コスメD2Cブランドなど展開するDINETTEが8億円のシリーズB調達、OMO施策で販売チャネル拡大・アジア圏のマーケ推進

コスメD2Cブランド「PHOEBE BEAUTY UP」(フィービービューティーアップ)と美容メディア事業を展開するDINETTE(ディネット)は3月30日、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資と融資による総額8億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、大和企業投資、セレス、MTG Ventures。借入先はみずほ銀行。

調達した資金により、サブスクリプションをメインに販売するPHOEBE BEAUTY UPについて、OMO(Online Merges with Offline)施策に投資を行い販売チャネルを拡大、アジア圏へのマーケティング活動を行う。女性の悩みに寄り添うビューティーカンパニーになるべく、2022年度より多様なブランドを多数創出するために商品開発に投資するという。

PHOEBE BEAUTY UPは、DINETTEが運営するSNS美容メディアに寄せられた顧客の声を基に誕生した、オリジナルブランド。「今日なりたい『私』を叶える」をブランドミッションとし、プロダクト体験を通じてより多くの顧客の「なりたい」を実現することを目指している。

コスメD2Cブランドなど展開するDINETTEが8億円のシリーズB調達、OMO施策で販売チャネル拡大・アジア圏のマーケ推進

D2Cの注文処理サービスを代行する仏Bigblueが18.3億円調達

フランスのBigblueが、1500万ドル(約18億3000万円)のシリーズA資金調達ラウンドを実施した。同社は、D2C(Direct to Consumer)ブランド向けのオーダーフルフィルメントプラットフォームを運営している。これによりD2Cブランドは、Bigblueに物流に関するあらゆることをアウトソースすることができ、製品やマーケティングに集中できるようになる。

ラウンドはRuna Capitalがリードし、LPVが「セカンダリーリーインベスター」になった。既存の投資家であるSamaipataも、再び投資に参加している。

現在、同社はフランス、スペイン、英国3カ国で事業を展開しており、6万平方メートル以上の保管スペースを持つ5つの倉庫と提携している。顧客は、これらの倉庫に直接製品を発送し、Bigblueが保管・管理する。

Bigblueの顧客である企業や店に注文が入ると、商品はBigblueの配送ネットワークから客に送られる。同社が契約している配送業者は20社ほどで、ヨーロッパ全域に配達できる。グローバルな発送もできるが、の他の市場ではそれぞれの国でD2Cのためのフルフィルメントパートナーを見つけるのが賢明だろう。

Bigblueでは、パッケージをカスタマイズしたり、パッケージ内にチラシを入れたりして、エンドユーザーの体験をパーソナライズすることもできます。また、何か問題があった場合、顧客はブランドの返品ポータルで返品リクエストを提出するよう促される。返金だけでなく、ストアクレジットにも対応している。

共同創業者でCEOのTim Dumain(ティム・デュメイン)氏は声明で「新しい資金で、ユーザーであるマーチャントの増加に合わせて、私たちのサービスも拡大したい。社員を増やすとともに、会社をD2Cのフルフィルメント分野のリーダーになりたい」と言っている。

結果は実に単純だ。BigblueはAmazonのような体験を提供したいが、しかしそれをサードパーティのロジスティクスの業態でやろうというのだ。そこでBigblueはShopifyやWooCommerce、PrestaShop、Wixなどさまざまな販売チャンネルと、CdiscountやFnac、そして、そうAmazonのような多様なマーケットプレイスとの統合を進めている。

そうすることによって、さまざまなマーケットプレイスが無料で同日または翌日の配達を提供できるようになる。しかも、オンラインのマーケットプレイスの商品ページで自分が真っ先に選ばれるためには、その点が鍵になる。そしてまた顧客は、そのブランドの追跡メールを受け取る。

D2Cのロジスティクスサービスで同社が競合しているのは、CubynHiveHubooなどとなる。全体としてBigblueは、From FutureUnbottledWe Are Joliesなどの顧客を惹きつけることに成功している。同社の2022年の目標出荷数は400万だ。そのためには同社は今後1年間で社員を100名増員し、西ヨーロッパ全域に拡張しなければならない。

画像クレジット:Bigblue

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)

セールスフォース、D2CストリーミングメディアソリューションでAWSと提携

ストリーミングメディアサービスを運営するには、複雑な技術の組み合わせが必要で、大企業でも単独で管理するのは難しい場合がある。Salesforce(セールスフォース)とAWS(アマゾンウェブサービス)のメディア業界グループは、AWSのインフラソリューションとSalesforceのマーケティングおよび顧客管理ツールを組み合わせたソリューションを提供し、そのプロセスを簡素化する試みでタッグを組んだ。

Salesforceでメディアエンターテインメントとメディアクラウドを担当するVP兼GMのChristopher Dean(クリストファー・ディーン)氏によると、同氏のグループはSalesforceが2020年にVlocityを13億ドル(約1495億円)で買収した後に形成したインダストリークラウド部門に属する。VlocityはSalesforceの上に、メディアやエンターテインメントなど、いくつかの業界特化型バーティカルを構築した。

同社はメディア業界を成長させるにつれ、D2Cメディアストリーミングソリューションに対する市場ニーズが高まっていることに気づいた。ストリーミングの顧客向けにサブスクリプション、アップセル(より高額な商品の販売)、マーケティングを推進するためのツールを備えていたが、それを実行するためのインフラが不足していた。そこで、長年のパートナーであるAWSと連携することにした。

「Salesforceには、視聴者を魅了して獲得し、エンゲージを引き出し維持するためのエンド・ツー・エンドの購読者ライフサイクル機能があります。しかし、これを実現するために必要なメディアインジェスト、メディア配信のいずれも持っていなかったのです。そこで、この2つをくっつけると(私はこれをチョコレートとピーナッツバターの瞬間と呼んでいます)、実際とてもうまく機能し、エンド・ツー・エンドのソリューションができあがるのです」とディーン氏は語った。

画像クレジット:  Salesforce / Getty Images

Amazon Studiosの製品担当ディレクター、Eric Iverson(エリック・アイバーソン)氏は、AWSとSalesforceが話し合う中で、組み合わせたソリューションは大いに意味を成したと話す。「この2つのスタックは、かなり関連性の高い多くのことを行っているように思えました。何度も何度もカスタムメイドするのではなく一緒になり、必要なピースのすべてを積極的に組み合わせて、すぐに使えるソリューションにしてはどうか。それが我々自身に課したミッションのようなものでした」とアイバーソン氏は述べた。

提供を始めるにあたり、両社はメディアをビジネスとする商用ストリーミングサービスを、このようなソリューションのスイートスポットととらえているが、従来のメディア企業ではない企業がビジネスを拡大するためにストリーミングメディアに移行する傾向が強くなっている。SalesforceとAWSは、どちらの分野にも多くのチャンスがあると見ている。

「ほとんど瞬時に多くの市場機会があると思います。それは、メディアストリーミングを自社のビジネスとしてではなく、自社のビジネスを実現し強化するための手段の一部として提供したいと考えるあらゆるブランドに対して、とてもシンプルな方法でインフラサービス一式を提供するにはどうしたらいいか、ということです。これは、私たちにとって非常に大きなチャンスだと思います」とディーン氏は述べた。

Salesforceは2021年、Salesforce+というメディアサービスを開始した。これは、従来対面式のイベントで提供されていたコンテンツを、ビデオコンテンツとしてストリーミングするものだ。しかし、Salesforce+は現時点ではSalesforceとAWSのソリューション上で動作していないことに注意が必要だ。

ディーン氏によると、2社によるこのソリューションがあれば、単独でこのようなプロジェクトを管理するのに必要なエンジニアリングのリソースがない企業でも、D2Cビデオストリーミング機能を手にすることができ、そのニーズは大きいと2社は考えている。

画像クレジット:metamorworks / Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを展開するリバースラボが約2億円調達、新規商品を開発・既存商品改良

スキンケアD2C「sirobari」とコスメティックD2C「sirocos」を展開しているリバースラボは2月10日、第三者割当増資による総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ダイヤモンドファンタジーおよび複数のエンジェル投資家。2019年11月設立以来初のエクイティファイナンスとなる。調達した資金は、新規商品の開発と既存商品の改良、プロモーション活動にあてる。

スキンケアやコスメティックといった化粧品の多くは、店頭などオフライン販売が主流となっている。これにより大資本による絞り込まれたラインナップの商品が安価に購入できるものの、ニッチな悩みやコンプレックスを解消するための商品は販売チャネルが限られ高価格帯になってしまうという。リバースラボは、「ニッチな悩みやコンプレックスに寄り添ったラインナップの構築」「機能性重視の商品開発」「ポジティブでスタイリッシュな商品パッケージの開発」「継続しやすい価格とサービスの提供」などにより、顧客の心理的・物理的なハードルを抑えたプラットフォームを提供し、共に解決できる企業を目指し、資金調達を実施したという。

2019年11月設立のリバースラボは、「ー戻ることは罪じゃないー RETURN TO INNOCENCE」をコンセプトに、スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを運営するほか、他社D2Cブランドの立ち上げ支援コンサルティングを提供。sirobariは発売から1年半経過しており、累計販売数30万枚を超えるという。

ディズニーが動画配信事業を再編、国際的戦略のハブとなる新グループを設立

Disney(ディズニー)は米国時間1月19日、D2C(消費者直接取引)の動画配信事業を、よりグローバルな市場に拡大する計画を発表した。そのために新たにインターナショナルコンテンツ&オペレーション部門を設立する。このグループを率いるのは、約25年前からディズニーで働くベテラン、Rebecca Campbell(レベッカ・キャンベル)氏で、ディズニーの動画配信サービスのための現地および地域向けコンテンツの制作に注力するとともに、ディズニーの国際チームを統括する。この新しい役職は、ディズニーのBob Chapek(ボブ・チャペック)CEO直属となる。同社は今回、現在の動画配信サービスの展開状況とDisney+(ディズニープラス)の2023年の見通しについても最新の情報を発表した。

ディズニーによると、2021年度末時点で、Disney+、ESPN+(イーエスピーエヌ・プラス)、Hulu(フールー)の加入者数は合計1億7900万人だったという。同社は2023年度までにDisney+の配信国数を2倍以上の160カ国以上に増やすことを計画している。

インターナショナルコンテンツ部は新たに設立されたものだが、ディズニーによると、同社の動画配信サービスのために制作・開発されている現地・地域向けタイトルは、すでに340以上にのぼるという。この数は時間とともに増えていく予定であり、これまでインターナショナルオペレーションおよびD2C担当のトップを務めていたキャンベル氏は、同時にインターナショナルコンテンツのパイプラインの拡大に注力していく。拡大した役割の中でも、キャンベル氏は引き続きアジア太平洋地域、欧州・中東・アフリカ地域、インド、ラテンアメリカの海外チームにも参加する。

インターナショナルコンテンツ&オペレーショングループの設立により、ディズニーは、スタジオコンテンツ、ジェネラルエンターテインメントコンテンツ、スポーツコンテンツの各グループに加え、コンテンツ制作のための第4の拠点を持つことになる。この新グループの追加は、Netflix(ネットフリックス)などライバルに対抗するために、動画配信分野でグローバルな事業基盤を確立することの重要性を示している。Netflixはインドなど一部の市場で加入者を獲得する方法を模索していて、最近では値下げを余儀なくされている。HBO Max(エイチビーオー マックス)も国際的な事業展開に目を向けており、最近は欧州の一部でサービスを開始した。

国際的なコンテンツハブの新設に加えて、ディズニーは動画配信事業の他の部分も再編成した。

Huluの新社長には、Disney+のマーケティング&オペレーション担当EVPだったJoe Earley(ジョー・アーリー)氏が就任した。同氏は、Disney+、Hulu、ESPN+、Star+をグローバルに担当するDisney Streaming(ディズニー・ストリーミング)の新社長に昇格したMichael Paull(マイケル・ポール)氏の直属となる。ポール氏の前職であるDisney+の社長はまだ任命されていない。新しい役職では、ポール氏はDisney Media & Entertainment Distribution(ディズニーメディア&エンタテインメントディストリビューション、DMED)の会長であるKareem Daniel(カリーム・ダニエル)氏の直属となる。

「ディズニーの消費者直接取引の取り組みは、わずか数年の間に驚異的なペースで進展しており、我々の組織は野心的なグローバルストリーミング戦略を支えるために成長と進化を続けてきました」と、チャペック氏は今回の組織変更を発表した声明の中で述べている。「レベッカは、当社のグローバルプラットフォームの拡大を指揮する重要な役割を果たしてきました。今回、新たにインターナショナルコンテンツグループを率いることになった彼女は、その専門知識と才能を活かして、当社の動画配信サービスに増加する現地・地域向けオリジナルコンテンツのパイプラインを監督するとともに、引き続き当社の国際的な事業を先導してくれるものと期待しています。同様に、消費者へのサービスに絶え間なく注力しているカリームは、当社の動画配信事業をディズニーの次の世紀に向けて展開していくための比類ない能力を備えた、業界をリードする経験豊富な経営陣を育成しています」。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

愛犬のおやつ・おもちゃが毎月届くQualumが犬種特化型パーソナライズ機能を正式提供、ヘルスチェック結果を獣医師が監修

愛犬のおやつ・おもちゃが毎月届くQualumが犬種特化型パーソナライズ機能を正式提供、ヘルスチェック結果を獣医師が監修

「豊かな暮らしを届けるためのブランドとサービスを手掛けるライフスタイルカンパニー」であるFrankyは12月23日、愛犬のおやつ・おもちゃなどが毎月届くパーソナライズケアBOX「Qualum」(カルム)において、犬種特化型のパーソナライズ機能の正式提供を開始した。まずは、チワワ、トイプードル、ダックスフンドの3犬種でスタートし、順次犬種を拡大してゆく。

また同社は今後、飼い主をサポートする機能の追加、犬種ごとの最適な各種ケア用品の展開も視野に入れ、愛犬ができるだけ長く飼い主と健康で楽しい時間を過ごせるよう、引き続きプロダクトおよびアイテム開発に取り組むとしている。

Qualumは、国内160犬種の基礎データと100万通りのヘルスチェック結果から、愛犬に必要なものを選んで届けるサブスクリプションサービス。「愛犬ヘルスチェック」で、犬種、性別、アレルギー、運動量、心配事など約10項目のパーソナライズ診断により、愛犬の健康維持に必要な栄養成分やカロリーの目安などが算出される。獣医師が監修した診断データに基づいて提案されるおやつが選択できる仕組みだ。

担当獣医師の寺田かなえ氏は「獣医学・ペット栄養学の観点からはもちろん、生まれ持った犬種特有の悩みや、愛犬それぞれの悩みや健康状態を考慮して、その子に最適なものを選んでいます」と話している。

Qualmは注文内容によって異なるが、料金は月額2980円(税込。送料込み)より。売り上げの一部は保護犬保護猫マッチングサービス「OMUSUBI」を通して保護団体に寄付される。

累計650万食販売・会員数5万人の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達

累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発手作りドッグフード(フレッシュぺットフード)「CoCo Gourmet」(ココグルメ)をD2C展開するバイオフィリアは12月22日、シリーズAラウンドにおいて約5億6000万円の資金調達を完了したことを発表した。引受先は、リード投資家のDIMENSION、またSBIインベストメント、三菱UFJキャピタル、ギークス、ユナイテッド、AGキャピタル、他数社および個人投資家。

調達した資金は、ココグルメの新レシピや小分けタイプの開発、事業拡大に伴う人材採用の強化、猫用フード「ココグルメ for Cat」(名称仮)の新規開発、研究開発事業費などにあてられる。累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発

ココグルメは、フレッシュぺットフードとして、総合栄養食基準準拠・獣医師監修の国産ドッグフードを販売するサービス。フレッシュペットフードとは、人も食べられる新鮮な食材を使い食品安全法の基準をクリアした食品工場で栄養素を壊さないよう低温調理されたフードを指すという。

原料となる肉や野菜はすべて国産のものを使用し、保存料・着色料不使用、グレインフリー。製品は食品安全法をクリアした食品工場で製造され、レシピは獣医師、ペット栄養管理士、動物機能栄養学教授の3分野のプロによって監修されている。ペットに対する家族意識や健康志向が高まる中、ココグルメは愛犬家から支持を受け前期売上増加率434%、会員数5万人、累計販売食数は650万食を突破(2kgの愛犬に1日2食与えるものとして換算)。高付加価値訴求型ペットフードのニーズの高まりを受け、事業が順調に推移している。累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発

また同社は、現代の家庭犬に合うフードづくりにより一層注力するため、北海道大学大学院で動物の腸内細菌叢を研究する動物機能栄養学教授・小林泰男氏と共に家庭犬の腸内細菌叢の研究(R&D)を進めるという。研究から得た独自の知見・エビデンスを活かし、畑の土壌や栽培方法・調理方法の改善などを行い、現代の犬の体質や生活環境に、より最適化した安心安全で美味しい「ワンちゃんのため」のフード開発を目指す。

2017年8月設立のバイオフィリアは、「動物の幸せから人の幸せを」を企業理念に掲げ、動物と人間が愛情を持って共存できる社会の実現を目指し、ペット事業に取り組むスタートアップ企業。ペットフードを単なるエサではなく伴侶動物との絆を深める「食事」と位置付け、伴侶動物と飼い主の絆を深めるごはん時間を提供するべく、グローバル展開も視野に入れ尽力するとしている。累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発

【TC Tokyo 2021レポート】酔っぱらいたくない新世代に届けたい、米国の酒販D2CブランドHausの「誰のまねもしなかった」起業ヒストリー

12月2日から3日にかけてオンラインで開催されたスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」。2日目午後0時30分から1時00分には、D2Cブランドについてのセッションが行われた。ゲストは米国でネットを介して食前酒を販売するスタートアップ「Haus」の共同創業者兼CEOであるHelena Price Hambrecht(ヘレナ・プライス・ハンブレヒト)氏が登壇。硬直した米国酒販業界でどのように後発組として成功してきたかについて語ってくれた。モデレーターはライター / 翻訳家の大熊希美氏だ。

IT屋とワイン屋の夫婦から生まれた新しいサービスHaus

ハンブレヒト氏は、シリコンバレーでFacebook(現Meta)、Fitbit、Google、インスタグラム、Microsoft、Pinterest、Square、Twitterなどさまざまなブランドの立ち上げにPRという立場で関わってきた、いわば「IT屋」だ。

そこで新世代の消費者が、製品の原料を強く意識していること、製品の信ぴょう性、販売者の透明性を重視していることを知った。

なかでも、アルコール類への不満が多いことに気づいたハンブレヒト氏は「高カロリーで、酩酊性が強く、眠りが浅くなるうえ、二日酔いもひどい。合成原料やさまざまな添加物など、摂取を控えたいようなものを含んだ飲料しかなく、その他の選択肢がないことへの不満の声だった」という。

共同創業者は元夫のWoody Hambrecht(ウッディ・ハンブレヒト)氏。ワイン醸造農園主の三代目だ。

関連記事:酔っ払いたくないミレニアル世代は仕事の飲み会で何を飲む?

そのこともあり、アルコールにまつわる業界の態度と消費者のニーズに強い興味を持ったハンブレヒト氏は、さらにミレニアル世代やZ世代のニーズを調べ、そこでアルコール業界の真実を知ることとなる。

「米国だけでも280億ドル(約3兆1790億円)という巨大産業が硬直したまま革新的なことをしてこなかった。新しい世代は、自分たちの飲むアルコールに関して変化を求めていた」(ハンブレヒト氏)

そこで、欧州で何世紀も愛されてきた実績があり、米国内でも人気が出てきたアルコール度数が低く、たくさん飲んでも酩酊することの少ないアルコール飲料である食前酒を開発し、販売するためにHausを立ち上げたのだった。

型破りな解決策

Hausが販売する食前酒は、従来のリキュールと異なり、甘みや苦味が薄く、新鮮な天然の原料から造られる。ブドウを主原料にさまざまなハーブをブレンドした蒸留酒で、飲み口が優しいのが特徴的だ。

フレーバーは8種類あり、カンパリやアペロールといった、従来のリキュール類と異なり「グレープフルーツハラペーニョ」「レモンラベンダー」など、名前だけでどのようなフレーバーなのかをイメージしやすくなっている。

「ロックでも、ソーダ割りでも、低度数カクテルとしても飲むことができる。さらにはそのままでも洗練されたカクテルのような味わいのある飲みやすいお酒だ」とハンブレヒト氏は説明する。

販売方法は、今のところオンラインのみで、基本はサブスクリプション制。会員は、月1本、2本、6本のコースを選べ、本数によって割引を受けられる。フレーバーも自分で選択でき、一時停止も可能だ。会費、送料ともに無料。限定フレーバーやセールの案内も受け取れる。

起業するに当たり、障害となったのは「禁酒法時代から変わりのない酒販への厳しい規制と、フィジカルなものづくりに必要な費用の準備」だった。

酒類販売には厳しい規制があるため、ネットで注文があると「受注したウェブサイトでは、宅配業者を手配し、その宅配業者が注文品を買って配送する」という複雑な手を使うのが一般的であるという。

「製造業者、卸売業者、消費者が購入するための酒類販売店がある。酒類販売には、こうした重層的な制度を使うしかなかった」(ハンブレヒト氏)

しかし、Hausはオンラインで直販している「酒販業として、米国で唯一の」D2Cブランドだ。それが実現した理由を「ブドウを主原料とする低度数のアルコール飲料はネット通販が法的に可能だったから」と説明する。

オンライン直販を全米で開始するためにかなりの資金をかけたというが「史上初のD2C酒販業となれたし、目立った競合もいない」と、その成果を語る。

Hausの製品は自社製造のため、インフラ整備に莫大な費用がかかった。米国の酒造業界では、小企業が製造委託を行う仕組みがないからだ。

製造設備、包装設備、倉庫などを用意せねばならなかったが、酒販スタートアップへの出資を禁止しているファンドが多く、VCは非協力的。「シリコンバレーとファンドに知人が多かったものの、投資家のほとんどが手を出さなかった」と振り返る。

そこで取った方法が、少額でも多数の出資家を募ることだ。

10社のファンドと100人の個人投資家から450万ドル(約5億1000万円)を調達することに成功した。「面談に面談を重ね、理念に共感してくれる出資者を探した」と、ハンブレヒト氏。「初期のスタートアップは、資金調達先を絞るのが定石といわれているが、何事も固定概念に縛られてはいけない。創造的に、これまでにない解決策を探していけば、驚くような答えに巡り会えるものだ」。

「出資者を絞らなかったおかげで、その人の人格に悩まされるというよくある話とも無縁だったし、何より全員が応援してくれるようになった。資金調達の方法が増えれば監視の目はゆるくなり、起業や成長、イノベーションの機会が広がる。

消費者向けブランドの場合、出資者、つまり利害関係のある人が多いことは、顧客になる可能性のある人が増えることを意味している。クラウドファンディングならなおさらだ。大勢から出資を受ける方法にはメリットしかない」(ハンブレヒト氏)

手を抜かないものづくりのために、かさんでしまう初期費用を無事に調達し、生産性の高いインフラを完成させた。しかも、理念に共感し、応援してくれるたくさんのファンを生み出すことにも成功したのだ。

2019年6月にローンチしてからの販売ペースについて大熊氏から尋ねられたハンブレヒト氏は「起業からの2年間で数十万本が売れた」と回答。「業界人から無謀だと思われていたし、反感を買いやすい製品だと自分では考えていたので、これほど早く全米に波及するとは予想外だった」と振り返る。

成功の秘訣は、ハンブレヒト氏が新興企業のPRを経験しており、ブランド創出に詳しかったこと、製品自体が注目を集めやすくメディアが取り上げたこと、また「なぜその製品が必要なのか」を宣伝したこと。

それまで、酩酊性と二日酔いの強いアルコール飲料しか選べず、不満をいだいていたZ世代からミレニアル世代、さらにはベビーブーマー(WWII後のベビーブーム時代に生まれた世代)までもが顧客になっているという。

パンデミックの影響を最小限に抑えられた理由とは

コロナ禍の影響については「強かった」とハンブレヒト氏。「Hausは、人とのつながりで広がっていく製品。共有したいと思うような飲み物だ。しかし、人の交流が途絶え、口コミも止まってしまった。仲間と飲んでいたのが、突如として1人きりで飲むようになり、消費も鈍った」。

しかし、追い風になったこともあるという。

「酒類のネット購入が増加傾向にあった。これはHaus創業時に意識していたこと。それを最大限に活かし、オンライン宣伝を開始。これにより、かなりの成功を収めることができた」(ハンブレヒト氏)

なお、酒類卸売業界全体では停滞が見られたが、Hausは卸との関係が薄かったため、その影響を受けることがなかったという。口コミという強力なマーケティングの有効性がなくなったときに、すぐさま変化に対応するスピーディーさも悪環境を事態を好転させられた理由の1つだろう。

顧客の課題解決を優先し誠実さを示す

現在は、配送先を米国内に限定し、かつオンラインでの直販という形をとっているHausだが、卸売や、将来的には国外への販売も視野に入れているという。

「大手の傘下に入らなければ、全国的な流通網に乗せられず、独立業者は地元のレストランにしか商品を売れない。そこで、D2Cを足がかりに、全国に顧客網を広げた。人気や需要の高さをデータで視覚化できれば、卸売進出へ有利になる。

今は、飲食店や小売店、販売店から前代未聞とも思える数の引き合いがききている。卸売のテスト販売は、まだカリフォルニアでのみ行っているが、2022年には多くの市場に本格参入する予定だ」(ハンブレヒト氏)

Hausが米国で最初で唯一の酒販のD2Cとなったことで、米国の酒販に関係した法律が変わる可能性も出てきた。というのも、重層的な流通体制や前述のような配送仲介を通したネット通販では収益性が低いからだ。D2Cの収益性を目にし、規制緩和への声が高まる可能性がある。

「ネット通販では売れない、と硬直していたのは消費者ではなく販売側」とハンブレヒト氏。「しかし現実はそうではなかった。飲食店で店外用の酒類販売も認められるようになった。厳格な規制が緩み始めた。規制緩和への明るい材料がそろってきたと考えている」。

このように、前例のない事業を展開してきたハンブレヒト氏は「顧客の価値観を最優先させる魅力的なD2Cブランドを尊敬し、さまざまな企業のロードマップを参考にしてきたが、誰の真似もしていない」と言い切る。「その企業が起業した当時の環境に合っていたから成功しただけかもしれず、再現性があるとは限らない。1つの企業だけを手本にしてもいいことがない」。

最後に、これから起業する人へ向けて次のようなメッセージで締めくくった。

「資金調達の方法は1つではない。大手ファンドやVCがだめだったからとあきらめず、個人投資家やクラウドファンディングなどさまざまな方法を探して欲しい。挑戦し続けて欲しい。

D2Cブランドの創業は、以前より難しくなっている。だからプロダクトには十分な配慮が必要だ。粗悪な原料を使わない、ズルをしない、手を抜かない、他社の真似をしない。顧客を優先させ、顧客の持つ課題を解決するように努めて欲しい。その誠実さは、消費者に伝わり、さまざまな障害を克服する助けとなるに違いない」(ハンブレヒト氏)

TechCrunch Tokyo 2021は、12月31日までアーカイブ視聴が可能だ。現在、15%オフになるプロモーションコードを配布中だが、数量限定なのでお早めに。プロモーションコード、およびチケット購入ページはこちらのイベント特設ページからアクセス可能だ。

【TC Tokyo 2021レポート】コロナ禍で成長したD2Cブランドが、今後も生き残る条件とは?

12月2日から3日にかけてオンラインで開催されたスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」。2日目午後3時25分から午後4時にかけて行われたセッション「D2C」では、コロナ禍で需要の伸びたeコマースの中でも、D2Cブランドにスポットが当てられた。セッションには、D2Cブランドとしてお菓子セットのサブスクリプションサービスを提供しているBokksu(ボックス)創業者兼CEOのDanny Taing(ダニー・タン)氏と、ツール提供側からオンラインストアの自動化ツールを提供しているAlloy Automation(アロイオートメーション)共同創業者兼CEOのSara Du(サラ・ドゥ)氏が登壇。モデレーターはライター / 翻訳家の大熊希美氏だ。

食を通じて日本文化を広めたい

タン氏はニューヨーク出身。スタンフォード大学で心理学と日本語を学んだ後、Googleで1年間デジタルマーケティング業務を行った後、東京に移り住んだ。早稲田大学で、さらに日本語を学んでから2010年に楽天に就職。2013年頃に楽天を辞め、故郷のニューヨークへと戻ることにした。

ニューヨークに戻ってからの悩みは「日本のおいしいお菓子が手に入らないこと」。「日本にいた4年間で日本語をだいぶ操れるようになったので、日本中を旅することができた。そして、各地で「地方限定」のお菓子と出会えた。しかし、米国ではそれを手に入れるのがとても難しかった」とタン氏は振り返った。

また、自分がアジア系というマイノリティであることに言及した後「米国の大多数は、日本にはピカチュウかゲイシャしかないと考えているのではないか、と思うことがあった」と所感を述べる。

「でも、日本にはもっと多様な文化がある。深いレベルで、食を通じて文化の橋渡しをしたい。家族経営で作っているお菓子は、みんなをワクワクさせる力がある。それで、2016年4月、日本のお菓子やお茶のセットを詰め合わせたボックスを、毎月届けるサブスクリプションサービス Bokksuを立ち上げることにした」とタン氏。

Bokksuのボックスで届くお菓子は、北海道から九州、沖縄まで日本各地のもの。数百年続いている老舗のメーカーや家族経営店など約100軒の菓子メーカーと契約しており「中には五代以上続くビジネスもある」という。「お花見、月見などを楽しむ文化が日本にはある。毎月、文化的なテーマに沿ってキュレーションを行い、約14~16種類の商品をボックスに入れている」とタン氏。発送先は世界中の約100カ国、発送個数は100万個近くに上るという。

創業当初の登録者数は40人ほど。菓子メーカーも2〜3軒だった。「外部からの資金提供もなかったので、できるだけコストに無駄のない手段を使いたかった」というタン氏が選んだツールは、ShopifyとReChargeだった。ShopifyはECプラットフォームを、ReChargeは、ECサイトにサブスクリプション決済を実装可能にするツールだ。

「おかげで、わずか数千ドル(数十万円)で起業。自分でウェブサイトを作り、ニューヨークの自宅の居間でお菓子を箱詰めして出荷するという一連のサイクルを回すことができた」とタン氏はいう。

垂直型成長に潜む落とし穴

立ち上げ当初は、口コミ、アフィリエイト、現物支給のインフルエンサーマーケティング紹介プログラムなど、コストのかからないマーケティング手法しか取れなかった。「ビジネスを始めてから2〜3年目までは、サービスの完成度を高めることに重点を置いた」とタン氏。「そのために、毎月顧客にアンケートを送り、改善点を尋ねながら、サービスを改善していった」。

タン氏は「顧客基盤があるサブスクリプションサービスだからこそ、継続的な改善が可能だった」と話す。

そして、2018年にそれは突然訪れた。バイラルキャンペーンが当たり、わずか1カ月で加入者が1000人から3000人に増加したのだ。

「私たちとしては、顧客が増えたと大喜びだった」とタン氏。「しかし急速に拡大したため、倉庫では出荷が、梱包時には人手が、カスタマーサポートは遅延によるクレーム対応がそれぞれ追いつかなくなり、すべてが壊れてしまった」と振り返った。

「急激な規模拡大には、ウェブサイトのソフトウェア面だけでなく、フルフィルメントなど物理的なインフラもしっかり用意しておく必要があった」(タン氏)

ツールによる自動化の必要性に迫られる

セッションは、ウェブサイトで利用できるツールに焦点を当てて続けられた。そして、この段階で必要性を増したのが、eコマースに関連したものすべてを包含可能な自動化ツールの利用だった。

「起業当初は、Shopifyに入ってくる注文1つ1つをチェックして興奮していた」とタン氏。「しかし、規模が大きくなり、1日に数千件もの注文を受けるようになると、手作業では対応できない。そこで、100%の確率で機能する強力な自動化ツールの導入を検討することにした」。

自動化ツールでは、トリガーに対して適切な対応を行える。注文のタグ付け、顧客プロフィールに応じた礼状の送付、さらにABテストなども実行できる。

「Alloyがなければ、顧客が受け取ったものをABテストし、それによりサービス向上につなげることはできなかっただろう」とタン氏はAlloyの有効性について述べた。

ここで、Alloyについて触れておこう。Alloyは、2019年に創業したスタートアップAlloy Automationが提供するeコマース向けのツールだ。eコマースを運営するためには、受注、決済、倉庫への連絡、顧客への連絡などさまざまな作業が必要で、場合によっては作業ごとにアプリを変える必要がある。それらをまとめて管理し、タスクを自動化するのがAlloyというわけだ。

ドゥ氏は、ハーバード大学の学部生だったが、休学し、米国のショッピングアプリ「Wish」でインターンを行う。そこでZapireのような自動化ツールに興味を持ったが、アプリ同士をつなげる程度のシンプルなことしかできなくても、年間2万ドルもするような高額のものであることに気づいた。

「既存のワークフローを視覚的にする自動化ツールの構築に興味を持った」とドゥ氏。エンジニアであり、デザインの勉強もしていた氏らしい発想だ。

そして、さまざまなアプリ同士を連携させ、循環させるツール開発に取り組み始め、2019年10月に公開するや、爆発的にヒットした。

公開からしばらくは、用途を念頭に置くことなく、データ操作や論理的操作を実行する機能、つまりコアの構築にしぼってツールに磨きをかけていった。それにより、さまざまなAPIをサポートし、ワークフローエンジンを持たせるという当初の目的を果たすツールに成長したのだ。

「パンデミックが本格化する直前の2020年3月には、eコマースで磨きをかけた」とドゥ氏。「わたしも小さなストリートウェアブランドを立ち上げたばかりだったし、友人にも店舗経営者が幾人かいた。そこで、最初の統合にShopifyを加えることにした」。

Shopify FlowやZapireといった、他の自動化ツールとの違いについて大熊氏から尋ねられたドゥ氏は「接続アプリ数の違い」を挙げた。

「Zapireなどでは2つまたは4つのアプリを接続してデータを同期するだけだ。しかし、わたしたちの顧客の多くは20、または30以上の非常に複雑なワークフローを構築している。それに対応し、さらに視覚化するのがAlloyだ。

また、eコマースに重点を置いたツールで、プラットフォームでは行えないような深いところでのアプリ同士の統合を、エンジニアチームを必要とせずに行うことができるという特徴もある」(ドゥ氏)

実に、130ものアプリをサポートしているというのだ。それにはSMS、Eメールロイヤリティ、UGC、返品アプリの3PLなどが含まれる。そのため、商品の追加や在庫の更新、自動応答といった作業をすべて自動で行える。

「データがさまざまなアプリ間でサイロ化(データを横断的に使えない状態)されている、大量のデータを手動でさばききれないときなどに、Alloyはマーケターをサポートする。Bokksuのように、サブスクリプション決済を行っているケースでも、対応できる。しかも、ノーコードで、マウス操作のみでそれらが可能だ」(ドゥ氏)

顧客自ら参加したくなるコミュニティの形成でD2Cブランドを確固たるものへ

急激な成長時には、まだAlloyが誕生していないこともあり、Bokksuの自動化ツールとして利用できなかったタン氏だが「今ではAlloyのおかげで、Shopifyに関連した90%ほどの作業を自動化できている」と喜ぶ。「在庫が少なくなったことを検知するトリガーを設定し、倉庫にメールを送る、再入荷があった場合に顧客にメールを送る。これらを手動ではなく、自動的に行えるようになった」。

そのおかげで、本家のbokksu.comだけでなく、日本のキッチン用品や包丁、ガラス製品などを都度販売するbokksugrocery.comという2つのストアを円滑に運営可能となった。「Alloyは、bokksu.comに登録されている顧客がbokksugrocery.comで購入した場合に、特別な方法で識別して、タグ付けできる。これは、Shopify Flowではできないことだ」とタン氏は説明した。

最後に大熊氏は、2人にD2Cブランドの構築と拡大に重要な要素についてどう思うかを尋ねた。

ドゥ氏は「コミュニティの重要さ」について語った。「フォロワーが5万人いるのに、投稿に対しての『いいね!』が20件のコミュニティより、フォロワーが3000人しかいないのに、『いいね!』が常に300件つくようなコミュニティを育てるブランドのほうがはるかにいい。そのためにも、リテンション(顧客との関係性維持)に取り組むのに役立つツールも重要になってくると思う」。

タン氏も、コミュニティの重要さを肯定しつつ「商品を販売していては、Amazonに勝てない。D2Cブランドが提供すべきなのは、ユニークな体験だ」と語る。「Bokksuも、単にお菓子の詰め合わせを送っているわけではなく、24ページ以上ある『カルチャーガイド』マガジンに、アレルゲン情報や、製品の最高の楽しみ方、メーカーへのインタビュー、日本の地図や製品の産地などを紹介している。おいしいお菓子だけでなく、日本のグルメ旅行も楽しんでもらえる、そういう体験を提供しているのだ」と説明した。

「顧客が、『これは特別だ』と感じてくれるものを提供する。学び、記憶に残る経験をしてもらう。それができるD2Cブランドは、人々をコミュニティに引き込み、コンテンツに参加させることができ、成功に至ると思う」とタン氏は語る。

作業そのものはツールで自動化を図り、顧客に最高の体験を提供することに専念する。それにより、顧客満足度が上がり、良質なコミュニティを形成できる。これこそが、D2Cブランドの成功の秘訣だ、と感じられるセッションであった。

TechCrunch Tokyo 2021は、12月31日までアーカイブ視聴が可能だ。現在、15%オフになるプロモーションコードを配布中だが、数量限定なのでお早めに。プロモーションコード、およびチケット購入ページはこちらのイベント特設ページからアクセス可能だ。

愛犬のためのカスタムフレッシュフードPETOKOTO FOODSなど提供のPETOKOTOが約5億円のシリーズA調達

愛犬のためのカスタムフレッシュフードPETOKOTO FOODSなど提供のPETOKOTOが約5億円のシリーズA調達

ペットウェルネスブランド「PETOKOTO」を提供するPETOKOTOは12月1日、融資および第三者割当増資による総額約5億円の資金調達を発表した。引受先は、ベガコーポレーション、楽天グループ(楽天キャピタル)、ABCドリームベンチャーズ、DGベンチャーズ、Headline、15th Rock Ventures、既存株主のニッセイキャピタル、西川順氏、鈴木修氏。総調達額は約10億円となった。また、長期的なペットライフプラットフォーム構築に向け、住宅家具領域でベガコーポレーションと、トラベル領域・保険領域で楽天と業務資本提携を締結した。愛犬のためのカスタムフレッシュフードPETOKOTO FOODSなど提供のPETOKOTOが約5億円のシリーズA調達

調達した資金は、同社ミッションである「人が動物と共に生きる社会」の実現に向けて、プロダクト開発や顧客基盤・ユーザー基盤拡大に向けた営業・マーケティング、それらを支える優秀な人材の獲得などに使用する予定。経営および事業基盤をさらに強化することで、中長期的な成長を加速させる。

PETOKOTOは、「人が動物と共に生きる社会をつくる」というミッションの実現に向けて、2016年5月より専門家によるペットライフメディア「PETOKOTO」、同年12月より保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」、2020年2月より愛犬のためのカスタムフレッシュフード「PETOKOTO FOODS」を提供。PETOKOTO FOODSにおいては、売上は前年比700%増加で成長しており、累計販売食数は500万食、会員数は1万人を超えたという。愛犬のためのカスタムフレッシュフードPETOKOTO FOODSなど提供のPETOKOTOが約5億円のシリーズA調達愛犬のためのカスタムフレッシュフードPETOKOTO FOODSなど提供のPETOKOTOが約5億円のシリーズA調達

今後同社は、家族品質のサービスを提供することでペットと暮らす体験を向上しペットライフのQOLを最大化するとともに、OMUSUBIを通じて殺処分問題をはじめ流通市場の課題解決を進めることで、ハード面・ソフト面でのペットライフの課題解決に取り組む。オンライン、オフラインでの接点の強化を進めるとともに、D2Cモデルを通じて取得した行動データから最良のプロダクト・サービスをパーソナライズに提案するペットライフのコンシェルジュプラットフォームの構築を進める。愛犬のためのカスタムフレッシュフードPETOKOTO FOODSなど提供のPETOKOTOが約5億円のシリーズA調達

「D2C」セッションでAlloy Automationのサラ・ドゥ氏、Bokksuのダニー・タン氏がTC Tokyo2021登壇決定

12月2、3日にオンラインで開催される「TechCrunch Tokyo 2021」。本年度は、期間中、7つのテーマで国内・海外のスピーカーを招いたセッションが行われる。

「D2C」をテーマにしたセッションでは、Alloy Automation共同ファウンダーでCEOのSara Du(サラ・ドゥ)氏とBokksuのCEOであるDanny Tang(ダニー・タン)氏が登場する。

Alloy Automationはオンラインストアの運営作業を一元管理して、細かいタスクの自動化を可能にするツール、それを開発、提供するスタートアップだ。ドゥ氏は以前、Snap & Wishでエンジニア兼デザイナーして働いており、その前にはハーバード大学の学部を中退している。仕事以外では、ストリートウェア、美術館、うどんが好きだ。

Alloy Automation共同ファウンダーでCEOのサラ・ドゥ氏

関連記事:今、米国で盛り上がるD2Cソフトウェア、Z世代のAlloy創業者インタビュー

Bokksuは、日本全国のお菓子とお茶のセットを毎月届けるプレミアムなサブスクリプションサービスを提供している。CEOのタン氏は、日本に住んでいたこともある。

BokksuのCEOダニー・タン氏

すでに参加者チケットは発売中。参加者チケットは2日間の通し券で、他の講演はもちろん新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチを繰り広げるピッチイベント「スタートアップバトル」もオンラインで楽しむことができる。本講演は英語でのセッションとなるが、日本語の字幕が入る。

チケット購入

本記事執筆時点では「超早割チケット」は税込2500円、2021年12月31日までアーカイブ配信も視聴できる「超早割チケット プレミアム」は税込3500円となっている。また、スタートアップ向けのチケット(バーチャルブース+チケット4枚セット)は後日販売予定だ。

オンラインでの開催で場所を問わず参加できるため、気になる基調講演を選んで視聴することもしやすいはず。奮ってご参加いただければ幸いだ。また、10月18日まで「超早割チケット」で安価で購入できるのでオススメだ。

ネットを介して若い世代の価値観に基づく食前酒を扱うD2C企業HausのCEOがTechCrunch Tokyoに登壇決定

12月2、3日にオンラインで開催される「TechCrunch Tokyo 2021」。本年度は、期間中、7つのテーマで国内・海外のスピーカーを招いた基調講演がおこなれる。

「D2C」をテーマにした講演では、ネットを介して食前酒を販売するスタートアップ「Haus」の共同創業者兼CEOであるHelena Price Hambrecht(ヘレナ・プライス・ハンブレヒト)氏が登壇する。

若い世代の価値観に基づいた、より良い飲み物のあり方を創造するHausは、市場で販売されている標準的な蒸留酒よりもアルコール分が少ない食前酒を販売している。酔っぱらいたくないZ世代や強制的な飲み会にうんざりしていたミレニアル世代にとって、そのアルコール度数が低さや、厳選されたブドウや生のハーブなどを蒸留して作られた最上級ブランドは非常に魅力的なものだ。

関連記事:酔っ払いたくないミレニアル世代は仕事の飲み会で何を飲む?

同社共同創業者兼CEOであるヘレナ・プライス・ハンブレヒト氏は、Haus以前はFacebook、Fitbit、Google、Instagram、Microsoft、Nike、Pinterest、Slack、Square、Twitter、Uberといったブランドの立ち上げに携わってきた。

すでに参加者チケットは発売中。参加者チケットは2日間の通し券で、他の講演はもちろん新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチを繰り広げるピッチイベント「スタートアップバトル」もオンラインで楽しむことができる。本講演は英語でのセッションとなるが、同時翻訳、または日本語の字幕が入る。

チケット購入

現在のところ「超早割チケット」は税込2500円、2021年12月31日までアーカイブ配信も視聴できる「超早割チケット プレミアム」は税込3500円となっている。また、スタートアップ向けのチケット(バーチャルブース+チケット4枚セット)は後日販売予定だ。

オンラインでの開催で場所を問わず参加できるため、気になる基調講演を選んで視聴することもしやすいはず。奮ってご参加いただければ幸いだ。また、10月18日まで「超早割チケット」で安価で購入できるのでオススメだ。

アスリートの知見を活かしたスポーツウェルネスD2CのTENTIALが5億円調達、ECモール事業に新たに参入

アスリートの知見を活かしたスポーツウェルネスD2CのTENTIALが5億円調達、ECモール事業に新たに参入

TENTIALは9月15日、第三者割当増資と複数金融機関からの融資による総額5億円の資金調達を発表した。引受先は、既存投資家のアカツキ、MTG Ventures、セゾン・ベンチャーズ、マネーフォワードベンチャーパートナーズ、また新規投資家の豊島CVC、ナントCVC2号投資事業有限責任組合、個人投資家ら。2018年2月の設立以降、金融機関からの借入を含む累計資金調達額は11億円となった。

調達した資金により、ウェルネスD2Cブランド「TENTIAL」からの新商品の開発・販売に加え、スポーツ・ウェルネスに特化したECモール事業に新たに参入する。

現在の国内EC市場において、総合モール型のECが勢いがあるものの、複数のブランド・商品が集結しているため、商品数が多く利便性に優れる一方で、専門性の高い商品の中から本当にいい商品を選択するのが困難であるとテンシャルは考えているという。

そこで、同社がこれまでD2C・メディア事業で培ってきた、ウェルネス・マーケティング・商品選定・物流のノウハウを活用することで、消費者がより良い商品を自然に選択できるようにすることに加え、メーカーの良い商品を出しても売れないという課題も解決するとしている。

TENTIALは、「スポーツと健康を循環させ、世界を代表するウェルネスカンパニーを創る」をビジョンに掲げ、スポーツ情報メディア「SPOSHIRU」の運営と、生活シーンにおける体のケアやコンディショニングに特化したウェルネスブランド「TENTIAL」をD2Cモデルで開発・提供している。

SPOSHIRUは、アスリートが取り入れている身体のケア方法、運動の効率、健康のための工夫などの情報を掲載しており、月間利用ユーザー数150万人を突破。TENTIALは、スポーツを通じた健康増進をテーマに、医療費高騰や健康課題の解決を目指しており、インソールをはじめ、身体のコンディショニングをコンセプトとしたリカバリーウェア、マスク、プロテインや入浴剤などを展開している。

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」(ペトコトフーズ)を提供するPETOKOTO(旧シロップ)は9月14日、不二製油製大豆ミート(植物肉)を使用したドッグフード「SOY MEAT」を開発すると発表した。また試食モニターを募集しており、これにより改良を重ね2022年春をめどに正式販売する予定。試食モニターの応募締め切りは、9月21日23時59分。

2015年3月設立のPETOKOTOは、「人が動物と共に生きる社会をつくる」ことをミッションに掲げ、すべての犬・猫と飼い主のQOLの向上を目指し、DXと家族品質のFX(Family Transformation)を通して家族品質の暮らしを提案するペットウェルネスブランド。同社は、ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」を2020年2月より展開している。

今回新開発のSOY MEATは、他メニューと同じく新鮮な国産の食材・国内製造の加工品にこだわっており、高タンパク低コレステロール、高食物繊維で、犬の健康にも良くダイエット中の犬にも最適という。

またレシピの開発については、世界で95名しかいない米国栄養学専門医の資格を持つニック・ケイブ獣医師(ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授)が担当した。同氏は、犬猫の栄養ガイドライン(Global Nutrition Guidelines )を策定した世界小動物獣医師会(WSAVA) 小動物栄養学の創立委員会メンバーでもある。

すでに社内テストは完了しているものの、豊かな食事体験の提供には嗜好性も重要なポイントになることから、今回は、応募者に4種類の大豆ミートをそれぞれ無償モニターテストを実施してもらい、嗜好状況を確認するとしている。

PETOKOTO FOODS「SOY MEAT」

    • 保存:製造日から冷凍で10カ月
    • 容量:1パック150g
    • 与え方:トッピング、2食のうち1食/日、2食/日
    • 発送:2021年10月上旬予定(1人につき2〜4パックの送付を想定)
    • 生産国:日本
    • 原材料:大豆ミート、かぼちゃ、人参、白米、小松菜、サプリメント、すりごま、亜麻仁オイル、フィッシュオイル
    • 募集数:20名(応募多数の場合は抽選)
    • 参加条件:同社指定のヒアリング内容に協力できること、愛犬がSOY MEATに含まれる食材にアレルギーを持っていないこと、続けて2日間SOY MEATのみを与えること(ごはんを食べないなど、体調に変化があった場合を除く)
    • 応募締切り:2021年9月21日23時59分
    • 応募方法:「新商品_モニター募集」より申し込み

「PETOKOTO FOODS」

PETOKOTO FOODSは、犬や猫と家族同然に暮らす中で従来のドッグフードに疑問を持ち、「私たちが食べても安心できるごはん」を作るために生み出したものという。

公式サイト上で、愛犬の体重・体型・運動量、アレルギーなど10個の質問に回答するだけで最適な摂取カロリー量やメニューのフードプランを提案。パックごとに愛犬の名前を貼って自宅にごはんが切れる前に送付する。購入後は、獣医師やペット栄養管理士にLINEで相談できる上、体重など体の変化をもとに常に最適なフードプランを提案し、一生涯の健康をサポートするとしている。ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

D2Cのブランドに柔軟性が高い提案を行えるeコマースサブスクプラットフォームを提供するPrive

1カ月前にサンフランシスコで誕生したPriveは、2人の創業者が元Uberのプロダクトマネージャーで、このほど170万ドル(約1億9000万円)のプレシード資金を調達して、D2Cのブランドのための、よりカスタマイズ性が高いeコマースのサブスクリプションプラットフォームを作ろうとしている。

このラウンドはPatrick Chung(パトリック・チャン)氏とXFundのBrandon Farwell(ブランドン・ファーウェル)氏、そしてBling CapitalのBen Ling(ベン・リング)氏が共同でリードし、Defy PartnersとHalogen Ventures、そしてUberの役員たちが参加した。

Uberに2年半勤務した後、価格設定やインセンティブについて学んだことからUberを退社したClaudia Laurie(クラウディア・ローリー)氏とAlex Craciun(アレックス・クラシウン)氏が設立したPriveは、小規模な小売業者がAmazonのような巨大企業に対抗できるようにすることを目的としている。

彼らの考え方の概略は、Shopifyなどのeコマースプラットフォームの既存のAPIに接続することにより、顧客が繰り返し購入するものに関するオピニオンを形成して、それをマーチャントに売る。例えばカミソリを買う人には、ついでに歯ブラシを買う傾向があるかもしれない。そんな情報を渡すことによって、ブランドがよりカスタマイズされた柔軟な提案ができて、ショッパーにより適切なものを紹介できる。また溜まり始めているようなものは、容易にキャンセルできる(訳注:アマゾンの定期おトク便などは注文の調整をすべてショッパーが自助努力でやるので大変で不十分)。

ローリー氏は次のように語る。「市場にはありとあらゆる商機が転がっているが、これまでのeコマースサブスクリプションツールは表層をかすっていただけだ」。実際、eMarketerによると、サブスクリプションeコマースの売上は新型コロナウイルス以来41%伸びているが米国のeコマースのリテールはその3%、276億700万ドル(約3兆384億円)がサブスクリプションによるものだ。それでも、2年で100億ドル(約1兆1007億円)のアップである。

もちろん、まだやるべきことは山ほどある。今回のプレシードは、そのために使えるだろう。目下Priveは7名のチームだが、競走は厳しい。特にカリフォルニア州サンタモニカで社歴7年になるサブスクリプションeコマースのRechargeは5月に、投資後評価額21億ドル(約2312億円)で2億7700万ドル(約305億円)の成長資本を調達した。その発表のときRechargeの従業員はおよそ330名で、同社が扱っているサブスクリプションサービスは全世界2000万のサブスクライバーに対して1万5000社のマーチャントが販売している。

創業9年のBold Commerceも強敵だ。同社は計4400万ドル(約48億4000万円)を調達している。創業10年のChargebeeは、Crunchbaseのデータによるとこれまで2億2000万ドル(約242億2000万円)を調達した。

クラシウン氏も認めるように、eコマースの「サブスクリプション」は今、すごくホットなバズワードだ。しかし彼は、現在のプロダクトは表面をかすっているだけのサービスだと考えている。

投資家たちは彼の信念とPriveのチームの能力に賭けているわけだが、クラシウン氏は「今あるツールは頭痛を治すどころか重症化させてしまう。今日のサブスクリプションは、その多くが硬直的で、顧客の購入パターンの把握と対応ができません。私たちは、そんなメンタルモデルをぶち壊したいんだ」と語る。

関連記事:美容・健康分野でクリエイターと顧客をつなぎソーシャルコマースを一変させるFlipが約30億円調達

画像クレジット:Prive

原文へ

(文:Connie Loizos、翻訳:Hiroshi Iwatani)

サプリメントD2CのMilimが2000万円のシード調達、定額制カスタマイズサプリ「PERFOTM」を発売開始

サプリメントD2CのMilimが2000万円のシード調達、定額制カスタマイズサプリ「PERFOTM」を発売開始

サプリメントD2Cスタートアップmilim(ミリム)は8月24日、自分に合ったサプリを自由に選べる定額制のサプリメント提供サービス「PERFORM」(パフォーム)の販売を開始した。また同時に、DRG Fundからシードラウンドとして約2000万円の資金調達を実施したことを発表した。サプリメントD2CのMilimが2000万円のシード調達、定額制カスタマイズサプリ「PERFOTM」を発売開始

PERFORMは、同社が医師の監修の元に開発し、国内の適正製造規範(GMP)認定の工場で製造している5種類のサプリから、自分に合ったものを毎月3つ選択して購入できるというサービス。選択した3種類が月に1回届くが、そのときの体や生活の状態から、次回の組み合せを自由に変更できる。

価格は、単品購入の場合は2900円~3800円(税込)。また例えばお勧めの組み合わせ(COMPLETE VITAMINS & MINERALS、ENERGY、RELAX CBD)を通常注文した場合は、初回が1万2200円、次回からは1万200円。定期コースなら初回2900円、次回から7900円となる(それぞれ税込)。

サプリメントD2CのMilimが2000万円のシード調達、定額制カスタマイズサプリ「PERFOTM」を発売開始

選べる製品は次の5つ。

  • COMPLETE VITAMINS & MINERALS:不足しやすい11種類のビタミンと9種類のミネラルを配合した「必須栄養サプリ」
  • ENERGY:ザイナマイトを主成分に、アルギニン、カフェインを配合したエナジードリンク的なサプリ
  • RELAX CBD:CBD、GABA、L-テアニン、L-トリプトファンを配合したリラックス用のサプリ
  • BRAIN:オトメアゼナ、PQQ、EPA、DHA、カフェインを配合した「スマートアプリ」
  • RECOVERY:イミダペプチド、アントシアニン、クエン酸を配合した「抗ヘトへト」サプリ

パーソナライズ×D2Cブランド「MEDULLA」「HOTARU PERSONALIZED」運営のSpartyが総額約41億円調達

パーソナライズ基軸のD2Cブランド「MEDULLA」「HOTARU PERSONALIZED」運営のSpartyが総額約41億円調達

Sparty(スパーティー)は8月13日、約20億円の第三者割当増資および21億円の融資により、総額約41億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家のJICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合(JICベンチャー・グロース・インベストメンツ)、既存株主・新規投資家。また借入先はりそな銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行。

調達した資金は、2022年6月までに200名規模の採用強化、各パーソナライズブランドの認知向上を目指した広告展開、幅広いマーケティング活動投資に活用する。さらに、アジア市場をはじめとするグローバル展開、SDGsへの積極的な取り組みも実施する。

Spartyは、2017年7月の創業以降「一人ひとりの個性を価値化したい」という想いのもと「色気のある時代を創ろう」をミッションに掲げ、パーソナライズを基軸としたD2Cブランドを展開。パーソナライズヘアケア「MEDULLA」、パーソナライズスキンケア「HOTARU PERSONALIZED」、パーソナライズボディメイク「Waitless」の3ブランドを主軸に手がけ、2021年8月時点で累計会員数は35万人以上という。

関連記事
会員数14万人の「MEDULLA」運営がスキンケア領域に進出、パーソナライズ×スマホUXで化粧品業界の変革へ
月商は2億円規模、会員数8万人のパーソナライズシャンプー「MEDULLA」が丸井などから6億円調達
100通りの処方の中から1本ずつ手作り、“パーソナライズシャンプー”の「MEDULLA」登場

カテゴリー:ネットサービス
タグ:サブスクリプション(用語)SpartyD2C(用語)パーソナライズ(用語)美容(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

愛犬家のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始

愛犬のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始

愛犬家のためのD2Cブランド「WON」(ワン)を運営するAntelope(アンテロープ)は8月11日、国内初となる、愛犬にパーソナライズならぬ「ワンソナライズ」したおやつが届く「ワンソナライズ・キット」の販売を開始した。これは、「ワンソナライズ診断」により愛犬にぴったりのおやつが提案される、初回限定のお試しキットだ。価格は4620円(1キット6種類入り。税込)。オープン記念限定価格は4290円(税込)となっている。

WONは、人間が食べられる上質な食材から、「最高のごほうび体験」となるおやつ(トリート)を自家製法で手作しており、「ワンソナライズ・キット」では、犬の体、状態、好みに合ったおやつを選んで試食ができる。まずは、「ワンソナライズ診断」で犬に関するいくつかの質問に答えると、犬のタイプが示され、お薦めのおやつが何種類か提示される。そこから6種類を選んで注文する。これらを試し、気に入ったものを正式に購入する(単品購入は会員限定)という流れになる。

食材には大変なこだわりがあり、国産ジビエやご当地ブランド肉、漁師直送の魚、有機農法の野菜や果物が使われている。そしてこれらの食材の特性を損なわないよう、オリジナル製法で手作りされている。

おやつは全部で16種類。肉、魚、クッキー、野菜、果物のカテゴリーがある。

スモークド・ジャーキー(ミート)

  • 伊豆半島産の鹿肉
  • 長崎芳寿豚
  • 西天城高原の「わさびダチョウ」
  • 甲州の銘柄地鶏「信玄鶏」

スモークド・ジャーキー(フィッシュ)

  • 天然マグロ
  • 北海道の天然真鱈
  • 鹿児島県の天然きびなご

ギルトフリー・クッキー

  • イタリア産マスカルポーネを使ったチーズクッキー
  • 島バナナとオートミールのオーガニックプレスクッキー
  • 高野豆腐のヘルシークッキー
  • 北海道産大豆の納豆燻製仕上げクッキー

オーガニック・ドライフルーツ

  • 有機バナナのドライチップス
  • 有機キウイのドライフルーツ

オーガニック・ベジーチップス

  • 国産有機ジャガイモのノンフライチップス
  • 国産有機大根の燻製チップス
  • 有機トマトの濃縮ドライトマト

関連記事
犬用スマート首輪の「Fi」が睡眠トラッキング機能を追加
犬にも猫にも使えるスマホ並みの健康管理デバイスPetVoiceがMakuakeに登場
iPS細胞で犬をはじめ動物再生医療に取り組む、日本大学・慶應義塾大学発「Vetanic」が総額1.5億円を調達
ねこ用スマートトイレ「Toletta」が本体無料&アプリ月額料金1078円で利用可能に、トレッタキャッツがリニューアル
スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が約1.1億円を調達、開発運営体制を強化
首輪型猫用ロギングデバイス「Catlog」が猫の食事バランスを見守る「Catlogフードケア」開始
ペット業界に特化したTYLが獣医師往診サービス「anihoc」開始、往診料金税込5500円
スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応
猫の見守りと健康管理に、猫用ロギングデバイス「Catlog」開発のRABOが総額6億円を調達
麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用
【更新あり】近大なまずも素材に、ドッグフードD2Cサブスク「PETOKOTO FOODS」が予約受付開始

カテゴリー:フードテック
タグ:Antelope(企業)犬 / イヌ(用語)食材宅配 / フードデリバリー(用語)食事(用語)D2C(用語)ペット(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

共働き世帯向けに作り置き用家庭料理を週に1度配達するサービス「つくりおき.jp」のAntwayが15億円調達

共働き世帯向けに作り置き用家庭料理を週に1度配達するサービス「つくりおき.jp」のAntwayが15億円調達

「あらゆる家庭から義務をなくす」ことをミッションに、作り置き用の家庭料理を週に1度配達するサービス「つくりおき.jp」のAntway(アントウェイ)は8月10日、第三者割当増資と金融機関からの融資を合わせて総額約15億円の資金調達を行ったことを発表した。引受先は、既存株主のニッセイ・キャピタル、DIMENSIONに加え、ジャフコ グループ、KDDI Open Innovation Fund3号(グローバルブレイン)、SMBCベンチャーキャピタルが新たに加わった。

Antwayは、主に共働き世帯の「忙しいママ・パパ」の料理にまつわる悩みから解放し、子どもといっしょに「罪悪感なく」食べられる、管理栄養士の監修のもとに専任の料理人が手作りした料理をサブスクリプション型サービスで提供している。2020年に都内の4つの区からサービスを開始し、約10カ月で東京23区全域にサービスを拡大した。

今回調達した資金で、大型キッチンの増設、人材採用と組織体制の強化を行い、23区以外のエリアへのサービス拡大を目指すという。また、製品開発にもこれまで以上に力を入れるとのこと。

関連記事
ダイエットやボディメイクを栄養バランスの取れた食事でサポートする宅食サービス「マッスルデリ」が2.5億円調達
おうち時間のマンネリ化解消、自宅でお祭り気分の買い物ができる「食べチョク夏祭り2021」が8月31日まで開催
法人向けオンライン飲み会フードボックスのノンピがクラフトビール「よなよなエール」とのコラボ新プラン発表
無料「コーヒー診断」で好みのコーヒー豆を届けるサブスク「PostCoffee」運営元が1.5億円を調達
料理を学びたい人向けミールキット宅配「シェフレピ」がレシピと動画のみ版「#シェフレピアーカイブ」を期間限定で提供
D2C乳幼児フードブランド「the kindest」を手がけるMiLが3億4000万円を調達
キリンが生ビールサブスク「キリン ホームタップ」を本格展開、2021年末の会員数10万人を目指す
出張料理人サブスクのシェアダインが8食ぶんの作り置きモバイルオーダーを開始、飲食店の空き時間を有効活用
ニッセイ・キャピタルのアクセラレーター「50M」第2期デモデイが開催

カテゴリー:フードテック
タグ:Antway(企業)サブスクリプション(用語)食材宅配 / フードデリバリー(用語)食品 / 食料品 / 食材 / 食品加工(用語)D2C(用語)料理 / クッキング(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

DTCブランドがビッグテックの顧客データから脱却するのを支援するOkendo

消費者直販(direct-to-consumer、D2C)が2020年伸びたが、一部のブランドは、顧客との直接的な関係を築く方法はもっと他にもあると気づき始めている。

シドニーのOkendoは、Shopifyのセラーのための顧客レビューシステムを作って人気を博したが、実はもっと大きな問題に挑戦したいという野望を持っている。それは、ブランドが自分独自のファーストパーティーデータのクオリティをもっと上げて、顧客の取得やエンゲージメントをテクノロジー広告(アドテック)の大手に頼らなくてもできるようにすることだ。

OkendoのCEOのMatthew Goodman(マシュー・グッドマン)氏は「DT2ブランドの多くが未だにビッグテックにとても依存している」という。

消費者から直接、なるべく多くの顧客レビューを集めることが、このパズルの最初の部分だ。同社のプロダクトはそのために、ブランドが顧客の格付けやレビュー、ユーザー生成のメディア、商品に関する質問などを管理し見せていく努力を助ける。そしてさらにOkendoは、企業が彼らが持っているクロスチャネルの顧客データの網をもっと多く管理できるようにし、その方法を標準化して、ショップに訪れた顧客により個人化された体験を提供する。

画像クレジット:Okendo

「マーチャントには目標があり、顧客をもっと良く理解したいと願っている。しかしブランドは、一定の規模に達すると急に、手に負えないほどのデータを扱うようになる」とグッドマン氏はいう。

同氏によると、AppleのApp Tracking Transparency機能やGoogleのサードパーティクッキーの追跡を終わらせるという誓いで、一部のブランドは自分のデータのスケーリングと、それらを突然の場所移動から隔離することに真剣になってきたという。

同社はこのようなチャレンジを収益化に結びつけるために資金を必要としており、2018年のローンチ以来初めての資金調達に取り組んでいる。今回は、Index Venturesがリードするシードラウンドで530万ドル(約5億8000万円)を調達した。2020年は、同社にとって大きな成長の年だった。eコマースへの支出が急騰し、売り手はスケーリングについて真剣に考えるようになった。その年同社のAPRは3倍増、社員数は倍増した。グッドマン氏によると、ずっと自己資金だけでやってきた同社も、調達時には黒字だった。

今日では、Shopifyでお店を開いているDTCブランドの内、3500あまりが同社の顧客だ。それ以外に、 NetflixやLego、Skims、Fanjoy、Crunchyrollなどの大物も顧客に顔を連ねている。次のプロダクトについてはまだ公表できないようだが、次の12カ月の間には2つの新分野を手がけるとグッドマン氏は言っている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:OkendoD2Cオーストラリア

画像クレジット:athima tongloom/Getty Images

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)