LINE Payが「3万円台の店舗用キャッシュレス端末」のネットスターズとタッグ。コード決済促進

eng-logo-2015LINEとLINE Payは4月11日、QR/バーコードで決済できるStayPay端末の開発・販売を行っているネットスターズと資本業務提携契約を締結したと発表しました。

LINE Payとネットスターズは、2017年10月に加盟店開拓・業務管理に関する提携を締結しており、StarPay端末でのLINE Pay決済が利用可能となっていました。この提携以来、多数のLINE Payコード支払いの導入実績ができたことから、協業体制の強化と、今後の包括的な取り組みを目的に業務資本提携に至ったとのこと。

今後は、店頭ブランディングの一環として、LINE PayのロゴとブランドカラーにカスタマイズしたStarPay端末を導入。LINE Payの普及を促進する考えです。

StarPay端末は、LINE Pay以外にも国内の他のQR/バーコード支払いサービスに対応するほか、微信支付(WeChat Pay)、支付宝(Alipay)、Bitcoin決済にも対応可能なマルチ決済端末。価格は3万5000円と、クレジット決済端末と比較して低コストで導入でき、インバウンド需要にも対応できるのが特徴です。

これまでクレジット決済やモバイル決済の導入が難しかった小規模な店舗や、訪日観光客を取り込みたい観光施設などへの導入が期待されます。

LINE Payは、利用できる店舗を2018年内に100万店舗に拡大する目標を掲げており、ネットスターズとの協業体制は「これに向けた着実な一歩」だとしています。

Engadget 日本版からの転載。

LINEがライブクイズ「LIVEトリビア」を4月10日から開始、初回MCはふなっしー

アプリのトレンドに敏感なTechCrunch読者からは「何をいまさら」と思われるかもしれないが、昨今“ライブクイズ”サービスが流行っている。

これはその名の通りライブ配信とクイズ番組を組み合わせたもので、ユーザーはオンライン上でクイズに参加。あらかじめ賞金が設定されていて、全問正解者でその賞金を山分けできる点が特徴だ。Vineの創業者らが立ち上げた「HQ Trivia」がよく知られているほか、日本ではグノシーが「グノシーQ」を始めている。

そしてどうやらLINEもこのライブクイズに目をつけたようだ。同社は4月10日よりライブ配信サービス「LINE LIVE」において、参加型エンターテイメントSHOW「LIVEトリビア」を開始することを明らかにした。

LIVEトリビアではマル・バツで答えられる簡単な問題から、一般教養やトレンド知識、運が試されるものまで幅広いクイズを出題。全問正解者の間で賞金を山分けする(賞金は「LINE Pay」にて支払われる)。

4月10日以降は毎日20時30分から20時45分までの配信を予定しているほか、4月1日から3日間限定で先行体験版を実施。MCは日替わりで、初回は「ふなっしー」が担当する。

今後はLINE LIVEアプリに加えて、LINEのトークルーム上でもクイズへの参加ができるようになるほか、オンラインだけでなくオフラインでもLIVEトリビアがコミュニケーションツールになることを目指していくという。

LINEモバイルがソフトバンク傘下に。戦略的提携に向け基本合意

eng-logo-2015LINEモバイルとソフトバンクが、戦略的提携についての基本合意に達したことを発表しました。

基本合意の内容は、LINEモバイルが実施する第三者割当増資をソフトバンクが引き受ける形での資本提携と、MVNO事業推進のための業務提携の2つ。詳細は今後の協議により決定するとのことです。

本取引は2018年3月頃に完了予定とされており、取引完了後の出資比率はLINE49%、ソフトバンク51%。LINEモバイルはこれまで、LINEの100%子会社として、ドコモ回線を使ったMVNO事業を展開していましたが、実質的にソフトバンク傘下の企業となります。

LINEモバイルは、2017年12月にはユーザー1人あたりの平均月額サービス利用料(Average Revenue Per User/ARPU)が前年同月比約1.3倍に、サービス開始からこれまでの平均月間解約率は0.92%と順調に成長を続けてきたとのこと。しかし、多角化したユーザーニーズに対応し、ユーザーの生活に寄り添ったモバイル通信サービスの提供を拡大させていくため、ソフトバンクとのパートナーシップを決めたとのこと。

なお、現在契約中のユーザーはこれまで通りサービスを利用可能とのことです。

Engadget 日本版からの転載。

LINEが仮想通貨事業などの金融事業への参入を本格化、新会社を設立

モバイル決済サービス「LINE Pay」がリリースされたのは、2014年12月のこと。3年を経過して、2017年には全世界での年間取引高が4500億円を超え、登録ユーザー数は4000万人となった。そのLINE Payに続き、LINEがついに、というか、ようやく、というべきか、仮想通貨取引所などをはじめとする金融事業に本格的に乗り出す。

1月31日、LINEは金融事業関連の新会社「LINE Financial」の設立を発表した。1月10日に資本金50億円で設立された新会社の代表取締役には、LINE代表取締役社長の出澤剛氏が就任している。

LINE Financialでは、仮想通貨交換や取引所、ローン、保険といった金融関連サービスを、コミュニケーションアプリのLINE上で提供すべく準備を進め、金融事業の拡大を図っていく。また、現在メッセンジャー運用で培ってきたセキュリティへの対応に加え、ブロックチェーン技術などの研究開発も推進することで、安全で便利な金融サービスの提供を目指すという。

仮想通貨事業関連に関して、同社は既に金融庁への仮想通貨交換業者登録のための手続きを開始し、審査中とのことだ。

テーマ型投資のFOLIOが70億円の大型調達、LINEを使っての投資も可能に

TC Tokyo 2017に登壇したFOLIO代表取締役の甲斐真一郎氏

日本のフィンテック業界にまた新しいビックニュースが飛び込んできた。

テーマ投資型の資産運用サービス「FOLIO」を提供するFOLIOは1月18日、LINE、米国のゴールドマン・サックス電通ベンチャーズ三井物産SMBCベンチャーキャピタルDCM VenturesDraper Nexus Venturesを引受先とした第三者割当増資を実施した。調達金額は70億円。これにより、創業から約2年のFOLIOの累計調達金額は91億円となった。

でも、今回のニュースは資金調達だけではない。FOLIOはコミュニケーションアプリ「LINE」との業務提携も併せて発表しており、2018年下半期をめどにLINEアプリ上から直接FOLIOの資産運用サービスが利用できるようになる予定だという。

FOLIO代表取締役の甲斐真一郎氏はTechCrunch Japanの取材に対し、サービスの共同開発はこれから進めていくところだとした上で、「チャットをUIとした場合、ユーザー体験が金融取引とは親和性が良くないと考えている。イメージとしては、LINEのなかに独立した機能としてFOLIOが組み込まれるカタチを想像している」と話す。

ユーザーは普段利用するLINEから簡単に資産運用サービスを利用できるようになるだけでなく、特に若年層のユーザーにとっては資産運用を始める良いきっかけとなりそうだ(証券免許を持つのはFOLIOなので、同社を通した口座開設は必要)。

今回のプレスリリースの中でもう1つ注目の点がある。FOLIOは今回調達した資金をもとに「機械学習・分散型台帳技術などの先端技術研究機関を創設」するとしているのだ。これについて甲斐氏はこう話す。

「FOLIOには個人でトークンを発行した経験をもつ社員もいるなど、ブロックチェーン分野は社員の関心が高い領域でもある。個別株のやり取りをP2Pでできないかなど、これから模索をしている段階だが、金融と親和性が高い分野でもあるので先鞭をつけたいと思っている」(甲斐氏)

また、これまでほとんどPR・広告活動を行ってこなかったFOLIOだが、今後はテレビCMなどのマス広告を含めた大規模な広告活動を開始するそうだ。

今回の資金調達と業務提携について、LINE代表取締役社長の出澤剛氏は「FOLIOの、テーマに投資するというこれまでにない新たな投資スタイルや洗練されたUIは、投資をより身近で手軽にするものであり、投資経験者はもちろんのこと、投資に興味があっても手を出せていない投資初心者や投資から離れてしまっている方などが投資を始めるきっかけになります。また、オンライン証券は、LINEのスマートポータル戦略においても今後重要な役割を果たすものになる」とコメントしている。

FOLIOはTechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルで優勝を争い、翌年にも登壇して事業の進捗を語ってくれた。今回のシリーズAでは70億円という大型調達を実施した同社だが、はたしてFOLIOはコミュニケーションアプリのLINEと融合してどんな未来を見せてくれるのだろうか。

LINEアプリで自転車レンタルが可能に——自転車シェア「Mobike」とLINEが資本業務提携

北京発の自転車シェアリングサービス「Mobike(モバイク)」が、日本でのサービスを札幌で開始したのは今年の8月のこと。2015年1月創業、2016年4月から上海でサービスを開始したモバイクは現在、世界の200を超える都市でサービスを展開し、登録ユーザー数も2億人以上へと大きく成長。日本のサービスローンチに先駆け、6月には日本法人モバイク・ジャパンも設立されている。

このモバイク・ジャパンと手を組み、自転車シェアリング事業に新たに参入を表明したのがLINEだ。LINEは12月20日、日本国内の自転車シェアリング事業展開に向け、モバイク・ジャパンと資本業務提携契約を締結したことを明らかにした。2018年上半期を目標として「LINE」アプリ内からMobikeの利用を可能にすべく準備を進める、としている。

Mobikeは、近くにあるGPS・スマートロックが搭載された自転車をスマートフォンアプリで確認し、予約。QRコードのスキャンで解錠して利用を始める仕組みだ。目的地に到着後は、最寄りの駐輪スペースに使用した自転車を停めて施錠すれば利用が完了する。

モバイクのライバルは、自転車シェアリングサービスで初のユニコーン企業となったOfoだ。Ofoは既にソフトバンク コマース&サービスとの協業を発表している。OfoとMobikeはいずれも基本的には「ドックレス」、つまり決まった駐輪スペースを必ずしも利用しなくても自転車を使えるサービスを提供している。

このほか、国内企業ではNTTドコモが2014年10月から千代田区など自治体と共同でコミュニティーサイクルの実証実験を開始。2017年9月には、メルカリが「メルチャリ」で、DMMが「DMM sharebike(仮)」で自転車シェアリングサービスへの参入を相次いで表明。2018年初頭のサービス開始を目指すとしていた(ただしDMM sharebikeの方はすでにサイトもなく、サービス自体がなくなっているようだ)。

今回のLINEとモバイクの資本業務提携により、モバイクはサービス運営、自転車提供・メンテナンス、アプリおよび業務システム開発を担当、LINEは自社ユーザーの活用のほか、官公庁・自治体・企業などとのネットワークを活かしたインフラベースの整備サポートなどを行うことで、Mobikeのサービス展開を拡大していくという。また2018年1月5日にLINEからモバイク・ジャパンへの出資を実施し、取締役を1名派遣する予定だ。

LINE、メッセージの「送信取消」機能を提供開始。24時間以内なら未読・既読問わず取り消し可能に

eng-logo-2015LINEが11月に発表していたメッセージの「送信取消機能」を公開しました。送信から24時間以内であれば、1対1でのトーク、複数名でのグループトークに関わらずメッセージを取り消すことが可能です。

取り消し方法は、誤送信したメッセージを長押しし、送信取消を選ぶだけ。未読、既読に関わらず送信者と送信相手、両方の端末から対象メッセージが削除されます。取消後には、その旨を示すメッセージがトークルーム上に表示されます。

対象となるのは24時間以内に送信したテキストとスタンプ、画像、動画、ボイスメッセージ、URL、LINE MUSIC、連絡先、位置情報、ファイル、通話履歴。

スマートフォン版、デスクトップ版の最新バージョンで利用可能ですが、Chrome版では相手が取り消したメッセージは反映されるものの、送信メッセージの取り消しには非対応とのことです。

またスマートフォンの場合、スマートフォン本体がすでに出してしまった通知表示は取り消せない点には注意が必要です。

LINEはリアルで即時性が高い日常のカジュアルなコミュニケーションを提供したいとの思いから、これまで送信取消機能を取り入れていなかったとのことですが、ユーザービリティの向上およびコミュニケーションの選択肢を拡大させるために送信取消機能の提供を決めたとしています。

なお、LINEは送信取消機能の発表とともにユーザーの誤爆体験を募集する『#LINE誤爆 Black FRIDAY』 キャンペーンを実施しており、この結果もこのほど発表されています。送信取消機能の実装で、このような悲劇(喜劇?)はもう起きなくなるかもしれませんが、そもそも取消機能を使わなくて済むよう、普段から気を引き締めておきたいものです。

Engadget 日本版からの転載。

LINEのスマートスピーカー第2弾「Clova Friends」が本日より予約開始、LINE MUSICとセットで6750円

8月の先行販売を経て、10月に正式販売を開始したLINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」。同製品も含めスマートスピーカーといえばスタイリッシュなデザインのものが多いが、12月8日より予約販売がスタートした「Clova Friends」はちょっと違う。

LINEのスマートスピーカー第2弾となるClova Friendsの特徴は、片手で持てるコンパクトさとポップなデザインだ。LINEキャラクターのブラウンをモチーフとした「Clova Friends BROWN」、サリーをモチーフにした「Clova Friends SALLY」の2種を用意。毎日話しかけることを想定してキャラクター性を持たせている。

耳がマイクになっていることに加え、鼻やくちばしを1度押すと一時停止、長押しすると「Clova」と声をかけたことと同じ状態となるなど各パーツにちょっとした仕掛けを搭載。背面にはマイクオフや音量の調整、Bluetoothペアリング用の複数のボタンを備える。

重さは378グラムで、サイズはBROWNが72×72×170.3ミリ、SALLYが72×72×166ミリ。バッテリーも搭載し外出先でも利用可能だ。

機能面はClova WAVEと同様に音楽の再生、天気やニュースの読み上げ、LINEメッセージの送信・読み上げ機能を備えるほか、12月下旬までにLINEの無料音声通話の発信機能も搭載する。「○○さんに電話をかけて」といったように、音声のみで通話ができるようになる。着信機能についても今後対応していく予定だという。

またClova WAVEでユーザーから反響が高かった、赤外線コントローラーに対応したTVや照明の操作も今後オプションでクレードルを設置し対応していく。

Clova Friends本体の価格は8640円(税込)だが、2018年3月31日までの限定商品としてLINE MUSICを6ヶ月間利用できるチケットを付けた「Clova Friends + LINE MUSIC セット」を6750円(税込)で販売する。

12月8日の午前0時から特設サイトや楽天市場で予約販売を開始、各家電量販店でも準備予約販売を始める。届け日および店頭は12月14日からになるという。

スマホの“次”をにらみ、AIアシスタント「Clova」にかける思いをLINE舛田氏に聞く

渋谷・ヒカリエで開催中のTechCrunch Tokyo 2017。2日目となる17日午前には、LINE取締役CSMOの舛田淳氏が登壇。日本発のスマートスピーカー「Clova WAVE」とAIアシスタント「Clova」を軸にした、ポストスマホ時代のLINEの戦略について語った。聞き手はTechCrunch副編集長の岩本有平。

スマートスピーカーは世界では「Amazon Echo」が2000万台、「Goole Home」が700万台が普及。今年に入って、これらの先行製品が続々と日本上陸を発表し、秋から発売されているが、それらに先駆けていち早く、8月に先行体験版の形で発売されたのがClova WAVEだ。これまではウェブでの直販のみでの取り扱いだったが、本日から、家電量販店362店舗でも販売が開始されている。

LINEではかつて、スマートフォン時代の到来を見据え、“PCのことは忘れて”スマートフォンに賭ける方向性を打ち出してきた。LINEのユーザーは現在、月間7100万人。スマートフォンの普及も進み、日本では国民の2人に1人以上、世代によっては、もっと浸透している状況だ。ではその後の「ポストスマホ時代」はどうなっていくのか。

ポストスマホ時代に向けた進化の結果生まれたClova

「我々は、ポストスマートフォン時代は、さまざまな環境にデバイスが出てくる『IoT』と、そこから取れる膨大なデータをより良くしていくための『AI』の時代となると考えている」と舛田氏は話す。

AIと言っても幅広いが、LINEが目指すのは生活を支えるアシスタントを作っていこう、という部分だと語る舛田氏。「PCもスマホもGUIがあって、タイピングやタッチでさまざまな情報に触れるインターフェースとなっていた。これがポストスマートフォンの時代になると、ボイスユーザーインターフェース(Voice User Interface:VUI)になっていくだろう」(舛田氏)

舛田氏は「LINEとClovaでは全く別々のことをやっているように見えるかもしれないが、メッセンジャーからスマートポータル、そしてClovaへ移行するのは、我々にとっては正常な進化」と言う。「メッセンジャーで人と人の距離を縮め、スマートポータルで人とコンテンツの距離を縮めてきた。次は人とモノ、コンピューターを近づけていく。それがClovaだ」(舛田氏)

Clovaの核は、会話の制御やサービスのレコメンデーションを行う頭脳となる「Clova Brain」と、インプットとアウトプットをつかさどる耳や目などとなる「Clova Interface」で構成される。その核の部分とさまざまなデバイスやハードウェアをつなぐSDKが「Clova Interface Connect」、コンテンツやサービスをつなぐSDKがClova Extension Kitだ。これらすべてを合わせて、Clovaのプラットフォームが構成されている。現在はこれらSDKは、サードパーティーには公開されていないが、自社内での開発と提携パートナーによる開発に利用されている。

舛田氏は、外部との連携による開発について「外部連携で開発されるデバイスは重要だと考えている。LINE自身でハードウェアを開発することも大切で、つなぎ込みやスペック、体験の最適化は自社でやってみないと十分なプラットフォームにはならないだろう。ただ、それだけではチャレンジングなもの、面白いものはできない。『それホントに役に立つの?』というものが生まれた方が面白いだろう」と話している。「来年あたりから順次、提携先、そしてサードパーティーにもSDKを公開していくことになるだろう」(舛田氏)

データの先読みと学習がAIアシスタントの本質

LINEが、Clovaにとって重要と考えるのは「家」「クルマ」「ウェアラブル」の3つの領域。そのうちの「家」の領域に対応する製品第1弾として提供されたのが、スマートスピーカーのClova WAVEだ。舛田氏は「今、スマートスピーカーは非常に注目されている。海外では既に何千万台普及しているが、残念ながら日本では今年ようやく始まったばかり。このギャップをどうしていくのか、ということが日本の産業、インターネットにとって課題だと思っている」と言い、「それほど待っていられないという思いもあって、我々LINEとしては自分たちで作る、という判断をして、8月の先行版販売、10月の正式発売に至った」とClova WAVE販売の経緯を語った。

販売開始からこれまでの反響について、舛田氏に聞いたところ「一般の方、リテラシーがあまり高くない方にも使っていただきたい、というこちらの狙いと合致しているようだ」とのこと。「お子さまやシニアからもいろいろな意見をいただくことが多い。もっと使いやすく分かりやすくするためのフィードバックをもらっている」(舛田氏)

Clova WAVEでは、キーとなるフレーズを毎回発声しなくても、連続でAIと会話することを実現。音楽、赤外線リモコン、ニュースなど毎日の情報提供、ラジオ、人物や百科事典の内容を回答してくれる、といった機能が備わっている。ほか、経路検索やデリバリー、ショッピング、朗読、タクシーとの連携など「スマートスピーカーで使いたいと思われるような機能を搭載しようと順次開発を進めている」(舛田氏)とのことだ。

赤外線リモコンについては「ローテクだが日本の実情に合わせて搭載した」と舛田氏は言う。「現在は韓国と日本で展開しているが、それぞれの国に最適化されたものを考えていきたい。海外の先行製品と違って、バッテリーを積んでいるのもそうだ。海外ではそれぞれの部屋にスマートスピーカーを設置する、という使い方になるだろうが、一般的な日本の家庭では『リビングで使っていたけど、寝る時間になったらベッドルームに持っていく』となる。これはこの冬発売予定の『Clova Friends』でも踏襲している」(舛田氏)

また、カーライフへの浸透も積極的に進めていると舛田氏は説明。「トヨタ自動車と提携し、先日の東京モーターショー2017ではトヨタのブースで、自動車の中にClovaを実装して、どのようなカーライフになるのかということをデモンストレーションさせてもらった」(舛田氏)

そして重要領域の3点目「ウェアラブル」については、11月10日に発表されたばかりの「MARS」が紹介された。MARSはイヤホンとして装着できるClova搭載デバイス。紹介動画では、MARSを使って日本語と英語でリアルタイム翻訳を聞きながら会話する男女が登場する。舛田氏によれば「まだコンセプトモデルで発売時期も未定だが、このような形でウェアラブル対応も進めている」とのことだ。

舛田氏は「スマートスピーカーがClovaの本質ではない」と強調する。「スマートスピーカーから始まって、さまざまなものにClovaがつながり、さまざまな環境とClovaをどう溶け合わせていくかというのが、我々の目指す方向だ」(舛田氏)

「クラウド型のAIがあることで、先読みをしながら、さまざまなことをサポートしていくことができる」と舛田氏は言う。例えば、クルマで移動中のデータをもとに、帰宅すると暖房がついている、あるいは、朝少し遅く起きたというデータをもとに、通勤中や出社時に何か提案する、といったシーンを舛田氏が説明。「さまざまなポイントから取れるデータをベースにした学習と先読みがAIアシスタントの本質。我々はまだまだそこまでのレベルには達していないが、段階的にそこに向かって進んでいる」(舛田氏)

LINE、メッセージの「送信取消」機能を12月以降に実装

eng-logo-2015LINEは11月16日、メッセージの「送信取消」機能を2017年12月以降に実装すると発表しました。

取消の対象となるメッセージは、当初は24時間以内に送信したメッセージとする予定。以降、ユーザーの反応を見ながら調整するとしています。

なおLINEの調べによると、LINEで誤送信した経験があるユーザーは全体の約85%に達するとのこと。また、誤送信の内容については「誤字脱字のあるメッセージを送ってしまった」が回答のトップを占めたということです。さらに、「LINE でメッセージを送信したことに気づいた際、どのような行動をとりますか?」との問いに対しては「すぐ謝る」が57%と過半数を超え、続いて「間違ったことに呆然とする」が15%となりました。

なお「送信取消」機能の実装を前に、11月16日から11月24日までの期間『#LINE誤爆 Black FRIDAY』 キャンペーンを開催。LINE を誤送信した体験談(黒歴史)をユーザーから募集し、そのリツイート数を競うというものです。詳細はホームページをご覧ください。

Engadget 日本版からの転載。

LINEが完全無線イヤホン「MARS」公開、日英のリアルタイム翻訳も可能?

eng-logo-2015コミュニケーションアプリのLINEは11月10日、グローバルの公式Twitterで完全無線のBluetoothイヤホン「MARS」のティザーを公開しました。

「MARS」は、LINEのクラウドAIプラットフォーム Clovaを搭載し、ラスベガスで来年1月に開催される国際見本市「CES 2018」のヘッドホン部門で「BEST OF CES」のアワードを受賞しているとのこと。

それ以外の詳細な仕様は不明ですが、公開されたティザー動画によれば、まるで「翻訳こんにゃく」のように、日本語と英語をリアルタイム翻訳する機能の搭載が示唆されています。

リアルタイム翻訳機能を備えたイヤホンといえば、完全無線ではないものの、40か国語に対応した「Google Pixel Bud」などがあります。

また「MARS」はClovaと連携するため、声でニュースや天気予報などを訊ねられる同社のスマートスピーカー「Clova WAVE」のイヤホン版となる可能性もありそうです。なお「Clova WAVE」も年内に日本語・英語・中国語・韓国語の翻訳機能を実装することが発表されています。

「MARS」は2018年初頭にまず韓国で発売される予定です。

Engadget 日本版からの転載

LINEで出前を注文できる「LINEデリマ」がローンチ——ピザーラや銀のさらなど全国1万4000店に対応

アプリから簡単に食事のデリバリーができるサービスにはUberEATSなどがあるが、LINEも料理のデリバリーサービスを強化する考えのようだ。LINEは本日記者会見を行い、LINEから料理が注文できるデリバリーサービス「LINEデリマ」を発表した。

LINEデリマは独立したアプリではなく、LINEのアプリ内から利用できるサービスだ。LINEアプリの「その他」から「LINEデリマ」を選択してアクセスできる。

ユーザーはLINEデリマで出前を取れる店舗をジャンル検索、店舗名検索、エリア検索などで探すことができる。食べたい料理を選んだら、配達時間、支払い方法、配達先などの情報を入力し、注文する流れだ。

LINEデリマでは全国1万4000店のメニューから選べる。サイトを見てみると、ガスト、ケンタッキーフライドチキン、銀のさら、バーミヤン、ピザーラなどの店舗が掲載されている。レストランはLINEデリマのLINE公式アカウントからチャット形式で検索することも可能だ。

LINEデリマ公式アカウント

LINEデリマではLINE Payで決済ができたり、LINEポイントを使用したりすることもできる。

今後、ユーザーにおすすめメニューをプッシュ通知する機能や公園などへもデリバリーできる機能を追加する予定とLINEは説明する。また、料理だけでなく日用雑貨や生鮮食品、医薬品など、取り扱う商品を拡充していく計画だ。最終的には、1回で文房具や日用品といった様々な商品が届くサービスにすることを考えているとLINEは説明する。

LINEはこれまでも料理のデリバリーサービスを提供してきた。2016年7月より宅配ポータルサイト「出前館」と業務提携を実施し、「出前館 on LINE」を展開している。これは「出前館 on LINE」のLINE公式アカウントから出前が注文できるサービスだ。そこから機能を拡充し、LINEデリマの提供に至ったと言う。

「これまで電話で出前を取っていたところから、インターネットで注文するようになりました。LINEで出前が取れるようになれば、さらに出前の市場は拡大していくと思います」とLINEの代表取締役を務める出澤剛氏は話している。

LINEのスマートスピーカー「WAVE」、7月14日に先行体験版を予約開始

6月15日に開催されたプライベートカンファレンス「LINE CONFERENCE 2017」でお披露目があった、スマートスピーカー「WAVE」。その先行体験版の予約が7月14日から始まるようだ。予約サイトでは7月12日現在、カウントダウンが始まっている。

WAVEはLINEのクラウドAIプラットフォーム「Clova」を搭載した、スマートスピーカーだ。家庭内での使用を想定しており、Wi-FiおよびBluetoothに対応。音楽配信サービス「LINE MUSIC」で提供する約4000万曲の楽曲が再生でき、音声操作で曲の検索やレコメンドも可能な「MUSIC」機能をメインに、ニュースや天気予報などの情報を聞いたり、家電のON/OFF操作をしたりできる。また、コミュニケーションアプリ「LINE」と連携して、メッセージの読み上げなどの操作も可能。今後さらに機能拡大も予定されている。

14日から予約を受け付ける先行体験版では、音楽再生のMUSICに機能を限定。今秋予定の正式版販売時に機能をアップデートし、正式版と同等の機能が使えるようになる予定だ。先行体験版の価格は1万円、正式版の価格は1万5000円(いずれも税別)。

LINE CONFERENCE 2017で発表されたスマートスピーカー「WAVE」

サイズは86.25mm×139.84mm×201.05mm、重さは998g。2.5インチ20Wのウーファー、1インチ5Wのツイーター2基を搭載。プロセッサはQualcomm APQ8009 Quadcore 1.3GHz、音声認識用にConexantのマイク4基がセットされており、最大で約5m先からの会話が可能だという。

LINEがスマートスピーカー「WAVE」をお披露目、今夏には1万円で先行版を販売

WAVEを持つLINE取締役CSMOの舛田淳氏

3月にスペイン・バルセロナで開催されたイベント「Mobile World Congress 2017(MWC)」。その基調講演で発表されたLINEのクラウドAIプラットフォーム「Clova」と、スマートスピーカーの「WAVE」。そのWAVEの詳細が、6月15日開催のプライベートカンファレンス「LINE CONFERENCE 2017」にて明らかにされた。

ClovaはLINEと韓国NAVERが開発するクラウドAIプラットフォーム。音声認識や画像認識など、人間の五感にあたる機能の「Clova Interface」と、自然言語理解や言語翻訳処理など、人間の頭脳にあたる機能の「Clova Brain」で構成される。

LINE取締役CSMOの舛田淳氏は、LINEがPCからスマートフォンというプラットフォームの変化の過程で生まれてきたと振り返る。そしてこの先5年、10年後にやってくる“ポストスマートフォン”の時代において、AIこそがインパクトを与えていくと改めて語った。そんな流れがあるからこそ、LINEもこれまでのスマートフォンにフォーカスした体制を変えていくという。PCやスマートフォンを含めた全てのデバイスをターゲットに、その共通基盤となるAIプラットフォーム(Clova)を作ることに注力するという。

「Clova」のイメージ図

初のClova搭載デバイスとなるWAVEは、家庭内での仕様を想定したスマートスピーカーだ。Wi-FiおよびBluetoothに対応。メインとなる機能は「MUSIC」、つまり音楽の再生機能だ。WAVEは音楽配信サービス「LINE MUSIC」で提供する約4000万曲の楽曲を聴くことができる。音声操作でアーティスト、楽曲名を指定したり、ユーザーの好みを学習して、雰囲気や気分に合わせた楽曲をレコメンドする機能もある。

そのほか、カジュアルな会話を楽しんだり、ニュースや天気などの情報を聞いたり、赤外線コントローラー対応の家電機器のON/OFF操作(国内主要家電メーカーを中心に2000メーカーに対応予定)をしたり、コミュニケーションアプリ「LINE」と連携して、メッセージの読み上げをはじめとした操作も可能だという。今後の機能拡大も予定する。

サイズは86.25mm×139.84mm×201.05mm、重さは998g。2.5インチ20Wのウーファー、1インチ5Wのツイーター2基を搭載。プロセッサはQualcomm APQ8009 Quadcore 1.3GHz、音声認識用にConexantのマイク4基がセットされており、最大で約5m先からの会話が可能だという。

スマートスピーカー「WAVE」

日本での販売開始は今秋で、販売価格は1万5000円(税別)を予定する。ただしMUSICに機能を限定した先行版を今夏販売する予定だ。価格は1万円(税別)。先行版は、正式版の販売時に機能をアップデートし、同等の機能が得られる予定だ。

ディスプレイ搭載の「FACE」

WAVE(とディスプレイ付きのコンセプトモデル「FACE」)はMWCで概要が発表されていたが、これに加えて、新たにキャラクターをモチーフにしたスマートスピーカー「CHAMP」も今冬をめどに提供することが明らかになった。

そのほか、ソニーモバイルコミュニケージョンズのコンセプトモデルである「Xperia Ear Open-style」、ヤマハの歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」とClovaの連携も進めるとしている。

カジュアルなスマートスピーカー「CHAMP」

LINEとトヨタがコネクテッドカーでタッグを組んだ——クラウドAI基盤「Clova」を採用へ

6月15日に開催された「LINE CONFERENCE 2017」。LINE取締役CSMOの舛田淳氏が最後に発表したのが、トヨタ自動車、そしてファミリーマート・伊藤忠商事との協業だった。ここではその内容を紹介する。

コネクテッドカーにClovaを活用

LINEは今回のイベントで一貫して、「ポストスマートフォンの時代がAIの時代である」という説き、そのAI時代の基盤になるものが、同社が韓国NAVERと組んで開発するクラウドAIプラットフォームの「Clova」だと主張してきた。実際Clovaを導入した第1弾プロダクトとなるスマートスピーカーの「WAVE」のデモを披露。今夏にも先行版をリリースすることも明らかにしている。

そしてそのClovaの今後の展開として語られたのがこの発表だ。両社はClovaと、トヨタをはじめとした自動車メーカー、カーナビメーカーなどが推進するコネクテッドカー向け規格Smart Device Link(SDL)を活用した協業に向けて、協業基本合意書を締結したという。

SDLとは、スマートフォンと車載情報機器を接続し、自動車内の入力デバイス(や音声入力)を通じてアプリを操作するための規格だ。トヨタはフォードとともに、2017年1月にSDLのコンソーシアムを設立。同コンソーシアムにはスバルやマツダ、スズキといった自動車メーカーのほか、パナソニックやパイオニアといった車載器メーカーらが参画している。

カンファレンスにはトヨタ 専務役員の友山茂樹氏が登壇。トヨタはスマホと車を繋げて安全便利で快適なモビリティライフを目指している。日本発アジアでトップクラスのメッセージングサービスを提供するLINEと新しいサービスを実現するために協業に合意した。LINEの有する世界最先端のコミュニケーション技術とトヨタが普及を目指すSDLを連携したモビリティメッセンジャーサービスに期待頂きたい」と語った。

SDLについて語るトヨタ 専務役員の友山茂樹氏

ファミリーマートとは次世代店舗の構築へ

またカンファレンスでは、伊藤忠商事およびファミリーマートとの連携も発表している。今後、AIやIoTを活用した次世代店舗を構築していくという。

会場では、WAVEやLINE PAYなどを取り入れたファミリーマートの次世代店舗のイメージ動画が流れた後にファミリーマート代表取締役社長の澤田貴司氏が登壇。「なんとかゴーの動画があったが(Amazonが昨年末に動画を公開したレジ不要の食料品店「Amazon Go」のことだと思われる)、その違い、一番重要なのはあそこ(コンビニ)で働いている人達が喜んで笑顔で仕事する。これが我々がLINEと一緒になって作る、理想のコンビニエンスストア。是非出澤社長と作りたい」と語った。

LINEアプリで人、情報、お金が循環する——年内に「ポータル」と「ウォレット」機能を追加

LINEが自社の戦略を語るプライベートカンファレンスの「LINE CONFERENCE 2017」。6月15日に開催中のこのイベントから、まずはコミュニケーションアプリ「LINE」の今後の展開について紹介したい。

カンファレンスのステージに登壇したLINE執行役員 LINE企画担当の稲垣あゆみ氏は、改めてLINEのコアバリューが「コミュニケーション」である、とした上で、コミュニケーションを起点にした、LINEアプリの新サービス・新機能について語る。

まずカメラ機能のアップグレードについて。「SNOW」や「LINE CAMERA」など、LINEがグループで展開してきたカメラ・動画アプリは複数あるが、そのノウハウをもとにフィルターやエフェクトを強化する。

カメラ機能はエフェクトなどが追加される

また、グループ内に限定してライブ配信を行う「Chat Live」機能も提供する。これまでもLINE上にビデオチャット機能はあったが、Chat Liveでは、グループ内の1ユーザーがグループ内のユーザーに対してライブ配信し、それに対してグループ内のユーザーがコメントしたりできる。

さらに、「Chat App Platform」と呼ぶLINE上のアプリプラットフォームを準備中だ。各種のアプリを利用することで、例えばLINE上で友人とイベントの出欠情報を共有をしたり、ゲームのスコアを競ったり……ということができるようになるようだ。そのほか、タイムライン上にはSnapchatやInstagram同様のストーリー機能を導入する予定だとした。

今後は「ポータル」「ウォレット」を強化

加えて、コミュニケーション以外の領域の強化も進める。すでに専用のタブも設置した「LINE NEWS」だが、今後は機能をより拡張して「ポータル」化していくのだという。既存のニューストップページの上段には天気や占い、電車の運行情報などをパーソナライズして表示する。

ウォレットのイメージ

そして、「Moreタブ」(LINEアプリの下部右側の「…」となっているタブだ)を「ウォレットタブ」に変更。決済サービスの「LINE PAY」から、デジタルポイントカードやクーポンまでの機能を集約して提供する。稲垣氏は、ポータルで店舗を発見し、メッセージ機能でその情報をシェアし、ウォレット機能でクーポンを得て、決済まで行う——といった例を挙げ、「(LINEアプリで)人、情報、お金を循環する」と語った。ポータルとウォレットについては年内にサービスを提供する予定だという。

今後のLINEのイメージ

LINEスタンプがスマホだけで制作可能に——今夏専用アプリ登場

ユーザーが制作したLINEスタンプを販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」が公開されてから5月8日で3周年。5月15日、LINEはこの3年間の利用・販売実績と、スマホだけでスタンプを制作できるアプリが今夏登場することを公表した。

2014年5月8日にサービスを開始したLINE Creators Marketは、LINEアカウントを持つユーザーなら誰でも、スタンプや着せかえを制作・販売することができるプラットフォーム。制作したスタンプや着せかえは、LINEによる審査を通過後、「LINE STORE」とLINE内の「スタンプショップ」で販売でき、売上(App Store、Google Playなどの手数料30%を除く)のうちの約50%がクリエイターに分配される仕組みだ。

2017年5月8日までの3年間で登録クリエイター数は世界230ヶ国約72万人、販売中のスタンプ・着せかえ数は合計40万セットを突破。3年間の販売総額は479億円を超え、売上上位10名のクリエイターの累計平均販売額は5億3000万円に達するという。

LINEでは、2015年12月にスタンプの販売価格を120円〜600円の5つの価格から選択できる機能を追加、2016年6月にはアニメーションスタンプの販売を開始。さらに、2016年10月には写真を使ったスタンプ販売を解禁し、同時に当初は1セットあたり静止画スタンプで50個、アニメーションスタンプで24個を登録しなければならなかったスタンプの個数を、1セット最低8個からに変更。クリエイターの負担を軽減する施策を行ってきている。

また、2015年5月にはトップクリエイターのスタンプ作品の商品化支援・ライツマネジメントを行う「LINE Creators Management」を開始し、これまでに約20名のクリエイターをサポート。スタンプキャラクターのグッズ化・書籍化、企業とのコラボレーションなども実施してきた。

LINE Creators Marketでは今後、2017年夏頃を目処に、スマートフォンのみでスタンプの制作・販売ができる専用アプリの公開を予定している。これにより、イラスト作成ソフトやPC不要で、クリエイター登録から、写真撮影・トリミングなどの加工、さらにスタンプの審査申請・販売開始までを、一気通貫で行うことが可能となるという。サービスの詳細についてはアプリ公開時に改めて公表されるようだが、このアプリが登場すれば、日本のスマホユーザーはもちろん、PCが個人向けにはそれほど浸透していないアジア圏などのクリエイターによるスタンプも、より多く出回るようになるかもしれない。

バグ発見の賞金に最大1万ドル、LINEが「バグ・バウンティ」の対象サービスを拡大

ネットサービスやアプリは便利だが、セキュリティ対策がどうなっているか気になる人も多いと思う。特に毎日使うメッセージングアプリなどはセキュリティ面でも安心して使えることが大事だろう。LINEは同社が提供する各サービスのセキュリティを高めるため、サービスの脆弱性を見つけて報告した者に対し、報奨金を支払う「LINE Security Bug Bounty Program」の認定対象を拡大したことを発表した。

この「バグ・バウンティ」とは、セキュリティの専門家やハッカーに脆弱性の報告を募り、重要度に応じて報奨金を支払う仕組みのことだ。世界中の専門家から脆弱性の報告を募ることができ、セキュリティの専門家を雇うより素早く、コストを抑えて脆弱性を見つけることができる。アメリカだとFacebookやGoogleらは自社でプログラムを開催しているし、Snapchat、Uber、任天堂などもバグ・バウンティの専用プラットフォームであるHackerOneを利用してプログラムを開催している。

LINEは2015年8月24日から9月23日にかけ、初めてバグ・バウンティ・プログラムを開催した。その後、2016年1月からは期間を限定せずに常時、脆弱性の報告を受け付けている。2017年3月末までに133件の脆弱性の報告があり、そのうち3名からあった5件の脆弱性の報告を認定した。また、他16名の報告に関しては対象範囲外だったが、サービスの安全性向上にとって有益な情報だったため「special contributors」に認定している。

これまでLINEのバグ・バウンティの対象となったのは、LINEアプリ(iOSとAndroid)のセキュリティに関する脆弱性だったが、本日より対象サービスをLINEのChrome版とWindows 10 Mobile版、そしてLINE STORE、LINE NEWS、LINE MUSIC、LINE LIVEの各ウェブサイトに広げた。脆弱性と認めた報告には新規性と重要度に応じて500米ドル(約5万5600円)から最大1万米ドル(約111万円)の報奨金が付与する。ちなみにHackerOneによると同社のバグ・バウンティで支払っている報奨金は平均500ドルで、これまでで最大の報奨金の支払いは3万ドルだったという。

日本ではLINEの他にサイボウズなども「サイボウズ脆弱性報奨金制度」を開催している。インターネットサービスのセキュリティを改善する仕組みとして日本でもバグ・バウンティ制度が少しづつ広まっているようだ。

LINEがAI基盤「Clova」を発表、今夏にはスマートスピーカーも発売——さらに「Gatebox」も子会社化

スペイン・バルセロナで開催中のモバイルカンファレンス「Mobile World Congress(MWC) 2017」。そのキーノートにも登壇したLINEが3月2日、クラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」を発表した。今後はClovaを搭載したアプリ「Clova App」を提供するほか、初の自社デバイスとなるスマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」を今夏にも日本と韓国で発売する予定だ。今冬にはスマートディスプレイ「FACE(フェース)」の提供も控えるという。

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WAVE(左)とFACE(右)

そのほか、ソニーモバイルコミュニケーションズやタカラトミーをはじめとしたメーカーとのパートナーシップを提携。さらにはバーチャルホームロボット「Gatebox」を開発、展開するウィンクルと資本業務提携を実施して子会社化している。

まずはClovaについて。このプラットフォームは、LINEと韓国NAVERの共同開発プロジェクト。(1)LINEが持つ、チャットをベースとしたコミュニケーション技術、(2)NAVERが持つ検索技術、(3)LINEとNAVERが持つ豊富なコンテンツやサービス、(4)LINEとNAVERが持つ数多くのユーザーベースとビックデータ——をベースにした、「量・質ともに兼ね備えた学習データを使用することができる良質でスマートなAI」(LINE)だとしている。

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LINEが公開した図を確認して欲しいのだが、Clovaの中核は「Clova Interface」と「Clova Brain」の2つで構成されている。人間の五感にあたるのが「Clova Interface(音声認識の「Clova Voice」画像認識や顔認識の「Clova Vision」などを含む)で、人間の頭脳にあたるのがClova Brain(自然言語理解や言語翻訳処理、レコメンドエンジン)だ。

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またClovaでは、Clovaとデバイスやアプリケーションをつなぐ「Clova Interface Connect」、Clova Brainの機能を拡張する「Clova Extension Kit」なども備える。当初はClovaにつなぐアプリやデバイスを自社開発するが、今後はパートナーとの共同開発、サードパーティーへのプラットフォーム開放を計画しているという。

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なお冒頭に触れたとおり、LINEは今回の発表に合わせてバーチャルホームロボット「Gatebox」を手がけるウィンクルと資本業務提携を実施。過半数の株式を取得し、同社を連結子会社化することに合意したことも発表している。

Gateboxを手がけるウィンクルを子会社化

GateboxについてはTechCrunchでもこれまでお伝えしているが、好きなキャラクター(一部では「俺の嫁」なんて表現も見かけるが)とコミュニケーションを取れる、バーチャルホームロボット。2016年1月に構想を発表し、12月に予約販売を開始している。29万8000円という価格ながら、予約販売開始から5日間時点で販売台数が200台を超えたことでも話題を集めている。今後はClovaを活用したサービスの開発を進めるとのことで、このGateboxやWAVEが、米国における「Amazon Echo」——スマートスピーカーの領域を席巻することになるのかも知れない。

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LINEとシームレスに繋がるビジネスチャット「LINE WORKS」がローンチ

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LINEとワークスモバイルジャパンは2月2日、コミュニケーションアプリ「LINE」とシームレスに繋がるビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」の提供を開始したと発表した。

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LINE WORKSの前身となるのは、LINEと同じ親会社を持つワークスモバイルが2016年1月より提供していた、ビジネスコミュニケーションツール「Works Mobile」(ワークスモバイルジャパンは、韓国NAVERの子会社であるWorks Mobileの日本法人)。ビジネス版LINEとして打ち出してきた当サービスは、その名の通りLINEを踏襲したUIやスタンプ等の機能に加え、掲示板やカレンダー、ファイル共有機能などを備え、スマホに最適化したビジネスツールとしてユーザーを増やしてきた。

兄弟会社として繋がりがあった同社は、2016年10月に事業提携契約を締結。その際にWorks MobileとLINEを組み合わせた法人向けコミュニケーションツールを、2017年春に日本国内で展開開始することを発表していた。その契約に基づき、これまで提供してきたWorks Mobileが最新版よりLINE WORKSへと名称が変更され、LINEとLINE WORKSがシームレスに接続された新たな機能を提供するという。

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具体的には両サービスを連携することで、LINE WORKS上でLINEユーザーとつながり、メッセージやスタンプのやり取りを行えるようになる。つまり、従来はメールや電話を活用していた顧客とのやりとりをLINEとLINE WORKS上で置き換えられるということだ。最近ではZopimChamoのように、チャットベースで顧客とやりとりができるweb接客ツールを活用する企業も増えてきているように思う。細かいやりとりが必要になる業種や、メールや電話を頻繁には使わない若年層の顧客が多い業種では、LINEで顧客とのコミュニケーションを測れるということは1つの利点になりうるのではないだろうか

とはいえTechCrunchの読者にとってはおなじみのSlackチャットワークといった同種のサービスが存在する中で、LINE WORKSがどのようにユーザーを獲得してくのか。これからの動向に注目だ。