1年で収益3倍超、シンガポールの介護サービス企業「Homage」がシリーズCで約33億円調達

介護に特化したスタートアップであるHomageは、シンガポールの政府系ファンドTemasek(テマセク)が100%出資するSheares Healthcare Groupが主導するシリーズCで3000万ドル(約33億円)を調達した。その他にも、新規投資家のDG Daiwa VenturesとSagana Capital、既存投資家のEast Ventures(Growth)、HealthXCapital、SeedPlus、Trihill Capital、Alternate Venturesが参加した。

今回の資金調達は、Homageの技術開発、高齢者・障害者ケアの支払者やプロバイダーのインフラとの統合の継続、病院や介護事業者とのパートナーシップを通じた地域拡大の加速に使用される。Homageは現在、シンガポール、マレーシア、オーストラリアで事業を展開している。

シンガポールを拠点とする同社は、介護士、看護師、セラピスト、医師による家庭訪問、遠隔医療、慢性疾患向けサービスなどを提供している。Homageのプラットフォームがスケールアップできる理由の1つはそのマッチングエンジンにあり、高齢者や慢性疾患を抱える人などの顧客が、自分のニーズに最も適したプロバイダーを見つけられるようサポートしている(最終的なマッチングはHomageのチームが行う)。

同社によると今回の資金調達は募集額以上に申し込まれたものとなり、東南アジアおよびオセアニア地域のオンデマンドケアプラットフォームがこれまでに調達したラウンドの中で最大級のものとなった。これにより、Homageの累計調達額は4500万ドル(約49億4000万円)を超えた。

シリーズCの一環として、Sheares Healthcare Groupのチーフコーポレートディベロップメントオフィサー(CDO)であるKhoo Ee Ping(クー・イー・ピン)氏がHomageの取締役会に加わる。

Homageは現在、事前に審査され、訓練された6000人以上の介護専門家の地域ネットワークを持っている。2021年にはシンガポール以外の地域での事業が前年比600%以上の成長を遂げ、過去1年間で収益が3倍以上になったという。

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

アジア全体で心のケアをより身近にしたい遠隔メンタルヘルスケアのIntellectが約2.4億円調達

シンガポールを拠点とし、アジアでのメンタルヘルスケアをより身近なものにしたいと考えているスタートアップ「Intellect(インテレクト)」は、プレシリーズAで220万ドル(約2億4000万円)の資金を調達したと発表した。Intellectは、8月末にデモデーを開催する予定のY Combinator(Yコンビネータ)の現在のバッチに参加している。

今回の資金調達は、再出資となるInsignia Venture Partnersがリードし、Y Combinator、XA Networkの他、Rainforest(レインフォレスト)の共同創業者であるJ.J.Chai(J・J・チャイ)氏、PreneeticsおよびCircleDNAの創業者であるDanny Yeung(ダニー・イェン)氏、Google(グーグル)のグローバルHRオペレーション担当ディレクターであるGilberto Gaeta(ジルベルト・ゲータ)氏などのエンジェル投資家が参加した。

これにより、Intellectの1年前の立ち上げからの資金調達額は、同じくInsigniaが主導した2020年12月に発表されたシードラウンドを含め、300万ドル(約3億3000万円)となった。

関連記事:メンタルヘルスをタブー視するアジアの文化に挑むIntellect

Intellectは主に2つの製品スイートを提供している。認知行動療法(CBT)をベースにしたセルフガイドプログラムを提供するコンシューマー向けアプリと、オンラインのセラピープログラムや遠隔医療サービスを提供する雇用者向けのメンタルヘルス福利厚生ソリューションだ。現在、アプリのユーザー数は250万人を超え、同社はFoodPanda(フードパンダ)、Shopback(ショップバック)、Carousell(カルーセル)、Avery Dennison(エイブリィ・デニソン)、Schroders(シュローダー)、政府機関など、20社の企業顧客を抱えているという。

創業者兼CEOのTheodoric Chew(テオドリック・チュー)氏はTechCrunchに対し、Intellectの利用率は従来のEAP(従業員支援プログラム)ヘルプラインソリューションよりも高いと語った。同社のメンタルヘルスベネフィットソリューションは、従業員数5000人以上の企業に採用された後、平均して3カ月以内に約20%から45%のエンゲージメントが得られている。

アジアの多くの文化では、メンタルヘルスの問題に対する強い偏見がいまだに残っているが、新型コロナウイルスパンデミックの精神的な影響に人々が対処し続けていることから、この1年半で変化してきたとチュー氏はいう。「個人から企業、保険会社、政府まで、さまざまな人々や組織が、今日、個人や組織レベルでのメンタルヘルスケアを非常に迅速に優先しています」。

Intellectはゼロ知識暗号化によりユーザーのプライバシーを保護しており、同社や雇用主は、ユーザーの記録や、コーチやカウンセラーとのコミュニケーションにアクセスすることはできない。雇用主と共有されるインサイトはすべて集約および匿名化される。チュー氏によると、同社はISO、HIPAA、GDPRといった主要なデータプライバシー規制にも準拠しているという。

Intellectは現在、シンガポール国立大学、キングス・カレッジ・ロンドン、クイーンズランド大学、シンガポール総合病院などの機関と10件の共同研究を行っている。これまでの研究では、ユーザーの精神的な安定、ストレスレベル、不安感の改善が実証されているとのこと。

今回の調達で得られた資金は、より多くのアジア市場に進出するために使用される。Intellectは現在12カ国でサービスを提供し、11言語に対応している。

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画像クレジット:d3sign / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

すべての歯科医を虫歯を迅速に見つける「スーパー歯科医」にすることを目指すAdra

ヘルスケアのさまざまな分野がそうであるように、歯科も着々とテクノロジーを取り入れている。その多くは歯科矯正の分野だが、Adraなどのスタートアップは歯科医の日々のワークフロー、特に虫歯の発見にAIを活用しようとしている。2021年に世界の歯科医療の市場規模は4350億8000万ドル(約47兆6800億円)になると見られている。

シンガポールを拠点とするAdraは2020年に構想を開始し、2021年に創業した。共同創業者のHamed Fesharaki(ハメド・フェシャラキ)氏は歯科医として10年以上のキャリアがあり、シンガポールで2カ所の医院を経営している。

フェシャラキ氏によれば、歯学部でX線画像の読み方は習うがきちんと読めるようになるには数年かかるという。また歯科医は患者の間を飛び回っているので、X線画像を読む時間が数分間しかないこともしばしばだ。

こうしたことから、共同創業者のYasaman Nematbakhsh(ヤサマン・ネマトバクシュ)氏によれば、歯科医は最大40%の確率で虫歯を誤診するという。同氏のバックグラウンドはイメージングで、見えにくいガンをAIで特定する機器を開発していた。フェシャラキ氏はこれを歯科にも応用できるのではないかと考えた。

フェシャラキ氏はTechCrunchに対し、Adraは経験豊富な歯科医のような見方を提供することですべての歯科医を「スーパー歯科医」にしようとしていると語った。同社のソフトウェアを使うと歯科のX線写真から虫歯などの歯の問題を短時間で検出でき精度は25%向上するため、歯科医院ではその分患者により良い医療を提供し収益を増やせる。

Adraのソフトウェアのサンプル(画像クレジット:Adra)

フェシャラキ氏は「我々は経験豊富な歯科医の視点を活かし、X線写真を画像に変換することによって問題点を表示して、何に着目すればいいかを理解できるようにします。最終的に判断するのは歯科医ですが、我々が経験的な要素を取り入れることで歯科医が比較検討をするのに役立ち、助言を提供できます」と述べた。

問題のある箇所とその程度をすばやく示すことで、歯科医は治療法を決めることができる。例えば詰め物をするのかフッ素を使うのかしばらく様子を見るのか、ということだ。

もう1人の共同創業者であるShifeng Chen(シーファン・チェン)氏とともにAdraはYコンビネーターの夏学期を終了し、これまでに25万ドル(約2700万円)を調達した。フェシャラキ氏は、正式にシード資金調達を実施しエンジニアを増やしてユーザーエクスペリエンスの向上や機能の追加に取り組む意向だ。

同社はいくつかの歯科医院で試験運用をしており、米国食品医薬品局の認可取得に向けて試験をする医院をさらに増やしたい考えだ。フェシャラキ氏は認可を受けるまで6〜9カ月かかるだろうと予測している。認可の後、2022年後半か2023年前半に製品として販売を開始できるだろう。

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画像クレジット:Adra

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(文:Christine Hall、翻訳:Kaori Koyama)

マンガを独自技術でローカライズし短時間で世界中の読者に配信するシンガポールのINKR

デジタルコミックのプラットフォーム「INKR」のチーム(画像クレジット:INKR)

INKR(インカー)は、独自のローカリゼーション技術を用いることで、クリエイターが文化や言語の壁を越えて世界中の読者にリーチできるデジタルコミックのプラットフォームだ。これまで自己資金のみで運営してきた同社だが、米国時間7月28日、プレシリーズAの資金調達を行い、310万ドル(約3億4000万円)を調達したことを発表した。今回の資金調達はMonk’s Hill Ventures(モンクス・ヒル・ベンチャーズ)が主導し、マンガ配信会社TOKYOPOP(トーキョーポップ)の創業者兼CEOであるStu Levy(ストゥ・レヴィ)氏が参加した。

シンガポールに本社を置き、ホーチミンにもオフィスを構えるINKRは、2019年にKen Luong(ケン・ルオン)氏、Khoa Nguyen(コア・グエン)氏、Hieu Tran(ヒュー・トラン)氏によって設立された。同社によると、2020年10月に運営を開始して以来、月間平均ユーザー数は200%増加しているという。現在はFanFan(ファンファン)、Image Comics(イメージ・コミックス)、Kodansha USA(講談社USA)、Kuaikan(快看)、Mr. Blue(ミスター・ブルー)、SB Creative(SBクリエイティブ)、TOKYOPOP、Toon’s Family(トゥーンズ・ファミリー)など、70以上のコンテンツクリエイターや出版社と提携しており、これまでにマンガ、ウェブトゥーン、グラフィックノベルなど、800以上の作品を読者に提供している。

INKRのルオンCEOは、TechCrunchの取材に対し、このプラットフォームはまず、世界的なトップ出版社の翻訳コミックから力を入れていくものの、2022年には小規模な出版社やインディーズのクリエイターにも開放する計画があると語った。

INKRのプラットフォームの核になっているのは、独自のローカリゼーション技術だ。これによって、異なる市場に向けてコミックを準備するために必要な時間を、数日から数時間に短縮することができるという。

「コミックのローカリゼーションは、単に翻訳するだけではありません。ファイル処理、転写、翻訳、植字、効果音、品質管理など、多くの人が関わる多くの段階が必要な、時間のかかるプロセスです」とルオンCEOは語る。

INKRが配信している作品の一部(画像クレジット:INKR)

漫画の出版には、言語の違いだけでなく、日本の漫画、中国の漫画(manhua)、韓国の漫画(manhwa)、米国のコミックなど、世界各国のコミックスタイルの違いも考慮する必要がある。例えば、漫画には1ページずつレイアウトされているものもあれば、縦にスクロールして読み進めるものもある。左から右へ読む言語もあれば、右から左へ読む言語もある。

ルオン氏によると、INKRが独自に開発したAIエンジン「INKR Comics Vision(インカー・コミックス・ビジョン)」は、テキスト、セリフ、キャラクター、表情、背景、コマなど、コミックページ上のさまざまなフォーマットや要素を認識することができるという。また、人間の翻訳者のためのツール「INKR Localize(インカー・ローカライズ)」は、テキストの書き起こし、語彙の提案、タイプセットなどの作業を自動化することによって、正確な翻訳をより早く提供するために役立つ。

ローカライズ作業は、世界各地の異なる場所にいる人たちのチームによって行われるため、INKRはブラウザベースのコラボレーションソフトウェアを提供している。このプラットフォームは現在、日英、韓英、中英の翻訳に対応しており、今後も言語の追加が予定されている。快看漫画やMr.Blueなどの出版社では、中国語や韓国語で書かれた何千話もの漫画を英語に翻訳するためにINKRを使用している。

INKRはコンテンツ制作者に、広告サポート、購読料、各話ごとの支払いなど、収益化する手段の選択肢をいくつか提供している。ルオン氏によると、同社のプラットフォームはコンテンツを分析し、どの方法が収益を最大化できるかを判断してパブリッシャーに知らせ、得られた収益の一定割合を分配するという。

INKRと競って注目を集めているデジタルコミックプラットフォームには、他にもAmazon(アマゾン)が運営するComixology(コミクソロジー)や、韓国のNaver Corporation(ネイバー株式会社)が運営する出版ポータルのWebtoon(ウェブトゥーン)などがある。

ルオン氏は、INKRの競争力の強みとして、提供するコミックの多様性と価格の手頃さを挙げている。また、同社が起ち上げ前にデータとAIベースの技術に投資したことも、読者と出版社の両方に向けた強みとなっている。これによってユーザーは自分の読書活動に基づいてパーソナライズされた「おすすめ」作品を受け取ることができ、出版社は分析ツールを利用して消費傾向に基づく作品のパフォーマンスを追跡することができる。

Monk’s Hill VenturesのジェネラルパートナーであるJustin Nguyen(ジャスティン・グエン)氏は声明の中で、INKRの「独自のAIを活用したプラットフォームは、デジタル化とグローバル化を必要とするクリエイターやパブリッシャーの痛点に対応できます。多くの言語に、迅速かつ優れたコスト効率でローカライズすることが可能であり、それと同時に、分析ツールやパーソナライズされたインテリジェントなフィードによって、リーチと読者数の向上を支援します。私たちは、世界中の翻訳コミックに対する大きな需要に応えるために、彼らとパートナーシップを組めることを楽しみにしています」と述べている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:INKRデジタルコミック電子書籍ローカライズ翻訳シンガポール資金調達人工知能

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

香りや焼き色も再現する植物由来チキンを米国で展開へ、Next Gen Foodsがシード追加拡張投資22億円調達

シンガポールを拠点とするNext Gen Foodsは、2000万ドル(約22億円)のシードエクステンションを調達し、植物ベースの代替鶏肉を米国で展開すると発表した。投資家には、GGV Capital、農業・食品技術に特化したBits x Bites、食品・飲料会社のYeo Hiap Seng、起業家で「Blitzscaling(ブリッツスケーリング)」の著者であるChris Yeh(クリス・イェ)氏、イングランド代表サッカー選手Dele Alli(デレ・アリ)氏などが含まれている。

2021年2月に発表されたNext Gen Foodsの最初の1000万ドル(約11億円)のシードラウンドを主導したTemasek(テマセク)や、K3 Venturesなども再び出資した。Pitchbookのデータによると、その際の1000万ドル(約11億円)は植物由来のフードテック企業が調達したシード資金としてはすでに最大規模のものだったが、追加投資によりラウンドの合計は3000万ドル(約33億円)となった。今回の資金調達の一部は、米国内での研究開発、販売、サプライチェーン、財務・マーケティングチーム50名の人員補充に充てられる。

関連記事:シンガポールの植物由来肉スタートアップNext Genがシード投資10.6億円を調達

また、Next Genは、リーダーシップチームの変更も発表した。共同創業者のTimo Recker(ティモ・レッカー)氏はCEOから会長に異動し、もう一人の創業者であるAndre Menezes(アンドレ・メネゼス)氏がCEOの座に就く。また、Temasekの元取締役であるRohit Bhattacharya(ロヒト・バタチャリヤー)氏がCFOとして同社に加わる。

Next Genが開発した「TiNDLE(ティンドル)」と呼ばれる代替鶏肉は、レストランとのパートナーシップを通じてアジアで発売され、現在はシンガポール、香港、マカオの70店舗以上で提供されている。今後1年間、Next Genは米国進出の際にも同様のアプローチをとり、各都市のフードサービスと協力してTiNDLEを使ったメニューを開発していく予定だ。最終的には、小売店などの他の流通チャネルにも拡大していく予定だと、メネゼス氏はTechCrunchに語った。

Next Genは鶏肉の食感を再現するために、ヒマワリ油などの植物性油脂と天然香料を独自にブレンドしている。これによりTiNDLE製品は、調理したときの鶏肉の香りや焼き色を再現することができる。

米国では、Next GenはBeyond Meat(ビヨンドミート)のような植物由来の食品会社と競合することになる。Beyond Meatは、今週初めに米国のレストラン約400店で「Chicken Tenders(チキンテンダー)」の販売を開始した。人気チェーン店のPanda Express(パンダエクスプレス)も、Beyond Meatのオレンジチキン(陳皮鶏)を試験的に導入している。

メネゼス氏は、競合状況について聞かれこう答えた。「当社は、この分野が盛り上がっていることをとても嬉しく思っていますし、他の植物由来(食品)の企業を競合とは思っていません。私たちが心配しているのは、不十分な質の製品を消費者に提供している企業の競争だけです。消費者が、植物ベースの食品は現在でも味や体験において妥協しているという誤った印象を持ってしまうかもしれないからです」。

さらに同氏は、TiNDLEは遺伝子組み換えやコレステロールを含まない製品であり、Next Genはアセットライトなビジネスモデルを採用しているため、新たな市場への拡大が容易だと述べた。

レッカー氏はNext Genを立ち上げる前にドイツを拠点とするLikeMeatを設立しており、メネゼス氏は世界最大級の鶏肉輸出会社を経て、シンガポールの食品販売会社Country Foodsのジェネラルマネージャーを務めていた。

GGVのマネージングパートナーであるJenny Lee(ジェニー・リー)氏は次のように述べた。「Next Genのチームは、欧州市場向けに植物ベースの食肉製品を開発しローンチを成功させた経験があり、フードテック業界でも創業者と市場の適合性が最も高いチームの一つです。このチームが製品の品質、ブランドリコール、流通に注力していることは、同社の今後の成長に向けた強力な基盤となります」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Next Gen Foods植物由来肉資金調達シンガポール

画像クレジット:Next Gen Foods(Image has been modified)

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

電動歯ブラシや3Dプリント製マウスピースを安価で提供するシンガポールの審美歯科D2C「Zenyum」

審美歯科をもっと手頃な料金で提供したいと考えるZenyumが、シリーズBで4000万ドル(約43億8000万円)を調達した。これには、非上場の消費者ブランドに投資をしているL Cattertonからの2500万ドル(約27億4000万円)が含まれている。この投資ラウンドに参加したその他の投資家は、Zenyum自身がそのアクセラレーター事業Surgeに参加したSequoia Capital India、RTP Global、Partech、TNB Aura、Seeds CapitalそしてFEBE Venturesなどとなる。L Catteron Asiaの成長投資部門のトップであるAnjana Sasidharan(アンジャナ・サシダラン)氏がZenyumの取締役会に加わる。

これでZenyumの調達総額は5600万ドル(約61億3000万円)になり、これには2019年の1360万ドル(約14億9000万円)のシリーズAが含まれる。発表声明でサシダラン氏は「Zenyumはビジネスモデルを差別化して、競争で優位に立つことができました。成長意欲の強い創業者たちの経営チームも、投資家にとって心強い」と述べている。L Catteronが投資している歯科関連の企業には、他にIdeal Image、ClearChoice、dentalcorp、OdontoCompany、Espaçolaser、そして98point6などがある。

2018に創業された同社の製品には、電動歯ブラシ「ZenyumSonic」や3Dプリントで作った透明なアライナー(マウスピース)「Zenyum Clear」、もっと複雑な矯正が可能な「ZenyumClear Plus」などがある。

創業者でCEOのJulian Artopé(ジュリアン・アルトペ)氏によると、アライナーであるZenyum Clearはその他の矯正器よりも最大で70%安いという。患者の歯の状態や彼らの希望により、これまでは金属製や舌側矯正器、Invisalignのような透明なアライナーなどが使われてきた。Zenyum Clearは約1800ドル(約19万7000万円)、ZenyumClear Plusは2500〜3000ドル(約27万4000〜32万8000万円)弱というお値段だ。

同社の透明アライナーが実質的に低価格なのは、技術力のある歯科医や歯科技工士のパートナーのネットワークがあり、患者があちこちのクリニックを訪ねなくても済むからだ。

患者はまず自分の歯の写真をZenyumに送り、ZenyumClearやZenyumClear Plusが有効かチェックしてもらう。OKなら次は歯科医の面接検査となり、X線検査や3Dスキャンが行われる。その費用90〜130ドル(約9400〜1万2400円)はクリニックへいく。透明アライナーが完成すると、患者は再び歯科医へ行き、装着してもらう。その後歯科医は、Zenyumのアプリを使って患者の歯の状態の改善をモニターする。そのとき歯科医が患者にいうのは、もし問題があったらまた来てくださいということだけだ。

現在、ZenyumClearを利用できる区域はシンガポールとマレーシア、インドネシア、香港、マカオ、ベトナム、タイ、そして台湾だ。

Sequoia IndiaのトップPieter Kemps(ピーター・ケンプス)氏は次のように述べている。「Zenyumの主力市場である東南アジアと香港、台湾には3億の顧客がいます。彼らが美容に費やす可処分所得は日に日に増えています。透明アライナーへの支出も、今よりずっと増えるだろうが、しかし複雑な製品が消費者に選ばれるためには強力な業務実行体制が必要です。その点で優れているのがZenyumです。実行体制は優れており、新製品も強力、NPSもこのクラス最高です。成長力はあるし、経済も好調、シリーズBがそれを証明しています。この先には、もっと大きな商機があることも確実です」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Zenyumシンガポール資金調達D2C

画像クレジット:Zenyum

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

パブリッシャーが個々の記事、動画、ポッドキャストに対する支払いを受け取ることを可能にするFewcentsが1.7億円を調達

パブリッシャーの多くは、サイトの訪問者たちをサブスクユーザーにすることに熱心だが、他にも重要なユーザーグループがいる。特定のプレミアム記事や動画を見たいけれど、サブスクリプションに登録する気はない人たちだ。シンガポールに拠点を置くフィンテックスタートアップであるFewcents(フューセンツ)が、シンガポール時間5月5日、160万ドル(約1億7000万円)のシード資金調達を発表した。同社はパブリッシャーが個々のコンテンツに対する「マイクロペイメント」を受け取ることを可能にする。

記事、動画、ポッドキャストを収益化するために、Fewcentsを使用することができる。現在同サービスは50種類の通貨に対応し、広告やサブスクリプションへによる収益の補完的な流れとして機能することを意図している。現在の顧客には、5500万人の読者を擁するインドのDainik Jagran(ダイニク・ジャグラン)、インドネシアのニュースサイトDailySocial(デイリーソーシャル)、ストリーミング動画サイトDailymotion(デイリーモーション)などがある。デジタルパブリッシャーと売上をシェアすることで収益を上げる同社は、欧州での拡大を目指してJnomics Media(ジェイノミクス・メディア)とのパートナーシップも締結した。

M Venture Partners(Mベンチャーパートナーズ)とHustle Fund(ハッスルファンド)がラウンドに参加しているが、同時にフィンテック、アドテック、メディア企業のトップ企業出身のエンジェル投資家たちも参加している。例えばDBS銀行の元会長のKoh Boon Hwee(コー・ブン・ハウェー)氏、Facebook(フェイスブック)の東南アジア元マネージングディレクターのKenneth Bishop(ケネス・ビショップ)氏、Stripe(ストライプ)のパートナーシップ責任者のJeremy Butteriss(ジェレミー・バターリス)氏。Boston Consulting Group(ボストン・コンサルティング・グループ)のパートナー兼マネージングディレクターのShiv Choudhury(シブ・チョウドリィ)氏、ブルームバーグ・メディア配信の元APAC地域セールスディレクターのFrancesco Alberti (フランチェスコ・アルベルティ)氏、Summit Media(サミット・メディア)社長のLisa Gokongwei-Cheng(リサ・ゴコンウェイ=チェン)氏、電通マネージングディレクターのPrantik Mazumdar(プランティック・マズムダー)氏、Mission Holdings(ミッション・ホールディングス)の会長で創業者のSaurabh Mittal(サウラブ・ミッタル)氏、Amazon(アマゾン)ビデオ・インディアの元ディレクターでカントリー責任者のNitesh Kripalani (ニテシュ・クリパラニ)氏などだ。

Fewcentsは、2020年Abhisek Dadoo(アブシェク・ダドゥー)氏とDushyant Khare(ドゥシェン・カーリー)氏(上の写真)によって創業された。ダドゥー氏が以前創業したスタートアップShoffr(シャッフラー)(オンラインからオフラインへの橋渡しを行うプラットフォーム)は、2019年にAffle(アフル)によって買収された。またカーリー氏は、東南アジアとインドの戦略的パートナーシップのディレクター職を含め、Google(グーグルで)で12年間働いた経歴を持つ。

ダドゥー氏とカーリー氏は、電子メールの中でTechCrunchに対して、パブリッシャーのアクセスユーザーのうち、月間サブスクリプションに進むのは1~5%しかいないと語った。大多数は、たまたま訪れたか、他ページのリンクからのユーザーであり、パブリッシャーはそのトラフィックを収益化するために広告に頼っている。

コンテンツクリエイターたちは、マイクロペイメントや、その他ワンタイム支払いを行えるFlattr(フラッター)や、Axate(アクセイト)の都度払いツールなどを試行している。しかしパブリッシャーたちはいまだに、モデルがどれくらい効果的かの議論を続けていて、2020年にはTechCrunchは、Googleがサイトのチップ機能を提供しないことを決定したことを報告している。

都度払いコンテンツモデルをうまく実装するには、パブリッシャーは魅力的なコンテンツを作成するだけでなく、支払いそのものを極めて簡単にする必要がある。Fewcentsにとって、これは3つの大きな課題を解決することを意味していると、ダドゥー氏とカーリー氏は語った。まず第1に、彼らはどのサイトでもそのまま動作するプラットフォームを構築する必要があった、なぜならたまたま訪れたユーザーは、新しいサイトを訪れるたびにいちいち新しいサービスにサインアップなどしたくはないからだ。そして第2に、デジタルウォレットなどの最も身近な支払い方法を使用して、現地通貨での国境を越えた支払いを受け入れる必要がある。そして最後に、パブリッシャーは、ユーザーがコンテンツにアクセスできる期間などの、デジタル著作権を管理できる必要がある。

パブリッシャーはまた、購入者を遠ざけることはなく、かつ十分な収益を生み出す価格ポイントも決定する必要がある。現在Fewcentsは、既存のトラフィックデータを使用して、各コンテンツの価格を手動で設定している。ダドゥー氏は「各地域の需給曲線に基づいて、私たちは最高の収益結果を得るために、柔軟に価格を変更しています」という。「しかし、私たちはAI アルゴリズムの開発も進めています。その目的はアクセス場所とコンテンツの内容に応じて、価格設定を動的に提案することです」。

カーリー氏は、コンテンツを分売することで、Fewcents はページビューよりもさらに深いデータを提供することが可能になり、パブリッシャーが特定の市場やユーザーセグメントの好みを理解しより特化した「マイクロバンドル」を開発することを、助けることができるようになるという。また彼は、Fewcentsの目標は、ユーザーごとに特化したコンテンツバンドルを自動的に推奨できるようにすることだと付け加えた。

関連記事:Clubhouseが同社初となるクリエイター用収益化機能をテスト開始

カテゴリー:フィンテック
タグ:Fewcentsシンガポール資金調達サブスクリプション

画像クレジット:Fewcents

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

スタートアップの株式管理をソフトウェアで助けるシンガポールのQapitaが5.4億円調達

Qapitaの共同創業者たち。左からヴァムゼー・モハン氏、ラヴィ・ラヴラパルティ氏、ラクシュマン・グプタ氏(画像クレジット:Qapita)

シンガポールのフィンテックQapitaはスタートアップに、資本政策表やESOP(Employee Stock Ownership Plan、従業員による株式所有計画)を管理するソフトウェアを提供している。同社はこのほどプレシリーズAで500万ドル(約5億4000万円)を調達した。ラウンドをリードしたのはMassMutual Venturesで、Endiya PartnersとAvaana Capitalの創業者Anjali Bansal(アンジャリ・バンサル)氏やUdaanの共同創業者Sujeet Kumar(スチット・クマール)氏などのエンジェル投資家が参加した。

2020年9月にQapitaのシードラウンドをリードしたVulcan CapitalとEast Ventures、およびKoh Boon Hwee(コー・ブーン・フィー)氏、Atin Kukreja(アティン・ククレジャ)氏、Alto Partners、Mission Holdings、Northstar Group Partners、K3 Venturesなど、多くのエンジェル投資家たちも、この投資に復帰した。East Venturesの共同創業者でマネージングパートナーのWillson Cuaca(ウィルソン・クアカ)氏が、Qapitaの取締役会に加わる。

関連記事:スタートアップは鍵となる従業員に何%の株を渡せばいいのか

Qapitaは現在、インドネシアとシンガポールとインドのクライアントにサービスし、スタートアップに注力している。同社のソフトウェアで非公開企業は、キャップテーブル(資本政策表)をデジタル化して管理し、デューディリジェンスを行い、株を従業員に発行する。Qapitaは2019年にRavi Ravulaparthi(ラヴィ・ラヴラパルティ)氏とLakshman Gupta(ラクシュマン・グプタ)氏とVamsee Mohan(ヴァムゼー・モハン)氏が創業し、今では30名のチームに成長している。

同社の目標は、スタートアップによる株の発行をもっと容易にすることによって、インドと東南アジアのスタートアップのエコシステムにより大きな流動性と再投資を生み出すことだ。Qapitaは現在100あまりの企業にサービスを提供しており、新たな資金は機能をもっと増やすことと、法務、会計経理、秘書業務などのサービスプロバイダーたちとパートナーすることに投じられる。

プレス向けの声明でMassMutual VenturesのマネージングディレクターのAnvesh Ramineni(アンヴェシュ・ラミネニ)氏は次のように述べている。「今私たちがグローバルに目撃しているのは、上場市場と非上場市場との合体というトレンドだ。Qapitaは彼らのソリューションによって、当地域でそれを可能にしている。そのために同社は、キャップテーブルの作成やステークホルダーの管理、株式のデジタル化とその発行、そして流動性のソリューションといった一連のサービスを提供している。同社のチームは、経験と地域市場の理解とプロダクトの専門性という三点において、彼らのビジョンを提供するに十分な正しい組み合わせを有していると信じている」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Qapitaシンガポール資金調達

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

シンガポール拠点のキャリアプラットフォームGlintsがシリーズCで約24億円を調達

シンガポールを拠点とするキャリアプラットフォームのGlintsは米国時間4月6日、日本の人事管理会社であるPERSOL HoldingsがリードするシリーズCラウンドで2250万ドル(約24億円)を調達したと発表した。今回調達した資金はGlintsのシンガポール、インドネシア、ベトナム、台湾における事業拡大と、同社の製品およびエンジニアリングチームの雇用に充てられる。

Glintの共同創業者でCEOのOswald Yeo(オズワルド・ヨウ)氏によると、今回の資金調達は東南アジアの人材プラットフォームとしてはこれまでで最大規模のものであり、同社の調達総額は3300万ドル(約36億円)に達したと述べている。その他の参加者には以前から投資しているMonk’s Hill Ventures、Fresco Capital、Mindworks Ventures、Wavemaker Partners、Flipkartの共同創業者であるBinny Bansal(ビニー・バンサル)氏、元Goldman Sachs TMT Chinaのトップでパートナーを務めるXiaoyin Zhang(シャウエン・ジャン)氏などがいる。

2013年に設立されたGlintsは150万人以上のプロフェッショナルとGojek、Tokopedia、Starbucks、Mediacorpを含む3万の組織で利用されている。ヨウ氏によると、現在のユーザーの大部分はテクノロジーと金融サービスの分野からのものだが、Glintsは 「若手から中堅までの専門家を幅広く対象としており、長期的な目標は分野にとらわれないことだ」 と述べている。

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LinkedIn、JobStreet、CakeResumeといった他の求人プラットフォームとGlintsとの違いは、キャリアアップを望む人たちのために 「フルスタック」 のサービスを構築していることだ。同社によると毎月7000件以上のリスティングがあり、400万人の訪問者があるジョブマーケットプレイスに加えて、Glintはコミュニティ機能やオンラインクラスなどのスキル教育も提供している。

Glintのバリュープロポジションの1つは企業、特にテクノロジー企業が地域の人材不足に対処するのを支援することだ。このテーマは最近、Monk’s Hill Venturesの総合レポートでも取り上げられた。

このレポートでは、シンガポールなど特定の市場での人材不足に対応するため、東南アジアの異なる国に拠点を置くチームを採用するというソリューションを紹介している。Glintsによると、同社の国境を越えたリモートワークハブであるTalentHubはパンデミックの影響もあり、雇用主がリモートでの雇用に前向きになったため、2020年には事業を倍増させたという。

カテゴリー:HRテック
タグ:Glints資金調達シンガポール

画像クレジット:Glints

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(文:Catherine Shu、翻訳:塚本直樹 / Twitter

企業の標準作業手順の自動化を支援するシンガポールのNimblyが5.1億円調達

店舗やレストランを中心とした多くの職場は、業務を円滑に進めるためにスプレッドシートを使った手作業に頼っている。シンガポールに拠点を置くNimbly(ニンブリー)は、そのプロセスをより自動化するためのソフトウェアを開発している。提供する機能には、デジタルチェックリスト、在庫管理、現場監査などがあり、モバイルアプリからアクセスすることができる。今回、同スタートアップは、Insignia Ventures Partnersが主導し、Sovereign’s CapitalとSaison Capitalが参加したプレシリーズAで、460万ドル(約5億1000万円)を調達したことを発表した。

2018年に、Daniel Hazman(ダニエル・ハズマン)氏とJonathan Keith(ジョナサン・キース)氏によって創業されたNimblyは、現在、インドネシア、シンガポール、マレーシア、米国など7カ国100以上の組織で使用されている。Nimblyのユーザーの大部分は、小売業や飲食業で、たとえばKFC(ケンタッキーフライドチキン)、Kopi Kenangan(コピ・ケナンガン)、7-Eleven(セブン-イレブン)、Under Armour(アンダーアーマー)などが含まれている。また、Cargill(カーギル)やWilmar(ウィルマー)のように、日用消費財や農業分野の顧客もいる。

今回の資金調達により、調達額は570万ドル(約6億3000万円)となる。新しい資金は、レストラン運営会社であるExpress Food Group(エクスプレス・フード・グループ)との新たな提携を含む、Nimblyの東南アジアでの事業拡大や、さらなる分析、覆面調査、従業員トレーニングなどの製品の追加のために投入される。

Nimblyは、スプレッドシート、電子メール、メッセージングアプリの機能を1つのアプリにまとめることで、それらを置き換えるようにデザインされている。ここには、チェックリスト、監査、ライブビデオなどが含まれ、確実にすべての拠点で標準作業手順が守られるようにする。例えばレストランでは、食品の安全性や衛生基準が守られているかどうかをNimblyで確認することができる。日用消費財(FMCG)企業であれば、店舗での在庫状況の把握や、競合他社との比較などの情報共有に使うことができ、農業分野であれば、生産者が農場でサステナブルな対策をとっているかどうかを確認することに使うことができる。

Insignia Venture Partnersの創業マネジメントパートーナーであるYinglan Tan(インラン・タン)氏は次のように語った「SaaS企業は、東南アジアでは新たな分野として注目されています。あらゆる規模や業種の企業がソフトウェアツールへの移行、さらにはアップグレードを考えています。なので、ダニエルとジョナサンたちやNimblyのチームとパートナーシップを組むことができて、非常にうれしく思っています。彼らはこの分野の企業プロセス支援ソフトウェアの開発で、アジアで先行していますし、やがて世界展開も視野に入れていますから」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Nimblyシンガポール資金調達業務効率化

画像クレジット:Nimbly

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

タマゴを使わないタマゴとマヨネーズを開発する代替タンパク製品のEat Justがさらに217億円調達

タマゴを使わないタマゴとマヨネーズ、そして初めてシンガポール政府の承認を得た培養鶏肉のメーカーEat Jsut(イート・ジャスト)は、新規ラウンド2億ドル(約217億円)の資金調達を行ったと発表した。

このラウンドは、カタールの政府系ファンドQatar Investment Authorityが主導したもの。これに、Charlesbank Capital Partners、Microsoft(マイクロソフト)の共同創設者Paul G. Allen(ポール・G・アレン)氏の遺産で運用される投資会社Vulcan Capitalが参加している。

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2011年、Hampton Creek(ハンプトン・クリーク)として創設されて以来、同社は総額6億5000万ドル(約705億円)以上を調達した。そのすべてが、代替タマゴ製品と新しい培養肉生産ラインの確立に注ぎ込まれている。

「私たちは、健康的で安全で持続可能なフードシステムを投資家のみなさんと構築できることを、大変にうれしく思っています。数々の産業の改革を進めてきたその企業提携の知識と専門性が、彼らをパートナーと決めた私たちの判断の根幹にあります」と、Eat Jsutの共同創設者にしてCEOのJosh Tetrick(ジョシュ・テトリック)氏は声明で述べている。

Eat Jsutの発展は、円満に進んできたわけではない。2017年、同社とその最高責任者はクーデター未遂事件に巻き込まれ、結果として数名の幹部の解雇を余儀なくされた。その解雇が、取締役会の全員辞職という事態を招いたが、数カ月後に新しい取締役を迎えることで事なきを得た。

この騒ぎの後、Hampton Creekはリブランドを行い、目標も刷新した。現在、同社の製品は、同系統の2つのカテゴリーに絞られている。植物由来の代替タマゴ製品、タマゴを使わないマヨネーズ、養鶏場で飼育された鶏の肉に置き換わる培養チキン製品だ。

Just Eatのチキンおよびタマゴ事業のうち、先陣を切ったのはタマゴ製品だった。そのため、2万を超える小売店と1万を超えるフードサービス店舗で同社製品が販売されていることは注目に値する。この製品は販売開始以来、アメリカの100万世帯に1億個以上のタマゴを届けている。

このタマゴ製品は、中国のファストフードチェーンDicos(ディコス)でも売られている。また、Cuisine Solutions(キュイジン・ソリューションズ)とは、代替タマゴの低温調理製品を販売する契約も結んだ。さらにPeet’s Coffee(ピーツ・コーヒー)のアメリカ全国の店舗でも購入が可能だ。Eat Justは、タマゴを使わないタマゴ製品の流通基盤をカナダにも広げたと話している。

次に来るのが GOOD Meat(グッド・ミート)製品だ。これはシンガポールで短期間だけ販売されていた。同社は、生産コストを下げ、他の種類の代替肉製品と並行して商品化を進めてゆく考えを声明に記している。

Khosla VenturesとFounders Fundからの、初めての百万ドル(数億円)単位の資金調達でスタートを切ってからここまで、Eat Jsutが歩んだ道のりは長かった。

カテゴリー:フードテック
タグ:Eat Just代替卵 / 植物由来卵培養肉資金調達シンガポール

画像クレジット:Eat Just

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:金井哲夫)

M Capital Managementが東南アジアのスタートアップに投資する最初のファンドを約33.6億円でクローズ

M Capital Managementの創業パートナーであるヨアヒム・アッカーマン氏(左)とマヤンク・パレック氏(右)(画像クレジット:M Capital Management)

シンガポールを拠点とするベンチャーキャピタルのM Capital Management(Mキャピタル・マネージメント)は現地時間3月22日、デビューファンドであるM Venture Partners(Mベンチャー・パートナーズ)を総額3085万ドル(約33億5600万円)でクローズしたと発表。このファンドはシードおよびプレシリーズAのアーリーステージにあるスタートアップ企業40社への投資を予定しており、平均的な初回の小切手額は約50万ドル(約5440万円)となる。

M Capital Managementは、Mayank Parekh(マヤンク・パレック)氏とJoachim Ackermann(ヨアヒム・アッカーマン)氏によって設立された。パレック氏は、Grange Partners(グランジ・パートナーズ)の起ち上げや、Southern Capital Group(サザン・キャピタル・グループ)、McKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)でリーダーを務めるなどの投資経験を持つ。アッカーマン氏は、Google Asia Pacific(グーグル・アジア・パシフィック)の元マネージングディレクターだ。その他のシニアチームメンバーには、Entrepreneur First(アントレプレナー・ファースト)のローンチマネージャーだったTanuja Rajah(タヌジャ・ラージャ)博士、Acquity Stockbrokers(アクイティ・ストックブローカーズ)の前リサーチディレクターだったChethana Ellepola(チェサナ・エレポラ)氏が含まれる。

分野にとらわれないファンドであるM Venture Partnersは、最近オーストラリア証券取引所に上場した3D Metal Forge(3Dメタル・フォージ)を含め、すでに11社に投資している。

他の投資先企業には、行動健康コーチングのスタートアップ企業であるNaluri(ナルリ)、AIを活用した融資およびクレジット・アズ・ア・サービス企業のImpact Credit Solutions(インパクト・クレジット・ソリューションズ)、オルタナティブ投資ファンドのアグリゲーション企業であるXen Capital(ゼン・キャピタル)、インドで腫瘍治療をより安価で利用しやすいものにすることに注力しているCipher Cancer Clinics(サイファ・キャンサー・クリニック)などがある。

パレック氏はM Capital Managementを起ち上げた理由について、次のようにTechCrunchに語った。「この地域のアーリーステージ投資スペースには、大きな成長の余地があると我々は信じています。10年前には、ユニコーンはほとんどいませんでした。これが最近になって大きく変化したのは、明らかな進歩によって、これまでサービスを受けていなかった、あるいはサービスを利用していなかった人々がオンラインになったからだけでなく、資金調達を必要とするさまざまな段階の企業に対する組織的VCのサポートや、政府機関のサポート、地元のアクセラレーターの出現、急速に成長しているエンジェル投資団体のネットワークなど、シンガポールで、さらには地域全体で、ベンチャーシステムがうまく発展したからです」。

パレック氏は、さらなるユニコーンや「soonicorns(近い将来、ユニコーンの評価を受けると予想される企業)」の出現に期待していると付け加えた。

分野を問わないアーリーステージの投資家として、M Capital Managementが重視するのは創業者であり、特に「専門的な経験と優れた学歴」を持つ人だとパレック氏はいう。例えば、Naluriの最高経営責任者であるAzran Osman-Rani(アズラン・オスマンラニ)氏は、AirAsiaX(エアアジアX)の創業者であり、6年間で同社の起ち上げから2013年に新規株式公開するまで導いた経験を持っている。

M Capital Managementは、主にB2BまたはB2B2Cの企業に投資するため、シンガポールを拠点とするスタートアップに焦点を当てている。「私たちが選んだスタートアップ企業が、大手企業やビジネスパートナーとビジネスモデルを立ち上げるためには、肥沃な土壌が必要です」と、パレック氏は語る。「シンガポールはまさにそれを提供します。この国は市場をリードする機関のハブであり、新しい技術や破壊的なアイデアのための好機を作り出すことも珍しくありません」。

M Capital Managementの投資先企業の多くは「シンガポールを中核的な起ち上げプラットフォームとして活用し、地域またはグローバルな展開を目指している」と、パレック氏は付け加えた。同社はすでにマレーシアとインドで投資を行っており、タイ、フィリピン、インドネシアの会社にも積極的に目を向けている。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:M Capital Managementシンガポール東南アジア

画像クレジット:M Capital Management

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

海運業界の技術革新を支援する新ファンドMotion VenturesをRainmakingが起ち上げ

左からRainmakingの共同設立者Michael Pomerleau(マイケル・ポマーロー)氏、ディレクターShaun Hon(ショーン・ホン)氏、Wilhelmsenのオープンイノベーション担当副社長Nakul Malhotra(ナクル・マルホトラ)氏

シンガポール政府の支援を受け、海運業界の技術革新を支援する新しいファンドが発足した。Motion Ventures(モーション・ベンチャーズ)と呼ばれるこのファンドは、3000万SGD(約24億円)を目標としており、世界最大級の海事ネットワークを持つWilhelmsen(ウィルヘルムセン)と物流会社のHHLAがアンカー投資家として参加し、最初のクロージングを完了した。

Motion Venturesは、アクセラレータープログラム「Startupbootcamp」を運営するベンチャー構築・投資会社のRainmaking(レインメイキング)が起ち上げたもので、政府機関Enterprise Singapore(シンガポール企業庁)の投資部門であるSEEDS Capital(シーズ・キャピタル)と共同でスタートアップに投資する。

SEEDS Capitalは2020年6月、海運系スタートアップに5000万SGD(約40億円)を投資する計画を発表した。その目標は、より弾力性のあるサプライチェーンを構築し、新型コロナウイルス感染流行で強調された問題を修正することだ。

Motion Venturesのジェネラルパートナーで、RainmakingのディレクターでもあるShaun Hon(ショウン・ホン)氏がTechCrunchに語った話によると、同ファンドはAI、機械学習、自動化に注力している20社程度のアーリーステージのスタートアップに投資する計画で、投資額の規模は50万SGD(約4000万円)から200万SGD(約1億6000万円)の間であるとのこと。

「脱炭素化、サプライチェーンの回復力、安全性の向上など、我々は海事バリューチェーンにおける最大の課題のいくつかに目を向けています。ほとんどの場合、この業界の課題に対応する技術はすでに存在していますが、それらのソリューションを企業にどのように適用するかという工夫が欠けているのです」と、ホン氏はいう。

「Motion Venturesが目指しているのは、そこの対処です。業界で選出された者からなるコンソーシアムを結成し、プロセスの早い段階で起業家とつながることができれば、誰もが成功する可能性を最大限に高めることができます」。

Motion Venturesは、出資するだけでなく、Wilhelmsenのような老舗の海運会社と引き合わせ、スタートアップ企業の事業化とその技術をサプライチェーンに統合するための支援を行う計画だ。また、Motion Venturesのスタートアップは、Ocean Ventures Alliance(オーシャン・ベンチャーズ・アライアンス)からメンタリングを受けることもできる。Rainmakingが2020年11月に起ち上げたこのアライアンスには、現在40社以上の海事バリューチェーン業界のリーダーが参加している。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Motion Venturesシンガポールベンチャーファンド海運業物流

画像クレジット:Rainmaking

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

シンガポールの植物由来肉スタートアップNext Genがシード投資10.6億円を調達

シンガポールは、代替肉の開発を支援する政府の取り組みなどもあり、急速にフードテックスタートアップの拠点となりつつある。そこに参入した新興企業の中にNext Gen(ネクスト・ジェン)がある。同社は2021年3月、シンガポール国内のレストランに向けて、植物由来「チキン」のブランドTiNDLE(ティンドル)を立ち上げる。また同社は米国時間2月24日、1000万ドル(約10億6000万円)の資金調達を発表した。このシード投資ラウンドに参加したのはTemasek、K3 Ventures、EDB New Ventures(シンガポール経済開発庁の投資部門)、NX-Food、FEBE Ventures、Blue Horizonとなっている。

Next Genは、PitchBookの調査データをもとに、これは植物由来食品技術の企業が調達したシードラウンドの中で最大の投資額だと主張している。同社が外部から投資を受けたのはこれが初めてながら、当初の目標額700万ドル(約7億4200万円)を上回った。Next Genは2020年10月、Timo Recker(ティモ・レッカー)氏とAndre Menezes(アンドレ・メネゼス)氏によって、資本金220万ドル(約2億3300万円)で創設された。

Next Genの最初の製品は、TiNDLE Thy(ティンドル・サイ)という鶏もも肉の代替品だ。材料は水、大豆、麦、オート麦繊維、ココナッツ油、結着剤のメチルセルロースなどとなっているが、チキンの風味は、ひまわり油などの植物油と天然の香味料で作られ、鶏肉と同じように調理できる。

Next Genの最高執行責任者メネゼス氏がTechCrunchに話したところによると、同社の目標は、Impossible(インポッシブル)やBeyond(ビヨンド)が植物由来ハンバーガーのリーダーであるように、植物由来チキンの世界的なリーダーになることだそうだ。

「消費者も料理人も、鶏肉の食感、味、香りを求めます。その多くは鶏肉の脂によるものです。私たちが胸肉ではなく、もも肉でスタートしたのはそのためです」とメネゼス氏。「私たちは、Lipi(リピ)というブレンドで鶏の脂を作りました。香りと、焼いたときに茶色くなるところを再現しています」。

レッカー氏もメネゼス氏も、食品業界での長い経験を持つ。レッカー氏はドイツで植物由来の代替肉を作る企業LileMeat(ライクミート)を創設している。2020年この会社はLIVEKINDLY Collective(ライブカインドリー・コレクティブ)に買収された。メネゼス氏の食品産業でのキャリアはブラジルで始まった。世界最大級の鶏肉輸出国だ。彼は革新的で持続可能な製品を中心的に輸入と流通を行うシンガポールの会社Country Foods(カントリー・フーズ)でゼネラルマネージャーを務めた後、植物由来代替肉の会社で働き始めた。

「かなりの長期間を食肉産業で過ごしてきた私は、長い目で見たらそこは持続可能な業界ではないと悟ったのです」とメネゼス氏はいう。

この数年間、同じように感じる消費者が増えきたことを受けて、彼は動物由来食品に代わるものを探し始めた。UBSは、人々はビーガンや菜食主義者でなくても、より健康的で人道的なタンパク源を好むようになり、2025年には世界の植物性タンパク質市場の複合年間成長率は30パーセント以上となり、500億ドル(約5兆3000億円)規模になると予測している

特にミレニアル世代とZ世代の消費者は、畜産業による環境への影響の意識の高まりから、肉、卵、乳製品の消費を減らしたいと考えるようになっている。「彼らは食品ごとの持続可能性と、コレステロールや栄養価といった健康面をよくわかっています」。

ナトリウムと飽和脂肪が少ないTiNDLE Thyは、シンガポール健康促進局のHealthier Choice Symbol(健康的な選択マーク)を授与されている。Next Genが今回調達した資金は、TiNDLE Thyのローンチに役立てられる。最初は、シンガポールの人気レストランThree Buns Quayside、the Prive Group、28 HongKong Street、Bayswater Kitchen、The Goodburgerに製品が提供される。

1〜2年後には、Next GenはシリーズA投資ラウンドを立ち上げ、ブランドや製品を増やし、ターゲットとする市場も、米国(現在流通ネットワーク構築のための成長担当ディレクターを募集中)、中国、ブラジル、ヨーロッパへと拡大していく予定だ。レストランと共同で事業を展開した後は、Next Genは家庭向けにも製品を販売する計画を立てている。

「最初に料理人に提供する理由は、彼らは大変に厳しい評価を下すからです。もし料理人がこの製品に満足できたなら、消費者も喜んでくれると確信できます」とメネゼス氏は話していた。

関連記事:Beyond Meatの代替肉バーガーが中国アリババのスーパーに登場

カテゴリー:フードテック
タグ:Next Gen代替肉資金調達シンガポール

画像クレジット:TiNDLE/Next Gen

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(文:Catherine Shu、翻訳:金井哲夫)

医療機関向けAIチャットボットのBot MDがアジア市場拡大のため5.3億円を調達

医療従事者は時間と闘っている。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の状況ではさらに厳しい。シンガポールに拠点を置くBot MDは、時間の節約に役立つAIベースのチャットボットを提供している。このチャットボットで、医師は病院関係者に電話をかけたりイントラネットにアクセスしたりすることなく、スマートフォンで重要な情報を調べられるようになる。米国時間2月2日、Bot MDはMonk’s Hill Ventureが主導するシリーズAで500万ドル(約5億2500万円)を調達したと発表した。

SeaX、XA Network、SG Innovateのほか、エンジェル投資家のYoh-Chie Lu(ヨーチー・ルー)氏、Jean-Luc Butel(ジャン=リュック・ブテル)氏、Steve Blank(スティーブ・ブランク)氏も支援した。Bot MDはY Combinatorの2018年夏学期に参加していた。

調達した資金はインドネシア、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどアジア太平洋地域での拡大と、コロナ禍における病院や医療機関からの要望に応える機能の追加に使われる。Bot MDのAIアシスタントは現在、英語に対応しているが、2021年後半にはインドネシア語とスペイン語に対応する予定だ。現在はChangi General Hospital、National University Health System、National University Cancer Institute of Singapore、Tan Tock Seng Hospital、Singapore General Hospital、Parkway Radiology、National Kidney Transplant Instituteといった医療機関でおよそ1万3000人の医師がBot MDを利用している。

共同創業者でCEOのDorothea Koh(ドロシア・コー)氏はTechCrunchに対し、Bot MDは一般に複数のシステムに保管されている院内の情報を統合しアクセスしやすくすると説明した。

画像クレジット:Bot MD

Bot MDがなければ、医師は病院関係者に電話をかけてスタッフの状況を聞き、連絡先を教えてもらう必要があるかもしれない。薬の情報が必要なら今度は薬局に電話をかけることになる。最新のガイドラインや臨床のプロトコルを確認する必要がある場合には、院内のイントラネットに接続されているコンピュータを見つけなくてはならないことが多い。

コー氏は「Bot MDの役割は、医師が必要とするコンテンツを365日24時間検索できる単一のインターフェイスに統合することです」という。

たとえばこのコロナ禍で、医療従事者がチャットボットに「体温を記録」と入力すると、その人の情報があらかじめ入力されたフォームが表示される新機能がBot MDに導入された。多くの場合、医療従事者は自分の体温を記録するために1日に2回、所属組織のイントラネットにアクセスしていたが、コー氏によればBot MDでフォームを使えるようになりコンプライアンスが大幅に強化されたという。

Bot MDの導入にかかる時間は統合する情報システムやコンテンツ量によって異なるが、独自の自然言語処理チャットエンジンによりAIのトレーニングは比較的短時間でできるとコー氏は説明する。たとえば最近Bot MDを導入したChangi General Hospitalでは、10日もかからずに利用を開始した。

Bot MDは電子医療記録(EMR)、請求とスケジューリングの統合、アラート、慢性疾患の追跡などの新しい医用アプリをプラットフォームに追加する計画だ。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Bot MD資金調達シンガポールチャットボット

画像クレジット:Bot MD

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)

東南アジアの金融インフラ構築を進めるシンガポールのFinantierがY Combinatorから支援を獲得

「underbanked」であることは、金融サービスへのアクセスがない人を意味するわけではない。その代わり、従来の銀行口座やクレジットカードを持たないことを往々にして指す。しかしインドネシアのようなマーケットでは、多くの人がデジタルウォレットやeコマースプラットフォームを使っている。これは運転資本や他の財務ツールを確保するのに役立つユーザーデータの別のソースになっている。シンガポール拠点のオープンファイナンススタートアップFinantier(ファイナンティア)は、ユーザーデータへの金融サービスアクセスを提供する1つのAPIでそうしたデータを合理化したいと考えている。ここにはクレジットスコアやKYC(与信審査)の認証を可能にする機械学習ベースの分析も含まれる。

20超のクライアントを抱え、現在ベータ版を展開しているFinantierは正式立ち上げに向けた準備で忙しい。同社は米国時間12月22日、Y Combinatorの2021年冬季スタートアップとして受け入れられたと発表した。同社はまた、額は非公開ながらこのほどプレシードの資金を調達した。本ラウンドはEast Venturesがリードし、AC Ventures、Genesia Ventures、Two Culture Capitalなどが参加した。

Finantierは2020年初めにDiego Rojas(ディエゴ・ロハス)氏、Keng Low(ケン・ロウ)氏、Edwin Kusuma(エドウィン・クスマ)氏によって設立された。3人とも新興マーケットでオープンファイナンスを可能にすることを目的としたフィンテック企業向けのプロダクト構築の経験がある。

オープンファイナンスは、オープンバンキングから生まれた。PlaidとTinkが構築されたのと同じフレームワークだ。これは、ユーザーの金融データを銀行や他の機関の中に格納する代わりにユーザーがよりコントロールできるようにすることを意図している。ユーザーは自身の銀行口座やクレジットカード、デジタルウォレットなどを含むオンライン口座の情報へのアクセス権をアプリやウェブサイトに付与するかどうかを決定できる。オープンバンキングは主に決済アカウントと称されるが、その一方でFinantierが専門とするオープンファイナンスは商業融資、住宅ローン、保険引受などを含むさまざまなサービスをカバーする。

Finantierはまずシンガポールとインドネシアに注力するが、他の国にもサービスを拡大し、Plaidのようなグローバルフィンテック企業になる計画だ。すでにベトナムとフィリピンに目をつけていて、ブリュッセルで提携も結んだ。

Finantierを興す前にロハス氏はP2Pの融資プラットフォームLending ClubやDianrong向けのプロダクトに取り組み、東南アジアのいくつかのフィンテックスタートアップでCTOを務めた。同氏は多くの企業が他のプラットフォームや銀行からのフェッチデータを統合したり、異なるプロバイダーからデータを購入したりするのに苦戦していることに気づいた。

「人々はオープンバンキングや埋め込み型金融などについて話し合っていました」とFinantierのCEOであるロハス氏はTechCrunchに語った。「しかしそれらはもっと大きなもの、すなわちオープンファイナンスの構成要素です。特に大人の60〜70%が銀行口座を持たない東南アジアのような地域では、消費者や事業所が複数のプラットフォームに持っているデータを駆使するのをサポートしていると確信しています。それは絶対に銀行口座である必要はなく、デジタルウォレットやeコマースプラットフォーム、その他のサービスプロバイダーだったりします」。

消費者にとって意味するところは、クレジットカードを持っていなくても、たとえばeコマースプラットフォームでの完了した決済のデータを共有することで信用力を構築できるということだ。ギグエコノミー労働者は、毎日の乗車や他のアプリを通じてしている仕事についてのデータを提供することで、より多くの金融サービスやディールにアクセスできる。

東南アジアの金融インフラを構築する

東南アジアに注力している他のオープンバンキングスタートアップにはBrankasやBrickがある。ロハス氏はFinantierがオープンファイナンスに特化していること、エンドユーザー向けのサービスを構築するために金融機関向けのインフラを作っていることで差異化を図っていると述べた。

金融機関にとってのオープンファイナンスのメリットは、より消費者に適したプロダクトを作ることができ、売上高共有モデルの機会を得られることだ。これは東南アジアでは銀行口座などをもたず、さもなくば金融サービスへのアクセスがない人々にリーチできることを意味する。

Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加する一方で、Finantierはインドネシア金融サービス庁の規制緩和制度にも参加する。このプログラムを終了したら、大手機関を含むインドネシアのさらに多くのフィンテック企業と提携することが可能になる。

インドネシアには、銀行口座を持たないなど金融サービスを十分に利用できていない大人が1億3900万人いる、とEast Venturesの共同創業者でマネジングパートナーのWilson Cuaca(ウィルソン・クアカ)氏は話した。

インドネシアを専門とする同社はEast Ventures Digital Competitiveness Indexという年次調査を行うが、金融排除が現在存在する最大の格差の1つだと指摘した。ジャカルタが立地するジャワのような人口の多い島で利用できる金融サービスの数と、他の島々のものとではかなりの差がある。

金融インクルージョンを促進し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの経済影響を軽減するために、政府は1000万の零細・中小企業が年末までにデジタルに移行するという目標を打ち出した。オンラインで販売する零細・中小企業は現在800万で、インドネシアの零細・中小企業のわずか13%にすぎない。

Finantierに出資するというEast Venturesの決定について、クアカ氏は「金融サービスへの平等なアクセスを提供することは、インドネシア経済に乗数効果を及ぼすことができます」とTechCrunchに語った。「現在、金融サービスを多くの人に提供するために何百という企業が独自のソリューションに取り組んでいます。そうした企業がより多くのプロダクトやサービスを、金融サービスを活用できていない人々に提供するのをFinantierがサポートすると確信しています」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:FinantierY Combinator資金調達東南アジアシンガポール

画像クレジット:Finantier

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(翻訳:Mizoguchi

シンガポール政府が9.3億円でコロナ禍でさらに重要度が増したブロックチェーン研究プログラム開始

シンガポール政府機関のグループが、1200万シンガポールドル(約9億3600万円)の資金提供を受けて、ブロックチェーン技術のための新しい研究プログラムを開始する。Singapore Blockchain Innovation Programme(SBIP)と呼ばれるこのプロジェクトはEnterprise Singapore(シンガポール企業庁)、Infocomm Media Development Authority(情報通信開発庁)、およびNational Research Foundation Singaporeの3つの機関が協力しており、シンガポールの中央銀行で金融規制当局であるシンガポール金融管理局の支援を受けている。

SBIPの資金は国立研究財団から提供されており、企業によるブロックチェーン技術の開発、商業化、採用促進に使われる。プログラムではまず貿易、物流、サプライチェーンにおけるブロックチェーンの利用に焦点を当てる。

プレスリリースによると、このプログラムは今後3年間で「75社近くの企業と参加する」という。すでに世界的なサプライチェーンプラットフォームであるDimutoと提携して、ブロックチェーン技術を使って生鮮食品の追跡を行い、農家の信用力を高めることを目指している。

このプログラムにおける他の計画には、ブロックチェーンのシステムとネットワークが互いに協力するのを助ける方法を見つけること、ブロックチェーン部門の人材プールを増やすことが含まれている。

スタートアップからIBMのような巨大企業まで、何年も前からブロックチェーン技術を使ってより透明で結束力のあるサプライチェーンを構築しようと模索してきているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が国際的な物流とサプライチェーンの脆弱性を浮き彫りにしたことで、この問題はより緊急性を帯びてきた。

シンガポール企業庁の会長であるPeter Ong(ピーター・オン)氏は声明で、「新型コロナウイルスは、新しいデジタルの世界において、信頼できるビジネスシステムの必要性を強調してきました。ブロックチェーン技術は、物流やサプライチェーンにまたがるアプリケーションへの信頼の向上、デジタルアイデンティティや認証情報への貿易金融を支援します」と述べている。

シンガポール政府は自らをブロックチェーン開発者や企業のパートナーと位置づけ、他国よりもオープンな「暗号ハブ」になることを目標にしている(未訳記事)。他のブロックチェーンに関する政府の取り組みとしては、シンガポール金融管理局の「Project Ubin」がある。2016年にスタートしたこのプロジェクトは、40社以上の企業と行ったテストの結果、同社のマルチカレンシー決済ネットワークがその商業的可能性を証明したと2020年7月に発表している。

カテゴリー:フィンテック
タグ:シンガポールブロックチェーン

画像クレジット:cgImages / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Eat Justは世界初の認証を取得しシンガポールで培養肉の販売を開始

Eat Just(イート・ジャスト)は、シンガポール食品庁(SFA)の認証を取得し、研究室で培養した鶏肉の販売をシンガポールで開始する。この細胞培養で作られた鶏肉は、いずれはEat JustのGood Meat(グッド・ミート)という新しいブランドの下、地元の製造業者とのパートナーシップにより生産されるようになり、一般消費者向けの前にまずはレストラン向けに出荷される。

数多くの企業がさまざまな技術を使って培養肉の開発に取り組んでいるが、Eat Justは「世界で初めて」シンガポール政府の審査を受け規制当局の認証を受けたと説明している。

Eat Justでは、培養肉の製造に使用する細胞株をニワトリを殺さずに採取している、とコミュニケーション担当グローバルヘッドのAndrew Noyes(アンドリュー・ノイエス)氏はTechCrunchに語った。まずは細胞の分離から始める。細胞は、生きた動物の生体検査でも使われる方法で採取される。培養した細胞はバイオリアクターに移され、タンパク質、アミノ酸、ミネラル、糖、塩、その他の栄養を独自に配合した養分が与えられる。そして、十分な密度に達したところで収穫となる。

同社は、1200リットルのバイオリアクターで細胞培養鶏肉の生産を20回行い、安定した生産プロセスが証明されたと話している。またEat Justは、抗生物質を使用しないが、その培養鶏肉は「通常の鶏肉に比べて、微生物の含有量が非常に少なく極めて清潔」であると主張している。

ノイエス氏は、Good Meatブランドの鶏肉をメニューに加えるための協力をレストランと重ねており、近々ローンチをお知らせできると話していた。

米国時間12月1日のEat Justの発表で、CEOのJosh Tetrick (ジョシュ・テトリック)氏は「長い間シンガポールは、情報テクノロジーからバイオ医薬まで、あらゆる分野でイノベーションをリードしてきました。そして今、健康的で安全な食品システムの構築で世界をリードしようとしています」と述べている。

現在、シンガポール政府は「30 by 30」という運動を推進している。2030年までに国内の食品供給量の30パーセントを国内で生産するというもの(The Straits Times記事)だ。食品の90%を輸入に頼るシンガポールは、輸出規制や新型コロナウイルスのパンデミックで打撃を受け注目を集めた流通問題似対して脆弱であるため、SFAが指揮するこの取り組みが急務なのだ。「30 by 30」の一貫として、SFAとシンガポール科学技術研究庁は、研究用資金として1億4400万シンガポールドル(約112億5000万円)を準備した。

植物由来の代替タマゴ製品なども販売しているJust Eatは、2020年11月にProterra Investment Partners Asiaと提携して新しいアジアの子会社設立を発表した。この提携には、政府の経済開発委員会から資金援助を受けたシンガポールの工場も含まれている。

培養肉や植物由来のタンパク質の需要が、アジア市場で高まっている要因はいくつもある。1つは、新型コロナのパンデミックでも関心が高まった食肉処理場の肉の安全性への懸念だ。またパンデミックは、生産とサプライチェーンの脆弱性も浮き彫りにしたが、これも、培養肉や代替肉で回避できるかも知れない。

関連記事:緑豆から卵の代替品を作るEat JustがProterraと提携してアジアに新子会社を設立

カテゴリー:フードテック
タグ:Eat Just細胞培養代替肉シンガポール

画像クレジット:Eat Just

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(翻訳:金井哲夫)

シンガポールにあるテックベースの不動産業者「Propseller」がシードラウンドで約1.3億円を調達

シンガポールを拠点とし、テックプラットフォームと社内不動産エージェントを組み合わせて取引を迅速に完了させる不動産業者のPropsellerが米国時間10月19日、シードラウンドで120万ドル(約1億3000万円)を調達したと発表した。

このラウンドでは、Iterative、Hustle Fund、XA Network、Rapzo Capital、Lazada共同創業者のStein Jakabo(ステイン・ヤカボ)氏、Dot Property創業者のBen Neve(ベン・ネーブ)氏が投資した。Propsellerは「非公開の高度に戦略的な投資家も3者」あり、個人投資家からの再度の投資もあると述べた。

資金調達に関するPropsellerの前回の発表は2018年12月で、その時はシードラウンドで100万シンガポールドル(約7800万円)の調達だった(Propsellerの発表)。

2018年に創業し2019年にサービスを開始したPropsellerは、同社のテックプラットフォームで物件評価などの業務を支援することで取引を迅速に完了し、同社の社内不動産エージェントが取引を迅速に完了できるようになったので標準的な手数料を2%から1%に減らしているという。

Propsellerは現在、毎年7500万シンガポールドル(約58億円)相当の物件を取り扱っていると述べている。

新型コロナウイルス感染症により経済的な影響が発生しているが、シンガポールの不動産市場、特に住宅に関しては比較的早く回復すると予想されている(South China Morning Post記事)。新築分譲マンションの需要や海外投資があるためだ。Propsellerの創業者で最高経営責任者のAdrien Jorge(エイドリアン・ホルヘ)氏はTechCrunchに対し、第2四半期のPropsellerの売上は前四半期比で80%減少したが、回復しつつあると語った(LinkedInの投稿)。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の間も、オンラインダッシュボードやバーチャル見学といったテクノロジーを利用したサービスを活用して同社の担当者は顧客とのやりとりを続けることができた。シンガポールのサーキットブレーカーや一部のロックダウンの間も、Propsellerのプラットフォームは対面での見学の制限にすでに対応できていたので、オンライン見学のデジタルツールの採用を急ぐ必要はなかったとホルヘ氏は述べた。

シンガポールで不動産を扱い最近資金調達をしたスタートアップに、不動産情報プラットフォームのPropertyGuruがある。9月に同社はKKRとTPGから2億2000万ドル(約232億1000万円)を調達し、新たな東南アジア市場に進出すると発表した。PropertyGuruと最も直接的に競合しているのは99.coだが、テックプラットフォームを組み合わせたエージェントサービスを提供するPropsellerやOhmyhome、Greyloftなどのスタートアップもシンガポールの不動産市場の選択肢となっている。

ホルヘ氏によれば、OhmyhomeはFSBO(for sale by owner、所有者による売却)の取引をベースにし、従来型の業者よりも安い価格でエージェントサービスを提供するのは副次的なプロダクトであるため、PropsellerはOhmyhomeとは違うという。Propsellerはテクノロジーを活用する不動産業者であることに主眼を置いている。PropertyGuruや99.coは取引はせず物件の分類をメインとしているが、その一方でPropsellerのモデルは「従来型の業者を破壊するものであり、分類するものではない」であるとホルヘ氏は補足した。

今回の資金調達に関するPropsellerのプレス発表の中で、Iterativeのパートナー(であり、サンフランシスコを拠点とする不動産テックスタートアップ「Divvy Homes」の創業者)のBrian Ma(ブライアン・マー)氏は「世界的に見て、モダンな不動産業者がすでに市場のシェアを猛スピードで獲得しています。不動産価格が高く高品質のサービスを求められるシンガポールのような市場では、デジタル化が不可欠になると我々は考えています。その中でPropsellerが主導権を握ることを期待しています」と述べた。

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画像クレジット:Mlenny / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

エビ・甲殻類の細胞培養肉開発スタートアップShiok Meatsに東洋製罐グループが出資

エビ・甲殻類の細胞培養肉開発スタートアップShiok Meatsに東洋製罐グループが出資

総合包装容器メーカーの東洋製罐グループは10月8日、エビ・甲殻類の細胞培養開発に取り組むシンガポールのスタートアップ企業Shiok Meats(シオック・ミーツ)に出資したと発表した。

Shiok Meatsの今回の資金調達はシリーズAで、調達総額は1260万ドル(約13億3500万円)。リード投資家は、オランダの投資ファンドAqua Spark。また東洋製罐グループのほか、SEEDS Capital(シンガポール企業庁Enterprise Singaporeの投資部門)、リアルテックホールディングスなどが参画した。

Shiok Meatsは2022年に培養エビのミンチ肉の商業販売を目指しており、今回調達した資金は、シンガポールに建設予定となっている世界初・商用規模の細胞培養パイロットプラントの建設、運営資金にあてられる予定。

また東洋製罐グループは、食生活を支えるインフラ企業として、今回の出資によってShiok Meatsや他の共創パートナーとともに、培養エビ・甲殻類の商用生産・供給を進め、アジア地域における豊かで持続可能な食生活の実現を目指す。

Shiok Meatsの培養エビのミンチ肉を使用したシュウマイ

Shiok Meatsの培養エビのミンチ肉を使用したシュウマイ

Shiok Meatsは、幹細胞の研究者Dr. Sandhya Sriram(CEO)とDr. Ka Yi Ling(CTO)が2018年8月に共同設立した、シンガポールのフードテック・スタートアップ。エビ・甲殻類から幹細胞を分離する独自技術を有しており、クリーンなエビ・甲殻類の細胞培養製造によって、アジア地域が抱える食糧・タンパク質危機や気候変動、海洋汚染の社会課題解決を目指している。

東洋製罐グループは、1917年(大正6年)創業以来100年間で培った容器の技術やノウハウを活用し、ひとりひとりが抱える社会課題を解決し、持続可能な未来の暮らしを創るオープンイノベーションプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」を2019年より実施。2年目となる2020年は、共創プロジェクトを促進するため、共に社会課題の解決に取り組むスタートアップ企業への投資を開始しており。今回のShiok Meatsへの投資は、その1号案件となる。

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タグ: Shiok Meats東洋製罐グループバイオテックシンガポール細胞培養食品

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