心にあり、当社の解約プロセスが不公正であるとか、不確実性を生むという主張は受け入れられません。当社は、プライムサービスと会員の生活をより快適にする数々の方法に大きな誇りを持っていますが、お客様がいつでも簡単に退会できるようにしています。オンラインの解約手順では、解約することで受けられなくなる特典やサービスの全貌をご紹介しています。

消費者団体が結束して、大手テック企業に怪しげな慣行を変えるよう圧力をかけることは、新しい現象ではない。たとえば2018年に遡ると、多くの欧州の団体が、Google(グーグル)による位置情報の「欺瞞的な」収集行為に対する苦情を取りまとめた。1年近く前にアイルランドのデータ保護委員会が正式な調査を開始しており、これは現在も継続中だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazoneコマース

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

EC界の寵児マーク・ローリー氏がJet.comを3115億円で売却し4年余りでWalmart退社

Walmart(ウォルマート)のエグゼクティブバイスプレジデントで、米国内eコマース部門の社長兼CEOを務めていたMarc Lore(マーク・ローリー)氏が、自身のeコマース会社Jet.comを30億ドル(約3115億円)でWalmartに売却してから4年余りで退任することになった

ローリー氏の在職期間については、批判と称賛がある。Walmartは、ローリー氏の在職期間中にいくつかの新しい技術イニシアチブを打ち出したが、Jet.comのサービスは2020年5月に閉鎖され、顧客がテキストで商品を注文できるオプションのようなローリー氏の他のイニシアチブも、アーカンソー州を拠点とするWalmartにとっては赤字となった。

「ローリー氏が2021年1月31日に退任した後は、2021年2月1日から、米国の小売eコマースのすべての側面を含む米国事業は、米国Walmartの社長兼CEO、John Furner(ジョン・ファーナー)氏の管理下におかれる」とWalmartは登記で述べている。

Walmartは、金融サービスの開発に特化した新事業を立ち上げるなど、テック関連の取り組みを次々と進めてきた。

そちらのイニシアチブは、フィンテック投資会社であるRibbit Capitalとの戦略的パートナーシップによって行われており、2018年に立ち上げたインキュベーター「Store N⁰8」も含むスタートアップテックのポートフォリオに加えられている。

「過去数年を、誇りを持って振り返っています。Walmartは私の人生を変えてくれましたし、我々が一緒に行った仕事はこれからも長い間、お客様の生活を変え続けていくでしょう。Walmartファミリーの一員になれたことは光栄に感じており、今後もアドバイスやアイデアを提供できることを楽しみにしています」とローリー氏はLinkedinに投稿された声明の中で述べている。「今後、私は休暇を取り、いくつかのスタートアップ企業と仕事を続ける予定です。今後もみなさんに、最新情報をお届けすることを楽しみにしています」。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ウォルマートeコマース

画像クレジット:Patrick T. Fallon/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

アマゾンなどの「プラットフォーム経済」上で成立するスタートアップを支援するCrossbeamが26億円調達

数多くのベンチャー投資家は次なるAmazon(アマゾン)やShopify(ショッピファイ)に資金援助したいと考えるだろうが、Crossbeam(クロスビーム)はそれらのプラットフォーム上で成立するスタートアップを支援する新しい企業だ。つい最近、初めての資金調達を2500万ドル(約26億円)でクローズした。

これまでも、SellerX(セラーエックス)、Perch(パーチ)、Heroes(ヒーローズ)など、Amazonで事業を行う業者を買収し拡大させる潤沢な資金を持つスタートアップを紹介してきたが、CrossbeamのゼネラルパートナーであるAli Hamed(アリ・ハメド)氏も同様に、大きな好機を示す場所としてAmazonを指名する。Amazonでのサードパーティーの売上げが2019年には2000億ドル(約20兆8000億円)に達したことを挙げ、ハメド氏はこう話した。「このスペースでの勝者は100社にのぼるでしょう」。

さらに彼は、同社はAmazonだけに特化しているわけではないと語る。Thumbtack(サムタック)、Spotify(スポティファイ)、 Shopify(ショッピファイ)も、Crossbeamが投資対象とする「プラットフォーム経済」だという。2020年の秋に発行されたMedium(メディアム)の記事で、彼は詳しく説明している。

「Facebook(フェイスブック)の株を持つより、私たちはInstagram(インスタグラム)のアカウントを持ちたいと考えます。Amazonの株を持つより、サードパーティーの小売業者をたくさん所有したいと考えます。さらにGoogle(グーグル)の株を持つより、YouTube(ユーチューブ)のライブラリーを持ちたいと考えます。

なぜか?そうした株の魅力を高めている追い風は、そのプラットフォーム上で商売をしている業者にも及んでいるからです。しかし、資本市場はまだそのスペースに本格的に乗り出していません。従来型のファンドは、そうしたプラットフォームの構成要素に資金提供するようには作られていないからです。一番の問題は、それらプラットフォーム上の経済エコシステムの多くは、成熟したばかりなので、それぞれの資産を評価するための既存のモデルがないことです」

ハメド氏と、ゼネラルパートナーのSavneet Singh(サブニート・シン)氏は、ともにCoVenture(コベンチャー)のパートナーでもある。この企業は、もともとは技術的なサービスを提供する代償にエクイティを得ていたが、今ではスタートアップへの資金貸付に重点を置いている。CrossbeamはCo Venture、Moelis Asset Management(モエリス・アセット・マネージメント)、Fenway Summer(フェンウェイ・サマー)とのジョイントベンチャーだと彼は説明している。ビジネスが軌道に乗ったときに、CrossbeamはCoVentureから追加資金の貸付を受けている。

1つのプラットフォーム上に事業を構築するスタートアップのリスクについて尋ねると、ハメド氏は、1つのプラットフォームでオーディエンスを固め、後に多様なプラットフォームに展開するほうが理に適っていることもあるが、それはプラットフォームによる、と話す。鍵となるのは「そのプラットフォームが自分に代わって儲けを生んでくれるか」だと彼は主張する。

「他のプラットフォームに手を広げてみると、稼ぎを助けてくれるところと、そうでないところとがあります」とハメド氏は電子メールで述べた。「YouTubeは助けてくれます。私たちに代わって広告で稼ぎ、その一部を私たちに分けてくれるからです。Instagramは違います(特別なケースを除いてInstagramは広告収入を分けてくれません)。【略】そのため各プラットフォームの『ありがたさ』は、それぞれなのです」。

最初のファンドをクローズする前にも、Crossbeamはすでにデジタルメディアの企業Wave.tv(ウェーブ・ティービー)、訴訟のための融資企業Litty(リッティー)、オンデマンドの訴状送付スタートアップProof(プルーフ)、サードパーティーのAmazon小売り業者を買収する企業Acquco(アクコ)の6社に投資を行っている。

関連記事:ベルリン拠点のSellerXが約122億円調達、Amazonマーケットプレイスのセラーを買収予定

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タグ:eコマースCrossbeam資金調達

画像クレジット:jayk7 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

小規模オンラインストアが大規模ストアと同様のデータ分析を利用できるTreslのSegments Analytics

Treslのフラッグシップ製品であるeコマースインテリジェンスプラットフォームのSegment Analyticsは、Shopifyでストアを運営している小規模ブランドが大手オンライン販売業者と同様の分析を利用できるようにするものだ。LinkedInの元データサイエンティストが創業したTreslは現在、CESの台湾テックアリーナに出展している

Segments AnalyticsはShopifyのストアのデータを分析し、ブラウズの傾向や利用金額、リピート購入の動向に基づいて訪問者を30以上のあらかじめ用意されたセグメントに自動で分類する。

これによりブランドは購入者のグループを特定し、Segments Analyticの提案を元にターゲットに応じたキャンペーンを展開できる。データ分析、マーケティング、ユーザー獲得にあまり費用をかける必要はない。たとえばすでに一度購入したものの間を空けずに広告やプロモーションを目にしない限りは再び購入することはない、というセグメントを特定できる。Segments Analyticsはメール、Facebook、Googleなど複数のチャネルにわたる広告に対して利用することができる。

Treslは、Segments Analyticsを利用するブランドは利用開始から1カ月以内にカート放棄(または未購入アイテムがある顧客に送信されたリマインダー)のクリック率が30%上がり、売上が前月比で40%増えたとしている。

Segments AnalyticsはShopifyアプリストアから利用でき、サブスクリプション料金は1カ月79ドル(約8200円)からだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TreslネットショッピングCES 2021データ分析

画像クレジット:Visoot Uthairam / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

eコマースを最適化するTradeswellが16.1億円調達、データサービスを充実

2020年10月にローンチしたTradeswellが米国時間1月13日、シリーズAで1550万ドル(約16億1000万円)を調達したことを発表した。

共同創業者でCEOのPaul Palmieri(ポール・パルミエリ)氏はそれまで、デジタル広告企業Millennial Mediaを率いていたが、同社は現在、TechCrunchの親会社であるVerizon Mediaの傘下だ。彼によると、今日のeコマース市場は、彼がMillennialを経営していたときのオンライン広告の市場と同じで、さらなる最適化と自動化が必要になっているという。

Tradeswellは、eコマースビジネスのマーケティング、リテール、在庫、ロジスティクス、予測、ライフタイムバリュー、財務という6つの要素にフォーカスする。eコマース企業が顧客のクリック数や購入を増やすだけでなく、純利益を上げていくためには、これらの要素の改善が欠かせない。Tradeswellはこれらのプロセスの一部、たとえばオンライン広告の購入を完全に自動化する。

Tradeswellは同社の成果の一例として、Amazonプライムデーで売り出しをしているパーソナルケアのブランドを挙げる。このブランドは前年のプライムデーと比べて売上が倍増し、利益が67%増加した。

Tradeswellはこれまでに計1880万ドル(約19億6000万)を調達している。シリーズAはSignalFireがリードし、同社はTradeswellのシードラウンドもリードしている。ほかにConstruct CapitalとAllen & Company、The Emerson Groupも参加した。

SignalFireの創業者でCEOのChris Farmer(クリス・ファーマー)氏は、声明で次のように述べている。「昨年のeコマースの爆発的な成長にともない、Tradeswellはブランドがさまざまなプラットフォームやマーケットプレイスで販売していくときのオンラインセールスにおける複雑性の管理を支援できる完璧な位置に立っている。ポール(・パルミエリ)と彼のチームは、データとマーケティングとロジスティクスのユニークな組み合わせで、今日やこれからの急速に進化する市場の問題に対応できる。彼らが提供するものは、利益をともなう成長を最適化するための中心となるコマンドセンターだ」。

パルミエリ氏によると、新たな資金でTradeswellはプロダクトへの投資を継続し、新たな統合により、さらに多くのタイプのデータを「消化」して、リアルタイムの意思決定をより多くできるようにする、という。

Tradeswellが2020年に公開ローンチしたときはすでに100社の顧客がいて、それが現在では150社に達している。パルミエリ氏は、買い物のeコマースへのシフトというトレンドは、パンデミックが終わっても定着すると予想している。

「以前の状態に戻る人もいれば、オンラインに定着する人もいる。その中間は、気にする必要がありません。たとえばコンビニ並の利便性の向上やeコマースと物理店舗の併存、モバイルでの注文、インスタカート方式のeコマースなど、話題はいろいろありますが、どれもそれほど重要ではありません」とパルミエリ氏はいう。

当然ながら彼は、Tradeswellを、企業がこのシフトをナビゲートするのを助ける重要なプラットフォームと考えている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Tradeswelleコマース

画像クレジット:Tradeswell

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

従業員の死や過酷な労働時間への批判をよそに中国のeコマースPinduoduoの株価・ダウンロード数に揺るぎなし

急成長している中国のeコマースプラットフォームのPinduoduo(拼多多、ピンドゥオドゥオ)は、1人の従業員の死が会社の過酷な労働時間に対する批判に火をつけた後、そのPRの嵐を乗り切っている。

話題になっている21歳の従業員は2020年末の深夜、会社からの帰宅途中に倒れた。死因は明らかにされていないが、ネットユーザーは彼女が過労死したのではないかと推測している。

ハッシュタグ「#PinduoduoEmployeeSuddenDeath」の付いた投稿は、中国のSNS微博(ウェイボー)で3億の投稿数に達した。これとは別に、中国時間1月9日には別のPinduoduoの従業員が27階のアパートから飛び降り自殺した。現地の労働当局は、上海に拠点を置くPinduoduoの労働条件を精査していると報じられている

中国時間1月10日には、元Pinduoduoの従業員が、動画で同社のストレスの多い労働文化に抗議の声を上げ、Alibaba(アリババ)最大のライバルに対する世間の非難に油を注いだ。彼は、Pinduoduo本社の従業員は月に最低300時間(週に約75時間)の勤務を要求されるのに対し、新しく設立された食料品デリバリー部門の従業員は最低380時間の労働時間を要求されていると主張した。帰宅途中に倒れた従業員は、新疆ウイグル自治区西部にあるPinduoduoの食料品事業に従事していた。

事情に詳しい筋がTechCrunchに語ったところによると、Pinduoduoの特定のプロジェクトで働く従業員は月に300時間以上働く可能性があるものの、強制ではないという。会社全体では、スタッフは午前11時から午後8時まで勤務することが義務付けられているとのこと。

Pinduoduoからのコメントは得られなかった。

中国での長時間労働はPinduoduoに限ったことではない。一連の事件は、週6日午前9時から午後9時まで働く従業員を指す用語である「996」をめぐる議論を再燃させている(この言葉は中国の熾烈なインターネット業界で見られる、他の形態の過酷な労働体制を指すこともある)。

大衆の反発やPinduoduoに対するボイコットを求める声にもかかわらず、同社の市場での地位は揺るがないようだ。データ分析会社のJiguang(ジグアン、极光)によると、同社のアプリのダウンロード数は2週間前の最初の従業員の事件以来、安定しており、インストール数がわずかに増加している日もあるという。2021年1月8日現在、Pinduoduoのインストール数は約6億5000万件に達している。

ニューヨークで取引されている同社の株式は、米国時間2020年12月28日の144ドル(約1万5000円)から2021年1月5日には187ドル(約19000円)まで上昇し、1月11日には174ドル(約18000円)までわずかに下落した。TechCrunchがコンタクトを取ったPinduoduoのVC投資家数名は、この記事へのコメントを差し控えた。

これらの数字は多くを物語っているかもしれない。中国の富裕層が住む都市部でより多くのユーザーを引き付ける努力をしているにもかかわらず、相当な数のPinduoduoユーザーは中国の内陸部や農村部の町に住んでいる。大都市を拠点とするテック大手の「996」文化は彼らにとっては遠い存在かもしれないが、「バカ安い」商品で有名なeコマースアプリ「Pinduoduo」のお買い得品は、目に見えて触れられるものなのだ。

関連記事:中国の長時間労働にスタートアップが反撃

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pinduoduoeコマース中国

画像クレジット:Jack Ma via Weibo

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(翻訳:Nakazato)

パンデミックで需要が高まるeコマースプラットフォームのNacelleがシリーズAで18.7億円調達

新型コロナウイルス時代に消費者がオンラインショッピングに向かったことは多くのウェブストアに思いがけぬ追加収入をもたらした。同時にこのトレンドは、eコマースサイトのショッピング体験をスムーズにし運営の効率化を支援するデベロッパーツールのマーケットにも新たな活気を吹き込んだ。

