日本でも展開する韓国のクリエイター系オンライン学習プラットフォーム「CLASS101」が約28.5億円調達

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で急速にあらゆるものがオフラインからオンラインモードへと切り替わり、クリエイターエコノミーも好転している。クリエイティブのプロたちは、安定した収入とチャンスを得られるCLASS101などのオンライン教育プラットフォームを通じて自分の才能や知識を収益化する手段を求め続けている。

ソウルを拠点とするオンライン学習プラットフォームのCLASS101は米国時間9月2日、韓国、米国、日本での成長を加速するためのシリーズBで300億ウォン(約28億5000万円)を調達したと発表した。

このシリーズBを主導したのはGoodwater Capitalで、以前に支援していたStrong Ventures、KT Investment、Mirae Asset Capital、Klim Venturesも参加した。

2019年にCLASS101はシリーズAで120億ウォン(約11億4000万円)を調達した。このラウンドを主導したのはSoftBank Ventures Asiaで、Mirae Asset Venture Investment、KT Investment、Strong Ventures、SpringCampが参加した。

CLASS101の共同創業者でCEOのMonde Ko(コ・モンド)氏はTechCrunchに対し、今回の資金で人材を雇用し、韓国の事業の他米国と日本の市場も拡大すると話した。

コ氏と共同創業者4人は2018年にCLASS101を創業した。コ氏によれば、2015年に創業した家庭教師サービスプラットフォームからのピボットだったという。現在は350人の従業員がいる。

コ氏は「我々はクリエイターが才能を収益化する支援をこれからも続けると同時に、クリエイターが我々のプラットフォームを通じてグッズやデジタルファイルなどの商品を販売できるようにすることで収入源を増やしていきます」と述べた。

同業他社との差別化についてコ氏は、CLASS101は必要なツールや教材を揃えた「クラスキット」を受講者に配送することだという。

同社は韓国でイラスト、クラフト、写真、料理、音楽など多岐にわたるジャンルで2000以上のクラスを提供している。米国には約230クラス、日本には約220クラスがある。2021年8月現在、登録しているクリエイターは約10万人、登録ユーザーは300万人だ。

同社は2019年に米国に、2020年に日本に進出した。2020年には韓国で13歳以下の子どもを対象にしたオンラインクラスを開設した。

Goodwater Capitalの共同創業者でマネージングパートナーのEric Kim(エリック・キム)氏は「CLASS101はPatreonとYouTubeの利点を組み合わせ、クリエイターに合わせた支援を提供すると同時にユーザーの『学びのニーズ』を満たしています」と述べた。さらに「個人が自分の情熱を重視し本当に楽しみつつそれで生計を立てるという経済的な現象において」最も成長の早い企業だとした。

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画像クレジット:Class101

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(文:Kate Park、翻訳:Kaori Koyama)

オーストラリアのTechnologyOneが英国の高等教育プラットフォームScientiaを約18.2億円で買収

オーストラリアのSaaS企業であるTechnologyOne(テクノロジー・ワン)は、英国の高等教育ソフトウェアプロバイダーであるScientia(サイエンティア)を現金1200万ポンド(約18億2000万円)で買収することに合意した。

TechnologyOneは、オーストラリアの高等教育機関の75%が同社のソフトウェアを使用していると主張しており、一方、Scientiaは英国で50%の市場シェアを主張している。

この買収には、600万ポンド(約9億13000万円)の初期払いとそれ以降の支払いが含まれている。

TechnologyOneの創業者であり、会長のAdrian Di Marco(アドリアン・ディ・マルコ)氏は「今回の買収は、当社にとって初めての国際的な買収であり、高等教育分野と英国市場への貢献に対する当社の深いコミットメントを示すものです。ScientiaのユニークなIPと市場をリードする能力は、とにかく使いやすい企業向けソフトウェアを提供するという当社のビジョンを支えています」と述べている。

スウィンバーン工科大学の学籍担当事務官兼学生管理・図書館サービス部長のMichelle Gillespie(ミッシェル・ギレスピー)氏は「学生が最も気にかけているのは、自分たちの時間割です。時間割を学生生活全体に完全に統合できることは非常に重要であり、スウィンバーン工科大学のようにTechnologyOneの学生管理システムを使用している大学にとってはとてもワクワクする一歩となります」とコメントしている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Mike Butcher、翻訳:Akihito Mizukoshi)

生徒や保護者、教師から大量のデータを収集、新型コロナで孤立する生徒を学校が理解するのを助けるPanorama

幼稚園から高校までの教育ソフトウェアプラットフォームを構築しているPanorama Education(パノラマ・エデュケーション)は、General Atlantic(ジェネラル・アトランティック)が主導するシリーズCラウンドで6000万ドル(約65億7900万円)の資金を調達した。

既存の出資者であるOwl Ventures(オウル・ベンチャーズ)、Emerson Collective(エマーソン・コレクティブ)、Uncork Capital(アンコーク・キャピタル)、Chan Zuckerberg Initiative(チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ)、Tao Capital Partners(タオ・キャピタル・パートナーズ)もこの資金調達に参加し、ボストンを拠点とする同社の2012年の創業以来の調達額は1億500万ドル(約115億1400万円)となった。

Panoramaは、今回のシリーズCの調達額や、具体的な財務成長指標については明らかにしていない。しかし、CEO兼共同創業者のAaron Feuer(アーロン・フォイヤー)氏は、同社が現在、米国内の2万3000の学校で1300万人の生徒にサービスを提供しており、これは米国の生徒の25%がPanoramaのサービスを受けていることを意味すると述べている。

また、国内最大100の学区および州機関のうち50以上が同社のプラットフォームを使用しているという。合計で1500以上の学区がPanoramaの顧客となっている。顧客には、ニューヨーク市教育局、ネバダ州クラーク郡学区、テキサス州ダラスISD、ハワイ州教育局などが含まれる。

フォイヤー氏によると、2020年3月以降、Panoramaの顧客には700の学区が追加され、18カ月前に提供していた800の倍近くになったという。

では、Panoramaは具体的にどんなことをしているのか?ひと言でいうと、生徒や保護者、教師を対象に調査を行い、実用的なデータを収集するSaaSビジネスだ。イェール大学の大学院生だったフォイヤー氏とXan Tanner(ザン・タナー)氏は、学校が生徒からのフィードバックを収集し、理解するための最良の方法を見つけるために、Panoramaを設立した。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、多くの生徒がバーチャルで学校に通うようになった今、生徒の社会的・感情的なニーズに対応する必要性は、かつてないほど高まっている。多くの子どもたちやティーンエイジャーが、仲間から孤立したことで、うつ病や不安症を患っており、そのメンタルヘルスへの影響は、学業への悪影響以上のものがあると考えられている。

例えば、生徒には学校でどれくらい安心できるか、教師をどれくらい信頼しているか、自分にはどれくらいの可能性が秘めていると感じるかなどについて質問する。

「私たちは、学校が生徒、教師、保護者を対象に調査を行い、学校の環境や経験を理解する手助けをしています。そして、学校が社会的・感情的な発達を把握することを支援し、数学の厳密なデータと同じように、社会性と情動の学習(SEL)や健康状態に関する情報を得ることができるようにしています」とフォイヤー氏はTechCrunchに語っている。

例えば、過去1年間に全国で2500万人がPanoramaの調査に参加しており、かなりの量の情報が得られている。Panoramaは、地区の既存のデータシステムすべてと統合することができ、地区データの「全容(文字通りパノラマ)」と生徒の情報をまとめて提供することができる。

「教師がログインして、生徒に関するすべての情報を一か所で見ることができるので、とてもパワフルです。しかし、最も重要なのは、教師が生徒のために行動を計画するためのツールを提供することです」とファイヤー氏は語っている。

Panoramaは、同社のソフトウェアを使用することで、卒業率の向上、学生態度を照会する回数の減少、学習時間の増加、生徒が「大人や仲間とのより強い協力関係」を築くなどの効果が得られると主張している。

Panoramaは今回の資金を、製品開発の継続、地区とのパートナーシップのさらなる強化、そして当然ながら雇用にも充てる予定だ。Panoramaには現在、約250名の社員が在籍している。

Panoramaはここ数年、資金調達を行っていなかったが、それはファイヤー氏によると、資金を必要としていなかったからだそうだ。

「私たちはGeneral Atlanticと出会い、学校に次のレベルのインパクトを与える機会があることを実感しました。しかし、私にとって重要だったのは、資金を調達する必要がなかったということでした。事業に投資できるようにするため、資金調達する道を選びました」と彼はTechCrunchに語った。

General AtlanticのマネージングディレクターであるTanzeen Syed(タンジーン・サイード)氏は、Edtech(EdTech)はこの会社にとって重要な分野であると述べている。

「米国の教育システムに目を向けたとき、そこには大きなチャンスがあり、ソフトウェアやテクノロジーを使って学生の体験を本当の意味で向上させることができる、非常に初期の段階にあると考えました」と彼は語っている。

また、Panoramaについては「単なるビジネスではない」と考えている。

「Panoramaは、学生や管理者に、学生生活をより良いものにするためのツールを提供することを、本当に真剣に考えています。そして彼らは、それを可能にする製品の開発に夢中になっているのです。それに加えて、多くの学校や地区と話をして得られたフィードバックは、一貫してポジティブなものでした」とサイード氏はTechCrunchに語ってくれた。

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画像クレジット:Panorama

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Akihito Mizukoshi)

リモートワークをマネしたい!? PC型トイ「すみっコぐらしパソコン」がシリーズ累計販売台数20万台を突破

親のリモートワークをマネしたい!? PC型トイ「すみっコぐらしパソコン」がシリーズ累計販売台数20万台を突破

写真は、10月14日発売予定の「カメラもIN!マウスできせかえ!すみっコぐらしパソコンプレミアムプラス」。「専用電源アダプター」と「マウスパッド」付属で価格2万900円(税込)。「カメラもIN!マウスできせかえ!すみっコぐらしパソコンプレミアム」はすでに発売済みで、価格1万8700円(税込)

セガトイズは9月1日、サンエックスのキャラクター「すみっコぐらし」をあしらったPC型トイ「すみっコぐらしパソコン」が、発売から1年11カ月でシリーズ累計販売台数20万台を突破したと発表した。

セガトイズによると、玩具市場では年間10万台の販売数となると大ヒットといわれており、その中でも1万円を超える高価格帯玩具においては異例という。背景としては、親のリモートワーク姿やPCが児童にとって今まで以上に身近になった点が影響しており、PC・マウスを使用している親の姿を見て児童の「やってみたい」という願いをかなえる商品として人気を博しているとしている。

最新機種の「カメラもIN!マウスできせかえ!すみっコぐらしパソコンプレミアム」ではカメラを搭載しており、大人のようなリモートワーク気分をすみっコぐらしのキャラクター達と一緒に体験ができる機能を採用。

同製品のカメラを使った「リモート遊び」では、児童本人が画面内に映るだけでなく、マイクによる音声認識に対応。マイクに向かい「こんにちは」「ダンスして」などと発声すると、画面内のキャラクターが反応する。また、カメラ機能で写真を撮影し、すみっコぐらしのデザインフレームやスタンプでデコレーションして遊べるようになっている。

また、すみっコぐらしのキャラクターたちと一緒に楽しめる学習コンテンツなど110アプリ・183メニューを搭載。

学研の「毎日のドリル」シリーズより、小学1・2年生の「国語」「算数」問題を収録するほか、ネイティブスピーカーによる「英語」、「プログラミング」「タイピング」「マウス操作」をゲームで遊ぶ感覚で基礎を学べるという。就学前の予習から就学後の復習に向けた機能をはじめ、児童が自発的に勉強したくなるような工夫を凝らしており、大人も思わず試してみたくなるとしている。


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大人のための数学教室・統計教室の「和から」がアートから数学を楽しく学べるサブスク「数学アートサロン『MAS』」開始

大人のための数学教室・統計教室の「和から」がアートから数学を楽しく学べるサブスク「数学アートサロン『MAS』」開始

大人のための数学教室 和」「大人のための統計教室 和」を運営する和から(わから)は8月31日、数学の美しさをアートやデザインで体感し、楽しい学びに結び付ける数学サブスクリプションサービス「数学アートサロン『MAS』」の開始を発表した。

一般の人間にとって数学は敷居が高く、楽しく学ぶ以前に、まったく理解できないと自分から壁を作ってしまう人が多い。一般的に中学校や高校の授業では、まず理論を「理解」してから、数学の具体的な応用で「体感」し、面白さを知るという流れになっている。しかし、「理解」の段階で苦手意識を持ってしまう人が多く、「体感」にまで至らないと和からは話す。

そこで数学アートサロン『MAS』では、数学に「アート」という身近な切り口から入り、視覚的に数学を捉えてゆく方法で、まず「体感」し、純粋な好奇心から「理解」につなげてゆく。

数学アートサロン『MAS』で受講できる数学アートセミナーでは、「ExcelやPowerPointといった一般的なソフトウェアのみを使って複雑で美しい数学的なアートを体感」できる。VBAなどのコードは使わず、Excelの関数や描写ツールのみで深淵な数学の世界をのぞき込めるとしている。また、大人から子どもまで楽しめる「算数/数学のおもしろショート動画」も特典として提供される。

会員プランは次の3つ。それぞれ受けられる特典が異なる。料金はすべて税込。

  • プランα(月額2980円)
    特典1:過去の数学アートに関する全セミナーの動画の視聴
    特典2:大人のための算数/数学動画コンテンツの視聴
  • プランβ(月額9800円)
    (プランαの特典に加えて)
    特典3:毎月開催される数学アートセミナーのリアルタイム参加
    特典4:毎月開催される「数学座談会」の参加
    特典5:集団チャットコミュニティの参加
  • プランγ(月額1万9800円)
    (プランα、プランβの特典に加えて)
    特典6:理数学博士、岡本健太郎氏が講師を務める1対1オンラインレッスン(月1回80分)

大人のための数学教室・統計教室の「和から」がアートから数学を楽しく学べるサブスク「数学アートサロン『MAS』」開始現在、サービス開始を記念して2021年12月28日までの期間限定で、「Excelアート超入門」と「数学的デザイン超入門」を無料で受講できる。

学生の心のケアなどをサポートするNZのウェルビーイングプラットフォーム「Komodo」が約1.4億円調達

思春期というのは感情の浮き沈みが激しい時期であり、その難しさは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによってさらに悪化している。個人的な問題や学校での問題を抱えている10代の若者は、どんなに良い時期であっても、普段それらのことについて口にするのが難しいと感じるかもしれない。ニュージーランドを拠点とするスタートアップのKomodo(コモド)は、学生がスタッフとコミュニケーションできる場を提供すると同時に、学校側がうつ病やいじめなどの問題を発見して対処するためのデータを提供する、学生向けのウェルビーイング・プラットフォームだ。

2018年にChris Bacon(クリス・ベーコン)氏、Matt Goodson(マット・グッドソン)氏、Jack Wood(ジャック・ウッド)氏によって設立されたこのスタートアップは、Folklore Ventures(フォークロア・ベンチャーズ)が主導し、Icehouse Ventures(アイスハウス・ベンチャーズ)とFlying Fox Ventures(フライング・フォックス・ベンチャーズ)が参加して、180万ニュージーランド・ドル(約1億3900万円)のシード資金を調達したことを米国時間8月30日に発表した。個人投資家としては、従業員エンゲージメント・プラットフォームCulture Amp(カルチャー・アンプ)の共同創業者Rod Hamilton(ロッド・ハミルトン)氏、Culture Ampのピープルサイエンス・ディレクターChloe Hamman(クロエ・ハンマン)氏、ラーニング・プラットフォームEducation Perfectのリーダーたちと、Auror(オーラ)のピープルエクスペリエンス・ディレクターのKristi Grant(クリスティ・グラント)氏などが参加している。

ニュージーランドとオーストラリアにおけるKomodoの顧客やパートナーには、クイーンズランド州のMarist College Ashgrove(マリストカレッジ・アシュグローブ)、クライストチャーチのSt.Andrew’s College(セント・アンドリュー・カレッジ)、Australian Boarding Schools Association(オーストラリア・ボーディング・スクール協会:ABSA)、Independent Schools of New Zealand(ニュージーランド・インディペンデント・スクール)、Council of British International Schools(英国インターナショナル・スクール協会)などが挙げられる。

Komodoは、もともとベーコン氏がカンタベリー大学で博士号を取得した際に行った研究をもとに、青少年アスリートの健康状態をモニターするために作られた。Komodoの顧客の多くは学校であり、そこで初めてチームはKomodoの対象範囲を広げていくこととなった。

「具体的な事例を目の当たりにしたことが、自分たちにとって大きな魅力でした。学校側から『過去3カ月間、いじめられていた子がいて、彼らはスタッフに相談する自信がありませんでした。それが、Komodoを使うことでようやくそのような話ができるようになり、彼らも自分たちの悩みを伝えるための内々の手段があることに満足しています』という連絡がありました」。とウッド氏はTechCrunchに述べている。

Komodoの共同創業者であるジャック・ウッド氏とクリス・ベーコン氏(画像クレジット:Komodo)

Komodoには、ウェブアプリケーション版と、ほとんどの学生が利用しているモバイルアプリ版がある。このプラットフォームは学校ごとによってカスタマイズすることができ、心理学者が作成したアンケートや、生徒が学校に行くことについてどう感じているか、社交性や人間関係、高校入学や大学入学の準備といった人生の大きな転機に関するトピックの質問が含まれている。生徒がKomodoにアクセスする頻度は、学校によって異なる。週に1回のところもあれば、2週間や1カ月に1回のところもある。例えば、リモートで授業をしている場合は、より頻繁にチェックインするなど、学校の環境に応じてプラットフォームの使い方が異なっている。

学校側は、アンケートで収集したデータをもとに、傾向を把握し、ネットいじめなどの潜在的な問題を早期に発見することができようになる。Komodoを導入する前、いくつかの学校では学生のウェルビーイング調査を年に数回行っていたが、その多くはスタッフや教師の勘に頼っていた。例えば、普段は外向的な生徒が突然内向的になった場合などがある。Komodoを使えば、より効率的に問題を特定し、対処することができる。しかし、ウッド氏とベーコン氏は、Komodoが人と人との直接的なコミュニケーションに取って代わるものではないと強調している。

「できるだけ早い段階で学生に精神的なサポートを提供することが、私たちの最終的なビジョンです」とベーコン氏は述べている。また、Culture Ampのハミルトン氏とは「データを受け取った相手がそれを本当に理解し、定期的に活用できることがいかに重要か」多くの時間をかけて話し合ったという。「私たちにとって重要なのは、学校のスタッフをサポートするために必要な、状況把握のための能力と心理学の専門家を今よりももっと多く提供することです」と付け加えている。

Komodoのシード資金は、社内チームに心理学者を増やし、プラットフォームを開発し、米国を含む他の市場に進出する前に、オーストラリアとニュージーランドのさらに多くの学校に展開していくために使用される。

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画像クレジット:natalie_board / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Akihito Mizukoshi)

累積利用者2万人超の10代向け探究型EdTech教材を手がける「Inspire High」が約1.5億円のプレA調達

累積利用者2万人超の10代向け探究型EdTech教材の「Inspire High」が約1.5億円のプレA調達

10代に向けたEdTechプログラムを手がけるInspire High(インスパイア・ハイ)は8月31日、シリーズプレAラウンドとして、約1億5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、池森ベンチャーサポート、Sony Innovation Fund、PR TIMES、ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン、鈴木達哉氏、梅田裕真氏、小柴正浩氏ら。調達した資金により、さらに幅広く日本全国の中学・高校や学習塾への導入を進めるための営業活動およびカスタマーサクセス、プログラム開発にあてる。

Inspire Highは、世界中の創造力と10代のためのEdTechプログラムとして、普段触れ合う機会の少ないアーティストや起業家、映画監督、漁師、科学者などの大人と、「答えのない問い」について考え、同世代で共有し合う双方向型の学びを提供。2020年1月の事業開始から累積利用者が2万人を突破したという。

10代による個人利用に加え、中学・高校向けのEdTech教材として、「総合的な探究の時間」「特別活動」「道徳」「公共」などの授業での活用や、各校独自のキャリア教育やSDGs教育などに利用されているという。累積利用者2万人超の10代向け探究型EdTech教材の「Inspire High」が約1.5億円のプレA調達

趣味としての「知識」を得られるカルチャースクール「Classmate」運営のSPICYが1億100万円のシード調達、9月初旬開始予定

趣味としての「知識」を得られるカルチャースクール「Classmate」運営のSPICYが1億100万円のシード調達、9月初旬開始予定

大人のカルチャースクール「Classmate」(クラスメイト)を運営するSPICY(スパイシー)は、シードラウンドにおいて、総額約1億100万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家のANRI、またサムライインキュベート、その他国内外の個人投資家。調達した資金は、人材採用(エンジニア・マーケティング)および組織体制の強化、マーケティングとコースの拡充に投資する。サービスの詳細は9月初旬予定のサイト公開のタイミングで紹介するとしている。

Classmateは、スキルアップや資格取得のためではない、趣味としての「知識」、人生を豊かにする「智恵」を得られるオンラインプラットフォーム。心理学やファッションの歴史、年金・株の仕組みなどを学べるという。各ユーザーは、選んだコースについて4〜7人で構成される「クラス」のメンバーと毎週一緒に学ぶことになる。

また自宅にはClassmateオリジナルの教材が届き、それを見ながらレッスンを受講。教材はそれぞれのコースの専門家や大学教授が、Classmateと共同制作・監修しているそうだ。レッスンを受けるスクールというだけでなく、毎週顔を合わせることで生まれる出会いや会話・居場所を作るとしている。

「夏休み、こどもは1.2倍勉強する」コクヨがIoT文房具の分析データを公開

しゅくだいやるきペン

コロナ禍2回目の夏休み、「小学生はふだんより勉強に取り組んでいた」傾向があったことをコクヨが8月31日に発表しました。

同社の「しゅくだいやる気ペン」は、鉛筆に取り付けて使うIoT文房具。勉強したことをスマホのアプリで「やる気パワー」として見える化してくれるので、親は見ていなくてもこどもの努力が数値でわかり、こども勉強時間が見えるので学習意欲を高めるきっかけとなります。2020年「第14回キッズデザイン賞」(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)を受賞しました。

3000人もの利用データから、夏休み中は朝9時から10時をピークにした朝型勉強の傾向が強く、夏休み前よりも20%ほど勉強時間が長いことがわかりました。ユーザーアンケートによると、半数以上が「しゅくだいやる気ペンが夏休みの勉強に役立った」と答えていて、IoT文房具の効果が出ていることがわかります。

yaruki

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いっぽうで、アンケートによると、約半数が毎日勉強する「コツコツタイプ」で、夏休み終盤にギリギリで宿題を終える「ラストスパートタイプ」はわずか13%でした。昭和世代の身としては、令和の時代であっても「ラストスパートタイプ」はもっと多いような気がします。来年はこのあたりもIoT文房具でデータを取っていただければと。

学生に文章の書き方を教えるプラットフォームNoRedInkがシリーズBで約55億円を調達

「良い文章を書けるようになるためには、自分が書いた文章を声に出して読みなさい」。

これは筆者が最初に聞いた、最高のライティングのコツの1つだ。皮肉なアドバイスだといつも思う。文章を上達させるために、文章を音声にする必要があるというのだから。しかし書いたものを声に出して読むと、誤字や考えの不足が見つかり、さらに文章の構造の中にあるおさまりの悪いフレーズやおかしなリズムといった微妙なことにも気づく。何年経ってもこれは真実だ。そして特に、自分の文章を音読している間に飽きるとしたら、おそらく読者も飽きるだろう。

文章を書くのが大好きな人にとっても、文章を書くことはあいまいなルールの上に成り立つ大いに人間的なアートだ。複雑な問題なので必ずしもテクノロジーによる解決策が求められるわけではないが、サンフランシスコを拠点とするスタートアップのNoRedInkは10年近くにわたって、ライティングを上達させたい学生をソフトウェアで支援している。

米国時間8月24日、NoRedInkはアダプティブラーニングと言葉ゲームのMad Libsのような手法を組み合わせたデジタルライティングカリキュラムが5000万ドル(約55億円)のシリーズBにつながったと発表した。このラウンドはSusquehanna Growth Equityが主導し、True Venturesが参加した。他にGSV、Rethink Education、Kapor Capitalなども投資している。

今回のシリーズBは、シリーズAからおよそ6年経っている。これはNoRedInkが数カ月、数年かけてしっかり成長したいと考えていることの現れだ。しかし同社には解決しなくてはならない最大の問題がある。利用者が増えれば、シンプルにしたいことが複雑になっていくのだ。

創業者でCEOのJeff Scheur(ジェフ・シュア)氏は、シカゴで英語教員だった2012年にNoRedInkを創業した。このサイトでは、提出物に「赤字(red ink)で書き入れる」以上のものを子どもたちが学べるようにしている。これは、教員が子どもたちの宿題によく赤ペンで誤りの指摘やアドバイスを書き入れることに由来する。

シュア氏は「子どもたちは、提出物のフィードバックを見てもどうすればいいのかわかりません。成績は見ますが、その後は捨ててしまいがちです。そこで私は、子どもたちに知って欲しいと思っているが明確には教えていない、習得が極めて難しいスキルを(子どもたちが)使えるようにするにはどうすればいいかを解決するためにツールの開発を始めました」と述べた。

創業以来、NoRedInkはレポートの構成、論点の無駄を省くこと、正しい引用の仕方まで、さまざまなライティングスキルを学生が身につけるための支援を目指している。

画像クレジット:NoRedInk

シュア氏は「ライティングを教える上で大きな課題の1つは、表現の芸術性を損ねることなく優れた書き手になるプロセスを明らかにすることです。そのために子どもたち1人ひとりに合わせた演習を多数提供し、書き方は1つではないことを認識してもらえるようにします」と説明する。

そう考えると、NoRedInkがアダプティブラーニングを採用しているのは納得がいく。アダプティブラーニングとはアルゴリズムを使って学習者の強みや好みといった情報を取得し、それに合うアウトプットを作成する教育法だ。学生に好きなキャラクターやロールモデルを尋ねたら、NoRedInkは1人ひとりの関心に応じたライティングの演習を作成し、軽くサポートしながら文章を書くプロセスをガイドする。

画像クレジット:NoRedInk

シュア氏はNoRedInkのゴールの1つを「習得が難しいスキルを、何段もの足場を付けて分割すること」と表現する。

これまでにNoRedInkの演習エンジンで100億種類以上の演習が学習された。この数字は同社が従来のカリキュラムの問題点やでうまくいかないこと、見過ごされている問題を学区に対して明らかにするために示しているものだ。

NoRedInkには教員が試用するための無料の機能制限版があるが、制限のないプレミアムバージョンも提供している。プレミアムバージョンは学習管理システムや他の教室と統合され、学校や学区が進捗を見ることができる。

ビジネスの拡大に伴い、NoRedInkは市場シェアを増やすために構想をさらに掘り下げる必要があるかもしれない。AIベースの文法・ライティングのユニコーンであるGrammarlyがやっているのと同じように文章のトーンもアドバイスするようになるのだろうか? 今のところ、そうではないようだ。

シュア氏は「Grammarlyは優れたコンシューマアプリで、Microsoft Wordが何年も前にやっていた文法チェックの現代版です。NoRedInkはまったく違います。学校や学区がスキルを教えるために使うものです」と述べた。

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画像クレジット:Malte Mueller / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)

テック業界への就職を支援するFlockjayがB2B SaaSへの移行で従業員の少なくとも半分を削減

解雇された人や求職者がテック業界に足を踏み入れるのを支援するブートキャンプのスタートアップ、Flockjayは、B2B SaaSプラットフォームへの大幅なシフトの一貫で、自社の従業員の半数を削減したことが、TechCrunchが同社に近い情報筋から得た情報でわかった。

今回のレイオフは、Flockjayの非技術職チーム全体に影響を与え、その中には、アドミッションアドバイザー、ビジネスオペレーションやビジネスデベロップメント、パートナーシップ、リクルーティング、マーケティングのスペシャリストなどが含まれている。レイオフされたのは30〜45人と推定され、全体ミーティングにおいて行われた。これはFlockjayのフルタイム社員の少なくとも半分に相当する。影響を受けた人たちの採用リストは、すでにLinkedInで広く公開されている。

「私たちは、ミッション重視の組織として、同社の卒業生が職に就くことだけでなく、彼らがその後昇進し、それぞれの会社の将来のリーダーになってくれることを強く望んでいる。当社は成長の過程で、卒業生や彼らが所属するチーム、そしてミッションを共有するすべての営業組織が公平に活動できるよう、柔軟性のあるサポートを構築することに早い段階で力を注ぐことの重要性を学んだ」と、CEOのShaan Hathiramani(シャーン・ハティラマニ)氏は、TechCrunchに寄せた声明の中で述べている。「そのためには、自社プラットフォームの構築に注力する一方で、授業クラスをより限定的に運営するという、困難ではあるが必要な決断をしなくてはいけなかった。特に我々のチームがいかに才能に溢れていて、いかに結束の固いチームであるかを考慮すると、この決断が実際に人間的な影響をともなってしまうことを理解している」。と述べている。

本スタートアップ企業は、2019年にY Combinatorを巣立つことになったが、彼らのゴールはシンプルだ。それは、人々がテック業界でのキャリアを切り開くための突破口としての役割を果たすということだった。Flockjayの中核となるサービスは、10週間の営業訓練ブートキャンプで、卒業生をテック企業の営業職に就かせることができ、学生の約80%が卒業後6カ月以内に仕事を見つけていると、同社は1月に発表した。このコースの卒業生は、Flockjay Tech Fellowsと呼ばれ、卒業後すぐの職では平均年収が7万5000ドル(約825万円)となっている。

TechCrunchが入手した文書によると、この中核となるサービスは今後も継続するが、当面その規模は限定的なものになるという。それは、多様な人材にとって大きな代償となるだろう。Flockjayは以前のインタビューで、学生のおよそ40%が4年制大学の学位を取得していないこと、学生の半数が女性または非バイナリーであること、学生の半数が黒人またはヒスパニックであることを認めた。

ハティラマニ氏のコメントにもあるように、同社は営業チームで競争力のある人材になるためのトレーニングを何年もかけて学生に行ってきたため、インフラや人材の観点からテック企業が今何を必要としているかについて重要な洞察力を持っていると考えられる。営業オペレーションと効率化に特化したB2B SaaSツールは、Flockjayに今までより予測可能な収益をもたらし、労働集約型の仕事を減らすことができると考えられる。

今回の解雇は、パンデミックによって活性化したEdtech業界全体の流れが変わるきっかけになるかもしれない。多くの学習者がオンラインに移行したのは事実だが、Flockjayのような非公認型のトレーニングプログラムがどのような目的で利用されているのかについては疑問が残ると、ある投資家は述べている。市場には多くの選択肢があるため、ユーザーはどのサービスを利用するかを選択することができる。そして、それらのサービスは確かに、プログラムの有効性を証明し、セーフティネットを提供する、人目を引く大学とのパートナーシップを備えたものかもしれない。

Flockjayの今回の苦労は、高度に精査された所得分配契約(ISA)にもスポットライトを当てた。この契約モデルは基本的に、学生がブートキャンプに参加するための前払い費用を払わずに済み、最終的に将来稼ぐ収入の一定の割合を通して授業料を返済することができるというものだ。ISAは、教育を受ける機会を増やす役割を果たしているが、雇用後にこれらの契約を満たすことに関しては、責任の所在をめぐって議論を呼びかねない。テック系ブートキャンプで有名なLambda SchoolもISAを利用している。同社は2021年初め、大規模なリストラを行うことを発表し、同時に65人の従業員をレイオフした。

Flockjayは、これまでに既知のベンチャー企業や資本から1100万ドル(約12億1000万円)を調達している。創業以来、このスタートアップは、セリーナ・ウィリアムズ、ガブリエル・ユニオン、ウィル・スミスの他、Lightspeed、Cootue、Y Combinator、eVentures、Salesforce Ventures、Impact America Fund、Cleo Capital社などの機関投資家から投資を受けている。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Akihito Mizukoshi)

オンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」など社会人教育SaaSのスクーが約7億円のシリーズD調達

オンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」など社会人教育SaaSのスクーが約7億円のシリーズD調達

大人たちがずっと学び続けるオンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」(スクー)を手がけるSchooは8月25日、シリーズDラウンドにおいて、総額約7億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のBonds Investment Group、インキュベイトファンド、SMBCベンチャーキャピタル、鎌倉投信・フューチャーベンチャーキャピタル、山口フィナンシャルグループ傘下の山口キャピタル。

調達した資金により、Schooや2021年6月に提供を開始した高等教育機関DXプラットフォーム「Schoo Swing(β版)」(スクー スウィング)のサービス向上に向けた人材採用やマーケティング投資を行う。また、地方エリアへの遠隔教育普及によって実現する「未来の暮らし」の確立も推進するという。

Schooは、2012年のサービス開始以来「未来に向けて、社会人が今学んでおくべきこと」をコンセプトとした生放送授業を毎日無料提供している。過去の放送は録画授業として約7200本を公開している。法人向けには社員研修と自己啓発学習の両立を実現する「Schoo for Business」を提供。

また、個人と法人合わせての登録会員数は約65万人にのぼり、導入企業実績は2000社を突破するなど、昨今のデジタル化の影響を受けて事業は急拡大を続けているという。

KaiPod Learningは今後も「ラーニングポッド」が定着すると考えている

「ラーニングポッド」はその登場以来.EdTechの世界で議論の的となってきた。これはマイクロスクール、パンデミックポッド、少人数グループ学習などと同義で、同じ年齢層の子どもが少人数で集まり、そこに指導員がついて、学校教育の代替または補完を目指すものだ。

2020年、学校の授業がビデオ中心になり、働く保護者が子どもにとってもっと魅力的で1人ひとりに合わせた教材で補いたいと求めたことから、ラーニングポッドのコンセプトがスタートした。一部のEdTechの起業家は、在宅で学ぶ子どもたちの新しい波が到来しラーニングポッドを利用できる裕福な家庭に恩恵があるだろうと予測した。Tyton Partnersの推計によると、2020年に700万人が補習ラーニングポッドに申し込み、家庭学習の支出は120億ドル(約1兆3000億円)になったという。

最初のラーニングポッドが登場してからおよそ1年が経った今、Yコンビネーター出身のスタートアップがこの急成長した学習モデルで学校教育のような役割を担い始めている。Pearson Online Learningの最高製品責任者だったAmar Kumar(アマール・クマール)氏が創業したKaiPod Learningは、在宅で学ぶ子どもを対面式の補習ラーニングポッドとつなぐサービスを開始した。

ボストンを拠点とするKaiPodは、対面でのやりとりをカリキュラムに取り入れた、オンラインで学ぶ子どもとラーニングポッドのための頼れるプラットフォームを目指している。同社はまず既存のカリキュラムのテコ入れを必要としている在宅学習の家族をターゲットにする。

KaiPodは、Sora Schoolsのようなバーチャルのマイクロスクールや地域が用意する在宅学習プログラムなど、子どもにとって最適なオンラインスクールを選ぶ保護者のサポートからサービスを開始している。これにより、子どもたちはこれまでの学校の代替として最低限の要件を満たすオンラインスクールを利用できるようになる。さらに同社は、オンラインスクールを利用する子どもにとってのコワーキングスペースのようなサービスを提供しようとしている。

クマール氏は「クラウドで社会性を育むことはできず、クラウドで子育てをすることもできません。これらは保護者が学校に期待することです。すべてをオンラインに移行したためにこうしたことが排除され、優先順位が適切でなかったことが明らかになっています」と述べた。

子どもたちは近隣のKaiPodセンターに行き、そこでラーニングコーチとコミュニケーションをとる。ラーニングコーチとは、教員でありキャンプカウンセラーでもあるとクマール氏が定義する役割だ。

コーチはオンラインの学習課題を通じて支援する一方、学校生活における社会性を取り戻す活動も指導する。ラーニングコーチはセンターでさまざまなカリキュラムを担当するが、KaiPodが成長するにあたってはこのことが品質を保証する上での難題になるかもしれない。

広い意味ではKaiPodはバーチャルスクールで学ぶ子どもが実際の学校に行く支援をしているが、状況に応じて柔軟性と多様性を持たせている。例えばある子どもは別の子どもとはまったく異なるカリキュラムで学んでいるかもしれない。つまり物理的な場所は講義のために使われるのではなく、子どものモチベーションを上げて個別の学びを共有するソクラテス式問答スタイルのゼミに使われるかもしれない。

教育におけるWeWorkなのか

クマール氏はこうしたことをラーニングポッドのインクルーシブなアプローチであると考えている。教育と同時に子育てでもあるからだ。センターは週に5日、朝8時から夕方5時30分までオープンしている。

同氏は、校外の補習モデルが学びの豊かさにつながる例として公文式を挙げた。公文式は1カ所のセンターから始まり、最終的にはフランチャイズモデルによって放課後に指導をする企業として世界最大級になった。

KaiPodの成功に関して重要なのは、コロナ禍によって関心が高まった在宅学習が今後定着するかどうかだ。National Center for Education Statistics(全米教育統計センター)によると米国で2020年から2021年に在宅学習をしている家庭の割合は3倍になったが、この数字は学校に戻ることによる変化を完全に反映しているわけではない。

KaiPod Learningは2021年に8人の子どもを集めたパイロットプログラムをボストンで実施した。クマール氏は、あるラーニングコーチがゲーム中にミドルスクールの生徒1人に学習障害が疑われる兆候を見つけ、これは少人数制で指導者が「講義形式の授業よりも子どもたちと深く関わっている」ことの表れだとした。KaiPodは今後数カ月以内にさらに5〜7カ所のセンターを開設する予定だ。

クマール氏は「我々の知名度が上がれば他の州の起業家も我々のプレイブック(つまりフランチャイズモデル)を利用したセンターの開設を希望すると考えています。愛情を込めて『KaiPod OS』というコードネームで呼んでいる我々のテクノロジーレイヤーでそうした人々を支援できます」と述べた。センターを開設する場所は、KaiPodが誰に販売をするのか、また社会経済学的にさまざまなバックグラウンドの家族が利用するかどうかを示すことになるだろう。

同氏は「現時点では教育におけるWeWorkのようなものになることに関心はありません。センターは家庭が子どもを預け、立ち寄り、ポッドで何をしているかを知ることのできる便利な場所であると考えてください」と語った。

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画像クレジット:Witthaya Prasongsin / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)

今の教育の足りない部分に気づいた教師がリモートEdTechの起業家に転身

教師だったAmanda DoAmaral(アマンダ・ドアマラル)氏はあるとき、テクノロジーの力で教育を良くすることができるはずだ、そんなテクノロジー企業を見つけよう、もしくは作ろうと一念発起した。いまどき、スタートアップの創業者の経歴欄に教師があることは非常に珍しいが、それでも、教育という仕事の体験者である、という有利性はある。彼女が作ったFiveableは「リモートファースト」なども含め、教育の近代化に焦点を当てている。実は、近代化が看過されている重要分野は何かといえば、まさにそれは教育なのだ。中でも重要なのは、児童生徒たちの活発なコミュニティを作り、知識を共有することだ。今の不適切なシステムに対する彼女の不満と、起業家になろうと決心した経緯を、ポッドキャストFoundでぜひ聴いてみよう。

彼女はベイエリアに住んで教えた経験はあるが、起業家としては異色だ。彼女は自分自身の教育と学習の過程、および教師としての経験の両方から、テクノロジーは学校の子どもたちにもっと多くのものを与えることができるのに、そのためのシステムがまだない、という不満を抱いた。そして教育の、特にリモート学習では不十分になりがちな側面に焦点を当てた企業を創って、それを自分のライフワークにした。そして彼女が起業した直後に、パンデミックでFiveableの市場は劇的に拡大した。単なるリモート学習ではなく、きめ細かい配慮に富んだ良質なリモート学習が求められていることが、明らかとなった。

アマンダとのチャットは、とても楽しかったから、TechCrunch読者にも喜んでいただけるだろう。Foundのサブスクライブは、Apple PodcastsSpotifyGoogle Podcasts、あるいはお気に入りのポッドキャストアプリでできる。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Fiveable教育オンライン学習ポッドキャスト

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)

プロダクトマネージャーを育てて資格証書を発行するProduct School

カルロス・ゴンザレス・デ・ビラウンブロシア氏(Product School創設者兼CEO)

これまでのMBAの課程は、費用が高く、履修時間が長く、そしてしばしば実際的な技能の習得や応用の機会がない。一方、グローバルなビッグブランドや大企業は、事業を成長させるためにプロダクトマネージャーが必要になっても、誰かが大学を卒業するのを座して待つことはできない。しかも現在のEdTechには、そんな人材を育てる部門や能力がない。

そこでProduct Schoolはこのほど、グロウスファンドのLeeds Illuminateから2500万ドル(約27億7000万円)の成長資金を調達して、そのプロダクトを加速し、クライアント企業とのパートナーシップを強化しようとしている。

今回の成長投資の前までは同社は、2014年以来自己資金のみでやってきたが、当時はテクノロジー企業にはプロダクトマネージャー(PM)の需要があまりなく、しかしその他のほとんどすべての業界では、どうしても必要な人材になりつつあった。

Product Schoolは、個人や訓練チームにプロダクトマネージメントの資格証書を提供するが、新型コロナウイルス以降、多くの企業でデジタル化が進み、それとともにPMの需要も急増した。しかも今ではGoogleやFacebook、Netflix、Airbnb、PayPal、Uber、Amazonなど、そうそうたるテクノロジー企業が同社の顧客の中にいる。

Leeds IlluminateのマネージングパートナーであるSusan Cates(スーザン・ケイツ)氏は、次のように述べている。「プロダクトマネージャーは、すべてのセクターにまたがって、デジタルトランスフォーメーションとイノベーションを推進しなければならないという、とても大きな役割を担っています。Product Schoolはこれまで、PMたちの世界最大のコミュニティを築いてきたから、同社の資格証書はいわばこの市場の業界標準であり、同社はグローバル企業の最高位の人材をスキルアップする仕事の最前線にいる」。

Product SchoolのCEOで創業者のCarlos Gonzalez de Villaumbrosia(カルロス・ゴンザレス・デ・ビラウンブロシア)氏は、スペインから移民してきて同社を始めた。「今は、デジタルプロダクトを開発する史上最大の好機であり、Product Schoolは、プロダクトチームの価値を全地球的にアンロックして未来を定義することに、喜びを感じています。弊社は、従来の経営学の学位やMBAの課程にはPMが欠けており、仕事が求めている実際的なスキルを提供できないため、生まれた企業です」と氏はいう。

Product SchoolはPMを育てる教材として、The Product BookThe Proddy Awards、そしてProductConを制作している。

主な競合相手であるMindTheProductも、やはり自己資金でPMのコミュニティや訓練事業を作っている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:プロダクトマネージャーProduct School資金調達

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

コロナ学校閉鎖でEdTech激戦地と化したインドのupGradがユニコーン企業の仲間入り

ベンガルールを拠点とする、高等教育およびスキルアップコースに特化したEdTechスタートアップのupGrad(アップグラッド)は、インド時間8月9日に実施された1億8500万ドル(約204億円)の資金調達ラウンドで評価額が12億ドル(約1324億円)に達した。これは、世界第2位のインターネット市場であるインドで、グローバル投資家が同国の企業に記録的な資金を投入している中でのことだ。

今回の資金調達ラウンドは、シンガポールの政府系ファンドTemasek(テマセク)が主導し、世界銀行の国際金融公社(International Finance Corporation, IFC)とIIFLが参加した。シリーズが特定されていないこのラウンドの最初のトランシェ(約1億2000万ドル、約132億円)は、2021年4月に6億ドル(約661億5000万円)以上の評価額で完了していた。

upGrad共同創業者のRonnie Screwvala(ロニー・スクリューバラ)会長は、声明の中で「資金調達を開始して以来、投資家の方々の関心が高まっていることに満足しています。この60日間で、Temasekから最初の出資を得たのち、続いてIFC、IIFLからも資金調達を行いました」と述べている。

創業6年目のupGradは、ここ数カ月の間に国際市場での展開を推し進めており、ミシガン州立大学、インド工科大学マドラス校(IIT Madras)、インド工科大学デリー校(IIT Delhi)、Swiss School of Business Management(ジュネーブ)などの大学と連携して、データサイエンス、機械学習(ML)、人工知能(AI)、ブロックチェーン、金融、プログラミング、法律などの分野で100以上のコースを学生に提供している。

画像クレジット:upGrad

同社によればこれまでに、40カ国以上から100万人以上のユーザーがこのプラットフォームのコースにアクセスしているという。upGradのウェブサイトによると、6万2000人以上の有料受講者がいるとのこと。これらのコースの費用は3300~6750ドル(約36万〜74万円)で、期間は6カ月~2年だ。

インドではパンデミックによる学校閉鎖の影響で学習のオンライン化が進んでおり、upGradはインドの数多くの教育関連スタートアップの中でも、ここ数四半期で急成長を遂げている企業の1つだ。

ソフトバンクとTiger Global(タイガー・グローバル)が出資するUnacademyは、8月2日に発表した4億4000万ドル(約485億円)の資金調達で34億4000万ドル(約3795億円)と評価された。GGV Capitalが支援するVedantuは、同社がユニコーンの称号を得るであろう新ラウンドの最終調整に向けて交渉が進んでいると、先にTechCrunchが報じている。過去1年ほどで15億ドル(約1655億円)以上を調達したByju’s(バイジュース)は、インドで最も価値のあるスタートアップだ。

スクリューバラ氏は、upGradはこの新たな資金を活用して、M&Aの機会を探ると述べている。同氏は南アジア市場におけるケーブルテレビ事業の先駆者であり、ボリウッドの大ヒット作品もいくつか制作した人物だが、2013年には自身が所有するエンターテインメントコングロマリットUTVを企業評価額14億ドル(約1545億円)でディズニーに売却した。

2020年にユニコーンとなったインドのスタートアップ企業は11社あったが、それから増し、upGradは2021年21社目のインド発ユニコーンだ。最近では、Tiger Global、SoftBank Vision Fund 2(SVF2、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2)、Falcon Edge、Temasekなどの著名投資家が、インドへの投資を倍増させている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:インドupGradユニコーン企業資金調達オンライン学習

画像クレジット:SUJIT JAISWAL / AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

語学学習のDuolingoが子供向け数学アプリを開発中、CEOが明言

フクロウをモチーフにした語学アプリで知られるDuolingo(デュオリンゴ)が、新たに数学アプリを開発中であるとCEOのLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏が明らかした。共同創業者である同氏が先に行われたインタビューの中で、そのアプリについて言及した。同社はインタビューが行われたのと同じ日に、正式に株式市場に上場した。

インタビューの後、TechCrunchはDuolingoにアプリの詳細について問い合わせたが、同社は開発プロセスの「非常に初期の段階」であることを理由に、詳細な情報の提供を断った。だが、同社が毎年開催している無料カンファレンス「Duocon」で、ユーザーは8月末にこのアプリについて詳しく知ることができるかもしれないと述べた。5月に掲載された求人情報によると、同社は「小規模なクロスファンクショナルチーム」と一緒に新しい数学アプリを開発する数学の博士号を持つ学習科学者を募集している。

求人情報によると、このアプリは若い学習者向けのものであるようだ。採用候補者には、K-12(日本の高校3年生に相当)レベルの数学、特に3〜8年生(日本の小学3年生から中学2年生に相当)までの若い生徒を対象とした授業の経験と知識を求めていると記載されている。

Duolingoの現在のユーザーは、Duolingoが数学に参入することについて複雑な気持ちを抱いているようだ。

IPO当日のインタビューでCEOのルイス・フォン・アン氏は、ユーザーはDuolingoが数学アプリを推し進めていくのを目の当たりにするかもしれないと語った。また、今後の買収によっては、言語学習以外の分野にも拡大していくと話した。この発言は、Duolingoがまったく新しいソフトウェアやカリキュラムに大量のリソースを投入するかもしれないという懸念を解消するかもしれない。

「もし他の分野で、誰かがかなり良い仕事をしていて、我々と同じようなミッションを持ち、同じような企業文化を持っていると思われる場合、Duolingoはその会社の買収を検討するかもしれません」とフォン・アン氏はインタビューで語った。

数学に特化したEdTech企業には、Khan Academy、Brilliant.orgPhotomathNumerade、そして最近買収したSymbolabなどがある。

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Duolingoにとってこの数学アプリは、同社の実験の歴史に新たな1ページを加える。同社は創業から10年間で何百ものアイデアを生み出してきたが、その成功の度合いはさまざまだった。

ここ数年は、子ども向けの読み書きアプリ「Duolingo ABC」や「Duolingo English Test」など、コアアプリ以外の製品群を開発してきた。一方で、Duolingoの失敗したアイデアの「墓場」には、撤退したマネタイズ戦略やAIを搭載したチャットボットなどがある。リーダーボードのような人気のある機能は、成功する前にくすぶってしまった。そして数学は、興味深いことに、常にフォン・アン氏の頭の片隅にあった。

Duolingo EC-1でも紹介されているが、フォン・アン氏は、同氏と共同創業者のSeverin Hacker(セベリン・ハッカー)氏が、最終的に語学に特化すると決める前に、Duolingoを数学アプリにしようと考えていたと常々言っている。

「私は数学が大好きですが、数学を学んでも、数学そのものがお金になるわけではありません」とフォン・アン氏は以前のインタビューで話している。「エンジニアになるには物理学を学びますが、そのために数学を学びます。一方、英語の知識は世界のほとんどの国で収入を増やす可能性を直接的な形で向上させます」。

あるユーザーは「数学は学ぶべき重要なスキルだ。これによって、特にアクセスが限られている人たちに、より良いリソースを提供できるかもしれない。一方で、より多くの機会に恵まれている人たちには刺激的であり、同様に魅力的なものとなるだろう」と書いている

また、Duolingoに対し、他の分野への進出を検討する前に、言語学習サービスにもっと投資するよう望む声もあった。「まだまだカバーすべき言語がある(フランス語とスペイン語を除く)のに、数学への進出を検討するのは奇妙だ」とあるユーザーは書いている。

同社が教えられるのは、欧州言語共通参照枠(CEFR)に基づく初級から中級下レベルまでの語学力のみだ。同社が5月に発表した指標によると、Duolingoのコースの約30〜40%がCEFRと整合しているという。

Duolingoの数学アプリがどのようなものか、何を提供してくれるのか、収益化されるのかどうかを想像するのは時期尚早かもしれない。いずれにせよ、このアプリはDuolingoにとって、言語以外の教育分野への初めての正式な進出となる。

同社は、製品だけでなく、この2つのテーマの間に哲学的な重なりを見つける必要がある。語学は文化的な背景やニュアンスによって恩恵を受けられるスキルであり、数学は1つの正解にたどり着くことを目標に進む。しかし、どちらの教育分野でも、几帳面な思考と、答えを導き出すために関数を応用する能力が必要だ。最終的には、どちらもDuolingoが最大の製品だと主張する、アプリを開き、画面で起こっていることに注意を払おうとする動機に依存している。

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画像クレジット:Duolingo

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi

何度でも組み立て直して遊べる&プログラミングできるロボット「ユカイなパチパチブロックキット」が発売開始

何度でも組み立て直して遊べる&プログラミングできるロボット「愉快なパチパチブロックキット」が発売開始

「ロボティクスで、世界をユカイに。」を掲げ、ロボットやIoTプロダクトを企画・開発するユカイ工学は8月5日、何度でも繰り返しロボット作りを楽しめる「ユカイなパチパチブロックキット」の発売を発表した。同社オンラインショップで購入できる。直販価格は9900円(税込)。拡張パーツのタイヤ「kurikitタイヤ2」も同時発売した。こちらは2個セットで660円(税込)。

何度でも組み立て直して遊べる&プログラミングできるロボット「愉快なパチパチブロックキット」が発売開始

「ユカイなパチパチブロックキット」。直販価格は9900円(税込)

何度でも組み立て直して遊べる&プログラミングできるロボット「愉快なパチパチブロックキット」が発売開始

拡張パーツのタイヤ「kurikitタイヤ2」。2個セットで660円(税込)。写真右は利用例

ユカイなパチパチブロックキットは、ブロックとフレームを組んで何度でも作り直して遊べるという組み立て式ロボット。ハサミや工具を使わずに複数タイプのロボットを作れるなど、動くロボットづくりの第1歩として、お子さんひとりでも安全に楽しめるよう工夫されている。有名なブロックトイとも互換性があり、拡張や組み合わせも行える。

何度でも組み立て直して遊べる&プログラミングできるロボット「愉快なパチパチブロックキット」が発売開始

ハサミや工具不要のパチパチ組み立て式。簡単に作り直せるため、気軽に試行錯誤できる

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難易度★(初心者向け)の「くるまくん」。作り方はこちら

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難易度★★★の「ななめたいやくん」。作り方は、こちら

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市販のブロックと互換性があるため、組み合わせて動く作品を作るなど拡張して遊べる

また、まずはプログラミングをしなくてもすぐに動かせるため、プログラミングを初めて体験する小学生に最適という。操作性を向上させるためのプログラミングも可能な上、ユカイ工学が様々なプログラミングや応用方法も提供することから、レベルや年齢に応じてステップアップしやすい。プログラミングは、PC・タブレット・スマホ用ウェブブラウザー上で動作するビジュアルプログラミング環境「kurikit」(Scratch 3.0互換)を利用する。

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操作性を向上させるためのプログラミングも可能で、レベルや年齢に応じてステップアップできる。オンラインでも「ロボット」を扱うワークショップや授業が行いやすい

何度でも組み立て直して遊べる&プログラミングできるロボット「愉快なパチパチブロックキット」が発売開始

プログラミングは、PC・タブレット・スマホ用ウェブブラウザー上で動作するビジュアルプログラミング環境「kurikit」(Scratch 3.0互換)を利用

また、特定非営利活動法人ニュークリエイター・オルグとのコラボレーションのもと、小・中学生対象オンラインイベント、newCreator「ユカイなパチパチブロックキットでプログラミングを体験しよう!」を8月21日に開催する。キットの使い方やプログラミングを教わりながら体験できるという。チケット料金は、「ブロックキット購入+イベントチケット」が9900円(税込)、「ブロックキットレンタル+イベントチケット」が2900円(税込)。

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カテゴリー:EdTech
タグ:ユカイ工学(企業)プログラミング(用語)ロボット(用語)日本(国・地域)

コロナ禍でも4〜12歳の子どもたちに少人数で質の高いオンライン教育を提供するbina、孫泰蔵氏も投資

新型コロナウイルス感染流行の影響で学校が閉鎖され、初等教育への深刻な被害が懸念される中、この分野に続々とEdTech(教育テクノロジー)企業が参入してくるのは当然と言える。しかし、それは同時に、初等教育の惨状を浮き彫りにするものでもある。World Bank(世界銀行)によると、全世界で約4000万人の教師が教育現場から離れているという。15億人の初等教育課程にある子どもたちのうち、質の高い教育を受けられる子どもはごくわずかであり、世界には約5800万人の初等教育を受けられない子どもたちがいて、そのほとんどが女児である。

だから、このような幼少期にオンラインで教育を受けられる機会を広げ、状況を変えることは非常に大きな意味がある。なぜなら、オンラインではクラスの人数を減らし、授業の質を向上させることが可能だからだ。

これが、自ら「デジタル初等教育エコシステム」を謳うbina(ビナ)という企業の元になる考え方だ。ドイツのベルリンを拠点とする同社はこの度、4歳から12歳までの児童にオンライン教育を行うことを目的に、140万ドル(約1億5300万円)の資金を調達した。

今回の資金調達ラウンドは、日本の億万長者の1人である孫泰蔵氏が主導した。他の投資家やアドバイザーには、分散型プロトコルのPolkadot(ポルカドット)を開発したParity Technologies(パリティ・テクノロジーズ)の創業者Jutta Steiner(ユッタ・シュタイナー)氏や、英国の元教育大臣のLord Jim Knight(ジム・ナイト卿)などが名を連ねている。

Binaの特長は、6人という非常に少人数のオンラインクラスの規模(経済協力開発機構のデータによる世界平均の3分の1)であることだ。

さらに同社は、国際標準をカバーする「適応性の高い学習方針」、8年以上のデジタル教育経験を持つ教師、データに基づいた教育的アプローチの決定などを誇る。

binaの創業者でCEOを務めるNoam Gerstein(ノーム・ガーシュタイン )氏は次のように述べている。「私は世界中の生徒、教師、保護者に長年インタビューしてきましたが、新しいシステムのデザインが必要であることは明らかです。当社の創業家とともに、私たちはすべての子どもが質の高い教育を受けることができ、教育者のスキルが評価され、それを継続的に発達させることができ、親が仕事と家庭生活のどちらかを選ぶ必要のない世界を築いていきます」。

また、ガーシュタイン氏によれば、同社は学校とともに成長する児童に、会社の株式(RSU)を付与しているという。現在は中央ヨーロッパ時間の英語を話す児童向けに授業を提供しているbina Schoolは、政府、NGO、学校組織向けのSaaS製品を計画している。

「私たちは現在、Outschool(アウトスクール)、Pearson Online Academy(ピアソン・オンライン・アカデミー)、Primer(プライマー)、Prisma(プリズマ)といった企業と競合しています」とガーシュタイン氏は電話で話してくれた。「これらの大手企業とは2020年からの第1段階で競合しています。しかし、私たちは戦略を2つの段階に分けて構築しています。第1段階は実際にスクールを構築し、それを『実験的』スクールとして運営すること。そして第2段階は、私たちが『サービスとしてのbina』と呼んでいるもので、SaaS、つまり『サービスとしてのスクール』です。これはNGOや政府と協力して、授業システムや教師の認定、トレーニング、ライセンス供与を行うというものです。この2つ目の部分では、私たちは実際に大規模な学校認可システムと競合するわけです」。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「ゲーミング英会話」運営のREEVが「フォートナイト」を海外在住講師とプレイしながら楽しく学ぶ体験会開催

「ゲーミング英会話」運営のREEVが「フォートナイト」を海外在住講師とプレイしながら楽しく学ぶ体験会開催

ゲーミング英会話」を運営するREEV(リーブ)は8月3日、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンカルチャーネットワークと業務提携し、オンラインゲーム「フォートナイト」をプレイしながら英語を学ぶ「ゲーミング英会話」の体験会を開催すると発表した。開催期日は、2021年8月21日と22日。開催場所は東京都豊島区の池袋コミュニティ・カレッジ。定員が上限に達した時点で締め切られる。参加費は2000円(税込)/日。申し込みは「ゲーミング英会話体験会予約フォーム」から。

「ゲーミング英会話」は、「eスポーツ×英語×プログラミング」教育によるグルーバル人材の育成を目的に開発された英語学習方式。フォートナイトを海外在住の英語講師とプレイしながら、楽しく英会話が学べる。

これからの時代を生きる子どもたちは英語力とITスキルが必須となるが、英語「を」勉強するのでは学習が継続しない。英語「で」好きなことをやることで、子どもたちは楽しみながら英語に「ハマり」、英語力が身につくとREEVは考えた。そうして生まれた「ゲーミング英会話」が、このイベントで体験できるということだ。

ゲーミング英会話体験会 in 池袋コミュニティ・カレッジ概要

  • 開催日:2021年8月21日15:30〜17:30(9階34番教室)、2021年8月22日15:00〜17:30(8階5番教室)
  • 開催時間:1組目15:30〜15:55、2組目16:00〜16:25、3組目:16:30〜16:55、4組目:17:00〜17:25
  • 開催会場:池袋コミュニティ・カレッジ(西武池袋本店別館8階と9階) 東京都豊島区南池袋1丁目28-1 西武池袋本店別館8・9階
  • 参加費:2000円(税込)/日。現金で当日支払い。クレジットカードによる事前決済希望の場合は、予約フォームの備考欄に「カード決済希望」と記入する
  • 定員:計12名(1組あたり2〜3名が定員)
  • 必要なもの
    フォートナイトができるゲーム端末(Nintendo Switchなど)、Zoomが動作する端末(スマートフォン、タブレット、ノートPCなど)、マイク付きイヤフォンまたはヘッドセット(先生との会話に必要)
  • 申し込み:「ゲーミング英会話体験会予約フォーム」より予約

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カテゴリー:EdTech
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