低所得層に医療を提供するCityblock Healthの企業価値が1000億円超に

Cityblock Health(シティブロック・ヘルス)は低所得層に医療サービスを提供する会社だ。このほどベンチャーキャピタルから1億600万ドル(約110億円)の資金を獲得したことで、10億ドル(約1040億円)を超える高い会社価値を得た。

ラウンドをリードしたのは新たに出資者となったGeneral Catalystで、ほかにクロスオーバー投資家のWellington Management、Kinnevik AB、Maverick Ventures、Thrive Capital、Redpoint Venturesyらの既存出資者も参加したと、同社の声明に書かれている。

Cityblockは、地域の介護者や住民とともに、プライマリーケア(初期診療)、生活習慣改善などのサービスを提供することで、対面および増えつつあるバーチャル相談を通じて健康の社会的決定要因への取り組みに励んでいる。

同社は2017年にAlphabet(アルファベット)のSidewalk Labs(サイドウォーク・ラボ)のスピンオフとしてスタートし、当初はEmblemHealthとパートナーを組んでいた。主に認定臨床ソーシャルワーカーや地域の医療パートナー、臨床専門医らに頼って基本的プライマリーケアを提供し、医療サービスを支援することで、医療費を低減できるとCityblockは信じている。

米国の4つの主要都市で約7万人の患者がCityblockを利用していると同社はいっている。

Cityblockはこれまでに総額3億ドル(約312億円)の資金を調達した。

声明の中で同社は、新たな資金はCityblockがメディケイドおよび2種類の医療補助資格のある人々の支援をこの国で拡大していくほか、同社の製品、エンジニアリング、データサイエンス、診療、事業運営における人材確保、新規サービス群の開発、および同社の独自技術プラットフォームであるCommonsへの投資継続に使用されると語った。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Cityblock HealthMedicaid資金調達

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ピルのオンライン診察アプリ「smaluna」の「ネクイノ」が20億円を調達、社名変更も発表

ピルのオンライン診察アプリ「smaluna」の「ネクイノ」が約20億円を調達、社名変更も発表

女性向けオンライン診察サービス「smaluna」(スマルナ)運営のネクイノは12月14日、ジャフコ グループが運用する投資事業有限責任組合をリードインベスターとして約20億円の資金調達を完了したと発表した。累計資金調達は総額20億円となった。また、会社名を「ネクストイノベーション」から「ネクイノ」へと変更し、併せてロゴマーク、ウェブサイトのリニューアルを実施したと明らかにした。

調達した資金は、事業基盤の強化などに活用。婦人科系疾患特化型オンライン診察アプリsmalunaをはじめ、日本の医療体験をより安全に運用できる仕組みの構築にすべく、引き続き取り組んでいく。

ネクイノ(旧 ネクストイノベーション)は、医師や薬剤師など医療分野に経験を持つ人材が集まり、2016年6月創業。以来、ICTを活用したオンライン診察をはじめ、健康管理支援、未病対策などひとりひとりのライフスタイルや健康状態に合わせて選択活用できる医療環境を生み出している。「メディカル・コミュニケーションカンパニー」を掲げ、テクノロジーと対話の力で世の中の視点を上げ、イノベーションの社会実装を推進していくとしている。

2018年6月、婦人科特化型オンライン診察プラットフォーム「スマルナ」を立ち上げた。

また昨今、医療のDXの必要性が大きく変わってきており、ネクストステージへのステップとして今後も新しい進化を遂げ続けるべく、社名変更を実施した。

「ネクイノ」と読めるジオメトリックなロゴマークについては、タングラムのルールに則って設計。ロゴマークはバラバラになり、タングラムとして、それぞれが思い思いの個性的なアイデンティティを形作ることができる。テクノロジーで医療の新しい未来をつくるために、タングラムによってさまざまな表現を可能とする、個性的なアイデンティティをつくることを目指したという。

また、次なるイノベーションを生み出す会社として、キーカラーの青色を「イノベーションブルー」と名付け、イノベーションの象徴と位置付けている。

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カテゴリー:フェムテック
タグ:資金調達(用語)スマルナ / smaluna(製品・サービス)ネクイノ(企業)日本(国・地域)<

Z世代のティーンを対象としたストーリー仕立てのQ&Aアプリ、F3が約4億円を資金調達

F3はZ世代のティーンを対象とした匿名Q&Aアプリであり、Tinder(ティンダー)のようなスワイプして友達を追加するゲーミフィケーションの仕組み、ストーリー風のリッチメディアでの回答、そして誰があなたと友達になりたいかを実際に知らせる「Plus」バージョン(驚くほど高価なサブスクリプション)を組み合わせている。このF3が、米国市場への計画的な進出も視野に入れて、シードラウンドで390万ドル(約4億663万円)の資金調達を行った。

F3をサポートするこのラトビアのスタートアップにとって、ティーン向けのバイラルアプリゲームは真新しいものではない。ティーン向けの匿名Q&Aアプリ、Ask.fmを開発したのはこのチームだからだ。Ask.fmは、攻撃的なメッセージを受け取ったユーザーの多くが自殺したことから、2013年にいじめや安全上の問題をめぐる物議を醸しだした。しかしこのことで同社がティーン向けのバイラルアプリの世界から遠ざかったわけではないことは明らかだ。

F3のシードラウンドに参加した投資家は、ロシアの出会い系ネットワークMamba(マンバ)(マンバの投資家であるMail.ru Groupを含む)とマーケティングに特化した共同投資を行うベンチャーキャピタルAdFirst(アドファースト)である。

musical.lyの前社長であるAlex Hofmann (アレックス・ホフマン)氏とBitfury Capital(ビットフューリー・キャピタル)のGPであるMarat Kichikov(マラット・キチコフ)氏も、エンジェル投資家としてこのラウンドに参加したメンバーに名を連ねている。

F3は2018年にこのアプリをローンチし、現時点で登録ユーザー数は2500万人にのぼり、その85%が25歳未満である。

典型的なユーザーは(飽きっぽい)ティーンエイジャーであり、ユーザーベースは現時点で女性65%、ヨーロッパ60%/ラテンアメリカ20%/その他の地域20%と報告されている(F3はアクティブユーザーの数を公表していないが、現時点で80%のユーザーが3か月以上アプリを利用していると主張している)。

安全面では、F3は自動化されたツールと人の両方を使ってコンテンツモデレーションを行っている。創設者たちはAsk.fmでの過去の経験から学んだという(Ask.fmは2014年にIACのAsk.comによって買収され、それにより現在までのF3の開発につぎ込む資金を得た)。

「前身の会社(Ask.fm)ではコンテンツ違反の問題を解決してきましたが、F3の開発においては、スタート時点からこの問題を解決するためのあらゆる知識を活用できました。自動化ツールには、継続的に改善されている25万以上のパターンからなるデータベースを使用したあらゆる主要言語のテキスト分析、写真や動画の違反コンテンツを検出するAIベースの画像認識アルゴリズムが含まれています」と語るのは、同社の資金調達チームである。CEOのIlja Terebin(イルヤ・テレビン)氏もこのチームのメンバーの一員だ。

「当社のコンテンツモデレーションチーム(社内の8名の安全専門家と社外委託者30名以上)が24時間体制で、ユーザーレポートと自動化ツールでフラグ付けされた項目を手動でレビューしています」とチームは付け加えた。

ところが私たちが見たアプリのレビューには、ヌードを求める「小児性愛者」に悩まされているというユーザーからの苦情もあった。そのため、安全上のリスクが「解決される」と主張するには、リスクが大きすぎるように思われる。

ティーンエイジャーたちが新たなソーシャルディスカバリー/メッセージングアプリを求めるのはなぜか。テレビン氏とそのチームによると、アプリは最初からZ世代に合わせて作られている。つまりアプリで重視されているのは、オンラインで交流して新しい友達を作るという同世代のニーズと、実際のプライベートな写真や短い動画を使用した「クイック」コンテンツである。

「生でリアル」であることも、ティーン向け製品を市場で受け入れてもらうためには欠かせない宣伝文句だ。

F3ユーザーはパーソナライズされたURLを取得し、他のソーシャルネットワークと共有して、友達からの質問を受け付けることができる。質問は匿名と記名のどちらでもかまわない(F3ユーザーは匿名の質問を受け付けないようにすることもできる)。

ユーザーはプレーンテキストで回答する代わりに、スナップ写真を撮ったり、短い動画を取り込んだり、フィルター、装飾的なフォント、背景などを追加したりして、リッチメディアでのストーリー形式の回答を行うことができる。この方法は、あらゆるソーシャルネットワークアプリに浸透している(最近ではTwitterが影響を受け、フリートと呼ばれる機能をリリースした)。

このようなリッチメディアでの回答はフィード上で公開される。そのためF3ユーザーが質問に答えると、デフォルトでより広範囲のコミュニティにも参加することになる(ただし質問は回答されなければ公開されることはないため、回答しないという選択肢もある)。