パンデミックの中、ロサンゼルスを拠点としてeコマースのインフラストラクチャーの提供を目指すNacelleは投資家から注目を集めているスタートアッップの1つだ。

ウェブサービス企業はいわゆる「ヘッドレス」プラットフォームを構築して、ショッピングサイトのフロントエンドとバックエンドが対話する中間過程を改良することによりシステムの効率化を図る。Nacelleのテクノロジーを利用するデベロッパーはサイトのパフォーマンスを向上させるだけでなく、スケーラビリティをアップし、ホスティングのコストを節約させ、より洗練されたショッピング体験を提供できるとしている。

NacelleはこのほどInoviaがリードしたシリーズAのラウンドを完了し、1800万ドル(約18億7000蔓延)の資金を調達した。投資家にはAccomplice、Index Ventures、High Alpha、Silas Capital、Lerer Hippeauが参加している。同社は2020年半ばに480万ドル(約5億円)のシードラウンドを実施したばかりだ。わずか半年後にシリーズAが実施されたわけで、この速いペースはeコマース事業に対する投資家の関心が大きく高まっているいるのだろう。

同社のCEOである Brian Anderson(ブライアン・アンダーソン)氏は TechCrunchの取材に対し、「小売業が新型コロナ下でも好成績を上げていることは秘密ではない。表面に見えにくいビジネス構造の変化は新型コロナによる一時的なものではないと私は考えています。同時に(ショッピングサイトを運営する)マーチャント側ではパフォーマンスの改良にいっそう力を入れています」と述べた。

Nacelleが努力の中心としているのは 消費者に過度の負担をかけることなくとなくスムーズにプラットフォームに引き入れることだ。アンダーソン氏は「これまでは自社内の他のサービスのデータを統合することが苦痛をもたらすリスクがありました」と指摘する。Nacelleのサービスは「リッピング・アンド・リプレース」の防止を目指している。同社のテクノロジーは顧客が複数のサービスを統合しようとする場合、データをすべてコピーてして「まったく新しいシステムを再構築する」必要をなくすことが目的だ。

同社のユーザーは主にeコマースサイトを持つ中小規模の小売業だ。Nacelleは、顧客獲得のために代理店と緊密に提携しており、ShopifyPlusの代理店を運営していた時代に培ったアンダーソン氏の人脈も利用している。

消費者はショッピングを実店舗をeコマースへとシフトさせてきたが、2020年8月にIBMが発表したU.S. Retail Indexのデータによると、パンデミックはこのシフトを一気に過去5年分推し進めたという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アジャイルなeコマースツールの拡大を目指すSpryker、5億ドル超の評価額で1億3000万ドルを調達

今日の企業は、柔軟性のあるeコマース戦略を確立し、潜在顧客との接続性を確保することがこれまで以上に求められている。このような市場の推進力により、大企業を始めB2B市場をターゲットにする企業を支援し、より機敏で即応性のあるeコマースソリューションでデジタルセールスオペレーションを展開するスタートアップが大きな成長ラウンドを実現させた。

企業向けのeコマースツールのフルスイートを提供するSprykerが1億3000万ドル(約135億円)の資金調達ラウンドを完了した。同社は、企業の在庫をオンライン化するプラットフォームとその販売状況や場所を分析・測定するツールに至るアプローチで事業を開始し、ボイスコマース、サブスクリプション、クリック&コレクト、IoTコマースのような新たな機能やその構成を整備するチャネルなどでビジネスの幅を広げている。

調達した資金は、同社独自のテクノロジーツールの拡大とグローバル展開のために活用される予定だ。同社の収益は年間約5000万ドル(約52億円)で、現在の収益の約10%は米国から来ている。今後の計画としては、年間約70億ドル(約7200億円)の価値があると推定されるeコマースソフトウェア市場に挑み、より広範な拡大の一環として事業を成長させていくという。

