傷つきやすい海洋生物を捕獲できる「超優しい」ロボットハンド

海の生物は我々とは大きく異なる世界に住んでいる。人間は生きていけない。しかし、我々の世界もまた彼らにとっては致命的だ。鋭いエッジや素早い動きが容易に彼らを傷つける。海に住む柔らかな体の生物を捕まえて観察するには、そのための機械も柔らかくなくてはいけない。ハーバード大学のロボット工学研究はそれが目的だ。

深海から標本を集める作業を安全に進めるのは難しい。深海生物は地上の生物よりはるかに厳しい圧力や温度にさらされているが、手で触れるだけでも容易に傷ついてしまう。これまでに研究目的で収集する方法は、圧力を保った小さな容器に吸い込んで地上に持ってくるものが多かった。しかし、魅力的で小さな生き物たちを手にとって、試験管の中で観察できたらどんなにうれしいだろうか。

そのために、ハーバード大学のワイス研究所では、そういう生物を一時的に捕獲し、写真を撮ったり組織を採取したあと解放するための安全で簡単な方法を研究している。

一年少し前、彼らは「underwater Pokéball」を作った。クラゲや浮遊する魚を包み込む柔らかな多面体構造の仕掛けだ。しかし、こんな方法を採ったとしても、容器を閉じるときに潰してしまう可能性がある。

そこでチームは「ヌードル状の付属器官」を研究した。普段は茹でたスパゲティー(というよりその形状からはフェットチーネ)のように、自由に曲がってものを傷つけない。

それぞれの「指」は、「伸縮性だが堅牢なシリコン材料」で作られており、内部の小さな繊維がふだんは柔らかいが、使用時には僅かな水圧を使って硬直させることができる。こうすることで、全部の指を特定の方向(ここでは内側に)に曲げて、このソフトな3Dプリントされた「手のひら」で、届く範囲のものを捉えることができる。つかみ方は柔らかくて相手を傷つけることなく、しかし身をくねらせて抜け出ることがないくらいの強さだ。

gripper1

Sinatra et al. / Science Robotics

指の大きさや長さにはほとんど制限がないので、操作に応じてカスタマイズして使うことができる。映っている装置は、一般的なクラゲを捉えるのに便利だが、もっと大きな動物や小さな動物を扱うようにも簡単に拡大縮小できる。

装置全体を水中で使うことも可能だが、小さくて単純な構造なので研究者が手に持って標本採取するハンドヘルドガジェットを作ることもできる。彼らはプロトタイプを作り、「このハンドヘルドソフトグリッパーを使って、3種類の一般的なクラゲ種を優しくつかむところを演示できた」とコメントしている。

これで、海中にクラゲの破片が少なくなることを望むとともに、いつかはそんなグリッパーをレンタルして、シュノーケリングしながら、傷つきやすい海洋生物を自分の手でつかむ(非推奨)ことなく観察できるようになるかもしれない。

研究論文は、論文誌のScience Roboticsで本日発表された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アスパラ収穫ロボは量産体制へ、開発元のinahoが資金調達

野菜収穫ロボットの開発を進めているスタートアップであるinahoは8月28日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、創発計画、ドフ、複数の個人投資家からの資金調達を発表した。調達額は非公開。

inahoは、2018年11月にTechCrunchが開催したTechCrunch Tokyo 2018のピッチコンテスト「スタートアップバトル」のファイナリストで、そのほかピッチコンテストでもさまざな賞を受賞した注目のスタートアップ。

今回の資金調達により同社は、野菜収穫ロボットの量産と対応作物の拡大、人員の拡充、他社提携を含めたマーケティング施策を進める。対応作物については、現在はアスパラガスのみだが、きゅうりやトマトへの対応目指す。

同社が開発したロボットは、画像認識と機械学習による解析でAIが対象作物の収穫時期を判断。同じ場所で栽培しても作物の生育には個体差が出る。特にアスパラガスの場合は1日で数cm伸びることもあり、収穫シーズンには毎日のように畑やビニールハウスに行って作業する必要がある。しかもアスパラガスは地中から生えてくるので、人の手で収穫するには中腰での作業が続くので重労働だ。

具体的には、ロボットが搭載するカメラが捉えたアスパラガスの画像をAIが解析し、栽培位置や高さ、奥行きを測定したあと、出荷基準を満たす個体だけを選別・収穫する仕組み。規格外品や病害などについては、画像を照合して判別し、異常がある場合は早期に刈り取ることも可能だ。収穫に使うアームは、細かな操作を得意とする医療系のロボットアームをベースに開発されている。

同社はロボットを農家に直接販売するのではなく、ロボットを中心としたサービス(RaaS、Robot as a Service)を展開。サービスを導入した農家には、順次最新のロボットが提供され、収穫量に応じてinahoにマージンを支払うというモデルのため、初期投資が不要なのが特徴。高齢化が進み長期の設備投資が難しい農家にも受け入れられそうだ。

GoogleがNestのドアベル用カメラに荷物検知機能を追加

Nest(ネスト)のGoogle(グーグル)ブランドへの移行は、もう少し改善されるかもしれない。これに関してGoogleは、エコシステムに魅力的なソフトウェア機能を追加し続けると約束しており、また米国時間8月27日の朝の発表はかなり良いスタートだ。

同社はNest Awareを購読しているNest Helloのユーザー向けに、荷物検出機能を追加すると発表した。荷物の集荷や配達の追跡に利用できるこの機能は、今日からユーザーに公開される。

ここで特に興味深いのは、荷物が通常配達される上り段や玄関の場所を区別するために「Activity Zones」を設定する機能だ。これは、既存のNest Aware機能を次のように活用する。

Activity Zonesでは、ゾーン内で重要な動きがあったときにカメラからアラートを送信したり、ビデオ履歴のタイムラインを記録できる。また、独自のカスタムゾーンを設定したり、あるいはNestが自動的にゾーンを作成するので、より正確かつ意味のあるアラートを受け取ることができる。

荷物が届いたり集荷されたりすると、Next Awareから通知が送られる。また、アプリは機能が有効になったことを通知し、ユーザーはそれをオン/オフすることができる。

この機能を最大限に活用するには、Helloのビデオストリームにパッケージが表示され、現場が明るいことを確認することをお勧めする。表示されない場合は、Helloの角度を変更する付属品のウェッジを利用するか、Helloのカメラを邪魔している物体を取り除く必要がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

おかず盛り付けロボ開発のアールティが4億円調達

アールティは8月23日、約4億円の資金調達を発表した。内訳は、トヨタ自動車と三井住友銀行を主要投資家とするスパークス・アセット・マネジメントが運用する「未来創生2号ファンド」、DBJキャピタルが運用する「DBJキャピタル投資事業有限責任組合」、みずほキャピタルが運用する「みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合」、池田泉州キャピタルが運用する「SI創業応援ファンド投資事業有限責任組合」が引き受け先となるシリーズBラウンドの第三者割当増資と、デットファイナンス(借入)。シリーズAラウンドからの累計調達額は約5億円だ。

写真中央に写っているのが、独自開発の人型協働ロボット「Foodly」(フードリー)

同社は、弁当などの中食業界で大きな問題となっている人手不足を解消するため、弁当工場の盛付けラインで人と一緒に働く人型協働ロボットの開発を進めている2005年9月設立の企業。人型協働ロボットのほか、研究開発用アーム型ロボットや教育用ロボットの開発・販売も手がける。

今回調達した資金は、独自開発の人型協働ロボット「Foodly」(フードリー)の開発・販売加速のための人材確保と、事業体制強化にあてる予定とのこと。

ディープラーニングにより、唐揚げなどのふぞろいな形状のおかずも1つひとつ認識できる

Foodlyは、Google(グーグル)のTensorFlowフレームワークを使ったディープラーニングによって食材を見分ける「目」を装備。番重(食品コンテナ)に山積みとなった食材が小さな個体の集合体であることを認識し、食材の山からそのひとつを取り出して弁当へ盛り付ける。唐揚げのように一つひとつの形が異なる不揃いの個体でも認識できるのが特徴だ。

たこ焼きロボからマイクロモビリティまで竹芝埠頭にロボ集結

東急不動産と鹿島建設は、両社が共同開発する「(仮称)竹芝地区開発計画」のエリアマネジメントの一環として、両社が共同設立した事業会社であるアルベログランデ、一般社団法人の竹芝エリアマネジメントと共同で「竹芝ふぇす TAKESHIBA Seaside Music & Dining」を8月23日まで開催中だ。開催時間は17時30分~21時。

期間中は、東京都野外広告条例の規制緩和に向けた実証実験として、開場に隣接する建物を利用したプロジェクションマッピングイベント「TAKESHIBA TOWN OF LIGHT FESTIVAL」も同時開催される。また「街全体のロボット実装化に向けた実証実験」の場として、公募によって選ばれたさまざまなロボットが展示されていた。

THOUZER

一般社団法人CiP協議会が開発したリンゴをモチーフにしたコンパクトな店舗「apfel.min」と追従運搬型ロボット「THOUZER」を組み合わせたソリューション。ステンレスで作り上げられたTHOUZERは、一定間隔を保って人のあとを追従して注文した商品を運んでくれる。

OctoChef

コネクテッドロボティクスは、大手チェーンへの導入実績もある、汎用アームロボットをチューニングしたたこ焼きロボを展示。従来は、デンマーク・ユニバーサルロボットのアームロボットを使っていたが、今回は台湾テックマン製のアームロボット(国内代理店はオムロン)に変更されていた。このたこ焼きロボットは4代目で、さまざまな汎用アームロボット向けにチューニングすることで、同様の動きを再現できることがわかる。関係者によると、同じ会社が製造する同じシリーズのアームロボットでも型式によって関節の仕組みが異なるため、個体ごとに微調整は必要とのこと。

出展されていたたこ焼きロボは簡易仕様で、画像解析によるたこ焼きの焼き具合を判断する機能を備わっていないが、たこ焼きの生地やトッピングは事前に用意しておけば、油引き、生地の流し込み、たこ焼きの回転、鉄板からのたこ焼きのピックアップまでを全自動でこなす。あとは、人の手でたこ焼きを取り分けてソースやマヨネーズ、青のりなどを振りかければ完成だ。

さらに今回は、たこ焼きロボットの開発を生かしたビールサーバーロボットも展示されていた。チェーン居酒屋などで見かける自動ビールサーバーと前述のアームロボットを組み合わせ、ビールのコップをセットするところから、ビールが満たされたコップを提供するまでを全自動でこなす。連続で2杯のビールを注いで提供することができる。

今回はたこ焼きロボとビールサーバーロボで別々のアームロボットを利用していたが、1台のアームロボットで一方でたこ焼きを作り、空き時間にビールを注ぐという1台二役の動作も可能とのこと。

Hot Snack Robot

コネクテッドロボティクスは、コンビニなどへの導入を計画している揚げ物担当ロボットも展示していた。揚げ物を作るためのフライヤー、食材を保存しておくための冷凍庫、出来上がった揚げ物をディスプレイする陳列棚の中心にユニバーサルロボットのアームロボットが鎮座。冷凍庫の扉を開けて食材を取り出し、食材をフライヤーで揚げる、揚げ上がった食材の油切り、揚げ物を陳列棚に移動、客のオーダーにより陳列棚から取り出すという一連の作業を全自動でこなす。

ロボットが認識できるように、食材をトレイに均一に並べたり、二次元バーコードでマークをつけるといった下準備は必要だが、猛暑の中でただでさえ高温のフライヤーの前に人間が立つ必要がなく、隣でほかの作業をこなしながらサポートするだけだいいのはありがたい。

自律声がけロボット

サーバーエージェントのAI Labは大阪大学と共同で、周辺の環境を認識して、通行人の行動の認識・予測、通行人の注意を惹きつけるロボットの動作生成などの要素技術を研究。今回展示されていたコミュニケーションロボットはバックにLEDパネルが設置されており、遠隔地にいるスタッフが接客する仕様だった。

REBORG-Z

綜合警備保障(ALSOK)は、ビルなどへの導入実績がある警備ロボットを展示。警備と案内、巡回に特化したロボットで、内蔵の液晶パネルでイベントの概要を参照できるほか、域内をパトロールするといった動作が可能だ。多言語対応の音声対話のほか、受付、火災検知、消火活動、異常音検知、警戒監視、顔認識、危険性ガス検知などの機能を搭載する。

poimo

メルカリの研究開発組織であるmercari R4Dは、東京大学川原研究所と共同開発した「poimo」を展示。poimoは、空気を注入したボディを利用する電動モビリティーで、耐荷重100kg程度、時速10km程度で走行できる。電動キックボードなどと同様に公道を走るには車両登録や原付免許が必要となるが、今後はpoimoでの走行が許可されている竹芝国家戦略特区での実証実験を進めていくという。

また電動キックボードなどを充電するための無線充電マットも展示されていた。マット上に停車させておけば自動的に充電される。スマートフォンの無線充電規格であるQiよりも長距離となる数cm離れた状態での充電が可能。パネルを連結させることで充電範囲を広げられるのが特徴だ。

スターシップ・テクノロジーズがロボ配達10万回を達成、新たに資金調達も

Starship Technologies(スターシップ・テクノロジーズ)は歩道を自動で車輪走行する配達ロボットを開発し、これまでに10万回超の客への配達を行った。StarshipがシリーズAで4000万ドル(約43億円)を調達したタイミングでこの大台を達成。今回のシリーズAで累計調達額は8500万ドル(約90億円)となった。2018年6月に2500万ドル(約27億円)の調達を発表した時、Starshipは大学構内での初の運行を試していた。そしていま、Starshipはそのパイロット事業をもとに今後2年かけて100の大学のキャンパスに拡大するという計画を持っている。

「私がCEOになった時、さまざまな種類のビジネス拡大戦略をテストしていた」とCEOのLex Bayer(レックス・ベイヤー)氏は説明する。「我々はグローサリー配達、大学のキャンパス、企業敷地、産業敷地をテストしていた。そして我々はこうした環境のほとんどでかなりの需要が実際にあることに気づいた。ロンドン北部のミルトン・キーンズで展開しているグローサリー配達事業は予想以上にうまくいっている。しかし実験の一つは大学のキャンパスだった。私が思うに、企業として(まだスタートアップだが)我々はいかに今後成長するかに常にフォーカスし、それを追求しなけれなならない。そうした意味で大学のキャンパスは我々の事業を前進させるものだ。これは学生をひきつけているだけではない。レストランからのオーダー、そしてロボットが対応できる件数よりも学生からのオーダーが多く、我々は利用可能なレストランや稼働時間を拡大しなければならなかったほどだ。なので、我々は学生からよい感触を得ることができた。と同時に、大学やフードサービス事業者からの引き合いもあった」。

大学にフォーカスした結果、ピッツバーグ大学では今日から、インディアナ州のパデュー大学では9月9日からStarshipのロボットが展開され、今後も多くの大学にお目見えする。Starshipの野心的な目標は、前述した通り、今後2年間で100の大学で展開することで、この事業拡大に今回の資金を使う予定だ。Bayer氏が述べたようにマーケットの反応はよく、公道や歩道に接しているキャンパスで展開することは、ロボットがあらゆる環境で作動することを示す手段となる。加えて、学生の数は初期顧客ベースとして理想的だ。

「若い世代を相手に何かを始めるというのはいつだって素晴らしい。というのも、彼らの世界の見方の多くは、世界がそうなるかもしれない方向と一致するからだ。彼らは過去や従来のやり方にとらわれない。だから、彼らにより良いソリューションを示すと、彼らはそれを活用し『物事はこうあるべきだ』と言う」。

当たり前ととらえることは高頻度の利用につながる。Starshipが展開している大学で稼働しているロボットの一つは、サンフランシスコーニューヨーク間の距離を走行した。最高速度が時速4マイル(約6.4km)であることを考えると、この距離はすごい。Starshipの電動ロボットは全部で、配達のために距離にして計35万マイル(約56万km)を走行し、さまざまなグローサリーや食品を届け、中でも9000個ものロールと1万5000本ものバナナを運んだ。

「最初の数年間は、これもできるはずだということを実際に展開していた」とBayer氏は説明する。「なので、配達1万回を達成するのに4年を要し、配達1万回から5万回となるのには8カ月かかった。そして10万回を達成するのには4カ月もかからなかった。10万回というのは大きな金字塔で、これを達成した企業は我々が初めてだ。当然誇りに思っている。我々が行なっていること、いかに拡大しているかを如実に反映している」。

Starshipの今回の資金調達はMorpheus Venturesが主導し、既存投資家のShasta Ventures, Matrix Partners, MetaPlanet Holdings等、そして新規投資家のTDK VenturesやQu Ventures等が参加した。

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(翻訳:Mizoguchi)

Postmatesがサンフランシスコでのオンデマンド配達試験の許可を取得

Postmates(ポストメイツ)は、車輪で動く配達ロボット「Serve」をサンフランシスコで試験展開する許可を当局から得た。最初にSF Chronicleが報じ、この報道を受けてTechCrunchがPostmatesに確認した。このオンデマンド配達の会社は先週、TechCrunchに対し条件付承認のすぐ後に許可が降りるだろうと語っていて、それが8月14日に実現した格好だ。

今回の許可は、サンフランシスコ市全域をカバーするものではなく、ポトレロ・ヒルとイナー・ミッション周辺の一部に限定されている。しかしPostmatesが一度に最大3台のロボットを最速時速4.8kmでテスト開始するのを許可する見通しだ。このロボットによる配達は平日の午前8時から午後6時半に限定され、運行中はロボットから9.1m内で人間が付き添わなければならない。それでも、サービス開始は開始であり、しかも他企業の初期パイロット事業ではあまり協力的でなかった当局からの許可だ。

自動配達ロボット企業のMarbleもまた許可待ちで、センサーを搭載した4輪で動く配達ロボットをサンフランシスコ市内でテストする予定だ。Postmatesと同様のテスト許可が間もなく下りる見通しとなっている。

Postmatesは昨年12月に、全体的に擬人的デザインのServeを発表した。他の多くの短距離配達ロボットと同様に、鍵のかかる荷物入れとスクリーンベースのユーザーインターフェースを搭載している。自動配達ロボットの分野における競争は激しくなるばかりで、Starship TechnologiesやAmazon、その他多くがすでに参入している。

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(翻訳:Mizoguchi)

軍事技術から発達した歩行支援のためのロボットショーツ

誰かが「ロボット外骨格」と言うときに、多くの人の(まあ少なくとも私の)頭に浮かぶのは、映画エイリアンに登場したパワーローダーだろう。だが本物はかなり違ったものになるはずだ、より柔らかく、賢く、より普通の作業に使われるものになるのだ。ハーバード大学が作った最新のエクソスーツ(外骨格スーツ)は、日常生活で着用できる位にとても薄型のものだ。

ソフトロボットならびに生物に触発されたメカニズムに焦点を当てているハーバード大学のウィス研究所(Wyss Institute)の研究者たちが、他の研究所と協力してデザインしたこのエクソスーツは、重量物を持ち上げたりエイリアンと戦うためのものではなく、単純に歩いたり走ったりという行為を少しばかり助けてくれるものだ。

このスーツは、実際には腰につけられた機構と脚に伸びるストラップケーブルが備わったショーツであり、多くの運動に共通な腰の伸展で脚の動きをアシストしようというものだ。

オンボードコンピューター(もちろんニューラルネットワークも)は、着用者の体の動きを検出し、動きの種類(歩行あるいは走行)と、動きのどの段階に脚があるのかを判断する。これによって脚の動きがわずかに強化され、その結果動きが楽になるのだ。

テストでは、このスーツは歩行時の代謝負荷を9.3%、ランニング時の代謝負荷を4%削減した。これだけではたいしたことではないように聞こえるかも知れないが、彼らの狙いはオリンピックレベルのサイボーグを作成しようとするものではない。ただソフトでポータブルなエクソスーツから、信頼性のあるアシストを得られることを示すことが目的だったのだ。

「私たちが観察できた代謝量の減少は控えめなものですが、ポータブルなウェアラブルロボットが単に1つ以上の動作をアシストできることを、私たちの研究は示しています。この結果は、こうしたシステムが私たちの生活の中に広がって行く手助けをしてくれるでしょう」と、研究を主導するConor Walsh(コナー・ウォルシュ)氏はニュースリリースの中で語っている

つまり、全体的なアイデアとしては、ここではエクソスーツを重工業や作業のための大きな機械的なものとして考えることは忘れて、エクソスーツが高齢者が椅子から立ち上がることを助けたり、事故から回復中の人間が疲労することなく、より遠くまで歩けるようにするというアイデアを持ち込もうということだ。

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デバイス全体の重量はショーツを含めて約5kg(11ポンド)。重量のほとんどが、ショーツのトップに隠された小さなバッテリーとモーターによるものだが、設置された場所は体の重心に近いため、より軽く感じさせるのに役に立っている。

もちろん、これは軍隊が非常に興味を持つような代物だ。単に活発な動作(兵士が2倍の距離を移動したり、2倍の速さで移動したりできる)のためだけではなく、負傷した兵士を助けるためにも。従って、これがもともとは数年前に開始されたDARPAプロジェクトから出てきたものだと聞いても驚きはない。なお、DARPAプロジェクトのほうでは他のかたちで進行中だ。

しかし、はるかに有望な応用が期待されるのは、医療分野およびそれに関連したシーンにおける一般市民への適用である。「歩行障害のある人、肉体的に過酷な作業を行う負傷のリスクがある工業労働者、あるいは週末のレクリエーションを支援するといった、さまざまな応用に引き続き適用していけることを楽しみにしています」とウォルシュ氏は述べている。

現在、チームはロボットショーツを改善し、重量を減らし、アシストをより強力で直感的にできるように、懸命に取り組んでいる。彼らのシステムを説明した論文は、今週のサイエンス誌のカバーストーリーになっている

画像クレジット:Wyss Institute

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(翻訳:sako)

自動操縦エアタクシーよる公共交通ネットワークでEHangと広州市が協力

自動操縦の旅客用および貨物用低空飛行航空機、貨客積載ドローンを作っているEHangが、そのエアタクシーの初の実用ネットワークを広州市に構築する。同社の発表によると広州市は、その全市的展開パイロット事業の主催団体になる。

パイロット事業は、低空を回転翼で飛ぶ航空機が都市の交通機関としてふさわしいことを示すだけでなく、そのネットワーク全体を中央的な交通管制ハブから自動的に運用管理できることを実証する。その交通管制ハブは、EHangと広州市の共同開発になる。

EHangは今年の初めに中国の民間航空局から自動操縦旅客航空機サービスの唯一のパイロット企業として認められ、すでに今年初めウィーンでEHang 184に乗客を乗せて飛行をデモし、また2018年には広州市でも数回の飛行を行った。

交通管制システムにより自動操縦航空機ネットワークの安全な運用を確保するだけでなく、EHangは広州市と共同で、そのネットワークの運用に必要なインフラストラクチャも構築している。たとえば自動操縦は、その初期的段階だけでなく、その運用をサポートする垂直離着陸場Vertiportの使用についても試験される。また都市交通機関として定着するために必要な、商用パートナーとの協働も行われる。

都市の公共交通機関のこのような新しい技術によるネットワークは、成長著しく交通量の増大も激しい広州市のような都市にふさわしい。しかもこの低空飛行航空機のネットワークは、過密都市において自動運転車などの陸上車に比べてアドバンテージが大きいだろう。自動運転車は、従来の一般車両や歩行者、自転車などとの争いや折り合いが運用の難点だが、都市上空の低空域は完全に空いている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

トヨタがAIスタートアップのPreferred Networksと提携 支援サービスロボット開発へ

トヨタは2014年に設立された人工知能とディープラーニングを専門とするスタートアップのPreferred Networksと提携し、人々の日常生活を支援するサービスロボットの開発をすすめる。

両社は8月7日、トヨタのヒューマン・サポート・ロボット(HSR)のプラットフォームを利用した共同研究開発について発表した。トヨタが2012年に開発したこのプラットフォームは、日常生活の中で人々と一緒に仕事ができるように設計された基本的なロボットだ。主な用途は、介護における基本的なケアとアシスタントだ。ロボットは1本のアーム、ディスプレイ、カメラ、車輪付きベースを備え、アイテムを片付けたり、遠隔操作や通信機能を提供する。

Preferred NetworksはすでにすでにトヨタのHSRに関する経験があり、2018年に日本で開催されたロボットカンファレンスのCEATECにて、自動で部屋を掃除するようにプログラムされたロボットのデモを展示した。システムは物体を認識し、人間からの特定の指示に従い、データベースから定義できない物体を片付けることができた。

トヨタはPreferred Networksのために数十台のHSRユニットを貸与し、今後3年間にわたり研究成果と知的財産を共有しながら、成果の活用に制限をもうけずに研究開発を進める。

トヨタの目標は、地域の人々と一緒に働ける商用ホームロボットを開発することにある。同社は複数の学術研究機関と提携している子会社のトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)での研究を含め、さまざまなプロジェクトを進めている。トヨタはまた、2020年の東京オリンピックに向けていくつかのロボットプロジェクトを公開しており、いくつかのフィールドテストを実施する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Amazon Scoutがカリフォルニア州アーバイン地区で自動配達を開始

Amazon(アマゾン)の歩道走行型6輪配達ロボScout(スカウト)が、米国カリフォルニア州アーバイン地区で、実際に顧客への配達を開始した。Amazonは、このカリフォルニアでの最初のScoutロボの実戦配備をブログ記事で発表した。それによると、シアトルの太平洋岸北西部で最初に配備した際には、さまざまな天候を経験する機会があった。しかし晴れの日が多いカリフォルニアでは、少なくとも天候の点では、この小さな青いロボも、スムーズな配達を体験できるはずだという。

現状では「少数」のロボットしか配備されていない。そのため、アーバインに住んでいたとしても、それを目撃することはめったにないだろう。Scoutは、月曜から金曜の「昼間」に、Amazonから顧客の家に配達に向かうことになる。顧客がAmazonにふだん通りに注文したものの中から、ランダムに選ばれた荷物がScoutによって運ばれる。どの配達オプションを選んだかは関係ない。

ロボットは自分自身で動き回ることができる。もちろん、それがそもそもこのプロジェクトの本質だが、最初のうちは「Amazon Scoutアンバサダー」が同行することになる。このAmazonスタッフは、ある意味外交官であり、プロジェクトの研究員でもあり、その地域の人々からの質問に答えたり、人々の反応を観察したりする。ロボットは、世界的に見て、まだ日常的に人々と頻繁にやり取りしているわけではない。従って、商業的に展開する際の重要なポイントは、まず人々がどのような反応を示すかを研究すること。それによって、人とロボットのやり取りの方法を変更したり、改善したりすることを考えることにある。

初期のScoutの設計に対して、かなり多くの検討が加えられた。1つは、日中の長い距離の移動に耐えられるようなものにすること。もう1つは、ひと目で親しみやすいと感じられ、それでいてあまり目立たないデザインにすること。それによって、目新しいものから、標準的な地域の背景に溶け込んでしまうものになることを目指している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

建設現場で写真、ビデオ、その他のデータを収集するロボを開発するスペインのScaled Robotics

建設にかかる費用の約20%は、誤りを修正するために使われている。バルセロナを拠点とするScaled Roboticsは、自律走行するロボットを使って工事の進捗状況を自動的に監視し、手直しを最小限にすることを目指している。

グーグルが世界中の地図を作成するために使っている車と同じように、LIDAR(ライダー)と自動運転技術を利用して、Scaled Roboticsはウォーリーの生き写しのようなロボットを作った。それを建設現場で走らせ、写真、ビデオ、その他のデータを収集して融合し、地図を作成する。

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Scaled Roboticsは、「オフィスで設計したものをそのまま建設するためのツールがない」という不満から生まれた、と共同創立者のStuart Maggs(スチュアート・マッグス)氏は明かす。同氏の専門は、建設と、建築設計だ。「オフィスで多くの時間を費やして、作りたいもののビジョンを創造します。当然それはうまくできるはずだと思っています。しかし、最終的には、その成否は現場で作業する人にかかっているのです。彼らは巻き尺とチョークしか持っていません。たいていはカンを頼りに作業しているのです。

同社のロボットは、すでにオランダのDura Vermeerや、英国のKierなど、世界中のさまざまな建設現場に配備されている。Maggs氏によれば、建設業界にこのロボットの価値を納得してもらうのは、驚くほど簡単だったという。ロボットがもたらす効果に、確かなニーズがあったからだ。元のデジタルモデルと、実際の建設現場を高解像度で比較できるので、現場監督は進捗状況を詳細に把握できる。そして、さらにコストのかかる段階に進む前に、何か問題があれば発見することが可能となった。このロボットは、効率化のための万能ツールなのだと、彼は付け加えた。

最初のうち、現場の作業員は、あまり乗り気ではなかった。しかし、ジョークを言ったり、記念写真を撮ったりしているうちに、「建設現場に普通にあるツールの1つとして受け入れてくれました」と、Maggs氏は締めくくった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ロボットは教室に居場所を見つけることができるのか?

数年前、投資家たちは、各家庭にロボットがある未来の到来に沸いた。Jibo、AnkiのCozmo、Mayfield RoboticsのKuriのようなロボットがブームとなり、ベンチャーキャピタルから数億ドル(数百億円)の投資を集めたのだ。そしてその後、上に挙げた3つの会社は、すべて潰れた。子ども用のハイテク製品に詳しいRobin Raskin氏をして「ハイテク玩具の世界の輝きは失われてしまったのか?」と言わしめることになった。

こうしたロボットと、そのメーカーが消滅してしまうのを見れば、いったいいつになったら、ロボットが私たちの生活の中で現実的な役割を果たす日が来るのだろうか、ほんとうにそんな日が来るのだろうか、と疑いたくなるのは当然だ。しかしロボットの中には、すぐには思いつきにくいようなところに居場所を見つけているものもある。学校だ。

ロボットが成功するためには、人間のニーズを満たし、実際の問題を解決し、そして使われ続けるようなアプリケーションを見つける必要がある。家庭では、現在の世代のロボットは、確かに子どもたちに数時間の娯楽を提供するかもしれない。しかし、やがて他の新しいおもちゃと同じように、見向きもされなくなってしまうのがオチだ。

しかし学校では、ロボットは、コーディングによって命を吹き込むことにより、デジタルと現実世界の溝を埋める役割を果たすことができるのを証明している。技術に明るい教師は、ロボットがプロジェクトベースの学習に活力を与えることができるのを目の当たりにしている。価値のある批判的な思考力と、問題解決のスキルの獲得を促すのだ。

K-12(幼稚園から小中高校まで)の学校が、いち早く最新技術を導入することに道を開くのは、今回が初めてではないだろう。40年前、Apple IIは、まず学校で広く採用された。デスクトップコンピュータが一般の家庭に入り込むより前のことだ。ノートパソコンも、まず学校で盛んに利用され始めたのは、よく知られた話だ。軽量で持ち運びもしやすく、クラス内での補習的な授業や、マルチメディア普及にも一役買った。さらにタブレットについても、いち早く採用したのは学校だった。目立った失敗もあったが、今ではK-12の教室の中のどこにでもあるものとなった。

K-12の学校におけるロボット類の進出は、新しいガジェットの可能性に興味をそそられたことによるものだけではなく、コンピュータサイエンスの教育に力を注ぐ必要性にも支えられたものだった。ほんの10年前には、STEM教育の要件として、コンピュータサイエンスを含めることを承認していたのは、わずか2、3の州しかなかった。今日では、ほぼすべての州が、コンピュータサイエンスのコースを、卒業要件の1つとしてカウントすることを認めている。そして17の州では、すべての高校に、コンピュータサイエンスのコースを提供することを義務付けている。

高校レベルで、コンピュータサイエンスの重要性が増していることが、小中学校の教育にも影響を及ぼすようになってきた。生徒を、州の新しいK-12コンピュータサイエンスの基準に導くための効果的な方法として、教師がロボットを利用するようになっているのだ。カリフォルニア州の教育委員会は、ロボットを使用することで、州の基準のうちの5つを満たすよう、学校に指示するまでになった。

教育者は、おもちゃとしてではなく、学習のための強力なツールとしての、ロボットの可能性を認識しつつある

教室で使われるロボットは、家庭用のロボットとは、設計レベルから根本的に異なるものだ。学習用として利用するには、家庭用にありがちな手軽なだけに底の浅い体験ではなく、生徒が数ヶ月から数年にわたって取り組み続けることができるような、深く多様な体験を提供できるものでなければならない。また教室で成功するためには、教師がそれに沿って教えられるよう、よく考えられたカリキュラムとともに提供されなければならない。ロボットは比較的高価なので、教師は長期間にわたって使える信頼性の高いものを必要としている。

LittleBitsやSpheroのような会社は、こうしたトレンドを見逃さなかった。これらの会社は、レゴのような伝統的な会社が支配していたK-12市場に向けて素早く舵を切り直した。またWonder Workshop(ワンダーワークショップ)のロボットは、アップルストアやアマゾンといった小売チャンネルを通して人気を得ることになったものだが、今では全世界で2万以上の学校に採用されている。今のところは、米国内のK-5(幼稚園から小学5年生まで)の教室の、ほんの一部で使われるようになっただけだが、彼らの成功は、投資家からの関心を集めるだけでなく、イノベーションを加速する可能性もある。ただし、それは、今だにSTEM教育のクラスや、ハイテク産業そのものを悩ましている、やっかいな公平性の壁と無縁ではいられないかもしれない。

玩具業界は、長年にわたり、男の子用と女の子用に分けて、製品を企画し、販売してきた。それが製品のデザインから広告にまでおよぶ、ある種の偏見を助長してきた。教室で使われるロボットのデザインは、すべての生徒にアピールするものでなければならない。たとえば、Wonder WorkshopのDashロボットの初期のバージョンは、駆動用の車輪が露出したものだった。

最初のユーザー調査で、同社は、生徒が車輪付きロボットを、車やトラックに見立てていることを理解した。言い換えれば、彼らはDashを男の子用のものと見なしていたのだ。そこでWonder Workshopは、Dashの車輪をカバーで覆うことにした。それは当たりだった。今では、同社のWonder League Robotics Competition(ワンダーリーグロボット競技会)の参加者のほぼ50%が女子で、毎年の優勝チームの多くが、女子だけで構成されたチームとなっている。

現在では、ロボットが人間の仕事を奪うようになるといったディストピア的な未来がまことしやかに語られがちだ。しかし教室用のロボットは、ますます多様化する教育のニーズに対応できるよう、実際に教師の役に立っている。さらに、生徒の実行力、創造性、そして他の人とのコミュニケーション能力を向上させるのにも一役買っているのだ。

教育者は、おもちゃとしてではなく、学習のための強力なツールとしての、ロボットの潜在能力を認識しつつある。そして幼稚園に通うくらいの年頃の子供たちは、ロボットを使うことで、数学的な概念を、より早く、深く理解することができるようになっている。今日、教室でロボットから学び、さらにロボットといっしょになって学ぶ機会を持っている生徒が、新しい世代のロボットを開発することになるかもしれない。将来にわたって私たちの生活の中で役割を果たすことができるようなロボットだ。彼らは、単なる技術の消費者としてではなく、技術のクリエーターとして成長していくだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iRobotの拭き掃除ロボ「ブラーバジェットm6」登場、ルンバi7との協調掃除が可能に

アイロボットジャパンは7月23日、床拭きロボットの新モデル「ブラーバジェットm6」(Braava jet m6)を発表した。7月26日より全国の認定販売や同社オンラインストアで販売を開始する。税別価格は6万9880円

関連記事:iRobot最新の掃除ロボとモップロボはデバイス間通信によりシンクロ掃除可能に

特徴は、ブラーバシリーズとしては初となるカメラと自動充電・自動再開、Wi-FIの機能を搭載している点。内蔵カメラにより、掃除ロボットのルンバi7(Roomba i7)シリーズと同様に室内の自動マッピングが可能になる。自動充電・自動再開機能により、内蔵バッテリー容量が低下すると自動的にホームベース(充電器)に戻り、充電完了後に拭き掃除を自動で再開できる。IEEE802.11nのWi-Fiにも対応しているので、専用のスマートフォンアプリ「iRobot HOME」アプリを使うことで外出先からのリモートコントロールも可能だ。さらに、GoogleアシスタントやAmazon Alexaにも対応しており、スマートスピーカーやスマーフォンに話かけるだけで拭き掃除の開始、終了を指示できる。

注目は、ルンバi7シリーズとの協調動作を可能にする「Imprintリンク」機能の搭載。ルンバでの掃除が終わると自動的にブラーバが起動することで、フローリングでは散りやホコリ、ペットの毛などをルンバで掃除したあとに、仕上げとして水拭き掃除が可能になる。なおルンバi7+はクリーンベースと呼ばれる自動ゴミ収集機が充電ステーションと一体化しており、ルンバが収集したゴミをクリーンベース側に移してくれる。クリーベースの容量はルンバのダスト容器30杯ぶんで、専用の袋に収集されるので手間なく捨てられる。ルンバi7は税別9万9880円、ルンバi7+は税別12万9880円、ルンバi7+は税別14万0270円。なおルンバi7+については税別月額3800円で利用できるサブスクリプションプラン(Robot Smart Plan)も用意されている。

なお現時点でImprintリンクに対応しているのは、ブラーバジェットm6とルンバi7シリーズのみだが、2019年末までにはソフトウェアアップデートにより、ルンバ900シリーズでも利用可能になる。

そのほかの機能としては、侵入禁止区域を設定できるバーチャルウォール機能、スケジュール機能、掃除モードのカスタマイズ機能などがある。

また今夏にはブラーバジェットm6とルンバi7シリーズに向け、アプリ上で侵入禁止エリアを設定できる機能をにソフトウェアアップデートで提供する予定だ。

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コネクテッドロボティクスが10万円台の教育用ロボを朝食調理ロボ「Loraine」に超改造

TechCrunch読者にはたこ焼きロボでおなじみのコネクテッドロボティクスは7月18日、カンデオホテルズ東京六本木にて朝食調理ロボットサービス「Loraine」(ロレイン)の実証実験を報道関係者に披露した。

写真に向かって左から二人目が開発チームリーダーの宮武茉子さん、右端がコネクテッドロボティクスで取締役COOを務める佐藤泰樹氏

Loraineは、東京大学工学部4年の宮武茉子さんが開発チームリーダーを務めるインターン生だけで開発したロボット。チームは、大学でロボットを専門に研究している学生2名と、ロボコンサークルに所属する2名の計4名で構成されている。

なんといっても注目なのが、同社のお家芸ともいえる安価な汎用ロボットをチューニングして調理用ロボットにカスタマイズしている点だ。今回使われていたのは、市販価格15万円前後の「Dobot Magician」。教育用として売られている製品で、ペイロード(アームが持ち上げられる重量)は500g、0.2mm間隔の繰り返し精度を備える4軸アームロボット。

宮武さんによると、開発には1年を要したとのこと。意外にも、最も時間がかかったのはどういう相手に何を届けるかという仕様の部分だったそうだ。3月に米国テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)では、ホットプレートの上に食材を直接投下して調理していたが、今回はホテルで多人数の対しての調理が必要なため、食材をアルミニウムの小皿に小分けした状態で調理する仕様に変更している。

ホテルへの設置には3時間ほどを要したとのこと。各機材の位置決めと固定はもちろんだが、研究環境とは湿度や温度が異なるため、ホットプレートの温度などを現地で微調整が必要だった。ただし、一度設定してしまえば3日間問題なく稼働したという。

Loraine自体は座標によって位置を認識しており、食材を調理するホットプレート上の、ワイヤーで区分けさらた固定のエリアを認識し、玉子、ベーコン、さつまいもの3種類の食材を調理する仕組み。食材を設置する場所とそれぞれの調理時間を決めておくことで、9分ほどで温かい料理が出来上がる。「画像認識技術と使わないのか」という問いには「今回のような用途であれば、座標位置を捕捉するだけ問題なく稼働するので、システムが複雑になりコストもかかる画像認識は搭載しなかった」と宮武さん。

調理方法は蒸し焼きで、Loraineがアルミ小皿をホットプレートに設置したあと、シリコンのフタをかぶせる。食材をスロットにセットしておけば、あとはタブレット端末の「START」ボタンを押すだけで調理が始まる。蒸し焼きのため食材から出た水分が水蒸気となり、シリコン製のフタに水滴が付着するが、こちらも水滴を落とす工程を組み込むことで、テーブルを濡らさないよう工夫している。

カンデオホテルズ東京六本木の関係者によると「厨房の人手不足を解消するために今回の実証実験に参加した」とのこと。同ホテルは特にコネクテッドロボティクスの食洗機ロボに興味を示していたので、同ロボの実験の場として今後選ばれるかもしれない。今回は7月16日〜18日までの朝食時の7〜10時までの3時間、計9時間の実験だったが、反応は上々で写真や動画を撮影する宿泊客も多かったとのこと。

チームリーダの宮武さんは、現在はアルミニウムの小皿のまま提供しているが、ロボットのアーム部分は付け替えも可能なので今後は盛り付けまでできるように改良したいとのこと。

複雑な地形も群で突き進む「ありんこ」ロボット

SpotやAtlasといったロボットの敏捷性には目を奪われるが、一体では汎用性は低いものの適応性の高い集団として活動できる超小型のシンプルなロボットにも、それなりにメリットがある。この「Tribot」(トライボット)は、アリをモデルに開発され、本物のアリと同じように、障害物をチームワークで乗り越えることができる。

スイス連邦工学大学ローザンヌ校(EPFL)と大阪大学によって開発されたTribotは、超小型、軽量でシンプルなロボットで、アリと言うより尺取り虫のような動きをする。しかし、必要とあらば障害物をジャンプで跳び越えることもできる。このロボット本体とシステムは、歩行と跳躍を使い分け、(他のアリと同様)探検アリ、働きアリ、リーダーアリの役割を流動的に担うアギトアリをモデルにしている。個々のロボットはそれほどインテリジェントではないが、集団としてコントロールされることで、知的な能力を発揮する。

集団行動の例として、複雑な地形のある地点から別の地点に渡る場合が考えられる。探検アリが先を行き、障害物を探知し、その位置と大きさを残りのメンバーに伝える。するとリーダーは、働きアリ部隊を送り出し、障害物の除去を行わせる。除去できないときは、探検アリはジャンプして障害物を跳び越えようと試みる。それに成功したなら、遠隔測定情報を後方のメンバーに伝え、全員が同じように跳び越えられるようにする。

飛べ!Tribot、飛べー!

現時点では、こうした行動はとてもゆっくりだ。下の動画を見ればわかるが、ほとんどのアクションは16倍速になっている。だが、速度はそれほど重要ではない。Squishy Roboticsのロボットと同じく、適応性と、簡単に展開できることに主眼が置かれているのだ。

関連記事:Squishy Roboticsはヘリコプターから安全に投下できるロボットをいかにして開発したか(未訳)

Tribotは、ひとつの重量がわずか10gで、基本的にプリント基盤にちょっとしたメカニズムと滑り止めを加えただけの構造なので簡単に大量生産ができる。論文によれば「擬似二次元メタマテリアルのサンドウィッチ」だそうだ。1台あたりのコストが1ドルほどならば、目標地域に数十台から数百台を投下でき、1時間から2時間ほどで状況を判断し、測量を行い、例えば放射線や高熱を発している場所を探し回るといった活動が行える。

もう少し速く動けたなら、同じロジックでデザインを改良すれば、キッチンやダイニングに群で現れて、パン屑を掃除したり、皿を所定の場所に運んだりできるだろう。余談だが、SF作家のレイ・ブラッドベリは、火星年代記(The Martian Chronicles)シリーズの「優しく雨ぞ降りしきる」(There Will Come Soft Rains)の中で、これを「電気ネズミ」とかなんとか呼んでいた。彼の作品のなかでも大好きな話だ。なので私はいつもそこに目を光らせている。

群での活動を基本としたロボットには、不具合が起きたときに致命的な事態に至らないという利点がある。ひとつのロボットが故障しても、群は維持され、すぐに別のロボットで補填できるからだ。

「大量に製造して展開できるので、多少の『被害』があってもミッションの遂行には影響しません」と、EPFLでこのロボットのデザインに携わるJamie Paikは話している。「彼らはその独自の集合的知性によって、未知の環境への高い適応性を示します。そのため、ミッションによっては、大型の、よりパワフルなロボットよりも高い性能を示します」。

ここでひとつの疑問が湧く。小さなロボットが集まって1台の超高性能なロボットを構成するというのはあり得るのか?(これはどちらかと言えば、そもそもコンストラクティコンとデバステーターから発生した哲学的な疑問だ。いろいろな意味で、トランスフォーマーは時代を先取りしている)。

Tribotはまだプロトタイプだが、すでに、他の「集団」タイプのロボットシステムと比較して大きな進歩がある。開発チームは、その進歩についてネイチャー誌に論文を掲載している。

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(翻訳:金井哲夫)

デバイスはどれくらい「個性的」であるべきか

デバイスに適切な個性を持たせる

人類は、Google Assistant、Siri、Cortana、そしてBixbyといったパーソナルアシスタントたちと仲良くなり始めている。しかし、自動車、ラップトップ、その他の家庭用品に、個性が入り込むことについては、人々はどのように感じるのだろうか?

私たちが欲しているのは、すべてのデバイスを横断するシームレスな単一個性だろうか?それともそれぞれのモノに対して、個別に新しい関係を築くことなのだろうか?こうしたモノたちに、私たちのことを理解し共感してほしいと思っているだろうか?

私たちはこうしたモノたちに、私たちが感じているものを本当に「感じて」もらう必要があるのだろうか、それとも私たちは単にモノたちが私たちを「理解している」という経験が必要なだけなのだろうか。

人間というものは、身の回りのもの、特に動いたり、成長したり、自分に話しかけてくるモノを、擬人化してしまう生来の性質を持っている。技術の進歩によって、ロボットやIoTデバイスのインテリジェンスが向上するにつれて、人間は日常生活の中で対話するより多くのデバイスに、個性を見出すようになっていくだろう。

かつてはシンプルな道具だった掃除機は、楽しげな音をたてながらリビングルームを駆け抜ける、陽気で能天気な個性を持ったRoomba(ルンバ)になっている。そして、標準的な掃除機の場合はそれを交換することが特に問題になることはないが、多くのRoombaユーザーたちは、修理からまったく同じロボットが戻ってくることを要求し、「殺され」たり部品レベルに解体されて廃棄されたりすることは望んでいない。彼らはそれをほとんど家族の一部と見なしているからだ。

一方、ツールは交換可能だ。インテリジェントなシステムやハードウェアの一部が、ツールのように感じられれば感じられるほど、それはより交換可能なものになる。スタートレックでは、乗組員は機械的な音声で話しかけてくる船のコンピューターを、交換したりアップグレードしたりすることについて躊躇したりはしない。

なぜなら乗組員たちはそれをツールとみなしているからだ。しかしながら、アンドロイドの乗組員であるデータ少佐のアップグレードや保守に関しては、大きな懸念が寄せられている。これは彼の人間型の形状や個性が、彼が生きていて関係を持つことができるような対象と感じさせるからだ。

さらに、研究によれば、人間は「生きている」と見なす装置から来ている場合には間違いを許す可能性が高いのに対し、ツールとして見るものに対してはそのような寛容性はみられない。

これが私たちの将来にどのように当てはまるのだろうか?論理的には、顧客の維持とエンゲージメントに興味のある企業は、デバイスに対して強い個性を与え人間の擬人化を最大に利用することが、明らかな手段のように見える。顧客維持とエンゲージメントを強化しながら同時にバグに対する許容度を上げることもできるからだ。とはいえ、本当の課題はどれ位の個性を注入するかを選ぶことだ。

個性リスク?

文化的な違いに戻ってみると、デバイスの個性が強すぎることは潜在的なリスク要因になり得る。新しいデジタルの友人を楽しむ人もいれば、親しく接して来ようとするツールというアイデアを、煩わしく感じる人もいるからだ。

この極端な例が、書籍、そして映画の「銀河ヒッチハイクガイド」(The HitchHiker’s Guide to the Galaxy )の中に登場する。そこではドアが「本当の人格」を持っていて、人間が通り過ぎると満足げにため息をつくのだが、繰り返されると本当に煩わしいものとなる。とはいえ、今日のデザイナーたちは既に、彼らのデバイスの個性を「控えめにする」タイミングについて考えている。

現在デジタルアシスタントのデザイナーたちは、アシスタントの声をどのように使用するかについては慎重に取り組んでいる。例えば、アラームやタイマー、そしてインターホンを用いた一斉放送といった、エンドユーザーに割り込んだり、さもなくばイライラさせたりする可能性のあるものには、アシスタントの音声を使わないように気を遣っている。

Google Homeでは、ユーザーは電話をかけることはできるが電話を受けることはない(従って、アシスタントの呼び出し音で煩わされることはない)。またAmazonは、Alexaからの呼びかけやプッシュ通知の採用に躊躇してきた。主要な音声アシスタントたちは、その話し好きな個性を抑え始めている。

GoogleとAmazonは最近、「ライトを消して」といった簡単なコマンドに対する確認応答の数を減らした。単に寝たいだけなのにいちいち「了解しました、ライトを消します」といった応答でユーザーを煩わせないようにするためだ。

ロボットの個性

人間はすでにほとんどのロボットを擬人化しているので、ロボットは人工の個性を注入するための明らかな場所のひとつだ。スタンフォード大学の研究者たちは、Jackrabbotというプロジェクトで通路や廊下などの人が往来する場所を移動する手法についての実験を行っている。そのロボットは、人々の間を移動する際に、音声や動作を用いて譲り合いや欲求不満を表現する。 感情を呼び起こすことに対して、さらに直接的にアプローチする他のプロジェクトもある。

例えばTombot roboticsは、コンパニオンアニマルとして機能する、ゴールデンレトリーバーロボットを製造している。他の企業は水平的なアプローチを取っている。例えば、Embodiedはさまざまなロボットの上で実行され、より生き物に近く意味のあるインタラクションを可能にするソフトウェアを開発している。

影響

消費者製品に個性を与えることで、使用するデバイスへのより大きなつながり感を生み出すことができる。この個性付与は、そうしたデバイスの利用をより身近なものとし、長期的なエンゲージメントを向上させる。そしておそらくサービスへの加入率を増やす効果があるのだ。しかしこれは、進むにはデリケートな注意が必要な道だ。個性的すぎる製品はユーザーをいらいらさせ、やがて完全にその製品から離れさせてしまう可能性がある。「たまごっち」はこの現象の顕著な例だ。おそらく良いやり方は単に、実用的なツールから親友までの間で、自分のデバイスに持たせたい個性の量を調整できるような、スライダースイッチを提供することなのかも知れない。そのようにして、人間は自分のデバイスをコントロールすることができる。

【編集部注】著者の1人であるTiffine Wang(トリフィン・ワン)は、Singtel Groupのベンチャーキャピタル部門であるSingtel Innov8のシニア投資マネージャーである。またもうひとりの著者であるFreddy Dopfel(フレディー・ドップフェル)は、Grishin Roboticsのシニアアソシエイトである。

[原文へ]

(翻訳:sako)

軌道上で巨大3Dプリント宇宙船部品を製作するArchinautがNASAから79億円強の資金調達

かさばる部品を宇宙に打ち上げるのではなく、その場で3Dプリントしてしまうことを目指すプロジェクトが、その技術を実証するために、NASAから7370万ドル(79億円強)の契約を獲得した。これまで数年に渡って開発が続けられてきたMade In Space(メイドインスペース)社のArchinaut(建築宇宙飛行士的な意味の造語)は、早ければ2022年には打ち上げが予定されている。

私たちの現在の問題は次のようなものだ。もし60フィート(18m強)の太陽電池アレイを装備した宇宙船が欲しいとするならば、そのアレイを装着するための60フィート長の構造物を用意しなければならない。そのような構造物はリボンのようにくるくる巻き付けておくわけにはいかない。しかし、60フィートの支柱、あるいは2本の30フィートの支柱、なんなら10本に分割した支柱群でも良いが、打ち上げる宇宙船に僅かな格納スペースしかないときに、それらをどのようにしまっておけば良いのだろう?たとえ1方向だけでも大きなものを宇宙に持っていこうとするとすると、問題は急速に複雑なものとなる。

Archinautの解決策はシンプルだ。ただその長い部品のための材料を宇宙に持っていって、その場で3Dプリントしてしまえば良いのではないだろうか?材料をコンパクトに保つ手段として、レンガ状に固めておくやり方以上に効率的なものはない。

当然のことながらこれは、単純な棒や柱のプリントだけにとどまるものではない。ソーラー帆などに使える大きな素材シート、他の部品を装着できる入り組んだ構造物。ひとかたまりのものとして一度に宇宙に打ち上げるには大きすぎるものはたくさん存在している。だがそうしたものはもし必要ならば小さなものから作り上げることができる。以下の写真に示された黒い支柱は、中央の部品から離れた位置に機器を装着するために作られた部品だ:

optimast3Made in SpaceはすでにNASAと契約を終え、国際宇宙ステーション(International Space Station)に搭載されている部品の3Dプリントを実証してみせた。同社はまた、宇宙環境とほぼ同等の人工の真空中で部品をプリントできることも示した。

実証の使命を担うArchinaut Oneは、早くとも2022年の初頭以降にRocket Lab Electronの打ち上げロケットに搭載されて宇宙に向かう予定だ。安定軌道に到達したあと、最終的には32フィート(約10m)の長さになる1対の支柱を押し出して成形する。これらの支柱に取り付けられるのは、同時に展開される柔軟な太陽電池アレイの予定で、支柱の堅固な構造にそって取り付けられる。その作業が完成したら、ロボットアームはそれらを所定の位置に固定し、他の管理作業へと移行する。

そうした作業イメージを以下の動画で見ることができる(残念ながら特にエキサイティングではないが)。

完成すると、この長さ32フィートの太陽電池アレイのペアは、理論的には、そのサイズの宇宙船が通常取り込むことのできる電力の、5倍の電力を生成することができる。宇宙船はほとんど例外なく電力不足に悩むシステムなので、より多くの電力を使えたり、軌道上で十分に受光できない場合に備えて電力を保存できることは、もちろん大歓迎されるだろう。

別のプリントでは、ロボットアームが部品を並べ替え、コネクターに差し込んで、まるでコンセプトアートのような複雑な構造を作るようなタスクをこなすこともできる。とはいえ、こうしたすべてのことが実際に行われるのはまだ先の話だ、現在の実証機が焦点を当てているミッションは、最初の支柱と太陽電池アレイに関するものである。もちろんチームはこの作業の中で他のミッションを達成するために必要なさまざまな学びも重ねることだろう。

当然のことながら宇宙空間での製造は、月面およびその周辺でしっかりとした存在感を確立することを計画している国にとっては大きな関心事だ。25万マイル(約40万km)の距離を配送するよりも、必要な場所で製造を行う方が遥かに簡単だからだ。Archinautや宇宙プリンティングに関わるMade In Spaceの他のプロジェクトに関しての情報は、同社のブログで追いかけることができる。

画像クレジット: Made in Space

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(翻訳:sako)

MITの人まねロボがボトルキャップチャレンジに成功

MITのCSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)には、人間の上腕二頭筋の動きを観察して、その動作を真似できるロボットがある。大きくて扱いにくそうなものを持ち上げようとする人を手伝うなど、実用的な用途はいろいろある。しかし、今流行りの、あのチャレンジにも応用できそうだ。

CSAILは、このロボットをRoboRaise(ロボレイズ)と呼んでいる。今回、人間の相棒から教えを受けて、ボトルキャップチャレンジをやってのけた。このところ、セレブも含めて多くの人の間で流行っている、アレだ。ペットボトルのキャップに狙いを定めて正確無比なキックを繰り出し、キャップだけを回転させて、うまく取れたかどうかをビデオで拡散するというもの。

RoboRaiseは、実はキックはできない。なぜかと言えば、そう、腕しかないからだ。それでも、このロボットがどんなにうまく人間の動きを真似できるかを示す素晴らしいデモには違いない。そのソフトなロボットハンドは、ボトル本体に触れることなく、見事にキャップだけを回転させて外すことに成功した。ロボット自身も、自分の能力をかなり気に入っているようだ。ディスプレイに表示された誇らしげな笑顔がそれを物語っている。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

MITの人まねロボがボトルキャップチャレンジに成功

MITのCSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)には、人間の上腕二頭筋の動きを観察して、その動作を真似できるロボットがある。大きくて扱いにくそうなものを持ち上げようとする人を手伝うなど、実用的な用途はいろいろある。しかし、今流行りの、あのチャレンジにも応用できそうだ。

CSAILは、このロボットをRoboRaise(ロボレイズ)と呼んでいる。今回、人間の相棒から教えを受けて、ボトルキャップチャレンジをやってのけた。このところ、セレブも含めて多くの人の間で流行っている、アレだ。ペットボトルのキャップに狙いを定めて正確無比なキックを繰り出し、キャップだけを回転させて、うまく取れたかどうかをビデオで拡散するというもの。

RoboRaiseは、実はキックはできない。なぜかと言えば、そう、腕しかないからだ。それでも、このロボットがどんなにうまく人間の動きを真似できるかを示す素晴らしいデモには違いない。そのソフトなロボットハンドは、ボトル本体に触れることなく、見事にキャップだけを回転させて外すことに成功した。ロボット自身も、自分の能力をかなり気に入っているようだ。ディスプレイに表示された誇らしげな笑顔がそれを物語っている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)