マイクロソフトがインドのOyoへの出資を正式発表、旅行・ホスピタリティ製品の共同開発へ

Microsoft(マイクロソフト)は、インドのOyo(オヨ)と「複数年にわたる戦略的提携」を締結し、協力して「次世代」の旅行・ホスピタリティ製品および技術を共同開発することとなった。

米国時間9月9日の発表は、7月下旬のTechCrunchの報道を裏づけるものだ。TechCrunchは、MicrosoftがOyoへの投資を交渉中であり、南アジア市場で最も価値のあるインドのこのスタートアップ企業に自社の技術を提供する方法を検討していると報じていた。

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Microsoftは報道発表の中で、Oyoに対しても戦略的な株式投資を行ったことを確認したが、金額については明らかにしていない。2021年8月の規制当局への提出書類によると、MicrosoftはOyoに500万ドル(約5億4900万円)を投資していた。この投資により、Oyoの評価額は96億ドル(約1兆550億円)となる。

Oyoは、クラウドベースのニーズに対応するためにMicrosoft Azureに切り替え「中小規模のホテルや家庭用の店舗を運営する愛用者に利益をもたらす」ソリューションを共同開発するとしている。「この提携の一環として、Oyoは、Oyoプラットフォームを利用する旅行者向けに、プレミアムでカスタマイズされた室内体験などのスマートルーム体験を開発していきます。MicrosoftのAzure IoTを利用したこの体験には、IoTで管理されたスマートロックやバーチャルアシスタンスに加えて、到着・出発のデジタル登録やセルフのKYC(Know Your Customerの略、本人確認)でサポートされたセルフチェックインが含まれています」。と同社は語る。

Microsoftインドの社長であるAnant Maheshwari(アナント・マヘシュワリ)氏は「Azureのパワーと、Oyoが開発した技術と製品スタックを組み合わせることで、旅行とホスピタリティにおけるイノベーションを加速できることを楽しみにしています。どのようにMicrosoftのクラウドが、Oyoのようなデジタルネイティブに力を与え、業界の変革とイノベーションを加速させ、パンデミック後の時代の課題を未来のチャンスに変えていくのかを見るのは刺激的です」と述べている。

Oyoは、インド、東南アジア、ヨーロッパ、米国に展開する世界最大級のホテルチェーンとして台頭してきたが、積極的な拡大を追求する中で「有害なカルチャー」、ガバナンスの欠如、多くのホテルオーナーとの関係など、いくつかの失策がその成長に傷をつけてしまった。

ホテルオーナーとの関係を改善することを誓った矢先、パンデミックが到来。これを受けてOyoは成長を鈍化させ、2021年初めには世界各国でロックダウンが実施される中、世界中で数千人の従業員をレイオフした。

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パンデミックは、創業7年目のスタートアップに「サイクロン」のように襲いかかったと、CEOのRitesh Agarwal(リテシュ・アガーワル)氏は7月にBloomberg TVに語っている。「何年もかけて作ったものが、たった30日で60%以上も崩れてしまったのです」と述べ、株式公開を検討するかどうかは決めていないと付け加えた。

Airbnb(エアビーアンドビー)に支えられたOyoは、7億8000万〜8億ドル(約857億〜878億9000万円)の資金を持っており、すべての事業の「月次損失」を400万〜500万ドル(約4億3900万〜5億4900万円)に抑えていると、アガーワル氏は最近のオンラインカンファレンスで述べた(同社は、2020年12月には約10億ドル[約1098億円2200万円]の銀行残高があった)。

7月、つまり前述のカンファレンスでアガーワル氏が発言した後、Oyoは6億6000万ドル(約724億8200万円)の負債を受けたと発表した。この件に詳しい人物によると、その負債は以前の負債の返済に充てられたという。

Microsoftとしては、Oyoは同社が国内で行ってきたいくつかの戦略的投資の中で最も新しいものだ。同社は南アジア市場において、ニュースアグリゲーターであり短編動画プラットフォームのDailyHunt(デイリーハント)、電子商取引大手のFlipkart(フリップカート)、物流SaaS企業のFarEye(ファーアイ)など、数多くのスタートアップ企業を支援してきた。

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画像クレジット:Akio Kon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マイクロソフトがビデオ制作・編集ソフトウェアのClipchampを買収、Microsoft 365の生産性エクスペリエンス拡大にぴったり

ビデオ編集ソフトウェアが、Microsoft(マイクロソフト)の一連の生産性ツールに加わる次の大きなものになりそうだ。同社は米国9月7日、ウェブベースのビデオ制作・編集ソフトウェアを展開しているClipchamp(クリップチャンプ)を買収すると発表した。Clipchampのソフトウェアでは、ビデオプレゼンテーション、販促、FacebookやInstagram、YouTubeといったソーシャルメディア向けの動画を1つに集約できる。Microsoftによると、家庭、学校、企業で使われるMicrosoft 365の既存の生産性エクスペリエンスを拡大するのにClipchampは「ぴったり」とのことだ。

今回の買収は、いくつかの理由でMicrosoftにとって魅力的なものだった。今日では、プロでない人でも手軽に高度な編集を行ったり、高品質なビデオコンテンツを制作したりできる新しいツールが増えているおかげで、人々はますます動画を制作したり使ったりしている。このため、企業にとって動画はアイデアを発表したり、プロセスを説明したり、あるいはチームメンバーとやり取りしたりするための新種の「書類」としての地位を確立した、とMicrosoftは説明する。

同社はまた、いかに「GPUアクセラレーションを備えたPCの完全なコンピューティングパワーを、ウェブアプリのシンプルさ」と組み合わせているかという点で、Clipchampを興味深い買収対象会社として見ていた、と述べた。この点ではClipchampのソフトウェアはMicrosoftのWindows顧客ベースにうまくフィットする。

Clipchampはビデオ制作・編集分野で数多くのオンラインツールを作り出してきた。そのうちの1つが、トリミングや切り取り、切り出し、回転、スピードコントロール、テキスト挿入、オーディオ、画像、カラー、フィルターなどの機能を提供するビデオメーカーClipchamp Createだ。同社はまた、動画制作をより簡単なものにするテンプレート、無料のビデオ・オーディオライブラリー、スクリーンレコーダー、テキスト読み上げ、その他ブランドのフォントやカラー、ロゴのビデオでの使用をシンプル化するツールを提供している。現在はもうないClipchamp Utilitiesというユーティリティではかつてビデオ圧縮やコンバーター、ブラウザ内ウェブカムレコーダーが提供されていた。しかしこれら機能の一部は新しいClipchampアプリに移された。

Clipchampを使って動画を制作した後は人気のソーシャルメディアネットワーク向けにさまざまな出力スタイルやアスペクト比を選ぶことができるため、オンラインマーケッターにとって人気のツールとなっている。

画像クレジット:Clipchamp

2013年の創業以来、Clipchampは1700万人超のユーザーをひきつけ、39万社にサービスを提供し、前年比54%増というペースで成長してきた。パンデミックによって多くの組織がリモートワークを採用し、企業がトレーニングやコミュニケーション、レポートなどの手段としてビデオを活用するようになったのにともない、動画の使用は増加した。2021年上半期にClipchampのビデオエクスポートは186%増えた。アスペクト比16:9の動画は189%増、Instagram StoriesやTikTokなどでのシェア向けのアスペクト比9:16の動画は140%増だった。Instagram向けのアスペクト比1:1は72%増えた。スクリーン録画も57%増え、ウェブカム録画は65%増だった。

2021年7月にClipchampのCEOであるAlexander Dreiling(アレクサンダー・ドライリング)氏はこの成長についてコメントし、同社が2020年チームの規模を3倍に拡大したと述べた。

「当社は1年前に比べて平均2倍超のユーザーを獲得しています。その一方で使用頻度も2倍となっていて、これはより多くのユーザーがビデオコンテンツをこれまでになく制作していることを意味します。ソーシャルメディアビデオは常にビジネスニーズの最前線にありましたが、2020年は当社のプラットフォームで多くのスクリーンウェブカム録画が行われ、内部コミュニケーションのユースケースの急速な広がりを目のあたりにしました」とドライリング氏は話した。

Microsoftは買収額は開示しなかったが、CrunchbaseによるとClipchampはこれまでに1500万ドル(約16億5000万円)の資金を調達している。

Microsoftがビデオマーケットに足を踏み入れるのは今回が初めてではない。

トランプ氏が国家安全保障の脅威と呼んだ中国企業所有のビデオソーシャルネットワークTikTok(ティクトック)の売却を強制しようとしていたとき、MicrosoftはTikTok買収を検討した企業の1社だった(TikTokの運営を米国内で続けるためにByteDanceはTikTokの米国事業を売却する必要があった。しかしバイデン政権がその動きを棚上げし、売却は実現することはなかった)。数年前、MicrosoftはStreamというビジネスビデオサービスを立ち上げた。これは消費者がYouTubeを使うような手軽さで企業が動画を使えるようにすることを目指していた。2018年に同社は、コラボのために短いビデオクリップを使うソーシャル学習プラットフォームのFlipgridを買収した。リモートワークが当たり前になるにつれ、MicrosoftはチームコラボレーションソフトウェアMicrosoft Teamsにさらに多くのビデオ機能を追加してきた。

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Adobeがビデオ・クリエイティブの雄Frame.ioを1400億円超の巨額で買収

MicrosoftのClipchamp買収は、Adobeの12億8000万ドル(約1410億円)でのビデオレビュー・コラボレーションプラットフォームFrame.io買収に続くものだ。Frame.ioは2014年の創業以来、100万人超に使用されてきた。しかし仕事、学校、あるいは家庭で誰でも使うことを想定しているClipchampのツールと異なり、Frame.ioはどちらかというとクリエイティブなプロをターゲットとしている。

ドライリング氏は、Clipchampが多くの人にとってビデオ編集をアクセスしやすいものにすることに注力し、今後もMicrosoftで成長を続けると述べた。

「Microsoftほどレガシーを持つテック企業はそうありません。我々はみな、アイコン的なMicrosoftのプロダクトで育ち、以来ずっとそのプロダクトを使っています」とドライリング氏は説明する。「Microsoftの一部になることで我々は未来のレガシーの一部になります。我々の前途がこれほどエキサイティングなものになる他のシナリオは考えられません。機会に事欠くことはなく、ビデオ分野には絶対的にチャンスがいくらでもあるとClipchampは常に言ってきました。いかにそのチャンスをつかむか、答えを見つけ出す必要があるだけです。Microsoft内で我々は完全に新しい方法でチャンスをつかみにいくことができます」とドライリング氏は付け加えた。

いつClipchampを既存のソフトウェアに統合する予定なのかMicrosoftは明らかにせず、今後詳細を明らかにすると述べるにとどまった。

画像クレジット:Clipchamp

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフトがパーソナライズできるニュースサービス「Microsoft Start」を提供開始

米国時間9月7日、Microsoft(マイクロソフト)はニュースをパーソナライズして読める独自のサービスを開始した。Microsoft Startという名称で、ウェブサイトとモバイルアプリの両方で利用でき、さらにWindows 10と11、ブラウザのMicrosoft EdgeといったMicrosoft製品とも統合されている。フィードにはニュース提供元からのコンテンツがユーザごとの関心に応じて組み合わされて表示されるという。このカスタマイズのシステムは、ニュースを提供しているAppleやGoogle、そしてFlipboardやSmartNewsなどの人気アプリとの闘いにプラスに働くだろう。

Microsoftによれば、このプロダクトはMSNやMicrosoft Newsといったオンラインとモバイルの顧客向けサービスのレガシーの上に作られているという。ただしMSNを置き換えるものではない。MSNは引き続きサービスを提供し、MSNとMicrosoft Startは社内での新たな競合となる。

Microsoft Startを利用するには、スタンドアローンのウェブサイトであるMicrosoftStart.comにアクセスする。このサイトはGoogle ChromeとMicrosoft Edgeで利用できる(Safariでは利用できない)。またはiOSかAndroidでモバイルアプリのMicrosoft Startをダウンロードする。

Microsoft Startは、Windows 10のタスクバーとWindows 11のウィジェットでもニュースやトピックの表示に利用される。Microsoft Edgeでは新規タブのページにも表示される。

画像クレジット:Microsoft

ぱっと見たところ、Microsoft Startは他のオンラインポータルとよく似ている。さまざまな提供元からのニュースが集められ、天気、株価、スポーツなどのウィジェットもある。記事を読むためにクリックすると、Microsoftのドメインでホストされているシンジケート化バージョンが表示される。上部にはナビゲーションバー、見出しの下には絵文字のリアクションボタンも用意されている。

個別の記事ではなくホームページを見ているときも、絵文字でニュースにリアクションできる。

絵文字のセットはFacebookのものと似ている。ただしFacebookで問題視されている笑い顔は、考えている顔に置き換えられている(Facebookの笑い顔は、例えば新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡のような悲しい出来事を記したストーリーに対しても、大っぴらに投稿をばかにしたりしたり人をあざ笑ったりするのに使われているとして批判されることが増えている)。

Microsoftは絵文字にもう1つ変更を加えた。ホームページでストーリーに絵文字でリアクションすると、トップ3の絵文字ではなく自分が付けた絵文字だけが表示される。

画像クレジット:Microsoft

オンラインのウェブポータルに集められるニュースコンテンツはあまり動的でないことが多いが、Microsoft Startのフィードはさまざまな方法でユーザの関心に応じて調整される。

「パーソナライズ設定」ボタンをクリックすると、ニュースやエンタメ、スポーツ、テクノロジー、マネー、投資、トラベル、ヘルスケアなど多くのカテゴリーから興味のあるものを追加したり削除したりすることができる。あるいは、カテゴリーやトピックを検索してもっと細分化されたもの、もっとニッチなものを設定することもできる(「子育て」ではなく「中学生の子育て」のように)。これはFlipboardの最近のアップデートで、ユーザが同様に選択することにより「For You」フィードという自分専用のメインページを作れるようになったことを思い出させる。

Microsoft Startのフィードをブラウズする際に「このような記事を増やす」「このような記事を減らす」をクリックしてさらにフィードを調整できる。時間をかけてユーザがコンテンツを調整していくことでフィードはどんどん洗練されるとMicrosoftは説明する。このようなカスタマイズにはAIと機械学習の他、人間による調整も活用されていると同社は説明する。

フィードには他のオンラインポータルと同様に広告が掲載される。下へスクロールすると点々と広告が入り、サイト名の横に緑色の「PR」バッジが付いている。大半は製品広告で、ニュースコンテンツとは関係がないようだ。MicrosoftはMSNを継続しており、Microsoft Startは他の多くの製品と統合されているため、Startが始まったことでMicrosoftが広告を掲載できるスペースは増えている。

iOSアプリのプライバシーラベルを見ると、他社のアプリやウェブサイト間でユーザをトラッキングするのにIDが使われる。これに対してGoogleニュースはトラッキングをしていない。Microsoft StartもGoogleニュースも、位置情報、ID、検索履歴、使用状況データ、ユーザコンテンツなど「ユーザに関連づけられたデータ」は多数収集している。ウェブサイトについては、Microsoft全般のプライバシーステートメントにリンクしているのみだ。

ウェブサイト、アプリ、統合は公開が開始されている。iOSでは以下のQRコードをスキャンするとApp Storeのページへ移動できるが、Androidでは原文記事制作時点で古いアプリにリンクしていたようだ。

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画像クレジット:Microsoft

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

日本発ブロックチェーンAstar・Shiden Networkが33億円規模のファンド発表、日本マイクロソフトがエコシステム構築支援

日本発ブロックチェーンAstar Network・Shiden Networkが33億円規模のファンド立ち上げ、日本マイクロソフトがエコシステム構築支援

⽇本発のパブリックブロックチェーンであるAstar Network(旧Plasm)とShiden Networkの開発をリードするStake Technologiesは9月6日、Polkadot(ポルカドット)およびKusama(クサマ)におけるdAppハブとなることを目指し、約33億円規模の「Astar & Shiden エコシステムグロースファンド Ⅰ」を立ち上げたと発表した。

また同社は、日本マイクロソフトと協力し、Astar Network・Shiden Network上のプロジェクトや開発者に対して「Microsoft For Startups」を中心としたマーケティング、インフラ分野での幅広い支援を行うと明らかにした。

Polkadotは、異なるブロックチェーンを接続し相互運用性を提供するブロックチェーンプロジェクト。Kusamaはその実験的ネットワークという位置付けのもの。

Stake Technologiesは、PolkadotおよびKusamaに向けて、Ethereumバーチャルマシン(EVM)やWebAssembly、Layer2、著名ブロックチェーンとのブリッジ機能などをサポートするスマートコントラクトハブ「Astar Network」「 Shiden Network」を開発するコアチーム。2021年7月、Shiden NetworkはKusamaへの接続に成功し、8月30日にはトークンの移転が可能となった。

マルチチェーンスマートコントラクトハブとしての機能を強化するため、PolkadotおよびKusamaだけでなく、Ethereum、Binance Smart Chainなど著名ブロックチェーンもサポートするとしている。

Astar & Shiden エコシステムグロースファンドⅠ

Astar & Shiden エコシステムグロースファンドⅠは、インフラプロジェクトやアプリケーションプロジェクトへの経済的、技術的サポートを通してAstar NetworkとShiden Networkのエコシステムを拡大させるために立ち上げたという。

初期供給量の6%のSDNトークン(Shiden Networkのネイティブトークン)をこのファンドに用いて(執筆時点で約33億円相当)、2~3年かけてエコシステムを拡大、支援を行う(グロースファンドのアドレスはこちら)。以下ポイントに注力する予定としている。

  • Buildersプログラム(開発者向けプログラム)参加者、参加プロジェクトへの経済的サポート:インフラ系プロジェクトや実績を出したプロジェクトへのGrant(助成金)、直接的なインベストメント、dApp Stakingを通したアプリケーションプロジェクトへの支援
  • グロースサポート:ハッカソンの開催や、開発チャレンジ企画の実施、開発者向けイベントやキャンペーンの実施
  • 取引所などとのキャンペーン
  • プロジェクトへの投資やVCの紹介
  • AstarとShidenの開発で蓄積した知識や経験の還元

Buildersプログラム(開発者向けプログラム)とは、経済的支援を受けながらプロダクト開発を行える「Astar & Shiden Builders Program」を指す。支援を希望する開発者に対して応募を呼びかけている。

またdApp Stakingは、Astar Network/Shiden Network上でサービスを展開するプロジェクトに対して、ベーシックインカムのように機能する独自の仕組みという。開発者は、Astar Network・Shiden Network向けプロダクトを開発することで、ブロック生成報酬の一部を獲得できる。

ハッカソンや開発者向けキャンペーンなどは後日公開としている。

日本マイクロソフトがAstar Network・Shiden Networkエコシステム構築を支援

日本マイクロソフトは、Aster Network・ShidenNetworkのエコシステム構築において「Microsoft For Startups」を中心としたマーケティング方面、インフラ分野で幅広く支援を行うことを表明した。

同社Azureなどのサービスやネットワークを活用し、グローバルで活躍する起業家、ブロックチェーンエンジニアを包括的に支援。ブロックチェーンのさらなる分散性を担保しつつ、Aster Network・Shiden Networkのエコシステムの一員として強力なサポート、エコシステム構築に協力するという。

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マイクロソフトが9月22日11時(日本時間23日0時)のイベント開催告知、Surface新モデル発表か

マイクロソフトが9月22日11時(日本時間23日0時)のイベント開催告知、Surface新モデル発表か

Microsoft

Microsoftが、9月22日11時(日本時間23日0時)にイベントを開催すると告知し、ティザーサイトを公開しました。

現状では開催日時の告知があるだけで、何を発表するのかについては触れられていません。しかしタイプカバーとキックスタンドがあるSurface ProあるいはSurface Goらしき画像が表示されていることから、Surface関連イベントであることは間違いないようです。

Microsoftはこれまでも、秋にSurface関連のイベントを行うことが多く、また今年は10月5日にWindows 11の正式リリースも控えている時期。それを初期搭載するハードウェアとして、新Surfaceが登場してもおかしくはないタイミングです。

肝心な、どんな機種が登場するかについては、いまのところ具体的な情報はありませんが、カメラがアップグレードし、ブラックカラーも追加されるとの噂も出てきたSureface Duo 2がこのイベントで発表される可能性もあります。

また、ティザー画像のとおりにSurface Pro(あるいはSurface Go)の新モデルも期待できそうです。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

Windows 11の提供開始は10月5日から、マイクロソフトが発表

Microsoft(マイクロソフト)は、6月にWindows 11を発表した際「2021年のホリデーシーズン」という大まかな発売日を提示した。もちろん、どの祝日になるのかは明確にしていない。もしかしたら「世界教師デー(10月5日)」や「仮庵の祭り(9月20日〜25日)」の後、あるいは極端に早い「ハロウィン(10月31日)」を狙っていたのかもしれない。数カ月前には10月下旬のリリースを強く示唆していたが(一部では20日とも言われていた)、米国時間8月31日朝、同社はこのOSが10月5日にリリースされることを発表した。

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この日付は、間違いなく、マイクロソフトが提示したリリースウィンドウの中では早い方にあたる。2015年以来となるWindowsのメジャーリリースは、Windows 10を搭載した対象PCを所有するユーザーには無料でアップグレードが提供される。また、10月5日にはWindows 11がプリインストールされた最初の製品も発売になる。

画像クレジット:Microsoft

TechCrunchでは、Windows Insider(ウィンドウズ・インサイダー)のDev Channel(開発チャンネル)を通じて最初のプレビュービルドが利用可能になった際に、Frederic(フレデリック)が記事を書いた。その時、彼は「これは半年に1度の小さなUI変更をともなうWindows 10アップデートとは明らかに別物だ」と述べている。

関連記事:マイクロソフトがWindows 11のファーストプレビュー公開

確かに、マイクロソフトは適切にも、10月のアップデートで行われる主な変更点を、11項目にまとめたブログ記事を公開している。1つ目は、最も早くから明らかになり、最初のプレビュービルドからずっと継続されていること、それはこのOSのデザインが刷新され、全体的によりクリーンな印象になったことだ。

これには、新しく導入されたスナップレイアウト、スナップグループ、そしてプリセットしておいたレイアウトを切り替えられるデスクトップが含まれており、マルチタスクをより整然と使い分けられるようになっている。また、マイクロソフトのオンラインサービスの多くが、OSに深く統合された。Microsoft 365は「スタート」メニューに組み込まれ、最近閲覧したファイルへアクセスできるなど、よりクロスプラットフォームな統合が行われている。一方、Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)はタスクバーに追加されている(マイクロソフトは、心からみなさんにTeamsを使ってもらいたいと思っている)。ウィジェットも復活し、ニュース、天気、スポーツ、株価などの情報にすばやくアクセスできるようになる。

アクセシビリティに関するさまざまなアップデートも行われた。7月に発表された長文の投稿で、マイクロソフトはそれらのアップデートを紹介し「アクセシブルなテクノロジーは、社会のあらゆる部分で機会を開くことができるようにするための不可欠な構成要素です。よりアクセシブルなWindows体験は、『障害による格差』を解消し、世界中の障害者に教育と雇用の機会を増やすことに貢献する力を持っています」と強調した。

Microsoft Store(マイクロソフト・ストア)のデザインもアップグレードされ、独立系の開発者がこのOS用の新しいツールを作成するためのアクセスを増やすことも約束されている。また、この新バージョンのWindowsは、DirectX12 Ultimate、DirectStorage、Auto HDRなどの機能を搭載し、引き続きデスクトップゲームにも力を入れている。

画像クレジット:Microsoft

最近では、これらの措置がサポート対象外のマシンにおいては何を意味するのか、また、率直に言って、どのマシンがサポート対象となるのかについて、若干の混乱も生じている。

今週初めには、マイクロソフトの条件に当てはまらないPCは、新しいOSを手動でインストールしても、Windows Update(ウィンドウズ・アップデート)を受けることができないということが報告された。Windows Updateは、セキュリティパッチやその他の更新を配信するものであり、これは非常に残念なことだ。

「Windows 11への無償アップグレードは10月5日から開始し、品質を重視しながら段階的に実施します」と、マイクロソフトは今朝の投稿で書いている。「Windows 10から得られた非常に多くの教訓をもとに、私たちはお客様に最高の体験を確実に提供したいと考えています。そのため、まずは新しい対象デバイスにアップグレードを提供します。その後、アップグレードは、ハードウェアの適格性、信頼性の指標、デバイスの経年、そしてアップグレード体験に影響を与えるその他の要因を考慮したインテリジェンスモデルに基づいて、市場に出ているデバイスに時間をかけて展開されます」。

同社によれば、2022年中頃までに、適合する機種にはすべてにアップグレードが提供される見込みだという。アップグレードされない機種については、マイクロソフトは2025年10月14日までWindows 10のサポートを継続するとしている。

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Windows 11の「PC 正常性チェック」アプリが刷新され「Windows Insider」向けにプレビュー版が公開

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Windows 11の「PC 正常性チェック」アプリが刷新され「Windows Insider」向けにプレビュー版が公開

Windows 11の互換性チェックアプリが刷新され「Windows Insider」向けに再公開、対応プロセッサも拡大米マイクロソフトは米国時間8月27日、以前に取り下げていた「PC 正常性チェックアプリ」(PC Health Check)をアップデートし、「Windows Insider」向けに再度公開しました(プレビュー版をダウンロード可能)。また、同OSの動作要件も一部変更されています。

今年後半にリリースされる予定のWindows 11はすでにプレビュー版が公開されており、同時に互換性をチェックするアプリ「PC Health Check」も提供されました。しかしマイクロソフトは公開直後、最初のバージョンのチェックアプリでは「ユーザーに正確な情報を提供できなかった」として、配布を中止していたのです。Windows 11の「PC 正常性チェック」アプリが刷新され「Windows Insider」向けにプレビュー版が公開

今回新たに公開されたPC 正常性チェックアプリアプリでは、以前のバージョンで問題となっていた「どの点が動作要件を満たしていないかがわかりにくい」という点を改善。上画像のように、「TPM 2.0(PCのセキュリティ管理機能)」をサポートしていない、あるいはプロセッサが対応モデルでない、などの詳細情報を提供してくれます。

また今回、Windows 11の動作要件も変更されました。以前から対応していた第8世代Intel CoreプロセッサやAMD Zen 2プロセッサだけでなく、第7世代のCore Xシリーズ、Xeon Wシリーズ、Core 7820HQが対応プロセッサとして追加。なお、以前対応がテストされていた「初代Zenプロセッサ」については、対応が見送られています。

一方でマイクロソフトは、Windows 11に非対応のシステムでもISOファイルによる手動インストールが可能だと説明しています。ただしそのようにインストールされたWindows 11にはアップデートが提供されず、セキュティやドライバの更新も保留される可能性がある、とのこと。ISOファイルでのインストールは、あくまでも自己責任での対応となります。

先述のTPM 2.0の要求や互換性チェックアプリの一時取り下げなど、若干の混乱もみられたWindows 11のアップデート準備作業。しかしチェックアプリを更新し、対応プロセッサも拡大するなど、幅広いシステムをWindows 11へとアップグレードしてもらおうというマイクロソフトの努力もいたるところで見受けられるといえそうです。

(Source:Windows BlogEngadget日本版より転載)

マイクロソフトが「Windows 11を手動で入れた古いPCにはアップデート提供しない」可能性を示唆

マイクロソフトが「Windows 11を手動で入れた古いPCにはアップデート提供しない」可能性を示唆

マイクロソフトは推奨するハードウェア要件を満たさない、古いCPUを搭載したPCにWindows 11を手動でインストール可能だと述べたばかりです。ISOファイルをダウンロードして手動でインストールする場合は、それを制限しないと明らかにしていました。

その直後に、そうした場合はWindowsアップデートを受けられる権利がなく、セキュリティやドライバの更新も保留されるかもしれないと追加で述べています。

これは昨日の声明と同じく、テックメディアThe Vergeに対して語っていること。もっともマイクロソフトは「かもしれない」と言っているにすぎず、単なるブラフである可能性も十分にあります。同社が重要なセキュリティパッチを発行しないとは考えにくく、実際にサポート終了予定だったOS向けに有償であれ延長措置を追加したり、ときおり無償でセキュリティパッチを提供することも珍しくありません。

The Vergeは今回の声明につき「もしも自分がマイクロソフト社の立場だったら、将来起こりうる法的問題を避けるために、ありとあらゆるPCの構成に対して保証と技術サポートを提供していると人々に思われないようにしたいと考えるかもしれない。約束を守り、約束以上のサービスを提供する方がよい」とコメントしています。

とはいえ、マイクロソフトが将来的に、あるいはWindows 11の正式リリース直後からアップデートを提供しない可能性もゼロではないでしょう。記事執筆時点ではマイクロソフトはこれ以上の詳細を明かしておらず、本当にそうすると真摯に受け止められることを望んでいるとも思われます。

マイクロソフトが有言実行であれば、Windows 11をインストールした古いPCは、全てのハードウェアのドライバーを手動でアップデートする過去に逆戻りするかもしれません。

わざわざISOファイルを自力でダウンロードしてインストールメディアを用意できる人であれば、新たなISOで同じ手順を繰り返すことは難しくなさそうです。が、マイクロソフトが将来的にインストール可能なシステム要件を変更しないという保証も、どこにもないとも言えます。

これまでにもWindows 11プレビュー版ではCPUやTPM 2.0などの要件を緩和したり、マイクロソフトは古いPCを手放したくない、買い換えたくないと声高に訴えるユーザーを宥めるよう努力してきた感があります。しかし今回の「古いPCはアップデートを受ける権利なし」声明は、譲歩にも限度があり、あくまで新たなハードウェアに置き換えるための猶予を与えているに過ぎないと示唆しているのかもしれません。

(Source:The VergeEngadget日本版より転載)

米テック大企業トップがホワイトハウスで会合、サイバーセキュリティ強化で巨額拠出を約束

テック大企業のApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)は、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領との会合に出席し、米国のサイバーセキュリティ強化で巨額の拠出を約束した。

金融や教育の分野からの出席者も含まれた今回の会合は、重要なインフラやいくつかの政府機関に対する有名なサイバー攻撃を受けて開かれた。サーバー攻撃ではサイバーセキュリティのスキルギャップがあることが明るみに出た。CyberSeekのデータによると、現在米国ではサイバーセキュリティに関連する約50万人の求人があり、それらはまだ埋まっていない。

「我々の重要なインフラの大半は民間セクターによって所有・運営されていて、連邦政府だけでこの問題に対処できません」とバイデン大統領は会合の冒頭に述べた。「今日みなさんにお集まりいただいたのは、あなた方がサイバーセキュリティについての水準を引き上げるパワー、能力、そして責任を有していると考えているからです」。

増加傾向にあるサイバー攻撃に対する戦いで米国をサポートするために、テック大企業はサイバーセキュリティ防衛を強化し、スキルを持つサイバーセキュリティ労働者を訓練するために多額を投資することを約束した。

ホワイトハウスによると、Appleは多要素認証の「浸透」とセキュリティ訓練を促進するために米国内の9000超のサプライヤーと協業すること、そして引き続きテクノロジーサプライチェーン全体でセキュリティ改善を促進するために新しいプログラムを設けることを約束した。

Googleはゼロトラストプログラムを拡大し、ソフトウェアサプライチェーンを安全なものにするために、そしてオープンソースのセキュリティを強化するために今後5年間で100億ドル(約1兆1000億円)超を投資すると述べた。検索と広告の大手である同社はまた、ITサポートやデータ分析、そしてデータプライバシーとセキュリティを含む最も需要の高いスキルの習得といった分野で米国人10万人を訓練することも約束した。

「強固なサイバーセキュリティは最終的には実行する人がいるかどうかに左右されます」とGoogleのグローバル問題責任者、Kent Walker(ケント・ウォーカー)氏は述べた。「中でも、サイバーセキュリティソリューションをデザインして実行することができる、あるいはサイバーセキュリティリスクとプロトコルの啓発を促進することができるデジタルスキルを持つ人が必要とされています」。

そしてMicrosoftはデザインでサイバーセキュリティを統合し「高度なセキュリティソリューション」を提供するために200億ドル(約2兆2000億円)を拠出すると述べた。また、キュリティ保護のアップグレードで連邦政府や州政府、地域の行政をサポートすべく、テクニカルサービスにただちに1億5000万ドル(約165億円)をあて、サイバーセキュリティ訓練で地方の大学や非営利組織との提携を拡大する、と発表した。

Amazonのクラウドコンピューティング部門であるAmazon Web Services (AWS)やIBMも会合に出席した。AWSはセキュリティ啓発トレーニングを一般も利用できるようにし、全AWS顧客に多要素認証デバイスを整備すると明らかにした。IBMは今後5年間で15万人にサイバーセキュリティスキル訓練を提供すると述べた。

多くの人がテック大企業の約束を歓迎し、Nominet CyberのマネージングディレクターDavid Carroll(デイビッド・キャロル)氏はTechCrunchに対し、これらの最新の取り組みは「強力な前例」となり「本気で戦う」ことを示していると話した。その一方で、サイバーセキュリティ業界の一部の人は懐疑的な目を向けた。

発表を受けて、一部の情報セキュリティのベテランは、米国が埋めようとしているサイバーセキュリティ職の求人の多くは給与面や福利厚生面で遅れをとっている、と指摘した。

「50万件のサイバーセキュリティの求人があり、ほぼ同じだけ、あるいはそれを上回る人が職を求めています」とテクノロジー分野の女性をサポートする財団TechSecChixの創業者、Khalilah Scott(カリラ・スコット)氏はツイートした。「理に適うようにしましょう」。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

ChromebookでAndroid版MS Officeアプリが9月18日以降利用不可に、ウェブ版への移行推奨

ChromebookでAndroid版MS Officeアプリが9月18日以降利用不可に、ウェブ版への移行推奨

Chromebook(Chrome OS)の特徴の一つが、Android用アプリへの対応。この機能が搭載されているため、ChromebookでWordやExcelといったMicrosoft Officeアプリが必要な際は、Android版を利用できます。

ただしこのMicrosoft純正のOfficeアプリは、残念ながら9月18日(現地時間)以降利用できなくなりそうです。というのも、一部のユーザーが、Chromebook上でOfficeアプリのサポートが終了するとの通知を受け取っているため。

Chromebookの情報に特化したウェブメディアAbout ChromebookがMicrosoftに確認したところ、OfficeのAndroidアプリは9月18日にChromebookサポートを終了し、代わりにOffice.com(Web版Office)を利用する必要があるとの返答を得たとのことです。

なお、今回の処置はChromebookで利用できなくなるだけで、Android上では引き続きOfficeアプリが利用可能なようです。

Microsoftは声明の中で「Chrome OS/Chromebookをご利用のお客様に最適な体験を提供するため」としており、ウェブ版への移行に際し「追加のプレミアム機能を利用できる」とも言っています。

今後、何か新しいバージョンがリリースされるのか、あるいはクラウドPCのWindows 365導入を促す目的なのか、いまのところ、この変更の理由は定かではありません。

ただしどちらにせよ、Officeアプリを利用していたChromebookユーザーにとっては、ウェブ版を利用するか、あるいはGoogle Docなどに移行するのか、といった選択を迫られることになりそうです。

(Source:About Chromebook。Via 9to5GoogleEngadget日本版より転載)

マイクロソフトが2021年ホリデーシーズンからXboxコンソールにクラウドゲーミングを導入

Microsoft(マイクロソフト)は、Xboxクラウドゲーミングをできるだけ多くのデバイスに提供するという同社の計画の次のフェーズに進みつつある。これはこれまでで最も重要なステップの1つだ。2021年末のホリデーシーズンから、Xbox Game Pass Ultimateの加入者は、Xbox Series X/SとXbox Oneのコンソールでクラウドゲーミングを利用できるようになる。

Gamescomのショーケースで今回の発表を行った同社は、100以上のゲームをダウンロードせずに起動できるようになると述べている。将来的には「Microsoft Flight Simulator」など、Series X/Sの一部のゲームをクラウド経由でプレイできるようになる予定だ。クラウドゲーミングに対応しているゲームは、Game Passライブラリ内でタイトルの横にクラウドアイコンが表示される。Microsoftは、1080p、60fpsのゲームプレイを目標としている。

Xboxクラウドゲーミングは、すでにスマートフォン、タブレット、PCで利用可能だ。またMicrosoftは、Xboxゲームストリーミングスティックや、スマートテレビ用クラウドゲーミングアプリの開発も進めている。同社は2021年夏、Xbox One Sベースのブレードサーバーでサービスを開始した後、より高性能なXbox Series Xハードウェアにクラウドゲーミングを移行し始めた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Kris Holt(クリス・ホルト)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:Microsoft

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(文:Kris Holt、翻訳:Aya Nakazato)

IPOを控えたソフトバンク出資のインド発ホテルチェーン「Oyo」にマイクロソフトが出資

今週明らかになった規制当局への提出書類によると、Microsoft(マイクロソフト)はインドの格安ホテルチェーン「Oyo(オヨ)」に500万ドル(約5億5000万円)を出資した。この投資は、7月のTechCrunchのスクープを裏付けるものだ。

この新たな投資によりOyoの評価額は96億ドル(約1兆540億円)となり、インドのスタートアップである同社が2019年に行った前回の資金調達ラウンドでの暗示的な企業評価、100億ドル(約1兆980億円)をわずかに下回っている。パンデミックの影響でビジネスを大幅に失ったこのスタートアップは、最大の投資家のひとつであるソフトバンクから、最近の四半期ではわずか30億ドル(約3295億円)と評価されていた。

関連記事:インドのホテルスタートアップOyoが創業者の株式購入で企業価値1兆円超え

TechCrunchは以前、この戦略的投資により、OyoがMicrosoftのクラウドサービスの利用にシフトする可能性もあると報じた。この件に詳しい2人の情報筋によると、同社は2021年後半にIPOを申請する予定だという。

インドで最も価値のあるスタートアップ企業の1つであるOyoは、近年、東南アジア、欧州、米国など多くの市場に積極的に進出している。しかし、「有害なカルチャー」、ガバナンスの欠如、多くのホテルオーナーとの関係など、いくつかの失策がその成長を傷つけた。

同社がホテルオーナーとの関係を改善すると誓約した矢先、パンデミックが発生した。それを受けてOyoは成長を減速し、世界各国でロックダウンが実施される中、2021年3月には世界で数千人の従業員を解雇した。

関連記事:ソフトバンク出資のインド格安ホテルチェーン「Oyo」が世界で5000人レイオフ

Ritesh Agawal(リテシュ・アガーワル)CEOは2021年7月、パンデミックは創業7年のスタートアップである同社をサイクロンのように襲った、とBloomberg TVに語っていた。「何年もかけて作り上げてきたものが、たった30日の間に60%以上崩壊しました」と同氏は語り、株式市場への参入については何も決断していないと付け加えた。

Airbnbが支援するOyoは、銀行に7億8000万〜8億ドル(約856億〜878億円)の残高があり、全事業の支出を毎月400万〜500万ドル(約4億4000〜5億5000万円)に削減したと、アガーワル氏は最近のバーチャルカンファレンスで述べた(2020年12月時点で同社の預金残高は約10億ドル[約1098億円]だった)。

7月、アガーワル氏が上記のカンファレンスでコメントした後、Oyoは負債によって6億6000万ドル(約725億円)を調達したと発表した。本件に詳しい関係者によると、その借金は以前の負債の返済に充てられたという。

2社間の取引が実現すれば、Microsoftにとってインドのスタートアップへの最新の投資になる。同社はこれまでにも、ニュースアグリゲーターと短編ビデオプラットフォームのDailyHunt(デイリーハント)、eコマースの巨人Flipkart(フリップカート)、物流SaaSのFarEye(ファーアイ)など、南アジア市場のスタートアップをいくつか支援してきた。

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画像クレジット:Akio Kon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフト幹部が携帯ゲームPC「Steam Deck」でXboxクラウドゲームが快適に遊べたと賞賛

マイクロソフト幹部が携帯ゲームPC「Steam Deck」でXboxクラウドゲームが快適に遊べたと賞賛

Valve

Xboxの責任者であるフィル・スペンサー氏が、Xboxクラウドゲーミング(xCloud)がValve社の携帯ゲーミングPC「Steam Deck」で快適に動作するとコメントしています。

先週末、スペンサー氏はTwitterでSteam Deckを賞賛し「今週はValve社でスコット、エリック、ゲイブ(いずれもValve社の幹部)とSteam Deckについて話していた」と語りました。さらに「今週ほとんどの時間Steam Deckを手にしてみた後では、これは本当に素晴らしいデバイスだと言えます。外出先でゲームを楽しむことができ、画面の大きさや操作性、すべてが素晴らしい。『Halo』や『Age』(おそらく『Age of Empires』)をプレイしても気持ちがいいし、xCloudもうまく機能している。おめでとう、SD(Steam Deck)チーム」と付け加えています。

記事執筆時点では、xCloudがSteam Deck上でWebブラウザまたはネイティブアプリのどちらで動いているかの確かな手がかりはありません。が、スペンサー氏は少なくとも、このサービスがSteam Deckで遊べることを予告したとは言えそうです。

Xboxクラウドゲーミングは、マイクロソフトのデータセンターにあるサーバ上でゲームを動かし、結果を映像としてストリーミングすることで、ゲーミングPCやゲーム専用機がなくとも、スマートフォンやタブレットなど「ネット動画が見られる」程度の端末で同じゲームが遊べるしくみ。現在は定額遊び放題サービスXbox Game Pass Ultimateの加入者向け特典として提供されており、すでに(対象地域では)AndroidやiPhone/iPad上で利用できるほか、旧世代のXbox Oneでも「多くの」Xbox Series X向けタイトルをプレイ可能にする方針が発表されています

Steam Deckは今年12月から米国や欧州を含む地域で、日本などその他の地域では2022年から順次発売予定。基本的にはArch LinuxベースのSteamOS 3.0で動きますが、Windows 11も問題なく動くよう作業中との公式声明がありました

ほか関連ニュースとして、スペンサー氏は「Xbox Game Passが他のゲーム機(主にNintendo Switch)にも登場すると思うか」という質問を受けました。それに対してスペンサー氏は、Xboxは「そのような議論に対して完全にオープン」だが、他の閉鎖的なプラットフォームが「Game Passのようなもの」を今すぐには求めていないことを理解していると回答しています。

これまでにも、Nintendo SwitchでXbox Game Passが遊べるようになるとの噂話はありました。とうてい信じがたい話ではありますが、初代Xbox関係者が任天堂に買収を持ちかけたという都市伝説が真実だったこともあり、こちらも本当に京都まで行って交渉している可能性もゼロではないのかもしれません。

(Source:Phil Spencer(Twitter)。Via NMEGamesradarEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Windows 11(製品・サービス)Xbox / エックスボックス(製品・サービス)Xbox Cloud Gaming / Project xCloud(サービス)クラウドゲーム(用語)Steam(製品・サービス)Valve Corporation(企業)Microsoft / マイクロソフト(企業)Linux(製品・サービス)

​VRゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」開発のThirdverseが20億円調達、國光宏尚氏が代表取締役就任

​VRゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」開発のThirdverseが約20億円調達、國光宏尚氏が代表取締役就任

​VRゲーム「Swords of Gargantua」(ソード・オブ・ガルガンチュア)を手がけるThirdverseは8月10日、第三者割当増資(シリーズA、シリーズB)により、累計調達額20億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ジャフコグループ、インキュベイトファンド、KDDI Open Innovation Fund、Presence Capital、Animoca Brands。今後は、ゲームクリエイターを中心に採用強化を行い、新作VRタイトルの開発に注力する。日米のスタジオにおいて2本の新作VRタイトル開発を開始するという。

また、代表取締役CEO・創業者にgumi創業者の國光宏尚が就任したと明らかにした。新たに米国子会社において北米ゲームスタジオを設立し、Microsoftのゲーム開発統括組織Xbox Game Studiosに所属する、inXile Entertainment創業者ブライアン・ファーゴ氏が、Thirdverseのアドバイザーに就任した。

國光氏は、「6年前にTokyo VR Startupsを立ち上げた日から、この日を夢みてきました。VR×メタバースは間違いなく『Next Big thing!』 心強い仲間と、頼もしい投資家の皆さんと共に、Thirdverse構想の実現に向けて全力で挑戦し続けたいと思います。 VR is Now!」とコメントしている。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Xbox / エックスボックス(製品・サービス)仮想現実 / VR(用語)gumiThirdverse(企業)5G(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)メタバース(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

マイクロソフトの「クラウドPC」こと「Windows 365」の無料トライアルが申し込み殺到で一時受付停止

マイクロソフトのクラウドPCこと「Windows 365」の無料トライアルが申し込み殺到で一時受付停止

今週よりサービス提供を開始した、マイクロソフトのWindowsマシンのクラウドサービス「Windows 365」。こちらの無料トライアルが人気殺到により、一時受付を停止しています。

Windows 365とは、クラウドサーバー上で動作するWindows 10(将来的にはWindows 11も)に、手元の端末からアクセスし利用するというもの。企業やユーザーは物理的なマシンを管理する必要がなくなり、またiPadやAndroidからブラウザ経由でWindowsを利用できるのもメリットです。

Windows 365などのディレクターを務めるScott Manchester氏は、Windows 365に対する信じられないほどの反響があったと報告。そして必要なキャパシティを確保するまで、無料トライアルの提供を一時停止すると報告しています。またトライアルが再開された際には、サインアップしたアカウントに通知が行われるとのことです。

Windows 365ではCPUやメモリ、ストレージの要求あわせて、多様なプランが用意されています。個人的に最小プランとなる「1CPU、2GB RAM、64GBストレージ」を契約して使っているのですが、正直かなりマシンの動作はモッサリしている印象。Edgeブラウザによるウェブブラウジングでも、かなりカクつきました。ただし現在はサービス開始直後で本来のパフォーマンスが発揮されておらず、今後改善される可能性もあります。

Windowsをクラウド化するという新たな利用スタイルを、よりわかりやすい形で提供するWindows 365。そのアイディアは現時点では、かなり好意的に受け入れられているようです。

マイクロソフトのクラウドPCこと「Windows 365」の無料トライアルが申し込み殺到で一時受付停止

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(Source:Scott Manchester (Twitter)Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Windows(製品・サービス)Windows 365(製品・サービス)OS / オペレーティングシステム(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)

マイクロソフトがインドのホテルチェーン「Oyo」に投資へ

Microsoft(マイクロソフト)はOyo(オヨ)への出資の最終検討段階に入り、インドのスタートアップを約90億ドル(約9850億円)と評価している、と本件に詳しい筋はいう。提案されている出資規模は不明。契約は7月30日にも締結される可能性がある、とある情報筋は言った。

Oyoは2019年に約100億ドル(約1兆950億円)と評価されたが、同社の主要出資者であるSoftBank(ソフトバンク)は、最近の四半期にインドのスタートアップの評価額を30億ドル(約3280億円)へと減額した。

関連記事:インドのホテルスタートアップOyoが創業者の株式購入で企業価値1兆円超え

提案された取引条件には、OyoがMicrosoftのクラウドサービスに乗り換えることも含まれているという向きもある。いずれの情報筋も本件が非公開であることを理由に匿名を要求している。

MicrosoftおよびOyoのファウンダーでCEOであるRitesh Agawal(リテシュ・アガーワル)氏は 29日時点でコメントを拒んだ。

Oyoはインドで最も価値のあるスタートアップの1つであり、近年東南アジア、ヨーロッパ、米国をはじめとするさまざまな市場に積極的に進出している。しかし、 いくつかの間違い(「有害なカルチャー」、ガバナンスの遅れ、ホテルオーナーとの関係など)が成長に影を落としている。

同社がホテルオーナーとの関係を改善すると誓約した直後に、パンデミックがやってきた。それに対応してOyoは成長を減速し、世界の国々が都市封鎖する中、2021年3月に世界で数千人の従業員を解雇した。

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パンデミックは創業7年のスタートアップをサイクロンのように襲った、と2021年7月初めにアガーワル氏がBloombergTVに話した。「何年もかけて作り上げてきたものがたった30日の間に60%以上崩壊しました」と彼は語り、同社が株式上場の決断をしていないことを付け加えた。

Airbnbが支援するOyoは、銀行に7億8000万〜8億ドル(約854億〜876億円)の残高があり、全事業の支出を毎月500万ドル(約5億5000万円)に抑えていることを最近のバーチャルカンファレンスでアガーワル氏が言った(2020年12月時点で同社の預金残高は約10億ドル[約1095億円]だった)。

7月、アガーワル氏が上記のカンファレンスでコメントした後、Oyoは6億6000万ドル(約723億円)の借入を行ったことを発表した。その借金は以前の負債を支払うために使われたと本件に詳しい人物がTechCrunchに話した。

Oyoは30日の提出書類で、借入の条件に後日株式と交換するオプションが含まれていることを明らかにした。

2社間の取引が実現すれば、Microsoftにとってインドのスタートアップへの最新の投資になる。同社は東南アジア諸国でいくつかのスタートアップを支援しており、その中にはニュース収集と短編ビデオプラットフォームのDailyHunt(デイリーハント)、eコマースの巨人Flipkart(フリップカート)、物流SaaS会社のFarEye(ファーアイ)などがいる。

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カテゴリー:その他
タグ:MicrosoftOyoインドホテル投資

画像クレジット:Akio Kon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトの第2四半期は47%増益、クラウド事業が過去最高の業績

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間7月27日の取引開始直後に、2021年第2四半期に相当する会計年度2021年第4四半期の決算を発表した。売上高は462億ドル(約5兆767億円)、純利益は165億ドル(約1兆8131億円)、1株あたり利益は2.17ドル(約238円)だった。売上高は前年同期比21%増だったが、純利益はさらに魅力的な同47%増だった。

同社の決算内容は予想を上回った。Yahoo Financeのレポートでは売上高は441億ドル(約4兆8460億円)、1株あたり利益は1.90ドル(約208円)を予想していた。決算発表後、Microsoftの株価は下落した。おそらく、いわゆるウィスパー・ナンバー(非公式の1株あたり利益予測業績予測のこと)を欠いていたためだろう。Microsoft株はこのところ上場来高値で取引されていたこともあり、時間外取引で3%下落している。テック株の同日の通常時間内での取引は全般的に弱く、Microsoftは企業価値を1%弱減らした。

同社は非常に大きな会社であり、今回のトップレベルの決算はわかりづらい。詳細をさらに見てみよう。

まず、同社のクラウドコンピューティングプラットフォームであるAzureの売上高は前年同期比51%増となった。同社によると、通貨の変動を除くとこの数字は45%になるとのことだ。初期分析では、51%という成長はAzureに関するものとしては会計年度2020年第3四半期(2020年第1四半期)以来、最高となった。

そうした観点から、Azureの過去3カ月の成長はほとんど文句のつけようがない。

残りの部門の主要3部門の売上高の成長は以下の通りだ。

  • インテリジェント・クラウド:30%増、部分的にはAzureの成長によって押し上げられた
  • プロダクティビティとビジネスプロセス:21%増、LinkedIn(46%増)とDynamics 365 CRMプロダクト(49%増)が牽引
  • パーソナル・コンピューティング:9%増、検索(53%増、トラフィック獲得コストを除く)が牽引

Microsoftの売上高レビューで弱点を見つけるのは難しい。消費者向けOfficeの売上高は18%増え、これはどちらかというとやや控えめな数字だ。Windows OEMの売上高は3%減、Surfaceの売上高は20%減だった。

しかしそうした取るに足りない数字は、同社の全体的な成長像と巨大な収益性を踏み潰すには十分ではなかった。Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏の会社はどれくらい儲かっているのか。Microsoftは自社株買いで104億ドル(約1兆1425億円)を費やし、直近の四半期に割り当てた。正直にいうと、いくぶん紛らわしい金額だ。そしてこの点について、なぜMicrosoftが自社株を買い戻すのか我々は少し困惑している。同社の時価総額は2兆ドル(約219兆7330億円)を少し上回り、同社がかなりの費用をかけて徐々に株式の数を減らすことができることをせいぜい意味するくらいだろう。もちろん、もっといい金の使い方はあるはずだ。

にもかかわらず、同社の決算内容は、驚くほど巨額で儲けの多い決算内容となった巨大テック企業の最近の勢いがまだ終わっていないことを示している。これは広範にはテック企業に対する信頼を投資家に与えるのに役立つかもしれない。スタートアップにとって悪いことではないだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Microsoft決算発表Microsoft Azure

画像クレジット:NICHOLAS KAMM / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

ニセWindows 11インストーラーが拡散、カスペルスキーがアドウェアやマルウェアが含まれていると警告

ニセWindows 11インストーラーが拡散、カスペルスキーがアドウェアやトロイの木馬が含まれていると警告

Kaspersky

マイクロソフトは次期Windows 11のプレビュー版を提供中ですが、入手するにはWindows Insiderプログラムへの登録が必要となります。これを経由せずに偽物のWindows 11インストーラーが配布されており、その中にアドウェアやマルウェアが含まれていると警告が発せられています。

ウイルス対策ソフトウェアで知られる企業Kaspersky Labsの報告によると、その1つは「86307_windows 11 build 21996.1 x64 + activator.exe」という実行ファイルとのこと。1.75GBものファイルサイズがあるため本物のようにも思えますが、実際には大部分が多くの無用な情報を含む1つのDLLファイルに占められていると述べられています。

問題の実行ファイルを開くと、通常のWindowsインストールウィザードのようなインストーラーが起動します。しかし主な目的は、別のより悪質な実行ファイルをダウンロードして実行すること。

さらに2つ目の実行ファイルも同じく「86307_windows 11 build 21996.1 x64 + activatorのダウンロードマネージャー」と称したインストラーであり、ライセンス契約書も付属し、スポンサー付きのソフトウェアもインストールされることが記されています。が、この種のドキュメントはたいていの人が読もうとはしないため、気づかれにくい模様です。

このライセンス契約に同意すると、さまざまな悪意のあるプログラムが持ち主のPCにインストールされてしまうしだいです。

Kasperskyは、すでにWindows 11関連の似た手口を使った数百の悪意ある試みを撃退してきたと述べています。

これらマルウェアの大部分は他のプログラムをダウンロードして実行することを目的としたダウンローダーで構成されており、比較的無害なアドウェアから本格的なトロイの木馬やパスワードの盗難など厄介なものまで、非常に多岐にわたるとのこと。要するにWindows 11インストーラーを装って、数々の有害ソフトウェアを呼び込んでいるというわけです。

こうしたリスクを考えると、やはりMSの用意している公式ソースからダウンロードした方がよさそうです。

Windows 10をインストール済みの環境であれば、「設定」から「更新とセキュリティ」をクリックし「Windows Insider Program」を選択。そしてアカウントをリンクし「Dev チャネル」(最新機能が使えるが不安定)か「ベータ チャネル」(Dev チャネルよりは信頼性が高い)を有効にすればWindows 11アップデートを入手できます。ニセWindows 11インストーラーが拡散、カスペルスキーがアドウェアやトロイの木馬が含まれていると警告とはいえ、いずれも公式リリース版とはほど遠い未完成品であることに違いはないため、仕事で使っているメインPCには入れない方が無難でしょう。

(Source:Kaspersky。Via MSPowerUserEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Windows(製品・サービス)Windows 11(製品・サービス)OS / オペレーティングシステム(用語)Windows 365(製品・サービス)Microsoft / マイクロソフト(企業)

マイクロソフトがIDとアクセス管理のCloudKnoxを買収、4社セキュリティ関連でM&A連発

Microsoft(マイクロソフト)は、IDおよびアクセス管理(IAM)スタートアップのCloudKnox Security(クラウドノックス・セキュリティ)を買収したと発表した。これは、テック巨人にとって2021年に入ってから4件目のサイバーセキュリティ関連の買収となる。

買収取引の条件は明らかにされていないが、これはMicrosoftがサイバーセキュリティ関連の買収を次々に行っている中での最新の取引だ。同社は先週、脅威インテリジェンスのスタートアップであるRiskIQ(リスクアイキュー)を買収することを発表したばかり。また最近では、IoTセキュリティのスタートアップ企業CyberX(サイバーエックス)とReFirm Labsを買収し、セキュリティポートフォリオの強化を進めている。Microsoftにとってセキュリティは大きなビジネスであり、2020年には同社のセキュリティ関連の収益は100億ドル(約1兆1055億円)を超え、前年比で40%の増加した。

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2015年に設立され、その2年後にステルスを脱して姿を現したCloudKnoxは、組織が最小特権の原則を実装してリスクを低減し、セキュリティ侵害を防止することを支援している。このスタートアップは買収前に2280万ドル(約25億円)を調達しており、ClearSky、Sorenson Ventures、Dell Technologies Capital、Foundation Capitalから出資を受けていた。

Microsoftのアイデンティティ担当コーポレートバイスプレジデントであるJoy Chik(ジョイ・チク)氏のブログ投稿によると、CloudKnoxの買収により、Azure Active Directoryの顧客は「ハイブリッドおよびマルチクラウドのパーミッションに対するきめ細かな可視化、継続的なモニタリング、自動化された修復」が可能になるという。

企業各社が柔軟なワークモデルを導入している中、クラウド導入のメリットを享受している一方で、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境における特権的アクセスの評価、防止、管理に苦慮しているケースが多いとチク氏は指摘している。

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「CloudKnoxは特権的アクセスを完全に可視化します」と同氏は述べている。「パーミッションを適切に設定し、最小特権の原則を一貫して実施することで、リスクを低減させます。また、継続的な分析を行うことで、セキュリティ侵害の防止やコンプライアンスの徹底を支援します。これにより、クラウドセキュリティに対する当社の包括的なアプローチが強化されます」とも。

MicrosoftはAzure Active Directoryに加えて、CloudKnoxを365 Defender、Azure Defender、Azure Sentinelなどの他のクラウドセキュリティサービスと統合することも計画している。

今回の買収について、CloudKnoxの創業者兼CEOのBalaji Parimi(バラジ・パリミ)氏は次のように述べた。「Microsoftに加わることで、新たなシナジー効果を発揮し、共通のお客様がマルチクラウドやハイブリッド環境を保護し、セキュリティ態勢を強化することが容易になります」。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Microsoft買収サイバーセキュリティCloudKnox

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフトが紛らわしく悪質な「ホモグリフ」ドメインを掃討する裁判所命令を勝ち取る

Microsoft(マイクロソフト)は、Office 365(オフィス365)の顧客になりすまして詐欺行為を行うために使用されていた複数の悪質な「ホモグリフ」ドメインを掃討する裁判所命令を勝ち取った。

この巨大テクノロジー企業は7月初め、同社の顧客をターゲットにしたサイバー犯罪行為を発見し、訴訟を起こした。顧客からビジネスメールの漏洩攻撃に関する苦情を受け、マイクロソフトが調査を行った結果、名称不明の犯罪グループが17個の悪意のあるドメインの作成に関わっていたことがわかった。犯罪グループはそれらのドメインを、盗んだ顧客の認証情報とともに使って、Office 365アカウントに不正にアクセスし、顧客の連絡先を詐取しようとしていた。

マイクロソフトは米国時間7月19日に公開したブログ記事の中で、バージニア州東部地区の判事が、同社の顧客になりすますために使用されていた「thegiaint.com」や「nationalsafetyconsuiting.com」などの悪質なドメインのサービスを停止するよう、ドメイン登録会社に要求する裁判所命令を発令したことを認めた。

このような「ホモグリフ」と呼ばれるドメインは、いくつかの文字の類似性を利用して、正規のドメインに見せかけた詐欺的なドメインを作成したものだ。例えば、大文字の「I」(アイ)と小文字の「l」(エル)を使って「MICROSOFT.COM」によく似た「MlCROSOFT.COM」というドメインを作成し、詐欺行為に利用する。

「これらのドメインは、盗んだ顧客の認証情報とともに使用され、顧客アカウントへの不正アクセス、顧客の電子メールトラフィックの傍受、保留中の金融取引に関する情報の収集、(Office 365の)顧客を対象とした犯罪的ななりすましなどを行い、被害者を欺いてサイバー犯罪者に資金を送金させようとするものでした」と、マイクロソフトは訴状の中で述べている。そして、サイバー犯罪者は「マイクロソフト、その顧客、および公衆に回復不能な損害を与えてきたし、今も与え続けています」と付け加えた。

ある実例では、犯罪者はOffice 365の顧客アカウントから、支払いに関する問題を指摘した正規の電子メールを特定すると、その情報を利用し、このメールのドメインとよく似たホモグリフドメインを使って偽メールを送信した。この偽メールは、正規のメールと同じ送信者名、件名で、同じフォーマットを使用しているが「このアカウントは最高財務責任者によって保留されており、早急に支払いをする必要がある」と偽りの主張が記載されている。

その後、サイバー犯罪者は自分たちが偽装している企業のロゴを使用して、正規の送金情報に見せかけた偽の送金情報を送信し、不正な送金を勧誘しようとした。

このような犯罪者は通常、発見されたら悪意のあるインフラをマイクロソフトのエコシステムの外に移そうとするのだが、米国時間7月16日に発令された今回の裁判所命令により、被告はこれらのドメインを他のプロバイダーに移すことができなくなったと、マイクロソフトは指摘している。

マイクロソフトのデジタルクライムユニットでゼネラルマネージャーを務めるAmy Hogan-Burney(エイミー・ホーガン・バーニー)氏は、次のように述べている。「今回の措置により、犯罪者の能力をいっそう低下させることができます。さらに重要なことは、法廷内外における混乱の抑制に効力を持つさらなる根拠が得られるということです」。

マイクロソフトは、今回のBEC攻撃に関わったサイバー犯罪者の身元を明らかにしていないが「展開された技術から、犯罪者は金銭的な動機を持つと思われ、西アフリカを拠点とする大規模なネットワークの一部であると考えられる」と述べている。

マイクロソフトによると、この活動の標的となったのは、北米で営業しているいくつかの業種の中小企業が中心だったとのことだ。

マイクロソフトが、サイバー犯罪者や同様の攻撃との戦いを強化するために、裁判所の命令を勝ち取ったことは今回が初めてではない。調査によれば、2021年には71%もの企業が、この種の犯罪の被害を受けているという。2020年も裁判所は、新型コロナウイルス関連の偽装メールを使った大規模なサイバー攻撃に使用された悪意のあるウェブドメインの差し押さえと管理を求めるマイクロソフトの訴えを認めている。この攻撃による被害者は62カ国にもおよんだ。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Microsoft訴訟詐欺

画像クレジット:Jejim / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Hirokazu Kusakabe)