Slackがロシア国内のアカウント停止措置を開始、親会社Salesforceの対応に追従

Slackがロシア国内のアカウント停止措置を開始、親会社Salesforceの対応に追従

Oscar Wong via Getty Images

業務用コミュニケーションツールのSlackが、ロシア国内のアカウントを停止する措置を開始しました。Slackの親会社であるSalesforceはすでにロシアからの撤退を表明しており、これに準じた対応と考えられます。

ニュースサイトAxiosによると、Slackのアカウント停止は主に米国からの制裁対象になった会社や組織を対象に予告なく行われており、一切のデータのダウンロードやバックアップの機会も与えられなかったとのこと。

Slackは数多くの企業に浸透しており、社内におけるコミュニケーションやファイルのやりとりなど、利用する企業にとって重要なデータを多く取り込んでいます。そのためバックアップ手段を講じていない状態で突然利用できなくなった場合、業務への影響は非常に大きなものとなりそうです。

SlackはAxiosに対し「われわれは、事業を展開する他の国々における米国の制裁規制を遵守することを法律で義務付けられており、状況によっては事前通知なしにアカウントを即時停止するなどの行動を起こすことが求められている」と述べました。そして「法律で許可されている場合には、これらのアクションの影響を受ける顧客と連絡を取っている」とコメントしています。

なお、Slackとしては遮断した企業のアカウントのデータを削除はしていないものの、制裁によって遮断された組織はそれが解除復旧されるまではデータにアクセスすることもできません。

ちなみにSalesforceは、撤退は先週から開始しているものの、ロシア国内の顧客はごく少数であり「ロシアには重要な事業はない」と述べています

(Source:AxiosEngadget日本版より転載)

【コラム】注意、会社はあなたを見張っている

新しい1年の始まりに、みんなに役立つことを教えよう。

ITが十分に確立されておらず、会社の構築とともに方針が急速に進化しているスタートアップで働く場合、雇用主が迅速に動いて物事を実行し、後から許可を取ろうとしてしまうリスクが普段よりも高くなる。これはほぼ直感的に理解できるだろう。通常、創業初期のスタートアップは落ち着きなく、猛烈なスピードで動いているものだ。これは合法か?もちろんそうではないが、スタートアップ業界には、会社が成功しなければ許可など無意味なことだという考えも多く存在するようだ。また、会社が一流の急成長企業のスピードで成長しているなら、十分な資金があり弁護士もいるので、後で解決することもできるだろう。

この記事は、スタートアップの従業員数人(みんなが知っているであろう企業だが、名前を明かさないことを希望した)との会話がきっかけで生まれた。会社名を特定するのに十分な裏付け情報を得ることはできなかった(がんばって聞き出すので、ご心配なく)。ここでは、やる気満々で2022年を迎えたみなさんに、いくつか毎年恒例のお知らせを。

会社でのSlack(スラック)では、話の内容に気をつけよう。DMはプライベートなものだと思っているかもしれないが、企業の管理者がSlackインスタンスで送信されたすべてのDMをエクスポートできることをご存じだろうか?もちろん、データのエクスポートについては法律があるが、DMで違法なことや非道徳的なことを話すと、上司がDMのコピーを見せてそれについて説明する羽目になるだろう。過ちを重ねても意味がない。疑った仕事熱心なIT部長が細かく調べることを決めると、雇用主を訴える場合もあるかもしれない。しかし個人的なトークは個人的なチャンネルに、仕事のトークは仕事のチャンネルと区別すれば簡単に避けられる。もちろん、あなたのテキストはプライベートにできかもしれないが、少なくともそれらにアクセスすることは難しくなる。そして、特にこだわりがあるなら、メッセージが一定時間を過ぎると消えるSignal(シグナル)Telegram(テレグラム)もある。

上司は会社の機器を監視することができる。契約書には、会社が提供する備品の使用や使用不可について条項があることが多い。その一部は明確だが(「違法なことをしてはならない」)、一部はもっと曖昧だ。それは仕方がない。契約書をよく読むこと。あなたの会社が、あなたがコンピュータ上で何をしているか監視することが許可されると謳っているかもしれない。法に認められているようには思えないが、多くの労働契約に遠回しに記載されている。AIツールがますます強力になり、追跡されても全然構わないという契約書に署名する世界では、ソフトウェアを作成する多数の企業(AktivTrakActiveOpsVeratio他多数)があなたを監視し、雇用主はこれらをあなたのコンピュータにインストールしてさまざまなレベルのステルス行為を行い、あなたの許可を得ることができる。

AktivTrakは9000を超える組織で使用されており、そのツールは「いつ、誰により、何がやりとりされたかについて理解を深め、同時にコンプライアンスの確保を助けるための知見を提供するための、ユーザーアクティビティおよびセキュリティイベント詳細ログの参照」のために使用できると主張している。みなさんはどうだか知らないが、私はもう安全に感じている(スクリーンショット:AktivTrak website)

人事部はあなたの味方ではない。あなたの会社の人事部門はフレンドリーで、よく手を貸してくれて、親切かもしれない。全力で職場の問題解決を手伝ってくれるかもしれない。しかし彼らはあなたの味方ではない。人事部は会社のために働いているのだ。会社の利益を守るためにそこにいる。あなたの利益と会社の利益が対立すれば、人事部門で働く人は、いくらフレンドリーでも、生活費を稼ぐ必要があるし、あなたが辞めた後、解雇された後、異動した後も彼らの上司と良好な労働関係を維持する必要がある。James Altucher(ジェームズ・オルタッハー)氏が自身のコラム「いずれ、あなたは解雇される」で指摘している通り。

会社への忠誠の義務はない。特に米国では、多くが「随意」雇用であり、すなわちいつでも、いかなる理由でも一時解雇される可能性があり、会社が機会を与える限り雇用されたままになり、最終収益に貢献する。特にスタートアップでは、これは変わりやすい分野である。なぜなら目的と目標は取締役会ごとに代わる可能性があるからだ。ある月は、エンジニアリング部門は会社にとって最も必要不可欠な存在である。しかし銀行口座の金額と資金調達環境はすぐに変わり、翌月にはすべてが変わってしまう可能性がある。特に状況が困難になると、指導的立場にある人にとってKPIを基に運営し、成長と顧客獲得のみに焦点を置くことが魅力的になるかもしれない。その場合、エンジニアリングは短期的にみると重要性が低く、突然広告費と販売活動が最優先事項になる。しっかりした長期的ビジョンを持った偉大なるリーダーたちが急な変化を起こさざるを得なくなる可能性がある。プロの世界の忠誠心は、雇用主のみに恩恵を与える神話である。あなたをやめさせる必要があればそうする。リクルーターが声をかけてきたら、電話をとってその市場でのあなたの値段を確認しよう。

辞めてはならない。マネージャーや人事部門の誰かが経験則であなたに自らの意思でやめさせようとしても、抵抗するのが最善策だ。やめてはいけない!多くのメカニズムが(一部の州では、失業手当を含めて)、あなたが一時解雇された場合にのみ適用される。もし辞めたら、特に会社を訴えないと約束した合意書に同意した場合は、将来的に選択肢を大きく弱めることになる。

人事部はあなたのSlack DMメッセージまたはEメールを、あなたに対して使用しただろうか?現在私は数社のスタートアップの多数の従業員とお話ししている。みなさんのご意見もお聞かせいただきたい。お問い合わせ先:tc@kamps.org

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Dragonfly)

Slackのワークスペースに閉じ込められるという悪夢。書評「Several People Are Typing」

10月、Calvin Kasulke(カルビン・カスルケ)のデビュー小説「Several People Are Typing(……が入力しています)」で、私たちは新たな恐怖を感じる。もし自分が職場のSlackのワークスペースに閉じ込められ、Slackbotが自分の身体を乗っ取ってしまったら?カスルケ氏は「資本主義は悪であり、身体は牢獄である。しかし、身体を持たないことは身体を持つことよりももっと悪い」という。

「Several People Are Typing」は、すべてがSlackのメッセージのスタイルで記述されている。作者は、PR会社に勤務する登場人物1人ひとりのタイピングの特徴を記したスタイルガイドまで作成して、登場人物を実在する人間のように描いている。彼らはSlackのワークスペースの中で、ドッグフードのプロモーションの問題、社内恋愛、ジェラルドが「在宅勤務」をしている間に彼の窓際のデスクを誰が使うかという争いなどを話し合う。もはや自分の身体をコントロールできない(身体を持っていない)ジェラルドはオフィスに通勤することはできないが、上司は、ジェラルドがかつてないほど生産性を上げているので気に留めていない(文字どおりSlackの中に閉じ込められているのに、仕事以外に何ができるというのだ?)。ジェラルドが仕事から離れられるのは、Slackbotによってジェラルドとsunset.gifが一体化したときだけだ。Slackユーザーがgifファイルをアップロードするたびに、ジェラルドは彼らのワークスペースに移動する。sunset.gifと一体化しているのも大変そうだ。

TechCrunchの取材に対し、Slackはコメントを拒否したが、カスルケ氏はSlackはこの本を気に入っているはずだと考えている。というのも、この本の出版社であるDoubleday Booksは、(出版を受けて)Slackを使ったプレゼント企画を実施したからだ。しかしながら、この小説はSlack自体ではなく、私たちのワークスタイルを表現している。

The Atlanticは最近の記事で、Slackを「史上初めて、ユーザーに『自分はカッコいい』と思わせることに成功した企業向けのソフトウェア」と評した。カスルケ氏は、Slackスタイルの本というのはギミック(しかけ)であることを認めるだろうが、実際よくできたギミックである。Good Morning America’s Book of the Month(グッドモーニング・アメリカの「今月の1冊」)に選ばれたということは「肉体を得たばかりのSlackbotがミートボールサンドを早食いして、身体を持って生きることが期待したほど良いものではない、ということを身をもって知る」という問題作を、想像以上に多くの人が読んでいるということだ。しかし、カスルケ氏曰く「人間は自分が思っている以上に奇妙な存在」であり、この小説が、日によっては文章よりもチャットを見ることが多いという人々の心に響くのも不思議ではない。

Slackのメッセージ形式で綴られるこの本を参考に、TechCrunchはカスルケ氏にテキストでインタビューを行った。是非楽しんで欲しい。

amanda at 3:08 PM

Slackを使った背景や、Slackのメッセージだけで本を書こうと思った経緯を教えてもらえる?

calvin at 3:08 PM

この本を書いていた頃、僕はコンサルティング会社で仕事をしてた。Slackはしょっちゅう使ってたよ

毎日大量のSlackを書いてた。仕事に関することの他にも、Knicks(訳注:ニックス、バスケットボールのチーム)がプレーオフに進出すると思うか?とか同僚にDMしたりしてたよ

僕は脚本を書いていたこともあるけど、業務用のスラックとは長くてエンドレスな芝居のようなものだ

amanda at 3:10 PM

そうね、この本のおもしろいところはSlackで書かれるような会話しか書けないというところかしら。でもSlackではなんでも起こりうるから、私は本の登場人物がSlackでNSFW(訳注:Not Safe For Work、職場では閲覧注意)なことをチャットしていても驚かなかったわ。マーケティング会社のSlackでは当然のことでしょ?

理論上は上司はSlackのDMをチェックできるって知っているけど、みんな上司に見られたくないことをSlackでDMしてるわ

calvin at 3:11 PM

その通り!仕事の話ばかりしてると思うなんて合理的じゃないよ

業務用のSlackなんて、仕事上のコミュニケーションでは仕事内容しか書いちゃいけないっていう考え方に屈しているようなものだ

楽しみながら仕事をしちゃいけないっていうのかな?

みんなが見れるチャットとプライベートなDMには大きな違いがあって

こういった違いを書き分けるのは楽しかった

公の場で仕事をしている自分、グループDMで仕事中の自分、1対1のDMでの本来の自分は全部違うんだ

仕事では猫かぶってるけど

時々素が出るけど

amanda at 3:13 PM

Slackの言語学ってとってもおもしろいわよね。個人個人のタイピングの癖とか、相手によってどんな風に変わるかとか

(このインタビューもチャット形式で行うことで、これを実証している。)

calvin at 3:16 PM

笑。スタイルガイドも作った

誰がどういう風にタイピングするかっていうスタイルガイド

amanda at 3:17 PM

スタイルガイドはとっても良かったと思うの。だって、チャットだけで誰が書いているのかわからなければ、この本は成功しなかったじゃない?

でも、IRL(訳注:in real life、現実世界、現実では)ではチャットだけでどんな人かを判断しなきゃいけないことも多いと思うの

calvin at 3:18 PM

この本は全体がチャットで構成されていてそれぞれ書き分ける必要があったんだ。だから全員分ルールを作ったんだけど、普通人ってそんなに一貫性がないから、ルール通りにチャットしないこともしょっちゅうだし句読点を工夫した方が効果があることもあるんだよ

そうそう今ではオンラインでしかあったことのない仕事仲間がいっぱいいるよ、ヒュー!

amanda at 3:19 PM

この本は「ギミックみたい」って思われがちだと思うけど、びっくりするぐらい実生活に当てはまるわよね

びっくりといえば

この本って……その……ホラーなの?

悪役のSlackボットってどうやって思いついたの?

calvin at 3:20 PM

それがギミックだよ!ギミックって楽しいだろ?それと、本が単なるギミックで終わらないように、プロットや感情、思考、考察などの肉付けのりょほうを頑張ってみた

ごめん、両方だ

ちょっとわかりにくいかな?

Slackボットね

どうやったらジェラルドがSlackに閉じ込められているっていう状況を盛り上げられるかって考えて、現実世界の身体の運命を使えばプロットを強調できると思ったんだ

Slackのチャットのスタイルは保ったままで、読みやすく

amanda at 3:22 PM

Slackボットは食べることが好きなのね?

calvin at 3:23 PM

ボットは生身の身体で物理的な世界を楽しんでいる。ジェラルドが四六時中書いていたのと同じように

amanda at 3:23 PM

個人的にはあまりSlackボットを使ってなかったけど、もう絶対にボットは使えないわ

calvin at 3:23 PM

そうかい?Slackボットの動機ははっきりしてるよ。倫理観は持ってないから、文字どおり非道徳的なんだけど

まあそうだね

amanda at 3:24 PM

ある日突然自分がロボットだと気づいたら……パニックになるわよねえ

脱出してミートボールサンドイッチを食べようとするかも

Slackボットみたいに(ネタバレ注意)

他にもいろいろやってるけど

calvin at 3:24 PM

生身の身体があったらミートボールサンドイッチは絶対食べたい

煩わしいこの世で生きていたい理由トップ5だね

amanda at 3:25 PM

何が問題かっていうと、あなたが以前言ってたように「常時オンラインでなければならないと感じるような仕事では、いずれにしてもスラックから抜け出せなくなる可能性がある」ってことだと思うの

ジェラルドが「ほんとにSlackから出られなくなったんだよ!」と言い始めたのに、誰も彼を助けてくれないっていう話があるわね

みんな「ヘンなの」と思ってるだけで、上司はジェラルドの生産性が上がってるから気にもしていない(ジェラルドはSlackから逃げられないんだから、当然ね)

calvin at 3:27 PM

A.あまりに荒唐無稽。B. 現実だとしても魔法使いでもないただの人間になにができるか、ってことかな

自分だって会議に出たりメールを出したりメモを作ったりしなきゃいけない。自分はゴーストバスターでも魔法使いでもない。現実だとしてもジェラルドを助けることはできないだろうね、本当のことだとは信じてないんだから

もしジェラルドを信じるとしたら……自分にとっていろいろな意味でまずいことになるんじゃない?

amanda at 3:29 PM

Slackの人にどう思うか聞いてみた?

calvin at 3:30 PM

DoubledayとSlackは一緒にプレゼント企画をしてたよ

amanda at 3:30 PM

あら、すてき

calvin at 3:30 PM

オフレコで連絡をもらったことはあるけど

みんな超喜んでるって誰かが言ってた

プレゼント企画ってことは、本が欲しい人もいるんだよね(笑)

本を読んでSlackボットが怖くなったら知らないけど

amanda at 3:31 PM

Slackが悪いって言ってるんじゃなくて「資本主義とワークライフバランスの欠如が悪い」って言いたいんじゃないの?

calvin at 3:31 PM

資本主義は悪だし、身体は牢獄。でも身体を持たないことは身体を持つことよりももっと悪い

amanda at 3:31 PM

悪い労働条件はSlackやGmailが原因なの?

悪い上司がいけないんじゃないの?

よくわかんない!

calvin at 3:32 PM

Slackのことは非難してないよ、おもしろいプラットフォームだし

amanda at 3:32 PM

Slackの方がGmailより良いわよね。Slackだとこんな風にチャットできるけどGmailだったら絵文字も使えないしきっちり書かなきゃいけないし

calvin at 3:33 PM

労働条件は上司の要求と労働者の我慢によって決まるんだ

それから、この2つに影響を及ぼす経済や労働環境みたいなやつ

amanda at 3:35 PM

もう1つ聞きたいんだけど

GMAの今月の1冊ですって???

もう先月だけど

なにがどうなってるのか気になるわ

本当に良くておもしろくて、考えさせられる本だから超クールだと思うんだけど……ヘンじゃない!?

GMAを読んでる人って私が思っているよりヘンなのかしら……

calvin at 3:38 PM

そう、9月だね!

僕が一番驚いたよ!

amanda at 3:39 PM

ヘンだとは思うけど、私たちの現実の生活に一番近いのかも

calvin at 3:40 PM

僕はこの本に自信を持ってるから、お世辞じゃないと良いなって思ってる

GMAのブッククラブに選ばれたり、ニューヨーカーにレビューが掲載されたり、反響が大きくて本当にびっくりだよ

amanda at 3:41 PM

驚くのも当然だわ、いえ、本当に良い本だとは思うけど……一般的な本とはちょっと違うわよね

calvin at 3:41 PM

人って自分が思っているよりもヘンなんだろ?きっと。それにみんなテキストやチャットやグループDMなんかには慣れっこだし

amanda at 3:41 PM

人は自分が思っているよりもヘン、って良いわね

calvin at 3:42 PM

だからちょっとぐらいヘンな本でも読者はOKなのかも

amanda at 3:42 PM

この本が普通の本と同じように書かれていたら、こんなに刺激的でおもしろいものにはならなかったでしょうね

calvin at 3:42 PM

読み方を学習しながら読めるようにしたんだ

ヘンなことをするときにはルールが必要だから

もうみんなオンラインに慣れてるから、Slackを使ってなくても読めるでしょ

amanda at 3:45 PM

この本で気に入っているのは、ワークライフバランスや自分の生活におけるテクノロジーの役割などにとてもまじめに考えさせられることと、もしSlackボットがミートボールサンドイッチを食べていたらどうしよう、という気持ちにさせてくれるところね

この本を書いたことで、Slackやインターネット、仕事との向き合い方は何か変わった?

calvin at 3:46 PM

笑。今はSlackは積極的には使ってない

通知が鳴らない方が仕事がはかどるっていうのと、自分がチャットの内容を収集してるって思われたくないから

amanda at 3:47 PM

とっても特殊な問題ね

私も、元上司だった友だちが妊娠したって教えてくれたんだけど、ツイートしないでって言われたわ。そのときはまだ妊娠を公表してなかったのよ、それに似てるわ

calvin at 3:47 PM

とてもよくある話だね

ツイートしないでとか、私が写ってる写真を投稿しないでとか、チャットの内容をシェアしないでとか

モラルを身につける前にやってしまいがちだけど

おもしろいメールのやり取りを投稿するときは相手の許可を得るとか、最低でも一般的なモラルは必要だね

amanda at 3:50 PM

フェイスブックが仮想空間でアバターをミーティングに参加させようとしていることについて考えたことはある?

calvin at 3:52 PM

もちろん!そんな形のVRを望んでいる人はいないと思うけど

直接会えない時はチャットするっていう方がまだ主流

amanda at 3:53 PM

テクノロジーをここまで生活に取り入れたいっていう境界線はあるのかしら?あるとしたらどこに?

calvin at 3:53 PM

直接会いたくない人には仮想空間でも会わない方が良いと思う。ゼロスーツ(訳注:ゲーム「メトロイドシリーズ」に登場するサムスの専用インナースーツ。パワードスーツを装着していない能力低下状態)のとき会いたくない人には特に

さて、きちんとした文章に戻って、タイムスタンプなしで書いてみよう(念のため、今は10月18日月曜日11時55分だ)。ここまでの会話についてくることのできた人なら「Several People Are Typing」も問題なく読めるはずだ。オーディオブックでも、Slackのチャットを複数のキャストが読み上げているので、自然に楽しむことができるだろう。この本は、現代のワークスタイルを批判しているが、それほど誇張されたものではない。確かに、複数の企業の専門家たちが頭を突き合わせて、ドッグフードブランドが誤って犬に毒を盛ってしまうという悪夢のようなPR(パブリック・リレーションズ、企業と企業を取り巻くパブリックとの有益な関係を築くための戦略的コミュニケーションプロセス)をどのように展開させるかを考える、というアイデアはかなり馬鹿げているが、実際現実で起こっていることだ。だからこそ、私たちは「Steak-umms」のような公式アカウントに、ソーシャルメディアのアテンションエコノミー(関心や注目の度合いが経済的価値を持つという概念)に関する優れたインサイトを見い出している。

ギミックに関していえば、2004年に出版された、テキストスピーク(メール略語)を多用したテキストメッセージ形式のヤングアダルト小説「ttyl(talk to you later、また後で)」は少しやり過ぎだったように思う。しかし、不条理は、それが現実かもしれないと感じられるときに最も効果的であり、それがこの本の成功につながっている。(この本の)摩訶不思議なシナリオは馴染みにくいかもしれないが、Slackのメッセージほど崇高な日常を感じさせてくれるコミュニケーション手段は他にはない。

画像クレジット:NOAA / Unsplash

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

5万ユーザー超の日程調整自動化ツールTimeRexがSlackと連携開始、打ち合わせ相手の調整完了やキャンセルを通知

5万ユーザー超の日程調整自動化ツールTimeRexがSlackと連携開始、打ち合わせ相手の調整完了やキャンセルを通知

ミクステンドは12月9日、5万ユーザー超(2021年10月現在)の日程調整自動化ツール「TimeRex」(タイムレックス)と、コミュニケーションツール「Slack」(スラック)との連携開始を発表した。今回の連携により日程調整結果をSlackに通知できるようになり、予定についてのコミュニケーションをSlack上でシームレスに展開可能となった。同機能は、TimeRexの全プランで利用可能。またSlack側アカウントについても、無料プランからTimeRexと連携できる。

TimeRexは、GoogleカレンダーやOutlook予定表とリアルタイムに連携し、日程候補のリストアップから予定登録まで、面倒な日程調整タスクを自動化するサービス。ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetとも連携可能だ。

今回のSlack連携機能は、打ち合わせ相手がTimeRexで日程調整を完了した時やキャンセルした時の通知に関して、Slackの任意のチャンネルで受け取れるというもの。Slackメッセージ上には予定の日時やカレンダー名、参加者が表示されるほか、予定に関するすべての情報を確認できる予定詳細ページのURLも記載される。連携方法の詳細は、「TimeRexサポート」内の「Slack連携」で紹介されている。

TimeRexでは、日程調整後の業務効率化ニーズに応える機能として、日程調整結果をチームのメーリングリストなどに送信できる機能を提供している。ただSlack利用企業の場合、予定詳細を改めてSlackで共有する手間や、通知メールがメールボックスに埋もれてしまい共有が漏れてしまう課題があったという。

そこで、チームでの円滑な情報共有を実現するため日程調整結果をSlackに通知するSlack連携機能をリリースした。この連携によりSlackでの情報共有が自動化され、予定についてのコミュニケーションをSlack上でシームレスに展開可能になった。

ハイブリッドチームがSlackで各々のオフィスタイムを調整可能に、Officelyが2.3億円を調達

会社が在宅 / 通勤のハイブリッドに移行するんだって?いい話だね!たとえ管理上の決定や、あなたの役割の特殊性によって、毎日は不可能だったとしても、在宅勤務はより主流になっている。

では、誰がいつオフィスに行くかをどのように調整すればよいだろう?毎週同じ日である必要があるだろうか?ランダムに日を選んで、机が使えることを期待するだろうか?もしその日に行ったのがあなただけだったらどうだろう?本当に通勤する必要はあったのだろうか?これらすべてをスプレッドシートで追跡すべきだろうか、それとも追跡するためだけにまったく別のツールが必要だろうか?

Officely(オフィスリー)は、多くのチームがすでに使用しているツールのSlackを介して、それらをすべて上手く処理したいと考えている。彼らは成長を始めるために200万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドを行ったところだ。

Officelyの主な売りはデスクの予約機能だ。これにより、どのオフィスにあるデスクか、または多数のデスクがある場合は、オフィス内の「どの付近にあるか」でデスクをグルーピングすることができる。ある日に何人の人がオフィスに行くのか、使えるデスクがあるのかを確認し、もし使えるなら予約することができる。他にもいくつかのカスタマイズ項目がある。例えば誰かが犬をオフィスに連れてくる場合にフラグを立てる機能などだ。アレルギーのためにその日は家にいたい人や、私のようにオフィスに少なくとも1匹は犬がいるときに出社したい人のために役立つ。

画像クレジット: Officely

カスタマイズ可能な健康診断調査表を設定して、熱を持っていなかったり既知の接触履歴がないことを確認したり、出社予定の朝に調査表に記入するように自動的に通知することができる。もし誰かが病気になった場合には、Officelyは連絡先の追跡を支援して、同じ日にオフィスにいた従業員のリストを作成することもできる。

彼らはまた「Officeチャット」機能の実験も行っている。この機能は、1日の初めに新しいSlackルームを自動的に作成し、その日に出社が予定されているすべての人を招待し、1日の終わりにルームをアーカイブする。家にいる同僚を悩ませることなく、ランチプランを計画するのに最適だ。

Officelyのテストインスタンスを起動してみたが、非常に円滑に使うことができた。デフォルトからカスタマイズするためのUIは、少々目立たないように感じられるが、それは主にSlackアプリの範囲内で動作しているからだ。しかしその一方で彼らは私がSlackアプリでできるとは知らなかったすばらしいこともたくさんしてくれている。チームTCは現在、オフィスで多くの時間を費やしていないので、ストレステストを行うことはできなかったが、見た限りでは、この先多くの人たちがオフィスに戻ったときにも上手く機能できるだろう。

Officelyは現在、小規模チーム用は無料だ(10人までの従業員と1カ所のオフィスに限定)。より多くの従業員または複数のオフィスがある場合には、月額でオフィス従業員1人あたり2.50ドル(約280円)が請求される(「Officelyを使用してオフィスを予約する従業員に対してのみ請求します」と彼らはいう)。500人以上の従業員がいる場合には、カスタム料金プランが提供される。

ところで、なぜSlack内ですべてを構築するのだろうか。共同創業者のMax Shepherd-Cross(マックス・シェパード=クロス)氏は私に「デスク予約ツールの興味深い挑戦課題は、ソフトウェアを効果的に使用するには、社内の全員が同じソフトウェアを採用する必要があることです」と語る。だが新しいウェブアプリに参加するように全員を説得するのは困難だ。一方、Slackなら企業のチームあれこれがすでに集まっている。

Officelyはピボット(方向転換)を行った企業だ。同チームは2017年に、ホテルの部屋の予約という別の焦点でスタートした。「私たちは新型コロナに押しつぶされました。一夜にして、私たちはすべての顧客を失ったのです」とシェパード=クロス氏は語る。「数週間眠れない夜を過ごしたあと、私たちはこれからのオフィスがこれまでのホテルのように運営されることに気づきました。【略】過去4年間ホテル用に構築していた予約インフラストラクチャ全体が、今ではオフィスに必要なのです」。

今回のラウンドはTEN13が主導し、エンジェル投資家のVu Tran(ブー・トラン。学習プラットフォームGo1の共同創業者)とAdam Schwab(アダム・シュワブ、travel co. Luxury EscapesのCEO)が参加した。

画像クレジット:Officely

原文へ

(文: Greg Kumparak、翻訳:sako)

Slackがワークフロー構築を容易にする開発者向けのビルディングブロック機能を発表

Slackは、Slack内でアプリケーションを動かして面倒な切り替えを減らすことで、常にコミュニケーションツールとして差別化してきた。米国時間11月16日のSlackのFrontiersカンファレンスでは、新しいビルディングブロックによるアプリ統合の進化が発表される。ビルディングブロックとは開発者が構築するパッケージ化されたワークフローのコンポーネントで、ビルディングブロックをつなぎ合わせて使うことができる。

Slackのプロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデントであるSteve Wood(スティーブ・ウッド)氏は、再利用可能なビルディングブロックを提供しようとしたため、新しいアプローチではプラットフォーム全体を再設計する必要があったと語る。これまで開発者はSlack内のアプリを作ることができ、それは開発者の意図の通りに動作した。新しいビルディングブロックはユーザー側がコントロールできるため、プラットフォーム全体がもっと利用しやすく、カスタマイズ可能になるはずだ。

ウッド氏は「この新しい世界で、我々はまさに(プラットフォームを)リミックス可能なものとして前進させていきます。ユーザーがアプリをインストールするとビルディングブロックを利用できるようになり、ビルディングブロック同士をつないで、チャンネル内でビルディングブロックがお互いにやりとりできるようになります。ビルディングブロックをつなげば、やりたいことのために必要なワークフローを構築できます」と説明した。

画像クレジット:Slack

同氏は、業務に必要なアプリがどんどん増えていくことを背景にこのアプローチが生まれたとし、今後はSlackのワークフローの中でアプリをつなぎ合わせて目的のタスクを選択できるようになると述べた。ユーザーがSlack内で、あるいはSlack以外のアプリを切り替えを余儀なくされるのではなく、ソフトウェアがユーザーに代わって仕事をする。

ウッド氏は、Slack内で障害に関するZendeskのヘルプデスクチケットが発行される例を挙げている。自動化された緊急対応ワークフローが動き出して、PagerDutyのアラートが発せられ、重要人物を集めたZoomミーティングが自動で始まり、Boxから緊急対応チェックリストが引き出され、インシデントに関する記録を取るためにGoogleドキュメントで書類が開く。

ツール自体は開発者がファンクションとトリガーを構築するためのインターフェイスで、開発者はSlackの新しいコマンドラインインターフェイスで開発ができる。トリガーによってワークフローを動かすファンクションが開始される。構築したものは単独のアプリとしてもビルディングブロックとしても保存でき、開発者は複数のビルディングブロックをつなぎ合わせることもできる。

CCS Insightのアナリストでワークフローのトランスフォーメーションを担当するAngela Ashenden(アンジェラ・アシェンデン)氏は、Workflow BuilderツールとともにSlackの統合機能をすでに使っている企業にとってこのアップデートは好ましいはずだという。

アシェンデン氏は次のように説明する。「この新機能はアプリとワークフローを作成するプロセスの高速化を目指しています。プロセスのさまざまなパーツ間のギャップを埋め、テック系か非テック系かにかかわらず誰もがこれまでよりも簡単にワークフローを構築し、日々のワークフローを共有して利用できるようになるでしょう。目的は従業員がワークフローをアドホックで、あるいは個人のプロセスで利用できるようにすることであり、チームのプロセスももっと明確にすることです」。

IDCのアナリストでソーシャルやコラボレーション分野を調査するWayne Kurtzman(ウェイン・カーツマン)氏は、ビルディングブロックのコンセプトは必ずしも目新しくはないものの、これによりSlackは組織内でワークフローを動かし、単なるコミュニケーションを超える場としてさらに幅広くアピールするだろうと述べた。

カーツマン氏は「Slackにはこれまでにも(統合の)機能があり、ブロックのおもちゃのように簡単に作れることを狙っていました。使いやすくて再利用でき、またユーザーがオートメーションへの理解を深めていくことで、この機能はさらに幅広く使われるだろうと私は予想しています」と語った。

ウッド氏は、数日中にプライベートベータを公開するが、最終的にはビルディングブロックのライブラリやマーケットプレイスのような配布システムが公開されるだろうと述べた。これはまだ検討段階だ。SlackのWorkflow Builderのアップデートも予定されており、これを使うと非テック系のエンドユーザーがあらかじめ用意されたビルディングブロックをつなげて、テンプレート化された便利なワークフローを作ることができる。

このツールは2022年中にリリースされる見込みだが、ビルディングブロックが説明通りに動作するのであれば、Slackはコミュニケーションの意味合いを弱め、ワークフローやプロセスオートメーションにシフトしていくのかもしれない。それは、Salesforceとより深く統合するために重要なことだろう。Salesforceは2020年末にSlackを270億ドル(約3兆円)以上で買収した

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

Slackでセールスと他部署のコラボを自動化するMomentumが約5.7億円調達

営業(セールス)という仕事は、いろいろなところからデータが入ってくるし関係者の数も多いため、混沌とした状態になりがちだ。2020年、Salesforceが270億ドル(約3兆845億円)でSalesforceがSlackを買収したのも、それが人やデータを整理してまとめる接着剤になると考えたからだ。アーリーステージのスタートアップMomentumは、そうした関係を利用して、営業と会社の他の部分とのコラボレーションを自動化するレイヤーを作りたいと考えている。。

同社は米国時間11月10日、Basis Set Venturesがリードするシードラウンドで500万ドル(約5億7000万円)を調達したことを発表した。これにはInovia CapitalやLeadout Capital、South Park Commons、そして業界のエンジェルたちが参加した。

MomentumのCEOで共同創業者のSantiago Suarez Ordoñez(サンティアゴ・スアレス・オルドニェス)氏によると、同社は当初、Slackを利用した商談室を作りたいと考えていたが、SalesforceがSlackを統合する最初の段階で作ってしまったため、また違う課題に取り組もうと決めた。

「おもしろく、しかもSalesforceにできることとは違うことをやるには、最初に考えた商談室とコラボレーションというアイデアにもっと固執してみるべきだ、と私は考えました。そしてだんだんわかってきたのは、コラボレーションと営業は奥が深いということです」とスアレス・オルドニェス氏は語る。

彼によると、企業のトップが認識しているのは、営業の人たちはSlackとSalesforce以外のものにも接続する必要があることです。たとえば彼らはGoogleカレンダーやAsanaやJiraなどのツールに接続して1つの場所からフォローアップを自動化したいと考えている。

「Momentumは当初の構想から変更して、上記のような一連の仕事を効率化するプラットフォームになりました。Jiraへ行ってセキュリティチームのためのチケットを提出するやり方を知るのではなく、Momentumへ行って手を挙げ、単純に『セキュリティレビューが必要なんだ』といえばいい。そしてMomentumは、行き先を見つけたり、チケットを作ったり、その営業のためのチケットの中にある商談に関するすべての状況を共有したり、営業は現時点では何もすることがない、といったこともコードにしている」とスアレス・オルドニェス氏はいう。

彼によると、商談室の機能はまだ存在しながらも、タスク駆動型の機能もある。計画では、このことをベースとしてSlackの中に同じく自動化されたワークフローの完全なプラットフォームを作る。例えば割引率の承認を得たり、営業のための支援を技術の部門に求めるといったワークフローだ。

同社は8月にシードラウンドを終えた後、14人目の従業員を迎えた。同社の創業メンバーはダイバーシティに富んでおり、COOのAshley Wilson(アシュリー・ウィルソン)氏はCEOであるスアレス・オルドニェス氏の妻、それにCTOのMoiz Virani(モイズ・ビラーニ)氏なども含め、同社はチームのダイバーシティに極力気を遣っている。

「ダイバーシティとインクルージョンについては、上からも指示されている。投資家のうち1社は、投資条件にそれを含めている。同社を投資家に迎えるためには、それに従わざるをえなかった」とスアレス・オルドニェス氏。まだ初期である現時点でも取締役会の半分は女性であり、またラウンドに参加した投資家のパートナー3名のうち2人は女性だ。

同社はパンデミック中の2020年にローンチした。「最高にクレージーなのは、そのときすでに社員は6名いたし、顧客もいました。数百万ドル(数億円)を調達していました。それで、本社はどこだったかというと、自分の家のキッチンテーブルだったんだ。ひどいもんだね」とスアレス・オルドニェス氏は回想している。

現在、同社は共有スペースも利用しているが、キッチンのテーブルのようにみんなが一緒にいる方が実感があると彼はいう。「半年前にはリモートもやったけど、みんなが一緒にいないと、どうも仕事の実感がないね」。

関連記事:セールスフォースへのデータ入力をシンプルにするScratchpadがシリーズAで13.7億円獲得

画像クレジット:Visual Generation/Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Tableauが自然言語で質問してSlack内でデータのクエリができる統合機能を発表

組織全体にわたって多くの人がデータをもっと利用しやすくすることを目指すTableauが、米国時間11月9日の#Data21カスタマーカンファレンスで、自然言語で質問するとSlack内でデータのクエリができる機能を発表する。これは、Slackとのこれまでの統合をさらに発展させるものだ。

最高製品責任者のFrancois Ajenstat(フランソワ・アジェンスタッド)氏は米国時間11月8日、カンファレンスに先立って開催されたプレス対象のイベントで、この新たな統合によりTableauのデータのフルパワーをSlackで利用し、さまざまな方法で共同作業ができると述べた。注目しているデータが変化したときにアラートを受信し、しかもアプリを切り替えることなくSlack内でデータを扱える。

同氏は「Slackがデータについて問い合わせをする場にもなるので、1つのインターフェイス上ですべてのコンテンツが見つかります。Slackを離れる必要はありません。Tableauのリポジトリ全体を検索できます。すべてのダッシュボード、すべてのデータソースをSlackで利用できるのです」と説明した。

重要なのはデータのクエリができることだ。同氏は「見たいものを見つけたらすぐに質問(の入力)を開始できます。この場合、Tableauの自然言語クエリインターフェイスである『Ask Data』を用いて、自然言語で質問します。本当に簡単で誰にとっても使いやすいものです」と述べた。

Amalgam InsightsのCEOでチーフアナリストのHyoun Park(パク・ヒョウン)氏は、実はこの統合は以前にTableauが発表したAsk DataやExplain Dataなどの機能をベースにしていると述べている。同氏は、こうした機能、特にクエリの機能によって、これまではデータを深く扱うことがなかった人々にもデータ分析の扉が開かれると考えている。

パク氏は筆者に対し「自然言語を使う分析ソリューションとSlackの統合にはThoughtSpotなどがありました。しかしSlackとTableauを簡単に連動し、自然言語で幅広い分析ツールを利用できる機能はこれまでで最大級のニュースで、データのスキルを身につけているわけではない多くの人々がTableauの分析結果を深く検討できるようになります」と語った。

同氏は、Tableauのこのようなアプローチはデータを広く活用できるようにするだけでなく、本質的にはSlackをTableauのコアプロダクトのユーザーインターフェイスにするものだと述べ、この機能はTableauでSalaeforceのAIエンジンを活用するためのEinstein Discovery for Tableauもベースになっていると指摘した。

TableauはEinsteinの機能について「仕事の流れの中で予測をするものです。ビジネスパーソンは重要度の高いデータに対してAI予測を実行し、主な要因を特定して次のアクションを提案するインテリジェントな予測を得ることができます」としている。

Salesforceは2019年に157億ドル(約1兆7700億円)でTableauを買収し、2020年末には270億ドル(約3兆480億円)でSlackを買収した。このような巨額な買収をしたとあってSalesforceが高価な買い物をうまく組み合わせようとするのは当然で、今回の発表はSalesforceプラットフォーム全体のさまざまなところでSlackをインターフェイスにしようとする取り組みの1つだ。

Salesforceは2021年8月にSalesforce製品ファミリーとSlackの初の統合を発表し、Slackは同年9月にさらに別の統合を発表していた。

画像クレジット:Tableau

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

リモートワーク時代にふさわしい「バーチャルオフィス」を提案するLoungeの新アプリ

Loungeと呼ばれるスタートアップが、リモートワーク時代にふさわしいオフィスとはなにかをもう一度考え直そうと試みている。社員同士がまだ一度も実際に会ったことがない状態で(今後、顔を合せる機会が訪れない可能性もある)企業が企業文化や社員同士の関係を築くにあたり、Slack、Zoom、Teamsといったツールでは不足している要素があるからだ。こうした従来のツールでは、ユーザーの身元はメッセージボードやプロフィールに、写真や短い経歴で記されるだけであったが、Loungeの場合は、その人物のタイムゾーン、天気、場所、所属チーム、会社のイベントへの参加状況など、さまざまな情報が伝えられるようになっている。また、Loungeは社員同士がお互いを知り、個人的に交流を深められるよう、ドロップインオーディオチャット、フォトシェアリングのようなツールも提供している。

Loungeのアイデアは、共同創設者であるCEOのAlex Kwon(アレックス・クウォン)氏とCTOのJason Jardim(ジェイソン・ジャーディム)氏が構想したものだ。両氏はかつてともにLife360で働いていた。2人は、パンデミックの最中、リモートで働きながら、家族向けのタスク管理アプリを開発していた。結局そのプロジェクトは廃止されてしまったが、2人はこの時期にリモートワークとその落とし穴について多くのことを学んだのだ。

クウォン氏はかつて一度もリモートで働いたことがなかったが、実際に経験してみると人とのふれあいの部分で物足りながあることに気がついたという。

「Zoom通話で1日に1回話したり、Slackで1時間遅れでチャットするというやり方を、私はとても寂しいと感じました」と彼は説明する。

そういったオンラインでの会話には、同僚と実際に向き合って交わす会話から得られるきらきらした火花のようなものが欠けていた。そうした火花が新しいアイディアにつながったりすることも少なくない。こうした対面での共同作業こそ、多くの企業がパンデミックの有無に関わらず、スタッフをオフィスに呼び戻したいと望んでいる理由の1つなのだ。

しかし、クウォン氏は、対面でのふれあいだけがチームに仲間意識をもたらし企業文化を育てる唯一の方法ではないと信じている。

「人々はインターネットが普及して以来、オンラインで関係を『育んで』きました。彼らはWorld of Warcraftの中でオンラインで人と出会ったり結婚したりしています。そして、私の友人の多くもパートナーとなる相手をデートアプリで見つけています。それもこれも、始まりはオンラインです」。

友情や愛がオンラインで生まれるなら、仕事がらみの仲間意識だって育むことができる、というのがクウォン氏の考えだ。

画像クレジット:Lounge

両氏は、より繋がりを感じられる方法の模索を始めた。インスピレーションが湧いた時いつでも会話できるよう24時間年中無休のZoom通話を試したりもしたが、それはあまりに圧迫感もあり、子どもが邪魔をすることもしばしばだった。常にオーディオをオンにしていることも、同様の問題があった。このため、最終的には、お互いのプライバシーを尊重しながら、タップするだけでオーディオチャットですばやくつながることのできるシンプルなアプリが開発された。

このアプリが彼らがリモートワークで感じていた問題を解決することができたことを受け、彼らはタスク管理アプリを開発するスタートアップのアイデアを捨て、かわりにLoungeに取り組むことになった。

Loungeでは社員はチームやプロジェクト、さらには趣味や興味ごとにグループ分けされたバーチャルデスクで表示されている。こうすることで、誰がどんな作業をしているのかが簡単にわかる。このバーチャルデスクは、役割的には会社の組織図に似ているが、よりパーソナライズされた情報を伝えることができる。例えば、画像にある小さな窓で夜なのか昼なのか示しタイムゾーンを伝えたり、さらには天気までわかるようになっているのだ。また、社員のプロフィール写真や他のデータも見ることができる。

画像クレジット:Lounge

社員自身の個々のデスクに加え、Loungeには複数の社員からなる「ルーム」コンセプトが導入されている。トピックやプロジェクトのみに焦点を当てているSlackチャンネルとは異なり、ルームはどんな目的にも対応できるようデザインされており、従来のオフィスが提供していた物理的空間のバーチャルバージョン的役割を果たす。例えば、ユーザーは対話集会や、ホワイトボードセッションが開催されているルームに参加したり、会社のカフェテリアのような公共スペースで同僚とバーチャルに交流することもできる。

ルームには鍵をかけることもできるし、それを解除することもできる。プロジェクトに没頭中なら、訪問者に応答する必要はない。ルームに鍵をかければよいのである。その場合、訪問者は、Slackでするのと同様、チャットにプライベートなダイレクトメッセージを残すことができる。しかし、ルームがオープンの場合は、クリックして音声で同僚とその場でやりとりすることができる。これは、誰かの机まで歩いていって「やあ、元気?」と声をかける行為のバーチャルバージョンである。相手はあなたが挨拶するのを聞き、ミュートを解除して音声で会話する。

クウォン氏は「これをZoomとSlackを合わせたようなものだと考えてください」という。

画像クレジット:Lounge

またLoungeは、写真をシェアする機能もある。これはクウォン氏が以前立ち上げたスタートアップ、Oneminuteで得た着想で、人々が撮ったさまざまな写真をシェアすることのできる機能だ。写真をシェアするとしばらくはその写真がバーチャルデスクやアプリ内の他の場所に表示される。これにより周囲の人々に個人的に関心を持っていることや、飼い犬や週末に楽しんでいる趣味など、プライベートな事柄を伝えることができる。これは Slackチャンネルにすでに備わった機能だが、Loungeではこれを一歩進め、これらの共有された写真が1本にまとめられる仕組みになっている。これを新入社員が見てチームメートとの会話のいとぐちを見つけるのに利用することも可能だ。

Loungeは4月以来一部の顧客に対し非公開ベータ版サービスを行ってきたが、ウェイティングリストには何百もの顧客が登録している。現在のところ、同社がターゲットにしているのは社員が20名以下の比較的規模の小さなチームである。

Loungeは、Unusual Ventures、Hustle Fund、Translink、Unpopular Venturesやその他のエンジェル投資家から120万ドル(約1億3000万円)の資金を調達している。

   画像クレジット:Lounge

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

Oculus QuestにSlackがやってくる

もうすぐ、VRヘッドセットを外さなくても、絶え間なく届くSlackのメッセージを読むことができるようになる。


Facebookの「Connect」カンファレンスで、同社は2DアプリをOculus Storeに導入するための新たなフレームワークを紹介し、ユーザーがスマホの通知を確認するためにVR空間から一時的に離れる必要がなくなるようにした。現在、多くのFacebook製アプリが提供されているが、まもなくSlackもOculus Storeに登場することを同社はあきらかにした。

これまで、Oculus Questには2D体験のサポートが非常に少なく、ほとんどがOculus Webブラウザに限られていました。また、Facebookは、Oculus Quest 2でMessengerのネイティブサポートを開始したが、本日、このプラットフォームに音声通話のサポートを導入することも発表している。

Facebookは8月に、Zoomと統合したミーティングシミュレーター「Horizon Workrooms」を公開し、ユーザーに生産性の高いVR体験を提供することを約束している。しかし、アプリがサポートされていないことが、この目標を達成するための大きな障害となっていた。

VRにおける文字入力の問題は解決されていない。そのためユーザーは、キーボードをヘッドセットとペアリングしたり、長文メッセージを大量に送信するというよりも、通知をチェックするといったものに最適な機能になるだろう。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

インシデント発生時にチームのコミュニケーションをより円滑にするIncident.io

Incident.ioは、Index VenturesとPoint Nineが主導して470万ドル(約5億2000万円)の資金を調達したと発表した。Incident.ioは、企業が障害やデータ侵害に直面した際に、問題について社内外に発信し、可能な限り迅速に解決するための適切なフレームワークを提供するスタートアップだ。

Index VenturesとPoint Nineに加えて、オンライン銀行Monzo(モンゾ)の創業者であるTom Blomfield(トム・ブロムフィールド)氏とJonas Templestein(ジョナス・テンプレスタイン)氏、Passion CapitalのEileen Burbidge(アイリーン・バービッジ)氏、Eventbriteの共同創業者であるRenaud Visage(ルノー・ヴィサージュ)氏など、複数のビジネスエンジェルが出資している他、GoCardlessのHiroki Takeuchi氏やLoomのVinay Hiremath(ヴィネイ・ヒレマス)氏など、一部の顧客も出資している。

Incident.ioは、Slackとの深い連携から始まる。多くのチームは、複数のツールを使い分けている。1つのサービスで障害を追跡しながら、それについてチームの他のメンバーとSlackで話し合う。これは非効率的であり、情報のばらつきにつながる。

Incident.ioでは、すべてがSlackで起こる。インシデントはSlackのチャンネルで発表され、何かが起こったときに人々は通知を受けることができる。「/incident」ショートカットを通して、一貫したフォーマットでインシデントを作成することができる。

その後、Incident.ioは自動的に特定の問題に関する別のチャンネルを現在の日付で作成する。ここでも、Slackのチャットボックスからサービスを利用したり、ボタンをクリックしたりすることができる。例えば、問題を誰かに割り当てたり、サマリーを追加したり、問題をエスカレートしたりできる。

そしてこれはSlackのチャンネルなので、人々はそのチャンネルで問題を議論できる。これにより、すべての情報を同じ場所で見られる。進行中のインシデントに人を追加すると、彼らにIncident.ioからサマリーが送られてくるので、不要な質問をする必要がない。

その情報はSlackだけに留まらない。クライアントは、インシデントの一覧が表示された独自のIncident.ioダッシュボードにアクセスできる。それぞれのインシデントには、参加者やイベントのタイムラインを含む独自のページが用意されている。例えば、GitHubのプルリクエストは自動的にこれらのタイムラインに追加される。

企業はこれらの情報を活用して事後報告の記事を作成し、チームや顧客と共有することができる。基本的に、Incident.ioを使用している企業は、より抜かりなく問題を処理し、その問題についてより透明性を高めている可能性が高い。これは、チームメンバーと顧客の両方にとって、より良い体験につながるはずだ。

画像クレジット:Incident.io

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

Slackがビデオツール「Clips」をリリースし、Salesforceとの16もの統合を発表

Slack(スラック)」は以前から、テキストベースのメッセージングのさらに先へ拡張することについて話してきていた。今週開催されているSalesforce(セールスフォース)のカスタマーカンファレンス「Dreamforce(ドリームフォース)」において、Slackは本日(米国時間9月21日)、人々が気軽に見ることができる短いビデオメッセージを送れる新機能「Clips(クリップス)」を発表した。

SlackのCEOであるStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は、「Clips」を、会議時間30分も必要としない同僚とのコミュニケーションの手段と考えている。その代わりに、短いビデオで近況を知らせることができる。「Clipsは、自分自身をスクリーン上に記録する方法です。多くの会議が、リアルタイムで一緒にいる必要はないはずです」と、昨日のDreamforceプレスイベントでバターフィールド氏は述べている。

バターフィールド氏は、「ビデオクリップは、情報を得るために実際に会議に参加しなくても、普段会議でシェアされていたような情報を得ることができるので、一層価値があります」と付け加えた。さらに、このビデオは、アーカイブのために活動の監査証跡を作成するという。

「出席していない人でも、最新情報を簡単に共有することができます。アーカイブに保存されているので、過去にさかのぼって質問の答えを探したり、意思決定に至った背景を辿ったりすることもできます」と述べている。注目すべきは、Slackがこのアイデアを最初に紹介したのは昨年10月で、昨年3月にアーリーカスタマーベータ版を発表したが、その時点ではまだ名前すらつけていなかったということだ。

有効に使うためには働き方を見直す必要があり、組織によってはそれが難しい場合もあると認めた上で、従業員がより少ないミーティングでより多くの仕事ができるようになるという価値提案が、最終的には人々や組織を動かし、いずれ働き方に取り入れられるようになると信じている。

Clipsは、今年初めにリリースされたHuddles(ハドル)というツールをベースにしている。Huddlesは、オーディオを介して、偶発的で気軽な会話を促すためのツールで、数分間だけ集まってその場で問題を解決し、仕事に戻ることができれば、一般的な会議の必要性を減らすことができる。バターフィールド氏は、Slackを立ち上げて以来、新しい機能の中でHuddlesが最も早く採用されたと語っている。

3月には、SignalFire(シグナルファイヤー)の投資家であるJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)氏(元TechCrunchの記者でもある)とのClubhouse(クラブハウス)インタビューの中で、バターフィールド氏は、同社がビジネス向けのClubhouseツールにも取り組んでいると述べた。しかし今週、そのようなツールを発表することはなかった。

同社はまた、Salesforceプラットフォーム全体にまたがる16の統合を発表した。この中には、今月初めに発表された営業に特化したディールルームや、スウォームと呼ばれるカスタマーサポートのインシデント対応のほか、Mulesoft(ミュールソフト)やTableau(テーブル)を含むSalesforce製品群の他のツールとの新たな接続や、銀行、ライフサイエンス、フィランソロピー(慈善活動)などの業界に特化した統合などが含まれているという。

忘れてしまった方のために触れておくと、Salesforceは昨年末、約280億ドル(約3兆600億円)の巨額取引でSlackを買収した。現在はCRM大企業の一員として、買収前のプラットフォームとプロダクトロードマップを継続しながら、Salesforceプラットフォーム全体の統合を構築している。

[原文へ]

Slackがビデオツール「Clips」をリリースし、Salesforceとの16もの統合を発表

Slack(スラック)」は以前から、テキストベースのメッセージングのさらに先へ拡張することについて話してきていた。今週開催されているSalesforce(セールスフォース)のカスタマーカンファレンス「Dreamforce(ドリームフォース)」において、Slackは本日(米国時間9月21日)、人々が気軽に見ることができる短いビデオメッセージを送れる新機能「Clips(クリップス)」を発表した。

SlackのCEOであるStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は、「Clips」を、会議時間30分も必要としない同僚とのコミュニケーションの手段と考えている。その代わりに、短いビデオで近況を知らせることができる。「Clipsは、自分自身をスクリーン上に記録する方法です。多くの会議が、リアルタイムで一緒にいる必要はないはずです」と、昨日のDreamforceプレスイベントでバターフィールド氏は述べている。

バターフィールド氏は、「ビデオクリップは、情報を得るために実際に会議に参加しなくても、普段会議でシェアされていたような情報を得ることができるので、一層価値があります」と付け加えた。さらに、このビデオは、アーカイブのために活動の監査証跡を作成するという。

「出席していない人でも、最新情報を簡単に共有することができます。アーカイブに保存されているので、過去にさかのぼって質問の答えを探したり、意思決定に至った背景を辿ったりすることもできます」と述べている。注目すべきは、Slackがこのアイデアを最初に紹介したのは昨年10月で、昨年3月にアーリーカスタマーベータ版を発表したが、その時点ではまだ名前すらつけていなかったということだ。

有効に使うためには働き方を見直す必要があり、組織によってはそれが難しい場合もあると認めた上で、従業員がより少ないミーティングでより多くの仕事ができるようになるという価値提案が、最終的には人々や組織を動かし、いずれ働き方に取り入れられるようになると信じている。

Clipsは、今年初めにリリースされたHuddles(ハドル)というツールをベースにしている。Huddlesは、オーディオを介して、偶発的で気軽な会話を促すためのツールで、数分間だけ集まってその場で問題を解決し、仕事に戻ることができれば、一般的な会議の必要性を減らすことができる。バターフィールド氏は、Slackを立ち上げて以来、新しい機能の中でHuddlesが最も早く採用されたと語っている。

3月には、SignalFire(シグナルファイヤー)の投資家であるJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)氏(元TechCrunchの記者でもある)とのClubhouse(クラブハウス)インタビューの中で、バターフィールド氏は、同社がビジネス向けのClubhouseツールにも取り組んでいると述べた。しかし今週、そのようなツールを発表することはなかった。

同社はまた、Salesforceプラットフォーム全体にまたがる16の統合を発表した。この中には、今月初めに発表された営業に特化したディールルームや、スウォームと呼ばれるカスタマーサポートのインシデント対応のほか、Mulesoft(ミュールソフト)やTableau(テーブル)を含むSalesforce製品群の他のツールとの新たな接続や、銀行、ライフサイエンス、フィランソロピー(慈善活動)などの業界に特化した統合などが含まれているという。

忘れてしまった方のために触れておくと、Salesforceは昨年末、約280億ドル(約3兆600億円)の巨額取引でSlackを買収した。現在はCRM大企業の一員として、買収前のプラットフォームとプロダクトロードマップを継続しながら、Salesforceプラットフォーム全体の統合を構築している。

[原文へ]

デジタル化、リモート化が進むビジネスオペレーションをモダナイズするRattle、就業時間短縮で好評

テクノロジー企業の従業員たちは、いつも消費者向けのすばらしいアプリを開発しているが、社内におけるお互いのコミュニケーションは、使いにくいアプリで困っていることが多い。

中規模から大規模ほどの企業では、社員たちは1日の時間の4分の1もしくは3分の1を社内コミュニケーションに費やしているため、これは深刻な問題だ。

現在、サンフランシスコに本社を置くあるスタートアップが、ビジネスサービスをより便利に利用できるソフトを構築しようとしている。

Rattleは、現代の記録管理や情報プラットフォームのサイロ化した性質を対応するために、リアルタイムで協力的な「接続性のある組織」を構築していると、同名スタートアップの共同創業者兼最高経営責任者Sahil Aggarwal(サヒール・アガーワル)氏は、TechCrunchのインタビューで語っています。

「Salesforceを例にとると、Salesforceにデータを書き込むことと、Salesforceからデータを取り出すことの2つを行っています」とアガーワル氏は説明する。「Rattleは、Salesforceからのすべてのインサイトをメッセージングプラットフォームに送信し、メッセージングサービス内のデータをSalesforceに書き戻すことを可能にします」。

画像クレジット:Rattle

 

Rattleのユースケースは、もっといろいろなサービスで可能だ。たとえば電話の通話を認識して個人にそれをログするよう促し、そこから生ずる商機をSlackで追えるようにするようにもできる。

「SlackとSalesforceの統合から初めましたが、その買収によってその真価は実証されました。それは企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を急速に進めるでしょう」とアガーワル氏はいう。彼がこのスタートアップを思いついたのは、以前の企業で社内チームのために作ったアプリケーションが大好評だったからだ。

関連記事:SalesforceがSlackを約2.9兆円で買収、買収前の企業評価額は2.6兆円強だった

3月にローンチしたそのスタートアップは、すでに試用した企業の70%ほどが正規ユーザーになっている。顧客は50社を超え、その中にはTerminusやOlive、Litmus、Imply、Parse.lyなどがある。

Rattleの導入後、「導入部分の応答時間(リードレスポンスタイム)が75%、主要なプロセスが数日から数分に短縮されました」とLogDNAのGTM Ops ManagerであるJeff Ronaldi(ジェフ・ロナウディ)氏はいう。

Rattleは米国時間8月31日に、LightspeedとSequoia Capital Indiaからの280万ドル(約3億1000万円)のシードラウンドを発表した。Ciscoの執行副社長でDisneyの取締役Amy Chang(エイミー・チャン)氏と、Outreachの初期の投資家Ellen Levy(エレン・レヴィ)氏、Brex & Cartaの初期の投資家Jake Seid(ジェイク・セイド)氏、ユニコーンのSaaSであるChargebeeの創業者Krish & Raman(クリシュ&ラマン)氏らが参加している。

LightspeedのパートナーであるHemant Mohapatra(ヘマント・モハパトラ)氏は声明で次のように述べている。「世界中の企業は、営業、マーケティング、人事、ITなど、さまざまなプロセスに縛られています。デジタル化やリモートワークの増加にともない、プロセスやその遵守状況は時間の経過とともに乖離していきます。Rattleのチームが、このパズルの最も重要なピースである、プロセスに巻き込まれた人々に絶え間なくフォーカスしていることに感銘を受けました。これほどまでに顧客から愛されている企業は稀であり、Rattleと一緒にこの旅に出られることを光栄に思います」。

同社のサービスの利用料金は、社員1人あたり月額20ドル(約2200円)から30ドル(約3300円)となる。同社は今回の資金をプロダクトの拡張と、より多くのエンタープライズアプリケーションの統合に当てる計画だ。

画像クレジット:Rattle

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Salesforceが約3兆円で買収したSlackとの初の統合を発表

2020年12月にSalesforceSlackを277億ドル(約3兆300億円)で買収したとき、Salesforceには大きな計画があるはずだと思わずにはいられなかった。米国時間8月17日、Salesforceは同社顧客の利便性を向上させる統合の第一歩を発表した。

SalesforceのSlack担当シニアバイスプレジデントであるRob Seaman(ロブ・シーマン)氏は、Slackは同社を前進させるコミュニケーションプラットフォームであると考えている。シーマン氏は「Slackを、Salesforceユーザーとそのコミュニケーション、業務、ワークフロー、プロセスとアプリにおけるメインのエンゲージメントの場にしたいと真剣に考えています」と語る。

同氏は「我々が今回発表するのは、セールス、サービス、マーケティング、分析に適したSlackのビジョンに対応する新しい機能です。こうした分野のために我々が取り組んでいるのは、この新しい世界においてセールス、サービス、マーケティングの組織をどのような形にできるか、どのような形にすべきかをベストプラクティスと体系化の両方に関して明確に示すことです」と述べた。

外部のエンタープライズアプリを統合できるSlackの優位性を活かすことで、連携してSalesforceのさまざまなタスクの高速化と自動化を図り、状況に応じて切り替えをしなくてもすばやく簡単に使えるようにすることを目指している。

手始めとして、Sales Cloudに専用のディールルームが設けられる。これは財務などの社内部門や製造チーム、外部パートナーなど、コンプレックスセールスに携わるあらゆる人がセールスサイクル全体を通してSlack内に集まり、販売活動全体の動きに関して常に最新情報を把握できる場だ。

シーマン氏は次のように説明する。「ディールルームは、SalesforceからSlack内で顧客やパートナーも含めて誰もがつながって効果的に業務ができる、とてもシンプルな方法を表したものと考えています。このような場面でSlack Connectは(外部パートナーを接続することができ)極めてパワフルです。結果としてセールスサイクルを劇的に短くできると思います」。Slack Connectは2020年に発表されたサービスで、これを利用するとSlackユーザーが社外の人とつながることができる。

統合すれば、複雑な取引に関わっているセールスチームのメンバーが日々最新情報を得ることができる。情報は自動でSlackに集められ、これには各人の日々のタスクリスト、ミーティング、取引の優先度などが含まれる。

サービスチームは、Salesforceがスウォーム(「群れ」の意)と呼ぶ部屋に集まり、具体的な質問や問題についてお互いに助け合うことができる。取扱製品が多い企業では、回答をすばやく得ることができて特に役に立つだろう。SalesforceのAIプラットフォームであるEinsteinで関連するコンテンツを推奨することはできるが、もっと具体的な質問があってそれに関する知識を持つ人がいるならスウォームが有用だろう。サービスチームのメンバーは、すばやく質問に答えたり問題を解決したりすることのできる専門家を検索してスウォームに招待することも可能だ。

マーケティング部門にも恩恵があり、Salesforceが2018年に買収したDatoramaを活用してインテリジェントなインサイトを得られる。マーケティングキャンペーンに変更があれば、マーケッターはSlack内で定期的に最新情報を把握できる。

そして、Salesforceが2019年に157億ドル(約1兆7200億円)で買収したTableauとの統合もある。こうして改めて見るとSalesforceは買収に貪欲な企業だ。マーケッターがキャンペーンの最新情報を把握するのと同様に、Tableauで重要と思われるデータがアップデートされるとすぐにSlackがアップデートされる他、重視している指標に関するその日のまとめもSlackで見ることができる。

シーマン氏は、今回の発表は第一歩でSlackとのさらなる統合は2021年9月に開催される顧客向けカンファレンスのDreamforceで、そして今後数カ月間で公表すると約束した。同氏は「これはほんの始まりで、今回発表したセールス、サービス、マーケティング、分析の4つの分野に関するSalesforceとSlackの統合は今後広がり続けます。そしてさらにSalesforceの(製品ファミリーである)あらゆるクラウドや業界向けソリューションも統合に取り組んでいます」と述べた。

関連記事
SalesforceがSlackを約2.9兆円で買収、買収前の企業評価額は2.6兆円強だった
Slackが企業間共有チャンネル作成機能「Connect」を発表、管理が面倒なゲストアカウント不要に
Salesforceがビジュアルデータ分析のTableauを1.7兆円で買収

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SalesforceSlack買収チャットツール

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

Slack内にSREのインシデント管理ソリューションを構築する「Rootly」

企業がその複雑なマイクロサービス方式のソフトウェアスタックの、インシデントに対応しようとすると、サイトリライアビリティエンジニア(SREs)が登場して問題を処理し、すべてがうまくいき、アプリケーションが立派に動くようにする。そして、新登場した初期段階のスタートアップRootlyは、Slackの中にインシデント対応ソリューションを作ってその処理を助ける。

米国時間7月8日、同社はステルスを脱して320万ドル(約3億5000万円)のシード投資を受け取った。そのラウンドはXYZ Venture Capitalがリードし、8VCとY Combinator、そして数名のテクノロジー企業の役員たちが個人で参加した。

Rootlyの共同創業者でCEOのQuentin Rousseau(クエンティン・ルソー)氏によると、同氏はSREを、Instacartで初めて経験した。彼が入った2015年は、同社の1日のオーダーが数百程度で、彼が去る2018年には数千になっていた。しかしそれだけスケールしてもアプリがダウンしないようにすることが、彼の仕事だった。

Instacartにいたときに、多くの人が問題に対応する際、一定のパターンがあることに気づいた。辞めてからの彼はサイドプロジェクトとして、インシデント応答処理をSlackの中でコントロールすることに取り組んだ。彼が見つけた共同創業者のJJ Tang(JJタン)氏は、ルソー氏が2018年に辞めた後のInstacartで仕事を始めていた。そして2人はSREsがインシデントへの対応をめぐって直面するユニークな問題の解決を助ける、Rootlyの創業を決心した。

「要するに私たちは、多くの人がSlackの中で直接、インシデントを管理、解決できるようにしたかったのです。その上に複雑な別のレイヤーを置きたくはなかった。既存のさまざまなツールはそれでなくても多いのですが、混乱状態になって問題が炎上したらできるだけ早く解決にフォーカスしたいものです。そこで、Slack体験にフォーカスするのが良いだろうと考えました」とルソー氏は説明する。

SREsたちはRootlyのソリューションを使って、Slackの中でいろいろなツールにすばやくコネクトする。それはJiraかもしれないし、ZendeskやDataDog、あるいはPagerDutyかもしれない。そして、インシデントの解決をめぐってSlackの中で交わされている会話に基づいて、バックグラウンドでインシデントレポートを編纂する。チームがインシデントの解決後にミーティングをするとき、それが役に立つ。

同社はまだ小さくて、10人足らずだが、シード資金を得たため2022年は技術者も営業も増やしたいと考えている。

タン氏によると、同社の企業文化の中心にあるのがダイバーシティであり、XYZ Venture CapitalのマネージングディレクターであるRoss Fubini(ロス・フビニ)氏のような投資家と仕事ができるのも、そのおかげだという。アジア系米国人であるタン氏は「ロス氏をリード投資家として選んだのも、そのためです。彼の企業はファンドとしてダイバーシティに力を入れているだけでなく、ポートフォリオ企業への影響も考えています」という。

フビニ氏によると、多様性に富む企業を作るためには、雇用のレベルでそれを目指すだけでなく、雇用後、マイノリティーの人たちが自分が歓迎されていると感じられるような環境を作ることが重要だという。「Rootlyとの初期の会話からわかったのは、多様な人材から成るグループを作るだけでなく、企業は多様な人材がいることを有利に生かせるという観点も必要だということです。だから、彼らにとって魅力的な企業であるだけでなく、彼らが、ここが自分の場所だと感じられるような企業環境を作っていかなければなりません」とフビニ氏は語る。

同社は現在、完全にリモートで、ルソー氏はサンフランシスコ、タン氏はトロントだ。計画ではオフィスを完全に再開できるまではリモートで行う。なおルソー氏とタン氏は今、Y Combinatorの育成事業に参加している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:RootlySlackインシデントサイトリライアビリティエンジニアリング資金調達

画像クレジット:Alina Naumova/Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Slackの新音声・動画ツールは買収完了後のSalesforceプラットフォームにうまくフィットする

忘れるのは簡単だが、Salesforce(セールスフォース)は2020年末におおよそ280億ドル(約3兆1240億円)でSlack(スラック)を買収し、この取引はまだ完了していない。完了がいつになるのか正確なところはわからないが、Slackは最終的にSalesforceの一部になるのを待つ間も、新たな機能を加えてプロダクト計画を発展させ続けている。

ちょうど米国時間6月30日朝、Slackはこのところ話していた新しいツールを正式に発表した。ここには、6月30日から利用できるようになったSlack Huddlesという音声ツールや、ビデオメッセージ、Slack Atlasというディレクトリーサービスが含まれる。

関連記事
SalesforceがSlackを約2.9兆円で買収、買収前の企業評価額は2.6兆円強だった
Slackが新しいオーディオビデオ機能を発表、コロナ禍を経て変化する仕事のあり方を反映

これらのツールは、取引完了時にSlackがSalesforceの一部になったとき、プラットフォームの機能性を高めるのに役立つと証明されるはずだ。Salesforceのプラットフォームに統合されたとき、Huddlesやビデオツール(あるいは会社内部と外部組織の閲覧向けのSlack Atlasすら)の統合がどのように機能するか想像するのは難しいことではない

SlackのCEOであるStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は、コミュニケーションに関する当局の制限があるためにSlackとSalesforceはまだ協業を始めていないと話すが、これらのツールがSalesforce Service CloudやSales Cloudなどと連携して機能し、ユーザーがSalesforceにあるデータをSlackのコミュニケーション能力と合体させ始めるのを必ず目にするはずだ。

「(Salesforceの)大きなSoRから(Slackの)コミュニケーションへのワークフロー、そして会話が行われているところにデータを表示するといったところに変化があります。セールスやマーケティング、サポートなど顧客とのやり取りにおいてこれらの機能を間接的に活用することに多くのポテンシャルがあると考えています」とバターフィールド氏は述べた。

2020年導入された、社外の人とやり取りできるようになるSlack ConnectをSalesforceが利用するかもしれない、とも同氏は話した。

関連記事
Slackが企業間メッセージングを容易にするセキュリティ機能を新導入、ビデオ・音声埋め込み機能も実験中
SlackとSalesforceの幹部が一緒になったほうがいいと考えたワケ

「Slack Connect内に全機能をそろえています。会話をきちんと開始する、問題を解決する、(顧客と)コミュニケーションを取るもっといい方法としてビデオを使うのにHuddlesを活用したときに得られるものと同じメリットを手にします」と同氏は説明した。

これらの発表は、仕事の未来、そして買収がらみのものとに分けられるようだ。Salesforceのプレジデント兼COOのBret Taylor(ブレット・テイラー)氏は、買収を発表した2020年12月にその取引についてTechCrunchに語ったとき、その点を確かに認識していたようだ。同氏は2社が仕事のフェースを変えることに直接取り組んでいるとみている。

「Customer 360向けの次世代インターフェースになるためにSlackが本当に欲しいというとき、我々が意味するところは2社のシステムを合体させるということです。我々が現在身を置いている、どこででもデジタルで働ける世界ではチームが分散していて、どのようにこうしたシステム周辺でチームを集めるのでしょう。コラボレーションはかつてないほど重要になっています」とテイラー氏は述べた。

CRM Essentialsの創業者でプリンシパルアナリストのBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、2社が一緒になることで仕事方法の未来が明らかに出現する、と話す。「自宅からミーティングやコラボレーションを行うためにウェブカメラとマイクの前でますます多くの時間を費やすようになっているとき、今日のSlackの発表のような動きは、仕事の将来に関しトレンドとなっているものに応えるものです」とリアリー氏は話した。

Huddlesは、多すぎるミーティングや意見のタイピングによるスクリーン疲れをSlackがなんとかしようとしている1例だ。「こうした『オーディオファースト』の能力により、うまく機能させようと追加で何かすることなしに、ただ口で伝えられるようにして要点が得られれば、意図するところをタイプしようとしなくてもよくなります」と同氏は話した。

さらにリアリー氏は「ただ人々が話せるようにするだけでなく、人々に話しかけながら沸き起こる感情や心の状態をより理解して、チャットのテキストの裏にある意図や感情を推測しなくてもいいようにします」と付け加えた。

EngadgetでKarissa Bell(カリサ・ベル)氏が指摘したように、Huddlesはビジネスの文脈でDiscordのチャット機能のようにも働く 。これはSalesforceのプラットフォームに統合されたときにSalesforceツールにとってかなり有用かもしれない。

当局が買収を精査している間、Slackはプラットフォームやプロダクトの開発を続けている。巨大な買収取引が完了しても、Slackはもちろん独立会社として引き続き事業を展開するが、クロスプラットフォームの統合がかなり行われるのは確かだろう。

そうした統合がどのようなものになり得るのか、たとえ経営陣が公に語れなくても、買収取引が完了した暁にはSalesforceとSlackでは、さらには概して仕事の将来にとって、これらの新しいツールがもたらす可能性について多くの刺激があるはずだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SlackSalesforce買収

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

Slackが新しいオーディオビデオ機能を発表、コロナ禍を経て変化する仕事のあり方を反映

Slack(スラック)は2020年末に、テキストベースのチャネルを拡張する新しいコミュニケーションツールについて触れていた。同社は米国時間6月30日「Slack Huddles(スラック・ハドル)」と呼ばれる新たなオーディオツールをリリースし、ビデオメッセージを残す機能や、Slack内からアクセスできる改良された従業員ディレクトリなど、その他いくつかの新しいツールの詳細を発表した。これらはすべて、変化する仕事のあり方を念頭に置いて設計されているようだ。

関連記事:Slackが企業間メッセージングを容易にするセキュリティ機能を新導入、ビデオ・音声埋め込み機能も実験中

まずは「Slack Huddles」の話から始めよう。これは、自分の考えをすべてタイプアウトするのではなく、Slack内で誰かとリアルタイムに会話ができるオーディオツールだ。タイピングが苦手な人にとっては非常に楽になるが、同社はそれだけでなく、より自発的な議論が可能になり、少なくともある程度はオフィスにいるのと似た状態になると考えている。

「Huddlesは、Slackの中でオーディオを使いコミュニケーションをとるための、軽量でオーディオファーストな方法です。これは、予定されたミーティング以外の場で起こる自発的でセレンディピタスなインタラクションを再現します」と、SlackのチーフプロダクトオフィサーであるTamar Yehoshua(タマール・イェホシュア)氏は6月29日のプレスブリーフィングで説明した。

企業はより柔軟なワークモデルを導入し続けるのに合わせ、働き方も調整しなければならない。SlackのStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)CEOは、Huddlesはそのための1つの考え方だという。

関連記事:オフィス再開に向けて大手テック企業はそれぞれ柔軟なワークモデルを検討中

「同期的といっても、3分しかかからないこともあります。そうスケジュールにあるからといって、来週火曜日の11:30から12:00までの30分全部を使ってミーティングをするのではなく、今話せば2分か3分ですむかもしれません。もしHuddleで会話が途切れても、オープンにしておけば、後で誰かが参加して何かいうかもしれません。これは、電話などの会話ではできないことです」と同氏は語った。

また、すべての人が音声を聞けるわけではないことを考慮し、新しいツールにはリアルタイムのトランスクリプション機能が搭載されている。

同社は2020年から、何らかのビデオメッセージ機能を提供することも検討していた。このコンセプトは、ビデオボイスメールかまたは、短い動画を撮影してSlackに投稿するというInstagramストーリーに近いものだ。イェホシュア氏はこう述べた。「当社はこれまで考えてきましたが、人々が表現力豊かに非同期的に情報を共有・消費する方法を提供することで、人々の働き方をより柔軟にし、ビデオ会議の必要性を減らすことができると確信しています」。

この新機能により、SlackユーザーはSlack内でビデオ、音声、画面の録画をネイティブに再生できるようになる。録画した短いクリップをチャンネルやDMにアップロードすることで「他の人が自分のスケジュールに合わせて視聴・応答できるようになります」とイェホシュア氏は説明している。この機能はまだリリースできる段階ではないが、同氏によると現在試験的に導入されており、今後数カ月のうちに有料チームに提供される予定だという。

最後の部分は、Slackが2020年、企業ディレクトリを強化する目的で買収したRimetoの買収に基づいている。RimetoはSlack Atlasとして再利用され、ユーザーは情報を探すために別のプログラムに移動するのではなく、企業ディレクトリとしてSlackの中ですぐにアクセスできる。これは、Slackがユーザーを同アプリ内にとどめ、必要な情報を見つけられるようにするための方法の1つであり、コンテキストの切り替えを避けるための動きだ。この機能は現在限定的な顧客テストが行われているが、2021年の後半には利用できるようになるとのこと。

Slackはこれらのツールを2020年初めて発表し、当初は実験的なものとしていたが、すぐに製品ロードマップに移行した。バターフィールド氏は2021年3月、元TechCrunchライターで現在はSignalFireの投資家であるJosh Constine(ジョッシュ・コンスティン)氏とのClubhouseインタビューに登場し、表向きは仕事の未来について語ったが、これらのツールについても初めて詳しく説明した。

このディスカッションを、仕事の未来や、2020年に同コミュニケーションツールを270億ドル(約3兆円)で買収したSalesforceの一部としてのSlackの未来に結びつけないわけにはいかないだろう。仕事のあり方は変化しており、Slackは将来的にそのソリューションの中でより幅広い役割を果たすことを目指している。

関連記事
SalesforceがSlackを約2.9兆円で買収、買収前の企業評価額は2.6兆円強だった
Slackが企業の社員名簿を構築するRimetoを買収、社内人探し機能を高度化
Slackはテキストベース以上のプラットフォームになろうとしている、オーディオとビデオ機能追加を検討

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Slackボイスメッセージビデオメッセージ

画像クレジット:AlexSecret / Getty Images

原文へ

(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)