非常に多くのアプリがリリースされ、競争の激しいソーシャルメディア環境の中で、F3を際立たせている要因は何かとたずねたところ、アプリの「独自性」だという答えが返ってきた。Q&Aは写真と動画をベースにしているため、フォーマットはなじみがあり、他のソーシャルネットワーク(「ストーリー」や「スナップ」)と似ている。しかしチームが説明するように、「時代遅れのテキストベースのQ&Aにうんざりしすぎた」Z世代をターゲットにして、このQ&Aスタイルのやりとりに写真と動画が取り入れられた。

「私たちは、Z世代の訪問者数をSnapchat(スナップチャット)、TikTok(ティックトック)、Instagram(インスタグラム)と競っています。当社の最大の強みは、ユーザーがQ&A形式を使用し、このような競合プラットフォームでは重視されていない「生のリアルな」コンテンツを通じて、新しい友達を作り、個人レベルで実際に知り合える点です」ともチームは述べている。

最も類似する競合他社に関して、チームはYoloが「ある程度の牽引力」を示していることに注目し、他にもQ&Aアプリを提供している企業がたくさんあることを認めているが、そうしたライバルよりもF3の機能は充実していると主張する。Q&A機能は、ユーザーをより広いコミュニティネットワークに引き込むためのバイラルの仕掛けに過ぎないということだ。

「[F3]は、ビジュアルコミュニケーションを中心に構築されたフル機能のソーシャルプラットフォームです。ユーザーはフォローしている相手の投稿を閲覧できるコンテンツフィードを使用できます。アプリに付属している編集ツールを使用すれば、写真/動画コンテンツを作成できます。またダイレクトチャット、フォローシップ、コンテンツとユーザーを見つけるためのメッセンジャー機能も用意されています。私たちにとって匿名のメッセージ/Q&Aは、当社が急速に成長し、自社のプラットフォームでユーザーを獲得するための入口にすぎません。一方、ユーザーは新たにつながって、F3でしか味わえない独自のソーシャルサークルと関わり続けることができます。このようにしてF3は持続可能なスタンドアロンのソーシャルネットワークとなっています」。

繰り返しになるが、ユーザーのレビューは生に近い(リアルな?)ものである。無料版のアプリ(F3 Plusは7日間で3.99ドル(約400円)、1か月で8.99ドル(約900円)、3か月で19.99ドル(約2000円))はほとんど価値がないという苦情や、匿名での質問の信ぴょう性に関する質問、会えるユーザーが近くにいない/話す言語が違うという苦情などが多く寄せられている。同様のQ&A形式と変わらずがっかりしたというレビューもある。データを取り込むだけのアプリのようだ、といった不満を示したユーザーもいる(F3の「プライバシーポリシー」には、プライバシーポリシーをじっくり読むのが面倒だというユーザーのために、ユーザーが同意しているトラッキングに関する詳細な説明が明確に記載されている)。

「このアプリ全体は、まさに他のアプリと同じである。既存のアプリをまねた、単なるコピーキャットに過ぎないうえに有料である。ダウンロードしないことだ」と2020年7月に投稿されたあるレビューは伝えている。

関連記事:60ミリ秒で衝撃を感知するバイク向けウェアラブルエアバッグのIn&motionが12億円調達

カテゴリー:ネットサービス
タグ:資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

60ミリ秒で衝撃を感知するバイク向けウェアラブルエアバッグのIn&motionが12億円調達

kフランスのスタートアップIn&motion(インアンドモーション)が1200万ドル(約12億円)を調達した。本ラウンドはUpfront Venturesがリードし、360 Capitalも参加した。In&motionはバイク向けウェアラブルエアバッグのシステムを手がけている。

ベストに統合したエアバッグは完全自動で作動し、60ミリ秒で衝撃を感知する。同社はIn&boxという、リアルタイムに動きを分析するデバイスを開発してきた。さまざまなセンサーのおかげでこのデバイスはエアバッグを起動させるタイミングを判断することができる。

In&motionは各アクティビティの特徴に合わせたものを開発してきた。たとえばMotoGPでバイクに乗るなら早く動き、軌道をかなり頻繁に変えることになる。従来のバイク走行、トラック走行、オフロード走行から選ぶことができる。

エアバッグシステムを活用するプロのレーサーは増えつつある。MotoGPのレーサーに加え、2021年ダカールラリーの参加者はエアバッグを装着しなければならない。

In&motionの市場開拓戦略は興味深い。というのも、このシステムを直接エンドユーザーに販売していないからだ。同社はベストにシステムを搭載できるよう、既存のバイクブランドと提携した。このため、In&motionはゼロから再販ネットワークを構築する必要はない。これまでに同社は何万ものシステムを販売した。

またシステムにはサブスクのような要素も含まれる。In&boxデバイスは無期限保証付きで、3年経つと新しいモデルと交換できる。

新たに調達した資金で同社はフランス国外、特にドイツと米国のマーケットを開拓したいと考えている。同社はチームの規模を倍にする計画だ。

画像クレジット: In&motion

カテゴリー:ハードウェア
タグ:In&motionバイク資金調達フランス

画像クレジット:set.sj / Unsplash

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(翻訳:Mizoguchi

住宅用再生エネ開発を行うSwell Energyが分散型電力プロジェクト建設に向け470億円調達

住宅用再生可能エネルギー、エネルギー効率、貯蔵技術に関する設備据え付け及び管理を行うSwell Energy(スウェルエナジー)が4億5000万ドル(約470億円)を調達する。調達によって建設する4つの仮想発電所は、太陽光発電能力とともに大量のエネルギー貯蔵能力を備える。

これは、再生エネ開発の分散性と、僻地から電力網へ供給する大規模な発電プロジェクトから実際の消費地に散らばる小規模な点としてのソリューションへの移行の兆候だ。

このプロジェクトは、200MWhの分散型エネルギー貯蔵と100MWの太陽光発電能力の組み合わせだと同社は述べた。

ロサンゼルスを拠点とするSwellは3つの州の電力会社から、分散可能なエネルギー貯蔵施設を確立するよう委託を受けた。同社は、約1万4000の太陽エネルギー発電および貯蔵システムの構築と集約を通じて達成する予定だ。目標は地域の電力網をより効率的にすることだ。

上記のプロジェクトや同社が今後開始を見込むプロジェクトに資金を供給するため、SwellはAres Management CorpおよびAligned Climate Capitalと契約を結び、4億5000万ドル(約470億円)を目標とする仮想発電所の融資ビークルを組成した。

この融資会社は、全米で太陽光発電と蓄電池の複合契約のような電力プロジェクトの開発を支援する。

Swellは今後20年間で、3000GWh以上のクリーンな太陽光エネルギー発電の開発を目標としている。顧客は後で使用するために1000GWhを貯蔵し、貯蔵されたエネルギーから200GWhを電力網に送り返す。

カリフォルニアのような州を悩ませてきた電力不足や計画停電の影響を受けにくい、より弾力性のある電力網を構築できる可能性がある。

「電力会社は貴重な『グリッドエッジ』資産として分散型エネルギー資源にますます注目しています」と、Swell EnergyのCEOであるSuleman Khan(スールマン・カーン)氏は声明で述べた。「個々の家や企業を仮想発電所のネットワークに組み入れることで、Swellは顧客の所有コストを削減し、電力会社が電力網全体の需要を管理できるよう支援できます」とカーン氏はいう。「SwellからGridRevenueを受け取ることで、VPPプログラムに参加している顧客は、太陽光エネルギー発電と貯蔵システムにかかる費用を削減しながら、地域の停電リスクを軽減し、停電後も家庭や企業に安全に電力を供給できます」。

Swellは、仮想発電所への融資ビークルの立ち上げに加え、住宅所有者の住宅エネルギーシステムに融資する方法を提供する。発電所を稼働させるには住宅所有者からの賛同が必要となる。住宅所有者の場合、電力をグリッドに供給することでいくらかお金を取り戻すことができる。

これは企業、顧客、Swellのシード投資家であったUrban.usのようなアーリーステージの投資家いずれにもメリットがある。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Swell Energy資金調達

画像クレジット:Gencho Petkov / Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi

eコマース企業の顧客対応を支援するGorgiasが約26億円調達

Gorgias(ゴルギアス)は12月10日、シリーズBラウンドで2500万ドル(約26億円)を調達し、ポストマネーのバリュエーションは3億ドル(約312億円)になったと発表した。

ちょうど1年少し前に同社がシリーズAラウンドで資金を調達したとき、CTOのAlex Plugaru(アレックス・プルガル)氏と共同で創業したCEOのRomain Lapeyre(ロメイン・ラペール)氏は、eコマース企業が最も受けることが多いカスタマーサービスの質問対応を自動化するためにeコマース企業と協業していて、その一方でサポートチームがより素早く対応し、追加で製品やサービスを購入したいと顧客に思わせることができるようサポートするツールも提供していると筆者に語った。

現在eコマース4500店超をサポートしていて「ここにはSteve Madden、Timbuk2、Fjällräven、Marine Layer、Ellana、Electrolux、Sergio Tacchiniなどが含まれる」とGorgiasは説明する。売上高は今年200%増えた。

パンデミックの間にeコマースが全体的に成長したことを考えれば、Gorgiasの成長は不思議ではない。各小売店のオンライン注文は「かなり増加」し、これは顧客サービスの要望の増加につながった。そうしてeコマース企業は次々とGorgiasに助けを求めた。

当初、eコマース業者は顧客により素早く対応し、サポートチームをさらに効率的にしたがっていた、とラペール氏は話した。しかし時間が経つにつれ、eコマース業者は「売上を伸ばす手段」としての顧客サポートの活用に興味を持つようになった。実際、同氏は対応時間に基づいてサポートチームに対価を支払っていたとある業者が今では販売手数料を払っていることを思い出した。

こうした傾向はパンデミックが終息した後も続くと考えている、とラペール氏は話した。「我々は5年先に進んだのです」

Gorgiasはこれまでに計4000万ドル(約42億円)を調達した。新規ラウンドはSapphire Venturesがリードし、SaaStr、Alven、Amplify Partners、CRV、Greycroftなどが参加した。

調達した資金でGorgiasは引き続き人材を採用し(30人だったチームは今年100人超に増えた)、特にオートメーションを開発するエンジニアリング分野の人材を増強するとラペール氏は述べた。

「消費者がますますオンラインで買い物し、Gorgiasのプラットフォームは高成長のeコマースブランドのために新種の顧客サポートを展開しています」とSapphire VenturesのマネジングディレクターRajeev Dham(ラジーブ・ダム)氏は声明で述べた。「共同創業者でCEOのロメイン・ラペール氏とチームは、eコマース業者が顧客とのコミュニケーションの全てを1つのアプリで管理できるという驚くようなプロダクトを開発しました。このプロダクトは最終的にはより良い顧客エクスペリエンスを提供します」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ネットショッピング、資金調達

画像クレジット:Gorgias

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(翻訳:Mizoguchi

大人の仮想空間で職場の「偶然」を取り戻すCosmos Videoが2.7億円調達

世界中のスタートアップが「バーチャルな対話とコラボレーション」の分野に群がっている。スタートアップが、かつてディズニーが提供していた仮想空間にユーザーが集うオンラインゲーム「Club Penguin(クラブペンギン)」を大人向けに作ったとしたら、どうだろうか?

人々が一緒に仕事をしたり、遊んだり、交流したりできるバーチャルプラットフォームを提供するCosmos Videoは、それを一歩先に進めた。同社はこれまでにLocalGlobeから260万ドル(約2億7000万円)のシード資金を調達し、Entrepreneur First、Andy Chung(アンディ・チョン)、Philipp Moehring(フィリップ・モーリング)氏、Citymapperの元社長であるOmid Ashtari(オミド・アシュタリ)氏も参加している。

ファウンダーのRahul Goyal(ラフル・ゴヤル)氏とKaran Baweja(カラン・バウェジャ)氏は、それぞれCitymapperとTransferWiseでプロダクトチームを率いていた。

Cosmos Videoでは、ゲームとビデオチャットを組み合わせてバーチャルな場を作ることができるサービスだ。このアイデアは、かつて現実世界がそうであったように「偶然」の相互作用を再現することを目的としている。アバターを選び、ブラウザベースのゲーム内で同僚や友人に会う。アバターを他の人の近くに移動させると、現実世界と同じようにアバターとビデオチャットを行うことができる。

競合相手は、ZoomやMicrosoft Teamsのような既存のビデオ会議プラットフォームだが、これらのプラットフォームでの通話にはアジェンダが設定されているものであり、時間が決められている。Cosmosでは、ディスプレイの前に座り、仮想空間を移動しながら次々にビデオ通話を行っていくため、偶然の出会いや予想外の遭遇に似た体験をすることができる。

ソーシャルアプリケーションがあるだけでなく、オフィスの同僚とホワイトボードやGoogleドキュメント、Figmaといったツールで共同作業をしたり、バーチャルボードゲームを楽しんだり、テーブルに集まってチャットしたりすることも可能だ。

Cosmosは現在、プライベートベータ版であり、一部の企業がオフィスとしたりクリスマスパーティーなどの社内イベントを主催するために利用している。また、イベントやミートアップ、家族の集まりのために使っている人もいる。

共同創業者のゴヤル氏は声明で「パンデミックが発生すると、チームの生産性は急上昇しましたが、同時に社内文化が失われてしまいました。ビデオ会議プラットフォームは、会議に関しては優れたサービスを提供しますが、自発性に欠けています。Cosmosは、仕事の後に同僚と雑学クイズのゲームをしたり、友達の誕生日を祝うためにテーブルを囲んだりすることができる仮想世界を提供することで、1日中オンラインで過ごしているときに欠けていた人と人とのつながりを取り戻そうとしています」と語った。

「Cosmosのビジョンと可能性に感銘を受けました。オンラインでのライブ体験をスケーリングすることは、いまだ多くのチャンスがあるインターネットにおける大きなフロンティアの1つです。動画インフラが整ったいま、Cosmosのような製品が新しいかたちのオンラインライブ体験を可能にすると確信しています」とLocalGlobeのパートナーであるGeorge Henry(ジョージ・ヘンリー)氏は述べている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Cosmos Video資金調達仮想空間

画像クレジット:Cosmos Video

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(翻訳:TechCrunch Japan)

10分でグローサリーを配達するドイツのGorillasが約46億円調達

ハイパーローカルな配送センターを所有・運営し、すでにベルリンでサービスを展開しているグローサリー配達スタートアップGorillas(ゴリラス)がシリーズAラウンドで4400万ドル(約46億円)を調達した。

本ラウンドはヘッジファンドのCoatueがリードし、欧州の匿名投資家が参加した。CoatueのDaniel Senft (ダニエル・センフト)氏とBennett Siegel(ベネット・シーゲル)氏がGorillasの役員会に加わる。

AccelとIndexが本ラウンドに参加すると報道されていたが、結局投資しなかったことは注目に値する。Atlantic Food LabはGorillasの120万ユーロ(約1億5000万円)ほどだったとされているシードラウンドに拠出した。

今年5月にKağan Sümer(カーガン・シュメール)氏とJörg Kattner(イェルク・カットナー)氏によって設立され、ベルリンとケルンで事業展開しているGorillasは平均10分でグローサリーを届ける。ギグエコノミーモデルと異なり、同社は直接ライダー(配達人)を雇用し、家庭用品とともに新鮮なグローサリーを最短かつ「小売価格」で買い物客に届けることができると強調している。週に一度の買いだめから漏れるグローサリーマーケットに対応しようとしている。

一部の人は、Deliveroo(デリバルー)やUberEats(ウーバーイーツ)上で運営されている配達専門のレストラン、ダークキッチンにかけて、Gorillasが試しているモデルのことを「ダーク」コンビニエンスストアと名付けた。Gorillas、そしてDijaやWeezyのような欧州の競合他社はローカル配達オンリーのグローサリー・コンビニエンスストアを構築している。これらスタートアップはまた米国のgoPuffともよく比較される。

GorillasのCEO、Kağan Sümer氏は、配達モデルも含め巨大スーパーは消費者がスーパーマーケットとサプライチェーンのニーズに合わせてグローサリーの買い物を計画するようにデザインされていて、消費者のニーズに合わせてではない、と話す。

これは長期保存が可能な商品、生鮮食品でも賞味期間が長いもの、そして週ごとのまとめ買いに対応するモデルでは特に機能する。しかし2つのユースケースにとっては不便だ。大事な食材がないなどの「緊急」の買い物のとき、そして今すぐ消費したいものを中心に冷蔵庫の中身を素早く補充したいときだ。

「最大の問題は、大量買いが過剰に提供されていることです。つまり言いたいのは、スーパーのインフラ全てが大量買いを想定して形成されているということです、とシュメール氏は話し、これによりマーケットの3分の1が十分にサービスを利用できていないと主張した。

「ペンネはあるが、アラビアータではないとしましょう。今すぐ必要なソースをどうやって手に入れるか? その方法がないのです」

「なので我々は自問しました。もし人々が必要としているものを必要なときに提供する会社が登場したらどうなるか、と。我々の仮説は、そうなれば人々は感謝するだろうし、グローサリー購入を一層オンデマンドにシフトさせるだろう、というものでした」

Gorillasは「Faster than you(あなたよりも速い)」というスローガンを掲げ、配達料はわずか1.8ユーロ(約230円)だ。Gorillasについての疑問は、ユニットエコノミクスはどうなのかということだ。特に大規模展開するなかで、価格を大幅にあげない場合だ。「調達先との関係を通じて、我々は健全なマージンを確保していて、これにより小売価格で販売できます」とシュメール氏は述べた。「手堅いバスケットサイズ(買い物量)と調達マージンで、長期的に持続する事業を構築できます」

配達にかかる時間は平均10分だと同氏は話す。「フルフィルメントセンターを中心としたネットワークを通じて、狭い範囲で顧客にサービスを提供できます。究極的には、配達時間に関して完全に透明性のある効率的で素早いサービスの提供に努めます」とした。

一方で、新たに調達した資金はドイツ中にサービスを拡大し、それから欧州展開を加速するのに使われる。ドイツ以外での最初の展開はアムステルダムだ。加えてベルリンでのチーム編成にも資金を使う。来年の第2四半期末までにドイツ国内15都市と欧州で60カ所超のフルフィルメントセンターを展開する計画だと話している。

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画像クレジット: Gorillas

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(翻訳:Mizoguchi

DoNotPayの「ロボット弁護士」が政府機関への情報請求をサポート

人々がもっと簡単に駐車違反切符に不服を申し立てられるようにする(未訳記事)ことから始まった消費者アドバイス企業のDoNotPayは、設立以来長い道のりを歩んできた。同社の消費者支援は拡大し、いまでは会員権を解約したり、欠航した航空券の補償を請求したり、企業を小額の請求で訴える時にさえ、サポートしてくれる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まった頃には、多くの州の給付金サイトがクラッシュする中、このスタートアップはユーザーが失業申請を行うのを助けた。

現在、このいわゆる「ロボット弁護士」は新しいトリックを獲得した。ユーザーが情報自由法(FOIA)に基づいて米国の連邦政府機関や州政府機関に情報を要求できるようにしてくれるのだ。

FOIAは、一部の例外を除いて、誰でも政府に情報を要求することが可能だ。しかし、FOIAに申請を提出した経験のある人に聞いてみれば、データを請求するには技術と修練が必要だということを教えてくれるだろう。要求が広すぎたり、十分に具体的でなかったりすると却下されてしまうからだ。また、苦労の末に情報を入手できても、期待していたものとは違う可能性もある(未訳記事)。

そこでDoNotPayの出番だ。新たに加わった機能は、情報請求の提出方法をガイドするだけでなく、手数料の免除や処理を迅速化する条件についても説明してくれる。通常のFOIA申請よりも速く、無料で情報を得るべき理由を政府部門に納得させることができるかどうかは、あなた次第だ(実際、FOIAシステムは非常にリソースが不足しており、回答が返ってくるまでに数カ月から数年かかることもある)。DoNotPayは一連の質問と要求したい内容をあなたから聞いた後、あなたの回答を使って正式なFOIA要求書を作成し、あなたに代わって政府機関に提出してくれるのだ。

DoNotPayの創業者で最高経営責任者のJoshua Browder(ジョシュア・ブラーダー)氏は、この新機能が消費者の「官僚主義に打ち勝つ」ために役立つことを期待しているという。

「人々がこれらの権利を行使することを、政府は意図的に困難に、官僚主義的にしているので、何百人ものユーザーがFOIAに対応できる製品を求めていました」と、ブラーダー氏はTechCrunchに語った。

ブロウダー氏は、FOIA法がなければDoNotPayは「存在しなかっただろう」と述べている。「駐車違反の不服申し立てを始めたとき、駐車違反が却下された理由のトップを見るために、以前の情報請求を使ったことがあります」と彼は語った。ブロウダー氏は、この機能が、消費者がより多くの不公正(まさに駐車違反のように)を発見するのに役立ち、彼の製品にさらなる機能を与えてくれることを期待していると語る。「我々の全体的な戦略は、あらゆる興味深いFOIAデータを使って、素晴らしいDoNotPayの新製品を構築することです」と、彼は述べた。

DoNotPayは2020年初め、投資会社Coatue Managementが主導し、Andreessen Horowitz、Founders Fund、Felicis Venturesが参加したシリーズAラウンドで、1200万ドル(約12.5億円)を調達した。ブロウダー氏を含め10人の従業員を擁する同スタートアップは、約8000万ドル(約83億2000万円)の評価を受けていることを確認した。

DoNotPayのFOIA申請機能は、学者やジャーナリストは無料で利用でき、それ以外の人には月額3ドル(約312円)の同社のサブスクリプションサービスの一部として提供される。

カテゴリー:GovTech
タグ:DoNotPay資金調達

画像クレジット:DoNotPay / supplied

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(翻訳:TechCrunch Japan)

企業の「調達」を現代化、購入コストも10%削減させるFairmarkitが約31億円調達

パンデミックが猛威を振るう中、特に特定の分野での調達の重要性にスポットライトが当たっている。そんな中、ボストンのスタートアップであるFairmarkit(フェアマーキット)が、企業向けに現代的なデジタル調達システムを導入しようとしている。米国時間12月10日、同社は3000万ドル(約31億2000万円)のシリーズBを発表した。

ラウンドを主導したのはGGV CapitalとInsight Partnersで、既存の投資家の1984 VC、NewStack、NewFundも参加した。同社によれば、今回のラウンドにより調達総額は4200万ドル(約43億7000万円)になったという。

Fairmarkitの共同創業者でCEOのKevin Frechette(ケビン・フレシェット)氏は、同社はOracleやSAPのような、数十年前からある企業が提供する大規模な調達ソフトウェアシステムを置き換えることを望んでいるのだという。数年前に周囲を見回した彼は、この領域がレガシーベンダーでいっぱいであり、ディスラプションの機が熟していることに気がついた。

さらに、そうした既存のシステムは、50万ドル(約5200万円)とか100万ドル(約1億400万円)といった価格を超える、大きな購買だけを追跡するように設計されているという。それ以下の金額の購買は、テールスペンド(都度購買費)と呼ばれているものだ。「調達は、たとえば100万ドルを超えるような企業の最も大きな購買に焦点を当てていますが、それ以下の規模のものは忘れ去られ、無視されているのです。それはテールスペンドと呼ばれているもので、買うものの8割、ベンダーの8割、予算の2割を占めているのです」とフレシェット氏はいう。

こうした支出は数十億ドル(数千億円)を占めているものの、良い追跡システムを欠いているのだとフレシェット氏はいう。そこに商機を見出した彼は、共同創業者と一緒にソリューションを構築した。その最初の顧客は、ボストンの公共交通機関のMBTAである(より効率的にするためなら、手に入るものは何でも採用するというシステムだ)。現在では、様々な業界に50社以上の顧客を持ようになった。

このシステムは、ベンダーのためのマーケットプレイスとして機能し、顧客が100万ドル以下の価格帯で商品やサービスを見つけることができる中央購買システムとなっている。システムは顧客のベンダーデータをインポートし、これを他のデータと組み合わせて巨大な購買情報データベースを構築する。そこから、システムは顧客が何を必要としているかを判断し、AIを使って特定の注文に最適な価格を見つけることができる。

フレシェット氏は、このシステムは単に費用を節約する方法を提供するだけではなく(顧客は彼のシステムを使って購入コストを10%削減することができたと述べている)、女性、有色人種、退役軍人が経営するビジネスや地元企業など、多様なベンダーを発見できるようにする方法も提供しているいう。

彼によれば、こうしたベンダーたちが通常の調達部門での精査にかけられることなく、そのまま無視されていることがしばしば起きているという。だがFairmarkitはこうした企業を浮かび上がらせ、ビジネスチャンスを与えることになる。「私たちの技術の中核はベンダー推奨エンジンなので、【略】多様なベンダーを取り込むことができ、公平な機会を与えることができるのです」と彼はいう。

2020年の初めに40名の従業員を数えた同社には、その後30名が加わった。2021年にはその数を倍増させる計画だが、それに応じて多様な従業員基盤を構築することで、フレシェット氏は製品の多様性に反映させたいと考えている。

「本当にそれを前面に押し出しています。多様性や包含のために自分たちがどのようにすべきかを調査しているだけでなく、それを支援するためのプログラムを用意しています。これは私が本気で情熱を持って取り組んでいることなのです、なぜなら多様なベンダーの役に立つこともとても拘っている点なのですから」と彼はいう。

フレシェット氏は、社員をオフィスに入れることが許されないパンデミックにもかかわらず、なんとか会社を成長させ、その文化を築いてきたという。将来的には、オフィスが必須になるような世界は彼の視野には入っていない。

「今年、私たちは変曲点にさしかかりました。もはや全員が1つのオフィスにいる必要がある世界ではありません。【略】私たちは(地理的に)狭いセクターに縛られているわけではありませんから、それは私たちのビジネスを加速させるだけです。私たちは(どこからでも)横断的に活動することができるのです」と彼いう。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Fairmarkit資金調達

画像クレジット:Martin Barraud / Getty Images

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(翻訳:sako)

動画音声を本人の自然な声で別言語に吹き替えるAIシステムのPapercupが約11億円を調達

すでにゲームやテレビ業界で使われているが、話した人の声で別の言語に変換するスピーチ技術を開発した英国のAIスタートアップPapercup(ペーパーカップ)は、800万スターリングポンド(約11億円)の資金を調達した。

このラウンドはLocalGlobeとSands Capital Venturesが主導し、Sky、GMG Ventures、Entrepreneur First(EF)、BDMIが参加している。Papercupは今回の資金を機械学習研究と、AI通訳動画の品質改善やカスタマイズのための「Human in the loop」(人間参加型)品質管理機能の拡大に追加投入すると話している。

Papercupは、これ以前からエンジェル投資家の支援も受けている。その中には、後にAmazon(アマゾン)に買収されAlexaを誕生させたEvi Technologies(イービー・テクノロジーズ)の創設者William Tunstall-Pedoe(ウィリアム・タンストールペドー)氏や、Uber(ウーバー)で主任サイエンティストとAI担当副社長を務め、現在はGoogle Brain(グーグル・ブレイン)リーダーシップチームの一員であるZoubin Ghahramani(ズービン・ガラマニ)氏も含まれている。

2017年、EFの企業創設者向けアクセラレータープログラム参加中にJesse Shemen(ジェシー・シーメン)氏とJiameng Gao(ジアメン・ガオ)氏が立ち上げたPapercupは、話し手の声や話し方をそのままに別の言語に変換する能力、と同社が説明するAIと機械学習に基づくシステムを開発している。よくあるテキストの読み上げシステムとは異なり、通訳された音声は人間の声と「判別が不可能」だと彼らは主張している。しかも、そこがユニークな点だと思われるが、話し手の声の特徴もできるだけ引き継がれる。

もともとこの技術は、すでにこれを利用しているSky News(スカイ・ニュース)、Discovery(ディスカバリー)、YouTube(ユーチューブ)の人気チャンネル「Yoga with Adriene」、その他の動画を自主制作するクリエイターたちに向けて開発された。その売り文句は、もっとずっと幅広い応用が可能であり、したがって本物の人間による吹き替えに取って代わる安価な手段だと訴えている。

「世界の動画と音声のコンテンツは1つの言語に縛られています」とPapercupの共同創設者でCEOのシーメン氏はいう。「YouTubeの数十億時間分の動画、何百万本というポッドキャスト、Skillshare(スキルシェア)やCoursera(コーセラ)の何万件ものオンライン学習講座、Netflix(ネットフリックス)の何万本もの番組などもそうです。そうしたコンテンツの所有者は、ほぼ全員が世界展開を強く望んでいますが、字幕に勝る簡単で費用対効果の高い方法がまだありません」。

もちろん「予算がたっぷりあるスタジオ」なら、プロ用の録音施設で声優を雇い最高級の吹き替えが可能だが、ほとんどのコンテンツ所有者には高すぎて手が出せない。裕福なスタジオであっても、対応する言語が多ければ、制約が加わわるのが普通だ。

「そのため、ロングテールやそれに準ずるコンテンツ、それはまさに全コンテンツの99%に相当しますが、その所有者は海外のオーディエンスにリーチしたいとき、字幕以上の方法を諦めたり、そもそも不可能だったりします」とシーメン氏。もちろん、そこがPapercupの狙い目だ。「私たちの目標は、翻訳された言葉を、できるだけ元の話し手の声に近づけることです」。

それを実現させるために、Papercupは4つの課題に取り組む必要があったという。1つめは「自然に聞こえる」声だ。つまり、合成音声をできる限り明瞭で人間の声に近づけることだ。2つめの課題は、元の話し手が表現した感情や速度(つまり喜怒哀楽)を失わないこと。3つめは、人の声の特徴を捉えること(たとえばドイツ語でもモーガン・フリーマンが話しているように聞こえるといったように)。そして最後は、翻訳されたセリフを動画の音声に正確に揃えることだ。

シーメン氏はこう説明する。「私たちはまず、できる限り人間に近い、自然に聞こえる音声を作ることから始めました。その目的に沿って技術の洗練させてゆく過程で、私たちは音質の面で飛躍的な技術革新を果たしました。いま作られているスペイン語音声合成システムの中で、私たちのものは最高水準にあります」。

「現在私たちは、さまざまな言語に変換するときに、元の話し手の感情や表現をできるだけ残したままで行う技術に重点を置いています。その中で、これこそが吹き替えの質を左右するものだ気がつきました」。

間違いなくこれが最も大きな難関となるが、次の課題は「話者適応」だ。つまり、話し手の声の特徴を捉えることだ。「それが適応の最終段階です」とPapercupのCEOは話す。「しかし、それは私たちの研究で最初に実現したブレイクスルーでもあります。私たちにはこれを達成できるモデルはありますが、感情や表現に多くの時間をかけています」。

とはいえPapercupは、いずれはそうなるかもしれないものの、完全に機械化されているわけではない。同社では、翻訳された音声トラックの修正や調整に「人間参加型」のプロセスを採り入れている。そこでは、音声認識や機械翻訳のエラーの修正、タイミング調整、さらには生成された音声の感情(喜びや悲しみ)の強調や速度の変更が人の手で行われている。

人間参加型の処理がどれほど必要になるかは、コンテンツのタイプや、コンテンツ所有者のこだわりによって異なる。つまり、どれだけリアルで完璧な吹き替え動画を求めるかだ。逆にいえば、これはゼロサムゲームではないため、大きな規模で考えた場合、大半のコンテンツ所有者は、そこまで高い水準は求めないということだ。

この技術の始まりについて尋ねると、共同創設者でCTOのジアメン・ガオ氏の研究からPapercupはスタートしたとシーメン氏は答えた。ガオ氏は「驚くほど頭が良く、異常なほどに音声処理にのめり込んでいた」という。ガオ氏はケンブリッジ大学で2つの修士号を取得し(機械学習と音声言語技術)、話し手に順応する音声処理に関する論文も書いている。Papercupのようなものを作ることができる可能性に気づいたのは、ケンブリッジ在学中だった。

「2017年の終わり、Entrepreneur Firstで勉強していたときに、私たちは最初のプロトタイプシステムを作りました。前例のないものながら、この技術は使えると感じました」とシーメン氏。「当初、人から聞いた意見から、私たちが作っているものには予想を超える膨大な需要があることを知りました。制作スタジオでの使用を想定して開発しているものの、ほんの一機能に過ぎなかったのですが」。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Papercup合成音声機械翻訳資金調達

画像クレジット:Papercup

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(翻訳:金井哲夫)

最初の1杯が毎日無料になるBARのサブスク「mellow」運営のJapanFuseが資金調達

最初の1杯が毎日無料になるBARのサブスク「mellow」運営のJapanFuseが資金調達

最初の1杯が毎日無料になるBARのサブスク「mellow」提供のJapanFuseは12月9日、資金調達を発表した。引受先は、サムライインキュベート運営の「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」。

京浜急行電鉄とサムライインキュベートが共同運営するオープンイノベーション・コミュニティ「AND ON SHINAGAWA」(アンドオン)において提供している、起業支援プログラム「AND ON Startup Garage」の第1号出資として、JapanFuseに対してプレシード出資・成長支援が実施される。

調達した資金は、サービス基盤の構築により一層力を入れ、BAR経営者と利用者双方にとって価値あるサービスにすべく邁進する。

同社は、mellowについて、店舗経営と顧客体験の双方の視点から飲食業界の最適化を志すサービスとして位置付け。個人経営BARの集客システムにおける課題や、BAR利用者における入店・注文・決済における課題の解決を通して、飲食に関わる人々の日常がより豊かになる世界を目指すとしている。

mellowは、「自分に合ったBARの探し方がわからない」「どのようなカクテルを注文すれば良いかわからない」「お会計の料金が高そうで不安」というBAR初心者と、「客数の減少」という課題を抱える店舗側をつなぐことを目的に、加盟店において月額2000円で最初の1杯が毎日無料になるサブスクサービスおよびアプリ。

ユーザーは、各BAR店舗内で流れている音楽をはじめとしたより詳細な情報や、ユーザー属性から最適なBARをレコメンドする機能によって、自分に合ったBARを探すことができる。店舗側は、アプリへの情報掲載に加え、オンラインチケット機能を使った顧客情報管理の一元化が可能となる。

なお現在mellowでは、招待制のクローズドβ版でアプリを運営しており、横浜・みなとみらいエリアを対象としたリーン検証を実施中という。渋谷エリアでのテスト拡大の準備をしており、「iOS(iPhone)ユーザー」「横浜または渋谷に生活エリア(住居、職場など)があること」の条件に該当するテスターを募集している。詳細は、プレスリリースを参照。

AND ON SHINAGAWAは、「デジタル時代のモビリティ×ライフスタイル」を生み出すイノベーション創出に向け、モビリティやその周辺領域(=Urban Tech)に特化し、スタートアップや大企業などによる事業共創の加速を目指す「オープンイノベーション・コミュニティ」。

品川駅至近の拠点におけるスタートアップ向けのオフィススペースの提供や、ピッチイベント・ワークショップなどの開催を通じ、関係プレーヤーのネットワーク化を図っているという。

現在、AND ONには30社以上のスタートアップが会員として加入。また「AND ONパートナー」としてアセットを持つ大手企業や自治体が参画している。

京急電鉄が、東京都におけるイノベーション・エコシステム形成促進支援事業「認定地域別協議会」に品川・蒲田・羽田空港エリアの主幹事企業として認定されるなど、同コミュティは地域のエコシステムの中核として進化を続けている。

AND ON Startup Garageは、常設・出資即決型の起業支援プログラム。応募事業に対し、サムライインキュベートによる事業創造レクチャー、約1ヵ月間のメンタリングの実施、ピッチ審査を経て、サムライインキュベートが運営するファンドから最大1000万円の出資判断を行う。

出資に至った企業へはAND ONが継続的にサポートを行い、京急グループやAND ONのコミュニティ・ネットワークを活用し、1年以内の「社会実装」を目指す。

Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合は、サムライインキュベートが2018年に組成したオープンイノベーションファンド。創業期の起業家・スタートアップへの出資・成長支援に特化しながらフォローオンも実施。京急電鉄は、同ファンドへの事業シナジーを目的とする戦略的出資を実行している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:酒・アルコール飲料サブスクリプション(用語)JapanFuse資金調達(用語)Mellow日本(国・地域)

女性を意識したウェルネスプロテイン「KOREDAKE」が資金調達、「筋肉ムキムキ」イメージを払拭

女性を意識したウェルネスプロテイン「KOREDAKE」が資金調達、「筋肉ムキムキ」イメージを払拭

「わたしは、わたしらしく。」をコンセプトにウェルネスプロテイン「KOREDAKE」を展開するメップルは12月10日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先は、コロプラネクスト、児玉昇司氏(ラクサス・テクノロジーズ 代表取締役)、藤田恭嗣氏(メディアドゥ 代表取締役社長CEO)、片石貴展氏(yutori 代表取締役)、その他の投資家。

今回の資金調達によって、さらなる販売促進・認知拡大に向けたマーケティング強化と、新商品の開発および商品改良を推し進めていく。

現在は、料理やお菓子に取り入れて楽しむなどのウェルネスプロテインとして、日常生活により溶け込むレシピ提案や、従来のプロテインが持つ「筋力アップ」「ムキムキ」といったイメージとは異なる独自のウェルネスブランドの確立に取り組んでいる。

女性を意識したウェルネスプロテイン「KOREDAKE」が資金調達、「筋肉ムキムキ」イメージを払拭

女性を意識したウェルネスプロテイン「KOREDAKE」が資金調達、「筋肉ムキムキ」イメージを払拭

KOREDAKEは、女性が1食に必要な31種類の栄養素を配合した完全栄養プロテイン。日々の食事で不足しがちな、たんぱく質・食物繊維・26種のビタミン&ミネラルなどの栄養素を配合。

推定値

推定値

メップルは3月22日、KOREDAKEの販売を開始し、これまで一切の広告費をかけずに、10月の累計販売数が発売開始直後の4月と比較し100倍(2PACKS/2食分は除く15食分セットの販売数)へと急成長したという。20代後半~30代女性を中心に多くの方に支持されているそうだ。

  • 女性が1食に必要な31種類の栄養素をすべて配合。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)/18~49歳女性」に基づく(熱量・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除く)
  • ミルクティー味
  • 国産ソイプロテイン
  • 高たんぱく22.1g、食物繊維9500mg
  • 管理栄養士 監修
  • 7つのフリーを実現(グルテンフリー / 白砂糖フリー / 人工甘味料フリー / GMOフリー / 着色料フリー / 保存料フリー / 酸化防止剤フリー)
  • 厳しいチェックと徹底した品質・衛生管理のもと「日本国内のGMP・HACCP認定工場」で製造

低糖質・低カロリーのため、忙しい時の栄養豊富な朝ごはん、手軽な栄養補給、ダイエット時の1食の置き換えにもオススメできるとし、毎日必要な栄養をすべて摂りながら、健康的でキレイなカラダが目指せるという。

メップルは、心と身体の健康の先の自分らしさの実現をサポートする「ウェルネスプロテイン」として、美味しさと栄養バランスを両立した安心安全な商品開発を追求し続けていくとしている。

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カテゴリー:フェムテック
タグ:KOREDAKE資金調達(用語)
メップル日本(国・地域)

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

家をシェアして家賃を節約する「unito」(ユニット)提供のUnitoは12月10日、第三者割当増資と金融機関からの融資による総額1億円の資金調達を2020年12月までに実施したと発表した。引受先は、グリーベンチャーズ1号投資事業有限責任組合、IT-Farm Corporation、SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ、ガイアックス、速水浩二氏、須田将啓氏、藤野英人氏、高橋理志氏、その他個人投資家。

調達した資金は、unitoの暮らしをより快適にするためのプロダクトやシステムの開発、マーケティングにあてる予定。

またあわせて、unito正式版リリースとともに、サービスページをフルリニューアル。家賃予算にあわせて「住む日数を調節した家」を表示する日本初の「リレント(Re-rent)システム」を搭載したと明らかにした。家賃で諦めずに理想の暮らしを検索できるとしている。

unitoとは、家に帰らない日は、宿泊者にホテルとして家(部屋)を貸し出すことで、家賃を節約する「リレント」を採用した、新しい「家」という。敷金・礼金ゼロ、更新料ゼロ、退去費用ゼロで、帰らない日分の家賃を下げる形で家を利用できる。2020年2月にローンチし、2020年11月度には累計宿泊数が1万7000泊を突破。また累計流通総額が1億円を突破した。

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

直営の「unito CHIYODA」、「unito Ebisu」の2拠点に加えて、ホテルや民泊などの宿泊施設とも提携し、都内を中心に様々なタイプのお部屋を取り揃えている。

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

同サービスの新ページでは、希望のエリアと予算を選択し物件を検索すると、予算に合わせて家をシェアする日数が調節された家を一覧表示する機能を用意。同社は、物件が希望の家賃になる、世界初の検索システムとしている。

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

家に帰らない日は家をホテルとして貸し出し家賃を節約できる「unito」が総額1億円を調達

この検索システムを利用することで、「このエリアは、相場が高いから、希望の家賃では住めない」と家賃であきらめることなく、「でも、週末は毎週実家に帰っているから、その分、家をシェアすれば、予算内で希望のエリアに住める!」と、家をシェアすることで理想の暮らしを手に入れられるという。

家に帰らない日に、宿泊によって家をシェアした場合には、利用後にお部屋にクリーニングが入るため、掃除の負荷を低減できる。アメニティの補充も行われるので、月々の固定費を抑えられる。

また同社は、三井住友海上と提携し、安心してunitoで暮らせるunito専用保険の自動付帯を開始。unitoの部屋の設備を破損してしまったり、相手を怪我させてしまった場合に最大3億円の補償が受けられる。

Unitoは「暮らしの最適化」を追求するProp Tech Company。メイン事業としては、「家をシェアして、家賃を節約しよう。」というメッセージを持つ、帰らない日は、ホテルとして家を貸し出すことで、家賃を節約する「リレント」を採用した新しい家「unito」の開発・運営を行っている。また、月に3・5・10日間だけ都心に家を持てる「urban」(アーバン)などの販売を通して、新しい暮らしを提案・提供している。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:資金調達(用語)unito日本(国・地域)

理髪店向けマネジメントツール「Squire」が最新ラウンドで評価額が3倍の261億円に

Squireは理髪店のためのソフトウェアを売るスタートアップだ。このほどIconiq Capitalのリードで5900万ドル(約61億7000万円)の調達ラウンドを完了した。調達金額のうち4500万ドル(約47億円)は株式、1500万ドル(約15億7000万円)は負債融資による。

この調達ラウンドは、SquireがCRVのリードで3400万ドル(約35億5000万円)のシリーズBラウンドを終えてからわずか数カ月後のことだ。新たな資金を得てSquireの評価額は2020年6月の8500万ドル(約88億8000万円)から現在の2億5000万ドル(約261億2000万円)へと3倍近く増えた。ほかにTiger GlobalとTrinity Venturesが出資した。

何が起きたのか?Squireの売上は理髪店が軒並み休業した2020年3月のゼロから、わずか10カ月足らずの間に年間経常収支1000億~2000億ドル(約10兆5000億〜20兆9000億円)へと成長した。この成長は、次世代の理髪店がいかにオフラインプロセスからデジタル・クノロジーへと拠り所を変えているのかを示している。

「私たちは稲妻のように飛び立ちったばかりです」と共同ファウンダーのDave Salvant(デイブ・サルバント)氏はTechCrunchに語った。

サルバント氏は、もう1人の共同創業者であるSonge LaRon(ソンゲ・ラロン)氏とともに、2016年に独立事業者のためのバックエンド理髪店管理ツールとしてこのビジネスを始めた。Squireは店舗の予約管理を行い、メンバープログラムを導入し、非接触やキャッシュレスの支払いシステムを提供する。同社によると、理髪店の運営は他のどんな小規模店舗よりも複雑で、それは複数の相手と取引が行われたり、顧客が異なる店の異なるサービスを一度にチェックアウトすることもあるからだという。

そこに登場するのがSquireだ。決済からそんて複雑な取引まですべてをこなす。

新型コロナウイルス(COVID-19)は、中小規模事業者の生活を脅かし、苦境を乗り切るためのローンや資金繰りを困難にした。サルバント氏によると、Squireは1500万ドル(約15億7000万円)の負債融資を行うことで、そういう事業主向けに「サービスとしてのバンキング」機能を作ろうとしている。

「この市場は伝統的金融機関から十分なサービスを受けていません」とサルバント氏はいう。「金融ツールを使ってそんなオーナーたちを助けるチャンスが私たちにはあると思うのです」。

今後Squireはオーストラリア、カナダ、英国などの新規市場への拡大を計画している。調達した資金の大部分は営業とマーケティングの専門家を雇用するために使われる。

Squireの従業員数は現在100名だ。

関連記事:理容室業界にバックエンドマネジメントツールを提供するSquire、予約から決済までを一元管理

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Squire資金調達美容

画像クレジット:Squire

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

飲んだ日本酒からユーザー好みの日本酒を分析・提案する「サケアイ」が資金調達

飲んだ日本酒からユーザー好みの日本酒を分析・提案する「サケアイ」が資金調達

サケアイ(Sakeai)は12月10日、シードラウンドにおける資金調達を発表した。引受先はYJキャピタル、East Ventures。また両社が共同運営するCode Republicに参加すると明らかにした。

調達した資金により、飲んだ日本酒を記録しユーザーに合った日本酒をおすすめする「サケアイ」アプリ(Android版iOS版ウェブ版)のユーザーがより快適に日本酒開拓をしていくための仕組み作りを行い、全国の地酒が購入できるプラットフォームへの成長を加速させる。

同社は2020年5月、「世界中の人がお酒を愛し、お酒を最大限楽しめる世の中をつくる」ことを目指し「サケアイ」アプリの提供を開始。

日本酒の銘柄は数万種類以上あるとされ、その中から自分の好みに合う日本酒を見つけることは難しく、まだまだ知られていない日本酒は数多く存在するという。

その解決のため、飲んだ日本酒を記録、ユーザーに合う日本酒をおすすめ、気になる日本酒を取扱店で購入するといった流れをサケアイだけで完結できるようにした。さらに、2万3000種類以上の日本酒銘柄の情報を閲覧可能という、業界最大規模の日本酒データベースを搭載。酒販店に置いてある日本酒がわかるようになっている。

飲んだ日本酒からユーザー好みの日本酒を分析・提案する「サケアイ」が資金調達

また酒造会社・酒販店との連携のもと、ユーザーへの最新情報の送付も実施。酒造会社は蔵元のおすすめを表示したり、アプリ内の日本酒の情報を自ら更新可能。酒販店は、店舗で取り扱っている日本酒を自ら更新できたり、各店舗おすすめの日本酒をアプリに載せたりできる。提携酒造は、提携酒造会社一覧で公開している。

飲んだ日本酒からユーザー好みの日本酒を分析・提案する「サケアイ」が資金調達

提携酒造一覧(抜粋)

提携酒造(抜粋)

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カテゴリー:フードテック
タグ:サケアイ
酒・アルコール飲料資金調達(用語)日本酒日本(国・地域)

どんなものでもリモートで作る自称「ハードウェアのGitHub」Wikifactoryが4.7億円を調達

カール・マルクスは「資本論」で、資本主義の奴隷制度の中で自由を獲得するために、労働者は自ら生産する手段を持たねばならないと主張した。おそらくその日は近づきつつある。米国時間12月9日、自称「ハードウェアのGitHub」、Wikifactory(ウィキファクトリー)は、300万ドル(約3億1000万円)の資金調達ラウンドを完了し、シリーズA前の総調達額を450万ドル(約4億7000万円)とした。出資者の名前は明かされていないが、「インパクト投資家」だという。この共同作業プラットフォームは、誰でもほぼどんなものでもリモートで作ることができると謳っている。

Wikifactoryの戦略にある「インパクト」とは、輸送を減らし、コストのかかる在庫を減らす必要があることを意味している。

この資金を使って同社は、「品質が保証された」製造マーケットプレイスを構築し、中国にミラーサーバーを立ち上げて、同国のハードウェア中心地である深圳への参入を図る。Wikifactoryでは現在4カ国語を利用可能で、2021年にシリーズAラウンドを実施した後には20言語に拡張する計画だ。

同社の新しいチャット機能付きCollaborative CADツールを使えば、デザイナーやエンジニア、メーカーや大企業が、コンセプトから最終プロトタイプまで、事実上どんなCADモデルでもリモートで共同作業が可能になる。

こうしてプロダクト開発者は、30種類以上のファイルフォーマットの3Dモデルのレビューや検討を、リアルタイムで行うことができる。背景にあるのは、通常は高価な製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアの利用を民主化しようという考えだ。

2019年5月以来、190カ国約7万のプロダクトデベロッパーが、Wikifactoryを使ってロボティクス、電動車両、ドローン、農業テック、持続可能エネルギー家電、実験器具、3Dプリンター、スマート家具、バイオテックファッション素材を作ってきた。命に関わるPPE(個人用保護具)や人工呼吸器などの医療機器も世界的供給不足を受けて製造している。

Wikifactoryの共同ファウンダーで取締役会長であるNicola Peitersen(ニコラ・ペイテルセン)氏は、「物理的なものを作るための国際的コラボレーションはオープンソースと私的プロダクト開発の両方で始まっています。全世界の製造業界の生産高は35兆ドル(約3651兆9000億円)に達し、ついにウェブ時代を迎えたのです。オンラインコラボレーションと分散型製造はいまや主流になりつつあります。私たちはこれを製造のインターネットと呼んでいます」。

さらに彼は、パンデミックのために国際的サプライチェーンが逼迫する中、各地でのプロトタイピングや製造に代わる実行可能なオンライン基盤を、高水準で持続可能なものにすることは、「これまで以上に重要かつ必要です」とつけ加えた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Wikifactory資金調達

画像クレジット:A 3D model of a ventilator. Credit:Protolabs

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

家族型ロボット「LOVOT」のGROOVE Xが18億円調達、SOMPOホールディングス・日立GLSと資本業務提携

家族型ロボット「LOVOT」のGROOVE Xが18億円調達、SOMPOホールディングスおよび日立GLSと資本業務提携

ロボットベンチャーのGROOVE X(グルーブエックス)は12月9日、を主な引受先として、総額18億円のシリーズB3資金調達を実施したと発表した。主な引受先はSOMPOホールディングス日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)など。累計調達額は124.1憶円となった。

また、これからの高齢化社会やWithコロナ時代によるライフスタイルの変化に向けた新たなる社会的課題の解決、新サービスの共同開発に取り組むことを目的に、両社と資本業務提携を締結した。

家族型ロボット「LOVOT」のGROOVE Xが18億円調達、SOMPOホールディングスおよび日立GLSと資本業務提携

 

SOMPOホールディングスとの資本業務提携

GROOVE Xは、⾼齢化社会における介護や認知症に関わる社会的課題の解決に向け、これまでSOMPOホールディングス子会社で介護サービスを運営するSOMPOケアが運営する介護付きホーム「SOMPOケア ラヴィーレ駒沢公園」などの介護施設に家族型ロボット「LOVOT」(らぼっと)を導入。施設内でのコミュニケーションの活性化や入居者の方々の心身の状態の変化についての実証評価を実施。

そんな中、⾼齢化社会における介護や認知症に関わる社会的課題の解決をさらに促進させるため、今回の資本業務提携を締結するに至ったという。

具体的な取り組みとして、高齢者の生活支援と認知症ケアを対象に、LOVOTを用いたソリューションの共同開発を開始。今後GROOVE Xは、SOMPOホールディングスが運営する、「人間」と「テクノロジー」の共生による新しい介護のあり方を創造するプロジェクト「Future Care Lab in Japan」と連携。見まもりをはじめ高齢者の生活支援におけるLOVOT活用、認知症の方を対象とするLOVOTを用いたケアの効果実証を行う予定。

Future Care Lab in Japanは、SOMPOグループがプロデュースする未来の介護プロジェクト。ICT・デジタル技術を積極的に活用した「人間」と「テクノロジー」が共生する新しい介護のあり方を創造し、より少ない負担で質の高い介護サービスを提供できる、持続可能な介護事業モデルの構築をめざす研究開発を行っている。

日立GLSとの資本業務提携

LOVOTは、あらゆるセンサーとAIを高度に組み合わせた「EmotionalRobotics」を搭載。利用者のデータ連携などにより、家庭における新しい接点として大きな潜在力を有しているという。

日立GLSは、日立グループにおいて顧客の暮らしと直接の接点を持つことを特徴とし、家電品、空調機器の販売、デジタル技術を活用したプロダクト・サービスを提供。最近では、大学の研究機関との連携により、高齢化など社会課題を解決し、人々のQoL向上を支えるソリューション開発にも積極的に取り組んでおり、そんな両社の想いが合致し、今回の資本業務提携を締結した。

今回の資本・業務提携によって、GROOVE Xは、日立GLSの事業基盤を活用し成長を加速させるとともに、同社技術を日立GLSの商品開発に活用する。

また、LOVOTやコネクテッド家電を通じて得られる生活者に関わるデータを活用し、複数の家電やデバイスが連動して快適な住環境を提供する新たなサービスを提供する。

Withコロナ時代で変化した、あらゆるライフスタイルに合わせた環境やサービスを提供するため、生活に潤いと安心を与えることが期待できるLOVOTの普及・活用に取り組み、生活者ひとりひとりにうれしい暮らしの提供に取り組んでいく。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:介護(用語)GROOVE X資金調達(用語)LOVOT日本(国・地域)

新型コロナを追い風に瞑想アプリのCalmが2080億円のバリュエーションで78億円調達

有名な瞑想アプリのCalm(カーム)が20億ドル(約2080億円)のバリュエーションで新たな資金を調達した。これより前に22億ドル(約2290億円)のバリュエーションで1億5000万ドル(約156億円)の調達を模索していると報じられており、本ラウンドは予想されていたものだった。おそらくCalmはRobinhood(ロビンフッド)と同じ道を歩み、早晩2つ目のトランシェを加えるだろう。

既存投資家のLightspeed Venture PartnersがラウンドをリードしInsight、TPG、そしてSalesforceのCEOで新たなSlackオーナーであるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏らが参加した。

Calmがさらなる資金を確保できたことは驚きではない。同社は売上高が急成長していて、そのうえ黒字だとされている。そして今回の資金調達は、メンタルヘルス専門のスタートアップがベンチャーキャピタルという観点から好ましいものであることを受けてのものだ。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックも投資先としてのCalmの魅力に貢献した。最初から研究者らは、パンデミックが人間にもたらし得る心理的犠牲について警告していた。ピュー研究所の最新の調査は、パンデミック中に職を失った人はいまこの時期かなりの苦悩を抱えていると指摘。CalmのライバルであるHeadspace(ヘッドスペース)は無職の人に無料で年間サブスクリプションを提供している。

Calmは無料リソースのページを立ち上げ、そして非営利のヘルスシステムKaiser Permanente(Kaiser Permanenteリリース)との提携に注力することで新型コロナの苦悩に対応した。KaiserはCalmアプリのプレミアムサブスクを会員向けに無料にした初のヘルスシステムだった。

Calmは消費者向けのサービスを年間約70ドル(約7300円)、あるいは月15ドル(約1600円)で販売している。そして同社は企業サービス部門「Calm for Business」を設けた。消費者向けの取り組みを増強することになる安定した売上高をもたらすはずだ。

資金調達の発表の一環として、Calmは有用な成長メトリクスの具体的数字も明らかにした。同アプリはこれまでに1億回ダウンロードされ、これは2019年2月の4000万回から増えている。また、同時期に有料会員も100万人から400万人に増えた。TechCrunchはこれらの数字にCalm for Businessの顧客も含まれているのか確認したが、回答は得られなかった。

また、同社の新型コロナ前の計画と比較した売上高成長や事業成績についても尋ねたが、こちらも回答は得られなかった。

Crunchbaseデータによると、CalmとライバルのサービスHeadspaceはこれまでに計4億3400万ドル(約452億円)調達し、これは両社のモデルがいかにベンチャーキャピタリストにとって魅力的だったかを物語っている。ブルームバーグのインタビューによると、Calmは新たな資金調達を受けて小さな会社の買収を考えている。

ともあれ、Calmは現在、2021年に向けて新たな軍資金を手にし買収を行おうとしている。1、2度はニュースになるはずだ。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Calm資金調達

画像クレジット:Jose Luis Pelaez Inc / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

小型・安価な独自衛星打ち上げロケットを開発するドイツのIsar Aerospaceが95億円調達

航空宇宙産業はスタートアップの世界からの爆発的な活動の広がりを見てきたが、そこでは聡明なエンジニアたちが、大企業の下で働くよりも、ますます野心的になるベンチャー投資家から資金を調達して自分でスタートアップを起業し、壮大な計画を現実的なビジネスに変換する道を選んでいる。そんな中、最も新しい展開として、ミュンヘンのスタートアップが、ヨーロッパの宇宙技術業界で最高額の投資ラウンドによる資金調達を成功させた。

極めて小型で、現在市場で活躍している大型ロケットよりも安く超小型衛星の打ち上げができるロケットを開発するIsar Aerospace(イザー・エアロスペース)は、7500万ユーロ(約94億7000万円)を調達した。同社は、この資金を使って研究開発と建造を継続し、その過程で、2022年初頭に最初の商業打ち上げを実施する計画だ。

際立って画期的な設計のロケットを提供するだけではないが、打ち上げに成功すれば、Isarはヨーロッパの宇宙関連企業として初めて、世界の衛星市場で戦える確実な衛星打ち上げロケットのメーカーとなる。

今回のラウンドは、Lakestarrが主導するシーリズBで、以前からの支援者であるEarlybirdとVsquared Venturesも大きく貢献していると同社は話している。Earlybirdと戦略的支援者であるAirbus Venturesは、前回、2019年12月にクローズした1700万ドル(約17億7000万円)のラウンド(Isar Aerospaceリリース)を主導している。

このスタートアップは、名門ミュンヘン工科大学(TUM)からスピンアウトして生まれた。共同創設者のDaniel Metzler(ダニエル・メッツラー)氏、Josef Fleischmann(ヨーゼフ・フライシュマン)氏、Markus Brandl(マーカス・ブランドル)氏は、みなTUMで工学を学んだ。中でもフライシュマン氏には、Isar創設前にちょっと自慢できる出来事があった。彼は、米国で行われたHyperloop(ハイパーループ)のコンペにTUMチーム(Isar Aerospaceリリース)の一員として参加した。その功績により、米国の有名ベンチャー企業から非常に興味深い仕事に誘われたのだが、彼はドイツに帰り、自身の会社を立ち上げることを選んだ。それがIsar Aerospaceだ。

メッツラー氏はインタビューの中で、データソースの増強や刷新のために衛星技術を利用したい、または利用する必要に迫られた企業の累積需要が非常に大きいと説明していた。政府や通信事業者にそうした需要があることは簡単に想像がつくが、ナビゲーション、GPS、地図製作の専門家、農業関連産業、メディアおよびインターネット企業、その他、宇宙でしか実現し得ない高速かつ遠距離のデータアクセスを必要とする団体などもそこに含まれる。

問題は、衛星を軌道に乗せる現行技術は、費用も時間もかかりすぎることだ。

ロケットは大型で、打ち上げ頻度も低い。その積載スペースを確保するためには、長い準備期間と大量の投資が必要になる。運良くそれが叶っても、技術的問題や天候によって突然中止になることもある。

こうした問題は、SpaceX(スペースX)のような民間企業の成長でなんとか対処しようとしてきた。ロケットを量産し、広い場所にたくさんの発射台を備えて打ち上げ回数を増すことで、需要に応えるという方法だ。

だが、Isarのアプローチはまったく違う。新しい方式の打ち上げ台に加え、小型で安価な新型ロケットの建造だ。こうすることで、多くの団体がより安く、より簡単に柔軟に衛星の打ち上げを予約できるようになるという考えだ。目標は1000kg以上のペイロードを打ち上げることだ。

Isarのシステムに使用されている革新的な技術の中には、現在のロケットで通常使われているものとは異なる、軽い燃料を使う推進システムがあるとメッツラー氏は話す。また、ロケットの建造費用を低く抑える、新しいシンプルな設計アプローチの採用もその1つだ。

メッツラー氏によると、現在の衛星打ち上げ料金の相場は1kgあたり3万ドルから4万ドル(約310万円から420万円)だという。「私たちはさら斬り込んで、1kgあたり1万ドル(約104万円)を目指します」

この提案は「顧客からの問い合わせ」がすでに5億ドル(約520億円)に達しているほど魅力的なものだとIsarはいう。つまりそれは、同社の打ち上げ事業が開始された場合の売上げとなるであろう、緩い予約のようなものだ。

同社は、衛星打ち上げが需要対応の明らかなボトルネックだと考えている。

「週に1度宇宙に行くことは、3年前から準備してきた打ち上げ計画とはまったくの別物です」と彼は、現状と比較したIsarが想定すべき未来について語った。また彼は、Isarでは持続可能性を念頭にロケットを作っているとも話していた。地上で回収して再利用できない部分が1つでもあるなら、大気圏で完全に燃え尽きて、一切の残骸が出ないようにロケットを設計するべきだと考えている。

長期的には、Isarは宇宙探査や別の分野の開発にも乗り出す可能性がある。そうした意欲的なロードマップ(この場合はスカイマップか?)には、投資家も喜んで支援するだろう。

「私たちは、ヨーロッパの民間宇宙開発を目指すIsar Aerospaceを、最大手機関投資会社として支援できることを誇りに思います。地球低軌道の超小型衛星は、今後数十年間、計り知れないイノベーションとビジネスの可能性をもたらす主要な基盤技術となります。そのため、次なる技術革新を傍観者として眺めていたくなければ、ヨーロッパに競争力のある宇宙産業を持たなければならないのです」と、Earlybirdの共同創設者Hendrik Brandis(ヘンドリック・ブランディス)氏はいう。「特にこれだけの規模のラウンドを完全にドイツの資金だけで支援できたことを、私は誇りに思います。これは、近年この国でスタートアップとベンチャー投資産業が確実に育っている明白な証です」。

カテゴリー:宇宙
タグ:Isar Aerospaceロケット人工衛星ドイツ資金調達

画像クレジット:Isar Aerospace

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(翻訳:金井哲夫)