横浜国立大学が測距と振動検出が同時に可能な新方式LiDARを開発

横浜国立大学が測距と振動検出が同時に可能な新方式LiDARを開発横浜国立大学は10月25日、従来の光測定方式では難しかった、長距離の測距と振動分布の検出を同時に行える新しい「相関領域LiDAR(ライダー)」を開発したことを発表した。将来的には、空気中の粒子の運動や空気の流れを可視化し、感染症対策に貢献できるとしている。

横浜国立大学理工学部4年生の清住空樹氏と水野洋輔准教授は、東京工業大学の中村健太郎教授、芝浦工業大学の李ひよん助教授らとの共同研究で、光相関制御型の新方式LiDARを開発した。LiDARとは、レーザー光などの光を使って物の検知や測距を行う装置のこと。光相関制御型とは、光の干渉を利用したシステムであることを示している。

自動車部品や構造物の異常検知では、一般に、光測定を利用した振動検出技術が使われている。なかでも、ドップラー効果を利用したレーザードップラー振動計が主流とのこと。しかし、この装置は振動検出が主目的であるため測定範囲が短く、測距や高速で測定点の切り替えが難しい。そこで、長距離の測距も可能な振動検出技術を備えたセンサーの登場が待ち望まれていた。

通常のLiDARは、照射した光が対象物で跳ね返る反射光を分析して距離などを割り出すが、同研究チームは、反射光に参照光を当て、そこで生じる干渉を利用する方式をとった。レーザー光に周波数変調を加えると、光の干渉が強くなる「相関ピーク」が形成される。ここを測定点とすることで、様々な情報が得られる。相関ピークと重なった場所が振動していれば、その周波数や振動波形がわかるという。

相関ピーク、つまり測定点は、レーザー光の変調で制御できるため、複数の測定対象が広範囲に分布していても、変調でレーザー光に沿って測定点を移動(掃引)させれば測定が可能となる。実験により、48cmの範囲内の測距も、ほぼ正確に行えることがわかった。また、30kHzで振動する振動発生装置を測定したところ、30kHzの周波数が検出できた。

この相関領域LiDARを使うことで、将来的には空気の流れが可視化して、部屋の換気の状態やマスクの周りの乱流などが測定できようになると、研究チームは話している。さらに、人の脈拍、呼吸、心臓の微細振動、鼓動などの生体信号を非接触で測定できるようになるとのことだ。

アマゾンがAlexaを病院や高齢者施設に導入、Alexaで家族の呼び出しやニュースの確認などが可能に

Amazon(アマゾン)はすでにホテル集合住宅などの分野をターゲットに含めていたが、米国時間10月25日、医療機関や高齢者施設向けに新しいソリューションを展開すると発表した。このソリューションは、Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティーズ)の一部だ。Alexaデバイスを大規模に導入するニーズに応えるために特別に設計されており、施設の管理者は、患者や入居者のためにカスタマイズされた体験を作り出すことができる。

高齢者施設の入居者は、Alexaデバイスを使って家族など大切な人を呼び出したり、コミュニティでの出来事などのニュースを把握したりすることができる。Alexaデバイスは、お知らせ、音声メッセージによる入居者同士のコミュニケーション、音声通話やビデオ通話、チェックインやメンテナンスの依頼、さまざまな管理業務など、施設での活動の効率化にも利用できる。Amazonは、これが施設の効率化と生産性の向上に資すると考えている。

Amazonによると、Atria(アトリア)やEskaton(エスカトン)などの高齢者施設が、この新しいソリューションを導入するという。

高齢者施設でAlexaを利用する市場は、K4Connectのようなサードパーティプロバイダーがすでに開拓している。K4Connectは2020年、Alexaの音声アシストを含む新しいテクノロジーを高齢者や障害者に提供するため、シリーズBで2100万ドル(約24億円)を調達した。K4Connectをはじめ、Lifeline Senior Living、Aiva、Voceraなどの企業も、Alexa Smart PropertiesのツールやAPIを利用し、独自にカスタマイズしたソリューションやソフトウェアを展開しようとしている。

画像クレジット:Amazon

一方、AmazonはすでにCedars-Sinai(シダーズ・サイナイ)と共同で、試験的にAlexaを病室に置いている。患者は音声コマンドを使って、テレビのチャンネル変更などの基本的なタスクを実行したり、介護スタッフとコミュニケーションを取ったりすることができる。日常的な作業の一部をAlexaに任せ、看護師を医療に専念させる構想だ。

Amazonの病院向け新ソリューションにより、患者はAlexaを使って介護スタッフとコミュニケーションをとったり、自室の機器を操作したり、ニュースや音楽を楽しんだりすることができる。また、医療従事者は、Alexaの通話やDrop-In(ドロップイン)などの機能を使い、病室に入らなくても患者とコミュニケーションをとることができる。これが病院の生産性を向上させ、医療用品や手袋、マスク、ガウンなどの保護具を節約することもできるとAmazonは指摘する。パンデミックで新型コロナウイルスの症例が急増し、個人防護具の不足が複数の現場で継続的に問題となっていた。

Amazonによると、Cedars-SinaiはAlexa Smart Propertiesソリューションを正式に展開する企業の1つであり、上記のパイロットプログラムに続き、BayCareやHouston Methodistもその動きに名を連ねている。

「音声は、年齢や技術的な知識に関係なく、患者にとって直感的に使えるものです」とCedars-Sinaiの医療・外科サービス部門のエグゼクティブ・ディレクターであるPeachy Hain(ピーチー・ヘイン)氏は声明で述べた。「患者は、部屋に入ってすぐに、Alexaを使ってケアチームと連絡を取り合い、いろいろ楽しむことができます。ケア提供者は作業を効率化して患者さんのケアに時間を割くことができます。これは、私たちの病院での体験を向上させる完全なゲームチェンジャーです」と同氏は付け加えた。

Amazonはこれまで、音声の録音や書き起こしに関連したプライバシーの問題に悩まされてきた。医療機関や高齢者施設向けのソリューションでは、音声の録音は保存されず、ユーザーがデバイスを使用する際にAlexaと個人情報を共有する必要もないと説明する。また、ユーザーは上部のボタンでいつでもEchoのマイクをミュートすることができる。加えて、Amazonは、HIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)適格のAlexaの技術に基づく通信により、保護の対象となる健康情報を守るとしている。

Amazonは以前から、Alexaを医療機関に導入しようと取り組んできた。CNBCの2018年の報道では、音声アシスタントを医療の分野で役立てるために、Alexaを使ったヘルスケアチームを構築中だと伝えていた。そのために必要となる複雑なHIPAA規制をクリアすることも目指していた。翌年、HIPAAに準拠した最初の医療用技術を発表し、デバイスの病院での試験運用を開始した。Amazonは、他にもヘルスケアソリューションに投資しており、医師の診断書や患者の健康記録などから情報を収集する機械学習ツール「Amazon Comprehend Medical」のようなソリューションや、オンライン薬局PillPackのような買収などが投資の対象だ。

新しいAlexa Smart Propertiesソリューションは、いずれも11月から米国で展開されるとAmazonは話している。

画像クレジット:Amazon

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

クモの糸を上回る強度のあるミノムシの糸と導電性高分子を組み合わせた複合繊維材料を筑波大学が開発

クモの糸を上回る強度のあるミノムシの糸と導電性高分子を組み合わせた複合繊維材料を筑波大学が開発

筑波大学数理物質系の後藤博正准教授を中心とする研究チームは10月22日、ミノムシの糸と導電性高分子ポリアニリンを組み合わせ、両方の特徴を併せ持つ複合繊維の合成に成功したことを発表した。クモの糸を上回る強度のあるミノムシの糸にポリアニリンをコーティングすることで、ポリアニリンと同等の導電性や磁性のほか、光ファイバーのような特性があることもわかった。

ミノムシの糸は、弾性率、破断強度、機械的強のすべてにおいて、従来最強とされてきたクモの糸を上回る天然のシルク繊維であることが、近年、知られるようになった。一方、導電性高分子ポリアニリンは、原料が安価で合成も簡単なことから電池の電極や導電性インクなどに使われている。研究チームは、この2つの素材を組み合わせることで、それぞれの特徴以外に、ポリアニリン自体には備わっていない光学的な特徴も併せ持つ繊維材料を作ろうと試みた。

