Twitter、広告ターゲティングの指標にモバイルOSのバージョン、デバイスの種類、Wi-Fi利用状況などを追加

Twitterは昨日より、より細かな広告ターゲティングが行えるようにシステムを変更している。すなわちモバイル(iOSおよびAndroid)からの利用者についてOSのバージョン、デバイス、およびWi-Fi経由なのかどうかを区別できるようにしているのだ。これまではOSの違いのみでしかターゲティングすることができなかった。今や全世界でTwitterを利用している2億3千万人のうち76%がモバイルから利用しているという数値がある中、今回のこの変更は非常に大きな意味を持つものだ。

今回の変更についてのアナウンスはTwitterのブログで確認することができる。尚、今回の変更は分析用ダッシュボードにも反映されていて、各種キャンペーンの効果を、より詳細に分析することが出来るようになっているようだ。

広告を打つにあたっては、情報は入れば入るほど便利に使うことができる。たとえばiPhoneなのかAndroidなのかを区別できるだけでも、アプリケーションのプロモーションをするのには非常に役に立つ。しかし、アプリケーションが動作しないような旧バージョンを使っている利用者にリーチしても、それは広告費の無駄としたものだ。また、古いOSを使っているような層は、アプリケーションのプロモーション対象として、あまり魅力的でないことが多い。依然としてiOS 5.0搭載のiPhone 3GSを使っている人よりも、最新版のiOS 7やAndroid KitKatを早々に使い始めている層こそが、新しいアプリケーションに対しても強い関心を示しやすい層だということができよう。

モバイルアプリケーションのプロモーションを行っているのは、もちろんTwitterだけではない。Facebookも大きな実績を示しているようで、先月には、モバイル向けの広告経由で1億4500万件のインストールに繋がったのだと報告している。

Twitterは、今回の機能追加がアプリケーション関連のプロモーション以外にも、いろいろと使い道のあるものだとアピールしている。たとえば通信事業者も、特定のデバイス利用者に連絡をとりたいことがあるだろう。あるいはアップデートを促したい利用者にのみアプローチしたいケースもあるはずだ。他にもOSのバージョン、Wi-Fiの利用状況などに応じたターゲティングはいろいろな場面で活用できるはずだとのこと。

当たり前のことだが、ターゲティングは、今回追加された指標でのみ行うわけではない。これまでも、そしてこれからも性別や興味、あるいはロケーションなどによって、利用者を分類することができるようになっている。また、インプレッションやエンゲージメント(クリック、リツイート、等)などの効果分析を行う際にも、今回導入された新たなターゲティング指標を使って行うことができるのは非常に便利なことだろう。

新たなオプションは既にads.twitter.comで利用可能となっている。Twitter Ads APIパートナーも、すぐにこの新機能が利用できるようになるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


AdWords 広告の表示形式 “また” テスト中

先月スマートフォン向けの広告表示が新しくなったばっかりですが、それに味をしめて PC の AdWords 広告も同じように、白の背景で『Ad』のアイコンだけに変更になるようです。

PCのアドワーズ広告も白の背景で『Ad』のアイコンだけに変更

そりゃ、背景が白でオーガニックと似たような表示形式になれば、クリック率もあがるわな(それに伴いGoogleの収益もUP)という感じですが、広告を出す側の立場からしてみれば、嬉しい限りかではないかなと…

その他、新しい広告表示オプションもベータテスト中

その他、下記のような検索ボックスが表示される広告表示オプションも海外では報告されております。

検索ボックスが表示される広告表示オプション

つい先日、広告ランクの計算にて、今後は広告表示オプションも考慮されるようになりますという報告があったばかりですが、バリエーションが増えることで、その差別化も更に加速するのかもしれません。

ご報告

数カ月前より、11月より認定資格が新しく AdWords 認定パートナーとして生まれ変わるというアナウンスがありましたが、弊社も一応その基準をクリア出来たみたいです。

AdWords 認定パートナー

今までの AdWords 認定資格が乱立していたので、リニューアルしてより厳しい基準をということでしたが、多少のプロフィールの追加と、ベストプラクティスの基準値をクリアしないといけない(管理しているアカウントに対する、機能の導入や顧客満足度の維持)のはあるのですが、今までとそれほど変わってないんじゃないかなという印象があります。

よっぽどマジメにやってない場合は、そのへんが壁になるのかな?

とりあえず、右メニューにあるバッジも新しいのに変更しておきました。

Instagram、ついに広告の本格運用を開始

各所で報じられているし、実際に目にした人もいるだろう。スポンサー写真ないしスポンサービデオの提供を開始する旨のアナウンスから一週間、Instagramがいよいよ広告の本格運用を開始したようだ。

最初の広告はマイケル・コース(Michael Kors)のもので、アナウンスされていたように通常のInstagram写真によるものだ。但し、この写真はマイケル・コースをフォローしていない人にも表示される。もちろん写真には「Sponsored」(広告)との表記がついている。Instagramによれば、広告下に表示される3連のドットをクリックすることで非表示にしたり、フィードバックを送ることができる。

この広告がまさに最初のものであるのかどうかについて、Instagramにメールを送ってみた。まだ返事はないものの、確かにこの広告が一番初めのものであるらしい。

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(翻訳:Maeda, H


iTunesもGoogle Playもかったるい, 「自分の」アプリストアを開きたいならAppGalleriesを利用しよう

InMobiがMMTG Labsを買収してから1年あまりとなる今日(米国時間10/22)、このモバイル広告企業は買収の成果となる初めての大型製品をお披露目した。それはAppGalleriesの新バージョンで、パブリッシャーが自分のアプリストアを作って開店でき、そこに広告も入るというものだ。新バージョンではUIが一新され、パブリッシャーがアプリを選択~校閲する自由度が大きくなった。また、巧妙なアルゴリズムにより、ストアの自動的な在庫充実が可能になった。

これはInMobiのより広範な刷新の一環で、ほかにも、テンプレートを使ったカスタムな広告フォーマットにより、ゲーム、天気予報アプリ、ユーティリティなど各種のアプリの広告を作れるようになり、広告上のクリックを前よりも増やせることが期待できる。

MMTGの協同ファウンダRyan MerketがInMobiのプロダクト担当ディレクターになり、彼によると、ホワイトレーベルのアプリストアをパブリッシャーに提供できるのは良い方向性だ、と言う。それはこれまでAppStoresと呼ばれていたサービスで、そのドメインを今ではInMobiが保有し、AppGalleriesへリダイレクトされる。自分に合ったアプリを見つけるのは難しいから、消費者はどうしても、これまで自分が良いと思ったアプリやブランドの関連製品を一望したいと思う。そういう一望の場所を作れるのが、AppGalleriesの便利なところだ。ただしこれまでMMTGには、強力な収益化モデルがなかった。

“自力でスクラッチ〔ゼロから〕で広告ネットワークを作るのはたいへんだから、買収される道を選んだ。うちのビジョンはVCたちになかなか理解してもらえないだろう、とも思った”、とMerketは語る。“InMobiには、そのビジョンを実現するだけの技術力がある”。

InMobiは、今では独立系広告ネットワークの大手だ。このネットワークのユーザ総数は6億9100万に達する。これは、Merketによると、Facebookに次いで二位である。JumptapとMillennial Mediaを合わせたよりも大きい。InMobiのネットワーク上には30000あまりのアプリとサイトがあり、InMobiが扱う広告はモバイルインターネットの全ユーザの60%、全世界のスマートフォンユーザの40%に達していることになる。InMobiのモバイル広告からダウンロードされたアプリは、5000万ダウンロードに達する。

AppGalleriesをパブリッシャーは無料で利用できるが、そこには自分が選んだアプリだけを‘陳列’できる。またその個人化されたアプリストアの在庫は、InMobiが選んだアプリでやユーザ自身のサイトからのセレクションで自動充填されることもある。Merketの説明によると、たとえばあるブログ記事にあるアプリのリビューが載っていたら、そのブログでリビューされているすべてのアプリをAppGalleriesのストアに集めることもできる。Javaで書かれたアルゴリズムが、そういう自動充填処理を行う。その処理には期間や次元を設定できるので、たとえば本誌TechCrunchがAppGalleriesによるアプリストアを持ったら、“これまでの10分以内に公開されたすべての記事中で言及されているアプリを集める”、といった処理も可能だ。しかもInMobiは記事中のリンクを書き換えて、そのパブリッシャーのAppGalleriesストアへ行くようにもできる。もはや、iTunesやGoogle Playへは行かないのだ!

また、そういうアプリのリンクを有料広告に変えられれば、広告収入が得られる。パブリッシャーが自分の広告を売ってもよいし、InMobiのネットワークからの広告を使ってもよい。ただし最小限一つの、InMobi広告がストアのリスト上に”sponsored”のタグ付きでなければならない。それが、AppGalleriesの利用条件だ。InMobiによると、初期のAppGalleriesのテスト結果では、最大でアプリのダウンロード数が600%も増加し、eCPMも、モバイル広告の平均が1~3ドルのところ、最大で12ドルに達した。

アプリインストール広告はFacebookなどでも成功しているから、そのコンセプトを完全なアプリストアへと拡張し、そこに、そういう広告と選ばれたアプリのリストを混ぜ込むことは、理にかなっている。だからInMobiとしてはAppGalleriesをあらゆるパブリッシャーに、アプリストアの自己店として利用してもらいたい。それはHTML5で書かれているので、モバイルのWebサイトでも、あるいはiOSやAndroidのネイティブOS内でも使える(Windows Phoneなどそのほかのプラットホームについては不明)。そしてそれらは、Webサイト上の広告やスタンドアロンのアプリ、あるいはパブリッシャーのアプリそのもののリンクからでもアクセスできる。

MerketによるとInMobiは今、AppGalleriesの展開をFacebookなど大手ソーシャルネットワークのプラットホーム上でも行いたい、と考えている。まだ具体的には決まっていないが、たしかにFacebookやTwitterやLinkedInなどがAppGalleriesを実装したらおもしろいことになるだろう。今はどこでも、今後の成長源としてモバイルを意識しているから、今後の課題は短時間で飽きられがちなプラットホームにどうやってユーザのエンゲージメントをつなぎとめるか、になってくる。Facebookなど大手SNSにおいても、ユーザの滞留時間の増と、それに伴う広告の効果の増大が、今および今後の重要な関心になるはずだ。AppGalleriesは、上手に作り込めば、まさにその関心に応えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


インターネット広告は伸び率ではダントツ, しかし広告の額ではテレビの王座揺るがず

NielsenはTwitterと密接に協働してテレビ番組に関するツイートを追いつづけている。…などなど最近のTwitterはテレビのコンテンツをマーケティングするためにうちのプラットホームをどう使うかの研究と試行に明け暮れている。 …そしてインターネットのポータルたちも、ビデオ広告の王者の座を争っている。ではでは、テレビとインターネット、この二つのメディアに広告は収斂していくのだろうか? そのNielsenが今日(米国時間10/22)発表した2013Q2(4-6月)の広告統計によると、テレビは依然として最大の広告媒体、インターネット広告はしかし、もっとも成長率の高い広告媒体だ。

その報告書Global AdViewによると、消費者がコンピュータやタブレットやモバイルの画面を見つめる時間はますます増えているにもかかわらず、こと広告に関してはいまだにアナログが支配する世界だ。2013Q2では、テレビ受信機で見るテレビが全世界の広告支出の57.6%を占める。第二位は、デジタル版も含む新聞で、18.9%だ。三位は、雑誌の10.0%。


上の図でお分かりのように、今やFacebookやTwitterが“億”のオーダーでユーザを集める時代であるにもかかわらず、インターネットのディスプレイ広告の全広告費支出におけるシェアはわずかに4.3%である。ただしインターネット広告の前年同期比成長率は26.6%と高く、成長率では他のあらゆる媒体を圧している(下図)。新聞と雑誌とラジオと映画は、前年同期比で広告収入シェアが下降ぎみだ。


なお、広告代理店ZenithOptimediaが9月に発表した数字によると、最大の広告媒体であるテレビは2012年に全広告費支出の40%を占めたが、2015年においてもその下降率は微々たるもので、39.5%というシェアを握るだろう、という。でも、ZenithもNielsenも、テレビで稼がせてもらってる会社だもんねぇ。

ZenithOptimediaは、インターネットの数字がNielsenよりも高い。2012年のシェアが18%強、2015年には25%弱になる、という。ただしNielsenの数字はディスプレイ広告のみ、Zenithのは検索広告やテキスト広告を含んでいる。

ZenithOptimediaはシェアだけでなく金額もあげており、2013年のディスプレイ広告は全世界で402億ドル、その中でインターネットのディスプレイ広告は1億ドル足らず、という。

〔訳注: Nielsenの数字では、(1)ディスプレイ広告以外のインターネット広告、そして、(2)新聞・雑誌におけるデジタル版(==インターネットコンテンツ)上の広告が、いずれも不明である。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitterはユーザーの関心グラフ情報で稼ぐ―MoPubを通じてサードパーティにターゲット広告配信へ

Financial Timesが得た情報によると、Twitter上のすべての活動は最近買収したMoPubを通じて、サードパーティーのサイトに効果的なターゲティング広告を表示するための材料として使われることになるらしい。ユーザーがTwitterにログインすると、自分が何をツイートしたか、誰をフォローしているによって関連するMoPubネットワークからの広告が表示される。しかしTwitterは自サイトへの表示だけでなく、このユーザー情報に基づいた広告の配信から収益を上げようとしているのだという。

TwitterのInterest Graph〔関心グラフ〕のデータがTwitterのビジネスのカギとなるわけだ。Twitterの株式上場が迫っている現在、サイトに広告を氾濫させずに大規模に収入を得る方法があれば株価にも好影響を与えるだろう。

Financial Timesの記事(有料)によると、TwitterはMoPubの買収手続きを完了中であり、このプラットフォームを利用してTwitterの関心グラフに基づくデータをサードパーティーのウェブサイトやモバイル・アプリに販売することを計画しているという。このデータにはユーザーのフォロー相手、ツイート内容が含まれる。これが重要な収益源として従来のプロモート・ツイートに加わることになると事情に通じた情報源が述べたという。

この記事ではまだ詳細は不明だが、Twitterが新たに買収したMoPubを利用してサードパーティーから収益を上げようとしていることは確かなようだ。

まず第一にTwitterはMoPubをオフサイト、オフアプリでの広告ターゲティング・プラットフォームとして利用することができる。たとえば私が「ハワイに行ってみたい」とか「デジタル一眼が欲しい」とかツイートしたら、あるいは@HawaiianAir(ハワイ航空)や@DCamMag(デジタルカメラワールド誌)をフォローしているとしよう。私がMoPubネットワークから広告を配信してもらっているウェブサイトを訪問するとハワイやデジタル一眼関係の広告が表示されるわけだ。Twitterは私のツイート中のキーワードやフォロー相手のデータを利用して効果的にターゲティングした広告をMoPubを通じてサードパーティーのサイトやアプリに販売することができる。

左の写真はMoPubのケーススタディーの例だが、ユーザーが「私は掃除が好き」とツイートしたところ、SongzaアプリにMr. Clean〔P&G社のマスコット・キャラクター〕の広告が表示された。

一部のユーザーはTwitterがユーザーのデータを利用してサードパーティーから収益を得るということに不安を感じるかもしれない。しかしTwitter上のほとんどのデータはもともと公開情報であり、多くのサードパーティーがすでに広告に利用している。またユーザーも他の多くのサイトにターゲット広告に使われる情報を自発的に提供している。ある意味でTwitter-MoPubの方が無害だといえる。【中略】

MoPubを買収したことでTwitterはサードパーティーへの広告配信という有利な事業で広告ネットワークにマージンを支払う必要がなくなった。株式上場を控えて賢明な判断であり、巨額の売上が見込めるので株価の維持に役立つだろう。最近TwitterはiTunes Radioのプロダクト・マネージャー、Gareth Paulをスカウトするなど、サードパーティーとの提携に特に力を入れている。

そこで次にはFacebookがモバイル広告配信事業を急速に立ち上げるために広告ネットワークの買収に踏み切るかどうかが注目される。

TwitterのMoPub買収額は3億5000万ドル相当のキャッシュと株式だったとされる。買収手続きは2013年第4四半期に完了するようだ。MoPubを利用した実際の事業開始はその後になる。Twitterに多額の売上をもたらしながらTwitterのストリームに広告は増えないという結果になることを期待したい。

[画像:Gluekit]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


2億1800万のTwitter利用者中、Twitterフィードを見ない人(Blind-Tweeters)の割合は?

ウェブを介して行われるコミュニケーションの「バックボーン」となることには、プラスの面とマイナスの面がある。Twitterはいろいろなサイトから情報を取り出してきて多くの人と共有するために使われている。しかし他サービスからの情報を「流す」(共有する)用途で利用している人は、Twitterのサイトを訪れる必要もない。すなわちTwitterサイトに掲載する広告を目にすることもないのだ。

既におわかりのように、広告の提示機会を失っていることがTwitterにとっての問題となる。2億1800万の利用者のうち、こうしたTwitterサイトを経由しない利用者(blindtweeter)がかなりの割合にのぼるものと思われる。

TwitterはS-1書類の61ページにて「アクティブユーザー」にはサイト訪問者およびモバイルアプリケーションの利用者のみでなく、ログインして外部のアプリケーションないしサイト経由で利用している人も含むと記している。そうした人々もTwitterにコンテンツを送り込み、そしてそのコンテンツのフィード中には広告も表示される。すなわち、そうした人々もTwitterの売上げに貢献しているのだと言うことはできる。但し、そうした人々自身は、Twitterの提供する広告を目にしてはいないことも事実だ。

言うまでもなく、サイトを訪問せずにTwitterを利用する方法は無数にある。多くの人がブログに投稿したり、Tumblrを更新したら、自動的にツイートが流れるようにしている。Facebookへの投稿を自動的にTwitterに流している人もいる。IFTTTなどのツールもあり、さまざまな方法で外部サービスと連携させることができるようになっている。上場云々が無関係な時期であれば、ともかくコンテンツを増やすというのが大事なことではあった。もちろん現時点でも大事なことだろう。ただ、「無意識」のうちにTwitterを使う人が多い中、Twitterの「商業的価値」を実際以上に大きく見せてしまうということはある。

「Twitterは全く利用していないけれど、Instagramのフォードは流すように設定している」という人もいる。実のところInstagramのフィードを流す人というのが、Twitterにとっては痛し痒しの存在になってもいる。InstagramはTwitter Cardsのサポートをやめてしまっていて、Twitter上にInstagram関連の投稿が流れても、写真を見ることはできないのだ。写真を見ようとする人は、Twitterから離れてInstagramのサイトに飛ぶことになってしまうのだ。つまり、ここでも広告の表示機会を失うこととなってしまう。

Twitter自身も「他アプリケーションからTwitterを利用していて、Twitterからの広告を目にもしない利用者」を「リスク要因」としている。但し、こうしたタイプの利用者割合については明らかにしていない。もし、Twitterのマネタイズに寄与しない(寄与する率の低い)利用者が非常に多いようだということになれば、上場を行う前にきちんとした数値を明らかにせよという圧力が強まることになるかもしれない。

[Image Credit]

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(翻訳:Maeda, H


Dots、GEのBrilliant Week企画に連動した提携に基づく「Gravity Mode」を実装して配布中

betaworksのDotsが、GEとネイティブ広告を展開することになったとアナウンスしている。契約金などの詳細については発表されていない。

今回の契約により、Dotsは「Gravity Mode」(重力モード)を加えた新たなアプリケーションをリリースしている(訳注:現在は、このモードを選ぶと9月8日にリリースというようなメッセージが表示されるようになっているようです)。

きっかけとなったのは、GEが1週間におよぶ科学技術関連の「記念日」(記念ウィーク)を制定したことによる(ブランド発の記念日制定はNational Dance Dayなど、いろいろと出てきている)GEはこれをBrilliant Weekと名づけている。この中で9月8日にはGravity Day(重力デー)が準備されていて、Dotsは、とくにこの日とタイアップしている(ちなみに9/8は地球の重力加速度である9.8m/sから定められたものだ)。

共同ファウンダーのPaul Murphyによると、Dotsにはこれまで、半ダースほどの提携オファーがあったのだそうだ。

「いろいろと検討させて頂いて、結局GEと組むことになりました。GEとの企画が、Dotsに魅力的な機能を組み込む上で最も可能性のあるオプションだと考えたのです」とMurphyは言う。「プレイヤーが楽しめるようにするというのが最も大事なことですから」とのこと。

ちなみにMurphyの言うところでは、Dotsは1日に2500万回ないし3000万回プレイされているのだそうだ。念のため申し添えておくと、DotsはAndroid版、iPhone版、およびiPad版がリリースされている。

「Dotsを利用することで、双方にメリットが現れる提携作業というのは面白いものだと思います」と、Murphyは相互メリットについても語っていた。「GEのようなビッグブランドと組むことにより、私達は利用者に対して新たな魅力を提示できるようになります。そして利用者が増え、ゲーム自体の魅力も高まるという展開ができそうだと考えています」。

しかしDotsの成長の速さには驚くばかりだ。デビューしたのは今年の5月で、まだ数ヵ月しか経っていない。これまでネイティブ広告の仕掛けを試みたこともないのに、いきなりGEという大物と組むのにも驚かされる。DotsはZENモードや、マルチプレイヤーモードを導入して新たな魅力を訴え続けている。しかし外部ブランドと手を組むのは今回が最初だ。広告臭さを気にして離れる利用者がいるのか、あるいはそもそも広告臭がするものになるのかどうか、日曜日を待っていようと思う。

ところで、Gravity Modeとはいったいどういうものなのか。

まず、時間制限がないという意味では「ムーブモード」と同じだ。できるだけ多くのドットを四角く繋げられるように頭を使えばいい。

但し、行き詰まった時にはGravity Mode Shufflerボタンをタップすることができる。これにより画面は自動的にシャッフルされ、また「重力」およびスマートフォンの傾き方に応じて特定のドットが消滅する。なかなか面白そうではなかろうか。

ゲームを進めていくとレベルがあがり、レベルカードを入手できる。レベルカードを入手すれば、それにともなってdotsポイントが溜まっていく仕組みだ。Gravity Modeは1週間の期間限定であるようだが、期間が過ぎてもポイントは残ったままになるそうだ。

もちろんこれまでにもモバイルゲームが大手ブランドと手を組むというシーンは目にしてきた。たとえばAngry Birds Rioがあった。20世紀FOXとのタイアップで、アニメシーンに乗り込んできたものだ。これがきっかけとなりRovioはAngry Birds関連製品を多く世に出すこととなり、短編アニメなどの配信にも乗り出すこととなった。

またHasbroはBackFlipスタジオの大半の株式を取得し、Hasbroブランドのゲームを世に出している。またKabamもWarner Brosと戦略提携を結び、「指輪物語」や「ワイルド・スピード」などに基づいたゲームをリリースしている。

但し、RovioやKabamの場合とは違い、Dotsはゲーム中にGE関連のコンテンツを盛り込む必要はない。GEは、ゲーム内での言及を一切期待せず、ただただ新しいゲームの開発に出資したわけだ。これもまた話題になるひとつの方法だと判断したのだろう。確かに面白い試みではある。ただ、これがブランド側にとって、どれほどの効果があるのかは今後の状況を見てみる必要がある。

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(翻訳:Maeda, H)


Google、 Nestlé®と提携してAndroidの次世代版をKit Kat®と命名―緑色のロボットを印刷したチョコレート5000万個が売りだされるらしい

Googleは次世代Androidとなるv4.4をKitKat’と命名したが、そのためにNestléと契約を結んだという。Kit Katというコードネームは今朝(米国時間9/3)GoogleのSundar Pichai上級副社長がブログで発表し、即座に大量のコメントを呼び込んでいる。しかしGoogleは単にKit Katの名称を利用しただけではなかった。

GoogleのAndroidのaboutページに行くと、例によってAndroidロボットのかっこうをした大きなKit Katチョコレートの画像が出迎える。しかもページの最後のリンクをたどると「KitKat4.0―お菓子の未来がやってきた」というKitKatチョコレートの専用CMサイトに誘導される。インターネットの巨人と世界的食品メーカーという思いがけないコラボレーションだ。

われわれがGoogleに取材したところ、「両社の間に金銭的やりとりは一切ない」とのことだった。それでもお互いにメリットがあるクロスプラットフォーム契約となっているようだ。

ちなみにアメリカではAndroidサイトのリンクはHersheyチョコレートのサイトに飛ぶ。現在世界の大部分でKitKatを製造販売しているのはNestléだが、Rowntree社(後にNestléが買収)がHersheyにアメリカでの製造販売のライセンスを与えた関係でこうなっているのだという。このためGoogleが契約した相手がHersheyなのかNestléなのか当初混乱が生じた。.

今日のBBCニュースによると Androidのグローバル・パートナーシップ担当ディレクターのJohn Lagerlingは「この提携は金銭のやりとりはない。意外性があって面白いから企画した。たしかに以前コードネームとしてKey Lime Pieを考えたこともあったが、食べたことのある人の数が少なすぎるのでボツにした」と語ったという。LagerlingはKit Katになった経緯をこう説明する。

Googleのキッチンにいつも備え付けてあるお菓子の一つがKitKatだった。そこで誰かが「KitKatはどうだい?」と言い出した。

当時われわれはKitKatに関する権利をどこの会社が持っているのかも知らなかった。「使わせてくれ」といっても難しいだろうと思った。しかしダメモトでNestleに話を持っていくことにした。われわれは去年の11月の末に飛び込みでいきなりNestléのイギリスの広告代理店の代表番号に電話してタイアップを提案した。

すると翌日、スイスのNestlé本社から電話があって、カンファレンス・コールで話し合った。Nestléは24時間でOKと言ってきた。.

Nestléのマーケティング責任者の Patrice BulaがBBCに語ったところでは、Googleとの提携は即決だったという。世界中のコンビニやスーパーの店頭でAndroid4.4のプロモーションができるというのはGoogleにとって巨大な利益だ。いっぽうNestléも延べ10億台にも上るAndroidデバイスにKit Katという名前のOSがインストールされるならたいへんなブランド力の増強になる。

とはいえ、Googleは広告代理店でありライバルの食品会社の広告も扱っているのに、特定の会社とこのような大規模なクロスプラットフォーム・プロモーションをすることには私自身はいささか疑問を抱いている。いずれにせよ、NestléはAndroidのマスコットを印刷したKitKatを5000万個も製造するという。

Googleの社員も本社に巨大な彫像が立って初めて新Androidのコードネームを知ったようだ。記事トップの写真はGoogleのSundar Pichai上級副社長の撮影。

この記事のタイトルのアイディアはMike Hayにもらった。,

アップデート: マスコットの彫像は以前どおりThemendousの作成。去年われわれはJelly Beanの製作過程を取材した。 運送されるKit Katの彫像。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ヴォラーレが1.75億円を調達、ディレクトリ型アプリ検索「Appliv」にSEO事業の知見を投入

ヴォラーレは2007年に創業されたスタートアップで、主にSEOを中心としたコンサルティング事業や自社サービスの運営を行っている。そのヴォラーレが本日、日本ベンチャーキャピタル、元クックパッドCFOの成松淳氏を引受先とした総額1.75億円の資金調達を実施した。

ヴォラーレはSEO/コンサルティング事業で経営は順調なようだが、今回調達した資金を自社サービスの運営に充て、サービスの拡大を目指すという。ヴォラーレ代表取締役社長の高橋飛翔氏は創業後から主にB向けの事業を展開していたが、昔からC向けのサービスを展開したいと考えており、2011年12月ごろからはアプリ発見サービス「Appliv」に注力してきた。

ApplivはブラウザベースでiOSアプリを発見するためのサービスで、各アプリにはヴォラーレの公式レビューとユーザーからのレビューが掲載されている。App Storeではスクリーンショットと短いアプリ紹介分だけで情報が少ないが、Applivではどのようなアプリかを詳しく掲載することで目的に合ったアプリを発見しやすくしている。

このサービスがリリースされたのは昨年8月で、現在は月間UU(ユニークユーザー)120万、600万PVほどにまで成長しており、レビューはヴォラーレ公式のものを含め1万8,000件ほど掲載されている状態だ。

ヴォラーレは以前TwizardといったTwitterクライアントも提供していたが、今は主にApplivに絞って展開している。この事業に注力した理由の1つはSEO事業で培った技術、知識を活かせるサービスだからであると高橋氏はいう。

では、実際にどのような点でこのサービスにSEOのノウハウが活かされているのだろうか。それはCGM型のサービスであり、ディレクトリ構造にしている点である。

CGM型のサービスでは飲食店なら食べログ、料理ならクックパッドが有名であるが、これらでSEOは非常に重要であるという。前者なら「地名+料理のカテゴリ」、後者なら「食材名+調理法」などの検索ワードで上位に表示されることはトラフィックを集めるには大切である(もちろん、その前に検索対象となるコンテンツも必要だが)。

また、ApplivはApp Storeのカテゴリよりも細かく1,200個以上にカテゴライズされていて、細かなディレクトリ構造を取っている。例えばApp Storeでは「ファイナンス」という1つのカテゴリになっているが、Applivではその下の階層に「投資・資産運用」、「家計簿」、「計算機」というように細かく分けられている。このディレクトリ構造はSEO的にも有効なのだという。

このディレクトリ構造についてはSEO事業会社としての視点を高橋氏は語ってくれた。「Web領域においては、Yahoo!のディレクトリ型検索エンジンに対し、Googleのロボット型検索エンジンが勝利したという歴史があるが、アプリ領域においてはロボット型検索エンジンを確立することは困難である」そうだ。

なぜ、アプリ領域でロボット型検索エンジンが機能しないのかというと、Googleの検索エンジンはテキストコンテンツやハイパーリンクなどを解析することで主に検索結果の表示順位を決定しているが、アプリにはテキストコンテンツがない場合もあるし、アプリ間をハイパーリンクが繋いでいるという状況でもないからだそうだ。

このような背景から現状のiOS、Androidアプリマーケットではロボット型検索エンジンは機能しないと考え、ApplivではWeb上でテキストのレビューを掲載し、ディレクトリ構造を取ってハイパーリンクを繋ぎ、ロボット型検索エンジンが機能するようにしているという。このような仮説を基にSEO事業で培ったノウハウを活かしているようだ。

さて、今後の展開についてだが、早速本日から新たに「Appliv Ad」という成果報酬型の広告サービスを提供するようだ。広告主が予算の上限を決めると自動的にAppliv内で最適な箇所にアプリを目立たせて表示してくれる。広告のリンク先はAppliv内のレビューページで、料金が発生するタイミングはユーザーがレビューを読み、App Storeへのリンクを踏んだ時となっている。

高橋氏は「リワード広告などではなく、レビューをしっかり読んで興味を持った人がインストールすることでアクティブ率も高くなるのではないか」と語る。

なお、前述の通りApplivは現在iOSアプリのみの掲載となっているが、今年末までにはAndroidアプリの掲載も予定しているそうだ。


惜しみなくFacebookは奪う?! モバイルウェブ利用者向けにトレンド・トピックの提供をテスト中

Facebookがハッシュタグを導入してしばらくになる。また、プレスイベントなどでも「リアルタイム・コンテンツ」ということを強調している。いずれももともとはTwitterで使われた表現だが、他にも「Twitter風」の仕組みを試しているようだ。

何の話かといえば「トレンド」(trending topics)だ。TechCrunchからの問い合わせに対し、確かにトレンド・トピックを一部の利用者に対して表示しているとの回答があった。本件を最初に報じたのはAllThingsDだ。

新機能についてのFacebookからの説明を掲載しておこう。

Facebook上でトレンド・トピックを表示する実験を開始しました。アメリカ国内のごくわずかの利用者のみを対象に行なっているものです。またモバイルサイトのみで提供しています(m.facebook.com)。これはあくまでもテスト目的のものであり、細かな仕様などの定まったものではありません。より広範囲に公開することになれば、改めて発表を行いたいと思います。

Facebookが言うように、ごく限られた範囲に提供しているベータ的機能なので、一般公開されるにしても、細かい部分は変わる可能性が高い。ただ現状では、多くのコメントがついているものが「トレンド」としてピックアップされているようだ。表示されるトピックをタップすると、友だちの投稿はもちろん、該当トピックスについて一般公開にて意見を寄せている人の投稿もみることができる。

トレンド・トピックはTwitterでは2008年夏に導入された。そして2010年には有料のPromoted Trendsが導入された。このPromoted Trendsの費用は、現段階で1日あたり20万ドルにもなっているとのことだった。企業・ブランドからの収入はもちろん売り上げの小さからぬ部分を占めるようになっている。Facebookも、閉じた人間関係の中だけでなく、よりパブリックな情報を扱うようにして、リアルタイムの情報を入手する場所としての価値をあげようとしている。トレンド・トピックもその一環で、利用者により魅力的なコンテンツを提供してマネタイズのための要素としたい考えだ。

但し、トレンド・トピックは、フィード上でのノイズともなり得る。モバイル環境では、既にプロモート・ポストや広告なので、友人やネットワークからの情報が見づらい状態になってしまっている。そういう不満の声がありそうだという予想もあって、まずはごく小さな利用者層を対象にテストを行なっているのだろう。友だちや家族からの投稿と、そしてリアルタイムニュースやエンタテインメント情報の表示量バランスを探ろうとしているわけだ。トレンド・トピックが全利用者向けに公開されることになるかどうかはまだわからない。しかしFacebookは変わり続けており、今後はいったい何をTwitterから奪いとろうとするのか、興味深いところだ。

掲載したスクリーンショットはAllThingsDに掲載されたものを拝借している。

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(翻訳:Maeda, H)


NativeXのモバイルターゲティング広告は数百数千の属性を利用して精度をアップ

モバイル広告のNativeXが今日(米国時間8/7)発表した新しいターゲット機能は、同社に言わせると“これまででもっとも正確な層別ターゲット広告技法だ”そうだ。

こんな言い方はマーケティングの世界では昔からありふれているが、でもNativeX(元w3i)によれば、モバイル広告における他社のターゲット手法は、せいぜい一つか二つの属性しか使わない(性別、と、年齢、など)。しかし同社の技術では、数百数千の属性を利用できる。デバイスのタイプと位置だけでなく、年齢、収入、性別、人種/民族、学歴、などなど。だから広告主は、自分が求める正確な層に到達できる。たとえば、“20歳の学生でギャンブルが好き”な層や、“子どもが二人いる働きママ”など。そして、そういう人たちの特性や関心に合った広告を、投ずることができるのだ。

以下に引用する同社の説明は、あまり技術面の詳細はなくて、Justin Bieberの名前が出てくる:

あなたがポスター屋さんで、ポスターを買いたいと思っている100名の女子高校生に訴求するとしましょう。人気者のJustin Bieberのポスター集のカタログを配ったら、20名ぐらいが複数枚買ってくれるかもしれません。でも残りの80名は、好みが分からないので、逃(のが)してしまいます。

NativeXのスマートエンジンは、100名の女の子全員のいろんな要素を調べて、各人の好きなものを見つけます。全員にJustin Bieberのカタログを配るのではなく、一人一人の関心に即したカタログを進呈できます。特定のポスターをたくさん買ってくれるお客さんだけでなく、自分の関心にぴったり合ったカタログを受け取った、たくさんの女の子が、将来のお客になってくれるのです。

同社は匿名のユーザ調査によって、アプリの層別データを集めている。でもこのターゲット技法は、調査をしなくても有効なこともある。初期のテストでは、同社の技術によるターゲット化によってeCPM(広告効果)が500~600%増加した。

〔訳注: 最後のパラグラフの意味が、よく分からない。初期テストでは既知の属性データだけを使ってターゲティングをやった、という意味か?〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


KDDI子会社のmediba、アドテクベンチャーのスケールアウトを買収――買収額は10億円程度

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つい先日、Dennnoが110万ドルを調達したとお伝えしたばかりだが、日本発のアドテク関連ベンチャーでまた大きな動きがあった。KDDIの子会社でauスマートパスを中心に広告事業を展開するmedibaが、広告配信システムを開発・提供しているスケールアウトの既存株式を取得して子会社した。株式の取得数や保有割合は明かされていないが、関係者の話によると買収額は10億円程度と推測される。

medibaは2011年8月にノボットを子会社化してアドネットワークという「面」を手に入れているが、今回の買収により、スケールアウトが持つ配信プラットフォーム「ScaleOut DSP」で技術面を強化していくことになる。もともと過去1年半ほどにわたってスケールアウトはこの配信プラットフォームをmedibaにOEM提供をしていたというから、たとえは下品だが同棲期間を経て婚約という感じかもしれない。スケールアウトは九段下にあるオフィスを、mediba本社のある渋谷近辺に移す予定だという。

広告配信プラットフォームは広告主側か媒体側か、そのどちらに最適化してインターフェイスなどを作り込んでいるかで、DSP(Demand Side Platform)とSSP(Supply Side Platform)に分類される。SSPは媒体社が利用するもので、サイトやオーディエンスごとに収益性の高い最適な広告を配信する。一方、スケールアウトは代理店や広告主側が利用するDSP側のプラットフォームを主に構築してきた。mediba広告事業本部プロダクト企画部部長の宮本裕樹氏によれば、今後、medibaではDSPからSSPまで一貫した配信プラットフォームを作っていくことになる。具体的には、属性データや広告配信データ、広告反応データを一元管理して蓄積できるDMP(Data Management Platform)事業へ参入する。アドテク業界は媒体社や代理店といったビジネス構造に最適化した形でDSPやSSP、アドネットワークといったプラットフォームが立ち上がり、それらが絡み合って林立する状態となっている。スケールアウトの創業社長の山崎大輔氏に見立てでは、今後はDSPとSSPの統合、アド関連企業とキャリアの連携が深まっていくことになりそうで、今回の買収もそうした流れの中にある。DSPとSSPの連携でマッチング精度が上がれば、現在、利用率が30%程度といわれるリアルタイム入札の市場拡大も期待できるという。

KDDIはモバイルキャリアとしてユーザーの属性情報を多く持っている。プライバシーの問題があるため粒度は粗めだが、性別・年齢層、サービス加入の有無や広告閲覧履歴などを利用したターゲティングを行う広告配信を2012年12月に始めている。一方、スケールアウトが取り組んできたDSPは「代理店が手でやってきたことの自動化」(山崎氏)なので技術進化の余地や伸びしろが大きいが、行動履歴から属性情報を類推するアプローチのために精度向上に限界がある。だから、今風にいえばKDDIが持つビッグデータと、存在感を増すDSPという2つを融合してマッチング精度を高めた広告配信プラットフォームを作っていく、というのが今回の買収の狙いということになりそうだ。スケールアウトから見ると、KDDIのグループ会社となることで属性情報というセンシティブなデータを扱いやすくなるということもあるし、営業力や資本力の点でも独立してやっていくよりも自然な選択だった、と山崎氏は話す。

medibaでは今後、PCやスマフォだけでなく、タブレットやスマートTVまで含めたマルチデバイスの広告配信を目指すという。medibaの宮本氏によれば、国内ではマルチデバイスで広告配信ができるプレイヤーはまだいないという。

エンジニアが起業してエグジットした成功例

スケールアウトは、ヤフーで広告システム技術を担当していた山崎大輔氏が2006年に独立して創業した広告配信システムの会社だ。今も社員11人のうち9人がエンジニアというから技術志向が強く、エンジニアが起業してエグジットまで持っていった成功例としても注目を集めそうだ。山崎氏によれば、エンジニアでありながら成功できた理由として大きいのは、2年前にB DASH VENTURESからの投資を受けて、ベンチャーキャピタリストの渡辺洋行氏にビジネス面でのアドバイスを受けることができたことだという。渡辺氏の紹介でスケールアウトに加わった菅原健一氏らのおかげでスケールアウトはビジネス面で加速できたのだという。

山崎氏は渡辺氏に出会うまで、ほそぼそと黒字を出し、忙しくなく続ける数人の会社というポジショニングでスケールアウトを経営していた。ひと口に「広告配信システムの提供」といっても、顧客先に出向いてシステムのインストールから運用、カスタマイズまでこなす形態もあれば、現在のスケールアウトのようにASP型のOEM提供を主体とする形態もある。スケールアウトは当初は前者で、エンジニアが顧客先に出向くビジネスを行なっていたため規模でスケールするのが難しかったという。技術革新も競争も加速するアドテク業界にあって、こうしたモデルはいずれ立ち行かなくなる。そう感じていた山崎氏は、渡辺氏や菅原氏らのアドバイスを得ながら1年をかけてASP型を開発。より多くの顧客に少ない手数で提供できるシステムと販売体制を整えた。「ぼくはビジネスの才能があるわけではないので、菅原というビジネスが分かる人間を雇うことができたのは幸運だった」(山崎氏)。もともとB2Bであるため技術1本で勝負というスタイルになりがちだったところに、ビジネスの才覚がある2人が加わったことが、スケールアウトが業績を伸ばせた理由という。「エンジニアリングが世界を変えるというのは確か。だけど、成功しているのはビジネスとエンジニアリングの両方ができたところ。グリーなら田中社長とCTOの藤本さん、mixiなら笠原社長とバタラさんというように、ビジネスとエンジニアリングは両輪です」。

ビジネス面の大切さを語る山崎氏だが、「そうはいってもモノが作れないとダメ。技術の下支えが絶対に必要」とエンジニアリングでエッジが利いてることも成功の条件と話す。

スケールアウトの創業当時、ネット広告業界では高価なヘビー級サーバを購入して案件管理だけでなく配信までRDB経由で行う「贅沢な」広告配信システムが多かった。大量のトラフィックをさばくシステムの配信部分でRDBを使うのは効率が悪い。そんな中、山崎氏はC言語で書いたApacheモジュールをサーバ群に分散配置することで競合より配信コストを1桁も2桁も抑え、「1日数十億インプレッションをカジュアルに捌くシステム」を当初は1人で作り上げた。案件管理やログ処理、分散の仕組みはRuby/Railsで書いた。Ruby on Railsという選択が二重の意味で奏功した、と山崎氏はいう。1つは、もともとバックエンドが得意なエンジニアだった山崎氏にとって、業務アプリの画面を大量に作るのにRailsの効率が高かったこと。もう1つは、2006年ごろから現在にいたるまでRuby周辺には優秀なエンジニアが多くいて、スケールアウトのシステムは、こうしたエンジニア達に支えられて成長できたからだ。

ずいぶん前から私は山崎氏のことを知っている。Ruby技術者が集まるコミュニティのAsakusa.rbで時々話す機会があったからだ。そんな私には、2年ほど前のある夜のミートアップで耳にした会話が忘れられない。その日はRubyの生みの親として知られるまつもとゆきひろ氏が、ふらりとAsakusa.rbにやってきていた。数十億という単位の途方もない数の文字列オブジェクトをメモリ上で効率的にコピーする良い方法はないものか、そう熱心にまつもと氏に聞いている人物、それが山崎氏だった。結局、それはRubyのオブジェクトの生成コスト自体の問題からRubyレベルでは解決不能だと分かり、独自実装のC拡張を作ることとなった。そのモジュールを作ったのは、現在グーグルで活躍するRubyistとして知られる園田裕貴(yugui)氏だ。20分の処理が1分になった。

「経理も経営も全部やらなきゃいけないので、創業以来、常に勉強、勉強でした。苦労だらけだった中で、唯一苦労しなかったのは、最初に設計した配信エンジンのアーキテクチャとエンジニアの採用ですね」と山崎氏は笑う。腕の立つエンジニア達と仕事ができたのは東京の活発なエンジニアコミュニティの存在のおかげで、「Rubyのコミュニティに助けてもらった。お返ししたいという思いがある」という。一方で、エンジニアとして成功した自身の経験から、エンジニアたちに次のようなメッセージを発してもいる。

「例えばSIer業界にも、まだまだエッジな人材がいると思いますが、そういう人たちにも、もっとビジネス側の人とあってほしい。海外のスタートアップを見て感心してる場合じゃなくて、そういうプレイヤーになれると自覚してほしい。資本規模を抜きにすると、われわれもアメリカにも負けない感じになってきている。アプリ開発のフレームワークやミドルウェアが進化していて、1人とか2人で世界で戦えるプロダクトがいきなり作れる時代なんです。エンジニアにやれることはいっぱいある。だからもっとビジネス側に目を向けて、自分たちが変えるんだという気概をもってやってほしい」

「かつての我々と同様に、高い技術力があるのに伸び悩んでいる会社がある。メンタリングとか大げさな話ではなく、今後はそうした会社を引き上げるようなことができればということも思っています。自分はエンジニア側の人間と見られているので、エンジニアリングとビジネスの架け橋になりたいですね」。


視聴時間単位で広告枠を販売するDennooがニッセイ・キャピタルから110万ドルを追加調達

単にブラウザに広告が読み込まれただけではなく、実際にユーザーに表示された時間単位で広告枠を販売する事業を展開するのがDennooだ。このスタートアップについては以前に本誌でも取り上げている

そのDennooが新たにニッセイ・キャピタルから110万ドルを追加調達したことを発表している。今年2月にはニッセイ・キャピタル、サイバー・コミュニケーションズ、サイバーエージェント・ベンチャーズと数名の個人投資家から117万ドルを調達しており、それ以前に調達した83万ドルと合わせると、累計調達額は310万ドルとなっている。

Dennooが手掛ける新しい広告の取組みは、興味深い。一方で、表示時間ごとに支払う広告主側のメリットは大いにあるが、広告を掲載する媒体側からすると従来の単純なインプレッション数で計測した方が視聴時間で計測するよりも収益性が高いのではないかという懸念点が存在することは確かだ。この点について、Denno共同創業者の長山大介氏は、同社が提供する「Viewable Time*計測サービス」でどの広告枠がCPV販売によって収益増につながるかを予め予想することができる」としている。(*Viewable Time:ユーザーの画面上に広告が表示されている状態)

Dennno共同創業者の梅田茂利氏は「このサービスの真価を発揮するのは動画広告だ」と語っており、今年6月からサイバー・コミュニケーションズと共に動画広告サービス「Adjust Display Cost-per-View」の提供を開始している。

この動画広告はユーザーの画面に広告の50%以上が表示されていて、一定秒数(15秒から30秒)以上が表示された場合のみ広告料金が発生するというものだ(YouTubeの動画広告である30秒間視聴されたら料金が発生する「True Viewインストリーム」と似ている)。すでに大手IT企業、通信会社や官公庁などから発注を受けているそうだ。

今後は今年秋ごろに「Cost-per-View」の売買を自動的に行うことでができるプラットフォーム「Dennoo Display CPV Demand Side Platform (仮称)」をリリース予定としており、年内には米国でも同サービスを提供予定だそうだ。


自分が今出している広告のソース別/広告ネットワーク別の成績を一望できるダッシュボードをMoPubが提供

複数の広告ネットワークやそのほかのソースから広告を出しているモバイルのパブリッシャーやデベロッパが、それらの全体を一望管理できるサービス、それがMoPubだ。今日(米国時間7/24)同社は、あって当たり前のようだけど重要な機能、すなわち各ソースの成績を視覚化できるダッシュボードの提供を開始した。

同社マーケティングディレクターのElain Szuによると、これまでパブリッシャーは、そのデータを一か所で見ることができなかった。個々の広告ネットワークに行ってみるしかなかったのだが、でもMoPubを介してすら、レポートをダウンロードしてオフラインで見る、という方法しかなかった。でも、すべての結果を一つにまとめるのは、技術的に困難だったが、もっと大きな問題は、どんな分析結果を揃えるか、それを決めることだった、と彼女は言う。

“いろんな高レベルの測度をパブリッシャーに総合的に提供して、経営資料として活用してもらいたい”、と彼女は言う。“小手先でそれらをいじることが目的ではない”。

上のスクリーンショットでお分かりのように、ダッシュボードには料金収入、インプレッション数、料金、CTR(クリックスルーレート)、FR(フィルレート)などがソース別に表示される。これらを一つのダッシュボードで見られることによってパブリッシャーは、キャンペーンや各広告ネットワークの効果などをチェックでき、広告在庫の割り当てを調整することもできる。

Szuによると、このダッシュボードのねらいは、広告を自分で管理しなければならないがその技能も時間もないというデベロッパや、企業のマーケティング担当者などのための便利なツールだ。大企業ともなると、このダッシュボードを見ながら出稿を日々微調整する使い方はしないと思うが、いずれにしても広告効果の全貌を一望にできる。

ゲームのHearts FreeやHangman FreeInなどを出しているOptime SoftwareのファウンダでCEOのJon Schlegelは。“マネタイゼーション戦略の好悪を判断するために、前からこんなものが欲しかったんだよ。広告ネットワーク各社の成績が分かるし、MoPub Marketplaceのデータを一か所で見られる。これまでのように、データを調べるために相当な時間を取られることが、なくなったね”、と言っている。

これまで招待制のベータテストをやっていたが、今日からはダッシュボードが全ユーザに提供される。5月に行った発表では、同社の年商は1億ドルに到達した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitterがアメリカでワンツーパンチ広告を開始―テレビCMを見たユーザーに広告ツイートが表示される

今日(米国時間7/22)、「テレビCMを打った後、ツイート広告でダメ押しする」というTwitterのテレビCMターゲティング広告が全米の広告主に公開された。この広告方式は5月からベータテストが行われていた。TwitterのNielsen調査によると、テレビ/ツイートの組み合わせ広告はテレビCMのみに比べて95%も印象が強く、購入意図が58%も高くなったという。

Twitterはこれと同時に広告主向けアナリティクス・ダッシュボードを改良し、ユーザーがキャンペーンに対してどういう反応を示しているか簡単に情報を得られるようにした。広告主はこれを参考にして、たとえばリツイートの率が高まるようにキャンペーンを修正することができる。

TwitterのテレビCMターゲティング広告の仕組みはこうだ。

仮に、Nikeがエア・ジョーダン・シリーズの新しい靴のテレビCMを流すことにしたとしよう。TwitterはそのCMがどの放送局からいつ、どの地域に対して、どの番組内で放映されたかを正確にモニタする。Twitterは番組名や番組のハッシュタグを検索し、Nikeの当該CMを見た可能性の高いユーザーを特定する。NkeはTwitterのテレビCMターゲティング広告を利用してそのCMを見たばかりのユーザーのストリームに新しいエア・ジョーダンに関するプロモート・ツイートを表示することができる。このツイートはテキストのみでもいいし、購入サイトへのリンクやVineの6秒ビデオが含まれていてもよい。

この広告方式を可能にしたのはTwitterが2月に買収したテレビ視聴分析のBlueFin Labsのテクノロジーだ。BlueFinの共同ファウンダー、Michael Fleischmanは「われわれのビデオ識別テクノロジーによってTwitterはどのCMがどの番組で流されたかをリアルタイムで自動的に判別している。そのため広告主はいちいち事前にCM放映スケジュールをTwitterに知らせる必要がない。広告主は人手を食う面倒な作業を一切せず、自社のテレビCMを補完するツイートを視聴者に向けて送り出すことができる」

しかしテレビ番組についての会話が飛び交う場所はTwitterだけではない。たまたま今日、Trendrr がFacebookと共同で行った調査を発表したが、このレポートによると、リアルタイムの会話の王者はTwitterだという通念に反して、FacebookではTwitterを始めとする他のソーシャル・ネットワークすべての合計の5倍ものテレビ番組に関するソーシャル活動が行われてされていたという。もっともTrendrrはFacebookから独自の内部データの提供を受けたということだから、多少割引して聞く必要があるかもしれない。このレポートではFacebookの「いいね!」やコメントもいわゆる「ソーシャル活動」に含まれているという。これに対してTwitterの場合、@メンションなどが正確にカウントされているかどうかには疑問が残る。私はこの後、Trendrrに調査手法の詳細を取材するつもりだ。

ともあれ、FacebookのユーザーベースはTwitterの5倍もあるので、テレビ番組に関する会話が多くてもある意味当然ではある。ただし、会話の量が多いということが広告主にとってそれだけ効果が大きいかどうかは別問題だ。

Facebookはユーザーの公開プロフィールやオフラインの購入データをベースにした広告再ターゲティングに力を注いでいるのに対して、Twitterはユーザーが何をツイートしているかを読み取るセマンティック解析で大きな進歩を遂げ、これを広告ターゲティングに生かそうとしているようだ。大規模なテレビCMを流す予算がある企業にとってはTwitterの意味論的再ターゲィングの方がおそらく魅力的だろう。

一度聞いただけでは忘れてしまうが、繰り返されれば覚える。テレビCMをツイートで補完すれば、次にショッピングに行ったときにそのブランドを認識する可能性は高まるだろう。うまく用いれば、広告主は単なるテレビCMよりずっと対話性が高く強い印象を与えるマーケティング・ストーリーを展開することが可能になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Gmailに新タイプの広告―プロモーション・タブに表示されるがスパムメールではない

Googleがタブ方式のUIをGmailに導入して数週間後、プロモーション・タブに広告が表示され始めた。

TechCrunchのライターの一人がプロモーション・タブの広告に最初に気づいてスクリーンショットを撮ったのは5月31日だった。非公式のGoogleウォッチング・ブログ、Google Operating Systemが これについて書いたのは6月に入ってからだった。ただしそれよりずっと早くベータテスト中にこの新方式が報告されている。

GmailのUIは現在、4つないし5つのセクションに分けられている。メインは重要メッセージ、ソーシャルはソーシャル・ネットワークからのアップデート、プロモーションはプロモーション・メッセージ、新着は注文の確認や請求書など自動的に送信されるメッセージだ。またGoogleグループに参加している場合、フォーラムにグループからのメッセージが表示される。今回の新しい広告はプロモーションのセクションのトップに表示される。

この表示場所は理にかなっている。プロモーション・タブにはユーザーが受取を承認した店舗やサービスからのプロモーション・メッセージが表示されるわけで、このタブを開いて確認するユーザーはショッピングに関心をもっている可能性が高いわけだ。4億2500万人といわれるGmailの巨大なユーザーベースの威力が存分に発揮される場面だ。

この広告は件名にはっきりと「広告」と表示されているし、メッセージの背景色も違う。しかしメールと同様、星印をつけたり友だちと共有したりできる。見た目がメールのようなので、スパム・メールだと勘違いするそそっかしいユーザーもあるらしい。念のためはっきりさせておくが、これはメールではない。Googleがユーザーのメールアドレスを広告主に売り渡して広告主がメールを送ってきたわけではないのだ(そういう誤解が出ている)。

しかし通常のメールと紛らわしいフォーマットであるため当初の反応好意的でないものが多かった。VentureBeatなどはスパムっぽいと書いている。”しかしGoogleはもちろんはるか昔からGmailに広告を掲載している。広告の掲載は新しい試みというわけではまったくない。

Googleはこのプロモーション広告は従来のウェブ・クリップ広告を置き換えると同時に、必要なとき(つまりユーザーがタブを開いたとき)にのみ表示されるというユーザー体験の改善を狙ったものだとしている。

ユーザーの好き嫌いはともあれ、この新方式の広告はすぐになくなることはなさそうだ。Gmailビジネスの「顧客」はもちろん広告主である。このスポンサード・プロモーション(というのが公式名称)は広告主にとってなかなか魅力的だ。広告主はユーザーごとの最初クリック(表示)だけに料金を支払えばよい。しかしMarketingLandが説明しているとおり、ユーザーはこのメッセージに普通のメールのようにスターを付けて後で参照したり、友だちに転送したり、広告主に問い合わせをしたりできる。またリンクを埋め込んでおいて自社サイトのランディング・ページに誘導したり、ビデオを見せたりできる。

Googleはこの広告を一般公開しておらず、一部の広告主でテスト中であるようだ。まだこの広告の効果についての情報はないが、従来のGoogleウェブクリップ広告よりはるかに有効ではないかと思う。

(画像: Frederic Lardinois, MarketingLand)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitter、ユーザー別閲覧履歴等に基づくリターゲット広告のテストを近く開始

今日(米国時間7/3)、Twitterは広告プラットフォームの拡大に向けてさらに一歩を踏み出すことを発表した。Twitterは近く広告主と広告が表示されるユーザーとをさらに適切に組み合わせる実験を開始するという。

この実験ではTwitterアカウントとブラウザのクッキーID、連絡先、広告のメーリングリストなどを関連付けるリターゲティグ・テクノロジーが用いられる。「タイムラインに表示される広告の数は減るが、ユーザーにとって有用な広告の数は増える」とTwitterのプロダクト及び収益担当上級ディレクターのKevinWeilは述べた。

実験はまずアメリカで開始される。Twitter側からその後のスケジュールは発表されていないが。来年にも予想される株式上場の前に国際展開も実施されるだろうと見られている。ターゲティング広告の実験に参加を予定している企業名も明かされなかった。これはFacebookのリターゲティング・サービスを思い起こさせる。

Weilによれば「ユーザーはこのリターゲティング広告を簡単にオプトアウトすることができる。 アカウント設定を開き、プロモコンテンツの横のチェックを外すだけでよい」という。またWeilはTwitterはDNT(Do Not Track=ユーザーを追跡しない)オプションをサポートしており、ユーザーがそのオプションを選んだ場合は、ブラウザから得られるユーザーに関する情報を広告主と一切共有しないと述べた。EFF(電子フロンティア財団)はTwitterの新しい広告フォーマットを適切なものと認めている。

この数ヶ月、Twitterは Amplify TV広告、広告API対話的な広告ダッシュボードのリリースなど広告ビジネスの拡張に精力的に取り組んでいる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、AdSense参加サイトに通知表を提供―トラフィック、収益の改善策も提案

今日(米国時間6/19)、GoogleはAdSenseの新しいスコアカードを発表した。運営者は管理しているサイトのパフォーマンスが他のAdSenseサイト比較して相対的にどのレベルであるかを知ることができる。

このスコアカードは、収入の最適化、サイトの健全度、Google+(最近のGoogleの活動には多かれ少なかれ必ずGoogle+が含まれる)の3つのカテゴリーに分けられている。それぞれにGoogleは独自の基準に基づいて1から5までの点数による評価を加えており、トラフィックと収入を増やすためのヒントがも表示される。

AdSenseのプロダクト・マネージャー、Nick Radicevicは今日の発表で、「われわれはどのカテゴリーについであろうと評価が低いサイトになんらかの不利益な措置を取るつもりはない。純然たる情報提供のサービスだ」と述べている。

とはいえ、AdSenseユーザーはトラフィックや収入を増大させる提案とあってはGoogleのヒントに関心を抱かざるをえないだろう。 

Googleによれば、AdSenseはこのスコアを毎日計算しているが、サイト運営者が改善策を取った場合、その結果がスコアに反映されるには数日かかるだろうという。

Googleのビジネスモデルは現在でも本質的に広告だ。こうしたAdSense参加者のトラフィックや収益が改善されれば、結局のところGoogleの利益になるわけだ。

AdSenseは今週に入って満10歳になった。Googleによれば200万のサイト運営者が参加しているという。Googleは昨年、70億ドルをAdSense運営サイトに支払っている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GoogleのWaze買収研究―なぜモバイル・ナビのスタートアップに11億ドルも出したのか? その影響は?

Waze買収に関する噂は数ヶ月前から流れていた。最初はAppleが5億ドルを提示し、続いてFacebookが10億ドルという値付けをしたと報じられた。そこに突如Googleがやって来て獲物をさらっていった。イスラエルの経済紙Globesによれば、Facebookの幹部がイスラエルに飛び、真剣な交渉を始めていたという。

この大騒ぎの元のWazeっていったい何だ?

Wazeは2007年に創業され、現在イスラエルとシリコンバレーのパロアルトにオフィスがある。主なプロダクトはiOSとAndroid向けの無料カーナビ・アプリだ。創立の1年後にWazeはシリコンバレー(KleinerPerkinsなど)や香港(Horizons Ventures)の有力ベンチャーキャピタルから6700万ドルの資金を調達し、社員110人の企業に成長した。社員の大部分はイスラエルに住むイスラエル人で、CEOのNoam Bardin他10人程度がパロアルトのオフィスに勤務する。

モバイル地図アプリが無数に生まれている中、Wazeのユーザーは5000万人(昨年10月の3000万人)を超えて着実に増加中だ。強みの一つはユニークなクラウドソースによる地図編集方式にある。自ら現地を回って地理情報を収集する代わりに、Wazeは地図作成にあたって何千万ものユーザーが投稿する情報に頼っている。ユーザー車両の車速や位置などの情報は自動的にアップロードされ、さらにユーザーは新たな交通規制、事故、渋滞などの情報をリアルタイムでWazeに投稿する。

こうしてドライバーからクラウドソースで収集されたデータはユーザー・コミュニティーによって共有、管理される。大勢の熱心な市民地図作成者からの情報は非常に有益であり、何よりリアルタイム性が高い。カーナビ・サービスでは道を間違えたときの経路再検索の処理が非常にやっかいで、Googleでさえ苦闘している。膨大なクラウドソース・データを持つWazeは、経路再検索でも非常に高い能力を発揮する。

ドライバーは単に運転経路だけでなく、ソーシャル・レイヤーを使って沿道のガソリンスタンドの位置と最新のガソリン価格、観光地、レストラン情報などをハンズフリーで受け取ることができる。ソーシャル・サービスはすべてそうだが、規模が大きくなればなるほど有用性も増大する。

ビッグ3すべてが買収を狙ったわけ

Jordan Crook記者も指摘していたとおり、巨大モバイル・テクノロジー企業の間で「マップ戦争」がますます激しくなっている。情報が網羅的で、信頼性が高く、使い勝手のいいナビゲーション・サービスはすべてのモバイル体験のベースになる。地図アプリ、ナビ・アプリが使われる頻度がこれだけ極端に高ければ、Facebook、Apple、Googleのビッグ3がこの分野のユーザー体験の改善に全力を投入するのは当然だ。

Appleの場合、Waze買収に興味を示したのはAppleのCEOのTim Cookが公式に謝罪する破目になった.悪名高い地図アプリの大失敗の後だった。正確さで名高いWazeを買収するという選択は地図で被った悪評を打ち消すために理にかなっていると思われた。.

Facebookもことところ全力を挙げてサービス全体のモバイル化に取り組んできた。モバイル部門は次第にFacebookの決算に直接大きな影響を与えるようになった。Facebookにとって、自社独自の優秀なネーティブ地図アプリを持てば、不人気なFacebook Homeのてこ入れにもなるはずだった。

この2社に対してGoogleの状況は若干異なる。Googleはすでに文句なく世界一の地図プロダクトを持っている。一般ユーザー向けカーナビ・モバイル・アプリの世界標準を確立したのもGoogleだ。Googleはおかしな格好のストリートビューカメラを装備した撮影チームの大部隊を世界に展開し、おかげでわれわれは道路だけでなくグランドキャニオンを下る小道から海の底まで地球上のあらゆる場所をワンクリックで見られるのを当たり前だと思うまでになっている。考えてみればとほうもない偉業だ。

なぜGoogleが勝ったのか?

今日のブログ記事でWazeのCEO、Noam BardinはGoogleと(特にCEOのラリー・ペイジ、ジオ・プロダクト担当副社長のBrian McClendon)の間で長期的ビジョンにおいて共感するところがあったからだと書いている。しかしそれだけではあまり具体性がある情報とはいえない。そこで以下、なぜGoogleが巨額を投じることを決めたのか、Apple、Facebookを始めモバイル・マップ関連業界に激震を走らせることになったのか分析してみたい。

地理情報

WazeがGoogleを選んだ理由は他の2社のようにシリコバレーへの移転を求めなかったからだと言われている。Googleはイスラエルには優秀なITエンジニアを輩出することをよく認識している。GoogleはこれまでにLabpixiesやQuickseeなどイスラエルで生まれたスタートアップを買収しているだけでなく、イスラエルに拠点を持ち、地元の起業家を支援するプログラムを運営するなど存在感を高めていた。Wazeの社員の大部分がイスラエルに居住している。GoogleがWazeにシリコンバレーへの移転を求めなかったのは、イスラエルのエンジニアの人材を獲得するのに現状のままのの方が有利だと判断したからだろう。

5000万ユーザーより、そのビッグデータの方が重要

通常、買収にあたってはサービスのトラクション(ユーザー数、トラフィック)がもっとも重視される。しかしGoogleはすでにアメリカでもっとも人気の高いカーナビ・アプリを持っている。なるほど5000万ユーザーも魅力ではあろうが、喉から手が出るほどトラクションの増加を必要としていたわけではない。.

Googleがもっとも魅力を感じたのはトラクションではないはずだ。Wazeは自らを「地図企業ではなくビッグデータ企業だ」と規定している。Googleは「地球上のあらゆるデータを組織化する」のを使命と考えている。Antonio Regaladoによればビッグデータという概念を生んだのは事実上Google(とその発明になるMapReduceシステム)だ。またGoogleはビッグ・データを地図上に新たなフォーマットで表示する実験に力を入れてきた。もちろんGoogleマップ改善にも常に精力的に取り組んでいる。

巨大なデータ・セットと地図インフラを擁するGoogleは個別のユーザー向けにカスタマイズされた体験を提供しようという努力を始めている。これを実現するにはWazeが得意とするようなソーシャル・レイヤーが必要になってくる。たとえばナビゲーションではGoogleは依然として固定的な経路を事前に設定する方式に頼る傾向が強い。なるほど最新のGoogle Mapsでは渋滞情報のレイヤーも提供されるようになった。しかしWazeのように運転中にリアルタイムで常に渋滞情報がアップデートされ、ドライバーに渋滞を避ける代替ルートが提案されるというレベルにはなっていない。

こうした代替ルートの提案などのWazeの機能は一見ささいに見えるかもしれないが、Googleマップに統合されれば大きなユーザー体験の向上となることは間違いない。またWazeのUIデザインは見て楽しく、対話性にも優れている。Googleは位置情報サービス全体にこのデザインを取り入れることができる。Wazeユーザーは渋滞やネズミ捕りの情報を共有するのに非常に熱心だ。これもまたGoogleにとって大きな価値になる。

ソーシャル・ドライビング

WazeはGoogle+とGoogleマップをソーシャル化するために理想的なプラットフォームを提供できる。昨年、Wazeはソーシャル化を一歩進め、友だちの位置が表示できるようにした。これは待ち合わせに便利だし、さまざまな会話や情報共有の可能が広がる。

WazeにはFacebookへのワンクリック・サインイン機能がある。これはそのままGoogle+の認証に使える。Google+にはユーザーの友だちがいる。Facebookとの連携ではWazeは特定の待ち合わせ場所やそこへの運転経路を友だちの間で共有できる。これらはすべてすぐにGoogle+に生かせるだろう。

ローカル広告にビッグチャンス

言うまでもないが、Googleのビジネスは徹頭徹尾、広告だ。Googleのさまざまなサービスの究極の目的は消費者の前に広告を表示することにある。Wazeもまた非常に有望な広告プラットフォームだ。

当初Wazeは収益化を後回しにしてプロダクトの開発と成長に専念してきた。しかし昨年後半にWazeはローカル・ビジネスと大手ブランド向けに位置情報に基づく運転者向けローカル広告のプラットフォームを発表した。

以前からWazeはガソリンスタンド情報などをタップとスワイプですばやく調べることができる機能を提供しいてが、広告プロダクトはいわばそれの強化版だ。ただでさえ狭いモバイル画面に単にバナー広告を表示するのではなく、Wazeの広告は、たとえばドライバーが「レストラン」を検索した場合に、付近のレストランやファーストフード・チェーンの店舗の広告が表示される仕組みだ。

Wazeの広告プラットフォームを利用すれば、たとえばローカルビジネスだけでなくダンキン・ドーナッツのようなチェーン店もセフルサービスでモバイル広告キャンペーンを実施し、成果を評価できる。これは従来のローカル検索広告や高度なターゲット広告と組み合わせることによって一層効果を高めることができるだろう。

これまでFoursquare、Yelp、Facebookその他有力テクノロジー・サービスはなんとかして効果的なローカル広告プロダクトを作り出そうと苦闘してきた。ここに名前を上げた3社はローカル検索と位置情報を統合したチェックインシステムを提供している。しかしこと検索に関しては3社とも機能、規模いずれをとってGoogleのレベルには御びょばない。.

たしかに今のところGoogle+’のローカルビジネス・ページはFacebookページほど普及していないが、その差は縮まりつつある。Googleはローカルビジネスに関して膨大なデータをすでに保有しており、住所、連絡先、営業内容などを把握している。キーワード検索を通じて適切なターゲットに広告を表示するテクノロジーではGoogleには圧倒的な蓄積がある。

アメリカのローカル・モバイル広告市場はここ数年で爆発的に成長すると見込まれている。Googleの巨大なローカルビジネスのデータベースとWazeが統合されればきわめて強力なソーシャル・モバイル広告のプラットフォームとなるだろう。現在Wazeに欠けている一般的な検索機能をGoogleが補うのも容易だ。

地図戦争はゲーム・オーバー?

GoogleのWaze買収の動機を調べれば調べるほどこれは安い買い物だったと思わざるを得ない。地図サービスの改良を絶望的に必要としているライバル2社ではなく、すでに世界最高の地図サービスを持つGoogleが既存のサービスとは方向の異なる優れた新興サービスを手に入れたのだ。

将来の統合のことはしばらく置くとしても、Greg Kumparak記者も指摘していたとおり、GoogleはすぐにでもWazeのリアルタイム交通情報データと代替経路提案をカーナビ・アプリに取り入れることができる。どちらもGoogleマップの大幅な改良になる上に、Waze側のユーザー体験を損なうこともない。

端的に言って、今回のGoogleによるWaze買収はFacebookとAppleに取って打撃だったと思う。両社はWazeがGoogleの手に落ちるのを防ぐという目的のためだけにでも、もっと真剣に買収の努力をすべきだったのではないか。これでApple、Facebook、その他地図サービスに関わる全員が流れに逆らって上流に泳ぐような苦しい戦いを強いられることになりそうだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+