TikTokがLiDARを使った初のARエフェクトを発表、紙吹雪が拡張現実空間に舞い落ちる

Snapchat(スナップチャット)は、iPhone 12 ProのLiDARスキャナをARに活用(未訳記事)した最初のアプリの1つだったが、TikTok(ティックトック)もそれに続くことになった。このソーシャルビデオアプリは米国時間1月6日、新年を迎えたユーザーに向けて、同社初のLiDARを使ったエフェクトを発表した。このエフェクトは、大晦日にタイムズスクエアに落下するボールに似たARボールを、拡張現実の中に表示するというもので、カウントダウンの後にこのくす玉は落下して爆発し、部屋を紙吹雪で満たすと同時に、空中には「2021」の文字が浮ぶ。

「Light Detection And Ranging(光による検知と測距)」の頭文字を取ったLiDARは、2020年秋に発表されたiPhoneの新しいフラッグシップ5Gモデル、iPhone 12 Proと12 Pro Maxで採用された。この技術は、光が空間内の物体に到達してから反射して戻ってくるまでの時間を測定することで、iPhoneが周囲の世界をより正確に認識するのに役立つ。

これをiPhoneの改良された機械学習機能や開発フレームワークと組み合わせると、より没入感のあるAR(拡張現実)体験が可能になる。

この技術をいち早く採用したSnapchatは、最初に新しいLiDARスキャナーを使用して、アプリ内にARレンズを作成した。このレンズで撮影すると、部屋の中でも自分の周囲に花や草が生えてくる。この仮想植生には、部屋の壁をはい上ったり、棚の周囲に生えてくるものさえある。これはLiDARが正確に壁や棚の位置を認識するから可能になることだ。

2021年に向けて、私たちは新しいiPhone 12 Pro用に初のARエフェクトをリリースしました。これはLiDAR技術を使用して、周囲の環境と相互作用するエフェクトを作成することで、デジタルと物理的な世界を視覚的に橋渡しすることが可能になります。2021年には、さらに革新的なエフェクトを開発していきますので、お楽しみに!

同様に、TikTokの新しいエフェクトは、LiDARで部屋を認識して、ボールが爆発した後の紙吹雪を、よりリアルに着地させるように作られている。

同社が例としてTwitter(ツイッター)で公開した動画には、現実の紙吹雪のように、バーチャルな紙吹雪が床、ソファ、クッションを覆っていく様子が映し出されている。とはいえ、このエフェクトはまだ完璧とはいえない。それが本物の紙吹雪ではなく、AR体験であることは一目瞭然だ。しかし、LiDARによる空間認識を持たない従来のARエフェクトに比べれば改善されている。

TikTokは、このARエフェクトがユーザーの環境とどのように相互作用するかによって、デジタルと物理的な世界を視覚的に橋渡しすることができると説明している。このエフェクトは一部の国を除き、世界中で利用可能だ。

もちろん、楽しいAR効果は、様々なLiDARの活用例のほんの1つに過ぎない。この技術は「3D Scanner App」のようにスキャンして3Dモデルを作成するアプリや、「RoomScan LiDAR」のようにインテリアデザインに役立つアプリ、さらにはApple Arcade(アップル・アーケード)のタイトルに含まれる「Hot Lava( Hot Lava :灼熱のホットラバ)」のようなゲームにも採用されている。

TikTokは、2021年の間に「さらに革新的なエフェクト」を導入する予定だという。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

グーグルがTikTokとInstagramのショートビデオを集約する検索機能をテスト導入

Google(グーグル)は、InstagramとTikTokのビデオをモバイル機器向けGoogleアプリの専用カルーセルに表示する新機能をテスト中だ。これは、Googleのプラットフォームから完全に離れることなく、ソーシャルビデオエンターテイメントを探しているユーザーをつなぎ止めるのに役立つだろう。この機能自体は、2020年始めに開始されたテストを拡張したもの(9to5Google記事)で、GoogleはGoogle Discoverの中で最初に「Short Videos」のカルーセルに表示された。DiscoverはGoogleモバイルアプリ内で見つけられるパーソナライズされたフィードで、一部のAndroid端末のホーム画面の左下にある。

念のためにいっておくと、この「ショートビデオ」カルーセルは、2020年10月にiOSとAndroid用のGoogle検索アプリに導入されたGoogle Stories(ストーリー)とは異なる。以前「AMP Stories」と呼ばれていたこれらの「ストーリー」は、GoogleのオンラインパブリシングであるForbes、USA Today、Vice、Now This、Bustle、Thrillistなどが制作した短編ビデオで構成されている。

一方「ショートビデオ」カルーセルは、他のプラットホームからのソーシャルビデオの集積にフォーカスしてきた。それにはGoogle自身の短編ビデオプロジェクトTangiや、インドでTikTokと競合しているTrell、そしてもちろんGoogle自身のビデオプラットホームであるYouTubeも含まれる。YouTubeは最近、ショートビデオの実験を行った

一方、「ショートビデオ」カルーセルは、Google自身の短形式ビデオプロジェクトであるTangi、インドのTikTokの競合であるTrell、Google自身のビデオプラットフォームYouTubeなど、他のプラットフォームからのソーシャルビデオを集約することにフォーカスしている(9to5Google記事)。YouTubeも最近、ショートビデオのテストを行っている

このカルーセルにInstagramやTikTokのコンテンツが含まれるようになったことは、Search Engine Roundtableが最初に報じた。彼らはGoogleアプリで「packers」を検索し、ページをスクロールダウンすることでこの機能にアクセスできたという。

そのやり方を再現すると、以下のようになる。

Googleの検索結果のスクリーンショット

Short Videosカルーセルは、Green Bay PackersのGoogle Knowledge Baseボックスをスクロールして通り過ぎると表示されスコア、Top Stories、Twitterの結果、Top Results、Images、Videosなどプレイヤーのリストや順位などのコンテンツが表示される。

Short Videosには、InstagramとTikTokのビデオがどちらも表示されていた。クリックすると、ソーシャルプラットフォームのウェブ版が表示される。ネイティブモバイルアプリではない(たとえデバイスにインストールされていても)。その結果、ビデオを見た後に検索結果に戻るのは、後ろの矢印をタップするだけなので、ユーザーはGoogleに留まる可能性が高くなる。

Googleは何年も前からビデオコンテンツのインデックスを作成しており、2015年にはTwitterと提携して検索結果のインデックスを作成した。しかし、Facebook / InstagramやTikTokとどの程度正式な関係があるのかは不明だ(これらの企業からコメントがあれば、アップデートする)。

Googleはこの計画について正式なコメントや詳細を避けたが、同社の広報担当者はTechCrunchに対して、この機能が現在、モバイルデバイスで試験運用されていることを認めた。彼らは、それが限定された初期段階の機能であることを明確にしている。いい換えれば、現在のところすべての検索クエリでビデオカルーセルが見つかるわけではない。しかし時間が経つにつれ、Googleがこのサービスを拡大していけば、ソーシャルメディアのトップビデオコンテンツをインデックス化して表示するための興味深いツールになるかもしれない。もちろん、プラットフォームがGoogleをブロックしない限りだが。

同社によると、この機能は現在、モバイルデバイス向けGoogleアプリとモバイルウェブで限定的に利用できるという。

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TikTokの米国からの締め出しを裁判で差し止められたトランプ政権が控訴

裁判所への提出文書によると、合衆国政府は、トランプ政権によるTikTokの禁止を阻止する裁定に控訴している。12月7日に、合衆国地方裁判所判事Carl Nichols氏はワシントンで、国の安全への脅威としてTikTokアプリの米国のアプリストアからのダウンロードを停止しようとする商務省の試みを阻止する、二人目の米国判事になった

トランプ政権は、このビデオ共有アプリに対し、親会社がByteDanceであることによる中国所有と、TikTokの米国ユーザーのデータに中国政府がアクセスしている可能性により、懸念を唱えていた。この懸念が最終的に行き着いたところは、大統領令でTikTokを合衆国市場から締め出そうとするトランプ大統領の決定だった。

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対してTikTokは、法廷で大統領令と戦うと言明し、またそれと同時に、大統領令が認められた場合に備えて、米国事業を米企業に売る交渉に入った。

しかしながら、この件に関する12月7日の裁定の前にTikTokのクリエイターたちのグループが禁令との戦いに勝ち、そのときはペンシルベニアの合衆国判事Wendy Beetlestone氏が、TikTokの米国での操業を不可能にする大統領による制限を阻止する、差し止め命令を発行した。クリエイターたちは、大統領の禁令により、ブランドのスポンサーシップなど、このプラットホームが提供している収入機会を失う、と訴えた。

その禁令に続いてTikTokが起こした別の裁判でNichols判事は、トランプはアプリを合衆国から締め出そうとすることによって権力を濫用し、その行為は「恣意的で気まぐれである」と裁定した。

合衆国商務省のスポークスパーソンはこの裁定のとき、差し止め命令には従うが、「大統領令とその商務長官による実装を法のチャレンジから護る」、と言った。そして今日、控訴によってその言い分を実践した。ただし、合衆国がTik Tokの禁止努力を今後も続けるか否かは、次のバイデン政権の姿勢にかかっている。

今日の裁判所提出文書のニュースを最初に報じたのは、ロイターだ。TikTokは、控訴に対するコメントを拒否した。

商務省スポークスパーソンの声明は、次のとおりだ(12/28/20, 1:14 PM ET):

2020年12月7日にコロンビア特別区の合衆国地方裁判所は、大統領令(E.O.)13942の実行に対する全国的な仮差し止めを認めた。その大統領令は、商務長官が認めているTikTok/ByteDanceの禁じられたトランザクションに限定されている命令である。裁判所のこの裁定は2020年10月30日のペンシルベニア東部地区の合衆国地方裁判所による全国的仮差し止めと整合している。当省は、大統領令が完全に合法的で、国のセキュリティに関する正当な全国的関心を喚起することを、支持している。政府は差し止め命令には今後も従う所存であり、ただちのそのための行動を取っている。しかし同時に大統領令と、その商務長官による実装を法のチャレンジから積極的に護るつもりである。

【控訴状全文】

合衆国政府がTikTokの差し止めに対して控訴, TechCrunchより Scribd上に

画像クレジット: SOPA Images/Getty Images

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TikTokがコミュニティガイドラインを拡張、「ウェルビーイング」の新機能を展開

TikTokは米国時間12月15日、嫌がらせ、危険行為、自傷行為、暴力などの分野における既存方針を強化することを目的とした新しいコミュニティガイドライン発表し、併行してユーザーのウェルビーイングに焦点を当てた4つの新機能を導入することを明らかにした。これには、自傷行為や自殺念慮に苦しむ人々のためのリソースの更新、痛ましいコンテンツを隠すオプトイン表示画面、TikTokをよりアクセスしやすいものにするためのテキストから音声への変換機能、新型コロナウイルス感染症関連の広範囲に渡るリソースが含まれている。

多くのトピックは今回の変更に先立ってすでにTikTokのコミュニティガイドラインでカバーされていたが、今回の更新では各領域により特化し、プラットフォーム上で見られるユーザーの行動パターン、ユーザーからのフィードバックや、学識者、市民団体、TikTok自身のコンテンツアドバイザリーカウンシルなどの各専門分野からの意見に基づいたアップデートになっているという。

1つは自殺と自傷行為に関する内容の改善である。今回更新されたガイドラインでは、メンタルヘルスケアの専門家の意見に基づき、自傷行為の常態化を避けるために注意すべき反応や言葉について規定されている。また、摂食障害の内容に関し、危険なダイエットを正当化したり称賛したりすることを禁止する旨を追加している。

画像クレジット:TikTok

いじめやハラスメントに関するポリシーの強化では、個人情報をネット上で晒すことや、サイバーストーキング、セクシャルハラスメントに対するより広範なポリシーなど、TikTokで歓迎されないコンテンツや行動の種類についてより明確にしている。過去にTikTokユーザーがマスクをしない看護師の働く場所を特定したケースがあり、これが少なくとも看護師の解雇に繋がったことを考えると、この更新は特に興味深い。ただしこのケースでは自宅住所を公開したのではなく雇用主に警告しただけであったことから、TikTokがこの種の「個人情報を晒す」行動にどのように取り組むのかは不透明だ。

別のアップデートでは、危険行為やチャレンジ行為についてのコンテンツの制限、ラベル付け、削除に努める危険行為ポリシーに関するガイドラインを拡充している。未成年の安全ポリシーに「有害な活動」についての項目を追加し、青少年の安心安全を脅かす危険な行為やゲーム、その他の有害な活動を助長するコンテンツの禁止について強調している。

また、危険な個人や組織に関するポリシーを更新し、暴力的過激主義の問題に焦点を当てた。今回更新されたガイドラインでは、何が具体的に脅威や暴力への扇動とみなされるか、TikTokが禁止している内容や行動について、より詳細に説明されている。トランプ氏の支持者の多くが、大統領選挙での敗北を受けて新たな内戦やその他の暴力を求めていることから、この更新も時宜を得たものといえるだろう。

新機能に関しては、自傷行為のような行動に関連する悩みを抱えるユーザーをサポートするリソースの追加がある。ProvidenceSamaritans of Singapore、およびTikTokの米国コンテンツ諮問委員会のメンバーを含む行動心理学者や自殺予防の専門家と協力し、新たなリソースを作成した。これらの新しいリソースにより、「自傷」や「自己嫌悪」などの言葉で検索すると、研究結果に基づいた改善のための情報が表示されるようになる。なお、引き続き以前と同様、緊急時のサポートのためにTikTokのセーフティーパートナーの各団体へのアクセスが可能となっている。

また、人によっては生々しいと感じたり苦痛を感じる可能性がある動画のトップに表示される新しい確認機能を導入する。これらの動画はすでにおすすめの対象外となっているが、規制されない可能性がある。たとえば、ドキュメンタリーの理由で削除されていない暴力や戦闘が映像に含まれる場合もある。自然界の動物の中には、獲物を狩ったり殺したりして、動揺させるものがある。ホラークリップのように、恐ろしさを感じさせるものもある。

ユーザーがフラグを立ててTikTokがこうした不快なコンテンツを認識すると、確認画面が動画に適用されて予期せぬ視聴を減らしてくれる。この機能を利用することでユーザーは、画面下部のボタンで動画をスキップするか視聴するかを選択できるようになる。

さらに、アクセシビリティを目的とした新しいテキストを音声に変換する機能により、タイプしたテキストを動画で再生する音声に変換することが可能になる。これは、TikTokが最近、光過敏性てんかん患者をサポートする機能をローンチしたことに続くものだ

画像クレジット:TikTok

TikTokはまた、アプリ内の新型コロナウイルス感染症関連情報ページに新型コロナウイルスのワクチンに関する質問と回答を追加している。これらは疾病対策予防センター(CDC)などの公衆衛生の専門家が提供するもので、トレンドページ、検索、新型コロナウイルスとワクチン関連動画へのバナーからアクセスできる。同社によると、新型コロナウイルス関連情報ページはこの半年ですでに20億回以上閲覧されているという。また、TikTokはTeam Haloと提携しており、世界中の科学者が動画投稿を通じてワクチンの進捗状況を共有できるようにしている。

TikTokはプラットフォーム上のコンテンツのモデレーションに関してかなり積極的だ。フィードを長くスクロールすると、ポリシー違反で削除された自分の動画について嘆くユーザーが見つかるだろう。またユーザーが他のユーザーの削除した動画を再アップロードして返信しているものもある。11月に広まった選挙の誤報についても、TikTokは#RiggedElectionや#SharpieGateなどのハッシュタグをブロックすることで迅速に対応した。

選挙後におこった暴力を求める声など、最近のユーザー行動に対応する変更も、本日発表された新しいポリシーに含まれている。

「TikTokのコミュニティの安全性を保つことは、私たちが常に意識すべき最重要事項です」とTikTokは今回のアップデートに関する発表の中で述べている。「問題のあるコンテンツや行動が新たに現れた際に、迅速に検出して対応することがユーザーに対する責任であることを私たちは認識しています。そのために、TikTokはポリシーを進化させ続け、違反コンテンツを自動的に検出する技術を開発し、TikTokの体験とコンテンツの好みを最適化する機能を構築し、信頼できる環境を育むためにコミュニティを形成していきます。こうしたアップデートによって、ユーザーにとって前向きで有意義なTikTok体験を実現できるよう努めてまいります」。

関連記事:TikTokがユーザーそれぞれの2020年を振り返る初の機能「Year on TikTok」提供開始

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(翻訳:Dragonfly)

TikTokがユーザーそれぞれの2020年を振り返る初の機能「Year on TikTok」提供開始

Spotify(スポティファイ)ユーザーにはWrappedがあり、Instagram(インスタグラム)ユーザーにはTop Nineがある(CNN記事)。そして、TikTok(ティックトック)ユーザーにも独自の今年1年を振り返る機能が提供されることになった。TikTokは米国時間12月21日、「Year on TikTok」と呼ばれる個人の年間振り返り機能を初めて提供すると発表した(TikTokリリース)。これは各ユーザーのTikTokで最高の瞬間を紹介するハイライト動画で、自分がTikTokを利用していた時間、よく見た動画、お気に入りのトラックやエフェクト、コメントや動画の共有頻度などのメトリクスも含まれている。

この機能はまた、ユーザーのお気に入りの「vibes(バイブス)」を識別する。これはつまりクラフト、料理、動物、旅行、コテージコア、またはこのソーシャルビデオプラットフォーム上に現在誕生している多数のコミュニティのいずれかなど、あなたが最も好きな動画の種類のことだ。

ユーザーが独自の「バイブス」を生成するほどTikTokを使っていない場合は、代わりに「Year on TikTok:トップ100(TikTokリリース)」の中で上位にある動画が、Year on TikTokとして表示されるという。

画像クレジット:TikTok

この1年をまとめたコンテンツは、おなじみの方法で表示される。縦にスクロールすると、あなたの2020年の関心事や活動を表す動画が表示され、その動画を自分のTikTokプロフィールに直接シェアすると、プロフィール写真の上に「2020」の文字が入った特別なプロフィールバッジを受け取ることができる。

アプリの「Year on TikTok」ページではトップミーム、トップクリエイター、トップバイラルビデオ、最もインパクトのあるクリエイター、トップセレブ、トップソング、その他年末のトレンドなど、他のTikTokのハイライトを閲覧できる。

TikTokユーザーはアプリの「For You(おすすめ)」フィードでアイコン(目立つ位置にある)をタップするか、「Discover(トレンド)」ページの上部にあるバナーまでスクロールすることで、自分の「Year on TikTok」にアクセスすることができる。

ただし、TikTokによる1年のまとめの精度には議論の余地がある。たとえば筆者の場合、For You(おすすめ)フィードにある動画がすべて政治やニュースに関連しているにもかかわらず、(どういうわけか)TikTokは私のトップ「バイブス」が、家庭、旅行、動物に関するものだと教えてくれた。それは不完全なリストで、過去に私が「お気に入り」登録したビデオの大半とは一致していない。TikTokは、よりポジティブな「バイブス」に絞ってユーザーの体験をキュレートしているらしい。そして政治的なビデオやテーマは選ばれないようだ。

このように空回りすることもあるにせよ、ユーザーが1年間にソーシャルアプリとどのように関わったかをパーソナライズする振り返り機能は、かなり人気があることが証明されている。そしてこれは、よくできたマーケティングの仕かけでもある。

たとえばSpotifyのWrapped(まとめ)は、あまりにも人気が高いため、年末になると人々の共有した「まとめ」が、ソーシャルフィードを埋め尽くしてしまうという不満がユーザーから出始めた。Spotifyは2020年、この問題に部分的に対処するため(未訳記事)、2020年のWrappedに新しいカスタマイズオプションを提供し、ユーザーが共有する前にWrappedカードの色を調整できるようにした。こうすれば、共有Wrappedの洪水は、例年のような均質なものにはならず、それほど迷惑ではないと認識されるかもしれない。

調べるのは難しいが、「Year on TikTok」機能もうまくいくだろう。ハッシュタグ #YearOnTikTok は、より多くの視聴者に自分の動画を薦めたり、「おすすめ」ページに掲載されることを期待してこのタグを使うユーザーのおかげで、54億ビューに達している。2020年バッジをプロフィールに貼るクリエイターがどれだけいるかが、今後の試金石となるだろう。

TikTokの機能は楽しいが、少し物足りないと感じた場合は、サードパーティ製の代替機能がある。

その1つであるRetroplayというアプリは2020年12月、独自の2020年TikTok Year in Reviewを発表した。このアプリは、自分の統計やメトリクスをまとめるだけではない。ユーザーは、Retroplayの「Superlatives」賞を通して、お気に入りのクリエイターや動画に投票したり、お気に入りのクリエイターからカードを集めたり、自分のハイライトリールをカスタマイズすることもできる。しかし、このアプリはまったく新しいものであり、バグに悩まされている。たとえばハイライトリールは現在修正中のためにダウンしており、文字ではなくピリオドで始まるユーザー名に対処できないこともわかった。

「私たちは、コンテンツクリエイターのための1年を振り返る機能にもっと力を入れたいと考えています。この2週間にわたってクリエイターたちと一緒にアイデアを出し合ってきました。フィードバックに基づき、ハイライトリール機能を一時的に無効にしました」と、Retroplayの開発者はTechCrunchにメールで回答した。彼らによると、クリエイターは今週末にリリースされる新機能を通じて、トップ4やトップ9の動画コンピレーションを作成できるようになるとのことだ。

画像クレジット:Retroplay

TikTokはAPIを提供していないため、Retroplayは公開されているユーザーの動画へのアクセスや統計情報の取得ができず、データの取得にも苦労してきた。

しかし、このアプリのデザインはキャッチーで、インタラクティブな機能は魅力的だ。開発者がなるべく早く、年内には問題を解決できることを期待したい。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ウォールマートがTikTokでのライブストリーミング販売をテスト、若年層への販売拡大を狙う

Walmart(ウォルマート)とTikTok(ティクトック)は米国時間12月17日朝、TikTokのソーシャルビデオアプリを使った新たなライブ販売の試験で提携すると発表した。覚えている読者もいるかと思うが、トランプ大統領令によってTikTokが米国事業を米国企業に売却しない限り米国マーケットでの事業を禁止すると脅された際、ウォールマートはTikTokへの出資を計画した。その事業禁止令はいくつかの裁判所の判断を受けて現在、棚上げされている。しかしながらウォールマートのTikTokへの関心は衰えていなかった。ソーシャルネットワークと不釣り合いなようにみえるウォールマートは、若い世代のオンライン消費者を動画、特にライブストリーミングの動画を通じて引きつけることに可能性を見出した。

それがTikTokで行う新たなテストだ。

TikTokの新しい「shoppable product(買い物できるプロダクト)」のテストでは、ウォールマートライブストリーミングの間、TikTokユーザーはTikTokアプリを離れることなくウォールマートのファッションアイテムを購入することができる。ファッションアイテムそのものは10人のTikTokクリエイターによるコンテンツの中で特集される。クリエイターのグループはMichael Le(マイケル・ル)氏が率いる。同氏のTikTokダンスは4300万人超のファンを獲得している。他のクリエイターにはDevan Anderson(デヴァン・アンダーソン)氏、Taylor Hage(テイラー・ヘイジ)氏、Zahra Hashimee(ザハラ・ハシミー)氏ら新進気鋭のスターが含まれる。

クリエイターらは「Holiday Shop-Along Spectacular」というTikTokで開催される特別イベントに参加する。このイベントは米国東部時間12月18日午後8時にウォールマートのTikTokプロフィールで展開される。

画像クレジット:Walmart

イベントの間、クリエイターはそれぞれのスタイルでお気に入りのウォールマートファッションを披露する。一部のクリエイターはファンにクローゼットの中を垣間見せ、また別のクリエイターはリビンングルームをファッションショーの花道に仕立てたり、ファッショナブルなダンス披露したりするかもしれない、とウォールマートは話す。

TikTokユーザーが特集されたファッションアイテムを購入する方法は2通りある。

プロダクトがスクリーンに表示されると、ユーザーがタップしてアイテムをカートに入れられるピンが登場する。そしてユーザーはモバイルチェックアウトへと誘導される。あるいは、イベント終了時にショッピングカートのピンをタップして特集されたアイテムをチェックし、購入したいものを選ぶこともできる。

イベントを閲覧できなくても、TikTokユーザーはイベント終了後にウォールマートのTikTokプロフィールからアイテムを購入することが可能だ。

「当社の顧客のために買い物エクスペリエンスを刷新する方法を我々は常に模索しています」とウォールマートの米国担当マーケティング責任者William White(ウィリアム・ホワイト)氏は声明文で述べた。「顧客にさらに良いサービスを提供する新しい方法を探すために、我々はこれまで以上に迅速に動いています。当社のコミュニティのためにこのイベントを作り出しました。多様なクリエイターの暮らしや情熱、スタイルが反映されるため、視聴者は誰であれ、どんな服装を好むかにかかわらずイベントを楽しめるでしょう」と付け加えた。

ウォールマートは、TikTokプラットフォームで1年以上ブランドを展開していて(実際、ModernRetailがこのほど詳細に報じたレポートによると、ウォールマートはTikTokビデオの制作を従業員に課したりした)、モバイルショッピングで提携するというアイデアは直近の買収交渉の結果出てきたものではないと述べた。

ウォールマートはまたTechCrunchに対し、今回は合同テストという位置付けであり、アプリを通じての販売でTikTokとの売上高の共有はなく、手数料も発生しないと述べた。

画像クレジット:WalmartのTikTokプロフィール

TikTokが買い物できるビデオを手がけるのは今回が初めてではない。

同社は最近、この分野を開拓しており、2019年はハッシュタグに買い物の要素を加えたHashtag Challenge Plusを立ち上げた。ビデオ視聴者をTikTok内の買い物サイトに導くものだ。今年は、消費者がTikTok上に投稿されたリンクを通じて購入できる「Shop Now」ボタンをLevi’sのようなブランドが展開した。そして2020年秋の大きなディールとして、TikTokはソーシャルコマースでShopifyと正式に提携した。この提携によりShopifyの販売業者はShopifyのダッシュボードから直接TikTokマーケティングキャンペーンを展開することができる。

若いユーザーは楽しむため、そして買い物するためにインフルエンサーやオンラインビデオに目を向けていて、ライブストリーミング販売は急成長中の儲けが多いマーケットでもある。

程度の差はあるが主要なテック企業もこの分野に投資している。Facebook(未訳記事、フェイスブック)とInstagramで積極的に推進しており、Google(グーグル)はR&D部門を通じて、Amazon(アマゾン)はQVC(24時間テレビショッピング放送チャンネル)のようなAmazon Liveで、Alibaba(アリババ)はAliExpressで、またJD.comやPinduoduo、WeChat、そしてTikTokの中国版アプリDouyinなども投資している。

しかし、TikTokはインフルエンサーがすでに彼らのお気に入りのアイテムやファッション、スタイルを見せびらかしている場所であるために、TikTokにとってライブストリーミング販売は自然な流れだ。

「TikTokではコミュニティにクリエイティビティを与え、喜びをもたらし、価値を加える新たな方法を常に模索しています」と同社のグローバルビジネスソリューション担当副社長Blake Chandlee(ブレイク・チャンドリー)氏は話した。「クリエイターとブランドはTikTok Liveを通じてオーディエンスとつながるためにクリエイティブな場所を見つけました。我々のコミュニティが好きなブランドを発見してそれに関わることができるようにするために、このインタラクティブなエクスペリエンスをさらに刷新することを楽しみにしています」。

そして「ブランドは今年1年を通してコミュニティに大きな影響を及ぼしました。ウォールマートが有意義にコミュニティに従事するためにTikTokのクリエイティビティとこの手のものとしては初となるエクスペリエンスを受け入れることに心躍らせています」と語った。

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画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

InstagramがTikTokのライバル機能となるReelsでショッピングも可能に

Instagram(インスタグラム)は米国時間12月10日、TikTok(ティックトック)のライバル機能であるReels(リール)の中でショッピング機能をローンチした。この新機能は、ショッピング関連のアップデートの継続的な動きの1つとして開発中であることを、Instagramが2020年10月に発表していたものだ。今回のサービス開始により、企業もクリエイターもReelsを作成する際に商品にタグを付けることができるようになる。Reelsとは先月のデザイン変更後(未訳記事)にInstagram内で独自のタブが提供されるようになったショートビデオ形式だ。

同社によれば、すでに多くのReelsに、ファッションやメイクアップ、スキンケアや商品ハウツーなどのショッピングコンテンツが掲載されているという。今回のローンチにより、こうしたコンテンツを含むInstagramReelsを見たユーザーは「View Products(商品を見る)」というボタンをタップして、商品を購入したり、保存したり、採り上げられている商品の詳細を知ることができるようになった。

画像クレジット:Instagram

また、クリエイターはReelsに「Branded Content(ブランド提供コンテンツ)」タグを追加することで、ブランドと協力して商品のプロモーションを行っていることを明らかにすることができる。これは有料プロモーションの一形態となる。

今回のアップデートにより、Instagramにおけるショッピングの注目度はこれまで以上に高まるだろう。また登場も、動画を使ったショッピングの採用が増えてきた時期に重なっている。特に、ライブストリームのビデオショッピングに焦点を当てたスタートアップの数が増えてきている。ここ数カ月、投資家たちは、たとえばライブショッピングプラットフォームのPopshop Live (ポップショップライブ、未訳記事)やBambuser(バンブーサー、未訳記事)などの企業を支援してきたが、その一方でAlibaba(アリババ、未訳記事)、Amazon(アマゾン、未訳記事)、Google(グーグル)、JD.com(未訳記事)などの大手テック企業も、様々なかたちでビデオショッピングのトレンドに参加している。

画像クレジット:Instagram

おそらく最も重要なのは、InstagramのライバルであるTikTokが、最近電子商取引で(未訳記事)Shopifyと提携し(未訳記事)、そのプラットフォーム上でブランドに対して直接広告枠を提供したり、インフルエンサーとコラボを行い、Instagramの市場に食い込んできていることだ。TikTokはまた、トランプ大統領の禁止令により、同社が米国撤退の交渉に入ることを余儀なくされた際には、Walmart(ウォルマート)からも関心を寄せられていた(未訳記事)。そして、2020年にTikTokアプリは、世界で最もダウンロードされたアプリの1つとしてInstagramを抜き去った。これは若いユーザーたちのソーシャルメディアとの関わり方に、急激な変化が起きていることを示している。

引き離されたままではいけないと、Instagram はオンラインショッピングの目的地としてのトップの座を狙ってそのアプリを刷新した。(主要なホーム画面の機能の再配置[未訳記事]は多くのユーザーからの批判を巻き起こした)。アプリ内でFacebook Payを利用して顧客が購入すると、Instagramに収益が発生するため、同社は広告運用以外の収益を得ることができるようになる。

これでInstagramのユーザーはフィード、ストーリー、ライブ、IGTV、そして今回の最新のローンチによってReelsの動画からショッピングができるようになった。

同社によると、この機能はすぐにグローバル展開されるという。

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(翻訳:sako)

トランプ政権のTikTok禁止措置に対する米連邦判事の2度目の判決、米政府の制限一時差し止め

米連邦判事は、TikTok(ティックトック)の米国内での事業を事実上禁止する米政府の制限に対して、一時差し止めを命じた。

判決(下記参照)は、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領、Wilbur Ross(ウィルバー・ロス)商務長官、および司法省に対してTikTokとByteDance(バイトダンス)が提訴した裁判において、米連邦地方判事Carl Nichols(カール・ニコルズ)氏が下したもの。ニコルズ判事は、政府に宛ててこう記している。「恣意的で一貫性のない処分であり、IEEPA(国際緊急経済権限法)に規定されている制限を逸脱している恐れがある」。

インターネットホスティングサービスを含む米国企業に対してトランプ政権が課したTikTokおよびByteDanceとの取引制限に対し、連邦判事が差し止めを命じたのはこれが2度目だ。最初の命令は、TikTokのクリエイターが3人がトランプ大統領と米商務省を提訴した裁判で、米連邦地方判事Wendy Beetlestone(ウェンディー・ビートルストーン)氏が2020年10月に下したものだった。

どちらの裁判も、トランプ大統領が8月7日に署名したByteDanceとの取引を禁じる大統領令への異議申立てだ。大統領令は、IEEPAと国家緊急事態法を引き合いに出し、TikTokの親会社が中国企業であることから、国家安全保障上の脅威だと主張している。

米国時間12月7日の判決で、ニコルズ判事は、もともと12月12日に発効される予定だったロス長官によるTikTokとByteDanceの禁止法は、IEEPAと行政手続法の制約に違反するとしたTikTokとByteDanceの主張が認められるだろうといっている。

商務省は、2020年11月すでに通知を発し(未訳記事)、同省はビートルストーン判事の判決に従い、今後の法的展開は保留する旨を伝えた。

ByteDanceは、この他にもTikTokを米国企業に売却せよとの企業売却命令にも直面している。この件に関しては、Oracle(オラクル)とWalmart(ウォルマート)からの提案を受け入れた(未訳記事)ものの、同社は11月、連邦控訴裁判所に命令の無効化を求めて提訴した。11月26日、トランプ政権は大統領令の期限を12月4日に延長したが、新たに延長されることなく期限切れを迎えた(Bloomberg記事)。

「裁判所が私たちの主張を認め、大統領令のすべての制限に対する一時差し止めに合意してくれたことを、うれしく思っています。私たちは、家庭やスモールビジネスを含む米国国民1億人の表現、つながり、経済的活性化、真実の喜びを支える家となるようTikTokの構築を進めてきました」とTechCrunch宛の電子メールで、TikTokの広報担当者は語っている。

米商務省の広報官は「当省は大統領令は法律に完全に準拠しており、国家安全保障上の利益の合法性を保っております。政府は今後も差し止め命令に従い、そのための措置を速やかに実施しましたが、大統領令と長官の履行努力を法的異議申立から精力的に擁護してゆく所存です」と述べている。

複数が重なり合うことの多いByteDanceとTikTokの米国政府との戦いを追跡する目的で、私たちは詳細な時系列をまとめた。継続的に更新していく予定だ。

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(翻訳:金井哲夫)

TikTokの成長といまだ決着がつかない米政府との確執の軌跡

TikTok(ティックトック)の西欧諸国での人気の高まりは中国テック企業にしては前例のないものだ。世界中の政治家から注がれた注意の量もまた然りだ。ショートビデオの新たな「コピーキャット」ととらえられていたTikTokがいかに世界で圧倒的なシェアを手にし、やがて米政府の標的となったのか。タイムラインにまとめた。

2012〜2017年:TikTokの登場

この期間はTikTokの親会社で北京に本社を置くByteDance(バイトダンス)が急成長していた。元々はDouyinとして中国で立ち上げられたビデオシェアのアプリは、海外に目を向ける前に瞬く間に中国マーケットで成功を収めた。

2012年
29才のシリアルエンジニアであるZhang Yiming(張一鳴、チャン・イーミン)氏が北京でByteDanceを立ち上げる。

2014年
中国人プロダクトデザイナーAlex Zhu(アレックス・ジュ)氏がMusical.lyを立ち上げる。

2016年
ByteDanceがDouyinの提供を開始する。多くの人はMusical.lyのクローンだととらえていた。同年後半にDouyinの海外バージョンを立ち上げる。

2017〜2019年:TikTokが米国でサービス提供開始

TikTokはMusical.lyと合併し、米国でサービスの提供を開始する。すぐさま人気となる。米国でそこまで成功した中国のテック企業のソーシャルメディアアプリは初めて。しかし同時に、トランプ政権下での米国・中国間の貿易戦争と中国テック企業(HuaweiとZTEを含む)への高まる疑念を背景に、アプリの所有が国家安全保障と検閲についての疑念につながる。

2017年

11月 ByteDanceがMusical.lyを8〜10億ドル(約830〜1040億円)で買収

2018年

8月 TikTokがMusical.lyと合併し、米国で利用できるようになる

10月 TikTokがダウンロード数でFacebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、YouTube(ユーチューブ)を上回る

11月 フェイスブックがTikTokのライバルLasso(ラッソ)を立ち上げる

2019年

2月 TikTokのApp StoreとGoogle Playでのインストール数が10億回に到達。児童プライバシー法に違反したとして米連邦取引委員会がTikTokに570万ドル(約6億円)の罰金を科す。

5月 TikTokが5四半期連続でApp Storeのチャートで第1位に。

9月 中国政府が神経を尖らせている話題をTikTokが検閲していることが明らかに。

10月 TikTokが政治広告を禁止する。しかし米国の政治に関するハッシュタグについては行動を取らなかった。TikTokは会社法を専門とする法律事務所K&L Gatesに米国におけるコンテンツモデレーションについてアドバイスを求める。米国の国会議員が国家情報局のJoseph Maguire(ジョセフ・マグワイア)氏に、TikTokが国家安全保障の脅威となっていないか調査するよう求める。TikTokは中国政府にコンテンツを削除するよう求められたことはなく、もし尋ねられても削除しないと言明する。

11月 米国の対米外国投資委員会が国家安全保障の懸念でTikTok調査を開始する。InstagramがTikTokのライバルReels(リール)を立ち上げる。ウイグル人虐待についての流出ビデオの削除についてTikTokが謝罪する。

12月 米海軍がTikTokを禁止する

2020年上半期:米政府による厳しい調査のなか成長

TikTokはいま米国で、特にZ世代の間でオンラインカルチャーの主役だ。人々が新型コロナウイルスパンデミックで気分転換を求めるのにともない、TikTokのユーザーベースはさらに広がった。しかしTikTokは米政府の次第にエスカレートする一連の措置に直面し、こうした措置により米国事業の先行きが不透明になった。

TikTokを宣伝するシャツを着ている男性。2020年7月17日金曜日、北京のAppleストア(画像クレジット:AP Photo/Ng Han Guan)

2020年

1月 復活したDubsmash(ダブスマッシュ)がTikTokの喫緊のライバルに成長する。

3月 TikTokが社外の専門家に自社のモデレーションプラクティスを「透明性センター」で調べさせる。米上院議員が米政府のデバイスでのTikTok使用を制限する法案を提出。TikTokがコンテンツポリシー作成で外部専門家を招く。

4月 TikTokがペアレンタルコントロールを導入。ダウンロード数が20億回を超える。

6月 コンテンツレコメンデーションのシステムがどのように機能しているかを公開する。YouTubeがTikTokと競合するサービスを立ち上げる。

7月 フェイスブックがTikTokのライバルサービスLassoを閉鎖。米国はTikTok禁止を検討中だと国務長官Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)氏が発言。TikTokが米国クリエイターのための2億ドル(約208億円)のファンドを発表。トランプ大統領は報道陣に対し、TikTok禁止で大統領の権限を使うと話した。

2020年下半期:TikTok vs 米政府

トランプ大統領は数週間検討した後、ByteDanceに対する大統領令に署名した。ByteDanceはTikTokを買収する米国企業探しを開始する。しかし同時に同社は大統領令について法廷で争っている。2020年最後の数カ月は情け容赦なく、また往々にして混乱するようなものだった。突然の動きや新たな展開もあり、出口は見えない。

8月 報道によると、ByteDanceはTikTokの米国事業を売却し、Microsoft(マイクロソフト)が引き継ぐことに同意。トランプ大統領がByteDanceとマイクロソフトの案に反対の意を表す。マイクロソフトはTikTokの買収についての協議が9月15日までに完了すると発表。トランプ大統領は主張のトーンを変え、TikTok売却額の減額に言及。TikTokは米国の選挙を前に事実チェックに関する提携を拡大する。

8月7日 米政府とTikTokの間の緊張が激しく高まる中で、トランプ大統領はByteDanceとの「取引」を45日以内、あるいは9月20日に禁止する大統領令に署名。TikTokは、大統領令は「適正な手続きを経ずに出され、米国の遵法精神に対する国際企業の信頼を損なうリスクがある」と述べる。

8月9日 TikTokがトランプ政権の禁止令に抵抗するとの報道。Oracle(オラクル)もまたTikTok売却に関心を示していると伝えられる。

8月24日 TikTokとByteDanceが大統領令に関して、トランプ大統領と国務長官Wilbur Ross(ウィルバー・ロス)氏、米商務省を相手どって連邦裁判所に提訴する。訴訟で米政府によるTikTok禁止の回避を模索。カリフォルニア州の連邦地裁に提訴し、大統領令は違憲と主張。TikTokの米国ユーザー数が1億人に到達。

8月27日 TikTokのCEO、Kevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏が就任100日で辞任。

ケビン・メイヤー氏(画像クレジット:Jesse Grant/Getty Images for Disney)

Walmart(ウォルマート)がTikTok買収でMicrosoftと提携することに関心を示す。

8月28日 中国の輸出法改正により、TikTokの売却が不可能になる恐れ。

9月

TikTokを米国企業に売却するより閉鎖が好ましいと中国が発言。

9月13日 ByteDanceが財務省に提出した、Oracleが「信用できるテクノロジー提供社」となるとの提案の事実をOracleが認める。

9月18日 商務省が2段階で発効するTikTokに対する規制を発表。TikTokは米国のアプリストアで9月20日以降は配布されない。しかし11月12日までは延長が認められる。それ以降は米国のインターネットホスティングサービスを使用することはできない。つまりTikTokは使用不可となる。

商務省の発表があった日に、TikTokへの大統領令に対する2つの訴訟が起こされた。1つはByteDanceがによるもの、もう1つは3人のTikTokクリエイターによるものだ。

コロンビア地区連邦地方裁判所にTikTokとByteDanceが起こした訴訟ではトランプ大統領と国務長官のロス氏、米商務省を被告としている。その前にByteDanceがカリフォルニアで起こした訴訟とかなり似ている。TikTokとByteDanceの弁護士は、大統領令が行政手続法や言論の自由に反し、適正な手続きを経ていないと主張。

TikTokのクリエイターであるDouglas Marland(ダグラス・マーランド)氏、 Cosette Rinab(コセット・リナブ)氏、Alec Chambers(アレック・チャンバー)氏が起こしたもう1つの訴訟も、トランプ大統領と国務長官ロス氏、米商務省を被告としている。ペンシルベニア東部地区連邦地方裁判所に提出された訴状には、大統領令が「米憲法修正第1条と第5条に違反していて、大統領の法的権限を超えている」とある。

9月19日 Google(グーグル)とApple(アップル)がそれぞれのアプリストアからTikTokを削除することを余儀なくされるかもしれない9月20日の期限の前日、商務省が期限を1週間伸ばして9月27日とする。これはByteDanceとOracle、そしてWalmartに案件をまとめる時間を与えるため。

同じ日に3人のTikTokクリエイター、マーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏が大統領令の予備的差止め命令を求める初の行動に出る。3人はTikTok禁止が発効すれば、プロモーションやブランディングなどTikTokに関連する活動で収入を得ることができなくなるため、大統領令が言論の自由に反していて、また「適正な手続きなしに保護された自由と財産権」を奪っていると主張。

9月20日 大統領令についてD.C.地区連邦地区裁判所に訴えを起こしたあと、TikTokとByteDanceはカリフォルニア州の連邦地裁に起訴し、係争中だった似たような内容の訴訟を正式に取り下げる。

9月21日 ByteDanceとOracleがディールを認めるも、TikTokの所有権をめぐり矛盾する声明を出す。TikTokは推定600億ドル(約6兆2000億円)と評価される。

9月22日 中国の国営新聞は中国政府が「恐喝だ」としてTikTok売却を承認しないだろうと報道

9月23日 TikTokとByteDanceは、アプリストアからTikTokを削除する9月27日の禁止措置は、係争中に直接的かつ喫緊、そして取り返しのつかない害を原告に与えると主張し、コロンビア地区連邦地方裁判所に大統領令の予備的差止め命令を求める。

9月26日 連邦地方裁判所の判事、Wendy Beetlestone(ウェンディ・ビートルストーン)氏は、マーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏による予備的差止め命令の求めを却下。「もしユーザーあるいは見込みユーザーが9月27日以降にTikTokをダウンロードしたりアップデートできなくてもアプリを使うことはでき、3人がすぐに取り返しのつかない害に苦しむことを証明していない」とした。

9月27日 TikTok禁止が発効する数時間前に連邦地方裁判所の判事、Carl J. Nichols(カール J・ニコルス)氏は、アプリが国家安全保障にリスクを与えているかを裁判所が検討する間、ByteDanceの予備的差止め命令の求めを認めるとした。

9月29日 TikTokが米国選挙ガイドをアプリ内で立ち上げ。

10月

コメディアンのサラ・クーパー氏のページがTikTokアプリに表示されている、ワシントンD.C.、8月7日(画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images)

SnapchatがTikTokのライバルとなるサービスを立ち上げ。TikTokがヘイトスピーチ対策をとっていると話す。TikTokがソーシャルコマースでShopify(ショピファイ)と提携。

10月13日 最初に求めた予備的差止め命令は認められず、クリエイターのマーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏は2つめの予備的差止め命令を申し立てる。今回の申し立ては、ユーザーがTikTokに投稿したコンテンツにアクセスできなくなる商務省の11月12日の期限にフォーカス。

10月30日 判事のビートルストーン氏がマーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏の申し立てを認める。

11月

11月7日 投票から5日後、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が次期大統領に選ばれたとCNNが報じ、AP通信、NBC、CBS、ABC、Fox Newsも続いた。バイデン氏は2021年1月20日に就任を宣誓する予定で、これによりTikTokに対する大統領令の今後はさらに不透明なものになる。

11月10日 ByteDanceは、TikTok米国事業の11月12日までの売却を強制する米政府の売却命令を無効とするよう米連邦控訴裁判所に申し立てる。ByteDanceは対米外国投資委員会に延長を求めたがまだ認められていないと話した。

11月12日 本来なら商務省のByteDanceとの取引を禁止する命令が発効する日だった。しかし米政府がTikTokの今後について矛盾したメッセージを出し、混乱したものに。商務省は、さらなる法的展開を保留するという、判事のビートルストーン氏が10月30日に認めた予備的差し止め命令に従う、と述べる。しかし同時に、司法省はビートルストーン氏の裁定について上訴する。その後、判事のニコルス氏がD.C.地区連邦地区裁判所に提訴された件で、原告、被告ともに申し立てと新たな書類を提出する期限(12月14日と28日)を設ける。

11月25日 トランプ政権が売却命令の7日間延長をByteDanceに与える。TikTok売却の完了期限は現在12月4日となっている。

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokにてんかん発作につながる動画を避ける新機能追加

TikTok(ティックトック)は米国時間11月24日、光過敏性てんかんの人が発作の引き金となる動画を自動的にスキップできるようにする新機能を導入すると発表(TikTokリリース)した。

「Skip All(すべてスキップ)」オプションは今後数週間の間にすべてのユーザーに導入される予定で、TikTokがビデオに光の点滅や特定の視覚パターンなど、光過敏性てんかん患者に有害な効果が含まれている場合、自動的にクリエイターに警告を出し始めてから数カ月が経過している。そのような動画をアップロードすると、TikTokは自動的に警告画面を表示するようになった。

ユーザーがSkip Allオプションをオンにすると、TikTokが潜在的なトリガーとして特定した動画は表示されなくなる。

てんかん発作を誘発する可能性のあるコンテンツを含む動画で表示されるTikTokの警告

TikTokが相談した組織のうちの1つであるEpilepsy Foundationによると、世界中で約6500万人がこの病気にかかっているという。

YouTubeやFacebook(フェイスブック)といったソーシャルメディアプラットフォーム(BBC News記事)では、潜在的な光過敏性てんかんを誘因するコンテンツを表示する前に警告を出すよう提唱しているが、この作業はほとんどの場合、個々のクリエイターに委ねられる。たとえば動画でライトが点滅している場合、動画の冒頭や説明文にそのことが示されることがある。しかし、すべてのクリエイターが光過敏性てんかんやその誘因に気づいているわけではない。

さらにネット上の荒らしは、有害なコンテンツを意図的に掲載し、特にてんかんに関連するキーワードでタグ付けすることもある。TikTokとともに活動していた別の組織Epilepsy Societyは、悪意のある投稿(Epilepsy Societyリリース)を英国のOnline Harms法案の対象にするよう求めている。

TikTokの発表とともに発表された声明の中で、Epilepsy Socieの渉外部門の責任者代理であるNicola Swanborough(ニコラ・スワンボロー)氏は、「ソーシャルメディアは多くのてんかん患者にとって生命線となり、世界中の他のてんかん患者とつながることができます」と述べ、同組織は「他のプラットフォームもTikTokの先例にならって、さらなる包括性を保証することを望みます」と述べた。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ソフトバンク孫正義氏「手元キャッシュ8.3兆円、楽観的だが短期的には突発事態も予測」

日本のテクノロジーコングロマリット、SoftBank(ソフトバンク)の創業者で会長、CEO(最高経営責任者)の孫正義氏は、この1、2年大波乱を経験した。しかし今回のDealBookでのインタビュー(The New York Times記事)で孫氏は「自分が復帰してからグループは黒字になった」という点を強く主張した。

米国時間11月17日、バーチャル開催されたDealBookカンファレンスが配信され、孫正義氏は東京から参加してTikTokの今後を含め、幅広い話題について語った。ソフトバンクはTikTokの親会社、ByteDanceの大口投資家であるため当然見通しは楽観的だ。一方、ソフトバンクが投資失敗で数十億ドル(数千億円)を失ったWeWorkの追放された共同ファウンダーであるAdam Newman(アダム・ニューマン)氏については「いつか彼は大成功するだろうと強く信じています」と述べている。一方、孫氏が大規模な資産売却を実行したことにより、ソフトバンクには「手持ちキャッシュが800億ドル(約8兆3200億円)ある」として臨機に大型投資する能力に不安がないことを強調している。

孫氏の発言をリアルタイムで見なかった読者も多いと思うので、ハイライトを紹介したい。孫氏は「楽観的だが短期的には悲観的事態も予測」しているらしい。

新型コロナウイルスパンデミックの影響

孫氏は去る2020年3月、新型コロナウイルス(COVID-19)に対する見解をツイートした後、日本の医療専門家からパニックを引き起こそうとしたと強く批判されたと語った。

その後ソフトバンクは、日本最大級の民間検査施設の運営をスタートした。日本は人口1億2650万人で、現在1日あたり約1300件の新規感染が確認されている(米国は人口3億2800万人に対して、1日あたり16万6000以上の新規感染)。

パンデミックとの戦いで日本がこれまで成功を収めている点について孫氏は「人々は自発的にマスクを着用しています。みんなマスクの重要性を強く意識している」と述べ市民を称賛した。しかしワクチンの大量生産と接種が実現には、時間がかかる。孫氏は「この2、3カ月であらゆる災害」が発生し得ると警告した。「大手企業が突然破綻してドミノ現象を引き起こす」可能性があるという。つまり2008年にリーマン・ブラザーズが突如倒産し、金融業界全体に激震が走ったのと似たような事態だ。

孫氏は「現在のような状況ではどんなことが起きるかわからない。ワクチン開発が進んでいるというのは良いニュースですが、まだ最悪のシナリオに備える必要があると考えています。いま私たちの手元には800億ドルのキャッシュがあります。この種の危機では万一の場合に備えたキャッシュの用意が非常に重要になると思います」と述べた。

巨額キャッシュの使いみち

インタビューを行ったAndrew Ross Sorkin(アンドルー・ロス・ソーキン)氏は、孫氏はElliott Managementについては特に言及しなかったと述べた。このヘッジファンドはソフトバンクグループの第2の大株主であり、同ファンドが孫氏に大規模な資産売却と株価テコ入れのための自社株買いを行うよう圧力をかけたと報道されている

孫氏は、低迷したソフトバンク株を買い戻したのは自分で決めたことだと述べた。3月に株価が暴落したとき同氏は「時価総額が70%、いや75%も下がった。あ、これは最高のタイミングだと思って買い戻しを決断した」という。つまり以前の4分の1の価格で自社株を購入できたわけだ。「これは絶対に買いだ」と思ったという。

資産売却で得たキャッシュの使いみちについて、孫氏は「パンデミックのために業績が悪化している既存のポートフォリオ企業に資金を供給するためなのか、それとも株価が暴落した他の企業の株を割安に買えると期待したのか」という質問にも答えた。

当然のことながら孫氏は資金の使いみちとしてポートフォリ企業を挙げ、「こうしたトップ企業にすかさず投資することにはとても積極的です」と述べた。こうした追加資金によってユニコーンの株価は大きく改善したという。

WeWorkへの投資失敗の教訓

ソーキン氏はユニコーンでは、WeWorkの件について触れた。WeWorkは、ソフトバンクが少なくとも185億ドル(約1兆9240億円円)を投資したことで有名だが、孫氏は同社の事業不振で数十億ドルの損失を被った(The Japan Times記事)ことを認めた。

ソーキン氏は、WeWork事件からソフトバンクはどういう教訓を得たのかと尋ねた。孫氏はインタビューの後半で「間違った決定をしたと認めることが、失敗から教訓を得る方法です」と述べたものの、WeWorkに関しては必ずしもソフトバンク側の失敗だとは考えていないらしく、共同ファウンダーで1年前に会社を追われた元CEO、アダム・ニューマン氏に問題があったことを示唆した。

「これは、アダム・ニューマン氏が自分の間違いから教訓を汲み取っているところだと思います。ニューマン氏は非常に優秀な人間なので、いくつかの判断ミスをしたことを認めていると思います。彼は頭が良くアグレッシブで、多くの才能を持ち、自分のビジョンを売り込む高い能力がある。リーダーとして素晴らしいタイプだと思います。しかしニューマン氏がいくつかの間違いを犯したことも確かです。間違いを犯さない人間はいません」と孫氏は述べた。

「私(孫)にも間違った意思決定の責任の一部があります。いまでもニューマン氏が好きですし、尊敬しています。ニューマン氏はやがて復活して、素晴らしいことをしれくれるはずだと確信しています。いつか大成功を収めるでしょう。WeWork時代のあれこれから多くの教訓を学んだと思います」と孫氏は付け加えた。

米国政府とTikTokの米国事業

TikTok事業の成否にも孫氏は重大な関係がある。TikTokの親会社であるBytedanceの30億ドル(約3120億円)の資金調達ラウンドをリードしたのは約2年前だった。当時780億ドル(約8兆1100億円)の価値があったが、最近の報道によれば、未公開企業でありながら1800億ドルと(約18兆7200億円)いう途方もない会社評価額で新ラウンド(Reuters記事)を実施中だという(このアグレッシブさは極めてソフトバンク的スタイルの投資だ。ソフトバンクが次のラウンドを以前の評価額の2倍以上でリードできるかどうかは興味あるところ)。

この秋、TikTokの米国事業を売却するようBytedanceに強い圧力がかかりOracle、Walmartが共同で値付けした点についても触れ、「大勢が楽しんでいるサービスが、ありもしないことに対する懸念から政治的に中断されるなら残念なこと」と述べた。

実際、孫氏は親会社Bytedanceのトップと話し合った結果として、「TikTokは米国であれインド、日本、ヨーロッパであれ事業を展開している国々の国家安全保障やユーザーのプライバシーを損なう意図はまったくありません」と保証した。またTikTokに対する疑念が続く地域には、「国内にサーバーを設置するなど国家安全保障の保護について安心できるような解決策はあります。技術的な解決策は常にあるのです」と述べた。

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画像クレジット:Alessandro Di Ciommo/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

​Netflixが好きな作品の発見を促すおもしろ動画のTikTok風フィードを実験中

​Netflixはすでに、ショート動画「ストーリー」のコンセプトを、SnapchatやInstagramのようなソーシャルアプリのプレビュー機能から2018年に借用している(The Verge記事)。現在、同社はTikTokが普及させたフルスクリーンの縦型動画フィードにさらなるインスピレーションを求めている。そこでNetflixは最新の試み「Fast Laughs」で、同社の全ラインナップから抜粋したショートコメディクリップの新しいフィードを提供しようとしている。

​Netflixによると、このフィードにはオリジナルとライセンスされた番組の両方のクリップが含まれている。​また、既存のNetflixソーシャルチャンネル「Netflix Is A Joke」のビデオクリップも含まれており、現在、YouTubeTwitterFacebook(フェイスブック)、Instagramで、クリップ、長いビデオ、その他のソーシャルコンテンツを配信している。

Fast Laughsは、縦方向にスワイプしてフルスクリーンを表示し、エンゲージメントボタンを右側に配置している点でTikTokに似ている。しかし、楽しませながら時間をつぶす場所になろうとはしていない。

Netflixの多くの試みと同様に、Fast Laughsフィードの目的は、ユーザーが何か新しいものを発見できるようにすることだ。

このフィードは、ソーシャルビデオアプリのように動画に「いいね」やコメントをつけるのではなく、ユーザーがNetflixの視聴リストに番組を追加して後で視聴できるようにするためのものだ。この意味においては、人気番組や新たに配信された番組のクリップや予告編を見て番組を見つけるNetflixの「プレビュー」機能に似た目的を果たしている。

ユーザーが新しい「Fast Laughs」フィードをスクロールすると、Kevin Hartのスタンドアップ特集からのクリップや「The Office」のちょっとおかしなものなど、さまざまなクリップが表示される。クリップの長さは15秒から45秒のものになる。

​Netflixの「マイリスト」機能にクリップを追加することに加えて、ユーザーはクリップに笑っている絵文字ボタンを使って反応したり、ソーシャルメディア上の友達とクリップを共有したり、More」ボタンをタップして視聴中のクリップに関連するその他のタイトルを見ることもできる。

この機能は、英国に拠点を置くソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏によって最初に発見された。彼のアプリでは、Fast Laughsはプレビューの列の前に表示され、「New!」というテキストで紹介されたという。

​NetflixはTechCrunchに対して、この実験は2020年の初めに少数のユーザーでテストされたが、11月から英国、米国およびその他の市場のユーザーを含むより広いグループで展開され始めていることを認めた。

​現在、アダルトプロフィールやその他のプロフィールがあるNetflixユーザーの一部は、iOSデバイスでのみペアレンタルコントロールなしで利用できる。​しかし、ユーザーが実験に参加する必要はなく、Netflixアプリのベータ版を使ってこの機能を見る必要もない。​Netflixはどちらかというと標準的なA / Bテストだという。

​また、これはテストであるため、ユーザーは同じ機能のわずかに異なるバージョンを目にすることがあるかもしれない。​製品は、ユーザーのフィードバックを受けて、時間の経過とともにプロダクトが進化する可能性もある。

TikTokのフォーマットを自社アプリに「借用」したサービスは。Netflixが初めてというわけではない。InstagramやSnapchatのようなソーシャルメディアプラットフォームもここ数カ月でTikTokのライバルをローンチしている。

NetflixはTikTokと直接競合するものではない。どんなモバイルアプリでもユーザーの限られた時間と注意力を奪い合うという点においては話は別だが。

むしろNetflixの新しいフィードは、全画面縦長の動画フィードと、そのサイドにクイックエンゲージメントボタンを備えるTikTokフォーマットがエンターテインメントコンテンツを提供するための一種のデフォルトスタイルになりつつあるものを認めるものだ。

「私たちは常にNetflixの体験をより良くする新しい方法を探しています」とNetflixの広報担当者は述べ、この実験を認め、さらに「ユーザーの多くはコメディが大好きであり、新しいコンテンツを発見し名シーンを楽しむのに役立つエキサイティングな方法だと考えました。私たちは、このようなタイプのテストをさまざまな国や期間で行っていますが、人々が有用だと感じた場合にのみ、広く利用できるようにしています」と付け加えた。

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タグ:NetflixTikTok

画像クレジット:Netflix/TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

2021年TikTokの月間アクティブユーザー数が1.2億人に

モバイルデータ分析企業のApp Annieの新たな予測によると、TikTokの上昇傾向は2021年も続くと予想している。同社は来年、このショートビデオアプリの月間アクティブユーザー数10億人を突破すると予測している。さらにモバイル広告費の将来の傾向と、eコマースやオンラインミーティングといったモバイルによって加速される「在宅」での活動の成長に関する今後の動向も調査している。

しかし、TikTokの成長率は、この新しいレポートの中でも特に際立った予測だった。​App Annieによると、この動画アプリは人気が高まり、2018年から3倍近くに成長したと指摘されている。2020年第3四半期の時点で、TikTokは広告やティッピングストリーマーで使用されるバーチャルギフト販売などの収益ストリームの組み合わせを利用しているため、消費者支出別で非ゲームアプリの第2位となっている。

2021年には、TikTokはFacebook(フェイスブック)、Instagram、Messenger、WhatsApp、YouTube、WeChatと並んで10億人の月間アクティブユーザー(MAU)の仲間入りをするだけでなく、実際に10億人というマイルストーンを突破し、12億人の平均月間アクティブユーザーに到達するとApp Annieは予測している。

画像クレジット:App Annie

世界最大のモバイル市場の1つであるインドでTikTokが未だに禁止されている(The Wall Street Journal記事)ことを考えると、この成長は驚くべきものだ。

もちろん、米国におけるこのソーシャルビデオアプリの運命は、次期バイデン政権がトランプ氏のTikTok禁止にどう対処するかに関係してくるだろう。ただしバイデン氏の見解(Reuters記事)がトランプ氏とあまり変わらないという兆候もある。

App Annieはまた、2021年にはモバイルを原動力とした「アットホーム」なアクティビティが継続的に成長すると予測している。新型コロナウイルスのワクチンに関する有望なニュースはあるが、リリースされた時点ですべてがパンデミック以前に戻るとは考えにくい。パンデミックは、すでに進行していたトレンドを加速させただけだ。

レポートによると、リモートビジネスや教育アプリ、eコマース、モバイルファイナンスアプリ、家庭用フィットネスアプリといった主要な「アットホーム」カテゴリーの利用時間が、例えば2021年にはAndroidスマホで1兆3000億時間を超えると予測している。

​具体的には、リモートビジネスアプリ(例えばZoom)の年間複合成長率(CAGR)は57%、リモート学習アプリは62%の成長が見込まれている。​モバイルバンキングとファイナンスアプリの総時間は、2021年には年間310億時間を超え、4年間のCAGRは35%になると予測されている。フィットネスとeコマースも成長し、それぞれ+23%と+40%となる。

画像クレジット:App Annie

さらに米国において2021年には、新型コロナ以前の水準と比べて、動画ストリーミングアプリのインストール数は最大85%増加すると同社は予測している。

​また、モバイルコマースの急成長とオフライン広告からデジタル広告へのさらなる移行のおかげで、2021年にはモバイル広告費は2900億ドル(約30兆3000億円)に達すると予測している。

「米国大統領選挙が2020年後半のモバイル広告費を後押ししていますが、App Annieは2021年も広告費がスマートフォンに流れ続けると予想しています。特に消費者のモバイルへのシフトが単独のトレンドではないことを考えると、新型コロナウイルスは、私たちがすでに形成していた習慣を変化させました」と同社は付け加えている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ByteDanceがTikTok売却の政府命令の無効化を米連邦控訴裁判所に要求

TikTok(ティックトック)の親会社であるByteDance(バイトダンス)は、米連邦控訴裁判所に、TikTokアプリの米国における業務売却を強制する米国政府命令を無効にするよう、新たな訴訟を起こした。

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は2020年8月、ByteDanceに対してTikTokの米国における事業を11月12日までに売却するよう求める政府命令を発行したが、それには対米外国投資委員会(CFIUS)が30日間の延長を認めない限りという条件があった。ワシントンD.C.の米連邦控訴裁判所に出された今回の訴え(文末に全文を掲載)では、ByteDanceは11月6日にCFIUSに延長の申し入れを行ったが、まだ延長の許可が下りていないと主張している。

「交渉による軽減策でCFIUSの国家安全上の不安を解消する」ための努力を行っている最中であると同社は付け加えており、「交渉が行き詰まった際」にのみ売却命令の執行を継続するよう求めるものだとしている。

TikTokを所有するのが中国企業であるという国家安全保障上の懸念は、トランプ大統領が8月に署名した、北京のByteDance本社との取引を禁じる大統領令の根拠になっている。

大統領令は、TikTokが国家安全保障上の危機をもたらしていると主張しているが、ByteDanceはそれを否定している。しかし米国内で1億人以上のユーザー数を誇るこのアプリの禁止を回避するために、ByteDanceは9月に同社が保有していたTikTok株式のうち20%をOracle(オラクル)とWalmart(ウォルマート)に売却する取引に合意している。とはいえ、バイデン政権は1月の発足に向けて動いており、ByteDanceの売却命令に対する訴訟は現在進行中ではあるため、将来の成り行きは不透明だ。

この新たな訴えは、TikTokがトランプ政権に対して9月18日に起こした訴訟の一環だ。これは、裁判所が米国政府に対して、本来その月を期限として発行されるはずだった禁止令を差し止めるよう命じたことで、早々に勝訴している。

TechCrunchが受け取った声明の電子メールで、TikTokは、国家安全保障上の問題に関して、「その評価には同意しない」もののCFISUと1年間に及び協力していると、広報担当者は話している。

「継続的に出される新たな要求に直面し、我々が提案する解決策が受け入れられるか否かが不透明であるため、私たちは8月14日に明白に許可されていた30日間の延長を求めて訴えを起こしました」と声明には書かれている。

「本日、11月12日のCFIUSの期限を目前にし、延長を掌握できずにいるため、やむにやまれず、私たちと1500人を超える米国の従業員の権利を守るために、裁判所に請願を行いました」。

TikTok asks U.S. federal ap… by TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

TikTokがユーザープロフィール欄で寄付を募ることができる新機能をテスト中

TikTok(ティックトック)が新しい機能をテストしている。ユーザーが自身のTikTokプロフィールを通じて気にかけているチャリティーへの募金を集めることができるというものだ。テストグループのユーザーは「Edit Profile」をクリックすると新しいオプションを表示させることができる。このオプションでは、アメリカがん協会、アメリカ心臓協会、赤十字、アメリカ動物愛護協会、ブラックガールズコード、CDC財団といった厳選された組織やチャリティーのリストから選ぶことができる。

選択すると、ユーザーのプロフィールの略歴部分の下に赤い文字でチャリティーが掲載される。ビジターがその組織の名称をクリックすると、寄付ができるスクリーンに案内される。

この機能そのものは募金プラットフォームTiltify(ティルティフィー)で動いており、同プラットフォームが寄付の決済を処理する。

新しいオプションはソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏が見つけた。同氏は米国時間11月10日に新機能のスクリーンショットをツイートした。スクリーンショットではユーザーがどのようにチャリティを加え、ビジターがいかに寄付を行うかが示されている。

このオプションは、TikTokのクリエイターが新型コロナウイルス救済基金を集められるようにした4月の募金機能立ち上げに続くものだ。

当時、募金はTikTokのビデオやライブストリームにユーザーが付けることができるインターラクティブな「寄付ステッカー」という方法でのみ利用できた。

寄付ステッカーがタップされると、タップした人はこらもTiltifyで作動する寄付ができるスクリーンに案内される。

健康機関やよく知られた非営利団体に加え、寄付ステッカー用に選べるチャリティのリストには新型コロナウイルスで活動停止を余儀なくされて打撃を受けた人たちも含まれる。例えば俳優やミュージシャン、教育者、レストラン従業員などだ。

新しいプロフィール機能でも寄付ステッカーに参加しているチャリティや非営利団体を選ぶことができる、とTikTokは説明した。

Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、Snapchat(スナップチャット)そしてTikTokと、多くのソーシャルメディアプラットフォームが2020年に新型コロナ基金にリソースや資金を提供した。

TikTokの場合、医療福祉などのフロントラインワーカー、教育者、新型コロナのパンデミックで影響を受けたコミュニティをサポートしようとさまざまなファンドを通じて2億5000万ドル(約264億円)を拠出した。また、追加で1億2500万ドル(約132億円)分の広告クレジットを公的健康機関や再建を目指す事業者に提供している。

TikTokは、略歴部分に非営利団体を加える新機能はまだテスト段階にあり、「TikTokコミュニティにとって気になる団体を支援するための別の方法」となることをTechCrunchに認めた。

新機能は、寄付ステッカーをすでに使っているかどうかは関係なくTikTokのTestFlightプログラムのテスターに直接提供されている。

同社はいつからこの機能の一般利用が可能になるのかは明らかにしなかった。

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(翻訳:Mizoguchi

TikTok特化MCNのNateeが1.2億円調達、インフルエンサーマーケティング効果の可視化プラットフォーム開発

TikTok特化MCNのNateeが1.2億円調達、インフルエンサーマーケティング効果の可視化プラットフォーム開発

「若者 × データ」を追求するTalent Development Companyである「Natee」(ナティ)は11月9日、1.2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、XTech Ventures、アカツキ「Heart Driven Fund」、キュービックベンチャーズ、マネックスベンチャーズ。

今回の資金調達により、提携インフルエンサーが抱える総勢2800万人のフォロワーに対して、効果的なインフルエンサーマーケティングが実施できるデータプラットフォームの開発を進める。

インフルエンサーのオーディエンスデータ、広告案件の実績、ファンの実購買データなどを学習することで、従来ブラックボックスだったインフルエンサーマーケティングの効果を可視化・最適化でき、(1)成果報酬型、(2)CPA-MAX、(3)リーチMAXという広告主の3つの目的に合わせた最適なインフルエンサーマーケティングが可能になるという。

2018年11月創業のNateeは、「人類をタレントに!」をミッションに掲げ、TikTokに特化したインフルエンサーを抱える事務所としてMCN(マルチチャンネルネットワーク)事業をスタート。2020年1月にはTikTokと公認MCN契約を締結したことで、よりプラットフォームと連携した精緻なクリエイティブデータの取り扱いが可能となり、広告主にとって最適なインフルエンサーマーケティング提案を実施できるようになった。

現在提携インフルエンサーは総勢157名となり、TikTokをはじめ、Instagram、YouTubeなどの提携インフルエンサーの全SNSにおけるフォロワー総数は10ヵ月間(2020年1月-10月)で約2倍となる2800万人にまで伸長。また創業1期目と比較し、2期目の年間売上高は20倍の成長。月間の案件数も昨対比(2019年9月-2020年9月)で15倍以上に増加した。

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TikTokが教育的なハウツービデオの制作・視聴を増やす取り組みを展開

ハウツービデオはYouTube(ユーチューブ)で長年にわたって最も人気のコンテンツだ。そしていま、利用やユーザーを増やすために、新興ビデオアプリTikTok(ティックトック)も行動に出る。

今夏、TikTokはハウツービデオを制作するプレミアムクリエイター向けの専用ハッシュタグ「Learn On TikTok」を立ち上げたが、複数のユーザーとソーシャルメディアウォッチャー(Mattに感謝)が「Learn」という新たなメニューアイテムがあることをレポートしている。

ホームスクリーンのトップにある「For You」と「Following」の横に目立つように位置するLearnについて、TikTokは料理したりアートを制作したり科学のプロセスを説明したりするユーザーが投稿するハウツービデオとお役立ちビデオを見つけられる場所と形容している。

Learnのフィードはひと晩で消えたようだ。それから考えられるのは、まだテストされている段階ということだ。

画像クレジット:Lena Koppova

とにかく、Learnタブの出現はTikTokが#LearnOnTikTokというハッシュタグを通じて教育内容のコンテンツを発見しやすくする新しいキャンペーンの立ち上げと時期を同じくするものだ(TikTokリリース)。

Learn On TikTokコンテンツに関するオリジナルの発表(TikTokリリース)の中で、TikTokは「プラットフォーム上で多く見られる教育的なコンテンツの充実ぶりを探索するもう1つの方法」と記した。ここには、「TikTok上で高品質のコンテンツをいかに制作するかについての知見やツール、ベストプラクティスを提供するクリエイター学習ポータルの構築」が含まれ、Learnタブはそれがどのように作動するかのテストだろう。

こうした取り組みは、教育分野におけるTikTokの最初で唯一の動きではない。

自分を映しながらのオーディエンスが制作した教育ビデオはさておき、TikTokダンスを習ったり、最新の楽曲のミームについて学んだり、コメディ的な災難を視聴したりするのにTikTokはうってつけのプラットフォームだ。同社はただふざけるだけでなく、よりまじめな事を学ぶのに頼れるプラットフォームとしてのイメージを育ててきた。

そして2020年は、そうした動きをこれまで以上に押し進めている。というのも、有害な影響を及ぼしているのではという行政当局の怒り、そして新型コロナウイルスパンデミックで多くの人がスクリーンに向かっているという事態にTikTokは直面しているからだ。

TikTokの取り組みには、さまざまな機関との提携や学生への教育的コンテンツ制作の推奨も含まれる。

また、教育的なビデオを推奨しようとクリエイター基金への5000万ドル(約52億円)の拠出、また国家安全保障の懸念による米国事業の閉鎖を免れるための教育基金50億ドル(約5170億円)の創設なども含まれる。

それから利用を拡充させる動きもあり、その一例としてTikTokを愛する生徒を引きつけようと教師がTikTokを活用している。

本質的には、教育面のさらなる強化はTikTokにとって自然な動きだ。YouTubeなどが示してきたように、ビデオは大きな学習ツールだ。またアプリの若年視聴者につながることができ、これこそが若年世代以外の人がTikTokを使いたがる理由となっている。しかしこれはいくぶん日和見主義的だ。

教育は面目も立つ。インドでの教育的な取り組みの推進はちょうど同社がコンテンツをめぐって批判を受け始めた頃に始まった(しかしそれは役立たず、インドでは現在TikTokは禁止されている)。

一方、米国のCreative Learning Fundと50億ドルの教育基金に関する報道は、TikTokの親会社で中国企業のByteDanceからTikTokが切り離されることも含め、国家安全保障の懸念のために米国ですぐに禁止されることがないようTikTokが策を模索する中で出てきた。

夏に正式に発表されたLearn On TikTokは、TikTokのユーザーが制作するコンテンツに頼っている。陶芸からメークアップのコツ、なんちゃってラテン語の学習、折り紙でのブタの作り方など、ビデオは多種多様だ。

と同時にTikTokは、多くのプレミアムコンテンツにハッシュタグを増やしている。SelfやWWDといったパブリッシャー、職業団体、非営利機関、影響力を持つ個人、科学分野ではBill Nye(ビル・ナイ)やNeil deGrasse Tyson(ニール・ドグラース・タイソン)、シェフのJosé Andrés(ホセ・アンドレ)、Lilly Singh(リリーシン)、Tyra Banks(タイラ・バンクス)と協業しつつ、TikTokは人々のマインドや経験を広げるためにTikTok向けに作られたコンテンツをキュレートし、育成している。

「TikTokと提携することに興奮しています」とナイ氏はディールが発表されたときに述べた。「小さなスクリーン、携帯電話にある本当に小さなスクリーンで科学をやることを楽しみにしています」。

TikTokは多くの機会があるというが、しかしおそらくTikTokや、教えたり学習したりするのにTikTokを使っている人にとって苦労も増えるだろう。

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokが若者を狙った米国大統領選挙の偽情報動画を削除

米国時間11月4日、TikTokは選挙関連の偽情報を広めている動画を取り下げたことを認めた(Twitter投稿)。それらの動画は、2つの著名な共和党支持アカウントであるThe Republican Hype HouseとThe Republican Boysにポストされた。どちらも若い保守系の有権者に人気があり、合わせて100万あまりのフォロワーがいる。しかし動画はもちろん、ハッシュタグや共有、自動リコメンドなど、他の手段で広まる可能性がある。

それらの動画はいわゆる「選挙詐欺」を主張しておりて、最初にThe New York TimesのTaylor Lorenz(テイラー・ロレンツ)記者が発見した(Twitter投稿)。

TikTokはかねてより選挙関連の偽情報対策を行っている(未訳記事)が、今回のような動画の扱いについては不明だった。しかし同社は比較的迅速に対応し、問題の動画を取り下げたことを明かした。同社はロレンツ氏のツイートに1時間足らずで反応し、コンテンツの削除を確認した。

TikTokはコメントの求めに応じて、ビデオを偽情報に対するポリシーに違反しているため削除したと回答したが、決定に関するそれ以上のコメントはない。

The Republican Hype HouseをTikTokが、政治的偽情報の拡散で罰したのはこれが初めてではない。8月のMedia Matters for Americaの記事によると、同アカウントはもうひとつの保守系TikTokアカウントとともに、民主党大統領候補であるJoe Biden(ジョー・バイデン)氏が映っているビデオクリップを加工したものを公開した。そのTikTokアカウントは以前にも、Black Lives Matter(BLM)運動に関連した陰謀論の拡散に関わっていた(Media Matters for America記事)。

先にTechCrunchで報じた(未訳記事)ように、選挙結果の確定が迫るにともなってソーシャルメディアのプラットフォームは、偽情報や陰謀論との戦いに突入した。Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、そしてTikTokのようなプラットフォームでは、偽情報が急速にバイラルに広まる。プラットフォームが対策しようとしたときには、すでに数百万のユーザーにそれらが届いている。

米国時間11月4日、ツイッターはすでにトランプ大統領の複数のツイートを警告ラベルで隠している。それらは選挙関連の偽情報に関する同社のポリシーに違反していた。フェイスブックもトランプ大統領のポストにラベルを付け、アプリ内通知を表示してユーザーに、まだ投票を集計中であるため選挙結果が確定していないことを伝えている。

画像クレジット:TikTokが禁じたビデオのスクリーンショット(Media Matters提供)

米国に1億の月間アクティブユーザーがいるにも関わらず、TikTokの関心は低い。TikTokは、ユーザーの多くが若年層であり、1日に4600万本のビデオが投稿されている。

今回の米国大統領選挙は、偽情報に対するポリシーをTikTokがどれだけ迅速に執行できるかを問う、最初の大きな試金石だった。

なお、TikTokの未来も今回の選挙の結果次第だ。現大統領はこの中国人保有のショートビデオサービスを、国家のセキュリティへの懸念を理由に禁止した。その命運も彼が再選するどうかにかかっている。

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画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa

中国の人気動画サイトKuaishouがたった6カ月で1060億円を失った経緯

ByteDanceがTikTokとDouyinを別々に上場するという噂が、数カ月前からある。米国時間11月4日のBloombergの報道ではByteDanceが、IPO前の20億ドル(約2070億円)のラウンドを、1800億ドル(約18兆6030億円)という驚異的な評価額で要求しているという。

それらがまだ何も実現していないときから、ByteDanceの中国におけるライバルであるKuaishouは、米国時間11月5日の夜に香港でIPOすることを目指して動いていた。IPO趣意書は、その成長と費用の両方が天文学的な額であることを明かしている。

2011年に元Google(グーグル)のエンジニアがGIF画像を共有するために立ち上げたKuaishouは、中国におけるTikTokの姉妹サイトDouyinの強敵に進化した。Tencentが21.5%を保有する同社は、2020年の前半に68億元(10億ドル、約1060億円)の純損失を報告し、営業損失は75億7000万元(約1180億円)に達した。対照的に同社は、2019年の同時期に11億元(約170億円)の営業利益を記録した。

赤字の原因は、KuaishouのライトバージョンであるKuaishou Expressの大規模な宣伝のためでもある。Kuaishou Expressは、中国のテクノロジーに弱い層を対象にしている。ByteDanceと違い、Kuaishouは海外での人気はあまりなく、もっぱら中国での継続的な成長に依存している。

同社のマーケティング支出は2019年前半の30億元(約470億円)から2020年前半は137億元(約2140億円)に跳ね上がった。しかしその巨額の散財は報われたようだ。その有料のゲームであるライトバージョンアプリは1年で1億DAUを獲得した。

メインのアプリであるKuaishou本体は、6月に3億200万のDAUに達し、ユーザーはビデオクリップやライブのセッションを夢中になりこのアプリで1日85分を過ごしている。一方Douyinは、1月にDAUが4億を突破している(未訳記事)。

Kuaishouは「ショートビデオのアプリ」と思われているが、実際の売上の多く2020年前半では68.5%が、ライブのストリーミングによるものだ。そこではオーディエンスがホストにバーチャルアイテムを送って、それを1元(約15.6円)から2000元(約3万1260円)で売っている。そのほか広告も重要な収益源で、売上の28%を占める。また、eコマースやゲームからの売り上げもある。

情報筋によると、Douyinは2019年の売上の約67%が広告で、ストリーミングは17%だ。

このような売上の構成は、アプリのメインのユースケースを反映している。Kuaishouは、ユーザーのエンゲージメントを自慢することが多い。実際にその7億7600万の月間ユーザーの1/4以上がクリエイターでもある。そのためKuaishouはソーシャルアプリに近くて、視聴者とクリエイターがライブのストリーミングやギフト交換を通じて頻繁に対話している。

Douyinは有料コンテンツを重視し、メディアの一種に近い。中国のベンチャーキャピタリストの一部はDouyinを、広告を見せるためのデスティネーションサイトとみなしている(知乎投稿)。

売上に関しては、Kuaishouは2019年に391億元(約6110億円)を稼いだが、それは2019年のByteDanceの約1/3だ。しかし、ByteDanceにはもう1つの収益源があることを忘れてはならない。それは、ニュースと情報の集積サービスJinri Toutiaoだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

TikTokの親会社ByteDanceが香港上場を前に2065億円調達を模索か

大人気のソーシャルメディアTikTok(ティックトック)の親会社であるByteDance(バイトダンス)は、Bloombergの報道によると、海外事業のかなりの部分を香港証券取引所に上場させる前に20億ドル(約2065億円)の調達を画策している。

Bloombergの情報筋は、新たな調達によりByteDanceのバリュエーションは1800億ドル(約18兆6000億円)になるとしている。

SequoiaなどByteDanceの既存出資者を含む投資家が新たな出資を実行中だとBloomberg(ブルームバーグ)は報じている。

Sequoiaは、ByteDanceの最も価値のある海外資産であるTikTokの米国事業をOracle(オラクル)に引き継がせるという、トランプ政権が押し売りしいまや行き詰まった取引を主導する企業の1社として登場した。

Sequoia、Oracleともに、Sequoiaのマネジングパートナーで共和党に巨額を献金しているDoug Leone(ダグ・レオン)氏、Oracle社長Safra Catz(サフラ・キャッツ)氏、Oracle創業者Larry Ellison(ラリー・エリソン)氏を通じてトランプ大統領と密接な結びつきがある。

ByteDanceは長らく、同社の売上高に貢献しているアジアでの最大事業Douyin(抖音)とToutiao(今日頭条)の上場を計画してきた。

TechCrunchは以前、ByteDanceの財務状況を知っている投資家の話として、同社2019年の売上高が1200億元(約1兆8800億円)だったと報じた。その売上高の67%が、TikTokの中国版であるDouyinと人気のニュースアリゲーターであるToutiaoでの広告売上によるものだった。Douyinそしてその他のByteDance傘下のアプリのユーザーをターゲットとするライブストリーミングが売上高の17%を占めた。ゲーム、eコマース、TikTokを含む初期段階にある事業は約17%、額にして200億元(約3100億円)だった。

ByteDanceは2020年の売上高は2000億元(約3兆1300億円)と予想している。投資家によると、うち15%、額にして300億元(約4700億円)がTikTokと他の新興事業によるものだ。Reuters(ロイター)やBloombergの以前の報道も似たような数字を報じた。

ByteDanceはすでに、世界で最も価値のある株式非公開のベンチャー支援テクノロジー企業だ。しかしそうした価値の少なくとも一部は、TikTokの売上を生み出すポテンシャルとつながっている。そして新たな調達は、TikTokのスピンオフがByteDanceに影響を与えるかもしれないという懸念を投資家が払拭していることを示すものとなりそうだ。

今後どうなるかは米国大統領選挙と進行中の法廷での争いに左右されそうだ。バイデン政権になればTikTok、Oracle、Walmart (ウォルマート)間で計画されたディール、そしてTikTokが米国で上場するというタイムラインはなくなるかもしれない。

またTikTokのディールの参加者間で、誰がどれくらい株式を所有し、それがいつ決着して、ディールが前に進むのかについて内部で混乱もある。

TechCrunchの9月の報道は以下の通りだ。

TechCrunchの仮定では、OracleはTikTok Globalの12.5%を、Walmartは7.5%を取る。取引条件ではTikTokの価値を約600億ドル(約6兆2000億円)と見積もることが予想される(Bloomberg記事)。

シンプルな話だが、明らかに完全なものではない。というのも、別の問題が起こっているからだ。

Oracleの副社長Ken Glueck(ケン・グリュック)氏の名前で出された声明の中で、同社は「TikTok Globalの設置に関し、OracleとWalmart は投資を行い、TikTok Globalの株式はオーナーに分配される。米国人が大多数となり、ByteDanceはTikTok Globalの所有権を持たないだろう」と述べた。

ドナルド・トランプ大統領はCNBCなどでTikTokは完全に米国人によって管理されなければならない、と訴える発言をしていた。

米政府のTikTokとのしがらみは、いくつかの原因に起因している。その1つが、プラットフォームのユーザーがかなり執念深い大統領を揺さぶり、計画されていた大統領のイベントを茶番に変えたことだ。明らかにトランプ政権にとってはそうではなかったが、米国にとってさらに大事なこととしてTikTokの中国とのつながりは米国市民のデータをCCP(中国共産党)にさらすことになるかもしれず、アプリに何を投稿し、そして投稿しないかというTikTokの判断を通じて操作される可能性もある。

SequoiaとByteDanceはこの記事執筆時点でコメントの求めに応じていない。

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(翻訳:Mizoguchi