ミノムシの糸を水に浸し、水中でポリアニリンを合成すると、その過程でミノムシの糸にポリアニリンが吸着してコーティングされる。そうして作られた繊維を調べたところ、ポリアニリンと同等の電気導電性が示されたが、繊維の縦方向に異方性も認められた。また、この繊維で電気化学トランジスターを作って電圧をかけたところ、電極間の電流が大きくなった。繊維型トランジスターとしての応用の可能性が見えた。繊維の断面中心から緑色レーザーを照射したところ、光ファイバーのように、レーザー光が繊維に沿って進むこともわかった。さらに、導電性高分子に特徴的なパウリの常磁性(温度変化によらず一定の磁化率を示す)が確認された。

クモの糸を上回る強度のあるミノムシの糸と導電性高分子を組み合わせた複合繊維材料を筑波大学が開発

今後は、この導電性複合繊維で布やケーブルを作る予定だという。そこから、十分な力学的強度と導電性や静電防止機能を持つシートやワイヤーの開発が期待される。また、細い分子ケーブルに活用すれば、神経をモデルにした信号伝達の可能性もあるとのことだ。

誕生25周年記念モデルは「純白」、HHKB Professional HYBRID Type-S雪登場、税込3万6850円

人気のキーボードPFU「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」。「合理的なキー配列とコンパクトサイズ」を基本コンセプトに開発された本シリーズが登場したのは1996年12月のこと。つまり2021年で25周年となる。

リモートワークが普及し、プログラマーやエンジニアだけでなくキーボードにこだわるビジネスマンなどに広く支持されるこのHHKBに特別記念モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S雪」(税込3万6850円)が登場する。

Bluetoot接続もUSB-Cでの接続も可能。キーマップ変更機能もあり、静粛性も高い現行のフラグシップモデル「HHKB Professional HYBRID」を、要望が多かった「純白」に仕上げた本モデル。キートップや筐体だけでなく、パッケージも「純白」に。さらに25周年特別デザインキーも標準搭載している。

HHKBといえば無刻印も有名だが、今回交換用の「無刻印キートップセット(雪)」も発売される。従来は英語配列(税込4510円)だけだったが、日本語配列の無刻印キートップ(税込4950円)もラインナップする。

さらに6月に開催した「カラーキートップ新色募集キャンペーン」で投票上位になったカラーキートップセット2(税込1980円)も用意されている。

「Professional HYBRID Type-S雪」は本日、2021年10月25日より販売開始。国内2500限定(英語配列、日本語配列いずれも1250台)となっている。

AMDベースPCで発生するWIndows 11性能低下について2つの修正パッチがリリース

AMDベースPCで発生するWIndows 11性能低下について2つの修正パッチがリリース

AMD

先週、AMDはWindows 11に、AMD製プロセッサーを搭載したPCにインストールすると本来の性能を発揮できなくなる問題があることを確認しました。この問題はAMD製CPU、特にRyzenユーザーから最適なパフォーマンスが得られないとの報告が多くあがっています。その性能低下は一般的なアプリケーションで3~5%、一部のゲームでは最大15%もの性能低下がみられたとされています。

最近のRyzenは特に最高のパフォーマンスが求められるeSportsプレイヤーに人気があり、ゲームのパフォーマンス低下は大きな痛手になります。AMDとマイクロソフトはこれらの問題に対応するため、2つの修正パッチを用意しました。

修正のひとつはAMDチップセットドライバー アップデートv3.10.08.506として提供され、アプリケーションが使用するCPUコア選択システムの問題を修正します。この問題はRyzenが搭載するCollaborative Power and Performance Control(UEFI CPPC2)機能において、もっともパフォーマンスの高いコアにワークロードが割り当てられない症状を発していました。

一方、もうひとつの性能低下要因は、L3キャッシュのレイテンシーが通常時に比べ最大3倍も大きくなるというものでした。こちらには、Windows 11 アップデート22000.282(KB5006746)が提供されます。

今回のアップデートは、Windows 11に対応したAMDのすべてのCPU、Ryzen 2000、3000、4000、および5000シリーズ、さらには最新のEpycおよびAthlonに対応しています。

AMDとマイクロソフトはこれらの問題を解決するため、影響を受けているWindows 11ユーザーは直ちにこのアップデートを適用するよう推奨しています。また、Windows 11の要件を満たさないものの手動でアップグレードをしたユーザーに対しては、これらのアップデートを手動でインストールする必要があると述べています。ただ、一部にはWindows Updateで今回のパッチが表示されインストールできたとの報告もある模様。いずれにせよ、問題を経験したAMD製CPUユーザーは、修正プログラムの適用状況を確認しておくことをおすすめします。

(Source:AMDMicrosoftEngadget日本版より転載)

半導体不足でラズパイが初の値上げ、Raspberry Pi 4の2ギガモデルを2020年の値下げ前価格に戻し1GBモデル復活

半導体不足でラズパイが初の値上げ、Raspberry Pi 4の2ギガモデルを2020年の値下げ前価格に戻し1GBモデル復活

シングルボードコンピュータ Raspberry Pi が、創業以来初めての値上げを告知しました。理由は世界的に深刻な状況が続く半導体不足のため。

来年2022年も長い期間にわたってサプライチェーン上の課題が続くと予測されること、製造数は昨年と同じ700万個を維持できるものの需要は高まっていることなどから、ラズベリーパイに依存する既存顧客への影響を最小化するため、

  • Raspberry Pi 4(2GB RAMモデル)を35ドル(約3988円)から45ドル(約5127円)へ一時的に値上げ。昨年2月に実施した値下げ前の価格へ。
  • ディスコンになっていたRaspberry Pi 4 (1GB RAMモデル)を復活、35ドルで販売。

の二つの対応を発表しています。ラズベリーパイによればこれはあくまで一時的な措置であり、今後の状況に応じて見直す予定。

また産業用途などにラズベリーパイを利用する既存顧客に対して、他の製品で代替しやすいモデルは今後の製造の優先度を下げ、代えが効きにくいモデルを優先するなど、対応の方針もあわせて告知しています。

4K動画対応のRaspberry Pi 4発売。4コア1.5GHzプロセッサ搭載、USB 3.0、RAM1GB~4GB – (2019年)

Supply chain, shortages, and our first-ever price increase

Engadget日本版より転載)

Pixel 6 / 6 Proでグーグルはスマートフォンラインナップを刷新する

2020年5月、Pixelは1つの時代の終わりを迎えた。Googleのチームは、変革的な未来に向けて前進する一方で、何人かの重要なプレイヤーを失った。それは当然のことだ。Pixelは決して悪いスマートフォンではなく、(長年にわたって苦戦を強いられてきたが)むしろ目立たないスマートフォンだった。しかし、悪いフラッグシップスマートフォンの購入が難しい時代に「なかなか良い」という評価は十分でなものではない。

関連記事:Google Pixel開発チームから二人の主要エンジニアが離脱、チーム内の争いが原因か

世界のAppleやSamsungとの差別化を図ろうとするGoogleの試みは、ほとんど失敗に終わっている。廉価版のAシリーズではそれなりの成功を収めているが、プレミアムメーカーと真っ向勝負するという夢は、今のところ実現できていない。2020年のPixel 5は、製品ラインの刷新に時間がかかるため、ファンが期待していたようなものではなかった。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、先に開催されたバーチャルハードウェアイベントにおいて、Googleはついに「手に取って、もう一度やり直す」ことの意味を私たちに示してくれた。Pixel 6は、さまざまな意味においてGoogleのフラッグシップデバイスの歴史の中で最もラジカルな出発点であり、SamsungやAppleに対抗する同社にとって最も真剣な試みでもある。

Googleは2021年8月に、Pixel 6を初披露したが、それは発表までにまだ3カ月半ほどもあるデバイスとしてはおどろくほど完全なものだった。

ハードウェア部門の責任者であるRick Osterlo(リック・オスターロー)氏は、主にチップや設計、そしてGoogleが自社でチップ「Tensor」を開発し、Qualcommへの依存から脱却しようとしている最新の企業になったという事実について語った。

