Tesla/SolarCityはサモアのタウ島の電力をまるごと太陽光で発電する

TeslaとSolarCityの合併が正式に承認されてから数日しかたっていないが、両社は力を合わせれば何ができるかをすでに見せつけている。 SolarCityのブログはSolarCityの太陽光発電システムとTeslaのPowerpackテクノロジーをベースにしたバッテリー・システムを組み合わせてアメリカ領サモアの離島、 Ta’u島のエネルギー問題を根本的に解決するプランを詳しく公表した。

このマイクログリッド電力網が完成すれば島はディーゼル発電を止め、化石燃料への依存から解放されるはずだ。

ディーゼル発電への依存はこうした場所では珍しくない。多くの離島や遠隔地のコミュニティーが電力網を化石燃料に頼っている。しかしディーゼル発電では非常に遠方から燃料を船で運ぶ必要があり、これには多額のコストがかかる。また頻繁に停電に見舞われることにもなる。ソーラー発電が建設費用を回収するには通例かなりの長期間が必要だ。しかし離島のように燃料を遠方から運び込まねばならない場合、ソーラー発電はコスト的にも有利になる。

Ta’uの電力網のリニューアル計画では、SolarCityが製作する太陽光発電パネル5300枚のアレイが 1.4メガワットを発電する。商用大型バッテリーであるTesla Powerpackが60基接続され、6メガワット/時の電力が蓄積される。これは600人が住むTa’u島の3日分の電力に当たる。十分な日光があればPowerpackをフル充電するのに7時間しかかからない。

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TeslaとSolarCityによるTa’u島へのマイクロ電力網の建設はスタートから完成まで1年以内ですむという。このプロジェクトはアメリカの環境保護庁、内務省、アメリカ領サモア経済開発庁が資金を援助する。Teslaではこれが似たような環境のコミュニティーに対する解決策の実例となることを強く期待している。同時に将来ソーラー・バッテリーがTesla最大の事業分野になるとファウンダーのイーロン・マスクが確信している理由が実証されるはずだと考えている。クリーンで信頼性が高く、既存の電力網から独立した電力供給には無数の用途が考えられる。電気自動車よりも大きな市場になるとしても不思議はないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

TeslaによるSolarCityの買収が正式に決定

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現地時間21日の朝、TeslaがSolarCityを買収することが正式に決定した。Elon Muskが率いる電気自動車企業と、彼の従兄弟であるLyndon RiveとPeter Riveが率いる太陽光エネルギー企業がこれで1つになる。この買収がTeslaとSolarCityのシェアホルダーから承認されたのは先週のことで、最初にこの買収案が提案されたのは今年6月のことだった。

買収の正式決定に際し、Teslaは簡単なコメントを発表している。

TeslaによるSolarCity買収が今朝正式に決定し、それを皆様に発表できたことを私たちは嬉しく思います。

Muskが今年6月にこの買収を提案して以降、彼は頻繁にSolarCity買収の重要性を主張してきたことを踏まえると、このコメントは簡潔かつ控えめなものだと言えるだろう。この2社の統合は、消費者にエネルギーの生産方法、貯蓄方法、そして消費方法のすべてを提供するというMuskの「マスタープラン」を実行するうえで欠かせない要素だった。

先日、Teslaは屋根に取り付けるソーラーパネルをローンチしている。これによってMuskは、この2社はTeslaブランドの「一つ屋根の下に収まる企業なのだ」ということを表したかったのだろう(僕は今朝とても早く起きた。だから、これくらいのジョークは許してほしい)。Muskにとって、電力をクリーンな方法で発電することと、その電力を使用した電気自動車をつくることは、本質的には同じことなのだろう。全体の二酸化炭素排出量を減らすうえで、低コストでクリーンな発電方法を普及させることは、クリーンなクルマをつくることと同じくらい重要だ。それを踏まえれば、彼のその考えは筋の通ったものだと言えるだろう。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Tesla Model S P85Dの加速性能が未然に追突事故を防いだ(ビデオあり)


Teslaの自動運転への熱心な取り組みは、ドライバーの安全に利益をもたらす大きな可能性をもっている。しかし、上に貼ったTesla Model S P85Dのビデオは、現在ある自動運転とは無関係能力が、実際に事故を未然に防ぐのに役立ったところを見せている。

TeslaオーナーのJason Hughesは、あわや追突されそうになった瞬間を後方カメラで捕えた。うしろから来たPriusは、Hughesが駐車場へ左折するために停止したことに全く気付いていなかった。

ボーっとしていたPriusのドライバーは、Teslaに向かって突進する自分に気付き、路肩に向けてハンドルを切って衝突を回避した。しかし、ドライバーが反応したとき、P85Dはすでに危険ゾーンを脱していた。これは、Teslaの急加速性能のおかげであり、化石燃料を燃やす車と異なり瞬時にトルクを出せる電動モーターの能力によるものだとHughesは言う。。

Hughesは、ビデオクリップの終了直後に制限速度に戻したと話していて、P85Dの加速がいかに速いかをものがる。私の車が同じ状況で何とかできることは絶対にない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新しい自動車メーカーの誕生

編集部注:本稿はAdvanced Telematic Systemsの創業者兼CEOであるArmin G. Schmidt によって執筆された。同社は自動車業界のソフトウェア開発を支援する企業だ。彼はこの他にも、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどにある数多くのイノベーティブなテック企業で役職をもつ。

 

フランスのMulhouseという街にあるCité de l’Automobileは素晴らしい場所だ。スイス人のHansとFritz Schlumpf兄弟の自動車に対する強い愛情のおかげで、この場所には多くの自動車が展示されている。展示されている自動車を集めるための費用は、彼らが立ち上げたビジネスから得た収益で賄われた。彼らはウール製品向けの紡績工場を経営していた。面白いことに、「Schlumpf」をドイツ語にすると「smurf」となる。アニメの「Smurf」を覚えている読者であれば、The Cité de l’Automobileを見て「Smurftastic(最高に素晴らしいという意味の造語)」と言うことだろう。

Schlumpf兄弟の自動車に対する過剰な愛情と、1970年代に布製品の生産がアジア国々にシフトしていった事が理由で、ついに彼らのビジネスは破産してしまった。そこで彼らはフランスを離れ、故郷のスイスに戻ることにした。その頃までには、彼らの自動車コレクションの価値はとても高くなっており、フランス政府は彼らのコレクションには歴史的な希少価値があるとして、それを破壊したり輸出したりすることを禁止する命令を出した。そして1978年、彼らのコレクションはCouncil of Stateによってフランスの歴史的記念物として認定されることとなったのだ。

数年前、今では世界最大の自動車博物館となったCité de l’Automobileに訪れる機会を頂いた。まさに自動車の栄光の時代にタイムスリップしたような感覚だった。何百もの自動車で埋め尽くされた巨大なホールを歩いていると、その多くはかつての「スタートアップ」(過去の起業家にも現代の用語を当てはめることは可能だろう)がゼロから自動車を創り出し、ブランドを確立し、誕生したばかりの自動車市場でのシェアを奪い合っていた時代に製造されたものだということに気付くだろう。馬によって移動することはもはや時代遅れとなり、それが理由で私たちは乗馬を贅沢な趣味として認識するようになった。

新しいテクノロジーが誕生して産業が革新的な発達を遂げたことにより、当時のスタートアップは限られた資本でも自動車を製造することができるようになった。第一次の自動車ブームが始まったのだ。例えば、1920年代には自動車はボディ・オン・フレームという製造方法で製造されていた。この方式では別々のサプライヤーから供給される部品をモジュールとして組み合わせることが可能になる。その後、開発予算のあるハイエンドのクルマ向けにユニボディ構造が採用され、高精度に一体化された車両が開発されるようになった。この構造はボディ・オン・フレームは開発コストはかかるが、大規模に生産することができれば開発コストを下げることも可能となる。現代の電気自動車のなかにはボディ・オン・フレームというコンセプトに回帰したものもあり、例えばBMW i3の頑丈なフレームの中にはドライブトレイン(クランクやチェーンなど自動車を前に動かすためのパーツの総称)とバッテリーが組み込まれている。

これから挙げる自動車ブランドのリストはCité de l’Automobileに展示されている自動車のほんの一部だ。もしあなたがこの中の3つ以上のブランドを知っているとすれば、正真正銘の自動車エキスパートと名乗ることもできるだろう。もしそれが本当ならば、今度会う時にはお酒を一杯おごろうではないか。 ABC、Amilcar、Arzens、Aster、Ballot、Bardon、Barraco、Barré、Baudier、B.N.C、Bollée、Brasier、Charron、Cisitalia、Clément de Dion、Clément-Bayard、Clément-Panhard、Corre La Licorne、Darracq、Decauville、 De Dietrich、 De Dion-Bouton、 Delage、 Delahaye、 Delaunay-Belleville、 Dufaux、 Ensais、 Esculape、 Farman、 Fouillaron、 Georges Richard、 Gladiator、 Gordini、 Horlacher、 Hotchkiss et Cie、 Hotchkiss-Gregoire、 Jaquot、 Le Zèbre、 Lorraine-Dietrich、 M.A.F.、 Mathis、 Maurer-Union、 Menier、 Minerva、 Monet-Goyon、 Mors、 Neracar、 O.M.、 Panhard & Levassor、 Pegaso、 Philos、 Piccard-Pictet、 Pilain、 Ravel、 Rheda、 Richard-Brasier、 Ripert、 Rochet-Schneider、 Sage、 Salmson、 Scott、 Sénéchal、 Serpollet、 Sizaire-Naudin、 Soncin、 Turicum、 Vermotel、 Violet-Bogey、 Zedel.

この優秀なスタートアップたちが自動車を製造していた時代は、まだクルマの燃焼機関が参入障壁として機能していなかった時代だった。その後、GM、Ford、Mercedes、Toyota、BMW、VWなどのメーカーが40年以上もの間マーケットを独占することになる。これにより、これらの大規模メーカーとMcLarenやLotusのような小規模メーカーとの間に巨大な壁が生まれたのだ。

もちろん、DeLoreanやFisker、Artegaのようなスタートアップが誕生したことは事実だ。しかし、燃焼機関を搭載したクルマを製造開発し、マーケティングを行って製品を販売し、そして言うまでもなくディーラーのバリューチェーンを維持するというビジネスは、大規模で資金力のある企業が常に勝利する試合だった(今でもそうだと主張する者もいる)。自動車業界でスタートアップを立ち上げて成功させるのは簡単ではない。1億ドル以上の資金を調達できないスタートアップはすべて、遅かれ早かれ倒産の道をたどることになるだろう。特に、大半の投資家はこの業界を触れてはいけないもののように扱っている。非常に大きなリスクを伴うのにもかかわらず、成功する確率が低いからだ。

次世代のクルマや商用車、そして他のタイプの交通手段を開発することを目的としたスタートアップが次々に誕生しつつある。

しかし、2004年に台湾に現れた1人の男がすべての常識を覆した。Elon Muskだ。その時彼は、台湾だけでなく様々な場所で資金を調達するために奔走していた。彼が開発した第一号モデル「Roadster」をローンチするための資金だ。当時このクルマに使われていた部品の大半は、人口2300万人の島国である台湾で製造されたものだった。この国は世界中に存在するPCやノートパソコン・メーカーの8割に部品を供給しているだけでなく、iPhoneで使われているマイクロチップのすべてを生産していることでも有名だ。また、Foxconn、Pegatron、Wistronなどの台湾出身の巨大メーカーの存在もよく知られている。

Teslaが2006年にローンチした当時、同社のプロダクトに搭載されたエンジンは台湾にあるTeslaの工場で生産されていた。その当時から、Elon MuskはITと自動車の世界は交わることになるだろうと確信していたのだ。初めての資金調達を完了したあと、彼は野望を抱き始めるようになる。「専門家」と呼ばれる人たちのアドバイスは聞かなかった。2009年までにTeslaは1億8000万ドルを調達し、147台のプロダクトを販売した。

その数年後、その時すでに何十億ドルもの追加資金を調達していたTeslaに世界は注目し、Teslaであればそれまで誰もが避けてきたことを成し遂げることができるだろうと考えるようになった。伝統的で巨大な自動車メーカーへの攻撃だ。コンピューターの処理能力の発達し、業界を進化させるというモメンタムが大きくなっている今、時代は「イノベーションのジレンマ」と呼ばれる新たな1ページに差し掛かろうとしている。ハーバード大学教授のClayton Christenseが提唱したこの理論は、新しいテクノロジーによって優良な大企業が没落する過程を説明している。そして何より、これまで競争力のあるプロダクトが創り出したプレミアムを享受してきたAudi、BMW、Toyota、Mercedesのような企業は、この理論を真剣に受け止め始めている。

豊富な資金力と技術によって構築された巨大な壁は崩壊しつつある。VC業界はこの絶好の機会に歓喜し、自動車業界を攻撃し始めた。過去5年の間に自動車メーカーは2200億ドル以上もの資金をM&Aに費やしている。

洗練された生産技術を必要とする、燃焼機関などのプロダクトによって構築された参入障壁は今後消え去ることになる。電子部品が業界の主流となりつつあるのだ。例えば、今ではE-ドライブトレインの製造はMagnaなどのODM製造業者にアウトソースされており、今後はこの分野のFoxconnとも言えるような企業が生まれることになるだろう。

より重要なことには、Teslaは機械学習という分野において有利な立場にいるだけでなく、彼らのクルマには従来の自動車システム(内部燃焼エンジンなど)が搭載されていないことから、より大規模で成長著しいマーケットに競合他社よりも素早く参入することが可能なのだ。従来のモデルから転換してインターネットにつながれたコンピューターを搭載するクルマをつくるという動きは、いずれ人々が自動運転車を所有し、共有し、そして自動運転車がオンデマンドで配車されるという世界を生み出すだろう。

新しいクルマや商用車、そして他のタイプの交通手段を開発することを目的としたスタートアップが次々に誕生しつつある。以下のような企業だ: NextEV、 Atieva、 ThunderPower、 GogoroNavya、 Borgward、 Local MotorsZMP Faraday Future、 Starship、 Varden Labs Easy Mile Auro Robotics、 Gaius Automotive、 ElioLeEconuTonomy、 Dyson、 Mission Motors、 Boosted、 Lit MotorsRenovo Motors、 Inboard Technology、 Future Motion、 GLM、 Dubuc Motors、 Dagmy Motors、 Newton VehiclesALTe Technologies、 Lumen Motors、 Barham Motors、 Highlands PowerMyers Motors、 Tratus、 Virtus Motors、 AC Motors、 Scalar Automotive、 Fenix Vehicles、 Marfil、 Esco Motors、 Lithos Motors。今後数年間のうちに何百ものスタートアップが新しく生まれることだろう。

近い将来、レッドブルのロゴが塗装されたクルマが道を走っていたとしても驚かないように。

どんなにイノベーティブな交通手段のコンセプトでも、最終的には人を乗せる「乗り物」が必要となる。未来の乗り物は今日のものと比べて異なる要素を持ち合わせていたり、異なる材料から製造されていたり、電源の供給の仕方や制御の方法も違うかもしれない。しかし、誰かがその乗り物を開発し、製造し、販売し、品質の維持をしなければならない。現存する自動車メーカーはまだその部分においては競争能力を持っており、要素が変化すればそれに徐々に適応していく能力も持っている。現在のクルマのように複雑で、耐久性があり、安全性が高いプロダクトを製造しているにもかかわらず、そこから利益を得る知恵やプロセスを彼らは持ち合わせているのだ。しかも、彼らにはビジネスの規模を拡大させる能力もある。それに加え、彼らのブランド力や評判、そしてカスタマーロイヤリティが今後しばらく色焦ることはないだろう。

現状のマーケットで力を握る自動車メーカーは、今後も一定の間は優位に立つことができるだろう。資金が豊富で身軽な新参企業でもそれは同様だ。また、ニッチな市場にフォーカスするブランドや企業が現れる可能性は高い。将来のクルマを開発していくうえで、まだ解答されていない問題が残っている。新しいクルマはどのように利用されるのか。都市部と地方の移動手段はどう異なるのか。電気自動車や自動運転車はいつ業界の主導権を握り、そして受け入れられるのか。規制機関は新しいクルマの開発を加速するのか、または減速させるのだろうか。

自動車を選ぶ消費者にとって、ブランド力はいまだに重要な要素の1つである。そのため、ポルシェなどの高級車ブランドはそこから大きな恩恵を受けることができ、マスマーケット向けのブランドに比べれば業界の変化によって受ける影響の度合いは小さいだろう。FenderとVW Beetle、Paul smithとMini、GucciとFiat 500のように、今後も新しいファッションブランドや既存のファッションブランドとクルマとのコラボレーションが生れるだろう。近い将来、レッドブルのロゴが塗装されたクルマが道を走っていたとしても驚かないように。

また、たとえ自動運転車がより賢くて安価になったとしても、ブランドがもつ力が衰えることはない。航空業界で言えばeasyJet、Virgin、RyanairなどのLCCも、みずからのポジションを確立した立派なブランドだ。航空券を選ぶとき、消費者が選ぶのはサービスのプロバイダー(航空会社)であって、メーカーではない(航空機)。この航空業界の状況は自動車業界にも当てはまるかもしれない。

Cité de l’Automobileに展示されているクルマのブランド名が書かれたリストを覚えているだろうか?スタートアップたちはこの世に誕生しては消え、博物館にその遺産を残していったのだ。それと同じように、この記事で紹介した現代の自動車メーカーの中のいくつかが今後数年間のうちに消えていくのは明らかだ。しかし、その中に私たちの毎日を支える自動車という分野で独占的な地位を占める企業がいるのは確かだ。

今では6.4兆ドル規模(McKinsey調べ)とも言われるこの業界では、非常に多くのブランドやイノベーションが新しく誕生している。彼ら全員がクルマを製造しているわけではなく、死亡事故を失くして安全な交通を実現するための、まったく新しい交通手段のアイデアを持つ者もいる。

いつか将来、Schlumpf兄弟のCité de l’Automobileのような博物館に私たちが良く知る現代のクルマが並ぶ日が来るだろう。コレクターがこれから新しく誕生するクルマ(究極のモバイルデバイス)を集めてつくった博物館を見られる日が来るのを楽しみにしている。私たちの子どもや孫はその博物館に興味津々になることだろ(Smurfと関係しているからということではない)。歴史は常に繰り返すのだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

イーロン・マスク、Tesla Networkについて:「これはTesla対Uberの話ではない。人々対Uberだ」

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Elon Muskが、完全自動運転に必要なハードウェアを今後Teslaの全モデルに装備すると発表したとき、オーナーは将来自分の自動運転TeslaをUberやLyftのために使うことはできない、という但し書きがついた。代わりにTesla自身の乗り合いサービス、Tesla Networkを使ってオンデマンドで車を貸し出すことができる。TeslaのQ3決算電話会見でMuskは、これをUbersへの威嚇だと指摘する主張に言及した。

電話会見で、Tesla NetworkはTesla自身の収益事業として考えられているのか、それとも車の購入インセンティブや市場シェア拡大のための付加価値なのかという質問に対して、Muskはどちらか一つというものではないと答えた。

「実際にはどちらも少しずつある」とMuskは会見で語った。「これは、車の所有コストを著しく軽減すると共にTeslaの収入源でもある。しかし収入の大部分はオーナーに渡る」

さらにMuskは、これをTeslaがUber(および他の相乗りサービス)と競合するための計画ではないかとする評論家の意見についても語った。

「Tesla対Uberの戦いとして描かれているが、実際にはTesla対Uberではない。ユーザー対Uberだ」

Muskが、Tesla Networkを所有者が自分の車で収益化をはかる手段として考えていることは明らかだ。そして、UberやLyftに車を提供して収益の一部を渡すよりも多くの収入を得られる条件が提示されるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Teslaが自宅から勤務先まで自動運転―ドライブの一部始終をビデオで見られる

Teslaは水曜日の夜、本日以降製造される全てのTesla車は、自動運転に必要なハードウェアを最初から搭載すると発表した。ただし自動運転に必要なソフトの発表は先になる。また自動運転でアメリカを横断する野心的なデモも2017年に実施が計画されている。

もちろんTeslaはこれに先立って社内でのテストを進めており、上のビデオではTesla車がユーザーの自宅を出発して都市部、高速道路を経由して勤務先までナビゲーションも含む完全自動運転でドライブする様子が映されている。

このTesla車は自分でガレージを出て、市内を抜け、高速を乗り降りし、Tesla本社に到着し、所定の場所に駐車する。人間のドライバーが運転席に座っているがこれは安全規則を遵守するためだという(カリフォルニア州の法律では市街地の道路では人間が運転席にいることが要求される)。この間、道を横断する歩行者の手前で一時停止するなどしている。Tesla車は最後まで人力を借りず、「運転者」を無事に目的地で降ろした後、自動で縦列駐車している。Teslaのファウンダー、CEOのイーロン・マスクは「この車は障害者専用スペースに駐車するのを避けている。ここに駐車するには許可証が必要だが、Tesla車は自分が許可証を持っていないことを認識しているからだ」とツイートした。

初期段階の実験とはいえ、大いに注目される。Teslaの自動運転システムは市街地という困難な道路事情に対応してみせた。高速道路の自動運転は比較的容易だ。道路は直線区間が多く、信号や標識に従って不規則に停止する必要もほとんどない。ブラインドコーナーも歩行者も存在しない。ところが市街地ではそうした不規則で困難な状況が満載だ。 自動運転ソフトウェアにとっては非常にハードな挑戦となる。

このTeslaが出荷されればオーナーは自動車をスマートフォンのアプリでアイコンをタップして車を「呼ぶ」ことができるようになるとマスクは語った。このTeslaソフトウェアはたとえオーナーがアメリカ大陸の反対側にいても自動運転でTesla車を呼び寄せることができるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パナソニック、Tesla向け太陽光発電システム生産へ―TeslaのSolarCity買収承認が条件

2016-10-18-tesla-powerwall

Teslaとパナソニックは家庭用の太陽光発電(PV, photovoltaic)システムの生産で提携することに合意した。 このシステムはTeslaの家庭用Powerwall、企業向けPowerpackバッテリー・システムに給電することができる。現時点ではこの契約に拘束力はないが、今後TeslaのSolarCity買収が株主に承認され、効力を得るようになればその限りではない。

SolarCity/Teslaの合併が最終的に効力を得ればパナソニックは2017年にバッファローの工場でTesla向けPVシステムの生産を開始する計画だ。Teslaではこうした発電部品の供給に関しては長期的な提携を考えているという。パナソニックはすでにTeslaの自動車および家庭、企業向けエネルギー蓄積システムに使われるバッテリーを生産しているパートナーだ。

公式ブログでTeslaは同社とパナソニックとの継続的なパートナー関係は「家庭用の維持可能な再生可能エネルギー・システムを作り上げ、しかもユーザーの負担を最小限に押さえるという大きな目標を達成する上で重要なもの」と書いている。

TeslaとSolarCityの経営陣はどちらもTeslaブランドでの両社の統合を望んでいる。ただしこの買収提案には一部の株主が反対の訴訟を起すなどの問題が起きている。一方、TeslaのCEOでSolarCityの会長を務めるイーロン・マスクは10月28日に、電気自動車を供給するTeslaと太陽光発電事業のSolarCityがTeslaブランドの下に合併することがいかに両社にとって不可欠であるか説明することを計画している。TeslaとSolarCityの株主は11月17日にTeslaのSolarCity買収に対する賛否の投票を行う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

TeslaとSolarCity、合併の賛否を問う株主投票を11月17日に実施

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一部の株主らの反対をよそに、Elon MuskによるTeslaのSolarCity買収提案は進展を続け、それぞれの会社の株主による投票の新たな日程が決められた。11月17日だ。これは買収の是非が確定する日付であり、Muskはクリーンエネルギーの生産から消費までを一貫して運用できる会社を作るというビジョンに一歩近づくことができる。最終目標はプロセス全体を一般消費者に手の届けることだ。

Teslaブログの最新記事には投票日が明記され、両社が一体となることの価値を改めて強調している。要点はこの段落にまとめられている。

TeslaとSolarCityの組み合わせによって、完全に維持可能な方法でエネルギーの生産、蓄積および消費を行う機会が初めて誕生する。それはコストを下げながら美観と機能を加える一連の統合製品群を通じて実現される。SolarCityの設置ネットワークと、全世界に広がるTeslaの販売店を活用することで、消費費にとってスムーズな方法をでこれを行うことが可能になり、株主には多大な価値をもたらすことが期待できる。

今から投票日までの間に、Tesla、SolarCityとも両社のビジョンの融合をさらに強くアピールする機会が十分ある。Tesla/SolarCityの合同イベントが10月28日に予定されており、そこでSolarCityはソーラールーフ製品と次世代ホームエネルギー蓄積システムを初めて披露する。Teslaは11月1日の合併計画についても詳細を発表すると言っている。

TeslaはSolarCityの買収提案への反対に直面しており、契約を阻止しようとする株主訴訟まで起きた。しかしMuskは二社を統合することによる利点について非常に雄弁であり、最近では、Q4には追加の資金調達は株式、借入れいずれも不要であるとツイートした。さらにMuskは、自身のマスタープラン第2フェーズで発電が重要な意味をもち、最終目標は輸送手段を維持可能にするだけでなくTesla車オーナーに収益さえもたらすとことだと話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla、10月17日に「驚きの新製品」を発表すると予告

PALO ALTO, CA - NOVEMBER 05:  A sign is posted at a Tesla showroom on November 5, 2013 in Palo Alto, California. Tesla will report third quarter earnings today after the closing bell.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

TeslaのCEO、ファウンダーのイーロン・マスクによれば同社は10月17日(日本時間10/18)に何らかの新製品を発表する。 マスクの日曜のツイートによれば、「誰も予期していなかったようなもの」だ。ただし17日に発表されるのはTesla/SolarCity関係のプロダクトではない。そちらの発表は28日だという。

17日にTeslaは新製品 (誰も予期していなかったもの)を発表する。その後、28日にTesla/SolarCityの発表がある。

マスクは電気自動車メーカーのTeslaと太陽光発電事業のSlarCityの共同で開催する10月28日のイベントについてはすでに予告を行っている。この発表には太陽光発電のSolar Roof、電力ストレージのTesla PowerWallの第二世代、Tesla EV充電システムなどが含まれるはずだ。

今回のマスクのツイートで、Teslaは上記のプロダクトの他になんらかの驚きの製品を用意していることが判明した。電気自動車の新モデルかもしれない(Roadster 2.0のお披露目が長らく待たれている)し、自動車運転車の改良かもしれない。Teslaは最近Autopilotを8.0にアップデートしたが、マスクは今年に入って「今年われわれは皆を驚かすようなスピードで自動運転テクノロジーを進歩させる」と示唆している。

今月のイベントについて発表したツイートに続いてマスクは「第4四半期にはTeslaにもSolarCityにも一部で観測されているような新たな資金調達の必要はない。また新しい会社の予定もない」と述べている。マスクが予告しているイベントの目的(の少なくとも一部)は、提案されているTeslaとSolarCityの合併が両社のビジネスにとって好ましい方向であると投資家を納得させることにあるのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Tesla、2016年Q3の納車2万4500台は対前期比70%アップ

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Teslaは電気自動車の生産だけでなく、納車も順調なペースで伸ばしていることが、10月2日に発行されたプレスリリースでわかった。同社は2016年会計3Qに2万4500台の車を販売し、内訳はModel Sが1万5800台、Model Xが8700台だった。Q2の総販売台数1万4402台から70%の急増だ。これは必要な書類手続きを終え実際に顧客が車を手にしているものだけを数えているため、控え目な推計だとTeslaは言っている。

例えば、「顧客に輸送中」の車が5500台あるが、これはQ3の総数には一切入っておらず、TeslaがQ3と「同じかわずかに上回る」と予測しているQ4の納入実績に計上される予定だ。生産台数でもQ3の2万5185台は、Q2の1万8345台から大きく伸びている。

Teslaの生産、納車ペースの進展は、同社のガイダンスに書かれていた2016年後半に5万台納車という目標が、実現可能であることを意味している。ちなみにこれは2015年通年(5万580台)とほぼ同じ台数だ。こうした生産ペースの上昇は注目に値するが、同時に、CEO Elon Muskの掲げる2018年に年間50万台、2020年には100万台の電気自動車を販売するという野心的目標には、まだまだ長い道のりがあることを示している。

それでもTeslaは前進している ― 例えば2016年Q3の受注台数は、2015年同期と比べて100%以上増えている。この成長ペースを既存設備が飽和するまで維持することができて、同時に新たな生産設備が追加されれば、数年後の年間50万台も実現可能だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Mobileye、Teslaへの供給は現行のEyeQ3プロセッサで終了

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26日朝の四半期収支報告で、自動運転技術企業のMobileEyeは、現在Teslaの車両で使用され、Teslaの運転支援自走技術を可能にする画像分析インテリジェンスを提供しているEyeQ3プロセッサ以降のTeslaとの協力関係を延長しないと発表した。

同報告においてMobileyeのCTOを務めるAmnon Shashua氏は、Teslaの自動車で使用されているEyeQ3の性能改善に関しては同社が引き続きTeslaと協業していくことを説明し、直接言及こそしなかったものの、明らかに先日起きた自動運転時の死亡事故を念頭にMobileyeの技術安全性に関する評判に関する懸念を示した。提携関係の終了を申し入れたのが、Mobileye側なのかTesla側なのかは明らかにされていない。

Shashua氏は、さらにMobileyeは真の自主性を実現するには、クライアントがサポートやサービスを購入する「通常のサプライヤーとしての関係」を超えることが必要であり、自動車メーカーとMobileyeのような自立した技術企業との真のパートナーシップが必要である、と述べた。

「EyeQ3の出荷は今後しばらくは継続し、長い期間にわたる可能性もあります」とShashua氏は報告会の中で説明した。「自動運転の将来のためにリソース配分を決定した結果、今回の決定に至ったのです」

報告会では、アナリストがShashua氏に対し、協力関係の解消を申し入れたのがどちら側だったかを問いかける一幕もあったが、同氏は当初の発表以上の情報の公開を避け、Mobileyeが今後開発を進めないことを決定した旨を繰り返したのみだった。Mobileyeはまた、Teslaの事業は全体的な同社の収益に占める割合で収支において「重大な影響を及ぼさない」とした。

TeslaのMusk会長と自動運転の独立エンジニアでGeohotの名で知られるGeorge Hotz氏が、Teslaが独自の自動運転供給スタックを開発するのを支援するべくHotz氏が同社に加わるというEメールを交わしたという報道と考え合わせると、協力関係がどのように破たんしたのかが具体的に示されなかったという事実は興味深い。TechCrunchでは、Teslaに対してMobileyeとの提携関係の終焉に関して問い合わせ中であり、詳細が判明し次第追加情報を公開する予定だ。

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(翻訳:Nakabayashi)

TeslaとUberの意外に多い共通点

WASHINGTON, USA - MARCH 16: Heavy traffic along Interstate 395 during the morning commute in Washington, USA on March 16, 2016. On Tuesday afternoon WMATA announced that it would suspend all of it's Metro Rail service for 29 hours starting at midnight in order to conduct emergency repairs to the system after multiple fires caused by faulty connections. On average 700,000 people use the Metro on any given work day to get to and from work and they had to scramble to find alternate ways to work. (Photo by Samuel Corum/Anadolu Agency/Getty Images)

Elon Muskの新たなマスタープランにもとづいて、Teslaは新たにカーシェアリング市場へと乗り込んでいく。

Teslaのカーシェアリングというアイディアは新鮮に聞こえるが、自動運転の技術と相まって、Tesla車がシェアリングエコノミーに関する議論の中に登場するのは初めてではない。

2015年のあるイベントにて、Uberの投資家であるDFJでパートナーを務めるSteve Jurvetsonは、UberのTravis Kalanickが、Teslaの自動運転車が2020年までに実現すれば、Tesla製の車を全部買うと話していたことを伝えている

以前、UberとTeslaのパートナーシップが地平線上に見えていた時期があった。Musk自身も、業績発表会でパートナーシップの可能性に関する話題が上がったときに、怪しまれるくらい長いあいだ黙りこんでいた

最近では、Uberは自分たちで自動運転車を開発しようとしているようだ。そして、本日のMuskの発表によると、Teslaも同じことをしようとしている。

「Teslaの携帯アプリのボタンを押せば、自分のTesla車をカーシェアリング用に貸し出すことができます。そうすることで、仕事中や休暇中にも収入が発生し、月々のローンやリース費用を相殺できる、もしくはそれを上回るくらいの金額になる可能性があります」とMuskは自身のポストにつづった。

UberやLyftのような企業は、第一印象よりもTeslaと多くの共通点を持っている。特にUberは、以前から長期的なビジョンと自動運転車の必要性について熱く語っていた。

UberとTeslaは、最初の製品やサービスを、参入障壁がとても高い市場に入り込むのに使っていた。Uberでいえば、ライドシェアリングサービスには、多大な人的資本と規制への強固な影響力が必要だ。Teslaも、何もないところから量産品の車を製造しなければならなかった。

Uberは未だに中国で資金を垂れ流しており、Teslaもコストのかかるギガファクトリーを引き続き稼働させる必要があるものの、両社が設立当初にやろうとしていたことの大部分はうまくいっている。そして2社とも運転手不要の車に対して、強い(そして高くつく)こだわりを持っている。Uberは現在、カーネギーメロン大学をはじめとした有名大学から才能あふれる学生を採用し、自動運転技術の開発やテストにあたろうとしている。

このまま行くと、UberがTeslaと衝突することになってしまうが、これは別に新しいことではない。Teslaは、自動車の稼働率を上げるための方法としてカーシェアリングを利用することで、パズルを完成させようとしているだけだ。両社とも、自動運転車の導入が交通費の減少につながると考えている。

Uberが、現在の市場の外にいるグループにもサービスを利用してもらうためには、コストを低く抑える必要がある。しかし、新たな人たちにサービスを利用してもらうためには、人口密度の低い郊外でもサービスを普及させ、最終的には普通のアメリカ人が車を手放すよう仕向けなければならない。一方Teslaは、電気自動車を普及させ、最終的には必要な電気の量を減らして全面的な二酸化炭素の排出量を減少させるため、運転に関するコストを減らす必要がある。

Uber/Tesla

シェアリングエコノミーの最大のメリットはまだ誰も享受することができていない。表面上は、Uberのような企業が、中産階級のうち以前は仕事のなかった人々に対して収入源を供給している。将来的にカーシェアリングが自動化されれば、移動にかかる費用が減少し、市場の効率性は最大化する。Kalanick自身も過去に、Uberの料金を構成している要素のうち運転手のコストが一番高いと語っていた。ライドシェアリングが車所有の文化を代替するためには、さらなる価格低下が必須条件なのだ。

Uberにとっての自動運転車の必要性は、中国でのマーケットシェアの必要性とは性質が違い、自動運転車はUberに長期的な持続性をもたらす。同様にTeslaは、今の道を進んでも事業継続はできると思われるが、自動運転車への参入で長期的な適合性を保つことができる。つまり、両社にとって自動運転技術は新たな高成長のチャンスであり、それがトップレベルの人材をひきつけ続けることにもつながるのだ。

UberとTeslaにとってカギとなるのは、将来の投資に集中するあまりコアビジネスがおろそかにならないようにするということだ。Muskはマスタープランの中で、短期的に見れば公共交通機関や貨物自動車の開発にチャンスを見出しており、それに取り組むことがTeslaの長期的なゴールへの前進に繋がると明言している。

両社の衝突は当分先のことだが、UberとTeslaが同じ流れに乗っているからといって、それがゼロサムゲームになるということにはならない。Googleや他企業が自動運転技術への投資を行っていくことが、エコシステム全体にとってのメリットとなるのだ。全般的な研究開発費に注視することが、自動運転の業界にいる各社の戦略の内省に繋がる。

Teslaは他社に立ち向かうことはできる。一方他社に勝つかどうかは、未来の交通手段の姿について正しい方向性を選択できるかにかかっている。これから20年先に私たちが、電気自動車を即金で買ったり、燃費の悪いガソリン車での移動に高い料金を払ったりする気持ちになるとは考えづらい。

UberとLyftに現在コメントを求めているので、返答を受け取り次第、本記事をアップデートしたいと思う。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

イーロン・マスク、オートパイロットと「ベータ版」を巡る懸念に答える

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Elon MuskのTeslaマスタープラン第2章には、幹線道路交通安全局(NHTSA)が捜査中のオートパイロットを巡る懸念に対する、彼の最も強い返答が書かれている。当然ながら、Muskはオートパイロットのメリットとドライバーの安全に与える影響を支持する立場をとっている。

「最近発表された2015年のNHTSAレポートによると、交通事故死者数は8%増加して8900万マイル(約1億4300 km)に1人の割合だった。オートパイロットの走行距離はまもなくこの数字の2倍を越えようとしていて、システムは日々改善されている」とTesla CEOのElon Muskは “Autonomy” [自律性]と題した彼のプラン第2章に書いている。「誰かが要求しているTeslaのオートパイロットの無効化は、名前の由来でもある飛行機のオートパイロットを無効化するのと同じくらい意味をなさない」。

その後彼は、オートパイロットに付加されている「ベータ」という用語が、現時点の社内命名基準に沿った形式的なものにすぎないことを説明した。

「われわれがオートパイロットを『ベータ』と呼ぶ理由を説明することも重要だ」とMuskは続けた。「これは一般に言われるところのベータ版ソフトウェアではない。どのリリースも広範囲に及ぶ徹底した内部検証を経て顧客に届けられている。ベータと呼ぶのは、気を緩めず改善を続けていくことを示すためだ(オートパイロットは標準では常にオフになっている)。オートパイロットが全米平均より10倍安全になった時、ベータのラベルは外されるだろう」。

5月に起きたModel Sの死亡事故以来、オートパイロットは厳しい監視の目に曝されている。この事故をきっかけに先月NHTSAはオートパイロットの調査を開始した。Consumer Reports誌は、安全性の改善が確認されるまでオートパイロットを無効化するようTeslaに要求したが、NHTSAのトップであるMark Rosekindは今週サンフランシスコで行われたシンポジウムで、「1件の事象」によって同局が高度な自動化運転の開発推進をやめることはないと語った。

Muskが水曜日(米国時間7/20)の夜に説明した話の中にも、Teslaが自動運転システムの開発を中断する計画はない。実際、Muskは望ましい未来を描く中で、Teslaの自動運転車はオンデマンド乗車を必要とする人々のための車両連隊を構成すると説明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ペンシルベニアの事故当時、Tesla Model Xのオートパイロットはオフだった

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7月1日にペンシルベニアで事故を起こしたTesla Model Xは、当時オートパイロットが無効化されていた、とElon MuskがTwitterで発表した。この情報は当該車自身のログに基づくものだ。

[車載ログによるとペンシルベニアの事故当時オートパイロットはオフだった。もしオンになっていれば事故は起こらなかったかもしれない。]

Teslaはここ数週間、同社のオートパイロットによる半自動運転機能は、公道で試験するにはまだ早いと批判されている。Consumer Reportsも今日(米国時間7/14)、安全が確認されるまで機能を無効化するよう要請した

衝突時にオートパイロットが使われていなかったというニュースは、批判の一部を鎮めることはあっても決して全部ではない。事故の全容は未だ明らかにされておらず、またオートパイロットは原因ではないようだが、関与した可能性はある。詳しい調査結果が出るまで、判断は控えた方がよさそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Consumer Reports誌がTeslaに要請:安全が確認されるまでオートパイロットを無効化すべき

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Teslaのオートパイロットモードは、自立するにはまだ早いのか? Consumer Reportsはそう思っているようだ。

木曜日(米国時間7/14)同誌はTeslaに対して、システムの安全性が高くなるまで、ハンズフリー操作を無効にするよう要請した。Consumer Reportsは、専門家の調査の結果、一部のTeslaオーナーは車が自動走行すると信じ、緊急時に運転手が対応できずに危険な状態を生みだしていることがわかり、この決定に至った。

記事の中で、Consumer Reportsの消費者ポリシーおよび交通担当副社長、Laura MacCleeryはこう言っている。

同機能を「オートパイロット」として売ることによって、Teslaは消費者に誤った安心感を与えている。長期的に見れば、自動車の高度な積極的安全技術は私たちの交通を安全にする可能性がある。しかし現時点では、消費者が「オートパイロット」という未確認技術に基づく多くの約束を買わされていることを、私たちは大いに懸念している。「オートパイロット」は実際に車を運転できるわけではないにもかかわらず、運転手は何分間もハンドルから手を離していられる。Teslaは、運転手がハンドルを握っていること確認するようプログラムを更新するまで、自動操舵機能を無効にすべきだ。

Teslaは一切これを受け入れず、オートパイロット機能を強く擁護して、Consumer Reportsに反論した:

Teslaは常に改善を続けており、オートパイロット作動中のドライバーは一般のドライバーより安全であることを、数百万マイルの社内テストによって証明してきた。これからも技術の進歩に伴い、機能の強化、検証、提供を続けていく。個人にせよ団体からにせよ善意ある助言は有難く受け受るが、決定は現実世界のデータに基づいて行い、メディアの憶測にはよらない。

Teslaは、「オートパイロットによる1.3億マイルの走行の結果、死亡事故が1件確認された」と付け加えた。

Consumer Reportsによる要望の一週間前、規制当局はTeslaに書簡を送り、システムがハンドル操作を代わることをドライバー警告した時期のログを含め、オートパイロットの詳細記録を要求した。

その要求は、幹線道路交通安全局が継続中のTeslaのオートパイロットに関する調査の一環だ。Teslaは5月7日にオートパイロット作動中に起きたModel Sの死亡事故以来、監視の目に曝されている。先週Teslaは、オートパイロットを使っているドライバーは一般ドライバーより安全であると明言した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Teslaの自動ブレーキシステムはその死亡事故の状況には対応していなかった、とMobileyeが説明

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Tesla Model Sの死亡事故に対する、昨日のNHTSA(道路交通安全局)の調査を受けて、Tesla社の自動操縦機能の開発に関わっているイスラエルのMobileyeが、事故に関する声明を本誌に送ってきた。

“この事件で起きたことに関する説明をわれわれは読んだ”、MobileyeのChief Communications Officer Dan Galvesが書いたとされるテキストには、こう書かれている。“今日の衝突回避技術、いわゆるAutomatic Emergency Braking(AEB)〔緊急時自動ブレーキ〕 は、後部への追突の回避として定義されており、具体的にそのために設計されている”。

この声明文のトーンは、昨日のTeslaの声明とかなり違っている。後者は、ドライバー(その後オハイオ州のテクノロジー起業家Joshua Brownと判明)の死を悼み、同社の安全対策を、このように強調している: “自動操縦は絶えず進歩しているがしかし完全ではなく、今なお運転者による十分な注意の維持を要する”。

同様にGalvesも、現行世代の技術が5月7日の衝突で展開されたようなシナリオを取り扱えるようには装備されていない、と説明している。ただしそのような機能の導入は計画されている、と。“この事故には車両の横方向からの進入が関与しており、現行世代のAEBシステムはそれに反応できるように設計されていない”、と声明は述べている。Mobileyeのシステムには2018年からLateral Turn Across Path(LTAP)〔行路を横切る横方向のターン〕検知能力が含まれ、2020年からEuro NCAP〔自動車安全性能評価〕の格付けにこれが含まれる。

その技術はまだ、車両がレーンを横切ってターンする、という特別なケースに反応できるようには、装備されていないようだ。Teslaの昨日の説明では、“好天時の太陽が向こうから照りつける中で、自動操縦も運転者もともに、トレーラートラックの白い側面が視界に現れたことに気づかず、そのためブレーキが適用されなかった”、となっている。

Mobileyeは今朝(米国時間7/1)、もう一度ニュースに登場した。そこでは、同社がIntelと協働して、BMWが同社初の完全自己運転車を2021年に発売できるようにする、との公式発表があった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米国規制当局、Teslaの死亡事故の調査を開始

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Teslaは今日(米国時間6/30)、最近同社のModel Sがオートパイロット作動中に起こした死亡事故について、国家道路交通安全局(NHTSA)が調査を開始したと発表した。

同社はこの件について、「悲劇的な損失」と題したブログ記事を今日投稿し、事故が、中央分離帯のある幹線道路で起きた「極めて稀な状況」であったことを詳しく説明している。

Teslaの説明は以下の通り、

オートパイロット、運転者のいずれも、明るい青空の下でトレーラートラックの白い側部に気付かず、ブレーキをかけなかった。トレーラーの高い車高と道路を横切る位置の組み合わせによって、極めて稀な衝突が生じ、Model Sはトレーラーの下に入り、トレーラーの底部がModel Sのフロントガラスに衝突した。

同社によると、Model Sがトレーラーの側部ではなく、前部あるいは後部と衝突していれは、衝突安全装置が作動していたという。Teslaは、未だにベータテスト中のオートパイロット機能のために、これまで苦労して安全手順を見直してきた。

Teslaは事故や運転手について詳しいことを発表しておらず、「Teslaの友人」であり、EVや技術コミュニティー一般に関わってきた人物であるとだけ伝えた。

被害者は、オハイオ州カントンのJoshua Brownと思われ、5月7日にフロリダの国道で起きた衝突事故で、自分の車の天井が引きはがされた際に死亡した。トラックの運転手に怪我はなかった。Teslaは、プライバシーへの配慮から公式には運転手の身元を明らかにしていない。

Brownは、顧客満足テクノロジーのスタートアップ、Nexu Innovationsのファウンダーで、今年4月に、合流してくるトラックとあわや衝突しそうになり、オートパイロットが作動してよけ切ったところのYouTubeビデオを公開して話題になった。

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NHTSAはTechCrunchに、事故に関わったのは2015年のModel Sで、フロリダ西部のウィリストンという小さな町で、トレーラートラック交差点を曲った時に起きたことを正式に伝えた。調査の結果、最終的に車両の安全が確認できなければ、大がかりなリコールを要請する可能性がある。

同局の主席報道官、Bryan Thomasは「NHTSAの不具合情報調査室は、事故当時作動していた自動運転システムの設計および性能を検査する。予備的調査にあたり、NHTSAはこの事故や他の自動運転システムに関連する情報の追加データを収集する」と話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Teslaの生物兵器防衛モードは、途上国市場に向けた天才的発想

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Teslaは今日(米国時間5/2)、同社の微粒子フィルターがいかに効果が高いかを示す詳細情報を披露した。ネタバレ注意:こいつはすごい。車の中の空気をきれいにするだけでなく、車の〈外〉の世界もきれいにする。なぜこれが重要かは、明白ではないかもしれない。同社は非常に限定された顧客を想定していて、これは中国とインドへの市場進出の鍵となるかもしれない。

はっきり言って、車内空気清浄機は何ら新しくない。1970年代後半から高級車に塔載され始め、1980年代半ばからはさらに多くの車種に採用されている。HEPAフィルターはさらに新奇だが、それはこのレベルの浄化をするためにはそもそも車の密閉度が高い必要があり、従来の自動車設計では優先されていなかったためでもある。

TTeslaの生物兵器防衛モードは、準致死量の汚染物質を数分のうちに検出不能にまで減らすことができる。すばらしい。さらに、車の外の汚染レベルも著しく下がっていることにも注目されたい。

Teslaの生物兵器防衛モードは、準致死量の汚染物質を数分のうちに検出不能にまで減らすことができる。すばらしい。さらに、車の外の汚染レベルも著しく下がっていることにも注目されたい。

HEPAフィルターを使うこと自体想像しにくいが、さらに生物兵器防衛モードでその上を行くことは、単なる派手な見世物行為なのか? 〈なぜ〉Teslaがこんなことをしているかは、まだ誰も解明していないようだ。

Teslaのブログには、いくつか自明な理由が書かれている。生物兵器について話せば見出しになる(上を見てごらん!)。しかし本当の論点は、工業規格の微粒子フィルターを使うことによって、Tesla Model SおよびModel Xが、工害のひどい環境に適していることを示すことだ。

もちろん現在のTesla車には様々な特徴があるが、一つないことと言えば「安い」ことだ。
この2つを合わせると、Teslaのターゲット顧客層のベン図が見えてくる。膨大な金銭を持ち、夥しい量の汚染に悩まされている人々だ。

工害は世界的問題だが分布は平等ではない

世界の公害都市トップ1000の約7%は米国にあり、これがパズルの1つ目のピースだ。自国市場のために特によく設計された車を作ることは常識だ ― 特に、公害に関して有利な立場にある電気自動車メーカーなら。

Top 1000

残りのデータも実に興味深く、なぜこの会社にとってこれが重要であるかのヒントを与えてくれる。インド、中国、トルコ、フランス、ドイツは、いずれもトップ1000に多くの都市を抱えている。どの市場も同じように裕福というわけではないが(これらの国々の一人当たりGDPは大きく異なる)、これらの国に、高級車を買える ― そして買う ― 人々が数多くいることは否定できない。

最も重度な公害に苦しんでいる国に限ると、データは大きく変わる。下のグラフは、WHOが「最も汚染されている」とする PM 2.5 が 25 µg/m³ を越える都市だけを見ている。

PM2.5 over 25

公害が中国経済を苦しめていることは明らかであり、最近の報告によると同国GDPの何と6.5%もが、公害対策関連に費されている

インドもひどく苦闘している。この国は世界の公害都市トップ20のうち13を占めている。ちょうど今日(米国時間5/2)、Death By Breathと題された20分のドキュメンタリーが公開され、デリー、パトナ、グワーリヤル等の空気汚染がいかにひどいかが紹介されている。

両国で興味深いのは、Teslaが実行しようとしていることにとって、まさしく完璧なターゲット市場であることだ。

「HEPAフィルターは、Teslaを公害地域に最適な車にする」と考えることは、誤った方向だと私は信じている。むしろ逆だ。Teslaは大成功したい市場を探していて、高度なフィルターを加えた純粋な〈理由〉は、それらの市場がひどい公害問題に悩まされているからだ。

Teslaは大量の車を売る

既に書いたように、車にHEPAフィルターを使うことは決して新しくないが、それをウリにすることは少なかった。むしろ巨大な燃料食いのSUVが、室内は世界一きれいでも、走ることで問題の原因になっているという事実によって少々割引かれてきた。純電気自動車会社であるTeslaは、途上国の富裕層に対して、ユニークな特徴を堂々と提供することができる。自分たちの吸う空気のことと、問題の一部にならないことの両方を気にかけている人々だ。

高級車の世界では、Teslaの価格は比較的平均に近い。この分野には様々な選択肢があり、強力な差別化要因は著しい効果を生む。EVであることはアピールの小さな部分にすぎないが、北京、香港、デリー、ドーハといった、公害の蔓延と富の集中がベン図で重なるピークでは、その効果は倍増する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

メルセデスの家庭用バッテリーは、Tesla Powerwallのライバルになれるか

Aus dem Auto ans Netz: Mercedes-Benz Energiespeicher eignen sich auch für die private Nutzung zur verlustfreien Zwischenspeicherung von überschüssigem Strom. / From cars to power grids: Mercedes-Benz energy storages are also suitable for private use to buffer surplus power virtually free of any losses.

Mercedes-Benzの電動自動車の高需要に向けて開発されたバッテリーが、家庭用エネルギー蓄積装置として新たな用途を探している。聞いたことがあるって? そう、Tesla Powerwallとよく似ている。

Mercedes-Benzの親会社であるDaimler AGによると、この蓄電装置は子会社のDeutsche ACCUMOTIVE(Daimlerは大文字が本当に好きだ)が製造している。バッテリーの販売、設置、支援は電気会社やソーラー技術会社等のパートナーが行う。蓄電装置はソーラーパネルと一緒に設置することが多いので、これは理にかなっている。装置はすでにドイツで販売されており、今後は海外にも広げていくとMercedesは言っている。

2.5 kWhの棒状リチイムイオンバッテリーモジュールを最大8本内蔵可能で、最大容量は20kWh。Mercedesによると、これはソーラーエネルギーの余剰分を蓄積し、後で「事実上無駄なく」使用するのに十分な容量だという。装置の価格は公表されていない。これは装置本体以外に、光電パネルや設置費用等、いくつかの部品と合わせて販売されるためのようだ。

Deutsche ACCUMOTIVEは、この種の装置を2015年から工業利用向けに製造している。システムがスケーラブルに設計されていたため、早期に家庭用市場に参入できた。Daimlerは、エネルギー蓄積子会社に大きく賭けている ― Deutsche ACCUMOTIVEの第2のバッテリー工場には5億ドル以上を投資していて2017年夏に稼動を始める。

一方、Tesla Energy Powerwallは同じ目的を、もっとスマートに実現していると言っていいだろう。Powerwallは6.4 kWhのエネルギー容量を「一日サイクルの利用」のために提供しているとウェブサイトに書いてある。Mercedesの装置と同じく、もっと多くのエネルギーを蓄積する必要のあるソーラーシステムのために複数台設置することもできる。Powerwallの価格はわかっている ― 3500ドルだ。その需要の高さは、昨年Powerwallが発表されたとき、 3万8000台の予約が入ったことからわかっている。それだけの需要があれば、Daimler AGのような実績あるバッテリー技術を持つライバルが参入するの余地は十分にありそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla Model 3の発表会で撮った写真、14枚―まずこれで予習しておこう

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今夜、Tesla Model 3の発表会に行ってきた。今回Teslaは奇妙なルールを設けていた。「大きなカメラは禁止」とぃうのだ。スマートフォンがいいが、ズームレンズが付けられる本格的なカメラの持ち込みは禁止だという。

正確な理由は不明だ。私は会場で誰かれとなく心当たりを尋ねてみたが、どうやら確からしいという説は「Model 3はまだ完成車ではない」というものだった。つまり細部のフィニッシュは完全ではなく、今後変更の余地があるというものだ。会場の照明は暗く、スマートフォンのカメラの暗所での性能はご存知のとおりなので写真を撮るのにはひどく苦労させられた。

Tesla自身が発表した写真を別にすれば、細部まで見定められるModel 3の写真は今のところ出回っていない。そういう次第で、以下の14枚の写真は私自身と同僚によるModel 3の実写ではあるが、描写はいまいちなのでご了承いただきたい。

普段なら多数の写真はまとめてスライドショーにするところだが、システムはギャラリーに写真を取り込むときにサイズを下げてしまうので、1枚ずつ掲載することにした。

(Model 3のスペックについてはわれわれの記事を参照)

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レッドだ!

プレゼンに使われた車はシルバーだったが、右手にレッド塗装も1台あった。

デザインのコンセプトはModel Sに似ているが、単にSを縮小しただけではなかった。フロントエンドは全く異なる。この角度からだとScion FRSあるいはスバル BRZにやや似ている(フロントエンドはそれだけ目立つわけだが、ともあれゴージャスだ)。

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ホィール!!

この点は後でさらに掲載。

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フロントエンド

Model Sと同様、「フロントグリルなし」だ。実車を見るとかなりシュールな感じがする。まるで誰かがクレイモデルにフロントグリルを刻み忘れたみたいだ。少し離れると非常にクールだ。

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ドア・ハンドル

これまでのTesla同様、Model 3のドア・ハンドルも走行中はボディー内に隠されていて外からは見えない。Model 3の場合はSよりさらに強くカーブしている。

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「予約数」

プレゼンの後でステージに表示されたライブの予約受付状況に関心が移った。イーロン・マスクが登壇したときにはカウンターは11万台前後だった。つまりまだ誰も実車を見ていないうちにそれだけの予約があったわけだ。40分後、プレゼンが終わった後で数字は15万台に跳ね上がっていた(カウンターの表示はそこで終わった)。

ちなみに15万台というのはTeslaが2015年に販売した車の総数の3倍だ。

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最後にもう1枚赤い車を…

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シルバー!!

シルバー・モデルのサイドビュー

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そして…

少し違う角度から。逆光でレンズのフレアが目立つ。

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すでテストドライブが可能だが…

残念ながらModel 3は(Teslaの社員以外)、まだ誰も実車を運転できていない。言うまでもなくテストドライブの申し込みが殺到している。

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ホィール!

さすがのTeslaでもホイールはあるべき位置にある。

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ルーフ

脚立なしにルーフの写真を撮るのは難しかったが、造形はたいへん美しい。巨大な一枚のガラスで、フロントのサンバイザーが取り付けてある支柱と運転席・助手席の頭上を横切る支柱だけがわずかに視線をさえぎるだけだ。サンルーフに似ているが、視界ははるかに広い。Model Sのゴージャスなパノラマビューが後部座席まで拡大された。昼間や星空の下での夜などファンタスティックだろう。.

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再びフロント

ドライバー席と助手席の間に大型のタッチスクリーンが設置されているのが見える。Model Sのものと似ているが、こちらは縦置き1715インチではなく横置き15インチだ(いずれも対角線長)。

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スクリーンの別角度

ドライブ・システムのインターフェイスは納入車両では若干変更されるかもしれない。現状ではやや荒削りだった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+