今朝(米国時間7/14)、Windowsパートナー・カンファレンスでMicrosoftは会場のクライアントに向かって多様なクラウド・サービスを利益と顧客を増加させる有力な手段であると説明し、「クラウドは未来の話ではない。現在の話だ」と強調した。
今回のMicrosoftのプレゼンでは、市場の支配者というより、むしろ古い市場を捨てて新しい市場のシェアを獲得しようとする新参の反逆者のような表現が注目された。
ハードウェア
COOのKevin Turnerは「パソコンのエコシステムは依然として3億台の規模だ。Microsoftはそのうちの90%のシェアを握っている。しかしモバイルを含めた全デバイス市場ではわれわれのシェアはそれよりはるかに小さく、14%に過ぎない。現在Microsoftが全力を挙げているのが、このより広いデバイス市場でのシェアを獲得することだ」と述べた。
Turnerはさらに「90%のシェアを握っている場合、その姿勢は守りになる。しかし14%のシェアしか持っていない場合、ものの見方は少々変わってくる」と指摘した。
カンファレンスの全体を通じてMicrosoftは新しいデバイス、サービスに関するアグレッシブな姿勢を貫いた。プレゼンではSurface Pro 3、Windows Phone、OEMのWindowsタブレットなどのモバイルデバイス、Office 365、CRMツール、Sharepoint、Windows Azureなどのクラウドベースのソフトウェアが終始強調された。
ソフトウェア
TechCrunchが1年近く前に指摘したように、クラウド化、サービス化にともなってMicrosoftのビジネス構造には大きな重心の変化が起きている。Turnerによれば、Sharepointの売上は20億ドルに達しており、Office 365は「われわれの商用プロダクト中で最速の成長ぶりを示している」という。またAzureは2014年度に入って新たに4万2000のユーザーを獲得し、現在毎日1000件の新規契約があるという。
Turnerは「この変革への対応な容易なことではない」と認めた。たとえば「9インチ未満のスクリーンのWindowsデバイスにはロイヤリティを課さないという決断は辛いものだった」という。しかし「この新方針のためにメーカーがWindowsベースの小型のデバイスを開発する動きが加速された」とTurnerは述べた
戦略
ある分野ではMicrosoftはクラウド化をリードしている。Office 365はエンタープライズ・ソフトウェアの分野における大ヒットとなった。Azureも好調だ。だが新しいデバイス分野における競争では依然として遅れをとっている。モバイル戦略の中心となるWindows Phoneも成長はしているが、十分な速さとはいえない。これが「全デバイスを通算すると14%」という残念な数字の原因になっている。Windowsタブレットも市場を支配するようなシェアは獲得できていない。Microsoftはこの状況を打開するために、Windows搭載の低価格のノートとタブレットを今年後半に市場に投入する計画だ。
Microsoftの新プロダクトは非常に多岐にわたっているので、点数を付けるのは難しい。しかし同社の戦略ははっきりしている。Microsoftはあらゆるプラットフォーム上でクラウド・サービスを販売しようとしている。同時に、向こう5年程度で、ハードウェア、ソフトウェア双方でMicrosoft独自のプラットフォームを構築するというビジョンを抱いている。
下は今回のプレゼンの最後に表示された「2015年度のわれわれの攻勢計画」と題されたスライドだ。
〔日本版〕 1:クラウドに全力、2:モバイルで勝利、3:各分野で挑戦者に、4:顧客満足度向上 という目標を掲げている。
今日のイベントはマイクロソフトと提携してプロダクトを開発、販売するパートナー企業が対象だった。Microsoftは依然として伝統的なチャンネルを通じて伝統的なプロダクトを販売し、膨大な売上を得ている。しかしMicrosoftは、今後はサービスを販売することで、より多くの収益を得られるものと考えており、現在そのことをパートナーに納得させようと努力しているところだ。
画像; FLICKR USER ROBERT SCOBLE UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)