「AIは当社のイノベーション活動の未来を担うものですが、問題は、当社のミッションを完全に遂行することを妨げるコンピューティングの限界に突き当たっていることです。そこで私たちは、最も革新的なAIと機械学習(ML)をPixelユーザーに提供できるよう、モバイル向けのテクノロジープラットフォームの構築に着手しました。私たちは、Pixel 6を動かすために、独自のSystem on a Chip(SoC)の開発を始め、数年後の現在、それはもうすぐ実現します」とオスターロー氏はいう。

画像クレジット:Google(画像修正済み)

そして、Google TensorはPixel 6と6 Proに搭載されている。私は後者を手にしているが(レビューは近日中)、Pixelシリーズが根本的に新しい方向性にあることがわかる。Googleはこの新しいデバイスで明らかにプレミアムな方向に進んでおり、これまでのどのPixelよりもSamsungなどのデバイスと共通したDNAを持っている。

Pixel 6は、6.4インチのFHD+有機ELディスプレイを搭載しており、その画素数は411ppi。Proでは、6.7インチのQHD+、512ppiにアップしている。これらのディスプレイのリフレッシュレートは、それぞれ90Hzと120Hzで、エッジ部分がカーブしたGorilla Glass Victusカバーで保護されている。

画像クレジット:Brian Heater

一方、背面はGorilla Glass 6で覆われており、上部3分の1には大きくて特徴的なカメラバーがある。ケースに入れていない場合(上の写真)、カメラバーが斜めになっているため完全ではないが、同じ高さになっている。これは、Pixelがポップなカラーの電源ボタンを廃したことで、デバイスにもう少し色味を加えようとするためのものだ。ハードウェアとしてのカメラにフォーカスしたこと事態、Googleにとって新たな試みだ。これまで同社はコンピュテーショナルフォトグラフィーに対して非常に力を入れており、ハードウェアはほとんど問題ではないと考えてきた。将来的には、AIやMLが写真撮影において大きな部分を担うといった説得力のある議論ができるようになるかもしれない。しかし現在のところ、カメラのハードウェアが重要であることには変わりがない。

新Pixelに搭載されているカメラを見てみよう。Pixel 6では50メガピクセルの広角カメラと12メガピクセルのウルトラワイドカメラ、6 Proではそれら2つのカメラとさらに48メガピクセルの望遠カメラを搭載している。望遠カメラは、光学4倍ズーム、または最大20倍の超解像ズームにも対応しているが、コンピュテーショナルフォトグラフィーを使用しても、かなり早く性能は劣化する。一方、前面カメラは、Pixel 6が8メガピクセル、6 Proが11.1メガピクセルで、視野角はそれぞれ84°と94°だ。

画像クレジット:Brian Heater

カメラ機能の詳細については、いくつかの記事で紹介しているが、ここでは両モデルでできることをリストアップする。

  • 消しゴムマジック
  • モーションモード
  • リアルトーン
  • 顔のぼかし解除
  • パノラマ
  • 手動によるホワイトバランス調整
  • ロックされたフォルダ
  • 夜景モード
  • トップショット
  • ポートレートモード
  • ポートレートライト
  • 超解像ズーム
  • モーションオートフォーカス
  • よく撮影する人
  • デュアル露出補正
  • Live HDR+

最も興味深い新機能は「リアルトーン」「モーションモード」「消しゴムマジック」「顔のぼかし解除」だ。最後の「顔のぼかし解除」はその名称のとおり、撮影後に被写体の顔をシャープにする。「モーションモード」は「ポートレートモード」と同様に、動いている被写体にモーションブラーをかける。「消しゴムマジック」は、Photoshopのようなツールを使って写真の背景から不要な被写体を取り除き、その隙間をAIが埋めてくれる。一方「リアルトーン」は、これまでのスマートフォンにはあまりなかった、肌の色に関係なく、被写体をよりきれいに撮影するための機能だ。

画像クレジット:Brian Heater

Pixel 6と6 Proには、ディスプレイ内に設置された迅速な指紋認証リーダーと、Pixelデバイスに期待されるあらゆる種類のファーストパーティソフトウェアが搭載されている。その中には「Live Translate」「Recorder」Androidの新機能である「Material You」が含まれている。Material Youは、壁紙やアプリに一貫した美しさを与えるものだ。前回のI/Oでは、この機能を次のように説明してた。

Material Youは、デザインに対してより人間的なアプローチを探求しています。デザインの感性と個人の好みとの間の緊張感を大切にし、感情から逃げないものです。アプリケーションの機能的な基盤を損なうことなく、Material Youは、あらゆるスタイルに対応した個性的なデザイン、あらゆるニーズに対応し、アクセシブルなデザイン、あらゆるスクリーンに対応する生き生きとしたデザインを目指しています。

関連記事:グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始

また、新機能の「Calling Assistance」は、Duplexと同様に、人間とロボットオペレーター間のやり取りを容易にするために設計されている。本機能では、日にちと時間に基づいて、フリーダイヤルの待ち時間を予測して表示する。一方「Direct My Call」は、Googleの文字起こし機能を利用して、ダイヤルパッドに直接入力される音声メニューをテキストで表示する。一方「Hold For Me」は、通話を待ち人間が電話に出たときに通知する機能だ。

また「Assistant Voice」の入力も改善されている。「ねぇ Google、タイプ」というと、アシスタントがテキストを入力してくれる。「Stop」すると機能がオフになり「Send」するとメッセージが送信される。難しい単語を1文字ずつ入力したり、絵文字を入力したりすることもできる。

画像クレジット:Brian Heater

Googleは、従来モデルで発生していたバッテリー問題の一部に対処している。Pixel 6と6 Proには、それぞれ4614mAhと5003mAhのバッテリーが搭載されており、Pixel 5の4080mAhから大幅に増加している(Pixel 4からも大幅に増加)。Googleによると、約24時間の使用が可能で、Extreme Battery Saverモードにするとほぼ約2倍になるとのこと。また、別売のGoogle 30W USB-C Chargerを使ったオンボードの急速充電では、30分間で半分の充電が可能。また、両モデルともQiによるワイヤレス充電にも対応している。

画像クレジット:Brian Heater

Pixel 6は、8GBのRAMと128または256GBのストレージを搭載し、Proは12GBのRAMと128、256GBのストレージを搭載している。Googleはそれでも価格を低く抑えることに成功しており、Pixel 6は599ドル〜(日本では税込7万4800円〜)、Pixel 6 Proは899ドル〜(税込11万6600円〜)となっている。現在、予約注文を受け付けており、10月28日に発売される。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

Xiaomiは10月21日、9月にグローバル発表していた11インチタブレット「Xiaomi Pad 5」の日本発売を発表しました。RAM6GB+ストレージ128GBは4万3780円(税込)で本日発売。6GB+256GBモデルは5万4780円(税込)で11月末に発売予定となっています。

Xiaomi Pad 5は、11インチ WQHD+(2560 x 1600)の解像度を持つAndroidタブレット。DCI-P3の色域をサポートするほか、Dolby Visionにも対応。リフレッシュレートは120Hzで、HDR映像を滑らかに再生可能だとしています。クアッドスピーカーにDolby Atmos対応など、メディアプレイヤーとして活躍しそうな仕様となっています。

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

クリエイティブ向けとしては、4096レベルの筆圧検知に対応したXiaomi Smart Penに対応。Apple Pencilと同じく、Xiaomi Pad 5の側面にマグネットで装着することで充電が可能。18分でフル充電でき、10秒の充電で20分間利用できるとのこと。ただし、Smart Penは1万1800円の別売りです。

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

そのほか、主な仕様としては、SoCはSnapdragon 860でRAM6GB、ストレージ128GB/256GB。通信関連はIEEE802.11 a/b/g/n/acで、ax(WiFi6)には非対応です。Bluetoothは5.0。残念ながらSIMの挿さるモデルは用意されていません。

背面カメラは1300マン画素のシングルでフロントカメラは800万画素。バッテリー容量は8720mAhで動画再生は連続16時間以上、ゲームも10時間以上プレイ可能だとしています。