シリーズCを主導したのはTCVだ。この著名な投資家はこれまでにFacebook、Airbnb、Netflix、Spotify、Splunkなどの大手に投資してきているが、SprykerやRelexのような新進気鋭のeコマース「配管系」スタートアップも支援していることは興味深い。以前の支援者であるOne PeakとProject A Venturesも参加した。

ベルリンを拠点とするSprykerは、今回の資金調達により5億ドル(約517億円)以上の評価額となったと言われている。

現在Sprykerは約150の顧客を有し、有名ファッションブランドを始めとする数々のグローバル企業を支えている。Alexander Graf(アレキサンダー・グラフ)氏と共に同社を立ち上げ、同氏と共同CEOの役割を共有するBoris Lokschin(ボリス・ロクシン)氏は自身の顧客層について「窓用のシリコンアイソレーションを販売しているようなあまり聞いたことのない影のチャンピオン、リーダー、ブランド」まで多岐にわたると表現している。Metro、Aldi Süd、Toyotaのほか多くの企業が同社の顧客リストに名を連ねている

同社の主要な展望は、あらゆる種類の大企業に向けたeコマースツールを構築してその広範なビジネスの発展と成長を推進することにあるが、特にB2B領域の事業機会を強化し、よりアジャイルなeコマースストアフロントの実現やその周囲のマーケットプレイスの展開にこの資金の一部を活用する計画である。

eコマースの世界では、消費者向けの企業が最もダイナミックで即応性の高いものであるべきだという考えが一般的だろう。それは、巨大なマーケットに対峙し、消費者がショッピングカートを途中で放棄したり、他でより良い商品を探したり、TikTokの動画やダイレクトメッセージの最新通知に気を取られたりするようなあらゆる浮動性や競争力に直面しているからだ。

消費者向け企業にとって、ディスカバリーとコンバージョンを向上させる最新のアドテク、マーケティング技術、ツールを確保することが必須となる。

ところがビジネス向け企業もまた、注意散漫な顧客の流動性や課題に関してさほど無縁ではないということが判明した。とりわけ世界的なパンデミックとその経済的影響に翻弄されている現在の市場においてはなおさらだ。彼らもまた、新しいチャネルや技術を試して顧客を引きつけたり、ディスカバリーを支援することからメリットが得られるのだ。

「B2B企業のオンラインでの成功モデルに必要なことは、独自性でも資金でもないことを私たちは認識しました。ツールが必要なだけなのです」とグラフ氏は説明する。「俊敏に動き、想定事項すべてを試すことがより大きな成功を導くことは、すでに実証されています」 。

Sprykerは大規模な企業を支援する会社としての地位を築いてきた。この視点は小規模な小売業者がShopifyのようなソリューションを採用してきた様態と類似している。

ある意味「Walmart対Amazon」が複数の垂直市場にわたり展開されている様相だ。それがB2Bの分野で繰り広げられているというところだ。

「私たちの最大のDIY顧客[かつては主に商取引のみの得意先を有していたような]の1社は、実店舗の品揃えとアクセス方法に制限があったため、マーケットプレイスを構築する必要がありました」とロクシン氏は語る。「これ以上の品揃えが本当に必要なのか、と思うかもしれません。しかし、何百万もの製品を提供するMano ManoやAmazonのような新しいプロバイダーが存在します。古い企業は競争力を維持するために自らマーケットプレイスになる必要があるのです」。

Spryker自身でさえも、そうしたマーケットプレイスのトレンドと無縁ではないようだ。資金調達の一部はAppStoreに関する技術の開発に投じられる。そこではeコマースツールに関して同社が提供するものを補完するサードパーティツールを企業に提供することができる。

