DeNAのタクシー配車サービス「MOV」が大阪・京都で営業開始、神奈川ではAI探客を年内利用可能に

ディー・エヌ・エーは7月8日、同社が提供するタクシー配車サービス「MOV」の営業エリアを大阪府と京都府に広げた。兵庫県でも秋ごろにサービスを開始予定だ。

大阪府では、近鉄タクシー、国際興業大阪、新大阪タクシの3事業者と連携。大阪市域エリア(大阪・堺・東大阪・八尾・守口・門真・吹田・豊中の各市)、北摂エリア(池田・箕面・茨木・高槻・摂津の各市と島本町)、河南エリア(松原・藤井寺・柏原・羽曳野、富田林・河内長野・大阪狭山の各市と南河内郡の各町村)で利用可能になる。

京都府では、アオイグループ(アオイ自動車、ギオン自動車)、ぞうさんタクシーグループ(洛東タクシー、ホテルハイヤー)、比叡タクシー、帝産京都自動車、都タクシーグループ(都タクシー、西都交通、都大路タクシーの9事業者と提携。営業エリアは、京都市(右京区旧京北町地域を除く)、向日市、長岡京市、大山崎町、久御山町、八幡市、宇治市、城陽市、宇治田原町、井手町、和束町、精華町、木津川市、京田辺市、笠置町、南山城村となっている。

大阪と京都でのサービス開始に併せて、特別キャンペーンも実施する。キャンペーン期間は7月21日19時まで。具体的には、大阪市・京都市内で走行する「MOV」の特別ラッピングが施されたタクシーを見つけてTwitterに投稿すると、抽選で2名にタクシー1カ月無料クーポンが当たる。配車依頼したタクシーが特別ラッピングの車の場合は、タクシー料金が無料(大阪市内、京都市内の乗降のみ)になるほか、MOVオリジナルグッズがもらえる。さらに、MOVの公式Twitterアカウント(@mov_dena)をフォローしたうえで、同アカウントの固定ツイートをリツイートをすると、抽選で1000名に1000円ぶんのタクシー料金割引クーポンがもらえる。

神奈川県では、AIを活用してタクシーの需給予測をしながら経路をナビゲーションするシステム「AI探客ナビ」(仮称)を年内に提供開始する。AI探客ナビでは、運⾏中のタクシー⾞両から収集するプローブデータ(⾃動⾞が⾛⾏した位置や⾞速などの情報を⽤いて⽣成された道路交通情報)とタクシー需要に関連する各種データ(気象、公共交通機関の運⾏状況、イベント、商業施設などのPOI 情報、道路ネットワーク構造など)を解析し、乗務員をリアルタイムかつ個別に利用者が多い場所へ誘導する機能。

これまでは経験値や事前の情報収集が必要だった効率的な利用者の獲得を、AI探客ナビで実現できるわけだ。ちなみに神奈川県は、MOVが旧サービス名称である「タクベル」時代から営業エリアとしている地域だ。

そのほか同社は、東京都内で日清職人の「どん兵衛」コラボして注目を集めた「0円タクシー」のように、企業・店舗・行政など協力して新しい移動体験を創出するプロジェクト「PROJECT MOV」を今後も展開予定とのこと。

インドのOlaがロンドンのタクシー事業免許を取得、9月サービス開始

配車サービスを利用して移動する消費者にとって、ロンドンは世界最大のマーケットの一つだ。そしていま、この移動手段を提供する企業にとってロンドンは最も競争の激しいマーケットになりつつあるようだ。今日、インドのOlaはロンドンでアプリベースの配車サービスを展開するために必要な事業許可を取得したことを認めた。同社の広報はTechCrunchに対し、2カ月後の9月に事業を開始する見込みだと語った。

「OlaはTfL(ロンドン交通局)からPHV運行ライセンスを取得した」とOlaの広報TechCrunchにあてた文書で明らかにした。「ロンドンは世界で最もアイコン的な都市であり、革新的モビリティ環境を有している。ロンドンでOlaを展開するというのは、これ以上の喜びはない。ドライバー、乗客、政府、地元当局と協力しながらワールドクラスのモビリティを構築することを楽しみにしている。サービス開始の準備を進め、サービス開始近くになったらロンドン市民に詳細を提供する」。

Olaの国際展開は興味深いシフトだ。(Lyftのように)Olaは、主要な競争相手であるUberが世界の複数のマーケットで事業拡大するのに何億ドルもの金を投入していたとき、地域のリーダーであることにフォーカスしていた初期の配車サービススタートアップの一つだった。

また、今週はOlaにとってロンドンの事業免許獲得の他にも国際展開に関するニュースがあった。同社のスピンアウトである電気車両事業を行うOla Electricが間もなく南米で事業展開することをほのめかした。

Olaは英国で2018年にローンチし、いくつかの大都市を含む5つの地域で配車サービスを展開している。5つの地域は、サウスウェールズ(カーディフ、ニューポート、ベール・オブ・グラモーガン)、サウスウェスト(バース、ブリストル、エクセター、ノース・サマセット、サウス・グロスターシャー)、マージーサイド(ノウズリー、リバプール、セフトン、セント・へレンズ、ウィラル)、ウェスト・ミッドランズ(バーミンガム、ダドリー、サンドウェル、ソリフル、ウォールソール、ウルヴァーハンプトン)、そしてリーディングだ。

ロンドンがこのリストに加わるのは、いくつかの理由でかなり意義がある。一つにはサイズだ。ロンドンに比べると他の都市は小さい。二つ目には、ロンドンの交通を管轄するロンドン交通局(TfL)がここ何年もタクシー会社への免許発行をかなり厳しくコントロールしていて、事業を始めるにあたって運行規則に則ることを強制するからだ。これは少なくとも、Uberに対する多くの抗議を企てたロンドンのブラックキャブ運転手のロビー活動のためではない。

TfLの対応に関しては、Bolt(旧Taxify)が先月サービスを再開するまでの22カ月間、サービスを一時停止する事態となった。この前には、TfLはUberへの免許更新にからみ、プラクティスを大幅に変えなければ却下するとして、Uberは法的にかなり困った事態に陥った(現在Uberは暫定的な免許で運営している)。

Olaがロンドンのタクシー事業免許を取得したというのは、同社(Didi、ソフトバンク、Accel、Sequoia、Kia、その他60社近くを含む投資家から40億ドル近くを調達している)がインドでサービスを立ち上げた後に国際展開を続ける中でのニュースだ。インドでのOlaの利用はこれまでに1億2500万回を数えている。

また、同社のスピンアウトで電動車両事業を展開するOla Electricは昨日、ソフトバンクから2億5000万ドルを調達し、企業価値が10億ドルになったと発表した。Ola Electricを立ち上げた一つの理由は、インドにおけるエミッション抑制の必要性に応えるためだ。二つめはOlaを海外展開(ソフトバンクインターナショナルのCEOで、グループのCOOであるMarcelo Claure氏と、Olaの創業者でCEOのBhavish Aggarwal氏とのやり取りによると、特に南米だ)するのにEV事業を活用するというものだ。

Olaの広報は、ロンドンではOlaが現在英国の他の地域で提供しているものに似た標準的なサービス、そして自分の車を使ってサービスを提供する契約労働者であるドライバーのネットワークを構築したUberやBolt、その他の小さなミニキャブ会社のような配車サービス企業で利用できるものを提供することにフォーカスする、と語った。

インドでは、Olaは圧倒的なシェアを持つ配車サービス企業だ。英国に加え、同社はインド外ではオーストラリア(シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース、キャンベラ、ゴールドコースト)とニュージーランド(オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ)でサービスを展開してる。

イメージクレジット: Matt Brown / Flickr under a CC BY 2.0 license

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(翻訳:Mizoguchi)

BMWとダイムラーが自動運転で提携、2024年までの実装目指す

世界的自動車メーカーのBMWとDaimler(ダイムラー)は、自動運転技術の共同開発にあたり新たに長期的なパートナーシップを締結した。両社は完全自動運転に相当するSAEレベル4、つまり特定の状況や領域をのぞいて人の介入が必要なく、またハンドルやブレーキも車内に必要とされない技術の実現を目指す。

また、BMWとダイムラーの提携にはスマートクルーズ制御や自動駐車などの、高度な運転支援機能も含まれている。さらに両社は今回の提携には含まれていないが、人口密集地の都会や都市部の運転状況における、高度な自動運転技術についての協議も進めるという。

これは非独占的な合意で、自動運転車の技術開発における新しいスタンダードだ。メーカー間の提携がますます一般的になる中、レガシーな自動車メーカーが自社の技術開発を補うためにスタートアップや新興企業とこのような提携をすることはよくある。

ダイムラーとBMWは共同での取り組みを通じ、「自動運転におけるスケーラブルなプラットフォーム」の構築を目指しており、また両社によれば他の自動車メーカーやテック企業が参加する可能性もあるという。完成したプラットフォームは他のOEMメーカーにも提供される。

また、ダイムラーは独自にボッシュと共同で都市環境におけるレベル4/レベル5の自動運転車のパイロットプログラムの展開にも取り組んでおり、今年の実用化を目指している。BMWの次の大規模な自動運転技術はiNEXTと並行して計画されており、レベル3技術は2021年の最初のモデルと共にリリースされる。そして両社は今回の提携の結果を、2024年初めにそれぞれのモデルにて実装する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

スマートスクーターの台湾GogoroがシェアリングプラットフォームGoShareを発表

2011年創業のGogoroは、拠点を置く台湾で最も売れている電動スクーターのメーカーだ。しかしGogoroはこれまで常に自らをエンド・ツー・エンドのプラットフォームデベロッパーだとみなしてきた。そして米国時間7月6日、新たなスクーターシェアリングシステムを発表し、大きなマイルストーンを達成した。GoShareという名称のプログラムは、パートナー企業に提供する前に来月、台湾の桃園市においてGogoroスマートスクーター1000台でパイロット事業を開始する。

スクーターからバッテリー、ソフトウェア、テレマティクスコントロールユニット、バックエンドサーバーに至るまで全てを開発したGogoroは、GoShareを「初の完全モビリティシェアリングプラットフォームとソリューション」と形容する。共同創業者でCEOのHorace Luke(ホレイス・ルーク)氏は、Gogoroはパートナーとともに来年、欧州、オーストラリア、アジアでGoShareを展開したいと考えているとTechCrunchに対し語った。彼はまた、特徴的なバッテリー交換システムを含む全プラットフォームの構築により、GogoroはUberやLyft、Lime、Bird、Coupといった企業のシェアリングプログラムよりも進んでいると付け加えた。というのもGogoroはスクーターのパフォーマンスの追跡、システムの微調整、フィードバックの新デザインへの反映などができるからだ。

Gogoroスクーターの最大のウリの1つはバッテリーだ。靴の箱ほどのサイズで、スクーターと充電キオスクに入れたり取り出したりできる。台湾では、ガソリンスタンドにあるキオスクと、小売店やカフェを含む突飛なロケーションでバッテリーを交換できる。個人が所有するGogoroスクーターと同様に、GoShareのスクーターも同じキオスクを利用できる。つまり利用者は必要に応じてバッテリーを交換しながら同じスクーターを1日中使っていられる(Gogoroスクーターはバッテリーフル充電で平均80km走行できる)。そして利用が終われば、スクーターの駐輪が法的に認められているところであればどこにでも放置できる。

「我々はプラットフォームであり、未来型の交通を提供するため、ハードウェアやソフトウェア、サーバーテクノロジーを創造し、街をクリーンでヘルシーにできる方法を展開する。スクーターを所有してバッテリーを家で充電する方式、スクーターを購入して我々が提供するシステムでバッテリーを交換する方式があるが、今回はスクーターを購入せずにシェアできるものだ」とルーク氏は話す。

サインアップするには、ユーザーはiOSまたはAndroidアプリをダウンロードし、運転免許証をアップロードする。そして支払い情報に移る前に、GogoroはAIベースの顔スキャンソフトウェアを使って運転免許証の写真とユーザーの顔が合致するかを確かめる。登録が終われば、アプリでスクーターの場所を確かめたり予約したりできるようになる。GoShareの利用料金体系はまだ発表されていないが、ルーク氏によると公共交通機関と競える設定になるとのことだ。公害や交通渋滞を減らすために、Gogoroは桃園市と一緒になって無料駐輪といったインセンティブを提供しようと取り組んでいる。

報道機関向けの発表で、桃園市の鄭文燦(ていぶんさん)市長は「Gogoroとの提携は車両排気ガスによる大気汚染を大幅に減らすのに貢献し、また桃園市をスマートで活気がある街になるのを促進すると確信している」と話した。

他の車両シェアリングシステムについて、ルーク氏は「車両が自由に動き回り、マネジメントが自動であればいうことはない。しかしそうしたシステムは自動ではない」と指摘する。「バッテリー切れだったり、バッテリー残量が少なくて運転途中にバッテリー切れになるのをユーザーが恐れたりするため、車両のほとんどは1日に2、3回しか利用されない。だからこそGogoroには強みがある。人々が好きなだけ長く車両を使用できるようにするネットワークを我々は持っている」。

現在、台湾には1200台の充電キオスクがある。うち200台が桃園市にあり、スクーター20万台にパワーを供給している。創業8年目にしてGogoroは今や台湾で毎月販売される電動スクーターの97%のシェアを握っている、とルーク氏は語る。ガスで動くものも含めた車両マーケットにおいて、Gogoroのシェアは17%だ。

Gogoroのパイロットマーケットである台湾ではスクーターがかなり人気だが、それが大気汚染につながっているとLuke氏は指摘する。同社はつい最近Gogoro 3をローンチし、バッテリーで走るスクーターの開発でヤマハやAeon、PGOと提携したと発表した。

Gogoroのエンド・ツー・エンドのシステムの最終的な目標は、世界中のパートナー向けにすぐに使えるソリューションとしてパッケージにすることだ、とルーク氏は話す。「あちこち見て回らなくても、展開したいシェアリングプログラムをGogoroに持参して、『これを使えるようにしたい』と言うだけでいい」。

イメージクレジット: Gogoro

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(翻訳:Mizoguchi)

記録破りの猛暑がグローバルな傾向になりクリーンテックが急務に

アラスカからヨーロッパまで、世界はこれまでの数週間を記録破りの猛暑に焼かれて過ごした。米国気象庁によると、アラスカでは7月4日に全州で過去最高の気温を記録した。州最大の都市アンカレッジでは温度計が華氏90度(摂氏32度)を指し、1952年に記録が始まって以来の最高となった。

アラスカの他の都市で90度になったことは過去にあったが、アンカレッジで温度計がこの数値を指したのはこれが初めてだ。

7月4日のアラスカは各都市で過去最高: 華氏摂氏, 88F=31C, 89F=31.7C, 90F=32.2C

一方ヨーロッパではサハラ砂漠の熱風が北へ吹き、記録的な猛暑をもたらした。グローバルに記録的な高温をもたらした気温の急上昇は、ヨーロッパにおける摂氏3度の上昇がその主犯だ。

Screen Shot 2019 07 05 at 12.16.41 PM

EUのコペルニクス気候変動サービスのトップJean-Noël Thépaut(ジャン-ノエル・テポー)氏はこう語る。「各地の気温は予報より高いことも低いこともあったが、6月最終週のヨーロッパ南西部の気温は異常に高かった。これは例外的な事象ではあるが、今後の気候変動によりさらに頻繁に起きると思われる」。

コペルニクスのデータによると、6月のヨーロッパ全域の気温上昇は、その月としての過去最高を記録した。

同じ5日間について過去30年の記録を見ると、気温の摂氏2度から5度くらいの急上昇はその多くがフランス、ドイツ、スペイン北部全域、イタリア北部、スイス、オーストリア、チェコ共和国で起きている。

気温急上昇が一般的によくある現象になってくれば、炭素の排出量を減らす技術の導入と普及が一層急務になってくる。

クリーンテクノロジーや再生可能エネルギーへのVCの投資は、このところしばらく日陰者だったが、ここに来て電気自動車や省エネ建設技術、古いインフラ(橋、道路、鉄道など)の低炭素化復興、消費者製品の生産における低炭素化技術など、新しい切り口で蘇りつつある。

Bloomberg New Energy Financeによると、クリーンテクノロジーへの投資は2018年の92億ドルで2009年以来の最高に達し、そのうち33億ドルは中国の電気自動車製造関連である。

そしてかんじんのグローバルな炭素排出量は、Global Carbon Projectの推計によればこの2年間で増加している。ピークは過ぎたとする一部の研究者たちの見方は、虫の良い願望にすぎなかったのだ。たとえば激しい気候変動は、暖房や冷房などでエネルギー消費を増やす。またアメリカでは、新車の販売で大型車が増えている。

画像クレジット: コペルニクス気候変動サービス

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

記録破りの猛暑がグローバルな傾向になりクリーンテックが急務に

アラスカからヨーロッパまで、世界はこれまでの数週間を記録破りの猛暑に焼かれて過ごした。米国気象庁によると、アラスカでは7月4日に全州で過去最高の気温を記録した。州最大の都市アンカレッジでは温度計が華氏90度(摂氏32度)を指し、1952年に記録が始まって以来の最高となった。

アラスカの他の都市で90度になったことは過去にあったが、アンカレッジで温度計がこの数値を指したのはこれが初めてだ。

7月4日のアラスカは各都市で過去最高: 華氏摂氏, 88F=31C, 89F=31.7C, 90F=32.2C

一方ヨーロッパではサハラ砂漠の熱風が北へ吹き、記録的な猛暑をもたらした。グローバルに記録的な高温をもたらした気温の急上昇は、ヨーロッパにおける摂氏3度の上昇がその主犯だ。

Screen Shot 2019 07 05 at 12.16.41 PM

EUのコペルニクス気候変動サービスのトップJean-Noël Thépaut(ジャン-ノエル・テポー)氏はこう語る。「各地の気温は予報より高いことも低いこともあったが、6月最終週のヨーロッパ南西部の気温は異常に高かった。これは例外的な事象ではあるが、今後の気候変動によりさらに頻繁に起きると思われる」。

コペルニクスのデータによると、6月のヨーロッパ全域の気温上昇は、その月としての過去最高を記録した。

同じ5日間について過去30年の記録を見ると、気温の摂氏2度から5度くらいの急上昇はその多くがフランス、ドイツ、スペイン北部全域、イタリア北部、スイス、オーストリア、チェコ共和国で起きている。

気温急上昇が一般的によくある現象になってくれば、炭素の排出量を減らす技術の導入と普及が一層急務になってくる。

クリーンテクノロジーや再生可能エネルギーへのVCの投資は、このところしばらく日陰者だったが、ここに来て電気自動車や省エネ建設技術、古いインフラ(橋、道路、鉄道など)の低炭素化復興、消費者製品の生産における低炭素化技術など、新しい切り口で蘇りつつある。

Bloomberg New Energy Financeによると、クリーンテクノロジーへの投資は2018年の92億ドルで2009年以来の最高に達し、そのうち33億ドルは中国の電気自動車製造関連である。

そしてかんじんのグローバルな炭素排出量は、Global Carbon Projectの推計によればこの2年間で増加している。ピークは過ぎたとする一部の研究者たちの見方は、虫の良い願望にすぎなかったのだ。たとえば激しい気候変動は、暖房や冷房などでエネルギー消費を増やす。またアメリカでは、新車の販売で大型車が増えている。

画像クレジット: コペルニクス気候変動サービス

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ロータス初の電動ハイパーカーの名称は「Evija」に

自動車関連イベント「The Goodwood Festival of Speed」にて、Geely(ジーリー、吉利汽車)傘下に入ったLotus(ロータス)は、とうとう初の電動ハイパーカーの一部を明かした。以前に「Type 130」と呼ばれていた、この車両の正式名称は「Evija」(エヴァイア)となる。ロータスによれば、この読み方は「ev-eye-a」だ。Evijaの意味は「はじめての存在」、あるいは「生きているもの」を意味する。車にとって、適切な名前だ。

限定生産されるこの車両の成功に、多くのものがかかっている。ロータス・カーズでCEOを務めるPhil Popham(フィル・ポップハム)氏は、「(Evijaは)グローバルな自動車市場において我々のブランドを再構築する」と述べている。

EvijaはGoodwoodでは完全には披露されない。ハイパーカーのデビューには数ヶ月にわたるヒントとティーザーが必要だ。しかし、ロータス出展の参加者には「ドラマティック・ライト・ショー」と呼ばれる、外観デザインの詳細が披露される。そして今月、ロンドンにてEvijaは完全に披露される予定だ。

Evijaの生産開始は2020年を予定しており、ノーフォークのヘテルにあるロータスの工場では、わずか130台の車両が製造される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

トヨタが走行中に充電できるソーラールーフ電気自動車をテストへ

トヨタは日本限定のプリウスPHVに用意されていた太陽電池の改良版を、シャープやNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共同でテストしている。このデモカーの太陽電池のプロトタイプは、従来の22.5%から大幅に改善された34%という効率で、太陽光を電力に変換できる。さらに既存モデルとは異なり、走行中に駆動用バッテリーが充電でき、走行距離を大幅に伸ばすことができる。

この新しいシステムは、日光を浴びながら充電することで1日あたり44.5kmを走行するための電力が充電でき、また走行時には駆動用とナビやエアコンを駆動する補機バッテリー系統へは56.3km相当が充電できる。

車両には改善された0.03mm厚の太陽電池セルフィルムが用いられ、ボンネットやリアウィンドウなど、既存モデルと比べてずっと広い面積に設置している。前述のとおり、このシステムは走行中にも利用できるのが大きな進化だ。以前には、走行中には補機バッテリーに充電してラジオを聞くなどしかできなかった。

 

この新型車両は7月後半に実地走行が始まり、さまざまな地域でのテストにより、異なる天候や走行条件での能力を検証する予定だ。最終的な目標はこの研究を利用して、輸送用途にてより効率的な太陽光発電技術の商業展開を促進することにある。

現時点では、太陽光発電が可能な車両は限られている。オランダのスタートアップのLightyear Oneは先月、独自のソーラー電気自動車を発表した。車両の生産は2021年以降に始まる予定で、業界に参入する新たなプレーヤーとなった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが対歩行者用自動緊急ブレーキの最新版を披露

去る2017年、Tesla(テスラ)は自動緊急ブレーキ(AEB)システムを、同社のオートパイロット技術を搭載する全車種に導入した(実際にオートパイロット・走行支援のアップグレードを購入していない車も対象)。そしてこのたび同社は、次世代のAEBアップグレードに導入予定の最新機能を披露した。

その一つは、オートパイロットベースのシステムが、車の進路を遮る歩行者や自転車を検知すると、自動的にブレーキがかかるシステムだ。下のビデオは、Teslaの公式Twitterアカウントによると、実世界でこの機能が作動したところだそうだ。

この種の機能は新しいものではなく、Volvo(ボルボ)が2009年に採用した自動ブレーキシステムに採用して以来、いくつも登場している。交通安全団体や米国道路安全保険協会(IIHS)、幹線道路交通安全局(NHTSA)などの規制当局も、これらのシステムを数年前から試験して推進している。

しかし、AEBや運転支援機構はどれも同じではない。理論的には、高度なセンサーとコンピューターを搭載する車ほど、実際に衝突を回避したり予防したりする効果は高い。Teslaは自社のシステム、特に将来のTesla車で自動運転の「頭脳」となる自社製AIプロセッサーと組み合わせた場合の能力について強気な発言をしている

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボーイングが737Max墜落事故の遺族らに総額100億円超を支援

ボーイングは、同社の旅客機であるボーイング737Maxの事故で犠牲になった乗客の遺族らに対して、総額1億ドル(約108億円)の支援金を贈ることを発表した。この初期支援活動は、346人を死に至らせた同社の過失に対する同社の償いのおそらくごく一部にすぎない。

同社は声明文で、見舞金は「家族や関係者のニーズにこたえ、教育や困窮、生活費などの支援になる」ことを期待していると語った。

「亡くなった方々命はいつまでも私たちの心に重くのしかかっています。乗客のご家族や大切な人たちには心からお悔やみを申し上げるとともに、このお見舞いが少しでもお役に立てることを願っています」とCEO・プレジデントのDennis Muilenburg(デニース・ミュレンバーグ)氏が声明で語った。

事故の詳細は今も調査中だが、ミュレンバーグ氏はすでに責任を認めており、「どちらの事故においても、Maneuvering Characteristics Augmentation System(MCAS)と呼ばれる失速防止奇行が、誤動作した」ことを表明している。

この問題に加えて、機体の制御を突然奪われた際の操縦士の訓練がなされていなかった。ただし、操縦士らはMCASの誤動作にできる限りの対応をしたと報じられている。これらの事故以来ボーイングは、安全、訓練、規制に関して手を抜いていた疑いをかけられている。墜落の主な原因は粗悪なプログラムにあると言われている。

この初期支払いは自主的に行われた。航空機メーカーがこれだけの金額を裁判の結果を待たずに被害者に支払うのは極めて異例だ。ボーイング、エアバスなどの会社が、保険その他の形で賠償支払いしことはもちろんあるが、一般には訴訟によって強制されたあとだ。ときには、企業が遺族に現金を渡すことで訴訟を回避することもあるが、公表されないことが多い。

訴訟も現在進行中であり、それぞれの事故について数十の家族が裁判を起こしている。裁判がもたらす賠償額は予想もつかないが、命が失われ、ボーイングの間違いが直接の原因であることから、同社はさらに数億ドル規模の支払いを命じられる可能性がある。

これらの墜落事故に関する訴訟は多くの注目を集めることになるだろう。これだけの規模の悲劇が、たとえ部分的にせよ、ソフトウェアによってもたらされたからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転技術開発のティアフォーが累計113億円の資金調達、本格的な商用化目指す

自動運転技術を研究・開発しているティアフォーは7月4日、シリーズAラウンドの累計資金調達額が113億円になったことを発表した。今回、新たに下記の企業を引受先とする第三者割当増資を実施。今回調達した資金は、人材の獲得と財務基盤の強化を利用される。今後、自動運転システムの本格的な商用化を目指すとのこと。

  • 損害保険ジャパン日本興亜
  • ヤマハ発動機
  • KDDI
  • ジャフコ(ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合、ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合)
  • アイサンテクノロジー

具体的に商用化を目指して注力する自動運転システムは、施設内移動・物流、過疎地域交通、市街地・高速道路における長距離貨客輸送の3分野。前述のように引き受け先には損害保険ジャパン日本興亜やKDDIが入っており、リスクマネジメントや5G対応ついてもパートナー企業を協力していくという。

関連記事:KDDIなどが一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験へ

ティアフォーは今年2月に、KDDIなどと一緒に一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験を行った

ティアフォーが開発を主導しているオープンソースの自動運転OS「Autoware」は、国内外200社以上で導入された実績があり、今後も政府機関から民間企業、大学まで幅広い協業を進めていくとのこと。そのほか同社は、米国運輸省(U.S. Department of Transportation)に属する連邦道路庁(Federal Highway Administration)が提唱する自動運転ソフトウェア「CARMA」など、世界各地で自動運転システム開発をサポートしている。

関連記事:全国初、愛知県で国産完全自動運転車を使った試験運用がまもなくスタート

今年の2月下旬から3月にかけて、同社が開発した完全自動運転EVの「Milee」(マイリー)と、そのモビリティサービス用ウェブプラットフォーム「Web.Auto)」を使った実証実験を愛知県内で実施した

自動運転車の視界に入っていない歩行者を検出できるRF探知技術

イスラエルのViziblezoneは、自動運転車が歩行者をもっと確実に見つけられるようにしたいと考えている。それには、歩行者が車のセンサーの視界にいなくてもという高い目標もある。歩行者検出専門のスタートアップはこれまで聞いたことがないが、どんなことにも最初がある。Viziblezoneは、毎年何百万人もの歩行者が車で負傷しているという大きな問題に、初めて挑戦したスタートアップかもしれない。

近くに歩行者がいることを車に警告するために、OurCrowdのインキュベーターLabs/02で育ったViziblezoneは、スマートフォンと車中の検出装置を利用する。同社の主張によると、そのソリューションは自動運転車が本格的に普及したときに特に役に立つという。

同社のファウンダーでCEOのGabi Ofir氏はこう述べる(彼はMotorolaで20年間、通信プロトコルの仕事をしていた)。「Viziblezoneは、ソフトウェアによる費用効率の良い歩行者検出装置を提供する。それは車内や携帯電話のRF装備を路上の人間用のアイアンドームに換える。今では歩行者もそのほとんどがモバイルデバイスを持っているから、この検出装置はそれらをスマートなビーコンに換えて、車から見えるように、そして避けられるようにする」。

同社のソリューションはもちろん自動運転車を狙っているが、車中のスマートフォンを利用すれば今の車でも使えると同社は言う。視覚的なセンサーを使わないので天候等に左右されず、検知範囲は最大で150メートルぐらいだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラのQ2納車台数は9万5200台で過去最多に

Tesla(テスラ)は第2四半期に電気自動車9万5200台を納車した。不本意な結果だった第1四半期から劇的な復活となったこの数字は過去最多を記録し、アナリストの予測を上回った。

FactSetが集計した予測によると、アナリストはTeslaの第2四半期の納車台数を9万1000台と予想していた。

この空前の数字は、前四半期から3分の1近くの減となった第1四半期の6万3000台とは対照的だ。第1四半期は落ち込んだ納車台数とコスト、車両価格調整のために、予想よりも大きな損失7億200万ドルを計上した。

第2四半期は、少なくとも納車台数においては同社にとってはバラ色で、まだ発表されていないがおそらく売上高もそうなるだろう。

Teslaはまた製造台数も発表し、前四半期が7万7100台だったのに比べ今期は8万7048台だった。この数字もまた第4四半期の8万6555台を上回った。

Teslaは、グローバルロジスティックと納車オペレーション(同社の最大の弱点だ)の流れにおいて目覚ましい進歩を達成したと明らかにした。これにより省コスト性と運転資本状態が改善したとのことだ。

同社はまた今回の数字が一時的なものではないとの見方も示した。第2四半期の注文は納車台数を上回っていて、これは第3四半期の数字につながることを意味する。

Teslaによると、第2四半期末に顧客への引き渡し最中にあった台数は7400台あまりだった。今後この引き渡し途中の車両台数は明らかにしない、としている。

イメージクレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi)

カリフォルニア州がWaymoに自動運転タクシーによる乗客輸送を許可

Googleの社内ベンチャーとしてスタートしたWaymoだが、現在はAlphabet傘下の独立の企業に成長し、収益化を目指している。TechchCrunchは同社がこのほどカリフォルニア州当局から自動運転タクシーで実際に乗客を運ぶ許可を受けたというニュースをつかんだ。これはWaymoが商用サービスを実現する上で画期的な出来事だ。

米国時間7月2日にカリフォルニア州公共サービス委員会(CPUCは、州の実験的プログラムである自動運転車乗客サービスにWaymoが参加することを許可した。同社もこれを確認し、広報担当者はこの許可の意義と同社の目指すところについて次のようにコメントした。

CPUCの決定により、我々はこのパイロットプログラムに参加できることとなった。社員はサウスベイ地区内でWaymoの自動運転車によるタクシー業務を実施し、乗客を運ぶことができる。Waymoの自動運転テクノロジーへのアクセスをさらに多数のカリフォルニア住民に普及するという目標に向けての次のステップが実現した。当社はすでにアリゾナ州フェニックス地区でWaymo Oneによってこうしたサービスを提供している。

CPUCから得た許可は、すでにカリフォルニア州自動車局から受けている許可とは異なる。こちらは自動運転車を州内公道でテストすることを許可するもので、60社がこの許可を得ている。

今回得たのはWaymoが自社の自動運転車(現在はChrysler Pacificaハイブリッド、今後はJaguar I-PACE電動車)を用いて乗客を輸送する許可だ。ただしいくつかの制限が課せられる。料金を得ることはできないし、安全を確保するために人間のドライバーが運転席にいることを必要とする。また乗客を乗せて走行した距離や安全措置などの詳細をCPUCに報告しなければならない。

また安全ドライバーは自社の社員でなければならないという条項に関して、CPUCはWaymoが申請していた適用除外を承認した。これにより同社はサードパーティーに安全ドライバーの派遣を委託できる。この点についてWaymoは「安全ドライバーの一部は自社の正社員が加わるが、Waymoが計画しているような実験の規模の場合、非常に多数の安全ドライバーが必要となる。これは自動運転車の安全確保に専門化し高度なノウハウを持つサードパーティーと契約することによって効率的に実現できる」と申請書で述べている。

Waymoは安全ドライバーは全員が同社独自のトレーニングプログラムを受講すると述べた。

自動運転車によるタクシー業務の実験に参加する許可を得たのはWaymoが初めてではない。昨年12月にZooxが最初の許可を受けた後、Pony.ai、AutoXも参加が認められた。

Waymoはカリフォルニア州で長年自動運転車を実験してきた。ただしタクシー業務の実験を始めたのはアリゾナ州だった。これはカリフォルニアに比べて許可を受けなければらない規制の数が少なかったからだ。

Waymoは自動運転車に関する技術センターをアリゾナ州チャンドラーに設け、2016年以来テストを繰り返している。その後Waymoは自動運転タクシー業務の商用化に向けてテストを前進させ、2017年4月には実際に乗客を運ぶテストを開始した。これにより実験の幅が大きく広がった。

昨年12月にアリゾナ州フェニックス地区で開始されたWaymo Oneは商用タクシーサービスの実験で、乗客に料金を請求できる。ただし依然としてWaymoで訓練された安全ドライバーの乗務を必要とする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

インド最大のライドシェアOlaがソフトバンクから約270億円調達しユニコーンに

インドのOlaは同国で展開しているUberとの競争で、リードをさらに広げようとしている。それも共通の投資家のサポートを通じてだ。インド最大のライドシェア企業であるOla Electricは、同国での電気自動車によるビジネスをさらに拡大しようと、ソフトバンクから2億5000万ドル(約270億円)を調達した。

この件に詳しい情報筋によると、火曜日に当局へ提出した書類で詳細が明らかになったラウンドBで、Ola Electricの企業価値は10億ドルとなった。

インド政府が大気汚染と二酸化炭素排出を抑制しようと、タクシーやスクーターを電動化する取り組みを真剣に進めている中でこの投資は行われた。インドは2026年までに車の40%を電動化するという、野心的な目標を立てている。

ちょうどまさにOlaはここ数年、電気の乗り物に取り組んでいる。同社は現在、数台の電動二輪・三輪車パイロットプログラムを全国で展開している。同社はまた、こうした乗り物のために充電インフラとバッテリー交換システムも構築中だ。

今年初めに5600万ドルを調達したOla Electricは今年末までに電動車両1万台を、そして数年内に100万台を投入する計画だ。モビリティソリューションと電動車両プログラムを拡大するために、現在も進行中のJラウンドの一環として今年初めに現代と起亜から3億ドルを調達した親会社グループは、EV事業を展開するために部品メーカーとも提携している。

ソフトバンクのOlaへの積極的な関与は、インド企業がコングロマリットファンドから距離を置こうとしているという憶測を沈静化させるものとなる。Ola Electricはインド初のEVユニコーン企業となったが、同社の広報はコメントを却下している。

英国やニュージーランド、オーストラリアではすでに存在感のあるOla Electricは先月、Uberのお膝元に拠点を構えると発表した。サンフランシスコに新たな先端テクノロジーセンターを設け、エンジニア150人を置く計画だ。

「次の10年を考える時、我々はグローバルのビジネス前線に立ち、新時代の構築や将来の新たなビジネスモデルに影響を及ぼす最先端テクノロジーに携わっていたい。そのためにベイエリアほど最適の場所は他にはなく、今年ベイエリアで100〜150人を雇用し、展開していきたい」とOlaの共同創業者でCEOのBhavish Aggarwal氏は最近開かれたカンファレスで語った。

一方のUberは、現在インドでは電動車両をほとんど展開していない。ちょうど2カ月前、電動自転車シェアリングプラットフォームのYuluとバンガロールでトライアルを行うために提携した。しかしながら、グローバルではサンフランシスコ拠点のスピンアウト、Uber ATGが自動運転事業のために資本を調達している。中国のDidiも同じようにソフトバンクから資本を調達する手法をとろうとしていると報じられている。

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(翻訳:Mizoguchi)

BMWの次世代電動コンセプトカーには特製のサウンドトラックがついている

【抄訳】

6月25日にデビューした「Vision M NEXT」は、BMWの電動コンセプトカーで、ショウルームに登場するとしてもそれはまだかなり先だ。でもそのサウンドは、有名な映画音楽作曲家Hans Zimmer氏とBMW Groupの音響技師でサウンドデザイナーのRenzo Vitale氏が作り、同社の次の車に搭載される予定だ。

たしかに、電動車は無音だ。それらは、内燃機関を載せた車のような音を出す必要がない。このコンセプトカーも、それは同じだ。でも今回わざわざ作ったサウンドは、無音の電動車の楽しいおまけ機能として、ドライバーが有効/無効に設定できる。

今月の初めにBMWはZimmer氏を起用してVision M NEXTと、可能ならばその次の世代の電動車のサウンドの制作を委託した。でもそのとき発表されたビデオはノイズが多くて、バックグラウンドの音楽はよく聞こえなかった。

BMWはその後Webページを作ったので、この未来的な車を近くで見ることができる。無料のSTLファイルが提供されているので、この車の縮小バージョンを3Dプリントすることもできる。壁紙もダウンロードできる。そして、Zimmer氏がVision M NEXTのために作ったサウンドも聴ける。

下のビデオで聴けるサウンドは、加速されたVision M NEXTが「Boost+ Mode」モードに入ったときに鳴る音だ。

最初は、映画館で上映前に鳴るTHXの音みたいだが、加速を表す音に変わっていく。音のピッチがだんだん高くなってスピード感を感じさせる。

Blade Runnerを思い出してしまう。なかなか、よろしい。

【後略】

画像クレジット: BMW

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Uberは自転車やスクーターを前線に配備

Uberは、マイクロモビリティをコアサービスの中に取り込むため、新たな一歩を踏み出しつつある。米国時間7月1日から、UberはJUMPの自転車とスクーター、そしてLimeのスクーターを、Uberアプリを起動すると最初に開くメインマップに表示しはじめた。まずはジョージア州アトランタと、カリフォルニア州サンディエゴからだ。

Uberがサードパーティのサービスを、自社のアプリ内で目立つように表示したのは、今回が初めてのこと。Uberは、パートナーのLimeを通じて、いくつかのアプリを数か月前から提供してきたが、これまではそれほど目立つようなものではなかった。さらにLimeは、上記の都市で、スクーターにUberブランドを表示し始めた。UberとLimeが正式に提携して、ほぼ1年が経過してからのことだ。

「人々が、持っているすべての選択肢を把握できること、そしてその中から自分に最適なものを選べるようになることを願っています」と、UberのNew Mobility Platform部門の責任者、Billy Guernier氏はTechCrunchに語った。

新しいモビリティのサービスが、より目立って表示されるようになったことで、自動車から自転車やスクーターへと、ある程度利用が移行していくことをGuernier氏は期待している。かつてUberがサンフランシスコで、JUMPの自転車をアプリに追加したときには、Guernier氏は「ライドビジネスから、新たなモビリティビジネスへの真の動き」を目指しているのだと語っていた。

将来、こうしたサービスをより幅広く展開することが計画されているが、それについての具体的なスケジュールは明らかにされていない。

画像クレジット:Uber

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラ車のスケッチパッドがアップデート、車内カラオケも登場予定

Tsla(テスラ)車のオーナーは車内情報タッチスクリーンを使い、より自分を芸術的に表現できるようになる。テスラ社はTwitterにて米国時間6月29日、近くリリースされるアップデートによりスケッチパッドの機能が改良され、2年以上前に初めてイースターエッグ(いたずら)として車内に登場した機能にとって、不可欠なアップグレードを提供すると明かした。

テスラ車両の車内ドローイングソフトウェア(奇妙に聞こえるかもしれないが)は、カラーピッカーや彩度コントロール、アンドゥの履歴を使いたいという顧客からの要望を受け、次のメジャーアップデートにて新機能が追加される予定だ。ツイートをみるかぎり、これらのすべての機能が追加されるようだが、用意されている改良はこれだけではないのかもしれない。

テスラでCEOを務めるイーロン・マスク氏は5月、アニメーションのサポートを追加を求める別のツイートにも返答している。マスク氏はただ「OK」としか返していないが、彼のミームへの愛を考えれば、スケッチパッドの次期バージョンにてGIF出力がサポートされてもまったく驚かない。

マスク氏はまた、「すべてのテスラ車両には、優れたアート・ミュージック制作ソフトウェアが搭載されるべきだ」とも述べている。これはどうやら必須機能ではないようだが、億万長者のマスク氏のこと、なにを考えているのかは予測できない。

それだけでなく、マスク氏は音楽キュレーションについてのいくつかの詳細についても触れている。どうやら簡易なミュージックツール、そして「車内カラオケ」が今後登場するらしい。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ソフトバンクとトヨタ合弁のオンデマンドバス事業に5社の自動車メーカーが参加

ソフトバンクとトヨタの合弁事業MONET Technologiesは、最終目標としては自動運転のモジュール構造バスによるオンデマンドの交通サービスを提供する。同社にこのほど、5社の新たなパートナーが加わった。

5社はいずれも日本の自動車メーカーで、いすゞ、スズキ、スバル、ダイハツ、そしてマツダがそれぞれこのベンチャー企業に2%の投資を行う。ソフトバンクとトヨタはそれぞれ、35%を保有している。ホンダと、トヨタ傘下のトラック製造企業日野自動車はそれぞれ、10%を保有している。

このベンチャー企業は昨年9月に創業され、バスと自動車によるオンデマンドの交通サービスを来年日本で開始する。CES 2018でデビューしたコンセプトカーであるe-paletteをベースとするトヨタの自動運転車が、このサービスの主役を担う。

e-Paletteの電動車はインテリアがモジュール構造で、人の搬送や貨物輸送、移動式屋台など、さまざまな利用目的を実装できる。

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このベンチャーは投資を共有するだけでなく、各社がデータを共有できるメリットも大きい。自動運転車によるMaaS(Mobility as a Service、サービスとしての移動交通サービス)の構築にはデータセットが欠かせない、とMONETの社長兼CEO宮川潤一氏は述べている。

これより前にトヨタは、利用者が乗車をアプリで要求できるオンデマンドのバスサービスのパイロット事業を開始した。そのパイロット事業は豊田市の大原地区で行われている。一方このベンチャー企業は、福山市の服部校区で多目的シャトルを含むデモンストレーションプロジェクトを行った。

画像クレジット:トヨタ自動車

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

上海でのテスラ車の発火はバッテリーモジュールが原因

国際的にメディアの関心を集めた、4月に上海で起きたTesla(テスラ)Model Sの発火はバッテリーモジュールが原因でシステムの欠陥ではなかった、とTeslaが金曜日に明らかにした。

TeslaはソーシャルメディアWeiboへの投稿の中で発火原因についての情報をアップデートした。調査チームはバッテリー、車の履歴、ソフトウェア、製造データを分析した。その結果、発火は車両フロントに搭載された1つのバッテリーモジュールが原因だった、とした。

同社はModel SセダンとModel X SUVを対象としたバッテリー充電と温度管理設定を変更するソフトウェアのアップデートを行なった。

このソフトウェアアップデートは最初、香港での別のModel S発火を調査した後の5月に発表されていた。このケースでは、3月14日に香港のショッピングモール近くに停めていた間にModel Sが発火した。この車両は、燃え上がる前に30分ほど停止した状態だった。監視カメラの映像では3回の爆発が確認された。

当時Teslaは、“十分な注意”なしにソフトウェアのアップデートが実行されていた、と語った。このアップデートは“バッテリーを保護し、寿命を改善する”ためのもので、無線ネットワーク上でのソフトウェアアップデートはModel 3では行われない見込みだ。

Teslaはその一方で、発火事故を真剣に受け止めながらも、同社の電気自動車が発火する可能性はガソリン車よりも低い、としている。

中国のスタートアップNioとAudiもバッテリー発火の恐れがあるためにリコールを発表した。Audiの場合、発火はこれまでのところ報告されていない。しかしAudiは、ワイヤーハーネスを通じて湿気が電池の中にしみこむことが明らかになった後、米国でE-Tron SUVの自主回収を発表した。これが原因でバッテリー不具合の警告が出たケースは世界で5件報告されている。

Nioは古いバッテリーパックモジュールにおけるデザインの問題に取り組んでいる。ES8 SUVの納車を2018年6月に始めたNioは中国での一連のバッテリー発火を受け、車両5000台近くを回収している。その後の調査で安全上のリスクにつながる弱点を明らかにした。

バッテリーパックモジュールのサプライヤーを含むNioが率いる専門家チームは、上海で報告されたES8での発火を調査した。そしてチームは漏電を引き起こすかもしれないバッテリーパックデザインの弱点があったと結論づけた。このケースでは、車両に搭載されたバッテリーパックはモジュールNEV-P50が使用されていた。

2018年10月20日以降に生産された70kWhバッテリーパックを搭載した車両ではNEV-P102モジュールが使用されていて、異なる内部構造になっている。こうしたパックでは同様のリスクはない、とNioは話している。

イメージクレジット: Daniel Fung/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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