ライブ配信アプリ「EVERY .LIVE」を運営するSTAGEが3億円調達、事業拡大に向け子会社設立

ライブ配信アプリ「EVERY .LIVE」(エブリィライブ。Android版iOS版)を提供するSTAGEは1月12日、3億円の資金調達を実施したと発表した。また、さらなる事業拡大に向けて2月1日に新規子会社としてEVERY .LIVEを設立することも明らかにした。

EVERY .LIVEは2021年1月にリリースされたライブ配信アプリ。2022年には「Community+」プロジェクトを立ち上げ、年間ミッションとしてコミュニティ強化を図る予定。ユーザー同士のチャット機能やライバー自身が創作するイベントなどにより、ライバー、リスナー、運営の3者の良い関係性を築きストレスフリーな環境を目指す。

新規子会社であるEVERY .LIVEは、「みんなにいいこと=Good for Everyone」をビジョンとし、ライブ配信を超えた新たなライブコミュニティーサービスの実現を目指す。2025年のIPOを目標としており、2022年はコミュニティ強化、2023年はAPAC事業を中心とした新たな価値創出、2024年は営業利益を最大値まで引き上げるといったロードマップを公開している。

ジャーナリングが可能な書く瞑想アプリmuuteによる学校共同プロジェクトがスタート、第1弾は9校の中高生約200人が参加

AIジャーナリングアプリ「muute」(Android版iOS版)を開発・運営するミッドナイトブレックファストは1月11日、生徒の自己理解力の促進やメンタルヘルス向上を目的とする学校共同プロジェクト「mutte for school β」の開始を発表した。第1弾として北海道、東京、静岡、大阪、高知から9校の中学校・高校より約200人が参加する。

ジャーナリングとは、欧米で人気のメンタル・セルフケアやマインドフルネスの手法のひとつ。頭に浮かんだことをありのままに書き出していくもので「書く瞑想」とも呼ばれる。自分の思考や感情、日々の行いを振り返り文字として書き出すことで心身の健康と自己肯定感の向上に効果があるという。muuteは、このジャーナリングを行えるうえ、書き出された内容や関連する感情や思考をAIが分析しフィードバックしてくれるアプリ。今まで気づけなかった自己の感情の揺れ動きや思考パターン、価値観などを発見できるとしている。

コロナ禍での生活により多くのストレスがかかるようになり、メンタルの不調を訴える人が増加しているという。若年層においても中程度のうつ症状を持つ子どもの割合が、高校生では30%、中学生は24%に上ることが明らかになっている(国立成育医療研究センター「『コロナ×こどもアンケート』第4回調査報告」)。

また学校現場では、自己の生き方や興味・関心のある分野を明らかにする「自己理解力」、必要な情報を収集し適切に整理・分析を行う「批判的思考力」、主体的に課題設定を行い解決に取り組む「主体的行動力」など非認知能力を高める取り組みが必要とされている。非認知能力とは、意欲・協調性・創造性・コミュニケーション能力といった、測定できない個人の特性による能力のこと全般を指し、OECDでは社会情緒的スキルと呼んでいる。

具体的には、学習指導要領の改訂により、高校において2022年度から「総合的な探究の時間」という新科目が実施される。人権問題や気候変動といった多様な社会課題を考えながら、個人的な興味と関心を基に「自己の在り方生き方」を考え自ら課題を発見し解決することを目的とするものだ。しかし具体的な指導方法の前例が少ないため、多くの学校で授業内容を模索する段階が続いている。

ミッドナイトブレックファストは、若者のメンタルヘルスの影響や学校教育現場の実態から、生徒の自己理解力の促進やメンタルヘルスのセルフケア手法において何か施策を提供できないかと検討する中で、教育機関との共同プロジェクトとしてmutte for school βを開始することとなった。同時に、自己理解やメンタルヘルスに関する状態変化などの効果検証と、実際の学校教育におけるmuuteアプリの活用および導入方法を検討する取り組みとしても行われる。

プロジェクト参加校は、札幌新陽高等学校(北海道)、ドルトン東京学園中等部・高等部(東京)、三田国際学園中学・高等学校(東京)、日本大学三島高等学校・中学校(静岡)、追手門学院中学校・高等学校(大阪)、大阪夕陽丘学園高等学校(大阪)、常翔学園中学校・高等学校(大阪)、四條畷学園高等学校(大阪)、土佐塾中学・高等学校(高知)の9校で、参加者は中学1年生から高校3年生までの約200人。実施期間は2021年1月11日~1月31日。

イヤホン型脳波計とニューロテクノロジーAIを手がけるVIE STYLEが1.8億円調達、ブレインテック領域の研究開発を強化

イヤホン型脳波計とニューロテクノロジーAIを手がけるVIE STYLEが1.8億円調達、ブレインテック領域の研究開発を強化

イヤホン型脳波計とニューロテクノロジーAIを開発するVIE STYLE(ヴィースタイル)は1月13日、総額約1億8000万円の資金調達を完了したと発表した。引受先は、AIX Tech Ventures、静岡銀行、静岡キャピタル、フィンテック グローバル、FUNDINNO(クラウド株主)、個人投資家。調達した資金により、ブレインテック領域での研究開発および採用・組織体制の強化を行う。

2013年8月設立のVIE STYLEは、「味わい深い人生を 〜Feel the life〜」をビジョンに掲げるスタートアップ企業。ブレインテックと音楽で、人々の感性をアップデートし、ウェルビーイングに貢献することを目指している。世界中の人々が感性豊かな人生を送ることを支援するサービスを創造するともに、脳神経に関わる未来の医療ICT・デジタルセラピューティクスの発展にも寄与したいという。

同社第1弾プロダクト「VIE ZONE」(ヴィーゾーン)は、イヤホン型脳波計で外耳道から脳波を取得し、独自開発のAIエンジンにより、集中度およびストレス・疲労などを解析するという。音楽を用いて脳をチューニングすることで、ストレスの軽減やフロー状態へ導くことを目的とした生産性支援サービスとなっているそうだ。

また、自社製品開発と同時に、通信インフラ企業、製薬企業および国立研究機関などとともに、脳科学を用いたソリューションの共同研究開発事業を実施しており、直近では2桁以上のプロジェクトを進めているという。特に、疾病の予防・診断・治療などの医療行為をデジタル技術を用いて支援・実施するDTx(デジタルセラピューティクス)の研究開発、社会実装に取り組んでおり、様々な疾患に対して、これまでにない新しい治療法の開発を目指している。

 

サブスクなど各種サービスの解約時に抑止・分析を行うチャットボットSmashが8016万円調達、解約抑止率向上を目指す

サブスクリプションサービスなどからの解約を抑止するリテンションボット(解約抑止・分析チャットボット)「Smash」を開発・提供するSmashは1月11日、第三者割当増資による8016万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は博報堂DYベンチャーズ、i-nest capitalの運営するファンド。調達した資金を元に、Smashのさらなる研究・開発を進め、解約抑止率の向上とロイヤルティ強化の実現を加速する。

サブスクリプションサービスや定期通販などでは、ユーザーがサービスへの加入や購入を手軽に行える反面「解約」も気軽に行いやすいという。これにより、企業にとっては解約をいかに抑止しLTV(顧客生涯価値)を高めていくかが課題として挙がっている。

同社のSmashは、各種サービスの解約というタッチポイントでユーザーとコミュニケーションを図り、解約の抑止や分析を行うAIチャットボットによるソリューション。「リアルタイムで空気を読むことによって、デジタルの枠を超え、より人間に近いコミュニケーションを実現」しているという。

2021年3月設立のSmashは、データを活用したマーケティング分析サービスを提供するスタートアップ。サブスクや定期通販の解約から企業の課題を見つけ出し、企業の強みに変えることで、ユーザーのロイヤルティ強化実現を目指している。

 

ベンチャーや成長企業特化の就職サイトCheerCareerを運営するCheerが5000万円調達

ベンチャーや成長企業のための就職サイト「CheerCareer」(チアキャリア)を運営するCheerは1月12日、第三者割当増資・株式譲渡による総額5000万円の資金調達を行ったことを発表した。引受先はWAKIプランニング。資金調達支援プラットフォーム「JPMergers」を通したものという。

調達した資金は、以下にあてる予定。

  • プロダクト開発体制の増強による、UI/UX改善や顧客体験の向上
  • 掲載企業のサポート体制を強化。これにより採用支援の強化や、提供サービスの高品質均一化を実施
  • マーケティング活動強化による認知度向上
  • パートナーの価値向上・サービス品質向上に向け、新たな革新的取り組みに投資

CheerCareerは、地方創生と教育をテーマに「働くにワクワクを。人生にもっと潤いを。」増やすため、働く選択肢を広げることを目的としたベンチャー・成長企業のための就職サイト。スポットライトが当たりにくい企業を就活生の選択肢に入れてもらい、お互いの機会損失をなくすことを目指しているという。さらに、採用だけでなく日本の社会的課題を見据えて経済の起爆剤になるような優秀な人材の育成と輩出、中小ベンチャー企業とのマッチングで日本経済の発展に貢献するとしている。

オフィス賃貸業向けデータプラットフォームestie proなど運営のエスティが10億円のシリーズA調達、採用・組織体制を強化

オフィス賃貸業向けデータプラットフォームestie proなど運営のエスティが10億円のシリーズA調達、採用・組織体制を強化

オフィス賃貸業向けデータプラットフォーム「estie pro」と賃貸オフィスマッチングサービス「estie」を運営するestie(エスティ)は1月12日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による約10億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、既存投資家のグロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、新規投資家のグローバル・ブレイン。

調達した資金は、複数サービスを継続的に開発・提供するマルチプロダクト戦略を支える人材採用の強化に充当される。今後の採用活動を通じ、特にプロダクト、オペレーションの両部門を拡大し、トップマネジメント人材の採用を視野に入れ、物件からエンドユーザーに至るまでの一貫したデータフローを構築し、商業用不動産市場のDXの推進を目指したいという。

2018年12月設立のestieは「産業の真価を、さらに拓く。」を理念とし、不動産業界に関連する情報の流通・取引を円滑にすることを目指すスタートアップ。

同社が提供する不動産データ分析基盤のestie proでは、50以上の不動産デベロッパー、管理会社、仲介会社などから構築されたデータパイプラインの独自情報を日々集約し、オフィス賃貸業に必要なあらゆる情報を提供。全国8万棟・40万フロアの建物情報、500万坪の募集情報、24万件の賃料情報、都心20万件の入居企業情報などのデータを網羅すると同時に、独自開発したAIアルゴリズムによる推定賃料「e-賃料」を搭載し、データを活用した不動産関連業者の意思決定をサポートしている。サービスリニューアルを行った2020年7月から2021年12月まで、約14倍(月平均約+15%)ものMRR(月次経常収入)成長を続けているという。

全国一律プランの葬儀を提供する「よりそうお葬式」など手がける葬儀ITベンチャー「よりそう」が35億円超のシリーズE調達

全国一律プランのお葬式を提供する「よりそうお葬式」など手がける葬儀ITベンチャー「よりそう」が35億円超のシリーズE調達

葬儀ITベンチャーの「よりそう」は1月12日、第三者割当増資および金融機関4社からの融資により、シリーズEラウンドとして、総額約35億1000万円の資金調達を実施したと発表した。内訳は、第三者割当増資が約30億9000万円、融資が4億3000万円。引受先は、フィデリティ・インターナショナル、農林中金キャピタル、Sumisei Innovation Fund、博報堂DYベンチャーズ、Sony Innovation Fund by IGV、HT Asia Technology Fund、ヤマシタ。第三者割当増資での累計調達額は約63億円となった。

調達した資金により、終活・葬式・供養・相続まで包括的に提供する「ライフエンディング・プラットフォーム」(LEPF)構想を強化するとともに、新規事業創出および認知拡大に努める。

日本は、少子・高齢・多死が進む「課題先進国」として年間死亡者数が増加傾向にあり、2040年には約168万人(内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」)に達する見込み。また1人の方が亡くなる前後において、その家族は介護や葬式、供養、相続といった様々なライフイベントを経験することになり、そのたびにサービスの比較検討や申し込みを繰り返すことが大きな負担となっている。そこで「よりそう」は、各家族が各ライフイベントで感じる負担や不安を「一元化」「テクノロジー」「安心感」によって解消するため、葬式を起点として前後のタイミングまで一元的にサポートするLEPF構想を強化する。

また同社によると、その実現には、起点となる葬式の施行を担うパートナー葬儀社のDX支援も重要という。葬儀業界は業界構造的な背景から、数年前までIT化やDXの重要性が認識されていなかったことから、業務効率化まで手が回らず、本来遺族のケアに割くべき時間をアナログな事務作業や業務管理にあてざるをえない葬儀社も少なくないとしている。

「よりそう」は、パートナー葬儀社のDX支援によって葬儀社スタッフが遺族に向き合える時間を増やし、遺族がお別れに集中できる時間を提供したいと考えているという。今回の調達を通じ、遺族の不安に寄り添い、事業者課題も解決することで葬儀業界の負を解消するサービスを構築し、両面から業界構造の変革を促すプラットフォーマーとなることを目指すとしている。

重点投資領域

  • LEPF構想の推進:LEPF拡張にともなう事業シナジーを見越し、保険や介護といった葬儀周辺領域に強みを持つCVCによる出資を実現。また、さらなる領域拡大および強化のため、他業種との業務提携を本格的に検討する予定
  • 葬儀社向け事業の立ち上げ:今後はDXによる経営向上支援を目的とした葬儀社向け新規事業を本格化する予定。2022年度中に事業部を立ち上げ、2023年度中に主要事業とすることを目指す
  • 採用強化:LEPF構想の推進および新規事業立ち上げに際し、よりそうの事業成長を支える人材の採用強化を決定
  • マスプロモーションへの投資:主力サービス「よりそうお葬式」は、一般には比較的新しく、認知が低いカテゴリーに含まれるサービスであることから、認知を広めていく必要があると考えているという。葬式運営経験が少なくても絶対に失敗したくない方が、事前に「よりそうお葬式」を知ることで安心して利用いただけるよう、マスプロモーションを強化する

「よりそう」は、2009年3月に設立後、2013年に「よりそうお葬式」(旧「シンプルなお葬式」)、「よりそうお坊さん便」(旧「お坊さん便」)の提供を開始。高齢化や核家族化による葬儀・供養の価値観の変化などを取り入れたサービスを展開している。2018年3月には葬儀・法要・供養などの「ライフエンディング」サービスをワンストップで提供するブランド「よりそう」を発表している。

富山大学、乾電池1本で発光する高輝度で低電圧な有機ELを開発

富山大学、乾電池1本分の電圧約1.5Vで発光する高輝度で低電圧な有機ELを開発

富山大学分子科学研究所は、乾電池1本分の起電力でディスプレイ並みの明るさで光る世界最小電圧の有機ELを開発したと発表した。これにより市販の有機EL製品の駆動電圧を大幅に低減でき、省エネルギー化につながる可能性がある。

有機ELは、PCやスマートフォンなどの高画質な画像を映し出すディスプレイとしてだけでなく、面発光光源でもあり、柔軟な被膜への製膜も容易ということで次世代照明としても期待されているが、駆動電圧が高い。600nm程度のオレンジ色の光をPCのディスプレイと同等の明るさ(100cd/m2。100カンデラ毎平方メートル)で点灯させるには、およを4.5Vの電圧(乾電池3本分)が必要となる。これに対して伊澤誠一郎助教らによる研究グループは、乾電池1本分のおよそ1.5Vでその明るさを得ることに成功した。

画像左(a):界面でのアップコンバージョン過程を利用した有機ELの構造。画像右(b):新たに開発した有機ELに用いた分子の構造

画像左(a):界面でのアップコンバージョン過程を利用した有機ELの構造。画像右(b):新たに開発した有機ELに用いた分子の構造

研究グループが開発した方式は、2種類の有機半導体材料(発光層と電子輸送層)を重ね合わせたその境界でアップコンバージョン(電子と正孔が結合した励起子が衝突して高エネルギーの励起子となって発光する過程)を起こさせるというもの。ちなみに従来の方式は、発光層を電子輸送層と正孔輸送層で挟んでアップコンバージョンさせている。富山大学の方式では、さらに電子輸送層に結晶性の高いペリレンジイミドを使いて界面での有機分子同士の相互作用をコントロールし、発光層にペリレン蛍光体を加えて発光を促進させるといった工夫で、従来方式に比べて約70倍の発光効率を実現させた。

画像左(a):有機ELデバイスの発光輝度-電圧特性。画像右(b):乾電池1本で高輝度発光を実現した写真

画像左(a):有機ELデバイスの発光輝度-電圧特性。画像右(b):乾電池1本で高輝度発光を実現した写真

研究グループでは、発光プロセスの変換効率のさらなる向上、駆動電圧の低減と発光効率の「高いレベルでの両立」を目指すと話している。

企業のセキュアなデータ活用を促進するデータカタログSaaSを手がけるQuollio Technologiesが5000万円のシード調達

データカタログSaaSによりデータガバナンスの実現を目指すQuollio Technologies(クオリオ)は1月11日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による5000万円の資金調達の実施を発表した。引受先はインキュベイトファンド。調達した資金はプロダクトの開発と組織体制の強化にあてる。またα版を近日リリースする予定。

現在データは「21世紀の石油」とも呼ばれるほど大きな存在となっており、様々なデータを資産として活用することが企業に求められている。しかしデータは、活用可能性と同時に誤用や漏洩・損害・賠償のリスクも含んでおり、未然防止が大きな課題となっている。そのため、「詳細がわからないデータについてはリスクを恐れ利用禁止にする」といった、データ活用そのものを萎縮させるという課題も発生している。

そうした問題を解決するための施策がデータガバナンスだ。データの入手背景や禁止事項などの詳細情報(メタデータ)を正しく理解し、リスクをカバーした状態でデータを活用するために欠かせないものとなっている。データ資産1つ1つのメタデータを管理し、より細かい粒度で制限することで、従来「アクセス禁止」「利用しないでおこう」とひとくくりで利用を否定していたデータに対して、「特定の条件下なら、このデータを使用しても大丈夫だ」といった柔軟な判断を可能とし、セキュアで自由なデータ活用を促進する。

データガバナンスは最近登場した新たな概念ではなく、DMBoK (Data Management Body of Knowledge) を筆頭に、2000年代から議論が重ねられてきた領域という。昨今では、企業の扱うデータ量が膨張し、データ利活用に関わる人数も増加している潮流から、データガバナンスを再び重要視する企業が増えているそうだ。

ただ、データガバナンスの概念自体の移り変わりの速さや、企業ごとに必要なデータ基盤・体制が大きく異なるためにデファクトスタンダードが生まれにくいという状況にある。特に日本では、市場を牽引するプレイヤー不足や経営側がデータ基盤について理解が浸透していないことから、海外よりも遅れを取っているという。こうした状況を解決するためクオリオは、データガバナンスに対する専門的な知見とデータ活用における現場オペレーションへの深い理解によって国内市場を牽引する存在となり、企業のデータ活用にイノベーションを起こすことを目指しているという。

クオリオは、「世界中の情報と知を繋げ、人類の新たな価値創造を促進する」をミッションに掲げ、2021年8月に設立。創業メンバーは、データサイエンスやデータエンジニアリングといった各領域におけるプロフェッショナルを中心に構成しており、データガバナンスの実現に向けた最初のソリューションとして、データカタログサービスの開発を行っている。

自動外観検査AIをノーコードで開発可能なAI開発プラットフォームを提供するMENOUが約2.5億円のシリーズA調達

自動外観検査AIなどをノーコードで開発可能なAI開発プラットフォームを提供するMENOUが約2.5億円のシリーズA調達

自動外観検査システムなどAIによるディープラーニング技術を身近にするソリューションを提供するMENOU(メノウ)は1月11日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による約2億5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はニッセイ・キャピタル、DEEPCORE、三菱UFJキャピタル。累計資金調達総額は約3億7000万円となった。

調達した資金は、検査AIをノーコードで開発するAI開発プラットフォーム「MENOU-TE」(メノート)の機能拡張、また検査工程を自動化するための導入支援サービスである「MENOU-IN」(メノーイン)をより多くの企業に提供できる体制を整える。

MENOU-TEでは、AIとルールベースのハイブリッドな検査を構築し、導入するまでの開発を容易にする体制を整える。また、機能開発を加速し、プログラミングやAI、画像処理の専門人材がいなくてもAIの社内開発が可能になるMENOU-TEの利便性や使いやすさつかいやすさを増していく計画という。

MENOU-TEは、ディープラーニングの検査AIを、ノーコードで開発可能なソフトウェア。GUIによるアノテーションラベリング(学習操作)や解析精度の視覚化と最適化支援、ルールベース解析とのハイブリッドな推論・検査といった機能を備える。これらにより、画像検査やAIの専門知識のない技術者であっても、製造現場に必要な外観検査・画像検査を実施する環境を構築できる。

自動外観検査AIなどをノーコードで開発可能なAI開発プラットフォームを提供するMENOUが約2.5億円のシリーズA調達

MENOU-INは、検査AIの総合的な導入支援サービス。外観検査の画像取得に向けた照明やカメラなどの最適な撮像構成を提案しつつ、運用やメンテナンス体制も含めたAI外観検査導入を総合的にサポートする。企業内のAI・DX人材の育成を行うトレーニングなども行うなど、開発人材育成も支援する。

MENOUは、日本の製造業にとって身近なAIを普及させることをミッションに掲げ、ニコンのエンジニアが2019年6月に設立したAIスピンアウト。独自のAI開発プラットフォームを中心に、様々な製造業への導入支援を展開している。MENOU-TEは、直感的操作でアノテーションができるだけでなく、AI開発に必要なファイル管理、モデル管理を一括管理できる統合開発環境を提供し、導入後もメンテナンスしやすい画像検査を可能にするという。

MENOU-TEを用いたMENOUチームの解析画面。外観検査に特化したソフトウェアだが、人物特定AIなども短時間で実現できるという

MENOU-TEを用いたMENOUチームの解析画面。外観検査に特化したソフトウェアだが、人物特定AIなども短時間で実現できるという

慶應発の再生医療スタートアップ「セルージョン」が11億円調達、水疱性角膜症に対する再生医療等製品の社会実装加速

慶應発の再生医療スタートアップ「セルージョン」が11億円のシリーズB調達、水疱性角膜症に対する再生医療等製品の社会実装加速

慶應義塾大学医学部眼科学教室発の再生医療スタートアップ「セルージョン」は1月7日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額11億円の資金調達を2021年12月に完了したと発表した。引受先は、リード投資家の東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、新規投資家の東邦ホールディングス、東洋製罐グループホールディングス、Gemseki、既存投資家のSMBCベンチャーキャピタル、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)、DBJキャピタルが運営する投資事業有限責任組合。

2015年1月設立のセルージョンは、iPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す独自技術を基に、世界の角膜移植課題をはじめとした、現在の医学が抱えるアンメット・メディカルニーズ(未解決の治療ニーズ。Unmet MedicalNeeds)の解消を最先端の細胞治療技術により解決し、全世界の健康福祉向上への貢献を目指している。

調達した資金により、先行開発品であるiPS細胞由来角膜内皮代替細胞(CLS001)の国内および海外の臨床試験準備、研究・組織体制の強化、後続パイプラインの研究開発を進める。また、医薬品卸業者の東邦ホールディングスや包装材メーカーの東洋製罐グループホールディングスとの事業連携を進め、CLS001の社会実装へ向けたサプライチェーンを整備し、水疱性角膜症に対する新たな治療法提供へ向けた取り組みを加速する。

角膜移植以外では失明を防げない水疱性角膜症のような眼科疾患は、全世界では1300万人以上の待機患者が存在するにもかかわらず、年間実施される角膜移植はわずか約18万件という。この治療需給ギャップの原因は、角膜移植にはドナーからの角膜提供が必要な点に加えて、熟練した角膜移植医の確保やアイバンクの整備を要することが治療提供の大きな制約となっている点が挙げられるという。

そのためセルージョンは、「増殖性に優れるiPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す技術」と「簡便な手技で属人的技術を不要とする細胞移植法」を組み合わせ、角膜移植適用症例の半数以上を占める水疱性角膜症に対する再生医療等製品CLS001による治療の開発を進めている。CLS001は、慶應義塾特定認定再生医療等委員会および厚生労働省の厚生科学審議会から2021年7月にヒトでの安全性を評価する医師主導臨床研究の実施承認を得ており、準備が整い次第、慶應義塾大学病院にて同研究が開始される予定だ。

脳ドック用ソフトウェアBrainSuiteを手がけるCogSmartが3.5億円のシリーズA調達、事業拡⼤・国内外での研究開発推進

脳ドック用ソフトウェアBrainSuiteを手がけるCogSmartが3.5億円のシリーズA調達、事業拡⼤・国内外での研究開発推進

脳ドック用ソフトウェア「BrainSuite」(ブレーン スイート。受信者向け医療機関向け)を手がけるCogSmart(コグスマート)は1月6日、シリーズAラウンドにおいて、総額3億5000万円の資⾦調達を実施したと発表した。引受先は、オムロンベンチャーズ、アイロムグループ各社、DG Daiwa Ventures、アイティーファーム、MAKOTOキャピタルが運営・関与するファンド、個⼈投資家。累計調達額は4億1000万円となった。調達した資⾦により、国内外でのさらなる研究開発の推進や事業拡⼤に取り組み、社会課題の解決に挑み続けるとしている。

2019年設⽴のCogSmartは、「早期段階からの認知症予防」の普及を目指す東北大学発の医療テクノロジー系スタートアップ。「脳医学とテクノロジーの⼒で、⼀⼈ひとりがいつまでも健やかに、⼼豊かに暮らすことができる社会を作る」をビジョンに掲げ、認知症の早期段階からの予防や、認知機能の改善・維持のための医療・ヘルスケア機器の製造販売事業、またこれらに関する解析・データサイエンス事業を手がけている。

同社が手がけるサービスの1つがBrainSuiteで、首都圏の病院・健診施設を中心に提供。さらに、東北や⻄⽇本エリアの病院でも提供を開始しており、今後全国各地での展開を予定している。

同サービスは、30代から70代までを対象に、頭部MR画像のAI解析技術などを利用することで、海馬の体積や萎縮程度を測定・評価し、同性・同世代と比較した脳の健康状態を可視化するものという。これにより行動変容のための「気づき」を提示し、脳の健康状態の維持・改善方法について受診者に合ったアドバイスを提供することで、「認知症にならない生涯健康脳」の実現を脳医学の観点から支援する。脳ドック用ソフトウェアBrainSuiteを手がけるCogSmartが3.5億円のシリーズA調達、事業拡⼤・国内外での研究開発推進

またCogSmartは、⼤規模頭部MRIデータベースを⽤いた医⽤画像分析に関する研究にて⻑い蓄積を持つ東北⼤学医学研究所 瀧研究室をはじめ東北大学と密に連携し、画像解析ソフトウェアなどの開発を実施。⼈⼯知能技術を活⽤した頭部MR画像解析プラットフォームを構築していることから、企業・医療機関様などの要望に応じて、認知症分野以外にも脳疾患・症状などに関する画像解析ソフトウェアの受託開発、またそのデータ分析を柔軟に⾏うことが可能という。

ハウスクリーニングや修理・お手入れサービスなどモノを大切にしたい人と職人をつなぐ「ユアマイスター」が約23億円調達

ハウスクリーニングや修理・お手入れサービスなどモノを大切にしたい人と職人をつなぐ「ユアマイスター」が約23億円調達

ハウスクリーニングや修理・お手入れサービスなど、大切なモノを大切にしたい人と職人をつなぐサービスECプラットフォーム「ユアマイスター」などを運営するユアマイスターは1月6日、第三者割当増資および融資などによる総額約23億円の資金調達を発表した。

引受先は、以下の通り。
・インキュベイトファンド(既存)
・SMBCベンチャーキャピタル(既存)
・ジャフコ グループ(既存)
・みずほキャピタル(既存)
・グロービス経営大学院(既存)
・Z Venture Capital(新規)
・フォースタートアップスキャピタル(新規)
・Ariake Secondary Fund Ⅱ LP(新規)
・Axiom Asia 6, L.P.(新規)
・ほか3社

調達した資金は、「プロダクト開発体制の増強による、UI/UXの大幅改善ならびに顧客感動体験の向上」「出店パートナー事業者のサポート体制の強化による、経営支援の強化ならびに提供サービス品質の高水準での均一化」「マーケティング活動の強化による認知度の向上」「業界自体ならびにパートナー事業者の価値向上、サービス品質向上へ向けた新たな革新的取り組みへの積極的投資」にあてる。

またBtoB向けプロダクト・サービスの提供企業やBtoC向けの新規体験サービスの拡充を図る企業などとのアライアンスも強化する。すでに複数社とのアライアンス案件が進んでおり、2022年1月より、各社プロダクトやサービスと連携する新たな取り組みを随時発表するとしている。

2016年8月設立のユアマイスターは、サステナブルテック企業として、ユアマイスター、ビルメンテナンス業界のDXを実現し生産性・収益性を向上する業務支援サービス「ビルメンクラウド」、大切なモノを大切にしたい人のためのメディア「ユアマイスタースタイル」を提供。パートナー事業のデジタル化をサポートし、経営支援や集客支援、雇用創出に取り組んでいる。

またユアマイスターは、「直す、キレイにする、使い続ける」という消費意識を、「捨てる」「売る」に続く新たな行動して定着させたいと考えているという。この消費意識を持つことが、未来を創るこどもたちが暮らす社会を「大事なものをより大切にする」持続可能な循環型社会へとつなぐとしている。ハウスクリーニングや修理・お手入れサービスなどモノを大切にしたい人と職人をつなぐ「ユアマイスター」が約23億円調達

サービスとしてのガバナンス事業を展開する東京大学発Scrumyが約4500万円調達、プロダクト開発と組織体制強化

サービスとしてのガバナンス事業を展開する東京大学発Scrumyが約4500万円調達、プロダクト開発と組織体制強化

企業のガバナンスを構築・維持・強化するための情報ライフサイクル管理SaaS「Scrumy」を提供するScrumy(スクラミー)は1月6日、シードラウンドにおいて、約4500万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、イーストベンチャーズ4号投資事業有限責任組合と個人投資家。調達した資金で、おもにプロダクト開発と組織体制の強化を行うとしている。

Scrumyは、ガバナンスと情報セキュリティーを強化する「情報ライフサイクル管理」のための総合ガバナンスプラットフォーム。システムやソフトウェア開発の情報を一元管理し、適切な権限管理にもとづいて流動的なステークホルダーとの協働を可能にする安全な開発環境を構築する。システムやソフトウェアの開発工程に「情報ライフサイクル管理」という考え方を取り込むことで、「これまでにない新しい開発文化を創造」するという。

そうした作業を、ScrumyはGaaS(サービスとしてのガバナンス。Governance as a Service)という形で提供している。それは、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)、需要、リソース、契約、ワークフロー、ドキュメント管理のための総合ソリューションであり、「情報セキュリティ強化」と「業務効率化」を両立させるサービスとのこと。

Scrumy代表取締役CEOの笹埜健斗氏は、東京大学大学院学際情報学府でガバナンスと情報セキュリティを強化するための研究を行ってきた。Scrumyは東大発研究開発型スタートアップだ。企業の持続可能な経営の最大の基盤となるガバナンスに注目しているという笹埜氏は、「無意味な大量の『データ』から、意味のある『インフォメーション』、さらには知恵や文化のレベルにまで高められた『ナレッジ』に変換、さらには循環させていく仕組みをデザインし、企業の情報インフラを構築していくべきだ、というのが私たちの確固たる哲学です」と話している。

法人向け後払いサービスのPayment Technologyが4億円調達、売掛金早期回収サービスや個人向け後払いサービスを公開予定

法人向け後払いサービスのPayment Technologyが4億円調達、売掛金早期回収サービスや個人向け後払いサービスをリリース予定

立替式給与前払いサービス「前払いできるくん」や法人向け後払いサービス「1 month delay payment」などを提供するPayment Technologyは1月6日、第三者割当増資・株式譲渡による総額約4億円の資金調達を行なったことを発表した。引受先は、Branding Engineer、ヤマノビューティメイトグループ、ほか法人および個人投資家。調達した資金は、ウェブマーケティングの強化、システム構築・拡充、営業体制の構築に充当し、上場に向けた多チャンネルでの収益体制の構築を目指す。

調達した資金の用途

  • 法人向け後払いサービス「1 month delay payment」のウェブマーケティングの強化
  • 売掛金早期回収サービス(2022年1月リリース予定)のシステム拡充、営業体制構築
  • 個人向け後払いサービス(2022年3月リリース予定)のシステム構築、アプリ開発、ウェブマーケティングの実施
  • 給料前払いサービス「前払いできるくんLITE」のウェブマーケティングの強化

前払いできるくんは、前払いのための資金をPayment Technologyが直に立て替える給与前払い福利厚生サービス。中・大規模企業向けの通常のプランのほか、従業員1名から利用できる小規模・個人事業主向けの「前払いできるくんLITE」も用意されており、LITEは財務審査なしで利用が可能。社員の前払申請に対し、Payment Technologyが直接立替払いを行なうため、企業のキャッシュフローを圧迫することなく給与の前払い手続きが完了する。

1 month delay paymentは、振込代行サービスとクレジットカード決済を組み合わせることで、BtoBにおける取引先への経費支払いを最大53日まで延長するサービス。Payment Technologyが立替払いを代行し、契約者は後日クレジットカードで同社に立替金と利用料を支払う仕組みとなっている。

専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUが総額5.7億円調達、遠隔医療センターの構築や海外展開を加速

専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUが総額5.7億円調達、遠隔集中治療モニタリングシステムなどの製品化や海外展開を加速

遠隔ICUサポートサービスを提供するT-ICUは2021年12月28日、第三者割当増資による総額5億7000万円の資金調達を発表した。引受先は、パソナグループ、Beyond Next Ventures、SMBCベンチャーキャピタルおよび個人。

調達した資金を用いて、NTT西日本との「遠隔医療におけるエッジコンピューティング技術を活用した情報処理の実現方式に関する共同実験」およびNEDO助成事業「スコアに基づく遠隔集中治療モニタリングシステム」の製品化、地方と都市の医療格差の課題解決に向けた遠隔ICUにとどまらない遠隔医療センターの構築、JICAの受託事業「新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト」を足がかりとした海外展開を加速させる。

遠隔相談サービス「リリーヴ」

遠隔相談サービス「リリーヴ」は、「全ての病院に集中治療医を」を形にする重症患者診療の支援システム。全国的に専門家が不足する重症患者診療の現場を集中治療医・集中ケア認定看護師で構成されたメディカルチームが24時間365日サポートする。命に関わる重症患者診療を担う医療スタッフの不安に寄り添い、呼吸・循環管理、鎮静・鎮痛、感染症治療などの全身管理を最新の知見と豊富な経験で支援する。専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUが総額5.7億円調達、遠隔集中治療モニタリングシステムなどの製品化や海外展開を加速

遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」

遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」では、ベッドサイドに配置した高性能カメラによる細やかな患者観察を実現。患者の表情や顔色、呼吸様式の観察も可能で、人工呼吸器を含む各種医療機器と接続することで、多面的な患者情報を院内の離れた場所へ届けることが可能な遠隔モニタリングシステムという。複数の患者を一画面で同時にモニタリングし、医療機器との接続でそのグラフィックモニターを表示することもできる。感染隔離中のCOVID-19診療において非常に有効な手段という。専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUが総額5.7億円調達、遠隔集中治療モニタリングシステムなどの製品化や海外展開を加速

 

在庫の効率を上げる在庫分析クラウドシステムFULL KAITENを手がけるフルカイテンが計7億円のシリーズB調達

在庫の効率を上げる在庫分析クラウドシステムFULL KAITENを手がけるフルカイテンが計7億円のシリーズB調達

在庫の効率を上げる在庫分析クラウドシステム「FULL KAITEN」を開発・提供するフルカイテンは1月6日、新生銀行からの新株予約権付融資により2億円の資金調達を実施したと発表した。今回の調達は、2021年6月に実施したジャフコ グループを引受先とする第三者割当増資(5億円)のエクステンションラウンドの位置づけにあたり、シリーズBの資金調達は合計7億円で終了した。

同社は、2023年から、サプライチェーンの川下に位置する小売だけでなく、川中(卸売、商社、メーカー)へ遡って余剰在庫の問題を解決できるよう、サプライチェーンの川下と川中に散在する販売・生産・在庫に関するデータを集約するためのプロダクト開発を本格化させるという。

このため、プロダクト開発と採用強化に向けた投資の原資として、シリーズBラウンドの資金調達を2021年に実施。そして今回、エクステンションラウンドとして新生銀行による2億円の新株予約権付融資を完了したという。在庫の効率を上げる在庫分析クラウドシステムFULL KAITENを手がけるフルカイテンが計7億円のシリーズB調達

FULL KAITENは、在庫効率を向上させるための在庫分析機能をクラウドサービスとして提供。これまで提供してきた「プロパー消化率を向上させる、不要な値引きを抑制する、客単価を向上させる、売れ筋商品の追加発注数量を計算する」などの機能は、どれも在庫効率を向上させ売上・粗利・キャッシュフローを増加させるのに有効という。

また、追加リリースしたディストリビュート分析機能は、在庫移動によって最適な在庫配置を実現し、売上・粗利・キャッシュフローを最大化するという、まったく新しい切り口の機能としている。在庫の効率を上げる在庫分析クラウドシステムFULL KAITENを手がけるフルカイテンが計7億円のシリーズB調達

ヒトに有用なカイコ原料の供給を行うMorusが5000万円のシード調達、食・医療・飼料・化粧品分野のプロダクト開発

ヒトに有用なカイコ原料の供給を行うMorusが5000万円のシード調達、食・医療・飼料・化粧品分野のプロダクト開発

ヒトへの有用成分が多く含まれるカイコ原料を供給するバイオスタートアップMorus(モルス)は1月5日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による5000万円の資金調達を発表した。引受先は、リードインベスターのANRI(ANRI 4号投資事業有限責任組合)、またサムライインキュベート(Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合)。

Morusは、カイコを原料とした食品、医薬品、飼料、化粧品などの開発、生産、販売を行っている。古くから家畜化され、逃げない、共食いをしないといった飼いやすく量産に適した特質を持つカイコには、豊富なタンパク質をはじめ、ヒトにとって有用な栄養成分が含まれており、「現代人のタンパク質不足や不足する栄養分を補う」ことが期待されるという。

今後は、複数の産業向けに製品開発を行うとともに、「カイコの高速品種改良と量産化における研究開発や体制強化」を行うとのこと。これにともない、共同創業者である信州大学繊維学部の塩見邦博教授が社外取締役に就任する。

Morusの代表取締役CEOの佐藤亮氏は、サムライインキュベートから独立してこの会社を起業した。サムライインキュベートは、今回の出資を通して「世界で課題を抱える約9億人の人々を対象とする課題解決を目指して、継続して伴走支援をしてまいります」としている。

RECEPTIONISTの法人向け日程調整ツール「調整アポ」がサイボウズのクラウド版「Garoon」と連携開始

RECEPTIONISTの法人向け日程調整ツール「調整アポ」がサイボウズのクラウド版「Garoon」と連携開始

クラウド受付システム「RECEPTIONIST」を提供するRECEPTIONISTは1月5日、法人向け日程調整ツール「調整アポ」と、サイボウズの中堅・大規模組織向けグループウェア「サイボウズ Garoon」(ガルーン)のクラウド版との連携開始を発表した。

2021年2月にリリースされた調整アポは、ビジネスでの面談やウェブ会議、商談の日程調整を効率化するクラウドサービス。担当者の空いている日時だけを表示するURLを生成・送付し、クライアントに選んでもらうことで日程の調整が完了する。訪問時に受付を行なうためのQRコードやウェブ会議用URLの自動発行など、ビジネスシーンにおける管理業務を同時に自動化し、円滑なコミュニケーションをサポートする。

Garoonは、10名から数万名規模で利用できるスケーラビリティと使いやすさを両立した中堅・大規模組織向けグループウェア。スケジュール管理、掲示板、電子会議室や社内メールのコミュニケーションツールなど、組織の情報共有に欠かせない機能がワンパッケージに集約されている。日本語・英語・中国語に対応しているためグローバルなビジネスシーンでも利用でき、国内外6200社・290万人に導入されている。

調整アポとGaroonの連携では、「空いている日時の自動抽出」「商談日時を自動反映」「ウェブ会議用URLの自動発行」が可能になる。

  • 「空いている日時の自動抽出」:Garoon上のスケジュールから空いている日時を抽出し、調整アポによる日程調整が行なわれる
  • 「商談日時を自動反映」:確定した日時はGaroonに自動で反映される
  • 「ウェブ会議用URLの自動発行」:ウェブ会議プラットフォームと連携する際には、日時の確定と同時にウェブ会議用のURLが発行される

これら連携によって、Garoonユーザーのスケジュール調整の効率化、メールの往復の負担・ダブルブッキングのリスクの軽減が実現される。

RECEPTIONISTは、より多くの企業の業務効率化を推進することを目的として、今回の連携に至ったという。今後はクラウド受付システムのRECEPTIONISTとの連携にも取り組み、より効率的なビジネスコミュニケーションの実現を目指したいとしている。

ヘビーなメタバースを楽しむ人向け、軽量メガネ型VRヘッドセットや冷温デバイスなどをShiftallが発表

昨年、注目を集めたメタバース。2022年はさらに多くの関心が寄せられ、新たなサービスなど登場すると思われる。テック業界におけるこれからの動向を占うCES。リアルでの参加を見送る企業も増えているが、それでも各社から最新製品が登場するだろう。

日本のShiftallは1月4日、VRヘッドセット「MeganeX(メガーヌエックス)」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel(ぺブルフィール)」、メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク「mutalk(ミュートーク)」の3製品を発表した。

MeganeX

「MeganeX」はSteamVRに対応した超高解像度・超軽量のVRヘッドセットだ。メタバースで多くの時間を過ごすヘビーなVRユーザーが、今、求めている「軽さ」を追求した本製品は、ゴーグルタイプではなくメガネ型で重量は約250g(Oculus Quest 2は503gなので半分以下)。スピーカー内蔵の折りたたみフレームになっており、長時間装着しても疲れづらく、収納、携帯も楽になっている。

リフレッシュレート120Hzの5.2K/10bit/HDRのディスプレイを採用。6DoFに対応し、SteamVR対応するVRアプリケーションを楽しめるとのこと。

ウェアラブルデバイス「Pebble Feel」は最低9℃から最大42℃まで人体を冷やしたり、温めたりできるパーソナルエアコンだ。

Pebble Feel

専用シャツに装着することで接触する首元を霊薬、加熱し厳しい季節を快適に過ごせるのはもちろん、専用のSteamVR用アドオンを利用することで、VRChatといったメタバース空間で熱さや寒さを体験することもできるようになる。

mutalk

「mutalk」はメタバース対応の音漏れ防止機能付きBluetoothマイク。メタバースはオンラインゲームでのボイスチャットに最適だ。専用バンドで顔に固定することもできるためハンズフリーで会話も可能となっている。

MeganeXは販売予定価格税込10万円未満、Pebble Feelは2万円前後、mutalkは2万円前後となっている。MeganeXとPebble Feelは2022年春、mutalkのみ2022年夏の発売予定とのこと。いずれの製品もパナソニックと協業開発し、Shiftall製品として発売される。

まだ3製品は米国時間1月5日に開催されるCES 2022で出展される。

画像クレジット:Shiftall