米移民局や検察局などが採用中の顔認識技術が一般企業にも売られていた

激しい論争のさなかにある顔認識技術を、法執行機関にしか売らないと宣言した米国ニューヨークのClearview AIは、最近の報道によると顧客ベースにはっきりしない点がある。すなわちBuzzFeed Newsによると、この小さな謎の企業は、その技術を相当広範囲に買われているらしい。Clearviewが挙げる有料顧客は移民関税執行局(移民局)やニューヨーク南部地区検察局、リテール大手のMacy’s(メーシーズ)などだが、30日間の無料試用期間を利用してその技術をテストしている企業はもっと多い。Clearviewの顧客リストに載っている法執行機関でない企業や団体は、Walmart(ウォルマート)、オンラインチケットサービスのEventbrite(イベントブライト)、NBA(全米バスケットボール協会)、Coinbase、Equinoxなどとても多い。

その記事によると、Clearviewにユーザーとして登録していない企業や団体でも、社員や職員が個人的にテストしていることはありえる。BuzzFeed Newsの記事から引用すると「そういう企業や団体が、社員や職員の個人的利用を知らなかったり、あるいは顔認識技術を試していることを否定する場合もある」そうだ。

一例として、ニューヨーク市警察はClearviewとの関係を否定しているが、しかし署のログによると、実際には30人もの警察官が、そのソフトウェアで1万1000回も検索している。

1週間前にClearviewのCEOであるHoan Ton(ホアン・トン)氏は、Fox Business誌上の引用の中で、同社の技術は「法執行機関にしか提供していない」とコメントしている。でも同社の最近の顧客リストと彼のその言葉は矛盾しているようだ。

米国自由人権協会(ACLU)のスタッフで弁護士のNathan Freed Wessler(ネイサン・フリード・ウェスラー)氏によると、「そのリストが正確なものであるならば、それはプライバシーとセキュリティと市民的自由にとっての悪夢だ。政府機関が国民の顔を、いかがわしいデータベースで検索すべきではない。その何十億という写真は本人に無断で使われており乱用を防ぐ手段もない」という。

顔認識技術は、侵襲的なテクノロジーであるという評判以上に論者たちの主張では、重大な結果をもたらすような状況で使ってよいほど十分に正確ではない。特に顔認識技術は、非白人で非男性の顔を正確に同定できないとして悪名を買っている。それは、現実世界では甚大な被害をもたらすという顔認識技術に対する批判を裏打ちするような結果だ。

Clearviewのソフトウェアが使っているアルゴリズムについては、ほとんど何も知られていない。そしてその精度を知る手がかりは、インターネット上に公開されている大量の画像を使ったマッチングのデモのみだ。Clearviewがソーシャルネットワーク上の画像をそのために使っていることに対し、FacebookとYouTubeとTwitterは、利用規約に違反しているとしてそれぞれ停止命令書簡を送っている。

Clearviewの初期の投資家の小さなプールの中には、プライベート・エクイティ企業のKirenaga Partnersと、高名な投資家で、強い影響力のある保守派のPeter Thiel氏がいる。同氏はFacebookの取締役でPalantirの共同創業者だが、後者は法執行機関お気に入りのデータ分析企業だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ピーター・ティール氏のFounders Fundが新ファンドで3000億円超を集める

ベストセラーとなった「ゼロ・トゥ・ワン」の著者としても知られるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が率いるベンチャーキャピタルのFounders Fundが2件、30億ドル(約3300億円)の出資を確保したことをTechCrunchは確認した。同ファンドのジェネラル・パートナーはティール氏に加えて、Keith Rabois(キース・ラボワ)氏、 Brian Singerman(ブライアン・シンガーマン)氏の3名だという。

今回のFounders Fundの資金調達についてx最初に報じたのはAxiosだった。Founders Fundでは2016年にFounders Fund VIで13億ドル(約1440億円)を確保した後、昨年12月に12億ドル(1330億円)のFounders Fund VIIをクローズさせた。 今週月曜に同社の最初のグロースファンド15億ドル(約1670億円)がクローズされたことを広報担当者が確認した。 同時に同社のパートナー陣からも3億ドルの出資確約があったので、今回の資金調達の合計は30億ドルとなった。

ラボア氏とティール氏という辣腕のPayPalマフィア(PayPalの元従業員と創業者のグループ)が再度協力することになってから新たなファンドが準備されていることは、昨年10月にWall Street Journalが報じていた

このファンドが次々に資金調達に成功しているのは、得た資金を素早く投資するする能力を証拠立てるものだと関係者は見ている。特に2019年にラボワ氏が参加してからFounders Fundの調達額は一挙に増えたという。

しかし資金調達の決め手は高い利益率だろう。2011年以来、Founders Fundは1ドルの投資を4.60ドルに増やしてきたとWall Street Journalは報じている(AirbnbとStripe Inc.への投資成功が大きく寄与している)。この運用成績はベンチャーキャピタル業界平均の2.11倍を大きく上回るのだ。一方、3回目のファンドの運用成績も3.80ドルとなり、平均を0.75ドル上回っている。

Founders Fundの投資決定プロセスは他のベンチャーキャピタルとはかなり異なっており、ケースバイケースで機動性が高い。昨年、TechchCrunchが行ったイベントでFoundes FundのパートナーであるCyan Banister(サイアン・バニスター)氏は以下のように説明している。

投資の意思決定の方法は投資額によって異なる。バニスター氏によれば「(スタートアップへの投資)ステージに応じて話し合う必要があるパートナーの人数は変わってくる。1人でいいこともあるし3、4人のこともある。ごく初期のステージで、投資額も小さければ大勢のパートナーに会う必要はない。投資額が大きくなればジェネラル・パートナー全員の審査が必要だ。Brian Singerman(ブライアン・シンガーマン)氏やKeith Rabois(キース・ラボア)氏のような投資業務のトップに会わねばならず、エンジェル投資の場合よりは手間がかかる」という。ピーター・ティール氏自身が投資の意思決定にどの程度関与しているかを尋ねると、バニスター氏は「ある額以上になると常に関与する」と述べた。正確な額については「多額といっておきましょう」と笑った。

AxiosのDan Primack(ダン・プリマック)氏の記事によれば、今回のグロースファンドの投資額は1件1億ドル以上だろうという。150万ドル以下の投資案件については2人のパートナーが合意すればすぐに可能、150万ドルを超える場合は最低一人のパートナーとジェネラル・パートナー、500万ドルを超える投資についてはパートナー1名、ジェネラル・パートナー2名の同意が必要だ。1000万ドルを超える投資では2人のパートナーとティール氏、シンガーマン氏、ラボワ氏すべての同意が必要だという。

ジェネラル・パートナーの同意が必要な投資案件ではスタートアップの創業者は1人以上のジェネラル・パートナーに直接あるいはリモートで投資すべき理由をプレゼンしなければならない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Founders Fundのサイアン・バニスター氏、ベンチャー投資、サンフランシスコ問題について語る

Cyan Banister(サイアン・バニスター)氏はアメリカンサクセスストーリーそのものだ。TechchCrunch Disruptでもたびたび語っているとおり、家出して路上で手編みのネックレスを売っていたホームレスの少女が独学でプログラミングを学び、 SNSのパイオニアのひとつZivityを創業、セキュリティー企業であるIronPortの経営に加わるまでになった。

2007年にIronPortが8億3000万ドル(約900億円)でCiscoに売却され、最初の資産を築きくと同時に同社の共同創業者であるスコット・バニスター氏と結婚した。2人は共同、ないし独立にスタートアップへのシード投資を始めた。これにはUber、SpaceXを始めとして今や世界的に知られるようになった企業が多数含まれている。

シート段階のスタートアップの会社評価額が急上昇するにつれて2人はシード投資から距離を置くことにした。自他ともに認める仕事中毒のバニスター氏はシード以前の最初期のスタートアップを支援する投資ネットワークのAngelListにエバンジェリストとして参加し多くの投資家をこのプラットフォームに加わるよう説得した。その後バニスター氏はPayPalマフィア(PayPal出身の起業家グループ)のドンであるピーター・ティール氏のFounders Fund に招かれ、やがてパートナーの地位を提供された。

11月13日にサンフランシスコで開催したStrictlyVC イベントにバニスター氏を招き、ベンチャーキャピタリストになるまでの道筋、投資のスタイル、ビジョンなどについて幅広く話を聞くことができた。バニスター氏はFounders Fundのパートナーとなった後もさまざまなスタートアップに150万ドル(約1.6億円)以下の少額投資、いわゆるエンジェル投資を続けていること、またそれはスタートアップ・エコシステムのために必要であると語った。投資先の目標は極めて未来的で野心的なこともあれば、退屈なくらい現実的であることもあるという。バニスター氏は(これらの投資先は)、「平均するとバランスが取れているのです」とジョークを言った。

我々はまたounders Fundについても話し合った。2005年の創立以來、大きく変化しているが、依然としてトップクラスのファンドとして名声を維持している。バニスター氏は創立時のメンバーの多くがサンフランシスコを離れた理由についても語った。

ベンチャーキャピタルでは月曜日の朝にパートナー会議が開かれるのが普通だ。ところがFounders Fundにはこれがないという。それどころか毎週の定例会議さえない。その代わりに運営は高度の自立的、分散的だ。バニスター氏によれば「Founders Fundにはそもそも会議がごく少ない。2、3週間に一度1時間から1時間半くらいのブランチがある。我々150万ドルは議題をSlackで交換する。ときには議題がぜんぜんないこともある。そういう場合にはブランチはすぐに終わる。皿に料理を取り、ひとつか2つの問題について議論すればそれでおしまいだ」と述べた。

「Founders Fundは四半期ごとに場所を社外に移してミーティングを行う。たいてはパートナーの家に集まる。これは1日がかりのイベントだ。メンバーは特定の投資案件について話すわけではない。このときの話題は未来だ。つまりエキサイティングになりつつある分野は何か、それに対して我々が取るべき戦略はどうあるべきか、などを話し合う」と述べた。

投資のの意思決定の方法は投資額によって異なる。バニスター氏によれば「[スタートアップへの投資]ステージに応じて話し合う必要があるパートナーの人数は変わってくる。1人でいいこともあるし3、4人のこともある。ごく初期のステージで、投資額も小さければ大勢のパートナーに会う必要はない。投資額が大きくなればジェネラル・パートナー全員の審査が必要だ。Brian Singerman(ブライアン・シンガーマン)氏やKeith Rabois(キース・ラボア)氏のような投資業務のトップに会わねばならず、エンジェル投資の場合よりは手間がかかる」という。

ピーター・ティール氏自身が投資の意思決定にどの程度関与しているかを尋ねると、バニスター氏は「ある額以上になると常に関与する」と述べた。正確な額については「多額といっておきましょう」と笑った。

ファンドの上級メンバーは多くの場合ティール氏のアドバイスなしで意思決定できるが、ある特定の問題に関してはティール氏は投資先スタートアップの創立メンバーと会うことになる。投資先は最初期のステージで我々が発見し、共に成長し、すでにティール氏と共同創業者たちとの関係も築かれているのが理想的だ。また、年に一度オフサイト・ミーティングを開く。これはピーター・ティール氏)がファンドのポートフォリオに関係する全員と会ういい機会になっている。

ともあれ彼は非常に積極的に関与している。四半期ミーティングにもブランチにも必ず出席する。実のところ「サンフランシスコを出て行く」と宣言してロサンゼルスに移ってからは、サンフランシスコにいた頃よりもティール氏と会う機会が増えた」という。バニスター氏は「だってロスに住んでいたんではサンフランシスコに来ても行くとこはオフィスしかない」と冗談を言った。

バニスター氏は「Founders Fundは総額30億ドルのコミットメントとなる2つのファンドを組成中だ」とする最近のウォール・ストリート・ジャーナルの報道について確認を避けた。ひとつはFoundes Fundのフラグシップとなるファンドで、他はポートフォリオ企業が上場を望まない場合、非公開の期間を延長するため、臨機に投資を行うファンだだという。

私は最後にバニスター氏にFounders Fundの創立メンバーの多くが別の道に進んだことについて尋ねた。Founders Fundはティール氏に加えてKen Howery(ケン・ハワリー)氏、Luke Nosek(ルーク・ノセク)氏、Sean Parker(ショーン・パーカー)氏によって創立された。しかしHowery氏は現在米国のスウェーデン駐在大使だし、ノセク氏はテキサス州オースティンでGigafundという別のファンドを運営している。パーカー氏も多彩な活動をしているが、ロサンゼルスに住んでいる

バニスター氏は「誰もがしたいことををする」のがFounders Fundの気風だと説明した。 例えば、「ケンは以前から政治に関心があった。そこで(その一環としてスウェーデン大使という)新しい職に就いた」と述べた。

その一方で、こうした転職には「サンフランシスコという問題が共通しているかもしれない」と認めた。「生活費が高騰しすぎている。これは大きな問題だ。住める場所がもっと必要だ。都市に欠かせない各種のサービスを提供してくれる人々ですらサンフランシスコでは生活できず、近郊から通勤してくる。普通の人がここに住むのは不可能なのだ。これは投資家にとって重大問題だ。特にシリコンバレーとその周辺がスタートアップの中心であり、投資もこの地区に集中させたいと考えているならなおさらだ。実際Founders Fundでは すでに(投資先として) 中西部など他の地域の可能性を探り始めている」とバニスター氏は述べた。

サンフランシスコの創業者に対する援助、逆に創業者のサンフランシスコに対する貢献について、バニスター氏は「どちらもまったく不十分だ」と述べた。サンフランシスコ市は「AirbnbとUberを生んだ町だ。世界で最も先進的なテクノロジーを活用する都市になれる。東京のように(安全、清潔に)運営できない理由はないはずだ。ところが私たちの町はごらんのように運営されており、その結果もご覧のとおりだ。つまりめちゃくちゃだ」と批判した。

テクノロジー・スタートアップの創業者や社員は大変奇妙な状況に置かれている。「サンフランシスコの住民の多くがテクノロジー・スタートアップを嫌い、我々を嫌っている。Salesforceのファウンダーであるマーク・ベニオフ氏などはサンフランシスコ市に多額の資金援助をしているが、私には効果が少しも見えない」という。バニスター氏は「例えばホームレスの状態が改善された証拠をまだまったく見つけられない」と述べた。逆に「犯罪は増加している。地方検事は犯罪者を訴追するのが仕事のはずだが、なすべきことをやっていない。サンフランシスコ市が実際にやっているのは生活環境の改善の努力ではなく、(車上荒らしに)車の窓を割られたらUberの割引券をくれるといったことばかりだ」と述べた。

聴衆は「窓ガラス」の部分をジョークだと思って笑ったが、実態はひどいものだ。「我々は間違った方向に進んでいる。思考の多様性が求められるのは今だ。しかしサンフランシスコの政治はそうなっていない。我々(住民は)もっと政治に参加する必要がある」とバニスター氏は結論した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

トランプ政権のCTO、合衆国最高技術責任者がやっと決まる

2年あまりのトランプ政権でずっと空席だったU.S. Chief Technology Officer(合衆国最高技術責任者)の席がやっと埋まる。Bloombergの記事によると、米国時間3月21日、トランプ大統領は、現在CTO代理であるMichael Kratsios氏を、テクノロジーに関する国の最高の地位に昇進させる。トランプ政権に加わる前のKratsios氏は、Peter Thielの投資会社Thiel Capitalの主席スタッフで、また、もうひとつのThielのプロジェクト、ヘッジファンドClarium Capitalの最高財務責任者(CFO)だった。

国のCTOという役職はオバマ時代に作られ、これまで3名が奉職した。最後は元GoogleのMegan Smith氏で、Googleの初期の買収を仕切った人。その後はGoogle.orgに在籍していた。

CTO職は、テクノロジーの問題に関して大統領に助言し、テクノロジー政策の形成を助け、また民間部門へのリンクになる点も重要だ。前任者とは対照的にKratsios氏は、その役割に明確なベンチャーキャピタル色の視点を持ち込むだろう。ちなみに国のCTOは、ホワイトハウスのOffice of Science and Technology Policy(科学技術政策部)に属する。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Peter Thielは投資対象としての自動運転技術に半信半疑、「自動車など要らない世界が良い」説

億万長者の投資家Peter Thielは、トレンドに投資するのは嫌いだ、とよく言う。今週サウジアラビアのリヤドで行われた投資フォーラムFuture Investment Initiativeで、ジャーナリストのMaria Bartiromoと共にステージに立った彼は、同じ言葉を繰り返した。

今の主な投資対象を聞かれた彼は、シリコンバレーの外に着目していることが多いが、SaaSソフトウェアや仮想コンピューティング、拡張現実、人工知能といった“バズワード”はあまり重視しない、と答えた。“そのような投資のトレンドは、実際にトレンドだったとしても危険だ”、と彼は言う。そしてむしろ、“バズワードが聞こえてきたら、そこからできるだけ早く逃げ出すべきだ”、と。逃げ遅れたら、“その種の多くの企業と多くの競合相手”に対処しなければならなくなる。

そこで当然ながらThielは、自動運転技術に対しても同じことを感じている。彼のベンチャー企業Founders Fundが投資しているライドシェア企業Lyftは、その未来が、ある時点で自動運転企業になれることにかかっている、と思われるにもかかわらず、だ。

しかしThielによると、その彼自身のルールにも一つだけ例外がある。それは、“まだ誰のレーダーにも映っていない”トレンドには積極的に着目することだ。

つまり彼が示唆するトレンドとは、ぱっと見ても視界内に存在しないが、今日それに向けられている(希薄な)関心よりも、はるかに大きなメリットを持つテーマだ。人がそれに注意を向けないのは、自動運転車や空飛ぶタクシーほどセクシーでないからだろう。その、彼が秘かに着目しているトレンドとは、誰もが知ってる遠隔通勤(telecommuting, テレコミューティング)、その、これからの不可避な増大によって世界が変わることだ。

むしろ交通運輸の未来について聞かれたThielは、交通運輸にはあまりニーズがないかもしれない、と言いたげだった。少なくとも、職場に出かける個人からのニーズは…。

Thielは語る:

確かに、UberやLyftのような企業へのシフトは、私も投資していますけど、それ自体は大きな変化です。自動運転車というトレンドも、経済にとって重要なトレンドです。それは、消費者の行動を大きく変えるでしょう。自動運転車があれば、車内でも仕事ができるから、通勤時間が今よりもっと長くてもよいでしょう。

でも私は、それが良い投資であるという確信は持てません [強調: 本誌]。大量の企業が、自動運転車という同じような技術をやっているけど、彼らの差別化要因はよく分からないのです。

運輸交通関連の技術で自動運転車よりも関心があるのは、破綻に瀕してている私たちの交通システムの迂回策/回避策はないか、ということです。そしてそのITバージョンこそが、人びとが何十年も前から話題にしていたテレコミューティングなのです。

つまり、交通運輸なんてまったく要らない、と言えるやり方はないのか。リモートで十分に仕事ができれば、それでいいじゃないか。30〜40年前には、いろんな理由でそれはダメだったけど、家にいたら仕事に集中できないとか、人と人の出会いから良い仕事が生まれる、といった精神論みたいな理由もありましたね。

でも、シリコンバレーなどでは現にテレコミューティングが増えているのではないですか。そんなところでは、シリコンバレーの外に人びとがデベロッパーの小さなチームを見つけています。世界中のいろんな場所のいろんな人びとを、ひとつの仕事に割り当てる方法がいくつもあるのです。

ですから . . . テレコミューティングは、もっと探究すべき価値のあるトレンドです。それはこれまで、過小評価されていました。

CB Insightsのデータによると、自動車関連のスタートアップには、今年の前半だけでも、16億ドルという過去最高の投資が行われている。

ThielとBartiromoのチャットの詳細は、ここにある。

しかし、状況からして無理だったかもしれないが、彼のトランプ政権との関係は、話題にならなかった。その関係がずっと続いているために、今年のThielは何度もニュースのタイトルや見出しに登場した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

『20 under 20』書評:ピーター・ティールの若き起業家育成プログラムを実感的に描く

TechCrunch Japanの同僚、高橋信夫さんと共訳した『20 under 20』(Kindle版)(日経BP)がこの週末から書店に並び始めたのでご紹介したい。ピーター・ティール(Peter Thiel)からの奨学金10万ドルを資金としてシリコンバレーで苦闘する若い起業家たちを描いたノンフィクションだ。

著者のアレクサンドラ・ウルフはWall Street Journalのベテラン・ジャーナリストで、家族ぐるみでティールと親しかったことからフェローシップとシリコンバレーに強い興味を持ち、2011年から2016年まで足掛け6年にわたって若いフェローたちに密着して取材した。

大学なんか止めてしまえフェローシップ

TechCrunch読者にはピーター・ティールの名前はおなじみだと思う。PayPalの共同ファウンダー、CEOからベンチャーキャピタリストに転じ、Facebookの最初の大口投資家となった。現在でもFacebookの8人の取締役の1人だ。起業の重要性を力説した著書『ゼロ・トゥ・ワン 』(NHK出版)は日本でもベストセラーとなっている。

ピーター・ティールは2011年のTechCrunch Disruptで「大学をドロップアウトしてシリコンバレーで起業させるために20歳未満の優秀な若者20人に10万ドルずつ与える」というプログラムを発表した。20 under 20というのは「20歳未満の20人」という意味で、発足当時のプログラムの名前だった。現在では22歳未満に条件がやや緩められ、ティール・フェローシップと呼ばれている。

クレージーな若者たち

このプログラムには小惑星探鉱から不老不死の研究までありとあらゆるクレージーなアイディアを追う若者たちが登場する。そうしたアイディアには結実するものもあるが中断されたりピボットしたりして消えるもの多い。しかし「失敗などは気にするな。シリコンバレーで失敗は勲章だ」というのがティールの信念だ。

ティール・フェローにはTechCrunchで紹介された起業家も多数いる。睡眠の質を改善するヘルスモニター、Senseを開発したJames Proudもその一人だ。Kickstarterで製造資金を得るのに成功したことで注目された。

KickstarterでSense睡眠トラッカーを紹介するJames Proud(2014)

シリコンバレーの生活の空気感

『20 under 20』はスタンフォード大学にほど近いベンチャーキャピタリストの本社が並ぶサンドヒル・ロードに新築されたローズウッド・サンドヒルというホテルの中庭のプールの描写から始まる。ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの本社もこのホテルの隣だ。しかし創業パートナーの一人ベン・ホロウィッツが書いた『HARD THINGS』(日経BP)が起業や経営の困難と対処の実態を描いたのに比べて、『20 under 20』はむしろファッションから朝のコーヒーまで起業家たちとシリコンバレーで生活を共にしているような感覚を与える。

本書では政府・自治体による規制とスタートアップにも1章が割かれ、Uberなどがどのようにして規制と戦ったかが、敏腕ロビイーストの目を通じて描かれていたのも興味深かった。バイオテクノロジーにも重点が置かれている。下のビデオは『20 under 20』の主役の一人、不老長寿を研究するローラ・デミングのTEDプレゼンテーション。

TEDで不老長寿研究はビジネス化できると主張するLaura Demming(2013)

アレクサンドラは『ザ・ライト・スタッフ』(中央公論)や『虚栄の篝火』(文藝春秋 )などの作品で有名なトム・ウルフの娘だ。トム・ウルフは対象に密着して取材する「ニュージャーリズム」という手法の先駆者で、この言葉を作った本人でもある。アレクサンドラのシリコンバレーの描写はは父親ゆずりのニュージャーリズムの手法かもしれない。

10億ドル企業を作るのが目的ではない

ティールは信じることは即座に口にし、かつ実行してしまう性格のためとかく論議を巻き起こしているが、この「大学なんか止めてしまえ」というフェローシップ・プログラムにはことに激しい賛否の議論が起きた。反対派の急先鋒、ヴィヴェック・ワドワ(Vivek Wadhwa)はTechCrunchに大学教育の意義を主張するコラムを書いたので記憶している読者もいるかもしれない。この経緯も本書に詳しい。

アレクサンドラは起業家を一方的に賞賛するわけではなく、激烈な競争社会に疑問を感じて東部の大学に戻ったフェローも十分時間をかけて取材し、いわばシリコンバレーの光も闇も描いている。

またこの本にはTechCrunchも繰り返し登場する。アレクサンドラの言うことにすべて賛成だったわけではないが、シリコンバレーを中心としてテクノロジー・エコシステムをカバーするTechCrunchの影響力をあらためて感じた。

アレクサンドラ・ウルフはティール・フェローシップをこう要約している。

〔ティール・〕フェローシップはミレニアル世代の縮図なのだ。このフェローシップは「きみたちが本当に優秀ならここに来たまえ。きみたちの世代の『ベスト・アンド・ブライテスト』に何ができるか証明してもらおうではないか」という挑戦なのだ。そのうちの誰かが10億ドル企業を作れるかどうかは問題ではないのであろう。

ご覧のようになかなか目立つ装丁なので書店で見かけたら手に取っていただけるとうれしい。

滑川海彦@Facebook Google+

ベストセラー‘Hillbilly Elegy’で白人貧困層の実態をリベラル層にも知らしめたJ.D. VanceがRevolution LLCでシリコンバレー以外のスタートアップを育成

出版から2か月でThe New York TimesのベストセラーリストのトップになったHillbilly Elegy〔仮訳: 「白人極貧層の悲歌」〕の、その強烈な著者J.D. Vanceは今、ややためらいがちにスポットライトを浴びている。同書の出版は、そのタイミングが絶妙だった。Vanceの成長回想録は民主党寄りのアメリカ人に、ドナルド・トランプの上昇を支えた側のアメリカ人たちの実態への、もっと早くから必要だったリアルな理解を与える。

本の出版から9か月後となる今日まで、Vanceは左右両勢力にとって、真っ先に引き合いに出される人物になっていた。そして彼は、そんな有名人としての立場を有効に利用すべく、AOLの協同ファウンダーSteve CaseがワシントンD.C.で創業した投資企業Revolution LLCに加わった。そこで彼が任されるのは、同社のRise of the Restイニシアチブの普及活動だ。「その他大勢の上昇」、その他大勢とは、シリコンバレーやニューヨークのテクノロジーバブルの外にいるスタートアップ、そしてこのイニシアチブは、彼らへの投資を振興しようとする。

Vanceはこう語る: “自分がメディアが望むスポークスパーソンであるか、自信はないけど、誰もが問題について話すことはできるし、また、この問題を理解し、解決のために何かをすることはできると思う。ここでのぼくの目標は、理解の喚起と何らかの行動、その両方だ。今そのための機会とプラットホームが与えられたのも、あの本のおかげだ”。

昨年の4月以来Vanceは、Peter ThielのVC企業Mithril Capital Management LLCでプリンシパルを務めた。Revolutionのパートナーになりサンフランシスコから故郷のオハイオに戻った今も、同じ役職だ。

Caseは語る: “J.D.とは、本が出た直後の6か月前に知り合った。彼はオハイオで育ち、その後各地を転々として最近はシリコンバレーに落ち着き、それからコロンバスに戻った。そこの地域社会を助ける仕事をしたい、と思ったからだ。彼はうちのイニシアチブにぴったりの人物だし、だから仲間になってもらった”。

Vanceの最初の仕事はRise of the Restの認知度を高めることだ。そしてその後徐々に投資の仕事も手掛ける。そのためにはまず、現在VC資金の80%近くの行き先であるカリフォルニアやニューヨーク、マサチューセツ以外の、スタートアップへの認知と関心を高めることが必要だ。

“シリコンバレーの投資家の多くは、自分の車を運転して来る者以外は投資に値しない、と見なしている”、とCaseは述べる。

でもこの前の選挙の打撃と衝撃のトラウマが、一部の投資家たちに新しい自覚を促しているようだ。彼らも西海岸の青の州〔民主党寄り〕の多くと同様に、Vanceの本などから、11月の選挙で決定的な役を果たした中部の、民主党政権に失望している人びとについて、理解を持つようになった。Washington PostはVanceを“ラストベルトの声”と呼び、New Republicはもっと地味に、 “リベラルメディアお気に入りの貧乏白人解説者”、とタイトルしている。

急に著名人になったVanceだが、まだワシントンからのお呼びはないそうだ。“政府の人からのアプローチはない。問題解決にはもちろん政策も必要だが、でも本当に重要なのはプライベートセクター(民間部門)の要素だ”、と彼は言う。

両方の掛け持ちは困難だ。Vanceが全国的に有名になった時期は、Thielが投資家から激しい政治マニアに変身した時期と一致している。6月の共和党全国大会におけるスピーチがその変化を決定づけ、そして最後に彼は、トランプの政権移行チームに加わった。

Vanceは、Mithrilの協同ファウンダー〔Thiel〕について語るときも、政治には深入りしない。“Peterは友だちだし、ぼくは彼の大ファンだ。でも彼とトランプ政権との関係の部分は、ぼくにとって遠い世界だ。本当はどんな仲なのか、よく分からないけど、彼自身が宣伝している部分は、良いと思うね”、とVanceは語る。

Vanceによると、今現在はRise of the Restにかかりっきりだ。数週間後に同社は、DCでサミットを開催し、彼がキーノートを担当する。“目的は、Rise of the Restを本格的に離陸させることだ”、と彼は述べる。“すでにSteveたちとトロッコを押し始めているけど、本格的に走りだすためにはメディアの協力も必要だ。今やろうとしていることが、全国的に知れ渡るようにすることが、ぼくの重責のひとつだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

航空運賃を1ヶ月先まで予測 ― 値下がりに備えて航空運賃を固定できるFLYRが800万ドルを調達

Airplane in the sky and cloud at sunrise

トラベル系スタートアップのFLYRは本日、シリーズAで800万ドルを調達したと発表した。FLYRは業界のオープンデータと独自に集めた航空券の過去価格データに人工知能を適用することで、航空運賃を予測する。

今回の調達ラウンドでリード投資家を務めたのはPeter Thielが所有するファンドだ。また、SECへの提出書類によれば、Thiel Capital代表のPhin Uphamが今回のディールに関わっているようだ。本ラウンドを含めると、FLYRはこれまでに合計で1300万ドルを調達したことになる(前回のシードラウンドでは2社から400万ドルを調達している)。

「ファイアー(fire)」と音韻が似た名前をもつFLYRは、その旗艦プロダクトであるFareKeepで知られる企業だ。同プロダクトを利用すれば、1週間のあいだ航空券の価格を固定することができる。手数料は20ドル以上だ。FareKeepは航空運賃の保険と同じコンセプトをもっている。もしも固定した価格よりも航空運賃が値下がりするようであれば、ユーザーはその低くなった価格で予約を完了するか、もしくは固定した価格と実際の価格の差額を返金してもらうことができる。返金までにかかる日数は約1日程度だ。

FareKeepと同じような機能を提供する航空会社もあるが、TripAdvisorを含むいくつかの予約サイトではFLYRを利用した航空運賃の固定機能をユーザーに提供している。FLYRはクレジットカード会社との提携も視野に入れているようだ。

FLYRの競合はHopperやOptions Awayなどのサービスだ。Hopperは航空券を予約するのに最良のタイミングを教えてくれるサービスで、より直接的な競合となるOptions Awayは、FareKeepと同様に航空運賃を固定するサービスを提供している。

今回取材したCEOのJean TripierとCTOのAlexander Mansによれば、同社は今回調達した資金を利用して新プロダクトの開発を進めていくとのこと。海外出張をする従業員を多く抱える企業向けのサービスなどがその例だ。

「これまでのように1つの商業プロダクトを提供するのではなく、いくつかのソリューションを合わせたサービス・ポートフォリオを構築し、予約プロセスのさまざまな段階で利用できるソリューションを提供していきます」と同社はいう。Mansは加えて、「航空運賃とそれに対する需要を予測するだけでなく、今後私たちは消費者行動の予測にもフォーカスしていきます。それにより、私たちのクライアントが抱えるユーザーに、より良い体験を提供していきます」と語る。

FLYRは近々、航空券の「取り置き」とも呼べるサービスを公開する予定だ。このサービスを利用することで、ユーザーは航空券を分割払いで購入することができる。手数料などは一切かからない。現在、FLYRはアメリカとヨーロッパを結ぶ航空券を多くカバーしている。今回調達した資金はカバーする空路の拡大にも利用される予定。Tripierによれば、特にラテンアメリカの空路を強化していくようだ。

Peter Thielが所有するファンドのほか、本ラウンドには以下の投資家が参加した:JetBlue Technology Ventures、Streamlined Ventures、AXA Strategic Investors、Amadeus、Western Technology Investment、Plug and Play、Chasm Capital Management。

Streamlined Ventures創業者のUllas Naikは、「FLYRの強みは、1ヶ月先までの航空運賃を正確に予測できる能力です。その能力はさまざまなケースに応用することができるため、異なる業種のプレイヤーや顧客に価値を提供することが可能です。究極的には、このようなAI技術は市場全体を大きくしていきます。なぜなら、顧客はこれまで以上に自信をもって航空券を購入することができるからです」。

Naikによれば、FLYRは調達した資金を利用して新プロダクトの開発を進めていくが、それに加えて、世界中のパートナーサイトにある購入ボタンの「真横に」FLYRが提供する予測価格を表示していくようだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Amazon、米国内で10万人を新規雇用へ―トランプ次期大統領、早くも功績を強調

Tech CEO's meets with President-elect Donald Trump at Trump Tower December 14, 2016 in New York . / AFP / TIMOTHY A. CLARY        (Photo credit should read TIMOTHY A. CLARY/AFP/Getty Images)

ドナルド・トランプが正式にアメリカ大統領に就任するまでまだ1週間ほど先あるが、トランプ政権は早くもアメリカ国内の雇用増加の実績を誇ろうとしている。これまでのところで目立つのはインディアナ州に所在する空調設備大手のCarrierと日本のテレコムの巨人、SoftBankの計画だ。

今回、職の創造に関するトランプ政権のヒットは意外なところからやってきた。今週、Amazonは、向こう1年半でアメリカ国内で10万人を新規雇用する計画を発表した。Amazonによれば、同社は過去5年間に15万の新たな職を作ってきたという。

たしかに巨大なスケールではあるが、さまざまな分野でのAmazonの急速な成長を考えるとある程度予想できた数字だ。プレスリリースでAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスは新規雇用は主としてフルフィルメントセンター、ロジスティクス、クラウドテクノロジー、機械学習の分野で実現されるだろうと述べた。

トランプ・チームはこれまでAmazonに対して批判を繰り返してきたが、今回は素早く歓迎の意向を発表した。アメリカ国内における職の確保は次期大統領が選挙戦を通じて公約としていた重要項目だ。

