今日(米国時間6/1)、Microsoftはまったく新しくなったSkypeをリリースした。新しいSkypeアプリにはライバルのチャットサービス、Facebook MessengerやSnapchatの影響が明らかに見てとれる。つまりSkypeにはFacebookストーリーズに似たHighlightsが導入された。インターフェイスのDesignも一新され、スワイプするだけでビデオが利用できるようなるなど多数の新機能が追加されている。
Microsoftによれば、Skypeのリニューアルは1年以上前から準備が始まっていたという。Skypeとしては2006年にビデオ共有が導入されて以来の大型アップデートとなった。つまりチャット化のトレンドに驚いて大急ぎでアップデートが始められたとばかりは言えないわけだ。
新しいSkypeには、Facebook Messengerに対抗する独自のボットや拡張機能が追加されている。
Highlights – Skype版のストーリーズ
最近のソーシャル・アプリのやり方どおりスワイプでカメラを起動できる。ユーザーは写真なりビデオなりを撮る。説明のテキスト(手書きも可能)を入力し、Skype独自のスタンプで飾る。こうした定番の機能がすべて用意されている。
撮影したビデオは個別の相手やグループ・チャットで共有できるが、新しいSkypeアプリで目立つのはHighlightsでの共有だ。
新バージョンではカメラはメインのスクリーンで右からスワイプすると現れる。Highlightsでは左スワイプだ。
HighlightsはSkype版のストーリーズだ。これはMicrosoftも認めている。
Skype担当のMicrosoftのコーポレート・バイスプレジデントのAmritansh Raghavは、Facebookのメッセージング担当VP、David Marcusの発言を念頭において、「Facebookも言うとおり、このフィードのフォーマットはトレンドだ」と語った。【略】
Skypeにはストーリーズにない独自の機能が追加されている。
たとえばストーリーズの場合、共有されたコンテンツが24時間で消えるのに対して、、Highlightsでは1週間表示される(投稿したユーザーは設定により最大24ヶ月まで見ることができる)。またHighlightsはSkypeネットワーク全体に公開されず、Twitter式のフォロー・システムにより、ユーザーのHighlightsをフォローしている相手にのみ表示される。
また「共有」を選べば、Highlightsを個別の個人ないしグループの連絡相手に対して表示することが可能だ。これはその相手にHighlightsをフォローするよう勧める効果がある。相手がフォローしていない場合はそのつどマニュアルで相手を指定する必要があるのでスパムを送るために用いられないようになっている。
Highlightsを含めてSkypeの投稿に対して絵文字で使ってリアクションできる。Skypeはフェイスブックの「いいね!」、「すごいね!」などの各種リアクションを取り入れた。
親指アップが「いいね!」、ハートマークが「お気に入り」を表す等々だ。悲しい、笑える、驚いた、怒っている、なども絵文字で簡単に投稿できる。相手とのプライベートなチャットでは文章もタイプできる。
Bボット、アドイン
今日の新バージョンではSkypeのボットとアドインの機能が大きく拡張された。今後、Microsoftの人工知能アシスタントのCortanaと会話したりMSN.comからScoopを使って最新ニュースを検索したりできるようなる。
ボットがチャットに組み込まれるとアドインと呼ばれる。つまりチャット内から直接ボットに呼びかけることができる。「Scoop、Xについての最新のニュースは?(Scoop, what’s up with X?) 」といった具合にXについて知りたいことを検索できる。【略】
Microsoftのデモでは数多くのボットとアドインが登場している。これにはCortana、Scoopの他にGfycat、Giphy、MSN Weather、(Bing検索。Polls、Expedia、Stubhub、BigOven(クッキング)、YouTubeなどサードパーティのサービスも含まれる。ただしアメリカでCortanaが利用できるようになるのは6月に入ってからになる。
グループチャット
Highlightsとアドインは目立つ機能だがそれ以外にも数多くの改良が加えられている。
たとえば新Skypeでは好きな色を選ぶなどデザインのテーマをカスタマイズできる。あらゆる投稿にエモーティコンで反応できる―実際ビデオ通話でもエモーティコンが使える。一時的にオーバーレイを表示することによって非常に大きなエモーティコンの表示が可能だ。また通話の際に自分の背景色を選ぶこともできる。
ユーザーはビデオ通話中にメッセージをタイプできる。グループでのビデオチャットで音声で話すと発言者が紛れそうな場合に特に便利な機能だろう。
ビデオチャットの機能は今後も強化が予定されている。これにより、友達とゲームをプレイしたり、ストリーミング・ビデオをいっしょに見たりできるようになる。グループでのの「共同視聴」はTumblrのCaban、YouTubeのUptimeなど他のソーシャルメディアも力を入れている分野だ。
この中ではYouTubeが最初に共同視聴できるようになるだろうと観測されていたが、Skypeは多数のストリーミング・サービスと提携を進めているようだ。ゲームの共同プレイについてはMinecraft、SolitaireなどMicrosoftの既存ゲームがまずターゲットになる。
新SkypeはAndroid版が今日公開される。iOSは一月後になる見込み(iOSでは段階的なロールアウトがサポートされていないためだろう)。
デスクトップ版(Windows、Mac、Linux)、ウェブ版は及びXboxが新バージョンになるのはこの夏の予定。
〔日本版〕日本語Skypeアプリも近く新機能に対応するはずだが、自然言語処理をベースにしたボット機能は当分の間、英語のみのサポートになる可能性が高い。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)