イーロン・マスク氏が米議会議事堂での暴動受けてFacebookの代わりにセキュリティ重視のSignalを推薦

テクノロジー業界の億万長者であるElon Musk(イーロン・マスク)氏はまもなく世界で最も裕福な人物になる見込みであり、テクノロジー企業家の中で最も影響力のある人物の1人でもある。米国時間1月7日の夜遅く、米議会議事堂でトランプ大統領支持者の暴徒による反乱未遂を受け、マスク氏はFacebook(フェイスブック)への批判を繰り返した。同氏はフェイスブックの設立が、この悲惨で恥ずべき出来事につながったことを示唆するミームを共有した

マスク氏は自身の巨大な影響力(彼はツイッターに約4250万人のフォロワーがいる)を利用し、特に新型コロナウイルス(COVID-19)とその重要性について多くのフォロワーに誤報を広めてきた(未訳記事)が、米国時間1月8日の朝にはWhatsAppからFacebookへのデータ共有をユーザー全員に義務付ける新しい利用規約とプライバシーポリシーに、驚きを隠せないことを表明した。

Tesla(テスラ)とSpaceX(スペースX)を率いるマスク氏は、Signalというデフォルトで暗号化されたメッセージングクライアントを使うことを推奨した(もし同氏のアドバイスに従うのなら、アプリの「消滅メッセージ」機能を有効にして、両者の会話の保護を追加すべきだ)。

マスク氏はCambridge Analyticaスキャンダルの発覚を受けて、2018年に独自の#deletefacebookキャンペーンとして自身の個人ページだけでなく、TeslaとSpaceXの両方のページを削除するなど、フェイスブックの利用に反対してきた長い歴史がある。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

米議会議事堂での暴動後、米国務省が外交官にソーシャルメディアへの投稿を止めるよう命令との報道

トランプ氏を支持する暴徒による米議会議事堂を襲撃後、米国務省は外交官にソーシャルメディアへの投稿を止めるよう命じたとCNNは3人外交筋の話として報じている

海外の外交官もまた、広報担当次官から、別の指示があるまでFacebook(フェイスブック)、Hootsuite、Twitter(ツイッター)の予定されたコンテンツを削除するように指示され、国務省のメインアカウントからの予定されたソーシャルメディアへの投稿も停止されている。

CNNによると、通常、外交官はテロによる攻撃や大規模な自然災害の後にソーシャルメディアの投稿を一時停止するように指示されるという。

米国時間1月6日夜遅くの時点で、米国務省のメインのツイッターアカウントは、Michael Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官が「本日の米議会議事堂の襲撃は容認できない」と述べたスレッドをリツイートしただけだった。

これまでのところ、国務省のInstagramと、ポンペオ氏そして国務省のYouTubeの公式Instagramアカウントは、国会議事堂での暴動の後、投稿はなく、国務省のFacebookページにはポンペオ氏のTwitterスレッドを繰り返した投稿がある。

TechCrunchは、米国務省にコメントを求めている。

ソーシャルメディアのプラットフォームは、4人の死者を出した異常で恐ろしい暴力の1日(CNN記事)の後に反応するため対応を急いだ。1月6日の午後早くに、選挙人の投票が集計されている最中に暴徒が議事堂に侵入し、議員は避難を余儀なくされた。合同会議は後に再開された(NYTimes記事)。

1月6日の午後、TwitterはDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の3つのツイートの削除を要求し、彼のアカウントを12時間ロックした後、今後のCivic Integrity policy(市民の誠実さのポリシー)違反で永久に停止すると発表した。FacebookとInstagramは、大統領のアカウントへの投稿を24時間禁止すると発表し、#StormTheCapitolのハッシュタグを付けた投稿されたコンテンツをブロックを開始した。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ソーシャルメディアはクーデター未遂の暴挙を国民がリアルタイムで見ることを可能にした

米国時間1月6日発生した歴史的にしておぞましいトランプ大統領支持の過激派集団によるワシントンD.C.でのクーデターの試みが実況中継された。それも、この一団を組織したのと同じ、ソーシャルメディアを通じてだ。またしてもTwitter(ツイッター)、動画配信サイト、その他のユーザー発信によるメディアが、米国の首都で今何が起きているかを知ることのできる唯一の場となった。同時にそこは、誤情報やプロパガンダが人々を惑わす最適の場所でもある。

1月6日朝、公式動画配信や投稿がこれから起きるであろう不吉な出来事を予告していた。議事堂では、延び延びになっていた選挙人による当選認定手続きが行われていた間、トランプ氏率いる集会が抗議デモに変化した。だが、過激派集団が米国議会議事堂の正面階段に集結た頃には、あちらこちらで彼らと警官隊との間に衝突が発生し、やがてそれは過激派集団がいくつもの連邦政府の建物へ乱入するという全面的な暴動に発展した。両院合同会議が開かれていた議事堂も被害に遭った。

ニュースネットワークも大手メディアも、その後に続いて起きた混乱を双方の側から伝えようと奮闘した。過激派集団が周囲の建物、次に議事堂のロビーそして下院と上院の会議場に押し入るや、ホワイトハウスのプレスルームにいた記者、議員秘書、両院の議員の全員がその場でツイートや動画配信を行い、何が起きているかを伝えた。

大勢の警備員が暴徒から逃げていく様や、暴徒と殴り合う様を何百万もの人たちが目撃した。みな現実の出来事だとは、なかなか信じられなかったはずだ。同時に米国全土から、小規模ながら同様の浸入事件が起きているとの報道がなされた。

Matt Fuller「会議場に押し入ってきた」

その一方で、ソーシャルメディアは重要な情報をリアルタイムで収集する分散型のシステムとしての力(未訳記事)も見せつけた。上院会議場の中にいる人間が、割れた窓から警備員が銃口を向ける中、バリケードで塞がれたドアを破って押し入ろうとする暴徒の写真を投稿するなど、事件の発生現場からの情報を直接受け取れることの重要性に勝るものはない。

議員、秘書、記者たちは、それぞれのオフィスから避難する途中、ライブで状況を投稿していたが、銃撃されないよう床に伏せるよう、また催涙ガスや唐辛子スプレーが使用されたときのためにガスマスクを着用するよう告げられていた。事件をナショナル・モールの記者が伝えたときは漠然としか状況を掴めなかったものが、命の危険に怯える人たちの発信を見るや否や、衝撃的な事実が目の前に実体化された。

だがソーシャルメディアは、暴徒自身が現場から実況配信をしたり、Parler (パーラー)やトランプを支持するReddit(レディット)のクローンなど過激なサイトへ写真投稿を行うことで、このような歴史的犯罪の増幅や一般化を助長する存在にもなっている。暴徒が明らかにインスタ映えを狙って行動していることは、容易に見てとれる。それらの画像や動画は、すなわち連邦犯罪の自白と同義であるにも関わらずだ。

Timothy Burke「おまわりはテロリストと自撮りしてる」

かたやトランプ氏とその陣営は、民主党が「悪意あるレトリック」を用い、選挙関連の根拠のない主張を繰り返していると批判し、暴力を黙認している。

Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏やMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が長年繰り返してきた「真摯に受け止める」という見解に、白人至上主義者やProud Boys(プラウド・ボーイズ)のような自称「民兵」組織、そしてStop the steal(ストップ・ザ・スティール)などの誤情報まとめサイトの活動を鎮める力はまるでない。AIや精鋭モデレーションチームが監視していると常に公言しているにも関わらず、それらのプラットフォームには、いまだに新型コロナウイルスや選挙のセキュリティなどの話題に関連して人を騙したり誤情報を流す輩がいる。

テック業界のリーダーたちは、これら企業への不満を表明しているが、いまに始まったことではない。プラットフォームからの追放はある面では有効とされているが、完全な解決策ではない。たとえば動画配信サイトを立ち上げるためのコストやハードルは低下してきているため、ユーチューバーをYouTube(ユーチューブ)から追放したところで、別のプラットフォームに難なく乗り換えられてお終いだ。フォロワーもそれについていく。

ソーシャルメディアの有効性と危険性は、本日、これ以上ないかたちで示された。政府と暴徒の両方の側からも厚遇される個人情報さえなければ、こんな事件が将来また繰り返されるとはなかろう。

Twitter、Facebook(フェイスブック)、YouTubeは、それぞれ異なる行動を、それぞれ異なる本気度と期間で起こしたが、最悪の事態に厳正な処置を講じる気があるか否かは透けて見える。ツールが足りないこと、または犯罪者たちが独自のTwitter、Facebook、YouTubeを作ってしまったことから、彼らにはもうすでにその能力を失っている。

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(翻訳:金井哲夫)

Facebookが米国議事堂乱入を称賛する投稿をブロック、トランプ大統領を24時間投稿禁止に

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が支持者集団による米国議会議事堂の襲撃を賛美する動画を削除したFacebook(フェイスブック)は、米国時間1月6日の衝撃的な出来事を受けて新たなルールを公開。さらに同社は、トランプ氏のアカウントによるFacebookへの投稿を24時間禁止することも合わせて発表している。

トランプ大統領のページで2件のポリシー違反を発見したため、24時間の機能停止措置をとります。これはその期間同氏が本プラットフォームに投稿する資格を失うことを意味しています。

Facebookによると、1月6日に議会議事堂に突入した一団は「危険な個人および団体」に関する同社ポリシーの適用対象となった。これはテロリストや大量虐殺者、および暴力的ヘイトグループに対してルールを強制するために使われる分類である。2020年6月、同社は反政府ブーガルー行為(未訳記事)を同じリストに加えた。支持者が武器を取るよう仕向け、内戦に備えさせあるいは駆り立てる行為だ。

「本日の国会議事堂での暴力的抗議は侮辱的です」とFacebook広報担当者がTechCrunchに話した。

FacebookとInstagram(インスタグラム)はいずれも、「#StormTheCapitol(国議会議事堂に突入せよ)」のハッシュタグで投稿されたコンテンツのブロックを開始した。Facebookによると米国議会議事堂に侵入したトランプ支持者を称賛するコンテンツをすべて削除するとともに、1月6日の出来事を「煽り立てたりけしかけたり」するコンテンツも削除していくと語っている。これには個人が撮影した写真と動画も含まれる。

「現時点で彼らの行動は犯罪行為を奨励するものであり、我々のポリシーに反しています」と公正化担当副社長のGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏とグローバルポリシー管理責任者のMonika Bickert(モニカ・ビッカート)氏がブログ記事で述べた。ローゼン氏とビッカート氏は1月6日の出来事を、プラットフォームの「緊急事態」と呼んでいる。

「私たちの多くが感じていることを、経営チームに代わってお話します。私たちは本日、議事堂で起きた暴力行為に愕然としています。一連の事件は緊急事態であると受け止めています。当社の選挙対策センターはジョージア州の選挙および議会による選挙結果認定投票に備え、当プラットフォーム上の活動をリアルタイムで監視しています」。

さらに同社は、ワシントンD.C.で新たに制定された外出禁止令に違反するあらゆる抗議行動を組織化する者を、たとえ平和的集会であっても厳重に取り締まる。「暴力を再現しようとする」コンテンツもすべて削除される。

Facebookは「ワシントンだけでなく米国内のいかなる場所であれ」人々に武器を持って集まるよう呼びかける投稿はプラットフォームから排除すると語った。

Facebookは同社が米国選挙に適用する「緊急措置」にも多少手を加え、グループ投稿に管理者レビューを必須とし、「大量」のヘイトスピーチを誘発、あるいは暴力を奨励するグループ投稿へのコメントを自動的に無効にするようにした。

Facebookのブログの記事は、以前の民兵組織Proud Boys(プラウド・ボーイズ)、「暴力を誘発する」QAnon(キューアノン)陰謀の取締りにも言及している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Color of Changeら活動家団体や企業家グループがトランプ大統領の排除をTwitterとFacebookに要請

トランプ支持者の暴徒が米国議会議事堂を襲撃し、議会の封鎖と議員の避難を引き起こした抗議と暴動の混沌とした1日を受け、非営利の公民権擁護団体であるColor of Change(カラー・オブ・チェンジ)は、他の団体とともに、Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などのソーシャルメディア企業に対して、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領をプラットフォームから排除するよう呼びかけた。

カラー・オブ・チェンジなどの活動家団体は、大手テック企業や金融サービス企業がワシントンD.C.での暴動に加担しているとし、ソーシャルメディアに行動を起こすよう呼びかけている。ツイッターはトランプ大統領のツイッターアカウントをロックし、3つの違反ツイートを強制的に削除したが、このソーシャルメディアが同氏をプラットフォームから完全に削除したわけではない。ツイッターアカウントのロックは少なくとも12時間は続く

カラー・オブ・チェンジのRashad Robinson(ラシャド・ロビンソン)会長は米国時間1月6日、「もうたくさんだ。フェイスブックとツイッターがトランプ氏をプラットフォームから追い出す時がきた。我々はこの件について@Facebookと@Twitterのリーダーと連絡を取っているが、あなたの助けが必要だ」と、ツイートした。

同団体はまた、人々がツイッターのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOに直接訴えるために使用できる嘆願書を立ち上げた。この嘆願書には、次のように書かれている。

親愛なるジャック・ドーシーCEOへ

ドナルド・トランプはこれまで何の咎めもなく、あなた方の利用規約に違反してきました。そして彼の高揚と共起表現は、暴徒達が上院議場を襲撃するという本日の混乱を引き起こす結果となり、議員や報道関係者、職員が生命の危機にさらされました。トランプ氏のツイートは、白人至上主義者を応援する暴言から、今や警察の殺害に抗議する米国人に対して州兵が致命的な力を行使することの提唱まで、何百万人もの米国人の命を危険にさらしてきました。この危険なユーザーがあなたのプラットフォームを悪用することを許すいい訳はできません。今こそ #KickTrumpOffTwitter(ツイッターからトランプを追い出せ)の時です。

他にも数多くの活動家団体やビジネスグループ、テックのリーダーたちがソーシャルメディアを使って米国時間1月6日の出来事を非難している。倫理団体であるAccountable Tech(アカウンタブルテック)は同日、今回の暴動事件は心を痛めるものだったが、まったく予想できなかったわけでもないとツイートした。「悲しいことに、ツイッターとフェイスブックの準備と対応は極めて不十分だった。単に暴力扇動のレッテルを貼るだけでは十分ではない」。

他にも米国旅行産業協会、Jewish Council for Public Affairs(ユダヤ人公共問題評議会)、Business Roundtable(ビジネスラウンドテーブル)などの団体が、今回の出来事について独自に非難の声を上げたが、ソーシャルメディアの関与を直接批判することはなかった。

米国の主要企業の最高経営責任者がメンバーとなっているビジネスラウンドテーブルは、トランプ氏に働きかけ、混乱に終止符を打ち、平和的な政権交代を求めた。他にも全米製造業協会のような団体は、より強い言葉を使い、トランプ氏を支持するデモ隊の行為は「治安妨害」と「暴民支配」に当たると指摘し、Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領に修正第25条の発動(すなわち大統領の即時免職および権限と義務の引き継ぎ)を「真剣に検討する」ように促している。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Twitterがトランプ大統領のアカウントを12時間停止

長年のポリシーに反してTwitterは、米国大統領のTwitterアカウントをロックし、3つの物騒なツイートの削除を強制した。

「ワシントンD.C.における前例のない、現在進行中の暴力的状況の結果として、3つの@realDonaldTrumpツイートの削除を余儀なくされた。今朝投稿されたそれらのツイートは、弊社の市民的品位のポリシーに対する深刻な違反を繰り返している」とTwitterのサイトには書かれている。

この措置の一環としてトランプ氏は、少なくとも12時間アカウントを停止される。削除を強制されたツイートが残っているかぎり、アカウント停止は継続する。また現在の措置以降、このポリシーに違反した場合「@realDonaldTrump アカウントは永久停止になる」。

Twitterは以前より、トランプ氏のような社会的に突出した人物のツイートは、同社のToSに違反していても公共的な関心があると主張してきた。Twitterのガイドラインは次のようになっている。

弊社サービスの重要な機能は、人びとがオープンかつ公共的に自分たちのリーダーに応答できる場を提供して、彼らリーダーたちの説明責任を明確に維持することにある。そしてそのためには、弊社の規則に違反しているツイートでも、それらにアクセスすることが公共的関心であるような場合がありえる。

削除されるツイートには、Twitterが当初「暴力の危険性がある」とマークしたものもある。それらはすべて、議事堂の乱入事件を契機に到着したツイートだ。

この3つのツイートに添付されている録画された動画でトランプ氏は、暴徒たちに「家に帰ろう」と嘆願し、続けて「あなたたちを愛している。あなたたちはとても特別な存在だ」と述べている。これに関してTwitterは「ワシントンD.C.で現在進行中の状況を考慮して、TwitterのTrust & Safetyチームは、サービス上で行われている公共の会話を保護するために、Twitterの規則に違反しているいかなるコンテンツに対しても何らかの措置を行うつもりである。明確にしておきたいのは、Twitter上には暴力の脅威と呼びかけのための場所はないことだ。この方針に沿って私たちは、私たちのポリシーを執行していく」と述べている。

今回の事件が時間とともに激しくなるにつれて、大統領のTwitterアカウント削除を求める声が高まった。トランプ氏は少なくとも大統領である間はツイートを続けることができる、と一般的に思われていたが、本日、国会議事堂で起きた事件と、それに対する彼のツイートによる対応は、Twitterが罰の適用を急ぐのに十分なひどさだったようだ。

Twitterが米国時間1月6日にとった措置は、一般市民に戻った後のトランプ氏のアカウントにも暗雲を投げかけている。米国大統領の公式アカウント@POTUSは、米国時間1月20日の政権移譲まで現在のホワイトハウスのものだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テック界のリーダーたちが米議事堂暴動でSNSの役割に対して声を上げる

トランプ大統領支持の過激派たちが米国議会議事堂を激しく襲撃した後、多くのテック企業幹部や業界リーダーがTwitter(ツイッター)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏とFacebook(フェイスブック)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏に、大統領のメッセージの拡散と暴力支持をより積極的に抑制するよう求めている。

トランプ大統領が過激派たちのことを「とても特別」と呼んで家に帰るよう促すビデオを公開したあと、FacebookTwitterはコンテンツを削除した。Twitterは同社ルールの「将来の違反」はアカウントの永久停止につながると警告し、トランプ大統領のTwitterアカウントを少なくとも12時間凍結する措置を取った。

長い精査を経て、TwitterとFacebookはようやく今回の暴動によってトランプ大統領の扇動的なツイートやメッセージに対応することになった。この件はまだ続いており、テック界の一部の有名な人物は暴動の原因は選挙に関する誤情報を無視して拡散させたプラットフォームにあるとしている。誤情報の拡散はトランプ政権が終わろうとしている現在、暴力的なレトリックの動きを制御不能にした。

Twitterの初期投資家の1人であるChris Sacca(クリス・サッカ)氏は「(ジャック)そしてザック、あなたたちに責任があります。4年間、あなたたちはこの恐怖の種を正当化してきました。暴力的な反逆を扇動することは言論の自由ではありません。もしあなたがそうした企業で働いているのなら、これはあなたの責任でもあります。アカウントを閉鎖しなさい」。

Reddit(レディット)の共同創業者、Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏はサッカ氏の発言にこう付け加えた。「子どもたちのために答えなければならない、難しい疑問がたくさんあります」。オハ二アン氏は2020年のBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)抗議活動をきっかけに役員を退いた。

Facebookの元セキュリティ最高責任者のAlex Stamos(アレックス・スタモス)氏は「ラベリングは意味をなさず」、TwitterとFacebookは「トランプを排除しなければならない」として両社とも行動を起こす必要があると書いている。

テックプラットフォームは、誤情報の発信と陰謀論で結びついているグループの問題を野放しにしているとして、これまでに幾度となく集中砲火を浴びてきた。Twitterの直近の対応は誤情報の可能性があるツイートにフラッグを立てるという措置の導入だった。

テック投資家でRedditの元CEOであるEllen Pao(エレン・パオ)氏は、今日のカオスはドーシー氏が行動を起こさなかったことに直接つながっていると主張している。パオ氏と、テック企業の元創業者でCEOのLaura Gómez(ローラ・ゴメス)氏は2020年11月、トランプ大統領が「クーデター」を扇動するのにTwitterを使用していると明確に非難し、ドーシー氏にトランプ大統領のツイッター上での影響力を制限するよう求めていた。

「我々は正しいことをするよう彼らに伝えました。彼らはしませんでした。そして今こういう事態になっています」とパオ氏は本日Twitterに書いている。

このほどGoogle(グーグル)のAIチームから解雇されたトップの研究者であるTimnit Gebru(ティムニット・ゲブル)氏はFacebookとTwitterを厳しく非難したが、より厳しい非難の矛先をYouTubeに向けた。同氏はYouTubeがヘイトスピーチを促進していることに関して「注目を浴びないよう完全に逃れてきた」としている。

暴動者たちのことを「特別な人々」と呼び、家に帰るよう促しているトランプ大統領の最新の動画はTwitter、Facebook、YouTubeから削除された。

Facebookのインテグリティ担当バイスプレジデントのGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏は、暴動は「緊急事態であり、トランプ大統領の動画削除を含め、適切な緊急措置を取っています。動画は現在も続いている暴力のリスク抑制に貢献しないと判断して削除しました」とツイートした。Facebookは公式な声明文も出している

大統領就任式まで2週間となり、プラットフォームは引き続き平和的な政権交代を守るという点で重要な役割を果たす。本日の事件は転換点のようだ。テロリズムにより、シリコンバレーのテック業界の人たちは業界で最もパワーがあるリーダーたちを非難し、さらなる暴力沙汰が起こる前に行動するよう促すことになった。

「@jack、@vijaya、@kayvz、単刀直入にいわせてもらいます。少なくとも明日はドナルド・トランプのアカウントを停止させなければ、この議事堂暴動はあなたたちの責任にもなります。残念ながらトランプはここ数日、主にあなたたちのツールを使って暴動を扇動してきました。あなたたちはいま行動する必要があります」とテックジャーナリストのKara Swisher(カラ・スウィッシャー)氏はTwitterへの投稿に書いた。

カテゴリー:その他
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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

トランプ氏支持者の集団が大統領選挙の不正を訴え米国議会議事堂を襲撃

米国時間1月6日、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏支持者の大群衆が米国議会議事堂に押し寄せ、ワシントンD.C.で混沌とした光景が展開された。

トランプ氏支持者たちは、ホワイトハウスの外でトランプ大統領が開催した集会に出席するために首都に殺到した。この集会は、Joe Biden(ジョー・バイデン)次期大統領の選挙における勝利を認定する審議に集まった議員たちに抗議するためにタイミングを合わせたものだ。

トランプ氏は自身のイベントで、Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領が選挙結果を覆す力を持っていると誤った主張をし、議会に対するデモを続けるよう支持者に促した。記事執筆時点の同日夜になっても事態はまだ収束していないが、デモ隊が議会議事堂の建物に侵入し、少なくとも1人の銃撃による犠牲者(Twitter投稿)を含め、複数名の負傷者が確認されている。

Video from the chamber. pic.twitter.com/UKF7MScHKN

— Matt Fuller (@MEPFuller) January 6, 2021

会議場からの映像

There’s pounding on the chamber door. Guns are drawn by police officers. Those of us left are laying low on the floor of the gallery.

— Emily Cochrane (@ESCochrane) January 6, 2021

議場のドアを叩く音がする。警官が銃を振り回している。残った者は傍聴席の床に伏せている。

PHOTOS: Protestors breached the Senate chambers following a “March for Trump” demonstration in response to Congress certifying Electoral College votes for Joe Biden today. Capitol Police are leading evacuation efforts following a shelter in place order for lawmakers and reporters pic.twitter.com/oLTf85Ga3Y

— Axios (@axios) January 6, 2021

写真:今日のジョー・バイデンのための選挙人投票を認定する会議に対し、「トランプのためのデモ行進」後、上院会議場に乱入した抗議者たち。合衆国議会警察は、議員や報道陣に避難命令を出した後、退出を先導している。

【Japan編集部】US記事に掲載されていたツイートを確認できない状況になっているため、US記事に残されたツイート本文を翻訳、掲載する。

トランプ支持者が「Make America Great Again(アメリカを再び偉大な国に)」と書かれた帽子や「Stop the Steal(盗むのはやめろ)」と書かれた横断幕を持って議会議事堂の階段に殺到すると、大統領はさらに陰謀論的な話で彼の支持者を励ました。「マイク・ペンスは我々の国と憲法を守るために行われるべきことをする勇気がなかった。以前に証明を求められた不正や間違いではなく、事実を証明する機会を国に与えるべきだったのだ」「USAは真実を要求する!」と、トランプ氏はツイートに書いている(Twitter投稿、現在は閲覧不可)。

Twitter(ツイッター)は、この選挙不正を主張するトランプ氏のツイートに「異論あり」という警告ラベルを付けた。現在は「このツイートはTwitterルールに違反したため表示できません」となっている。

支持者の集団が議会議事堂に乱入した後、大統領は支持者に平和的でいるように呼びかけ、扇動するような態度は収めたように見えた。

Stop the Steal運動(未訳記事)は、民主党が何らかのかたちで大統領選挙を不正操作したというトランプ氏の根拠のない主張を後押しするネット上の陰謀から生まれた。実際には、米国の選挙結果は、新型コロナウイルス(COVID-19)による郵送投票の大幅な増加により、予想されたとおり、開票に時間がかかったものの、バイデン氏に断固として有利な結果となった。

Facebook(フェイスブック)は、選挙後すぐにStop the Stealグループを抑制する(未訳記事)働きを行い、選挙の誤報に関連するルールに違反しているとしてハッシュタグをブロックした。「このグループは選挙過程の非合法化に向けて組織されたものであり、グループの一部のメンバーによる暴力を求める声が懸念されていました」と、Facebookの広報を担当するAndy Stone(アンディ・ストーン)氏は当時述べていた。

Stop the Stealの支持者はFacebook以外にも、Reddit(レディット)やTwitterのほか、Gab(ギャブ)やParler(パーラー)など(未訳記事)、多くのソーシャルネットワークに足がかりを見つけていた。GabやParlerは極端な投稿にも友好的なポリシーを掲げることから、極右ユーザーを惹き付けている。議事堂の群衆は、ここ数年の間にFacebookYouTube(ユーチューブ)などのオンラインプラットフォームで爆発的に広まった陰謀論の集合体であるQAnon(キューアノン)ともかなり重複している(Twitter投稿)。

6日の演説でジョー・バイデン次期大統領は、議会議事堂で展開されている出来事は「治安妨害に近い」と述べ、「大統領の言葉は、最善の場合は民衆を鼓舞するが、最悪の場合は扇動することもある」と語った。

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画像クレジット:Bill Clark / Contributor / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FacebookとYouTubeが過激派を特別扱いするトランプ大統領の動画を削除

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が、議会を襲った暴徒たちに「we love you」と呼びかけた動画を、Facebook(フェイスブック)とYouTubeが削除した。数分前にTwitter(ツイッター)は同じ動画を、視聴できるが共有できないようにしている。

すでにワシントンD.C.の騒乱に関する大量の動画やその他のコンテンツがソーシャルメディア上に存在するが、トランプ氏自身のコメントは少なかった。暴徒たちが米連邦議会議事堂の建物に侵入し、連邦議会が空になってからも、彼の投稿は「平和的に」と示唆していた。

東部時間1月6日午後5時頃、トランプ大統領は動画を投稿し、その中で選挙が「盗まれた」と繰り返したが、「もう家に帰るべきだ。あなたがたを愛している。あなたがたは特別な存在だ」と述べている。

Twitter上でこれはすぐに制限がかけられ、「このツイートには暴力の危険性があるため、リプライもリツイートも『いいね』もできない」という大きな警告が表示された

Facebookのインテグリティ担当副社長であるGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏は「これは緊急事態でありFacebookも現在、トランプ大統領の動画を削除するなど、緊急時対応を取っている。動画を削除したのは、それが現在、行われている暴力のリスクを減らすというよい、むしろ助長すると思われるからだ」とツイートしている。

Facebookには、トランプ大統領の投稿を削除した前例がある。2020年8月に同社は、新型コロナウイルスに対して「ほとんどの子どもに免疫がある」とトランプ氏が述べた動画を削除したが、これは科学的に裏付けのない危険で偽りのある主張だ。

TwitterとFacebookが特別のポリシーまで設けて2020年11月の選挙に影響する脅威に対応しようとしていたのに対して、YouTubeは静かだった。しかし選挙の1カ月後の2020年12月初めにYouTubeは、選挙が「広範な詐欺行為と誤謬」によって曲げられたという虚偽の主張をしているコンテンツの削除を開始した(未訳記事)。大統領の動画を削除するYouTubeの米国時間1月6日の決定は、そのときのポリシーに沿っている。

YouTubeの広報担当者は「ドナルド・トランプ大統領のチャンネルに、本日午後投稿された弊社ポリシーに違反している動画を削除した。我々のポリシーは、広範な詐欺と誤謬が2020年の選挙の結果を変えたと主張するコンテンツに対するものだ」と述べている。さらに広報担当者は、その動画に教育的な価値のある正しいコンテキストがあれば、認められたであろう、と述べている。

この記事の現状は未定稿だ。

関連記事:Twitterがトランプ大統領が支持者の群衆に「we love you」と書いた動画投稿にポップアップ警告を追加

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookYouTubeドナルド・トランプアメリカ

画像クレジット:Bloomberg/Contributor/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterがトランプ大統領が支持者の群衆に「we love you」と書いた動画投稿にポップアップ警告を追加

Twitter(ツイッター)は米国時間1月6日、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のアカウントに対して新たな措置を取り、米連邦議会議事堂で起きている混乱に対処する彼の最新ツイートに大きくポップアップする警告メッセージを追加した。Twitterはこのツイートについて、「暴力の危険性」とし、エンゲージメントを制限している。

怒りに満ちた支持者の群衆に対するトランプ大統領の新たなメッセージは、群衆に「平和的」であることを促すものに続いて、ビデオ形式で送られた。動画の中でトランプ氏は支持者の陰謀論に根ざした不満を認め、優しく退場を促している。

「私はあなたたちの痛みを知っています。怪我しているのはわかっています。私たちには、私たちから盗まれた選挙がありました。それは地滑り的な選挙で、誰もがそれを知っています。特に反対側は。でも、もう家に帰らないと。家に帰りなさい、愛している。あなたはとても特別です」とトランプ大統領は述べている。


興奮したトランプ支持者の群衆が米国時間1月6日に、ワシントンD.C.の米連邦議会議事堂に侵入し、議会の会議室に押し入り、Nancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)下院議長のオフィスにまで入った。この動きはトランプ氏が定期的に奨励してきた「Stop the Steal」運動に関連したもので、Joe Biden(ジョー・バイデン)次期大統領の選挙での勝利を証明するために開かれていた会議の最中に起こった。

※リンク

Twitterはこれまで、大統領のルール違反したツイートを隠したり、小さな警告ラベルを貼ったり、エンゲージメントを制限してきたが、今回の大きなポップアップは同社がまだ使っていないツールだ。同社は本日、米連邦議会議事堂での状況を踏まえ「その他のエスカレーションされた強制アクション」だと述べている(Twitter投稿)。このポップアップがすべてのユーザーに表示されるのかどうかは不明だが、我々はTwitterに、これがエスカレーションされた措置の1つなのかどうか確認した。

「ワシントンD.C.における現在の状況に関して、TwitterのTrust&Safetyチームは、同サービスで発生している一般の会話を保護するための取り組みを行っており、Twitterのルールに違反するコンテンツに対しては対処を行う予定だ。はっきりさせておきたいのは、Twitter上には暴力の脅威や暴力への呼びかけは存在しないということであり、それに応じてポリシーを実施するということだ」と同社広報担当者は述べている。

【更新】ビデオを制限した直後、Twitterは「申請な地滑り的選挙」が「偉大な愛国者から奪われた」と不満を述べたトランプ氏のツイートに制限をかけた。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FBIとNSAが米連邦機関で進行中のハッキングは「ロシア起源の可能性が高い」と述べる

米国政府によると、ハッカーは「起源はおそらくロシア人である」とし、少なくとも10の米国連邦政府機関と、FireEyeやMicrosoft(マイクロソフト)などのいくつかの大手テック企業数社のネットワークに侵入したという。

米国時間1月5日の共同声明の中で、FBI(連邦捜査局)、NSA(米国家安全保障局)、国土安全保障省のサイバーセキュリティ顧問部門であるCISAは、政府は「侵害の範囲を把握するための作業を続けている」が、今回の侵害は「情報収集のためである可能性が高い」と述べている。

声明によると、「進行中」だという。

声明では侵害された機関名は挙げられていないが、財務省、国務省、エネルギー省が影響を受けたと報告されている(FedScoop記事)。

「これは深刻なものであり、修正のための継続的かつ献身的な努力が必要である。『共同機関の取り組み』は、我々のパートナーや米国国民との情報の調査、修正および共有のために必要なあらゆる行動を取り続ける」と声明では述べられている。

大規模なスパイ活動のニュースは、通常はサイバー攻撃の被害者が最初に電話をかけるサイバーセキュリティ大手のFireEyeが、同社のネットワークが侵害されていることを発見した後の2020年12月初旬に飛び込んできた。その後すぐに、いくつかの政府機関にも侵入があったことが報告されている。

被害に遭ったのはすべて米国のソフトウェア企業であるSolarWindsの顧客で、同社のOrionネットワーク管理ツールは、米国政府やフォーチュン500企業で使用されている。FireEyeによると、ハッカーらはSolarWindsのネットワークに侵入し、汚染されたソフトウェアのアップデートを顧客にプッシュしたことで、彼らはそのアップデートをインストールした数千社の企業や機関に簡単に侵入できるようになっていたという。

約1万8000人の顧客がバックドアが設けられたソフトウェアアップデートをダウンロードしたが、政府の共同声明によると「システム上でのハッカーによる追跡活動で危険にさらされた数ははるかに少ない」と考えているハッカーのシステムの処理によって被害を受けた人数ははるかに少ないとのことだ。

複数の報道機関がこれまでに報じたところによると、ハッキングはロシアの諜報グループ「APT 29」、または「Cozy Bear」によって行われたという。その中には、新型コロナウイルスのワクチン研究を盗もうとしたことも含まれている

今回の共同声明は、政府が選挙運動の背後にいる可能性が高い人物を初めて認めたものになる。

ロシアはこれまで、ハッキングへの関与を否定していた。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

英裁判所がウィキリークス創設者アサンジ被告の米国引き渡しを却下

英国の地方裁判所はWikiLeaks(ウィキリークス)の創設者、Julian Assange(ジュリアン・アサンジ)被告の米国への引き渡しを却下した。

ウェストミンスター治安裁判所で現地時間1月4日朝に行われたヒアリングでVanessa Baraitser(ヴァネッサ・バライスター)判事は、アサンジ被告が自殺を図る恐れがあり、またアサンジ被告の不安定な精神状態に影響をおよぼすことが考えられるという観点から米国の刑務所システムへの引き渡しは過酷だとして、米国への引き渡しを却下した。

ハッキング陰謀、そして議論を巻き起こしているスパイ活動法に反する数多くの罪を行ったとしてアサンジ被告を自国での裁判にかけることを模索してきた米国は控訴すると述べた。

アサンジ被告の裁判は、報道の自由・表現の自由 vs 国家権力の重要なテストとしてみなされてきた。

判決でバライスター判事はアサンジ被告の引き渡しに対する数多くの弁護論を退けたが、アサンジ被告が自殺を図る恐れがあり、自殺を阻止するために導入されうる回避策に対する知性を被告が持ち合わせているという臨床証言に同意した。

「アサンジ氏が自殺を図るかもしれないというリスクは、裏付けがあるものだと確信しています」とバライスター判事は132ページにわたる判決に書いており、そこでは2020年のヒアリングにあった引き渡しについての多くの精神科医の証言についても触れている。

「かなり高いしきい値を要する引き渡しを阻むものとして、抑圧があることを認めます。また、条約上の義務に影響をおよぼすことにかなりの公益があることも認めます。留意すべき重要な要因です。しかしながら、アサンジ氏の自閉スペクトラム症には「1つのことを思い込む」傾向があり、こうした厳しい条件のもとでアサンジ氏の精神状態の悪化が自殺を招くかもしれないことを認めます」。

また「アサンジ氏の精神状態にとって、米国への引き渡しは過酷なものになり得ます」とも書いている。

判決はアサンジ氏の即日釈放を命じているが、この記事執筆時点で同氏は拘留されていて、保釈聴聞会次第となる。

米国は14日以内に控訴できる。

身柄引き渡しを免れようと2012年から2019年にかけてロンドンにあるエクアドル大使館に籠城したアサンジ被告は、同大使館が外交上の保護を中止した2020年に逮捕された。

アサンジ被告は保釈の条件に違反したとして英国の裁判所で有罪となり、禁錮50週がいい渡されていた

米国は、それとは別の罪状でアサンジ被告の引き渡しを要求するとすぐさま述べた。これらの罪状は、元米軍インテリジェンスアナリストで内部告発者のChelsea Manning(チェルシー・マニング)氏がWikiLeaksにリークした機密情報をアサンジ被告がいかに入手して公開したかにともなうものだ。

【更新】米司法省の広報担当はTechCrunchに次のような声明を出し、控訴する方針を明らかにした。「英裁判所の判決に我々は極めて落胆している一方で、米国が提起した法律上の論点で勝利したことには満足しています。特に政治的な動機、政治的犯罪、公正な裁判、言論の自由についてのアサンジ氏のすべての主張を裁判所は退けました。我々は引き続きアサンジ氏の米国への引き渡しを模索します」。

関連記事:英裁判所がウィキリークス創設者に50週の禁固刑

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(翻訳:Mizoguchi

2020年は大麻にとって決定的な年だった、今後の展開は

新型コロナウイルス(COVID-19)がこの1年を支配した、との表現は控えめだ。パンデミックは私たちのビジネス、他の人間、周りの世界との関わり方の方向性を変えた。eコマースからデジタル決済まで、ビジネスの多くのトレンドが数カ月で数年分進んだ。

大麻業界も例外ではない。大麻はすでに米国内で最も急速に成長している産業だが、2020年は次の段階へ進む年となった。現在、大麻の合法化を支持する米国人は記録的な割合に達している。

誰に聞いても、大麻は大統領選挙の日の最大の勝者の1つだった。アリゾナ州、モンタナ州、ミズーリ州、ニュージャージー州、サウスダコタ州で合法化されたのだ。現在、米国の3分の1以上(1億1100万人以上)が娯楽用の大麻が合法化された州に住む。合法的なこの業界の規模は2021年までに245億ドル(約2兆5000億円)になると見込まれている。

今や大麻が米国のメインストリームの定番となったことはかつてないほど明白だ。この上昇軌道は2021年に向け、業界だけでなく経済全体にも新たな扉を開く。イノベーション、投資、雇用の機会がこの分野に流れ込む。

「グリーン」エコノミー

3月以来、5700万人以上の米国人が失業保険を申請した。大麻に関連する経済的機会や雇用の機会は特効薬ではないが、無視すべきではないことは確かだ。

合法大麻の売上高は2019年に200億ドル(約2兆800億円)近くに達し、今後4年以内に年間400億ドル(約4兆1600億円)を超えると予想されている。業界の成長に合わせ、企業は採用を進めている。合法的な大麻の市場はフルタイム換算で24万3700人の米国人の仕事を支えている。その数は2018~2028年に250%の増加となる見込みだ。大麻業界は米国で最大の新規雇用を生み出す源となる。

大麻はまた、州の経済を強くする。特に州と地方の予算が減少する中で、税収を増やす機会を生み出すことができる。たとえばアリゾナ州は新しい合法化措置の下、大麻の販売に16%の税金を課す。この税金はコミュニティーカレッジ、警察、消防署、公衆衛生プログラムに向けられる。

大麻eコマースの進化

2020年に強まった傾向が1つあるとすれば、それは大麻の需要が非常に高く、不可欠な消費財だということだ。

この春の外出禁止令の広がりの中で食料品店、ガソリンスタンド、薬局と並んで、多くの州で大麻を扱う小売店が「エッセンシャル(生活に不可欠)」に分類された。デパートで買い物をしたり映画館に行ったりすることはできなかったが、大麻を扱う近くの小売店で買うことはできた。政府のこの承認は、大麻業界がメインストリームに引き上げられたという市場への強いシグナルとなった。

消費者からの強い反応が記録的な大麻の売り上げにつながった。前例のない需要により、大麻の小売業者はビジネスのやり方や顧客の商品購入方法に革命を起こすことを余儀なくされた。ウイルスを広める可能性のある人と人との直接の接触を最小限に抑えるため、大麻を扱う小売店ではビジネスを最新化するため、また従業員と消費者の安全のため、eコマースとデジタル決済ソリューションにすばやく目を向けた。

こうした業界全体での変化の結果、オンライン売上高は年末までに7億9450万ドル(約830億円)に達する。これは当初の見積もりをはるかに上回る。専門家はパンデミックがeコマースへのシフトを5年早めたと推測する。この傾向はDutchieでも見られた。3月以降、オンライン注文は700%増加し、平均注文数量は32%増加した。

2021年に向けて

こうした政治やビジネス上の変革は驚異的なスピードで早送りされたマイルストーンだった。では次に来るのは何か。

合法的な業界の最前線でテクノロジーの革新が進んでいる。大麻を扱う小売店は、コンプライアンスが不可欠であり高度に規制された業界における業務をテクノロジーにより合理化できる。次に、小売店がより積極的に情報に基づく意思決定を行うにはデータをもっと理解する必要があるため、データがますます重要になる。これは、あらゆる規模の小売店で重要になるが、特にオンライン体験をより高いレベルに引き上げたい大規模小売店で重要になる。

このニーズを満たす新しい法人向けソリューションがついに市場に登場しつつある。小売店はこうしたソリューションでデータをフル活用し、オンラインでの独自性をデザインすれば、もっと多くのプレーヤーが業界に参入したとしても競争力を維持できる。

合法化が広がるにつれ業界もさらに合法的になり、大麻の販売と使用は後ろめたいものではなくなる。大麻を扱う企業はメインストリームの様々な業界の最も著名な企業から多くの優秀な人材を引きつけるようになるはずだ。以前はこの分野への参入をためらっていたソフトウェアプラットフォーム、企業、投資家が大麻関連企業と協力し、投資を始めると思われる。また、大麻の連邦レベルでの合法化は流動性を高め、より多くの投資取引へ扉を開く可能性を秘めている。

さらに、すでに見え始めた動きとして、小売業者が大規模な買収や合併を続け、業界全体で統合の傾向が高まっている。複数の州で営業する多くの企業が小さなプレイヤーを飲み込む。小さなプレイヤーは力を合わせてまとまり、業界のプレイヤーは集約されていく。

大麻の未来

大麻産業はまだ揺籃期にあるが、その可能性は非常にはっきりしている。

より多くの州で合法化され、業界が成長・成熟するにつれ、方位磁針の向きは私たちが望む方向と近くなるだろう。合法的な大麻の産業は他のメインストリームの産業と同じようにテクノロジーと資金にアクセスできる業界になる。イノベーターはもっと自由に集まり、業界を前進させる最新のテクノロジーソリューションを開発できるようになる。そして、消費者と患者は望むものをもっと容易に手に入れられるようになる。

【Japan編集部注】筆者Ross Lipson(ロス・リプソン)氏はオンライン大麻市場であるDutchie(ダッチー)の共同創業者でCEO。同氏はオンラインでの料理の注文を含むさまざまな業界向けの高度で公平なデリバリーサービスで10年以上の経験を持ち、2つの事業のイグジットに成功した。

カテゴリー:ヘルステック
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(翻訳:Mizoguchi

バイデン政権は新たな暗号資産規の法制化でこの世界を変えることができる

米国政府は、フィンテックとブロックチェーンの法制化を怠ってきた。

この4年間、法律の枠組みが皆無であったため、私たちの暗号通貨関連製品の開発と展開という事業は、生死の境をさまよう状態が続いている。フィンテックとブロックチェーンの業界には、個人から大手銀行から政府に至るまで、あらゆる人々が本当に困っている問題を解決する製品の構想や、それを実現する能力を持つイノベーターが控えている。しかし、明確な道が示されない限り、こうした製品は成長できず、その能力を最大限に発揮できるまでに拡大することも叶わない。

法制化は、推理ゲームであってはならない。米証券取引委員会がビットコン(BTC)もイーサリアム(ETH)も安全ではないと宣言した2019年以降、この業界は停滞したままだ。不明朗のままでは、ブロックチェーンによるイノベーションはこの2つの通貨に限定されてしまう。この業界は、そんなに狭いものではない。法律がないままでは、暗号通貨とブロックチェーンが提供できる膨大な可能性は飼い殺し状態が続く。

新政権は、政治スペクトラム全体の議員に、明確な政策と法案を策定する新たなチャンスを提供している。それにより、銀行、フィンテック業界、企業が暗号通貨を保有できるようになり、それを使った効率化と顧客体験の改善が可能になる。

私たちは身近な歴史に学ぶことができる。1991年、Al Gore(アル・ゴア)上院議員が主導する超党派の取り組みにより高性能コンピューターおよび通信法(HPCCA)が可決され、George H.W. Bush(ジョージ・H・W・ブッシュ)大統領の署名により法律として成立した。

この法律が、Amazon(アマゾン)、eBay(イーベイ)、Yahoo(ヤフー)、Google(グーグル)といった企業の躍進に道を拓き、米国を初期のインターネットリーダーに押し上げた。1993年にはウェブブラウザが登場し、その直後の1994年にはドットコム時代が到来。そこで米国はイノベーションの象徴的存在としての地位を固めた。

ブラウザはあらゆるものを変えた。新たな雇用、新しい経済的好機、新しい技術分野を生み出した。これらは、30年前には想像もつかなかったものだ。1991年の「Fortune 500」のトップ100の企業を見ると、テック企業はほとんどレーダーに映らず、IBMだけが唯一のテック企業として入っていた。2020年までの間にその景色は劇的に変化し、トップ100リストは、Microsoft(マイクロソフト)、Apple(アップル)、Alphabet(アルファベット)、Facebook(フェイスブック)、Salesforce(セールスフォース)などのテック企業が独占するようになった。

トップ100に数えられたテック企業は、300万件に迫る雇用の創出に貢献し、その多くが市場の価値を高めている。2020年は前代未聞の年であったにも関わらず、DoorDash(ドアダッシュ)、Snowflake(スノーフレーク)、Asana(アサナ)、Palantir(パランティア)のように、テック企業の順調なIPOも続いている。

Google、iPhone、Uber、Salesforce、Spotify、Postmatesなどの製品やサービスはごく当たり前のものとなったが、多くはHPCCAのお陰で実現している。そして今、私たちは、暗号通貨によるイノベーションを目指す超党派の取り組みが生まれるチャンスを目の当たりにしている。公共と民間の支援を得て、明確な法律の枠組みを作ろうというものだ。法律があれば、イノベーターは新製品が作りやすくなり、他国に対する米国の競争力が維持され、さらなる投資を呼び込むことが可能になる。

仮想通貨とブロックチェーンの導入事例が増えていることには議論の余地がない。Paypal(ペイパル)、Square(スクエア)、Robinhood(ロビンフッド)などの大手企業は仮想通貨に力を入れ、それをメインストリームに押し上げようとしている。これらのブランドによって有効性が実証されたなら、暗号通貨の利便性と暗号通貨による企業と顧客に向た優れたけサービスへの興味は、さらに増してゆくだろう。

Ripple(リップル)、Coinbase(コインベース)、Gemini(ジェミニ)、DCG、Chainalysis(チェイナリシス)といった主要暗号通貨企業は、現在米国に本拠地を置いている。ところが、法規が曖昧であるために、これらの新進企業家たちは米国でのイノベーションを起こせずにいる。一方、他の国々は法制化の枠組みを明確化する動きを見せている。起業家や企業が、そうした明確な法律のある地域を選び、米国での新たな店舗開設を思い留まってしまうことにもなりかねない。

プレイしているゲームのルールがわかれば、私たちは最良のプレイ、つまりイノベーションを継続できる。今はまだ始まったばかりだ。開発者はオープンソースのテクノロジーを元に製品を開発できる。起業家は新しい企業を立ち上げて製品を作ることができる。そして投資家はそうした企業に投資できる。

私たちには、この米国で創設され成長する、最高の暗号通貨企業とブロックチェーン企業を欲している。そこから米国国民のための価値と好機が生み出される。インターネットの黎明期と同じだ。5年後10年後にこの産業がどんな姿になるかはわからないが、柔軟な枠組みがあれば、可能性は計り知れない。

バイデン政権には、新しい政策と新しい法律の策定を刺激し、今後幾世代にもわたってフィンテックと暗号通貨のイノベーションを加速させる明確な指針を打ち出せる大きなチャンスがある。バイデン政権には、次のことが期待される。

  • デジタルバンキングのための国の免許制度を作る(シンガポールのデジタルバンキング免許のようなもの)。これによりフィンテック企業の暗号通貨の導入、貸し付け、支払いの認可が円滑化される。現在の米国企業は州ごとに免許を取得しなければならず、そのための法務関係の経費は数百万ドル(数億円)にのぼり、何年もの時間が費やされる。
  • デジタル資産、デリバティブ(スマートコントラクトを使用)、ステーブルコインの明確な分類を定義する。
  • 超党派の公共および民間セクターのグループを作る。ここでは、テクノロジーに精通したAndrew Yang(アンドリュー・ヤング)氏のようなリーダーが指揮を執り、HPCCAがインターネット企業に貢献したように、フィンテック企業に資する象徴的な法案を共同で策定する。
  • 米証券取引委員会の議長に、顧客と市場を守りつつ、本当に進歩したイノベーションを起こす方法を理解した人物を据える。私たちが証券取引委員会から聞かされてきたイノベーションに関するリップサービスは、単なるリップサービスでしかなかった。現在の証券取引委員会が関与した暗号通貨プロジェクトは、すべてが破産に追い込まれるか、役に立たないトークンを抱えて放置されるなどして、米国から逃げていってしまった。

政治家や規制当局が、私たちの業界が直面している問題をどう扱うかは別として、私たちは、フィンテックを利用する人たちの数を確実に急速に増やし、ブロックチェーン製品が消費者と市場を適切に保護しつつ、継続的に最上級のソリューションを得られるよう、政府との協力を続けなければならない。

そのテクノロジーが、今ここにあることは確かだ。議員たちが、それに巨大な金融業界の発展を促すパワーがあることを理解してくれるよう期待する。HPCCAと同じく、懸命な法律が、私たちの顧客と市場の両方を守ると同時に、誇りある米国企業による世の中を一変させてしまうようなイノベーションを可能にする。

【編集部注】著者のAsheesh Birla(アシシュ・バーラ)はRipple(リップル)のRippleNetジェネラルマネージャー。

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(翻訳:金井哲夫)

米国の追加経済刺激策に違法ストリーミングを「重罪」にする法案

米国時間12月21日に米議会が承認した新型コロナウイルス流行に対する追加経済刺激策について、TechCrunchではすでにいくつか記事を掲載してきた。その中には、ブロードバンドアクセスを増やすための資金や、新エネルギーへの取り組みのための資金(未訳記事)も含まれる。

だが、テクノロジーやメディアの世界に深刻な影響を及ぼす可能性のある項目が他にもある。その1つが、利益目的の違法なストリーミングを懲役10年以下の重罪(The Hollywoodr Reporter記事)とする軽犯罪ではなく)という、Thom Tillis(トム・ティリス)上院議員(ノースカロライナ州選出の共和党員) からの提案を含む法案だ。

ティリス議員が2020年12月初めにこの提案の草稿を発表したとき、インターネットのオープン標準 / 知的財産に関与する非営利団体Public Knowledge(パブリック・ナレッジ)は声明を発表し、「著作権侵害のための更なる刑事罰」の必要性はないと主張したものの、この法案は「狭く仕立てられており、ユーザーを犯罪化することは避けている」、そして「無認可の作品をストリーミングに含む可能性があるストリーマーを犯罪化しない」ともいっている。そうではなく、その目的は商業的利益のために海賊行為を行う人々を対象としている。

そしてもう1つは、CASE法(少額賠償における著作権代替執行法)案だ。これは米国著作権局内に新たな著作権主張委員会を設け、少額裁判所に代わって著作権の請求を裁き、最高3万ドル(約310万円)までの支払いを命じることができるようにするというものだ。

2019年、米国下院でこのCASE法が議論されていた(The Verge記事)際、賛成派は独立系アーティストが著作権侵害の申し立てを簡単に行えるようになると擁護したが、一方でアメリカ自由人権協会や電子フロンティア財団などの団体は、個人のインターネットユーザーに悪影響を与える可能性があると述べている。

Techdirt(テックダート)のMike Masnick(マイク・マスニック)氏は米国時間12月21日、この法律は「トロール(荒し行為)を減らすために法律を修正する必要があるときに、まさに著作権トロール(金儲けを目当てに著作権侵害の疑いを探し回る人々)を急増させる」と主張した(Techdirt記事)。

下院と上院が承認した現在、この法案はドナルド・トランプ大統領の署名に向けて送られようとしている。全文は米国時間12月21日に発表されたばかりなので、今後数週間から数カ月の間に、その影響について多くの議論が交わされることを期待したい。

【更新】ティリス上院議員もリリース(ティリス議員公式サイト)を発表。この法案はPatrick Leahy(パトリック・リーヒ)上院議員(バーモント州選出の民主党員)が共同で主導したものであると指摘し、「営利目的の商業的な海賊ストリーミングサービス」のみに適用されることを強調している。

「オンラインによるストリーミングコンテンツへの移行は、著作権で保護された素材を違法に配信する犯罪的なストリーミングサービスを生み出し、毎年300億ドル(約3兆1000億円)近くの損失を米国経済に与え、米国人が楽しむ創造的なコンテンツの制作を阻害しています」と、ティリス氏は声明で述べている。「私はクリエイター、ユーザーグループ、およびテクノロジー企業の意見を取り入れて起草されたこの常識的な法案が法律になることを誇りに思っています。これは犯罪組織を標的にしたものであり、個人的なストリーマーが起訴の恐れを心配する必要がないことを保証できます」。

関連記事:米国の新型コロナ追加経済対策にファーウェイとZTEの機器排除費1965億円が含まれる

カテゴリー:ネットサービス
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画像クレジット:Patrick Foto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国の新型コロナ追加経済対策にHuaweiとZTEの機器排除費1965億円が含まれる

待ち望まれていた米国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)救済策がようやく議会の承認を得た。主なものには、9カ月にもおよぶ事業閉鎖で極度の負担を感じている人々を支える策が含まれる。600ドル(約6万2000円)の現金給付が最も注目されているのは理解できる。しかし、9000億ドル(約93兆円)の対策には掘り下げるべきものがたくさんある。

TechCrunchがカバーする領域で最も関連のあるものは、数十億ドル(数千億円)が割り当てられたブロードバンド関連だ。ここには、低収入世帯のブロードバンドへのアクセスを支援するための70億ドル(約7240億円)も含まれる。下院議長Nancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)氏と、上院院内総務Chuck Schumer(チャック・シューマー)氏は、予算は「何百万という学生、家庭、失業者のパンデミック下で必要とされるブロードバンド使用料支払いをサポートする」のに充てられると声明を出した。ここには、要件を満たした家庭向けのブロードバンド使用のための月50ドル(約5170円)が含まれる。

インターネットアクセスは数え切れないほどの問題点の1つだった。新型コロナ感染拡大を抑制するために、米国中の学校が閉鎖された。確固としたインターネット接続の欠如はリモート教育を著しく阻害する。

また、ロイターの報道によると、ZTEとHuawei(ファーウェイ)の設備を「取り除き置き換える」ために19億ドル(約1965億円)を拠出する見通しで、こちらも注目に値する。特にHuaweiは長い間、米政府のターゲットとなってきた。中国のテック大企業であるHuaweiは2019年に、米商務省のエンティティリスト(禁輸リスト)に加えられた。より正確にいうと、禁輸リスト入りはHuaweiやZTEのような企業がその数カ月後にさまざまな困難に直面することを意味した。

2020年初めの立法では、米国企業がHuaweiとZTEから通信設備を購入することを禁じ、そして既存のサービスを「排除して置き換える」プロセスを開始する計画が続いた。新法案には、米国のネットワークから排除される設備に代わるものの購入も含まれるようだ。

Huaweiの広報担当は「通信ネットワークから当社のプロダクトの排除を強制しています。この過度な措置は、信頼できる通信が必要不可欠なパンデミック下にあって、特にサービスが十分に提供されていない地方において米国市民をリスクにさらします」と指摘した。

しかし、HuaweiやZTEのような企業が次期バイデン政権でどのように扱われるかはまだわからない。米商務省はこのほど、中国の大企業DJIやSMICを含む77社をエンティティリストに追加した。

関連記事:米国の禁輸リスト入りしたDJIのプロダクトの米国内販売は継続の見込み

カテゴリー:セキュリティ
タグ:HuaweiZTEエンティティリストアメリカ
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(翻訳:Mizoguchi

米国の禁輸リスト入りしたDJIのプロダクトの米国内販売は継続の見込み

米商務省は米国12月18日、DJIを含む77社を「エンティティリスト(禁輸リスト)」に加えた。正確には、DJIの米国事業の未来にとってこれが意味するところはまだ不明だ。しかし、同社はTechCrunchのコメントの求めに応じた。

「DJIは米商務省の決定に失望しています」と広報担当はTechCrunchに語った。「米国の顧客はこれまで通りDJIのプロダクトを購入したり使用したりできます。当社を特徴付け、また世界に恩恵をもたらす業界で最もイノベイティブなプロダクトを引き続き開発することを当社は約束します」

先のHuawei(ファーウェイ)の例が示したように、リスト入りの影響は米国と中国の関係いかんによって大きくなる。HuaweiはGoogle(グーグル)のAndroidなど主要な米国発のテクノロジーへのアクセスを失い、大打撃を受けた。

DJIの禁輸リスト入りは「大規模な人権侵害」、より具体的に言うと「ハイテクによる監視」が理由だ。

最終需要者審査委員会(ERC)はAGCU Scientech、China National Scientific Instruments and Materials (CNSIM)、DJI、Kuang-Chi Groupが米国の外交政策の利益に反した活動を行ったため、リストに加えることを決定した。特にこれら4社は悪意ある遺伝子収集・分析、あるいはハイテクによる監視、および世界中の抑圧的な政権を支援する中国による製品輸出の促進を通じて中国国内の大規模な人権侵害を可能にした。これは米国の外交政策の利益に反している。

DJIの米国での立場に影響を及ぼす大きな要素の1つは、次期バイデン政権下での中国との関係だ。今回の禁輸リスト決定は、DJIのプロダクトを現在活用している多くの州や連邦機関に、より直接的な影響を及ぼすかもしれない。

参考記事:ドローン最大手DJIが米商務省の禁輸リスト入り、ドローンによる監視は人権侵害

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(翻訳:Mizoguchi

米国がモデルナの新型コロナワクチン緊急使用を承認、ファイザーに続き2例目

米食品医薬品局(FDA)はModerna(モデルナ)の新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンに対し緊急使用許可(EUA)を出した。今週初めに諮問委員会が許可を推奨していたことを受けてのものだ。EUAで米国での使用が認められたコロナワクチンは、Pfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)が共同開発し、先週承認されたものに続き2例目となる。

Anthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士がNBC番組Todayでのインタビューで語ったところによると、Modernaのワクチンの接種は12月21日か22日には始まりそうだ。この承認から接種までのタイムラインは、PfizerのEUAから実際に最初の接種が先週始まるまでのものと同じだ。

Pfizerのワクチンと同様、ModernaのワクチンもmRNAタイプだ。つまり、ウイルスそのものは含まず、人体に特定のタンパク質をつくるよう伝える遺伝子情報だけを含んでいる。そのタンパク質は新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスSARS-CoV-2が持つものとほぼ同じだ。Modernaのワクチンでは人体がそれ自体は無害なタンパク質を作るようにするだけで、免疫システムによる自然免疫能がタンパク質に反応してウイルス防御法を構築する。防御システムは体に記憶され、その一方でワクチンそのものはほどなくして自然に消失し、人に免疫だけを残す。

米国での使用はまだ承認されていないオックスフォード大学とAstraZeneca(アストラゼネカ)が共同開発したワクチンは、接種した人の体の中でタンパク質を急増させないよう弱毒化され、組み替えられた普通の風邪のウイルスを使っている。結果として人体は免疫反応をつくることができる。これはワクチン開発の過程でより確立されている方法だ。しかしModernaとPfizerのmRNAベースのワクチンは大規模なフェーズ3治験の予備データでかなりの有効性を示した。

カテゴリー:バイオテック
タグ:Modena、新型コロナウイルス、ワクチン、米国

画像クレジット: Konstantinos Zilos/SOPA Images/LightRocket

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(翻訳:Mizoguchi

​トランプ政権が中国最大の半導体メーカーSMICを防衛ブラックリストに追加

Reutersの報道によると、世界最大級のチップメーカーの1つであるSMICは、米国防総省が中国軍が所有または支配している企業として指定する予定の企業に含まれている。2020年11月初め、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は、2021年1月11日に施行予定の米国の投資家が防衛ブラックリストに載っている企業から証券を購入することを禁じる大統領令に署名した(米政府リリース)。

​SMICはReutersに対する声明で「米国政府との建設的かつオープンな交渉」を継続し、「中国軍と関係がなく、軍での使用や使用者のために製造しない」と述べている。

市場調査会社TrendForceによると、SMICは中国最大の半導体メーカーであり、世界の半導体ファンドリ市場の約4%を占めているという。​米国における同社の顧客にはQualcomm、Broadcom、Texas Instrumentsなどがある。

​現在、防衛ブラックリストには31社が登録されている(米国防総省リリース)。​Reutersによると、SMICは国防総省が追加を計画している4社のうちの1社だ。​他にはChina Construction Technology、China International Engineering Consulting Corp(中国国際工程諮詢公司)、China National Offshore Oil Corp(CNOOC、中国海洋石油集団)が計画されている。

​同社は2019年5月にニューヨーク証券取引所から上場廃止となったが、今回の決定は限られた取引量と高い管理コストが理由であり、米中貿易戦争や米国政府によるHuawei(ファーウェイ)や他の中国のハイテク企業のブラックリスト掲載とは異なると述べていた。

​SMICはすでに輸出規制の影響を受けており、主要な設備を米国のサプライヤーから購入することができない。​2020年10月初め、同社は株主に対して(Bloomberg記事)、米産業安全保障局が定めた輸出規制は、同社の生産に「重大な悪影響」をもたらす可能性があると述べていた。

​今回の大統領令と、国防ブラックリストに新たな企業が追加される可能性は、ファーウェイ、ZTE、ByteDanceなどに対して、トランプ政権が中国政府や軍との関係を理由に国家安全保障上の脅威となる可能性があると中国のハイテク企業に対して強硬な姿勢を示していることと一致している。​しかし、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が2021年1月20日に大統領に就任した後、現政権が行っている多くの政策の先行きは不透明だ。

​TechCrunchはSMICにコメントを求めている。

関連記事:中国最大のチップメーカーがニューヨーク証券取引所上場廃止へ

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SMICドナルド・トランプジョー・バイデンアメリカ中国

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(翻訳:TechCrunch Japan)

TikTokの成長といまだ決着がつかない米政府との確執の軌跡

TikTok(ティックトック)の西欧諸国での人気の高まりは中国テック企業にしては前例のないものだ。世界中の政治家から注がれた注意の量もまた然りだ。ショートビデオの新たな「コピーキャット」ととらえられていたTikTokがいかに世界で圧倒的なシェアを手にし、やがて米政府の標的となったのか。タイムラインにまとめた。

2012〜2017年:TikTokの登場

この期間はTikTokの親会社で北京に本社を置くByteDance(バイトダンス)が急成長していた。元々はDouyinとして中国で立ち上げられたビデオシェアのアプリは、海外に目を向ける前に瞬く間に中国マーケットで成功を収めた。

2012年
29才のシリアルエンジニアであるZhang Yiming(張一鳴、チャン・イーミン)氏が北京でByteDanceを立ち上げる。

2014年
中国人プロダクトデザイナーAlex Zhu(アレックス・ジュ)氏がMusical.lyを立ち上げる。

2016年
ByteDanceがDouyinの提供を開始する。多くの人はMusical.lyのクローンだととらえていた。同年後半にDouyinの海外バージョンを立ち上げる。

2017〜2019年:TikTokが米国でサービス提供開始

TikTokはMusical.lyと合併し、米国でサービスの提供を開始する。すぐさま人気となる。米国でそこまで成功した中国のテック企業のソーシャルメディアアプリは初めて。しかし同時に、トランプ政権下での米国・中国間の貿易戦争と中国テック企業(HuaweiとZTEを含む)への高まる疑念を背景に、アプリの所有が国家安全保障と検閲についての疑念につながる。

2017年

11月 ByteDanceがMusical.lyを8〜10億ドル(約830〜1040億円)で買収

2018年

8月 TikTokがMusical.lyと合併し、米国で利用できるようになる

10月 TikTokがダウンロード数でFacebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、YouTube(ユーチューブ)を上回る

11月 フェイスブックがTikTokのライバルLasso(ラッソ)を立ち上げる

2019年

2月 TikTokのApp StoreとGoogle Playでのインストール数が10億回に到達。児童プライバシー法に違反したとして米連邦取引委員会がTikTokに570万ドル(約6億円)の罰金を科す。

5月 TikTokが5四半期連続でApp Storeのチャートで第1位に。

9月 中国政府が神経を尖らせている話題をTikTokが検閲していることが明らかに。

10月 TikTokが政治広告を禁止する。しかし米国の政治に関するハッシュタグについては行動を取らなかった。TikTokは会社法を専門とする法律事務所K&L Gatesに米国におけるコンテンツモデレーションについてアドバイスを求める。米国の国会議員が国家情報局のJoseph Maguire(ジョセフ・マグワイア)氏に、TikTokが国家安全保障の脅威となっていないか調査するよう求める。TikTokは中国政府にコンテンツを削除するよう求められたことはなく、もし尋ねられても削除しないと言明する。

11月 米国の対米外国投資委員会が国家安全保障の懸念でTikTok調査を開始する。InstagramがTikTokのライバルReels(リール)を立ち上げる。ウイグル人虐待についての流出ビデオの削除についてTikTokが謝罪する。

12月 米海軍がTikTokを禁止する

2020年上半期:米政府による厳しい調査のなか成長

TikTokはいま米国で、特にZ世代の間でオンラインカルチャーの主役だ。人々が新型コロナウイルスパンデミックで気分転換を求めるのにともない、TikTokのユーザーベースはさらに広がった。しかしTikTokは米政府の次第にエスカレートする一連の措置に直面し、こうした措置により米国事業の先行きが不透明になった。

TikTokを宣伝するシャツを着ている男性。2020年7月17日金曜日、北京のAppleストア(画像クレジット:AP Photo/Ng Han Guan)

2020年

1月 復活したDubsmash(ダブスマッシュ)がTikTokの喫緊のライバルに成長する。

3月 TikTokが社外の専門家に自社のモデレーションプラクティスを「透明性センター」で調べさせる。米上院議員が米政府のデバイスでのTikTok使用を制限する法案を提出。TikTokがコンテンツポリシー作成で外部専門家を招く。

4月 TikTokがペアレンタルコントロールを導入。ダウンロード数が20億回を超える。

6月 コンテンツレコメンデーションのシステムがどのように機能しているかを公開する。YouTubeがTikTokと競合するサービスを立ち上げる。

7月 フェイスブックがTikTokのライバルサービスLassoを閉鎖。米国はTikTok禁止を検討中だと国務長官Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)氏が発言。TikTokが米国クリエイターのための2億ドル(約208億円)のファンドを発表。トランプ大統領は報道陣に対し、TikTok禁止で大統領の権限を使うと話した。

2020年下半期:TikTok vs 米政府

トランプ大統領は数週間検討した後、ByteDanceに対する大統領令に署名した。ByteDanceはTikTokを買収する米国企業探しを開始する。しかし同時に同社は大統領令について法廷で争っている。2020年最後の数カ月は情け容赦なく、また往々にして混乱するようなものだった。突然の動きや新たな展開もあり、出口は見えない。

8月 報道によると、ByteDanceはTikTokの米国事業を売却し、Microsoft(マイクロソフト)が引き継ぐことに同意。トランプ大統領がByteDanceとマイクロソフトの案に反対の意を表す。マイクロソフトはTikTokの買収についての協議が9月15日までに完了すると発表。トランプ大統領は主張のトーンを変え、TikTok売却額の減額に言及。TikTokは米国の選挙を前に事実チェックに関する提携を拡大する。

8月7日 米政府とTikTokの間の緊張が激しく高まる中で、トランプ大統領はByteDanceとの「取引」を45日以内、あるいは9月20日に禁止する大統領令に署名。TikTokは、大統領令は「適正な手続きを経ずに出され、米国の遵法精神に対する国際企業の信頼を損なうリスクがある」と述べる。

8月9日 TikTokがトランプ政権の禁止令に抵抗するとの報道。Oracle(オラクル)もまたTikTok売却に関心を示していると伝えられる。

8月24日 TikTokとByteDanceが大統領令に関して、トランプ大統領と国務長官Wilbur Ross(ウィルバー・ロス)氏、米商務省を相手どって連邦裁判所に提訴する。訴訟で米政府によるTikTok禁止の回避を模索。カリフォルニア州の連邦地裁に提訴し、大統領令は違憲と主張。TikTokの米国ユーザー数が1億人に到達。

8月27日 TikTokのCEO、Kevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏が就任100日で辞任。

ケビン・メイヤー氏(画像クレジット:Jesse Grant/Getty Images for Disney)

Walmart(ウォルマート)がTikTok買収でMicrosoftと提携することに関心を示す。

8月28日 中国の輸出法改正により、TikTokの売却が不可能になる恐れ。

9月

TikTokを米国企業に売却するより閉鎖が好ましいと中国が発言。

9月13日 ByteDanceが財務省に提出した、Oracleが「信用できるテクノロジー提供社」となるとの提案の事実をOracleが認める。

9月18日 商務省が2段階で発効するTikTokに対する規制を発表。TikTokは米国のアプリストアで9月20日以降は配布されない。しかし11月12日までは延長が認められる。それ以降は米国のインターネットホスティングサービスを使用することはできない。つまりTikTokは使用不可となる。

商務省の発表があった日に、TikTokへの大統領令に対する2つの訴訟が起こされた。1つはByteDanceがによるもの、もう1つは3人のTikTokクリエイターによるものだ。

コロンビア地区連邦地方裁判所にTikTokとByteDanceが起こした訴訟ではトランプ大統領と国務長官のロス氏、米商務省を被告としている。その前にByteDanceがカリフォルニアで起こした訴訟とかなり似ている。TikTokとByteDanceの弁護士は、大統領令が行政手続法や言論の自由に反し、適正な手続きを経ていないと主張。

TikTokのクリエイターであるDouglas Marland(ダグラス・マーランド)氏、 Cosette Rinab(コセット・リナブ)氏、Alec Chambers(アレック・チャンバー)氏が起こしたもう1つの訴訟も、トランプ大統領と国務長官ロス氏、米商務省を被告としている。ペンシルベニア東部地区連邦地方裁判所に提出された訴状には、大統領令が「米憲法修正第1条と第5条に違反していて、大統領の法的権限を超えている」とある。

9月19日 Google(グーグル)とApple(アップル)がそれぞれのアプリストアからTikTokを削除することを余儀なくされるかもしれない9月20日の期限の前日、商務省が期限を1週間伸ばして9月27日とする。これはByteDanceとOracle、そしてWalmartに案件をまとめる時間を与えるため。

同じ日に3人のTikTokクリエイター、マーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏が大統領令の予備的差止め命令を求める初の行動に出る。3人はTikTok禁止が発効すれば、プロモーションやブランディングなどTikTokに関連する活動で収入を得ることができなくなるため、大統領令が言論の自由に反していて、また「適正な手続きなしに保護された自由と財産権」を奪っていると主張。

9月20日 大統領令についてD.C.地区連邦地区裁判所に訴えを起こしたあと、TikTokとByteDanceはカリフォルニア州の連邦地裁に起訴し、係争中だった似たような内容の訴訟を正式に取り下げる。

9月21日 ByteDanceとOracleがディールを認めるも、TikTokの所有権をめぐり矛盾する声明を出す。TikTokは推定600億ドル(約6兆2000億円)と評価される。

9月22日 中国の国営新聞は中国政府が「恐喝だ」としてTikTok売却を承認しないだろうと報道

9月23日 TikTokとByteDanceは、アプリストアからTikTokを削除する9月27日の禁止措置は、係争中に直接的かつ喫緊、そして取り返しのつかない害を原告に与えると主張し、コロンビア地区連邦地方裁判所に大統領令の予備的差止め命令を求める。

9月26日 連邦地方裁判所の判事、Wendy Beetlestone(ウェンディ・ビートルストーン)氏は、マーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏による予備的差止め命令の求めを却下。「もしユーザーあるいは見込みユーザーが9月27日以降にTikTokをダウンロードしたりアップデートできなくてもアプリを使うことはでき、3人がすぐに取り返しのつかない害に苦しむことを証明していない」とした。

9月27日 TikTok禁止が発効する数時間前に連邦地方裁判所の判事、Carl J. Nichols(カール J・ニコルス)氏は、アプリが国家安全保障にリスクを与えているかを裁判所が検討する間、ByteDanceの予備的差止め命令の求めを認めるとした。

9月29日 TikTokが米国選挙ガイドをアプリ内で立ち上げ。

10月

コメディアンのサラ・クーパー氏のページがTikTokアプリに表示されている、ワシントンD.C.、8月7日(画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images)

SnapchatがTikTokのライバルとなるサービスを立ち上げ。TikTokがヘイトスピーチ対策をとっていると話す。TikTokがソーシャルコマースでShopify(ショピファイ)と提携。

10月13日 最初に求めた予備的差止め命令は認められず、クリエイターのマーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏は2つめの予備的差止め命令を申し立てる。今回の申し立ては、ユーザーがTikTokに投稿したコンテンツにアクセスできなくなる商務省の11月12日の期限にフォーカス。

10月30日 判事のビートルストーン氏がマーランド氏、リナブ氏、チャンバー氏の申し立てを認める。

11月

11月7日 投票から5日後、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が次期大統領に選ばれたとCNNが報じ、AP通信、NBC、CBS、ABC、Fox Newsも続いた。バイデン氏は2021年1月20日に就任を宣誓する予定で、これによりTikTokに対する大統領令の今後はさらに不透明なものになる。

11月10日 ByteDanceは、TikTok米国事業の11月12日までの売却を強制する米政府の売却命令を無効とするよう米連邦控訴裁判所に申し立てる。ByteDanceは対米外国投資委員会に延長を求めたがまだ認められていないと話した。

11月12日 本来なら商務省のByteDanceとの取引を禁止する命令が発効する日だった。しかし米政府がTikTokの今後について矛盾したメッセージを出し、混乱したものに。商務省は、さらなる法的展開を保留するという、判事のビートルストーン氏が10月30日に認めた予備的差し止め命令に従う、と述べる。しかし同時に、司法省はビートルストーン氏の裁定について上訴する。その後、判事のニコルス氏がD.C.地区連邦地区裁判所に提訴された件で、原告、被告ともに申し立てと新たな書類を提出する期限(12月14日と28日)を設ける。

11月25日 トランプ政権が売却命令の7日間延長をByteDanceに与える。TikTok売却の完了期限は現在12月4日となっている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTokアメリカ

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(翻訳:Mizoguchi