本日アナウンスされたiOS 7、新たな機能をスクリーンショットで確認してみる

WWDC 2013の舞台にて、iOS 7が正式にアナウンスされた。見た目の部分でかなり大きな変更があるようだ。もちろん新たに生み出されたり付け加えられた機能も多くある。正式版のリリースはまだ数カ月先だが、本日公開された開発者版を早速いろいろといじり始めているBrian Roizenが数多くのスクリーンショットを投稿してくれている。WWDCの舞台上で行われたデモで、新しいOSの方向性は理解できたという人も多いことだろう。しかし詳細なスクリーンショットも、いろいろと参考になるところがあるはずだ。

ノートアプリケーションにある紙の質感などの部分に、以前からの「skeumorphic」デザインが少々残っているようにも感じるが、しかし全体的にはシンプルになったスタイルと「フラット」デザインが特徴だ。またマルチタスクトレイは大幅に使いやすくなった様子。また各種設定をまとめて行えるコントロール・センターも非常に便利そうだ。ボトムトレイからダブルクリックで呼び出す現在の設定機能にはいろいろと不便な点があり、不満をおぼえていた人には朗報となる。

全体的に言えば、これまでよりもモダンでクリーンなエクスペリエンスを提供するOSになると言える。カレンダーやメール、サファリなどのコアアプリケーションの外見によって感じる変化も大きそうだ。基本的な機能オプションのみを常に表示し、細かな機能を提示することでデザインをごちゃごちゃさせることがなくなっている。但し新しい通知パネルには「Today」、「All」、そして「Missed」などのペーンが新たに用意されることとなり、ひと目で全体を見るという方向からは変更になったようだ。こうしたところの使い勝手などをチェックしてみたいものだ。

ちなみに、一般向けのiOS 7のリリースは秋に予定されている。これからしばらくの間で変更点も多数あることだろう。しかし全体的なルック&フィールについては、本日明らかになったものと大きく変わらないものと思われる。これまでと比べると大きな変化であるのは間違いない。一般利用者の評価がどうなるのか、注目して行きたい。

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(翻訳:Maeda, H)


モバイル市場の王座は一つではなく二つある–FlurryがAndroidとiOSの性格の違いを強調

モバイル市場に関するFlurryの最新のレポートによると、今やiOSとAndroidは一つしかないモバイルの王冠を争ってはいない。スマートフォンとモバイルOSの市場は2頭のレースになっているが、Apple馬もGoogle馬もそれぞれ、違う王冠を手にしうる、という。

つまり市場を架空の大陸にたとえると、Androidはその北部を支配し、Appleがそのほかの部分を統治する。その意味は、Androidはデバイスのマーケットシェアを支配し、2013年の総台数が5億6400万となり前年同期比で倍増している。しかしAppleのiOSは、アプリ内消費時間で先頭に立っている。AndroidがAppleに接近した時期もあったが(下図2012/1-4月)、その後の第三世代iPadのローンチにより、Appleは再び、ユーザのエンゲージメントでトップに立った。

アプリ内消費時間でAppleがAndroidをリードしているのは、累積総時間だけでなく、デバイス1台あたりの平均時間もだ。Androidはデバイスのシェアでトップだから、累積総時間でもトップになるはずではないか? しかしFlurryによると、iPhoneとAndroidではユーザのタイプが違う。iOSのユーザにとっては、iPhone/iPadの魅力はアプリにある。つまりAppleのデバイスは、ポケットコンピュータという位置づけだ。これに対しAndroidのユーザの多くは、フィーチャーフォンを買い換えるときに(バーゲンで)値段が安いからAndroidスマートフォンにした、という人たちだ。言い換えると、iPhoneと違ってAndroid携帯は、アプリがユーザの主眼ではない。Androidユーザの多くにとって、電話機はあくまでも電話をする機械だ。スマートフォンの‘スマート’の部分にあまり関心がなく、単に日常的な携帯用電話機としてしか見ていない。

Flurryはさらに、Androidの分裂がアプリ開発の障害になっている、という。だからアプリのクォリティがiOSのレベルに達せず、配布にも問題がある。Appleには大きくて深いエコシステムがあり、デベロッパがその力と意欲を思いっきり投じやすい。そしてユーザ数の多いiOSでは、ユーザのアプリ利用状況に対するデベロッパの関心も高いため、アプリの自己改良サイクルというものが、自動的に動いている。

複数の王冠があるというFlurryの見方は、これまでのような、どっちが勝つかという単純な見方に比べると、市場に対するより現実的で成熟した見方だ。AndroidとiOSは今後も顧客を奪い合っていくことは確かだが、しかし、エコシステムの支配と小さなマーケットシェアは、Appleの全体的な企業目標に良くフィットしている。Google/Androidの場合は、単一のまとまりの良いエコシステムというものはないし、グローバルに物理的なシェアを伸ばすことが重要な目標になっている。台数シェアのGoogleと、アプリ内消費時間のApple、このどちらでも、今のところ、第二勢力が登場し伸びてくる気配はない。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートフォンでコントロールするロボットの”ベース”となるRK-1(これもArduino)

Londonのロボット技術者Evangelos Georgiouは、Arduinoを使うホビイストたちに、彼らが自分のプロジェクトをモバイル化するためのプラットホームをオープンソースで提供したい、と考えている。その取り組みの最初の成果が、リモコンロボットRK-1で、プログラマブルなマイクロコントローラArduinoとiPhoneまたはAndroidのアプリ、キャタピラで動く台車、DCモーター、WiFi接続、などから成る。それはホビイストたちに喜ばれるだけでなく、子どもたち(そして大人たち)に、ロボット工学に関心を持ってもらうための教材としても優れている。

RK-1用のアプリはApp StoreやGoogle Playストアから無料で(もうすぐ)ダウンロードでき、タッチ画面をスワイプして移動の方向をコントロールする。単純で分かりやすい方法だが、この方法は今後いろんな製品にも応用できるだろう。GeorgiouはAdafruitのやり方に倣って、ハードウェアホビイストのためのガジェットをオープンソースで提供するつもりなので、RK-1用の各種センサーアプリやArduinoコミュニティお気に入りのゲームボードなど、多様なアドオンが増えていく可能性がある。

Georgiouはロンドンのキングズカレッジの大学院生で、また同大学の正規の職員としてソフトウェア開発を担当している。彼は自分の専門分野を、“autonomous non-holonomic mobile robots implementing computer vision and advanced machine learning methods”という長い言葉で表現する(自律的でノンホロノミックな*モバイルロボットでコンピュータビジョンと高度な方法による機械学習を実装しているもの)。これは彼にとっては、彼のロボット作りの哲学なのだ。協同ファウンダのReetu Kansalは某社のカスタマサポートマネージャだが、RK-1のプロジェクトではデザインとオペレーション管理を担当している。〔*: 非ホロミック≒自由度がきわめて高いこと。〕

GeorgiouはKickstarterで£5,000 (US$7,800)の資金を募集しているが、すでに£15,000から£50,000の拡張目標を抱いている。彼はこのプロジェクトに関して楽観的なのだ。RK-1キットの予約価格は£150(US$234)である。意欲的なプロジェクトだが、ファウンダがソフトとハードの両方に強いから、ホビー素材としても教材としても、きっと良いものができるだろう。

〔類似記事。〕


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アメリカITC、AppleによるSamsungの特許侵害を認定―AT&T版 iPhone 4, 3GS、一部のiPadの輸入差し止め

アメリカ国際貿易委員会(ITC)はAppleがSamsungの特許を侵害していたと認定し、iPhone 4、iPhone 3GS、初代iPad 3G 、iPad 2 3G(すべてAT&T専用版)など一部の製品の輸入を差し止めた。

ITCの決定については今後詳しく論じられることになるだろうが、、輸入差し止め対象はAT&T版の旧モデルにとどまるようだ。ITCはiOSデバイスがマルチバンド化される以前にAT&T向け製品に使われていた部品が特許を侵害していると認定した。

異議申立てが却下された場合、Appleは対象となる製品を海外の製造元から国内に搬入できなくなるので、最終的にはアメリカ国内での販売が不可能になる。VergeのNilay Patelのツイートによれば、今回のITCの決定に対する異議申立てはホワイトハウスか連邦高等裁判所に行うしかないという。

もし差し止めが最終的に維持されたとしても、この秋には新製品の発表を控えており、対象となる製品はいずれもすでに引退が近づいていた。とはいえ、新製品発売は数ヶ月先のことであり差し止めが現実に実施される時期によってはAppleもかなりのダメージを被るかもしれない。中小キャリヤや教育機関はまだまだ古い製品に大きく頼っている。

ITCの決定は全文を下記にエンベッドした。問題の特許についてはここに詳しい情報がある。ごく簡単にいえば、携帯無線の信号伝送に関する特許だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


シアトルで実験中の生鮮食品オンライン宅配、Amazon Fresh、本格的事業化迫る?

Amazonはここ5年ほどAmazonFreshという生鮮食品宅配の実験をシアトル地区で続けている。今日(米国時間6/4)のReutersの記事によれば、このAmazon Freshが本格的な事業化に向けて拡大されるらしい。AmazonFresh方式のサービスが今年中にロサンゼルス、サンフランシスコでもオープンし、2014年までにアメリカ内外の20都市にサービスが拡大されるという。

Reutersは事情に詳しい2人の情報源が「事業が順調に拡大できるかどうか、その成否はなんといっても最初の2都市の運営結果にかかっている」述べたと報じている。生鮮食品の小売は昨年だけで5680億ドルという巨大市場だ。Amazonにとってその潜在的価値は図り知れない。

デジタルコンテンツやエレクトロニクス製品の分野でのAmazonの優位性が確固たるものになるにつれて、新たな分野への進出に興味を抱くようになったのかもしれない。Amazonが重視するのは常に成長だ。前四半期の成長は普通の会社なら十分満足すべきレベルだったが、過去の急成長と比べると一部のアナリストにはもの足りないと映ったようだ。その結果、株価は控え目な推移をみせている。

生鮮食品の場合、既存大手のWal-MartやWhole Foodsなどは完全に現実店舗のチェーン店なので、Amazonの前には未開拓の巨大市場が広がっている。Reutersも指摘するとおり、生鮮食品というのはオンライン通販にはあまり向かない市場だと考えられてきた。大きな理由は在庫を維持するために莫大なコストがかかることにある。本や家電製品と違って一定時間で売れ残った商品は廃棄物となるし、保管には冷蔵、冷凍設備も必要になる。

Amazonは失敗したこの分野のパイオニアWebvanも含めてスタートアップとは桁違いのリソースを投じることができる。しかもシアトルで5年も実験を重ねている。ジェフ・ベゾスは2011年にAmazon Freshについて楽観的な評価を述べた。しかし同時にAmazonが事業化するまでにはさらに改良を要する点があると認めた。

どうやらベゾスとそのチームはこの2年間で行った改良でAmazon Freshは事業化に踏み切るのに足りるレベルに達したと判断したようだ。この報道が事実であっても、生鮮食品は地域ごとに特性が大きく異るので展開にはかなりの時間がかかるだろう。

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Chrome、モバイルブラウザーのシェア拡大。しかしモバイルOSではAndroidがやや減少

モバイルブラウザーの中では、依然としてSafariが大きくリードを保っていることが、今月のNetMarketShareのデータからわかった。しかし、重要な動きはAndroidの世界で起きている。Chromeは順調にシェアを伸ばし、Androidの組み込みブラウザーは遅れを取っている。Androidは、5月のモバイルOSシェアではわずかに減少して過去8ヵ月間の最低を記録した。

Androidの内蔵ブラウザーは4~5月にかけて2ポイント伸ばしたのに対し、Chromeモバイルの伸びは1ポイント以下だった。Googleはモバイル版Chromeを推進しており、昨年秋からAndroidデバイスにプレインストールしている。その結果順調な伸びを見せ、昨年7月に0.34%だったシェアを今年5月には3.22%まで伸ばした。しかしAndroid内蔵ブラウザーのシェアはその11ヵ月間横ばいであり、Chromeのシェア拡大はすべて新規デバイスによるものであり、ユーザーがブラウザーを乗り替えたのではない。

OSシェアでは、Androidが前月よりわずかに落としており、過去長期にわたる測定期間で最低となった。AppleのiOSはわずかに上昇したがほぼ横ばい、Symbian、Java MEおよびBlackBerryの伸びもわずかであり、これはAndroidの2ポイント近い減少が、どのプラットフォームの勝利にも結びついていないことを意味している。しかしAndroidが、Galaxy S4とHTC Oneという2大フラグシップ機が発売された月に、こうした数値の落ち込みがあったことは興味深い。

しかし、全体で見るとChromeのモバイルでの伸びが最も注目すべき話題だ。Googleはクロスプラットフォームの互換性とポータビリティーを強く押しており、最近Chromeに見られる動きの多くが、モバイルとデスクトップをつなぐように考えられている。その目標を達成するためには、モバイルChromeがさらに高く離陸する必要があり、昨年出てきたばかりであることを踏まえると苦しい戦いである。しかし、機運は高まっている様子であり、Googleの長期目標にとっては良い兆しだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleのWWDCアプリに早くも”フラットデザイン”の片鱗が

AppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)用アプリが今日(米国時間6/3)から提供開始され、カンファレンスのいくつかのセッションを紹介しているが、しかし見ものは、これまでとがらっと変わったUIだ。その変化は、iOS 7のヴィジュアルの一新についていろいろ言われていたことを裏書きしているようであり、単なる一個の自社アプリの問題ではなく、デベロッパの世界にもこれから広がっていくものなのだろう。

9to5MacのMark Gurmanが、下図のようなものをリツイートしているが、そこにはWWDCアプリの2011年から2013年までの変化が画像で示されている。ご覧のように、その違いはかなり大きい。最初は色を変えたり影を付けて立体感を出しているが、だんだんシンプルになり、2013ではほぼフラットだ。ただし変化は細部的な変化にとどまり、リスト画面全体などの大枠は変わらない。iOS 7全体としてもやはり、インタフェイスの全面的な完全なオーバホールは行われない、と言われている。

アイコンもこれまでのApple自社アプリに比べると相当シンプルかつクリーンになったが、アプリ内のそのほかの要素も含めて、グラデーションはわずかにある。だから、完全に“フラットな”デザインとは言えない。でも、これまでフラットフラットと言われてきたから、ちょっと拍子抜けの気分でもあるね。WWDCのアプリだけを見て全体を云々するのもあれだが、これらはiOSの主要なUI要素の今後の姿を、ここで、ちらっと予告しているのかもしれない。

デベロッパが作る“ネイティブ”アプリに関しても、新iOSに合わせるためにはかなり苦労するだろう。ただし最近は、AppleのiOSのデザイン原則からあえて逸脱するアプリデベロッパが多い。しかも彼らの独自のデザインにおいても、ボタンなどのフラット化が進んでいるのだ。しかし、わずかな変化でも、それに正確に合わせようとするとけっこうたいへんな作業になる。ぼくの個人的な感想としては、今回の変化は改悪ではなく改良だと感じる。サードパーティのアプリも、この自社アプリのポリシーに右へ倣えした方が、良いのではないかな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidの目覚しアプリ、Warmlyはやさしく起こしてくれる

概してわれわれは、突然起こされることに満足しているようだ。手荒いアラームや耳元のベルは寝続けることを不可能にする。新しいAndroidアプリのWarmlyは、シアトル拠点のChaos Collectiveが、アラームアプリは異質で恐ろしい音ではなく、心安らぐ親しみのある音を徐々に高めていく方が良いのではないかと考えて作った。

これは、共同ファウンダーのAdam Kumpfによると、Chaos Collectiveが成し遂げたいと考えている特色を表すプロジェクトだという。本誌では以前この会社の別のプロジェクトを紹介したことがある。手動焦点合わせができればどんなカメラでもLytroと同じ可変ピント写真が撮れるというハックだ。Kumpfは、Warmlyもあのカメラハックも、The Chaos Collectiveが手本としている大まかな製品戦略と一致していると言う。

「The Chaos Collectiveの信条は、自分たちがワクワクするプロジェクトに取り組み、そのワクワク感を世界とシェアすること」だと彼は言う。「正直なところ、これはかなり型破りなビジネスプランだが、大好きなものを仕事にすることが、ただのガラクタでない物を作る最良の方法だとわれわれは信じている。世界は広大な場所だが、インターネットが全員を一つにする。それぞれのプロジェクトやハックや実験に対するわれわれの熱意が、他の同好の人々に伝えられることを願っている」

「Warmlyは多くの実験から生まれた製品だ」とKumpは説明する。「われわれは多くの協調システムやリアルタイムシステムを扱ってきたが、スタートを切るということが生産性の大きな障壁になり得ることに気付いた」

Warmlyのコンセプトは、心地良い音は人の目を覚さす上で不快な音と同様に効果があるというものであり、Collectiveはいくつかの音の組み合わせを試した後、アプリに組み込んだ。朝食を料理している音もある。ベータテスターやCollectiveのメンバーでのテスト成功を受け、アプリは実験から正式な商品となった。これが同社の製品が世に出るまでのやり方だとKumpfは言う。

Warmlyの価格は1.99ドルで、Kumpfはこれを正当だと信じている、なぜなら「もしこれにコーヒー1杯の価値がないなら、その人は仕事をしていないから」。Collectiveの全体方針は、できる限りオープンソースを維持しつつ、ある時点でプロジェクトをプロダクトに変えて収益を生みさらに取り組みを進めることだ。WarmlyがまずAndroidでデビューしたのは実験のしやすさが主な理由だが、もちろん反応がよければiOS版も計画されている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、6秒ビデオのVineのAndroid版をリリース―iOS版ユーザーは1300万人を超える

今日(米国時間6/3)、Twitterは6秒間のビデオを簡単に作成して共有するサービス、VineのAndroid版をリリースした。 VineアプリGoogle Playストアから無料ダウンロードできる。Android 4.0以降が必要。

Android版VineアプリはiPhone版から5ヶ月遅れで発表された。iPhone版はTwitterがVineを開発したスタートアップを買収した後、今年1月にリリースされた。この間、VineはiOS版だけで1300万人という大量のユーザーを獲得するのに成功している。

ただしAndroid版はiOS版と完全に同じではない。Vineの公式サイトによれば、近々いくつかの新機能が追加されるとしている。これにはフロント・カメラのサポート、プッシュ通知、ハッシュタグ、ユーザーとハッシュタグの検索などが含まれている。すでにAndroid版Vineアプリ特有の機能も存在する。例えばGalaxy S4とHTC Oneの場合、ズーミングができる。

iPhoneアプリの場合、フロントカメラのサポート、ユーザーとメンションの検索などの機能が4月末のメジャーアップデートで追加ずみだ。 TwitterのVineチームはiOSの場合と同様、Android版でも基本的機能だけを先にローンチして段階的に機能を追加していく手法を取った。

テクノロジー業界はVineのAndroid版リリースの影響に注目している。InstagramはiOS版で3000万人のユーザーを集めた後、2012年4月にAndroid版を開発した。するAndroidユーザーが殺到し、12時間で100万人の新ユーザーを獲得することに成功した。Vineの場合はどういう結果になるだろうか?

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Adobeの巨大な影の外で, RAW画像処理の完全SaaS化(複数解の提供)を目指すウクライナのPics.io

ウクライナのPics.ioは、インターネット上〜Webブラウザ上のコラボレーションでRAW画像の処理や編集をやろうという、これまでになかったタイプの写真工程サービスだ。チームはデジタル写真に関する経験が豊富で、今は、基本機能しかないプロトタイプを本格的なプロダクトにするための資金を求めている

ファウンダは、Konstantin Shtondenko(マーケティングとPR)、Vlad Tsepelev(技術)、John Shpika(総括)の三名だが、目標は大きく、Adobeに代わって自分たちがRAW処理における業界標準になることだ。彼らはこれまで、医療用画像技術や商業写真の分野を経験しているため、その能力は十分にある。今はわずか3000ドルという自己資金で概念実証のためのプロトタイプを作り上げた段階だ。

“写真家のワークフローは今、ネット上のそれに置き換わりつつある。それをサポートするために、いくつかの新しいコンセプトを実現していきたい”、それがShtondenkoの語る起業動機だ。“たとえば、ゼロフットプリント(zero footprint)*というコンセプトや、GPUを使う高速画像処理だ。それらの概念実証はすでに作ったので、いずれも明らかに実現可能なコンセプトだ。ほとんどすべてのアイデアが実現可能と分かったことには、自分でも驚いている”。〔*: zero footprint, 占有床面積がゼロ==ユーザのメモリをまったく占拠しない==100%完全にSaaSとして提供されるアプリケーション。ちなみにWikipediaはこの語の項を、マーケティング的臭い(正統な技術用語ではない)として削除している。〕

Pics.ioのプロトタイプに対するプロの写真家たち…主にAdobe LightroomのプラグインTopTechPhotoのユーザ…の反応はすばらしい、とShtondenkoは言う。“今はプロダクションバージョンの開発に取り組んでいるが、それにはわれわれ独自の深い研究から得られた細かいアイデアが大量に実装される”。ベータ公開は一か月後、そして一般公開は年内を予定している。

Pics.ioにとっての障壁は、Adobeも最近SaaS主体になり始めたことだ。たとえばLightroomのクラウドバージョンはブラウザベースのコラボレーションが本格的にできる。Pico.ioの進路に大きく立ちふさがりそうだが、しかしShtondenkoはあまり気にしていない。

“Adobeはでかいが、写真家の仕事には、それだけが唯一絶対の解、というものはない。AdobeにもブラウザベースのRAWコンバータがあるが、うちの方が良いという写真家は必ずいるはずだ。うちが目指しているのは高度で総合的なワークフローサービスであり、単なるRAWコンバータやDAM(digital assets management)ではない”。…今後はPics.io以外のプロダクトもリリースしていく、と彼は言う。

Aviaryのようなサービスがさらに進化すれば、当然Pics.io的になるだろうが、ただしターゲットはプロ、そしてきわめて高度なアマチュアの写真家に絞られてくる。今は、写真関連のスタートアップが次々と雨後の筍している。それらの中で, Pics.ioは、広告代理店や写真スタジオ、メディア企業など、お金になりそうなセクタをねらっていくのだろう。生まれたばかりのスタートアップだが、彼らのこれまでの実績を見るかぎり、ブラウザ内RAW処理の未来は、きっと吉と出るだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Adobeの巨大な影の外で, RAW画像処理の完全SaaS化(複数解の提供)を目指すウクライナのPics.io

ウクライナのPics.ioは、インターネット上〜Webブラウザ上のコラボレーションでRAW画像の処理や編集をやろうという、これまでになかったタイプの写真工程サービスだ。チームはデジタル写真に関する経験が豊富で、今は、基本機能しかないプロトタイプを本格的なプロダクトにするための資金を求めている

ファウンダは、Konstantin Shtondenko(マーケティングとPR)、Vlad Tsepelev(技術)、John Shpika(総括)の三名だが、目標は大きく、Adobeに代わって自分たちがRAW処理における業界標準になることだ。彼らはこれまで、医療用画像技術や商業写真の分野を経験しているため、その能力は十分にある。今はわずか3000ドルという自己資金で概念実証のためのプロトタイプを作り上げた段階だ。

“写真家のワークフローは今、ネット上のそれに置き換わりつつある。それをサポートするために、いくつかの新しいコンセプトを実現していきたい”、それがShtondenkoの語る起業動機だ。“たとえば、ゼロフットプリント(zero footprint)*というコンセプトや、GPUを使う高速画像処理だ。それらの概念実証はすでに作ったので、いずれも明らかに実現可能なコンセプトだ。ほとんどすべてのアイデアが実現可能と分かったことには、自分でも驚いている”。〔*: zero footprint, 占有床面積がゼロ==ユーザのメモリをまったく占拠しない==100%完全にSaaSとして提供されるアプリケーション。ちなみにWikipediaはこの語の項を、マーケティング的臭い(正統な技術用語ではない)として削除している。〕

Pics.ioのプロトタイプに対するプロの写真家たち…主にAdobe LightroomのプラグインTopTechPhotoのユーザ…の反応はすばらしい、とShtondenkoは言う。“今はプロダクションバージョンの開発に取り組んでいるが、それにはわれわれ独自の深い研究から得られた細かいアイデアが大量に実装される”。ベータ公開は一か月後、そして一般公開は年内を予定している。

Pics.ioにとっての障壁は、Adobeも最近SaaS主体になり始めたことだ。たとえばLightroomのクラウドバージョンはブラウザベースのコラボレーションが本格的にできる。Pico.ioの進路に大きく立ちふさがりそうだが、しかしShtondenkoはあまり気にしていない。

“Adobeはでかいが、写真家の仕事には、それだけが唯一絶対の解、というものはない。AdobeにもブラウザベースのRAWコンバータがあるが、うちの方が良いという写真家は必ずいるはずだ。うちが目指しているのは高度で総合的なワークフローサービスであり、単なるRAWコンバータやDAM(digital assets management)ではない”。…今後はPics.io以外のプロダクトもリリースしていく、と彼は言う。

Aviaryのようなサービスがさらに進化すれば、当然Pics.io的になるだろうが、ただしターゲットはプロ、そしてきわめて高度なアマチュアの写真家に絞られてくる。今は、写真関連のスタートアップが次々と雨後の筍している。それらの中で, Pics.ioは、広告代理店や写真スタジオ、メディア企業など、お金になりそうなセクタをねらっていくのだろう。生まれたばかりのスタートアップだが、彼らのこれまでの実績を見るかぎり、ブラウザ内RAW処理の未来は、きっと吉と出るだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleの新たな製品戦略

このところAppleは、主要な発表サイクルを中断し、過去の仕様改訂とは異なるやり方でデバイスやバージョンを変更することに熱心だ。Tim Cookの下市場のトレンドに応じ、製品提供の最適化に向けられた新しい時代の軽量な改訂だ。それは様々な意味で、サプライチェーンの達人らしい動きだ。

“新しい” iPad、iMac、MacBook、iPod

Appleが今年実施した製品サイクル間の変更は数多い。2月のレティナMacBook ProとAirの改訂は、新しいプロセッサーの導入もあり、特段変わったものではなかった。同社は長年Mac製品ラインの内部スペック強化を続けている。しかし、128GBの第4世代iPadVESAマウント付きiMac、そして背面カメラのない新16GB iPod touchは、Appleの一般的製品サイクルの運用から大きく外れていた。

いずれの変更も、少なくとも普段Appleが新ハードウェアを送り出す時と比べると、ひそやかに発表された。せいぜいプレスリリースが出るだけで、今日発売されたiPod Touchにいたってはオンラインストアが変更されただけだ。それでもメディアはこれらの変更に群がるが、微々たる改訂は正式なイベントに値するほどの大きな出来事ではない。しかし、こうした変更は継続的な改善を約束する証しであり、Appleの製品発売サイクルに対する考え方の劇的変化につながるかもしれない。

最適化

Tim CookはかつてAppleのCOOとして、Appleがサプライチェーン史上最も効果的で効率の良いサプライチェーンを構築した実質的立役者だ。それは、Appleが倉庫にいるだけの在庫を殆ど抱えることはなく、製造過程における誤りが劇的に減少し、そうした改善と取り組みの結果、利益率を高く維持し続けていることを意味している。Cookは、今でもこの領域の最適化のかなりの部分に関わっているに違いないが、彼がそのスキルを、製造プロセスに留まらず、Apple製品そのものに適用することは十分理にかなっている。

上に挙げた製品の改訂は、それぞれが特定の最適化を意図したものだ。iPadでいえば、ストレージの拡大は、Surfaceをはじめとする他社の新規参入製品に対抗し、教育やエンタープライズ分野への適応性を高める。iMacは、前世代と比較して大きな欠点の一つとしてレビュワーから指摘されていた点を改善し、再びビジネスユーザーをターゲットにした。そしてiPod Touchは、同社の製品ラインアップの隙間を埋め、サプライチェーンを単純化し、デベロッパーがスクリーンサイズにデザインを最適化しやすくした。

柔軟性

Appleの製品に対する新しいアプローチは、柔軟性の拡大を反映したもののようだ。Cookが指揮をとる前と比べて、発想がより変化に富むようになった ― たとえわずかであっても。以前商品を買った怒れる人々への対応という問題は残る。4ヵ月前にiPadを買った人は新モデルを見て判断を誤ったことを後悔するかもしれない。しかし大部分においてこれらの改訂は、潜在ユーザーを拡大することを意図した個別の変更であり、既存ユーザーを遠ざけるものではない。こうした精度の高いリフレッシュが続く限り、製品開発に対するこの修正されアプローチからAppleが得るものは多いだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


背面カメラなしの16GB iPod Touchが登場。日本版Appleストアでの価格は22,800円

Appleストアに、iPod touchのマイナーチェンジ版が登場した。ストレージ容量は16GBで、リアカメラなしで229ドル(国内価格は22800円)という価格になっている。背面カメラを搭載している第五世代iPod touchと、iPod nanoの間を埋めるプロダクトという位置付けなのだろう。

基本的にはこれまでのiPodおよびiPhoneと同じで、4インチのレティナ画面を搭載している。但しカラーバリエーションはブラック&シルバーの1種類のみとなっている。そして第五世代を発表して以来提供してきた16GBのiPod Touchと入れ替えになる。価格は299ドルの32GBモデルより若干安めということになっている。これまで16GBの第四世代が199ドル、32GB版が249ドルという価格で提供されていた。新しい世代のモデルながら記憶容量を抑えめにしたということで、ちょうど中間的な価格設定になっているわけだ。

背面カメラはなくなったが、前面のFaceTimeカメラは搭載されている。これにより720pのHDビデオを撮影できるし、プロセッサも同じA5だ。バッテリーの持続時間についてもかわりはない。ただ、背面カメラがないおかげで多少(0.6オンス)ほど軽くなっている。Bluetooth 4.0とWi-Fiについては従来通りとなっている。

MacRumorsの記事によると、今回の変更は、事前にKGI SecuritiesのアナリストであるMing-Chi Kuoが予測していた線でのものだ。氏はこれまでにもいろいろな予測を的中させている。予想では8GBモデルも出るとしていて、この点ではハズレということになった。しかしカメラを無くすだろうという点と、価格帯についてはほぼ正確に予想していたことになる。

Appleは徐々に本質的なアップグレードを行なっていないプロダクトのリリースも行うようになっている。たとえば今年冒頭にもVESAマウント互換のiMacをリリースしている。Appleとして、従来の部品や製造方法を継続することで、若干多めの利益を上げることが出来るというわけだ。また、新しいモデルのリリースにより、製造し続けていた第四世代の生産を打ち切ることもできるようになる。Appleにおける今後の製品リリースのやり方について参考になるものだと思われる。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook、Twitterにならってページと個人プロフィールにアカウント認証を導入

Facebookは先ほど、アカウントの認証機能の提供を開始した。これは影響力の大きいFacebookページおよびプロフィールについて、真正なユーザーによって所有されていることをFacebookが保証するものだ。これがTwitterの認証アカウントのコピーであるのは明らかで、個人ないし企業が真正であることを表示するために青いチェックマークが使われている点まで同じだ。チェックマークはページそのものに表示されるだけでなく、検索結果その他あらゆる場所に表示される。

現在、認証はフォロワー数が多く、影響力の大きいユーザー(著名人、ジャーナリスト、政府高官、有名ブランド・企業など)のFacebookページに限られている。Facebookによれば、個人のプロフィールの認証機能もすぐに公開されるという〔公開ずみ。アップデート参照〕。

Facebookはヘルプセンターに新たな項目を設け、ページやプロフィールの認証機能が提供されることを説明している。ただし具体的にどのようにして認証が行われるのか具体的な情報はない。チェックマークにマウスを載せると(日本語の場合)「認証済みページ(プロフィール)」というポップアップが表示される。Facebookでは「ユーザー側から認証を求めることはできない」という。Twitterの場合と同様、Facebook側から認証の確認を求めることになるようだ。

われわれはFacebookに対して認証手続きの詳細を取材しているところなので、新しいことが分かり次第フォローする。

Facebookは2012年の2月に一種の認証システムをスタートさせている。このときはユーザーがなんらかの身分証を提出するという方式だった。これはユーザーが実名ではなくニックネームを使う(俳優や作家の場合必要になる)ための手続きの一環だった。しかしこのプログラムで承認されても、そのことはどこにも表示されなかった点が今回の認証とは異なる。

FacebookはTwitterがすでにそうなっているようなメディア、ジャーナリスト、セレブなどの大規模な情報配信のチャンネルになろうと努めている。フォロー機能も昨年取り入れられ、相互承認が必要な友だち関係にならなくても、興味を持った相手の投稿を購読できるようになった。これはFacebookが「現実の知り合いのネットワーク」にとどまらず、放送の代替となるようなマスメディア機能を果たそうとしていることのはっきりした現れといってよい。

Facebookはまた2011年にソーシャルメディアのプロ、MashableのVadim Lavrusikをスカウトしている。Lavrusikは現在ジャーナリストにFacebookを主要な情報配信媒体として利用するよう熱心に働きかけている。認証済みチェックマークはセレブやジャーナリスト本人が(あるいは少なくとも本人が承認したPRチームが)アカウントを運営していることが分かる点で、その情報源としての信頼性と価値を大きくアップすることになる。

アップデート: われわれのJosh Constine記者はつい先ほど「プロフィールが承認済みとなった」という通知を受けた。Joshはこの件については何の要請もしておらず、また特に手続きも要請されなかった。彼のアカウントは通常の個人アカウントだが、フォロワーが17万人と大量であること、ジャーナリストとして著名であることなどから、自動的な承認の対象になったものだろう。Joshのアカウントを訪問あるいは検索すると青いチェックマークが現れる。

〔日本版〕安倍晋三首相のアカウントにも認証済みチェックマークがついていない。現時点では日本では認証機能は未公開のもよう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


音声の場合と同じ原理によるノイズキャンセル技術が地球サイズの長距離光ファイバの帯域を5倍にアップ

最近の研究によると、ノイズキャンセル技術は、長時間のフライトで隣の席の赤ん坊の泣き叫ぶ声や男女のおしゃべりをブロックするだけでなく、インターネット接続の品質と信頼性とスピードを高めることができる。VentureBeatが見つけたNature Photonics掲載の研究論文が、そう述べている。ノイズキャンセル技術はバックグラウンドノイズを排除するわけだから、光ファイバ上の信号を掃除して接続の速度と質を増進することもできるのだ。

長距離光ファイバネットワークの上を旅する主信号に付随するノイズを、それらを打ち消す光線を照射してキャンセルすると、スピードを最大でそれまでの400%に上げることができる。Bell Laboratories(ベル研)のXiang Liuが率いる研究チームが、そう述べている。それにより、12800キロメートルを超える長さのケーブル上で毎秒400ギガビットの送信が可能になる(サイクリストのRyan Stotlandが2009年に南米の7か国を自転車ツアーしたときの全走行距離は、これよりも短かった)。すなわち、複数の大陸にまたがる高速インターネットが可能になる。

国際データ通信において、接続インフラの感度を上げるための高価なハードウェア投資をしなくてもすむようになる、という意味でこの技術の価値は大きい。しかもこの研究がもたらす変化はスループットの今後の段階的な改善ではなくて、一挙に400%の改善だから、世界中で日に日に急速に増加する一方の帯域需要に即応できる可能性がある。それはGoogleがKansas CityAustinやユタ州のProvoなどで実験している野心的な超高速光ファイバインターネット事業よりも、はるかに大きな可能性だ。

実用化試験はまだまだ先のようだが、ネットワーク技術者や科学者たちを長年悩ませてきた、ノイズによる信号の劣化という問題を解決するエレガントなソリューションとして期待は大きい。Google的に全米を高速光ファイバでおおうと110億ドルぐらいかかるらしい。こちらのノイズキャンセル技術の、実用化費用はどれぐらいになるのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、アプリ内購入機能をChromeのCanaryビルドに実装―やがてデスクトップにもフリーミアム時代が来る

Chromeはそれ自体がプラットフォームだ。そこでGoogleは機能のさらなる拡大に全力を挙げている。デベロッパーでChromiumエバンジェリストのFrançois Beaufortの TheNextWebへの投稿 によれば、次のステップはブラウザおよびChrome OSにアプリ内支払機能を組み込むことだという。つまりウェブ・アプリのデベロッパーはChromeをほとんどAndroidのようなモバイル・プラットフォームのように扱えるようになる。

現在この機能を利用するためにはいくつか制限がある。まずChrome Canary Buildのみに提供されているが、これは安定版から一番遠い実験版だ。またChrome Packaged AppsでGoogle Wallet App for Chromeをエンベッドしなければならない。おそらくこの機能が近々安定版で公開されることはなさそうだ。しかしやがてウェブ版ChromeアプリとChromebookコンピュータにこの機能が組み込まれることになる可能性は高い。

これはデベロッパーにとっては、モバイル・アプリで大いに成功している無料で試せるフリーミアム形式のアプリを開発することが非常に簡単になることを意味する。フリーミアム・アプリはAndroidのアプリの売上総額中で圧倒的なシェアを占めている。このことは最近のI/OカンファレンスでGoogleが疑問の余地なく強調していた

このニュースに符合するように、Mozillaはウェブ上での支払いの標準APIを開発中だ。これは先ごろ発表されたGoogle Walletのデジタル・コンテンツ購入のためのAPIに触発されて開発を決めたものだという。Mozilla側ではアプリ内支払機能については特に言及していない。Mozillaはオープンなウェブを目指しており、Google WalletのAPIのようにクローズドなChromeアプリ環境を対象にしていないからなのだろう。 しかし、将来はMozillaのAPIもアプリ内支払いに拡張されるかもしれいない。

ユーザーのモバイル化が進む中、アプリ内販売はデジタル・コンテンツのプロバイダーにとって最良の選択肢になりつつある。Androidの成功のおかげで大いにユーザーを増やしつつあるGoogle WalletとChromeを組み合わせることによってデスクトップでもその選択肢を拡大しようというのは非常に賢明な作戦だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートウォッチの日常的な定着は‘腕の上’を生かす独自のアプリ次第–7分間の高密度フィットネスアプリにその好例を見る

トロントのデベロッパ兼起業家Alex Kennbergが作った、スマートウォッチPebble用のアプリは、New York Times Magazineなどに紹介されて話題になった、科学的根拠のある7分間の高密度フィットネス体操を、そのウォッチの機能だけを使ってガイドする。このアプリは、スマートウォッチが単なるスマートフォンのコンパニオンではなくて独自の機能を持ちうることを示す、好例だと感じた。

このPebbleアプリは、要するに12種類のエクササイズから成る計7分のワークアウトを、ちょうど昔のラジオ体操の指導ビデオのようにガイドしていく。それぞれのエクササイズに要する時間をカウントダウンし、そのあとに10秒間の休憩を挟む。エクササイズや休憩の開始は、Pebbleの振動機能で伝えるから、ユーザは体操しながらいちいち画面を見なくてもよい。

このアプリは、スマートフォンを最新バージョンにアップデートし、指定されたWebサイトからダウンロードしてインストールする。インストールが済むと、アプリはスマートフォンからは完全に独立して動くから、スマホがなくてもこのアプリは使える。

Kennbergのアプリはきわめてシンプルだが、Pebbleが今提供している簡易SDKと、その‘腕上のプラットホーム’を使ってできることを端的に示している。つまり、Pebbleなどのスマートウォッチには、デベロッパにとって、それら独自の機会がある、ということだ。そしてスマウォならではのアプリが出揃ってくれば、それらのデバイスは一時的な流行の域を卒業して、人びとの生活の中に定着するだろう。GoogleもGoogle Glassに関して、GlassならではのネイティブのSDKの必要性を認識しているようだが、Pebbleなどに関しても、やはり独自性のあるアプリが必要という点では、課題が共通している。

Pebbleは、もうすぐ資金調達と並行して拡張SDKをリリースするようだから、もっと高度なアプリが作れるようになる。でも、デベロッパの気づき能力とアイデア次第では、こんな簡単なアプリでも、新しいカテゴリーのデバイスを日常的な実用性へ向けてイメージアップすることができるのだ。

〔余計な訳注: ゴルフのフォーム矯正アプリ、なんてだめか?〕

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世界初の倫理的な素材調達を行うスマートフォンFairphoneが予約販売で資金募集中

オランダのハードウェアプロジェクトFairphoneは3年前に、消費者電子製品における紛争鉱物の利用、という問題の社会的な啓蒙を目指して発足した。そして3年後の今日では本格的なハードウェアスタートアップとなり、素材の調達と製造と流通の全操業域にわたって倫理性のあるスマートフォンをを作ることによって、自分たちの知識を行動を通じて広めようとしている。今、ヨーロッパ市場を手始めとして、一般消費者からの予約を受け付けている。

Fairphoneが製造を開始できるためには、定価€325($436)の製品の予約を5000以上必要とする。価格には付加価値税が含まれ、製品の実体は画面4.3インチのロックされていないスマートフォンで、Android 4.2を使用、プロセッサはクァドコアだ。リアカメラが8mpでフロントが1.3mp、デュアルSIMトレイによりキャリアの切り換えが容易にでき、海外旅行に向いている。

スマートフォンとしては十分な性能のものと思われるが、そのデバイスのコンセプトは製造過程にある。使っている素材はすべて完全に透明なサプライチェーンに由来し、とくに金属原料の産地はすべてチェックしている。部品については、どこのどういう人たちがどんな工程で作り、その社会的およびエコロジー的な影響はどうか、という点まで調べる。そしてそれらの情報を買い手と一般社会に公開する。それは人びとに、自分が使う電子製品の原料、工程等に関してより自覚的になってもらうためだ。短期的かつ長期的な啓蒙活動であると同時に、ベストプラクティスとして業界が共有することも期待している。

Fairphoneは最初、16000台の限定生産とし、初期にこのプロジェクトに関心を寄せた人たちから予約を受け付ける予定だった。しかしそのやり方では資金の集まり具合が芳しくないので今回、ヨーロッパ全域の一般消費者から予約を受け付けることになった。

Fairphoneは、販売の過程に関しても透明性を維持する。目下集まっている予約は2333件で、締め切りまであと20日だ。しかし、紛争鉱物など、一般的な知名度の低い問題に挑戦しているプロジェクトだから、予約販売の対象域をもっと広げないと、目的とする台数は集まらないのではないか。

〔参考記事: Fair Trade。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iOS 7の新装フラットデザインでJony IveはB&W(黒と白)を多用

6月のWWDCで発表されるiOS 7については、デザインの大変更の噂が氾濫しているが、9to5Macの背後にいる、比較的確かな情報筋によると、その新デザインではいわゆる“フラットデザイン”が強調されるだけでなく、UI全体においてB&Wの成分が多用されるらしい。

その記事は、これまでの情報も繰り返している…Jony IveはAppleのモバイルOSに対して大鉈をふるっている、とりわけiOSの視覚的な側面の改変に彼は集中している。そして新しい情報としては、Iveが全面的な廃止をねらっているスケウオモルフ的(skeuomorphic,実物の何かに似せたデザイン)*なUI成分に関する詳細と、そのほかのUI成分やアプリや一部機能の変化についてだ。〔*: skeuomorphic,たとえば、本物の機器パネル上のボタンに似せた立体的なデザインのボタン、など。〕

Iveは、これまでのiOSの重いテクスチャは永続性のないデザインだと感じている。9to5Macの情報筋によると、だから彼は真っ先に、その今や古びたルックスのリフォームに取り組む。物理的なメタファ*に基づくデジタルデザインは行き止まりの袋小路であり、個々のiOSアプリ…Notes、Maps、Game Centerなどなど…の不調和感、バラバラ感を重症化している張本人だ、と彼は考えているようだ。Windows Phoneなど最新のモバイルインタフェイスは統一感を重視しているが、しかしまだまだiOSと互角に勝負できるほどの状態ではない。フラットデザインはテクコミュニティで賞賛されていても、一般消費者のレベルで受けるとは限らない。〔*: 物理的なメタファ、たとえば“フォルダ”(ディレクトリ)を文房具のファイリングフォルダ…という物理的な物…で表す、といった流儀のデザイン。〕

人びとがこれまでのiPhoneで使い慣れているものの一つであるロック画面は、大きく変わる。9to5Macによると、それはついにアイコン主体のロック画面になり、光沢のない黒のインタフェイスになる。セキュリティコードの入力にはグリッドに代わって円形ボタンが使われ、通知はマルチタッチによる対話機能が増強されることによってより便利になる。

通知そのものも変わる。リンネルの布地のような背景は捨てられ、B&Wが支配する世界になる。Notification Centerのウィジェットが増えて、Wi-Fi、Bluetooth、Airplane Modeなどへのアクセスが加わる。

ホーム画面では、ボタンの光沢がなくなり、システムアプリはよりフラットなデザインになり、これまでほど頻繁に“ポップ”しなくなる。そしてなんと、iOS 7にはAndroidからの借り物もある: パノラマ的にスクロールできる壁紙が加わり、それがホーム画面全体…すべての画面要素…を載せる。従来のように個々の画面要素に対し一つの同じ静的な画像が使われることは、なくなる。またオンスクリーンキーボードのような共通的なインタフェイス成分はどれも、これまでのような影つきの仮想的立体感を排し、フラット化されると共に色もB&Wとグレーが主体になる。Mail、Calendar、Maps、Notesなどのコアアプリにも同様のUI変更が行われ、とりわけ、W(白)が強調された統一感のあるデザインになる。ただし、逆にボタンは色とハイライトを個々に変えることによって、全ソフトウェア共通的なデザイン基調の中で、「どのボタンが何であるか」がすぐ分かるようにする。

新しい機能としては、iPhone用のスタンドアロンのアプリとしてFaceTimeが提供され、FlickrとVimeoを統合、MapsとSiriでは車載用ハンズフリーツールがより充実する。またデベロッパ向けの変更事項も多くて、iOSのアップデートでは恒例の、公開APIの大幅増も当然ある。

9to5の記事によると、これらの変更は今秋発売の新型iPhoneと、おそらくiPadにも実装される。しかしチームはiPhoneのiOS 7バージョンを優先しているようだから、iPadはややあとになるものと思われる。そしてすべては、6月10日のWWDCのキーノートで明らかになる。本誌はもちろん、ライブで報じていくつもりだ。

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MicrosoftがiPadをけなすCMをリリース―Windows 8タブレットがダメな理由がよく分かる

自社の製品が市場で遅れを取っていれば苛立たしいだろう。トップの製品にケチをつけたくなる気持ちは理解できる。最近、検索とメールでGoogleに食ってかかったMicrosoftが今回はタブレットでAppleをけなした。最新Windows 8タブレットのCMはiPadを横に並べてWindows 8タブレッtがいかに優れているか主張するものになっている。Asus VivoタブレットはiOSにできないことがたくさんできるというのだ。

MicrosoftはSiri風の音声を使って(ごくありふれた女性の声の合成音声だからこれは別に難しくない) 、Windows 8タブレットにできてiPadにはできないことを数え上げている。しかしそのセリフがあまりわかりやすくない。たとえばWindows 8のSnapマルチタスク・モードでPowerPointをデモしている場面でiPadが「私はそんなアップデートがありません」というのだが、私はしばらく考えてしまった。最後に価格の比較になってAsusのタブレットの方がずっと安いと訴える。

単にSiriに喋らせるというアイディアが弱く、セリフもまずいというだけはない。最大の問題は、Microsoftが選んだ「Windowsタブレットにはこれができる」というその機能が、なぜWindowsタブレットが市場で受け入れられないかを浮かび上がらせてしまったところにある。一般のユーザーはタブレットにマルチタスクでPowerPointのスライドを作る機能などは望んでいない。そういう作業のためには普通のコンピュータを使う。

CMの最後のシーンが最悪だ。Siriの声が「PowerPointはできません。Chopsticksなどをプレイしてはどうですか?」と言う。しかし競争相手をやっつけたいときに、iPadがいかに驚異的にリアルなバーチャル体験を提供できるかを見せるのはまったくの逆効果だろう。自分の製品がデモできる同等のユーザー体験がないなら特にそうだ。楽器やゲームなどの楽しい体験に対して(いくら実用性があるとはいえ)真面目くさった作業を並べて見せても市場の大勢を変えるのは無理だろう。

この記事は掲載当初Asus VivoタブレットをSurfaceと勘違いしていた。訂正済み。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+