NearMeが成田・羽田空港と都内を結ぶ送迎シャトルサービス対象エリアを23区へ拡大

NearMeが成田・羽田空港と都内を結ぶ送迎シャトルサービス対象エリアを23区へ拡大

AI活用のオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」を提供する「NearMe」(ニアミー)は10月20日、「成田・羽田空港⇔都内間」を送迎する空港送迎シャトルサービスにおいて、対象エリア拡大を発表した。従来の15区に新たに8区(中野区、杉並区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区)を加え、都内23区を対象とする。

また家族での利用も鑑み、12歳未満の児童に関しては、大人との同乗で半額になるよう新たに料金を設定した。

東京エリア発着点

  • 羽田空港第1、第2、第3ターミナル、成田空港第1、第2、第3ターミナル
  • 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区内の指定場所

東京エリア料金(大人1名あたり。区によって料金の違いがある)

  • 成田空港⇔東京23区: 1回税込4980円/人から
  • 羽田空港⇔東京23区: 1回税込2980円/人から
  • 各エリア内であれば乗降車場所問わず定額
  • スーツケースは1人1個まで無料。2個以上は1個あたり1000円
  • 12歳未満の児童2名まで半額適用。5歳以下でひざの上に抱えている場合は料金はかからない(シートが必要な場合料金がかかる)

沖縄エリア発着点

  • 那覇空港、那覇市内の一部エリア

沖縄エリア料金(大人1名あたり)

  • 那覇空港⇔那覇市内: 1回税込680円/人から
  • スーツケースは1人1個まで無料。2個以上は1個あたり300円
  • 12歳未満の児童2名まで半額適用。5歳以下でひざの上に抱えている場合は料金はかからない(シートが必要な場合料金がかかる)

NearMeは2019年、空港版のオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」のnearMe.Airport(ニアミー エアポート)を開始。また、2020年6月から通勤をサポートするnearMe.Commute(ニアミー コミュート)を開始し、どうしても出社せざるを得ない人の移動をサポートすべく、コロナ対策を行い通勤シャトルを提供。

これら経験も踏まえ、既存の公共交通機関を補完する新たな移動サービスとして、コロナ対策を強化した空港版スマートシャトルのエリアを都内23区に拡大。都内から成田・羽田空港まで、そして7月から新たに開始した那覇空港から那覇市内まで展開。今後もより多くの地域でスムーズで安心・安全な移動方法を提供していくという。

スマートシャトルは、オンラインによる事前予約制を採用。前日15時までにサイト上で予約を行う必要がある。オンライン決済が可能でチケット不要、飛行機遅延に伴う料金請求はない。

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カテゴリー: モビリティ
タグ: オンデマンド交通NearMe日本

イーロン・マスク氏のラスベガスループの旅客輸送能力は想定より大幅に少ない可能性

新型コロナウイルスの感染拡大前まで、米国最大の電子機器見本市CESには17万人を超える参加者が集い、そのため会場周辺の道路は日夜渋滞していた。そうした混雑を少しでも吸収しようと、ラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)は昨年、会場を拡大するのに使う旅客輸送手段を計画した。展示会場と駐車場の間を毎時最大4400人の参加者の移動を可能にする輸送手段を求めていた。

LVCCは、1回の運行で参加者数百人をシャトル輸送できる従来型のライトレールを考えた。しかし、結局イーロン・マスク氏のThe Boring Company(ザ・ボーリング・カンパニー、TBC)による地下システムを選んだ。(未訳記事)。これは主に、マスク氏の提案のほうが数千万ドル(数十億円)安かったからだ。LVCCのLoop(ループ)は、地下に掘った長さ0.8マイル(約1.3km)のトンネル2本の中を4人ないし5人が乗り込んだTesla(テスラ)車両を走行させてイベント出席者を輸送するというものだ。

しかしTechCrunchがレビューした計画ファイルではLoopシステムは、LVCCが望むほどの人数を運ぶことはできないようだ。TBCも認めた。

Loopシステムには3つの駅があるが、その1つでの乗降ゾーンの収容人数は1時間あたり800人だと防火法規は判断している。ほかの駅も同様の上限となれば、システムが1時間に輸送できるのはわずか1200人ということになり、これは当初約束された輸送能力の約4分の1だ。

もしTBCが目標とするパフォーマンスを達成できなければ、同社は建設予算の1300万ドル(約14億円)超をもらうことはできない。そしてシステムの運用が始まれば、罰金が科せられることになる。

TBCもラスベガス観光局(LVCVA)も複数回にわたるコメントの求めには応じなかった。

防火法規は車近くの乗降ゾーンの収容人数を1時間800人に制限している(画像クレジット:TBC/Clark County)

LVCCは常に、Loopについてはギャンブルだと認識していた。マスク氏はロサンゼルス近くにデモンストレーション用の短いトンネルを掘ったが、実際にはラスベガスが客・サービス要件を伴う初の公共システムになる。ラスベガスCarolyn Goodman(キャロリン・グッドマン)市長の2019年5月の分析では、TBCの証明されていないシステムはLVCCの母体LVCVAにとってハイリスクとなると結論づけた。

そのため、LVCVAがThe Boring Companyと契約を結んだとき、マスク氏が約束したものを提供するよう促すのに最善を尽くした。契約は固定価格となる見込みで、TBCはすべての支払いを受けるには特定のマイルストーンを達成しなければならない。トンネル掘削完了で(いつ完了してもおかしくない)、TBCは総額の30%余りを受け取る。次の大きなマイルストーンはシステムの完成で、そうなれば1000万ドル(約11億円)超の支払いを受けることになる。

システムは10月1日完成予定で、本来なら1月のCESショーに間に合うはずだった。しかし、CES 2021はバーチャルで行われることになり、マスク氏にかかる時間的なプレッシャーは減ったが、おそらく同氏はまだ支払いを求めているだろう。

10月12日の週にマスク氏は、システムが1カ月かそこらでオープンし、駅の最終仕上げ作業が残っているとツイートした。

テストと安全レポートの完了というもう1つのマイルストーンを達成すれば、何人の乗客を輸送できるかというのがシステムの最終課題になる。もしLoopが1時間に客2200人の輸送能力を示すことができれば、TBCは440万ドル(約4億6000万円)を受け取る。そして3300人を達成すれば再び同じ額をもらえる。4400人達成のときも同様だ。輸送能力に応じた支払いの総額は固定契約金の30%に相当する。

TBCがもしそうした輸送能力をテスト中に達成したとしても、システム運用後にその能力を維持できないかもしれないとLVCVAは懸念していた。なので、もう1つの要件を加えていた。「全施設を使ったトレードショーイベント向けのシステム輸送能力を提供できなかった場合、損害賠償が適用されることに(TBCは)同意する」。

大規模なイベント開催ごとに、TBCが1時間あたり平均3960人の輸送を13時間提供できなかった場合、同社はLVCVAに賠償金30万ドル(約3150万円)を支払わなければならない。もしTBCがずっと輸送をフルに提供できず賠償金を支払い続けた場合、その額は最大450万ドル(約4億7000万円)になる。

では、TBCそしてLVCVAが望む輸送能力を阻むものは何か。地下交通システム向けの火災予防規則があり、火災が起こった時の混雑を避けるために警音、スプリンクラー、非常用出口、最大収容人数などが定められている。

TBCが提出した建設計画にはLoopの地上駅の1つにかかる消防規則分析が含まれている。

画像クレジット:The Boring Company/Clark County NV

上の計画のスクリーンショットには「Tesla(テスラ)車両に乗降するエリアのピーク時の最大収容人数は7.5分ごとに100人で、これは1時間あたり乗客800人に相当する」と記されている。たとえ他の駅の収容人数がこれよりも多くてもシステムの時間収容人数は1200人に制限される。

「それは正しいと思われます」とニューヨークにある刑事司法を専門とする大学ジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナル・ジャスティスのセキュリティ、火災、非常事態管理の教授Glenn Corbett(グレン・コルベット)氏は話す。「しかしそれがボトルネックなら、安全の観点からの疑問は(1時間800人に)どうやってコントロールするかです。それは純粋にルールを運用する人間の誠実性に頼るのか、それとも人々を締め出すための機械的な仕組みが用意されるのか」。

計画には入場を制限する改札口や障害物は示されていない。

安全制限の件がなくても、Loopは目標収容人数の達成には苦戦するかもしれない。Loop駅の10の区画はそれぞれ1時間たり乗客100人をさばかなければならず、各車両が何人を運ぶかにもよるがおそらく100超の到着と出発に対応することになる。そうすると、人々や荷物の乗降のための時間はわずかで、0.8マイルの輸送やときどき行われる充電については言うまでもない。

  1. Loop4

  2. Loop5

  3. Loop6

  4. Loop7

TBCのLoopウェブサイトにはシステムには自動走行車両が使われると書かれているが、TBCの幹部は昨年、計画委員会に車両が「追加の安全のために」人間のドライバーを乗せるかもしれないと伝えた。TBCはLoop向けに最大16人乗りの大型自動走行シャトルの開発を提案した。しかし最新の提案では従来のセダンが活用されており、マスク氏は今週「我々はかなりこれをシンプルにしました。現時点では基本的にトンネルの中を走行するのはテスラだけ」とツイートした。

TBCが提出した最新の資料にはまた、Loopの元のデザインに変更が施されていることが示されている。

印象的なカーブしたルーフはなくなり、地上駅はいま、テスラ車両の充電に活用する平らな太陽光発電の天蓋を有している。これらのターミナルステーションはそれぞれにSupercharger(急速充電)ステーションが備えられ、地中のトンネルで使われているのと似ているコンクリートセグメントでできている「彫刻の展示」も置かれる。

中央の地下駅には大きなオープンプラットフォームがあり、電気設備や安全設備、IT機器などを備える。各駅にはテスラ車両10台が客を乗降させる区画がある。

最初のLoopを運行する前だが、TBCは近くにもう2つのLoopトンネルを掘ることを計画している。 LVCCをウィン・アンコール・アンド・リゾーツ・ワールド・カジノにつなげるためだ。

アンコールへのトンネルは、安全規則に則って途中に緊急出口を設ける必要があるほどに長いものだ。計画には緊急出口シャフトと小さなハッチが示されているが、火災や故障から逃れる乗客が階段あるいは梯子をのぼることが想定されているのかは不明だ。

画像クレジット:The Boring Company/Clark County NV

TBCは昨年、提案しているボルチモアとワシントンD.C.をつなぐLoopに緊急梯子を盛り込んだ。動きに制限のある乗客のことを考えていないとして、コルベット氏が「狂気の定義」と呼んだシステムだ。このプロジェクトはいま一時停止している。

TBCの公式目標は、LVCC Loopを地元の人々の移動手段から、ストリップ区域、空港、ゆくゆくはロサンゼルスにもつながるようベガス全体の輸送システムに広げることだ。同社が旅客輸送能力、そして小規模のコンベンション・センター・システムからの売上高に苦戦しているのなら、野心で描いた将来は疑わしいかもしれない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:イーロン・マスク、The Boring Company、CES

画像クレジット: Maximilian Müller / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

トロント市がLocal Motors製8人乗り自動運転シャトルを試験運行へ

トロント市はLocal Motors(ローカル・モータース)と契約し、2021年春からオール電化の自動運転シャトルフェリー「Olli 2.0」を乗客に開放し、試験的に自動運転シャトルバスの運行を開始する。試験は交通事業会社のPacific Western Transportationとの共同実施となり、トライアル期間中は、2名の常駐スタッフ、Pacific Western Transportationのオペレーター、トロント交通局(TTC)またはMetrolinx(メトロリンクス)のカスタマーサービス担当者が参加する。Metrolinxは、トロントは通勤輸送サービスの大半を担っている鉄道公社だ。

Olli 2.0の車両は、一度に8人まで乗車可能で、車椅子用のスロープや固定ポイントなどのアクセシビリティ機能も備える。また、乗客に情報や最新情報を提供するためのAVシステムも搭載する。さらに、安全上の懸念やその他の理由で必要が生じた場合には、車両に搭載されている安全オペレーターがいつでも手動制御を引き継ぐことができる。

今回策定されたパイロットルートは、West Rouge(ウェスト・ルージュ)とRouge Hill GO(ルージュ・ヒル・ゴー)駅間でサービスを提供する。Rouge Hill GO駅は、トロント市の西に位置するGreater Toronto Area(グレーター・トロント・エリア)のコミュニティである Scarborough(スカーボロー)の近隣地域だ。このサービスは、通勤者を同地域の主要な長距離輸送用ライトレール・ネットワークの1つに接続するように設計されている。市によると、新型コロナウィルスを考慮して、自律型シャトルがその時点でどのような清浄度や消毒基準で維持されているかを確認することも目標の1つだという。

このようなラストマイルのユースケースは、予測可能な繰り返しのルートを比較的低速で移動することを伴うこともあり、都市における自動運転輸送のターゲットとなっている。これにより、現在の大動脈ではカバーされていない部分に、市内のライトレールや地下鉄をつなぐインフラが追加され、Olliのシャトルを使ったサービスルートの展開が進む可能性がある。

カテゴリー:モビリティ
タグ:トロント、Local Motors

画像クレジット:Local Motors and City of Toronto

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Cruiseがドライバーなし自動運転車の公道テスト認可をサンフランシスコ州から取得

GM(ゼネラル・モーターズ)傘下の自動運転開発Cruise(クルーズ)は、ドライバーが乗り込まない車両のサンフランシスコでの公道テストをカリフォルニア州当局から許可された。同社にはソフトバンク・ビジョン・ファンドやホンダ、T. Rowe Price & Associatesが出資している。

カリフォルニア州の自動運転車両を監督するDMV(車両管理局)は、認可によりCruiseは自動運転車両5台をドライバーを乗せずにサンフランシスコ内の特定の道路でテストできる、と述べた。同社はセーフティー・ドライバーが乗り込む自動運転車両のテストを2015年に取得している。

「この許可を取得するのは当社が初めてではありません。しかし米国の主要都市の道路で用いる初の会社になります」とCEOのDan Ammann(ダン・アマン)氏は10月15日、同社のブログに書いた。「今年末までに当社はサンフランシスコの公道で、ガソリンを使用せず、ハンドルを誰も握っていない車を走らせる予定です。安全を維持しながらドライバーを不要にすることは自動運転車にとって真のベンチマークであり、また化石燃料を燃やすことは交通の未来を構築することにはならないからです」。

アマン氏は、ドライバーレスの許可が出たことは控えめだが同社にとってマイルストーンだと表現した。同社は自動運転に6年取り組んでいる。

「この取り組みは注意を引くものではないかもしれません。目にするのは街中を静かに自動で動く車だけです。スピードもそう出しません。衝突もしません。静かに走行するだけです」と同氏は書いた。「しかし実際にサービスは立ち上がっていませんが、我々の壮大な計画です。サンフランシスコのカオス的でごちゃごちゃした通りが我々の発射場です。Cruiseのミッションに何年も心血、汗、涙を注いできた場所です。そして200万マイル(約320万キロ)のテスト走行をした場所で、実際に初めて道路走行を行います。自律的に走行する電動車両が、世界で最も運転が難しい都市を走るのです」。

運転席に誰も乗り込まないことを意味するドライバーレスの認可にはいくつかの制限がある。Cruiseの車両は日夜問わず時速30マイル(約48キロ)以下で道路を走行すること、濃い霧や大雨の時はテストしないことなどが条件だ、とDMVは述べた。ドライバーレスの認可を申し込む企業は保険あるいは500万ドル(約5億円)の債券、車両がドライバーなしで走行できること、連邦政府自動車安全基準をクリアしていること、あるいは国家道路交通安全局の除外、SAEレベル4もしくは5をクリアしていることを証明する必要がある。

Cruiseはカリフォルニアでドライバーレス認可を受けた5番目の企業だ。他にはWaymo、AutoX、Nuro、Zooxが認可を取得している。DMVによると、現在60社がセーフティドライバー付きでの自動走行車両のテスト許可を持っている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Cruise、自動運転

画像クレジット: Cruise

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(翻訳:Mizoguchi

電動大型バス向け巨大バッテリーを作るProterraが210億円を調達

高耐久性電気自動車向けバッテリー技術を開発するProterra(プロテラ)が、新規調達ラウンドで2億ドル(約210億円)を獲得したことを発表した。

新たなキャッシュの出どころは、ラウンドをリードしたCowen Sustainable Investment Advosorsをはじめ、Soros Fund Management、Generation Investment Management、 およびBroadscale Group。Cowenが1億5000万ドルを出資し、残りの5000万ドルを3社が引き受けた。

新たな資産注入に前には、巨大バッテリーシステムデベロッパーのIPOを巡る一年に及ぶ憶測があった。TechCrunchは2019年8月に、Proterraが10億ドル(約1050億円)の評価額を得た(未訳記事)ことを、当時IPOを見込んでいた投資家らの情報として報じた。

調達した資金は、バッテリーと電動駆動系技術や事業開発など同社が商用自動車分野でさらに足場を固めるために使用するとのこと。またProterraは、電動車両の運営にかかる車両管理コストを削減する充電およびエネルギー管理技術にも目を向けている。

これまでにProterraは、株式と負債合わせて少なくとも約10億ドルを調達済みで、G2VP、Kleiner Perkins Caufield & Byers、Constelltion Venters、Mitsui & Co.、BMW i Venters、Edison Energy、Federal Transportation Administration、General Motorsのベンチャー部門、およびTao Cpital Partnersらが出資している。

Proterraが主に作っているのは、地方、州、国の行政機関向けのバスで1回の充電で350マイル(563 km)の走行が可能だ。カリフォルニア州バーリンゲームに拠点を置く同社には、経営陣に多くのTesla(テスラ)元社員が。その一人で元CEOのRyan Popple(ライアン・ピープル)氏は、他の高耐久・中耐久商用電気自動車メーカーに駆動系を提供するなど事業を多角化した。

現在同社は、Thomas Built Buses、Van Hool、FCCC、BusTech、およびOptimal-EVらのOEMと協同で、同社の部品を使った100%バッテリー電気自動車を市場に出そうとしている。

「バッテリー電気自動車と保有車両の100%ゼロエミッション化の需要が拡大する中、CSIをはじめとする投資家のみなさまの協力によって、クリーンで静寂な輸送を広く推進し、さらに多くのProterra搭載車を世界に提供できることを大いに喜んでいます」とProterraのJack Allen(ジャック・アレン)現会長兼CEOが語った。

なお、BofA Securitiesがこのラウンドの募集代理会社を務めた。

関連記事:アマゾンとパナソニックが注目するバッテリーリサイクルスタートアップRedwood Materials

カテゴリー:モビリティ
タグ:Proterra、バッテリー

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberがコスト削減のためにインドで数百人のエンジニアを雇用

米国時間10月15日、Uber(ウーバー)はインドでエンジニアを225人雇用しているところで、重要な海外市場であるインドで技術チームを強化していると述べた。同社は数カ月前に全世界で数千人の人員を削減していた。

インドではOlaと競合しているUberは同日、Amazon(アマゾン)でエンジニアリング担当ディレクターを13年近く務めたManikandan Thangarathnam(マニカンダン・タンガラスナム)氏をバンガロールにある同社プラットフォームのエンジニアリングチームのリーダーとして雇用したと発表した。9月にUberは、インドで140人のエンジニアを雇用する予定だと発表していた。今回は、さらに85人を追加で採用している途中だと述べた。

トップクラスのエンジニアたちがここ数カ月でUber Indiaを去りGoogle(グーグル)やアマゾンなどのテック大手に移ったことが、今回の動きにつながっている。最近Uberを退社したシニアエンジニアはTechCrunchに対し、同僚の多くがインドでのUberの将来に自信を持てなくなったと語った。

Uberは、インドにおける技術拡大計画は世界中のたくさんの都市でモビリティとデリバリーを「もっと利用しやすく」し、交通の「バックボーン」にするという同社のビジョンに沿うものだと述べた。

最近、グローバルのファイナンステクノロジーチームを率いるシニアディレクターとしてJayaram Valliyur(ジェラム・バリユー)氏も雇用した。同氏もアマゾンに14年間勤務していた。

7月にニュースサイトのThe Informationは、エンジニアリングの従業員をインドに移すというDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)CEOの計画をコスト削減のためと報じた(The Information記事)。この記事には、コスロシャヒ氏の計画は社内で議論を呼んだと書かれていた。

Uberで長く最高技術責任者を務め2020年4月に同社を去ったThuan Pham(トアン・ファム)氏(未訳記事)は、インドで短期間に多数のエンジニアを雇用するには「質の低い応募者を採用しなくてはならない」と忠告したと言われている。

UberとOlaはともにインド第1位のライドシェアサービスであると主張している。しかし両社に投資しているSoftBank Vision Fundの責任者であるRajeev Misra(ラジーブ・ミスラ)氏は9月に、インドではOlaがUberに対し「わずかなリード」を続けていると述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Uber、インド

画像クレジット:Himanshu Bhatt / NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

台湾Gogoroの電動自転車Eeyo 1sが欧州市場初進出のフランスで発売、住友商事やパナソニックが出資

Gogoro(ゴゴロ)は10月15日、初の欧州マーケットとしてフランスで電動自転車Eeyo 1sの販売が始まったと発表した。別のモデルEeyo 1は今後数カ月以内にフランス、ベルギー、モナコ、ドイツ、スイス、オーストリア、チェコで発売される。

フランスではEeyo 1sはFnac、Darty、そしてパリではLes Cyclistes Branchésで購入可能だ。価格は付加価値税込みでEeyo 1sが4699ユーロ(約58万円)、Eeyo 1は4599ユーロ(約57万円)となる。

Eeyo自転車の重量は主なセールスポイントで、ほとんどの電動自転車の半分ほどだとGogoroは話す。Eeyo 1sは11.9キログラム、 Eeyo 1は12.4キログラムだ。どちらのモデルもフレームとフォークにカーボンファイバーを採用しているが、Eeyo 1sの方はシートポスト、ハンドルバー、リムもカーボンファイバーでできている一方、Eeyo 1ではそれらは合金製となっている。

台湾に拠点を置くGogoroはEeyoラインアップを5月に発売し、まず米国で展開した。電動自転車は同社にとって2つ目の車両だ。1つめは交換可能なバッテリーで走行する電動スクーターSmartScooterだ。Eeyo自転車の主要なテクノロジーはSmartWheelにある。モーターとバッテリー、センサー、それからスマートフォンアプリとペアリングできるスマート接続テクノロジーを内蔵している。

Eeyo立ち上げの際のインタビューでGogoroの共同創業者でCEOのHorace Luke(ホレイス・ルーク)氏は同社が2019年、つまり新型コロナウイルスパンデミック前にEeyo立ち上げの計画に着手したと述べた。電動自転車の販売は新型コロナ前は着実な伸びを見せていたが、パンデミックでさらに加速した。人々が公共交通機関を避け、家の周辺にとどまるようになったためだ。一部の都市では車の走行が部分的に禁止され、より多くの人が短い通勤や運動のために自転車に乗るようになった。

2011年に創業され、Temasek、住友商事、パナソニック、台湾の国家発展基金管理会、そしてGeneration(米国の元副大統領アル・ゴア氏が率いる持続可能なテックのための基金)から出資を受けているGogoroは電動スクーターでよく知られている。しかし世界中の都市で二酸化炭素排出を削減しようと、エネルギー効率のいい車両を他社にライセンス提供するターンキーソリューションにも取り組んでいる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:電動自転車

画像クレジット:Gogoro

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(翻訳:Mizoguchi

セダンタイプの電気自動車Lucid Airの普及モデルは実質約736万円で登場

電気自動車メーカーのLucid Motors(ルーシッド・モータース)は、ついにセダンタイプの電気自動車Lucid Airの最も安価な車の価格を明らかにした。価格は7万7400ドル(約815万円)からで、米国では多くの人が7500ドル(約79万円)税額控除が受けられるので実際の価格は6万9900ドル(約736万円)になる。

Lucid Airのこの低価格バージョンは、当然のことながら装備が少なくなっている。ただしLucid Motorsによると、480馬力のパワートレインを搭載しており、408マイル(656km)の走行が可能だという。デュアルモーター、全輪駆動バージョンも利用できる。

このモデルは、Lucidの成功に不可欠なものだ。同社は以前、より高価格なLucid Airセダンのスペックと価格を発表した。今回発表されたモデルはほかのモデルよりも大幅に安価で、競争力のある機能を提供しながら、より多くの購入者にリーチすることができる。

本日までは同社は、低価格モデルが8万ドル以下になることだけを明言していた。

TechCrunchとの最近のインタビューの中で、LucidのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は「Lucid Airが8万ドルよりも驚くほど安い価格で提供されるだろう」と語っていた。

Lucid Airは、Tesla(テスラ)によって支配されている電気自動車市場に投入される。Lucid AirはTesla Model Sと同じような価格で、デュアルモーター、全輪駆動、幅などの仕様もほぼ同じだ。

関連記事:イーロン・マスク氏がTesla Model Sの値下げをツイート、米国で730万円程度に

カテゴリー:モビリティー
タグ:Lucid Motors、Lucid AirLucid Air、電気自動車

画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏がTesla Model Sの値下げをツイート、米国で730万円程度に

Tesla Model Sの価格が少し安くなりそうだ。

Tesla(テスラ)のCEOであり、ミームメーカーであるイーロン・マスク氏は、Model Sセダンの価格がまもなく6万9420ドル(約730万円)になるとツイートした。これは気まぐれや共同購入によるものではなく、Lucid(ルーシッド)が数時間前にLucid Airの価格を引き下げたことに反応したものと思われる。

上のツイートにあるようにマスク氏は「The gauntlet has been thrown down」(挑戦状は投げ捨てられた)と書いている。

Lucidは米国時間10月14日、エントリーレベルのセダンが7万7400ドル(約815万円)から7500ドル(約79万円)の米国税額控除を差し引いた価格になることを発表した。ほとんどの購入者がこの控除を受けられるので実質6万9900ドル(約735万円)になる。つまり、そういうことだ。

Model Sセダンの新しいスタート価格は6万9420ドルで、これは今週2回目の値下げとなる。CNETの自動車情報メディアであるRoad Showは米国時間10月13日、テスラが今週初めにModel Sは3000ドル(約31万6000円)値下げしたと報じた。今年の初め、テスラはModel Sを当初の価格から2000ドル(約21万円)値下げしている。

Lucid Airは、Model Sに対抗する強敵になりそうだ。Model Sの航続可能距離をほぼカバーしており、現在価格が設定されているエントリーレベルのモデルでさえ、Model Sの400マイル(約643km)以上に対応している。Lucid AirはModel Sより軽く、速く、正直言って新しい。Model Sは2012年の発売以来、全体的な形状と使用感は変わっていない。

TechCrunchとの最近のインタビューの中で、LucidのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は、Lucid Airの価格は「8万ドルよりも驚くほど安い」と語っていた。今回の価格設定は「驚くべきこと」とは言えないが、Lucid Airは、装備の整った欧州の中型スポーツカー、さらに重要なのはModel Sとと同じ価格帯になることだ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla、イーロン・マスク

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが7人乗りModel Yの生産を11月開始、12月初旬に納車へ

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が、Tesla(テスラ)のラインアップの中では入手しやすい価格設定の電動SUVであるModel Yの7人乗りバージョンのタイムラインについて新たな情報を出した。Model Yは米国では今年3月に出荷が始まった。そしてマスク氏は6月に、同社がModel Y7人乗りバージョンの出荷を今年第4四半期中に開始する見込みだと述べていた。

7人乗りというのはこれまでのModel Yより2座席多く、同車がそうしたコンフィギュレーションに対応することは2019年に正式にModel Yが発表されたときからわかっていた。Model Yよりも大きいModel Xは3列座席を提供している。しかし、Model Yではそこまでスペースがない。また、Teslaが昨年発表した7座席のModel S Plaidバージョンもある。

それでも、Model Yの座席の追加は、幼い子供たちを含め家族全員が乗れるプレミアムだが低価格のSUVを探している人にはいい選択肢となるかもしれない。そしてマスク氏のタイムライン通りに生産が始まれば、7人乗りのModel Yを街中で目にするようになるのはそう遠くないはずだ。通常、マスク氏のタイムライン予想はかなり楽観的だ。しかしModel Yは実際には予想より早く出荷が始まった。なので、同氏の発言通りになるかもしれない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla、電気自動車

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

香港とニューヨークに拠点のあるEasyshipがShopify Plusのテクノロジーパートナーに

eコマースの売り手が自分のストアに複数の配送業者を加えことのできるロジスティクスのスタートアップEasyshipが、Shopify Plusのテクノロジーパートナー事業に参加したことを発表した。同社は香港とニューヨークに本社がある。共同創業者のTommaso Tamburnotti(トムマソ・タンブルノッティ)氏によると、EasyshipはShopifyの大企業や大量販売企業のためのeコマースサービスであるShopify Plusで唯一のアジアの配送企業だという。

Easyshipは2015年に、東南アジアのeコマース大手Lazadaにいたタンブルノッティ氏とAugustin Ceyrac(オーガスティン・セイラック)氏そして銀行家のPaul Lugagne Delpon(ポール・ルガーニュ・デルポン)氏が創業した。現在、Easyshipのプラットフォームには、UPSやFedEx、DHLなど250以上の配送オプションがあり、事前に交渉した割引料金、税金や関税などの作業の自動化などが用意されている。Easyshipによると、これまでに10万以上のクライアントにサービスを提供してきた。

OECD(経済協力開発機構)の報告書によると、新型コロナウイルスのパンデミックの間に国際郵便小包の発送量は増加し、特に電気機械や医薬品、機械器具、付属品などが増えた。それと同時に、税関や移動規制、航空交通量の減少は国境を越えた販売者にとって新たな課題を生み出している。

タンブルノッティ氏によると、新型コロナは「物流業界に大打撃」を与え、中国でのメーカーの操業停止を皮切りに、多くのeコマース消費者ブランドに遅延をもたらしたという。

しかし中国の工場が再開してからは生産が急増し、全世界のeコマースの注文は約80%増加したとう。一般的に小包を運ぶ商業旅客便の数が減少したことで、配達までの待ち時間が長くなり、宅配便の料金が増加した。

Easyshipは香港とニューヨークに本社を置くほか、シンガポール、ロンドン、オーストラリアにもオフィスを構えており、タンブルノッティ氏は「真のグローバル企業であることは、世界中の顧客に配送ソリューションを提供することに役立っています」と述べている。

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タグ:EasyshipShopifyeコマース物流

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スウェーデン拠点のPolestarが電気自動車Polestar 2のリコールと約375kmのEPA格付けについて言及

スウェーデン拠点のPolestar(ポールスター)は、Volvo(ボルボ)と吉利汽車(Geely、ジーリー)からスピンアウトした若い自動車メーカーだ。現在、設立からわずか4年で2台の車を市場に投入しているが、間もなくさらに多くの車を発売する予定となっている。多くのスタートアップと同様に、同社も政府の規制当局と早期リコールの嵐を乗り切っている。

今週初め、米国環境保護庁(EPA)はPolestar 2の電気範囲に関する調査結果を発表し、フル充電で233マイル(約375km)の走行が可能であることを証明した。これは、競合するTesla Model 3よりも約90マイル(約k145km)少ない。Polestar 2のファーストインプレッション記事はこちら

PolestarのCEOであるThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラス)氏はTechCrunch Sessions: Mobilityに登壇し「PolestarはドライバーがEPAの航続距離を超える結果を実際に目の当たりにしていることを知っています」と述べた。

「私たちは車が実際に何をしているかを知っています。大きな違いのように見えるかもしれませんが、実際にはそれほどの差ではないことも知っています。EVとしての日常生活には間違いなく十分だと考えています。また、これは私たちの電気自動車のバージョンの1つであり、今後Polestar 2にはより高いEPAを持つさまざまなバリエーションを追加していく予定です。航続距離は競合する電気自動車の中では本当に良いレベルだと思います」と同氏。

インゲンラス氏は、Polestarが航続距離でテスラに勝っているわけではないことを認めつつも、EPAの評価ではなく実際の性能の比較を奨励している。「紙の上では大きな違いのように見えるものは、実際にはそれほどではありません」と同氏。そして、より長い距離を走れるバージョンが開発されていることも明かした。

「来年、2021年にはシングルモーターバージョンを計画しています。もちろん、同じバッテリーでより良い航続距離を提供します。そして、その途中でソフトウェアの改良を行い、同じkW(キロワット)時のバッテリーでより効率を上げることができるようになるでしょう。私たちは旅に出ています。そこからスタートし、月々良くなっていくでしょう」と続けた。

インゲンラス氏はまた、走行中に突然停止した車両をめぐるPolestar 2の最近のフルリコールについて「これは非常にまれなケースで起きたことです」と述べ、「市場には2200台のPolestar 2しかなく、報告されたケースはいずれも米国では起きていません。影響を受けた車両が事故に巻き込まれたことはありませんでした」と説明した。なお、この問題はソフトウェアのアップデートで修正されている。

「私たちには学ぶべきことがたくさんあり、企業として改善すべきこともあります。私たちは駆け出しのスタートアップです。そしてもちろん、すべてがスムーズに進むことを期待することはできません。私たちは改善していかなければなりませんし、お客様ともその道をともに歩んでいかなければなりません。そして、自動車業界では、実際に誰も問題を起こさないようにするために非常に早い段階でリコールを行うというのは、本当に素晴らしい基準だと思います」と述べた。

早期リコールには大きな問題はないという。その代わりに現在は「リコールに関連してPolestar 2のオーナーと接する際に会社が顧客サービスに優れていることを確認することに注力している」と同氏は語った。

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タグ:Polestar、電気自動車

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ポルシェがガソリンエンジン車を持続可能なものにする合成燃料を研究中

持続可能な自動車への道は最終的には電気自動車にたどり着くと思われるが、そのゴールへの道筋は明確ではない。ゴールに向かう方法は複数あるが、ポルシェはその1つの可能性として合成燃料に注目している。いわゆるeFuels(e燃料)と呼ばれるものは、CO2と水素から製造される。再生可能エネルギーを利用して製造された場合、内燃機関(ICE)を搭載した自動車が寿命を迎える前に、より持続可能なものになるのを助けることができる。

今週初め、ポルシェの執行役員で営業・マーケティング担当のDetlev von Platen(デトレフ・フォン・プラテン)氏は、TechCrunch Sessions: Mobilityでこの代替燃料について語った。

ポルシェの現在のラインアップを見れば、同社がどこに向かおうとしているのかは一目瞭然だろう。もちろん電気スポーツカーだ。現在の計画では、2020年には電動スポーツセダンが1台、小型SUVの電動バージョンが近々登場する予定となっている。また、プラグインハイブリッド車も数台用意している。そして2025年までには、車の半分が電気自動車になるとしている。

「世界各地で多くの新しい規制が出てくるのを目の当たりにしています。カリフォルニアはその一例です。ヨーロッパや中国は今後さらに複雑化していくだろうし、非常に早く変貌を遂げていくのが目に見えています。そして、ある時点までには、この技術を中心とした内燃機関や自動車を開発・生産することは、バッテリー車よりもさらに高価になるでしょう。物事は非常に速く進んでいます」」とフォン・プラテン氏。

世界各国の政府は積極的な規制を用いて自動車メーカーを電気自動車の未来に向かわせようとしているが、その目標はすでに何百万台ものガソリン車が道路を走っていることには対処していない。

フォン・プラテン氏は「パリ協定で定められた約束を予定よりも早く達成することがポルシェの目標だ」と説明する。そのためには、自動車産業全体の環境負荷を低減することが必要であり、ポルシェは、現在および将来の内燃機関車の環境負荷を低減する方法としてeFuelsを検討している。再生可能エネルギーで生産されれば、ICEを搭載した車が再生可能エネルギー源の燃料で駆動することになる。

ポルシェはユニークな立場にある。それは、これまでに生産された車の70%が今も走行中であるということだ。所有者は一般的に熱狂的で、クラシックな空冷ポルシェ・クーペを電気自動車のために下取りに出すことはほとんどない。同社は、eFuelsを走行中の車を維持しながら環境への影響を低減する方法として捉えている。

この新しいタイプの合成燃料は、水素とCO2から製造される。ポルシェによれば、この燃料は、最も基本的な用語では、原油から生産される灯油、ディーゼル、ガソリンと特性を共有しているという。

9月に発表されたポルシェの声明で、執行委員会の研究開発部門のメンバーであるMichael Steiner(ミヒャエル・シュタイナー)氏は「この技術は、今後何年にもわたって内燃機関が自動車の世界を支配し続けることを考えると、特に重要な技術です」と、述べている。「既存の自動車を持続可能な方法で運用したいのであれば、eFuelsは基本的な要素です」と続ける。

合成燃料は過去にも研究が試みられたが、長期的な牽引力はほとんど得られなかった。ポルシェは、この新種の合成燃料の仕様に影響を与え、eFuelsがポルシェのパフォーマンスエンジン内で確実に機能するようにしたいと考えている。「(ガソリンにエタノールを10%混ぜた)E10が市場に出回ったとき、このブレンドにはいくつかの欠点がありました。今回は違うものにしなければなりません」とシュタイナー氏。

フォン・プラテン氏は「化石燃料に比べればまだかなり高価なので、この燃料技術の工業化について話し合うためのパイロットプログラムを開始しました。将来的にこれがうまくいけば、電池技術以外にも持続可能性を生み出すスピードを上げるものを手に入れることができる。

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タグ:ポルシェ、eFuels

画像クレジット:Stuart Garage/Unsplash(Image has been modified)

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Waymoが運転手不在の自動車送迎サービスをフェニックスで一般公開

Google(グーグル)の自動運転プロジェクトから、親会社のAlphabet(アルファベット)のグループ企業になったWaymo(ウェイモ)は、ドライバーレス自動車の送迎サービス(Ride-Hailing、ライド・ヘイリング)の様子を一般公開した。

同社によると、米国時間10月8日からWaymo Oneサービスのメンバーは、フェニックス地域で家族や友人を完全にドライバーレスの送迎サービスに連れて行けるようになるという。既存のWaymo Oneの会員は、ドライバーレスライドを最初に利用できる。さらに同社によると、今後数週間のうちに、Google PlayとApp Storeから入手可能なアプリを通じて、より多くの人が直接サービスに参加できるようになるという。

Waymoは「その乗り物の100%が完全にドライバーレスになる」と述べた。その100%の主張には少し説明が必要だ、一般の人々は、ハンドルの後ろに人間が乗っていない何百台ものWaymoブランドのCHRYSLER PACIFICA(クライスラー・パシフィカ)のミニバンが、フェニックスの600平方マイル(約1554平方km)以上のエリア全体に突然氾濫することを期待してはいけない。

同社は現在、約600台の車両を保有しており、そのうち約300~400台がフェニックス地域にある。Waymoは、これらの車両のうち何台がドライバーレスライド専用になるのか、正確な数は明らかにしなかった。しかし、WaymoのCEOであるJohn Krafcik(ジョン・クラフシック)氏は最近のインタビューで、フェニックス地域にはさまざまな車種が存在するとTechCrunchに説明している。これらの中には「ライダー専用」のものもあれば、訓練を受けた安全オペレーターが運転するものもある。また、一部の車両はテストにも使用される。

クラフシック氏はTechCrunchの取材に対し「あらゆる面で準備ができています。しかし、準備ができているかどうかを知るにはどうすればよいいのかのでしょうか」と話し、「以前から安全面には自信を持っていたのですが、私たちには素晴らしい初期ライダーのグループがいて彼らがサービスに磨きをかけるのを助けてくれました」と続けた。「これらの初期のライダーが『満足と喜びを提供しているかどうか』を判断するのに役立った」と締めくくった。

今年後半には、Waymoは訓練を受けた車両オペレーターによる乗り物の提供を再開し、容量を追加し、より広い地理的エリアにサービスを提供できるようにする予定だ。クラフシック氏によると同社は現在、車内の衛生と安全のために、最前列と後部座席の間の車内バリアを追加しているところだという。

Waymoは約100平方マイル(約260平方km)のエリアで活動している。Waymo Oneのメンバーに提供されるドライバーレスまたはライダーのみのサービスエリアは約50平方マイル(約130平方km)だと同氏。

さまざまな注意点があるが、今回の取り組みはマイルストーンであり、同社が過去10年間に達成した数多くのマイルストーンのうちの1つとなる。過去5年間は特に盛りだくさんで、視覚障がい者のSteve Mahan(スティーブ・マハン)氏が2015年にオースティンの街中で同社のFireflyプロトタイプに乗って「初ドライバーレスライド」を体験したことに始まる。2017年には、カリフォルニア州キャッスルにあるWaymoのテスト施設のクローズドコースで、十数人のジャーナリストがドライバーレスライドを体験した。そして昨年11月、TechCrunchはフェニックス郊外の公道をWaymo Pacificaのミニバンで初めてのドライバーレスライドを体験した。

このようなデモやテストが続く中でも、同社は商用製品の規模を拡大していった。2017年、Waymoはアーリーライダープログラムを開始。このプログラムでは、NDA(秘密保持契約)に署名した一般市民の中から審査を受けたメンバーが、フェニックス地域での自動運転車の走行が可能になった。これらの自動運転車はすべて、ハンドルの後ろに人間の安全運転手が付き添っていた。

Waymoはその後、NDAに縛られることなく公共利用を目的とした自動運転配車サービス 「Waymo One」 を立ち上げた。繰り返しになるが、これらの乗り物はすべて運転席に人間の安全オペレーターを配置しており、必要に応じて運転を引き継ぐことができる。 その後同社は、初期のライダープログラムのメンバーをよりオープンなWaymo Oneサービスに徐々に移行させた。また、乗車料金の実験を開始し、サービスエリアを拡大した。現在同社は、フェニックス地区の全プログラム(アーリーライダーとWaymo1)を対象に料金を請求している。なお、人間の安全オペレータ付きのWaymo Oneサービスは、アリゾナ州チャンドラーと同様にフェニックス郊外においても約100平方マイル(約260平方km)の営業エリアを持つ。

Waymoが、人間の安全運転手のいない車に人を乗せる準備ができていることを示す、最初の意味のある兆候が現れたのは昨年秋。アーリーライダープログラムのメンバーが、間もなくドライバーレスライドが利用できるようになることを示すメールを受け取ったときとなる。

その後、限定された無料のものだったがドライバーレスライドは実現した。ここで重要なのは、NDAの保護を受けたアーリーライダープログラムの対象となっていたことだ。Waymoは、2020年の総ライドの約5~10%がNDAのもとで早期ライダーの独占グループのために完全にドライバーレスになるまでゆっくりと規模を拡大していった。その後、新型コロナウィルスの感染蔓延が発生したことでサービスを停止した。同社は現在、アリゾナ州とカリフォルニア州で安全運転手によるテストを続けている。ただしスタッフの間では、新型コロナウィルスを終息させること、カリフォルニアの山火事によって引き起こされる大気の質の問題に対処するという二重の問題についていくつかの懸念が生じている。

Waymoは新型コロナウィルス対策のために「ユーザーにマスクの着用を義務づけ、全車両に手指消毒剤を用意し、クラフシック氏が言うところの車両内に送られる空気量を4~5回増加させる『キャビンフラッシュ』を毎回乗車後に実施するなど、新たな安全ルールを追加した」と述べている。

クラフシック氏はまた「Waymoは近々オール電化のJaguar I-Paceを追加し、まずは公道でテストを実施し、その後早期ライダープログラムに追加する予定だ」と述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Limeがアプリを刷新してWheelsの電動バイクと連携、今後も競合他社を取り込む計画

Lime(ライム)は、鮮やかな緑色のマイクロモビリティデバイスや、最近では象徴的な赤いJumpの電動自転車を所有していることで最もよく知られているかもしれない。しかし現在、同社は、独自のアプリ上で他の多くのマイクロモビリティブランドを「収容」する方法で事業を拡大しようとしている。

Limeアプリは、顧客が自転車やスクーターを探したりレンタルしたりするために使用されているが、特定の都市ではWheelsブランドの電動バイクの提供を開始する予定だ。今冬には、テキサス州オースティン、フロリダ州マイアミ、ワシントン州シアトルと、ドイツ・ベルリンのユーザーがLimeアプリを開くと、近くにあるWheelの電動バイクが自動的に地図に表示され、価格情報が表示される。利用者はLimeアプリを使って、Whiesの電動バイクをレンタルできる。

Wheelsとの提携はまだ始まったばかりだ。Limeは、今後もシェア型マイクロモビリティのプロバイダーを増やし、他の市場にも拡大していく予定とのこと。

Limeは「Wheelsのユニークなデザインと、安全性とアクセシビリティのメリットがあるから」という理由で、最初にWheelsをプラットフォームに選んだ」と述べている。Wheelsは、Wagの創業者であるJonathan Viner(ジョナサン・バイナー)氏とJoshua Viner,(ジョシュア・バイナー)が立ち上げた企業で、より使いやすく設計されたペダルレスの電動バイクを所有している。Wheelsはまた、自転車に一体化した共有可能なヘルメットシステムも開発した。スマートフォンでロックを解除できるこのヘルメットには、取り外し可能な衛生的なライナーが付属している。

「人々は、都市の周りの小旅行をするために、より多くの電動で共有可能な、手ごろな価格の交通手段を求めている」とLimeのCEOウェイン・ティン氏は声明で述べている。「Limeは近い将来、、5マイル(約8km)以下で車を使わない旅行をしたいと考えている人のための一気通貫のサービスになるでしょう。我々は、都市交通の代替モードに対する膨大で成長している需要を考えると、乗客にさらに多くの選択肢を提供するプラットフォームを立ち上げることに興奮しています」と続ける。

この動きは、買収計画を示唆するものではない。Wheelsは今後も独自の会社であり続けるだろう。その代わりに、WheelsのCEOであるバイナー氏は「提携によってLimeアプリにWheelsが搭載されることは、誰もが安全なマイクロモビリティの選択肢にアクセスできるようにするという自社のミッションをサポートするものだ」と述べている。

「Limeはシェアードマイクロモビリティサービスの最大のプロバイダーであることを考えると、当社のミッションを推進する上でLimeと提携できることに興奮しています」とバイナー氏は述べている。

なお、Wheelsの車両は「Wheels」アプリでも引き続き利用できる。

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タグ:Lime、Wheels、電動バイク

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Virgin Hyperloopが真空高速輸送システム「ハイパーループ」の安全性テストを実施へ

Virgin Hyperloopは米国時間10月8日、米国でのハイパーループ輸送(真空状態のチューブを用いた高速輸送システム)の実現という長期的な目標に向けた重要な一歩を踏み出したと発表した。これは米国における国家的な安全認証の枠組みを構築するうえで非常に重要なもので、米運輸省(DOT)との直接の協力が必要になるが、このプロセスは今年7月にDOTが枠組みに先立ってガイダンス文書を発行したことにより、すでに現在進行中だ。

これに先立ってVirgin Hyperloopは、ネバダ州ノースラスベガスにある実物大の試験場でハイパーループ技術の開発とテストを進めてきた。同社はテストを実行するために長さ500mの「開発ループ」を作り、2017年に初の本格的なシステムテストを実施。同社によると「この新しい施設は認証のために特別に使用されるが、同様の大規模なシステム試験も実施され、『数千人』の新しい雇用が創出されることになる」と述べている。

Virgin Hyperloopは最終的には2025年までにシステムの安全性を完全に認証し、うまくいけば2030年までに本格的なシステムで商業運転を開始したいと考えている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンがRivianとの提携で初の完全電気自動車を発表、車内にはもちろんAlexa内蔵

Amazon(アマゾン)は、電気自動車のスタートアップであるRivian(リヴィアン)との提携によって作られた、同社初の特注EV配送バンの納品を受けた。このバンは、丸みを帯びたエッジが多くなっているものの、既存の伝統的な燃料とハイブリッドの商用配送バンとあまり変わらないように見える。技術革新のほとんどはあまり目立たない場所で起こっている。

このバンの詳細を記したブログ記事(Amazonブログ)でアマゾンは「センサーベースの高速道路走行と交通支援機能、デジタルディスプレイを介してドライバーに360度の視界を提供できるエクステリアカメラ、ドライバーのキャビンコンパートメントへの行き来を支援するためのキャビン内の広い室内床面積、ほかのドライバーのためのブレーキの視認性を高めるためのサラウンドテールライト、一体型3段シェルビングと隔壁分離ドア。そして最後にはもちろん、内蔵のAlexa音声アシスタントの統合を含む、カスタムバンのユニークな機能のいくつかを概説した。

アマゾンは2019年、スタートアップのEVメーカーのために7億ドル(約742億円)のラウンドを主導したときに、Rivianへの大規模な投資を発表した。その後同社は、昨年9月にnカスタムメイドの電動配送バンを10万台発注することを発表した。Rivianはまた、商用車計画に加えて、電動ピックアップやSUVを製造し、消費者に向けて出荷する意向だ。

アマゾンは完全電気自動車の導入を計画しており、今後2年以内に世界で1万台のカスタムバンが道路を走るようにし、2030年までに10万台の注文を受けるまでに拡大すると発表している。一方Rivianは、イリノイ工場の試験的な生産ライン稼動を開始し、2021年6月からSUVの納入を開始し、来年8月からSUVの出荷を開始する予定とのこと。

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タグ:Amazon、電気自動車、Rivian

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(翻訳:TechCrunch Japan)

超音速旅客機の商用化を目指すBoom Supersonicがデモ機XB-1を披露

Boom Supersonicは、商用の超音速旅客機を国際舞台に復帰させるという目標の実現に最も近い位置にいるスタートアップだ。このコロラド州を拠点とする同社は、そのデモ用航空機XB-1の最終設計を米国時間10月7日に披露した。これは完全に機能するプロトタイプの飛行機で、飛行能力とシステムの実機試験を進め、最終的には超音速商用旅客機Overtureの生産に入る。

XB-1は実際のOvertureの縮小バージョンで、商用旅客にビジネスクラスのようなアメニティを提供する予定の客室がない。2021年からBoomの設計を手助けするテストパイロットのためのコックピットは用意されており、その長さは71フィート(約22m)。推進力は3基のGE(ゼネラル・エレクトリック)製J 85-15エンジンで、1万2000ポンドの推力を提供する。

なお、標準的なコックピットウィンドウも備わっているが、空気力学に必要な機首の角度が極端なため、HDビデオカメラとコックピットディスプレイが搭載し、パイロットは飛行機の前方を仮想的に見ることで最大の視界が得られるようになっている。

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XB-1のフレームは炭素複合材で作られていて、軽量だが非常に高い引張強度と剛性がある。高空なので摩擦は少ないが、超音速飛行で発生する高温にも耐える。BoomはXB-1の製造に際してパイロットの快適性にも配慮し、数百時間にもおよぶユーザーテストにより経済性の最適化も図った。

同社はXB-1を、カリフォルニア州モハーベのモハーベ航空宇宙港でテストする計画だ。テストは来年を予定しているが、地上テストは直ちに始める。同時並行でOvertureの開発も続け、風洞試験や航空機のその他の要素の検証を進めて、2025年に商用機を飛ばすという目標を目指す。

米国時間10月7日の昼に同社は本社でバーチャルの発表会イベントを開催し、創業者でCEOのBlake Scholl(ブレイク・スクール)氏が質問に答えた。

関連記事:JALとVirginが出資するBoomが超音速旅客機開発計画の詳細を明かす

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

マリンテックスタートアップのMarine Xは10月8日、独自開発の安全航行アシストシステム「ポラリス」を搭載するAIクルーザー「X40 Concept」を発表した。今後ポラリスは、クルーザーのブレーンとして進化させ、2023年の自律航行実現を目指す。船体デザインはロボットクリエイター 高橋智隆氏が担当。

X40は、都市部クルーズにおける水上モビリティの進化をテーマに、デザイン・機能・メンテナンス性にいたるまでオーナー目線で考え抜かれたデザインを採用した、まったく新しいインテリジェントサルーン。安全性を新たなる次元へと引き上げるべく、独自の安全航行AIアシストシステムを搭載。テクノロジーによる安全性と船を自在に操る楽しみが融合した新世代艇としている。

より安全な航行を実現するために、独自開発の画像認識AIを活用したシステムを搭載。水上の航行可能エリアと障害物を検知し、画面表示とアラート音で方角とおおよその距離を操船者に知らせる。

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

ポラリスは小型船舶の安全航行をサポートするAI船舶制御システム。段階的な機能拡充を予定しており、2023年には小型船船舶の自律航行実現を目指す。先に挙げた画像認識AIによる船外監視機能から始め、小型船舶の事故原因で最も多い「見張り不足」を減らし、より安全な航海となるようアシストする。

ポラリスは北極星のこと。大航海時代から航海の道標のような存在であった北極星のように、船の未来を導くものになってほしいという願いを込めて名付けたという。

操船はステアリングの他に、ジョイスティックによるコントロールも可能。停泊中の自船位置を自動で保持するダイナミックポジショニング、船体の揺れを抑えるアンチローリングジャイロなど、優雅な水上体験に欠かせないテクノロジーを厳選して搭載している。

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

船体デザインはボートオーナーとしても長い経験を有する高橋智隆氏が担当。都市部の低い橋桁をくぐるため高さを抑えたクーペスタイルとしており、都市部クルーズに必要な機能・要素を厳選。スリット入りのシェルに格納された船外機は、デザイン性とメンテナンス性の両立を実現するなど、新しい発想でデザインしているという。

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

Marine Xはマリンレジャーの体験を革新するために設立されたマリンテックカンパニー。プレジャーボートなどの小型船舶を最新テクノロジーデザインの力でアップデートし続け、その技術力で世界の水上モビリティの安全性と快適性を高めることをミッションとしている。

心からリラックスできる最高の瞬間は、最上級の安全性と快適性の上にこそ成り立つものとして、マリンレジャーを楽しむ全ての人々が優雅なひとときを味わえる世界の実現を目指す。

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タグ: Marine Xクルーザー人工知能・AI

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車載ホログラフィック・ディスプレイ開発の英国Envsicsが約53億円調達、Jaguarランドローバーへの搭載目指す

VR(拡張現実)技術の実現可能なビジネスモデルとはどんなものか、まだ世間は模索を続けている状態だ。そんな中、英国のあるスタートアップは、車の中に大きな市場があると見定め、ホログラフィック・ディスプレイとというかたちで賭けに出た。米国時間10月7日、言うなればその「ビジョン」を実現させる戦略的投資家による巨額投資の発表に漕ぎ着けた。

Envisicsは(エンヴィシクス)は、コンピュータービジョン、機械学習、ビッグデータ解析、ナビゲーションといったテクノロジーを自動車用のホログラフィック・ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)のためのハードウェアに統合し、マップ表示やナビゲーションガイド、危険の警告などの情報をドライバーに示す高度な「ダッシュボード」を提供する。同社は本日、シリーズB投資5000万ドル(約53億円)の調達を発表した。

同社の創業者のJamieson Christmas(ジェイミソン・クリスマス)博士はインタビューの中で、この投資は2億5000万ドル(約270億円)を上回る評価額の段階で実施されたと話している。前回のラウンドによって評価額が「大幅にアップ」したとのことだが、イングランドでロンドンの北西に位置するミルトン・キーンズを拠点とするEnvisicsは、これまで評価額を公表していなかった。

この資金は、すでにこのスタートアップに協力してきた、韓国のHyundai Mobis(現代モービス)、米国のGeneral Motors Ventures(ジェネラル・モーターズ・ベンチャーズ)、中国のSAIC Motors(上海汽車集団)、自動車販売と関連サービスで財を成した米国Van Tuyl Group(バン・タイル・グループ)のファミリーオフィスであるVan Tuyl Companiesからなる企業の強力な戦略的投資家グループによってもたらされた。

Envisicsは、すでに数社の自動車メーカーと手を組み、その技術の車両への導入を進めている。まずは市場のハイエンド層を狙い、「インドのTata Motors(タタ・モーターズ)が所有するJaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)のモデルに搭載する」とクリスマス氏は話す。その技術を組み込んだ車の量産は2023年から開始される予定だ。

ARスタートアップ各社の足元が揺らいでいるこの時期にあって、今回の投資はEnvisicsの価値を認めるものとなるばかりか、同社の事業が関わる幅広い市場も評価されたことになる。

クリスマス氏がホログラフィック・ディスプレイの世界に足を踏み入れたのは、同氏が創業した最初のスタートアップであるTwo Trees(トゥー・ツリーズ)でのことだ。この会社は、Microsoft(マイクロソフト)とそのHoloLens(ホロレンズ)に抵抗できる優れた技術を探していたARグラスの企業Daqri(ダクリ)によって2016年に買収された(Forbes記事)。

クリスマス氏は、Daqriがヘッドセットに力を入れていた間も、ホログラフィック・ディスプレイを自動車メーカーに売り込む機会を引き続き探り続けていたという。事実、買収された時点でTwo Treesは、すでに自動車メーカー数社を顧客にしていた。

それが2年後の2018年、Envisicsのスピンアウトにつながった。前の企業と同じく、同社は英国のスタートアップとして創設されたが、今回は自動車へのホログラフィック技術導入に特化している。

それは結果的に適時の判断だった。結局Daqriは、ビジネス用途に軸足を置いたことで失敗し、すでにARには厳しい状況になっていた中で資金が底をついて2019年9月に倒産(未訳記事)してしまった。Daqriだけではない。当時犠牲になった企業には、特許や資産を売却に追い込まれたOsterhout Design Group(オスターハウト・デザイン・グループ)とMeta(メタ)がある。

Envisicsは燃え盛る舞台からの脱出に成功したと考えるなら、それは間違いなくフライパンから炎の中に飛び込むのと同じだった(紛らわしい火の比喩で申し訳ない)。自動車セクターには巨額の資金が投入され、次世代の輸送手段として期待が集まる自動運転車で、熱い競争が繰り広げられている。

もしあなたが、ARはまだビジネスとしての着地点を発見していないと考えていたとしても、自動運転車は、彼らの目標地点のずっと彼方にある。人間と同等の信頼できる判断が下せる完全な自動運転車が登場するのは、まだまだ何年も先のことだと多くの専門家は口をそろえる。そもそもその実現性を危ぶむ専門家もいる。

そこで、Envisicsのような技術の出番となる。同社のツールは人間のドライバーに取って代わるものではなく、人間の運転を支援するものであり、今から、最終的に自動車が自律走行をできるようになる未来までのいくつもの段階で同社などの技術は極めて重要で、また面白い役割を担い続けることになる。想像できる範囲内でも、自動車そのものの発達と共に進化していく余地は非常に大きい。例えば今、重要なデータを提供してくれるものが、将来、人が運転しなくてもよくなったときには気の利いた娯楽を提供してくれるようになるかもしれない。

「現代モービスは、2025年の量産を目指して、自動運転に特化したAR HUDをEnvisicsと共同開発しています」と現代モービスの上級副社長兼CTOのSung Hwan Cho(チョ・ソンファン)氏は声明の中で述べている。「私たちは世界の自動車メーカーに向けて、安全性を高め、ドライバーの集中力を削ぐことなく利便性をもたらす次世代型AR HUDを積極的に提案していきます」と続ける。

「GMは、Envisicsのホログラフィック拡張現実ヘッドアップ・ディスプレイ技術に大変に感銘しました」とGM Venturesの社長Matt Tsien(マット・チエン)氏は話す。「この技術は、Cadillac LYRIQのような将来のEVの手放し運転を支援する機能など、さまざまな安全機能や高度に統合された直感的なアプリケーションにより、自動車内の体験に革命をもたらします」

「私たちは、Envisicsの革命的ホログラフィック技術の商品化という冒険の旅に参加できることを、とても嬉しく思っています。そして、彼らと手を組み、中国国内および国際市場の次世代の自動車に、高度なAR HUDを展開できることを心待ちにしています」と、SAIC Capitaiの投資ディレクターMichael Cohen(マイケル・コーエン)は自身の声明で語っていた。

関連記事:WayRayの車載AR HUDはひと味違うプロダクトだ

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画像クレジット:Envisics

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(翻訳:金井哲夫)