クックパッド、調理機器とレシピをつなぐスマートキッチンサービス「OiCy」公開

「人と機器とレシピをつなぐことで、手料理が、人生が、もっと豊かになることを目指すスマートキッチンサービス」ーークックパッドが本日公開した新サービス「OiCy」のサイトには、そんな説明文がある。

これまでクックパッドが提供してきたレシピ関連サービスは人とレシピをつないできたが、今回リリースしたOiCyはレシピと調理機器(そしてそれらを使って調理する人)をつなぐものだ。

OiCyではクックパッドに投稿されたレシピを、機器が読み取れる形式(MRR: Machine Readable Recipe)に変換して提供。機器をOiCyに対応させておけば、クックパッドのレシピ内容に合わせた調理やアレンジが自動でできるようになる。

主にキッチン家電を取り扱う企業に提供する予定で、同社ではサービス公開に合わせてOiCyに対応する製品開発に取り組むパートナー企業の募集も始めた。

コンセプトモデルとしてレシピ連動調味料サーバー「OiCy Taste」も開発(現時点で発売の予定はないとのこと)。OiCy Tasteではレシピを選ぶだけで必要な分量の調味料を自動で計量できるため、料理の途中で調味料を計る手間から解放されるほか、好みに合わせてアレンジすることも可能だ。

僕自身は大雑把な性格だから調味料を目分量で計ることがほとんど。その結果ついつい味が濃くなってしまうこともよくあるから、調理機器が勝手に最適な量を計ってくれるなら使ってみたいと思った。

クックパッドでは「レシピとキッチン家電が連携することで料理をする人の悩みや負担が軽減され、毎日の料理が楽しくなる、そんなスマートキッチンを目指します」としている。

2500社が使うスマートロック入退室管理「Akerun」のフォトシンスが10億円調達、IoT×SaaSモデルで拡大

後付型スマートロックを活用した入退室管理システム「Akerun」を提供するフォトシンス。同社は5月8日、グロービス・キャピタル・パートナーズ大和企業投資、既存株主であるYJキャピタル、個人投資家を引受先とする第三者割当増資と、新生銀行、日本政策金融公庫、オリックスからの融資等により総額10億円を調達したことを明らかにした。

フォトシンスは2015年9月にもジャフコ、YJキャピタル、ガイアックス、ベータカタリストから4.5億円を調達するなどしていて、累計の調達額は15億円になるという。

2016年から始めた法人向けプロダクトが導入社数2500社を突破

フォトシンスが現在注力しているのは、後付型のスマートロック「Akerun Pro」を軸にした法人向けの入退室管理システムだ。同社では2014年9月の設立後、最初のプロダクトとして2015年4月に家庭用のスマートロックを発売。実際にサービスを提供してみると法人からの需要が多かったため、2016年7月に法人向けの「Akerun Pro」を発表した。それから2年弱が経過した現在は導入社数が2500社を突破しているという。

スマートロックの導入はドアの鍵のつまみ(サムターン)に粘着テープを使ってデバイスを貼り付けるだけ。NFCリーダーをつければスマホからだけでなく、SuicaやPASMOといったICカードからも鍵の開け閉めができるようになる。

合わせてWeb管理画面「Akerun Manager」を通じて鍵の権限設定のほか、各メンバーの入退室履歴を管理可能。フォトシンス代表取締役社長の河瀬航大氏によると、この「入退室管理」機能のニーズが増えているのだという。

背景にあるのは2017年6月施工の個人情報保護法の改正により、個人情報を取り扱う全事業所の入退室管理が義務化されたこと。そして働き方改革や労働基準監督署の活性化により、正確な労働時間を把握したいというニーズが増えたことがある。

「Akerunではクラウド上でいつ、だれが、どこに出入りしたかを把握できる。そのためコワーキングスペースで働いていることがわかれば出社とみなすなど、働き方改革の実現に向けて入退室管理のデータを活用したいという声が増えてきた。またこれらのデータを勤怠管理システムと連動させて、勤怠管理までAkerunでやってしまいたいという要望も多い」(河瀬氏)

1番売れているのは社員数が10~300名ほどの中小企業で、業種は個人情報を多く扱う人材紹介業や金融業、士業への導入が伸びているそう。最近は複数の拠点を持つ大企業やコワーキングスペースなどでも活用が進んでいる。

たとえば地方に支社を構える企業の場合、本社オフィスに比べると地方拠点ではセキュリティ対策や勤怠管理の徹底が進んでいない場合もある。そのような時にAkerunを使うことで、セキュリティを強化するとともに鍵とそれに紐づくデータをクラウド化。複数拠点の情報を一元管理するといった使われ方をしているそうだ。

IoT×SaaSモデルが顧客に響いた

ここで少しビジネスモデルの話をしてみたい。入退室管理システムとして提供しているAkerunは、デバイスを販売するのではなくレンタルという形をとっている。月額1.5万円、1台から利用できるため、デバイスの購入費用や初期費用がかからず、気軽に試しやすいのが利点。商品のアップデートがあった際や故障時には交換もできる。

海外ではHESaaS(Hardware Enabled SaaS)のような言葉で表現されることもある、ハードウェアとSaaSを絡めたビジネスモデルだ。

河瀬氏の話ではこのビジネスモデルが中小企業を中心にささっていて、導入企業数が増加した要因のひとつにもなったそうだ。

「入退室管理システムでは価格がボトルネックになっていた。気軽に試すこともできず、(法改正によって入退室管理が義務化されたのに)適切なソリューションがなく悩んでいる企業も少なからずある。月額1.5万円であればカジュアルに試すことができ、大掛かりな初期投資も必要ない」(河瀬氏)

これはAkerunが後付型で、ドアや壁の工事が必要ないという性質ももちろん大きい。ただスマートロックについてはセキュリティ面の不安などから導入を懸念する企業もあるからこそ、料金体系も含めて試しに使ってもらえるようなサービス設計がキモになる。

Akrunの場合も当初は同じような不安を抱える顧客もいるが、実際に導入してみると反応が良いケースも多く、現状は解約もほとんどないそう。だからこそ最初のハードルを下げるという観点でSaaS型のビジネスモデルがハマったようだ。

現在は「想定以上の問い合わせがある」(河瀬氏)とのことで、今回調達した資金を基に人材採用と販売促進を強化していく方針。合わせて導入が増えている大手企業に向けた管理システムの強化や、勤怠管理システムとの連携などプロダクトの改良も進めていく。

今の正社員50名体制から2年後には100名規模まで増やす計画で、2020年に1万社への導入を目指すという。

日本のICOファンド「B Cryptos」、韓国のブロックチェーン・プラットフォーム「ICON」と提携

左より、B Dash Ventures代表取締役の渡辺洋行氏、B Cryptos代表取締役の本吉浩之氏、ICON Foundation創業メンバーのJH Kim氏

B Dash Venturesが設立したICOファンドのB Cryptosが、ブロックチェーン・プラットフォーム「ICON」を提供する韓国のICON Foundationとの戦略的パートナーシップを発表した。これにより、ICON Foundationの創業メンバーであるJH Kim氏がB Cryptosの投資委員会に参加し、主に海外の投資案件に対する助言を行うという。

2017年12月に設立したB Cryptosは、国内および海外の仮想通貨へ直接投資を行うICOファンドだ。B Cryptos代表取締役の本吉浩之氏によれば、「来月中にも本格的な投資活動を開始する」という。なお、当初は100億円規模のファンド設立を見込むと話していたB Cryptosだが、設立後に起きたNEM流出事件の影響からか、現時点ではその目標までには達していないという。具体的なファンド規模は非公開。

一方、B Cryptosが提携を発表した韓国のICON Foundationは、イーサリアムやNEOなどと同じく、分散型アプリケーションの構築や、異なるガバナンスをもつ独立したブロックチェーン・ネットワーク同士の連結を目的としたプラットフォーム「ICON」を提供している。また、韓国の証券コンソーシアム向けのブロックチェーンを活用した本人認証システムや、韓国の生命保険会社Kyobo Life Insuranceと共同の自動保険金請求システムなどの開発実績もある。

記事執筆時点では、ICONで使用される仮想通貨「ICX」の時価総額は約17億ドル(約1800億円)で世界20位。「C-rep」と呼ばれる代表者たちによってICXの発行枚数が決定されるシステムや、「SCORE」と呼ばれる独自スマートコントラクト技術をもつことなどで注目を集めている。また、イーサリアムなどの他のプラットフォームとは違い、サービス提供者とユーザーとの間で取引手数料の負担比率の調整が可能であることも特徴だ。

B CryptosとICON Foundationは今回の戦略的パートナーシップにより、今後ハッカソンやデモデイを共同で開催するほか、ブロックチェーン技術のインキュベーションプログラムを運営していくとしている。来月にも本格的な仮想通貨への直接投資を開始する予定のB Cryptosにとっては、JH Kim氏をはじめとするICON Foundationがもつ投資案件の“選球眼”を手に入れることになる。

なお、現時点ではB CryptosがICXへ投資するかどうかは「検討中」(本吉氏)だという。一方、JH Kim氏は「今後、日本のレギュレーションに沿ったかたちで、ICXを日本の仮想通貨取引所へ上場させることも目指す」と話した。

デバイスひとつで法人車両をコネクテッドカーに、車両管理サービス提供のフレクトが5億円調達

リアルタイム車両管理サービス「Cariot(キャリオット)」を提供するフレクトは5月7日、Draper NexusSalesforce Venturesを引受先とする第三者割当増資により5億円を調達したことを明らかにした。

Cariotは営業車など法人が所有する車両をコネクテッドカーに変えるサービスだ。車両にデバイスを差し込むことで、速度や走行距離、GPSセンサーを用いて取得する位置情報など車両に関する多様なデータをインターネット経由で取得。それらの情報を活用することで、コンプライアンス強化や安全性向上、コスト削減・業務効率化をサポートする。

たとえば車両やドライバーの情報を一元管理することで車検や免許の期限切れを把握したり、長時間労働や車両の不正利用を発見する。急加速や速度超過など危険運転を察知し事故削減につなげる。車両の稼働率から不要な車両を把握、運転日報の自動化などにより車両を保有することによるコストや業務負担を減らす、といったような使い方ができる。Cariotに近しいサービスとしては、以前TechCrunchでも紹介したスマートドライブの「DriveOps」などが挙げられるだろう。

Cariotのユーザーは車両数や管理者数に応じた月額の利用料と、車載デバイスの料金(デバイスは複数のタイプから選択可能)を支払う仕組み。月額利用料は車両1台ごとに2980円、管理者1名ごとに2000円だ。同サービスは2016年4月の提供開始から利用社数を増やし、現時点では国内外含め約60社以上に導入されているという。

2005年設立のフレクトはSalesforceを中心としたソフトウェア開発、コンサルティング事業、IoTサービスの導入支援など複数の事業を展開しているが、今回調達した資金はCariotの事業成長に投じる方針。分析レポートサービスの開発のほか、各種機能強化やサポート体制の強化を通じてプロダクトを改良し、次世代テレマティクス、フリートマネジメント分野におけるB2B車両管理ソフトウェアとしてNo.1の地位確立を目指す。

AI問診・病名予測アプリ開発のUbieが関西電力CVCから3億円を資金調達

AIによる問診ソリューションや病気予測アプリを開発するヘルステックのスタートアップ、Ubieは5月7日、J-KISS型新株予約権により関電ベンチャーマネジメントから資金調達を実施したことを発表した。金額は公開されていないが、登記情報などから3億円を調達したものと見られる。今回の調達は、2017年9月に行われたD4Vを引受先とした6000万円のシードラウンドに続くものとなる。

Ubieの設立は2017年5月。共同代表取締役で医師の阿部吉倫氏とエンジニアの久保恒太氏が立ち上げた。久保氏は東京大学在学中の2013年に病名予測アルゴリズムの研究を開始。現在Ubieでは、医療機関向け「AI問診Ubie」と一般ユーザー向け「Dr.Ubie」という、共通のアルゴリズムで動く2つのプロダクトを提供している。

AI問診Ubieは、現役医師が監修した問診ツールだ。自然言語処理技術と質問選定アルゴリズムを利用して、紙の問診票と医師の問診に代わり、AIで患者の回答に応じた最適な問診を自動で行い、カルテのテンプレートも自動で生成。医師の事務にかける時間と患者の待ち時間を削減する。2017年8月にベータ版、同年12月に製品版がリリースされ、50件近い医療機関に提供されている。今月からは日立総合病院での運用が始まり、今夏には宮崎大との多施設での共同研究開始が予定されている。

Dr.Ubieはセルフメディケーションを目的とした、一般ユーザー向けの病気予測アプリ。ユーザーの年齢や性別に合わせて質問を出し、症状から考えられる病名を予測する。現状ではAndroid版がリリースされている。

Ubieでは資金調達にともない、エンジニアを中心とした採用を強化。主力事業であるAI問診Ubieの機能拡充・事業拡大に加えて、Dr.Ubieのマルチチャネル化や海外展開も含めた開発・マーケティングにも力を入れていくという。

人材分析サービス「HRアナリスト」開発のシングラーがパーソルグループに参画

人材分析サービス「HRアナリスト」は、採用候補者への事前アンケートと人事ノウハウの組み合わせによる、クラウド型のHR Techツールだ。10分程度で完了するアンケートへの回答をもとに、採用設計、面談・面接方針、コミュニケーション方針や志望度を上げるトピック、自社のアピールポイントなどを、候補者ごとに具体的に提案してくれる。

HRアナリストを提供するシングラーは5月7日、パーソルグループのパーソルキャリア(旧インテリジェンス)の連結子会社となり、パーソルグループに参画することを明らかにした。株式の取得比率や金額については非公開。今後両社は、人材サービスの共同企画、開発を通じて協業していくという。

上段左から:パーソルキャリア 経営戦略本部 エグゼクティブ マネジャー 柘植悠太氏、シングラー 執行役員 田口弦矢氏、シングラー 執行役員 三角勇紀氏、パーソルキャリア 執行役員 岩田亮氏
下段左から:シングラー 代表取締役CEO 熊谷豪氏、パーソルキャリア 代表取締役社長 峯尾太郎氏

今回のパーソルグループへの参画について、シングラー共同創業者で執行役員 COOの三角勇紀氏は「双方にメリットがあるもの」として次のように話している。

「セールス、資金面で力を持つパーソルグループとの今回の協業により、シングラーとしては、プロダクト開発に集中でき、よりよいもの、よりマーケットにフィットしたものを提供できると考えている。パーソルキャリアとしては、求職者と採用意欲の高い企業をより適切にマッチングすることが可能となる」(三角氏)

今後の協業内容について、具体的な取り決めはこれからだとのことだが「HR Techで人材採用を変える、というシングラーの王道の路線は外さず、進めていきたい」と三角氏は話していた。

シングラーは2016年11月の設立。2017年8月にはHRアナリストで、B Dash Venturesが開催したスタートアップイベント「B Dash Camp 2017 Summer in Sapporo」のピッチアリーナ準優勝を果たしている。

建設業マッチングアプリ「助太刀」で職人が代金を即日受け取れるサービス開始、セブン銀とも提携

建設業の仕事を受発注できるアプリ「助太刀」を運営する助太刀は、アプリを利用して仕事をした職人が代金を即日受け取れる「即日受取サービス」を5月7日からスタートした。同サービスはセブン銀行子会社のセブン・ペイメントサービスが運営する「現金受取サービス」との提携によるもの。決済にはGMOペイメントゲートウェイのサービスを利用する。

助太刀は建設現場と職人をつなぐマッチングアプリ。職人はアプリに職種と居住地を登録すれば、条件に合った仕事の案件をプッシュ通知で受け取ることができる。また仕事を発注する側の現場監督は、現場ごとの細かい条件を指定することで、適した職人に仕事を依頼できる。

建設業界では、現場で働く職人に仕事の代金が支払われるまでの期間が長い場合が多い。助太刀の即日受取サービスを使えば、その日の仕事が終わった時点で職人が工事代金を発注者に申請し、セブン銀行のATMから即時現金で受け取ることができるようになる。

助太刀は4月に、伊藤忠テクノロジーベンチャーズやジェネシアベンチャーズなどから5億3000万円を調達している。調達を機に同社では、職人と現場のマッチング機能に加えて、職人への支払いに関わるペイメント機能を提供する予定があると言及していた。

T-MobileとSprint、合併で最終合意――最大の課題はアメリカ政府の承認

SprintとT-Mobileはアメリカ最大級となる携帯電話キャリヤを実現させるべく長年交渉を繰り返してきたが、今朝(米国時間4/29)、両者はついに合併に最終的に合意したことを発表した。合併はすべて株式交換によって行われる。今後は規制当局による審査をクリアできるかが最大の課題となる。

これはアメリカ携帯キャリヤとして第3位と第4位の企業が合併するというだけでなく、両者を外国資本がコントロールしているためだ。日本のSoftBankがSprint株式の過半数を、ドイツのDeutsche TelekomがT-Mobile株式の相当部分を握っている。大型買収に関しては、BroadcomのQualcomm買収をアメリカ政府がストップさせたことを考えると、今回の合併に対してどのような態度が表明されるか予測は難しい。

Bloombergの報道によれば合併後の新T-Mobileの42%をDeutsche Telekomが、27%をSoftBankが所有するという。

予想どおり5Gネットワーク建設がいよいよ目前となったことが合併を加速させたようだ。T-Mobileは発表中で、この合併は、次世代5Gネットワークの提供が始まる中、AT&TとVerizonという巨大テレコム企業との競争力を保持していくために必要だったと述べた。同時に「アメリカの消費者にネットワークの選択の自由を与えるものとなる」としている。

T-Mobileのプレスリリースは.「新T-Mobileはアメリカ全土に5Gを迅速に提供するために十分な能力を備えることになる。4Gネットワークの普及にあたってアメリカ企業と起業家が果たしたリーダーとしての役割を来るべき5G時代においても果たそうとしている。新会社はそれぞれ単独で対処するのに比べてはるかに迅速かつ広域的に5Gネットワークの建設に当たることができる。かつてT-MobileはLTEネットワークの全国展開においてVerizonの2倍、AT&Tの3倍のスピードだった。合併後の新会社は5Gネットワークの建設において必要とされる多様な能力とネットワーク容量を備えることになる」と述べている。

両社は先週金曜に合併に最終合意したものとみられる。このとき両社の評価額を決定し、今朝の発表の準備を始めたようだ。これによると、Sprintの企業価値は590億ドルと評価されたもようで、合併後のT-Mobileの価値は1460億ドル前後となる。日曜時点でのAT&Tの時価総額は2140億ドル、Verizonは2130億ドルだ。

T-MobileとSprintの合併を報告できることを欣快とする。両社は親会社を作ることで合意に達した。より大きく、より強力な新会社の誕生はアメリカのすべての消費者、企業に好ましい影響を与えるだろう! クリックして詳細を知ることができる。

この合併は今後規制当局の審査を受けるわけだが、プレスリリースによれば、「2019年上半期中に」結論が出るはずだという。

情報開示:VerizonはOathの親会社で、OathはTechCrunchの親会社

画像:Michael Loccisano

〔日本版〕T-MobineのCEO、John Legereの発音はジョン・レジャーに近い。CNBCビデオの32秒あたりなど。学生時代はマラソン選手で2004年にはチャリティーの一環としてボストン・マラソンを走っている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

任天堂の新スマホRPG『ドラガリアロスト』夏配信、事前登録受付中。Cygamesと共同開発

eng-logo-2015任天堂とCygames がスマートフォン向けアクションRPG『ドラガリアロスト』を発表しました。

対応機種はAndroid と iOS。この夏の配信に向けて、スマホゲームらしいガチャアイテムが貰える事前登録キャンペーンも実施しています。

任天堂はこれまでスーパーマリオランやどうぶつの森ポケットキャンプ、ファイアーエムブレム ヒーローズなど、ゲーム機で長く展開してきた人気IPをスマホゲーム化してきましたが、新作『ドラガリアロスト』はゲーム機版がない新規IPです。

ゲーム内容は、等身の低いキャラクターが戦うアクション要素のあるRPG。舞台は剣と魔法っぽい世界。主人公が竜に変身するような描写、多数のドラゴンがPVに登場することから、キャラクターごとに必殺技的に竜に変身できるのか、あるいは竜とキャラクターの組み合わせなどで強力なドラゴンの登場がポイントのように見えます。

仲間を集める要素や「召喚」の言及、事前登録で石ならぬ「竜輝晶」が貰えるとの表記から、つまりはガチャでキャラクターを揃える系のスマホソシャゲのようです。

本日から始まった事前登録キャンペーンでは、ニンテンドーアカウント、Google Playストア、Twitter 、YouTubeで事前登録が可能。総数に応じてボーナスが増える、よくあるタイプです。

ニンテンドーアカウントの場合はログインして登録ボタンを押す、Twitterでは公式 @dragalialost をフォローする、YouTubeでは公式チャンネルのフォロー、Google Playストアではアプリページの事前予約ボタンを押した時点で登録となります。

事前登録者数が10万人に到達したら「竜輝晶」300個(ガチャ2回分)、あとは10万人刻みで増えてゆき、50万人で1500個までプレゼントとのこと。

配信はこの夏予定。

Engadget 日本版からの転載。

ZOZOSUITが新しくなったーーセンサーではなくマーカー読みとり方式へ変更

2017年11月にスタートトゥデイが発表した、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」。発表後から大きな話題を呼び、10時間で23万件の予約が発生。生産の遅れにより配送遅延が生じていた。

そんなZOZOSUITの到着を心待ちにしていた人にとっては、良いニュースかもしれない。スタートトゥデイは4月27日、新型のZOZOSUITを発表した。

水玉模様が特徴的な新型ZOZOSUITでは、このドット上のマーカーをスマホのカメラで360度撮影することで体型サイズを計測する。スーツにはスマホを立てかけるためのスタンドが同梱されるため、テーブルなどにスマホをセットして撮影。音声案内がガイドする。

旧型のようにセンサーを活用していないため、電池切れの心配がなく洗濯も可能。なにより大量生産ができるようにもなるという。

撮影した体型のデータは3Dモデルとしてアプリ上に表示され、自身の体型を様々な角度からチェックすることが可能だ。

ZOZOSUITの現状や今後の展開については本日スタートトゥデイが公開した資料に詳しい。スタートトゥデイでは本日約4000の新型スーツを出荷したことを公表。これまででZOZOSUITの予約件数は100万件を突破しているというが、現在までの予約については7月中旬ごろを目処に配送を完了する予定。今期中に600万〜1000万のスーツを無料で配布する予定だ。

なお旧ZOZOSUITはニュージーランドのソフトセンサー開発企業StretchSenseと共同で開発していたもの。スタートトゥデイでは将来的に同社を100%子会社化することを選択的に可能とするコールオプション契約を締結する予定である旨を2017年11月22日に発表し、注目を集めていた。

同社は本契約について本日開催の当社臨時取締役会において、締結を中止することを決議したと公表。主な理由については契約条件面で合意に至らず、交渉が長期化していたため。そしてスタートトゥデイ研究所が2月15日に3億円で買収することを発表したアイデアを基に、より高精度な体型計測技術の開発に成功したためだとしている。

ネット印刷のラクスルがマザーズ上場へ、直前期の売上高は約76億円

ネット印刷サービス「ラクスル」や 物流マッチングサービス「ハコベル」を提供するラクスル。同社は4月27日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は5月31日。

有価証券報告書によると同社の平成29年7月期(第8期)における売上高は76億7505万円、経常損失が11億6310万円、当期純損失が11億7541万円だ。

ラクスルは2009年9月の設立。2010年4月に印刷通販の価格比較サービスサイト「印刷比較.com」をリリースし、同年10月にラクスルへと名称を変更した。その後複数の資金調達も実施しながらサービスを拡張。2013年3月から現在提供する印刷のシェアリングプラットフォームとしてサービス提供を始めたほか、2015年3月には広告プラットフォームとして集客支援サービスもリリースしている。

また印刷事業に加えて2015年12月からは運送事業を開始。物流マッチングサービス「ハコベル」を始めている。

株式の保有比率については、代表取締役の松本恭攝氏が21.55%を保有する筆頭株主。ついでオプトホールディングが17.78%、日本政策投資銀行が8.91%と続く。

 

子供向けの習い事を月額定額で体験できる「スクルー」が2500万円を調達

子供向けの習い事を月額定額で体験できるプラットフォーム「スクルー」。同サービスを展開するスクルーは4月27日、ベンチャーキャピタルのPE&HRとゲーム開発やサウンド制作を手がけるネイロから2500万円を調達したことを明らかにした。

スクルーは音楽やスポーツ、伝統芸能、プログラミングなどさまざまな習い事を体験できる機会を提供することで、子供が夢中になれる物事や自分に合った教室を見つけやすくするサービスだ。

子供の習い事に関しては親の好みや経験も影響し「必ずしも子供に合ったものが選択されているとは言えない状況がある」というのがスクルーの考え。他にも習い事にまつわる課題として「近くで教室が見つからない」「入会の判断が難しい」といったことが存在する。

これらを解決するために、スクルーでは無料でマップから近くの教室を探せる機能や、パートナー教室が提供するレッスンを月々定額で少しずつ体験受講できる「スクループレミアムサービス」を提供している。

検索できるのは都内にある約1.2万件の教室。約900校のパートナー校については、プレミアムサービスに登録すればそのまま体験レッスンに申し込める。各教室が通常提供している体験レッスンとは異なり、入会前に複数回レッスンを受講可能。子供と教室の相性を判断しやすくなるのが特徴だ。現在は受講できるレッスンの数ごとに、3つのプランを提供している。

スクルー代表取締役の犬塚亮氏によると、今後は1回の受講で完結するワークショップや子供向けの体験施設など、週末のレジャーニーズに応えるアクティビティにまで対象カテゴリーを拡大する方針。また習い事を継続するかの見極めがしやすくなるように、オリジナルの1ヶ月体験プログラムも設計していくという。

「たとえば陶芸教室など、定期的に通う習い事とは少し違った子供向けの体験教室も多い。このような子供にあらたなインスピレーションを与えられるアクティビティをどんどん提供していきたい。また今までのスクルーは自分に合った習い事が見つかれば、そこでサービスの利用も終わるという側面があった。今後は『今週末、どんな体験をしよう』と親子がレジャー体験を探すシーンでも使えるようにしていく」(犬塚氏)

なおスクルーは2016年6月の設立。TC Tokyo 2017スタートアップバトルに登壇した20社のうちの1社だ。

初音ミクとも対話可能、クーガーがKDDIに技術提供、機械学習×ゲームAI×xR×ブロックチェーン

クーガーは、AIとxR(VR/AR/MR)を組み合わせた「バーチャルヒューマンエージェント」技術を開発し、KDDIの「バーチャルキャラクター×xR」プロジェクトに提供した(クーガーの発表資料KDDIの発表資料 )。

KDDIの発表会で見せたデモより

KDDI発表会のデモに使われたスマートグラス「R9」。重量181gで外見もコンパクト。このサイズにSnapdragon 835(2.45GHz、8コア)、6GバイトのRAM、128Gバイトのストレージ、1400mAhのバッテリーを搭載。視野角50度、表示機能は1080p×2(フルHD×2眼)。開発環境はAndroid Nougat(7.0)ベース

KDDIが4月26日に開催した「xR技術への取り組み」に関する発表会の場では、クリプトン・フューチャー・メディアのバーチャルシンガー「初音ミク」のキャラクターが米ODG社のスマートグラス「R9」により現実世界の中で動いて対話する「バーチャルヒューマンエージェント」のデモンストレーションを披露した。初音ミクが目の前に等身大で表示されていて、部屋の中の人物や置いてあるモノに関心を持って近寄ったり、褒める言葉をかけると喜んだり、ネガティブな言葉をかけると反発したりする。KDDIでは過去にARアプリによる地域密着型イベント「ミク☆さんぽ」を実施しているが、その次世代ともいえる技術になっている。

この事例では「初音ミク」をキャラクターとして起用しているが、もちろん他のキャラクターをエージェントに配役することも可能だ。

学術AIとゲームAIを掛け合わせ、ブロックチェーンでデータを管理

クーガーによるデモンストレーションから。スマートフォン上で「バーチャルヒューマンエージェント」を動かしている

「バーチャルヒューマンエージェント」はCGで表現したキャラクターを備えていて、実世界の中で「人に近寄る」「新しいモノに興味を持って近づく」ように振る舞いをする。また記憶と感情を持ち、振る舞いや会話にそれを織り交ぜるようにする。例えば「新しい椅子」や「初めての来客」などに反応する。

バーチャルヒューマンエージェントには多くの技術要素が組み込まれているが、大きな枠組みとして「2系統のAIを組み合わせた」とクーガー 代表取締役 CEOの石井敦氏は説明する。「学術分野で発達した深層学習などのAIと、ゲーム分野で発達したキャラクターAIは今まで接点がなかった。その両者を結びつけた」(石井氏)。記憶、感情があるかのように振る舞うキャラクターAIの部分ではゲーム開発の知見を盛り込み、一方で画像認識、空間認識の部分では自動運転技術にも応用されつつある機械学習の技術を応用している。

同社は、今回発表の「バーチャルヒューマンエージェント」を、「空間をスマート化する技術」として作り上げる「コネクトーム」と名づけた技術の中でヒューマンインタフェースを担当する技術として位置づけている。「コネクトーム」は脳の配線情報という意味をもつが、同社の技術名称としてのコネクトームは、前述の学術AI、ゲームAI、データをその所有権や信頼性が保てるよう管理するブロックチェーン技術、xR(VR/AR/MR)、IoTの各種技術を組み合わせた技術の総称である。

クーガーの技術「コネクトーム」の全体像。「バーチャルヒューマンエージェント」はコネクトームの入力、出力に相当する。データ管理にはブロックチェーン技術を活用

上の図が「コネクトーム」の全体像である。例えば今回発表の「バーチャルヒューマンエージェント」をスマートフォンをプラットフォームとして利用している場合は、(1) 情報の入力がスマートフォンのカメラ、マイク、6軸センサ、その他センサ。(2) 情報の出力が、スクリーンにCGキャラクターとして表示されてスピーカーから語りかけてくるバーチャルヒューマンエージェント、という形になる。また、音声認識関連ではクラウド側のエンジンも使っているが、画像認識やCG生成のエンジンはほぼスマートデバイス(スマートフォン、スマートグラス)上で動かしている。「リアルタイムな画像認識、CGキャラクター生成ではクライアント側で処理しないと追いつかない」(石井氏)。

将来はAIエージェントのマーケットプレースも

クーガーは、この「バーチャルヒューマンエージェント」を将来的には法人ユーザーや個人ユーザーに提供していく考えだ。法人向けの展開としては、例えば飲食店の接客用のAIとして使う形を検討している。

フェーズ1として、2018年8月には、クーガーのオフィスで社員として立ち振る舞うバーチャルヒューマンエージェント「Rachel」を誕生させたいとしている(この名前から映画『ブレードランナー』を想像した読者はおそらく正しい)。視覚、聴覚、感情をもち、接客やコミュニケーションが可能。オフィス内の機器類、例えば冷蔵庫、テレビ、照明とも連動する。学習履歴、行動履歴、デバイス情報などのデータはブロックチェーンで管理する。「バーチャルヒューマンエージェントにオフィス内で経験を積んでもらう形」だと同社は説明する。

フェーズ2として、2018年12月を目標に、バーチャルヒューマンエージェントのマーケットプレイスを展開する方向だ。経験を積んで育ったAIキャラクターを交換可能としていく。例えば、自分が育てたAIが、複数のAIに派生して育っていく樹形図を見ることができる将来像も考えている。ブロックチェーンのようなdecentralized(管理主体を持たない)の特性を持たせることや、非営利団体による運営などの構想も視野に入っているとのことだ。

クーガーのバックグラウンドについて若干の補足をしておく。同社はスクウェア・エニックスのオンラインゲーム開発協力の経験を持つ。これまでにゲームAIの応用であるAI学習シミュレータを本田技術研究所に提供した経験、ロボット競技ロボティクス出場チームへの支援、Ethereumベースのブロックチェーン関連開発(関連記事関連発表)などの経験を積んでいる。

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eng-logo-2015ソフトバンクがIoT向けのLTE規格「NB-IoT」「LTE Cat M1」の商用サービスを開始しました。月額料金は10円〜(税込)と業界最安。データ解析と組み合わせた収益化を狙います。

低速で廉価なIoT向け通信

「NB-IoT」「LTE Cat.M1」は、センサーなど、少量のデータ通信が中心となるIoT(モノのインターネット)向けの通信規格です。スループットは「NB-IoT」が上り63Kbps / 下り27kbps、「LTE-M」が上り1Mbps / 下り0.8Mbpsと低速。下りより上り通信が速いのも特徴で、センサーで集めた容量の少ない情報(例:川の水位、温度など)を、定期的にアップロードする用途に向きます。

それに従って通信料金も安価です。1回線あたり10KBまで月額10円で利用できるプランなど、月々のデータ通信量に合わせて4プランを提供。「(セルラーIoTでは)業界最安の料金」だとアピールします(ただし、後述のIoTプラットフォームと併用することが前提です)。

なお、1回線で月10円〜というのは、大量導入が前提の法人向けとしてもあまりに安価。ソフトバンクの丹波廣寅氏(IoT事業推進本部 本部長)は『回線で儲ける気はない』といい、同社のIoTプラットフォームと組み合わせた収益化を狙います。

同プラットフォームでは、IoTセンサーで集めた大量のデータを、ソフトバンクが携帯事業を展開するうえで保有するキャリアデータや、オープンデータと組み合わせて解析することが可能。また、デバイスやデータ管理API、ネットワークAPI、解析・認証API、メッセージAPI、決済APIなどを活用して、データから新たな価値を生み出せるビジネス基盤であるといいます。

「原価率が60%を超えるような商売ではない」(丹波氏)という利益率の高さも特徴。「APIを叩くとチャリンチャリンとお金が入ってくる。APIトランザクションのビジネスに近い」とも語ります。

丹波氏は、ソフトバンクのIoT戦略について「直線的ではなく、データを分析して未来を予測して制御したり、データから新しいビジネスを作り出せるIoTを目指したい」と語りました。

Engadget 日本版からの転載。

LINEが「NAVERまとめ」の無断転載画像34万件を削除、報道7社とは協議を継続

ユーザー投稿型のキュレーションサービス「NAVERまとめ」を運営するLINEとネクストライブラリ(LINE子会社)は4月26日、同サービス内にて無断転載されていた報道7社およびそのグループ会社の画像や写真約34万件を削除したことを明らかにした。

LINEおよびネクストライブラリと報道7社は、デジタルコンテンツの適正な利用と流通を促進するべく今後も引き続き、協議および協力を続けていくことで合意したという。

朝日新聞社、産業経済新聞社、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞グループ本社、時事通信社、共同通信社の報道7社は、2017年8月にNAVERまとめ内での画像および写真の無断転載についてLINEへ指摘。これを受けてLINEとネクストライブラリで調査を実施したところ、報道7社に無断で転載されたコンテンツが約34万件確認された。

該当するコンテンツに関しては現在削除が完了していて、報道7社とは同じコンテンツが再び転載されないための防止策などについて協議を行ったという。

報道7社とLINEおよびネクとライブラリでは「報道7社からコンテンツの特定、削除・転載防止を行うために必要な情報の提供や助言、著作権者の特定への協力などを受け、無断で転載されたコンテンツの検出、削除・転載防止などに努め、知的財産権に関する権利保護対策への取り組みを推進してまいります」と、今後も引き続き協議を続けていく方針を明かしている。

なおLINEとネクストライブラリは著作権等の知的財産権の保護の一環として、2017年11月に著作権管理システム「Lisah(リサ)」やまとめ作成者の経歴等を公開する「オーサー確認機能」のテスト導入を開始するなどしていた。

法人プリペイドカードでB2Bのキャッシュレス化推進へ、クラウドキャストが実証実験

つい先日、経済産業省からキャッシュレス社会実現に向けた「キャッシュレスビジョン」が公開された。その中では「未来投資戦略2017」で設定したキャッシュレス決済比率40%という目標を前倒しし、将来的には世界最高水準の80%を目指していくという数値目標も掲げられている。

この目標を達成するためには「(注目されがちな)B2Cだけでなく、B2B向けの取り組みも行っていく必要がある」と話すのが、クラウドキャストで代表取締役を務める星川高志氏。クラウド経費精算サービス「Staple(ステイプル)」を提供する同社では、キャッシュレス化推進に向けて法人向けプリペイドカードを使った実証実験を始めた。

今回の実証実験ではスタートアップや中小企業向けに「Staple カード」を発行し、導入企業の社員が実店舗やオンライン店舗で会社経費として使用できる環境を提供する。プリペイドカードのため与信審査がなく、企業の実績や設立年数に関わらず発行できるのが特徴。特に法人向けクレジットカードを発行したい気持ちはあれど、与信審査などがネックとなって実現に至らなかった企業にとっては新たな選択肢となりそうだ。

特定サービスや小売店のみで利用できる一般的なプリペイドカードとは異なり、タクシーやカフェ、小売店など通常のクレジットカードが使用できるほとんどのシーンで利用できるという。

またStapleカードをクラウド経費精算サービスのStapleと組み合わせることで、管理者側と従業員側の経費精算業務を効率化する狙いもある。たとえば派遣社員や契約社員、アルバイトスタッフなどのメンバーにも発行できるので、全員にStapleカードを発行し、交通費の精算をキャッシュレスに、そしてその処理をクラウド上でスムーズに行うことも可能だ。

「(Staple上に)プリペイドカードの履歴がたまり、画面上からそのまま経費申請ができる。管理側も従業員側も手打ちで対応する必要がないし、使用金額や用途の確認も楽になる。また社員が立て替えた経費を精算する際の振り込み手数料なども一切必要ないため、バックオフィスのコスト削減にもつながる」(星川氏)

現在すでに複数の企業で試験的に導入しているが、従業員側からは新しい決済手段となり、経費申請業務を効率化できることに加え、企業に対する所属感や安心感が得られるという反応もあったそう。クラウドキャストには外国人の社員も多く、メンバーからは好評だという。

星川氏の話では実証実験はだいたい3ヶ月くらいの期間を考えていて、その期間内でユーザーの反応も見つつ予算申請の仕組みや精算フローの改善などに取り組む。ビジネスモデルの検証なども本格的な事業化を見据えて、進めていく方針だ。

「法人クレジットカードは利点が多いものの、今まではエスタブリッシュな企業などしか使えなかった。これを中小企業やベンチャーでも使えるように、そしてそこで働くすべてのスタッフが使えるような仕組みを作っていきたい」(星川氏)

 

ジラフがスマホの即時買取サービスから撤退——虚偽申込などがネックに、通常の買取形式へ移行

スマホ端末のフリマサイト「スマホのマーケット」内で、即時買取サービス「スママDASH」を2018年1月から始めていたジラフ。同社は4月26日、スママDASHのビジネスモデルを転換したことを明らかにした。今回の変更により即時買取から撤退し、物品の送付後、確定した金額を振り込む通常の買取形式でサービスを提供する。

虚偽申込の多さや商材との相性を踏まえて撤退へ

買取価格の査定申込後、与信審査などもなく即座に商品を売却できることで昨年広がった即時買取モデル。ただその一方で実際に査定金額を振り込んだもののユーザーから商品が送られてこない虚偽申込など、事業者側にリスクもある。

スママDASHの場合は、この「虚偽申込の多さ」に加えて「スマホ端末という商材の特性」上、このビジネスモデルがあまりマッチしなかったという2点が撤退に要因となったようだ。

ジラフによるとスママDASHにて買取、査定金額の振込を済ませたスマホ端末が送られてこないケースが頻発。最も高い時では80%が虚偽申込だったという。特に買取単価が2万円を超える端末において虚偽申込率が高く、買取未着荷リスクを回避するために買取価格を想定以上に下げざるを得ない状況だった。その影響で善良なユーザーとも価格面でマッチせず、期待に沿えなくなっていたという。

またスマホ端末は単価が高いため、買取価格も高価格になるという認識がある。そのため安価で即時買取されるよりも、一定時間待ってもより高い金額で売却したいユーザーが多かったというのがジラフの見解だ。

加えてスママDASHではスマホ端末のみに特化していたことで、基本的に1人のユーザーが何度も売ることがない。2回目以降に信用が蓄積され、段階的に買取価格を上げていくサービス設計も実現できていなかったという。

高額買取モデルへ転換しサービス継続

このような背景もあり、ジラフではスママDASHの設計を変更。ユーザーはアプリから仮査定をした後に端末を送り、本査定後に金額を受け取る仕様になった。商品の送料や振込手数料、キャンセルの場合の返送料などは全て無料だ。

ジラフ代表取締役の麻生輝明氏の話では、もともと2018年3月から1つのオプションとして通常買取形式の「スママDASHプラス」というサービスを提供していたそうだ。これは上述したような「待ってもいいから少しでも高く売りたい」ユーザー向けの機能。実績も出ており、同社が展開する既存サービスを活かすことで高額買取を実現できる判断し、今回の決断に至った。

「(ジラフが展開する)『ヒカカク!』から送客をしているため、広告費など集客コストを抑えられているので、買取価格を高めにしても利益を出せる状況を作れる。ここにスマホのマーケットというC向けのマーケットプレイスによる再販力を利用すれば、高額買取が実現できると考えた」(麻生氏)

合わせてスマホのマーケットにてフリマ形式で出品したものの売れ残ってしまった場合、スママDASHで高額買取をする仕組みも同時に開始する。

「売れ残っている出品であると運営側で判断した際に、買取のオプションをメッセージで連絡する。(一般的なフリマアプリやオークションサイトのように)売れ残らず、さらに言うと相場が下がっていってしまう前に売ってしまう、ということを実現したい。再出品するコストや他のサービスでまた見積もりを出する手間も省ける。近日中にきちんとした機能として実装する予定だ」(麻生氏)

なおジラフでは3月にMacBookの即時買取サービス「パソダッシュ」をリリースしていた。こちらについては現在ノートパソコン全体に範囲を広げていて、引き続き即時買取モデルで継続していくという。

 

家庭用ルーターGoogle Wifi日本版が26日発売。複数台連携前提で小型化した高性能機

eng-logo-2015Googleが、家庭用Wi-Fiルーター『Google Wifi』日本版を発表しました。本体を複数連携して使う、いわゆる「メッシュWi-Fi技術」をコンセプトとした、手に乗るサイズの小型ルーターです。

発売は4月26日。価格は1台が1万5000円、3台パックが3万9000円。米国では2016年11月に登場し、そのユニークなコンセプトやちょっとかわいい本体デザインから注目されていたモデルの日本版がいよいよ発売となります(なお本日開催された発表会では、出席者より「どうしてここまで遅くなったのか」という質問が出ましたが、Google側の回答はノーコメントでした)。

Gallery: Google Wifi 日本版 | 26 Photos
(TechCrunch Japan編集部注:全画像はEngadget 日本版記事でご覧いただけます)

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ルーターとしては、対応無線規格はIEEE 802.11ac/a/b/g/n。2.4GHzと5GHzの同時使用に対応したタイプです。速度は「(11ac)2×2 Wave2」との表現があります(11acでの5GHz側接続は最高866Mbpsと考えて良さそうです)。

またユニークな点として、設定にスマートフォンかタブレット(対応OSはAndroid 4.0以上、またはiOS 8以上)が必須となりますが、それらと通信するためのBluetooth Smart機能も備えます。

高性能モデルでは重要視されるSoCに関しては、詳細は不明ながら、ARM系の4コアCPU搭載品であると明記。RAM容量は512GB、本体内ストレージは4GBのeMMC接続フラッシュメモリを搭載するなど、基本性能も充実します。

Google Wifiを他のルーターと比べた場合、主な特徴は2点。1点目は、上記のようにスマホアプリの使用を必須としたことなどによる、セットアップや運用の簡便さ。2点目は複数台連携を前提とすることで、高性能ルーターでは宿命とも言えるアンテナと本体の大型化を避けた点です。

まずは、Google Wifi専用アプリ(名称もGoogle Wifiです)から紹介しましょう。

主な機能としては、基本設定をはじめ、ネットワークチェック(接続状況の確認)や、家族利用に便利な端末ごとの使用時間制限(スケジュール機能による自動切断にも対応)、特定端末の速度優先設定をはじめとする各種端末管理、来客時に便利なゲストネットワークの構築などとなります。

このあたりだけを見ると大きな特徴はありませんが、特筆すべきは操作の快適さ。他のルーターでもアプリによる設定が可能なモデルはありますが、多くのモデルはWebブラウザからの(反応がイマイチ遅い)専用設定ページを経由して……という操作が基本。

対してGoogle Wifiアプリでは、スマートフォンを使っているいつものリズムで操作が可能。一通り設定などを確認してみても、処理待ちが長く、待っているのかハングアップしているのかを疑ってリロード……といったイライラとは無縁でした。

またユニークなところでは、「ネットワーク名に絵文字などが使える点」なども特徴として挙げられました。

半ば余談ですが、興味深かったのが通信品質チェックの細かさ。インターネット速度の計測、複数台使用時のメッシュWi-Fi接続品質、実行端末とのWi-Fi速度(実測)と、調べたいところが一通り計測できる仕様です。

さらにインターネット速度に関しては、アプリ側の通知で速度に応じ「なかなか高速です」といったメッセージを表示するなど、開発陣に俺ら――新しいWi-Fiに接続すると真っ先に回線速度を調べるタイプの人間――がいるのか? と思えるほどの充実度です。筆者は発表会でチェックしていて「さすがGoogle」と、妙に感心させられました。

もう一つの特徴である「メッシュWi-Fi前提の設計」ですが、こちらによる恩恵が本体の小型化です。

本体サイズは直径が106.12mm、高さが68.75mmという、てのひらに乗る大きさ。重量も340gと比較的軽く、部屋のインテリアを邪魔しにくい設計です。動作状態を示すLEDも、中央に柔らかめの灯りがともる仕様となっており、いい意味でルーター然としていません。もちろん冷却はファンレスで可能な設計。動作音も発生しません。

また、ACアダプタとの接続がUSBタイプC端子になっているという、ユニークな特徴も。ACアダプタ側の出力値は5V/3Aのため、いざという時はモバイルバッテリーでの運用も可能です。

さて、否が応でも気になるのは、本機が快適に通信できる面積の目安でしょう。こちらは1台で「マンションや中規模住宅」として約85平方メートル(m2)以下を推奨。2台連携では「大きめの住宅」な85~170m2、セット購入もできる3台では、170~255m2で「さらに大きい・複雑な構造の住宅」をカバーする、とのこと。

さて、メッシュWi-Fiで重要なこととして「複数台あるルーター(あるいは中継器)間の接続状態をいかに安定させるか」という点があります。ここが弱ければ機器間が通信速度のボトルネックになって、ともすれば1台の大型ルーターのほうがいい、ということになりかねません。

Google Wifiの技術的な特徴として、このメッシュ間の通信設定をバックグラウンドで常時行い、いわゆる「ユーザーが意識せずとも上手くやってくれる」状態が基本となっているところが挙げられます。裏を返せば凝った設定は不可能なのですが、ここは設定難度の高さから家庭用では敬遠されがちだったメッシュWi-Fiを家庭用として導入できたポイント、と呼べるところでしょう。

なお、この「通信設定の自動化とリアルタイム設定」に関してはクライアント機器との間でも「ネットワークアシスト」の名称で導入されており、最適な通信チャンネルや帯域を自動選択し、積極的に切り替え。部屋の中を動いて通信するといった回線の状況が変動しやすい状況でも、可能な限り実効速度が落ちないよう、バックグラウンドで設定を変更します。

このようにGoogle Wifiは、米国版の発売から1年以上が経過しても、いまだにライバル機種では導入されていない、ユニークな思想や設計を備えた機種。またWi-Fiに関する自動設定を積極的に活用して快適さに繋げるなど、「ネットワーク屋」としての側面も持つGoogleならでは、と呼べるポイントも備えます。

価格は比較的高価ではありますが「Wi-Fiを快適に使いたいが、家族から機器の置き場所にダメ出しをされることが多くて……」という方などにとっては、数少ない選択肢の一つとなりそうなモデルです。

Engadget 日本版からの転載。

C Channnelがエンタメ動画進出、オーディションアプリ「mysta」をパートナー7社と本格スタート

スマートフォンに特化した女性向け動画を配信するC Channelは4月25日、ラジオ、テレビなどのメディア企業を含む7社のパートナー企業とともに、スターの卵を応援するオーディションアプリ「mysta」のサービスを本格的にスタートした。

参加するパートナー企業は、エフエム東京産経デジタル集英社松竹ソフトバンク東京放送ホールディングス(TBS)ポニーキャニオンの各社。2017年9月にC Channelが設立したmystaと協業し、サービスを本格展開していくという。

オーディションアプリmystaは、歌手やアイドル、お笑い芸人など、さまざまなジャンルの新人タレントが投稿する動画を楽しめるサービス。ユーザーは“推し”のタレントを動画内の「応援ボタン」で応援して、動画のランキングを上げることが可能。ランキング上位のタレントには、生放送ライブの決勝イベントに参加するなど、各種の活躍の場が提供される。

mystaとパートナー企業は、今後それぞれ、以下のような取り組みを実施・検討していく見込みだ。

C Channel F1層をターゲットにした共同プロモーション企画の実施
新規インフルエンサーの発掘企画及び発掘後のアジアを中心とした海外展開の共同実施
エフエム東京 声のスターを探す参加型のオーディション番組を2018年7月より開始予定。グランドチャンピオンにはレギュラー番組の提供を予定
産経デジタル mystaで活躍するキャストが関係するニュースの発掘と報道
ゲーム実況者、Vtuberなどの発掘・共同オーディション企画展開、eSports関連事業への取り組み
集英社 集英社の媒体と連携した動画企画の実施
第1弾施策としてティーンズマガジン「Seventeen」との動画企画を毎月実施
松竹 スマホを利用する若年層に向けた新しいコンテンツの共同開発
次期公開予定作品のmystaを活用したプロモーション
ソフトバンク 自社媒体を通じたmystaサービスのプロモーション
若年層をターゲットにした共同プロモーション企画の実施
東京放送ホールディングス(TBS) 動画配信における協業を起点に、TBSグループとの連動企画を展開し、
事業シナジーを創出することをめざす
ポニーキャニオン 新規才能発掘企画の共同実施
イベント、興行の共同企画・制作・運営

また、これらの企業間で連携した企画なども、今後検討し、展開していく予定だ。

C Channelは2015年4月にサービスをスタート。スマホ向けの縦型動画メディアとして、コスメやファッション、恋愛などの女性向けコンテンツをSNS経由の分散型で提供し、2016年3月には月間再生回数1億回を突破している。現在、日本に加え、アジアを中心とした9カ国でサービスを展開。SNSファン数は2500万人を超えるという。2016年4月には、TBSテレビから数億円規模の資金調達も行った。

C Channelでは「スマホによる縦型動画の視聴は一般化し、この流れは今後グルメやハウツー系のみならず、エンタメ動画にも広がっていく」として、今回のmystaサービス開始に踏み切ったとしている。

スマホ特化型のエンタメ系動画サービスでは、FIREBUGが2017年9月に動画アプリ「30(サーティー)」を公開している。確かにこれからハウツーやショッピングなどの実用ものだけでなく、純粋に縦型動画をスマホで楽しむ、というフェーズが来るのかもしれない。

メルカリが個人間でスキルをシェアする学びのフリマアプリ「teacha」をリリース

メルカリの子会社であるソウゾウは4月25日、知識やスキルを教えたい人と学びたい人をつなぐ学びのフリマアプリ「teacha」をリリースした。teachaは2017年12月に発表されていたサービス。まずはiOS版とWeb版の提供を本日より始める。

teachaは語学や資格の勉強、スポーツや料理などさまざまな分野のレッスンをフリマ形式で売買できるC2Cのスキルシェアサービスだ。

レッスンは最短30分から30分単位で時間の設計が可能。受講人数も最小で1対1のマンツーマンレッスン、最大で6人まで設定できるという。またオフラインだけでなく、オンラインのレッスンにも対応する。レッスン料金は500円からだ。

スマホアプリから最短5分でレッスン登録ができるのもウリのひとつ。教える側と学ぶ側双方のハードルを低くし、気軽に学びのやりとりをできる環境を目指す。

teachaはメルカリのIDと連携し、メルカリアカウントで利用が可能。ただし安全面に配慮して利用できるのは18歳以上(高校生を除く)に限定。365日24時間体制でメッセージ内容や通報を確認するほか、支払いトラブルを防ぐためにエスクロー決済システムを導入している(レッスン前に事前決済、レッスン後にレビューが登録されれば売上金が反映される仕組み)。

現時点で語学やプログラミングのレッスンに加え、コーヒーの淹れ方やフラワーアレンジメント、着物の着付け、料理など幅広いジャンルのレッスンが並ぶ。中には「UFOキャッチャーマスター講座」や「谷中銀座を案内します」などユニークなものもあり、この記事を書いているタイミング(4月25日14時20分)で450以上のレッスンが登録されていた。

またオフィシャルパートナーとして学研プラスとユーキャンが参加。今後はオフィシャルパートナーの講座で学んだことを活かす場所としてteachaを活用したり、教えたいユーザー向けのフォローアップ講座などを提供するなどの連携を予定しているという。

teacha発表時の記事でも触れたとおり、C2Cのスキルシェア関連では「サイタ」や「ストアカ」などすでに複数のサービスが存在している。メルカリファンドの投資先である「フラミンゴ」も語学学習領域に特化した教えたい人と学びたい人をつなげるサービスだ。

メルカリではサービスリリースにあたって「今後、teachaはメルカリとのシナジー効果を高め、オフィシャルパートナー企業と協力しあいながら、これまでの学び市場にはなかった新しいレッスンを創出することによる『学び』市場の拡大と誰もが簡単・気軽に学び・教える機会を享受できるサービスを目指していきます」としている。