「私たちは30~40の支払いプロバイダーを含む何百ものテックプロバイダーと統合しています」とロクシン氏は続ける。

Sprykerは「ヘッドレスプロバイダー」として知られるeコマース企業のカテゴリーに属している。つまり、「PaaS」(サービスとしてのクラウドベースプラットフォーム)モデルによる、APIベースのアーキテクチャなど統合しやすいモジュールを利用したeコマースツールプロバイダーだ。

このカテゴリーでは同社以外にも、イタリアのCommerce Layer、ドイツの別のスタートアップCommercetools、米国のShogunなど、同様のコンセプトを掲げる多くの企業が欧州と米国の両方で事業を展開している。

Sprykerの主張は、新しい会社である(2018年に創設)ことでより最新のスタックを有しており、彼らより前に現れたスタートアップや、SAPやOracleのような既存プレイヤーよりも優位に立つというものだ。

これはTCVや他の企業を惹きつけた要因の一つであり、Sprykerは計画していた時期(来年の第2四半期を目指していた)よりも早くラウンドをクローズしたが、良い条件で完了した。

「商業インフラ市場は、長年にわたりTCVにとって最優先事項でした。eコマースの発展を背景に急成長している大きな市場です」とTCVで社長を務めるMuz Ashraf(マズ・アシュラフ)氏はTechCrunchに語った。「支払い(Mollie、Klarna)、基盤インフラ(Redis Labs)、エンゲージメントシステム(ExactTarget、Sitecore)など、コマーススタックの他の分野にも私たちは投資してきました。伝統的なオフラインベンダーはデジタルコマース戦略の見直しを進めており、その軌跡を踏まえると、eコマースはさらに市場を加速するでしょう」。

「Sprykerの動向を追跡してきた私たちは、彼らのソリューションが、最大の価値を生み出す環境を構築する最新ソリューションを求める企業のニーズを満たすと考えています。将来を見据えたコマースサービスを提供し、消費者に革新的な体験をもたらしてくれることでしょう」。

関連記事:パンデミックを追い風にブラジル版IKEAのMadeiraMadeiraが197億円調達、評価額1039億円超に

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(翻訳:Dragonfly)

パンデミックを追い風にブラジル版IKEAのMadeiraMadeiraが197億円調達、評価額1039億円超に

IKEA(イケア)やWayfair(ウェイフェア)のブラジル版ともいえるMadeiraMadeiraは、ソフトバンクのラテンアメリカ投資ファンドとブラジルの公共・民間投資会社Dynamoが主導したレイターステージラウンドで1億9000万ドル(約197億4000万円)の資金調達を終え、今や評価額約10億ドル(約1038億9000万円)の企業となった。

家具や生活雑貨に特化したオンラインマーケットプレイスであるMadeiraMadeiraは、顧客が家を建てたり、家具を整えたり、リフォームしたり、インテリアデコレーションしたりする際に利用できるよう、約30万点の製品を提供している。

Daniel Scandian(ダニエル・スカンディアン)氏、Marcelo Scandian(マルセロ・スカンディアン)氏、Robson Privado(ロブソン・プリバド)氏によって2009年に設立された同社は、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの結果、ブラジルでも起こったオンラインショッピングへの移行が大きな追い風となった。

店舗が閉鎖されたことで、ブラジルでのオンラインショッピングは急増した。ダニエル・スカンディアン氏が指摘するように、ブラジルでのeコマースの普及率はパンデミック前は約7%だったが、パンデミックの最盛期には17%にまで膨れ上がり、現在は約10%で安定している。

スカンディアン氏によると、サードパーティのプライベートブランド商品の販売と、自社の配送・物流施設を組み合わせることで、MadeiraMadeiraは、複数のオンライン小売業者や家具インテリア量販店のベストプラクティスを活用することができるという。

MadeiraMadeiraのプラットフォームには1万以上の売り手が存在し、約250万ユニットの在庫を保管している。ここ数年、同社は顧客がオンラインで注文を済ませ、実店舗で商品をチェックアウトできる小売施設の中にショールームを加えた。

「こうすることで、デジタルマインドセットを持ちつつオフライン市場に取り組めます」とスカンディアン氏は述べている。

最新の資金調達で得た資金は、既存の10カ所の拠点に新たな倉庫施設を追加して物流能力を拡大するための投資に充てられる予定だ。同社はまた、同日配送やプライベートラベルサービスの拡大も視野に入れている。

今回の資金調達はおそらく株式公開前の最後のラウンドと見られており、FlybridgeやMonasheesといった以前からの投資家に加え、公開に焦点を当てた投資会社であるVelt、Brasil Capital 、Lakewoodなどが参加している。

Monashees、Kaszek、Fundo Avila、Endeavour Catalystなどの初期投資家や、Wayfairの創設者Niraj Shah(ニラージ・シャー)氏、Build.comの創設者Christian Friedland(クリスチャン・フリードランド)氏などのエンジェルバッカーがMadeiraMadeiraの初期の成功に貢献した、とスカンディアン氏は述べている。

ブラジル南部の主要都市クリチバに拠点を置くMadeiraMadeiraは、1300人以上の従業員を擁し、その大部分はテクノロジー、ロジスティック、製品開発に集中している。

「今回の新たな投資により、MadeiraMadeiraがラテンアメリカのホームプロダクツのリーダーとしての地位を固めていく中で、MadeiraMadeiraの長期的な価値創造のビジョンへのコミットメントを高めていきます。最初の投資以来、MadeiraMadeiraの経営陣は約束したことをすべて実現しており、彼らへの信頼はますます高まっています」とソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドのマネージング・パートナーであるPaulo Passoni(パウロ・パッソーニ)氏は述べた。

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画像クレジット:MadeiraMadeira

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(翻訳:Nakazato)

Shopifyがトランプ大統領関連のオンラインストア「TrumpStore」を閉鎖

米国時間1月6日のワシントンD.C.での暴動を受けて、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のウェブ上の活動に対して行動を起こすテック大企業はFacebook(フェイスブック)だけではない。

トランプ大統領の選挙活動グッズ関連を扱うショップ、そして大統領の個人ブランドを扱うショップTrumpStoreがあるShopify(ショピファイ)はそれらを閉鎖した。

Shopifyは暴力を扇動する行動を容認しません。直近の事件に鑑み、当社はドナルド・トランプ大統領の行動が当社の利用規定に違反したと確認しました。利用規定では、脅したりさらなる暴力を招く組織、プラットフォーム、人々の促進やサポートを禁止しています」とShopifyの広報担当はTechCrunchへの声明文に書いた。「結果として、当社はトランプ大統領に関係するストアを閉鎖しました」。

Shopifyの決定についてはウォールストリートジャーナル紙が最初に報じている。

Shopifyは以前、どの顧客もプラットフォームを使う権利があると主張(未訳記事)し、CEOのTobias Lütke(トビアス・ルーク)氏が検閲と呼ぶものの実施を拒否したが、今回の決定は同社にとってその逆だ。

今は削除されている、ルーク氏による2017年のレターの中で、同氏は「商業はパワフルで、過小評価された表現手法だ」と書いている。

消費者による個々の購買と投票の間に平行線を描き、たとえ個人的に、そして組織としてプラットフォーム上の顧客の姿勢に同意しなくても、自由な表現を妨げるのはShopifyがすることではないとルーク氏は述べていた。

そうしたことがあった2017年以来、Shopifyはいくぶん姿勢を軟化させた。2018年に同社はプラットフォームから、Proud Boys組織などに関係するショップを含め、右翼グループを追放した(Proud Boysメンバーは1月6日の議事堂での暴動に関わった)。そしてBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)抗議が全米で起こったとき、Shopifyは公民権の組織に寄付をした。

同社の株はニューヨーク証券取引所で66ドル(約6860円)、おおよそ6%アップの1152.94ドル(約11万9800円)で取引されている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプアメリカeコマースShopify

画像クレジット:Eric Lee/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi