AppleのセキュリティチップT2はMacBookのマイクロフォンからの盗聴をハードウェアレベルで不可能に

Appleの最新のMacBookは、マイクロフォンからの盗聴がさらに困難になっている。

この前発売されたMacBook Proから、今日のMacBook Airに至るまで、最新のMacBookには、セキュリティチップT2が内蔵され、それが暗号鍵やストレージ、指紋データ、そしてセキュアブート機能を護る。

このチップのことはこれまでほとんど知られていなかったが、発表されたばかりのセキュリティガイドによると、このチップにはマイクロフォンとデバイス本体との接続をハードウェア的に切る機能があり、本体の蓋を閉めると必ずそれが作動する。

ガイドにはこう書かれている: “この断線機能はハードウェアのみで実装されているから、いかなるソフトウェアからも操作できない。macOSのroot特権やカーネル特権、それにT2チップ上のソフトウェアですら、蓋が閉められているときマイクロフォンに関与することはできない”。

ただし、カメラは切断されない。“蓋が閉じていると視界が完全に遮(さえぎ)られるから”だ。

Appleによると、この新しい機能はMacに“これまでなかった”高いレベルのセキュリティを賦与する。Macはマルウェアに感染しない、というストレートな言い方はしていないが…。

Webカメラを利用するハッカーの脅威は何年も前からの現実で、それはリモートアドミニストレーションツール(“RATs”)を使ってのぞき屋たちが、ラップトップのカメラからリモートでターゲットをスパイする。そのため、Webカメラのレンズにポストイットを貼ることが流行(はや)った。

AppleのWebカメラはライトがハードウェアに接続しているので、ユーザーが知らない間に(ソフトウェアが勝手に)Webカメラを起動することは不可能、と信じられていた。Macには、Webカメラののぞき攻撃に対する十分な免疫がある、と思われていた。しかし昨年、セキュリティ研究家のPatrick Wardleが、この神話を破壊したFruitflyマルウェアを発見した。

そのパラノイアは神話ではなく現実だ。イギリス政府の諜報機関GCHQは、その“Optic Nerve”プログラムの一環として長年、Webカメラの悪用を調査した。FacebookのCEO Mark Zuckerbergでさえ、自分のWebカメラとMacBookのマイクロフォンにガムテープを貼っていると報道された。ただし、マイクロフォンが拾う音を数枚のガムテープで遮断することはできない。

Webカメラやマイクロフォンが作動したらアラートするWardeのOversightのようなツールはあるけど、高度なマルウェアがこっそりとMacBookのマイクを使って環境音を聞き取ることを、防げるものはほとんどない。

でも蓋が閉められるときマイクロフォンをMacBookのハードウェアから切断したら、その眠っているデバイスがユーザーをスパイすることは、きわめて難しい。

Apple Fall Event 2018

画像クレジット: Apple, クリエイティブコモンズND 4.0ライセンスによる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleの新しいiPhoneの中では業界初の7nmチップが動いている

Appleは予想通り今日(米国時間9/11)、最新世代のiPhoneを発表した。そしてそれとともに、その新しいチップA12 Bionicを発表した。

A12 Bionicが独特なのは、7nmプロセスで作られていることだ。チップの仕様や性能を表す測度はメーカーによってまちまちだから、単純な比較はできないが、7nmが最先端の技術であることは確かだ。Appleは、業界初の7nmチップ、と主張している。それには、計69億6000万のトランジスタが載っている。

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Appleの全世界マーケティング担当SVP Phil Schillerはこう言う: “チームがやったことはまったく本当のブレークスルーだ。A12 Bionicは業界初の7nmチップだ”。

A12 BionicはAppleが設計したチップで、6コアのCPUと4コアのGPU,そして機械学習のワークロードを動かすためのApple独自のNeural Engineを積んでいる。高性能コアのパフォーマンスは前よりも15%早くなり消費電力は40%減った。また効率性コアでは最大50%の省エネを実現した。

GPUも、前より50%速くなった。モバイルのゲーマーたちよ、喜べ。

Neural Engineは今や8コアのシステムで、スピードが上がっただけでなく新たな機能が加わった。Schillerによるとチップは機械学習のワークロードの性質を見極め、それをGPU, CPUあるいはNeural Engineのどれにやらせるかを決める。

トータルでは、A12 BionicのNeural Engineは毎秒5兆の演算ができる。A11では6000億だった。ただしそれがどういう演算なのかAppleは詳細を言わないので、いまいち腑に落ちない。いずれにしても、相当速いチップであることは、確かなようだ。

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iPhone XRは「買い」

iPhone XRは反省の産物のごとくやってきた。実際、驚きはなかった。Appleは常に全力で突き進んできた——最新、最高、文字通りの最大。最前線で命を張ることは、同社にとってイメージと市場シェアと株価の拠り所だ。

iPhone XRはそうではない。昨日の イベントを見る限り、この端末は等外馬だ。シングルレンズカメラと低解像度画面はネット上のディスプレイマニアの間で批判の的になった。これは、この会社が作る必要のあった製品そのものでもある——結局Appleは山ほど売ることになるだろう。実際このエントリーレベル機がプレミアムの兄たちより多く売れてもさほど驚かない。

過去24時間、かなりの人たちが、どのiPhoneを買うべきか私に聞いてきた。答えは相手によってまちまちなのは当然だが、多くの場合にXRがもっともしっくりくる。昨日のハンズオン記事にも書いたように、これは一般人のためのiPhone Xだ。

昨年の10周年記念端末は、テクノロジー、価格、予算、あらゆる面でiPhoneの限界を押し広げた。それは2008年のApple Store導入以来最大の飛躍であり、1000ドルスマートフォンの誕生でもあった。

ものごとがその方向に進んでいくことは誰もが知っていたし、、Samsungを始めとする各社はAppleに戦いを挑んできたが、iPhone Xは消費者がスマートフォンにいくら払うつもりがあるかの限界をテストする結果になった。当初の売上はこの製品にとって理想的ではなかったが、はるかに高いその価格は、同じ利益をあげるためにAppleは少なく売るだけでよいことを意味していた。

しかしAppleはsの100万円携帯のVertuではない。製品を実際に消費者の手に届けることは、新しい端末を売るのと同じく重要な側面だ。初期の報道では、Appleはより広い消費者層にアピールするために、LCDに戻してコストを下げることを考えていると言われていた。

Wall Street Journalは6月に、需要は「Appleが最初のOLEDスマートフォンを準備していた一年前に多くの業界人が予想していたよりも伸び悩んでいる」と書いた。AppleにとってLCDに戻ることは、最も先進的なスマートフォンを出したあとに一歩後退するように感じたのだろう。

しかし、それを気にする人たちがいる一方で、テクノロジーの刷新は、消費者の要求よりもライバルの先を行きたいという欲求に動かされることがよくある。そして、最高解像度の画面はすばらしいものの、必ずしも1000ドルに値するすばらしさではない。

iPhone XRはAppleにとって、よりバランス志向のアプローチだ。しかしこの端末は、iPhone Xをベースに比較的求めやすい価格を維持しつつ、Xと一緒に発表されたときのiPhone 8のような遺物感をもたせないことに成功している。

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XRは大衆向きiPhone。人々のためのiPhoneだ。私はこれをiPhoneのiPod Miniと呼んでおり、Matt Burns記者はこれをiBookと呼んでいるが、言いたいことは同じだ。より安く、よりカラフルな選択肢だ。すくなくとも同僚の一人は、どの色にするかで少々強迫観念を感じている。

749ドル(8万4800円)は決して安くないが、XSとXS Max(それぞれ999ドル/11万2800円と1099ドル/12万4800円)と比べるとお買い得に感じるし、欠けている機能の殆どは平均的ユーザーの日々の利用に影響しそうにない。そうそう、シングルレンズカメラがポートレイトモードを模倣することで、いっそう違いを和らげている。

もし私が今新しいiPhoneを買うなら、まず間違いなくXRで行く。わかってほしいのだが、私はニューヨークシティーに住むITブロガーだ。金のなる木をもっているわけではない。

あなたが今iPhoneの潜在顧客なら、おそらく同じ気持ちだろう。XRは断然買いだ。Appleは山ほど売ることになるだろう。

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iPhone XSとXS MaxがデュアルSIMになった…中国以外はeSIM対応のみ

デュアルSIMにすべき理由は、たくさんある。だからAndroidスマートフォンは、SIMカードを二枚挿入できるのが多い。Appleも、物理的なSIMトレイを載せてデュアルSIMの世界へ入ってきた。世界のほかの場所ではeSIMを使うが、中国では二つの物理的SIMカードを使う。

空港で第二のSIMカードを買って自分のスマートフォンに挿入することは、できない。iPadのときと同じように、自分のiPhoneを使ってプランに登録しないといけない。eSIMをサポートしている通信企業はまだ少ない。Appleは、Verizon, T-Mobile, AT&T, Bell, EE, Vodafone, Airtel, Deutsche Telekom, Truphone, GigSky, そしてJioのロゴを載せている。

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今回のAppleのやり方を見て、もっと多くのキャリア通信企業がeSIMに切り替えることを期待しよう。Spotifyなどにユーザー登録するときのように、自分が使いたいモバイルプランに簡単に登録できるようになるのが、理想だよね。

二つのSIMカードを使う場合は、二つの電話番号や二つのプランを使い分けられる。圏域が分断されているところでは、それが便利だ。分断されている各地域ごとに通信企業がある国も、少なくない。そんな国であっちこっち旅する場合は、SIMカードの入れ替えが必要だ。

中国ではeSIMが使えないので、中国で売ってるiPhone XSとXS Maxは、二つのSIMカードを挿入できるタイプだ。

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iPhone XS、XS Max、XRの価格はこれだ(旧機種は値下げ)

Appleはついに最新のiPhoneを発表した。iPhone XS と XS Maxの2機種が新しいフラグシップモデルとしてiPhone Xに取って代わる。iPhone XRはiPhone 8とiPhone 8 Plusを置き換え、Face IDとエンジツーエッジ(縁なし)デザインが採用された。

おそらくこの発表イベントを待って新しいスマートフォンを買おうという人もいたことだろう。そこで、この新しい端末にいくら払うことになるか、取り急ぎ調べてみよう。

iPhone XSのストレージは64GB、256GB、512GBの3種類で価格はそれぞれ999ドル、1149ドル、1349ドル(11万2800円、12万9800円、15万2800円)。大画面のiPhone XS Maxを手に入れるためにはあと100ドル(1万2000円)ずつ上乗せする必要がある(1099ドル、1249ドル、1449ドル/12万4800円、14万1800円、16万4800円)。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3種類。

iPhone XRはiPhone 8とiPhone 8 Plusの後継となる。価格は64GBの749ドル(8万4800円)からで、128GBと256GBモデルはそれぞれ799ドル(9万0800円)と899ドル(10万1800円)。カラーのオプションは豊富——ホワイト、ブラック、ブルー、イエロー、コーラル、レッドがある。

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旧機種(これまでの価格。現在は値下げされている)と比較すると、iPhone Xは64GBモデルが999ドル(11万2800円)、256GBが1149ドル(12万9800円)だった。iPhone 8は64GBが699ドル(7万8800円)、256GBが849ドル(9万5800円)。そしiPhone 8 Plusはそれより100ドル(1100円)ずつ高かった(799ドル/8万9800円と949ドル/10万6800円)。

わかりやすく言うと、iPhone XRは今年のiPhoneラインアップのエントリーレベル機だ。iPhone XSとXS Maxは画面サイズが異なる以外はまったく同じデバイスだ。これはラインアップの高級モデルで、ディスプレイ、カメラ、材質(ステンレス製)のいずれもよくなっている。
iPhone XSは9月14日金曜日(日本時間16:01)から、出荷は9月21日から。iPhone XRの予約は10月19日金曜日(日本時間16:01)から。

もっと安いものをお探しなら、iPhone 7は32GBモデルが499ドル(5万0800円)、128GBが549ドル(6万1800円)、iPhone 8は64GBが599ドル(6万7800円)256GBが749ドル(8万4800円)だ。

まとめると:

  • iPhone 7: $449(5万0800円)/32GB, $549(6万1800円)/128GB
  • iPhone 7 Plus: $569(6万4800円)/32GB, $669(7万5800円)/128GB
  • iPhone 8: $599(6万7800円)/64GB, $749(8万4800円)/256GB
  • iPhone 8 Plus: $699(7万8800円)/64GB, $849(9万5800円)/256GB
  • iPhone XR: $749(8万4800円)/64GB, $799(9万0800円)/128GB, $899(10万1800円)/256GB
  • iPhone XS: $999(11万2800円)/64GB, $1,149(12万9800円)/256GB, $1,349(15万2800円)/512GB
  • iPhone XS Max: $1,099(12万4800円)/64GB, $1,249(14万1800円)/256GB, $1,449(16万4800円)/512GB

ずいぶんと長いラインアップだ。

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Apple Watchシリーズ4とiPhone XS, XRのプロモーションビデオはこちら

Apple Watchシリーズ4とiPhone XS, XRのプロモーションビデオはこちら
Appleはつい先ほど、iPhoneApple Watchの最新機種を発表した。各機種のプロモーションビデオを下に貼ってある。例によってAppleの最高デザイン責任者、Jony Iveがナレーションを担当し、ビデオは新製品のさまざまな機能を映し出していく。

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Appleのハードウェアイベントに期待してはならないこと

明日(米国時間9/12)はでっかい一日だ。噂はもう聞き飽きたと思うけど、まだ物足らない人は本誌が先週載せた噂のまとめをご覧いただきたい。例によって、あまり大きな期待は持たないようにしよう。その方が、幻滅に打ちのめされる可能性も低い。これは、ぼくがこれまでの人生から学んだ教訓でもある。

期待値を下げるお手伝いとして、ここではAppleのビッグイベントに絶対登場しないと思われるものの、不完全なリストを作ってみた。ご参考になれば、幸いだ。

  • ARヘッドセット: AppleはARヘッドセットを開発しているか? たぶん、している。それは明日登場するか? たぶんノーだ。Vrvanaを買収したからには、それを作ってることは確実だが、まだまだ先の話だろう。
  • Beatsの製品: AppleがBeatsを買収したことはApple Musicの立ち上げと関係がある、と一般には理解されている。その後、このヘッドフォンメーカーの製品はAppleの中で明らかに影が薄くなり、新しいAirPodはもちろんありうるとしても、そこにBeatsブランドを期待すべきではない。
  • MacOSデバイス: わずかな可能性はある。しかし現時点で優先されるのは、かつての名機MacBook Airの待望のリフレッシュだから、ぼくは期待しない。Appleは確かにMa Proのアップデートを言ってきたし、現にiMac Proは出たけど、でも実現はまだまだ先だろう。
  • 円形のApple Watch: Appleのウェアラブルが円形になるという前からの予想は、明日のイベントの招待状に大きな円があるので、いよいよ燃え上がった。でも数秒後には誰にも分かったように、それはAppleの大きな宇宙船をイベントの場所として表しているのだ。そしてこれまでのどのリーク情報も、Apple Watchの形は前世代から変らないと言っている。
  • iPhone 9: iPhoneの10歳の誕生日は、Appleのかなり単純明快なネーミングの慣行をぶち壊した。あれを“アイフォン・エックス”と呼んでる人が多いけれども、それは実際にはiPhone 10だ。そして、Appleが後ろを向くことはめったにない。廉価版のiPhone Xは実際に作ってるらしいが、iPhone 9は完全にスキップされたのだ。
  • 心の平和: 明日になって何が起きようとも、われわれはそれを拾い上げて、同じことをしなければならない。哀れなテク・ブロガーに休息はない。そしてみんな、死ぬときは一人だ。でも、とりあえず、happy Apple Day!と言っておこう。

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