税込4万3780円からの11インチAndroidタブ「Xiaomi Pad 5」が日本上陸

Xiaomi

Xiaomi Pad 5については、海外版のレビューも参考にしてください。

シャオミ「Xiaomi Pad 5」海外版の実機に触れた。4万円台からの高コスパタブ(山根博士)

(Source:XiaomiEngadget日本版より転載)

夜中目覚めたユーザーを再び眠りに誘うMuseの「脳感知」瞑想用ヘッドバンド最新版

瞑想ハードウエアは難しいものだ。マインドフルネスを追求して挫折したことのある人は誰もが間違いなく、練習をなんとか簡単に、あるいは少なくともジャンプスタートする方法を切望しているはずだ。私は、初代Museヘッドバンドがこのカテゴリーに加わり、ゲーム感覚でフォーカスできるようになったことをとても気に入っている(聞こえは悪いが、想像するよりも良いものだった)。

2020年のCESで発表された「Muse S」は、さらに基本的なもの、つまり「より良い睡眠」を約束するものだった。その当時に記事を書いた際、私はまだテストを始めたばかりで、正直なところ、頭にガジェットをつけたまま眠るのは難しいと思っていた。本当に使い続けられるだろうか、と声高に考えたものだ(ネタバレ:できなかった)。米国時間10月20日、同社はそれに続く、わかりやすいネーミングの「Muse S(Gen.2)」を発表した。

今回の製品は「眠ること」と同じくらい「眠り続けること」を重視している。後者の方が苦手な私にとっては、この点は高く評価できる。確かに今回のパンデミックでは、変に早く寝てしまったり、夜中に1〜2時間(あるいはもっと長い時間)目が覚めることが多かった。頭の一部では、人間は夜通し眠れるようにはできていないと確信している。

CDCによると、米国の成人の3分の1以上が7時間の睡眠をとれていないと言われているが、正直なところ、この数字は少ないように感じる。新しいMuseは「Digital Sleeping Pills(デジタル睡眠薬)」と呼ばれるものを利用している。これは、バンドの脳波(EEG)測定値を利用して、起床時に睡眠コンテンツを配信し、着用者を眠りに誘おうとするものには奇妙なネーミングだ。コンテンツには、以下のような選択肢がある。

  • オリジナル、クラシック、そしてアドベンチャー「スリープストーリー(Sleep Stories)」は、おなじみの童話や、新しいオリジナルの物語を音声でナレーションする
  • 「アンビエント・スリープ・サウンドスケープ(Ambient Sleep Soundscapes)」は、癒しのアンビエントミュージックとハーモナイズされたサウンドを音声ナレーションなしで提供する
  • 自然音やバイオフィードバックに対応する音楽を収録した「バイオフィードバック・スリープ・サウンドスケープ(Biofeedback Sleep Soundscapes)」(音声ナレーションなし)
  • 「ガイド付きスリープ・メディテーション(Guided Sleep Meditations)」は、瞑想インストラクターがあなたをリラックスさせるスリープ・メディテーションで眠りに導く

このコンテンツは、ソフトウェアアップデートによって第1世代のユーザーにも提供される。この他にも、新しいヘッドバンドには、精度の向上やバッテリー寿命の改善など、いくつかの微調整が施されている。今回も、400ドル(約4万5700円)という価格が大きな障害になると思われる。その数分の1の価格であれば、多くの人が睡眠ガジェットを試してみたいと思うのではないだろうか。

画像クレジット:Muse

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

【レビュー】Facebook Portal Go、ライバル不在の「携帯性」がポイントのスマートディスプレイ

発売当初から、Portal(ポータル)製品ラインはある大きな疑問に悩まされてきた。Facebook(フェイスブック)がなぜこれを開発したのかということではなく、Amazon(アマゾン)とGoogle(グーグル)がスマートアシスタントとディスプレイの分野でそれぞれ先行しているのに、いったいなぜ人々がこれに興味を示すのだろうかということだ。

Facebookサービスとの連携に加えて、Portalの当初の目玉機能は物体検知を利用して対象を追いかける「スマートパンニング」だった。これはクレバーな追加機能だったが、ライバル製品ではなくFacebook製を買うことを正当化するほどのものではなかった。以来、Google、AmazonそしてApple(アップル)さえもそれぞれ独自技術を導入し、Facebookの優位性を失われてしまった。

画像クレジット:Brian Heater

Portal Goは、「なぜ」という大きな疑問に答えるものではないが、ポータビリティー(携帯性)を追加することで、スマートディスプレイの枠にとらわれないFacebookの能力を改めて示している。

正直なところ、ライバルたちはまだこの「ポータビリティー」を採用していないことに驚いている。Amazonは、ポータブルBluetoothスピーカーのTapを少し前に販売終了している。

それ以外だと、同じようなポータブル製品はAlexa内蔵のFireタブレットやサードパーティー製くらいしかない。あるいは、AmazonとGoogleのソリューションは、実質的に、使うつもりの部屋全部にデバイスを置くようにユーザーを説得しているともいえる。個人的には、各メーカーがなぜバッテリー搭載モデルの便利さを認めないのかいつも不思議に思っている。

Goは携帯性を前提につくられており、本体の背面にはハンドルもある。重量はまあまあ軽い(たとえばAppleが発表したばかりのMacBook Proの4.7ポンド[約2.13kg]と比べて)3ポンド(1.36 kg)だ。ところで、持ち歩けるスマートディスプレイが必要な人はいるのか?もちろん、スマートディスプレイを必要とする人以上にはいないが、その柔軟さについてはいうべきことがたくさんある。主として動画のために作られたデバイスにとって、どこへでも持っていけることは間違いなくうれしい。

画像クレジット:Brian Heater

鍵は内蔵バッテリーとワイヤレス充電だ。後者は独自の3ピン充電パッドでケーブルにはUSB-Cプラグがついている。この充電器はプロダクトデザイン上最大の不満かもしれない。Facebookが移動するためにプラグを抜かなくてもよいようにと充電ケーブルをやめた理由は理解できる。しかし、有線でもっと早く充電するオプションがあればもっとよかった。少なくとも、マグネットでピタッと収まる充電パッドは欲しかった。ピンを合わせて充電するのは面倒だ。

画像クレジット:Brian Heater

ディスプレイは10インチのタッチスクリーンで解像度は1280×800。特にいうべき点はないが、リモート会議やFacebookでショートビデオを見るなど、これを使うほとんど人のにとって十分なのは間違いない。これに12メガピクセルの前面カメラと4基のマイクアレイがつく。ここでもこれは、世界が一変しすべてのミーティングがバーチャルなった時に資産を投入したリモート会議システムと比べるものではないが、家族と話したり、ちょっとした仕事の打ち合わせには十分だ。布地で覆われたデバイスの背面には後ろ向きのスピーカーとウーファーが2基内蔵されている。音質はすばらしくはない。少しこもる。日々の音楽鑑賞に使いたいものではないが、いざというときには役立つ。

筐体はほとんどのスマートディスプレイよりも大きめだ。角は丸く、ベゼルは太く、覆っている布地は昨今の家庭用製品では標準的だ。実際このデザインは、EchoかNestスタイルのホームデバイスと子どもをターゲットにした何かとの中間という感じだ。

画像クレジット:Brian Heater

堅牢とはいえないが、ちょっと叩いたりぶつけたりしたくらいなら、おそらくNest Homeより強いだろう。以上の機能に子ども向けの物語コンテンツが加わったPortal Goは、小さな子どものいる環境に向いているだろう。前面カメラには物理的シャッターがついている。もしあなたが私と同じなら、90%の時間、事実上ビデオ通話中以外いつでも、閉じることになるだろう。これでマイクはオフにならないが、ボリュームボタン横の丸いボタンで切ることができる。ボタンを押すとカメラとマイクがオフになり、赤いランプがそのことを示す。

Facebookで通話を始めるのは簡単だ。「hey Portal, call such and such(ヘイ、ポータル、誰々にかけて)」と言えば、名前を表示して意図した人物かどうかを確認する。これこそがこの製品の核心であり、Facebook Messenger(メッセンジャー)を通じて会話することに合わせてつくられたデバイスならではだ。フィルターをかけたり、友だちと一緒にビデオを見たり物語を読んだりすることもできる。このデバイスの強みはこのような体験の共有であり、Facebookのソフトウェアに特化して作られていることだ。