今日(米国時間1/12)、ショーン・スパイサー次期大統領報道官はメディア向けカンファレンス・コールで次のように述べた。

今回のAmazonの発表に先立って、次期大統領はテクノロジー業界のトップ経営者グループと会談し、アメリカ国内における職の確保と増大に留意するよう要請している。次期大統領はAmazonの意思決定になんらかの役割を果たせたと考えて満足している。

スパイサーが指しているのは最近ニューヨークのトランプ・タワーで開催された会談だ。これにベゾスも出席したが、トランプは選挙戦を通じてAmazonのビジネスを批判し続けた。トランプはベゾスとAmazoはの「大型の独禁法違反」や「租税回避」を行っていると非難し、「大統領に当選したなら厳正に対処する」と脅していた。

ベゾスは(多少の皮肉も含まれていただろうが)「トランプについては様子を見る必要がある」としていた。

その後ベゾスとトランプという大富豪の間にはロマンスが芽生えたのかもしれない。ベゾスはトランプとの会談で和解的な(少なくとも希望を交えた)会話を試みたようだ。会談後、プレスに次のように語っている。

次期大統領ならびに政権移行チーム、テクノロジー業界のトップとの今日の会談はきわめて生産的なものだったと思う。次期政権がイノベーションを政策の重要な柱とするという見解に私は同感だ。イノベーションはテクノロジー産業のみならず農業、製造業、インフラその他あらゆる面でアメリカの雇用を大きく増加させるだろう。

もちろんAmazonは新規雇用の理由として同社の成長も指摘するだろうが、計画発表のタイミングはトランプ・チームにとって追い風となった。われわれはAnazonに対してスパイサー次期報道官の説明にあった「大統領が果たした役割」が実際どのようなものであったか問い合わせている。

〔日本版〕トップの写真はドナルド・トランプとテクノロジー業界のリーダーの会談を撮影したもの。テーブル正面にトランプ次期大統領、向かって左にペンス次期副大統領、Facebookのシェリル・サンドバーグ、Googleのラリー・ペイジ、テーブルの角にAmazonのジェフ・ベゾスが見える。トランプの向かって右隣は政権移行チームの重要メンバーでこの会談の人選をしたといわれるベンチャー・キャピタリストのピーター・ティール、その右がAppleのティム・クック、Oracleのサフラ・カッツ。会談にはTeslaのイーロン・マスク、Microsoftのサティヤ・ナデラ、IBMのジニ・ロメッティーらも参加している。Googleからはエリック・シュミットも出席した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ピーター・ティール、トランプの政権移行チームに自らのFounders Fundの幹部を引き抜く

CLEVELAND, OH - JULY 21:  Peter Thiel, co-founder of PayPal,  delivers a speech during the evening session on the fourth day of the Republican National Convention on July 21, 2016 at the Quicken Loans Arena in Cleveland, Ohio. Republican presidential candidate Donald Trump received the number of votes needed to secure the party's nomination. An estimated 50,000 people are expected in Cleveland, including hundreds of protesters and members of the media. The four-day Republican National Convention kicked off on July 18.  (Photo by Joe Raedle/Getty Images)

ピーター・ティールが自分の選んだ人材に対して信義に厚いのは有名だ。逆もその通りで周囲の人材はティールに忠実だという。シリコンバレーでは何十人もの人々がティールの創立したベンチャーキャピタル、Founders Fundやヘッジファンド、Clarium Capitalで働いたことがある。ティールはClariumのマネージング・ディレクター、Ajay Royanと共に後期のスタートアップを対象とするベンチャーキャピタル、Mithril Capitalの共同ファウンダーでもある。

そこでティールがFounders Fundのプリンシパルの一人、トレイ・スティーブンス(Trae Stephens)をドナルド・トランプ次期大統領の政権移行チームに引き抜いたのは不思議ではない。ティール自身はチームに2周間前に正式参加している。Bloombergによると、スティーブンスはトランプ政権そのものに加わるわけではないが、国防総省および安全保障関連の政策立案とスタッフの任命を助けることが期待されているという。

スティーブンスの移行チームへの任命は奇妙であると同時に予想通りという二面性を持っている。 ジョージタウン大学で中東の比較政治学を学びながら首都ワシントンで下院議員のインターンを務め、卒業後はLexisNexisでデータ・アナリストを2年間務めた。その後Founders Fundが支援するPalantirのデータアナリストを経て2013年の12月にFounders Fundに加わっている。

スティーブンスはともかく優秀なのだろう。その点でティールを始めとするトランプの政権移行チームのメンバーには似たところがある。トランプの娘婿、ジャレド・クシュナー、息子のエリック、ドナルド・ジュニア、娘のイバンカ・トランプ(ジャレドの妻)、ヘッジファンドのマネージャー、アンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)、外科医のベン・カーソン(Ben Carson、住住宅・都市開発省長官のポストを打診されているが本人は迷っているもよう)などの人々と同様、スティーブンスも優秀ではあろうが、政府機関でこれというほどの公職に就いた経験がない。

しかしティールは「アメリカ政府(Palantirの売上の40%を占める)は破綻している」と繰り返し述べており、新しい政治の必要性を説いている。ということは政権の要職にティールやスティーブンスのようなアウトサイダーをあてるのも予期したとおりかもしれない。

さらに予想どおりなのは、ティールがトランプの政権移行チームのメンバーに選んだ人間がティール自身の会社の幹部であるという点だ。ティールは人を見る目に自信を持っており、採用した人物を信頼しているという。一方でシリコンバレーではティール自身のサークル以外からはトランプを支持する人材を見つけるのが難しいという事情も伝えられている。

Washington Postの記事によれば、ティールはトランプ政権の要職について「編集可能な候補者リスト」をiPad上に持ってるということだ。このリストにはビジネス・ノンフィクションのベストセラー、『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』の共著者、ブレイク・マスターズやPalantirの共同ファウンダー、ジョー・ロンズデール、連続起業家で若者の起業を応援するThiel Fellowshipのエグゼクティブ・ディレクターのジャック・エイブラムが含まれるという。

Washington Postの記事によればシリコンバレーではトランプを嫌っており、トランプに接近することはビジネスに不利益になる可能性があるとしてティールを評価しない人々も多いという。

〔日本版〕シリコンバレーのベンチャーキャピタルにおける「プリンシパル」はアソシエートとパートナーの中間の職位。パートナーに昇進する可能性の高い地位だとされる。

画像:: Joe Raedle/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

秘密主義のビッグデータ企業Palantirが11月にひっそりと2000万ドルを調達

palantir

Palantir — 政府、金融、ヘルスケア、その他の組織に、分析、セキュリティ、その他のデータ管理ソリューションを提供する、秘密主義の200億ドル規模の企業 — が、新しいSECのファイリング によれば、再び2000万ドルの資金調達を行った。

それは同社にとってはどちらかと言えば控えめな金額だ。2015年12月に行われた最後の資金調達では、Palantirはラウンドを8億8000万ドルで締めくくった、この過程で企業の評価額はうなぎ登りに上がった。

11月23日付けのフォームDのファイリングによれば、この最新のラウンドの最初のセールは11月8日だった — 偶然(?)にも、ドナルド・トランプが大統領選に勝った米国選挙と同日である。Palantirの議長ならびに主要株主でもある共同創業者のPeter Thielは、トランプの熱心な支持者だ。

ラウンドは単一の支援者で行われたが、その他の詳細は明かされていない。私たちはPalantirに質問をしている最中だ、何か詳細が分かった際には報告を行う。

現在までに、Palantirは20億ドル以上を調達している。現在同社に投資を行っているのは、137 Ventures、Artis Ventures、Ben Ling、Founders Fund、Glynn Capital Management、GSV Ventures、CIAが支援するIn-Q-Telファンド、Jeremy Stoppelman、Keith Rabois、Khazanah Nasional、Kortschak Investments、Mithril Capital、REV、Sozo Ventures、そしてUlu Venturesだ。

2000万ドルの資金調達が、昨年多くの浮き沈みを見たPlantirの今年を締めくくった。同社は、ビジネスや一般的な活動についての情報開示にはあまり協力的ではない(そして、残念ながら、それはおそらくPalantirは私たちの質問には答えないということを意味している、とりわけ感謝祭にぶつかってしまったので尚更だ)。しかし、これまでに漏れ聞く情報は沢山あった。

その顧客リストと、Palantirが顧客のために何をしているのかが判明している;そしてスタッフ間の動揺や、Palantirへの支払いを拒む主要顧客への対応といった内部問題もあるようだ。そして、Thielは 明らかに、同社の株式を評価している者たちの中で、今年の彼らの評価額を少なくとも40%下回る評価を下している。

しかし、それはPalantirの悪い運命と暗い先行きを示すものではない。Thielは大統領に選出されたドナルド・トランプの移行チームで指導的な役割を果すことになる、このためPalantirの取引にも弾みがつくだろうと考える者もいる。しかし、例えそうでなくても、Palantirはすでにワシントンと深い関係を結んでいる。既に10月には、裁判所がPalantirに有利な判決を下して、米陸軍に貴重なデータシステムの契約に対してPalantirが参加できるように再入札を命じたことにより、弾みがついていたのだ。

最近では、私たちは同社が2017年半ばにIPOを計画しているという話を複数の情報源から聞いている(これはFTも報告しているタイムフレームだ)。10月には同社の共同創業者兼CEOのAlex Karpが、同社が来年に向けての収益性も計画している最中だと述べている。

追加報告はKatie Roofから。

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(翻訳:Sako)

サンフランシスコの隠れ優等生スタートアップZenreachが$30Mを調達してセレブ投資家Peter Thielが取締役に

Monday, July 16th, 2012. Aspen, CO, USA

7:00 PM

DINNER AND DEBATE
What is the future of Silicon Valley and the technology industry? Two of the Valley’s most successful thinkers and doers debate.

Speakers:
Eric Schmidt, Executive Chairman, Google
Peter Thiel, Technology Entrepreneur, Investor, and Philanthropist

Referee: Adam Lashinsky, Fortune

Photograph by Kevin Moloney/Fortune Brainstorm Tech

サンフランシスコで無料のWi-Fiを使ったことのある人は、それがZenreachだった確率が高い。しかし、そのことに気づかなかっただろう。

同社はこれまで、上記のように、ほとんど知られざる存在だった。無名の方が競争上有利、と考えたからだ。しかし今日(米国時間7/19)は、黙ってるわけにもいかなくなり、シリーズBによる3000万ドルの資金調達を発表した(この前の2000万ドルは極秘裏に行われた)。今回は億万長者投資家のPeter Thielを取締役会に迎えたので、発表せざるをえない。

エンタープライズソフトウェアを作っているZenreachは、ハードウェアも提供している。そのハードウェア、Wi-Fi機器は、レストランやコーヒーショップなどに月額制で貸し出される。ユーザーがそのWi-Fiにユーザー登録するときにはユーザーIDとしてメールアドレスを要求されるから、お店はそれらのアドレスに宣伝メールを送れる、というメリットがある。ただしその公共的Wi-Fi機器は、登録ユーザーしか利用できないように、ファイヤーウォールがしっかり守っているから、セキュリティは万全だそうだ。

そのお店でZenreachにユーザー登録した人は、そのWi-Fiスポットが自分のスマホのデフォルトになるから、Wi-Fi側から見ればそのユーザーの再来店が分かる。Zenreachはその統計的データをお店の経営指標の一環として提供し、喜ばれている。

ZenreachのファウンダーでCEOのJack Abrahamはこう語る: “小企業の経営に役に立つツールやプラットホームをうちは作っている。でもその小企業が、消費者に無料のWi-Fiを提供する主役になっているんだ”。

YelpやFoursquareなどのアプリも、同じようなやり方で小企業を支援しているが、Zenreachは、“あくまでも主役は商業者自身、という観点に立ち、長期的に彼らを支援したい。彼ら自身には消費者を対象とするサービスを作って始めることが、できないのだから”。

今回の投資をリードした8VCのゼネラルパートナーJoe Lonsdaleはこう言う、“Zenreachの経営状態を表すさまざまな数値は、どれもすばらしい。彼らはすばらしいチームだし、しかもビッグな業態分野だ。ざっと見ただけでは分からないぐらい、状態の良い企業なんだ”。

そのほかの投資家は: Bain Capital, SV Angel, Felicis Ventures, SoftTech, そしてPeter ThielのFounder’s Fundだ。

Zenreachの社員数は、2013年の創業時から3年間で150名に成長した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ピーター・ティール、トランプ支持を表明

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億万長者のIT投資家、Peter Thielは、この夏の共和党大会で、カリフォルニア州代議員としてドナルド・トランプを支持することに同意した。

Thielがどのレベルでトランプを支持するのかは不明だが、共和党全国大会でカリフォルニア州代議員172名の一人となるものと思われ、情報筋によると大統領候補としてトランプを推すことを約束しているという。

シリコンバレーの誰かが、トランプのような人物の側につくことは、一見奇妙に感じる。他の著名なリーダーたち、例えばA16z(Andreessen Horowitz)のMarc Andreessenは、彼を大統領にふさわしくない人物であると、不快感をあらわにしている。

しかしトランプは、型にはまったものを選ばないThielが支持するには、最適なアウトサイダーかもしれない。

そして、自由主義者のThielは過去にも共和党の活動を支援しており、2012年にはロン・ポールに260万ドルを寄付した他、テッド・クルーズの元副大領候補でHPの元CEO、Carly Fiorinaを支援して、Super PAC(政治活動特別委員会)にも200万ドル寄付した。

Thielは、2009年にテッド・クルーズがテキサス州検事総長に立候補した際にも25万ドルを供出している。

本誌はThielに連絡を取り、今夏のクリーブランドの党大会でトランプを支持する以外に、どれほどの資金を提供する意志があるのか質問しているので、情報が入り次題続報する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ピーター・ティールいわく「ベンチャーはディスラプトなんて無視しろ!」


