IntelとMicrosoft、PC市場の好転を受け10数年ぶりの高値

われわれは〈プレ〉ポストPC時代にいるようだ。

PC市場はほぼ安定し、再び元気を取り戻して業界のプレーヤーたちを助けている。IntelとMicrosoftは、今日(米国時間6/16)大きく株価を上げた。昨日の取引終了後に発表された、Intelの好調な業績報告を受けた結果だ。

Intelは、通常取引で9.27%高値をつけ、時価総額を1722.8億ドルへと押し上げた。これはIntelにとって2002年初め以来の高い数字だ。

同社の売上138億ドル、1株当たり利益0.55ドルは、PC部門の前年比6%の売上増に支えられたものだ。同部門はIntelの売上の半分以上を生み出している。

Intelの結果は驚きではなかった ― 同社は以前ガイドラインを上方修正しており、PC市場そのものもすでに好調を示していた

今年第2四半期、全世界PC出荷台数のデータは、1.7%の微減から0.1%の微増の範囲にあった。目覚ましい数字とは言えないが、終りなき赤字が続いていたパーソナルコンピューター業界にとっては、一息つける嬉しい四半期だった。

現在PC市場では、年間およそ3億台、1日当たり82万2000台が出荷されている。

来週月曜日(米国時間7/21)に業績発表するMicrosoftも、今日3.84%株価を上げ、44ドルをわずかに上回る株価で引けた。Microsoftの今日の高値は、一つにはIntelの好調な業績が理由であり、レドモンドのWindows部門の好調な四半期が暗示される。近々行われると噂されるレイオフも影響している可能性が高い。それによってNokiaから何万人もの従業員を受け入れた後の事業経費を縮小できる。

PC市場の縮小がまだ終っていないかもしれないことは、覚えておくべきだ。Windows XPのサポート終了特需とホリデーシーズンに支えられた四半期が何度か続いただけでは、長期的なPC売上向上を示したことにはならない。よって、潜在的な将来トレンドについては期待しすぎないほうがよい。

ともあれ、興味深い一日だった。Once more round the sun.

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Microsoft、パートナー・カンファレンスでクラウド戦略を説明―「未来ではなく今の話だ」と強調

今朝(米国時間7/14)、Windowsパートナー・カンファレンスMicrosoftは会場のクライアントに向かって多様なクラウド・サービスを利益と顧客を増加させる有力な手段であると説明し、「クラウドは未来の話ではない。現在の話だ」と強調した。

今回のMicrosoftのプレゼンでは、市場の支配者というより、むしろ古い市場を捨てて新しい市場のシェアを獲得しようとする新参の反逆者のような表現が注目された。

ハードウェア

COOのKevin Turnerは「パソコンのエコシステムは依然として3億台の規模だ。Microsoftはそのうちの90%のシェアを握っている。しかしモバイルを含めた全デバイス市場ではわれわれのシェアはそれよりはるかに小さく、14%に過ぎない。現在Microsoftが全力を挙げているのが、このより広いデバイス市場でのシェアを獲得することだ」と述べた。

Turnerはさらに「90%のシェアを握っている場合、その姿勢は守りになる。しかし14%のシェアしか持っていない場合、ものの見方は少々変わってくる」と指摘した。

カンファレンスの全体を通じてMicrosoftは新しいデバイス、サービスに関するアグレッシブな姿勢を貫いた。プレゼンではSurface Pro 3、Windows Phone、OEMのWindowsタブレットなどのモバイルデバイス、Office 365、CRMツール、Sharepoint、Windows Azureなどのクラウドベースのソフトウェアが終始強調された。

ソフトウェア

TechCrunchが1年近く前に指摘したように、クラウド化、サービス化にともなってMicrosoftのビジネス構造には大きな重心の変化が起きている。Turnerによれば、Sharepointの売上は20億ドルに達しており、Office 365は「われわれの商用プロダクト中で最速の成長ぶりを示している」という。またAzureは2014年度に入って新たに4万2000のユーザーを獲得し、現在毎日1000件の新規契約があるという。

Turnerは「この変革への対応な容易なことではない」と認めた。たとえば「9インチ未満のスクリーンのWindowsデバイスにはロイヤリティを課さないという決断は辛いものだった」という。しかし「この新方針のためにメーカーがWindowsベースの小型のデバイスを開発する動きが加速された」とTurnerは述べた

戦略

ある分野ではMicrosoftはクラウド化をリードしている。Office 365はエンタープライズ・ソフトウェアの分野における大ヒットとなった。Azureも好調だ。だが新しいデバイス分野における競争では依然として遅れをとっている。モバイル戦略の中心となるWindows Phoneも成長はしているが、十分な速さとはいえない。これが「全デバイスを通算すると14%」という残念な数字の原因になっている。Windowsタブレットも市場を支配するようなシェアは獲得できていない。Microsoftはこの状況を打開するために、Windows搭載の低価格のノートとタブレットを今年後半に市場に投入する計画だ。

Microsoftの新プロダクトは非常に多岐にわたっているので、点数を付けるのは難しい。しかし同社の戦略ははっきりしている。Microsoftはあらゆるプラットフォーム上でクラウド・サービスを販売しようとしている。同時に、向こう5年程度で、ハードウェア、ソフトウェア双方でMicrosoft独自のプラットフォームを構築するというビジョンを抱いている。

下は今回のプレゼンの最後に表示された「2015年度のわれわれの攻勢計画」と題されたスライドだ。

〔日本版〕 1:クラウドに全力、2:モバイルで勝利、3:各分野で挑戦者に、4:顧客満足度向上 という目標を掲げている。

今日のイベントはマイクロソフトと提携してプロダクトを開発、販売するパートナー企業が対象だった。Microsoftは依然として伝統的なチャンネルを通じて伝統的なプロダクトを販売し、膨大な売上を得ている。しかしMicrosoftは、今後はサービスを販売することで、より多くの収益を得られるものと考えており、現在そのことをパートナーに納得させようと努力しているところだ。

画像; FLICKR USER ROBERT SCOBLE UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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まだ見ぬWindows 8.1のスタートメニューと称するスクリーンショット

ワールドカップ決勝の騒音に殆どかき消されながら、1枚のスクリーンショットが、Microsoftウォッチングコミュニティーに出回った。この画像が注目を集めているのは、これが近く公開されるWindows 8.1のスタートメニューだと主張する人々がいるからだ。

Microsoftは、ユーザーインターフェースを元に戻すと4月の基調講演で約束した。しかしその後数ヵ月間、それがどんな見映えになるかのヒントは一切なかった。

Microsoftが4月のBuildデベロッパーカンファレンスで一瞬だけ披露した画像がこれだ。

そして、これが今日のスクリーンショット。


Neowinによると、同誌のBrad Samsの情報筋は、「この画像は本物のようだと言っている」。The VergeのTom Warrenの方が懐疑的で、この画像は「フォトショップに名作」だと言っている

私は「リークした」製品画像を掲載することをあまり好まない。ファンボーイたちの夢の産物であることが多いからだ。しかし、これがMicrosoft自身にモックアップ画像に類似していることは、注目に値する。本物のスタートメニューは、それがどんな外観になるにせよ、2015年に出荷予定だ。

この画像が本物であってもなくても、Microsoftファンたちの反応を見るのは興味深い。NeowinのSamsの記事へのコメントは多岐にわたる ― ポジティブなものから軽蔑的なものまで。あえて言うなら、全体的にはポジティブだ。それはMicrosoftにとっては喜ばしいことだ。しかし、自ら招いた傷を治すことの魅力はそれなりでしかない。

Microsoftは、Windows 8の公開当初から、そのMetro的な部分とデスクトップ部分の段差をなくそうと努力してきた。デスクトップとMetro要素の融合になるであろう新しいスタートメニューも、その延長線上にある。

私は、この画像についてMicrosoftにコメントを求めている。おそらく数時間以内に、噂や憶測にはコメントしない旨の回答が来るだろう。

IMAGE BY FLICKR USER DELL INC. UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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PC市場が近年で最強の四半期を経験–XP廃品化が売上増に貢献

パーソナルコンピュータはこのところずっと、テクノロジという巨大市場における、体調不良のメンバーだったが、この第二四半期(2014Q2)は元気だった。新たな四半期を迎えるごとに下降していた世界のPC市場は、この四半期、Gartnerの調査では0.1%の増、IDCの調査では1.7%の微減へと落ち着いた。しかも、どちらの数字でも合衆国市場は約7%の増となっている。

PC市場が成長しているのか? そこまで言う必要はない。Windows XPのサポート終了で、ハードウェアまで陳腐化を宣言され、企業は新しいコンピュータを買うはめになってしまったのだ。

二つの調査会社は、数え方が違う。IDCはWindowsタブレットを数えず、Chromebookを数えている。Gartnerは、その逆だ。しかしどちらも、パーソナルコンピュータの市場が経験してきた大きな減少が、この四半期には止まった、と言っている。その総売上台数は、どちらも、約7500万台である。

しかしこの数字をもとに予測された2014年の総売上台数は約3億台となり、これまでの予想と変わらない

この占いはMicrosoftやIntelなど、PC市場の構成メンバーにとって吉兆だ。両社とも最新の市場動向についてコメントを発表してはいないが、Intelは前に、当四半期に関する予想を発表している(本誌記事より):

第二四半期に関してIntelは、売上を137億ドル±3億ドルと予想している。これは、以前の130億ドル±5億ドルという予想よりも大きい。ほぼ140億ドルという売上予測は、これまでの最低の予測値125億ドルを大きく上回っている。

Windows XPの終わりという要因は、今後数四半期にわたって影響を発揮するだろう。そしてそのステロイドの効果が切れたら、PC市場はどうなるか。Gartnerは“安定横ばい”と見ているし、IDCは“消費者の関心が戻る”と言っている。両社とも、長期的な回復傾向を予測しているのだ。

しかしモバイルコンピューティングが伸びている中でPC(の売上台数)が昔日の栄光を取り戻すことは考えられない。ただし、ふつうはモバイルに分類されるタブレットを、PCの方へ算入したらやや変わるかもしれない。いずれにしても、ついこないだまで叫ばれていた、PCのご最期とか、ポストPCの時代が始まったのだ、という極端な説は、間違っていたのだ。

ぼくは1月にこう書いた:

PCの低落傾向は注視すべきだが、しかし今後の8四半期においては、むしろPCの売上は前年比で増加するだろう。このことを、考慮に入れておくべきだ。

Gartnerの数字では、ぼくの予想は早くも当たった。こんなに早いとは、誰も思わなかっただろう。第三四半期もこんな結果なら、それは“トレンド”と呼ぶに十分値する。

画像: FLICKR/DELL INC.; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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Microsoft Office 365の小企業向けプランを改定、ますます安売り指向に

Microsoftが今日(米国時間7/9)、Office 365の小企業向けのさまざまな新しいプランを発表した。既存のプランはそれらのどれかに置き換わるものと思われる。

まず、小企業向けのいちばん高価なプランが、一人月額15ドルから12.50ドルに値下げされ、社員数の上限は場合によっては今の25から300になる。Office 365のクラウドプロダクトの一人月額5ドルのオプションはそのまま残るが、そこにはOfficeのデスクトップバージョンは含まれない。

クラウド上の生産性アプリケーション(OAソフト)はこのところ競争が激しくなっているので、Microsoftとしてもよりカスタマーフレンドリにならざるをえない。Microsoftは人びとを、長年のソフトウェア購入のサイクルから引き離し、小企業を手頃な料金で、SaaSとしてのOfficeのユーザにしていきたいのだ。

同じようなことを、Google、Apple、Dropbox、それにBoxがねらっている。この、単純にファイルをエディットしたり、保存したりというサービスに、1兆ドルを超える規模の市場がある。各社は、Office 365がこけることを、期待している。

以下は新しいプランに関するMicrosoftの説明だ:

Office 365 Business – すべてのOfficeアプリケーション – Outlook, Word, Excel, PowerPoint, OneNote, そしてPublisher。1TBのクラウドストレージOneDrive for Businessで文書にアクセス、編集、そして文書をWindows PC, Mac, iPad, Windowsタブレット/スマートフォン上で共有できる。

Office 365 Business Essentials – 企業の日常稼働のための中核的クラウドサービス – 企業向けに最適化されたメールとカレンダー、Office Online、オンラインミーティング、IM、ビデオ会議、クラウドストレージとファイル共有、その他。

Office 365 Business Premium – Office 365 BusinessとBusiness Essentialsの両方のプランのすべて。

これら新しいオプションは10月1日より適用される。

Microsoftは最近クラウドストレージの容量を増やし、Office 365のアカウントでは1テラバイト、そのほかのOffice有料アカウントでも容量が増した。

Office 365はMicrosoftのAmazon Primeになりつつある: 年会費を払うと、あれやこれやといろんなサービスが得られる。Amazonと同じく、雑多なサービスの寄せ集めでも平気だ。いっそ、Office 365をPrimeと改名したらどうだろう。

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Microsoft、Androidタブレット版Officeをベータテスト中

「そうと聞いても驚かない」ニュースがまた一つ飛び込んできた。MicrosoftはOffice生産性スイートをAndroidタブレットに移植しようとしている。

The Vergeによれば、Microsoftは現在OfficeのAndroidタブレット版のプライベート・ベータをテスト中だという。このニュースの掲載後、登録ページは削除されたもようだ。

フル機能のOfficeがAndroidにもやって来るというのはサンフランシスコの朝の霧くらい予測可能な動きだ。今年に入ってMicrosoft自身が開発中であることを認めたし、タッチ操作に最適化されたOfficeはWindows版より先にAndroid版がリリースされそうだという噂も流れている

そういう事情なのでMicrosoftがベータテストを始めたことに驚きがないのも当然だろう。

Office for iPadはMicrosoftにとって大きな成功だった。業界ではiOS版はすでに遅すぎるのではないか、Office 365関連の制限のためにユーザーはiPad版を使わないのではないかと疑問視する声があったが、iOS版はうまく行った。Androidがうまく行かないだろうという理由もまた見当たらない。

ただ私が理解できないのはタッチ優先のWindows版Officeのリリースがなんでこうも遅れているのかだ。

おそらくはこれも最近のMicrosoftのモバイル優先、クラウド優先の大方針の現れなのだろう。Officeは今ではMicrosoft独自のクラウド・ストレージ、OneDriveに大きく依存している。Office for Androidに対する市場の反応がiOS版に匹敵するものになるかどうか注目だ。iOS版Officeは46日間で2700万回ダウンロードされたという。.

今回のニュースに関してMicrosoftはコメントを避けた。

画像:FLICKR USER KENNETH LU CC BY-SA 2.0ライセンス(画像は編集ずみ)

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MicrosoftはWindows 9でデスクトップ重視に戻る―Metroのスタート画面廃止の情報も

最近、Microsoftコミュニティーには意外が情報が流れている。現在Thresholdというコードネームで開発が進んでいるWindows 9のデスクトップ版ではMetroのスタート画面がデフォールトから外されているというのだ。

NeowinのBrad Samsによれば、すくなくともいくつかのThresholdビルドでは「ユーザーはMetroのライブ・タイル環境にアクセスしたい場合、マニュアルでスタート画面を有効にする必要がある」という。

ZDNetのMary Jo Foleyやや異なる側面について説明している

Win32ないしレガシー・アプリが作動するデスクトップ、ノート版のThresholdのあるSKU(バージョン)ではWindows DesktopがデフォールトのUIとなる。Lenovo YogaやSurface Proのようなタブレット機能も備えた機種の場合、キーボードが接続されない場合はMetroモード、接続された場合は従来のWindowsモードとなる。

スマートフォン/タブレット版のThresholdにはDesktop環境はまったく搭載されないが、私の情報源によれば、複数のアプリが並んで作動する機能は維持されるという。このThreshold MobileバージョンはARM搭載のLumiaスマートフォンとArm搭載のWindowsタブレット、それにおそらくIntel Atom搭載のタブレットでも作動する。

これらの情報はそれぞれ理にかなったものなのでまとめてみよう。しばらく前からほぼ確実になったことがいくつかある。まずMicrosoftはWindowsについてデスクトップ環境を再び優先しようとしている。鳴り物入りでポストPC時代と騒がれたものの、ユーザーは生産性の高い伝統的な構成のコンピュータに今後も強く依存し続けることが明らかになった。Windowsはさまざまなスクリーンのデバイスにおいて横断的なシステムとして用いられるようになっており、将来はスマートフォンからデスクトップまで統一的な環境となるだろう。

私はMicrosoftがデスクトップ・コンピュータでスタート画面を廃止するだろうとは思っていない。しかしMicrosoftがWindowsの次世代版のユーザー体験においてデスクトップ重視に戻ることは大いにあり得る。

しかしここで問題が予想される。現在MicrosoftはWindows Storeの育成に全力を挙げているが、これはMetro版のWindows 8.xをベースにしている。にもかかわらずMetro UIを脇に片付けてしまえるものだろうか? しかしこれはやむを得ない妥協だろう。

もちろん限られた見聞の範囲ではあるが、私の周囲でもWindows 8.xのパソコンのタッチ機能は気に入ってもスタート画面をあまり好まないユーザーが多い。

Foleyは興味深い感想を述べている。

Microsoftは基本的にWindows 8.xを“捨てた”。機能や操作性がどうであれ、Win 8.xはMicrosoftにとって新たなVistaになってしまった。イメージダウンを避けたければ一刻も早く過去のものとする必要があるプロダクトだ。現在MicrosoftはThresholdの開発に全力を挙げており、そのリリースにあたってはWindows 8とは全く別物であることを印象付けようと懸命だ。

私もMicrosoftの戦略は賢明だと思う。Windows 8の良い点は残しながら、コンピュータではデスクトップ体験の重視に戻り、他のデバイスではそれぞれのフォームファクターに応じて適切なUIを採用するなら新OSは非常に強力で使いやすいものになるだろう。

もちろんこれを高いレベルで実現するのは容易なことではない。もしMicrosoftがWindows 8.0のような失敗を繰り返せば全パソコン市場に甚大な影響が出るだろう。年間3億台でいちおう安定したパソコン市場も再び混乱に陥るかもしれない。

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マイクロソフト法務責任者、NSAの「無拘束な一括データ収集」中止を議会に要求

今日(米国時間6/24)午前、Microsoft執行副社長兼法務顧門、Brad Smithが、政府の蔓延する監視行動に異議を唱え、この国の安全保障機構に改変が必要であることを訴えた。

今日の談話で同氏は、一般捜査令状の歴史的背景について長く所見を述べた。植民地における怒りの主たる原因であり、最終的に武力暴動や合衆国独立へとつながった問題だ。

Smithは、議会に対して「無控束な一括データ収集の扉を閉じる」ことを要求し、FISA裁判所の「役割と手続き方法」の改訂および米国が発行する捜査令状に地理的制限を加えることを主張した。

一括収集に関してSmithはNSA文書に言及し、Microsoftが、2002年にNSAからの大量「Eメールコンテンツ」要求に従うことを拒否した “Company F” として記載されていることを示唆した。

さらにSmithは、Micrsoftが、スノーデン暴露の余波を受け「政府が大量のデータにアクセスしたとする[多くの]公開資料を、比較的少ない数字に訂正するのに苦労した」ことを指摘した。同社およびおそらく他社が実際に提供した実体だ。

その答は、NSAが海外の米国拠点企業のデータケーブルを傍受していたことを明かした報告書にあると、Smithは話した。Microsoftは、もしYahooとGoogle ― 文書に挙げられていた2社 ― が標的にされているなら、おそらく自分たちもも標的であると仮定せざるを得なかった 

Smithは、議論の分かれる緩和されたNSA改革法案、USA FREEDOM Actを最近通過させた下院が、一括データ収集の中止を進めていることを指摘し、「上院が残りの道のりを進んでくれることをわれわれ全員が望むべきだ」と語った。

FISA裁判所に関して、Smithは透明性の拡大、およびより敵対的なプロセスを要求した。彼は、民衆の代表者の参加が提案されているが、未だに法制化されていないことも指摘した。

最後にSmithは、Microsoftによる、米国政府が国内で発行した令状を、海外に保存されているデータの要求に使用することを停止することを求める最近の取り組みを話題にした。例えば、外国人ユーザーおよびアイルランドに保存されているデータに関わる件で、Microsoftは政府の要求に抵抗した。Microsoftは一審で敗れ抗告中。

Smithの一連のコメントは注目に値する。なぜなら、プライバシーや政府の行動に関する現在の議論から、Microsoftを明確に切り離しているからだ。企業として見る限り、Microsoftは裕福で、政治的に活動的であり、政府の振舞い方に満足していない。あなたや私が政府に不満を持つとき、その不満は3440億ドルの時価総額に基づいてはいない。

スノーデン効果は続く。

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クラウドストレージは空気のように遍在して無料になる

今日(米国時間6/23)は、クラウドストレージの分野でおもしろいことが二つ起きた: MicrosoftはOneDriveを値下げし、無料の容量を増やした。そしてBoxはそのエディティングツールBox Notesをモバイル化した

どちらも、クラウドストレージの最近の市場動向にぴったりフィットしている: それらは、1ギガバイトあたりのストレージの消費者単価ないし顧客単価がゼロに接近していることと、ストレージ企業がストレージという商品基盤の上で生産性ソフト(OAソフト)を多様化しようとしていることだ。

このことに今注目しておく価値があると思うのは、それがストレージサービスがこれから向かっていく方向性を示していると思われるからだ。

クラウドストレージの限界消費者価格は急速に低下し、そのギガバイト単価はますます安くなっている。やがてクラウドストレージは、そこらじゅう至るところにあるもの(ユビキタス)になり、そして無料になる。プラットホーム企業の競合が激しくなるに伴い、無料で容量無制限のクラウドストレージは、オンラインサービスのデフォルトの基盤のようなものになる。

そして彼らはストレージに課金するのではなく、消費者がその上にあるデータで何をするか、に対して課金する。クラウドストレージがますます儲からない商材になっていくとき、では何をすべきか? 新たな付加価値商材の導入、これしかない。そこでBox Notesがモバイルになる。

今から2年後には、容量無制限で無料のクラウドストレージに選択肢がたくさんできる。つまり、数テラバイトの無料ストレージが複数のベンダから提供される。消費者向けの無料のストレージはせいぜい数ギガバイト、というこれまでの常識が、メールサービスの受信容量数メガバイトという過去の常識と同じく、愚かしいものになる。

2004年の、CNETの記事より:

Hotmailは現在、2MBの無料のメール用ストレージを提供している。Yahoo Mailは4MBだ。Gmailは1GBのストレージを提供して、彼らを一挙にみすぼらしくしてしまう。

…という次第だ。

画像: FLICKR/KLEARCHOS KAPOUTSIS; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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Microsoftは無料クラウドストレージの容量を倍増して15GBに、Officeユーザは1TB

無料で容量無制限のクラウドストレージがトレンドになりつつあるが、このバスに乗り遅れたくないMicrosoftは今朝(米国時間6/23)、OneDriveサービスの無料アカウントの容量を15ギガバイトにアップした。その前が7ギガバイトだから、倍以上だ。

併せて同社は、すべてのOffice 365ユーザのストレージの大きさを1テラバイトにした。OfficeでなくOneDriveで容量を増やしたい人は、100ギガバイトが月額1.99ドル、200ギガが3.99ドルだ(後者は、これまで月額11.49ドル)。

もっとわかりやすく言うと、Microsoftは無料で提供するストレージの容量を大幅に増加、そしてOfficeの会員ユーザは、これまでの契約容量とは無関係に全員、実質的にほぼ無制限のクラウドストレージを(それ自体は無料で)使えるのだ。

単独ユーザのためのOffice 365 Personalは月額料金が6.99ドルだが、ストレージは1テラバイト使える。複数ユーザで使える’Home’アカウントは月額9.99ドルだが、最大5人までのユーザが、一人につき1テラバイトを使える。というわけで有料アカウントのストレージ単価(GBあたり)は、ものすごく安くなった。

といっても、誰も驚かないだろうが、おもしろことはおもしろい。いわゆる今のプラットホーム戦争においては、ストレージは重要な戦略兵器だ。前にも書いたことがあるが、ファイルは自分が保存されている場所で編集されることを好む。だからクラウドファイルを制するものはエディティングツールも制する。Microsoftの唯一最大のエディティングツールがOfficeだから、そのためにもクラウドストレージが重要だ。

Dropbox、Box、iCloud Drive、Amazon Drive、Google Driveなどなども、今やMicrosoftの競合相手だ。彼らからユーザを奪うためには、無料アカウントと有料アカウントの両方で、思い切った大盤振る舞いが必要である。

しかし無料の15ギガバイトは十分ではない。Boxは今年の初めに50ギガを提供した。だからMicrosoftの容量拡大は、今後も断続的に続くのだろう。そして、大容量のストレージが無料ならユーザは相対的にOfficeの会費を安く感じる、15ギガバイトはそこへ導くための一時的なつなぎとめ策、という賭け方なのかもしれない。

でも、Google Trendのチャート(下図)によれば、消費者のマインドシェアにおいてMicrosoftは、ライバルたちの後塵を拝しているのだ。

だからこそなおさら、同社はアグレッシブにならざるをえない。マインド(心)のシェアだけでなく、クラウドストレージのシェアを伸ばすためにも。

しかし、今日の動きは同社にとってとりあえず有益だとは思うが、Microsoftほどのお金持ちなら、もっともっと破天荒な策がありうるのではないか。

画像: FLICKR/NICOLAS RAYMOND; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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Internet Explorerのデベロッパチャネルが開設; 事前フィードバックの獲得と対応を重視

Microsoftが今日(米国時間6/16)、 Internet Explorerのデベロッパチャネルを立ちあげたことを発表した

メジャーなブラウザの多くに複数のリリースチャネルがある中で、これまでIEは、新バージョンのリリースの数週間前にプレビューバージョンをリリースするだけだった。今度からそれが変わる。これからは、デベロッパやアーリーアドプターたちはIEのデベロッパバージョンをインストールして、Windows 7 SP1やWindows 8.1の上にすでにあるIE11と併用することができる。

Microsoftによると、デベロッパチャネルを開設したのはチームが現在取り組んでいる新しい機能をデベロッパたちによりよく理解してもらうためだ。数週間前に同社は、現在開発中のIEのバージョンに予定ないし検討している機能のリストを公開して、ブラウザ開発にまつわる同社のこれまでの秘密性を、すこし破ってみせた。そして今回は、言葉だけでなく、実際にバイナリも提供するというのだ。

Microsoftによると、デベロッパチャネルは、デベロッパにテストしてもらいたい“重要な変更”があるときにアップデートされる。Windows 7や8.1の上のIE11の既存のインストールと分離するために、MicrosoftのApplication Virtualization技術を利用してインストールを仮想化する。ただし仮想環境を使うぶん、パフォーマンスはやや落ちるので、このバージョンでパフォーマンスの評価はしないように、とMicrosoftはお願いしている。また、エンタプライズ(==企業IT)の環境でインストールしてはいけない

今回の最初のリリースでMicrosoftは、二つのツールをデベロッパに提供する。デバッグツールと、メモリやユーザインタフェイスの応答分析ツールだ。今のIEはWeb上のゲームで遊ぶためにXboxのコントローラにも対応しており、そこでIEの開発チームはWebGLのパフォーマンスを改良し、16ビットテクスチャやトライアングルファンなどWebGLのさまざまな機能のサポートを加えた。

明らかにMicrosoftは、開発過程をもっとオープンにしないとIEは忘れられた存在になる、と理解したのだ。今回の措置によって、新バージョンのリリース前にデベロッパからのフィードバックをより多く受け取ることができる(とくにセキュリティ方面が重要だろう)。まだよくわからないのは、このチャネルを使ってUI〜UXのテストもするのか(==フィードバックがデベロッパだけからではなくなる)、という点だ。

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Internet Explorerのデベロッパチャネルが開設; 事前フィードバックの獲得と対応を重視

Microsoftが今日(米国時間6/16)、 Internet Explorerのデベロッパチャネルを立ちあげたことを発表した

メジャーなブラウザの多くに複数のリリースチャネルがある中で、これまでIEは、新バージョンのリリースの数週間前にプレビューバージョンをリリースするだけだった。今度からそれが変わる。これからは、デベロッパやアーリーアドプターたちはIEのデベロッパバージョンをインストールして、Windows 7 SP1やWindows 8.1の上にすでにあるIE11と併用することができる。

Microsoftによると、デベロッパチャネルを開設したのはチームが現在取り組んでいる新しい機能をデベロッパたちによりよく理解してもらうためだ。数週間前に同社は、現在開発中のIEのバージョンに予定ないし検討している機能のリストを公開して、ブラウザ開発にまつわる同社のこれまでの秘密性を、すこし破ってみせた。そして今回は、言葉だけでなく、実際にバイナリも提供するというのだ。

Microsoftによると、デベロッパチャネルは、デベロッパにテストしてもらいたい“重要な変更”があるときにアップデートされる。Windows 7や8.1の上のIE11の既存のインストールと分離するために、MicrosoftのApplication Virtualization技術を利用してインストールを仮想化する。ただし仮想環境を使うぶん、パフォーマンスはやや落ちるので、このバージョンでパフォーマンスの評価はしないように、とMicrosoftはお願いしている。また、エンタプライズ(==企業IT)の環境でインストールしてはいけない

今回の最初のリリースでMicrosoftは、二つのツールをデベロッパに提供する。デバッグツールと、メモリやユーザインタフェイスの応答分析ツールだ。今のIEはWeb上のゲームで遊ぶためにXboxのコントローラにも対応しており、そこでIEの開発チームはWebGLのパフォーマンスを改良し、16ビットテクスチャやトライアングルファンなどWebGLのさまざまな機能のサポートを加えた。

明らかにMicrosoftは、開発過程をもっとオープンにしないとIEは忘れられた存在になる、と理解したのだ。今回の措置によって、新バージョンのリリース前にデベロッパからのフィードバックをより多く受け取ることができる(とくにセキュリティ方面が重要だろう)。まだよくわからないのは、このチャネルを使ってUI〜UXのテストもするのか(==フィードバックがデベロッパだけからではなくなる)、という点だ。

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Microsoft、Azure MLを発表―クラウドベースの機械学習プラットフォームは未来を予測する

最近急速にクラウド化しているMicrosoftが、今日(米国時間6/16)、クラウドベースの機械学習プラットフォームを発表した。このAzure MLはクラウド上でビッグデータを利用することにより、単に過去を分析するのではなく、将来の事象を予測するアプリやAPIを作ることができる。

Azure MLはXboxやBingですでに使われている機械学習機能を利用している。またデベロッパーが未来予測アプリを開発するために使うテンプレートとワークフローも用意される。これによって機械学習アプリを開発するスピードは大幅に加速されるという。サービスのプロバイダはAzure MLプラットフォーム上で各種のウェブサービスを開発できるだけでなく、APIを公開することも可能になる。

Microsoftのコーポレート・バイスプレジデントでAzure MLの責任者、Joseph Sirosh(Microsoftに移る前は長年Amazonに在職)は、「このプラットフォームを利用すればユーザー、パートナーは未来を予測するビッグデータ・アプリケーションを開発することが可能になる」と述べた。

Siroshは「過去の分析ではなく未来を予測し、それを変えることができるのがAzure MLの傑出した特長だ」という。

「既存のデータ分析システムも未来の予測ができる。しかし機械学習は未来を書き換えることができる」とSiroshは説明する。 つまりビッグデータを分析してパターンを発見し、製品の需要や病気の流行を予測したり、エレベーターが故障する前にメンテナンスが必要だと教えたりする。さらには犯罪の発生を予測して防犯に役立てることもできるという。

Siroshによれば、こうしたことを可能にしてゲームのルールを変えたのはクラウド化だという。もしユーザー企業が独力で実行しようとすれば何週間も、それどころか何ヶ月もかかるような膨大な処理がクラウド上ではごく短時間で実行できる。

またSiroshは「クラウドは最後の1マイル問題も解決した」という。以前このようなサービスではまずデータ・サイエンティストがビッグデータを分析してパターンを見出し、IT部門がそれに応じてアプリケーションを開発するという手順を踏む必要があった。このプログラムのコーディングがきわめて手間のかかる作業であり、何週間、何ヶ月もかかっていた。しかしAzure MLならアプリケーション開発は数時間ですんでしまうという。

また多くのデータ・サイエンティストが利用している統計処理言語Rのオープンソース・プロジェクトから300以上のパッケージが利用できる。

またSiroshは多くのユーザーがAzure MLプラットフォーム上でアプリやAPIを公開することによって好循環が始まることを期待している。「ユーザーがデータをAzure MLに持ってきてアプリやAPIを公開する。するとさらに多くのユーザーそのアプリをAPIを利用してさら多くのデータをAzure MLに持ち込むようになる」とSiroshは説明する。

Azure MLは現在、秘密にプレビューされている。しかしMicrosoftはいくつかの実例を明かした。その一つはMirosoftのパートナー、Max451が開発しているシステムで、これは小売業者が消費者の好みを分析することによって商品の売れ行きを予測するサービスだ。小売業者はもっとも売れそうな商品の在庫を増やすなどして利益を増大できる。

またカーネギーメロン大学はキャンパスの建物でのエネルギー消費を抑えるためにAzure MLを使って学内の活動パターンの予測手法を開発中だ。

しかしこの分野を手がけているのはMicrosoftばかりではない。IBMは昨年冬、Watson人工知能をクラウド・サービス化した。また先週はErsatz Labsというスタートアップがディープラーニング人工知能のクラウドプラットフォームをローンチしている。

Azure MLは来月に公開プレビュー段階に入るという。正式リリースの日程は明らかにされていない。

写真: (c) Can Stock Photo

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時代はWindows 8.xのはずなのにWin 7マシンが絶好調、Intelは売上予測を大きく上方修正

今日(米国時間6/12)の平常取引はほとんどフラットなまま終わってしまったが、時間外ではIntelが5.47%上げた。それは本年Q2と全年の売上に関する強気のガイダンスと、粗利益のわずかな変化のためだ。

Q2に関してIntelが予想している売上は137±3億ドルだ。この前の、130±5億ドルという予想よりも大きい。ここで新たに見えてきた140億という線は、これまでの最低のガイダンスにおける125億ドルを大きく上回る。

Yahoo Financeによると、この四半期のコンセンサス予報は130.2億ドルだったから、Intelはこれも楽々超えてしまう。

全年の売上は、横ばいという予想から増加に転じた。粗利率の予想も1%アップして64%前後、となった。

Intelの予想が強気に転じた理由は、同社の発表によると、“企業のPCの需要が予想を上回ったため”、である。

企業向けPCの市場について、MicrosoftのCFO Amy Hoodはこう言っている

“企業は明らかに、Windowsに対する圧倒的な選好を表明している。Windows Proの売上は、企業向けPCの需要増により前四半期では19%増加した。とくに先進国市場に需要がシフトし、大企業が依然強いだけでなく中小企業におけるProの需要も増加した。Windows Volume Licensingの売上も堅調で、11%の増加を見た”。

別の言い方をすると、Windows XPの死の行進が今も続いているのだ。

The Next WebのEmil Protalinskiが言うには、Windows 7のシェアがまた急増しており、50%のラインを超えた。Windows 8.xの世の中になってからかなり日にちが経つのに、今どきWindows 7がシェアを伸ばすとは、どういうこと? Windows XPマシンを山のように持っている企業は、8.xよりもWindows 7を選んでいるのだ。

しかもMicrosoftは、Windows 7に流れていく企業に対して、その動きを奨励するお言葉を下されている。XPからの迅速な移行の方が、8.xの採用よりも優先するのだ、Microsoftにとっても。大企業におけるXPのマーケットシェアは10%未満まで下がった、とQualysが報じているから、この突然のWin 7人気もそろそろ下火になるのだろうが。

XPの死の行進には、多くの企業がWindows 7マシンを買っていることが含まれる。Intelのチップがこれらのマシンの多くで使われているから、Intelの売上にも貢献する。WinTel時代は終わったとは言っても、まだまだ、PC市場の好調はMicrosoftとIntelの両方にとって恩恵だ。PCの死という説には、かなりの誇張が含まれていたのだろう。

画像: FLICKR/TOLBXELA; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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Microsoft、E3カンファレンスでXbox Oneに大量の新ゲームを投入

先ほど、Microsoftはロサンゼルスで開幕したE3(Electronic Entertainment Expo)のキーノートで1時間半にわたるプレゼンを行い、「ゲームタイトルが少ない」というXBox Oneのユーザーの最大の不満に答えた。今回のプレゼンでは新ゲームのデモが次から次へと続いた。その分、ハードウェアについての言及は少なく、Xbox OneからアンバンドリングされたKinectについては全く触れられなかった。

今回のキーノートはゲーム業界の人間以外にはいまいち退屈だったかもしれない。しかしXbox Oneのユーザーにとっては大いに刺激的だったはずだ。

「XBoxはメディア・センターとしての役割を重視するあまりゲームへの対応が不十分だ」という批判に対して真っ向から反論する意図が冒頭から明らかだった。まずCall of Dutyの次世代版(Advanced Warfareと名付けられている)の銃弾がうなり爆発で手足が飛び散る派手なシーンが実機でプレイされた。引き続いてForza Horizon 2などのカーレースやHalo 2のマルチプレイヤー版のデモなどがめまぐるしく続いた。

またMicrosoftはインディー・デベロッパーの興味深いゲームを大量に紹介した。これはインディー向けのセルフサービスでゲームを公開するID@Xboxという新しいプログラムの成果だ。Limboのデベロッパーによる横スクロールのパズル、Insideや昔のアニメをフィルム版の質感もそのままに再現したCupheadなどの興味深い作品があった。

Project Sparkはどうやらベータ版を脱したらしい。Xbox 360ゲームの中で私が一番気に入っているCrackdownもオリジナルと同じ監督で再登場。ファンサービスのクラシック・ゲームの再パッケージとしてはHalo Master Chief コレクションが発表された(新作も年末に発表される)。Tomb Raiderの続編もなかなかよさそうだった。

Microsoftは今年のE3でXbox Oneに大量のゲーム・タイトルを投入する必要に迫られていたが、どうやらそれに成功したようだ。 実際にゲームを売るという仕事が残っているが、有力タイトルが今年のクリスマス商戦に間に合うならその点でも大いに期待できるだろう。

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Microsoft Xbox OneのコントローラーがWindowsで使えるようになった

私は最近よくパソコンでゲームをする。最初は慣れない部分があったが、全体としてとても楽しい。今日(米国時間6/5)、Microsoftの Xbox Oneのコントローラーのパソコン用ドライバが入手可能になった。他のハードウェア、ソフトウェアなしでOneのスマートなコントローラーが使える。ただし接続はマイクロUSBによる有線接続のみだ。

リンク先でドライバを公開しているのはMajor Nelsonというゲームのニュースブログで、デベロッパー用の初期バージョンだ。Microsoftから一般向けに公開されるのも近いという。32ビット版と64ビット版が用意されている。

使ったことがない読者のために説明しておくと、Xbox OneのコントローラーにはXbox 360のコントローラーのかさばるバッテリーパックがない。またボタンの感触も改善されている。アナログ・スティックの反応もよくなっていると思う。そのため長時間快適にゲームすることができる。

このドライバをインストールしようとするとWindows SmartScreenは「発行元が不明」という警告を出すのが皮肉だ。

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テルアビブやロンドンに続いて東京で拠点設置の可能性は? Microsoft Venturesに聞いた

Microsoft Venturesは現在、世界6拠点でアクセラレータープログラムを走らせている。ロンドン、パリ、北京、バンガロール、テルアビブ、ベルリンの各都市だ。元々「BizSpark」という名称でスタートアップ向け支援をしてきたし、2年前からはテルアビブにはMicrosoft Acceleratorを開始していたMicrosoftが、技術やビジネス面でスタートアップ向けの支援をするために2013年に新たなブランディングで開始したのがMicrosoft Venturesだ。

アクセラレータープログラムは3カ月から4カ月、3人のMicrosoftの社員を入れて運営する。1度に10社から20社を一気に顧客開発やマーケ面で支援する。Microsoft Ventures自体は、対象とするスタートアップの幅は広くて、シード期から始まってシリーズA、Bと成長するスタートアップのライフサイクル全体を支援する。その範囲は技術支援のほか、資金提供やユーザー獲得、大企業とのパイプ作りまで幅広い。申請するには、最低限チームに技術者と戦略面の人がいること、しっかりしたビジョンがあること。Microsoftの技術を使っている必要はないそうだ。

このプログラムの発表時には上に上げた6拠点のうち、5拠点の名前があり、そのほかに拡大予定の都市として、ベルリン、モスクワ、リオデジャネイロの名前があがっていた。

では、東京でアクセラレータープログラムを開始する可能性はないのだろうか?

自社イベントのために来日中だったMicrosoft Venturesプリンシパルのアヤ・ズーク氏(Aya Zook)に聞いたのだが、「その地域のスタートアップがどういう状況かを見極めて決める」ということだ。実はズーク氏は、直前に札幌で行われていたInfinity Ventures Summit 2014 Spring(IVS)にも参加しており、日本のスタートアップシーンの成熟度を視察に来たという。「国境なきイノベーションと呼んでいるんですが、シリコンバレーに来ないと成功できないよという時代じゃないですよね」。

「その地域のスタートアップシーンが、ライフサイクルの辺りなのかというのを見ています。これから伸びるのではないかというところに入るのが、いちばんわれわれのバリューを出せる。たとえばインドなんかだと、2年前に始めた頃は、今のように、まだ外部から人が入っていませんでした」

「日本にはエンジニアのタレントが豊富。人材も資金も技術もあって、非常に成熟しています。札幌のイベントに行ってビックリしました。メンターもいる、VCもいる、後進を育てる姿勢の経営者もいる。じゃあ何が足りないのか? ポテンシャルが高すぎて、よく分かりません。ほかの都市と、あまりにも違うのですね。たとえばバンガロールだと、2年でこのぐらい行けるというのが分かりましたが、東京が今どういう段階にあって、何年でどうなるというのは分からない。アメリカだとシアトルがそうですが、リソースが豊富だと起業したりしないのかもしれませんね。そうやって成熟している一方、カルチャー面が追いついてないように思います。スタートアップ企業というのはコケてもいいんだ、というカルチャーが浸透していません」

シアトルはMicrosoftのお膝元。アマゾン本社や、大きなグーグルの拠点もあり、IT企業に勤める人の数は多いが、シリコンバレーのように起業家密度が高くない。

Microsoft Venturesでは、各都市で支援するにあたって地域のカラーを引き出すということを意識しているそうだ。「たとえばベルリンだと、金融やファッション、デザインが強い。そういう会社が集まってくる」

では、東京は?

「ロボティクスとAIが進んでいるような印象を受けている。人間が、この先コンピューターとどうかかわっていくのか、ということを日本人はすごく良く考えていると思う」

アヤ・ズーク氏は、実は父親がアメリカ人、母親が日本人で、日本語はほぼネイティブ。日本とアメリカの両方を見ているズーク氏にとって、日本はどう見えているのだろうか?

「日本はグローバルに何かを発信する実績がありますよね。技術面でも文化面でも、この規模の民族が与えた影響って、ほかにいないのでは。スタートアップという手段を使って、また世界をあっと言わせるようなものが出てくると信じています。リスクを恐れず頑張ってほしいと思います」


MicrosoftとSalesforceが提携、広範囲な製品統合

今日(米国時間5/29)午後、MicrosoftとSalesforceは、両社のソフトウェアとサービスをより密接にする包活的提携を結んだことを発表した

Salesforceは、Windows、Windows Phone 8.1をサポートし、「SalesforceとOffice 365の相互運用」を可能にすると共に、OneDrive for Business、SharePoint Online、およびOutlookを様々な場面で統合する。

これはMicrosoftにとって、Salesforceの急増する顧客ベースを考えると実に大きい。Salesforceは、Microsoftも強く推進しているSaaSモデルのパイオニアであり、Microsoftが接触したい顧客を数多く抱えているに違いない。Salesforceは、既によく知っている製品群とのより強固な統合を提供することによって、Microsoftの伝統的顧客基盤を引きつけたいだろう。

契約条件は明らかにされていないが、私の読みは、MicrosoftがSalesforceに支払う。

Microsoftは、Google、Appleらとのプラットフォーム複数正面戦争の最中であり、OneDrive for Businessを始めとする新たなビジネス向けサービスの追い風になるものなら、何でも欲しい。

契約は短期ではない。Microsoftの発表によると、Windowsサポートに関して「プレビュー版は2014年秋、一般には2015年公開の予定」。

Salesforceは時間外取引で3%高値をつけ、Microsoftは横ばいだ。

アップデート:会見の席上、MicrosoftとSalesforceが提携の詳細を語った。SalesforceはMicrosoftのAzureを広範囲に利用する。またこの契約が短期的事象でないことを両社が認めた。

トップ画像提供:Marc Benioff

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


IEの次期バージョンではHTTP/2、Web Audio、JavaScript Promisesを実装、WebRTCは予定なし

今年初めのデベロッパカンファレンスBuildでMicrosoftは、Internet Explorerの今後のバージョンに関しては、導入を検討している新しい機能ついて積極的に情報開示をする、と約束した。そのとき同社は、そのためにstatus.modern.ie(GoogleのChromium Dashboardのようなもの)の初期的バージョンをローンチし、そして今日(米国時間5/28)は、このサイトのベータ期間の終了を告げた。サイトの一般公開は大事件ではないが、それと同時にMicrosoftは、IEの次のバージョンに導入される機能のリストをアップデートした。

今開発が進行中のものの中には、World Wide Webの基盤となっているプロトコルHTTPの次期バージョンHTTP/2のサポートがある。IE11はすでにGoogleのSPDYプロトコルをサポートしているが、それはHTTP/2のベースでもある。MicrosoftはIEにHTTP Strict Transport Securityを加える作業も進めている。これはセキュアな接続における中間者攻撃を防ぐためのセキュリティ機能で、ChromeやFirefoxは前からサポートしている。

このほか、Web AudioMedia CaptureのAPIが新たにサポートされる。これらはローカルデバイス上のWebカメラやマイクロフォンからのビデオ/オーディオストリームにアクセスする機能だ。

しかしデベロッパにとってさらに関心が向くのは、JavaScript Promisesのサポートだろう。これは、これまで一貫してシングルスレッドだったJavaScriptに、待望の並列処理/非同期処理をさせるための標準ライブラリで、今後はJavaScript本体の標準機能になると言われている。ここに詳しいチュートリアルがある(日本語文献)。

以上は、予定リストにあるものの一部だが、併せて“現在予定なし”のリストもある。Skypeなど独自技術に固執するMicrosoftがWebRTC v1.0を近々に実装しないのは意外でもないが、Googleの画像フォーマットWebPや、MathML、Web SQLなども“予定外”となっている。

でも、MicrosoftがWebのスタンダードをめぐって見せるこのような透明性は、新鮮な印象を与える。もちろんもっと良いのは、こんなことを一々気にする必要がないくらい、すべてのブラウザの機能が同一であることだが、とくにChromeとFirefoxとInternet Explorerの三者は、機能やその実装時期に、いつも微妙な、ときには大きな、違いがある。

 

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Microsoft、Skypeのリアルタイム通訳機能をデモ

MicrosoftのSkypeは、世界中の様々な場所の人々に、ビデオ、音声、あるいは文字チャットを通じた会話サービスを長年提供してきた。このだび、同じ言語を話さない人同志が会話できる機能を追加すべく、テストを開始する。

今日(米国時間5/27)の第1回CODEカンファレンスで、MicrosoftのSkypeおよびLyncの責任者、Gurdeep Singh Pallが、新たな〈音声-音声〉翻訳技術を披露し、将来のSkype製品に導入していく計画を発表した。新機能はSkypeで今年中にベータ版を公開する予定で、音声をある言語から別の言語に、ほぼリアルタイムで翻訳する。

デモンストレーションでは、Pallの話す英語をドイツ語のテキストにして同僚の画面に表示、さらにドイツ語の音声へと変換して、その逆も行った

デモに先立ちPallは、「Skypeの使命は人々の距離を縮め、障壁をなくすこと」だと語った。それは低価格な国際電話に始まり、ビデオを通じた顔を見ながらの会話へと拡張された。今度は、言語の障壁も壊そうとしている。

新機能は、Skype、Bing、Microsoft Research Labの共同開発によるもので、長年にわたり自然言語処理と機械学習に取り組んできた。言語認識には、Windows Phone 8.1に塔載されたMicrosoftのパーソナルアシスタントCortana[コルタナ]と同じ技術が使用されている。

同カンファレンスでMicrosoftのCEO Satya Nadellaは、この機能を今年中に公開し、できるだけ多くのデバイスやアプリでサポートする予定だと語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook