Google、検索結果にカレンダーからの検索内容も表示する機能を追加(フィールドトライアル利用者向け)

gmail_search_field_trialGoogleからのアナウンスによるとGmailおよびGoogle.comでのフィールドトライアルに参加する利用者について、Googleの検索結果ページに、自分のカレンダーからの検索結果なども表示するようにしたのだそうだ。[what is on my calendar today]や[when am i meeting rip]などといった検索ができるようになる。

ちなみに、フィールドトライアル自体はしばらく前から行なっているものだ。検索にパーソナライズしたものも表示したいと考えている人は誰でも参加できるようになっている。

Googleは最近、トライアルの参加者に対して直近のフライト予定やレストランないしホテルの予約情報、イベント情報なども表示するようにしている。これはGmailの受信箱を検索して、OpenTable、Ticketmaster、Eventbriteなどからのメール情報を検索結果に表示していたわけだ。こうした情報の一部は、Google Nowでも利用されているものだ。

Google Search部門のシニア・バイスプレジデントであるAmit Singhalによると、そもそも最も必要な情報というのは公開ウェブの検索からは得られず、メールなどの情報もあわせて検索する必要があることも多いということが、このフィールドトライアルをスタートするきっかけとなったようだ。

こうした機能を一般向けに公開するのではなく、「フィールドトライアル」といった形で出してくるのは当然のことだろう。すなわち、機能の実現にあたってはGmailの受信箱やカレンダーを検索して、それをGoogle.comサイト上に表示するという処理が必要になる。利用者のプライベートな情報を検索して利用するということに不快感を感じる利用者もいるからだ。

ちなみに今回の機能追加も含め、フィールドトライアルは現在アメリカ国内で英語モードで利用している、gmail.comのアドレスを所有している人が対象だ。尚、Google Apps内の情報については今回の追加オプション機能は適用されない。

google_search_field_trial_calendar

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

Googleパンダアップデートの余波を探る – 敗者は復活できたのか?

昨年は日本でもついにパンダアップデートが導入され、SEO業界大激震の日々でした。米国では2年前に既にパンダアップデートが登場し、様々なサイトが順位下落の憂き目に会い、順位改善の努力を行ってきたわけですが、今回はそんなパンダアップデートの被害に会った主要サイトの今日の順位状況をパンダアップデート登場前と比較してみよう、というSEOに関わる人なら誰もが気になる記事をやっぱりサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

(編集者による注記: これは、2011年2月24日に導入されたグーグルのパンダアルゴリズムアップデートのその後に注目したシリーズ記事の第一弾である)

panda-birthday-anniversary-icon2年前の今日、グーグルは、パンダアルゴリズムのアップデート(日本語)を導入し、SEO業界だけでなく、オンラインパブリッシング業界全体に衝撃を与えた。

もともと、このアップデートは、グーグルが主に「コンテンツファーム」をターゲットにしていため、「ファーマー」アップデートと呼ばれていた。「コンテンツファーム」とは、質の低いコンテンツを大量に作成するサイトの総称であり、このタイプのコンテンツはグーグルの検索結果に上位にランクインすることがあった。このアップデートが立ち上げられた際、グーグルはコンテンツファームを具体的に狙ったとは明言していないものの、ウェブスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、当時、次のように述べていた: 「私達が話題にしているサイトのタイプは、何となく伝わるでしょう」

実際に、十分に伝わった。

そして、グーグルのターゲットは、ローンチの数日後にさらに明白になっていった。複数の検索および検索ソフトウェア会社が、勝者と敗者 – グーグルのアルゴリズムの変更によりダメージを受けたサイト、反対に恩恵を受けたサイト – をリストアップし始めたためだ。

もちろん、検索結果でのビジビリティを失った敗者がいる一方で、ビジビリティを獲得した勝者が存在した。しかし、パンダがローンチされてから2年が経過するものの、恩恵を受けたことを発言するサイトは皆無に等しい。

これから説明していくが、20を超える敗者の中で、パンダが行われる3週間前のSEOのビジビリティの状態に戻ることが出来たサイトは、たった2つだけである。その他のサイトは、今も尚検索のビジビリティを取り戻すことが出来ていない。

パンダの打撃を受けた後、回復したサイトは他にも存在するものの、全てのサイトが完全に回復したわけではなかった。この点に関しては、この記事の後半で詳しく説明する。まずは、背景を確認しよう

背景: パンダの勝者と敗者

たった2日間で、パンダアップデートの勝者と敗者(日本語)が判明した。サーチメトリクスSistrix等のサービスが、それぞれのツールやデータを駆使して、グーグルの検索結果でビジビリティを失ったサイト、そして、得たサイトを発表した。こういったレポートは、公式のレポートではないものの、打撃を受けたサイトの多くは、最終的に自ら影響を受けた点を認めた。

初期の勝ち組の中には、ユーチューブやウィキペディア等の巨大なコンテンツサイト、そして、eBayやアマゾン等の大規模なブランドが含まれていた。その他にも、多くの様々な規模のサイトが、敗者がいる一方で、ビジビリティを高めていった。先程も申し上げたように、グーグルの検索結果から、あるサイトが漏れる一方で、別のサイトがその位置を埋めているのだ。

パンダの初期(日本語)の負け組に関するレポートでは、大勢のサイトをリストアップしたが、以下にその他のレポートでも名前が挙げられていたサイトを幾つか挙げていく:

  • EzineArticles.com
  • HubPages.com
  • AssociatedContent.com
  • Mahalo.com
  • Examiner.com
  • Suite101.com
  • Buzzle.com
  • Squidoo.com
  • Buzzillions.com

ディマンドメディアのサイトがリストアップされると思った方もいるかもしれないが、ディマンドメディアは、基本的に負け組み入りを免れていた。この件に関しては、後ほど詳しく説明する。

パンダの負け組の現状

簡単に言うと、いまだに負け組から抜け出せずにいる。

事実、敗者の一部は、もはや存在せず、また、名前/ビジネスモデルを完全に変更したサイトもある。この件は明日のエントリで詳しく取り上げる。

先日、私はサーチメトリクスに2年前のパンダの敗者のリストを振り返り、再び敗者に対する「SEOのビジビリティ」レポートを実施してもらった。 先週、サーチメトリクスはレポートを実施し、多くの情報を提供してくれた(ちなみに、Sistrixにも同じ作業を要請したものの、この記事にデータを掲載するための期限内に返事をもらえなかった)。

サーチメトリクスは、22サイトのパンダの敗者に注目し、3つの時期で、グーグルの検索結果でのビジビリティを比較した:

  1. パンダが行われる前(2011年2月11日)
  2. パンダが行われた後(2011年3月13日)
  3. 現在(2013年2月17日)

その結果、22サイトのうち、パンダが行われる前のビジビリティを取り戻したサイトは1つもなく、また、パンダが行われた後から現在に至るまでにビジビリティを改善したサイトは、2つのみであった。

以下にサーチメトリクスから提供されたスプレッドシートを掲載する(クリックすると拡大する):

panda-sheet-1

(注記: 数字はサーチメトリクスの「SEO ビジビリティ」スコアを反映しており、失ったトラフィックの量の予想値ではない。これは、同社が計測した無数のキーワードにおけるグーグルの検索結果において、当該のドメインのビジビリティのレベルを表している)

上のイメージ内で、右側のカラム – HとIに注目してもらいたい。このスプレッドシートは、- 例えば、Suite101.comは、パンダアップデートが行われる前と比べ、ビジビリティを96%落とし、パンダが行われた後と比べ、81%落とした – と読む。

カラム Iを上から下に目を通していくと、プラスのデータを得ているサイトは2つしかない点に気づくだろう。MerchantCircle.comとBusiness.comは、共に十分に回復を遂げ、現在のSEOのビジビリティスコアが、パンダが行われた後のスコアよりも高くなっている。しかし、カラム Hが示しているように、共にパンダが行われる前と比べると、ビジビリティは低く、この傾向はその他の20のサイトにも共通する。

Business.comのSEOのビジビリティの表は非常に興味深い。

businesscom

2011年2月のパンダの影響は明白であり、同サイトのビジビリティはまるでノコギリのように変動している。2011年の年末、または2012年の年始にビジビリティを回復させている。それぞれ、パンダ 9、パンダ 10が行われた時期と一致する。その後、何度か回復を経験し、現在は、パンダアップデートが行われた直後と比べると若干好転しているものの、アップデートの前には遠く及ばない。

ディマンドメディアのサイトのその後

ディマンドメディアのサイトは上のレポートには含まれていない。もともとパンダの敗者としてリストアップされていなかったことが要因だ。

ディマンドメディアを代表するサイト、eHow.com – 「コンテンツファーム」を連想させるサイト – は、パンダがローンチされた際、実はビジビリティを増やした(日本語)と報じられていた。しかし、この状況は長続きせず、数ヶ月後、グーグルがパンダ2.0を導入した際に打撃を受けていた。サーチメトリクスの表には、2011年2月、eHowはビジビリティを獲得したものの、2011年4月、ビジビリティを失っている(日本語)事実が反映されている。

panda-ehowcom-with-date

このサイトのビジビリティは、2012年9月に若干改善されているものの、パンダが行われる以前のレベルと比べると、63%下回っている。

別のディマンドメディアのサイト、Livestrong.comは、昨年、1年間通じて、パンダから徐々に回復していった。

サーチメトリクスによると、同サイトのSEO ビジビリティは、パンダが行われた数週間で35%落ちているものの、その他のサイトと比べると傷は浅かった。しかし、下の表にも記されているように、Livestrong.comは2012年に回復を遂げただけでなく、少なくとも2012年の後半までは、パンダが行われる前のビジビリティを超えるレベルに達していた。

panda-livestrong-with-date

1年間を通じてビジビリティを再び獲得した後、Livestrong.comは、11月下旬に行われたパンダアップデート 22の打撃を受けたようだ。それ以来、ビジビリティは下がり続けている。現在、Livestrong.comのビジビリティは、パンダ以前よりも約13%下回っている。

パンダはディマンドメディアに確実にダメージを与えている: 1年前、ロサンゼルスタイムズは、ディマンドメディアが、2011年の第1四半期に640億ドルの減益を出した要因をパンダだと報じていた。

しかし、先週、最新の業績報告書の中で、同社は、2012年、ディマンドメディアが所有/運営するサイトのページビューが(2011年と比べ)24%増加し、- 主にeHowとLivestrongのトラフィックの増加を要因と挙げていた。報告書の中で、リチャード・ローゼンブラットCEOは、同社が「2012年にコンテンツの質を改善」し、「現在、2013年のコンテンツへの投資を大幅に増加する準備を進めている」と述べている。

ローゼンブラットCEOは楽観視しているものの、ディマンドメディアのサイトは、パンダ後の回復に関しては、現時点では、必ずしものんきに構えている状況ではないように思える。

しかし、少なくとも1つのサイトは好調を維持している。

MotorTrend.com: パンダ危機から完全復活を遂げる

Motor Trendは、長年に渡って刊行されてきた雑誌であり、ウェブサイトは信頼されているようだ。また、毎年恒例の「Car of the Year」は自動車業界では権威ある賞として浸透している。私はMotor Trendの読者ではなく、また、MotorTrend.comのウェブサイトを実際にじっくりと目を通したこともない。そのため、パンダの打撃を受けるに値するサイトであったかどうかは断言することは出来ない。しかし、実際に、下の表にも示されているように、同サイトはパンダの影響を受けていた:

panda-motortrend

MotorTrend.comは初回のパンダアップデートの衝撃を受け、その後、パンダ 5がリリースされた2011年7月に回復している。パンダ 7の導入によって再びビジビリティを失い、その後、以前の記事の中でも取り上げたように、数週間後のパンダ 8のリリース時に再びビジビリティを取り戻すことに成功していた。

現在、MotorTrend.comのビジビリティは、サーチメトリクスのスコアを参考にする限り、安定しているように思える。実際に、パンダ以前のビジビリティを上回るスコアを獲得している。同サイトのパンダ対策に関する記事を読んだ記憶はないが、あるなら是非読んでみたい(同サイトが、5ヶ月間のビジビリティの下落に気づいていると仮定して)。

MotorTrendがパンダの打撃を受け、その後、回復した点において皮肉だったのは、パンダにターゲットにされたウェブマスターに対して、グーグルが挙げた質問の中の一つに、その記事は、印刷版の雑誌、百科事典、または書籍に掲載されていてもおかしくないですか?と言う質問があったことだ。

恐らく、グーグルはこの質問に対する答えが「はい」であった点に気づいたのだろう。

これは、導入後2年目を迎えたグーグルのパンダアップデートに関するシリーズ記事の第一弾である。

(ストックイメージは、ライセンス契約の下、Shutterstock.comのコンテンツを利用している)

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Panda Two Years Later: Losers Still Losing & One Real Recovery」を翻訳した内容です。

パンダアップデートの登場から度重なる更新と共に多くのサイトが順位改善&下落の激震の日々を送っていたことがよく分かる記事でした。しかし一度順位にダメージを受けたサイトの多くが順位改善できていないんですね。最も、パンダアップデート登場以前は、質より量で低品質コンテンツでも特定のキーワードフレーズに特化したページであればサイトのドメインさえ評価が高ければ、それなりに順位が上がっていた時代です。

そういったサイトが低品質のコンテンツを整理し順位改善したとしても、単純に以前よりコンテンツ量が少なく、結果現状のコンテンツの順位が高いとしても以前までのトラフィックは得られないケースは普通にあると思います。なので、パンダアップデート以前よりトラフィックが少ないからといってパンダアップデートから回復できていないとは必ずしも言い切れないことには注意したいです。

日本では余りこの種の順位比較調査は行われてきませんでしたが、悲喜こもごもな状況は様々あるのでしょうね。 — SEO Japan [G+]

Chromeブラウザ(とGoogle Docs)のスペルチェッカーが賢くなった

chrome_beta_logo

今日(米国時間2/26)リリースされたChromeバージョン26のベータでは、スペルチェッカーが更新された(ブラウザ内とGoogle Docs)。新たに韓国語とタミール語とアルバニア語がサポートされ、また改良箇所も多い。しかし、いちばん重要な新機能は、Chromeの設定を複数のデバイスでシンクするときに、ユーザのカスタム辞書もシンクできるようになったことだ。だからユーザの名前の綴りとか、一部のスタートアップの名前などが、スペルチェッカーのデフォルトから見ておかしくても、それを新しいChromebookなどの上でうるさく指摘されることはない。

spellcheck

またスペルチェッカーの”Ask Google for suggestions“(Googleにサジェッションを求める)機能が改良され、ブラウザの辞書だけでなくGoogleのWebサービスも見てスペルを提案するようになった。Googleはこの新機能について、“英語における、文法/同音同綴異義語/文脈感知型のスペルチェックを提供する。それはGoogle検索で今使われている技術と同じものである”、と言っている。今は英語だけだが、ほかの言語ももうすぐ対応するそうだ。

また、これからはスペルチェッカーが、“ ‘Justin Bieber’、 ‘Skrillex’などの固有名詞を理解するので、たとえばDananananaykroydでnをいくつ書くべきか(正解:4つ)思い出せなくても、もう大丈夫”、だそうだ。

WindowsとLinuxとChrome OSのユーザにはChrome v26の安定バージョンがもうすぐ提供される。Macのサポートは、やや遅れるらしい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleがワード間の関係を基にページのランクを決定する仕組み

最近、SEOのマニアックな記事が少ない!とお叱りの声を受けることも多いので、今回は久々にSEO by the SeaのディープなSEO記事を。 — SEO Japan

前回の投稿「アンカーテキストがSEOに与える影響【2012年度末版】」(日本語)は、数週間前にSEOmozに投稿された動画「予想: 瀕死のアンカーテキスト – 共同引用は後継者になれるのか?」への私のリアクションである。当時、次の投稿(今回の記事)で、この記事、そして、特定のワードがページで同時に発生する現象が、ランキングシグナルになり得ると言う見解を再び取り上げることになるとは思っていなかった。

ランド・フィッシュキン氏は、クエリに対して最適化をあまり行っているようには見えない3つの異なるページがSERPの1ページ目に掲載されている現象を取り上げ、クエリに関連するワードがページ上で同時に発生する共通点があると指摘していた。一方、私はこのようなランキングの原因になったと思われるグーグルによるランキング変更のアプローチを調べ、フレーズベースのインデックス、リーズナブルサーファーモデル、固有表現、クエリに割り当てられたカテゴリ、ウェブページに割り当てられたカテゴリを含むカテゴリをベースとしたメソッド、そして、クエリ内での類義語を利用するアプローチをリストアップした。

グーグルのフレーズベースのインデックスは、クエリに対する上位(10/100/1000)の検索結果で一緒に現れる(共起)ワード(フレーズ)に注目し、共起に応じてページのランキングを押し上げるアプローチであり、フィッシュキン氏が取り上げたページが1ページ目の結果に表示させた原因のように思える。私が紹介したその他の再ランク付けのアプローチもまたこのランキングの原因になっている可能性がある。その後、今週グーグルに付与された特許が、この現象の背後にあるのではないかと感じたのだ。

ワードの関係とドキュメントのランキング

下のイメージは、街の郊外にある古いホテルの前に立てられている看板である。以前、シェナンドア国立公園内で30分の距離にあるスカイラインドライブに向かう途中、このホテルに泊まる人達が大勢いた。看板に描かれた「Vacancy」と「Enter」の2つのワードは、最小限のワードで伝えたいこと表現している。

この点を踏まえ、文書内で特に重要なワードを幾つか選び、互いの距離に応じて、同時に現れる文書に対する関連性および重要性を特定することが出来るとしたらどうだろうか?

An old sign stating that there is a vacancy at the hotel it appears in front of.

例えば「mockingbird」等のクエリをグーグルで検索にかけ、検索結果に表示されたトップ1000の文書を引き出したとする。文書から大半の用語に対して、表示されている場所をマークした後に抽出し、文書内で現れる回数や文書の始めへの距離等を基にそれぞれのワードのスコアを計算する。

大文字表記の分析および一部の言語分析を実施し、用語が名詞なのか、固有名詞なのか、固有表現なのか、あるいは、文のような情報の塊なのかを特定する。このような用語には、文書内の動詞やその他のタイプの用語よりも高いスコアが与えられる可能性がある。また、その他の分析が用いられ、用語が固有表現かどうかを特定する試みが行われることもあり得る。

tf-idfスコア等のツールを使って、ウェブで頻繁に登場する傾向のある用語をカットして、一般的な用語を確認する。tfidf分析を基にした閾値を上回った上位20前後の用語を維持し、残りの用語は捨てる。残した用語は、文書内で特に重要な用語だと言える。

次にそれぞれの文書で残った関係のスコアを計算する。互いの距離が近いことを前提として、相関関係を持つワードは、関係があると見なされる。同じ文または段落、あるいは、特定の本数の文の中で登場する場合は距離が近いと思われる。これはローカルタームの関係と呼ばれる。残った用語がその他の用語とローカルタームの関係を持っていない場合、対象から外される。

文書の用語のスコアは、文書内の1位の用語、そして、当該の用語と他の用語の間に存在する文の本数を基にした最短距離に応じて算定される。同じ文に掲載されている場合は、距離はゼロとなる。

An image from the patent showing a flow of local term relationship scores into document scores that could influence rankings of those documents.

すべての文書の用語が抽出され、スコアが与えられ、関係スコアが判明した後、ローカルタームの関係および文書のもともとの順序を基に関係が特定される。それぞれの文書のスコアは、どの文書が共通する用語を持つのかを確認し、共通する用語を持つ文書同士を比較し、そして、もともとのランキングスコアとそれぞれの文書内の用語の関係スコアに基づくスコアを組み合わせて、生成されると推測される。

この特許はこのメソッドを利用する利点として次のメリットを挙げている:

  • 曖昧なクエリに対してより広範な検索結果が提示される
  • 検索結果が表示される順序が並べ替えられ、上位の検索結果でより広範な情報を提供するようになる
  • 異なる文書をつなぐハイパーリンクを持たない文書間の関係が特例される。コーパス内のある用語に関連する用語が特定され、コーパス内の文書に対するナビゲーショナルなリファレンスとして利用される用語として提示される可能性がある

それではこの特許を詳しく説明していく:

ワードの関係を利用した文書のランク付け

発明: Sharad Jain

付与先: Google

米国特許番号: 8,321,409

付与日: 2012年11月27日

申請日: 2012年6月30日

概要

文書に得点を与えるメソッド、システム、そして、コンピュータプログラム製品を含む機器。順位が付けられた複数の文書を受信する。複数の文書の用語の間に存在するローカルタームの関係が特定される。それぞれの文書の用語と用語の間の関係が、それぞれのローカルタームの関係に値する。

複数の文書における関係は、ローカルタームの関係および文書のもともとの順序に応じて特定される。各文書に対するスコアは、文書の関係に基づいて決められる。

教訓

この特許で描かれているプロセスは、クエリに対して返された上位のページで特に重要で影響力のある用語を特定する試みを行う。このような用語と同じページ上のその他の用語の関係の強さに注目する。文書内の用語の場所、そして、重要な用語の間の相対距離(用語が複数回登場する場合、最も近い距離が採用される)に応じて、スコアが生成される。

文書のスコア、そして、重要な用語の違いによって、ランキングが2通りの方法で影響を受けると思われる。文書のスコアは、ページのもともとのスコアと組み合わされ、一連の検索結果で押し上げられることもある。

文書内のワードにおける重要な用語の違いは、様々なタイプの結果が提示されること、そして、クエリが曖昧な用語であることを示唆し、検索エンジンが結果を並び替え、もともとの検索結果よりも広範な意味を網羅する可能性がある。例えば、クエリ[java]では、プログラミング言語に関する結果、島に関する結果、そして、飲み物に関する結果が提示される。各ページの重要なワードまたは用語は、検索結果の1ページ目に提示されるべき3つの異なる意味を指摘する。

文書のスコアに応じたランキングの押し上げ、そして、様々な結果を表示する上での並べ替えのおかげで、クエリの用語に対して関連性が低いページが、検索結果において大幅にランクを上げる可能性がある。

前回作成したウェブページや投稿したブログのエントリをチェックして、ページ上で最も重要なワードとしてグーグルがどのワードを特定したのか、そして、ワード間の関係がどれぐらい強いのか推測してみよう。共起は当該のページのランキングに影響を与えているだろうか?

ただし、このプロセスは、ページ上のクエリの用語(または用語の類義語)を基にした、あるいはページに向かうリンクの本数を基にした、そして、ページランク等の重要なスコアを基にしたページの情報検索スコアを置き換えるものではない。そうではなく、フィルターや重みを加え、また、検索クエリの結果に多様性を持たせようと試みる。

グーグルは、この特許で描かれているように、ページ上の重要な用語の共起を用いて、ランキングに影響を与えているのだろうか?


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「Ranking Webpages Based upon Relationships Between Words (Google’s Co-Occurrence Patent)」を翻訳した内容です。

やっぱりマニアックすぎて恐縮でしたが、Googleがテキストで書かれたコンテンツの意味を正確に解釈するためのアルゴリズムを日々進化させていることは感じられたかと。。。同時にキーワード詰込み型のSEOに効果がなくなっている論理的な理由もまたこういった技術に隠れているのでしょうね。だからといってキーワードを意識しないで文章を書けばよいということにはつながりませんが、最近のSEO全般にいえることですが、何事もほどほどに、がよさそうです。 — SEO Japan [G+]

Google+プラットフォームがメジャー・アップデートしてサードパーティーのサービスにG+アカウントでサインインが可能に―「ソーシャルスパムなし」が自慢

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Googleは先ほど、Google+プラットフォームのメジャー・アップデートリリースした。今回のアップデートの目玉はGoogle+のログインでサードパーティーのサイトへのサインインが可能になったことだ。このGoogle+のアカウントによるサードパーティーへのログイン・サービスは、Googleによれば「現在のGoogleによる認証システムよりはるかに高機能だ。ただし旧バージョンも従来どおり機能する」とのこと。

このサインイン機能を利用するとユーザーはサードパーティーのウェブやモバイルのサイトに新たに登録する際、Googleアカウントが利用でき、さらにGoogle+のプロフィールを持ち込める。つまり新しいユーザー名やパスワードをいちいち用意する必要がない(この点ではFacebook Connectとほぼ同様の機能だ)。

新システムでは従来からGoogleが推奨している2段階認証やOAuth 2.0が利用できる。しかしそれだけではなく、デベロッパーは必要に応じてさらに多くの新機能を利用できる。たとえば、サイトの訪問者がワンクリックでAndroidアプリをインストールできるようにしたり、FitbitのデータやShazamのコンテンツを直接Google+のプロフィールに掲載したり、相手を選んでタイムラインに流して共有できるという。

すでにBanjo、Beautylish、Fancy、Fitbit、Flixster、The Guardian、OpenTable、Shazam、TuneInRadio、USA TodayがGoogleの新しいサインイン/ログイン機能をサポートしている。

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Googleによれば、この新システムにはいくつか重要なメリットがあるという。中心となるのはもちろんサードパーティーへのログイン機能そのものだが、ユーザーから見た場合は現在のGoogleログインと事実上変わらない。昨日、Googleの担当者に取材したところ「メジャー・アップデート後もユーザー体験が変わらないようにすることに特に気を配った」という。

新機能はウェブ、iOS、Androidのすべてをサポートする(もちろんワンクリック・インストールはAndroidのみ)。アップデートが世界の全ユーザーに公開されるにはここ数日かかる見込みだ。

では今回のアップデートで本当に変わったのは何か? それはログインシステムを利用した機能拡張だ。


対話的共有

GoogleはGoogle+に「対話的共有」と呼ばれるボタンを追加した。デベロッパーはこのボタンにさまざまな機能を実装することができる。Googleではデベロッパーの自サイトやモバイル・アプリのの関連ページにジャンプする、プロダクトを購入したりレビューしたりする、音楽を再生する、など100種類以上のアクションを用意している。対話的共有ボタンを使えばGoogle+の投稿にこうした機能が簡単に導入できるようになる。.

選択的共有

Google+チームは以前から「デベロッパーががユーザーのストリームに自動的に投稿を送り込むようなことを許すつもりはない」と言ってきた。「そんなことをするのはスパムに等しい」というのがチームの見解だ。今日のアップデートもその約束に違わず、依然としてユーザーのボタンクリックという積極的行動なしにデベロッパーがユーザーのタイムラインにメッセージを送ることはできない。しかしボタンがクリックされた後はGoogle+のプロフィールのページを自動的に更新できるなど、デベロッパーには自由が増えた。

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Googleチームは私の取材に対し、スパム防止と情報共有の調和に関して次のように説明した。

われわれはアプリや個人が他のユーザーのニュース・ストリームににスパムすることを防止しようと務めてきた。一方、Google+ではサークルを選んで情報を共有できる機能を提供している。そこでわれわれはユーザーがストリーム中で明示的に共有を選択しないかぎり、その情報はユーザー自身のプロフィール・ページのみに表示されるようにした。ユーザーはその後、プロフィール・ページ中から任意の情報を選択してGoogle+上に改めて公開することができる(たとえば今日聞いた音楽の曲名や一日に何歩歩いたかなどの情報)。

ユーザーがサークルや個人を指定して共有した情報はすべてその相手のウェブなりモバイル・アプリなりの通知バーに表示される。Googleによれば、これはメッセージができるだけ正確に意図した相手にのみ表示されるようにするためだという。

これがどう機能するのか例を見てみよう。Fitbitはユーザーが「毎日何歩運動したか」を自動的にプロフィールに表示して共有できるようにする。実際の手順はこうだ。ユーザーはGoogle+アカウントでFitbitにログインする。次にFitbitが提供する情報のうち共有したい種類を選び、次に共有相手のリストないし個人を選ぶ。

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一方、Fancyのようなサービスでは、ログインの際にユーザーがそのAndroidアプリをインストールしていないことを探知した場合、ユーザーにアプリをインストールするか尋ねる。これでデベロッパーはアプリのインストールするを(Googleの表現によれば)魔法のように増やせるのだという。ただし現在のところアプリのワンクリック・インストールは無料のみがサポートされている。

Googleはデベロッパーに新システムへの早期移行を勧めているが、今後も旧システムは機能させる。新システムのリリースにあたたってのパートナーの一つ、OpenTableは私の取材に対して、「Google+を利用したウェブとモバイル・アプリへのサインインへの新システムへの移行はごく短時間ですんだ」と語った。Googleは「新システムの基本的部分の実装には1時間もかからないだろう。対話的共有や選択的共有機能を駆使した複雑なシステムの開発でも2週間程度でできる」という。

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[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

ユーザーはGoogle+を使っていることに気づかないという調査結果―「コンテンツごちゃまぜ」作戦が効果を増している

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編集部:この記事はConde NastのPARADE Magazineの上級開発者、元Forbes記者のTaylor Buleyの寄稿〕

Google自身が昨年12月に発表したところによると、Google+の登録ユーザーは5億人、G+ボタンを押すなどなんらかの活動しているユーザーは2億3500万人、実際にGoogle+ストリームにアクセスするユーザーは1億3500万人だという。しかし別の調査によると、実態はもう少し複雑らしい。

Pewリサーチ・センターが最近発表したソーシャル・メディア調査によると、オンラインの成人の67%がFacebookを利用していると回答している。Pinterestは16%、Twitterは15%だった。ところがこの調査結果にはGoogle+(世界でナンバー2のネットワークと自称)がまったく出て来ない。

調査を企画したMaeve Duggan,によれば、これには理由があるのだという。「本番の調査の前にテスト調査で、われわれはGoogle+を他のGoogleサービスと区別することが非常に難しいことを発見した。そのため今回の調査ではGoogle+を対象から除外せざるを得なかった」とDugganはTechCrunchへのメールで説明している。

トラフィックをサードパーティーが推測するのはいつでも難しい作業だ。たとえばTrendstreamはGlobalWebIndexという調査を最近発表し、Google+のユーザーを1億5000万人としている。この数字はその後ウェブ上のあちこちで引用されているが、調査方法などその裏付けとなると明らかでない。PewのDugganの説明が正しくて、自分が単にGoogleのアカウントを持っているだけなのか、実際に何らかの形でGoogle+を使っているのかユーザーが区別しずらいとするなら、GlobalWebuIndexの調査結果も見直しが必要だろう。

PewのDugganに私は「ユーザーがgmail、googleドキュメンその他のGoogleサービスとGoolgle+を区別しにくいという理由は何だと考えるか?」と尋ねたたが、Dugganは「われわれはデータの背後の事情について推測はしないことにしている」という返事だった。しかし敢えて推測するなら、たとえば一般ユーザーはBacon numbers〔ケビン・ベーコンと他の俳優との共演関係の次元数〕やさまざまなウェブ・ツールなどをそもそもGoogleが提供していることさえ意識しているか疑わしい。

Googleの競争相手にとって悪いニュースは、Pewの調査で明らかになったようなGoogleのさまざまなサービスやコンテンツの「ごちゃ混ぜ」作戦が効果を増しているように見えることだ

昨年のFTC〔連邦取引委員会〕のGooogleの反競争的行為に関する調査はおおむね不発に終わったものの、検索と他のサービスの関係が不透明だというのが主要な疑惑の一つだった。たとえばレストラン・レビューのYelpは、「Googleは自社の劣った同種のサービスを有利にするために検索結果でYelpの情報を歪めている」と主張した

Googleには批判が集まったものの、結局「検索やオンライン・サービスは非常に競争の激しい市場であり、競合サービスがより優れていればユーザーは一瞬で乗り換えることができる」という主張が認められた。 Googleは10の事実というマニフェストで大胆にも「ユーザーが一刻も早く自社のホームページから離れることを目標にしている会社は、世界中でもおそらく Google だけでしょう」と述べている。

Googleの競争相手にとって悪いニュースは、Pewの調査で明らかになったようなGoogleのさまざまなサービスやコンテンツの「ごちゃ混ぜ」作戦が効果を増しているように見えることだ。Googleのさまざまなサービスに導入された黒いGoogleバーはGoogle+と他のプロダクトの混合を効果的に助けている。またGoogleはAdPlannerサイトでウェブの主要なドメインのトラフィックをすべて公開している―ただしGoogle.com自身のデータは公開していない

しかし情報が混沌としているのはGoogleだけではない。たとえばPinterestにしても2012年にForbesは「Pinterestのトラフィックは巨大だが、売上はついていっていない」という記事を掲載した。しかし最近のEntrepreneurの記事ではそれと逆に収益性も順調に改善しているとしている。

またサービスが違えば、ユーザー数の意味あいも違っている。Twitterのアカウントを取得したユーザーと、Googleのサービスのどこかで「Google+にアップグレード」というボタンを押しただけのユーザーを同じに扱ってよいかどうかという疑問も出てくる。

当面もっとも信頼性が高いのはISPのハードウェアでパケットをモニタすることだろう。この方法はプライバシーに関して疑念なしとしないが、それと別にNielsenがWallStreet Journalの取材に対して答えたところではNetflixがDRMで保護されたビデオのパケットを暗号化しているためトラフィック調査は困難だったという。こうした動きは次第に広がりそうだ。

とはいえ、Google+にせよ他のソーシャル・サービスにせよ、理解するためにユーザーの細かい数字がどうしても必要というわけではない。Facebookは時折大台に乗ったことを発表して大いに強い印象を与えるのに成功しているが、そうした公式の数字なしでもわれわれはサービスの勢いを十分に感じることができる。Google+にせよ他のサービスにせよ、われわれのユーザーとしての実感がいちばん確実な情報源だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Googleが改良版UDPとしてQUICというプロトコルを開発中(らしい)

google logo

昨日のFrançois Beaufortは最高に幸せだった。今月初めに彼が見つけてリークしたChromebook Pixelのビデオが本物であると分かっただけでなく、彼はGoogleがChromeに、QUICと呼ばれる新しい通信プロトコルを実装中であることに気づいた。このプロトコルはどうやら、インターネットの、TCPに次いで重要なトランスポート層プロトコルの一つであるUDP(User Datagram Protocol)の、改良版をねらっているようだ。

手順が簡素なためTCPよりも速いUDPは、主にビデオやオーディオ、あるいはゲームなどの高速なリアルタイム性を要求されるアプリケーションでよく利用される。二つのマシン間にダイレクトな接続を維持するので、待ち時間が短いことが重要なリアルタイムアプリケーションや、データのストリーミングには理想的だ。しかし、速いことの代償として、UDPにはTCPプロトコルなどが持つ(データ片の到着順などの)確実性を欠いている。

QUICもやはり、ストリーミングを意識したプロトコルのようだが、暗号化を内蔵しているとか、基本的な確実性制御があるなどの、高機能化が図られているらしい。

このプロジェクトがChromeの開発プロジェクトにマージされたのはほんの数日前のようだが、プロジェクトが始まったのは昨年の終わりごろだ。一部の人たちは当時からすでに気づいていたが、Google側は何も発表も声明もしなかった。しかし今では、Chromeのオープンソース版であるChromiumプロジェクトの中核に収まっているみたいだ。

Googleに問い合わせたが、担当者は“否定はしない”を意味するワンパターンの答をくれただけだ: “チームはたえず各種の新しい機能をテストしております。現時点では、新たに発表すべきものはございません。”

GoogleはWebの基幹プロトコルであるアプリケーション層プロトコル、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に関しても、SPDYという改良版の開発を進めている。そしてその成果の多くが、HTTP 2.0の標準規格に盛り込まれるものと思われる。GoogleはQUICに関しても、それがUDPの正規規格の一部になることを望んでいるのだろう。UDPの高速性を維持しながら信頼性と確実性とセキュリティがある、だから単にGoogleのアプリケーションの高速化に貢献するだけでなく、インターネットそのものの標準低レベルプロトコルとして採用されることが、Googleの利益にもかなうはずなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、Chrome OSノート、Chromebook Pixelを発表―Core i5、12.85インチ・タッチスクリーン、1TBのGoogle Driveつきで価格1299ドル、4月にLTE版も

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数週間前から噂になっていたGoogleのChromebookの新機種Chromebook Pixelが先ほど発表された

これまでのChromebookとは異なり、Pixelはクラウドのヘビーユーザーをターゲットにしたプレミアム・デバイスで、ハードウェアのスペックは強力だ。モニタは12.85インチ、2560×1700(435万ピクセル)、画面比率3:2、CPUはIntelCore i5、それに1TBのGoogle Driveストレージが3年間無料で利用できる。

またGoogleはVerizonと提携して近くLTE内蔵版を発表する。こちらは月100MBの接続とGoGoの機内WiFiサービスが12回分無料提供される。

Pixelの目玉はなんといっても239ppiの高密度スクリーンだ。 これはMacbook ProのRetinaディスプレイの220ppiをわずかだが上回る。Googleは「ノートパソコンで世界最高のピクセル密度を実現した」と誇らしげに語っている。

chromebook_pixel_specs

ベーシック版のWi-Fiモデルの価格はアメリカで1299ドル、イギリスで1049ポンドだ。PixelはすでにGoogle Play で購入可能になっている。また明日の朝にはアメリカでは一部のBest Buy、英国ではCurrys PC Worldの店頭にも並ぶ予定だ。LTE版は1449ドルでアメリカでは4月発売予定。Wi-Fi版はフラッシュドライブが32GBだが、LTE版は64GBに強化される。

GoogleはOEM先を明らかにしなかったが、台湾で組み立てられたと述べている。

今日、サンフランシスコで行われたプレスイベントでGoogleの副社長、Sundar Pichaiは「ハードウェアはすばらしいと思う。われわれはクラウドの住人であるようなパワーユーザー向けのデバイスを作りたかった。今やラウドにすべてを依存しているユーザーが存在する。そういう人たちにとってPixelは完璧なノートパソコンだ」と述べた。

P1110533

Pixelを最初に開いたユーザーがまず驚くのは画素密度の高さと同時に、横3、縦2という異例な画面比率だろう。Pichaiによれば、Googleはユーザーがこのデバイスをどのように利用するかを検討し、ウェブのコンテンツは依然として水平方向に表示されることが多いところから通常の16:10ではなく、3:2に決定したのだという。

タッチスクリーンには0.55mm厚のゴリラガラスが直接融着してある。Googleはこのスクリーンはスムーズに反応し画質も極めて高いとしている。私が実際に触ってみたところ誇張ではないとわかった。AppleのRetinaディスプレイに十分匹敵する。

Googleは「Pixelはハイエンド機だ」と強調した(その点は価格を見ただけでもわかる)。スクリーンの開閉は高級車のドアのようだし、アルミのボディーの角はスムーズに丸められて抱えたときの感触をよくしている。Googleはあらゆる面で機能の高度化を進めている。たとえば第3のマイクが装備されていて、周囲の雑音と同時にユーザー自身がキーボードを打つときに立てる音をキャンセルするようになっている(Pixelにはハングアウトその他のビデオチャット用に720pのウェブカムが装備されている)。

chromebook_pixel

しかしPichaiは「このデバイスはパワーユーザー向けだが、Chromebookのコンセプトは変わらない」と強調した。

またChromeブラウザ自体もタッチ操作のために最適化されている。たとえばメニューも指でクリックしやすいように大きくされている。Pichaiは「近いうちにあらゆるノートパソコンにタッチスクリーンが搭載されることになると思う」と述べた。

Macbook Airとの差を尋ねられて、Pichaiは「Pixelのスクリーンの方が解像度が高いうえにタッチスクリーンを備えている。Appleには、特に12インチ・クラスにはこうした機能を備えた製品はない」と述べた。

Pixelの価格に市場がどう反応するかは不明だが、Chromebookとして最高の出来栄えであることは間違いない。 ハードウェアはスペックも細部の仕上げも非常に高度だ。しかし1299ドルという価格では、Appleのノート、あるいはウルトラブックを選ぶユーザーも多いだろう。

以下にハードウェアのスペックを掲げておく。

Pixel_back_angle_whiteINPUTS
Gorilla® Glass multi-touch screen
Backlit Chrome keyboard
Fully clickable, etched-glass touchpad
HD Webcam

SCREEN
12.85″ display with a 3:2 aspect ratio
2560 x 1700, at 239 PPI
400 nit screen
178° extra-wide viewing angle
DIMENSIONS
297.7 x 224.6 x 16.2 mm
3.35lb / 1.52kg
PORTS
2 x USB 2.0
mini-display port
2-in-1 card reader supporting: SD, MMC

INNARDS
Intel® Core™ i5 processor (Dual Core 1.8GHz)
Intel® HD Graphics 4000 (Integrated)

4 GB DDR3 RAM

32 GB solid state drive (64 GB for LTE model)
AUDIO
Headphone/microphone jack
Built-in microphone array
Integrated DSP for noise cancellation
Powerful speakers tuned for clarity
INDUSTRIAL DESIGN
Active cooling with no visible vents
Machined from anodized aluminum
ENERGY STAR® certified
BATTERY
Up to 5 hours of active use (59 Wh battery)
NETWORK
Dual-band WiFi 802.11 a/b/g/n 2×2
Bluetooth® 3.0
GOODIES
One terabyte of Google Drive cloud storage, free for 3 years
12 free sessions of GoGo® Inflight Internet
100 MB/month for 2 years of mobile broadband from Verizon Wireless (LTE model). Carrier terms and conditions apply.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

GoogleついにGlassの見え方を公開―ハッシュタグ#ifihadglassで応募すると購入できるキャンペーンも

Googleは徐々にGoogle Glassの秘密のベールを上げ始めている。新たな告知のたびに少しずつ情報が追加される。今回発表された上のビデオではついにGoogle Glassを現実の環境で使ったときユーザーにどう見えるのかが公開された。ビデオで着用者は飛行機からスカイダイビングしたり空中ブランコを飛び移ったりしている。最初のコンセプトビデオがいろいろ議論を呼んだが、もうコンセプトではない。本物なのだ。

Glassを着けて街に現れるのはサーゲイ・ブリンだけではなくなる。Googleは開発者以外にもGoogle Glassの購入を認めることにした。ただし応募して選出される必要があるし、Explorer Editionは依然として1500ドルもする。しかしGoogle Glassが手に入るのだ!

このキャンペーンに応募するには#ifihadglassというハッシュタグでTwitterかGoogle+に50語以内で「自分ならGoogle Glassをこう使う」という内容を投稿しなければならない。写真やビデオを含めることもできる。締め切りは2月27日だ。Googleは今回何台のGlassを用意しているか発表していないが、激しい競争になることは間違いないだろう。

ビデオで公開されたGlassのUIは当初のコンセプトビデオのものに較べてはるかに目立たないスタイルになっている。小さい円い印やポップアップ通知は消え、ユーザーは視界の右上隅の単一の半透明な窓だけを通してGlassから情報を受取る。コンセプトビデオではさまざまな情報が視界のあちこちに飛び出してきていたが、現在のUIでは検索結果、各種通知からハングアウトまですべてこの窓に表示されるようだ。.

Google Glassが世界に遍在するようになったとき、広告は表示されるのか?

その点についてはまったく不明だ。Googleは一般消費者がGlassを入手できるようになる時期を明らかにしていないが、これは賢明な戦略だろう。

Googleはコアなファンから順次Glassを渡していく方針だ。そういうファンからは初期のバグを修正するための有益なフィードバックを得られる。実際、GoogleGlassは一般ユーザーに販売できる段階にはなっていないと思う。そのときが来るまで一般ユーザーは時折YouTubeに発表されるプロモーションビデオで我慢するしかない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

アカウントハイジャックは2011年ピーク時の0.3%に減少とGoogleは主張

google-verify-account

Googleが今朝(米国時間2/19)ポストしたやや自己満足的なアップデートによると、ハッカーたちがGoogleのユーザのアカウントに危害を加えることは、今や相当難しくなりつつあるそうだ。Googleは曰く、“このようなアカウントハイジャックは2011年にピークに達したが、今ではその発生件数を往時の0.3%にまで削減できている”。

Googleによると、スパムフィルタの性能向上とともにスパマーたちは2010年ごろ、そのバリヤーをくぐり抜ける唯一の方法はユーザが信用する本物のアカウントを使うことだ、と悟った。そしてそのためには、既存のアカウントをハックして、そこからスパムを送るのだ。しかし今ではGoogleが、ブラックマーケットで入手できるデータを使って、そのような犯行を絶えずチェックしている。その中にはたとえば、“一人の犯行者が、盗んだパスワードを使って毎日々々、数週間にもわたって、およそ100万のアカウントに侵入を試みる”、といった犯行もある。

“We’ve seen a single attacker using stolen passwords to attempt to break into a million different Google accounts every single day, for weeks at a time.”

[“一人の犯行者が、盗んだパスワードを使って毎日々々、数週間にもわたって、およそ100万のGoogleアカウントに侵入を試みるところを、われわれは見た。”]

Googleはこの問題の重大性に気づき、セキュリティ努力を強化して、今では誰かがシステムにログインするたびに“複雑なリスク分析”を実行している。一回のログインに際して調べる変数は120種以上、そしてその結果によっては、ユーザに電話番号などほかの情報を求めることがある。それらすべてに合格してやっと、ログインが認められる。

Googleはユーザに、2要素認証システムなどの付加的セキュリティ機能を利用することと、強力なパスワードを選ぶことをすすめている。しかしそれをしない人が圧倒的に多いから、今でも、アカウントハイジャックにやられやすいアカウントは少なからず存在するだろう。ビッグサイトGoogleにおいて、”0.3%”の実数は、相当大きいはずだ。

[2011のピーク時の0.3%に減少(2012/6月)]
Blogpost graph-1

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

きゃりーぱみゅぱみゅ、ハングアウトのライブチャットの希望者を募集中―GoogleがA-Popスター週間を開催

Kyary Pamyu Pamyu

Googleは今日(米国時間2/18)、来る3月8日からA-ポップ・スター・ウィークを開催すると発表した。このイベントはGoogle+のハングアウト上でC-、J-、K-ポップのスター歌手(それぞれ中国、日本、韓国を表す。念のため)がファンとチャットするというもの。

登場するのは、きゃりーぱみゅぱみゅ、 2PMflumpoolワン・リーホン(王力宏)などだ。現在、 参加スターはYouTubeビデオでイベントを告知し、質問を募集している。イベントの日程はYouTubeに新設された Asian Pop Channelに掲載されている。またミュージックビデオ20本と新曲も紹介されている。

質問はGoogle+に投稿すること。イベントが近づいた時点でハッシュタグが発表される予定。それぞれのAポップスターは熱烈なファン5人を選んでHangoutでライブビデオチャットを行う。

GoogleはハングアウトをSkypeその他のビデオチャットの対抗馬とすべく、さまざまなセレブリティを動員した一連のイベントを実施中だ。 先週はオバマ大統領が一般教書演説の後、Google+で数人のブロガーによる共同インタビューに40分にわたって答えた。また1月には迷言という点ではユーモアニュースサイトのOnionによるパロディーのRedditセッションほど笑わせるものではなかったが、 バイデン副大統領が一般公開ハングアウトに登場して物議をかもした。エンタテインメント系ではスティーブン・スピルバーグ、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットヴィンス・ヴォーン、オーエン・ウィルソンも出演している。

A-ポップスター・ウィークのスケジュールは以下のとおり。

3/8 Shinee (K-Pop)

3/9 ワン・リーホン(王力宏) (C-Pop)

3/10 Super Junior (K-Pop)

3/11 きゃりーぱみゅぱみゅ (J-Pop)

3/12 flumpool (J-Pop)

3/13 2PM (K-Pop)

3/14 Mayday (C-Pop)

きゃりーぱみゅぱみゅの写真は本人の公式Google+アカウントから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

WebKitの独占状態の是非

icon-goldOperaが自前のレンダリングエンジンの開発を停止し、オープンソースのWebKitエンジンを採用することにしたというニュースは各所から大いに注目を集めた。WebKitはGoogleのAndroid向けブラウザでも、またAppleのiOS向けブラウザにも採用されている。すなわちモバイル環境においては、既に事実上の標準の地位を獲得している。そしてさらにその触手をデスクトップ環境にも伸ばしつつあるところだ。既にChromeは、Tridentを採用しているMicrosoftのInternet Explorerや、MozillaのGeckoを採用しているFirefoxと比べてかなりのリードを獲得している。こうした状況の中で、頭に浮かぶ疑問がある。各社が独自のエンジンを開発して、競い合う環境の方が良いのか、それともWebKitを標準として各社に採用してもらう方向が望ましいものなのだろうか。

WebKitはオープンソースのプロジェクトであるので、誰でも開発に参加することができる。Google、Apple、Mozilla、Microsoft、Opera、あるいはブラウザ関連のさまざまな企業が参加しているので、標準的に採用される技術を即座に実装することができる。レンダリングエンジンが統一されることで、開発者の苦労は大いに低減されることとなる。レンダリングエンジンの違いによる細々とした表示スタイルの違いに頭を悩ませないで済むようになるわけだ。

Hacker Newsのスレッドにも多くのコメントが寄せられている。WebKitの開発に集中することで、多くのイノベーションが生み出されるのであれば、WebKit独占の状態は開発者にとっても利用者にとっても良いものとなる可能性があるという論調もみてとれる。

こうした独占に向けた流れに抵抗する筆頭はMozillaだ。これまで独自のGeckoエンジンおよび、その後継となるServoに多大なリソースを割いてきた。Mozilla CTOのBrendan Eich曰く、Mozillaの存在意義をかけて独占には抗っていくつもりだとのこと。また、MozillaエンジニアのSteve Finkは、モバイルかデスクトップかを問わず、WebKit独占を許してしまえばイノベーションが阻害され、少数企業によるプラットフォーム独占を惹起してしまうと述べている。そのような状況になれば、結局は各社利益を追求する迷惑な混乱に支配されてしまうことになるとも述べている。

しかしWebKitはオープンソースであるので、もし開発が滞ったりあるいは特定のステークホルダーが開発を政治的理由によって妨害するようなことがあれば、即時に開発の道筋を分岐させることができるので、独占による悪影響などはないと考える人もいる。

From Google's Chrome Launch Comic Book

但し、ウェブの世界ではこれまでにも「独占の弊害」を経験したことがある。IE5やIE6の時代(Netscapeが舞台を去り、そしてIEは6のリリースが2001年で、IE7が登場したのは2006年だった)には、完全に「停滞」状況になっていた。そうした状況の中、2004年あたりからはFirefoxがスタートし、そしてWebKitをベースとしたGoogleのChromeも2008年に登場してきたのだった。Chromeのミッションはレンダリングエンジンの標準化を試み、そしてJavaScriptの高速化を行うということだった。独占を崩す存在が登場してきたことにより、ウェブプラットフォームは現在のような応用環境に進化したのだとも言えるだろう。

「ウェブ」が今後戦っていく相手は?

Operaは、「独占状態は良くない」と主張しつつ、その言葉とは正反対にも見える道を歩むことになった。Operaもそれなりのシェアを獲得しているにも関わらず、「多くの開発者たちがWebKitのみをターゲットに開発をしているという現状があります」と述べ「先頭に立って独自の道を追求していくことにメリットは少ないと判断しました」とのこと。

Operaの選択した方向は興味深いものだ。結局のところ、ウェブ技術は各社のレンダリングエンジンの違いで競っていくのではないと判断したわけだ。今後の競合相手はネイティブアプリケーションであると判断したわけだ。Operaは「閉鎖的な“アプリケーション”に対抗して、オープンなウェブ技術を推し進めていくつもりだ」とのこと。その戦いを効率的・効果的に進めていくためにWebKitの採用を決めたということだ。

開発者と利用者の着眼点の違い

理想を言えば、さまざまなベンダーが「標準」に則った開発を行って、レンダリングエンジンの違いによる差異などを意識しないで済むというのが良いのだろう。同じコードは同じように表示されるべきだろう。しかし、「標準」を意識しつつも実装により細かな違いがあり、同じような表示を実現するなどということはできなかった。

但し、たいていの利用者はレンダリング方式の違いによるウェブページやウェブアプリケーションの見え方にはほとんど意識を払わなかった。利用者は利用可能な機能(ブックマーク、プラグイン、タブなど)によってブラウザを選択していただけなのだ。そうした機能の多寡や使い勝手によって、利用者はブラウザを切り替えてきたのだ(もちろんあまりに速度が遅いものなどは排除されることになる)。

Mozillaは、魅力的な機能を提供していくためには、ブラウザ全体を自ら手がけていく必要があると述べている。今やWebKitに対する唯一の対抗勢力と言っても良い存在になったMozilla陣営は、自らの言葉を証明するために、利用者にとって真に魅力的な機能を提供していく必要がある。

個人的には、「標準」に基づいた競合がある方がイノベーションサイクルも早まると考えている。ウェブ技術というのは、まだひとつのエンジンに集約してしまうような枯れた技術ではないと思うのだ。レンダリングエンジンが複数存在すれば、余計な作業も増えるだろうし、迷惑に感じられることすらあるかもしれない。しかし将来的にきっと実を結ぶ、「若い時の苦労」になると思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H)

HTML5対応アプリケーションがオフラインデータを複数のデバイスに亘ってシンクできるAPIをGoogleが提供

chrome_canary

HTML5の便利なところは、Webアプリケーションがデータをローカルに保存できて、ユーザはオフラインでもそれを見られることだ。そしてGoogleが今日(米国時間2/15)披露したChromeの新しいAPI、SyncFileSystem APIは、HTML5のスペックにすでにあるものと似た、アプリケーション固有のサンドボックス的ファイルストレージシステムを提供する。このAPIのおもしろいところは、Google Driveによるクラウド上のバックアップサービスを利用して、複数のクライアント間でデータを自動的にシンクできることだ。

今このAPIが使えるのは、Chromeのきわめて実験的なバージョンであるCanaryにおいてだけだが、数か月後には通常の安定版Chromeにも実装されるだろう。

Googleも言っているが、これはデベロッパがクラウド上の任意のドキュメントにアクセスできるためのAPIではない。オフラインデータを複数のマシンにまたがって保存し、シンクするだけである。

そのドキュメンテーションでGoogleが標準的なユースケースとして挙げているのは、“ユーザが生成したデータ(やそのほかのバイナリデータ)をキャッシングなどの目的でローカルにオフラインで保存するが、アプリケーションがそのデータをクラウドのストレージに保存/シンクして、同じデータを異なるクライアントたちにも可利用にしたいとき”、だ。

現在このAPIは、バックエンドのストレージサービスとしてGoogle Driveだけをサポートするが、将来はデベロッパに、ほかのサービスも使えるオプションを提供するらしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プロ仕様の撮影環境を提供するYouTube Space Tokyoが明日オープン

本日、東京・六本木ヒルズにてGoogleがYouTube Space Tokyoのオープンを発表した。YouTube SpaceとはYouTubeで活動するクリエイター向けの施設で、撮影・レコーディングスタジオ、編集室やグリーンスクリーンといった設備が整っている。設備に加え、技術的なアドバイスやセミナーといったトレーニングも受けられる。

YouTube Space自体は昨年7月にロンドン、11月にロサンゼルスと海外ではすでにオープンしているが、アジアでは東京が初めての試みとなる。日本を選んだ理由としては、2012年の間に日本におけるYouTubeパートナーの数は前年比で3倍となっていることが関係しているのだろう。

これにはスマートフォンの普及が日本でも進んできたこともひとつの要因といえる。というのも、日本人は世界に比べて圧倒的にモバイルからYouTubeを閲覧するからだ。昨年9月の発表では世界のYouTube動画再生のうちモバイルからの再生は25%を占めることに対し、日本では約50%がモバイルで再生されていた。この割合は世界でも最高値であり、半年近く経過した今ではもっと大きな割合をモバイルが占めていることだろう。そのため、スマートフォンが普及すればするほどYouTubeのユーザーは増えるだろう。

こうした背景もあり、Googleは日本のクリエイターに良い環境を提供し、質の高い動画を作ってもらうためにYouTube Space Tokyoをオープンした。気になる施設を使う条件だが、YouTube パートナープログラムに申し込み(YouTube チャンネルページからワンクリックだ)、その後、YouTubeスタッフとのスケジュールなどの調整を行うだけだ。後は動画を作ってYouTube上で公開する。料金はもちろん、無料だ。

記者会見ではYouTubeチャンネルで2万人の購読者を持つ「劇団スカッシュ」が登場し、実際に彼らがYouTube Space Tokyoで撮影し、編集した動画が放送された。この動画のセットやエフェクト、音声などはかなり本格的なもので質が高く感じられた。Spaceには技術者も居るので、専門的な機器の使い方も教えてもらえ、スキルアップにも役立つそうだ。

すでにSpaceをオープンしているロンドンでは購読者10万人のチャンネルがSpaceを使い始めてからは100万人にまで成長した事例もあるそうなので、YouTubeで人気チャンネルを作りたいユーザーには嬉しい施設だろう。

なお、YouTube Space Tokyoは六本木ヒルズ内に用意されており、明日から利用できる。以下に、施設内の写真をいくつか掲載する。

ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソン、映画でGoogleのインターンを演じる

地理的に、ハリウッドとシリコンバレーは何百マイルも離れているが、精神的に両者は近づきつつあるようだ。

その最新の実例が、The Internship。ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソン主演の男の友情を描いたこの夏公開予定の映画だ。作品中ヴォーンとウィルソンは、リストラされた中年セールスマンがなぜかGoogleでインターンになったという男たちを演じる。眼鏡をかけた20代の天才が彼らのボスで、どうみても適合できない2人には、その後もちろん楽しい出来事が起きる。

現代のテク業界の奇抜な世界が、ショウビジネス人たちにとって魅力的なネタであることに不思議はない。ソーシャルネットワークは、この手のストーリーがいかに銀幕で人を呼べるかを証明した。さらに、FacebookやGoogleのような会社で働くことがどんなものであるかは、ここ数年一般の人たちにとっても特別な興味の対象になっている(私の情報開示ページにもあるように、夫はGoogleで働いている。そして毎年末、Googleの無料レストランや、他の広く報じられている社員特典について、一番テクノロジー音痴の親戚からもさえも質問されている)。

しかし少々驚かされたのは、この The Internshipの製作に対するGoogleの関与のレベルだ。出演者たちは撮影準備のためにGoogleのマウンテンビュー本社に立入ることができたと言われ、Google自身も熱烈な協力声明を発表し「ヴィンス・ヴォーン、オーウェン・ウィルソンの両名が、ウェディング・クラッシャーズ以来の共演作品の場にGoogleキャンパスを選んでくれたことは大変光栄である」と言っている。さらに昨日は〈日頃は空白だらけのページで知られ、稀に自社サービスまたは大きな慈善事案へのリンクを貼るだけの〉Googleトップページに、同映画の宣伝活動の一部と目されるヴォーン、ウィルソンとのGoogle+ Hangoutへの派手なリンクが貼られていた。

これは『ソーシャルネットワーク』に対するFacebookの反応とは対照的だ。同社は殆んど沈黙を続け、時として徹底した拒否反応を見せた。もちろん2つの作品は全くタイプの異なる映画だが、一方の会社がここまで協力しているところを見るのは興味深い。

ともあれ、予告編は今日ウェブで公開され、上に貼り付けてある。

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(翻訳:Nob Takahashi)

GoogleはiOSのデフォールト検索エンジンにしてもらう見返りに来年Appleに10億ドルを支払う見込み

Mobile Safari

AppleとGoogleは敵であり同時に提携相手でもある。このネジレ現象の原因は両社のビジネスモデルがある部分で競合し、ある部分で補完的だという点にある。

先週金曜日にモーガン・スタンレーが発表したレポートによると、GoogleはiOSのデフォールトの検索エンジンに設定してもらう見返りとして2014年に10億ドル以上をAppleに支払うことになる見込みだという。

2009年にGoogleが支払ったのは8200万ドルに過ぎなかったのだから急拡大ぶりがわかる。レポートを執筆したアナリストのScott Devittは「iOS搭載デバイスの台数に比例する契約なので爆発的に成長したのだろう」と考えている。

「次のGoogleはGoogle自身だ(The Next Google Is Google)」と題されたこのレポートに掲載された表(下にエンベッド)によると、検索トラフィック獲得に要する費用はおおむねiOS搭載デバイスの販売台数に比例する傾向が見られる。また単価も若干上昇気味で、1台あたり昨年は3.2ドルだったが、今年は3.3ドル、来年は3.5ドルになるものと推定されている。つまりiOSデバイスの販売が今後も拡大していくならトラフィック獲得コストもゆるやかに上昇していくことになる。

これを他のトラフィック獲得先と比較してみると、Mozilla財団は2014年にGoogleから4億ドルを受け取る見込みだ。Mozillaのレポートによれば、Googleは依然としてMozillaの最大の収入源である。Operaブラウザも長年のパートナーだが、モーガン・スタンレーは金額を明らかにしていない。

MicrosoftがBingをデフォールトの検索エンジンにしようと激しく売り込みを図る一方で、AppleはGoogleをデフォールトの検索エンジンに選び、多額の収入を得てきた。MicrosoftはBingはNokiaとBlackBerryのデフォールトの検索エンジンとなることに成功している。多額の収入が得られることは重要だが、Appleは将来はあらゆる面でGoogle抜きのiPhoneを売る方向に進みたいと考えている。

だがAppleとしても10億ドルはバカにできない金額だ。毎年、簡単かつ確実にこれほど大金を稼いでくれる収入源は他には簡単にみつからない。一方、GoogleはiOSユーザーから上がる広告収入以上の金をAppleに払っていると見られる。iOSのユーザーデータはこの上なく貴重なものだ。しかしGoogleの最近の四半期の利益が29億ドルということを考えると、Googleにとっても10億ドルの支出は無視できない大きさだろう。

スマートフォン市場は急速に変化している。すでにSamsungがトップ・メーカーの座を占めた。AppleとGoogleの提携の重要性は近く減少に転じるだろう。 Googleは市場の変化を注意深く観察し、そのときが来たと感じれば提携を破棄するか、Googleにとって有利な契約内容への更新を試みるに違いない。

127599

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

GoogleのNexus 4用無線充電器が一週間後に発売

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GoogleのNexus 4の無線充電器は、これまで伝説の産物だった。電話機本体は何か月も前、昨年のおそくに発売されたというのに。でも今日(米国時間2/11)から、アメリカの人はこの球体を59ドル99セントで買える。Qi規格の電磁誘導型充電器だ。

このNexus 4用無線充電器(と仮に呼んでおこう)の発売日は、1週間後となっている。空から満杯までの充電所要時間は約4時間で、マイクロUSBケーブルが付いている。プラグは、北米規格だ(日本などは未対応)。重さは130グラムで、“表面が傾いているため、充電中でも簡単に端末を見ることができます”、とGoogleは言っている。

充電中にはNexus 4はドックモードになり、写真や最新記事などを表示する。充電レベルなどの情報も、表示される。これもNexus本機と同じく、すぐ売り切れになるかもしれないから、待ってた人はお早めに注文を。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google NowのNexus 4向けCMはなかなか説得力あり―Siriより実用性高いかも

GoogleのCMはいつも上出来だったわけではない。Google+を立ち上げたときのCMは売り物であるサークルの紹介の仕方がまずくて面倒な大仕事のように見えてしまった。

しかしその後努力したらしく、最新のNexus 4/Google NowのCMはユーザーが世界中でこの機能を便利に使うところをなかなかうまく見せている。

Google NowはSiriに対するGoogleの回答だ。ただしGoogle Nowでは音声認識はSiriのように強調されていない。Googleはむしろ実際に役立つ情報を即時的確に提供できるという点を強調している。Google Now はスケジュール、位置、天気、その他現在のユーザーの行動に関連するかもしれないさまざまな情報をモニタする。それに基づいてユーザーが知りたがっていることを推測し、その情報を提供する。

たとえば私が午後ジムでエクササイズをする予定だとカレンダーに記入しているとしよう。Google Nowは私がジムに行くのに使う電車のダイヤを調べ、運行に遅れがあるようなら通知してくれる。そこで私は早めに家を出ないと遅れるかもと気づくわけだ。

しかしこれなどはほんの手始めにすぎない。Google Nowは外出中に付近のショッピングや飲食店の情報も教えてくれる。外国を旅行しているときは単語の翻訳をしてくる。ユーザーはなんであれ自分のまわりの情報をより正確にリアルタイムで入手できる。最新のテレビCMはその機能をうまく説明しているし、Nexus4の大型画面上の美しいデザインのユーザー・インタフェースも巧みに売り込んでいる。

最後は東京に出張している父親が息子とGoogleハングアウトで会話する心あたたまるシーンでCMが締めくくられる。なんといってもスマートフォンの一番大きな役目はわれわれを愛する人と結びつけることにあるのだ。

sirisucksGoogleはCMで音声認識機能をまったく使っていないが、私はSiriと機能を比べたくなってCMにあった使い方をすべてSiriで試してみた。

Siriは全く問題なく近くのレストランを探すのに成功した。「野菜」という単語をフランス語に訳すのもそう難しくなかった。しかしSiriは(というかAppleは)いささか時間の理解に行き届かないところがある。特にA地点からB地点に移動するために必要な時間にむとんちゃくなところが見られた。

私はSiriに「次のアポは何時?」と尋ねて教えてもらうことはできる。 しかしSiriは「いつ家を出たらいい?」と聞いても教えてくれない。移動手段や最適な経路の設定はできないのだ。もちろん電車が遅れているなどという通知もしてくれない。私が「ユニオンスクエア駅に一番早く着く地下鉄は?」〔Crook記者はニューヨーク在住〕と尋ねたところ地図アプリが開き、続いてAppStoreに送り込まれた。そこで乗り換え案内アプリを買えというわけだ。

Appleの地図アプリは公共交通機関の乗り換え案内を内蔵していない。そこでApple の地図アプリで乗り換えを調べようとすればまずサードパーティーの乗り換えアプリをインストール必要がある。

私自身はGoogle Nowから直接Googleハングアウトを立ち上げることができることにそれほど大きな価値があるとは思わないが、Siriは私がある友達をFaceTimeで呼び出すよう数回叫んでも理解してくれなかった。

アップデート: 鋭い読者からコメントがあったが、私はFaceTimeの呼び出しコマンドを間違えていた。 「FaceTime (ここに呼び出したい相手の名前)」と呼びかければSiriは正しく動作する。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

NASA、宇宙飛行士がソーシャルネットワークに投稿される疑問に応えるGoogle+ハングアウトを開催

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アポロ計画の時代から、宇宙飛行士の姿というのは完全なコントロールのもとに映し出されることが多かった。しかし最近では、宇宙にも「インタラクティブ」の流れが広がっていて、どうやらNASAもその方向で進めていこうと考えているようだ。

NASAはアメリカ人宇宙飛行士のKevin FordおよびTom Marshburn、それにカナダ宇宙庁のChris Hadfieldに、Google+ハングアウトでのビデオチャットを行わせることに決めたのだ。日時は東部標準時で2月22日の午前11時からで、宇宙飛行士たちは国際宇宙ステーションから通信を行う。

今回ハングアウトを行う3人が多くの人と同時にコミュニケーションを行うのは初めてのことではない。とくにHadfieldはソユーズに乗り込んでカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる直前の12月に、Reddit上でAMA(ask me anything)というテーマを主催してもいる。以来彼はカーク船長でもあったウィリアム・シャトナーとツイートのやり取りをして、そしてそこに他のStar Trek出身者たちも集うという事態になった。さらにはそこに、人類史上2度めに月面を歩いたバズ・オルドリンも参加してきて大いに注目を集めたものだった。

NASAなどの機関は、ソーシャル面でのチャネルを広げようと、個々数年来努力してきている。その努力はなかなかうまくいっているように見える。NASAのTweetupイベントも4周年を迎えた。また2012年にはFacebookおよびGoogle+にも登場している。宇宙好きのひとりとして意見を言わせてもらうなら、従来型の宇宙旅行や探検は行き詰まりをみせているのだと思う。こうした中、老若男女から広く意見を集めて、新たな宇宙時代を切り開く一助にしようとしているのだろう。

低重力下の暮らしについて、あらゆることが気になる人も多いだろう。近い将来に宇宙旅行に行くこと(あるいは最も低い地球周回軌道に行くこと)など、ほとんどの人にとっては考えられないイベントだ。ただ、せっかくの機会にあまりにありふれた質問で時間を潰すのはやめにしたい。ちなみに質問は、2月12日までに30秒間のYouTubeビデオとして投稿するようになっている(#askAstroのハッシュタグをお忘れなく)。また、#askAstroのハッシュタグを付けたTwitterやGoogle+の投稿も、うまくいけばハングアウトで扱ってもらえるようだ。

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(翻訳:Maeda, H)

Google Driveを利用しているサードパーティアプリケーション専用のストア(のようなもの)ができた

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Googleが、Google Drive専用のアプリケーションストアのようなものを作った。そこでは、Google Driveを利用しているサードパーティアプリケーション、たとえばHelloFax、SlideRocket、Open Office Document Readerなどを見つけて入手できる。インストールしたアプリケーションは、Google Driveの’Create’メニューに登場する。これまでは、Chrome Web Storeへ行かないとGoogle Driveを利用しているサードパーティアプリケーションを見つけることはできなかった。

GoogleのNicolas Garnierが今朝(米国時間2/8)書いているところによると、デベロッパはDriveのSDKを使ってユーザに、“Google DocsやGoogle SheetsなどがDriveを対話的に利用している”のと同様の体験を提供できる。今、Drive SDKを使ってGoogle Driveを統合しているWebアプリケーションは約100ある。統合によってサードパーティアプリケーションは、たとえばDriveのUIからファイルを開いたり、Google Driveの’Create’メニューから新しいドキュメントの作成をスタートできる。またSDKには、Google Docsをエクスポートしたり変換したりするAPIもある。

Google Docsがこのようにまた進化(Docs→Drive→アプリストア)したことによって、サードパーティアプリケーションが’Create’メニューのトップに表示され、メニュー下部の “Connect Your Apps”ボタンにより、Drive利用アプリケーションの、ゆっくりと成長しているエコシステムが、より目立つようになる。

今現在自分のDrive利用アプリケーションがChrome Web Storeにあるデベロッパは、何もしなくてもそのアプリケーションの情報がGoogle Drive側にも載るようになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))