3DプリントLiberatorピストルの現物、ロンドンの博物館に展示


Liberatorピストルは、その製作者が3Dプリンターを立ち上げて作り上げた際に見出しを飾り、Blurayビデオ1本並みの費用で作られるプラスチック部品による、実際に発射可能な武器の製造を可能にした。今、このDIY 3Dプリンティング歴史上の瞬間が、ロンドンの博物館に所蔵されようとしている。Engadgetが報じた

Cody WilsonのLeberatorは、当初は暴発して本体を半壊させたこともあるが、後のデモでは複数回発射できることを示した。John Biggsが概説記事に書いているように、技術的には誰でもこれは自宅でプリントすることが可能だが、セルフプリントしたバージョンが、オリジナルのLiberatorモデルと同じ歴史を持つとは限らない。

Biggsも指摘しているように、ホームメイド銃は新しいものではない。特にアメリカでは長く定着しているホビーであり、ひとつの歴史を持っている。しかし、旋盤その他の鉄工具とある種の集中力と気概を必要としていた時期と比べて、今や3Dプリンターに費やすちょっとした金とインターネットからファイルをダウンロードする技術を持つそこいらのアマチュアでさえ、ごく簡単に手に負える。

ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で進められているこのプロジェクトは、様々な「現代のデザインプロジェクト」を紹介するものであり、3DプリントされたLiberatorはその代表例だ。作品は9月14~22日まで展示されている。今のところ、Liberatorは市民革命も殺人者の増加も呼び起こしていないが、オリジナル作品を目にすることができれば、今後の成り行によっては、いつの日か孫たちに伝える物語が得られるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleの「M7」モーションセンサーは、iPhone 5sの隠し玉だ

Appleは先日の発表イベントの壇上で、iPhone 5sの隠された新兵器を見せた。しかしその真のインパクトは、サードパーティー・デベロッパーがフルに活用するようになるまで当分見ることはないだろう。私が言っているのは、M7モーション・プロセッサーのことで、移動や距離の検知を最小のバッテリー消費で行い、著しいインパクトのある新しい使い方を可能にする。

M7は、サードパーティーのサポートがなくてもiPhone 5sにとって大きな恩恵だ ― 例えば、iPhoneがいつ特定の機能を有効にするか、何かをスローダウンするかの管理を高度に行い、ネットワークの検出頻度を減らすことによってバッテリー消費を抑えられる。これらの仕事に関してだけでもメインのAシリーズプロセッサーよりも効率が良く、これだけでもバッテリーを節約できるため、M7はすでに内蔵バッテリーの能力を最大限まで引き上げている。即ち、これまで以上に通話時間が長くなる。

M7は、iPhone 5sの電源管理や効率を高める方法をAppleに提供するだけでなく、サードパーティー・デベロッパーがこれを活用することもできる。すぐにわかるのが健康関連センサー市場で、プレゼンテーションの中で紹介されたMoveやNike+などのソフトウェアはこれまで以上に効率よくiPhoneのセンサーを活用できるようになるだろう。

M7の内蔵は、誰もが別のデバイスを持ち歩くことなく、Fitbitなどと同様のセンサーを手に入れたことを意味している。Bluetoothで同期したり、概して小さいこの手の品物を失くす心配も、新たに何かを腕に巻く必要もなくなる。そして、M7のCoreMotion APIはあらゆるデベロッパーに開放されているので、事実上全ユーザーが非常に強力なモーション・トラッキング装置を持ち歩いていることになり、その可能性を制限するのはデベロッパーの想像力だけだ。

よって将来は、ジェスチャー制御によるゲームや(iPhoneが、Apple TVに映し出されるタイトルをAirPlay経由でコントロールするところを想像してほしい)、フィットネス・トラッカー、さらにはCoreMotionを使ってバッテリー消費を最小限にしたり、使用する場所と時間によって機能を変えるなど、モーションセンサーを使った様々なアプリを見られるようになるだろう。例えば、自宅にいる時と外出中とで全く異なるモードを提供するアプリが考えられる。

AppleのiPhone 5sは、その変更部分の多くが真の革新的技術進歩である注目すべきアップグレードだ。指紋センサー、カメラ、M7等、いずれもそれ自体が印象深い技術的偉業だ。しかし特にM7に関しては、それがどれほど大きな世代交替であるかを一般ユーザーが気付くのは、今後提供されるであろう新しいソフトウェア体験が、何が大きく変わったかを徐々に明らかにした時だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Estimote、iOS 7のiBeaconによるコンテキスト・ショッピングデバイスのサポートについて語る

Y Combinator卒業生で、TechCrunch Disrupt SF 2013のハードウェア部門優勝者のEstimoteが、これまで明かせなかった話をした。同製品がAppleの新機能iBeaconとどのように協調して働くかについてだ。iBeaconを使うと、デベロッパーはBluetooth Low Energy経由でiOSデバイスと通信し、すぐ近くの状況に応じた情報を提供することができる。

去る7月に、John BiggsがEstimoteとその最初の製品について書いた。製品は岩石のような形をしたBluetooth Low Energyを使用するデバイスで、例えば小売店が客のいる列に応じてバーゲン情報を送ったり、スマートフォンから支払いトークンを送り、レジでタップするあるいはレジに近づくだけで支払いを済ませるなどといったことが可能になる。

それだけでも魅力的なテクノロジーだが、このたびAppleがiOS 7と共にiBeaconを正式発表したことによって、各企業はiOSデバイス向けのEstimoteを利用するソフトウェアをずっと容易に開発できるようになった、とEstimoteのChris Waclawekは説明する。同社は、iBeaconを活用する様々な種類のハードウェアを作る計画だ。例えば放置されたショッピングカートの追跡なども、リアル店鋪にとって現実的な可能性になる。

小売店は、客がどれだけの時間試着室にいたかを知ることができるため、例えば、20分間試した後それを買わずに店を出たことがわかる。この後その商品専用のクーポンを発行して客をフォローアップすることによって、これまででは不可能だったプロモーションが可能になる。

Appleがこの種の用途にBluetooth LEを採用したということは、NFCやQRコードは完全に終ったことを意味する、とWaclawekは言う。なぜならBluetoothははるかに広い範囲をカバーし、通信のために他の技術を併用する必要がないからだ。彼は、iBeaconが発表され、デベロッパーがこの技術を利用できるようになったことで、将来に大きな期待を寄せている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple iPhone 5cに触ってみた:プラスチック筐体は手に馴染んで意外に快適

iPhone 5cおよびiPhone 5sが発表になった。iPhone 5cは価格を低く抑えたモデルではあるが、しかしながら非常に印象的なデバイスに仕上がっている。発表プレゼンテーションの直後にさわってみる機会があったので、報告しておきたい。簡単にまとめておけば、プラスチック筐体の本機は一体感あるデザインで、また非常に軽く、なかなか好印象を持つこととなった。

iPhone 5Cはブルー、グリーン、ピンク、イエロー、そしてホワイトの5色モデルが発表された。チップとディスプレイはiPhone 5と同じA6およびレティナディスプレイが搭載されている。iPhone 5との比較でもっとも進歩したところは、iPhone 5Cが過去最多のLTEバンドに対応したことだ。またバッテリーのもちも大幅に改善している。

もちろんパフォーマンスもよく、そのおかげもあって外見も一層可愛らしく見えてくる。また筐体はしっくりと手に馴染み、ラバーのような感じのタッチは、従来のどのiPhoneよりも安定して感じることでしょう。壁紙も本体の色に合わせて設定することができ、全体としての統一感をもたらします。何のカスタマイズをすることもなく、箱から出した瞬間から、他のデバイスとはちょっと違う可愛らしさを楽しむことができるだろう。

一緒に発表になったケースについても、ぱっと見の印象よりは良さそうに思える。なかなか頑丈そうで、それなりの衝撃からもiPhoneを守ってくれそうだ。裏地には柔らかなマイクロファイバーを採用し、iPhone 5cと組み合わせて楽しめる6種類が発表されている。ケースに開けられた穴から本体が見えるのも、色を組み合わせて楽しんでもらおうとする遊び心だろう。

いろいろと触ってみて、個人的に最も印象に残ったのはその軽さと、堅牢そうな様子だ。iPhone 5の金属とガラスからなる高級な印象とはまた異なるが、決して安物の印象はない。価格は抑えられ、搭載チップなども以前のモデルで利用されたものではある。しかしそれでもある種の「高級デバイス」に仕上がっていると思う。9月13日に予約受付が始まれば、おそらくはiPhone 5Cは多くのファンを獲得するのではないかと思っている。手に入れやすい価格の中で多くのバリューを提供しており、またiPhone 5から進化してさえいる。Appleが初めて行った価格戦略の行く末を注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple iPhone 5sに触ってみた:カメラと指紋認証を中心に

AppleのiPhone 5sは、iPhone 5の本格的改善版だ。ハードウェアの変更は、これまでiPhoneの “s” モデルで見た仕様や性能の改善を超えている。大きく派手な注目機能は、改善されたカメラと、全く新しいホームボタンに内蔵された指紋センサーで、これがAppleの新しい認証技術であるTouch IDを支える。

私の新機種ハンズオンの時間は、両機能に集中した。Apple社員がTouch IDの設定操作と、デバイスのアンロックやアプリ、iTunes Storeでの購入方法を手順を追って教えてくれた。1台のiPhone 5sで最大5種類の指紋を識別できるので、家族や友達が使えるようにすることもできる。

設定方法はほぼ直感的で、グラフィクスとテキストベースの説明でガイドされる。要するに、少し時間をかけてホームボタンのセンサーに指紋を覚えさせ、指を少し動かしたり、表面から少し持ち上げて戻したりする。グラフィクスでソフトウェアがどこまで指紋を認識したかが表示される(親指または人差し指のどちらでも使用できる)。設定にかかる時間は30秒から1分くらいで、完了後は何度試してもスムーズにアンロックできた。なお、同僚のGreg Kumparakの挑戦は拒否したので、誰でも受け入れるわけではないことも証明された。

Appleの新しいホームボタンが非常に魅力的なのは実用面だけではない ― 見た目も良い。ステンレス製のリングによってデバイスの美的感覚が著しく向上した。新しいカラーもいい。ブラックに代る「スペースグレー」はグラファイトか鉄のように見え、気に入るとは思っていなかったゴールドも実物は実に目にやさしい。

iPhone 5sで他に大きく変わったのは、ソフトウェア全般の高速化する64ビットプロセッサー以外では、カメラのハードウェアだ。5sの新しいカメラは非常に高度でソフトウェアも改善されている。新しいスローモー・ビデオ・モードはすばらしい。このカメラの画像は、すでに総合性能で業界最高水準と思われたモバイルカメラのさらに上を行くものだ。新たなデュアル・フラッシュもいい感じだ。光の足りない場面でずっとナチュラルなライティング効果を得られる。カメラの起動も速くなったのでこれまで以上に被写体を捕えやすくなる。

Appleが、一目で業界最高水準、あるいは間違いなく最高のスマートフォンと思える新iPhoneを発表することはさほどの驚きではない。しかし、驚かされたのは、内蔵指紋センサーがデバイスの全体的体験をここまで変えることだ ― おそらくみんなの予想をはるかに上回るペースで普及していくだろう。

iPhone 5sおよび5cのハンズオン・ビデオ

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(翻訳:Nob Takahashi)


身の回りの音(会話)を録音し続け、タップひとつでスマートフォンに保存するウェアラブルマイクのKapture

またしてもKickstarterの話題で恐縮だが、毎度、面白いプロジェクトが出てくる。今回紹介するのは、リストバンド風デバイスで、マイクが内蔵されている。「ウェアラブル」と「Quantified Self(QS)」(身体データの数値化)の動きに乗ろうとするプロダクトだと言えるかもしれない。リストバンド内蔵マイクは直近60秒の音声を録音し続け、iOSないしAndroidアプリケーションを使って、簡単に共有することができる。

コンセプトはHeardというアプリケーションと同様だ。こちらも自分の周りの音を録音するもので6月にデビューしている。録音時間は無料版で12秒となっており、アプリケーション内購入によってアップグレードすることにより、直近の5分間の音を録音できるようになる。一番大きな違いは、もちろんKaptureがハードウェアであるという点だ。リストバンド風ハードウェアをタップすることで、外部デバイス(スマートフォン)に録音音声を保存するように指示を出すことができる。

Kaptureは本体が耐衝撃性プラスチック製。ストラップはシリコン製になっている。バッテリー持続時間は24時間を上回る程度とのこと。マルチカラーのLEDを搭載しているが、画面はない。バイブレーション機能は搭載しており、防水加工がなされており、そして無指向性マイクを装備している。プロトタイプ段階ではBluetooth 2.1経由でスマートフォンに接続するようになっているが、製品版ではBluetooth 4.0を使う予定だ。他には充電用のマイクロUSBおよびモーション検知のための加速度計も搭載されている。

Kaptureを生み出したのは、Procter & Gambleで10年以上のプロダクト製造の経験を持つMike Sarow、プロダクトプレイスメントを担当してきたマーケティング担当のMatthew Dooleyたちだ。Kaptureの出荷のため、15万ドルの調達を目指している。調達をサポートしてくれる人へのプロダクト提供価格は99ドルだ。この価格で提供されるのはブラックあるいはホワイトモデルとなっている。他にもいろいろな色が用意されているが、そちらは110ドルからの提供となっている。

Heardと比較すると、Kaptureの方がよりコンセプトに相応しい設計になっていると言えるのではないだろうか。録音時間は60秒で、スパイ的な用途に使われる可能性は低い。まさに自分が記憶しておきたい瞬間が時の中に流れ去っていくことを防ぐためのデバイスとして位置づけられているわけだ。また、専用のハードウェアであるという意味で、録音品質などについえてゃアドバンテージがあるものと思われる。手首に取り付けるようになっていることも、音質面では有利に働くだろう。

もちろん問題点がないわけではない。バッテリーのもちが24時間少々というのは短いように思う。また、手首をタップして直近60秒を保存するという動作は、自然の流れの中で行える動作ではなく、慣れるのに時間もかかるかもしれない。また、下の写真にある「You being you.」というコピーは、自らのファッション性を訴える意味もあるのだろうが、同意しかねると考える人もいそうだ。

取り敢えず、ライフロギングツールのひとつとして面白い試みであるとは思う。無骨な、いかにも機械然としたものでないのも良い点だろう。但し、人間の手首の数には限りがあることも問題となってくるかもしれない。Samsungなどのビッグネームも同じ場所を狙ってスマートウォッチをリリースしてきている。デザインはまずまず面白く(異論はあるだろう)、コンセプトも時代の流れに則ったものだと言えそうだ。但し、非常に限られた利用者層しか想定できないという面も忘れてはならない。いずれにせよ、身の回りの音や会話など、有効に活用しようとする一つの試みとして評価できるものであると思う。

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(翻訳:Maeda, H)


OS X Mavericksのローンチは10月にずれ込む, Haswell搭載のMacBook Proと同時発表か

Appleのデスクトップオペレーティングシステムの次世代バージョンOS X Mavericks(OS X 10.9)はすでにデベロッパの手に渡っているが、消費者に届くのは10月以降のようだ。噂ではAppleは来週のiPhoneイベントで、または、少なくとも9月中にはローンチするかも、と言われているが、9to5MacAllThingsDはどちらも、10月の後半説を報じている。

上記両サイトに情報を提供している人たちによると、Appleは人と時間のほとんどを、iOS 7の発売を来週の新型iPhoneのローンチに間に合わせるために投じてきた。だからMavericksは10月後半に後回しだ。思い出せば確かにAppleは、Mavericksはこの秋、としか言っていない。10月も、もちろん秋。だから最初のスケジュールから外れていない。

MavericksではFinderが強化され、マルチモニタのサポートも改良、スタンドアロンのiBooksアプリケーションを提供、Macの電源管理の改良、などが盛り込まれる。プレビューを使ったデベロッパの感想では、最新のビルドはとても安定性が良いようだ、という。しかし一部には、前のリリースよりもやや後退しているとの声もある。いずれにせよ、安定性の問題でリリースが遅れているという見方もあり、もうしばらく待たされることは確かなようだ。

Mavericksは新型Macの発表と同時にローンチする、というビッグな想像もある。新型Macの企画の在庫を、Appleはつねにたくさん持っているはずだ。たとえばMac Proは合衆国で生産され、外付けI/Oで拡張性を担保するというラジカルな新デザインを採用した。MacBook Proも今準備中だが、これはIntelのHaswellプロセッサを採用し、Mavericksの省エネ機能と併せて、感動的なほどの電池寿命を実現するかもしれない。というわけで、OS X Mavericksとハードウェア新製品の同時発表は理にかなった期待でもある。Haswellを搭載した最新のMacBook Airを使ったことのある人なら、10.9を最高に輝かせる方法はそれしかない、とも思うだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


FCCへの提出書類によるとNexus 5はLTEあり, ディスプレイ5インチ, プロセッサはSnapdragon 800でLG製だ

Googleの次のNexusデバイスは、今週の初めに、Android KitKatの同社製プロモーションビデオで見え見えのリークがあって以来、噂が過熱している。そして今日(米国時間9/6)は、EngadgetがスクープしたFCCへの提出書類が、今後アメリカで発売されるLGの新製品について詳細に記述している中で、Googleの次のAndroidリファレンススマートフォン(“参考製品”)の具体的な情報をいくつか明かしている。

その提出書類の中で”D820″と呼ばれているものが、Nexus 5だろう。載っている写真中の製品は、Googleのビデオでちらっと見たものとそっくりだ。Qi規格によるワイヤレス充電をサポートしているというが、それは同じLGのNexus 4にもあった機能だ。さらに提出書類をずっと見ていくと、このどうやらNexus 5らしき製品は7バンドLTE、802.11ac Wi-Fi、5インチディスプレイを搭載し、Android 4.4が載っている(ファームウェアの名前は”Key Lime Pie”となっているから、KitKatの一件はごく最近の話らしい)。

デバイスのサイズは131.9mm x 68.2mmで、Nexus 4よりもやや薄くて短い筐体に、対角線サイズで0.26-inch大きいディスプレイが載ることになる。これが正しければ、上下のベゼルがわずかに削られていることだろう。コマーシャルに登場する新型Nexusフォーンは、9to5Googleが撮ったスクリーンショットで見られる(下図)。また、フィリピンのYugatechにあるファン提供の画像は、新製品の姿形がもっとよく分かる(上図)。

GoogleがNexus 4を発売したのは2012年12月、発表は10月だったから、そろそろ新製品が出てもよい頃合いだ。当時はLTEの欠落がいちばん目立ったから、今回相当広い帯域のLTEをサポートしたことはビッグニュースだ。それにプロセッサがSnapdragon 800であることも、ご立派である。まだ詳しい形状等は分からないけど、そのアンロック価格が前のNexus 4なみなら、Androidスマートフォンを買う人にとって無視できない候補製品だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPad 5とiPad Mini 2は今年第4四半期に登場するとアナリストが予測―iPad 2は引き続き販売へ

KGI Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuoのレポートによれば、AppleのiPad 5とiPad mini 2(公式なモデル名はまだ分からない。ここでは単に世代を指している)はやはり今年末に登場するようだ。通例アナリストのこうしたレポートは「当たるも八卦」だが、Kuoには低価格のiPhone 5Cやカラー・バリエーションの登場などをいち早く予測してきた実績がある。

Kuoの投資家向けレポート(9to5Macが引用)によれば、iPad 5とiPad mini 2は今月中に初期生産が開始されるが、全力生産に入るのは10月以降になるという。

一部では来る9月10日のAppleのプレスイベントで新世代のiPadも発表されるという観測もあったが、Kuoの予測はこれと違う。

Kuoはさらに、「Appleは当初、新iPadを2014年に入ってからリリースする予定だった」という。しかし競争の激化によってスケジュールを前倒しすることとした。しかしRetinaディスプレイを搭載しない安価なiPad miniのリリースは来年になるという。

もうひとつ興味ある予測は、iPad 2の製造は継続されるが、価格は引き下げられるとしている点だ。AppleはiPhoneの場合、過去2世代のモデルを廉価版として継続販売してきた。KooによればiPadについては廉価版の過去モデルとしてはiPad 2だけが提供されることになる。iPad 2は30ピンのコネクタを使用しているが、新iPadの登場を機にLightningコネクタに換装されるかもしれない。

今週に入ってiPad 5の筐体のビデオがUnbox Therapyで公開された。これが実際に製品版のパーツであるなら、iPad 5のデザインはiPad miniに強く影響を受けている。 KuoはiPad miniに新世代のA7プロセッサが搭載されるとしている。現行のminiはA5搭載だが、Retinaディスプレイを搭載すればCPUのパワーにも大きなテコ入れが必要になるのは自然だろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Dash Robotics、高速走行虫型ロボットを開発。Arduino互換標準DIYモデルの価格は65ドル

Dash Roboticsが、クラウドファンディングを利用して、ロボット愛好家のためのプロダクトを世に出そうとしている。素材、デザイン、および製造過程に工夫を凝らし、最先端の技術を安価で提供しようとするものだ。このロボットはスマートフォンでコントロールでき、虫のように駆けまわる。発送時はごく薄いパッケージにおさめられ、購入者が「オリガミ」風に組み立てるようになっている。

このDashはバークレーで博士課程に学ぶNick Kohut、Paul Birkmeyer、Andrew Gillies、およびKevin Petersonの手になるものだ。彼らはMillisystems Labにて小型ロボットの研究を行った。そして実験のためのプロトタイプモデルを、迅速かつ安価に組み上げる手法を編み出したのだった。そしてできたモデルを人に見せてみると、多くの人が心の底から驚き(どのようなものなのかは、下に掲載したビデオを見てみて欲しい)、満々の購入意欲を示したそうだ。

「Dashはなかなか魅力的に仕上がっているようです。子供たちに渡すと、親が引き離すまで何時間も遊んでいるのです」とKohutは言う。商品の完成度だけでなく、他にも欲しがられる理由があると主張する。「Dashは非常な低価格で提供されます。『安価』なロボットといえば、150ドル程度のものを指すことが多いようです。しかしDashの価格はキット価格で65ドルしかしないのです。従来の『安価』の半値以下です。製造工程を工夫したこともあり、安価な素材を活用することができるようになっているのです。また実際の動物の形状を取り入れることで、安価でありながらも、自然に学んだ最適パフォーマンスを実現することもできたわけです。

Dashは、一番安価なアルファタイプが、キット価格で40ドルで提供される(真っ直ぐ走る程度で、他に大した機能はない)。操縦可能で拡張性をもたせたベータタイプが65ドル、そしてファウンダーによって組み立てを行ったモデルが100ドルとなっている。KohutによるといずれもArduino互換で、ソフトウェア的に改造ができる(hackable)ようになっているとのこと。すなわちDashにやらせることの限界は、購入者のイマジネーションに依存しているということだ。ロボットは秒速5フィートで走り、また一度の充電で1マイル以上を走行することができる。

Dash Roboticsは、この昆虫型ロボットに続いて他にもさまざまなタイプを出していくつもりなのだそうだ。アクセサリー類も含めて、幅広い主力製品群を用意したいとKohutは述べている。

「博士課程での研究途上で、ロボットに羽や尻尾、あるいはヤモリ風の足を装着したりしてきました」と、Kohutは言う。「たとえばDashにヤモリ風の足をつけることができたら、それも非常にクールだと思うのです。走り回るだけでなく、壁も登れるようになるわけです。また、ロボット同士が会話できるような機能も登載したいと考えています。これにより、ロボットが集団行動をするなどの可能性が広がってくるでしょう。レースをしたり戦わせたり等、協力して何かをやらせることも、あるいは競わせることもできるようになるわけです」。

長期的には、「趣味」のレベルに留まらない発展も考えているようだ。小さくて軽く、そしてさまざまな足場に対応しつつコストをおさえることができれば、たとえばレスキュー用途などにも使えるようになるとKohutは考えているそうだ。1000体ものDashロボットが群れをなして、倒壊したビルを動きまわり、呼吸により排出される二酸化炭素を検知することにより、被災者を見つけ出すなどということができるようになるのかもしれない。あるいは地雷除去なども用途として考えられそうだ。

Dash Roboticsは、自らをAdafruitなどの属する、メーカーコミュニティーの一員として位置づけている。今回Dashが利用しているクラウドファンディングのための仕組みであるDragon Innovationもその一画を担うものであるとのこと。メーカーおよび、そのメーカーによるプロジェクトを専門的に対象とするクラウドファンディングサービスを提供している。尚Dashは、製品を大規模生産にもっていくべく、従来風の投資にも関心をもっているとのこと。また、UC Berkeley発のハードウェアアクセラレーターであるThe Foundry @ CITRISの支援も受けている。

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(翻訳:Maeda, H)


リーク情報―新iPad 5は現行Retina iPadと同一モニタサイズで幅が15mmスリム化される(ビデオあり)

Appleの次世代iPadの筐体とされるものがUnbox Therapyのビデオで紹介されている。これが事実なら、新iPadのデザインはいろいろな面でiPad miniに強い影響を受けている。この点はわれわれが入手した以前のリーク情報とも合致する。今回のビデオは現行モデルとの差異が相当にドラマチックであることを明らかにした。次世代モデルの発表は10月中になると言われている。

新iPadのデザインでもっとも大きな改良は幅が15mm狭くなったことだ。厚みもごくわずか薄くなったようだ。おそらくは重量も軽くなっているのだろう。幅のスリム化はベゼル部分を狭くしたことで達成されており、モニタは現行と同じく9.7インチのままだ。この手法もiPad miniのものだ。

上のビデオでは新旧のケースを直接に詳しく比較している。また新モデルでは裏面のAppleロゴが鏡面仕上げになっているのが分かる。また筐体下部には一組のステレオ・スピーカーが装備されるポートが用意されている。音量ボリュームはアップとダウンが別々のボタンになった。エッジは現行iPadが斜めなのに対して、新モデルでは直角に近くなっている。

消費電力の大きいRetinaディスプレイ搭載の現行 iPadの最大の問題はiPad 2に比べてサイズが大きく、重くなってしまったことだった。Appleが事実このビデオで示されたように軽量化、スリム化を実現するなら、これまで買い替えをためらっていたiPad2ユーザーの多くを飛びつかせることは間違いあるまい。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Authenticator For iOSのアップデートをダウンロード/インストールすると保存されているアカウントをすべて失う

【抄訳】(速報)

Googleは今日(米国時間9/3)、Google Authenticator for iOSをアップデートした。二要素認証のサポートアプリで、それを使ってGoogleのサービスにログインすると、あなたのアカウントはよりセキュアになる。でも今回のアップデートは、避けた方がよい。本誌の複数の情報筋によると、保存されているデータと接続用アカウントのすべてが消されてしまう。本誌への報告者の一人は、Dropbox、Google Apps、DreamHost、Twilio、Evernoteなどなどのアカウントをすべて失った。

Authenticatorアプリは、パスワードと併用するランダムな数を生成する。この数値符号は、一定時間後に無効になる。パスワードを盗んだ人でも、その場かぎりそのときかぎりの数値符号はまず盗めないから、セキュリティが強化される。

【中略】

アップデート: アプリはApp Storeから削除された。Googleは今、問題解決に取り組んでいるようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、9月10日のiPhoneイベント招待状を報道陣に発送

先ほどAppleは、9月10日のiPhone特別イベントの招待状を発送した。イベントは、西海岸時刻午前10時から、クパチーノのAppleキャンパス10階で行われると案内に書かれている。同社や同社の来たるべき製品発表をめぐる噂に注目してきた人にとっては、何ら驚きはないだろう。

Appleは、この日に複数のデバイスを発表すると言われている。報道でiPhone “5C” と呼ばれている低コストiPhoneと、より高価なiPhone 5後継機種でこちらはiPhone “5S” と呼ばれるかもしれない。5Sは、カメラおよび内部の改善に加え、新たなゴールドカラーモデルが出ると言われている。iPhone 5Cは背面カバーがプラスチックになり、内部はiPhone 5と変わらないと報じられている。招待状には「これがみなさんの一日を明るくするはずです」というテキストと共にマルチカラーのドットが描かれており、iPhoneのカラーバリエーションという噂が的中していたことを暗示している。

Appleがこのイベントで何を発表するかには多くの注目が集まっている。Appleが初めて複数のiPhoneモデルを同時に発表するからだけではない。iOS 7もある。これはApple初のモバイルOS大改造で、iPhoneの出荷とほぼ同時期に公開される可能性が高い。噂が本当なら、その日は9月20日かその前後になるだろう。

ショウのその他のハイライトとしては、iTunes Radioの詳細が入るだろう。米国ユーザーには遅くともiOS 7と同時に提供される予定だ。しかし、やはりショウの中心はハードウェアだろう。これまでAppleの一貫した高価格モバイルに手の出なかった市場に進出することによって、iPhoneの世界市場を広げようというAppleの計画に世界は注目している。

本誌は同イベントに参加し、Appleの新スマートフォン計画の最新情報をお送りする予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazon、紙版書籍購入者に対して無料(ないし安価)での電子本提供プログラムを開始予定

AmazonがKindle MatchBookという新たなサービスについてのアナウンスを行った。Amazonで紙の書籍を購入した利用者に対し、その本のデジタル版を無料ないし2ドル99セントの価格で提供するというものだ。価格は書籍によって決まることになる。本プログラムの対象となるのは、Amazonが書籍販売を開始した1995年から、これまでに購入した本ということなのだそうだ。

このKindle MatchBookプログラムは10月に開始される予定だ。開始までに、対象となる書籍を1万冊以上用意するとのこと。対象となる書籍は徐々に増やしていきたい考えだ。プログラムに参加するか否かは出版社側の判断であり、Kindle版のダウンロード時の価格の選択(無料、99セント、1ドル99セント、2ドル99セント)も出版社側で行う。

「遠い昔のクリントン時代、CompuServeアカウントでログインして、AmazonからMen Are from Mars, Women Are from Venusといった書籍を購入して頂いた方も、(18年たった今になって)Kindle版を非常に安価にダウンロードしてお楽しみいただけるようになるわけです」と、Kindle Content部門のVice PresidentであるRuss Grandinettiが、なかなかユニークな調子でプレスリリースの中で述べている。

ちなみに、メジャーな出版社も、あるいはKindle Direct Publishingで出版している個人であっても、サービス開始時に作品を掲載するための登録を行うことができるようになっている。このサービスは、印刷された本に加えて電子本も入手できる読者にとっては当然メリットがあるものだ。しかしそれだけでなく、出版社側にとっても、新たな販売機会を得るチャンスともなる。18年も前に書籍を購入した利用者に対し、紙版に加えて電子版の購入を促すことができるようになるわけだ。

読者にとっては、電子本の価格は無料であるのがベストだろう(既に持っている本を、さらにお金を出して買うということに躊躇いを感じる人もいるだろう)。しかし電子版の便利さを感じて、たとえ有料であっても購入しようとする人もいるはずだ。個人的には、過去においてもっとAmazonを使って購入しておけばよかったと後悔している。今後は、紙の本が欲しくなったらきっとAmazonを第一候補に考えることだろう。もちろん、そうした客が増えるようにというのが、Amazonの狙いであるわけだ。

(訳注:本稿はアメリカTechCrunchの記事であり、日本に適用される予定があるのかどうかについては確認していません)

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(翻訳:Maeda, H)


Samsungのスマートウォッチ、Galaxy Gearは縮小版スマホではなさそう

期待にスマートウォッチ、Galaxy Gearは、9月4日水曜日の正式発表に先立ち、複数のリークを呼び、中には以前のリークに関するリークで気を引こうとするものまであった。ともあれ、現時点でわれわれの手には、この端末に関する信頼できる情報が数多くあるが、どうやら実物の外見は、今まで見た中にはなさそうだ。ここで、このニュースを追っていない方々のために、Samsungのウェアラブルコンピューティング参入に関する最新の噂を簡単に分析してみよう。

Galaxy S4の縮小版ではない

先週末にリークした、Galaxy Gearが実際に腕に着けられた写真を見て、インターネットは恐ろしさのあまり声を上げた。そこには縮小されたGalaxyフォンの姿があった。しかし、実際に出荷されるハードウェアはそれとは違うようだ。新デバイスに関する情報を数多く提供するソースを持つOm Malikによる。

MalikはGigaOMに、SamsungはIFAのショウに先立ってベルリンで行われるイベントで「これとは違う、より完成された製品」を紹介するだろうと書いており、VentureBeatにリークしたのは初期の開発プロトタイプだと言う。主要スマートフォンOEMが、デベロッパーにソフトウェア開発用の早期ハードウェアを渡すのは珍しいことではない。一般に知られている例ではBlackBerryのBB10開発デバイスが記憶に新しい。

多くの低価格スマートフォンよりも高機能

Galaxy Gearの噂されるスペックは、 GigaOMSamMobile、いずれの情報源によっても、スマートフォン中級機の機能と、リストトップ・コンピューターのフォームファクターに最もマッチした小さな画面を備えている。要約すれば、Gearは次のような機能を持つ。

  • Samsung Exynos 4212デュアルコア1.5GHzプロセッサー
  • AMR Mali-400 MP4 GPU(Galaxy SIIと同じ)
  • RAM 1GB
  • 2.5インチ、320×320 OLEDデイスプレイ
  • Bluetooth 4.0 Low-Energy
  • Android 4.3(Bluetooth LEサポートのための思われる)
  • 加速度計その他のセンサー
  • 内蔵カメラおよびマイク
  • バッテリー寿命、ライトユーザーで24時間、ヘビーな使用で10時間

実際、内部スペックはGalaxy SIIに極めて近いが、プロセッサーはやや強力で、様々なソフトウェアの利用を可能にしている。

改造版Android OS(および非Samsungハードウェアサポート)

GigaOMは、Galaxy GearのOS体験に関する追加情報も紹介しており、VentureBeatのリーク写真で見た物とは異なる。Gearでは最新版Androidが走り、ただしソフトウェアキーボード(当然)とネイティブ・ブラウザーがない。デバイス上でアプリを使うためには、Samsung端末およびSamsung専用アプリストアが必要になるだろうが、iPhone 5および他のAndroid端末との接続も、基本スマートウォッチ機能に入る可能性が高い。予想では、基本的な通知は全デバイスに対して送られ、高度な機能やサードパーティー・アプリのためにはSamsung製スマートフォンが必要になるようだ。

Gearはスマートフォンを補完する

VentureBeatのリーク画像に基づいてSamsungのスマートフォンにのビジョンを解説した記事でChris Velazcoは、Samsungは実用性を求めるあまり、このスマートウォッチ・システムに多くの複雑さを持ち込みすぎたと書いている。新情報によると、Gearは、スマートフォン体験を模倣あるいは再現しようとするのではなく、スマートフォンの利用体験を補完することに重きを置いているようだ(フルスクリーン通知等)。殆どの消費者は未だに不必要なレイヤーと感じるかもしれないが、機能とハードウェアに関する最新情報を見る限り、単なる腕に巻いた縮小スマホより、もっと意味のある役割を果たしそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Samsungの参入でスマートウォッチ業界再編か

先週、ギークに特化した先進スマートウォッチメーカー、WIMM Labsは同社がGoogleに買収されたことを公表し、検索の巨人が自身の野心的Google Glassプロジェクトに続くウェアラブルデバイスをひっさげ、ウォッチベース・コンピューティングの戦いに参入することが明らかになった。これは、消費者の〈腕〉を所有するためのレースの開始を告げるゴングであり、来たる水曜日にSamsungが、主要メーカー初のスマートウォッチ参入を果たせば、ますます競争は激化するだろう。

SamsungのGalaxy Gearは、スマートウォッチ・ラインアップの先頭打者にふさわしい実力を持つようだ。噂では、十分なCPU(1.5GHデュアルコア)、RAM 1GB、4メガピクセルカメラ、720pビデオ、2.5インチOLEDディスプレイを持ちバッテリー寿命は10時間。@evleaks のスクリーンショットには、AndroidフォンがGearを制御しているところが見られ、機能的にはPebbleなどの既存機種と類似している。

Pebbleのようなデバイスに対する消費者の関心は高く、Kickstarterのプレオーダーを通じて7月時点で27万5000台が売れている。また、スイスの時間メーカーによる法外な価格のスマートウォッチ、Hyetis Crossbowもすでに300台を販売している ― 少ないと思うかもしれないが、これら300人の人たちはCrossbowのために各々1200ドルを払っている。しかし、これらの小さなスタートアップが作るデバイスは、AppleやSamsungが製品を維持するために必要な数には遠く及ばない。

MetaWatchは自社の実績を公表していないが、Fossilをスピンオフした同社はKickstarterでスマートウォッチのStrataを作るのに必要な資金調達に成功している。MetaWatchやPebble(開発チームはinPulse時代からスマートウォッチを製作に関わっている)は、SamsungやAppleが自社デバイス発売に先立ってスマートウォッチ経験を強化するためのOEM候補になりそうだ。

大企業では、例えばSonyが自社開発経験において一歩リードしている。同社は2008年にBluetoothウォッチを発売し、後継のSony Smartwatchにも近く後続機種が出る予定だ。しかし、LGをはじめ、流行を追ってこの分野への参入を睨んでいる無数のOEMたちは、安易な買収の選ぶ理由がある。

ハードウェアのスタートアップにとって、消費者向けに低価格を保ちつつ需要の規模に応じて維持可能な製品を作るのは困難だ。これはMakerBotをして、買収を通じてより経験の深い大企業と提携することを決断した理由であり、Pebbleや同業者たちも最終的にそうなる可能性がある。唯一の問題は、この手のデバイスを作ろうとする会社と手を組むにはもう遅すぎるか、あるいはそのための才能や専門知識はすでに押さえられてしまっているのか、ということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


物のインターネットをJavaScriptで動かせるDIYボードEspruinoがKickstarterで資金募集中

Arduinoはすばらしいけど、初心者が手を出すには少々難しい。Espruinoは、“世界で初めてのプロアマ両用のJavaScriptマイコン”としてここ2年ほど一部のマニアたちに人気があったが、イギリスのケンブリッジに住む作者のGordon Williamsは、これをさらに磨き上げるためにこのたびKickstarterに登場させた。

Kickstarterで資金募集を開始したWilliamsの目的は、このオープンソースのハードウェアのためのソースコードを完成させて、正規のオープンソースコードとしてリリースすることだ。EspruinoプロジェクトのページでWilliamsは、Kickstarterに‘上場’したもう一つの目的は、Espruinoのソフトウェアをプレインストールしたボードを発売して、買った人がすぐにプログラミングを開始できるようにすること、と言っている。

このような、“物のためのJavaScript”というコンセプトは、デバイスが実際に目的どおりに動くようになるまでの過程を大幅に単純化するから、ハードウェアハッカーにとっては大歓迎だ。Williamsは、LEDを点滅させるだけ、という簡単な例で、EspruinoとArduinoを比較している。後者は、こんな簡単なものでもコードはかなり複雑になる。EspruinoのJavaScriptは、Web開発をちょっと経験した者には親しみやすいだけでなく、変更も拡張も容易にできる。Arduinoでは、同じことをやるために大量の作業が必要だ。

Williamsはソフトウェアデベロッパで、過去にAlteraやMicrosoft、Nokia Collbaoraなどで仕事をした経験がある。そして今は自分の会社で、音楽を3Dで視覚化するソフトMorphyreを作ってている。彼はケンブリッジ大学のコンピュータ科学出身だが、ハードウェアDIYのマニアでもある。彼がEspruinoを作ったのも、イベント駆動型のプログラミングにより、彼と同じ楽しみを分かち合える人びとを増やしたいからだ。

これを欲しい出資者は19ポンド以上を出す。発売予定は2014年の1月だ。Williamsは、ハードウェアの製作では経験豊富なので詳細な生産計画もすでに作ってある。出資額の多い人には、低電力消費の無線ラジオや多色LEDライトなども提供される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウドファンド: トップKickstarterと二位Indiegogoの差が拡大; Kは少額案件, Iは大型案件が多い

IndiegogoはいつもKickstarterに比べて影が薄いが、クラウドファンドを最初に始めたのは前者だ。今回、両者の違いを数字で表そうと思いついた連中がいる。クラウドファンドの世界でフリーの仕事をしているJonathan LauとEdward JunprungがIndiegogoのWebサイトをひっかいて、Kickstarterが無料で提供している統計データと比較できる数値を作り出したが、その結果はなかなかおもしろい。

Kickstarterにこれまで登場した資金募集案件は11万あまりだが、LauとJunprungがIndiegogoでかき集めた数字は44000件だ。この前の某記事では14万2301件となっているが、44000の方は不成功事案と獲得額が500ドル未満の案件が除かれている。つまりKickstarterの数字は全数だが、かき集め方式のIndiegogoの数字はそうでない。

これまでの成功事案の資金調達総額は、Indiegogoの9800万ドルに対しKickstarterはそのほぼ6倍の6億1200万ドルだ。Kickstarterは調達額100万ドルを超えたのが40件、Indiegogoは3件だ。資金募集の成功率はKicstarter 44%に対しIndiegogoは約34%だ(目標額500ドル未満の案件を除く)。今回のかき集め数値でなく前の記事の14万2301件をベースにすると、その記事どおりの9.3%になる。

一方、目標額に達しなかったので中途キャンセルになった寄金額の合計は、Kickstarter 8300万ドルに対しIndiegogo 7000万ドルで、ほぼ横並びだ。また、同じ調達総額に対し、事案数が、Kickstarterは比較的「少額多数」であるのに対し、Indiegogoは「高額少数」だ。後者(Indiegogo)では、調達総額の40%が総額10万ドル以上のプロジェクトだ。

KickstarterはWeb上のクラウドファンドサイトのトップとみなされているが、数字もそのことを証明している。Indiegogoはやり方が下手だとか間違ってる、と言うつもりはない。むしろIndiegogoの方が簡単に載せてもらえるし、資金募集の方式に柔軟性があり、ときにはばかばかしいほど高望みの案件もある。でもすでにこれだけの数字の違いが出ているということは、今後さらに差が拡大することを意味しているのだろう。そもそも案件のタイプが、Ind…とKic…ではかなり違うし、また投資者のタイプも違うようだ。

Lau and Junprungが作り出した数字の詳細はここにある。より詳しく分析してみたい方や、彼らと議論したい方は、ぜひ見ていただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Samsung、Galaxyのスマートウォッチを9月4日に発表すると確認―Galaxyスマートフォンと一体動作するアクセサリー・デバイスらしい

SamsungのGalaxy Gearスマートウォッチはウェアラブル・コンピューティングの次のビッグ・ニュースになるものと期待され、さまざまなリーク情報が流れていた。

今日(米国時間8/27)、Samsungのモバイル担当執行副社長、LeeYoung-heeはKorea Timesのインタビューに答えて、「Galaxy Gearはベルリンで9月4日に発表される」と述べた。これはIFAエレクトロニクス・ショーがベルリンで開催される2日前というタイミングになる。新しいスマートウォッチのOSはAndroidで、Samsungが開発した新しいフレキシブル液晶が採用されているという。

「Galaxy Gearはスマートフォンのユーザー体験を補強し、拡張する」とLeeは述べた。これはGalaxy Gearは単独の携帯電話製品ではなく、Glaxyデバイスのアクセサリー・デバイスだという最近の報道を裏付けるものだ。

さらにLeeはGalaxy Gearを「若くトレンドに敏感な層を主たる対象と考えている」とも述べた。つまりGalaxy Gearはアーリー・アダプター向けであると同時に、ある種のファッション・アクセサリーを狙ってもいるようだ。

最近のGigaOMの記事によれば、Galaxy Gearは2.5インチ、320 x 320のディスプレイとデュアル・コアCPU、Bluetooth 4.0 を備えているという。またアプリはSamsungの専用アプリ・マーケットからのみ入手できるらしい。これもまたSamsungのスマートフォンのアクセサリーだという説に合致する。

ベルリンの9月4日のイベントでは間違いなく新しいファブレットのGalaxy Note 3もお披露目されるだろう。 最近われわれが聞いた噂では、Galaxy Note 3は4Kビデオをサポートするかもしれないという。CPUはSnapdragon 800、2.3GHzでモニタは5.7インチ、RAMは3GBという情報もある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Cirlceは、家族のインターネットを制御して人間性を取り戻す(Kickstarter)

はっきり言っておこう。われわれはインターネットをコントロールしていない。インターネットがわれわれをコントロールしている。これに対するいかなる反論も無用だが、新しいKickstarterプロジェクト、Circleは、家庭内LANに接続されたデバイスを個々に制御するハードウェアとソフトウェアを使って、インターネットの遍在に逆襲する家族たちの力になろうとしている。

Circleはルーターではない。Xerox PARC出身のPowerCloud Systemsが、類似のコンセプトに基づいて作ったSkydogとはそこが異なる。ルーターおよびそこに接続された全デバイスとやりとりすることによって、家族のデバイスとインターネットの間にフィルターをかけ、子供たちのデバイスに年齢、時刻、広告コンテンツ等によって制限をかける。インターネット上の様々な行動に関して、自分のパソコンに通知させることができる。「ネガティブ」および「ポジティブ」な閲覧、どちら関しての通知も受けられる、とCircleは説明する。

言い換えれば、Circleは、NSAのPRISMプログラムの家庭版にファイアーウォールの要素を加えたものだ。サイトのカテゴリー別にアクセス時間をスケジューリングし、FacebookやYouTubeの利用時間がとんでもないことにならいよう、Pauseモードを使って寝る時間になったら全アクセスを遮断できる。子供の使う端末の広告を全部ブロックすることもできる。管理はすべてiPhoneアプリから行う。

彼らのソリューションの特長は、ユーザープロフィールを設定したり、個々のデバイスに監視ソフトウェアをインストールしなくてもよいところだとCirlceは言う。そして、既存のルーターと共にに動作するため、高価なデバイスを買ったりネットワーク設定を変更したりする必要がない。

Circleを支えるチームには、元国防省向けネットワークセキュリティー技術者のTiebin Zhang、HoneywellのWi-Fi制御システムエンジニア、およびデザイン、スポーツ、ビジネス開発その他多くの経験を持つ起業家、Jelani Memoryらがいる。Circleの外観は間違いなく美しく、おそらくこれは、ファウンダーでプロダクトマネージャーのSean Kellyのおかげだろうが、このルックスに負けない性能を出せるかどうかはまだわからない。

Circleは、Kickstarterで150ドルのプレッジ(支援金)を出せば予約注文が可能で、出荷予定は2014年8月。ハードウェアのスタートアップが、出荷までに十分な期間を置くのは良いことだ。同スタートアップは、プロジェクトのために総額25万ドル程度の資金を調達し、現在のプロトタイプを元に量産化するつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)