成層圏上の気球からインターネット接続を提供するLoon、初めての商用化をケニアで

Googe(グーグル)の親会社Alphabet傘下のLoonは、遠いへき地などに高高度からのブロードバンド接続を提供する。同社はこのほど、その気球の初めての商用バージョンを、2週間前にケニア政府から得られた承認により、ケニアの人びとのインターネット接続のためにローンチした。気球は目下テスト中だが、その結果を待ちながら数週間後には本番のサービスを開始する予定だ。

Loonはケニアの通信企業Telkom Kenyaとパートナーして、同社の契約ユーザーにサービスを提供する。気球は地球の成層圏の高度およそ2万メートルを飛び、地上局のセルタワーも通信衛星も利用できない遠隔地に、安定性の良い高速インターネット接続を提供する。

LoonのCTO Sal Candido(サル・カンディド)氏が書いたMediumの記事によると、気球はプエルトリコまたはネバダ州から離陸し、長い旅をしてケニアのサービス供用地域へ向かう。気球は気流に乗って最終目的地へ向かうが、それは成層圏風に運ばれる最高速のルートなので、かなり回りくどい旅路になる。具体的なルートは、Loonの自動ナビゲーションソフトウェアが決める。

ケニアに到着したら、機械学習を利用するその同じアルゴリズムが、ターゲット圏域の比較的安定性の良い場所に気球を定置させる。気球は上下に動いて異なる気流を捉え、固定された地理的領域の中で気球はそんな短い旅を繰り返しながら、地上の顧客への24時間の高速安定サービスを提供する。

ただし顧客が気球に直接アクセスするのではなく、パートナーのTelkomのセルネットワークからその接続サービスを利用する。それに対しTelkomは当然ながら課金をするため、アフリカのインターネットアクセス性スタートアップBRCKなどは、それが障碍になる人びともいる、と懸念している。でも、やっと初めて商用化にこぎつけたわけだからLoonにとっては重要なマイルストーンであり、今後デプロイの仕方をもっと多様化していけば、さまざまなビジネスモデルが可能になるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

データダッシュボードのスタートアップCountが約2.6億円を調達

アーリーステージの企業は、組織全体で扱うデータ量に悩まされることが多い。データが増えてくると、特にそうだ。データソフトウェア、データの混乱、データパイプラインの扱いに多額の費用がかかる。これらはすべてデータウェアハウス、クリーニングツール、視覚化プラットフォームに関わる。

Countは、オールインワンのデータプラットフォームを作ってこの問題を解決しようとしているスタートアップで、アーリーステージのチームに安価なデータパイプライン構築のためのツールを提供している。

Countはこれまでのステルスモードを終了し、240万ドル(約2億5800万円)の資金調達を発表した。この資金調達はLocalGlobeが主導し、Global Founders Capitalが参加した。同社のエンジェル投資家には、Micrrosoft(マイクロソフト)の企業戦略責任者だったCharlie Songhurst(チャーリー・ソンハースト)氏がいる。

Countは2016年に、経営コンサルタントだったOliver Hughes(オリバー・ヒューズ)氏とインペリアルカレッジの物理学者のOliver Pike(オリバー・パイク)氏が創業した。2人は、標準的なデータソフトウェアの複雑さと、業界で容認されている技術や設計上の制限のため、企業はデータドリブンの決定を下すことができないと分析していた。

発表の中でヒューズ氏は、同社が解決しようとしている問題について次のように述べている。「大きく成長しているチームは、データを管理するために複数の別々のソリューションに対して多額の投資が必要だった。そのようなソリューションを購入して実装するには1年から1年半かかる。そのため多くのスタートアップは、ツールが自分たちに合わなくなっても長期の契約に縛られる。Countはシンプルな従量課金制モデルなので、プラットフォームを無料で使い始め、チームの成長とデータの増加に伴ってその分だけ支払えばよい」。

LocalGlobeのパートナー、Remus Brett(レマス・ブレット)氏は次のように述べている。「データが極めて重要であることは多くの人が認識しているが、データを扱い、ストーリーを語るのはいまだに難しい。現在では、重要な決定をするためにデータを迅速に処理し分析することの価値は、かつてないほど大きい。Countを利用すれば、ごく初期の企業であってもデータ分析に基づいた意思決定を始められる」。

Countを利用しているTiney.coのCTO、Edd Read(エド・リード)氏は「Countによって我々はデータをすべてまとめてチーム全体の報告書を作れるようになった。同社の製品であるNotebooksを使えば、状況に応じた考察を共有し、SQLを学ばなくてもデータのクエリを利用できる」と述べている。

Countには、データウェアハウスではSnowflake、データクリーニングツールではDBT、分析プラットフォームではLookerなど、多くの競合がある。

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(翻訳:Kaori Koyama)

GoProがカメラのレンズとセンサーをサードパーティのメーカーにライセンスして活路を見いだす

GoProが今日(米国時間3/22)、電子機器メーカーJabilとの複数年の契約を発表した。Jabilは警察のボディカメラやビデオ会議用機器など、いろいろな製品にGoProの技術を利用する気だ。両社の合意により、JabilはGoProのデザインと知財をライセンスして、承認されたサードパーティ製品に使用する。他社がGoProのパーツで製品を作るのはこれが初めてだが、今回その製品にGoProのブランド表記はない。

GoProは、2014年リリースのGoPro Hero4のころからJabilと協働している。Jabilはアメリカ国籍のメーカー企業だが、23か国に工場など90の事業所がある。今回の合意の財務的条件は公表されていない。

Jabil OpticsのVP Irv Steinが発表声明の中で、“市場からの初期のフィードバックによれば、スマートホームや軍、消防、警察、救難、警備などの分野で、エンタープライズクラスのアクションカメラへの強力な需要があることが示されている”、と述べている。しかし今回の契約は、始まりにすぎない。

GoProのCTO Sandor Barnaは、ビデオ会議やロボティクス、自動運転車などの分野にGoProがレンズと画像センサーを供給できる機会を見ている。

GoProは今後、アクションカメラ市場にとらわれずに、いろんな分野でそのブランドを生かしていく気のようだ。今回の合意では、デジタル画像技術や消費者製品を含む一定範囲のGoPro製品がライセンスされる。ただしアクションカメラは合意の対象外で、契約はGoProの製品と競合しない製品のみをカバーする。

GoProの株価は5ドル未満という記録的な安値をキープしており、同社は会社の存続のために苦闘している。最近はドローン部門の大半をレイオフし、改良された新製品を出したばかりなのに、早くも業績が危うくなっている。だから、今回のように技術をライセンスするという新しい商機が、GoProを立て直すかもしれない。GoProのアクションカメラが市場で最良の製品であることは誰も否定しないが、会社は価値を失い続けている。パートナーを介してそのブランドを有効活用し、新市場に進出しようとするのは、賢明な動きだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

CTOに大切な3つのスキル

昨年から私は、HappyFunCorp(HFC)のCTOを務めている。そしてその結果、皆から聞かされていたことは、ほとんど真実だったことがわかった。私はより多くのミーティングに出席し、より多くの電話会議を開くようになった。そしてより戦略的に考え、戦術的に考えることは少なくなった。私の時間はより断片的で、万華鏡のように費やされている。

ああ、もちろん ―― 私はビジネス開発とセールスにより多く関わっている。私が、Sam Altmanとぴったり気が合うことはあまりないのだが、こいつは響いた

ベテランになるにつれて、ほとんどのキャリアはセールスジョブに変わる。

とはいえ、私を驚かせたものもいくつかあった。

HFCは製品というよりもサービス中心の会社だ。すなわち、顧客のために製品を製造しているということだ。ということでCTOのあり方も他の会社に比べて少しばかり曖昧なところがある。私は、競争上の優位性であるテクノロジー・スタックをどのように進化させるべきかを、定義し決定するわけではない。なぜなら、まあ、私たちは既に十分な選択肢を持っているからだ(私たちはウェブサービス、スマートフォンアプリ、ブロックチェーンエコシステムなどを構築しており、「適材適所」の方針を採用している企業なのだ)。私は非常に分散したチーム全体で、卓越性と一貫したチームスピリットを育てようとしているのだ。私は沢山の評価と見積をしている。そして、私はクライアントたちや、将来のクライアントたちに、技術について話す。

こうした経験を重ねるうちに、私は皆さんにお伝えできる3つの鍵となるスキルがあることに気が付いた。いずれもコーダー以上になったときから大いに使ってきたものだが、年齢を重ねるにつれてますます重要になってきたものだ。それらは以下のものだ:

読むこと:私はいつでも飛ぶように素早く読んできた。これは良いことでもあった、なぜなら今や読む必要があるからだ。機械学習の論文と、GithubのREADME、APIのドキュメント、そしてテクニカルチュートリアル。野心的な設計文書と、顧客からの要望書。電子メールとSlackのバックログ。ああ、そして読むことは、単に最先端に追いつくために、ただ必要とされることなのだ。そしてその「最先端」ときたら、およそソフトウェア工学のあらゆる面をカバーしているのだ。ということで、保証するが、読むものは本当に多い。

書くこと:要望に応じてそして即座に、よく錬られて、一貫性のある、簡潔な散文を書かなければならない ―― たとえば顧客に問題を説明し、エンジニアにプロジェクトを説明し、予定されたソリューションをより細分化された構成部分に分割し、技術に明るくない人たちにために技術をまとめ、技術者たちのためにビジネス要求をまとめる、そして後から記録として手にすることができるように書き残さなければならない ―― こうした能力は「価値がある」どころではない。おそらく私の奇妙なバックグラウンドせいで、こうしたことをすぐに思いついてしまうために、読者は私が書くことの重要性を過大評価していると思うかも知れない。しかし、正直なところ、私はおそらく同じ理由のためにそれを過小評価していると考えているのだ。

共感すること: 簡単に言えば3つの中で最も重要なものだ。もしコミュニケーションをしている相手を理解していないなら、そのコミュニケーションは無益なことが多い。好奇心を抱いたクライアント、不満を感じているプロジェクトマネージャー、疑問を抱く技術者、あるいは熟考しているデザイナーのいずれと話しているかどうかにかかわらず、私はそうした人たちを特定し、そうした人たちの気持ちとなり、彼等独自の視点から眺めたコストと利益を理解する必要がある。もしそれをできない場合には、相手や自分を助けることは非常に困難である。

私はここで明らかに少しばかり話を盛っている。もちろん深くて幅広い技術的背景と、幅広いソフトウェアを自分自身で書いてきた業績の積み重ねも、とても大切なものである。とはいえ、ハイテク業界でより多くの上級者を育てるという局面で、最も顕著になりつつあることは、技術的ではないスキルが、成功するか失敗するかを左右するようになって来ているということである。私はそのスキルをあえて教養と呼びたい ―― それは思考の糧なのだ。

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(翻訳:sako)

TechCrunch Tokyo CTO Nightの登壇者はこの8社8人! 参加者は引き続き募集中

11月16日、17日と開催まで3週間に迫ったTechCrunch Tokyo 2017で、イベント内イベントとして「TechCrunch Tokyo CTO Night powered by AWS」を開催する。今年の登壇企業と登壇CTO8人、そして審査員が決まったのでお知らせしたい。

開催趣旨はすでに初回アナウンス時に書いたとおりで、ネットやテクノロジーを最大限に利用して急成長を目指すスタートアップという企てにおいて、重要な役割を果たすCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)に焦点をあてたピッチイベントだ。スタートアップが成功するためには技術シードとビジネスの両方が必要だとはよく言われること。専門性の高さから、この2つは組織としても人材としてもベクトルが大きく異なることがある。CTOは、ここをバランスさせ、経営や成長にコミットした技術のトップだ。

既存事業会社が「IT」を使って新しい取り組みを行うというのとは違って、ゼロイチでビジネスを作り出すときに最初からデジタルネイティブな人や世代が、アプリやシステムを事業と一緒に作って成長させる。そんなスタートアップのCTOの中でも今年もっとも輝いていた人物を「CTO・オブ・ザ・イヤー」の称号で讃えようというのが、このCTO Nightの狙いだ。2014年以来、これまで3人のCTOが選ばれた。このうち初代のCTO・オブ・ザ・イヤー2014のユーザーベースCTO竹内秀行氏には、今年は審査員として参加していただけることにもなった。

CTOかそれに準じるポジションの技術者であれば、イベント参加は無料だ。ぜひ他のCTOとの交流という意味も含めて気軽に参加してほしい。もうかなり申し込みを頂いているが、とても広い会場なので、まだ席には余裕がある。なお、TechCrunch Tokyoの本編参加チケット(超早割チケットなど含む)をお持ちの方であれば、CTO Nightへの参加もそのまま可能だ。

以下が今年登壇する8社のスタートアップのCTOたちと、今年の審査員だ。

TechCrunch Tokyo CTO Night 2017

【登壇者】
C Channel(女性向け動画)、西村昭彦氏
Dely(料理動画)、大竹雅登氏
FOLIO(ロボアドバイザー)、椎野孝弘氏
WAmazing(インバウンドSIMサービス)、舘野祐一氏
AnyPay(個人間決済)、中村智浩氏
トリプル・ダブリュー・ジャパン(排泄予知デバイス「DFree」)、九頭龍雄一郎氏
Tunnel(住生活の実例写真の投稿・閲覧サービス「RoomClip」)、平山知宏氏
CONCORE’S(建築業向けの写真共有アプリ「Photoruction」)、藤田雄太氏

【審査員】
藤本真樹氏(グリー、取締役 執行役員常務 最高技術責任者)
松尾康博氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン、ソリューションアーキテクト)
白井英氏(サイバーエージェント、SEG統括室CTO)
竹内秀行氏(ユーザーベース、インキュベーション担当 専門役員)

【日時】TechCrunch Tokyo 2017初日の11月16日木曜日の夕方(19時20分〜21時)
【会場】東京・渋谷ヒカリエ9階Bホール
【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
【企画・協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン
【運営】TechCrunch Japan / Oath Japan
【チケット】無料(参加登録は必須)
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

TechCrunch Tokyo CTO Nightへの参加登録はこちらから。

2015年もやりますCTO Night! スタートアップを技術で支えるCTOたちを讃える

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11月17日、18日に渋谷・ヒカリエで開催予定のTechCrunch Tokyo 2015だが、今年もまたイベント内イベントという形で「TechCrunch Tokyo CTO Night powered by AWS」を開催するのでお知らせしたい。開催は2日間の会期のうち初日の夕方4時スタートで予定している。参加には申し込みが必要だけど、チケットは無料だ。

CTO Night自体は今年でもう3回目だが、昨年始めた表彰制度の「CTO・オブ・ザ・イヤー」の第2回を開催したい。CTO Nightは、CTOの日々の仕事の成果をシェアし、たたえ合う場にできればという趣旨で開催している。イベント形式は、8〜10社程度のスタートアップ企業のCTOに登壇いただいて、5分の発表と3分の質疑によるピッチ・コンテストとなっている。審査するのは技術によるビジネスへの貢献度で、もう少し具体的に言うと、「独自性」、「先進性」、「業界へのインフルエンス」、「組織運営」について評価対象とする。

2014年11月の昨年は以下の9社が登壇。発表内容は組織論から技術的な発表までさまざまだったが、NewsPicksで知られるユーザーベースの竹内秀行CTOが、初代の「CTO・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのだった。

2014年のCTO Night登壇者

  • 株式会社ユーザベース(SPEEDA/NewsPicks) 竹内秀行CTO
  • Beatrobo, Inc.(PlugAir) 竹井英行CTO
  • freee株式会社(freee) 横路隆CTO
  • Tokyo Otaku Mode Inc.(Tokyo Otaku Mode) 関根雅史CTO
  • ヴァズ株式会社(SnapDish) 清田史和CTO
  • 株式会社オモロキ(ボケて) 和田裕介CTO
  • 株式会社Moff(Moff Band) 米坂元宏CTO
  • 株式会社エウレカ(pairs) 石橋準也CTO
  • 株式会社DoBoken(ZenClerk) 磯部有司CTO

今年もまた、昨年同様に経験豊富なCTOの方々に審査員をお願いしてあって、ギークとビジネスの間に立つ人たちにジャッジをお願いしようと思っている。審査員の方々のついては、昨年の記事も参考にしてほしいが、今年は2015年4月にソラコムを創業した玉川憲氏(昨年はAWSエバンジェリストだった)が抜けて、代わりにAWSのソリューションアーキテクトで、スタートアップ企業でのCTO経験もある松尾康博氏が審査員として加わる。ビズリーチの竹内真氏も、昨年はCTOだったが、いまは求人検索エンジン「スタンバイ」の事業部長という立場に変わられ、再び新規事業立ち上げに挑戦されている。また、新たにディー・エヌ・エーの川崎修平CTOが加わるほか、サイバーエージェントグループの子会社群で組織しているゲーム部門の技術責任者である白井英氏にも参加していただくこととなっている。とっても豪華な顔ぶれだ。

2015年のCTO Night審査員

  • グリー 藤本真樹CTO
  • DeNA 川崎修平CTO
  • クックパッド 舘野祐一CTO
  • はてな 田中慎司CTO
  • サイバーエージェント 白井英 SGE統括室CTO
  • アマゾン データ サービス ジャパン 松尾康博(ソリューションアーキテクト)

