iPhone、販売台数微減もiPhone Xのおかげで売上アップ

売上数値だけで言えば、この四半期は、Appleにとってまったくのバラ色というわけではなかった。同社は今日(米国時間2/1)の決算で、iPhoneを7730万台売ったことを報告した。昨年同時期よりわずか100万台少なかった。もちろん2017年の7820万台という数字は同社の新記録だった。

しかしウォール街は、Appleが10周年記念のプレミアムモデルを投入したことから、さらに増えて8020万台になると予測していた。そんな失望をよそに、Appleは2018年Q1の売上を13%増やしたが、その要因は、iPhone 8や過去の機種よりも大幅な高価格に設定されたiPhone Xによるところが少なくない。iPhoneの平均価格は昨年同時期より40ドル程度上がった。

高級な価格設定にもかかわらず、iPhone Xの売れ行きは止まらない。最近ある業界アナリストは、業界予測には届かなかったがホリデーシーズンで一番売れたスマートフォンは高価なiPhone Xだったと書いた。今日Appleも、iPhone Xは発売以来最もよく売れたiPhoneであると発表した。

「Apple史上最大の四半期を終えたことを喜んでいる。顧客基盤の拡大に加え、iPhone製品群が過去最高の売上を記録した」、とTim Cookがプレスリリースで言った。「iPhone Xは予想を上回り11月以来毎週iPhoneのトップセラーを続けている」。

さらにCookは、同社製品全体のアクティブ・インストール台数が13億台に達したことを報告した。

それでもAppleはこの結果に落胆している可能性は高いが、全体でみればプラスだ。販売台数の減少は見た目にはよくないが、結局重要なのは売上だ。Appleは新しい販売モデルにシフトしているところであり、iPhone Xが全項目で大成功とは言えないにしても、人々は999ドル以上の高級スマートフォンを買う意志がある、ということを示した結果となった。

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Apple、2018年Q1のAirPods、Watch、TVなど「その他」製品の売上は55億ドル

iPhoneとパソコン以外にも、Appleは数々の製品を作っている。AirPods、Apple Watch、Apple TV、Beats製品、iPod Touch、そして最新製品のHopePodなどだ。2018年Q1、Appleはこれら「その他製品」を55億ドル売り上げた。前年比36%増だった。

この売上増は、昨年9月に発売されたApple Watch Series 3とAirPodsの販売が好調であることを示唆している。

前の四半期である2017年Q4、Appleはその他製品を32億ドル販売した。なお、ここれらの数字には 2月9日に349ドルで予約発売を開始するHomePodは含まれていない。

Appleの2018年Q1の売上は883億ドルなので、その他製品の販売は同社の全売上から見ると小さな部分でしかない。それでも55億ドルは決して小さな金額ではない。

この四半期、Apple最大の売上要因だったのは、予想通りiPhoneで、Apple Care、Apple Musicなどのサービス製品が続いた。2018年Q1にAppleはiPhoneを616億ドル、サービス製品を85億ドル販売した。

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AppleはiPadアプリをMacで動作させるかもしれない

Appleは、同社の各オペレーティングシステムの次期主要バージョンの開発に忙しい —— macOS、iOS、tvOS、およびwatchOSだ。誰もが注目しているのはiOSだが、最も魅力的な新機能はmacOSにやってくるかもしれない。BloombergAxiosの報道によると、AppleはMacでiPadアプリを走らせるらしい。

昨日(米国時間1/30)Axiosは、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当VP、Craig FederighiがiOS 12の改訂計画を発表したことを最初に報じた。通常Appleは、iOSの新バージョンを6月のデベロッパー向けカンファレンス、WWDCで発表する。その後数カ月のベータテストを経て9月に公開される。

Axiosが入手した情報によると、Appleは品質問題を解決するために一部の機能を先送りするという。多くのユーザーがiOS 11のバグに不満を抱いている。例えば、オートコレクトのバグや、メッセージの到着順の乱れ、電卓アプリが正しく計算しない、などの奇妙な現象がおきている。

噂された機能のいくつかが2019年のiOS 13に先送りされたのはこのためだ。ホーム画面のデザイン変更、CarPlayの改善、メール、写真アプリの改訂などだ。

その代わりにiOS 12は磐石なバージョンになることが期待される。新しい機能もあるだろうが、みんなが望んでいたほど多くはない。iOS 12ではペアレンタルコントロールの改善、FaceTimeの改訂などが盛り込まれる予定だ。拡張現実(AR)機能の追加もあるかもしれない。

一部機能の遅れは次期macOSの改訂にも影響を与える。写真アプリの改訂もその一つだ。しかしBloombergが最初に報じたところによると、AppleはiOSアプリをMacで利用できるようにする計画を今も遂行中だという。Axiosはこの計画を確認し、具体的にはiPadアプリがmacOS上で動作するはずだと伝えている。

Mac App Storeに大量の新アプリが加わることで、Macプラットフォームにとって大きな変更になる可能性がある。AppleがこれらのアプリのユーザーインターフェースをMacに最適化するかどうかは不明だ。タッチスクリーンの使い方はマウスとは大きく異なる。しかしiPadアプリのデベロッパーにとってはユーザを大きく増やすチャンスだ。

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Apple、新しいMacにARMコプロセッサーを採用か

Bloombergの報道によると、今年Appleは新しいMacを3モデル開発している。その3機種ともセキュリティー強化のためにARMコプロセッサーを装備する可能性がある。AppleはARMチップセットに全面移行するわけではない。どのMacにもIntel CPUが使われ、ARMコプロセッサーはそこに共存する。

現在MacBook ProにはT1チップが、iMac ProにばT2チップが使用されている。MacBook ProではTouch IDセンサーとTouch BarをARMコプロセッサーが制御している。

こうすることで、ユーザーの指紋はMacのSSDドライブに一切保存されない —— T1のSecure Enclaveと呼ばれる隔離された領域に置かれる。Intel CPUは、指紋が認証された時に成功の合図を受け取るだけだ

iMac Proはさらに一歩進め、T2チップを使って多くの専用コントローラーを置き換えている。ステレオスピーカー、内蔵マイク、ファン、カメラ、および内蔵ストレージをT2が制御している。このコプロセッサーはデータをリアルタイムで暗号化することができる。また、デバイスをブートした際、T2がまずシステムの整合性を検証してからIntel CPUに制御を手渡す。

Appleが新しいMac Proの開発を今も続けていることは誰もが知っている。そして、このハイエンドデスクトップ機にARMコプロセッサーを装備することは理にかなっている。しかし、どうやらAppleはARMコプロセッサーを全ラインアップで使いたいようだ。

Bloombergは、今年ノートの2モデルにARMコプロセッサーが採用されると予想している。それは改訂された12インチRetina MacBookと、新しいMacBook Airなのか? そもそもMacBook Airが再び改訂されるかどうかも定かではないが、Appleの製品ラインアップでほかに候補となるノートパソコンは見当たらない。いずれにせよ、ARMコプロセッサーを備えた新しいMac機種では、マルウェアなランサムウェアに対する回復力が今よりずっと高くなるはずだ。

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AppleのHomePod発売直前試用レポート

HomePodは記憶にあったものよりもずっと小さかった。昨年の6月のWWDCで発表されて以来、私はこのスピーカーを見たことはなかった。

そして先月、Appleは、スピーカーの発売日が予定だった12月からずれ込むことを発表した。「もう少しだけ時間が必要」というのがその理由だった。そして、ついにその時がやって来た。今週プレオーダーが始まり、出荷が2月9日に開始される。

今週私は、この製品の最終形を少し試用することができた。そして高さ17.8センチ(7インチ)であるこの製品の小ささに驚いていたところだ。たぶんそれは、私が暫くGoogleの重量5.4キロ(12ポンド)の巨大なHome Max Speakerを使っていたからだろう。

宣伝通り、この製品の音は素晴らしい。HomePodは、なによりもまずスピーカーであるこが第1で、スマートであることは二の次であることにはあまり疑問の余地はない。最初のEchoやGoogle Homeデバイスの流れには乗っていない。Appleのエンジニアたちは、その小さなサイズから、リッチで豊かなサウンドを十分に引き出すことに成功した。スピーカーは特にボーカルの分離に威力を発揮し、例えばライブレコーディングにおけるバックボーカルと観客の声の入り混じった音も聞き分けやすい。

発売に際して、同社はその内部の簡単な図解を示した。システム底部には環状に配置された7つのツイーターがあり、上部には大きなウーハーが置かれている。ウーハーの可動余地は22ミリもあり、これは比較的小さなHomePodのサイズから考えるとかなりの長さだ。Home Maxに比べて特に大きく優れているデザインの1つが、その全周型360度デザインである。このことも部屋の様々な場所で一貫した良いサウンドを得るための役に立っている。

Maxの発売前に、Googleの担当者と会ったときにの説明では、ほとんどの人がスピーカーを壁際に置くことになるという事実から、単方向性に対しての最適化を選択したのだという話だった。Googleはそのポジショニングの特性を利用して、同社が”Smart Sound”と呼ぶ機能の提供を行っている。それは要するに、壁への近接度合いに応じて音質を変化させるスピーカーの能力だ。結局のところ、私たちがスピーカーから聞いているものの多くは、反射して私たちに届いているものだからだ。

Appleは、そうした技術に対応する自社の技術に対しては、特にファンシーな名称を付けていないが、HomePodは同様の原則で動作しているようだ。会社によれば以下のように説明されている。

(HomePodは)自動的に音響を分析し、スピーカーの位置に基づいて音を調整し、音楽を直接音と環境音へと分離します。直接音は部屋の中央に向かって送り出され、一方環境音は左右のチャンネルに拡散され、壁から反射されます。このため、あなたが部屋のどこにいても、音楽の響きは素晴らしいままなのです。

基本的には、オンボードのマイクを使い、反射された音に基づいて位置に対する認識を行っているようだ。そうしておいてから、スピーカー周囲の部屋の様子を検知し、それに従って音を出している。Home Maxの場合、システムは徐々に音を調整して周囲に適応させて行くので、音質が急激な変化することはない。HomePodにも同様の機能があるかどうかを確認する時間はなかったが、似たようなやり方を行うのであろうと想像している。

ともあれその音は素晴らしい。白もしくはダークグレイの布地で覆われた見かけも良い。トップにはボリューム調整用タッチボタンがある。HomePodが聞き取りと思考を行っているときには、Siriの動作を示す優美な光の輪が出現する。もちろんSIriは、スマートスピーカー体験を私たちに提供するための仕掛けだ。

もちろんこれは、EchoとHomeに対するAppleの回答だ。そしてSiriがその体験になくてはならない部分を提供している。Appleはそのスマートアシスタントを、ハードウェアサードパーティたちに、すぐには開放しないようだ(そのハードウェア/ソフトウェア共生関係にうまくフィットしないものが出てきてしまうことを懸念してのことである)。このためHomePodは、現在見えている範囲での、Siriスマートホーム体験の当面の決定版となる。

このAppleのアプローチは、スピーカーのセットアップにiPhone、iPad、またはiPod touchが必要となることを意味する(HomePodはApple TVとも連動するが、Apple TVを用いてセットアップを行うことはできない)。そうした限定された提供形態の利点のひとつは、非常に円滑なセットアップ体験の提供だ。それはモバイルデバイスにポップアップするダイアログボックスで行われる、AppleのAirPods(Apple製Bluetoothイヤホン)とのペアリングに本当に似ている。そして、スピーカーを置く部屋を選択し、Siriを有効にして、個人的な要求を投入する。

最後のものには、例えばスピーカーに通知を行わせることなどが含まれている。現在のところ、HomePodは声に基づいてユーザーを区別することができないため、高度なパーソナライズを行うことはできない。こうした状況に対してAppleが提供する暫定対処法は、HomePodのセットアップに使われたモバイルデバイスの存在をスピーカーが検出したときにのみ、パーソナルな機能を有効にするというものだ。

プライバシーの観点からは、EchoやHomeのように、内蔵された6つのマイクロフォンがウェイクワード(”Hey Siri”)を待ち、その言葉が入力されて初めて、情報がサーバーに送られる。その情報は暗号化され匿名で保管されているため、発行されたSiriリクエストを集積する中央データベースは存在していない。また、AmazonやGoogleとは異なり、中心にあるSiriアプリで、これらのリクエストの実行集計も行っていない。

実際のところ、Siriアプリは全く関与していない。代わりに、すべてのモバイルHomePodコントロールは、Apple Homeアプリに入っている。このため、もしプライバシーのためにマイクをオフにしたい場合は、ホームアプリに入って無効化を行う。Siriに対して聞くことを止めるように支持することもできるが、そのときはただ”Hey Siri, stop listening”(Hey Siri、聞くのを止めて)と言えば良い。

聞いていないことを示す視覚的なてがかり(例えばEchoの場合には赤いリングが点灯する)はない。また物理的なボタンもない。Siriの再びリスニングを開始させるには、Homeアプリを使って有効化するか、HomePodの上部をタッチすれば良い。

Siriが有効化されているときには、たとえ音楽が流れているようなときでも、聞き取り能力はかなり優れているようだ。今年後半に無償のアップデートとして、複数のスピーカーペアリングを展開する際に、Amazonのニアフィールド技術に類似したものが搭載されるかどうかに関しては言及されていない。この件に関しては、私はWWDCのころにまたニュースが流れるのではと考えている。

デバイスのスマートアシスタント機能は、当初は限られたものになるだろう。AmazonとGoogleは、既に随分先行しているのでこれは仕方のないことだ。Appleは、人びとがこうしたデバイスに向かって実際に使っている機能に的を絞った。もちろん、音楽はその中でも1番を占める場所だ。他に組み込まれているものとしては、天気、交通、経路、そしてニュースがある。

最後のものは、既に報じられているように、ポッドキャストへのアクセスを介して行われる。ここ米国内では、デフォルトではNPRに設定されているが、Fox Newsなどの他のチャンネルにも切り替えることができる。なぜなら人びとがニュースを入手する場所は、モバイルOSよりさらに多極化しているからだ。

通話機能も搭載されている。とはいえ、その動作はEchoとは異なる。実際の通話はiPhoneで始めて、その後HomePodへと移動することになる。つまり、電話が必要だということだ。スマートホーム機能は、かなり堅牢だ。これはAppleがHomeKit側に投入してきた様々な仕事のお陰である。そうしたものの全てが、Homeアプリに集約されている。幸いなことに、別途スマートホームのハブが必要になることはない。

Appleは多くの機能をAppleファミリーの中で完結することにした。それは音楽の面で最も明白だ。もし完全な音楽再生機能が必要な場合には、Apple Musicが必須となる(セットアップ時に、Siriが3か月間無料のトライアルをお勧めしてくる)。Spotifyのようなものを使用するには、接続されたスマートフォンのAirPlayを介して行うことしかできない(背面には外部入力端子もない)。

もちろん、それは多くのユーザーにとって懸念事項になるだろう。サードパーティの音楽ストリーミングが計画中であるかどうかは分からないが、こうしたこと全てが、Appleによる統一されたエンドツーエンドの一部であるように思える。そうした統合の良い点は、実現される機能の深さだ。

例えば、Siriに対して、Apple Musicを使って再生中の、曲やアーティストに関するコンテキストに依存した情報を訊ねることができる。「Hey Siri、この曲がリリースされたのはいつ?」とか、「Hey Siri、Husker Duについて教えて」といった具合だ。こうした情報は、Apple Music独自のメタデータや、Wikipediaのような場所などの、さまざまな情報源から取得されている。

このスピーカーを使った時間はそれほど長くないので、個人としての最終的な結論は留保しておきたい。とはいえ、明らかなことは、HomePodはこのカテゴリーを対象にした、非常にAppleらしい製品であるということだ。実際349ドルという高価な商品ではあるが、見かけがよく音質も優れたデバイスだ(とはいえ、それでもGoogle Maxよりは50ドルも安いのだ)。Appleは、その最初のSiri中心のプロダクトに対して、明らかにエンドツーエンド体験を提供している。効率的で統一的な体験のためには、より広い機能は意識的に諦めた格好だ。

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(翻訳:Sako)

Appleはユーザーのすべての医療記録をHealthアプリに収めたい…協力医療機関とベータテスト中

Appleは、iOS 11.3における健康への新しい取り組みを発表した。すなわちHealthアプリのHealth Recordsという新しい部分に、ユーザーは自分の医療記録をすべて集めて見ることができる。そのために同社は、病院や診療所とパートナーする〔現在アメリカのみ〕。

AppleはiOS 11.3の最初のベータバージョンを今日(米国時間1/24)リリースした。そのベータテストは今後2か月にわたって行われるが、すべてのiPhoneユーザーが無料でダウンロードできるのも、もうすぐだ。

HealthアプリにはHealth Dataという部門があって、そのメニューの一つにHealth Recordsがある。このメニューの下に、CDA(Clinical Document Architecture)形式のファイルならどんなファイルでも収めることができる。そういうファイルを患者にメールで送ってくる病院もあるし、Webサイトから提供する病院もある。しかしAppleは、その送信〜受け入れの過程を自動化したい。

Johns Hopkins Medicine, Cedars-Sinai, Penn Medicineなどの病院はすでに、患者に対してこの機能をテスト中だ。Health Records(健康記録)のデータ形式やAPIは、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)と呼ばれる標準規格に基づいている。

つまりそれらの病院や診療所は、このデータを患者のスマートフォンに直接プッシュできる。ユーザーのiPhoneが新しい医療記録を受信したら、通知が来る。データはユーザーのスマートフォン上で暗号化されており、パスコードで保護されている。

スクリーンショットを見ると、それはとても詳細だ。自分のアレルギーや投薬歴、予防接種歴、検査結果などがすべて分かる。

コレステロールなどなどの問題で検査をたくさん受ける患者には、とても便利な機能だろう。新しい結果は、つねに最上部に表示される。

これを全米〜全世界のすべての病院や診療所に採用してもらうのはたいへんだが、ベータテストには以下の医療機関が参加している:

  • Johns Hopkins Medicine – Baltimore, Maryland
  • Cedars-Sinai – Los Angeles, California
  • Penn Medicine – Philadelphia, Pennsylvania
  • Geisinger Health System – Danville, Pennsylvania
  • UC San Diego Health – San Diego, California
  • UNC Health Care – Chapel Hill, North Carolina
  • Rush University Medical Center – Chicago, Illinois
  • Dignity Health – Arizona, California and Nevada
  • Ochsner Health System – Jefferson Parish, Louisiana
  • MedStar Health – Washington, D.C., Maryland and Virginia
  • OhioHealth – Columbus, Ohio
  • Cerner Healthe Clinic – Kansas City, Missouri

  [アレルギー ピーナッツアレルギー、投薬 サルブタモール、ワクチン インフルエンザ、検査結果 HDLコレステロール53.5mg/dL]

  1. iphone_x_apple_all_health_records_screen_01232018.jpg

  2. iphone_x_apple_health_records_screen_01232018.jpg

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、iOS 11.3プレビュー版発表――アニ文字に新キャラ、電池警告メーター、ARKitサポート他新機能多数

今朝(米国時間1/24)、Appleからビッグ・ニュースが発表された。Appleは最新のモバイルOSのプレビューを公開した。アップデートの目玉は消費電力の管理、拡張現実のプラットフォーム、ARKitのサポート、新しいアニ文字iキャラクターの追加、ヘルス・アプリの拡充などだ。

ARKit 1.5についてはここに詳しいが、 アップデートされたプラットフォームは外界のさまざまな対象、たとえば壁などの垂直の面、円形のテーブルなどを認識する能力を持つ。これまでもテーブルや椅子に仮想物体を配置することができたが、そうした能力が大幅に拡充された。新しいシステムはポスターや掲示など2D画像を認識する能力がある。これらの能力は美術館などの公共施設できわめて広い応用範囲を持つはずだ。

iOS 11.3のリリースに向けて、ドラゴン、クマ、ライオン、ガイコツのアニ文字キャラクターの準備が進んでいる。アニ文字は「動くアバター」で、カメラで撮影したユーザーの表情が反映される。新キャクターの追加で16種類のアニ文字が利用できるようになる。

Appleがモバイル・デバイスのバッテリー問題に対処するにあたって、今回のアップデートではOSのいくつかの重要な部分が改良を受けた。.iOS
11.3 にはバッテリーヘルスメーターが新設された。これは自動車の警告灯に似ており、ユーザーがバッテリーの状態に注意するよう促す。Appleは旧世代のiPhoneのバッテリー駆動時間を延ばすためにパフォーマンスを制限するシステムを導入して激しい議論を引き起こしが、新OSではユーザーはこの機能をオフにできる。

この新機能は今後発表されるiOS 11.3ベータ版以降で実装され、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plusで利用可能となる。 AppleはiOS 10.2でのバッテリー寿命の取扱いに関して透明性を欠いたとして強く批判されたが、今回のアップデートはこれに配慮したものだろう。

Appleはまたヘルス・アプリの改良も行った。これは主としてAppleのウェアラブル・デバイスの分野で実行され、さらに本格的なヘルス・ツールとなることを目指しているようだ。新しいヘルス情報の記録機能は一箇所で情報を管理することで医師や病院との連携性を高めるものだ。

新しいヘルスアプリで管理される情報は従来の標準的なApple Watchより詳しく、処方薬、検査結果なども含むことになる。これに伴ってAppleはセキュリティー管理もアップグレードしている。われわれが日常メールをやり取りしたりビデオを観たりするデバイスがヘルス情報も管理するのだから当然のことといえる。Appleによれば、こうした情報はすべて暗号化され、パスコードで保護されるという。

Appleの企業向けチャット、Business Chatは興味深い試みだ。店舗や金融機関がこのサービスを利用すればMessageを利用して顧客と直接コミュニケーションができる。これもiOS 11.3の公開と同時にベータ公開されるはずだ。Appleはスタート時点でDiscover、Hilton、Lowe’s、Wells Fargoなど相当数のパートナーを確保している。ユーザーはコールセンターで延々と待たされたりTwitterの公式アカウントにあてにツイートしたりすることなしに、直接企業の担当者と会話ができるようになるという。

これ以外にもいくつか重要なアップデートがある。HomeKitでソフトウェア認証がサポートされ、スマートホーム用ハードウェアのメーカーにセキュリティーに関する選択肢が増えた。Apple Newsにも多数のアップデートがあり、キュレーションされたビデオが追加されトップストーリーも改良された。 Apple Musicではストリーミングで音楽ビデオが配信されるようになった。

一般ユーザー向けにiOS 11.3がリリースされるのはこの春が予定されている。一方、デベロッパー・プログラムに登録しているユーザーは今日からダウンロードしてテストを開始できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがSierraとEl Capitanが動いているMacのためにMeltdownのフィックスを発行

賢人のかつて曰く、“何度かパッチが当てられるまでは、OS Xをアップグレードするなかれ。しかもそのときですら、セキュリティ以外にはアップグレードする価値はなし”。この言葉は名前がmacOSに変わる前だが、多くの人を啓蒙し、旧バージョンに留まる者が増えた。ただし最近ではそんな態度は、最新バージョンでは保護されているMeltdown脆弱性を抱えたままになってしまう。しかし運良くAppleは、SierraとEl Capitanをフィックスの仲間に加えた

その最新のセキュリティアップデートは、あちこちでいくつかのランダムなエクスプロイトをフィックスしているが、なんといっても最大の売りは、SierraとEl Capitan MacのMeltdown脆弱性を確実に封じたことだ。これらのOSを使ってることは誰にも責められないが、アップグレードは早急にやるべきだ。

なぜか、MeltdownとSpectreの発見者の一人、Google Project Zeroの研究員Jann Hornの名が、このセキュリティアップデートの中で三回も登場している。

最初はMeltdownのフィックスに関してだから、予想の範囲内だ。しかしあとの二回は、最近報告された二つの新しい脆弱性、アクセスが制限されているメモリ番地を誰かに読まれてしまう、というのに関連している。

そのCVE-2018-4090CVE-2018-4093はMITREに予約されて載っているが、まだ説明は何もない。MeltdownやSpectreほど深刻なやつではないし、ここにあるのは偶然かもしれない。しかし同様のフィックスがAppleのほかのプラットホーム(iOS, tvOS)にもあるから、macOSだけの問題でないことは確かだ。でも、Google Project Zeroが近くまた何かを発表しても驚かないように。

Safariの別のアップデートは、三つの最新OSすべてにあるのとは無関係なエクスプロイトをフィックスしているが、二週間前のSpectreのフィックスには当然ながらGoogle Project Zeroのクレジットがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アップルが「iOS 11.2.5」公開。HomePodサポート、Siriでニュース読み上げにも対応

eng-logo-2015アップルがiOSの最新バージョン「iOS 11.2.5」を公開しました。米国・英国・豪州で2月9日に発売する同社のスマートスピーカー「HomePod」をサポートするほか、上記3か国限定でSiriによるニュースの読み上げ機能も追加されます。

主な変更点は下記の通りです。

<HomePodのサポート>
・HomePodの設定するとApple ID、Apple Music、Siri、Wi-Fiの設定が自動で転送されます。

<Siriニュース>
・”Hey Siri, play the news”と頼むだけで、Siriにニュースを読み上げてもらうことが可能に。スポーツ、ビジネス、ミュージックなど、特定のニュースカテゴリを頼むことも可能。

<その他の改善および修正>
・”電話” Appで、通話履歴に不完全な情報が表示されることがある問題に対応
・Face IDでiPhone Xのロックを解除したときに一部のExchangeアカウントからの”メール”の通知がロック画面から消える問題を修正
・”メッセージ”で、会話の表示順が一時的に乱れることがある問題に対応
・CarPlayで、トラックの変更を複数回行うと”再生中”コントロールが反応しなくなる問題を修正
・VoiceOverで、再生出力先とAirPodsのバッテリー残量を知らせる機能を追加

Engadget 日本版からの転載。

Apple、SMSで相手をクラッシュさせるバグを修正

先週、ソフトウェア開発者・研究者のAbraham Masriが、SMSを送るだけでiPhoneをクラッシュさせられるバグを公表した。

先ほどAppleはiOS 11.2.5を公開しその問題を修正した。

このバグは、「テキストボム」とよく呼ばれているものの一種で、アタッカーはテキストメッセージ経由であるURLを送る。受信者のiPhoneがプレビュー処理を開始すると、フリーズやホーム画面のクラッシュからカーネルパニックまで、あらゆるおかしなことが起こり始める。

Appleはバグの詳細や理由についてはめったに語らないが、セキュリティーアップデートの記載によると、テキストメッセージで受け取ったリンクの処理と表示の方法に原因があったという。AppleはMasriをバクの発見者として功績を認めている。

このアップデートには、Appleの来るべきHomePodスピーカーの対応も、Siriに魔法の言葉をかけるとニュースを読むしくみ(米国と英国とオーストラリアのみ)の追加も含まれている —— “Hey Siri, play the news.”だけでなく、もっと具体的に、“business news”や “sports news”などとも言えるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone Xはホリデーシーズンに一番売れたスマートフォンだった(アナリスト調べ)

AppleはiPhone Xの数字について必ずしもオープンではない。それはこの新機種のちょっとした特殊性のせいでもある。まず、999ドルのスマートフォンであること。さらには、もう一つの高級iPhoneモデルと競合する位置づけだという事情もある。

ともあれ、Canaysの最新レポートによると、この高価な新スマートフォンは順調な売上をみせており、2017年第4四半期に2900万台を出荷した。これは、アナリストらの数字によると「ホリデーシーズンで世界一売れたスマートフォン」ということになる。

悪くない実績だ。発売当初Appleの説明に多くの疑問が投げかけられたその価格設定を踏まえるとなおさらだ。11月始めに一部で見られた供給問題の後、生産量が増加したことも後押ししている。実際、一時的な品薄状態が年末にかけての売上を加速させる要素となったとしても驚くにあたらない。

それでも、アナリストの当初予測には届いていない。年初には2017年4Qの販売台数を3000~3500万台としていた予測もあり、2018年Q1の予測を修正することになった。つまるところ、スマートフォンの成功というのは、すべてが相対的だということだ。

最低限言えるのは、消費者はたとえ代わりとなる低価格の機種が同時期に市場に出回っていても、最新の華やかなモデルに高額を支払う意志があるということだ。もちろん、これらはアナリストの予測にすぎず、眉につばをつけてかかる必要がある。とはいえ、特定期間については公式の数字に近いと考えられる。

調査結果から見られるニュースの断片。出荷されたiPhone Xのうちおよそ700万台が中国向けだった。この地ではAppleの市場シェアが乱高下している。かつて同社は5cなどの低価格モデルを中国市場に投入してさまざまな低価格国内ブランドに対抗しようとした。

どうやらiPhone Xでは反対のことが起きているようで、都市部での売れ行きが好調だ。購入者はHuaweiやXiaomiといった国内トップブランドから乗り換えているという。

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Apple、アーティストが楽曲の再生数と購入数を追跡できるダッシュボードを提供

今日(米国時間1/22)AppleはApple Music用の新しいダッシュボードを公開し、アーティストがファンの再生や購買の傾向を追跡し、自分の楽曲に関する様々な分析データを見られるようにした。Appleから独占情報を入手したBillboardが報じた。ダッシュボードはApple Music for Artistsと呼ばれ、現在一部のベータユーザーのみに公開されており、今春一般公開される予定だ。

この動きがSpotify対抗であることは明らかだ。昨年来Spotifyはアーティスト向けのサービスを次々と提供してきた。

昨年4月にSpotifyは同サービスのアーティスト向けダッシュボードのベータ版を正式公開し、ストリーミングの概要と分析の表示、プロフィールの管理などを可能にした。10月には、アーティスト専用アプリを公開し、ニューリリースのリアルタイムデータを含む類似のデータを提供した。また同じ月に、RISEと呼ばれる新進アーティストのプログラムも発表した

Pandoraにもアーティスト向けのダッシュボードがあり、ファンとつながるためのツールを提供して、短い音声メッセージを利用したり、ニューリリースやライブイベント、チケット販売などの情報を届けている。

当然Appleは追いつく必要があった。

Appleの新しいダッシュボードの特長は、ストリーミングと購入の両方を詳細に追跡できることだ。

ダッシュボードには2015年にApple Musicがスタートして以来の再生回数、放送回数、楽曲購入数、およびアルバム購入数が表示される。Insightパネルには、特定楽曲のオールタイム再生回数や購入数などのマイルストーンが掲載される。

また世界地図をクリックすると、楽曲が再生されている場所やユーザー層を都市レベルまで見ることができる(Apple MusicとiTunesが提供されている115カ国をクリックできる)。これはアーティストがツアーやライブの計画を立てるのに役立つ。

Appleはこのダッシュボードの一般公開に先立ち、フィードバックを返してくれるベータユーザーを対象にテストを開始する。Apple Music for Artistsは、今春Appleの数百万のアーティストに向けて公開される。

もちろん現時点でアーティストがApple Musicのダッシュボードだけを使うことは考えにくい。Spotifyが音楽トレンドをリードし、同サービスのプレイリストに載ることがアーティストのキャリアーになるという現状を踏まえると、まずはアーティストが自分の楽曲の動向を追跡するために最初にチェックする場所の一つになるのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、マララ基金と提携して女子教育の機会拡大を支援

Appleはマララ基金と提携して女子教育を支援する。また同社はマララ基金初のパートナーとなった。マララ・ユスフザイ氏と父のジウアディン氏が設立したマララ基金は、若い女性に質の高い教育を受ける権利を与えることを目的としている。

Appleの支援を受け、マララ基金は同基金のグルマカイ・ネットワークを通じて授与している助成の数を2倍に増やし、インドおよびラテンアメリカで資金援助プログラムを開始することで、10万人以上の少女に中等教育の機会を与えることを目標としている。Appleはテクノロジー、カリキュラム、および教育政策変更に必要な調査研究の面でもマララ基金を支援する。

「教育は、平等化を推進するための偉大な力です。私たちはマララ基金の取り組みに協力して、すべての少女に対して学校に通う機会を提供していきます。」とApple CEO Tim Cookは語った。「マララさんは、勇気ある提唱者です。 いま最も私たちに気づきを与えてくれる人物です。私たちは、彼女が行なっている世界中の少女たちに力を与えようという重要な取り組みの拡大に参加できることを光栄に思います」。

世界には、貧困、戦争、性差別など女性教育に対する様々な脅威がある。現在マララ基金はパキスタン、アフガニスタン、インド、ナイジェリア、およびシリア難民のいるレバノン、ヨルダンなどの国々で活動している。

「私の夢は、すべての少女が自分自身の未来を選べるようにすることです。Appleはその革新性と社会貢献により、世界中の人々が教育を受け、実力を身につけるのを支援してきました。Appleが女子教育に投資する価値を理解し、マララ基金に参画して、すべての少女が怖れることなく学び、世の中を牽引できるよう共に闘ってくれることに感謝しています」と、マララ・ユスフザイ氏はプレスリリースで述べている。

2012年、タリバンは当時15歳だったユサフザイ氏の暗殺を企てた。彼女が質の高い教育を得るための挑戦について再三語ったことが標的となる原因だった。ユサフザイ氏は帰宅途中のスクールバスの中で頭部に銃撃を受けながらも奇跡的に生き延びた。

それ以来ユスフザイ氏は女子の教育機会の提唱を続けている。2014年、マララ・ユスフザイ氏は史上最年少のノーベル平和賞受賞者になった。

【日本語版注:ユスフザイ氏およびTim Cookの引用部分はApple公式ページのリリース文より転載しました】

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エンタープライズの世界とApple

2010年当時、Appleの顔であった共同創業者スティーブ・ジョブズは、エンタープライズ用途には全く興味がなかった。実際、ジョブズは「私がコンシューマー市場を愛している理由、そしてエンタープライズ市場をずっと嫌ってきた理由は、コンシューマー市場では、私たちは製品を生み出して、それを皆に伝えるべく努力し、その結果皆が自分の意志で選んでくれるからです」。

さらに彼はこう付け加えた「コンシューマー市場では『はい』か『いいえ』の勝負になります。そして、もし十分な数の『はい』を手に入れることができたら、私たちは明日もまた仕事を続けることになります。それがこの市場の仕組みなのです」。

それはジョブズが声明を出した当時には、ものごとの動きを十分正確に反映したものだった。その当時IT部門は、ブラックベリーやThinkPadのような機器を支給して、企業内を厳密に管理していた(当時好きな色を選ぶことはできた ―― それが黒である限り)。しかし2011年に亡くなったジョブズは、「個人の機器を持ち込むこと」(BYOD)や「ITにおけるコンシューマー機器利用」という、彼が亡くなる当時にようやく企業シーンの地平線上に浮かび上がって来ていた、2つの流れを目にすることはなかった。

私は彼なら、この2つの動きを歓迎しただろうと感じている。そしてその流れが、Appleの生み出したモバイル機器、iPhoneとiPadによって、色々な意味で促進されていることに大変満足したことだろう。人びとはそれらのデバイスを自宅で使い、そして徐々に仕事にも使うようになってきた。IT部門はそれを受け容れる他に選択肢はなかった。

この動きはAppleのエンタープライズ進化を促進するのに役立っている。時間が経つにつれ、Appleは、IBM、SAP、Ciscoといったエンタープライズの申し子たちと提携を進めてきた。Appleは、IT部門がそれらの「iデバイス」やMacをより良く管理するためのツールも提供している。そして(私たちが知る限り)エンタープライズを、そのビジネスに実質的に取り込むようになったのだ。

現在の状況は?

Appleのエンタープライズビジネスの規模に関するデータを見つけようとするのは難しい、なぜならその業績報告の中で、彼らがエンタープライズから得られた収益を分離して示すことは、ほとんど無いからだ。とはいえ、ティム・クックが2015年第4四半期の業績報告の中である程度の数字を発表しているので、このマーケットにおける雰囲気を掴むことはできるだろう。

当時クックは「私たちは、過去12ヶ月のAppleの収益のうち、エンタープライズ市場からのものを年間約250億ドルと見積もっています。これは前年に比べて40%多く、将来に向けての成長の大きな柱となることを示しています」と述べている。

2017年6月のブルームバーグのインタビューでは、クックは特定の数字を口にすることはなかったが、エンタープライズ市場を「あらゆるチャンスの母です」と呼んでいた。なぜなら、企業は機器の導入に際しては大量に買う傾向があり、そして社内でのAppleサポートシステムを構築するにつれ、内部ユーザーと会社の製品とサービスのユーザーの両方に向けて、今度はカスタムアプリケーションを提供するために、企業がMacを買うことになり、そのことでエンタープライズ市場の他の部分にも影響が及ぶからだ。

この関係は、ブルームバーグのインタビューでも見逃されることはなかった。「ほとんどの企業では、iOSがモバイルオペレーティングシステムとして好まれています。IOSは素晴らしいプラットフォームです。なぜならビジネスを効率的に実行したり、顧客と直接やりとりをする、役に立つアプリを書くことが容易だからです。現在とても多くの企業がアプリケーションを作成しています。さて、そのアプリケーションを書くのに何を使うでしょう?彼らはMacを使っています。 MacはiOS開発のためのプラットフォームなのです」とクックはブルームバーグに対して語っている。

写真:Justin Sullivan/Getty Images

このマーケットを見るための別の手段がJamfである。JamfはAppleのエンタープライズツールパートナーであり、大規模な組織内でApple機器の管理を行うことを助けている。iPadやiPhoneが登場するよりもずっと早い、2002年に誕生したこの会社は、飛躍的に成長してきた。現在は1万3000社の顧客がいると発表している。その成長の軌跡を眺めてみると、その顧客が6000社になるまでには13年が必要だったが、その後わずか2年半で、顧客の数が2倍以上の1万3000社へと急成長している。

JamfのCEO、Dean Hagerは、TechCrunchに対して「多くの人びとが、Appleはますますエンタープライズに焦点を当てていると言っていますが、実際にはAppleは、企業がもっとユーザーたちに集中できるように助けていて、それによってますます成功しているのです」と語った。「こうしたことは、Appleが人びとが仕事に持ち込みたくなるような素晴らしい製品を作り、実際に人びとが持ち込むことを望んだからこそ始まったことなのです」。

エンタープライズへの道のりをたどる

その個々人の勢いを過小評価することはできないが、一度企業に採用されたなら、AppleはIT部門に何らかの道具を与えなければならなかった。IT部門は常に、ハードウェアおよびソフトウェアのゲートキーパーとしての役割を果たしており、外部のセキュリティの脅威から企業を安全に保護している。

結局のところ、AppleはiPhoneとiPadを使って、エンタープライズグレードのデバイスを構築することはしていなかった。彼らは単に、その当時周囲にあるものよりも、より良く使えるデバイスを作りたかっただけなのだ。人びとがそれを使うことを本当に望み、それを仕事の場に持ち込んできたのは、そうした元々あったゴールの延長線上にあることなのだ。

実際、Appleのマーケット、アプリ、サービス担当副社長であるSusan Prescottは、最初のiPhoneがリリースされたときに同社に所属していて、同社のゴールを認識していた。「iPhoneでは、仕事中も含めて、人々が望んでいると分かっていたことを可能にするために、モバイルを完全に再考しました」と彼女は語る。

AppleのSusan Prescott。写真:Justin Sullivan/Getty Images

アプリとApp Storeという概念と、それを構築するためにあらゆる開発者たちを引き込んだことは、エンタープライズにとっても魅力的だった。IBMとSAPが関わり始めて、彼らはエンタープライズ顧客向けのアプリを構築し始めた。顧客たちは、審査済のApp Storeから、これらのアプリにアクセスすることができたが、これもIT部門にアピールした。Ciscoとの提携により、Ciscoの機器(ほとんどの企業が利用している)を利用しているネットワーク上での、Appleのデバイスに対してのより素早乗り換えが、IT部門にとって可能となった。

2010年のiPhone 4の基調講演では、ジョブズは既に、企業のIT部門にアピールできる種類の機能を宣伝していた。それらは、モバイルデバイス管理や、App Storeを通したワイヤレスアプリ配布などであり、さらには当時人気のあった企業向け電子メールソリューションMicrosoft Exchange Serverへのサポートさえ提供するものだった。

ジョブズは、表面的にはエンタープライズ用途に対して悪態をついていたかもしれないが、明らかに彼の会社のデバイスが、人びとの働き方を変える可能性を秘めていることを知っていた。それまで平均的な労働者には手の届かなかった、ツールとテクノロジーへのアクセスを提供することで、それが実現されるのだ。

Appleはまた、舞台裏では企業ユーザーたちと静かに話し合い、彼らが必要とするものが何かを、iPhoneの初期から、探り当てようとしていた。「早い時期から、私たちは企業やIT部門と協力してそのニーズを把握し、ソフトウェアのメジャーリリースごとに、エンタープライズ向けの機能を追加して来ました」と、PrescottはTechCrunchに対して語っている。

トランスフォーメーションを促進する

組織内の変化を促した要因の1つは、2011年頃にはモバイルとクラウドが統合されるようになって、ビジネスのトランスフォーメーションと従業員のエンパワーメントが促進されるようになったことだ。IT部門が従業員に使いたいツールを提供しない場合でも、App Storeや同様の仕掛けが、従業員たちに自分自身で行うためのパワーを提供した。それはBYODとITにおけるコンシューマー機器利用を促進したが、ある時点でIT部門は何らかの管理を行えることを望むようになった(たとえそれが昔行っていたような管理と同じようなレベルのものではなかったとしても)。

iPhoneやその他のモバイルデバイスは、ファイアウォールの保護の外で働くモバイルワーカーたちを生み出し始めた。電車を待っている間に、すぐにドキュメントを見ることができる。また顧客から次の顧客への移動の間に、CRMツールで更新することもできる。そして空港に行くために車を呼び出すことだってできる。こうしたことの全ては、モバイルクラウド接続によって可能になった。

それはまた、すべてのビジネスの中に、深い変化を引き起こした。とにかくもう、これ以上同じやり方でビジネスを続けることはできないのだ。高品質なモバイルアプリを制作して、それを顧客の前に提示しなければならない。それは企業がビジネスをやる方法を変えてきたのだ。

これは確かに、Capital One(米国の大銀行)が経験したものだ。彼らはもうこれ以上 「昔ながらのやぼったい銀行」ではいられないことと、コンピューティングに関わるあらゆる側面を自分たちで制御することはできないことを認識した。才能ある人材を手に入れようと思ったら、彼らはオープンでなければならない、そしてそれが意味することは、開発者たちに望みのツールを使うことを許さなければならないということだ。Capital Oneのモバイル、Web、eコマース、パーソナルアシスタントの責任者、Scott Totmanによれば、それが意味することはユーザーたちに仕事でもAppleデバイスを使わせるということだ(たとえそれが個人所有のものでも、もしくは会社支給のものでも)。

Capital Oneの従業員たち。写真: Capital One/Apple

「私がここにやってきた時(5年前)、AppleサポートグループはTravisという男性ただ1人でした。私たちは(その当時は)会社内では(それほど広範には)Appleを使っていませんでした」と彼は言う。今日では、4万台を超えるデバイスをサポートするために数十人の担当者がいる。

ニーズが変化しているのは会社内の人びとだけではなかった。消費者たちの期待も同時に変化しており、同社が作成した顧客対応のモバイルツールは、そうした期待に応えなければならなかった。つまり、そうしたアプリデベロッパーたちを会社に引きつけ、快適な仕事ができる環境を提供しなければならなくなったのだ。明らかに、Capital Oneはその点で成功し、組織全体でアップル製品を受け入れてサポートする方法を見出している。

ちょっとした助けを借りながら進む

Capital Oneはいかなる意味でも「特殊例」ではない、しかし、もしApple(の中心)が、今でも消費者向け会社であるならば、エンタープライズ市場を獲得し、大企業のニーズを理解するためには何らかの手助けが必要である。それこそがAppleがここ数年立て続けにエンタープライズに基盤を提供する企業たちとパートナーシップを結んできた理由だ。IBM、SAP、そしてCiscoと契約を締結し、プロフェッショナルサービスの巨人であるAccentureやDeloitteと手を結び、そして直近ではGEとも提携を結んだ。最後の提携は産業IoTマーケットへの足がかりをAppleに与えるものだ。一方GEは、その30万人以上の従業員を対象にiPhoneとiPadを標準として採用し、Macを公式のコンピュータとする。

Moor Insights & Strategyの社長兼主席アナリストのPatrick Moorheadは、こうした提携をAppleにとって健全なアプローチであると見ている。「Appleは自身がコンシューマー企業であることを認識しているので、エンタープライズ戦略を実行するためには、純粋なエンタープライズプレイヤーと提携する必要があります。それぞれの企業がその戦略に異なる要素を追加します。IBMとSAPはモバイルアプリで協力します。Ciscoは、高速ネットワーキングとエッジセキュリティに関してのもの。そしてGEはIoTソフトウェアに寄与します」とMoorheadは説明した。

J Gold Associatesの社長兼主席アナリストのJack Goldは、これらの企業はAppleに対して、エンタープライズ市場への切符を提供していると語る。「彼らはソリューションプロバイダーであって、部品サプライヤーではないのです。彼らとのパートナーシップがなければ、影響力を持つことは難しかったでしょう。パートナーシップを活用することで、コンポーネントベースで競争するのではなく、完全なソリューションレベルで競争することができるのです」とGoldは述べている。

IT部門からの結論はまだ出ていない

Appleは過去10年間にわたって、エンタープライズビジネスと内部および外部のサポートコンポーネントを構築してきたが、彼らがその過程で作り上げたパートナーシップは、単にエンタープライズの世界での信用を得ることだけではなく、彼ら単独では提供が難しかったであろうレベルの成果も提供できるようにした。

「IT部門は、主要なサプライヤと直接仕事をする際に、有利な条件でサポートを受けることに慣れています。Appleの場合にも、本当に大きな企業はそうすることができますが、多くは仲介業者を経由しなければなりません。それは必ずしも悪いことではありませんが、それはAppleにとって、限られた企業リソースを活用する1つの方法なのです」とGoldは述べている。

Constellation Researchの創業者兼主席アナリストのRay Wangは、Appleのエンタープライズ顧客にとっての、いくつかの課題を見ている。「Appleを採用する場合に彼らを待つ課題は、Dellのような企業が機器の管理を簡単にしてきたことに対抗して、Appleも同レベルのサービスを提供できるようにしなければならないということです。多くのIT部門にとって、ジーニアスバーに行くように言われることは、妥当な対応ではありません」と彼は語った。

公平を期すならば、AppleはエンタープライズレベルのAppleCareサポートを提供しているが、これは現在パートナーのIBMによって運用されている。Prescottは、Appleはより大きな顧客たちと、彼らの必要とするものを提供できるよう、協力している最中だと語った。「私たちは、顧客の方々が、Appleのデバイスを統合して管理することができるように、直接一緒に仕事をしています。私たちはAppleCareを通じてテクニカルサポートを提供し、Apple at WorkウェブサイトではIT部門の皆さまにリソースとガイドを提供しています。私たちは、エンタープライズ向けの努力を補完するために、世界規模の企業と戦略的に協力し、顧客の皆さまが、そのビジネスプロセスをモバイル中心で再考し始めるためのお手伝いを致します」と彼女は説明した。

Jamfが2016年に実施した調査の中で、携帯電話に関しては、回答者の79%がiPhoneを強く好んでいたという結果は、言及しておく価値があるだろう。

出典: Jamf 2016年調査

この調査は、世界各地の大中小企業の役員、マネージャー、そしてITプロフェッショナル480名の回答をまとめたものだ。調査結果を見れば、IT部門はいまやiPhoneやその他のApple製品をサポートする選択肢を提供せざるを得ないことがわかる。そしてAppleはそれをサポートする方法を見出しつつあるのだ。

スティーブ・ジョブズが2010年にエンタープライズに関してコメントして以来、Appleはエンタープライズで明らかに大きな進歩を遂げてきた。Capital One、Schneider、Lyft、そしてBritish Airwaysなどの事例を見れば、Appleが最大級の企業とも一緒に働くことができることは、既に示されていると言えるだろう。実際、巨大エンタープライズとのパートナーシップは、Appleがエンタープライズ市場での立ち位置を見つけるための役に立っているのだ。

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(翻訳:Sako)
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AppleのWeb上のApp Storeがシンプル&クリーンに改装

Appleが、Web上のApp Storeのルックスをアップデートした、と9to5Macが報じている。それはAppleが昨年9月にデザインを一新したiOS 11のApp Storeに、とてもよく似ている。しかしiOS 11と違って、アプリの発見機能はない。

機能的には前と変わらないが、重要なのは、クリーンでシンプルなデザインになったことだ。そう感じるのは、ホワイトスペースが増えたせいかもしれない。また、レビューが前よりも強調されている。

アプリがiPhone X向けに最適化されていると、表示されるスクリーンショットはiPhone Xの画面になり、iPhoneの前の機種ではない。それと、そのアプリがiOSデバイス用のApp Storeでしか入手できないことが、前よりも目立つレイアウトで訴求されている。

では、比べてみよう。

以前のデザイン:

新しいデザイン:

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電池の劣化でiPhoneの速度を落とす仕組みをユーザーがoffにできるようになる

12月の終わりに私たちが知ったのは、Appleが電池の老朽化したiPhoneの最大性能を制限していることだった。その目標は、同社によると、今後のバッテリーの出力低下に伴う、デバイスのランダムなシャットダウンを防ぐことだ。

でもそれは、ソフトウェアを変えたその日に、もっとうまく説明すべきではなかったか。電池を換えたらスマートフォンのスピードが変わる、とは多くの人が思わない。その後の謝罪訴訟、電池交換サービスという一連の流れは、その全体がひとつの過失だ。

そしてもうじき、バッテリーとiPhoneの性能を均衡させるそのシステムを、ユーザーがoffにできるらしい。ABC NewsのRebecca Jarvisのインタビューで、AppleのCEO Tim Cookがそう言っている:

“突然のリスタートが起きないために、性能をわずかに下げている。それを望まないなら、その機能をoffにできる。でも、iPhoneは人びとの生活にとってとても重要だし、いつどんな緊急事態が起きるか分からないから、私たちはそれを推奨しない”。

下のビデオの4:00あたりに、かんじんの部分がある:

Appleは以前、バッテリーの寿命と、それがデバイスに与える影響について、ユーザー自身がもっとよく分かるようにしたい、と言っていた。でも今回の、バッテリーとスマートフォンの性能の相関をユーザーがoffにできること、ユーザーが管理できることは、その約束の初めての実現だ。

Appleのこれまでの例にならって、今回の変更も、最初(来月)はデベロッパー向けに展開される。一般消費者に行き渡るのは、そのあとだ。今本誌TechCrunchは、Appleに詳細を問い合わせている。

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Apple、シャトルバスが走行中に窓ガラスを割られた事件を受け、通勤経路を変更

先週、カリフォルニア州クパチーノのAppleオフィスに従業員を運ぶシャトルバス5台が襲撃されたと、複数の情報源が伝えた。バスの窓ガラスは粉々に砕かれ、銃で狙撃されたものと従業員らは推測している。

5件の事象はいずれも国道280号線のウッドサイド付近で起きた。最初の襲撃が起きたのは金曜日(米国時間1/12)の晩で、昨日(同1/16)午前の通勤時間に3台が、夜にもう1台が襲われた。

Twitterユーザーが投稿したバス襲撃時の投稿(削除済み)

ある情報筋によると、ガラスの割れ方から見て使用された武器はBB銃またはペレット銃と推測する向きもある。今日(米国時間1/17)のMashableの記事は、誰かが石を投げたためである可能性もあげている

本誌が入手した情報によると、Appleはこれを受けてサンフランシスコ在住社員向けのバスを経路変更し、片道30~45分通勤時間が長くなるという。同社は当局と協力して正確な現状把握に努めている。

Appleは容疑者に関する情報を地元警察に報告した。本誌はAppleにコメントを求めている。また本誌は同地域にある他のIT企業にも接触し、類似のシャトルバス襲撃事件があったかどうか尋ねた。Facebookは同社のシャトルバスでは起きていないとTechCrunchに伝えた。

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iPhone X(2019)はノッチが小さくなる可能性? 顔認識モジュールと前面カメラが統合のうわさ

eng-logo-20152019年にリリースされるアップルのFace ID対応製品につき、顔認識モジュールとカメラが統合される可能性があるとの噂が、韓国のETNEWSにより報じられています。

現状では唯一のFace ID対応製品であるiPhone Xの前面にはノッチ(凹型の切り欠き)がありますが、ここにはTrue Depthカメラほか顔認識モジュールや前面カメラが内蔵。これらの統合が進むことで、ノッチが小さくなるのではないかと推測されます。
業界情報筋が伝える噂によれば、アップルは2018〜2019年にかけてiPhone Xシリーズ以外の製品にも顔認識モジュールを搭載する予定とのこと。

この予測の根拠となるのは、iPhone Xのドットプロジェクター(顔認識モジュールのうち、ドットをユーザーの顔に投射する部品)生産を担当しているLG Innotekが8億2100万ドル(約906億円)にのぼる設備投資を発表したことです。

LG Innotekはこの投資を「モバイル機器向けカメラモジュールや新たな部品ビジネスのため」としており、特定の納品先の企業名を上げていません。が、業界筋は「アップル向け顔認識モジュール生産ラインへの投資を計画している」と確信しているとか。

こうした流れの中で、同誌は「顔認識モジュールとカメラモジュールの統合を検討している」との業界筋の観測を報道。2019年モデルから顔認識機能を強化すべく、部品点数を増やすためとされています。これが真実とすると、2つのパーツ分の面積が1つで済むようになり、ノッチのサイズも小さくなる可能性があります。

iPhone Xのノッチはいまだに賛否両論を呼び続け、Androidで憧れのノッチを再現するアプリや、「もしも他のアップル製品のディスプレイもiPhone X風にしてみたら」といったパロディ映像も作られています。ようやく慣れてきたiPhone Xユーザーは、新型では小さくなったノッチに物足りない思いをするかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

iPadやiPod touch等「iPhone以外のアップル製品」は電池劣化で性能低下せず

eng-logo-2015電池劣化したiPhoneのパフォーマンスを近年のiOSが意図的に低下させていた件に関連して、アップルは「iPhone のバッテリーとパフォーマンス」と題したサポート文書で「電源管理機能(速度の低下)はiPhone 固有のもので、他の Apple 製品には適用されません」と明記しました。

ここで言う他のアップル製品といえば、iPadシリーズやiPod touchシリーズ。これらはバッテリー性能の劣化があったとしてもパフォーマンス低下をしないと、公式に約束した格好です。

2017年末に発覚して以来、いまだに物議をかもしているバッテリー劣化iPhoneの性能低下問題。フランスでも消費者団体がアップルを告訴したことを受けて、現地検察局が予備的調査に着手したことが報じられました。ロイター記事によると、フランスの国内法では「買い替え需要を高める目的で製品の寿命を故意に縮めた場合、年間売上高の最大5%相当の制裁金が科される可能性がある」とのこと。

アップルは2017年12月28日に「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」という文書を公開。電池劣化したiPhoneを意図的に速度低下させていたのは事実だが、予期しないシャットダウンを避けるための対策であること(新機種への買い替えを促すことが目的ではない)。そしてiPhone 6以降の端末でバッテリー交換が必要な場合、保証対象外の交換費用を現在の79ドル(8800円)から29ドル(3200円)へ改定すること(2018年末まで)などを発表しました。

速度低下を起こしている「電源管理」機能は、iOS10.2.1以降がインストールされたiPhoneで導入されたもの。同じくiOSに対応したiPadおよびiPod Touch(第6世代)にはこれまで言及されていませんでしたが、今回「他のアップル製品には適用されない」とサポート文書に記載され、疑いは払拭されました。

逆に考えれば「予期しないシャットダウン」への対策や、バッテリーの安価な交換サービスもないということ。いずれにせよ、われわれユーザーとしては製品そのものやバッテリーの寿命が尽きるその日まで、ガジェットを大切に使いたいものです。

Engadget 日本版からの転載。

AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa