初心者でもタッチスクリーンをスワイプして飛行機を操縦できるようにするSkyryseが約228億円調達

創業5年目のスタートアップであるSkyryseは、2億ドル(約228億円)のシリーズB資金を調達し、飛行自動化技術スタックであるFlightOSの開発を進めている。FlightOSは、経験豊富なパイロットが新しいタイプの航空機を操作するのに役立つだけでなく、まったくの初心者でもすぐに飛行のコツを学ぶことができると同社は述べている。


ここで最も重要なのは、FlightOSはあらゆる航空機に後付けすることができ、同社によれば、タッチスクリーンとジョイスティックを操作できる人なら誰でもフライトコントロールができるようになる可能性があるということだ。現在、そのタッチスクリーンにはiPadが使用されているが、SkyryseはTechCrunchに対し、完成品では「航空規格に適合したタッチスクリーン」に変更されると述べている。

スクリーンとジョイスティックに加えて、FlightOSスタックにはアクチュエーターとフライトコントロールコンピューターが含まれており、航空機の既存の機械システムを置き換えることになる。このように1対1で置き換えられるということは、システム全体が「コストニュートラル」であることを意味し、OEMメーカーは既存の航空機と同じコストでFlightOSを搭載した機体を製造することができるという。

Skyryseは設立当初、都市部でのエアモビリティサービスの立ち上げを念頭に、完全自動化システムを追求していた。しかし、同社はオペレーターとしての活動を縮小し、代わりにFlightOSスタックの開発を本格的に進めている。

FlightOSは完全な自動化ではなく、やはりジョイスティックを操作する人間が誰かいなければならない。しかし、それに近いものがある。現在、Mark Groden(マーク・グローデン)CEOは、短期的な目標は認定パイロットのスキルを向上させることだが、長期的にはもっと野心的な計画を立てていると述べている。

グローデン氏はTechCrunchの取材に対し、こう語った。「当社の短期的な目標は、航空業界の安全性を向上させ、既存のパイロットに家族と一緒にさまざまな天候下で飛行できるという安心感を与え、彼らに新しいタイプの航空機を開放することです。我々の長期的な目標は、2億2千万人の免許を持つ(自動車の)ドライバーが、あらゆる航空機を安全かつ効果的に操作できるようにすることです」。

しかし、このシステムでは、航空管制官とのコミュニケーションや、どのような状況であれば安全に飛行できないのかという理解など、認定を受けたパイロットが学ぶようなことは考慮されていない。しかし、グローデン氏は、自動車の運転免許を取得しても注意深い運転ができないのと同じように、現在の認証プロセスだけではパイロットの安全性を確保することはできないと語った。

SkyryseのCEOマーク・グローデン氏(画像クレジット:Skyryse)

「現実には、FAA(連邦航空局)のパイロット免許取得のための最低ラインは、安全で効果的であるためには十分ではありません。当社の目標は、それを実現することです」と同氏はいう。「一般的に、免許を取得するには平均50時間の運転経験が必要と言われています。これに対し、FAAは自家用機パイロットになるために40時間しか必要としません」。

この40時間という要件は、すべての種類の航空機の運航に適用されるわけではないことに注意が必要だ。例えば、民間航空会社の飛行機を操縦するためには、パイロットは合計1500時間の飛行時間が必要だ。しかし、Skyryseのシステムを使えば、経験の浅いパイロットでも、長時間の追加訓練をすることなく、新しい種類の航空機に挑戦できる可能性がある。

Skyryseは現在、Robinsons Helicoptersを含む固定翼機および回転翼機のメーカー5社と提携している。FlightOSがeVTOLやヘリコプターに搭載されるには、まずFAAの認証を受ける必要がある。既存の航空機に組み込むことで、例えばeVTOLの開発者が行わなければならないような、まったく新しい機体の認証を受ける必要がなくなるため、プロセスが短縮される可能性がある。

この技術は世界的なパイロット不足の解消にも役立つだろうと、同社は述べている。その状況は、10年以内にエアタクシーが実用化されれば、さらに悪化する可能性がある。

今回の資金調達により、同社の累計調達額は2億5000万ドル(約284億円)に達した。今回の資金調達は、Fidelity Management & Research CompanyとMonashee Investment Managementが主導し、ArrowMark Partners、Republic Capital、Raptor Group、Infinite Capital、Embedded Ventures、Fortistar、K3 Ventures、Rosecliff、SV Pacific Ventures、Laurence Tosi(ローレンス・トシ)氏、Dmitry Balyasn(ドミトリー・バルヤスニー)氏が参加した。既存投資家のVenrock、Eclipse Ventures、Fontinalis Partnersも参加した。

画像クレジット:Skyryse

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

イーロン・マスク氏、Starshipロケットは「規制当局の承認があれば」来月にも最初の軌道打ち上げの準備ができると語る

SpaceX(スペースX)の「Starship(スターシップ)」ロケットは、テキサス州南東部で現在も開発が進められており、発射塔の建設や、宇宙空間に到達した際の動力源となる真空仕様の「Raptor(ラプター)」エンジンの搭載など、重要な要素に大きな進展が見られる。Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、規制当局の承認が得られれば、来月にも初の軌道宇宙飛行を試みる準備ができると述べている。

SpaceXがこの試みを実施するためには、これまでテキサス州ブラウンズビル郊外の開発拠点で行ってきたStarshipのテスト飛行と同様に、米国連邦航空局(FAA)の承認が必要になる。FAAは基本的に、SpaceXが打ち上げ時に何か問題が発生しても最小限のリスクで済むように、必要な安全対策をすべて講じていることの証明を求めている。

Starbase(スターベース)発射塔が完成に近づき、初の軌道飛行に向け、StarshipとSuper Heavyブースターがスタンバイ

SPadre

すべてが順調に進めば、規制当局の承認を得た上で、来月にはStarshipの最初の軌道打上げに向けた準備が整います。

Elon Musk

この開発段階では、それも決して有り得ないというわけではない。SpaceXはすでに開発プログラムの中で、多くのStarship試作機が爆発するのを目にしてきた。だが、SpaceXのテストには、地球の大気圏内における高高度飛行テストや、制御された着陸に向けた宇宙船の降下など、いくつかの成功例もある。

SpaceXの次の大きなマイルストーンは、Starshipとブースター部分の「Super Heavy(スーパー・ヘビー)」のコンボを完全に積み重ねたバージョンを、地球の大気圏を超えて宇宙空間に飛ばすことだ。マスク氏によれば、技術的にはその準備は整っているとのことだが、FAAが最近行った打ち上げライセンス付与に関するパブリックコメントの募集が示唆するところによれば、規制当局の承認が得られるまでには1カ月以上かかる可能性もある。

先週行われたタウンホールミーティングでは、次のステップに進む前にFAAがSpaceXと一緒に検討・対処しなければならない多くの問題を、賛成派と反対派の両方が声をそろえて提起した。しかしながら、FAAはテストを目的とした一時的なライセンスを発行し、進行中の打ち上げ許可を再検討することで、これらの問題の解決を先送りする可能性もある。

画像クレジット:SpaceX

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マスク氏はスペースXの新都市「スターベース」の発電所とロケット燃料に必要な天然ガスをどうやって調達する?

SpaceX(スペースX)が世界最大のロケットのテストを開始する前に、ある環境関連の文書にFAA(米連邦航空局)の承認を得る必要がある。そこに、燃料の調達先についての重要な詳細が欠けていると専門家は指摘する。

FAAは9月、SpaceXのStarship(スターシップ)とSuper Heavy(スーパーヘビー)ロケットのプログラム環境アセスメント(PEA)の草案を発行し、パブリックコメントを募った。Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、スターシップとスーパーヘビーロケットをまもなく軌道に乗せ、その後、火星に送ることを目指している。142ページに及ぶ草案の対象は、マスク氏が新都市「スターベース」の建設を希望しているテキサス州ボカチカにおける、SpaceXの施設での建設と日常業務だ。飛行前のオペレーション、ロケットのテスト、打ち上げと着陸、燃料・水・電気の供給などが含まれる。

新しい前処理システムで、天然ガスを精製・冷却し、スターシップとスーパーヘビーロケット用の液体メタン燃料にする。その上、新しい250メガワットのガス火力発電所向けに、さらに多くのガスが必要となる。この規模の発電所は、通常10万以上の世帯に電気を供給し、コストは数億ドル(数百億円)に上ることもある。PEAはロケットの打ち上げについて大きく取り上げているが、新しい発電所についてはほとんど触れていない。特に、1日に必要な数千万立方フィートのガスが、メキシコ国境近くにあるSpaceXの遠隔施設にどのように運ばれるのかが明らかにされていない。

バーモント大学ロースクールのPat Parenteau(パット・パレントー)教授は「PEAにこのような記述がないのは異例であり、連邦政府の国家環境政策法(NEPA)に違反している可能性があります」という。

「NEPAは、いわゆる『Look-before-You-Leap(跳ぶ前に見よ)』法です」とパレントー教授は話す。「連邦政府の意思決定者に、ある行動が環境に与える影響と、それを回避する方法を知らせるための法律です」。

発電所への天然ガス運搬には一般的にパイプラインを利用する。連邦政府機関の関係者がTechCrunchに語ったところによると、SpaceXは2021年の初め、リオ・グランデ・バレー国立野生生物保護区を通る、今は使用されていない天然ガスパイプラインの再利用について問い合わせてきたそうだ。

「彼らはメタンの輸送に、現在彼らが行っているようにトラックを使うのではなく、パイプラインを再利用したいと考えています」と匿名の関係者は述べた。

しかし、この関係者と州の記録によると、そのパイプラインは2016年に永久に放棄された。その関係者がTechCrunchに語ったところによると、廃止されたパイプラインには現在、テキサス大学リオグランデバレー校のインターネット接続用の光ケーブルが設置されているという。

大規模発電所と定期的なロケット打ち上げの両方を支えるのに十分な天然ガスをトラックで運ぶのは、かなりの大仕事になる。TechCrunchが話を聞いたあるエンジニアによると、毎年タンカーで何千回もの運搬が必要になるという。

2021年初めにブルームバーグが最初に報じたように、SpaceXは自らガスを掘削することに興味があるとさえ表明している。同社は、放置された複数のガス井の所有権をめぐる争いの中で「SpaceXには、輸送やガス市場への販売に依存しない、異なる経済的な動機で天然ガスを利用する独自の能力があります」と記している。

SpaceXがどの方法を選択するかにかかわらず、環境への影響はPEAで開示されるべきだったとパレントー教授はいう。

「メタンは非常に強力な温室効果ガスです。裁判所は、メタンが絡むプロジェクトを誰かが提案する際には、ガス井、パイプライン経由の輸送、ガスが燃やされる下流での影響までを考慮しなければならないとしています」。

スターベースについて調査している環境エンジニアのブログによると、PEAでは、熱酸化装置、アンモニア貯蔵タンク、ガスフレア焼却装置など、ガス発電所やガス処理施設によくある設備についても言及していない。これらはすべて、二酸化炭素排出量や大気汚染など、環境に影響を与える。

FAAは次のような声明を出した。「評価書の草案は、米国家環境政策法など適用される環境関連法令を順守して作成されました」。

SpaceXはコメントの要求に応じなかったが、マスク氏は米国10月7日木曜日に開催されたTesla(テスラ)の株主総会で、同社の化石燃料への依存について触れた。「人々は炭素税がテスラの利益になると言っています」と同氏は発言した。「私は、『それはそうですが、SpaceXには不利です』と言いました」と述べた。そして、大気中のメタンは最終的に二酸化炭素に分解されることを指摘した。「メタンのことはあまり気にしなくていいです」と締めくくった。

ガス発電所の正確な位置は不明だが、広さは約5.4エーカー(約2万2000平方メートル)、高さは最大150フィート(約46メートル)の構造物で、昼夜を問わず1年を通して連続して稼働する。また、PEAによると、小規模(1メガワット)の太陽光発電所もあり、SpaceXはそれを拡張したいと考えている。

同社がガス発電所を必要としているのは、新しい海水淡水化プラントを稼働させるためだ。このプラントでは、打ち上げ時の防音や消火のために、年間数百万ガロン(数百万リットル)もの真水を生産する。また、空気から液体酸素を作るために、大量の電力も必要となる。

適用される連邦規則はNEPAだけではない。パレントー教授と別の専門家によると、250メガワットの発電所は通常、米大気浄化法の下で、重要な新規大気汚染源として認定される。そうなれば、長期にわたる環境審査が別途必要とされる。

「NEPAが制定されてから50年以上が経過しているにもかかわらず、このようなことをする機関があるとは驚きです」とパレントー教授はいう。「誰も気づかないことを期待しているのではないでしょうか」。

11月1日にパブリックコメント期間が終了すると、FAAは最終版のPEAを発行し(安全性に関する発見事項を付す可能性はある)、SpaceXに許可を出すか、あるいは通常は数年を要する、より詳細な環境影響評価書(EIS)を作成する意向を表明する。

最終版PEAがNEPAや大気浄化法の要件を満たしていなければ、地元のコミュニティや環境団体がFAAにEISの作成を求める訴訟を起こし、スターシップの軌道への打ち上げがさらに遅れる可能性がある。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Mark Harris、翻訳:Nariko Mizoguchi

NASAが「空飛ぶタクシー」目指すJoby製eVTOLの飛行試験、新たな空の交通基準策定に向け性能・騒音など情報収集

NASAが「空飛ぶタクシー」目指すJoby製eVTOLの飛行試験開始、新たな空の交通基準策定に向け性能・騒音など情報収集

Bradley Wentzel / Joby Aviation

NASAがJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)が開発する電動垂直離着陸機(eVTOL)の飛行試験を開始しました。この試験は8月30日から9月10日にかけて行われこの試験機が安全に安定した飛行を行うかを確認し、各種データを収集します。

Jobyは2009年創業のeVTOL企業で、NASAのAdvanced Air Mobility(AAM) と称するキャンペーンに参加する企業のひとつ。AAMキャンペーンは都市近郊や地方の地域環境における新たな旅客および貨物輸送の市場を開拓することをことを目的とし、農村部または都市部での半径約50マイル(約80.5km)のローカル輸送、または最大数百マイルの地域内輸送をそのミッションに含みます。

NASAがeVTOL機の試験を行うのは今回が初めて。この試験飛行では、機体の性能や騒音に関するデータを収集、シミュレーションを通じて現在の航空規制および政策とのギャップを特定し、将来の空域利用のコンセプトを形成することを目標とします。わかりやすくいえば、ヘリコプターやその他の化石燃料を利用する輸送手段に比べてどの程度優れているかを計ろうということです。

NASA AAMキャンペーンの指揮をとるDavis Hackenberg氏は「キャンペーンの開発テストは、AAM産業のタイムラインを加速させるというNASAの目標において、重要な戦略的ステップ」だとし「テストシナリオは、現在の標準のギャップを知るために役立ち、いつかAAM機を空域利用に統合して業界に進歩と利益をもたらす」と述べています。

なお、NASAはJoby以外のeVTOL企業とも同様のテストを実施することを計画しています。またNASAはこのキャンペーンで得た情報をもって連邦航空局(FAA)に助言を提供することを考えています。

ちなみおにNASAは以前Uberが行っていたエアタクシー事業計画についてデータ共有契約を締結していました。しかしUberは収益改善のためこの計画を手放すことになり、2020年12月にJobyへとこの事業を売却しました。

Jobyやその他のeVTOL企業は、最終的にFAA認定を取得し、商業運航を目指していますが、それには様々な法規制や安全性、信頼性の面で越えなければならない問題がまだたくさんあり、早くても数年の時間がかかると見積もられています。Jobyは、2024年にエアタクシーサービスが開始できることを望んでいます。それが実現できるかはまだわかりませんが、今回のAAMキャンペーンによる試験飛行は、今後に向けた重要な一歩になるかもしれません。

(Source:NASAEngadget日本版より転載)

ヴァージン・ギャラクティック初の商用フライトは7月の事故原因調査のためFAAが飛行停止に

先の記事で、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)初となる商用飛行は2021年9月だと報じた。

早とちりしてしまったのかもしれない。米国時間9月2日午後、米連邦航空局(FAA)は、7月11日に行われたVirgin Galacticの有人飛行に関する調査結果が出るまで、追って通知があるまですべての同社を飛行停止にすると発表した。

「Virgin Galacticが最終的な事故調査報告書を承認するか、事故に関する問題が公共の安全に影響しないと判断するまで、SpaceShipTwoをフライトに戻すことはない」とFAAは述べている。

7月11日のミッションは、同社の億万長者で創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏を含むスタッフとクルーに負傷なく完了したが、最近になって、スペースプレーンが許可された空域外で軌道を逸脱していたことが明らかになっている。

飛行時にスペースプレーンのダッシュボード上の赤い警告灯が点灯し、計画軌道を外れたことをを示した。FAAの発表によると、スペースプレーンは合計1分41秒間、軌道を外れて飛行した。その航路逸脱はThe New Yorkerが最初に報じた。

さらに規制当局は「FAAには商用宇宙輸送の打ち上げと再突入操作の際に、一般市民を保護する責任を負っています。FAAはニューメキシコ州スペースポート・アメリカ上空で起きた7月11日のSpaceShipTwoの事故について、Virgin Galacticによる調査を監督しています。SpaceShipTwoはスペースポート・アメリカへの帰還時に、航空管制の許可を逸脱しました」。

調査が完了しその結果次第では、9月に予定されていた初の商用飛行は地上に留まるかもしれない。その飛行はイタリア空軍と全米研究評議会のメンバーを宇宙の端っこに送って、微小重力への移行が人体に与える影響を研究することになっている。しかしそれまでは、リチャード・ブランソン氏の超音速機企業は「地上待機」となる。

【更新】Virgin Galacticの広報はTechCrunchに対して、同社はFAAと協力して問題解決に努めてきた、と語った。声明の全文は以下のとおりだ。

以前もお話したように、私たちはFAAとのパートナーシップにより、宇宙船がUnity 22の飛行の間に、許された高度の下へ落ちた短い時間について調べている。私たちはこの問題を真剣に捉え、目下その原因を究明するとともに、将来のミッションにおける再発を防ぐ方法を模索している。飛行の最終的な軌道は最初の計画から逸脱したにもかかわらず、制御され意図された飛行経路によりUnity 22は、宇宙への到達と、ニューメキシコの私たちのSpaceportへの安全な着陸に成功した。この軌道の変化により乗客とクルーが何らかの危険に置かれた時間はゼロであり、宇宙船が人口密集地区の上空を航行したことや、一般の人たちに危害を及ぼした時間もゼロであった。その飛行の間にはFAAの代表者が機の制御室に同席し、飛行後の報告会見にも同席された。

画像クレジット:Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic/Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米連邦航空局はヴァージン・ギャラクティックの何年にもわたる宇宙船降下時の異常事態について調査中

米連邦航空局(FAA)は、Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏を宇宙へと運んだVirgin Galactic(ヴァージンギャラクティック)のフライト中の異常について調査している。特定のフライトだけでなく、同社の何年にもわたる安全に関するさまざまな問題を論じている記事の中で、The New YorkerはVirginの宇宙船が降下中にコースを逸れ「エントリーグライドコーン警告」が出た、と説明している。宇宙船はグライドコーン法を使っていて、これは水が円を描きながら排水溝を流れるように着陸する。明らかにこのミッションのパイロットは本来の角度で飛行せず、システムが警告を出す事態となった。

FAAの広報担当はロイターに対して「Spaceport Americaに戻る際、宇宙船が航空交通管制の許可から逸脱」し、この事案を調査中であることを認めた。FAAは、商業航空機との衝突を回避し、事故が起こった場合に民間人の死傷者数を最小限にするためにVirginの宇宙船に指定空域を通る許可を与えている。VirginのUnity 22ミッションは、パイロットがコースを修正する前の1分41秒間、指定空域から外れて飛行した。

The New Yorkerの記事の筆者、Nicholas Schmidle(ニコラス・シュミドル)氏は、数年前にミーティングに出席した際、Unity 22フライトと同じパイロットが、エントリーグライドコーン警告の赤いライトは「縮みあがらせる」と語った、と書いた。明らかにそれは手遅れを意味し、最も安全な策は試みを中断することだ。しかし記事掲載後に出した声明文の中で、Virgin Galacticは記事中の「誤解を招く描写と結論に異議を唱えます」と主張し、フライト搭乗者が飛行偏差で危険にさらされることはありませんでした、と述べた。声明は次の通りだ。

宇宙船が高高度で軌道を変えた風に遭遇したとき、パイロットとシステムはミッションのパラメータ内にとどまっていられるようモニターしました。当社のパイロットはこうした飛行状況の変化に、まさに訓練した通りに、そして確立された手順に厳密に従って適切に対応しました。フライトの最終的な軌道は当初の計画からそれましたが、管理された意図的な飛行経路であり、Unity 22は無事に宇宙に到達してニューメキシコにある当社のSpaceportに安全に着陸することができました。この軌道変更で搭乗者とクルーが危険にさらされることはありませんでした。

同社はまた、宇宙船は想定していた高度を下回って飛行したが、宇宙空間の横方向の制限外には飛行しなかった、とも述べた。そして「今後のフライトの空域に対処するためにFAAと提携して取り組んでいるとも付け加えた。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏はEngadgetの共同編集者。

画像クレジット:Virgin Galactic

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

ロケット企業Astra初の商業軌道打ち上げに米規制当局がゴーサイン、8月末にデモミッション

ロケット打ち上げ企業のAstra(アストラ)は、米国航空局(FAA)から重要なライセンスを取得し、2021年8月末に予定されている同社初の商業軌道打ち上げにゴーサインが出た。

AstraのChris Kemp(クリス・ケンプ)CEOはこのニュースを米国時間8月19日にツイートし、FAAからの打ち上げオペレーターライセンスは2026年まで有効であると付け加えた。同社の広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、この新しいライセンスは、同社が以前に取得した打ち上げライセンスを変更したもので、同社の現行バージョンのロケットに適用されるという。

FAAのウェブサイトに掲載された同ライセンスは、Astraがアラスカ州コディアックのPacific Spaceport Complex(PSCA、旧Kodiak Launch Complex / コディアック打上げ基地)にある同社の発射台から、Rocket v3の飛行を行うことを許可するものだ。期限は2026年3月9日まで。これにより、Astraは現地時間8月27日に米国宇宙軍のためにデモンストレーションミッションを実施することが可能になり、2021年後半に予定されている2回目の打ち上げにも道が開かれた。

2021年は、Astraにとって躍進の年になりそうだ。8月27日に初の商業軌道打ち上げを行うだけでなく、同社はNASDAQでティッカーシンボル「ASTR」での取引を開始した。同社は、特別目的買収会社(SPAC)であるHolicityと、プロフォーマの企業価値21億ドル(約2305億円)で合併し上場した。

2021年の夏の初めには、Astraは宇宙空間推進システム企業のApollo Fusionを買収した。電気推進システムは物体を低軌道から高軌道に移動させるのに有効であるため、この買収は、Astraが将来の打ち上げについてどのように考えているかを示すヒントとなるかもしれない。

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画像クレジット:Astra / John Kraus

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

米連邦航空局がヴァージン・ギャラクティックの商業宇宙旅行を許可

米国連邦航空局(FAA)は、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)に、同社の宇宙船「VSS」で民間人を宇宙へ運ぶ商業宇宙旅行を開始する許可を与えた。これは、プロフェッショナルのテストパイロットや宇宙飛行士を、同社のスペースプレーンで宇宙へ輸送することを許可していた既存のライセンスを拡大したものだ。このライセンス更新に先立ち、ヴァージン・ギャラクティックは2021年5月22日に、試験試験を成功させている。

今回の認可取得は、ヴァージン・ギャラクティックにとって、初の公式な「スペースライン」(宇宙のための航空会社)として事業運営を行う道が開かれたことを意味する。同社は旅行者や研究者のために、宇宙への準軌道飛行を定期的なサービスとして提供することを目指している。その約2時間の旅の間に、顧客は外から地球を眺めたり、数分間の無重力状態を体験することができる。

FAAの承認は大きな一歩だが、ヴァージン・ギャラクティックが実際に商業宇宙旅行の定期便を運行開始する前にクリアしなければならない最後の一歩というわけではない。その前に、同社は残りの3つの試験飛行を完了させる必要がある。それはヴァージン・ギャラクティックの宇宙船とその輸送用航空機が、初めて全定員を乗せて行う飛行だ。Michael Colglazier(マイケル・コルグラジエ)CEOによると「2021年の夏」に1回目のフライトを行うことを目標としているという。

2021年6月初めのParabolic Arc(パラボリック・アーク)の報道では、ヴァージン・ギャラクティックの創設者であるSir Richard Branson(リチャード・ブランソン卿)が次の試験飛行で搭乗する可能性があり、それが早ければ7月4日の週末に行われるかもしれないと伝えられていた。これは、ブランソン卿のロケット乗りとしてのライバルである億万長者Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏よりも、早く宇宙へ行けるということを意味する。ベゾス氏は7月20日に、自信が創設したBlue Origin(ブルーオリジン)のNew Shepard(ニューシェパード)宇宙船に搭乗する予定だ。ヴァージン・ギャラクティックは、次の試験飛行の時期を公式には発表していないが、情報筋によれば、Parabolic Arcの報道は誤りであるとのこと。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galactic民間宇宙飛行米国連邦航空局(FAA)

画像クレジット:Virgin Galactic

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米航空局がRocket Labに打ち上げ再開の許可、ミッション失敗から1カ月足らずで

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は、20回目となるElectron(エレクトロン)打ち上げミッションが第2段燃焼中に失敗しペイロードを失った後、早くも米国連邦航空局(FAA)から打ち上げ活動再開の認可を得た。これはRocket Labの安全システム設計に対する信頼の表れであり、異常に遭遇してもすべてが意図した通りに機能したこと、つまり、ミッションが失敗したものの、地上の乗組員や一般の人々、他の軌道上の物体にリスクを与えることなく、安全に行われたことを意味している。

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だからといって、Rocket Labが実際すぐに打ち上げを再開するわけではない。FAAは今回の事故後も既存の打ち上げライセンスが有効であると判断しているが、Rocket Lab自身は原因究明調査を続けていく予定だ。Rocket Labの創業者兼CEOであるPeter Beck(ピーター・ベック)氏は、第2段エンジン停止の原因究明のための継続的な取り組みを「複雑で重層的な故障分析」と称しているが、すでにテストでエラーを再現していることにも言及した。

今後は、一連の出来事を正確に把握し、何が原因で安全装置が自動的に停止したのかを解明することに集中するという。この作業は「数週間以内」に完了する予定で、その時点で活発な飛行活動の再開を進めることになる。

Rocket Labは今回のアップデートで、2020年7月に発生した以前のミッションの失敗については言及していない。その際の異常は最終的に電気的な接続不良によるものと結論づけられたが、第2段エンジンの安全停止という同様の結果になった。

ただし、同社が打ち上げ後に回収したElectronロケットの第1段から得られた情報によると、その部分は計画通りに進行したことが確認されている。Rocket LabではElectronロケットの1段目ブースターの再利用性を高めようとしており、今回は新たに大気圏再突入と着水のプロセステストを実施し、そちらはスムーズに進んだ。また、今回のフライトで使用された新しいヒートシールドは意図した通りに機能したとし、今後は回収した第1段エンジンでエンジン燃焼試験(hot fire test、ホットファイア)を行い、その性能を確認する予定だという。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Rocket LabElectron米国連邦航空局(FAA)

画像クレジット:Rocket Lab

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

ドローンのためのデジタル道路を構築・管理するAirspace Linkが約11億円調達

Airspace Link(エアスペース・リンク)はシリーズAラウンドで、Altos Ventures(アルトス・ベンチャーズ)、Thales(タレス)などから1000万ドル(約11億円)の資金を調達したと、米国時間5月27日に発表した。ミシガン州デトロイトを拠点とするこのスタートアップ企業は、この追加資金を米国内におけるサービスの拡大と海外進出に充てる予定だ。

Michael Healander(マイケル・ヒーランダー)CEOは、同社が空域をまだ決定的な規制がなされていないデジタルインフラとして捉えていると説明する。「今日、道路には法規や規制があります」と、同氏は語り、この会社がドローンのためのデジタルの道路を構築し、管理していると説明した。Airspace Linkの斬新なプラットフォームは、ドローン事業者と地域社会の懸念を解消し、パイロットが地域の空域規制を遵守しながら安全に飛行できるようにするものだ。

Airspace LinkのAirHubは、国や地方自治体のニーズと、パイロットがすでに使用している運用計画ツールの融合に特化した業界初のクラウドベースのドローンプラットフォーム(画像クレジット:Airspace Link)

Airspace Linkはドローンの運用計画ツールを提供しており、その中には開発者がAirspace Linkのデータをサードパーティのプラットフォームに組み込むことを可能にするAPIアクセスも含まれる。同社のシステムは、FAA(米連邦航空局)のLAANC(低高度認可および通知機能)に準拠しているため、パイロットは飛行が制限されている空域でドローンを飛ばすための申請を行うことができる。Airspace Linkは、このサービスを提供するFAA承認企業7社のうちの1社だ。

今回のシリーズAの資金調達により、同社はできるだけ多くの交通機関グループと統合することを目指すと、ヒーランダー氏は語っている。

マイケル・ヒーランダー氏と、Daniel Bradshaw(ダニエル・ブラッドショー)氏、Ana Healander(アナ・ヒーランダー)氏が、2018年にデトロイトで設立したこのスタートアップでは、20人のフルタイムスタッフが働いている。プレスリリースによれば、同社は米国内の40以上の政府機関や自治体とパートナーシップを結んでいるという。今後はオーストラリアやカナダへの進出も視野に入れている。

ヒーランダー氏によると、Airspace Linkが市場の競合他社と異なる点は、自治体が使用しているマッピングツールと統合し、地上のリスクに関する情報を提供していることだという。

「当社の主要な目的は、ドローンを国の領空や地域社会と大規模に安全に統合させることです」と、ヒーランダー氏はいう。「共有される中立的で安価な無人飛行システムのインフラを構築し、ドローン経済への道を開くという、我々のビジョンに参加してくださったAltos VenturesとThalesに感謝します」。

Airspace Linkはヒアランダー氏が起ち上げた最も新しい企業だ。同氏は以前、屋内GPSトラッキングを提供するGeoMetri(ジオメトリ)という会社を設立し、Acuity Brands(アクイティ・ブランズ)が同社を買収した。

Airspace LinkのシリーズAラウンドは、Altos Venturesが主導し、航空交通管理システムのグローバルリーダーであるThales、以前から投資していたIndicator Ventures(インジケーター・ベンチャーズ)、2048 Ventures(2048ベンチャーズ)、Ludlow Ventures(ラドロー・ベンチャーズ)、Matchstick Ventures(マッチスティック・ベンチャーズ)、Techstars(テックスターズ)、Dan Gilbert(ダン・ギルバート)氏のDetroit Venture Partners(デトロイト・ベンチャー・パートナーズ)が参加した。

「無人航空機システム(UAS)の利用が拡大する中、地域コミュニティ周辺で安全に低空飛行を行うためには、空域管理に空と地上の両方の情報を組み合わせる必要があります」と、Thalesのエアスペース・モビリティ・ソリューション・アメリカ担当バイスプレジデントであるTodd Donovan(トッド・ドノバン)は述べている。「当社の空域管理に関する深い知識と、Airspace Linkの地理空間情報に関する専門知識は、この複雑な課題に取り組むための完璧な組み合わせです」。

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カテゴリー:ドローン
タグ:Airspace Link資金調達FAA

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(文:Matt Burns、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米国連邦航空局がスペースXのStarshipのテストを3回分承認、早ければ今週打ち上げ

SpaceX(スペースX)はStarship宇宙船のテストと開発プログラムのペースを順調に維持しているが、米国時間4月29日午後、米国連邦航空局(FAA)よりテキサス州ボカチカの発射場から3回のテスト飛行を行う許可を得た。これまでの打ち上げテストの承認は単発的なものだったが、FAAは声明の中で「スペースXはロケットにほとんど変更を加えておらず、FAAが承認した一般の人々のリスクを計算する方法論にもとづいている」ため、一括して承認すると述べている。

スペースXは早ければ今週にも試験用StarshipのSN15を打ち上げる予定だが、その際にはFAAの検査官がボカチカの施設に立ち会うことが条件となる。FAAは米国時間4月29日到着予定の検査官を派遣したと述べており、今後数日のうちに打ち上げを試みる可能性が開けるかもしれない。

スペースXがボカチカから最後に試験飛行を試みたのは、2021年3月末に行われたSN11の打ち上げだった。約3万フィート(約9キロメートル)の高度までの最初の上昇とフリップマヌーバに成功した後、動力着陸を制御するラプターエンジンの1つにエラーが発生して爆発するという最悪の結末を迎えた。

FAAは次の3回のテストの認可に関する声明の中で、SN11で起きたこととその不幸な結末についての調査はまだ進行中であると指摘したが、それでもFAAは問題に関連する公共の安全上の懸念が緩和されたと判断したと付け加えた。

3回の打ち上げ許可にはSN15に加えてSN16、SN17の飛行が含まれているが、FAAはSN15の打ち上げで新たな「災難」が発生した場合には、次の2回の飛行では実際に離陸する前に追加の「修正措置」が必要になる可能性があると指摘している。

スペースXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、Starshipの開発で同社が追求している反復とテストの迅速なペースに対して、FAAが十分な柔軟性と対応力を持っていないと批判していた。一方で米連邦議会の議員らは、FAAがStarshipの初期のテスト事故を独自に調査するにあたって、必要なほど徹底していなかった可能性があると示唆している。しかし、最終的に公共の安全に対する影響がないことは、これまでの同計画が成功していることを示していると政府は主張している。

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カテゴリー:宇宙
タグ:FAASpaceXStarship

画像クレジット:SOPA Images / Contributor / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

自動操縦フライトスタートアップのXwingが約43.5億円の資金を調達

Xwingのデモ飛行中、安全パイロットは操縦桿から手を離している(画像クレジット:Xwing)

Xwing(エックスウイング)は、商用貨物輸送機によるゲート・ツー・ゲートの自動操縦デモンストレーション飛行を初めて成功させてから2カ月後、もう1つの成功を収めた。同社は米国時間4月15日、4000万ドル(約43億5000万円)の資金を調達したと発表した。

同社はこの資金を使って、エンジニアリングチームを3倍に増やすだけでなく、最終的には完全に無人の商用貨物輸送機を定期的に飛行させることも視野に入れ、事業の拡大を目指している。

Xwingは、広く使われているCessna(セスナ)の「Grand Caravan 208B(グランドキャラバン208B)」などの航空機を、自動操縦で飛ばすための技術を開発してきた。しかし、それにはまず「知覚の問題、計画の問題、制御の問題」といういくつかの問題を解決しなければならなかったと、創業者のMarc Piette(マーク・ピエット)氏は説明する。これらの問題を解決するために、同社は一連のソリューションを考え出した。LiDAR、レーダー、カメラを飛行機に搭載し、舵やブレーキなどを制御するサーボモーターに改造を加え、これらすべてを適切に連携させることで、飛行機が空間内で自分の位置を理解し、自律的に飛行することを可能にした。

同社のAutoFlight(オートフライト)システムは、すでに200回近くのミッションをこなしているが、これらのフライトでは、安全のために人間のパイロットも同乗している。また、コントロールセンターには地上管制官が常駐し、自律飛行する航空機と人間の航空管制官との間を取り持つ役割を担う。

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「私たちは、自然言語処理を行ってコンピューターが管制官に応答するというような、(管制官との通信を)自動化することは想定していません」と、ピエット氏はいう。「安全性が最重要視されるアプリケーションでは、そのような方法は有用ではないと考えています。私たちが取っている方法は、航空機に代わって航空管制官と会話できる地上オペレーターを管制室に配置することです。これなら航空管制官にとってなんの障害もありません。管制官にしてみれば、航空機に乗っているパイロットと話すのと変わりませんから」。

画像クレジット:Xwing

自動操縦飛行に関しては、Xwingは米連邦航空局から研究開発用の実験的耐空証明書を取得しており、2020年8月にはOPA(optionally piloted aircraft、操縦士による操縦をオプションで可能とする航空機)用の特別飛行許可も取得している。

同社では、最終的には人間のパイロットを乗せずに飛行することも検討しているが、それは完全な安全の冗長性が確保されてからでなければならないと、ピエット氏は付け加えた。そのためには、すべてのセンサーやコンピューターシステムの冗長性を確保する必要がある。飛行機に乗る私たちにとって幸いなことに、商業航空の安全レベルは非常に高い。それは、航空スタートアップに求められる耐空性基準が高いことを意味する。XwingがターゲットとしているようなクラスIIIの小型航空機は、致命的な故障のリスクが1億飛行時間あたり1回以下であることを証明しなければならない。

Xwingの活動は、投資家からの注目も集めている。今回の資金調達ラウンドは、Blackhorn Ventures(ブラックホーン・ベンチャーズ)が主導し、ACME Capital(アクム・キャピタル)、Loup Ventures(ループ・ベンチャーズ)、R7 Partners(アールセブン・パートナーズ)、Eniac Ventures(エニアック・ベンチャーズ)、Alven Capital(アルブン・キャピタル)、Array Ventures(アレイ・ベンチャーズ)が参加。今回のラウンドを含め、同社はこれまでに総額5500万ドル(約60億円)の資金を調達している。

自動操縦飛行はXwingの事業活動の一部に過ぎない。同社は2020年12月1日に締結された大手物流会社との契約に基づき、有人による商業貨物輸送機の運航も行っている。

「私たちは、事実上の航空会社を設立したのです」と、ピエット氏はいう。Xwingは航空機にセンサーを取り付けてデータを収集することで、貴重な飛行時間を訓練アルゴリズムに反映させたり、パイロットが管制官と交信する頻度や航空機が受ける指示の種類などの有用なデータを収集している。

Xwingは事業の拡大と並行して、今後12カ月の間に従業員の大幅増員も予定している。技術面では、米連邦航空局から実験的な許可と免除を受け、人間の安全パイロットを同乗させた自動操縦による商業貨物便の運行を目指している。このマイルストーンも、今後12カ月以内に達成できるだろうと、ピエット氏は述べている。その後は人間のパイロットを外すことも検討しているが、その場合も空域における移動の制限を完全になくすためには、システムが認証を受ける必要がある。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Xwing自動運転資金調達FAA

画像クレジット:Xwing

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NASAと米連邦航空局もSolarWinds製品を使った大規模ハッキングで被害に遭ったとの報道

米国政府機関や民間企業を狙ったスパイ活動の一環として、ハッカーが米国の宇宙機関NASAと米連邦航空局のネットワークに侵入したと報じられた。

この2つの機関は、米国時間2月23日にWashington Post (ワシントン・ポスト)から名指しされた。その数時間後、トランプ前政権が「ロシア起源の可能性が高い」といっていた広範囲のサイバー攻撃を調査することを任務とする上院情報特別委員会の公聴会が行われた。

関連記事:FBIとNSAが米連邦機関で進行中のハッキングは「ロシア起源の可能性が高い」と述べる

NASAの広報担当者はこの報道に異議を唱えなかったが、「進行中の調査」を理由にコメントを拒否した。連邦航空局(FAA)の広報担当者はコメントを求められても答えなかった。

NASAとFAAは、サイバー攻撃を受けたことが確認された9つの政府機関のうち、名前が明かされていなかった残る2つの機関であると考えられている。他の7つの機関は、米商務省、米エネルギー省、米国土安全保障省、米司法省、米国務省、米財務省、米国立衛生研究所だが、攻撃者がこれらの機密ネットワークに侵入したとは考えられていない。

攻撃の一環として侵害された数多くのサイバーセキュリティ企業の中には、FireEye(ファイア・アイ)、Microsoft(マイクロソフト)、Malwarebytes(マルウェアバイト)が含まれる。

バイデン政権は、ロシアに対する制裁措置を準備していると報じられているが、その大部分はこの大規模ハッキングが原因であるとワシントン・ポストは報じている。

このハッキング攻撃は、2020年12月に自社のネットワークを侵害されたFireEyeが警鐘を鳴らしたことで発覚した。被害に遭った企業・機関はいずれも、米国のソフトウェア会社であるSolarWinds(ソーラーウィンズ)の顧客だった。同社のネットワーク管理ツールは、連邦政府やフォーチュン500社で広く使用されている。ハッカーは、SolarWindsのネットワークに侵入し、同社のソフトウェアにバックドアを仕かけた。そして汚染されたソフトウェアの更新で顧客のネットワークに仕込まれたこのバックドアを利用して侵入した。

だが、侵入の手口はそれだけではなかった。ハッカーたちは、被害者のネットワーク上にある機器や装置に侵入することで他の企業を狙ったり、Microsoftのベンダーを標的にして他の顧客のネットワークに侵入しようとしたとも言われている。

2021年1月にホワイトハウスの国家安全保障会議に昇格し、サイバーおよび新興技術担当の国家安全保障顧問補佐官に就任した元国家安全保障局サイバーセキュリティ責任者のAnne Neuberger(アン・ノイバーガー)氏は先週、この攻撃が「計画と実行に数カ月を要した」ものであり、「一層ごとに解明していくには時間がかかるでしょう」と述べている。

関連記事:新型コロナワクチン研究を狙う海外のハッカーと米国家安全保障局はどのように戦っているのか

カテゴリー:セキュリティ
タグ:NASAFAAハッカー

画像クレジット:Joshua Roberts / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FAAが超音速機の商業飛行再導入に向けたフライトテストに関する規則を発表

米国連邦航空局(FAA)は超音速機の商業飛行の再導入へと道を開くための新たな最終規則を発表した。FAAは超音速機の飛行試験の承認を得ようとしている企業のためのガイダンスを提供しており、これにはサブスケールの超音速機のプロトタイプを完成させ、2021年中に飛行試験を開始したいと考えているBoom Supersonicのようなスタートアップも含まれている。

Boom Supersonicは5000万ドル(約52億円)の資金調達ラウンドの最終段階にあり、これまでの資金調達は約1億5000万ドル(約150億円)に達し、超音速デモンストレーターのXB-1を2020年10月に発表している。このテスト機は同社の超音速旅客機ことOvertureよりも小型だが、飛行に関する基本技術の実証に使用され、その後にBoomが提携航空会社と2025年の共同展開を目指しているOvertureの開発に利用される。

Hermeusを含む他のスタートアップ(未訳記事)も、商業利用のための超音速機を開発している。一方、SpaceX(スペースX)やVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)のような宇宙飛行に焦点を当てた他の企業は超音速飛行だけでなく、地球の大気圏外縁部での飛行を含むポイントツーポイント飛行でフライト時間を劇的に短縮し、長距離飛行をはるかに短いほぼ地域的な飛行に変える可能性を模索している。

FAAの規則の最終決定は、現在の米運輸長官のElaine Chao(イレーン・チャオ)氏がPete Buttigieg(ピート・バティジーグ)氏を次期大統領候補に選出するために退陣するときから水面下で準備されてきた。FAAの最終規則の全文はここで読むことができる。

関連記事:超音速旅客機の商用化を目指すBoom Supersonicがデモ機XB-1を披露

カテゴリー:モビリティ
タグ:FAA超音速機

画像クレジット:Boom Supersonic

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

米国の上空を飛ぶドローンは無線によるナンバープレート可読化を義務化

FAA(連邦航空局)が今日(米国時間12/28)、米国でドローンを操縦する者の新しい規則を2つ発表した。まず第一は、待望のリモートIDだ。そのシステムは実質的に、無人航空機のデジタルナンバープレートのようなものとして機能し、機の位置を含む認識情報をブロードキャストする。

新しい規則の全文がここにある。要約すると、ドローンの運用者がこの規則に準拠する方法は以下の3つだ。

1. ドローンとコントロールステーションの識別情報と位置情報をブロードキャストする標準のリモートIDドローンを運用する。
2. リモートIDのブロードキャストモジュールのあるドローンを運用する。それは識別情報と位置情報と離陸情報をブロードキャストし、モジュールは後付のデバイスでもよい。
3. FAAの認識領域でリモートIDなしでドローンを運用する。

規則が増えて気に入らない人もいると思うが、実用されているドローンの台数は今急速かつ膨大な量で増えているから、規則の導入は当然だ。FAAによると、米国内で登録されているドローンは170万台以上あり、ドローン操縦者の免許は約20万3000名が保有している。とくに商用目的のドローンが増えているから、今後台数は雪だるま式に増えるだろう。

重要なのは、FAAが新しい規則を米国におけるドローンの普及を加速する方法と見なしていることだ。FAAの行政官Steve Dickson氏が、このニュースに付随するリリースでこう述べている: 「新しい規則は安全性とセキュリティの懸念に対応することによって、ドローンをわが国の空域に今後さらに導入することを可能にする。それにより、荷物の配達用などでドローンをもっと日常的に目にする日が近いだろう」。

もう一つの新しい規則は、「人びとの頭上や夜間の運用」に関する規則だ。それは文字通り、人びとがいる場所の上空や夜間の飛行について規制する。この規則は、重量250グラム以下のドローンなど、対象が何段階かに分かれている。

規則によると、「小型の無人航空機は衝撃時に人間に生ずる傷が、25フィートポンドの運動エネルギーが剛体物から加わったときの傷以上の重度であってはならない。人間に当たったときに皮膚に傷が生ずるような、回転部品が露出していてはならない。そのほかの、安全上の欠陥があってはならない」、という。

ドローンが夜間飛行するためには、3マイル(約5km)先から見える衝突防止ライトを、正常な機能状態で装備しなければならない。規則の公表は来月、発効は60日後となる。ドローンのメーカーは、1年半以内に全機をリモートID装備にしなければならない。8月にFAAはAmazon(アマゾン)に、ドローンによる配達の試行を認可した

関連記事: 米国の禁輸リスト入りしたDJIのプロダクトの米国内販売は継続の見込み

画像クレジット: Richard Newstead/Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ドローンが視覚的に障害物を避ける技術でFAA規制の壁を乗り越えるIris Automationが約13.5億円調達

ドローンが日常の物流インフラの要になるのはいまや時間の問題だが、現時点からそこまで行く間には、まだ大きな障壁が残されている。特に規制の壁は大きい。Iris Automation(アリス・オートメーション)は、無人飛行の標準規格づくりに関連する規制上の難題を解決に導くコンピュータービジョン製品を開発している。そこには、さまざまなカメラに幅広く対応できる障害物を検知して回避する同社の技術が活かされている。このほどIris Automationは、シリーズB投資ラウンドで1300万ドル(約13億5000万円)を調達し、その資金を技術の改良と発展、そして規制当局との協力による効果の実証実験に役立てようとしている。

Iris AutomationのCEOであるJon Damush(ジョン・ダマシュ)氏と、Iris Automationに投資を行っているBessemer Venture Partners(ベサマー・ベンチャー・パートナーズ)副社長Tess Hatch(テス・ハッチ)氏に、今回のラウンドと同スタートアップの今後と目標について話を聞いた。2020年の初めにCEOを引き継いだダマシュ氏は、Boeing(ボーイング)勤務時代の経験、パイロットとしての個人的な体験、そして、商用UAV業界に爆発的成長のステージを整えた小型で安価、かなり入手しやすくなった電動モーター、バッテリー、強力なコンピューターモジュールの出現が航空業界に与えるインパクトに関して語ってくれた。

「航空宇宙の世界に50年間存在していた障壁を、私たちはいくつも打ち破ってきました。以前ではあり得なかったほど簡単に、航空機を作れるようにした製造ツールの真の民主化が始まったからです」とダマシュ氏はいう。「そうした状況から、また人をコクピットに乗せずに飛ばせるようになったことから、課題がいくつも生まれています。中でも、規制環境の問題です」。

米連邦航空局(FAA)も、世界中のほとんどの航空宇宙規制当局も、商用飛行に関する規制を基本的に2つの大きなくくりに分けているとダマシュ氏は説明する。1つは操縦、つまり飛行中に行う即時的な行為に関するもの。もう1つはパイロットに関するものだが、これを無人航空機に適用しようとすると、非常に厄介なことが起きる。

「最大の課題の1つは、91.113bと呼ばれる規制に関するものです。そこには、許された気象条件では、航空機に搭乗しているパイロットが他の航空機を目視し回避する全責任を負うという条文があります。これは3マイル離れろ、5マイル離れろ、1マイル離れろといった分離標準とは違います。パイロットは最後の砦であり、セイフティーネットなのです。安全な飛行のための危険緩和策がほぼすべて失敗したとき、他の誰かとぶつからないためにパイロットが乗っているということです」。

そこでIrisの出番だ。光学カメラをベースにした障害物回避システムで、パイロットが乗っていない航空機の最後の砦の役割を実質的に代行する。そしてこれが、現在の商用ドローン規制環境における最大の制限因子、つまり人間の目視を越えて航空機を飛行させる能力を実現する。障害物回避システムにより、オペレーターが常時目で観察していなくてもドローンを運用できることを意味する。一聴すると、この制約因子は長距離飛行に関わるものであるかに聞こえるかもしれないが、実際にはむしろボリュームの問題だとダマシュ氏は指摘する。常に人間の目視の範囲内でドローンを飛ばさなければならないという制約を取っ払えば、ドローン1機にオペレーター1人という体制から、何機ものドローンを1人のオペレーターが運用する体制に移行できる。そうして初めて、商用ドローン運送の規模の経済が実際に意味を持ってくる。

Irisは、2020年に総合パイロットプログラムの一環としてFAAに協力し、2つの異なる使用事例のデモンストレーションを行い、それを実現へ近づけた。また同社は、Casia(カシア)システムの2つめのバージョンを発表した。これは、非常に離れたところにあるオブジェクトの検知能力を持つ。ハッチ氏は、この2つが、追加投資でさらに出資を増やすBessemerの判断要因になったと指摘する。また、業界の需要や商用ドローン市場への信頼が、新型コロナウイルスに何らかの影響を受けたかを尋ねた。すると、それは特筆すべき重要因子であり、この業界の本質がそれによって変化し始めていると彼女は答えている。

「現在、最も大きな産業は農業と公安の2つです」とハッチ氏は私に話した。「公安は去年、上位に入っておらず、入っていたのは農業、建設、エネルギーでした。ドローン業界におて、公安は確実に重要な垂直市場になっています。誰かが心臓発作やアレルギー発作を起こしたときのことを想像してみてください。救急車が来るまでに平均で14分かかります。ドローンなら、数分でその人にAEDやエピペンを届けることができ、命を救えます。新型コロナの収束後も、この追い風が続くことを切に願っています」。

今回のシリーズB投資ラウンドには、Bee Partners(ビー・パートナーズ)、OCA Ventures(OCAベンチャーズ)、そして新規の戦略的パートナーとしてSony Innovation Fund(ソニー・イノベーション・ファンド)とVerizon Ventures(ベライゾン・ベンチャーズ)が参加している(自己開示情報。TechCrunchはVerizon Media Groupの子会社だが、その投資部門とは直接、間接いずれの関与も受けていない)。ダマシュ氏は、ソニーは大変に有望な戦略的価値をもたらしたと話す。なぜならソニーは、ドローン業界で利用されているイメージセンサーの膨大なスタックを開発しており、ドローンそのものも開発しているからだ。その一部として、Verizonも大規模なドローン運用の際に欠かせないネットワーク接続の分野で、重要なパートナーとしての可能性を提供している。

カテゴリー:ドローン
タグ:Iris AutomationFAA資金調達

画像クレジット:Iris Automation

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(翻訳:金井哲夫)

FAAが商用ロケットの打ち上げと再突入に関する規定を合理化

FAAが、宇宙への商用の打ち上げと再突入に関する規則を改訂した(FAAリリース)。それにより、大量の複雑な規制の集大成が整理され、わかりやすくなっている。ロケットの打ち上げは、その数も種類もプロバイダーも非常に多くなっているので、官僚主義を排することはきわめて有意義だ。

規則の中では、ロケット打ち上げ事業者のライセンス、個々の打ち上げと再突入計画の承認などが規定されている。ご想像のとおり、このようなルールはそもそも複雑なものでなければならず、急速に変化する業界に対応するために何年にもわたって断片的に組み立てられてきたものであればなおさらだ。

米国運輸省のElaine Chao(イレーン・チャオ)長官は、今回の改定を「歴史的な包括的な更新」と呼ぶ。4つの規制を統合し、免許と安全規則を一体化しながら、異なるタイプの事業者やオペレーションにも柔軟に対応できるようにしている。

FAAからのプレスリリースによれば、新規則で以下の条項だが許可される。

  • 単一の事業者の免許で複数の打ち上げと再突入ができる。それぞれの場所が異なっていてもよい。
  • 免許申請を段階的に行う場合の初期の部分的評価が可能。
  • 申請者は交渉と相互の合意により、提出と申請評価の期間を縮小できる。
  • 安全性承認の申請と事業者免許の申請を、以前のように個別ではなくまとめて行うことができる。
  • 重大事故防止機能のデモンストレーション方法の条件がやや緩くなった。
  • 状況によっては、打ち上げや再突入に際して近くに作業員などがいてもよい。
  • 地上の安全性監督の対象範囲を安全性のリスクに対してさらにフィットしたものにして、連邦サイトにおける要件と同一にする。国と民間での違いをなくす。

商業宇宙産業のリーダーたちと話をする中で、共通のテーマは規制の負担だ。規制を簡素化し、統一化するような改革は歓迎されるだろう。

実際の規制は数百ページにもわたる長い文書であり、免許を取得してロケットの打ち上げを始めるのはまだ難しい。しかしながら、少なくとも500ページもの書類を何セットも同時に対応しなければならないわけではない。

新しい規則は、連邦官報に記載するために提出されており、それが発生した90日後に発効する。これに加えて、FAAはパブリックコメントのためのアドバイザリーサーキュラーを発行する予定だ。これらの情報はこちらでご覧いただけます。これらの情報はここで確認することができる。

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カテゴリー:宇宙
タグ:FAA

画像クレジット: Rocket Lab

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Rocket Labが米国バージニア州の打ち上げ施設の5年間ライセンスをFAAから取得

ロケット打ち上げサービスのRocket Lab(ロケット・ラボ)は米国航空局(FAA)から重要なライセンスを取得(Twitter投稿)し、バージニア州ワロップス島にある米国拠点の施設から打ち上げが可能になった。同社はニュージーランドのLC-1発射台の時と同様に、バージニアのLC-2発射台の打ち上げ業者ライセンスを取得したことで、個々の打ち上げに際してFAAにミッション個別のライセンスを申請することなく複数の打ち上げを行えるようになる。

Rocket Labは2019年末にこのバージニア拠点のLC-2の正式な開所式を行ったが、いつ同社のElectron(エレクトロン)ロケットをそこで打ち上げるのかはわかっていない。おそらく新型コロナウイルス(COVID-19)および関連する障害によって発射台のデビュー計画が変わったのだろう。同社はLC-2に続き、ニュージーランドのLC-3発射台の最終調整を行っており、打ち上げ能力の強化をはかっている。3カ所の打ち上げ施設が完成し運用が始まれば、年間最大130回の打ち上げが可能になると同社はいう。

Rocket Labが米国拠点の施設を作ったそもそもの理由は、政府顧客に迅速なサービスを提供し、短期間に高頻度の打ち上げを可能にするためであり、FAAの複数発射ライセンスを得たことは同社の運用モデルにとって大きな恩恵となる。そのためにもワロップス施設の1日も早い実用化が望まれている。

関連記事:Rocket LabはCapella Spaceの衛星打ち上げに成功し通常の打ち上げ稼働状態に復帰

カテゴリー:宇宙

タグ:Rocket Lab 米国航空局(FAA)

画像クレジット:Rocket Lab

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonのプライムエア配達ドローンが米当局からテスト飛行認可を取得

Amazon(アマゾン)はドローンを使った商業配達の試験を行うのに必要な米連邦航空局(FAA)の認可を取得した。Bloomberg(ブルームバーグ)が報じている。UPSや他のいくつかの企業が取得しているものと同じだ。認可を取得したからといってアマゾンがすぐさま消費者にドローンを使って配達サービスを提供できるわけではないが、その最終ゴールに向けて前進することになる。

同社は配達テストを開始すると述べたが、いつ、どこで行うのか詳細は明らかにしなかった。試験飛行のFAA認可は、商業航空サービスを展開する企業に適用している安全基準や規則を焼き直したものだ。ただし、ドローンの場合、航空機に乗り込む乗務員や機材を誘導するスタッフは必要ないため、これらに関係する必須事項は除外されている。

ドローン配達に関するガイドラインは、重要なシステムの開発と安全テスト、デザインに取り組む方法を企業に提供するためのFAAと商業パートナーによるパッチワークソリューションだ。しかしFAAは、ドローン航空オペレーションを管理するために、より目的に適う規則を2020年後半に定める方向で取り組んでいる。これはクラウド上のフライトの認証に関連したものだ。しかしいずれのドローンフライトも、まだ人間による常時監視を必要とする。

究極的には、実行可能で実用的なドローン配達のシステムには直接の視認を要しない完全自動のオペレーションが必要となる。アマゾンはMK27ドローンを準備している。最大積載量は5ポンド(約2.3kg)だ。しかし、そうしたドローンを頻繁に飛ばせるようにする規制や航空交通管制インフラが更新されるまでには、まだ何年もかかることが予想される。

関連記事:宅配大手UPSとドイツのWingcopterが共同で配達用多目的ドローンを開発

カテゴリー:ドローン

タグ:Amazon FAA / 米連邦航空局

画像クレジット:JORDAN STEAD / Amazon

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(翻訳:Mizoguchi