画像クレジット:Brian Heater

シェアできる物語本は祖父母が孫たちとリモートでつながった時に最適だ。Facebook Messenger組み込みのフィルターはまあまあオーケー。おかしな帽子をかぶらせたり、時々声を変えたりできるが、見かけの欠点を隠すようなものではない。良くも悪くも。遅いWi-Fiで調子が悪いことがあり、Facebook Watchのビデオでも同じことが起きた。遅延が見られることもあり、エフェクトが少々損なわれた。

Facebook以外のアプリセレクションは少ない。Spotify(スポティファイ)、Tidal(タイダル)、Dezer(ディーザー)、Pandora(パンドラ)は良い。Goはディスプレイ付きポータブルBlootoothスピーカーとしても使える。私はカメラをオフにして寝室に持ち込み、タッチスクリーンでSpotifyを操作して音楽を聴いた。リモート会議についてはZoom(ズーム)、WebEx(ウェブエックス)、Blue Jeans(ブルー・ジーンズ)などまずまずの選択肢が揃っている。何でもあるわけではないが、そこそこの仕事の会議には対応できるはずだ。

画像クレジット:Brian Heater

リモート会議の具合はいい。実際、その携帯性と組み合わせると、最も有効な使い方かもしれない。主要なスマートディスプレイは、サードパーティー製リモート会議アプリとの互換性が高いが、どこへでも持っていけて、コンセントを探さなくてよいことは、1日中デスクに縛り付けられたくない人にとってはうれしい。

これ以外、アプリのセレクションは最小限だ。ニュースとクッキングのアプリがいくつかある他、YouTubeなどの人気サードパーティ製サービスがブラウザーのショートカットから利用できる。もし、Netflix(ネットフリックス)を見たかったら、ブラウザーでサイトを訪れて見ることができる。最終的にはほとんどのことはそこに落ち着く。もしあなたが、すべてをFacebookアプリ(およびそれがもたらす厄介なことすべて)に捧げている人なら、これはおそらくあなたのデバイスだ。

携帯性に関して言えば、現時点でGoに直接のライバルはいない。この製品はPortalラインについての広い意味の「なぜ」には答えていないが、少なくとも「どこで」には対応している。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ラズパイがレゴとコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板を発表・スイッチサイエンスで近日発売予定

ラズパイとレゴがコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板発表・スイッチサイエンスで近日発売予定
Raspberry Pi財団は10月19日、LEGO Educationとのコラボレーションによる新製品「Raspberry Pi Build HAT」を発表した。これは、LEGO Technicのモーターやセンサーを制御できるRaspberry Pi用の拡張基盤(HAT)。スイッチサイエンスでは、直販価格3718円(税込)で近日発売予定となっている。ラズパイとレゴがコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板発表・スイッチサイエンスで近日発売予定

ラズパイとレゴがコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板発表・スイッチサイエンスで近日発売予定

「Raspberry Pi Build HAT」の特徴

  • Raspberry Pi 4やPi Zeroから、LEGO Technicのモーターとセンサーを4つまで制御可能
  • LEGO Education SPIKEプライムセットおよびSPIKEプライム拡張セットに含まれるアンギュラーモーター、距離センサー、カラーセンサー、フォースセンサーなどが利用可能
  • LEGO Technicデバイスを制御するためのPythonライブラリーを用意
  • Raspberry Pi 4およびRaspberry Pi Zeroを含むすべての40ピンGPIO Raspberry Piボードで動作
  • RP2040(Raspberry Pi財団初のインハウスデザインマイコン)を搭載

また、モーターには外部電源が必要となる。電源入力用に、センタープラスの21mmバレルジャックを搭載(8ボルト)。リボンケーブルなどの延長デバイスを追加すると、Raspberry Pi 400でも使えるようになるとのこと(このボードからの電源供給は不可)。

Raspberry Pi Build HAT

型番:RPI-SC0622
価格:3718円(税込)

Google Pixel 6のカメラはAIでスナップショットをスマート化する

Google(グーグル)の最新のフラッグシップモデルには、スマートブラー、オブジェクト除去、スキントーン露出などの写真をより美しく見せるための自動化されたAIツールが搭載されている。これらが宣伝通りに機能するかどうかは、実際に試してみないとわからないが、Pixelを気にしている人から気軽にスナップショットを撮る人まで、誰にとっても便利な機能となるかもしれない。

そもそも新しいカメラ自体が非常に印象的だ。Pixel 6とPixel 6 Proで共有されているメインのリアカメラは、そこそこの大きさのピクセルウェルとF/1.85相当の絞りを備えた5000万画素だ(デジタル一眼レフカメラのF/1.8ほどの光を取り込むことはできないが、それでも十分だ)。ウルトラワイドの方は、1200万画素とより小さなセンサーでF/2.2なので、圧倒的な画質は期待できない。6 Proには4800万画素の望遠があり、低照度能力は劣るが、4倍相当のズームが可能だ。いずれも手ぶれ補正機能とレーザーアシストオートフォーカスを搭載している。

基本的には、どんな状況でも最高の画質を求めるならメインカメラを使い、光量に自信があるならワイドやズームを使える。新しいカメラの機能はすべてのカメラで使えるようだが、一般的に、最初に良い写真を撮れば撮るほど、最終的な結果も良くなる。

最も簡単なツールは、「顔のぼかし解除」だ。完璧な写真を撮っても、シャープさに欠けることがあるだろう。Pixel Cameraでは、(今では普通の撮影プロセスの一部となった)自動的に常に多重露光撮影を行い、1つのカメラで撮影したメインショットと、別のカメラで撮影した顔の鮮明なショットを組み合わせる。そうするには、ギャラリーにあるシャープではない写真をタップし、「顔のぼかし解除」のオプションがあれば、すぐに実行できる。

画像クレジット:Google

確かに、上の画像のように、ぼやけた写真の中で顔だけがシャープになるのはちょっと変だが、この写真が欲しいのか欲しくないのか、と言われると欲しいと思う。

また、写真のボケに関しては、2つの新しい「モーションモード」を搭載している。1つは「アクションパン」で、背景を「クリエイティブ」にぼかしながら、通過する車などの動きのある被写体を鮮明に捉えることができる。つまり、通常の手持ちのボケではなく、演出されたズームのボケを適用するので、ちょっと「修正された」感じがするが、楽しいオプションだ。もう1つは長時間露光用ヘルパーで、背景をはっきりさせたまま動く被写体にボケを加えるものだ。三脚を使わずにヘッドライトの光を撮るときなどに便利だ。これらは、カメラアプリ内のモーションモードエリアにある。

画像クレジット:Google

「消しゴムマジック」は、最も明らかに「AI」なものだ。写真を撮ったときに、背景に人が入ってきたり、景色の良いところに車が止まっていたりしても、それらの厄介な現実世界の物体を消して、その存在を忘れられるようにしてくれる。ツールをタップすると、遠くにいる人や車など自動的に削除したいものがハイライトされる。さらに、例として挙げられているように、邪魔な丸太やその他のランダムな形状のものも削除できる。ビーチにある流木を消すなんて、本当に?幸いなことに、記憶の穴に捨てるものは選ぶことができ、無理強いされることもなく、認識できないものに丸を付ければ、最善を尽くして処分してくれる。

「スピーチエンハンスメント」は明らかに画像用ではないが、フロントカメラモードでは、デバイスが周囲のノイズを低減し、あなたの声に集中するよう選択できる。基本的にはGoogle版ノイズキャンセリングアプリKrisp(クリスプ)だ。これのような機能があれば、ずっと使っていたいと思うだろう。

「リアルトーン」は興味深い機能だが、危険をともなう可能性のある機能でもあるので、近々詳しく紹介する。Googleはこの機能について次のように説明している。「Googleのカメラや画像製品がすべての肌の色に対応できるようにAWB(オートホワイトバランス)、AE(自動露出)、迷光のアルゴリズムの調整を、画像制作者や写真家の多様な専門家と協力しました」。

確かにすばらしいが、彼らはモデルだ(画像クレジット:Google)

基本的には、彼らの「スマート」カメラのコア機能が、他の肌色よりも特定の肌色でより良く機能したり、より良く見えたりしないことを確認したかったのだ。このようなことは、これまでに何度も起こってきたことであり、10億ドル(約1140億円)規模の企業が何度も失敗することは、屈辱的で恥ずかしいことだ。リアルトーンがうまくいけばいいが、たとえうまくいったとしても、写真の中の人の肌を明るくしたり暗くしたりするだけなのかという多くの人にとってセンシティブな根本的な問題がある。Googleは「この機能はオフにも無効にもできません」と言っているので、よほど自信があるのだろう。我々は、この機能をテストし、開発者や写真家にこの機能について話を聞いてみる予定で、興味深いが複雑なこの分野をより深く掘り下げていく。

これらの機能のうち、どれだけのものがPixelラインの携帯電話以外でも利用できるようになるのか、また、いつ利用できるようになるのかについては、完全には明らかになっていないが、何かわかったらお知らせする。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Yuta Kaminishi)

Pixel 6のAI機能向けに設計されたTensor SoCで、グーグルは独自チップに賭ける

Google(グーグル)のPixel 6とPixel 6 Proほど、正式発表前に詳しい情報が得られたスマホは今までなかったのではないだろうか。しかし、同じようなAndroid携帯電話が多い中で、Googleは、特にそのすべてを動かすチップに関して、興味深い選択をした。Googleは今回、自社設計のSoCを搭載したスマートフォンを初めて提供する。

「Tensor」と名付けられたこのチップについて、Googleは2021年夏のはじめに初めて言及した。これはスマートフォンのすべてのオンデバイスAIを動かす。基本的には、Google独自のAI / MLアクセラレータに、比較的既製のArmのCPUコアとGPUコア、そしてGoogleの新しいセキュリティコアであるTitan 2を組み合わせたものだ。

画像クレジット:Google

Googleは、TensorがPixel 5に搭載されていたチップよりも最大80%高速なパフォーマンスを提供することを約束している。率直に言って、Pixel 5はよりミッドレンジのスマートフォンだったが、日常的な使用では完全にスムーズに感じられる。米国時間10月19日の発表に先立ってリークされたベンチマークでは、Qualcommの最新のSnapdragonモバイルチップと同等とされているが、これらのベンチマークにはGoogle独自のAI / MLコアは含まれておらず、Pixel 6のカメラとその複雑なコンピュテーショナルフォトグラフィーのキレを良くするためにこれらの専用コアが果たす役割は、標準的なベンチマークでは実際には捉えられない。

しかし、これらの初期のリーク情報からわかったことは、Tensorは、Armのパフォーマンス重視のモバイル設計のフラッグシップであるArm Cortex-X1チップを2つ搭載しているということだ。比較すると、Snapdragon 888は1つしか搭載していない。最近のSoCではほとんどがそうであるように、低パフォーマンスでバッテリーを節約するコアもある。噂によると、古いA76ベースのコアと最近の超高効率のA55コアが混在しているとのことだ(これらはすべて、Pixel 6が約束された24時間のバッテリー寿命を達成するのに役立っている)。Google自体は、これらの詳細については完全に沈黙を守っているが、これは、同社がこのシステムのAI機能に全面的に注力しようとしていることを考えると、理に適っている。

また、このチップには、低消費電力のAI「Context Hub」が搭載されており、デバイス上で常時稼働する機械学習機能の一部を支えている。

Googleのハードウエア部門責任者であるRick Osterloh(リック・オスターロー)氏は、19日の発表の中で、ライブ翻訳から携帯電話の写真・動画機能まで、これらのAI体験を強調した。

Google SiliconのシニアディレクターであるMonika Gupta(モニカ・グプタ)氏は、発表の中で次のように述べた。「Google Tensorによって、Motion Mode(モーションモード)、Face Unblur(フェイス アンブラー)、動画の音声強調モード、動画へのHDRnetの適用など、最先端のMLを必要とする驚くべき新しい体験を実現しています。Google Tensorは、スマートフォンの利便性の限界を押し広げ、画一的なハードウェアから、私たちが携帯電話を使用するさまざまな方法を尊重し、それに対応するのに十分な知能を持つデバイスにしてくれます」。

19日のイベントで同氏は、このチップがここ数年の間に開発されたものであることにも言及した。チームが行った設計上の選択はすべて、それらのAI機能を最大限に生かすことに基づいていたという。


画像クレジット:Google

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】アップルがMacBook Proにノッチを付けてしまった

Apple(アップル)は次期MacBook Proで、長年疑問視されていたデザインを撤回し、誰からも嫌われていたTouch Barをこっそり廃止するとともに、ユーザーが切望していたポートとMagSafeを復活させた。しかしiPhoneとの奇妙なつながりに固執するあまり、同社はその「世界最良のノートブックのディスプレイ」に大きな醜いノッチを設けている。

虚勢を張っているようにも見えるが、Appleは、同社のデザイン的なイノベーションはあまりにも長い間、ユーザーに評価されていないことを認めざるを得なかった屈辱的な瞬間だっただろう。このMacBook Proを待ち望んでいた人は、そもそもなぜ自分がそうだったのかを忘れてはならない。Appleはおしゃれな宣伝を追求して合理化しよう見当違いをしていたのだ。

関連記事:アップルのMacBook Proがデザイン一新、新M1チップとMagSafeを採用した14・16インチモデル登場

Touch Barは理論的にはおもしろいが、有力なユースケースがないため結局は邪魔になり、多く人があらゆるケースで、デフォルトのキーを求めた。重要な機能を、何も手がかりのないタッチスクリーン上に廃するという点もアクセシビリティにおいて過ちだった。

USB-Cの全面的な採用もやはり、現実性を欠く理想主義の1つだった。それはドングル業界を活気づけただけに終わり、多くの人が長い間で溜まってまったさまざまなデバイスやドライブを持ち歩くために、多数の2インチケーブルを持ち歩いた。

キーボードは、バタフライスイッチの悲惨な失敗を受けて「メカニカルタッチ」に戻った。わずか1mmにこだわってタイピングがしづらくなり、頻繁に壊れるような設計のキーは歓迎されない。

あれやこれやの改良を撤回したり失敗した挙げ句、Appleはそれらをまるで新しいアイデアであるかのように復活させた。コマーシャルはM1 Pro Maxのパワーを謳っているが、断面図で見えるSDカードリーダーの組み立てはとても厚くて、一見の価値はある(皮肉)。

そしてその後、Appleの悪いクセがまた出てしまった。

ノッチをつけた

ノッチは好きじゃないが、そうではない人もいる。しかし、パソコンのようなフルスクリーンのメディアを毎日使う者には、とにかく邪魔だ。穴はもっとひどいが、ノッチならいいとはいえない。新しいiPhoneは以前ほど醜くはないが、あのノッチはSE 2からだから、私にとっては長い。ご冥福を祈るばかりの最初のSEが、また戻ってくるだろう。

何がどうなったのかというと、Appleはディスプレイを上へ広げてベゼルに狭くしたが、そのためにカメラのサイズを十分小さくすることができなかった(Face IDのようなものはない)。まり、ある意味ではスペースを確保したことになる。長年のApple擁護派である私の同僚は、そう自分を納得させている。

しかし、メニューバーのセンター部分で一体何をするのか?Appleは何と言っているのか?それはメディアの中に置かれた郵便受けか?それは16:9や2:1、21:9など、よくあるサイズよりも高い新しいアスペクトレシオか?また、フルスクリーンアプリを使ってるときはノッチのどちらかは黒くなり、せっかく増えたスペースが消える。それを画面スペースにとって純然たるプラスだと同社はいう。

しかし、それにしても醜い。

ほら、見えないでしょう?もちろん、上の4分の1インチすべてが見えない(画像クレジット:Apple)

質問は単純で、ノッチのある画面が欲しいか、ないのが欲しいかだ。答えは常に「ノッチのない方」だろう。ノッチは、スクリーンの基本的な用途、すなわちモノを見ることの邪魔になるからだ。ユーザーが求めるこの大きな矩形の邪魔をするものは、それがどのようなものであり邪魔だから邪魔物だ。スペースをフルに利用できない。画面にノッチがあるとしたら、それは表示物にとって意味のあるノッチか、要らないノッチかのどちらかだ。

気にしない人もいる。何も気にしない人は、幸せ者だ。でも世の中には、テレビのモーションスムージングを常有効にして、どんな番組でもメロドラマのような表示にしてテレビを見る人もいる。同じ部屋に冷たいLEDと温かい白熱電球の両方がある人もいる。本を、背の色で揃えない人もいる。何をいいたいかというと、人はさまざまであり、私のように美に関して神経質な人間が極端な意見をいって構わないのだ。

技術は、できるだけ目立たない方が良い。すべての産業がワイヤレス化と自動化とスマート化を求め、自分たちのプロダクトが空気のように遍在的で見えないことを目指してきた。テニスボールほどの小さな球体(今では5色ある)が、ユーザーのデジタル世界の全体を制御できる。ちっちゃなイヤーバッドが「手品」のように自分で自分を充電し、自動的に接続し、ユーザーの耳の特性に合わせて音量を調節するなどなど。

そういう意味では、ディスプレイは魔法の窓であるべきだ。鮮明なRetinaディスプレイは本当に窓みたいだし、120Hzのリフレッシュレートは遅延やぼけを防ぎ、デジタルとフィジカルの差をなくす。ベゼルが最小になれば、この2つの世界の「境界」も最小化する。つまりディスプレイの進歩はそのすべてが、魔法の窓の実現を目指してきた。だから、ノッチは進歩ではなく退歩だ。そういう単純な事実だ。それは魔法から遠く、リアルから遠く、邪魔物であり、人工的であり、フィジカルに妥協しているデジタルだ。

あなたにとっては、どうでもいいことかもしれないが、これが真実だ。そしてAppleは、可能になればすぐに、このノッチを取り去るだろう。彼らと私たちにわかっていることは、画面はノッチがない方が良いということ。それがわかっているなら、彼らは車輪を再発明したかのように振る舞うだろう。今日彼らが、誰が頼んだわけでもないのに古い機能を復活してそれを今度の新製品の新機能と謳っているように。

画像クレジット:Apple

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

スマホの画面を指の代わりに高速でタップできる「リレータッチコントローラ」をスイッチサイエンスが発売

スマホの画面を指の代わりに高速でタップできる「リレータッチコントローラ」をスイッチサイエンスが発売

スイッチサイエンスは10月18日、スマートフォンなどのディスプレイ画面を指の代わりにタップする「リレータッチボード」を制御するマイクロコントローラー「リレータッチコントローラ」の販売を開始した。

発売されたのは、ハンダ付けもプログラムも不要ですぐに使える「リレータッチコントローラ(リレータッチボードとセット)」、「リレータッチコントローラー」単体、「リレータッチボード(ドライバ有り)」単体。

試作品の動作動画。製品版はコントローラとリレータッチボードを接続している線はもっと短いため、注意とのこと

リレータッチボードをスマホのディスプレイのタップしたい部分に置き、リレータッチコントローラにUSB Type-Cコネクターから電源を供給すれば、ジャンパーピンで設定した間隔で動作する。1秒間に1回、2回、5回、10回の設定が可能。プログラムは不要だが、コネクターをはんだ付けして書き込み器(Pololu USB AVRプログラマ v2.1など)を接続すれば、Arduino IDEで作ったプログラムの書き込みが可能になる。なお、USB Type-Cコネクターは電源供給専用。

「リレータッチコントローラ(リレータッチボードとセット)」


型番:SSCI-072267
価格:2420円(税込)

「リレータッチコントローラー」(単体)


型番:SSCI-068536
価格:990円(税込)

「リレータッチボード(ドライバ有り)」(単体)


型番:SSCI-024556
価格:662円(税込)

アップル発表イベント「Unleashed(パワー全開)」でアナウンスされた内容まとめ

前回の大きな発表会から数週間しか経っていないが、Apple(アップル)はすでに次のイベントを開催した。

前回のイベントでは、iPhoneとApple Watchが中心だった。今回は?新しいチップ、新しいAirPods、そして新しいMacBook Proが主役だった。

ライブで見られなかった方のために、何が発表されたか要点をまとめてみた。

新しいAirPods

画像クレジット:Apple

ベースレベル(つまりProでない)AirPodsがアップグレードされる。新しい外観、空間オーディオのサポート、音楽や通話をコントロールするProラインの「フォースセンサー」、耐汗耐水性能の向上などだ。Appleによると、バッテリー駆動時間も改善され、1回の充電での駆動時間が5時間から6時間になったとのこと。新たにMagSafeでの充電に対応する。

第3世代のAirPodsは、本日より179ドル(国内税込価格2万3800円)で予約注文が可能、来週から出荷される。

関連記事:アップルが新デザインのAirPods(第3世代)発表、空間オーディオ対応

M1 ProとM1 Max

Appleは、2020年に独自の高速チップ「M1」を発表して人々の度肝を抜いた。今回、同社は「M1 Pro」と「M1 Max」という2つの新しいM1チップを発表し、さらにその性能を高めた。

Apple によれば、M1 ProのCPUはオリジナルのM1に比べて最大70%高速で、GPUスピードは最大2倍、32GBのユニファイドメモリ、200GB/sのメモリ帯域幅を備えている。

一方、M1 Maxでは、ユニファイドメモリが64GBにアップしている。M1 Pro、M1 Maxともに、CPUは最大10コア、GPUはProが最大16コア、Maxが最大32コアをサポートしている。

両プロセッサとも、非常に速くなることは間違いない。

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新しいMacBook Pro

画像クレジット:Apple

この新しいチップを有効に利用するために、Appleは新世代のMacbook Proを発表した。そして、MacBook Proの最近の変更点のうち、反発が多かったものについていくつか、同社にしては珍しく巻き戻す決断をした。

ハイライトは次の通り。

  • サイズは16インチと14インチの2種類
  • MagSafeが復活!Touch Barは廃止!SDカードスロットやHDMIなどのポートを搭載!
  • 120HzのProMotionに対応し、よりスムーズなスクロールを実現
  • このモデルでおそらく最も議論されるであろう点は、カメラ部分のノッチだ。これにより画面を少し大きくすることが可能だが、しかしそれは、ノッチデザインを意味する
  • カメラは1080pにアップグレードされ、Appleは低照度下での2倍のパフォーマンスを約束している
  • オーディオシステム全体が見直され、ツィーターとウーファーがより大きくなり、オーディオの忠実度が向上している。
  • 14インチモデルは1999ドル(税込23万9800円)から、16インチモデルは2499ドル(税込29万9800円)から

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その他の発表

  • SiriにApple Musicでテーマ別のプレイリストを再生させることができるようになった。例えば、リラックスするためのプレイリスト、ディナーパーティー用のプレイリスト、ハイキング用のプレイリストなどだ
  • Appleは、Apple Musicで新しく、月額5ドル(日本では480円)の「ボイスプラン」を提供する。基本的には、従来のインターフェイスを捨ててSiriだけで楽曲をリクエストしたいユーザーのための安価なプランだ
  • HomePod miniに、ダークブルー、オレンジ、イエローの3色の新色が追加された

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画像クレジット:Apple

画像クレジット:Apple

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Aya Nakazato)

アップルのMacBook Proがデザイン一新、新M1チップとMagSafeを採用した14・16インチモデル登場

Appleシリコンが搭載された初代MacBook Proが発売されてから1年も経たないうちに、Appleが早くも次のモデルを発表した。ご存知のように、2020年版のMacBook Proは、M1版のProとAirの境界線が完全には明瞭ではなかったために、少々売るのが難しい代物だった。

それを正そうとするべく、本日Appleが発表したのは、MacBook Proの新バージョンだ。この新バージョンでは、長年にわたって人気を博してきた薄型軽量の兄弟機(Air)との間に、より明確な線引きが行われている。

画像クレジット:Apple

この新しいシステムには、本日のイベントで発表された改良版チップである新しいM1 ProまたはM1 Maxが搭載される。この10コアのチップは、16コアのGPU(Proの場合)と相まって、M1チップの最大3倍のメモリ帯域幅を可能にするという。一方、MaxではGPUのコア数が一気に32に増える。明らかなのは、同社の主力ユーザーであるクリエイティブのプロたちを、2020年モデルとは違うやり方でターゲットにしていることだ。

2020年モデルとは異なり、今回のモデルでは14インチと16インチの2種類が用意されており、デザインも一新されている。高性能なアプリケーションのためにファンも内蔵されているものの、Appleによればそれが回ることはほとんどないという。また、今回のシステムでは、あまり好評ではなかったTouch Barが廃止され、代わりに物理的なフルファンクションキーが採用されている。

こうして1つのフィーチャーが去り、昔の人気者が戻って来た。Magsafeが復活したのだ(解き放たれたというべきだろうか)。この第3世代の充電機構は独自のポートを採用しているものの、ユーザーはこれまで通りにThunderbolt / USB-Cポートを使って充電を行うこともできる。そして、もちろんこのマシンにはたくさんのポートが用意されている。具体的には、3つのThunderbolt 4 / USB-Cと、HDMI、そしてSDXCカードスロットだ。

ベゼルを薄くする代わりに、iPhoneスタイルのノッチをディスプレイ上部に設けることでウェブカメラを収納している。うれしいことに、ウエブカメラはいまや日常となったリモート会議用に1080pへとアップグレードされており、より大きなセンサーと広い開口部を備えている(残念ながら4Kではないが、従来のモデルより改善されている)。

16インチ(正確には16.2インチ)ディスプレイの解像度は3456×2234、14インチ(同じく14.2インチ)ディスプレイの解像度は3024×1964だ。ピーク輝度は1600ニトで、リフレッシュレートは120Hz。さらに音声も大幅に改善されている。表面の多くを占めるグリル部の下には、4つのウーファーと2つのツイーターから構成される6つのスピーカーシステムが隠されている。

Appleによれば、これらのシステムはより高速な充電に対応しており、かつビデオ再生で最大21時間のバッテリー駆動時間を実現している。このノートパソコンの「野獣」は軽くはない。それぞれの重量は、4.7ポンド(2.1kgと2.2kg)と3.5ポンド(1.6kg)だ。14インチは税込23万9800円から、16インチは税込29万9800円からとなっている。またいずれのモデルでもM1 Max版へのアップグレードが可能で、24コアGPU版へは税込2万2000円、32コアGPU版へは14インチは税込4万4000円、16インチは税込5万4000円の追加料金がかかる。

本日より予約受付を開始し、来週、10月26日に発売される。また、13インチのProも当面は継続され、標準的なMacBookが担っていた役割を実質的に果たすことになる。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

アップル、MagSafeコネクタを新MacBook Proで復活

Appleは「接続性のジェットコースター」に私たちを乗せるのが大好きなようだ。新しいMacBook Proは、MacBookシリーズがこれまで頼りにしてきたUSB-Cコネクタでは対応できないほど電力を消費する。これまでどおりThunderboltポートを使って充電することもできるが、新しいM1 ProM1 Maxプロセッサーを1ミクロンでも長く使いたいなら、MagSafeを使うべきだ。

これは実にクレバーな設計だ。MagSafe 3の充電器は、メインのワークステーションに置いておきそこでヘビーな作業を行う。一方、外出先でテキストをまとめたり、ウェブを閲覧するときには、性能は低いが小型の充電器を使うことができる。もちろん、USB-Cケーブルにはすぐ外れるというMagSafeのメリットはないが、これは両方の長所を活かす最良の組み合わせだ。ちょっと馬鹿げているが、もし誰かがケーブルにつまずくようなことがあれば、それは自宅や職場のデスクで安全に過ごしているときではなく、外出中であることが多いものだ。

新開発のMagSafe 3コネクタと、MacBook Proの新しいポート

新しいMagSafeポートには、2006年にアップルが開発したおなじみのマグネット式クイックリリースが搭載されており、誰かが電源コードにつまずいてもノートパソコンが床に落ちることはない。当時Appleは、このマグネット式クイックリリースを「コンピュータの転倒によるトラブルをすべて解決する」と謳っていた。

Macbook Pro 2021のMagSafeポート。新しいMagSafe 3コネクタはマグネットを採用

その10年後、Appleは方針転換し全面的にUSB-Cを採用したが、結局のところ、パソコンの落下問題は大したことではないのだろうか?AppleのノートパソコンにMagSafeが戻ってくるのは喜ばしいことだが、この変更にはどのような意味があるのだろうか。

Appleは単に、USB-Cが確実に供給できる以上の電力を必要としていたのではないだろうか(ご存知のとおり、多くの人がW数が小さいスマートフォン用充電器でノートパソコンに接続していた)。

MagSafe 3は、本日発売されたAppleの新しいMacBook Proシリーズに搭載されている。

画像クレジット:Apple

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがフラッグシッププロセッサ「M1 Pro」を発表

Apple(アップル)は、新しい「M1 Pro」と「M1 Max」チップで、PCに全面戦争を挑み、パフォーマンスを大幅に向上させると同時に、バッテリー消費量を大幅に削減した。M1 Maxは、グラフィックスのプロをターゲットにしていることは明らかだが、Macにさらなるゲーム機能をもたらすことになるかもしれない。

関連記事:アップルが新チップ「M1 Pro」発表、M1と比べ最大70%高速に

M1 Maxは、M1 Proのアーキテクチャをベースに、さらに強力な機能を追加している。このアーキテクチャでは、メモリ帯域幅を最大400GB/sへと大幅に向上させている。これは、すでに非常に高速なM1チップの約6倍、発表されたばかりのM1 Proチップの2倍に相当する。

新チップは570億個のトランジスタを搭載し、64GBのユニファイドメモリー(GPUとCPUの共有メモリー)をサポートしている。M1 Proと同じ10コアのCPUアーキテクチャを採用し、GPUを32コアに増強した他、ハードウェアアクセラレーションによるH.264やHEVCの映像処理のための新しいメディアエンジンを搭載している。また、2つの並列ビデオエンコーディングエンジンを搭載しており、ビデオエディターなどの重いグラフィックス処理を行うユーザーを喜ばせることだろう。

最も印象的な主張は、M1 Maxが1Wあたりの消費電力カーブを同じに保つとしていることだ。言い換えれば、数分でバッテリーを使い切ることなく、より重いグラフィックスを扱えるということだ。

Appleはイベントの中で「では、我々が見つけた最速のPCノートパソコンに搭載されているチップと比較してみましょう」とジョークを飛ばし、ライバルたちと比較しながら、そのパフォーマンス対消費電力スーパーパワーを見せつけた。

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが新チップ「M1 Pro」発表、M1と比べ最大70%高速に

Apple(アップル)は米国時間10月18日、予想どおり新しいチップを発表したが、その名前はほとんどの人が予想していなかったものだった。2020年11月に発表され、様々なApple製品に搭載されてきたM1チップをさらに強化した「M1 Pro」だ。Appleは、M1 ProがオリジナルのM1よりも最大70%高速であることを約束している。

これに加えて、同社はProのさらに強力なバージョンである「M1 Max」も発表した。その詳細はこちらでご覧いただける。

M1 Proは、M1の後継とまではいかないが、基本的には既存のチップをよりパワフルにしたものだ。AppleのTim Cook(ティム・クック)CEOは、この製品を「M1ファミリーの次のチップであり、ゲームチェンジャー」と呼んでいる。

同社によると、チップの再設計を行い、チップが利用できる帯域幅を200GB/sに大幅にアップしたという。そして最大32GBのユニファイドメモリーに対応している(一部のプロユーザーにはちょっと残念かもしれない)。

この5nmチップの特徴は、より多くの、合計10個のコアを備えていることだ。そのうち8つは高性能コア、2つは高効率コアで、さらに16個のGPUコアを搭載している(初代M1の8個から増加)。このSoCには、初代M1の2倍となる合計337億個のトランジスタが搭載されている。チップにはもちろん、AIアプリのためのAppleのNeural Engineも搭載されている。

このチップは、最大2台の外部ディスプレイに対応している。

画像クレジット:Apple

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)