「バズワードとして常に疑っているのは『ディスラプション』(破壊)という言葉。やたらポジティブに使われているけど、ベンチャー企業が持つべきマインドセットじゃない」。

著書「ゼロ・トゥ・ワン」のPRキャンペーンで来日中のピーター・ティールが2月23日、楽天主催の「楽天金融カンファレンス2015」に登壇してこう語った。

ゼロから1を生み出せば市場を独占できる

シリコンバレーでバズワードとなっている「ディスラプト」に否定的な見方を示したティールは、音楽業界を「破壊」したNapsterを引き合いに出して、次のように続ける。

「Napsterは音楽業界を大きく壊したけど、ビジネスとして成功したわけじゃない。既存企業を壊すことよりも、まだ注目されていない問題に着手するほうがよっぽど健全だよ」。

さらにティールは、著書のテーマでもある「ゼロから1を生み出すこと」が、市場の独占につながるメリットがあると強調する。

「1からnへ向かうことは、コピーにほかならない。一方、ゼロから1を生み出すのは、何もないことからイノベーションを起こすこと。これを正しく行えば、独占企業になれる。2002年以来、Googleが検索で競合がないのが良い例。ひと言で言うなら、競争するのではなく、誰もやってないことをやれということだ。」

三木谷氏「日本の起業家にとってバイアウトは賢い選択」

ティールとともに登壇した楽天の三木谷浩史会長は、日本の起業家が「バイアウト」を目指すようになってきたと、持論を展開した。

シリコンバレーでもそうだが、eBayやYahoo!がアクティビスト(モノ言う株主)に苦戦しているのは事実。だからこそ、多くの起業家がIPOではなく事業売却を目指しているのだと、実際にいくつかのベンチャーを買収してきた三木谷氏は語る。

「バイアウトは賢い選択。とはいえ、日本の起業家はまだまだ、売却したがらない。小さな時価総額でもIPOしようしていて、少し頑固なんじゃないか」。


ナノメディシン企業MagForceが高名なスタートアップ投資家Peter Thielらから$15Mを調達

MagForceは、酸化鉄のナノ粒子を患者に注入し、それらを磁界で振動させて熱を発生させ、がん細胞を殺す。まるでSFみたいだが、本当の話だ。 そこでPeter Thiel〔PayPal創業者〕の、成熟期企業のための投資会社Mithril Capitalは、MagForceの、同社が6500万ドルと評価したアメリカの子会社への、1500万ドルの投資をリードした。1997年に創業されたMagForceは、すでにフランクフルトの証券取引所に時価総額1億4400万ドルで上場されている。今回新たに得られた資金は、このナノメディシン企業によるがんの治療対象種の拡大と、その治療法の合衆国における認可取得過程への対応に充てられる。MagForceのNanoTherm療法がアメリカで青信号になれば、同社は合衆国でIPOする運びになる、とCEO Ben Lippsは語っている。

下のビデオは、NanoThermの治療過程を示している:

今現在、NanoTherm療法は、膠芽腫脳腫瘍の治療法としてヨーロッパでのみ認められている。MagForceが発明した特殊なコーティングが酸化鉄のナノ粒子を包むため、腫瘍に注入したときにそれらが人体内に拡散することは防がれる。患者は、NanoActivatorと呼ばれる、MRI装置に似た装置に収容される(下図)。この装置が磁界を生成し、その極性を毎秒10万回反転する。

ナノ粒子は、磁気エネルギーをがん細胞内の熱に変換するトランスデューサーとして働き、細胞に対する殺傷性を…磁気よりは…高める。Lippsによると、放射線治療とNanoThermを併用すると殺傷力が倍増し、抗癌剤の服用量、ひいてはその副作用を半減できる。

Mithril Capital Managementらの投資グループは、今回の1500万ドルの投資により、MagForceの米子会社の23%を保有することになる。またそれには、4年以内にさらに1500万ドルの株式を買えるオプションが付く。MagForceはこの資金により、NanoThermの前立腺がん治療への応用を研究開発し、またそれは、合衆国での認可が得られるまでの数年間、会社を維持するための資金にもなる。

MagForceがMithrilを選んだことについてLippsは、“審査が厳しいことで知られている合衆国の投資家に関心があった。そういうところなら、信用できるからね”、と語った。 Thielが投資先を決める際に徹底的に調査を行うことは、ヨーロッパでも知れ渡っているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


トップクラスのVC ThielのUC20(20歳未満)事業で育ったDylan Fieldが$3.8Mを調達–起業家の低年齢化が進む

子どもたちはわれわれの未来であり、そしてVCたちはその未来を招来するために子どもたちにキャッシュを与える。そんな中で、Dylan FieldはPeter Thielのフェロー(fellow, 研究員)事業20-Under-20(20歳未満を20名)の一人だが、SECの提出書類によると、このほど彼のスタートアップFigmaのために380万ドルを調達した。FieldはFigmaについて話したがらないが、Thiel Fellowshipのサイトによると、それはブラウザ上で使う写真編集ツールらしい。

この資金調達のタイミングは、ファウンダたちの平均年齢が23歳というSnapchatがシリーズBで6000万ドルを獲得し、加えて自社株売却で2000万ドルを得た時期と符合する。シリコンバレーは、ガキどもとの恋に落ちたようだ。しかしJosh Millerのエッセイ“Tenth Grade Tech Trends”(高1から始まるテク起業)が大きな話題になってからは、若者たちの、テクノロジの世界の変化を予測する能力を、業界はますますあてにするようになっている。

Dylanはまだ若いが、すでに業界経験はきわめて豊富だ。カリフォルニア生まれの彼はこれまで、Flipboard、O’Reilly Media、Indinero、Microsoft Research、LinkedInなどで働いた経験がある。彼は今、ブラウン(Brown)大学を休学中だが、専攻はコンピュータ科学と数学だ。

Dylanが着目した商機は、クリエティビティのためのツールのアクセス性を良くすることだ。カメラ付き携帯をはじめ、誰もがメディア作品を作れる時代になり、平凡な写真をアートに変えるInstagramのようなアプリが栄えている。でもまだ、高度な写真編集ツールはもっぱらプロのもの、あるいはせいぜいマニア的ホビイストのものであり、しかもそれらは、使いづらいデスクトップソフトウェアが多い。

でも、Dylanがインタビューを断り、まだ話す段階ではないと言っているのを見ると、Figmaはもっと違うものになるのかもしれない。しかし昨年の8月にToday Showに出演したときには、こんなことを言っていた:

“つまりぼくがやりたいのは、誰もが自分をネット上でクリエイティブに表現できるようになることだ。誰もが、自分の中に一人のアーチストを抱えている。しかしスキルのレベルが低くて誰も相手にしないから、そのアーチストはなかなか芽が出ない。でもその落差は、テクノロジの力で小さくなると思う。今実際に作っているのは、ブラウザの中で写真編集ができるツールだ。”

今のFigmaがもしもそれなら、PixlrGoogle+の写真エディタなど、強敵が多い。でも手元に新株発行による380万ドルがあれば、大人たちをビックリさせるものを彼なら作れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))