北京モーターショー2020も新型コロナウイルス影響で延期

新型コロナウイルスの感染者数が7万1000人を超えた現状を受け、北京で毎年開催されるモーターショーが延期となった。

4月21日に開幕される予定だった北京モーターショー2020は、新型コロナウイルスへの懸念から中止または延期されることが懸念されていた最新のイベントだ。同イベントの公式ウェブサイトによると、新たな日程は今後発表される予定だという。

2月初旬にMWC(モバイル・ワールド・コングレス)は、2月24日から27日まで開催される予定だったバルセロナでのイベントを中止した。しかし延期されたイベントのほとんどは、ウイルスの発生地であり感染者(現在までに7万人以上)の大多数が居住している中国でのものだった。また、世界中の多くの自動車メーカーが部品を中国のサプライチェーンに依存しているため、新型コロナウイルスは中国や海外の自動車産業を混乱させている。

米国時間2月17日のニューヨーク・タイムズの報道によれば、中国政府は共産党による年次総会を延期する可能性があるという。他に延期されたイベントとしては、Credit Suisse Group AGのアジア投資会議や、4月19日に上海で開催予定だったF1レースである中国グランプリなどがある。中国グランプリのプロモーターであるJuss Sports Groupは、中国自動車モーターサイクルスポーツ連盟(CAMF)と上海市体育局との協議を経て、イベントの延期を要請した。

完全電動車両のモータースポーツイベントであるFormula Eも、3月21日に中国の三亜で行われるレースを延期した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

消えた自動運転、都市OS覇権へ向けてのアプローチ、CES2020を振り返る

編集部注:本稿はDNXベンチャーズでインダストリーパートナーを務める山本康正氏による寄稿記事だ。

年初にテクノロジーの潮流を確認するイベント「CES」では、今年も様々な企業が新しい構想を発表した。

そんなCESで注目すべきは、「何が出展されたか」ではなく、「何が消えたか」。「昨年までは展示されていたのに、今年はない」、それは方針の変更を意味している。

全体の潮流として、今年は昨年に比べ、自動運転の展示が減った。これは「自動運転の開発が想定通りに進んでいない」ということを意味している可能性がある。(一方でホンダなどが出資する自動運転開発ベンチャーのGMクルーズはライドシェア用の無人運転車をCESではなく後日の1月21日に発表しており、評価が分かれている)

代わりに目立ったのは、地に足のついた電気自動車内のエンタメシステムや、自動運転の先を行くスマートシティの整備などについての発表だ。構想が自動運転の手前と周辺に二分したのは興味深い。

電気自動車というカテゴリでは、ソニーが発表した試作車、「Vision-S」が特に注目を集めた。

「ソニーがもし車を作ったらどうなるのか」。期待感、そして「非自動車メーカー」からの発表という意外性から、多くの参加者がVision-Sに熱いまなざしを向けていた。Vision-Sは今年のCESで一番注目された車だ。

Vision-Sの左後部座席の下には「Sony Design」という文字が刻まれている。「誰が作ったか」ということで期待感が高まる製造企業は、アップルやソニーなど、限られたブランドのみだろう。

ここ数年間、CESでは「未来の車の形」を示すようなコンセプトカーが数多く展示された。しかし、それらは、発売されるまでに10年もの歳月を要しそうな奇をてらったデザインのものだったり、実際の走行はできない模型だったりすることが多く、「現実性」と「驚き」のバランスがとれていなかった。だが、Vision-Sは、今にも走り出しそうな「現実的な車」であることから、来場者の注目を集めた。

車体自体はマグナ、ボッシュ、コンチネンタルなどが作っているため、そもそも「これをソニーが作った車と言っていいのか」、という疑問は残る。なぜ、他のパートナー企業の展示エリアではなく、ソニーのブースを選んだのか。そこは推測せざるを得ないが、消費者に驚きを与えるブランドとしては、ソニーが一番適していたのだと考えられる。 

ソニーが実際に提供しているのは、CMOSなど、安全性に使える高性能のセンサーや、ビデオ、音楽などのエンタメシステム。同様のコンセプカーは他社も作っているが、あくまで展示に留めており、プレゼンの目玉としての扱いではない。プレゼンの中でもあくまで「試作車」と強調しているものの、メディアによっては「ソニーが車を作る」と断定した書き方をしている。いずれにせよ、「驚き」による報道の広がりというプラスの効果は大きそうだ。

あくまで「試作車」であり発売すると明言していないことは、既存他社への配慮が伺える。しかし、中国で充電池を開発していた企業が電気自動車を発売し、一気に世界でも有数な電気自動車を販売する規模に成長したように、ガソリンエンジンからモーターに変わったときに、大きなチャンスはある。車内インテリアはバイトンやテスラと似ているところもあるため、どう差別化し、どうパートナーシップを作っていくかは注目だ。

CESにおけるもう一つの大きな潮流の変化を象徴しているのは、トヨタが発表した「Woven City(ウーブン・シティ)」という、スマートシティの実験場だ。トヨタは2018年のCESで、「モビリティ企業になる」と宣言し、「e-Palette(イーパレット)」というコンセプトカーを発表。しかし、そのコンセプトカーは実際に動くものではなく、2019年、実物の展示はなかった。本年、e-Paletteは展示はされていたものの、主役ではなかった。トヨタのコンセプトが「都市そのものをスマート化したい」というものに変化していたからだ。 

静岡の工場跡に建てる(2000人規模、2021年着工)予定とのことで、社員が強制的に転勤させられるのかが少し心配だが、要するに、物理的な実験場を建設するというものだ。しかし、同様の実験は既にトロントでグーグルが、北京近郊でアリババが進めている。これらと何が違うのかを、いかに示すかが、これからの課題の様に見える。

スマートシティではデータのやりとりが必須になる。その際に、「どの企業がOSを提供するか」で覇権が決まる。パソコンメーカーとウィンドウズの関係と似ている、と考える。

今回の構想は、パソコンメーカーに似ているところがある。プレゼンの最後で、「パートナー募集」という言葉があった。肝心なOSのところを外注すると、足元をすくわれかねず、バランスを考えなければならない開発になりそうだ。

その他の潮流について。日本でいうbodygram(ボディグラム)のような採寸アプリが当たり前となり、フードテックも増えてきた。人工栽培の展示も増加し、植物性由来の代替肉を開発するImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)も出展した。

米国との貿易戦争の関係もあり、中国のブースは昨年同様に、非常に小規模であった。ファーウェイも単に携帯電話などを展示するのみで、ヨーロッパのバルセロナで行われるMWCでの世界を制覇しそうな勢い(画像下)とのコントラストは興味深い。

展示自体は近年同様だが、サムソンは「世界感」をうまく表現しているように見える。あらゆるデバイスにアプリが入っており、それは家の中だけでなく、外までもを制するというメッセージ。これに関しては、アマゾンも、ガソリンスタンドとアレクサをつなげるという展示を、控えめながらもしていた。「家の中から外までを制する」というスマートシティのお手本の様なやり方だと思う。

結局は消費者が選ぶので、家の中からまず制したほうが、スマートシティも制しやすいということだと思われる。加えて、サムソンは独自の5Gアンテナ、チップもあるので、ファーウェイの5Gアンテナが米国同盟国では使いにくい状況では有利な立場にある。

CESでは、「どのような世界になるか」、また、そのためには「どの様な製品が役に立つか」、というメッセージが必要で、既存の技術を単に展示する旧来の方式からとは変わってきている。

国別で、特に「スタートアップの振興」という意味では、フランスが「フレンチテック」というキーワードを掲げ、相変わらず大きなブースを構えていた。今年は特にオランダも力を増していた印象だ。他国ではイギリスも力を入れていたが、「ヨーロッパ全体の一体感の無さ」はもったいなく感じられた。

アジアは中国が米国との貿易戦争により息を潜め、韓国が勢いを増しており、日本は相対的にもっと拡大をしていかなければ「良い取り組みが埋もれてしまう危険性がある」と感じた次第だ。

山本康正(やまもと・やすまさ):DNXベンチャーズ、インダストリーパートナー。ベンチャーキャピタリストとして日本と海外のベンチャー企業のビジネスモデルを精査し投資している。ハーバード大学客員研究員。1月15日、著書「次のテクノロジーで世界はどう変わるのか」発売。

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マイクロモビリティの駐車、充電用ドックのSwiftmileが広告も展開開始

マイクロモビリティにおけるガソリンスタンドを目指すスタートアップのSwiftmileが、広告事業を始める。同社はすでに都市や民間事業者に、電動スクーターとバイクの駐車と充電ができるドックを提供している。今度は充電ステーションに取り付けたデジタルディスプレイを統合して、公共交通機関の情報、交通の注意情報、そして広告を表示する。

SwiftmileのCEOのColin Roche(コリン・ロシェ)氏はTechCrunchに対して「巨大な市場があるので、とてつもない付加価値がある。マイクロモビリティ利用者に対してマーケティングを仕掛けたい企業は山ほどあるが、スクーターに広告を表示するわけにはいかないし、表示してはいけない。マイクロモビリティ利用者だけでなく都市にも売り込みたいオーディエンスはたくさんいる。我々は混沌に秩序をもたらすからだ」と語った。

ライダーがステーションに乗り物を駐めると、TransitScreenとの提携により55インチのスクリーンに近隣の乗り換え案内を表示して、ライダーに公共交通機関の利用を促す。

TransitScreenのエンタープライズソリューション担当バイスプレジテンドのTony Hudgins(トニー・ハドギンス)氏はTechCrunchに対する文書の中で「TransitScreenはSwiftmileと提携して移動の選択肢に関するリアルタイムの情報をより広く提供できることをたいへんうれしく思っている。Swiftmileのようなモビリティのハブは、未来の通勤、通学を変えつつある。ファーストマイル、ラストマイルのソリューションが増えつつある中、我々はその一部になれることを楽しみにしている」と述べた。

Swiftmileはスクリーン付きのステーションを3月から設置する計画だ。2020年末までにデジタルスクリーン付きのステーションは1000台になると同社は予測している。これにより、年間の広告収入は8000万ドル(約87億8000万円)になると見込まれる。Verizon Mediaグループ(TechCrunchの親会社)はSwiftmileの顧客である。

Swiftmileはオースティンやベルリンなどの都市にすでに140台の充電ステーションを設置しており、2020年末までには1000台になる計画だ。将来的には自動車メーカーと提携し、スクーターだけでなく自動車も充電できるようにする構想がある。

Swiftmileはこれまでにおよそ600万ドル(約6億6000万円)を調達し、Verizonも資金の支援をしている。同社は今後数週間以内にシリーズAを正式に発表する準備を進めている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Teslaは新株を767ドルで発行と発表

Tesla(テスラ)は、第二次普通株の価格を767ドル(約8万4210円)にした。米国時間2月14日にSECに提出された文書によると、それは前日の終値より4.6%安い。

Teslaは文書の中で、そのディスカウント価格で265万株を売り、20億ドル(約2196億円)あまりを調達する、と述べている。引受をリードするGoldman SachsとMorgan Stanleyには、追加で39万7500株を買えるオプションがある。

2月13日にTeslaの株は804ドル(約8万8272円)で終わった。2月14日はその価格で始まり、812.97ドル(約8万9257円)まで上がったが、その後802ドル(約8万8052円)前後に安定した。

新たな普通株の発行で20億(約2196億円)ドルあまりを調達するという同社の計画は、ウォール街を驚かせた。2週間前には、キャッシュはこれ以上調達しない、と言っていたためだ。

SECの文書によると、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は最大1000万ドル(約10億9800万円)までの株を購入し、Oracleの共同創業者でTeslaの取締役Larry Ellison(ラリー・エリソン)氏は100万ドル(約1億1000万円)相当までのTesla株を購入する。

Teslaによると、新たな資金の用途はバランスシートの強化と一般的な企業目的だ。2月13日の株の提供とは別の文書で、2020年の資本支出が35億ドル(約3843億円)とTeslaは言っている。

1月の第四四半期決算報告でマスク氏とCFOのZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏は、Teslaは資金を賢く使っていて、無理やり節約をしているわけではないから増資の必要性はない、と某機関投資家からの質問に答えていた。今回の新株発行はそれと矛盾している。

2月13日の発表でTeslaの株は1月29日の決算報告時より35%以上も上がった。投資家にとって無視できないほど、魅力的な機会だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

株価上昇を受けてテスラが公募増資で最大2500億円調達へ

Tesla(テスラ)は2週間前にさらなる資金調達は行わないとしていたが、米国時間2月13日に公募増資で20億ドル(約2200億円)を調達してバランスシートの強化と一般的な事業目的にあてる計画を明らかにした。

同社のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が最大1000万ドル(約11億円)ぶんを購入し、 Oracle(オラクル)の共同創業者でテスラの役員を務めるLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏が最大100万ドル(約1億円)ぶんを購入する見込みだ。

Teslaはまた、引受幹事に最大3億ドル(約330億円)ぶんの追加普通株を購入する30日オプションを提供する。引受幹事がオプションを行使すると、同社は最大23億ドル(約2500億円)を調達することになる。

今回の増資発表は、先月あった四半期決算発表時のマスク氏、そしてCFOのZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏の発言内容とは矛盾する。機関投資家が「最近の株価水準からしてなぜいま資金調達して生産を加速させないのか」と尋ねた。その際、マスク氏は同社が分別を持って資金を使っており、意図的に経費を抑制してもいないと述べた。

「我々は効率的に資金を使っていて、意図的に発展を制限していない」と1月29日に開かれた四半期決算発表でマスク氏は語った。「それにもまして我々は現金を生み出している。そうした意味で、この成長レベルで今後も現金を生み出すことができると見込まれ、資金調達するのは理にかなっていない」。カークホーン氏は「テスラが良い基礎を築き、成長を抑制していない」とマスク氏のコメントに付け加えた。

「我々は現在2つのプロダクトを抱えている。まさにいま立ち上げようとしている2つの車両で、それらを軌道に乗せるために年内は社の資源の多くをそれらに注ぐことになる」とカークホーン氏は語った。「また、来年に目を向けると、我々はさらにプロダクトや工場を立ち上る。なので我々は賢く資金を活用し、持続可能な方法で成長したい。我々はこの1年半ほど失敗でつまずいてはいない」。

しかしテスラの株価は1月29日の決算発表以来35%超上昇していて、利用しない手はないと思わせるほど魅力的だったのだろう。直近の株価上昇は、テスラの数々のプロジェクトにとって重要なものになるかもしれない。増資発表に先駆けて当局に提出した書類には、テスラの資本支出は今年、最大35億ドル(約3800億円)に達する可能性があるとある。

米国時間2月13日に掲示された同社のフォーム10-K(年次報告書)には「今後予想される我々のプロダクトの生産ペース、工場の建設・拡張、すでに発表された進行中の開発プロジェクト、バッテリー製造のためのパートナー活用という現在の戦略、そして他のインフラの増加などを考えたとき、2020年、そしてその後の会計年度2年間の平均年間資本支出は25億〜35億ドル(約2700〜3800億円)を予想している、と書かれている。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

Uberが電話での配車に対応、まずアリゾナ州からローンチ

Uber(ウーバー)は高齢者向けに、1-800から始まる番号をユーザーがダイヤルして実際の人間と対話し、配車する新機能を試験運用する。この動きは単なるアプリからの脱却ではない。これは、同社がより多くの顧客にサービスを提供する配車会社に変わろうとしていることを示す兆候だ。

UberのDial-an-Uber機能は「高齢者を念頭に置いて設計されている」が、同時に会話でのサポートを好む人もこの試験運用の恩恵を受けるだろうと同社は述べている。Uberによると、この機能は「実際の会話や経験が配車ニーズに影響を与える」という、高齢者からのフィードバックに基づいて開発されたという。

実際に1-833-USE-UBERにダイヤルすると、人間のオペレーターが対応し、ルートを確認して前払い価格を提示する。ただしこの機能はいくつかの重要な理由により、携帯電話を持っていないと事実上利用することはできない。

ユーザーは乗車予定時刻、運転免許証の詳細、運転手の名前などの重要なメッセージを受信するために、SMSを受信できる携帯電話を所有している必要がある。ユーザーは乗車前と移動中も引き続きメッセージを受信する。それが終わると乗車の領収書が送られてくる。

Uberはまず、1-833-USE-UBERという電話番号をアリゾナにてローンチする。このサービスを利用するための追加料金はないが、携帯キャリアによるメッセージとデータの料金が適用される可能性がある。そして、同州内なら誰でもこの電話番号に電話し、サービスが利用可能な都市にてUberを呼ぶことができる。またユーザーは、UberX、Uber Comfort、Uber Black、Black SUV、Uber Assist、WAVなどの特定のオプションを要求できる。

Uberは今後数カ月のうちに、Dial-an-Uberのサービスをさらに多くの州に拡大する予定だと述べた。同社はまた、1-800から始まる番号は一般的なカスタマーサポート用のものではないが、将来的にはその目的のために使われるだろうと伝えた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

現代自動車とEVスタートアップのCanooがプラットフォームを共同開発

現代自動車グループは、米国ロサンゼルス拠点のスタートアップであるCanoo(カヌー)と共同で電気自動車プラットフォームを開発すると明らかにした。現代自動車は電動化や他の未来のテクノロジー開発プロジェクトに870億ドル(約9兆5800億円)投資するが、その中でCanooは現代自動車がタッグを組む最新のパートナーとなる。

2月11日に発表された合意書によると、電気自動車プラットフォームはCanooが独自開発したスケートボードデザインのものをベースとする。このプラットフォームは、現代自動車や起亜自動車が将来展開する電気自動車、そして現代自動車グループのいわゆる“専用車(PBV)”に使用される。現代自動車が先月CES2020で展示したPBVはポッド状の車両で、同社が言うにはレストランやクリニックなど、さまざまな目的で使用することができる。コンセプトはトヨタのe-Palette車両と似ている。e-Paletteは理論上は小売店舗やレストラン、輸送用シャトルとして使えるようカスタマイズできる。

Canooとの提携は、現代自動車が電動化や自動運転技術、そのほか空飛ぶ車など未来的なモビリティにいっそう注力し、資金も注いでいることを示す最新の例となる。今月初め、現代自動車は英国のスタートアップArrivalに11000万ドル(約120億円)投資し、電動商業車を共同で開発すると発表していた。

現代自動車グループは今後5年間に870億ドル超を投資すると表明している。内訳として、現代自動車が「未来のテクノロジー」に520億ドル(約5兆7200億円)を、起亜自動車が電動化と未来のモビリティテクノロジーに250億ドル(約2兆7500億円)を投入する。最終的な目標は、エコフレンドリーな車両が2025年までに販売車両全体の25%を占めるようにすることだ。

Canooは、電動プラットフォームの開発にエンジニアリングサービスを提供する、と話した。

Canooは2017年にEvelozcityとして始まり、Faraday Futureを率いていたStefan Krause(ステファン・クラウゼ)氏とUlrich Kranz(ウルリッチ・クランツ)氏が創業した。同社は2019年春に社名をCanooに変更し、昨年9月に初の車両をデビューさせた。初のCanoo車は2021年までに道路を走るようになる見込みで、サブスクリプションでのみの提供となる。Canooは最近ウェイトリストの受け付けを始めたばかりだ。

Canoo車の特徴は、従来の電動SUVというよりマイクロバスのような外観であること、キャビン下のキャシーにバッテリーと電気駆動系を収めた「スケートボード的」アーキテクチャを有していることだ。このアーキテクチャに現代自動車グループは関心を寄せている。

同グループは生産のコストや複雑さを抑えるのにCanooのアーキテクチャに頼っていて、これにより変わりやすいマーケットの需要や顧客の好みに素早く対応できる。

「Canooが革新的なEVアーキテクチャを開発したスピードと効率に非常に感銘を受けている。Canooは我々にとって完璧なエンジニアリングパートナーであり、我々は未来のモビリティ業界で先駆者となる」と現代自動車グループのR&D責任者のAlbert Biermann(アルバート・バーマン)氏は声明文で述べた。「自動走行ができ、幅広く受け入れられる費用対効果の高い現代自動車のプラットフォームコンセプトを開発するためにCanooのエンジニアと協業する」

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(翻訳:Mizoguchi

ロサンゼルス拠点のSureSaleは独立の中古車査定サービス

中古車査定サービス、SureSaleの共同創業者でCEOのDonny Hall(ドニー・ホール)氏は、中古車を知っている。連続起業家でもある同氏は、以前は自動車保険と修理の会社のCarSureを立ち上げ、売却している。

2017年にCarSureをInnovative Aftermarket Systemsに売ったあと、ホール氏は次なる冒険は中古車市場における自動車履歴情報の主要な情報源であるCarfaxと戦うことだと決心した。

同氏がカリフォルニア州サンタモニカに設立したSureSaleは、ロサンゼルスの投資会社であるUpfront Venturesから700万ドル(7億6871万円)の資金を調達し、全米の購入者が中古車とその問題について偏りのない評価情報を知ることのできる全国レベルの中古車査定サービスを作った。

「車を買いたい消費者の66%は査定を受けた車を買いたがっているが、実際に受けているのはわずか7%だ」と同氏は言う。「独立の中古車販売業者にもディーラーにも全国レベルの査定プログラムはない」。この会社は素性調査と保険を統合し、同社のプログラムが査定した車に限定保証と5日以内の交換オプションを提供している。

会社を立ち上げるあたって同氏は、中古車マーケットプレイス・レビュープラットフォームのAutobytelの共同創業者のJeffrey Schwartz(ジェフリー・シュワルツ)氏と手を組んだ。

中古車ディーラーはeコマース時代に苦戦を強いられている。ほかの小売業者と同じだ。SureSaleは、同社の付加価値サービスと高度な査定基準によって、Carmaxなどのオンラインサービスにはない競争優位性をディーラーに与えられると信じている。ディーラーは料金を払ってサービスを利用し、その見返りにディーラーの顧客は全面点検、査定証明書、素性調査のほか5カ月保証を受けられる。

最近この分野では、時価総額130億ドルのCarvanaや同160億ドルのCarmaxなどの大規模なイグジットがいくつも生まれているが、どの会社も市場シェアは2%以下であることを踏まえると、このような巨大市場には効率性向上の機会が常に存在していることがわかる」とUpFront VenturesのパートナーでSureSaleの取締役であるKobie Fuller(コビー・フラー)氏がブログ記事に書いた。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソフトバンク出資のFairがUberドライバーへの週単位での車貸し出しを終了へ

昨年10月にFair(フェア)が従業員の40%を解雇したとき、CEOのScott Painter(スコット・ペインター)氏はオンデマンド車両へのリースサービスはやめないと約束した。しかしその1週間後、ペインター氏はCEO職を解かれ、Fairに投資しているソフトバンクのAdam Hieber(アダム・ヒーバー)氏がCEOに就任した。そして2月6日、2つの情報筋によると、Fairは全員会議をアナウンスした。そこではUberのドライバーが短期間(週単位で)車を借りられるFair Goプログラムを終了させ、収益性を追求することが発表される見込みだ。Fair Goプログラムは4月に終了する。UberはTechCrunchにこの情報を認め、Fairもまた同様に認めた。

Fairのライドシェアドライバー向けの価格を大幅に上げることが余儀なくされる予期せぬ保険料増額のため、数カ月内に週単位のサービスを終了させる、と広報は語った。数週間以内に顧客にサブスクの状況を知らせるなど、混乱を最小限に抑えられるよう取り組む。Uberと緊密に連携をとっており、顧客がシームレスに他のオプションを利用できるよう、またUberへの車両供給を継続できるよう、サードパーティーによる選択肢も検討している。Fairを利用してくれていたライドシェアドライバーに感謝しており、費用対効果が高い方法でこれ以上事業を継続できないことを残念に思っている。

Fairでは、Uberドライバーが1カ月またはそれ以上の期間、車を借りることはまだできる。現在展開されていて今後なくなるプログラムでは、Uberドライバーは車両を週単位で借りることができた。我々が把握している限りでは、ピーク時にこのプログラムはFairのUberとの事業の半分ほどを占めた。

エクイティファイナンスとデットファイナンスでソフトバンクとLightspeedから20億ドル(約2195億円)超を調達し、バリュエーションは12億ドル(約1320億円)だったFairは昨年10月に従業員の40%を解雇した。同社は2018年にUberのXChangeリースプログラムを買い取った。このプログラムは、ドライバーがUber乗車サービスを提供するために車両を借りられるというもので、スタート料金500ドル(約5万5000円)を払えば、ロードアシスタンスや維持費込みで週130ドル(約1万4000円)という低料金だった。

しかしこのリースプログラムは利益が上がらず、損失が膨らんだためにUberはこのプログラムを売却した。Fairは料金をいくらか上げたが、それでも運営はさほど改善しなかった。

「Fair Goは収益を上げていた」と情報筋は語る。サブスクサービスを普通のドライバー向けに一新したのは同社にとって重要な取り組みだった。別の情報筋は、Fairが一時期1日あたりリースを250〜300台増やし、何千台も貸し出していた、と話した。

しかしFair Goは保険料の増額に直面していた。Uberドライバーが普通の車オーナーよりもかなり長距離を走ることを考えると、保険料アップは当然のことだ。

多くのドライバーが資金不足で、そうしたドライバーに保険料をそのまま回すのではなく、FairはUberドライバーへのリースを終了させると従業員に伝えた。トータルコストがいくらになるのかUberドライバーが完全に理解しなければ借金を抱えることになっていたかもしれないことを考えると、Fairの決断は妥当なものだ。

Fairのコメントを得ようと試みたが、事はやや複雑だった。というのも同社の広報チームの多くがすでに会社を辞めていたからだ。代理店の代表が遅くになって上記の声明文を出した。

Uberの広報はTechCrunchに対し、「ドライバーがUberで稼げるよう、車両を利用できるようオプションを提供し続けるのは優先事項だ。我々はFairの協力、そして我々の車両レンタルプログラムへの貢献に感謝している。Uberはレンタルパートナーシップ、そして現在利用できる月単位のサービスに加えて時間単位や週単位といったより柔軟なプログラムの構築に引き続き投資している」と話し、Fair Goサービスを停止することを認めた。

Uberはまだ赤字経営で、レンタルやリースの事業を引き受けようとはしていない。HertzやAvis、ZipCar、Getaroundなどとのパートナーシップを通じてドライバーにレンタルの選択肢を提供しようと試みていて、こうしたパートナーシップはこれまでFairから車を借りていたUberドライバーが利用できるものになるかもしれない、とUberは語った。

「長期リースを望む人には、継続しているUberとのパートナーシップに基づきFairが車両を提供できる」とペインター氏は話した。「収益化につながる持続可能な成長を優先するという証拠として、週単位のレンタルの事業をやめる」と同氏は述べた。「FairはUberとのパートナーシップを継続し、従来の月単位のプロダクトを通じてフレキシブルな選択肢を提供する。月単位のプロダクトはうまくいっていて、事業の大半を占めている」。

Georg Bauer(ジョージ・バウアー)氏やその他何人かと共同でFairを創業したペインター氏は昨年10月末にCEOを辞めたとき、Fair.comの代表取締役会長という役割を引き受けた。一方でヒーバー氏がCEOを暫定的に担う。

昨年10月のレイオフ時にペインター氏は、従業員の解雇はソフトバンクのプレッシャーによるものではない、とした。

「ソフトバンクは大株主で、私がフォーカスしていることをサポートしている。それは今でもそうだ」とペインター氏は当時語った。ソフトバンクがそうした変更を行うようにプレッシャーをかけたのか、という質問に対し、「我々をたたいている、という言葉は適さない」と答えた。「彼らは我々をサポートしている。そこには大きな差がある」と強調した。

1週間後の驚きの社長交代、そしてきょうのFair Goについてのニュースはそれぞれ、ソフトバンクそのものが受けているプレッシャーを示している。

Fairの件は、ソフトバンクのポートフォリオにおいて「WeWork爆発」後に続いている悪いニュースの最新版となる。ソフトバンクの巨大なビジョンファンドが財布の紐を固く締め、他のレイターステージ投資家が持続可能なユニットエコノミクスにフォーカスすることにつながるかもしれない。

バーンレート(資金燃焼率)を慌てて抑制することを余儀なくされた、資金を十分に調達した成熟したスタートアップは、往々にしてレイオフを行い、利益を追求してビジネスモデルをシフトする。

巨額の資金に支えられてバリュエーションが膨らみ、その後良好な関係構築に問題を抱えるかもしれないソフトバンクのポートフォリオは大きな打撃を受けている。今週、TechCrunchはFlexportが全従業員の3%にあたる50人を解雇することを報じた。

そのほかにも、ソフトバンク出資のレイオフを行った企業としては全従業員の80%を解雇したZume Pizza、同じく80%を解雇したWag 、25%を解雇したGetaround、6%を解雇したRappi 、そして5%を解雇したOyoがある。

こうした企業はまだ増えるかもしれない。25億ドル(約2800億円)でソフトバンク株を取得した物言う株主である投資管理会社のElliott Management(エリオット・マネジメント)は、より良い企業ガバナンス、投資にかかるさらなる透明性とマネジメントを含め、さまざまな問題に関してソフトバンクと協議を始めたと報じられている

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(翻訳:Mizoguchi

Uberは昨年インドで週1400万回、業界トップの乗車を提供

Uberは、同社の主要海外マーケットにおいて支柱的な存在であるインドで昨年、1週間あたり1400万回の乗車を提供し、これは業界トップだったと明らかにした。

Uberは多くの地域で配車サービスを展開しているが、なかでもインドマーケットにおいてシェア50%超を占め、この業界のリーダーだった、と2月6日の四半期決算発表の際に公開されたレポート(PDF)に書かれている。

公開企業である同社は、この主張を裏付けるための内部評価も示した。比較材料として「2018年のインドでの1週間あたりの乗車提供は1100万回だった」とUberの広報はTechCrunchに対し語った。

こうした情報開示はかなり興味深い。というのも、Uberもその主要ライバル企業であるOlaもインドで提供している乗車の回数について明言を避けてきたからだ。

2018年にブログへの投稿で、Olaは同社のプラットフォームが毎日200万人超の移動を支えていると明らかにした。ソフトバンクから出資を受けているUber同様に、Olaの広報は新たな数字を明らかにするのは却下したが、自らをインドにおいて「最大のモビリティプラットフォーム」だとする声明文を出した。

「インド最大のモビリティプラットフォームとして、Olaは二輪、三輪、四輪車を含むあらゆる車両のドライバー250万人のネットワークを通じて顧客2億人超にサービスを提供している」と広報は語った。同社はインド国内250の市町村でサービスを展開している。

先月Uberはフードデリバリー事業のUber Eatsのインド事業をライバルの地元企業Zomatoに約1億8000万ドル(約198億円)で売却した。これにより基幹事業の配車サービスにこれまでに以上に注力できるはずだ。

Uberの広報は「現在200市町村でサービスを提供しているが、この数を年末までに50増やす計画だ」とTechCrunchに話した。「そうした自治体では二輪車と三輪車にフォーカスする」とも述べた。

Uberのインドにおけるエリア拡大は、Uberの主要なテリトリーマーケットにOlaが参入するのと相前後する。Olaは先週、2月10日からロンドンでサービスを開始すると発表した。

画像クレジット:Himanshu Bhatt / NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Nuroの新型配達ロボに米政府は無人運転車として初の安全基準の適用除外を認定

去年、ソフトバンク・ビジョンファンドから9億4000万ドル(約1030億円)の投資を受けた自動配達のスタートアップであるNuro(ニューロ)は、無人運転配達車の安全規定適用除外を米連邦政府から初めて認められた企業となった。

米運輸省道路交通安全局から適用除外の認定を受けたのは、Nuroの(先週木曜日に初めて公開された)R2と呼ばれる最新型低速電動車だ。レストランや食料品店などの業者が、近隣の配達サービスに使用する。これはNuroのみならず、自動運転車業界にとって、ひとつの到達点であり、連邦政府がこの技術をどのように規制するかを示す指標ともなる。

R2は間もなく、ヒューストンでNuroの自動運転版プリウスの隊列に加わり、消費者への配達を公道で行うことになると同社は話している。この展開は、2018年にKroger(クロガー)と提携しアリゾナで行った配達サービスの試験運用に続くものだ。当初、この試験にははトヨタのプリウスが使われていたが、後にR1配達ロボットに切り替えられた。

Nuroの第2世代低速配達車両R2は、無人運転を行う目的で設計され、自動運転システムのみを使って運用される。人間のドライバーは乗車しないため、従来の乗用車に欠かせなかった、あるいは連邦政府が義務づけていた、サイドミラーや透明なフロントガラスなどの装備は必要ない。

「低速自動運転配達車なので、ドライバーを乗せるために運輸省が以前から義務づけていたミラーやフロントガラスなどの装備は、もう意味がありません」と、米国運輸長官であるElaine L. Chao(エレイン・L・チャオ)氏は声明の中で述べている。

米運輸省の安全基準適用除外によって、R2は、サイドミラー、フロントガラス、前進時にオフになるリヤビューカメラの3つの装備なしに運用が可能になった。これは現在GMが、自動運転ユニットCruiseで申請しているものとは違う。Cruiseは低速車とは見なされないため、適用除外を受けなければならない項目がずっと多いのだ。

この3つの適用除外だけでも、手続きにはかなりの時間がかかった。Nuroは道路交通安全局と3年間協議を重ねてきた。適用除外の申請書を提出したのは2018年10月だ。「適用除外を受けた車両であっても、安全基準を完全に満たした車両と同じだけの安全性を確保できることを証明しなければなりません」とNuroの最高ポリシー及び法務責任者David Estrada(デイビッド・エストラーダ)氏は言う。

新しいR2配達ロボットは、通常ならサイドミラーが取り付けられる部分の車体断面の幅が狭く、角も丸くなっている。こうしたデザインにより、自転車やその他の「傷つきやすい通行者」のために道を空けることができるとNuroでは話している。

R2には、ライダー、レーダー、カメラが装備され、車体の周囲360度の視覚情報を「ドライバー」に送るようになっている。だがそこでも、適用除外が必要だったとエストラーダ氏は話す。道路交通安全局の適用除外により、R2は前進時でもリアビューカメラを作動させておくことができる。新しい乗用車には、人間のドライバーが車を前進させるとオフになるリアビューカメラの搭載が義務づけられている(注意が散漫になるのを防ぐためだ)。人間が乗らないのであれば、その心配はいらないとNuroは指摘する。

この適用除外には条件がある。Nuroは、自動運転システムに関する報告書を提出し、R2を実働させるときに適切に当局に通知するという条件付きで、2年間の適用除外が許されている。またこの適用除外は、2年の期間中に5000台以下のR2を製造し運用することをNuroに許可している。

R2は、ミシガン州に本拠を置くRoush Enterprises(ラウシュ・エンタープライゼズ)と提携して国内で設計生産されるが、これ以前の車両よりも耐久性の高い車体を注文に応じて作ることができ、衝撃を吸収し内側にへこむことで衝突時に歩行者などの車外の人や物を守る前面構造になっていると同社は説明している。

さらにこの車両は、ドアを改善して大きな画面を車体に備えることで、客が操作して荷室のロックを外せるようにしている。荷室の容量はR1よりも65%ト大きくなり、温度調整も可能なので、惣菜や料理も含む、傷みやすい食品を新鮮に保つことができるようになった。

画像クレジット:Nuro

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(翻訳:金井哲夫)

Wiskが空飛ぶタクシーのニュージーランドへの試験導入で合意

エアモビリティーカンパニーのWiskはニュージーランド政府との間で、同国Canterbury(カンタベリー)地区にてエアタクシーの試験運行を設定する協定に合意した。その目的は、空飛ぶタクシーのCoraが政府の航空当局によって認可され、後に乗客を飛ばすためである。Coraは2人乗りの電動垂直離着陸(eVTOL)機で、主に自律的に飛行するが、バックアップとして遠隔操縦士も存在する。

Coraはもともと、2018年に発表されたSebastian Thrun(セバスチャン・スラン)氏が創業したKitty Hawkによって開発されたプロジェクトで、最終的な飛行認証を目指して2017年にニュージーランドでひっそりとテストを開始した。Kitty HawkはこのプロジェクトでBoeing(ボーイング)と提携し、最終的に2社はより正式なジョイントベンチャーのWiskを形成。一方でKitty Hawkは電気駆動の空飛ぶ車であるHeavisideへと開発の焦点を移した。

機体には12個のローターを搭載して冗長性と垂直上昇能力を備えており、離陸後には大きな固定支柱が動作して時速約100マイル(約時速160km)で飛行する。当初の航続距離は25マイル(約40km)程度の短い移動を想定して設計されているが、ここで重要なのは、都市部や開発の進んだ地域で柔軟な移動手段を提供し、自動車などの地上輸送手段に取って代わることだ。

この試みが早くに始まれば、この種のモビリティとしては世界初の本格的な取り組みとなり、商業的な短距離向けの空飛ぶタクシーサービスへの大きな一歩として、航空業界やモビリティ業界の注目を集めることになるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Uberがカリフォルニア州で自動運転車の路上テスト許可を取得

Uberのアドバンストテクノロジー(ATG)グループは、米国カリフォルニア州の公道で自動運転車をテストするための許可を再取得した。アリゾナ州で歩行者を死亡させた致死事故の後テストプログラムを縮小してから2年近くすぎてからのことだ。

Uberは、従来テストしていたサンフランシスコの公道に今すぐ自社の自動運転車を走らせる予定はない。テストを再開する前には地域、州、国の有力関係者に通知すると同社は説明している。

「サンフランシスコは、その複雑で変化を続ける環境ゆえに自動運転技術の重要な課題を学習するのに最適な都市だ。自動運転テストを再開する正確な時期は未定だが、今般カリフォルニア州DMV(陸運局)からテスト許可を得たことは、Uberの生まれ故郷でのテスト実施に向けた重要な一歩だ」とUber広報担当者はメールで語った。

カリフォルニア州陸運局が発行した許可証は、Uberの自動運転部門にとって、わずか1年半前に終了の運命にあると見られていたプログラムを再開するための重要な鍵だ。

Uber ATGグループは、アリゾナ州フェニックスのテンペ郊外で歩行者のElaine Herzberg(エレイン・ヘルツバーグ)さんを死亡させた衝突事故を起こして以来、すべての公道におけるテストを中止した。Uber ATGは自動運転車の試験をフェニックス、トロント、ピッツバーグ、サンフランシスコの各都市で実施していた。当時同社は、 ピッツバーグとサンフランシスコで100人の自動運転操作員をレイオフし、自動運転部門を売却したがっているという噂が広まった。

Uber ATGは2018年12月に、ペンシルベニア州運輸局が同社の公道での自動運転車試験を許可したことを受け、ピッツバーグで自動運転車の路上テストを再開した。

Uberは、ワシントンDCでも今年自動運転車のテストを開始する計画に先立ち、マッピングを開始した。まず3台のUber車両が現地のマッピングを行うと広報担当者は語った。マッピング車両は人間が運転し、訓練をうけた社員2名が同乗して車両屋上のセンサーウィングに設置されたカメラ、回転式ライダー(光検出測距装置)などのセンサーデータを収集する。データは高解像度マップの作成に使用されるほか、Uberのバーチャルシミュレーションやテストトラックテストのシナリオ作成にも使われる。

Uberは2020年末までにワシントンDCで自動運転車を走らせる予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

タクシー配車サービスのJapanTaxiがDeNAのMOVを吸収、DeNAはJapanTaxiの共同筆頭株主に

日本交通ホールディングスとディー・エヌ・エー(DeNA)は2月4日、両社それぞれが運営しているタクシー配車サービスの、JapanTaxiとMOVを4月1日に統合することで合意した。今後DeNAは、日本交通ホールディングスとともにJapanTaxiの筆頭株主となり、社名も変更予定とのこと。今回の事業統合によって配車可能な車両数は約10万台となる。また、全国に展開しているJapanTaxiの営業エリアに加え、東京、神奈川、京阪神に展開しているMOVの営業エリアが加わることで大都市圏でのサービスの利便性が向上すると考えられる。

アメリカ経済の心臓部であるトラックドライバーを経営の雑務から解放するCloudTrucks

自動運転のスタートアップScotty Labsをわずか5カ月前にDoorDashに売った起業家のTobenna Arodiogbu(トベンナ・アロディオグブ)氏が、新しいスタートアップで戻ってきた。今回彼は、トラックドライバーと彼らのビジネスにもっぱらフォーカスする。トラックドライバーの収入を上げることを目標とするCloudTrucksは、Craft Venturesがリードするラウンドで610万ドル(約6億6000万円)を調達した。これにはKhosla VenturesとKindred VenturesそしてAbstract Venturesが参加した。

「ビジネスを小さな箱の中に詰め込んだ(business in a box)」とアロディオグブ氏が呼ぶCloudTrucksは、トラックのオーナーやオペレーター(事業者)のビジネスを楽にする。CloudTrucksはソフトウェアとデータサイエンスを利用してトラックドライバーのオペレーティングコストを下げ、売上を増やし、キャッシュフローとコストを改善する。

American Trucking Associationsによると、アメリカではトラック輸送業の91%が小企業で、トラックの保有台数は6台かそれ以下だ。2019年はアメリカで800近いトラック業者が倒産した。アナリストはそれを、保険費用の高騰と供給の過剰による1台当たりの荷減りのせいにしている。しかもオペレーターは、安全性の管理や請求書発行などのペーパーワークもこなさなければならない。そこに、CloudTrucksがお助けに登場する。

アロディオグブ氏は 「CloudTrucksはトラックのオーナーがイコール事業のオペレーターでもある小さなトラック企業を狙う。彼らこそが業界の生命線でありしかも最大のプレッシャーに苦しんでいる。保険料金は急騰し、血も涙もない売掛回収業者、そして業界の急速な変貌。それらが彼らを干上がらせる」と語る。

今すでにCloudTrucksは、少数の初期の顧客と共にプラットホームの微調整をしている。新しい顧客は、ケースバイケースで受け入れている。

CloudTrucksの前には、アロディオグブ氏は人間が車やトラックを仮想的にコントロールするScotty Labsを共同創業した。それは長距離輸送でドライバーをアシストするサービスだった。そのスタートアップをDoorDashが買収する前は、600万ドル(約6億5000万円)を調達していた。今はアロディオグブ氏がDoorDashのアドバイザーだ。

Craft Venturesの共同創業者でゼネラルパートナーのDavid Sacks(デビッド・サックス)氏が、本誌に「Tobennaは実績のある起業家だから、CloudTrucksが解決しようとしている問題を明確に理解してプロダクトを作っている。トラック輸送業はアメリカ経済の心臓部なのに、まだテクノロジーの役割がとても小さい。CloudTrucksのチームは、何千ものオーナー=オペレーターのトラックドライバーの収入と仕事の効率を上げるプラットホームを作っている。そんなスタートアップを支援できることは、本当に喜ばしい」と語ってくれた 。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

インドのOlaが2月10日にロンドンで配車サービスを開始

インドの配車サービスOlaは、2019年ロンドンにオフィスを開設していたが、2月10日にそのロンドンでサービスを開始すると正式に発表した。同都市は世界最大の配車サービスマーケットの1つだ。Uberやソフトバンクが出資するその他の企業との競争が激しくなる中で、マーケット拡大はOlaの国際戦略において発展の鍵を握っている。

2019年11月以降、ドライバー2万人超がすでに登録しており、Olaは「サービス開始初日から本格稼働する」と話した。

これまでに35億ドル(約3790億円)もの資金を調達しているOlaは、年中無休のヘルプラインやアプリ内緊急SOSボタンといったあらゆるセキュリティ機能がそのプラットフォームに搭載されている、と強調した。

安全性は全世界で懸案のテーマとなっている。特に英国の首都ロンドンにおいてはその傾向が強く、Olaが2018年に英国マーケットに参入し、2019年7月にタクシー事業免許を取得したのち、ロンドンでのサービス開始にさらに数カ月要したのはそのせいかもしれない。

2019年11月、TechCrunchは政府ロビー活動を専門とするPR会社からOlaに宛てられた提案文を入手した。そこには、配車サービス企業が物事を首尾よく進めるために注意すべきことが書かれていた。OlaはPR会社の利用を否定した。

明らかにUberは積極的に拡大路線を追求するあまり安全ガイドラインの順守に失敗し、その結果、ロンドンでの事業免許を失った。地元当局のTfL(ロンドン交通局)がUberの事業免許を取り上げた。Uberの免許停止は2回目で、当局は2019年末にUberがプライベートハイヤー事業者の基準に達していないと裁定した。

裁定の中でTfLは、偽IDを使ったドライバーによるサービスが1万4000回以上も提供されていたことが明らかになった、と指摘した。UberのCEO、Dara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はTfLの決定に不満を示した。その際、彼は「このTfLの決定は間違っている。過去2年にわたって我々はロンドンにおける事業形態を根本的に変えた」と語った。

同社は不服を申し立てており、Uberのタクシーはロンドンで今も営業している。Olaは「業界を引っ張るような、そして世界的にも最善の事例となるよう安全性に明確に照準を当てると同時に、地元当局と協同的なアプローチを続ける」と話す。

加えて、Olaは6週間コミッション(手数料)を課金しないことでドライバーに動機付けを与えている。Uber同様、Olaは乗客が最終的に払う金額のおおよそ20〜25%というコミッションを課している。同社はまたサービス開始から1週間の間にサインアップした顧客に25ポンド(約3600円)分のクレジットを提供する。

Olaインターナショナルのトップ、Simon Smith(サイモン・スミス)氏は、2018年の英国におけるサービス開始以来、Olaは「かなりポジティブ」な反応を得てきた、と話した。同社はバーミンガムやコベントリー、ワーウィックなどを含む英国の28自治区でサービスを展開している。前述の自治体では直近の四半期中の乗車が2桁成長したとのことだ。Olaはこれまでに、ドライバー1万1000人超による300万回あまりの乗車サービスを英国で提供した。

「ロンドンの人々に高品質で確かなサービスを提供しようと、我々はドライバーと緊密に連携をとっている。ロンドンでのサービス開始は我々にとって大きなマイルストーンであり、すべての顧客にファーストクラスの体験を提供したい」とスミス氏は声明文で述べた。

世界で最ももうかるマーケットの1つであるロンドンへの進出はOlaにとって大きなステップとなる。同社はオーストラリアとニュージーランドにも進出していて、250以上の都市でサービスを提供している。

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(翻訳:Mizoguchi

Hummerが1000馬力の電気自動車 「スーパートラック」 として復活

GM(ゼネラル・モーターズ)は、Hummer(ハマー)を新たに電気自動車の形で復活させようとしている。同社は米国時間1月30日に、1000馬力で時速0マイルから60マイル(0〜97km/h)まで3秒で加速できる、完全電動のHummerを生産する計画を認めた。

GMが数本のティーザー動画を投下したこの「スーパートラック」は、GMCブランドで販売される予定だ。なお下の動画は、Hummerによるスーパーボウルでの30秒間のCM「Quiet Revolution」として公開されたものだ。

これらの動画や広告は、5月20日に予定されている発表へと続くGMはHummerの基本価格を公表していない。一方で、1000馬力かつ時速0〜97kmで3秒の加速、トルクは11500重量ポンドフィートと、目をみはるスペックが明かされている。

Buick(ビュイック)およびGMCでバイスプレジデントを務めるDuncan Aldred(ダンカン・アルドレッド)氏は声明で、「GMCは高級で高性能なトラックとSUVを開発しており、GMC HUMMER EVはこれを新たな高みへと引き上げる」と述べた。

Hummer EVはミシガン州のDetroit-Hamtramck(デトロイト=ハムトラムク)組立工場で生産される。GMは1月27日、同工場に22億ドル(約2400億円)を投資して完全電動トラックとSUV、そして子会社のCruiseが発表した自動運転車を生産する計画を発表した。GMは新たな電動トラックのローンチに関連するサプライヤー向けツールやその他のプロジェクトに、さらに8億ドル(約870億円)を投資すると発表した。

GMはこの新しいプログラムを、2021年後半に生産が開始される予定の完全電動ピックアップトラックとともに開始する。Cruise Originはライドシェアリングのために設計された電動自動運転シャトルで、デトロイト地域の工場で生産が開始される2番目の車両となる。

デトロイト=ハムトラムク工場は、GM初の完全な電気自動車の専用組立工場となる。同社によると、工場が完全に稼働すれば、2200人以上の雇用が創出される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

徳島拠点の電脳交通がJapanTaxiやドコモ・JR西のCVCなどから2.2億円調達、タクシーを軸に交通空白地帯の解消目指す

徳島を拠点とする電脳交通は、第三者割当増資による2.2億円の資金調達を発表した。引受先は既存株主である、JapanTaxi、NTTドコモ・ベンチャーズ、JR西日本イノベーションズ、ブロードバンドタワー、個人投資家。NTTドコモ・ベンチャーズはNTTドコモの、JR西日本イノベーションズは西日本旅客鉄道(JR西日本)の100%子会社のCVCだ。2018年にこれらの株主から約1.8億円の資金を調達しているので、累計調達額は4億円となる(エンジェルラウンド合わせると累計4.1億円)。今回調達した資金は、営業拠点の拡大、カスタマーサクセス体制の構築、パートナー企業開拓、社員採用強化などに投下される。

関連記事:クラウド型タクシーコールセンターの電脳交通がJR西日本と連携

同社は、配車手配やコールセンター業務といったタクシー会社のバックオフィスのクラウドシステムを開発・提供する、2015年12月設立のスタートアップ。代表の近藤洋祐氏は、祖父から受け継いだ地元のタクシー会社である吉野川タクシーの代表取締役でもあり、自らもタクシードライバーの経験がある人物。2019年2月にはJR西日本、日本交通、篠山市(現・丹波篠山市)と連携し観光客向けタクシー乗り放題サービス、2019年3月にはNTTドコモと山口市阿東地域を運行エリアとするタクシー事業者2社と連携した公共タクシー運行といった実証実験を進めてきた。また、同社のタクシー配車システムは2019年12月時点で、全国18都道府県、約3000台のタクシー車両に搭載されているという。

関連記事:電脳交通が兵庫県篠山地区でタクシー乗り放題サービスを実証実験

また同社は、地域交通の課題解決を目指す自治体・企業との新たな連携のかたちとして「地域交通アライアンス」の発足も発表。少子高齢化によって公共交通の縮小傾向が続いている中、交通空白地帯で住民や観光客の移動を担う「足」の維持・確保をタクシーを軸に目指していく。

同アライアンスで推進するのは以下の3点。

  1. 電脳交通が持つ既存配車システム機能を地域交通の課題解決に向けてカスタマイズ。必要に応じて新規開発し、ソリューションとしてパッケージングの上で提供
  2. 自治体および運行事業者に対するヒアリングやPoC実施/本格運用に向けた具体的な施策実行の伴走支援
  3. 自治体や運行事業者といった運用側のプレイヤーと、そのためのソリューションを持つ企業サイド双方の開拓、マッチングやコーディネートの実施

さらにNTTドコモとは、今春をメドに国内の2地域で公共タクシーの実証運行を予定しており、現在運行に必要な新機能の開発を進めているとのこと。

Birdがサンフランシスコに電動スクーター「Bird Two」 を展開

Bird(バード)は昨年8月に発表した電動スクーターのBird Twoを、米国サンフランシスコにてScootを通じて展開する。Scootの計画では、このBird Twoは最大1000台が導入される。

「新世代の電動スクーターがサンフランシスコに導入されることで、車に乗る必要のあるサンフランシスコ市民は減っている」と、Scootの創業者でBirdでSVP of Citiesを務めるMichael Keating(マイケル・キーティング)氏は声明で伝えている。「Bird Twoでは業界をリードする性能、航続距離、安全性に関する特徴により、マイクロモビリティによって車を置き換えるといったトレンドを継続していく」。

Bird Twoのユニークな点は、車両の問題を通知する損傷センサーだ。このアイディアを思いついたのはBirdが最初ではないが、この種のシステムを搭載した電動スクーターを発売したのはBirdが初めてだ。Superpedestrianは6400万ドル(約70億円)の資金を調達し、自動診断スクーターの開発に何年も前から取り組んでいるが、まだ実用化には至っていない。

それ以外にも盗難やいたずらを防ぐため、Bird Twoにはパンク防止タイヤやOSの暗号化が採用され、ネジの露出は最低限に抑えられている。

Scootはサンフランシスコの他の事業者と同様、スクーター盗難の標的だった。同社がサンフランシスコで電動スクーターのシェアを始めた最初の2週間で、200台以上のスクーターが盗まれたり、修理できないほど損傷したりした。そして盗難対策として、スクートは車両に鍵を取り付けた。現在、同市はロックを義務化しているが、その主な目的は歩道の混雑を抑えることだ。そして同社はBird Twoの導入により、盗難や破壊行為に対する保護を強化する。

この展開はBirdがヨーロッパのライバルことCircを買収した直後に実施され、同時にシリーズDの資金調達ラウンドにて7500万ドル(約82億円)を調達すると発表した。これにより、資金調達総額は3億5000万ドル(約380億円)となった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが全電動コンパクトクロスオーバー車のModel Yを第1四半期中に発売へ

Tesla (テスラ)は米国時間1月29日、全電動コンパクトクロスオーバー車であるModel Yの生産を今月開始し、同社の連続黒字期を伸ばすべく第1四半期末までに出荷を始める計画であると発表した。

Model Yの生産台数は現時点では限られていると、同社CEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が決算発表後の電話会見で語った。マスク氏は、テスラのエンジニアはModel Yの4輪駆動車の最大EPA航続距離を315マイル(507km)に伸ばすことに成功したことも付け加えた。従来は280マイル(約450km)と予測されていた。

テスラは1月29日に決算報告し、純利益1.05億ドル(約115億円)、希薄化後1株あたり利益56セントだった。前年同期はそれぞれ1.4億ドル(約153億円)、78セントだった。売上は73.8億ドル(約8040億円)で第3四半期を17%上回ったが、2018年第4四半期の72億ドル(約7840億円)からは1%増に留まった。

同社はこの決算報告書で、利益率の高いModel XとModel Sの出荷が減少していることから、売上成長のために中国とModel Yに重点を置くことを表明した。同社は第4四半期にModel SとModel Xを計1万9475台納車したが、これは前年同期比29%減だった。一方で同社の低価格モデルであるModel 3の販売は好調を続けており、同四半期に9万2620台を納車した。これは2018年同時期より46%多い。

Model Yは同社のカリフォルニア州フリーモント工場で作られており、新型車両をどこで生産するかという長期に渡る社内の議論に決着がついた。そして、ネバダ州スパークスの巨大工場でも車両の生産を計画している。現在同工場ではバッテリーパックと電動モーターを製造している。

テスラによると、Model Yの生産は2020年中頃までに機械を追加することで徐々に増やしていく計画だ。拡大が完了すれば、Model 3とModel Yの生産能力は年間50万台に達すると同社は言った。

同社はいずれ中国でもModel Yを生産するつもりだ。同社の上海工場にはModel 3を15万台生産する能力がある。現在、上海工場の第2フェーズに取り掛かっており、Model Yはそこで作られる。

「SUV(スポーツ多目的車)の人気を踏まえ、テスラはModel Yの生産能力を少なくともModel 3と同じにする計画だ」と同社は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook