Facebook MessengerにSlackのような「@everyone」機能などの新ショートカット追加

Meta(旧Facebook)は、Messengerアプリにいくつかの新機能とショートカットを導入している。最も注目すべきは、Slackのような「@everyone」機能を追加し、新規のメッセージに関して、チャットの参加者全員に通知できる点だ。Metaは、新機能がグループリマインダー、懇親会、または一刻を争う質問を投げていて、すぐに回答が必要な場合に最適だと説明する。

一方、同社は「/silent」機能も展開している。グループチャットでメッセージを送信する前に「/silent」と入力すると、そのグループのメンバーにはメッセージの通知が一切届かなくなるという機能だ。Metaは、この機能により、時間帯の異なる相手に割り込む不安を取り除き、ユーザーがゆっくりとメッセージを読むことができるようになるという。

これら2つの新機能は、本日から利用可能となっている。さらに同社は、今後数週間のうちに展開される予定となっているいくつかのショートカットも示唆した。

Metaは、1対1のMessengerチャットでの送受信を簡単にする新ショートカット「/pay」を米国で提供開始する予定だ。このショートカットは、iOSとAndroidの両ユーザーに展開される予定となっている。Metaはまた、ユーザーがGIFをすばやく見つけて送信できるようにする「/gif」ショートカットも導入予定だ。iOSユーザーは「/shrug」と「/tableflip」ショートカットを利用できるようになり、それぞれ「 ¯_(ts)_/¯ 」と「 (╯°□°)╯︵ ┻━┻ 」の顔文字を自動的に入力することができる。

画像クレジット:Meta

この度の新機能の提供開始は、Messengerが先に、米国内のすべてのiOSおよびAndroidユーザーに「分割払い」機能を展開したことを受けてのものだ。同社は、ユーザーがアプリを通じて請求書や経費を分担する方法として、2021年末から同機能のテストを始めていた。Metaはこの新機能を、Messengerを通じて金銭を処理するための「自由で迅速な」方法だと考えている。

Split Paymentsは、Messengerが新しいボイスメッセージ録音コントロールを開始したというニュースと同時に導入され、ユーザーは送信前にボイスメッセージを一時停止、プレビュー、削除、録音継続することができるようになった。また、ボイスメッセージの録音時間を1分から30分に延長した。

画像クレジット:Meta

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(文:Aisha Malik、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Instagram、ダイレクトメッセージ暗号化機能をウクライナとロシアで提供

Meta(旧Facebook)はウクライナ紛争への対応として、国営メディアの制限や事実確認に関する取り組みの強化などを行っているが、そうした一連の措置の一環として、ウクライナとロシアの両国のですべての成人が、Instagram(インスタグラム)で暗号化された1対1のチャットを利用できるようにすると発表した。

関連記事:フェイスブックとInstagramがロシア国営メディアの情報拡散を抑制、紛争地域のIGユーザーに暗号化DM提供へ

Instagramのユーザーには、ダイレクトメッセージの受信箱の上部に表示される通知でこのオプションが警告され、選択すれば暗号化された会話に切り替えられることが案内される予定だ。

Messenger(メッセンジャー)やWhatsApp(ワッツアップ)など、他のMeta傘下のアプリでは、すでにエンド・ツー・エンドの暗号化を提供している。WhatsAppでは、それがデフォルトになっている。ただし、デフォルトのエンド・ツー・エンド暗号化がMessengerに完全搭載されるのは2023年のいつかだが、同社は長年にわたり、Messengerのテキストチャットのエンド・ツー・エンド暗号化を有効にするオプションを提供してきた。また、1月にはMessengerでエンド・ツー・エンドの暗号化されたグループチャットと通話を完全導入している。

同社は、ウクライナとロシアの両方で安全機能を利用できるようにすることにした、と説明した。そのオプションがなければ、戦争に反対を表明しているロシアの活動家が危険にさらされる可能性を示唆した。

「著名なロシアのクリエイターやインフルエンサー、活動家やミュージシャンは情報にアクセスし、侵攻反対を発言するためにFacebookやInstagramを使っています」と最近副社長から昇格したMetaのグローバル問題担当社長Nick Clegg(ニック・クレッグ)氏は述べた。同氏は「彼らもそうし続けられるようにしたいのです。そしてロシアの人々も引き続きゼレンスキー大統領やウクライナの人々の声を聞き続けることができるようにしたいのです」と付け加えた。

危機的状況が続く中でロシア政府がMetaのサービスへのアクセスを制限し、それでも同社はここ数日、他にもいくつかの変更を加えている。

エンドユーザーにとって、今回の変更は暗号化されたInstagramのDMに限られたものではない。同社はまた、ウクライナとロシアのユーザー向けに、Facebookのプロフィールをロックしたり、友人リストの閲覧・検索機能を削除するなどの安全機能の提供を開始したと、クレッグ氏は指摘した。「プロフィールのロック」機能は、インドの女性のための安全オプションとして2020年に初めて導入された。これは、Facebookユーザーが友達になっていない人の投稿や写真を閲覧できないようにし、そのユーザーのプロフィール写真やカバー写真もズームインしたりダウンロードしたりすることを制限するものだ。

画像クレジット:Stockcam / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

MetaがInstagramに3Dアバターを導入、FacebookとMessengerにも新オプションを展開

Meta(メタ)は、同社の3DアバターをInstagram(インスタグラム)に導入し、さらにFacebook(フェイスブック)とMessengerアプリにもアップデートされたアバターを展開することを発表した。これにより米国、カナダ、メキシコのユーザーは、ステッカー、フィード投稿、Facebookのプロフィール画像などにバーチャルな自分を表示できるようになった。

米国時間1月31日のアップデートでは、VRを含むすべてのプラットフォームで、数種類のカラーの人工内耳と耳かけ型補聴器が追加された。また、今回のアップデートではFacebookのステッカー、Messengerチャット、InstagramストーリーズやDMに表示される車いすが追加された。Metaは、アバターがより本人らしく見えるように特定の顔の形を調整することで、アバターの見た目も改善している。同社は、今後もアバターエディターにアイテムを追加していく予定だという。

MetaのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同氏のFacebookプロフィールに掲載された声明の中でこう述べている。「Metaのアバターは、表情や顔、肌のトーンを増やし、車いすや補聴器なども追加してアップデートされました。デジタル衣類の実験も始めています。アバターは、Quest、Facebook、Instagram、Messengerのすべてで使用できます。いつの日か、表情豊かなものからフォトリアリスティックなものまで、複数のアバターを持てるようになるでしょう。近いうちにもっとシェアできることを楽しみにしています」。

今回のアップデートにより、ユーザーはVRを含むすべてのMetaプラットフォームで同じアバターを使えるようになった。ユーザーがFacebookやMessengerでアバターに加えた変更は、自動的にInstagramにも反映され、その逆も同様だ。ユーザーは、異なるプラットフォーム用に異なるアバターを作成するオプションもある。Metaは、時間をかけて、ユーザーがアバターを場所から場所へと簡単に移動できるようにすることを目標としており、将来的にはこれに関する最新情報を共有する予定だと述べている。

画像クレジット:Meta

また、MetaはNFLと提携し、スーパーボウルに向けてファンがお気に入りチームを応援する方法を提供する。2月28日までの期間中、ユーザーは自分のアバターが着る洋服を通してCincinnati Bengals(シンシナティ・ベンガルズ )またはLos Angeles Rams(ロサンゼルス・ラムズ)を応援することができる。どちらかのチームを選びたくないユーザーのために、ニュートラルな「Super Bowl LVI」シャツも用意されている。

Metaのアバター&アイデンティティ担当ジェネラルマネージャーであるAigerim Shorman(アイゲリム・ショーマン)氏は、今回のローンチについてブログで次のように述べている。「VRとQuestは当社のメタバースビジョンの重要な部分ですが、私たちはメタバースを相互に接続されたデジタルワールドとして捉えており、スマホやパソコンなどのより身近なプラットフォームに加えて、VRとARを橋渡しするものだと考えています。アバターを当社のプラットフォームに展開することは、この実現に向けた初期の一歩です。あなたの新しいバーチャルな自分が、オンライン上であなたの望むように表現されるよう願っています」。

同社は、Snap(スナップ)のBitmojiに対抗する手段として、2020年に初めてアバターを発表し、その後も継続的にアップデートを行ってきた。例えば、Metaは2021年、アバターをよりカスタマイズ可能で多様性のあるものにすることを目的として、目、鼻、ひげ、ヘアスタイルの新しいオプションを発表したが、今回の新しい変更はその一環だといえる。しかし、Metaはこれまでのアバター採用に関する数字を公表していない。

今回のアップデートは、Metaが2月2日に第4四半期および通期の業績を発表する予定であるタイミングで行われた。同社はその際、AR・VRハードウェア部門の業績を初めて公表する予定だ。

画像クレジット:Meta

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

FB Messengerがエンド・ツー・エンド暗号化チャット体験をアップグレード

Facebook Messengerにデフォルトのエンド・ツー・エンド暗号化機能が全面展開されるのは2023年中とのことだが、Meta(メタ)は米国時間1月27日、Messengerでエンド・ツー・エンド暗号化されたグループチャットや通話を提供する機能が完全にロールアウトされたと発表した。さらにMessengerでは、エンド・ツー・エンド暗号化されたチャットでのスクリーンショット通知が開始され、ライバルのSnapchat(スナップチャット)と同様に、消えていくMessengerメッセージのスクリーンショットを誰かが撮った場合には警告するという、あらたなセキュリティ機能が追加されている。また、ユーザーは暗号化されたチャットにGIF、ステッカー、リアクションを追加することもできるようになった。

エンド・ツー・エンド暗号化(E2EE)されたグループチャットや通話のサポートは、2021年8月に初めて発表され、Messengerユーザーに、個人的な会話を犯罪者や国家の監視から安全に守る方法を約束した。だが多くの政府は、Messengerが暗号化の取り組みを拡大する計画は、法執行機関の犯罪調査を複雑にするとし、このアイデアに必ずしも賛成していない。それに対してMetaは、E2EEはすでにWhatsApp(ワッツアップ)などのアプリで広く使われており、業界標準になりつつあると指摘して反発してきた。

とはいえ、2021年の発表時には、グループ通話やチャットのためのE2EEは完全にはローンチされていなかった。その代わり、Metaはまず、既存のチャットスレッドがあり、すでに接続されている友人や家族を対象に、機能のテストを開始するとしていた。また、E2EEチャットで動作する配信コントロールのテストを開始し、ユーザーが不要なやり取りを防ぐことができるようにして、誰が自分のチャットリストに入るのか、メッセージリクエストフォルダに入るのか、誰が自分にまったくメッセージを送れないのか決められるようにするとしていた。

数カ月を経て、この機能は世界中のMessengerユーザーに完全に展開され、ユーザーはプライベートな会話でE2EEをオンにすることができる。

近いうちに、E2EEチャットで消えるメッセージをスクリーンショットされた場合、Messengerはユーザーに警告するようになる。これは、Messengerのバニッシュモードですでに提供されている機能と同じだ。バニッシュモードはSnapchatによく似た機能で、メッセージが全員に閲覧されると消えてしまうというもの。誰かがバニッシュモードのチャット(これからはE2EEチャットで消えるメッセージも)のスクリーンショットを撮った場合、通知が送られてくるので、相手に連絡して対処したり、必要に応じて会話をブロックしたり報告したりできる。これらの通知は「今後数週間にわたって」提供される予定だ。

画像クレジット:Meta

さらに、E2EEチャットでは、GIF、ステッカー、リアクションなど、これまでE2EE以外のチャットで使えていた機能も利用できるようになり、そのほかにも特定のスレッドへの返信、キーストロークの表示、転送オプションなどもサポートされる。また、E2EEチャットでも認証済みバッジが利用できるようになり、チャットをする際に、本人アカウントかどうか識別するのに役立つ。また、長押しでメディアを保存したり、送信前に写真や動画を編集したりすることが可能になる。これらの機能は新しいものではないが、エンド・ツー・エンド暗号化されたチャットには新しい機能だ。

画像クレジット:Meta

Metaによると、これらの機能はウェブとモバイルを含む全プラットフォームで、すべてのユーザーに提供されるとのこと。しかし、ロールアウトは進行中なので、すぐにすべての機能を利用できないユーザーもいる。

画像クレジット:Meta

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

MetaのMessenger責任者が退社を表明

Facebook(フェイスブック)がコーポレートブランドを変更し「メタバース」の未来に向けて組織改編する中、著名な幹部が続けて会社を去っている。

先に、元Messenger(メッセンジャー)のボスで暗号化の現皇帝であるDavid Marcus(デビッド・マーカス)が年内に退社することを公表した。米国時間12月7日、Meta(メタ)の現Messenger責任者であるStan Chudnovsky(スタン・チュドゥノフスキー)氏が「2022年第2半期のどこかで」Metaを去るつもりであることを発表した。

チュドゥノフスキー氏は2015年初頭にMessengerのプロダクト責任者としてFacebookに入社、2018年に部門の責任者になった。Facebookに加わる前、チュドゥノフスキー氏はベンチャーキャピタルのNFXを共同設立し、2013年に自身のソフトウェアスタートアップ、IronPearl(アイアンパール)を買収したPayPalでは、グロース担当VPを務めた。

「16歳の時からノンストップで働き続けてきました。プロジェクトの合間に2週間ほど休みを取る他は常に、会社を始めるか、ベンチャーファンド(NFX)を始めるか、会社を経営するか、会社を合併させるか、会社に投資するか、会社で働くかしていました」とチュドゥノフスキー氏が自身の計画を発表するFacebook投稿で述べた。「引退するつもりはありませんが、すてきな数カ月間の休暇をとれることを楽しみにしています」。

チュドゥノフスキー氏が職を離れた後、同僚の Loredana Crisan(ロレダナ・クリサン)氏が引き継ぐ予定だ。クリサン氏は2016年にMessengerチームに加わり、それ以前はIndiegogoのデザインチームを率いていた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerが米国で新しい割り勘機能「Split Payments」をテスト中

Facebook Messenger(メッセンジャー)は、ユーザーが同アプリを通じて請求書や費用を割り勘できるようにする新機能「Split Payments」のテストを開始すると発表した。同社は、この新機能は、Messengerを通じて財務処理を行うための「無料かつ迅速な」方法であるとしている。この新機能は、米国のユーザーを対象に来週から展開される。

Split Paymentsを使用するには、ユーザーはMessengerのグループチャットまたはPayments Hubで「Get Started」ボタンをクリックする必要がある。そこから、食事の勘定を均等に分割したり、自分を含めた、または含めないで、グループチャット内の各ユーザーの貢献額を修正することができる。また、パーソナライズされたメッセージを入力するオプションも用意されている。最後に、Facebook Payの詳細を確認するように求められる。その後、リクエストが送信され、グループチャットのスレッドで見ることができる。

同社はこの新機能について、ブログで次のように述べている。「グループでのディナーや共同の生活費、月々の家賃などで、うまく分担するのに(そして後から払ってもらうのに)苦労していた方は、これで楽になります」。

今回のSplit Paymentsの開始は、Messengerが数カ月前に個人間の支払いのためにVenmoのようなQRコードを追加した中でのことだ。QRコード機能は米国で提供開始され、Facebook(フェイスブック)の友達でなくても、誰でもFacebook Payを通じてお金を送ったりリクエストすることができる。この機能は、Messengerの設定にある「Facebook Pay」の項目からアクセスできる。

関連記事:米国でFacebook MessengerにQRコードによる個人間送金機能追加

Facebook Payは、個人間の支払いだけでなく、寄付やEC取引など、同社のアプリ全体に広がる決済システムを確立するための手段として、2019年11月に初めて登場した。

Split Paymentsは、クリエイターのEmma Chamberlain(エマ・チェンバレン)氏、Zach King(ザック・キング)氏、Bella Poarch(ベラ・ポールチ)氏、King Bach(キング・バーチ)氏がデザインした4つの新しいグループARエフェクトなど、他のいくつかのMessengerアップデートとともに導入された。また、Messenger内で送信すると音が鳴る絵文字である「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」のSoundmojiを新たに2つ、そして新しいチャットテーマをリリースした。Messengerは他にも最近、アルバム「Red」のリリースを記念して、新しいTaylor Swift(テイラー・スウィフト)のSoundmojiを発表している。

画像クレジット:Messenger

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

フェイスブックがケニアで最も未成年者の性的搾取が横行するSNSであることが判明

新たに公表されたDisrupting Harmレポートによると、ケニアにおいてインターネットを通じた未成年の性的搾取が、他のどのサイトよりもFacebook(フェイスブック)で横行していることが判明した。この大手テクノロジー企業のプラットフォームは未成年にとって極めて危険なものになっている。

インターポール、ユニセフ・イノチェンティ研究所、子どもに対する暴力撲滅に関する活動がまとめたこのレポートにより、2020年の東アフリカ諸国における未成年者に対するオンラインでの性的搾取や性的虐待に関する事例の90%以上がFacebookを起因とするものであることが判明した。このレポートは、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)のデータ、未成年者やその両親、警察機関、法定代理人との面談に基づいて作成されたものである。

Facebook以外に、WhatsApp、Instagram、YouTubeも児童の性的虐待に関する画像や動画が広く所有、制作、配信されるプラットフォームとして言及されているこのレポートは、NCMECのデータを受けて公表されたものである。そのデータによると、2020年1年間にFacebookが報告した児童の性的虐待の画像は世界全体で2000万件以上にのぼるが、これは2番目に件数が多かったGoogleの37倍であったという。その後に行われている調査でも、Instagramが10代の少女のメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼしていることが判明したため、Instagramの親会社であるMetaも、現在中断している13歳未満の未成年者を対象としたInstagram Kidsを開始する計画について熟慮している。

自社のプラットフォームから未成年者の搾取を排除するためにどのような取り組みを行っているかについてMetaからコメントを得ようとしたが、この記事を発表する際の期限までにコメントを得ることはできなかった。

NCMECのCyberTiplineレポートによると、全体的には、ケニアの児童に対するオンラインでの性的虐待も、6%増えて1万4434件となっている。CyberTiplineは、未成年者の性的搾取に関する事例を報告するための一元的なシステムである。ケニアは東アフリカで唯一、同国の犯罪調査局(DCI)の人身売買防止・児童保護課(AHTCPU)やインターポールの国際児童性的搾取データベースを通じてNCMECの報告システムに直結している国である。

同レポートには次のように記されている。「WhatsAppとFacebook(またはFacebook Messenger)は、児童が最も標的にされるソーシャルメディアやインスタントメッセージアプリであった。その理由はおそらく、FacebookとWhatsAppがケニアで最も人気がある2つのソーシャルメディアプラットフォームであり、子どもたちが多くの時間をオンラインで過ごす場所だからである」。

AHTCPUの責任者であるMueni Mutisya(ムエニ・ムティシャ)氏は、TechCrunchの取材に対し、同課がサイバー情報に関するレポートを毎日22件受け取っていると答えた。ケニアでは、新型コロナウイルス感染症が世界的にまん延し始めたあとに記録された事例が増大しており、これもソーシャルサイトの利用に起因する状況であると同氏はいう。

同氏は次のように述べている。「ソーシャルメディアによって、オンラインでの児童の性的搾取と性的虐待(OCSEA)の共有、作成、配信が拡大した。搾取者が若者をだまして、自分自身の露骨な画像を提供させたり、過度に人を性の対象として見る文化のえじきにしたりすることが格段に容易にできるようになった」。

このソーシャルメディアの勢力レポートによると、WhatsAppはFacebookとYouTubeに次いでケニアで人気のあるソーシャルアプリである。これまでに、ケニアの人口の4分の3以上がインターネットにつながっており、FacebookやWhatsAppといったサイトに容易にアクセスできるようになっている。

犯罪者が児童を食い物にする方法が変化しているように思える状況下で、このレポートを作成するにあたって面談を行った被害者の半数以上が、性的なコンテンツの要求はオフラインではなくオンラインで行われたと言っており、未成年者の5人に1人が直接のアプローチを受けている。少年と少女のどちらもオンラインで同程度のリスクに直面しているという事実を報告している調査によると、オンラインでの性的搾取という危険に最もさらされているのは12歳から17歳の未成年者だった。

犯罪者は一般的に被害者の知っている人物であることが判明しており、プレゼントや金銭(性的な恐喝)を利用して、犯罪者に会ったり、画像や動画を共有したりするように未成年者を誘導していた。勧誘は一般的にFacebook(またはFacebook messenger)、WhatsApp、YouTubeを利用して行われる。InstagramやByteDanceのプラットフォームであるTikTokを挙げる者も少数いたが、ほとんどの者はゆすられたり脅されたりして、わいせつなコンテンツを提供させられたり、わいせつな行為に関わらされたりしている。

同レポートにはさらに、ケニアが児童に対する性的虐待の商業的ライブストリーミングの発信地になっていることを国外の法執行機関が明らかにしたことも示されている。Google検索エンジンのトレンドから、ケニアの性犯罪者はティーンエージャーとの性行為、ティーンエージャー同士の性行為、児童や乳児との性行為を題材にした画像や動画を探し求めていることが判明した。安全保障当局のレポートによって、国々を移動する外国の児童性的犯罪者にとってもケニアはホットスポットであることが明らかになっている。

性的な目的で子どもにオンラインで身づくろいをさせる行為もソーシャルサイトで横行している。この行為は、虐待のコンテンツを作成・提供するように操る意図を持って行われているものであり、直接子どもに会ったり、児童を虐待したりする意図はまったくない。これは、現在のケニアでは犯罪行為とはみなされないOCSEA(児童に対するオンラインでの性的搾取と性的虐待)の1つの形態であると同レポートには記述されている。犯罪者を告発する際の根拠となる法律は、児童を性的なコンテンツにさらした加害者を罰するコンピューター不正使用法と児童ポルノを刑事罰の対象としている性犯罪法のみである。

同レポートは次の点を指摘している。「ケニアにおいて、間もなく成立する、オンラインでの身づくろいに対処する児童法案2021(Children Bill 2021)の条文は、児童に会うことを目的としたオンラインでの身づくろいしか対象としていないため、例えばオンラインプラットフォームで性的なコンテンツを送るように犯罪者が児童に求めた場合には適用されない可能性がある」。

現在、立法府の承認手続きが進められているこの法案は2020年に提出されたものである。2週間前に国会議員がこの新しい法律に対する提言を一般に募り、先ほど述べた抜け穴を埋めるチャンスが到来した。

同レポートは次のように述べている。「性的虐待がオンラインで発生する行為である身づくろいを禁止する条文が依然として盛り込まれるように願っている」。

この種の犯罪には、国境を超えて行われるという性質があるため、ケニアは犯罪者の行動を追跡したり、犯人を検挙したりできるように国際機関や地方自治体と綿密な連携を行っている。ケニアのDCI AHTCPUも国の通信規制当局と連携して、この種の犯罪の性質を一般大衆に警告したり、報告を行うことを推奨したりしている。

ムティシャ氏は次のように語る。「インターネット犯罪には国境を超えて行われるという性質があるため、DCI AHTCPUはOCSEAとの戦いをサポートするために、国内や国外の戦略的パートナーと手を組んでいる。国境を超えるOCSEAの事例が発生した場合には、我々はインターポールを利用して通知を発令する」。

「英国高等弁務官事務所の国際渉外官や(ケニアの)米国大使館のFBI法務専門職員およびケニアにおいて同等の役割を担う人々と綿密に連携し、オンラインで虐待を受けた被害者のために正義を求め、犯罪者を追跡していく。これは、社会への啓蒙や学校訪問によって実現する教育、意識の向上と鋭敏化に加えて行うものである」と同氏はいう。

Disrupting Harmの執筆者たちは、同レポートに記された調査結果が、児童に対するオンラインでの性的虐待に関する戦略を導入するための指針となることを願っている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Annie Njanja、翻訳:Dragonfly)

Facebook Messengerの音声通話がOculus Questでも可能に

Facebookは、同社のヘッドセット「Quest」を使ったVR体験の参加プロセスを改善したいと考えている。米国時間10月28日に開催された同社の「Connect」カンファレンスで、QuestのユーザーがMessengerを介して音声通話が行えるようになると発表された。この機能は、2021年後半に利用可能になるという。

Questはこれまで、ソーシャルインターフェースに苦戦してきた。2020年、ユーザーにFacebookのIDでサインインすることを義務づけたことは、同社の広報活動に支障をきたしたが、そのおかげでソーシャルワークフローの冗長性を排除することができた。

ユーザーは「Quest」に搭載されたMessengerから直接、通話したり、メッセージを送ったり、自分の「パーティー」に参加してもらうことができるようになる。

2021年初め、Facebookは、Oculusのエコシステム内でのMessengerチャットのサポートを発表しましたが、音声通話は、ユーザーがVRミーティングをより効率的に開催するのに役立ち、また、VR内での入力作業を回避するのに役立つだろう。

関連記事:Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Facebook Messengerグループビデオ通話に新しいAR体験を追加

Facebook Messenger(メッセンジャー)は、ビデオ通話や同プラットフォームのビデオ会議機能であるMessenger Rooms(ルーム)に、新しい拡張現実(AR)体験を展開している。同社は、新機能「Group Effects(グループエフェクト)」が近日中にInstagram(インスタグラム)にも登場するとしている。

Facebookが、ARエフェクトを共有体験にすることを目指していると言っているように、グループエフェクトは、ビデオ通話に参加している全員に効果がある。ユーザーは、最高のハンバーガーを最も早く作ることを競うゲームなどを含む70以上のグループエフェクトのライブラリからエフェクトを選ぶことができる。

新しいグループエフェクトを確認するには、ビデオ通話を開始するかルームを作成し、笑顔をタップしてエフェクトトレイを開き、グループエフェクトを選択する。そこから、通話に参加している全員に適用されるAR体験を選択することができる。

さらにFacebookは、2021年10月末にSpark AR APIへのアクセスを拡大し、より多くのクリエイターや開発者がグループエフェクトを構築できるようにするとしている。

画像クレジット:Facebook

「グループエフェクトは、友達とつながるための、より魅力的でインタラクティブな方法を提供します。また、クリエイターのコミュニティをサポートし、人々が自分自身を表現する方法を増やすことができます」と同社はブログで述べている。

また、Facebook Messengerは、チャット内でアニメーションを起動する新しい「suggested word effects(メッセージエフェクト)」を展開している。例えば「おやすみ」や「おめでとう」などの単独のメッセージを送信する際に、その言葉に合わせてエフェクトを作成するオプションが表示されるようになった。Facebookは8月に、特別な祝日や内輪のジョークのためにエフェクトを発表したが、今回、この機能を日常的なフレーズにも拡大した。メッセージエフェクトは、すべてのiOSユーザーに提供されており、今後数週間のうちにAndroidでも利用できるようになる。

また、映画「007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開を受けて、ジェームズ・ボンドの「soundmojis(サウンド文字)」も新たに提供する。また「ケア」をテーマにしたものや、お化けのようなハロウィンテーマなど、新しいチャットテーマも登場する。Facebook Messengerは、ハロウィーンに合わせて4つのお化けの世界のARエフェクトを展開する。

MessengerのグループARは、Facebookが「メタバース」の取り組みを強化している中で登場したもので、共有された仮想体験を作り出すというテーマに沿ったものとなっている。

画像クレジット:Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency / Getty Images (Image has been modified)

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

【コラム】フェイスブック、Instagram、WhatsAppはなぜダウンしたのか?

Facebookの1日にわたるサービス停止は、ここ数年で最も長く、最も極端なものだった。ソーシャルジャイアントの本社がある米国西海岸では、現地午前9時頃、Facebook、WhatsApp、Instagram、Facebook Messengerがインターネット上から消えたように見えた。

この障害は市場終了まで続き、同社の株価は米国時間10月4日の初値から約5%下落した。Facebookがサンタクララのデータセンターにチームを派遣し、同社のサーバーを「手動でリセット」したことが報じられた後、午後の初めにはサービスが再開された。

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今回の障害の特徴は、Facebookが非常に長い時間オフライン状態にあったということだ。

午前中、Facebookは「一部のユーザーが、当社アプリやプロダクトへのアクセスに支障がある」ことを謝罪するツイートをした。その後、この障害がユーザーだけでなく、同社自体にも影響を与えていることが報告された。従業員はオフィスビルに入ることができず、スタッフは「スノーデイ」と呼んでいたが、この障害は社内のコラボレーションアプリにも影響を与えたため、仕事をすることができなかった

Facebookは、障害の原因についてコメントしていないが、セキュリティの専門家によると、同社のネットワークに問題があり、インターネットとFacebook全体が遮断されたことを示す証拠があるとのことだ。

ネットワーク大手CloudflareのCTOであるJohn Graham-Cumming(ジョン・グラハム-カミング)氏によると、最初の兆候が観測されたのはカリフォルニア州では午前8時50分頃で、Facebookは2分間に渡って「BGPのアップデートが嵐のように続く中、インターネットから消えた」という。BGP(Border Gateway Protocol)とは、ネットワークがインターネット上のデータを他のネットワークに送信する際の最速方法を決定するために使用するシステムのことだ。

具体的には、アップデートはBGPルートの取り消しだった。つまり、Facebookは、城の橋を閉鎖するように「ビジネスを終了する」というメッセージをインターネットに送ったのだ。その構造上、FacebookのネットワークはWhatsApp、Instagram、Facebook Messengerなど、デジタルの壁の内側にあるすべてのものが閉鎖されることになった。

BGPルートが取り消しから数分後、ユーザーは問題に気づき始めた。Errata Securityの創業者であるRob Graham(ロブ・グラハム)氏は「Facebookに送られるべきインターネットトラフィックが、インターネット上で迷子になり、どこにも行かなくなってしまったのです」とツイートしている。

ユーザーは、Facebookアプリが動かなくなったことやウェブサイトが読み込まれないことに気づき始め、インターネットの仕組みのもう1つの重要な部分であるDNS(Domain Name System)に問題が生じたことを報告した。DNSは、人間が読めるウェブアドレスを機械が読めるIPアドレスに変換し、ウェブページがインターネット上のどこにあるのかを見つけ出す。Facebookのサーバーにアクセスする手段がなければ、アプリやブラウザはDNSエラーのようなものを返し続けることになる。

BGPルートが取り消された理由は、はっきりとはわかっていません。インターネットが登場したときから存在しているBGPが、悪意を持って操作され、大規模な障害につながった可能性がある。

それよりも可能性が高いのは、Facebookの設定更新がひどい失敗をし、その失敗がインターネット全体に連鎖したということだ。現在は削除されているが、Facebookのエンジニアが投稿したRedditのスレッドには、広く知られるようになるずっと前に、BGPの設定ミスについて書かれていた。

修正は簡単かもしれないが、インターネットの仕組み上、復旧には数時間から数日かかる可能性がある。インターネットプロバイダーは通常、数時間ごとにDNSレコードを更新するが、完全に伝搬するまでには数日かかることがある。

Facebookは、現地時間午後3時30分頃「私たちを頼りにしてくれている世界中の人々や企業の巨大なコミュニティへ:申し訳ありません」とツイートした。「アプリやサービスへのアクセスを回復するために懸命に取り組んできましたが、現在はオンラインに戻っていることを報告します。ご理解いただきありがとうございます」。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

世界的な障害が続く中、フェイスブックの株価も下落を続ける

Facebookの株価は米国時間10月4日、急落した。これは、Facebookが過去10年間で最悪の障害に見舞われたためだ。

株価は5%近く下落し、Facebookはサービス停止の原因を分析するための要素を整理し、投資家はサイトへの継続的なダメージがどのようなものかを計算しようとした結果、時価総額を数百億ドル(数兆円)減らした。Facebookの株価は2021年に急騰し、7月初旬には時価総額1兆ドル(約110兆円)に達したが、ここ数カ月は停滞しており、時価総額は9200億ドル(約102兆円)をわずかに下回っている。

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数時間から1日程度のダウンでも、一部のユーザーを競合サービスに移行させるには十分であり、現在、投資家は同社の株価が下落する中、この脅威を重く見ている。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブックのMessengerがアプリをまたぐグループチャット機能を導入、Instagramとの連携強化

​​Facebook Messengerは米国時間9月30日、一連のプロダクトをリリースした。最も注目すべきはアプリをまたぐグループチャットだ。同社は2020年、MessengerとInstagramにまたがるメッセージ機能を導入したが、ユーザーは現在、InstagramとMessengerでつながっている人たちとグループチャットを始めることができる。

本日追加されたその他の機能には、InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)でのアンケートがある。これはMessengerにすでにあるアンケート機能を作り直したものだ。Messengerはまた、グループDMにグループタイピング機能を加えた。これはチャットに使っているアプリが何であれ、友達がタイプしているのがリアルタイムにわかるようにする。加えて、Instagramにビデオコンテンツがあるとき、ユーザーはReelsやIGTVビデオのようなInstagram投稿を同時に閲覧するのにMessengerの既存のWatch Together機能を使うことができる。

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FacebookがMessengerで友達と一緒にビデオを見る新機能「Watch Together」を公開

画像クレジット:Messenger

これらのアップデートが発表されたのは、InstagramとFacebookがメンタルヘルスに及ぼす害についてFacebookが上院で証言する数時間前のことだった。しかしこれらの機能追加は、Facebookのオペレーションに関して政府が行っている別の調査により深く関係している。同社は連邦取引委員会がおこした訴訟に直面している。同委員会はFacebookが独占企業であり、解体されるべきだと主張している。しかしFacebook傘下の個々のプロダクトはますます互いに関係し合っており、これらのアプリは互いに依存していて分離することはできないとFacebookは主張できるかもしれない。Facebook Messengerは8月に10周年を迎え、Facebookの広報担当は同社がMessengerを「表面に関係なく結合している組織」だと考えているとTechCrunchに語った

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フェイスブックが10周年を迎えたメッセンジャーに新機能追加、リアルタイム体験のための「結合組織」を目指す

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FacebookとInstagramをさらに統合するアップデートはさておき、Messengerはカスタマイゼーションが好きで水星の逆行を恐れる我々のためにいくつかのおもしろい機能を投入した。コテージコアなチャットテーマ、星占い関連のチャットテーマ、ステッカー、Instagram ARフィルターなどが加わった。なぜなら、コテージコアや星図ほどティーンエイジャーが好きなものはないからだ。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

広告ターゲティング事業が脅かされつつあるフェイスブック、事業主向けに数々の新機能を発表

Facebook(フェイスブック)は米国時間9月16日、事業主向けにいくつかの新製品および新機能を発表した。これは、Apple(アップル)が新たなプライバシー機能を導入し、モバイル機器ユーザーがiOSアプリ上での追跡をオプトアウトできるようになったことから、Facebookの広告ターゲティング事業が脅かされていることを受けてのものといえるだろう。この巨大ソーシャルネットワーキング企業は、アップルのプライバシー方針変更が、Facebook広告から顧客を獲得している中小企業に影響を与えると繰り返し主張してきたが、アップルの変更を一切止めることはできなかった。それどころか、市場はユーザーのプライバシーに重点を置いた新しい時代へと移行しており、パーソナライゼーションやターゲティングは、よりオプトインな体験、つまりユーザーに許可する意思の表示を求めるようになっている。そのため、Facebookは企業広告について新たな方法で対処する必要があったのだ。

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Facebookがニュースフィードの投稿に企業の関連コンテンツを表示するテストを米国で開始

Facebookは、消費者を追跡する機能が低下した(追跡されることを自ら選択する消費者はほとんどいないという調査結果が出ている)ことから、企業が自社製品やサービスに関連があるユーザーに、より訴求できるようにする新機能をいくつか導入する。これには、顧客へのリーチ、顧客への広告、Facebookアプリによる顧客とのチャット、リード(見込み客)の生成、顧客の獲得などを可能にするアップデートが含まれる。

Facebookは2021年4月、ニュースフィードの投稿の下に表示される、美容、フィットネス、服飾など、興味のあるトピックをタップして、関連する他の企業のコンテンツを探索する方法のテストを開始した。この機能により、ユーザーは自分が好きそうな新しい企業に出会うことができ、Facebookは特定の種類のコンテンツを好むユーザーのデータセットを、独自に作成することができる。将来的には、この機能を広告ユニットにして、企業が料金を支払って上位表示させることも可能になるかもしれない。

しかし当面は、この機能を米国内のより多くのユーザーに拡大するとともに、Facebookはオーストラリア、カナダ、アイルランド、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、南アフリカ、英国で開始を予定している。

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Facebookは、企業がもっと容易に顧客とチャットできるようにしたいとも考えている。企業はすでに、Messenger(メッセンジャー)、Instagram Direct(インスタグラム・ダイレクト)、WhatsApp(ワッツアップ)といった、Facebookが所有するさまざまなチャットプラットフォームで、人々にメッセージを送るよう促す広告を購入することができるが、今後は利用可能なすべてのメッセージングプラットフォームを選択できるようになり、会話が発生する可能性が最も高い場所に基づいて、広告に表示されるチャットアプリがデフォルトで設定されるようになる。

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この取り組みの一環として、同社はWhatsAppをInstagramに結びつけることにした。多くの企業がInstagramで宣伝したり、ショップを運営したりしているのに、顧客とのコミュニケーションや質問への回答は、WhatsAppに依存していると、Facebookは説明している。そこで同社は、企業がInstagramのプロフィールに、WhatsAppのClick-to-Chat(クリック・トゥ・チャット)ボタンを追加できるようにした。

特にこの変更は、Facebookが別々のアプリをより密接に結びつけようとする動きを象徴するものだ。その背景には、規制当局が独占禁止の懸念から、Facebookの解体を検討しているという現在の状況がある。すでに同社は、MessengerとInstagramのメッセージングサービスを相互に接続しており、さらに最近では、MessengerをFacebookのプラットフォーム自体に直接統合し始めている。これらのことから、解体はさらに複雑なものになるだろう。

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また、それに関連した変更として、企業は近日中に、Instagramアプリからクリックするだけで、直接ユーザーをWhatsAppに送り、チャットを始めることができる広告を作成できるようにもなる(Facebookはすでにこのような広告を提供している)。

今回のニュースとは別に、FacebookはWhatsApp内に新しいビジネスディレクトリを設けることも発表した。これによって消費者は、同チャットプラットフォーム上でもショップやサービスを探せるようになる。

その他の変更は、Facebook Business Suite(フェイスブック・ビジネス・スイート)のアップデートとして導入される。これを利用する企業は「Inbox(受信箱)」でeメールを管理したり、リマーケティングメールを送信できるようになる他、新たに導入される「File Manager(ファイルマネージャー)」を使って簡単に投稿コンテンツを作成・管理することや、異なるバージョンの投稿をテストして、どの投稿が最も効果的かを比較することもできるようになる。

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それ以外にテストが行われる新製品としては、Instagramにおける有料の有機的なリードジェネレーション(見込み客生成)ツールや、Messengerで会話を始める前に顧客にいくつかの質問に答えてもらう見積もり依頼、そして小規模事業主がFacebook広告の利用を始めるために提供される特典などがある。これにはFacebook広告クーポン、会計ソフトウェア「QuickBooks(クイックブックス)」とグラフィックツール「Canva Pro(キャンバ プロ)」の3カ月間無料アクセスなどが含まれる。

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また、Facebookは「Work Accounts」と呼ばれるもののテストも開始する。これにより事業主は、個人のFacebookアカウントとは別に、この仕事用アカウントでBusiness Manager(ビジネス・マネージャー)などの企業用製品にアクセスできるようになる。企業は従業員に代わってこれらのアカウントを管理したり、シングルサインオンなどの企業向け機能を利用することも可能になる。

Work Accountsは、年内に少数の企業を対象としてテストを行い、2022年には利用可能な範囲を拡大していく予定であると、Facebookは述べている。

その他の広告に関する取り組みとしては、クリエイターや地元企業のコンテンツをより多く取り入れることや、ユーザーが閲覧するコンテンツをコントロールできる新機能などが計画されているというが、これらの変更点については現時点では詳細が明らかにされていない。

今回発表された新機能のほとんどは、すでに展開が始まっているか、近日中に導入される予定だ。

画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックが10周年を迎えたメッセンジャーに新機能追加、リアルタイム体験のための「結合組織」を目指す

Facebook(フェイスブック)は、Messenger(メッセンジャー)の誕生から10周年を記念して、投票ゲーム、Word Effects(ワード・エフェクト)、連絡先の共有、Facebook Pay(フェイスブック・ペイ)による誕生日プレゼントなど、いくつかの新機能を発表した。また楽しい機能だけでなく、Facebookは、音声通話やビデオ通話を、独立したMessengerアプリから、Facebookアプリに戻す方法のテストも行っている。

「Facebookアプリのメッセージング体験の中で、音声およびビデオ通話のテストを行っています。これは人々が、どのアプリを使っているかに関わらず、通話ができるようするためのものです」と、Facebookの担当者はTechCrunchに語った。「これによって、Facebookを利用している人々は、今いる場所で簡単にコミュニティとつながることができるようになります」。

Facebookの歴史において、これまでMessengerアプリは独立した体験として運営されてきたが、Facebookでは現在、Messengerを独立した存在としてではなく、Facebookが現在開発している多くの新しい体験を支える基礎的な技術として捉え始めているという。

「私たちは、Watch Together(ウォッチ・トゥゲザー)、Rooms(ルームズ)、Live Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルームズ)など、リアルタイムな体験に力を入れてきました。そしてMessengerについても、表面的にどう見えるかは関係なく、結合組織として考え始めています」と、Facebookの広報担当者は語っている。「これはテストですが、もっと大きなビジョンは、Messengerでアクセスできないコンテンツやコミュニティを解放することであり、Facebookアプリが、より共有されたリアルタイムな体験になっていくことです」。

Facebookが、この数カ月の間に、その根底となるコミュニケーションインフラストラクチャの統合を進めていることを考えると、同社が最終的に、デスクトップアプリの中にMessengerを使った新機能にアクセスするためのタッチポイントを増やそうとしていることは当然と言える。

この点についてコメントを求められた広報担当者は、現時点で発表できる情報はないと答えた。しかしながら、このテストは、Facebookのサービス全体でより多くのリアルタイム体験を可能にするという、Facebookの広範なビジョンの一環であると言及した。

新たな統合が進められているにも関わらず、Messengerのスタンドアロン版がなくなることはない。

Facebookでは、メッセージングや音声およびビデオ通話体験において「フル機能」を求める人は、引き続きMessengerアプリを使って欲しいと述べている。

画像クレジット:Messenger

投票、Word Effects、連絡先の共有など、今回発表された新機能については、家族や友人とのつながりを維持するというMessengerの機能を讃えることが目的だ。

新たに導入された投票調査ゲームの遊び方はこうだ。ユーザーたちはグループチャットで「投票」をタップし「最もやりそうなこと」タブを選択する。そして「最も飛行機に乗り遅れる可能性が高い人は?」とか「最も誕生日に贈り物をしてくれる可能性が高い人は?」などの質問を選択し、その回答の候補者としてチャット参加者から1人の名前を選び、票を送信する。

連絡先の共有は、友達のFacebookの連絡先を、Messengerで簡単に他の人と共有できるようになった。誕生日プレゼントは、お祝いとしての送金を、Facebook Payを介してMessengerで送信できるようになるというもの。他にもバースデーソングのSoundmojis(音文字)や、「Messenger is 10!(Messengerは10周年!)」ステッカーパック、新しい風船が飛ぶ背景、メッセージエフェクト、ARエフェクトなど、Messengerの2桁の節目を祝う「誕生日表現ツール」が用意されている。

関連記事:Facebook Messengerが絵文字機能を強化、サウンド付きも

画像クレジット:Messenger

Word Effectsという新機能は、ユーザーがあらかじめ手動でフレーズを設定しておくと、そのフレーズを含むメッセージを送信した際に、それに付随する絵文字が画面上に浮かび上がるというもの。例として、Messengerでは「happy birthday」というフレーズに合わせて、紙吹雪の絵文字が画面上に浮かび上がるWord Effectsを公開している。(これは大した機能ではないが、つまらない絵文字の新たな使い方として注目されるかもしれない)。この機能は今すぐに使えるようになるわけではなく、現時点では先行プレビューされただけだ。

Facebookが発表した新機能は合計で10種類に上り、そのほとんどが今から使えるようになっている。

Messengerはこの10年間で大きく進化した。

10年前、Facebookは、元Google(グーグル)の社員3人が起ち上げた小規模なグループメッセージングのスタートアップ「Beluga(ベルーガ)」を買収した(当時、機能的なグループスレッドはシロクジラくらい希少なものだったらしい。シンプルな時代だった)。その数カ月後、同社は独立したメッセージングアプリであるMessengerを発表した。

しかし、Messengerが誕生して3年が経過した頃、これはもはやFacebook体験のオプション的な付加物ではなく、外出先で友人と連絡を取りたい人にとってはダウンロード必須のアプリとなっていた。

Facebookはメインのアプリ内でメッセージを送信するオプションを廃止し、代わりにMessengerを使用するようユーザーに指示した。この理由について、Facebookは当時「2つの異なるモバイルメッセージングシステムを持つことによる混乱を解消したかった」と、TechCrunchに語っていた。

その数カ月前、Facebookは190億ドル(約2兆900億円)を投じてWhatsApp(ワッツアップ)を買収し、その世界中のユーザーを大量に獲得した。FacebookアプリからMessengerを分離させることは物議を醸したが、3年後の2017年に同アプリのユーザー数は12億人を突破した。

現在、Facebookは「メタバース」企業に進化したいと宣言しており、米国時間8月19日、反トラスト法違反で提訴されたのと同じ日に、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はバーチャルリアリティを驚くほどつまらない方法で応用した製品を発表した。「Horizon Workrooms(ホライズン・ワークルーム)」と名付けられた、いわゆるバーチャル会議室だ。このメタバースは、Facebookのプラットフォームチームが構築した技術によって実現されると、Messenger担当副社長のStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏は指摘している。しかし、このメタバースの中にいる人々は、依然としてMessengerのようなプラットフォームを必要とするだろうと、同氏は付け加えた。

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「非同期のコミュニケーションは今後も存在し続けるので、メタバースでもメッセージングがなくなることはないと思います」と、チュドノフスキー氏は語った。その時、チャットに参加できない人にも、メッセージを送る必要は依然としてあるからだと、同氏は説明する。さらにメタバースの実現によって、この種のコミュニケーションはさらに盛んになると、チュドノフスキー氏は考えている。メッセージングのテクノロジーは、携帯電話、現実の生活、そしてメタバースの間の架け橋として役立つからだ。

「増えることはあっても減ることはないでしょう。なぜなら、メッセージングは、新しいプラットフォームが登場するたびに成長し続けるものだからです」と、チュドノフスキー氏は語っている。

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(文:Amanda Silberling、Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックが10周年を迎えたメッセンジャーに新機能追加、リアルタイム体験のための「結合組織」を目指す

Facebook(フェイスブック)は、Messenger(メッセンジャー)の誕生から10周年を記念して、投票ゲーム、Word Effects(ワード・エフェクト)、連絡先の共有、Facebook Pay(フェイスブック・ペイ)による誕生日プレゼントなど、いくつかの新機能を発表した。また楽しい機能だけでなく、Facebookは、音声通話やビデオ通話を、独立したMessengerアプリから、Facebookアプリに戻す方法のテストも行っている。

「Facebookアプリのメッセージング体験の中で、音声およびビデオ通話のテストを行っています。これは人々が、どのアプリを使っているかに関わらず、通話ができるようするためのものです」と、Facebookの担当者はTechCrunchに語った。「これによって、Facebookを利用している人々は、今いる場所で簡単にコミュニティとつながることができるようになります」。

Facebookの歴史において、これまでMessengerアプリは独立した体験として運営されてきたが、Facebookでは現在、Messengerを独立した存在としてではなく、Facebookが現在開発している多くの新しい体験を支える基礎的な技術として捉え始めているという。

「私たちは、Watch Together(ウォッチ・トゥゲザー)、Rooms(ルームズ)、Live Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルームズ)など、リアルタイムな体験に力を入れてきました。そしてMessengerについても、表面的にどう見えるかは関係なく、結合組織として考え始めています」と、Facebookの広報担当者は語っている。「これはテストですが、もっと大きなビジョンは、Messengerでアクセスできないコンテンツやコミュニティを解放することであり、Facebookアプリが、より共有されたリアルタイムな体験になっていくことです」。

Facebookが、この数カ月の間に、その根底となるコミュニケーションインフラストラクチャの統合を進めていることを考えると、同社が最終的に、デスクトップアプリの中にMessengerを使った新機能にアクセスするためのタッチポイントを増やそうとしていることは当然と言える。

この点についてコメントを求められた広報担当者は、現時点で発表できる情報はないと答えた。しかしながら、このテストは、Facebookのサービス全体でより多くのリアルタイム体験を可能にするという、Facebookの広範なビジョンの一環であると言及した。

新たな統合が進められているにも関わらず、Messengerのスタンドアロン版がなくなることはない。

Facebookでは、メッセージングや音声およびビデオ通話体験において「フル機能」を求める人は、引き続きMessengerアプリを使って欲しいと述べている。

画像クレジット:Messenger

投票、Word Effects、連絡先の共有など、今回発表された新機能については、家族や友人とのつながりを維持するというMessengerの機能を讃えることが目的だ。

新たに導入された投票調査ゲームの遊び方はこうだ。ユーザーたちはグループチャットで「投票」をタップし「最もやりそうなこと」タブを選択する。そして「最も飛行機に乗り遅れる可能性が高い人は?」とか「最も誕生日に贈り物をしてくれる可能性が高い人は?」などの質問を選択し、その回答の候補者としてチャット参加者から1人の名前を選び、票を送信する。

連絡先の共有は、友達のFacebookの連絡先を、Messengerで簡単に他の人と共有できるようになった。誕生日プレゼントは、お祝いとしての送金を、Facebook Payを介してMessengerで送信できるようになるというもの。他にもバースデーソングのSoundmojis(音文字)や、「Messenger is 10!(Messengerは10周年!)」ステッカーパック、新しい風船が飛ぶ背景、メッセージエフェクト、ARエフェクトなど、Messengerの2桁の節目を祝う「誕生日表現ツール」が用意されている。

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Word Effectsという新機能は、ユーザーがあらかじめ手動でフレーズを設定しておくと、そのフレーズを含むメッセージを送信した際に、それに付随する絵文字が画面上に浮かび上がるというもの。例として、Messengerでは「happy birthday」というフレーズに合わせて、紙吹雪の絵文字が画面上に浮かび上がるWord Effectsを公開している。(これは大した機能ではないが、つまらない絵文字の新たな使い方として注目されるかもしれない)。この機能は今すぐに使えるようになるわけではなく、現時点では先行プレビューされただけだ。

Facebookが発表した新機能は合計で10種類に上り、そのほとんどが今から使えるようになっている。

Messengerはこの10年間で大きく進化した。

10年前、Facebookは、元Google(グーグル)の社員3人が起ち上げた小規模なグループメッセージングのスタートアップ「Beluga(ベルーガ)」を買収した(当時、機能的なグループスレッドはシロクジラくらい希少なものだったらしい。シンプルな時代だった)。その数カ月後、同社は独立したメッセージングアプリであるMessengerを発表した。

しかし、Messengerが誕生して3年が経過した頃、これはもはやFacebook体験のオプション的な付加物ではなく、外出先で友人と連絡を取りたい人にとってはダウンロード必須のアプリとなっていた。

Facebookはメインのアプリ内でメッセージを送信するオプションを廃止し、代わりにMessengerを使用するようユーザーに指示した。この理由について、Facebookは当時「2つの異なるモバイルメッセージングシステムを持つことによる混乱を解消したかった」と、TechCrunchに語っていた。

その数カ月前、Facebookは190億ドル(約2兆900億円)を投じてWhatsApp(ワッツアップ)を買収し、その世界中のユーザーを大量に獲得した。FacebookアプリからMessengerを分離させることは物議を醸したが、3年後の2017年に同アプリのユーザー数は12億人を突破した。

現在、Facebookは「メタバース」企業に進化したいと宣言しており、米国時間8月19日、反トラスト法違反で提訴されたのと同じ日に、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はバーチャルリアリティを驚くほどつまらない方法で応用した製品を発表した。「Horizon Workrooms(ホライズン・ワークルーム)」と名付けられた、いわゆるバーチャル会議室だ。このメタバースは、Facebookのプラットフォームチームが構築した技術によって実現されると、Messenger担当副社長のStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏は指摘している。しかし、このメタバースの中にいる人々は、依然としてMessengerのようなプラットフォームを必要とするだろうと、同氏は付け加えた。

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フェイスブックがVRコラボ・ミーティングツール「Horizon Workrooms」オープンベータ開始

「非同期のコミュニケーションは今後も存在し続けるので、メタバースでもメッセージングがなくなることはないと思います」と、チュドノフスキー氏は語った。その時、チャットに参加できない人にも、メッセージを送る必要は依然としてあるからだと、同氏は説明する。さらにメタバースの実現によって、この種のコミュニケーションはさらに盛んになると、チュドノフスキー氏は考えている。メッセージングのテクノロジーは、携帯電話、現実の生活、そしてメタバースの間の架け橋として役立つからだ。

「増えることはあっても減ることはないでしょう。なぜなら、メッセージングは、新しいプラットフォームが登場するたびに成長し続けるものだからです」と、チュドノフスキー氏は語っている。

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(文:Amanda Silberling、Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Facebookが音声やビデオ通話機能をFacebookアプリ本体に再統合か、公式には「アプリ切り替え回数を減らすため」

Facebook、音声やビデオ通話機能をメインアプリに再統合か。公式には「アプリ切り替え回数を減らすため」

Facebook

2014年にFacebookアプリからは音声およびビデオ通話を含むメッセージ機能が削られ、すべてメッセージアプリMessengerへと移されています。それらの機能を、再びFacebookアプリ本体に統合するテストが行われていることが報じられました。

米Bloombergによると、米国を含む一部の国ではFacebookアプリから直接、音声通話やビデオ通話が可能になっているとのことです。Messengerの製品管理担当ディレクターであるコナー・ヘイズ氏は、この機能はテスト中にすぎず、FacebookユーザーがMessengerアプリに切り替える回数を減らすことを目的としていると明かしています。

またMessengerに切り替えなくてもできることを広げるため、FacebookアプリにMessengerの受信箱の限定版を追加するテストも行っているそうです。

Facebookアプリ本体にメッセージ機能が出戻ってくる可能性は、すでに2年前から手がかりが見つかっていました。当時はFacebookアプリ内でメッセージ送信しようとすると、Messengerアプリを起動するかわりに、新たな「Chats」セクションに移動する仕様でした。

上記のヘイズ氏は、FacebookがMessengerを単独のアプリではなく、サービスとして考え始めているとの趣旨を述べています。さらに「時間の経過とともに、こうしたことがかなり多く見られるようになるでしょう」とのことです。

Facebookは昨年、InstagramとMessengerのメッセージング機能を統合しましたが、いずれWhatsAppもこれらに加える予定です。

なぜFacebookは、複数アプリのメッセージ機能を統合しようとしているのか。一説には、メッセージングプラットフォームでもSNSと同様の支配を望み、長期的にはテキストメッセージやチャット以外にも使えるプラットフォームに育て上げる思惑との推測もありました

また米MacRumorsは、各アプリを深く結びつけておけば、もっかFacebookが直面している反トラスト(独占禁止法訴訟)で敗れた場合に、分割(事業分割や売却)されにくくなる可能性があるため、と示唆しています。

Facebookはメッセージ機能の統合につき、アプリの説明では「単一のアプリをインストールしていれば、他のアプリをダウンロードしなくてもいい」とユーザーの使いやすさを強調しています。が、それ以上に野心的な戦略や、最悪の事態に備えた保険の意味合いが大きいのかもしれません。

(Source:Bloomberg。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

Facebookがエンド・ツー・エンド暗号化をMessengerの通話やInstagramのメッセージに拡大

Facebookはエンド・ツー・エンド暗号化を使用するオプションをMessengerの音声通話とビデオ通話にも拡大した。

他者に通話やチャットを見聞きされることを防ぐセキュリティ機能のエンド・ツー・エンド暗号化(E2EE)は、2016年からFacebook Messengerのテキストチャットで利用できるようになっていた。Facebookは政府からエンド・ツー・エンド暗号化の計画を取り下げるようにとプレッシャーをかけられてきたが、同社はエンド・ツー・エンド暗号化による保護をMessengerの音声通話とビデオ通話の両方に拡大する。つまり「Facebookも含めて誰も、送信したり話したりした内容を見たり聞いたりすることはできない」ということだ。

Messengerのプロダクトマネジメント担当ディレクターであるRuth Kricheli(ルース・クリチェリ)氏は米国時間8月13日のブログで「エンド・ツー・エンド暗号化はWhatsAppなどのアプリですでに広く使われ、個人の会話をハッカーや犯罪者から守っています。業界標準になりつつあり、会話全体にわたってチャットや通話にいるのが自分と相手だけになるように鍵をかける働きをします」と述べた。

Facebookは他にもE2EEの準備をしている。Messengerでのグループチャットやグループ通話をエンド・ツー・エンド暗号化するパブリックテストを数週間以内に開始し、InstagramのダイレクトメッセージでもE2EEを限定的にテストする計画だ。テストに参加する人は、Instagram上で1対1のメッセージや通話のエンド・ツー・エンド暗号化を選択できるようになる。

Facebookは暗号化の他に、同社傘下のWhatsAppで利用できるのと同様の消えるメッセージの機能もアップデートする。チャットのオプションが増え、すべての新規メッセージが消えるまでの時間を5秒から24時間の間で選択できる。

クリチェリ氏は「人々はメッセージングアプリが安全でプライバシーが守られることを期待しています。こうした新機能で、通話やチャットに求めるプライバシーをさらに自分でコントロールできるようにします」と述べた。

このエンド・ツー・エンド暗号化拡大のニュースのほんの数日前には、Facebookがプライバシー設定を再び変更したばかりだった。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Carly Page、翻訳:Kaori Koyama)

Facebook Messengerがエモジ機能を強化、サウンド付きも

言葉で表現できないときはエモジを使おう。Facebook(フェイスブック)は同社のメッセージング・プラットフォームであるMessenger(メッセンジャー)のマイナー・アップデートをいくつか発表した。友達のメッセージに反応するのにぴったりのエモジを見つけるのがずっと簡単になる(ところで、”crying laughing”[泣きながら笑っている]エモジと”crying”[泣いている]エモジとの間には大きな違いがあることははっきり言っておきたい)。新たにエモジ・リアクションの検索バーと最近使ったエモジのセクションが加わった。そして、もしあなたが待望されていた”Space Jam”(スペース・プレイヤーズ)の続編に失望していなければ、バスケットボールのスター、バッグス・バニーのいるチャットテーマ、”Space Jam 2″がMessengerとInstagram DMの両方で使えるようになった。ただし喜びすぎないように。このテーマはチャットのエモジにバスケットボールを使ってはいるが、長らく行方知れずだった愛しのバスケットボール・ミニゲームはまだMessengerアプリへの凱旋を果たしていない。

画像クレジット:Facebook Messenger


エモジの世界にイノベーションの余地などないと思うかもしれないが、Twitter(ツイッター)でさえ、ユーザーがツイートにエモジでリアクションするオプションを検討している。そして、Clubhouse(クラブハウス)からTwitter Spaces(ツイッター・スペース)からSpotifyのGreenroom(グリーン・ルーム)まで、どこにでもライブ・オーディオがある今、エモジにオーディオを加えない手はない。

先週Messengerは、Soundmojis(サウンドモジ)をデビューさせた。その名の通り、サウンドの付いたエモジだ。Messengerアプリでチャットボックス内のスマイリーフェイス・アイコンをクリックするとSoundmojis(サウンド文字)を使うことができる。表現メニューでスピーカー・のアイコンをクリックすると30個足らずの標準エモジが表示されるが、クリックすると”Brooklyn 99″(ブルックリン・ナイン-ナイン)の名言からOlivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)の声や”Bridgerton”(ブリジャートン家)のセリフまで、さまざまなサウンドが流れる。”X”エモジをクリックすると、Capone(カポネ)の”Oh No”が聞ける。TikTokでバイラルになった曲だ。

Facebookによると、Messengerでは毎日24億件のエモジ入りメッセージが送られている。それは結構なことだが、車のエモジをタップすると “Fast and Furious”(ワイルド・スピード)のサウンドを聞けるなら、サッカー・エモジをタップすれば、またあのkeepie uppie(ボールリフティング・ゲーム)プレイできるってこと?

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Is Facebook dead to Gen Z?

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画像クレジット:Facebook Messenger

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国でFacebook MessengerにQRコードによる個人間送金機能追加

2021年4月にFacebookはアプリ内でVenmoのようにQRコードで個人間送金をするテストを米国で実施していることを認めた。米国時間6月10日、同社はこの機能を米国の全ユーザーに公開し、Facebookの友達でない相手ともFacebook Payを通じて送金や請求ができると発表した。

関連記事:フェイスブックが米国でQRコードによる個人間送金を「テスト」中と認める

QRコードはVenmoなどの決済アプリと同じように動作する。

この機能は、Messengerで画面左上のプロフィールアイコンをタップして設定を表示すると、その中の「Facebook Pay」セクションにある。ここに自分専用のQRコードが表示される。一般的なQRコードと同様のものだが、中央に自分のプロフィールアイコンがある。

その下に、自分のFacebook Pay URLが「https://m.me/pay/UserName」の形式で表示される。請求をするときに、これをコピーして他のユーザーに送ることもできる。

Facebookは、このコードは米国のMessengerユーザー同士なら誰でも利用でき、他の決済アプリは不要で連絡先の入力やアップロードもせずに使い始められると説明している。

Messengerで送金と受け取りができるのは18歳以上で、決済機能を利用するためにVisaかMasterCardのデビットカード、PayPalのアカウント、対応するプリペイドカードか政府発行カードのいずれかが必要だ。また、アプリ内で優先して使用する通貨を米ドルに設定する必要がある。

セットアップが完了すると、デフォルトの支払い方法を選んだり、オプションでPINコードを設定して決済を保護したりできる。

QRコードは、Facebookアプリ上部にあるカルーセルの「Facebook Pay」セクションからも利用可能だ。

Facebook Payは2019年11月に、個人間送金だけでなく寄付やストリーミング収益化のFacebookスター、eコマースなど同社のアプリ全般にわたって利用できる決済システムとして初めて登場した。QRコードの利用はVenmoなどに追随するかたちだが、今回発表されたサービスは必ずしも決済アプリのライバルになるものではない。Facebookは対応する決済方法の1つとしてPayPalと連携しているからだ。

決済機能はFacebookのデジタルウォレットであるNoviとはつながっていないが、将来的には変更されるかもしれない。

画像クレジット:Facebook

個人間送金機能は、メインのチャットのスレッドに戻らなくても写真やビデオに簡単に返信できるクイックリプライバーなど、Messengerのいくつかのアップデートとともに紹介された。チャットの新しいテーマとして、女優のOlivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)のファン向けのテーマ、世界海洋デーにちなんだテーマ、新作映画「ワイルド・スピード / ジェットブレイク」のプロモーション用テーマも追加された。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookQRコード決済モバイル決済アメリカFacebook PayFacebook Messenger

画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

フェイスブックがInstagram用Messenger APIの正式導入を開始、すべての開発者や企業が利用可能に

Facebook(フェイスブック)は、毎年開催している開発者会議「F8 Refresh(F8リフレッシュ)」(2021年は例年より規模を縮小し、バーチャルでの開催となる)に先立ち、いくつかのニュースを発表した。そのうちの1つは、すべての企業がMessenger(メッセンジャー) APIを活用してInstagram(インスタグラム)ユーザーの顧客と対話できるようになるというものだ。この機能は、まず世界中のすべての開発者に開放され、企業に対しては段階的なアプローチがとられる。

フェーズ1では、フォロワー数が1万人以上10万人未満のInstagramアカウントがこのAPIに接続される。続いてフェーズ2として、2021年7月よりフォロワー数が1000人以上1万人未満のアカウントにまで拡大される。残りのアカウントは第3四半期までに利用可能になる予定だ。

このInstagram用Messenger APIは、2020年10月に一部の企業を対象としたクローズドベータとして発表されたもので、30の開発者と700のブランドが参加した。今後はInstagramを利用して顧客との交流を図るすべてのブランドや組織が、この機能を利用できるようになる。

関連記事:FacebookがMessenger APIでInstagramもサポート、ソーシャルショッピングを強化

このツールで重要な点は、企業にとってFacebookのプラットフォームをさらに広く活用する方法が大きく前進することだ。

これまで、顧客とメッセージのやり取りによる交流を望むブランドは、Instagramを直接利用するか、Facebookの統一ビジネス受信箱を使う必要があり、特に大量のトラフィックを扱う企業や、顧客との交流をより広範な顧客サービスのデータベースと連携させたい企業にとっては、できることに制限があった。

これに対し、Messenger APIは、企業やブランドがコミュニケーションの管理に使用しているサードパーティ製アプリケーションに統合することができる。例えば、Hootsuite(フートスイート)やSprinklr(スプリンクラー)のようなソーシャルメディア管理プラットフォームや、保証情報やロイヤルティカード番号などの顧客データを取り込むことができるCRMアプリケーションなどだ。

Facebookによると、クローズドベータの結果から、ブランドや企業はコミュニケーションを1カ所で管理できるもっと良い方法を求めていること、そして多くの企業がコミュニケーションやワークフローを効率よく管理するために、ソフトウェアへの投資を増やしていることがわかったという。これらの点において、Messenger APIをInstagramに拡張することは、長く必要とされていた機能だった。

Messenger APIをInstagramに拡張する動きは、いくつかの点で理に適っている。まず、FacebookがInstagramの商業的な可能性をどのように活用するかについて、以前から積極的に取り組んできたこと。それは広告に留まらず、ブランドや企業とユーザーとの会話や、最近ではショッピング機能の強化などの分野にまで拡大している。また、Facebookは、現在Instagramユーザーの90%が少なくとも1つの企業をフォローしていることを指摘しており、両者間の会話を管理するためのより良いルートを作ることは、必然的な動きだったと言える。

Facebookは同時に、同社が擁するさまざまなアプリやプラットフォーム、すなわちFacebook本体、Messenger、WhatsApp(ワッツアップ)、Instagram、Oculus(オキュラス)などの連携を高める方法にも取り組んできた。それはユーザーがアプリやプラットフォームの枠を超えて交流できるようにするだけでなく、企業にとってはより統合されたソーシャル戦略を可能にするものだ。Messenger APIはもともと、ブランドがMessenger上でボットを使ってユーザーと会話したり、会話を管理するために開発されたものであり、そのサポートにInstagramを加えることは、前述の2つの大きな戦略に合致する。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hirokazu Kusakabe)