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コンテストはイベント初日の11月17日月曜日の夕方4時にスタートし、90分ほどでピッチ大会と表彰を行う。その後は、そのままTechCrunch Tokyo 2015の懇親会と合流する形となっている。今回はCTO Nightに関してはイベント参加費は無料となっている。CTOの皆さまには、ちょっと(だいぶ)早めに仕事を切り上げたりして参加を検討していただければと思う。これまで同様、イベント参加は、CTOや、それに準じるエンジニア組織をリードする立場にある人に限らせていただければと考えている。

ところで、今の日本では、かつてなかったほどCTOが必要されていると思う。ITや技術がスゴいと言っても、実社会への接点で価値が出せなければ意味がない。かつて企業や社会とITの接点といえば、「CIO」「情シス」「SIer」といった“IT業界”だけの話だった。しかし、いまやテクノロジーネイティブな人たちが、それぞれの領域で自分たちでビジネスやプロダクトを作るという動きが強まっている。社会にインパクトを与える価値をソフトウェア・エンジニアリングによって生み出すとき、そのカギとなるポジションの1つはCTOだと思うのだ。

TechCrunch Tokyo CTO Night 2015 powered by AWS

イベント名称TechCrunch Tokyo CTO Night 2015 powered by AWS
日時】TechCrunch Tokyo 2015初日の11月17日火曜日の夕方4時スタート(90〜100分)
コンテスト】登壇CTOによる1人5分の発表+3分のQAセッションを9社行い、審査を経て「CTO・オブ・ザ・イヤー 2015」を選出する
審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
審査】CTOオブ・ザ・イヤー実行委員会による
審査員
・グリー 藤本真樹CTO
・DeNA 川崎修平CTO
・クックパッド 舘野祐一CTO
・はてな 田中慎司CTO
・サイバーエージェント 白井英 SGE統括室CTO
・アマゾン データ サービス ジャパン 松尾康博氏(ソリューションアーキテクト)
企画・協力】アマゾンデータサービスジャパン
運営】TechCrunch Japan / AOLオンライン・ジャパン
問い合わせ先】event@tc-tokyo.jp
チケット】無料(参加申し込みは必要です)

Windows Server 2016の三度目のテクニカルプレビュー、コンテナのサポートを内蔵

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Microsoftが今日(米国時間8/19)、Windows Server 2016とSystem Center 2016の三度目のテクニカルプレビュー公開した予告されていたようにこれは、Windows Server ContainersをネイティブにサポートするWindows Serverの最初のバージョンで、この、LinuxコンテナのMicrosoftバージョンは、Powershellから、またはDockerのコマンドラインツールから管理できる。

Microsoftは、デベロッパがコンテナのサポートを求めていることをよく知っている。Microsoftのクラウドプラットホームマーケティング担当ゼネラルマネージャMike Schutzによると、同社は、アプリケーションの開発と試験と展開のサイクルをできるかぎり短縮せよというプレッシャーがますます高まっている中で、デベロッパとITプロフェッショナルの両方を支援していきたい。とくに今のデベロッパには、ますます強力なトレンドになりつつあるコンテナを自分も使いたいという欲求があるので、ITの人びとにはコンテナを管理するツールも提供していく。

Schutzによると、WindowsのコンテナツールをPowershellで使うと、Dockerを利用するデベロッパに、自分が使い慣れているツールのような感触を与え、またPowershellのユーザにとっては、コンテナをとても使いやすく感じさせる。ちょっと面倒なのは、Powershellで作ったコンテナはDockerで管理できず、また、その逆もだめなのだ。

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DockerとMicrosoftは、コンテナサポートのあるWindows ServerとWindows版Dockerコンテナの両方に関してパートナーしている。そしてデベロッパは、それらを標準のDockerツールで管理できる。もちろんこれはDockerにとって大きな勝利だが、アプリケーションをWindows Serverでデプロイするデベロッパも大いに助かる。Microsoftがこの船に飛び乗ってくれるまでは、Dockerは主に、Linuxオンリーの技術でしかなかった。

ただし残念ながら、LinuxコンテナをWindows Serverで動かすことはできないし、その逆も不可だ。Microsoft AzureのCTO Mark Russinovichが、ブログ記事でこう書いている: “LinuxコンテナはホストのカーネルからのLinux APIを必要とし、Windows Server ContainersはホストのWindowsカーネルからのWindows APIを必要とする。したがって、LinuxコンテナをWindows Serverホストの上で動かすことはできないし、またWindows Server ContainerをLinuxホスト上で動かすこともできない”。しかしながら、同じDockerクライアントが両方の種類のコンテナを管理することはできる。

またWindows Serverには、Hyper-V Containersと呼ばれる第二のコンテナデプロイメントオプションがある。このタイプのコンテナは、Windowsカーネルの自分専用のコピーを使い、メモリも自分に割り当てられたメモリを独占するから、より高度なアイソレーションが提供される。

と聞くと、Hyper-Vはまるで従来型の仮想マシン(コンテナと違ってOSも自分用のコピーがある)のようだが、DockerはHyper-VコンテナとWindows Server Containersの両方を管理できるようになる。Hyper-VコンテナをサポートするWindows Serverは、次のプレビューから提供される。

これらのコンテナをサポートするために今日Microsoftは、Visual StudioのDockerツールをアップデートした。

Schutzによると、同社のコンテナ技術の多くの部分と、また今回のプレビューでローンチしたソフトウェア定義ネットワーキング技術の一部はどちらも、同社の、Azureプラットホームのための技術がベースになっている。

Windows Serverのこのプレビューに含まれるそのほかの機能には、軽量サーバNano Serverオプションの一部の新機能(ネットワーキングの構成を修復するための緊急時管理コンソールなど)や、仮想マシンをホストのオペレーティングシステムからより確実に隔離するためのセキュリティ機能、などがある。新しい機能の完全なリストは、ここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「エンジニアの立場でスタートアップの成功確率を上げたい」―CTOという仕事を語り合う

2015年3月9日に開催したTechCrunch School第7回、「CTOというキャリアを考える」では、藤本真樹氏(グリー株式会社 取締役 執行役員常務 最高技術責任者)、舘野祐一氏(クックパッド株式会社 執行役 最高技術責任者)、増井雄一郎氏(株式会社トレタCTO)が集まり、CTO(最高技術責任者)にまつわる話題を語り合った。モデレーターを務めたのは西村賢(TechCrunch Japan編集長)である。

3人のCTOが語った「3つの数字」

3人のCTOに西村編集長から出されたのは「3つの数字」で自己紹介してほしいというお題。

グリー藤本氏が挙げた数字は、「3→1788」「10→ ?」「1→ >10」の3つ。最初の数字は従業員数だ。藤本氏が関わりはじめた10年前のグリーは3人の会社だったが、今の従業員数は4桁だ。2番目の数字はサーバ台数。藤本氏が参加した当時は10台だったが、今では「未公表ですが、5桁はいってます。だからバカスカ壊れます」。3番目の数字は利用しているプログラミング言語の種類だ。創業当時はPHPだけだったが、今や10以上の言語を使っている。西村編集長が「言語の割合は?」と聞くと、藤本氏は「PHPがやっぱり多い。C#、JavaScript、Objective-C、Javaとか。あとはRubyとか。C/C++もちょこちょこあったり」と返す。

クックパッド舘野氏が挙げた数字は、「3000→18992」「1→15」「1→5」の3つ。最初の数字は、同社のテスト数の推移だ。2010年、舘野氏が入社した時にはテスト数は約3000だったが、直近の数字は1万8992まで増えた。2番目の数字はサービス数、3番目の数字はサービスを提供する国の数の変化だ。サービス数はレシピサイト1種類だけではなくなり、サービスを提供する国も、アメリカ、スペイン、インドネシア、レバノンが加わった。

トレタの増井氏は「『IT芸人』か『フログラマー』で検索してください。私の記事が上位に出てきます」と笑いを取りつつ、「4社」「2000社」「3倍」と数字を挙げる。1番目の「4社」は増井氏が創業に関わった会社の数だ。大学時代に起業を経験。その後フリーランスになるが、米国に渡りBig Canvas社を立ち上げ、日本に戻ってmiilの創業に関わった。今のトレタは4社目ということになる。「さすがに少しずつ賢くなってきている」と話す。2番目は、飲食店の予約サービスを展開するトレタの顧客数だ。3番目は、増井氏のCTOとしてのミッションとして「エンジニアの数を3倍にする」目標があることから来ている。

CTOの役割とは結局なんなのか?

この「つかみ」の後で西村編集長が聞き出していったのは、3社3様のそれぞれの段階にあるスタートアップ企業にとって、CTOとはどのような役割なのかということだ。今や従業員数4桁の組織となったグリー藤本氏はこう話す。「300人のエンジニアがいるとする。普通にやると(組織を作ると)4レイヤーぐらいになる。これぐらいになると、信頼できる人にこのセクションを任した! となる」。直接コードを書く役割、エンジニアのマネジメントの役割は信頼できる人に任せる形となっていく。

一方、クックパッド舘野氏は、最近はJavaコードを集中的に書いているという。フロントエンドとなるAndroidアプリについて、もっと知るためだ。同社はもともとWebに強いエンジニアを抱えていたが、そのためネイティブアプリでは出遅れたとの反省があるという。今はモバイルアプリを重視する流れにある。

トレタ増井氏は、創業期のCTOの役割について「最初のエンジニアは、とても大事だ」と話す。会社の創業の時期には、CEOとCTOは密接な関わりを持つが、その人間関係が、そのままその後の会社とエンジニア達との関係に引き写されていく。起業家はエンジニアリングをどこまで理解しているべきか、という問いかけに対しては、「コードを書ける必要はないが、エンジニアリングへの理解、信頼は必要」と語る。

パネルディスカッションの終盤、グリー藤本氏は「日本のスタートアップの成功確率がもっと上がるようにやっていきたい」と語った。連続起業家や、CTOとしての参画経験が3社というような人が少なからずいるシリコンバレーに比べると、日本では起業経験を伝える人材の層が薄い。「起業の勝率、ふつうに負けるよなと」。藤本氏がTechCrunchのCTO関連イベントの登壇を引き受けたのも、そうした思いからだそうだ。

ところで、今回のTechCrunch Schoolが開催された会場は「Tech Lab PAAK」だった。アップルストア渋谷と同じビルにある、リクルートが運営する会員制コミュニティスペースだ。自由に使えるスペースで、卓球台もあれば、もちろんWiFiもある。このようなスペースの運営はリクルートの業務と直接の関係がある訳ではないが、麻生要一氏(Recruit Institute of Technology戦略統括室 室長)は「こういう場で世の中を変えるプロダクトが生まれることが、長期的にはリクルートの利益になると信じてやってます」と語る。現時点で40組100人ぐらいが登録しているが、まだ会員になれる余地はあるそうだ。

もう1件、リクルート関連の情報発信があった。リクルートが2012年に買収した求人情報検索サービス米Indeedの東京オフィスで働くエンジニアである濱田卓さんと西村編集長とのミニトークセッションだ。Indeedは、リクルート本体とは全く異なる米国のソフトウェア開発会社のカルチャーのまま、東京オフィスを運営している。濱田氏も、東京大学大学院修士課程で情報科学を学んだが、知名度が高い会社を蹴ってIndeedへの就職を決めた。「ミリ秒単位で性能を改善していこうという組織」である点が楽しいと話す。仕事中にビールを飲んでも、誰も文句を言わない素敵な職場だそうだ。

最後に、今回のイベントの印象をまとめておきたい。今回の「お題」はCTOだった。CTOはエンジニアのボスであるだけではなく、経営陣の一員でもある。エンジニアを理解して信頼する経営者が必要とトレタ増井氏が話すように、経営を理解して参加するエンジニアも求められているのだ。クックパッド舘野氏は最近は経営書を良く読んでいるそうだ。グリー藤本氏も、技術基盤やエンジニアのチームのことだけでなく、事業への関わりについて考えていると話す。エンジニア文化と経営の両方を理解するCTO経験者、CTO候補者がもっと大勢出てくることが、日本のスタートアップの「勝率」アップのためには必要だろうと感じたイベントだった。


TechCrunch School第7回は3月9日開催-テーマは「CTOというキャリアを考える」

2014年1月から不定期で開催しているイベント「TechCrunch School」では、これまでに「学生の起業」、「スタートアップのマーケティング」、「大企業からのスピンアウト」、「IoT」、「シェアリングエコノミー」などのテーマでセッションを繰り広げてきた。7回目の開催となる次回は、3月9日月曜日午後7時から「CTOというキャリアを考える」というテーマで開催する。参加は無料で、本日よりこちらで参加登録を受け付けている。

会場となる「TECH LAB PAAK」

テック系のスタートアップに欠かせないエンジニアリングチーム。このエンジニア集団をリードし、ときにはゼロから1人でチームを作り上げるのがCTOだ。会社が成長した暁には、経営陣の1人として技術面から多くの経営判断に加わりつつ、同時にコードを書き続けることも珍しくない。

日本でスタートアップ企業が多く誕生しつつある今、CTOという役職が注目されつつある。今後、あらゆる業種においてソフトウェアの果たす役割が大きくなっていくだろうから、この傾向はますます加速するだろう。外部から「ソリューション」を調達したり、開発を外部へ委託する情報部門やCIOではなく、自らビジネスのコアになるシステムやアプリを作り出すチーム体制への移行が時代背景としてあると思う。

そう考えると、エンジニアとしてのキャリアを考える上で「CTO」というのは何もスタートアップ企業やネット企業だけに限った話ではなくなってくるのだろう。CTOとしてキャリアを積み、複数のスタートアップの立ち上げに携わる「シリアルCTO」というキャリア形成も増えつつあるように見える。

グリー、クックパッド、トレタのCTOが登壇

3月のTechCrunch Schoolでは、CTOというキャリアに焦点をあてて、経験豊富な注目CTOたちに、ざっくばらんにエンジニアリング、経営、スタートアップというテーマで語っていただこうと思っている。

登壇者となる3人のCTOは、グリーの藤本真樹氏、クックパッドの舘野祐一氏、トレタの増井雄一郎氏だ。3人ともエンジニアコミュニティでは、よく知られているが、改めて簡単にご紹介したい。

グリーの藤本CTOは、創業初期から同社プラットフォームを支えてきたCTOだ。マンションの1室からスタートして1000〜2000人規模の組織となる10年間を、CTOという立場で見てきた人は日本では多くないだろう。これまでを振り返りつつ、今後CTOとして取り組んでいきたい領域やチャレンジについて聞いてみたいと思う。クックパッドの舘野祐一CTOは、RubyやJavaScriptのコミュニティでも良く知られたエンジニアで、2010年クックパッドへ入社。技術基盤やビッグデータ基盤の開発、構築を行い、2012年に技術部長、2013年のエンジニア統括マネージャを経て、2014年2月からクックパッド執行役CTOとなった人物だ。経歴から分かる通り、1人のエンジニアからCTOへというキャリアを歩んでる。舘野氏にはエンジニアにとって、マネジメントやビジネスを理解することの意味ということをお聞きしようと思っている。トレタの増井雄一郎CTOは、料理写真共有サービスの「ミイル」の元CTOで、現在は店舗向け予約受け付けサービスのトレタのCTOとして活動している。立ち上げ期のスタートアップ企業に関わるエンジニアという視点から話を聞ければと思う。

今回の会場は東京・渋谷の「TECH LAB PAAK」

さて、これまでTechCrunch Schoolは基本的にTechCrunchのオフィスが入居している東京・末広町の3331 Arts Chiyodaで開催していたが、今回は前回同様にリクルートホールディングスが東京・渋谷に開設したばかりの会員制スペース「TECH LAB PAAK」で開催する。

TECH LAB PAAKは入会審査ありの会員制だが、施設自体は会員であれば無料で利用できる。会員になれるのは「スペースを通じてみずからの持つスキルを深めたり、情報共有したりしたい」「技術やアルゴリズムの研究・開発に取り組んでおり、コラボレーションして発展させたい」といった思いを持つ個人やチームで、同社が定期的に開催する審査に通過する必要がある。リクルートホールディングスいわく、「本気でテクノロジーで世界をよくしたいと思っている」「イノベーションを起こすスキルを持ちながら、リソースが不足している」という人の応募を待っているとのこと。当日はその辺り話もRecruit Institute of Technology戦略統括室 室長の麻生要一氏からお話いただける予定だ。

TechCrunch School #7
「CTOというキャリアを考える」

【開催日時】 3月9日(月曜日) 18時開場、19時開始
【会場】 東京・渋谷 TECH LAB PAAK (地図)
【定員】 80名程度
【参加費】 無料
【参加資格】 CTOもしくはCTOに準じるエンジニア、もしくは今後CTOを目指したいエンジニア
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
19:00〜19:05 TechCrunch Japan 挨拶
19:05〜20:05 パネルセッション「CTOというキャリアを考える」
パネリスト
藤本真樹氏(グリー株式会社 取締役 執行役員常務 最高技術責任者)
舘野祐一氏(クックパッド株式会社 執行役 最高技術責任者)
増井雄一郎氏(株式会社トレタCTO)
モデレーター
西村賢(TechCrunch Japan編集長)
20:05〜20:20 講演セッション「リクルートが考えるオープンイノベーションとその取り組みについて」
麻生要一氏(Recruit Institute of Technology戦略統括室 室長)
20:20〜20:30 ブレーク
20:30〜22:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp