Adobeは本日Adobe Stockを発表した。このストックフォトサービスは、 Photoshop、InDesign、Premiere ProといったCreative Cloudのツールと深く連携している。Adobe StockはAdobeがストックコンテンツビジネスに参入するために準備した最初のサービスだ。この新しいプロダクトはおよそ半年前にAdobeが買収を完了したストックコンテンツマーケットプレイスのFotoliaが前身となっている。
Adobe Stockには、現在4000万点以上の画像が登録されている。Fotoliaのカタログを共有していて、Fotoliaも当面の間はオンラインで利用できる。現在、利用可能なのは画像コンテンツのみだが、Adobeは動画や他のフォーマットのコンテンツも直に加える予定だ。Photoshop CC、InDesign CC、Illustrator CC、Premiere Pro CCやAfter Effects CCの最新リリース版はAdobe Stockと連携対応している。このサービスは36カ国から利用でき、13言語に対応している。
AdobeのCreative CloudのシニアマーケティングディレクターであるScott Morrisは、ほとんど(およそ85%)のストックコンテンツのユーザーは既にAdobeのツールを利用していて、ストックサービスで入手可能なコンテンツの90%もAdobeのツールで作成された物であると伝えた。
「私たちのカスタマーは、実質的にストックコンテンツの最大のコンシューマーでコントリビューターです」と話した。「Adobeがストックフォトのコンテンツサービスを展開するのは、理に適っています。私たちのユーザーはそれらを既に利用しているのですから」と続けた。
Adobeはストックコンテンツとツールを保有することで、競合他社が提供できないようなサービスも展開することができる。例えば、Adobe StockをPhotoshopから直接ローンチし、使用したい画像を選ぶことができるといったことだ。
通常、画像で作業を開始するには、まずライセンスを取得する必要があるが、Adobeがプロセスの全てを掌握しているため、ユーザーはすぐにライセンスを取得しなくても良い。代わりに、ウォーターマークが付いた画像をサンプルとして使用することができ、イメージと合うか確かめた上でライセンスを取得できる。ライセンスの取得後にウォーターマークが取り除かれ、画像に施した変更が購入したものにも反映される。
Adobe Stockは、一枚の画像につき9.99ドルから提供する。Creative Cloudを利用しているユーザーは、通常49.99ドルの1ヶ月10枚の画像パックを29.99ドルの割引価格で利用できる。毎月最大750枚まで取得できる月額199.99ドルのプランもある。1ヶ月に10枚も画像を使用しなかった場合、余ったライセンスを翌月に繰り越すことができる気の利いた機能もある。最大一年間繰り越せるそうだ。
市場には他にも安価なサービスがあることをAdobeは認めているが、Creative Cloudのツールやライセンスの繰り越し制度など、同社は全体的に見れば、他社よりクリエイターにとって価値の高いサービスであると伝えた。
今のところ、クリエイターが自分で作成したコンテンツをAdobe Stockに登録する手段は、Creative Cloudのアプリ内には組み込まれていない。しかしAdobeは、そうできるように取り組んでいると伝えた。それまで画像を登録したいコントリビューターは、今までのようなウェブベースの作業をする必要がある。
Adobe Stockへの登録プロセスは、iStockやShutterstockのプロセスとほぼ同じだ。コントリビューターになろうと思う人は、プログラムに自分の作品のサンプル画像を提出する。承認されれば、一枚の画像が購入されるごとにロイヤリティとして33%の利益を得る。この割合は、デフォルトとしては比較的高い。(とても有名な写真家でiStockに独占的な権利を認めている場合は、それより高い比率を得ることもできるだろうが、露出もその分限られてしまう。)
Adobeにとって、Adobe Stockをローンチすることは論理的なステップだ。Creative Cloudのサブスクリプション登録をしていて、一枚か二枚、無料で画像を手に入れられるかもしれないと期待していた人にとっては、この有料プランには落胆するだろうが、総合的に見るととても魅力的なサービスだと言える。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter)