不動産エージェントマッチングサービスのTERASSがシリーズAで2.2億円を調達

不動産相談ができるTerass Agent、ならびにプロの不動産エージェントとのマッチングサービスAgentlyを展開するTERASSは、グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とし、三菱UFJキャピタルおよび既存株主であるインキュベイトファンドの計3社より新たに計2億2000万円の資⾦調達を実施した。累計資⾦調達額は3億2000万円となる。

TERASSは、不動産市場の中でも拡大が見込まれる中古物件の流通市場をターゲットとしている。欧米にはプロの不動産エージェントが独立して活躍する文化が存在するが、日本では、サラリーマンとしてノルマを課せられながら一定給与下で働くケースが多い。同社は米国の不動産エージェントマッチングサービスexpREALTYをベンチマークしており、日本においても不動産業界での個のエンパワーメントを目指すという。

TERASSは業務委託として所属する不動産エージェントたちに対して成果報酬制度を導入しており、手数料売上の75%が還元される。フルリモート、フルフレックスで副業も可能と、イマドキの働き方も実現できる。経験豊富な元不動産出身者の他、経営コンサルタントやパーソナルトレーナーを営む一方でパラレルキャリアワーカーとして活躍し、クライアントの多様な要望に応えるエージェントもいる。

代表の江口亮介氏はSUUMOを提供するリクルート住まいカンパニー出身。「いい家探しはいいエージェントから。社会全体としても個人が活躍する時代になっていっている中、不動産業界でもエージェントが個人として活躍しやすい環境を作りたいと考えた」と江口氏は語る。同じくSUUMO出身の広報・鈴木氏も「不動産購入は人生の中でも大きな買い物。同じ手数料を払うのならば、偶然アサインされる人とではなく、自分と合う人と一緒に物件を選んで欲しい」と語った。

TERASSは純粋な無店舗運営とは異なり、エージェントが手間になりがちな契約書のやりとり、行政への届け出、住宅ローン手続きなどを簡素化するツール提供している点や、広告型であるため物件の写真撮影を不要にしている点など、エージェントの作業を極力なくしているところが特徴。今回の調達ではこのツールの強化により、エージェントがより顧客に向き合う時間を作ることを目指す。エージェントは現在35名程度だが、3年後には500名超を目指す(業界最大規模の企業で、2000名所属と言われている)。

登録されたエージェントと不動産を探すエンドユーザーは、Agentlyというマッチングアプリで、無料でコミュニケーションをとることができる。希望条件を入力すると複数のエージェントから物件の提案が届き、気に入ったエージェントと匿名チャットでやりとりを進められる。また、不要な物件情報の営業がこないのも忙しい人にはメリット。今後はエージェントのレーティングを強化し、マッチング精度も上げていく。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TERASS資金調達不動産日本

年金基金の透明性プラットフォームを構築するClearGlass Analyticsが約3.9億円調達

フィンテックスタートアップであるClearGlass Analytics(クリアグラス・アナリティクス)は、自社のプラットフォームのために260万ポンド(約3億9000万円)の資金調達ラウンドをクローズした。このプラットフォームは、年金やより広範なアセットマネジメント市場のような長期貯蓄市場における手数料の透明性を高めることを目的としている。

この260万ポンドのシードラウンドには、欧州のVCであるLakestarOutward VCの他、資産運用と年金基金の両方の世界からのエンジェルが数名含まれている。年金受託者であるRuston Smith(ラストン・スミス)氏、英国の年金業界団体PLSAの議長であるRichard Butcher(リチャード・ブッチャー)氏、JPモルガンアセットマネジメントの元グローバルヘッドであるChris Wilcox(クリス・ウィルコックス)氏、さらに元JPモルガンの従業員のRob O’Rahilly(ロブ・オライリー)氏、Sikander Ilyas(シカンダー・イリヤス)氏、Alex Large(アレックス・ラージ)などだ。

ClearGlassは、1兆5000億ポンド(約225兆円)の成熟した「確定給付」年金制度市場をターゲットにしており、現在500を超える確定給付年金基金と連携していると主張する。今回の資金を使って英国の確定拠出年金市場に進出し、欧州とアフリカでの基盤強化に動く。

ClearGlassはアセットマネージャーとそのクライアントとの間でデータインターフェイスとして機能する。次に、年金基金はプラットフォーム上ですべての投資コストを1カ所で確認できるため、より多くの資産運用会社や他のサプライヤーから通常よりも多くのデータを取得できる。これは、ファンドが投資の管理に支払っている金額の「真のコスト」を確認するのに役立つ。同社は、場合によっては予想の2倍以上になる資産管理のコストを明らかにできると主張している。

同社は最近、400以上の資産運用会社のコストとパフォーマンスの分析を行った。ほとんどの英国の資産運用会社はデータの配信、品質、精度の最低基準を満たしていたが、30社(一部の大手プレイヤーを含む)はテストに合格しなかったことがわかった。

同社は、FCA(英金融行為規制機構)の要請により以前、コスト透明性基準を開発した世界銀行およびFCAの専門家であるChristopher Sier(クリストファー・シエール)氏と、共同創業者のRitesh Singhania(リテシュ・シンガニア)氏およびKunal Varma(クナル・バルマ)氏が創業した。

創業者でCEOのシエール氏は次のように述べた。「コストが思っていたよりずっと大きかったというのは衝撃だと思います。しかし、そうした増分コストは常に存在し、公開されてこなかっただけです。今ではそれを特定して変化をもたらすことができます。測定していないものは管理できません」。

TechCrunchとのインタビューでCOOのシンガニア氏は、年金基金に関するデータを取得することは通常「非常に困難で複雑です。そして第2に、データを取得したとしてもファンド間で比較ができないため、データを見ても何だかさっぱりわからないという状態でした。私たちがやったことは、私たちがマネージャーと年金基金の間のコミュニケーションラインになるということです。資産運用会社と年金基金の間のコミュニケーションを支援するテクノロジーを開発し、そのデータを収集して確認できるようにしました。そして最後に、理解するのに20時間も費やす必要がないものを提供します」と述べた。

ClearGlassは、Founders Factoryアクセラレーターによってインキュベートされた。

カテゴリー:フィンテック
タグ:ClearGlass Analytics資金調達年金

画像クレジット:ClearGlass Analytics

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

アフリカや東欧で交通ネットワーク拡大に取り組むBoltが国際金融公社から約25.8億円調達

Bolt(ボルト)は、欧州とアフリカで、自動車やスクーター、自転車を使って人や食料品などを輸送するサービスの国際的なオンデマンドネットワークを構築している、Uber(ウーバー)の競合企業の1つだ。このエストニアのタリンを拠点とするスタートアップは、新興市場における事業拡大を継続するために、世界銀行グループの一部門である国際金融公社(IFC)から、2000万ユーロ(約25億8000万円)の資金を調達したと、3月4日のブログ記事で発表した。

この資金を使って、Boltは東欧とアフリカでさらなるサービスを展開していくという。中でもそれぞれの地域で最大の経済規模となるウクライナとナイジェリアにおいて、これまであまり重視されず十分なサービスを受けていなかった消費者層、すなわち女性のために革新的なサービスを提供していくと、特に言及している。

IFCからの資金調達は、金額を見ればBoltの幅広い資金調達努力の中では比較的少ない方かもしれないが、同社にとって大きな信用となる。

直近では、Boltは12月に1億8200万ドル(約197億2000万円)を調達し、19億ドル(約2059億円)だった前回の評価額を大幅に引き上げた。同社の広報担当者は「私たちの評価額は、最新の資金調達ラウンドで成長していますが、私たちは更新された数字を開示していません」と繰り返し語っている。我々の計算によると、2020年12月時点における同社の評価額はおそらく43億ドル(約4660億円)前後だと予想される。これは同社の共同創業者でCEOであるMarkus Villig(マークス・ビリグ)氏から提供されたGMV(流通取引金額)の35億ユーロ(約4520億円)という数字から推定したものだが、実際にそれを確認できたわけではない。

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IFCを、SoftBank(ソフトバンク)やSequoia(セコイア)、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)、Andreessen Horowitz(アンドレセン・ホロウィッツ)などの典型的なVCと同列に考える人は少ないかもしれないが、世界中のスタートアップを支援するという点では、IFCは重要な役割を果たしている。2020年だけでも220億ドル(約2兆3800億円)を企業に投資したという。

これまでIFCのテック分野に向けた関心の多くが、例えば、CurrencyCloud(カレンシークラウド)、Remitly(レミトリー)、CompareAsiaGroup(コンペアアジアグループ)、Kreditech(クレディテック)など、金融サービス関連であったことを考えると、交通機関のスタートアップであるBoltへの支援は注目すべき動きだ。

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特にBoltのような企業は、消費者の移動を支援するという最も明白なサービスに加えて、人々に収入を提供し、企業に(配送というかたちで)インフラを提供するマーケットプレイスのようなものを構築していると考えると、交通機関の改善もIFCの開発目標の1つとなる。

「私たちはIFCと提携して、アフリカと東欧の起業家精神をさらに支援し、女性に力を与え、手頃に利用できるモビリティサービスを充実させるという目標に取り組むことを楽しみにしています」と、ビリグ氏は声明で述べている。「2020年の欧州投資銀行からの投資と合わせて、大規模で戦略的に重要な機関が私たちを支援し、Boltが新興国に提供している戦略的価値を認識していることを、私たちは誇りに思います」。

新興市場におけるBoltの取り組みは長い間、同社がUberとの差別化を図るための重要な方法の1つとなっている。2013年の創業以来、同社は40カ国で5000万人以上の利用者と150万人以上のドライバーを抱えてきた。その中にはアフリカ大陸の70都市における40万人のドライバーも含まれる。

これまで光が当たっていなかった地域で、光が当たっていなかった人々に向けたサービスを展開するという同社の戦略は、時間とともに成長してきた。Boltは南アフリカで、運転手も乗客も女性に限定した「女性専用」の配車サービスを試験的に実施しており、女性の雇用機会と一般的な安全性を向上させている。これもIFCの資金が支援するプログラムの1つだという。

「テクノロジーは、持続可能な開発と女性のエンパワーメントのための新たな道を切り開くことができますし、そうすべきです」と、IFCのオペレーション担当シニアバイスプレジデントであるStephanie von Friedeburg(ステファニー・フォン・フリーデバーグ)氏は声明の中で述べている。「Boltへの投資は、テクノロジーを活用して既存の輸送業界に風穴を開け、環境に優しく、女性のためのより柔軟な仕事の機会を創出し、新興市場においてより安全で手頃な価格の交通アクセスを提供することを目的としています」。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Bolt資金調達ライドシェアアフリカ世界金融公社

画像クレジット:Bolt under a license.

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

新興国市場のファウンダーを資本、資源、人材と結びつけるケニアのPariti

Startup Genome(スタートアップ・ゲノム)によると、北京、ロンドン、シリコンバレー、ストックホルムとテルアビブは、世界最高水準のスタートアップエコシステムだ。データ・調査会社の同社は、企業の業績、資産、市場活動範囲、連結性、人材、知識などを使ってランキングを作っている。

中国とインドを除き、新興国市場のスタートアップは2020年のトップ40に入っていない。それらの地域が6つの要素全部で遅れを取っていることは周知の事実であり、上に挙げたエコシステムの基準に達するまでには数十年を要するかもしれない。

しかし、Yacob Berhane(ヤコブ・ベルハネ)氏とWossen Ayele(ウォッセン・アイル)氏の2人が設立したケニアのB2BマネジメントのスタートアップPariti(パリティ)は、6要素のうち3つのギャップ、資産、知識、および人材へのアクセスを埋めようとしている。

こうした課題、中でも資産利用のハードルはアフリカでは高い。例えばサブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南の地帯)のアーリーステージスタートアップに投資される資金は、ラテンアメリカ、MENA(ミーナ)諸国、南アジア市場の半数以上の企業とと比べてわずか25%ほどでしかない。

「必要なリソースを得られないスタートアップの成功を手助けするソリューションを作りたかったのです」とCEOのベルハネ氏がTechCrunchに話した。「この問題は、生まれたばかりのアフリカ市場で特に急を要しています。そしてこのプラットフォームは、あらゆる新興国市場のファウンダーのために作られています。つまり、まだスタートアップエコシステムが成熟していないすべての地域ということです」。

では、Paritiのチームはどうやってこの問題を解決しようとしているのか?アイル氏は、ある意味でParitiはアンバンドルされていないアクセラレータのようなものだと語った。

一般的なアクセラレーターでは、ファウンダーは集中的なプログラムを通じて、スタートアップが成長していく過程で必要になるあらゆる情報を詰め込まれる。一方Paritiでは、ファウンダーがビジネスの次のステージへ行くために今すぐ必要な情報とリソースを手に入れることができる。

3種類のマーケットプレイス

ファウンダーが入学すると、Paritiはアセスメントツールで会社を評価する。そこでは各社が売り込み資料や会社情報を共有する。Partiは各社のチームや市場、プロダクト、経済などを70項目にわたって評価する。

それが終わると、Paritiはそれぞれの会社を他社と比較するベンチマークを行う。業界、プロダクトのステージ、売上、資金調達などが同レベルにある会社同士が比較対象になる。ファウンダーは自分たちの売り込み資料へのフィードバックや、基準となる数値の詳しい評価結果を受け取り、その後のビジネス構築や資金調達に役立てる。

「このアプローチによって、各社のビジネス内容、強み、弱点などを極めて詳細に見ることができるので、会社が特に必要としているリソースを配分するための順位づけが可能になります」とアイル氏はいう。

それだけではない。Paritiはファウンダーを自らが運営する世界のエキスパートコミュニティのメンバーに1対1で引き合わせる。専門家の経歴は、さまざまな分野における金融、マーケティングからプロダクト、テクノロジーにわたる。さらにParitiは、ファウンダーがプロダクト開発にもっと支援を必要としている場合、コミュニティの中から選りすぐりのエキスパートを雇用のために紹介することもある。

アイル氏によると、ファウンダーはこの後も評価を受け、フィードバックの実践、リソースと人材とのつながりを続けることができる。

その一方で、Paritiでは投資家もプラットフォームに登録して、欲しいデータを集めることができる。つまりスタートアップが資金を調達したいとき、Partitiは投資家のプロフィールと好みに応じて企業を紹介することができる。

「アルゴリズムに基づくマッチングプラットフォームを作り、関連のある出資情報をVC投資家と共有しています。投資家がファウンダーと接触する方法も簡単にしました。これまでこのエコシステムでは特に面倒だった部分です」とアイル氏は付け加えた。

Paritiの投資家プラットフォーム

要約するとParitiは、ファウンダーが手頃な人材とつながり、資本を入手し、ビジネスを開発する手助けをする。専門家は興味深いスタートアップに助言をして、一時的収入を得る機会を得られる。さらに彼らはアーリーステージ・エコシステムとの接触を増やし成長をみてスキルを確認することで収益の可能性を広げることができる。投資家は、独自の契約フロー、自動化されたフィルタリングによって非常に効率的な運用が可能になり、デューデリジェンス、調査、ポートフォリオ管理で専門家のオンデマンド・サポートを受けられる。

COOによると、同社はこのプラットフォームを通じてこれまでに膨大な価値を生んできたという。その証言の1つが、ケニアのフィンテック・スタートアップ、FIngo AfricaのファウンダーであるKiiru Muhoya(キイル・ムホヤ)氏が本誌に語った経験談だ。同プラットフォームは彼の会社がプリシードラウンドで25万ドル(約2700万円)調達するのに役だった。

ムホヤ氏は、予定していた資金調達の前にParitiの評価を受けたことで、自分がターゲットにしていた市場が小さすぎる事に気づいた、と語った。また、成功するためにはVCが何を見ているかをもっと学ぶ必要があった。

ムホヤ氏は、自分を反対の立場に置く決断を下した。Paritiの専門家プラットフォームに参加すると、各社の状況をみて他のファウンダーにアドバイスを与え始めた。こうして彼は数カ月のオフ期間を得て、自分のビジネスをParitiで最初に受けたフィードバックや専門家プラットフォームで学んだことに基づいてピボットするきっかけにした。自分の会社を再びプラッフォームの評価にかけ、プリシードラウンドを完了した。

Paritiは2019年のスタート以来著しい発展を遂げてきた。現在42カ国で500社以上の会社を抱え、100人のフリーランスエキスパートと60の投資家が同社のプラッフォームを使っている。さらにベルハネ氏は、現在5つのファンドがParitiのオペレーティングシステムを使って取引を管理していることを付け加えた。

私たちは、新興国市場でスタートアップが作られ、スケーリングするためのレールを敷いていると思っています。パートナーはラテンアメリカやインドを含むさまざまな新興国市場にいます。米国にも強い関心を持っており、そこは私たちのプラットフォームを本当に必要としている場所です」とベルハネ氏は語った。

投資家に対してはサブスクリプションモデルで課金しているが、ベルハネ氏は数字を明らかにしなかった。いずれファウンダーからもサブスクリプション料金を取る、と述べている。もう1つの収入源は、投資家やファウンダーがParityのフリーランスエキスパートをプロジェクトで使う際に支払う手数料だ。プラットフォーム上で資金調達が実行された場合も同様だ。

資金調達といえば、最近同社は金額非公開のプレシード資金を獲得している。500 Startups、Kepple Africa、Huddle VCらのエンジェルやVCが参加した。

しかし、Paritiにとってすべてが順調だったわけではない。ファウンダーや投資家と付き合う上で重要なのは信用だからだ。ベルハネ氏は、投資家と関わる上で経験した惨劇を語ったファウンダーがいる一方で、ファウンダーが虚偽の数字を報告したと話す投資家もいたことを明かした。

Paritiはこの問題に対処すべく、両者とNDAを結び、Paritiはファウンダーが希望するまでデータを投資家に公開しないことを約束した。そして、投資家はParitiが入念に吟味するまで契約できない。

ファウンダーは2人とも東アフリカ系(ベルハネ氏がエリトリア、アイル氏がエチオピア出身)で、現在一緒に働くようになるまで何度か顔を合わせたが、それぞれ別の道を歩んできた。

COOのウォッセン・アイル氏とCEOのヤコブ・ベルハネ氏(画像クレジット:Khadija M Farah & Rebecca Ume Crook)

アイル氏は東アフリカ各地にオフィスをもつコンサルティング会社でキャリアをスタートし、その後ロースクールに通うために米国に渡った。そこで初めてアーリーステージスタートアップの世界に接し、新興市場に特化したVCファンドの仕事に就いた。

「コミュニティを助けるためにテクノロジーとイノベーションが果たす役割を見つけることができました。誰もが利用できる金融から必要な品物やサービスの利用、ピラミッドの底辺の人々を市場とつなぐことまで」と彼は言った。

アイル氏は法律学校を卒業して訓練を終えるとナイロビに戻り、成長するアフリカのスタートアップエコシステムに関わり、ベルハネ氏とともに会社を設立した。

米国で金融と投資銀行業務を学んだCEOは、アフリカに戻ってパン・アフリカ・アクセラレーターを南アフリカ、ヨハネスブルグで起業した。ベルハネ氏はAfrican Leadership University(アフリカ・リーダーシップ大学)やAjuaなどの会社で管理職として働いたが、ほとんどの時間を会社の契約仲介業務に費やしていたことが後にParitiを立ち上げるきっかけとなった。

「企業が2000万ドル(約21億7000万円)以上の資金を調達するのを助け、そのお金が雇用創生や社員の上昇志向につながっていくのを見たことで、金融分野の中で自分が役に立つ道があることを知りました。これからも、スタートアップエコシステムにおける資本入手や人材、知識の不均衡の増加や、それに対処するためのインフラストラクチャーの欠如についてずっと考えてきました。Paritiは、私たちがそれを解決したいと考えている方法です」とベルハネ氏は語った。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Paritiアフリカケニア資金調達

画像クレジット:Khadija M. Farah & Rebecca Ume Crook

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Nob Takahashi / facebook

医療現場の情報共有を促進する重症患者管理システム「iBSEN」開発のCROSS SYNCが1.5億円調達

医療現場の情報共有を促進する重症患者管理システム「iBSEN」開発のCROSS SYNCが1.5億円調達

横浜市立大学発のスタートアップCROSS SYNCは3月8日、第三者割当増資による総額約1億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、ファインデックス、日本政策投資銀行、豊田通商、コニカミノルタら。

これまでCROSS SYNCは、同社設立前に横浜市立大学において研究開発を行った技術を基に、医療現場における経験や専門知識に依存しない情報共有を加速する重症患者管理システム「iBSEN」(イプセン)を開発してきた。逼迫する集中治療の医療体制を支援するサービスの開発および提供体制の拡充が急務として、調達した資金はiBSENの開発および採用・組織体制の強化にあてる予定。

今後はiBSENの医療現場への実導入を推進し、幅広い現場のニーズや課題に対応できる製品に発展させることや、リアルワールドデータを活用したAIモデルによるユースケースの拡大、他の先端研究機関との連携、海外でのサービス展開へ向けた検証などを実現していく。

これにより、欧米諸国のみでも約90万人にも及ぶ防ぎ得た患者の死亡事例をなくすとともに、医療現場におけるDXによる働き方改革を推進する。

iBSENは、AIを活用した画像解析などにより高度な患者モニタリングや情報共有を行うシステム。医療現場に散在する医療情報を集約・解析・可視化することで、医療従事者が経験や知識に依存せず患者に対して高品質な見守りと評価をいつでも、どこからでも、どんなデバイスからでも提供できるとしている。

医療資源が優先的に投下されるべき状態にある患者をいち早く判断できるようにすることで、防ぎ得た急変や死亡をを減らせるようにできるほか、重症系病床の効率的な稼働、また、医療従事者の労務軽減にも資するという。

CROSS SYNCは、「ICU Anywhere」をビジョンに掲げる「横浜市立大学発」のスタートアップ。2019年10月、横浜市立大学附属病院の集中治療部部長を務める集中治療専門医の髙木医師らが設立した。「防ぎ得た患者様の急変や死亡をなくしたい」という思いを端緒に、「テクノロジー力で、医療現場の専門性をアシストする」をミッションに掲げ、AIをコア技術とする重症患者管理システム「iBSEN」を開発・提供している。

医療現場にあふれる医療情報の利活用を促進し、経験や専門知識に依存しない医療現場での情報共有を可能にすることで、新興感染症の拡大に対応した新たな医療体制の構築や超高齢化に伴う医療の需給バランスの崩壊といった社会課題の解決に鋭意取り組んでいく。

※ CROSS SYNCが、Leapfrog GroupおよびJohns Hopkins Armstrong Institute for Patient Safety and Quality「Lives Lost, Lives Saved: An Updated Comparative Analysis of Avoidable Deaths at Hospitals Graded by The Leaffrog Group」、eurostat「Avoidable deaths in 2016 – For people under 75, two deaths out of three in the EU could have been avoided」より算出

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療(用語)AI / 人工知能(用語)資金調達(用語)CROSS SYNC(企業)横浜市立大学(組織)日本(国・地域)

建機の遠隔操作や自動操縦で建設現場のDXを進める東大発スタートアップARAVがシードラウンドで6300万円を調達

建設現場のDXを進めるARAV(画像は同社HPより)

建設現場のDXを進めるARAV(画像は同社HPより)

建設現場のDX・自動化を目指す東京大学発スタートアップのARAVは3月8日、シードラウンドにおいて第三者割当増資による6300万円の資金調達を行ったと発表した。引受先は東京大学協創プラットフォーム開発(IPC)となる。今回の資金調達で建機の遠隔操作システムパッケージ化などを進めていく考えだ。

ARAVは2020年4月に設立し、ロボット工学を用いて建機の遠隔操作や自動操縦に取り組み、既存の重機に後づけするプロダクトを開発している。建設現場のDXを促進し、研究・開発・実証実験を通じて収集・解析したビッグデータを活用することで、建設現場が抱える課題の解決を目指す。

会社設立から1年経たずにARAVは事業を大きく拡大する。

2020年4月に設立して以来、同社は国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術」に選定されたほか、伊藤忠TC建機と建設機械の遠隔操作実用化に関する開発業務委託契約も結んでいる。

伊藤忠TC建機とは、ARAVの建設機械遠隔操作装置技術をベースに災害対策用遠隔建設機械操作システムの早期実用化を目指す。今後、実際の救助や普及作業を行う消防組織、地方自治体、災害救助犬組織とも連携し、実証実験を行う予定だ。また、現在10社以上の建機メーカーらと遠隔および自動化の共同開発を行っているという。

今回の調達資金では事業投資と採用活動の強化していく。特に遠隔操作システムのパッケージ化や自動制御システム開発を行う方向だ。

遠隔操作では、災害時や製鉄所といった過酷な労働環境下における対応を進め、実用化を目指す。一方、自動制御システムは単純な反復作業がともなう現場を改善していくため、開発に注力していく。

この他にもARAVは、建機メーカーだけでなく建機のリース会社とも提携して、特殊な建機を購入せずに遠隔操作や自動運転できる建機を日本中で利用できる環境を整備していく。

ARAVの白久レイエス樹代表は東大IPCからの資金調達について「取引先企業様と実証実験した成果を踏まえた量産化準備に向け、β版の生産体制を構築するための人材採用を強化し、ベンチャー企業としてさらなるDXソリューションを提供できるよう取り組んでいく」とコメントした。

日本生産性本部の調査によると、建設業界は年間60兆円という市場規模を持ちながら、1990年代以降の労働生産性は横ばいとなっている。労働時間は他産業と比べて年間300時間も多く、過酷な労働環境は若年層の定着率低下を招く一因となっている。しかし、国交省によると、業界内の労働人口における高齢者(60歳以上)は全体で4分の1以上を占めるなど、人手不足の改善、生産性向上が大きな課題となっている。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:ARAV建設DX日本資金調達

「LGBTQの居場所をつくる」米国10代向けアプリweBelong、ミクシィ笠原氏などから約7300万円を調達

「本来の自分」というのは、なかなか晒け出せないないものだ。ネット上ではもちろん、家族や友人にだってカミングアウトできないことは誰にでもあるだろう。そんな人たちに「居場所」を提供するSNSアプリがある。HoloAsh,incが運営する、10代マイノリティ向けコミュニティアプリ「weBelong」だ。

同社はこの度、プレシードラウンド調達として、ミクシィ笠原健治氏、元メルカリ富島寛氏、エニグモの須田将啓氏など、複数のエンジェル投資家などから約7300万円の資金調達を実施。アカツキHeart Driven Fundなどからの出資を含め、累計の調達金額は約1億円になったという。

画像クレジット:HoloAsh,Inc.

weBelongは、米国に住む10代のマイノリティ(LGBTQや、ヒスパニック、黒人など)向けの匿名制コミュニティアプリだ。生年月日、性別、ジェンダー、趣味、悩みなどを登録すると、アルゴリズムが「自分に近い属性や関心を持つグループ」をおすすめしてくれる。ユーザーはそのグループ内で、互いの悩みや関心事をテキストでチャットできる。

例えば「自分がレズビアンであることを親に言い出せない」「摂食障害に悩んでいる」「自分の体型が恥ずかしい」など、アプリ内ではさまざまなトピックについて会話が交わされる。仲の良い友達や家族に相談しにくい悩みでも、weBelongのユーザー同士では打ち明けられる。自分と近い境遇にある人たちだからこそ、安心して話ができるのだ。

他人と比較しないSNS

「米国は多様性に満ちた国なのだから、LGBTQは社会で受け入れられているのではないか?」と思われる読者もいるかもしれない。しかし、必ずしもそうとはいえない現実がある。米人権団体のHRCが行った調査によると、10代LGBTQの76%が「自分の家で自分らしくいられない」と回答。また学校においても、70%は過去にいじめを経験しているという。

20代、30代でさえ「本当の自分」をカミングアウトするには勇気がいる。このような環境下で、まして10代となると「そもそも自分の性は何なんだろう?」「これを家族に言っていいのかな?」「友達になんて思われるだろう?」と、誰にも相談できないまま殻に閉じこもってしまうのは想像に難くない。

そんな「自分らしくいる」ことに難しさを感じる、10代マイノリティに焦点を当てたのがweBelongだ。このSNSアプリがおもしろいのは、フォロー・フォロワー数や「いいね」(同アプリでは「ハグ」と呼ぶ)の数を第三者からは確認できないという点だ。よって他のSNSアプリのように、ユーザーは「数字」を競い合うことがない。自分を良く見せようとしたり、アピールしたりするインセンティブが働かないからだ。

HoloAshのCEOである岸慶紀氏は想いを語る。「weBelongは『他人と比較しない』ことにこだわっています。他のアプリのように、一部の有名なインフルエンサーが圧倒的なパワーを持つという場所にしたくはなくて、どんな人にとっても居心地の良い空間をつくりたいと思っています」。

「感謝される経験」が支えになる

weBelongは2021年1月にリリースされてから、約20万件のコメントがなされ、毎日約200人が利用している。特筆すべきは、1日あたり35分〜40分におよぶユーザーの平均滞在時間だ。これは、同社が目指した「自分と同じ属性の人と繋がれる、居心地の良い空間」を演出できている証拠だろう。

現段階では収益化は行っていないものの、岸氏の頭の中にはアイデアはいくつもある。「ただの広告モデルにはしたくないと思っています。確かに、10代マイノリティ向けに商品を展開する企業の広告を出す、ということはすぐに思いつく方法です。ただ、僕たちが目指しているのは本当にそこなのかな、と少し違和感があるんです」。

同氏は、ユーザー同士でマイクロペイメントができる仕組みやアプリ内のバーチャルコインの活用を考えているという。例えば、ユーザーAがユーザーBの悩みを聞いてあげた時、ユーザーBはお礼として数ドルをユーザーAに支払う。その支払いに対して、weBelongが少額の手数料を受け取るという形だ。

岸氏は、自身がADHDを持つ身としてこう語る。「自分がまだ小さい頃に、歯磨きを学校の先生に褒められたことがあるんです。それがたまらなくうれしくて、それ以来いつも歯磨きだけは完璧にしていた(笑)。こんな些細な出来事でも、人生を生きる大きな糧になると思うんです。weBelongでは、いろんな不安や悩みを抱えた人たちがお互いを支え合う中で、『他人から感謝される』『他人に頼りにされる』という経験を経て、自己肯定感を強めていくきっかけになって欲しいと思っています」。

現代を生きるティーンエイジャーにとって、SNSは諸刃の剣だ。自分自身を世界中に発信できる一方で、数字に依存してしまうばかりに「心が疲弊」する場合もある。フォロワー数・いいね数を競わずに、10代マイノリティの助け合いに焦点を絞るweBelongは、現代のSNSシーンにまったく別の角度から一石を投じる存在になりそうだ。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:weBelong資金調達SNSマイノリティLGBTQティーンエイジャーHoloAsh,inc

10分で食料品を配達するDijaがロンドンでダークストアを正式立ち上げ

ロンドン拠点のグローサリー配達スタートアップDija(ディジャ)が現地時間3月4日、正式に事業を開始し、2020年12月のシードファンディングで2000万ポンド(約30億円)を調達したことを認めた。TechCrunchが最初に報じたこのラウンドの一部は2020年11月にクローズした。

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同社を支援したのはBlossom Capital、Creandum、Index Venturesで、Dijaはどうやら立ち上げ前に資金調達できたようだ。実際、急成長中の「ダーク」グローサリーストア業界における欧州の初期リーダーになるための競争がヒートアップする中で、ロンドンのベンチャーキャピタルコミュニティの間ではDijaが再び資金調達に動いているとの噂がすでに駆け巡っていて、とある情報筋はその額が最大1億ポンド(約150億円)にのぼり得るとしている。

画像クレジット:Dija

欧州では過去数カ月、多くのスタートアップがグローサリーや他のコンビニ商品を注文から10〜15分で届けるとうたってサービスを立ち上げた。そうしたスタートアップは超ローカルの配達に特化した自前のフルフィルメントセンター、いわゆる「ダークストア」を持ち、そして独自に配達要員を採用している。このフルスタックあるいは垂直アプローチ、そしてそれがもたらす見通しは、ユニットエコノミクスを機能させるために十分なサプライチェーンとロジスティクスを効果的に生み出すはずだ。ただし、それはまだ証明されていない。

今週初め、ベルリン拠点のFlinkは株式と負債によるシードファンディングで5200万ドル(約56億円)を調達したと発表した。同社は株式と負債の割合を明らかにしなかったが、とある情報筋はおおよそ半々だと筆者に語った。

この業界では他に、ベルリンのGorillas、ロンドンのJiffyとWeezy、フランスのCajooなどが事業展開していて、いずれも生鮮食品とグローサリーにフォーカスしていると主張する。また、まだステルスモードながら、米国のユニコーンgoPuffと同様、よりマージンが大きいコンビニ商品にフォーカスしているZappもある。蛇足になるが、goPuffは欧州進出も狙っていて、ミニgoPuffとあだ名がつけられている英国のFancyの買収あるいは出資を現在協議している。

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話をDijaに戻そう。Deliverooで上級職として何年も働いたAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏とYusuf Saban(ユーセフ・サバン)氏によって設立されたDijaはロンドン中心部に店舗を開設し、10分でグローサリーやコンビニ商品を買い物できるとうたう。サウスケンジントン、フラム、ハックニーにハブを持ち、ロンドン中心部とゾーン2をカバーする20のハブを2021年夏までに新設する計画だと話す。各ハブは2000種の商品を扱い、これらは「希望小売価格」で販売される、としている。一律の配達料金1.99ポンド(約298円)が注文ごとに課される。

「当社が照準を絞っているのは、世界12兆ドル(約1300兆円)の産業を独占している大手スーパーマーケットチェーンです」とDijaのメノラシナ氏は筆者が競合他社について尋ねた時に語った。「そうした競合他社から当社を際立たせているのは、スピードとテクノロジーに加えて当社のチームです。私自身、そしてユーセフを含め、当社のチームは全員この成長中の破壊的な業界での経験を持っています。ユーセフはDeliverooをゼロから立ち上げて成長させました」。

メノラシナ氏は大手テイクアウトデリバリー大企業で企業戦略・開発ディレクターを務め、その前にもいくつかの役職を歴任した。同氏はまた、Instacartスタイルのグローサリーデリバリー企業Everliをイタリアで共同創業し、Just Eatでも働いた。サバン氏はDeliverooの元CEO首席補佐で、投資銀行Morgan Stanleyでも働いた。

ソフトローンチの間、Dijaの典型的な顧客はアプリを使って週に1度食品を購入した。またDijaはかなり急ぎの買い物や深夜の渇望といった他の需要にも応えてきた、とメノラシナ氏は話す。「Dijaが解決を手伝っている課題はユニバーサルで、みんなが利用できるようにDijaを設立しました。だからこそ当社は小売店の価格で商品を提供し、10分で届けます。価値と利便性を組み合わせているのです。一例として、在宅ワークやホームスクーリングで時間のやりくりを迫られている親にとってDijaはすでに大事なサービスとなっています」。

この業界に何百万ドル(数億円)という資金が注がれているにもかかわらず、筆者がプライベートで話した多くのVCは生鮮食品の近距離即配がうまく機能することについて懐疑的だ。生鮮食品は悪くなってしまうためマージンは少なく、買い物量は配達のコストをカバーするほど十分なものではない、という考えだ。

「他の企業にもあてはまるかもしれませんが、Dijaのチームのほとんどがこの業界で経験があり、購入や商品化計画からデータ、マーケティングまで取り組んでいることを正確に理解しています」とメノラシナ氏は話す。「また、当社がフルスタックモデルをとっていて他社とマージンを分け合っていないことも特筆すべきことです。買い物量の平均に関しては、顧客のニーズによって異なります。Dijaを通じて買い物すべてを行う顧客もいれば、オムツやバッテリーなど緊急の時に当社を利用する顧客もいます」。

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価格については、他の小売業者と同様、Dijaは卸売価格で商品を購入し、希望小売価格で販売していると話す。「今後当社は戦略的提携、サプライチェーン最適化、テクノロジーの向上などを含め、どのようにさらに売上をあげるかについて明確なロードマップを持っています」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:Dija

一方でアプリ立ち上げに先駆けてDijaが、ポテトチップスや処方箋なしに買える医薬品などコンビニで取り扱われている商品の販売などを含め、テイクアウトマーケットプレイスDeliverooで数多くの実験を行ったこともTechCrunchは把握している。もしあなたが「Baby & Me Pharmacy」でトイレ用品を注文したり「Valentine’s Vows」でチョコレート菓子を購入したりしたことがあるなら、おそらく無意識のうちにDijaでも買い物しているはずだ。それらのブランド、そしてその他の多くのブランドもサウスケンジントンの同じ住所から配達されている。

メノラシナ氏はDeliverooでのテストを認め「ピック&パックをきちんとテストすることなく直接消費者に向き合うことは大きなリスクです」と数週間前にWhatsAppメッセージで筆者に語った。「当社は何を売るべきか、どのように補充、ピック&パック、配達するかを純粋に学ぶために自由に使えるバーチャルブランドを作りました」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Dija食材配達配達イギリス資金調達

画像クレジット:Dija

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(文:Steve O’Hear、翻訳:Nariko Mizoguchi

「次世代ゲノム解析サービス」を健康保険組合向けに提供するZeneが5000万円調達

「次世代ゲノム解析サービス」を開発するスタートアップであるZeneは3月8日、インキュベイトファンドを引受先とした第三者割当増資により5000万円の資金調達を発表した。

Zeneは個人の遺伝子解析を通じて「生涯不変の疾病リスク」を判定し、その対応策までサポートするスタートアップだ。前職でヤフーの遺伝子解析サービスを運営し、デジタルヘルス分野に10年以上従事している井上昌洋氏が2020年2月に設立した。

一生変わらないリスクを知る

「生涯不変の疾病リスク」とはなんだろうか。例えば、糖尿病は「生活習慣病」とも言われるように、食事や運動などの生活習慣がその発症の原因となりえる病気だ。しかし、ZeneのCEOである井上氏は「(2型)糖尿病の発症には、環境的な要因だけではなく、遺伝的要因が大きく関わっています。男性で約4割、女性では約9割が、遺伝的な要因で糖尿病にかかるという最新の研究結果もあるほどです」という。個人の遺伝子は一生変わらないものなので、それに起因する疾病リスクは一生変わらないというわけだ。

井上氏は遺伝子解析サービスのメリットとして「自分にとって不変の体質リスクを知るからこそ、継続して健康的な生活を送るためのモチベーションにつながります。また毎年行う健康診断とは違って、一度実施すればよいので経済的なメリットもあります」と語る。

同社の遺伝子解析サービスとこれまでの遺伝子検査との違いは、ゲノム情報全体を統合的に解析する「ポリジェニックリスクスコア手法」を採用した点だ。数個の遺伝子をタイプ別にわけて疾患者の割合を提供するという従来の手法ではなく、AIを活用してより多くの遺伝子情報を統合的に検査するため、その解析精度は高くなるという。

健康保険組合向けの新サービス

Zeneは今回の資金調達と同時に、企業や健康保険組合に向けたサービス「Zene360」を開始した。これは社員1人あたり6000円(目安)で、遺伝子解析サービスを導入できるというもの。検査の方法はシンプルで、自宅に送られてくる専用キットで唾液を使い実施する。キットを郵送すれば完了し、後日解析レポートが郵送もしくはウェブで閲覧できる。

Zene360の解析レポートには、糖尿病・乳がん・循環器・認知症・大腸癌などの生涯不変の疾病リスクが記載されている。また、これらの注意喚起だけで終わらず、その後の対応までトータルでサポートするのが特徴だ。例えば、糖尿病リスクが高いと判明したユーザーに対しては、食事改善メニューや運動メニューを提供したり、病院での受診を提案するという。井上氏によると「従来の遺伝子解析サービスは、レポートを提出してそこで終わってしまっていたんです。レポートの結果を受けて、ユーザーが具体的な行動に移るといったことは少なかった」と自身の過去の経験を語る。

画像クレジット:Zene

健康保険組合としても、効率性の観点からメリットは大きい。井上氏は「例えば脳ドックを挙げてみましょう。これまで健康保険組合は、社員全員に脳ドックを受診するように働きかけるのが通常でした。しかし、実際に受診するのは健康オタクのような人たちだけで、せいぜい1割程度です。Zene360を使えば、どの社員が脳梗塞のリスクが高いかがわかるので、ピンポイントでそのような社員に脳ドック受診を勧めることができますし、社員側としても遺伝的な根拠があれば、受診や健康管理へのモチベーションにつながるでしょう」と話す。単純に遺伝子解析のレポートを渡すだけではなく、その後の具体的な行動案を提示することで、他の遺伝子解析サービスとの差別化を図るというわけだ。

また、社員1人あたり6000円(目安)という価格も、他の遺伝子解析サービスと比較すると大幅に安いという。この価格設定の理由として、Zeneは解析した遺伝子データを個人を識別できない形に加工したうえで、将来プラットフォーム化することを狙いとしているからだ。

井上氏は「遺伝子情報は一度取得してしまうと、その後変化はないため再度検査する必要がありません。よって『勝者総取り』の構図になりやすい業界でもあります。だからこそ導入コストを下げて、まず企業や健康保険組合に利用してもらうことが大切だと考えています」と語る。

一方で課題は明確にある。遺伝子解析サービスは、あくまで集団における「相対的な危険度」を表すものだ。それゆえ母数の日本人ユーザーが増えない限りは、解析結果の正確性を担保することが難しい。だからこそZeneは、現段階では一般個人向けのサービスではなく、企業や健康保険組合に的を絞る。検査母数が増えることで解析精度が高くなり、それによってさらに導入が増えていくという好循環を狙っていく。

米国ではすでに3000万人を超える個人によって利用されているとされ、23andMeColorなどのユニコーン企業をも生み出す巨大市場である遺伝子解析サービス。今後、日本でも順調な拡大が期待できる分野といえるだろう。

カテゴリー:バイオテック
タグ:Zene資金調達遺伝子日本

旧来の保険代理店にテクノロジーを提供するInsurGridがプレシード投資で約1.4億円を調達

保険代理店は、事務処理や電話による顧客情報の収集に何時間も費やしている。シードステージの新しいスタートアップであるInsurGrid(インシュアグリッド)は、そのような作業の負担を軽減し、もっと容易に代理店が既存の顧客にサービスを提供したり、新たな顧客を獲得できるようにするソフトウェアソリューションを開発した。

InsurGridは、保険代理店に顧客の生年月日、運転免許証情報、保険証券申告書などの情報を収集するためのパーソナライズされたプラットフォームを提供する。このプラットフォームは、代理店の従業員が長い時間電話したり、何度もeメールのやり取りをしなくても、すべての顧客の異なる情報を1カ所で理解できるようにするものだ。これは不動産や損害保険の管理から始まっている。

InsurGridは85の保険会社と統合しており、プロバイダーの代わりにソフトウェアレイヤーを提供する。InsurGridのプラットフォームを使用して、保険会社は顧客に情報をアップロードするように依頼するだけで、数秒で契約者として登録できる。これは本質的に、保険会社が顧客の情報にアクセスし、より迅速に見積もりを提供するために使用できる「生きた名刺ホルダー」となる。

画像クレジット:InsurGrid

より良いサービスを提供することは金銭的な利益になる。InsurGridを利用しているEden Insurance(エデン保険)によれば、プラットフォームを介して情報を提出した人々は、そうでない人よりも、82%高い率で成約に至るという。エデン保険代理店オーナーのJeremy Eden(ジェレミー・エデン)氏は、既存のレートよりも保険料が300ドル(約3万2500円)安いプランを提示できるようになったと述べている。

InsurGridの中心にあるのは、旧来の保険代理店が行き詰まっているという創業チームの主張である。同社の共同創業者で最高経営責任者を務めるChase Beach(チェイス・ビーチ)氏は、米国の年間損害保険料6840億ドル(約74兆1500億円)の大部分が、1万6000の保険会社で働く約80万人の代理業者に分配されていると指摘している。これまでのところ、InsurGridはこれらのうち150以上の代理店と提携している。

インシュアテック企業大手のHippo(ヒッポ)やLemonade(レモネード)、Root(ルート)と同様に、InsurGridに独自の保険を提供する計画があったかと訊かれると、ビーチ氏は今のところ販売周りのプロセスを革新することのみに取り組んでいると答えた。最近株式を公開したかあるいは公開を計画しているこれらの大企業は、まだ成功するために代理店に依存していると、ビーチ氏は語る。

「私たちが保険代理店に取って代わるのではなく、Hippoや大手キャリアと同じレベルのテクノロジーを代理店に提供したらどうでしょうか」と、ビーチ氏はいう。「そして、2021年に競争できるようにデジタル体験を提供したらどうでしょう」。

時間が経つにつれて、保険代理店はファイナンシャルアドバイザーや不動産業者のように「専門家として、プロセスに大いに関わる」役割を担うようになると、ビーチ氏は見ている。

この分野に進出した他のスタートアップには、Gabi(ガビ)、Trellis(トレリス)、Canopy Connect(キャノピー・コネクト)などがあるが、その中でInsurGridを差別化する要因は、ビーチ氏が144年の歴史がある旧来の保険出身であることだと、チームは見ている。この経歴はビーチ氏に、成功に導く効果的なやり方で代理店に販売する方法について、重要な洞察力を与えた。InsurGridは販売から始めているが、将来的には保険に関わるプロセスの他の部分にも拡大していくようだ。

新旧のスタートアップ企業に対抗するため、InsurGridは最近、プレシード投資で130万ドル(約1億4100万円)を調達した。この資金は同社の「弱者のための弱者」になるという目標を達成するために使われると、ビーチ氏は述べている。その投資家には、Engineering Capital(エンジニアリング・キャピタル)、Hustle Fund(ハッスル・ファンド)、Vess Capital(ベス・キャピタル)、Sahil Lavingia(サヒル・ラビンギア)氏、Trevor Kienzle(トレバー・キンツレ)氏などが名を連ねている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:InsurGrid保険資金調達

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Zoomでの会話を自動で文字起こしする難聴者の新しいスタートアップ「Scribe」

Optimizely(オプティマイズリー)の共同創業者Dan Siroker(ダン・シロカー)氏は、自身の新しいスタートアップScribe(スクライブ)のアイデアはいくつかの個人的な体験に端を発していると話した。そして、Scribeの初のプロダクトはZoom(ズーム)にフォーカスしているが、そうした個人的な体験はまったくZoomに関連していなかったとも述べた。

シロカー氏は、耳が聞こえなくなり始め、補聴器を装着した時に初めて「ひらめき」を得て、失うだろうと思っていた聴覚が回復したことを回想した。

「それは本当に、体が自然に失うものを増強するための機会について考えさせる閃光でした」と話した。

また同氏は、特に自身がアファンタジア(頭の中に視覚的イメージを描けないこと)を抱えていて、それは「特定の物事を記憶しておくことを難しく」するため、記憶は明らかな増強するものの候補だったと付け加えた。

シロカー氏が2010年にPete Koomen(ピート・クーメン)氏とOptimizelyを設立し、2017年にCEO職から退き、そして同スタートアップが2020年Episerverに買収されたと書くと、思い出す人もいるかもいるかもしれない(そしていまEpiserverそのものがOptimizelyにブランド変更されている)。

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早送りして現在に目を向けると、シロカー氏はいまScribeのCEOだ。同社は初のプロダクトのサインアップを受け付けている。そのプロダクトをZoomミーティングに統合すると、ミーティングを検索可能なものに、そして筆記録をシェアできるものに変える。

シロカー氏は筆者とのZoomコールの際にそれをデモンストレートしてみせてくれた。Scribeはミーティングに追加の参加者として現れ、リアルタイムの筆記録を作成しながら録画と録音をする。ミーティングの間、あるいは終了後にユーザーは筆記録を編集したり、録画の関連する部分を視聴したり、重要な箇所にハイライトをつけたりできる。

テクノロジー的な視点からいうと、これらはすべて飛躍的な前進ではなさそうだ。しかし筆者はエクスペリエンスのシームレスさに感激した。追加の参加者を加えるだけで、フル録画でき、後にそしてこの記事を書く間にも確認するのに使える検索可能な会話の筆記録を手にすることができた。

画像クレジット:Scribe

Scribeはミーティングを録画するが、テープレコーダーというよりノート取りの代わりであって欲しいとシロカー氏は話した。

「あなたと私がミーティングにいて、私がペンと紙を持ってそのミーティングに参加し、あなたが言っていることを紙に書きます。それは完全に社会的に受け入れられることです。ある意味、相手を喜ばせるものでもあります。その代わり、テープレコーダーを持ち込んであなたの前にどすっと置いて録音を始めると、もしかするとこうした経験を持っているかもしれませんが、それはかなり異なるもののように感じます」。

シロカー氏の主張の要点は、Scribeのレコーディングと筆記録は編集でき、いつでも個々の構成要素をオンにしたりオフにしたりできるということだ。

「これは永久記録ではありません。ミーティングを持つ時のように作る、ちょうどGoogle Docのような共有アーティファクトで、いつでも戻って変更を加えられます」。

とはいえ、Scribeが恥ずかしいコメントを録音することは可能で、録音はミーティング参加者をトラブルに陥れる事態を引き起こすかもしれない(結局、リークされた企業のミーティング録音は数多くの刺激的なニュースになってきた)。シロカー氏はそれが「一般的ではない」ことを望んでいるが、もし時々起こるとすればある種のさらなる透明性と責任を生み出すかもしれないと主張する。

ScribeはOpenAIのCEO、Sam Altman(サム・アルトマン)氏がリードしたラウンド、そしてFirst Round Capitalがリードしたラウンドで計500万ドル(約5億4000万円)を調達した。

画像クレジット:Scribe

シロカー氏は、ZoomをScribeにとって単に「上陸拠点」としてとらえていると筆者に語った。次に同社はGoogle MeetやMicrosoft Teamsのようなプロダクトのサポートを追加する。ゆくゆくは、組織のための新たな「集合精神」の構築を同氏は望んでいる。そこでは、会話や知識が検索可能なためにみんなが「よりスマートで向上している」。

「どこで考えるかに本当に左右されるものを追求するところでは、我々は最大のポジティブな影響を人々の暮らしにもたらすことができます」と同氏は述べた。「配偶者と交わす個人的な会話に適用するのは難しいですが、価値とプライバシーとコントロールの正しいバランスを求めれば、実際にはウィンウィンの方法でこれを人々に浸透させることができるかもしれません」。

そしてもしScribeが幅広いコンテクストにある情報を我々が記録したり思い起こしたりするのをサポートするというミッションを実際に達成すれば、我々の物事を記憶するという自然な能力に影響を及ぼすのではないか。

「イエスというのが答えで、それはオーケーだと思います」とシロカー氏は答えた。「あなたの脳のエネルギーは限られています。何週間か前に誰かが言ったことを覚えておくことは、コンピューターでもできることです。それを行うのになぜあなたの大事な脳のサイクルを無駄遣いするのでしょうか」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Scribeビデオ会議Zoom文字起こし資金調達

画像クレジット:P Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソーシャルコマースによる副収入を支援するElenasが6.5億円調達、ラテンアメリカ全域に拡大計画

コロンビアのスタートアップElenasによれば、同社はオンラインで商品を販売できるようにすることで、何万人もの女性が収入を得るのを支援しているという。同社は米国時間3月4日、シリーズAの資金調達で600万ドル(約6億5000万円)を調達したと発表した。

これは同社が2020年秋に発表した、200万ドル(約2億2000万円)のシードラウンドに加えての資金調達だ。創業者兼CEOのZach Oschin(ザック・オズチン)氏は、パンデミックで消費者が対面ショッピングに対して神経質になる状態が続く中、(特に女性の間で)高い失業率に後押しされ、需要は伸び続けていると述べている。

「当社はこれまで数万人の女性に、副収入を得る機会を提供してきました」とオズチン氏は語る。

同氏は、Elenasは基本的に、ラテンアメリカ全域で1100万人の女性が関与している直販・カタログ販売モデルを改革したものだという。独立した売り手 / 起業家(必ずしもそうではないが、多くの場合、女性)は、250以上の代理店やブランドから、美容、パーソナルケア、電子機器のようなカテゴリの製品のカタログを、割引された卸売価格で閲覧できるようになっている。そして何を売りたいか、利益を含めた価格をいくらにするか決めて、WhatsAppやFacebookなどのソーシャルチャンネルで製品を宣伝する仕組みだ。

デジタルに重点を置いていることに加え、リスクが少ないため、Elenasのモデルはリセラーにとってより優れているとオズチン氏は語る。「これは従来の直販とは大きく異なり、起業家が在庫を抱えないモデルです。また、支払いの回収や配送などは、Elenasとその代理店パートナーがすべて処理するため、起業家は関与する必要がありません」。

「当社の目標は、女性が店舗を運営するために必要なものをすべて提供するバックエンドのオペレーティングシステムを提供することです」と同氏は付け加えた。

Elenasはリセラーのために自動化されたオンボーディングプロセスを提供しているが、その後アプリ内でも「どうしたら売れるか、販売方法のトレーニングを多く行っています」とオズチン氏は語った。

ElenasのCEOザック・オズチン氏(画像クレジット:Elenas)

(2018年にTechCrunchのラテンアメリカStartup Battlefieldに参加した)同社はこれまでに、リセラーに対し700万ドル(約7億6000万円)以上を支払っているという。性別で参加を制限しているわけではないが、オズチン氏の推定によれば、リセラーの95%以上が女性で、そのうち80%が30歳以下、そして約3分の1はこれ以前に直販の経験がないという。

今回の新たな資金調達はLeo Capital,、FJ Labs、Alpha4 Ventures、そしてMeeshoからの出資による。オズチン氏によると、同社の投資家は6つの大陸にまたがっており、国際的なビジョンを反映しているという。実際、同社の次なるステップの1つは、メキシコそしてペルーを皮切りにラテンアメリカ各国に拡大することだ。

Leo Capitalの共同設立者であるShwetank Verma(シュウェタンク・ヴェルマ)氏は声明の中で次のように述べた。「インドと中国でのソーシャルコマースの急成長を見てきて、今回この地域に適した製品と運営モデルを体現してきたElenasとパートナーを組むことに興奮しています。Elenasのチームは包括的でインパクトのあるソリューションを構築しており、これから飛躍的な成長を見込める立場にあります」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Elenasラテンアメリカeコマース資金調達副業コロンビア

画像クレジット:Elenas

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(文:Anthony Ha、翻訳:Aya Nakazato)

‍仮想通貨プラットフォームのEcoがa16z主導のラウンドで28億円調達

デジタルグローバル仮想通貨プラットフォームを構築したEco(エコ)は米国時間3月5日、a16z Cryptoがリードする資金調達ラウンドで2600万ドル(約28億円)を調達したと発表した。

2018年創業でサンフランシスコを拠点とするEcoのプラットフォームは、毎日の取引に世界中で利用できる支払いツールとして設計されている。同社は「銀行、当座預金口座、クレジットカードのいずれでもない」と強調する。

「私たちはそれらすべての組み合わせよりも優れたものを構築しています」とブログ投稿で述べた。このCoinListの記事によると、同社のミッションは「貯蓄と支出を結びつける」方法として仮想通貨を利用する取り組みとしても説明されている。

Ecoのユーザーは、Amazon(アマゾン)、Uber(ウーバー)などの業者と取引するときに、預金で年間最大5%を稼ぎ、5%のキャッシュバックを得ることができる。同社は次のステップとして、ユーザーに対し請求書の支払いや友人への支払いなどの機能を「すべて同じ単一のウォレットから」提供すると述べる。その同じウォレットで、お金を使ったり節約するたびにリワードを受け取れるという。

数百万ドル(数億円)を預ったアルファテストが「成功した」後、Ecoアプリが一般に公開された。

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Founders Fund、Activant Capital、Slow Ventures、Coinbase Ventures、Tribe Capital、Valor Capital Groupなど多くのベンチャーキャピタルに加え、100以上のファンドやエンジェルなどがEcoの今回の資金調達に参加した。ExpaとPantera CapitalがEcoの850万ドル(約9億円)の資金調達ラウンドを共同でリードした。

CoinListの共同創業者であるAndy Bromberg(アンディ・ブロムバーグ)氏は、Ecoを率いるために2020年の秋に退任した。Coindeskによれば、このスタートアップは当初、ブランド名をEcoに変更する前はBeamと呼ばれていた。「Ecoブランドを保持していた創業アドバイザーのGarrett Camp(ギャレット・キャンプ)氏の関与のおかげです」。キャンプ氏はUberの共同創業者であり、Expaは同氏のベンチャーファンドだ。

a16z Cryptoにとって、このラウンドをリードしたことは同社のミッションに沿っている。

Katie Haun(ケイティ・ホーン)氏とArianna Simpson(アリアナ・シンプソン)氏が共同執筆したブログ投稿で、同社がなぜEcoとその計画に夢中になっているのかを概説した。

「新しい業界での課題の1つは、仮想通貨も例外ではありませんが、ただクールであるだけでなく、幅広いユーザーにリーチして喜ばせるものを構築することです」と述べる。「テクノロジーは、はっきりと目に見える形でかつ具体的な方法で人々の生活を改善するときが最高の状態です。a16z Cryptoでは、仮想通貨をさらに10億人が利用できる道を常に探しています。どのようにしてそれが達成できるでしょうか。人々がすでにやりたいと考えていること、つまり支出、節約、収益の達成を支援することによって、そしてユーザーに基盤となるテクノロジーではなく具体的なメリットに目を向けてもらうことによってだと思います」。

Ecoは、ユーザーにリワードを提供する唯一の仮想通貨プラットフォームではない。Lolliは、買い物をするユーザーに1000以上のトップストアで無料のビットコインまたは現金を提供する。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Eco仮想通貨資金調達

画像クレジット:Sarote Pruksachat/Moment / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

出産やメンタルヘルスなどデリケートな問題のケアを女性が受けやすくするバングラディシュのMayaが約2.3億円調達

Mayaは、妊娠と出産やメンタルヘルスのような特にデリケートな問題に関するヘルスケアを女性が利用しやすくなるよう尽力している。現在、バングラデシュを拠点とし、シンガポールで法人化したこのスタートアップは、新たな国々へと事業を拡大している。現地時間2月9日、Mayaは220万ドル(約2億3220万円)のシード資金調達をしたことを発表した。これはバングラデシュのヘルステック企業がこれまでに調達した最高額だといわれている。このラウンドは、アーリーステージファンドのAnchorless Bangladeshとアジア市場へのインパクト投資に特化する未公開株式投資会社のThe Osiris Groupが主導した。

この資金はMayaの遠隔医療プラットフォームへの新製品の導入および国際的な事業拡大に使用される。最近、Mayaはスリランカに参入し、インド、パキスタン、中近東の国々でのテストを開始した。また、東南アジアへの参入も計画している。

Mayaはデジタルアシスタントに自然言語処理と機械学習テクノロジーを使用しており、基礎的な健康に関する質問に答え、ユーザーが専門家に相談する必要があるかどうかを決める。約1000万人のユニークユーザーがおり、現在、プラットフォーム上には300人以上の有資格のヘルスケア提供者がいる。

設立者であり最高経営責任者のIvy Huq Russell(アイビー・ハク・ラッセル)氏は、大学進学のために英国に渡る前は、チッタゴンおよびダッカで育った。Mayaは2011年にヘルスケア情報のブログとして始まった。当時、ラッセル氏は金融業界で働いていた。彼女はちょうど第一子を出産したばかりだったが、彼女の母親が乳がんと診断されることが重なった。ラッセル氏は、バングラデシュで病院にかかるには経済的障壁、医療提供者不足、クリニックまでの長い移動時間など、多くの課題があることに気づいた、とTechCrunchに語った。

Mayaは信頼の置ける健康情報の提供を目指して始められたが、サイト訪問者がさらなる支援を必要としていることがすぐに判明した。性的虐待、レイプ、家庭内暴力の被害者など、多くの人々がWhatsApp、メール、あるいはサイトのチャットボックスを通じてメッセージを送ってきた。バングラデシュの非政府組織であるBRACから助成金を受けた後、Mayaのチームはユーザーを医療情報や専門家とつなぐアプリの開発を始めた。

Mayaのホームスクリーン

「2つの事柄に特に注力しました」とラッセル氏は述べた。「1つは、ユーザーの言語で、コミュニティ内で信頼をいかに築くかということです。快適に使用できる言語でコミュニケーションを取ることが非常に重要だからです。同時に、ものすごい数の質問を受け取り始めてすぐに、コンピューターで対応する専門家が50人だけでは対応しきれないことに気付きました」。

ベンガル語と地域の方言をサポートするために、Mayaは2年以上もの間、自然言語処理のテクノロジー開発に注力した。データサイエンティストや言語学者の協力のもと、Google Launchpadのアクセラレータプログラムに参加し、トークナイゼーションや機械学習アルゴリズムのトレーニングに取り組んだ。現在、Mayaは約95%の精度でベンガル語での50の基礎的な質問への自動応答が可能となっている、とラッセル氏は述べた。これまでにプラットフォームが処理した400万件の質問のうち、約半分は人工知能技術により回答されている。またウルドゥー語、ヒンディー語、アラビア語をサポートするための自然言語処理技術にも取り組んでいる。

質問の多くは性または妊娠と出産に関してであり、プラットフォームではメンタルヘルスに関する質問も増加している。これらはユーザーが直接相談するのをためらいがちなトピックだ。

「バングラデシュで育つと、最低限の性教育があるだけです。学校での授業はありません。また、ここ1,2年で、多くのメンタルヘルスに関する質問が見られるようになりました。これはメンタルヘルスについて話すよう働きかけたことの成果だと思います」とラッセル氏は述べた。「従来の医療制度では率直に質問できなかったことについて、私たちに聞いてくるのはごく自然なことです」と付け加えた。

現在、Mayaの約30%を占める男性ユーザーからの質問も増えてきている。その多くは避妊や家族計画、あるいはパートナーの医学的な問題への支援方法に関するの質問だ。ユーザーのプライバシーを守るため、相談はエンド・ツー・エンドで暗号化され、専門家には個人情報ではなく、ランダムに生成されたIDのみが表示される。

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専門家の対応が必要かどうかを見極めるために、Mayaのアルゴリズムは質問の長さ、複雑さ、および口調に基づいた緊急性を考慮する。例えば「お願いです、どうか、どうか助けてください」と書かれていたら自動的に専門家へと案内される。メンタルヘルスに関する質問の大半も専門家へと送られる。

Mayaは身体の健康と精神の健康に対して、別々の問題として取り扱うのではなく、全体的アプローチを取っている、とラッセル氏は述べた。

「質問は身体の健康問題についてだけではありません。『ヒジャブを着て走りに行きたいのですが、とても気まずく感じます』といった質問もあります」とラッセル氏は述べた。「ごく普通の質問に聞こえますが、含みのある質問です。こうしたことは日常的にメンタルヘルスに影響を与えているからです」。

目標の1つは、このアプリを使いやすくして、さらに気軽に支援を求められるようにすることだ。「ユーザーが赤ちゃんを産んだ際には、本当に、オフィスにお菓子が送られてきました」とラッセル氏は述べた。「Mayaは心身両方の健康状態を合わせて対応しているため、人間味を感じてもらえているのだと思います」。

現在、同社はさまざまな収益化モデルに取り組んでいる。1つは、Mayaをサービスとしてのソフトウェアとして位置づけ、雇用主が従業員に福利厚生として提供する企業間取引販売だ。縫製業はバングラデシュ最大の輸出産業の1つであり、従業員の多くはMayaの典型的なユーザープロファイルと一致する若い女性たちだ。同社はマークス&スペンサー、プライマーク、バングラデシュ縫製業・輸出業者協会(BGMEA)と連携してきた。

もう1つの企業間取引は、保険会社と提携してMayaを特典として提供することだ。消費者直接取引の面では、最近、Mayaはアプリ内でのオンライン診察や処方箋の送付などのプレミアムサービスを開始した。新型コロナウイルスの世界的流行で需要は急激に増加し、現在では10秒ごとに約1回の診察を行っている。ラッセル氏は世界的流行の収束後も多くのユーザーが遠隔医療を継続して使用することを期待している。

「ユーザーは目の前に医師がいることの利点を実感しています」とラッセル氏は述べた。「慢性疾患がある人にとっては、毎週どこかに通院しなくても良いので、便利になります。経過観察をして履歴が残されるので、定期的な利用者にも有益です」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Mayaバングラデシュ資金調達メンタルヘルス

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(文:Catherine Shu、翻訳:Dragonfly)

ポケモンカードやレアなおもちゃなどコレクター品をライブ配信で販売するアプリ「Whatnot」が21.7億円調達

2020年2月にWhatnotについて最初の記事を書いたとき、同社はまだスタートしたばかりだった。収集価値のあるおもちゃのGOAT(the greatest of all time、史上最高)になることを目指し、同社は当初、本物だと証明されたFUNKO POPフィギュアを売買するための信頼できる場になることに焦点を当てていた。

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数カ月後、Whatnotはピンバッジやポケモンカードなどのカテゴリーを拡大し、ライブショッピングプラットフォームの構築を開始した。テレビのショッピングチャンネルのようなものだが、スタジオやカメラクルーの代わりに、自宅でiPhoneのカメラを使い、仲間のコレクター向けにストリーミングして売るわけだ。このコンセプトはすでに中国で人気が実証されており、米国のコレクターの間でも人気が出始めていた。しかし、これらの米国発ライブストリームの多くは、実際に入札や販売が発生した後の支払いを処理できるように作られていないInstagramライブで配信されていた。Whatnotは市場のギャップを見出し、それを埋めたいと考えた。

その動きは、同社チームにとって順調に運んでいるようだ。2020年末、Whatnotは400万ドル(約4億3000万円)のシードラウンドを調達した。それからわずか数カ月しか経っていないが、同社はライブショッピングプラットフォームの勢いに乗り、より多くの収集品カテゴリに拡大することを目指し、新たに2000万ドル(約21億7000万円)を調達した。

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同社によると、このシリーズAラウンドはAndreessen HorowitzのConnie Chan(コニー・チャン)氏が主導し、YC、Wonder Ventures、Operator Partners、Scribble Ventures、ミュージシャン・DJとしても知られるSteve Aoki(スティーヴ・アオキ)氏、そしてエンジェル投資家のChris Zarou(クリス・ザロウ)氏が参加したという。

Whatnot はより伝統的な、ライブ配信ではない販売プラットフォームも提供し続けている。しかし、共同設立者のGrant LaFontaine(グラント・ラフォンテーヌ)氏は、同社チームの取り組みの「95%」は現在ライブストリーム側に集中している、と語った。

「人々が当社(アプリ)に来てくれるのは実際ライブが目当てですが、そうした後に『10種類の違うアプリを使って売るのは面倒だ』と感じるユーザーも多いでしょうから、ワンストップショップになるためのツールを提供しています」と彼はいう。

2020年12月に言及したように、Whatnot上のライブ配信の中でますます人気のあるタイプは「カードブレーク(card break)」だ。その仕組みは以下のようになっている。

複数のユーザーが自分たちのお金をプールして、カードパックの箱全体を購入します。これは多くの場合、もはや生産されていない箱で、入手するのに数千ドルかかることもあります。各ユーザーは番号を取得し、それぞれの番号は箱の中の特定のパック(または複数のパック)に関連付けられています。各パックはライブ配信で開封され、中身はそのパックの番号に紐付けられた(うまくいけば?)ラッキーな所有者に送られます。

なぜまた資金調達を行ったのか?ラフォンテーヌ氏によると、より多くのカテゴリーに迅速に進出するためだという。同社は現在、主にポケモンカード、FUNKO POP、FigPins、そしてスポーツカードに焦点を当てているが、コミックブック、ビデオゲーム、ビンテージハードウェアなども自然にかみ合うと同社は考えている。新しいカテゴリーに飛び込むということは、そのためのコミュニティを構築し、信頼できる売り手がプラットフォームに加わるよう説得し、それを価値あるものにするために適切な買い手にマーケティングを行うことを意味する。同社のチームは、いずれ100以上のカテゴリーを対象にする予定だという。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:WhatnotGOAT資金調達

画像クレジット:Whatnot

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Aya Nakazato)

病気の診断向上を目指し検査とデータ統合を行うHalo Dxが約20億円調達

ヘルスケアは最も複雑な産業の1つだ。消費者サイドでは不満を募らせている一方で、ある意味、シンプルなメソッドで大きく改善する余地がある。Halo Diagnostics(ハロ・ダイアグノスティクス、略してDx)は、複数のテストの実施と改善したプロセスをプロバイダーが簡単に利用できるようにすることで、いくつかの深刻な病気の診断を向上させるべくシリーズAで1900万ドル(約20億6000万円)を調達した。同社はまた、それを達成するために必要となる医療施設を即金で購入するために8桁の信用供与を活用するという異例の措置を取った。

大きな健康問題に対処しなければならなかった人ならわかるだろうが、受けるケアは多くの要因によりプロバイダーごとに大きく異なる。あなたの保険のカバー範囲だけでなく、プロバイダーがすでに使っているメソッドが何かにもよる。

例えば前立腺がんの検査を受けに行く男性にとって、一般的な血液検査や直腸診は何年も変わっていない。そしてその検査は罹患の予測に関してはそれほどいいものではなく、不確実性、そして生検のような不必要な処置へとつながる。

もちろん、あなたが幸運ならあなたのプロバイダーは、問題を見つけることにかけてもっと優秀な項目の多いMRIを提供するかもしれない。そしてMRIと、遺伝子マーカーを調べる尿テストを組み合わせれば、がん検知の精度は実質的に絶対確実レベルに上がる。

しかしこれらのテストはより高価で、特別な施設と人員が必要でプロバイダーの既存のインフラに収まらないかもしれない。Haloはこの種のマルチ要因診断を可能にするために、医療データのストリームを改良することでそうしたインフラを提供することを目指している。

「基本的に医師や画像センターは最新レベルのケアを提供していません。もしあなたが幸運ならそうしたケアを受けられるかもしれませんが、地域の医療ではそうはならないでしょう」とHalo Dxの共同創業者でプロダクト最高責任者のBrian Axe(ブライン・アクス)氏は話した。「ひねくれて聞こえるかもしれませんが、ヘルスケア産業が最新の医学の進歩を受け入れるのに必要なものは、より良い結果に加えて良い財政です。問題は統合された診断ソリューションであり、どうやってそうしたオーダーを受け、市場開拓し、プライマリーケアのプロバイダーと話すかです」。

さらに障害となるのは、複数の手段のテストが、医療画像やテストのプロバイダーがそうしたものを行うよう決める種のものではないとうことだ。画像センターは、尿検査の信頼性が向上しているとは聞かないだろうし「隣の建物を買ってそれをやろう」とは思わないだろう。テスト施設を建てるのはコストがかかり複雑で、テストを行ってその結果を組み合わせるのに専門家を雇うのもさらなるハードルだ。

なのでHalo Dxは数千万ドル(数十億円)とともにパラシュートで降下し、画像とテストのセンター(これまでに4カ所)を購入し、そのオペレーションを引き継いで他のテストと組み合わせている。

若い企業がかなりの責任を負うのは愚かに見えるかもしれないが、これら画像センターがすでに強力な事業となっているのをサポートしている。放棄されておらず、費用の半分しか払われていないMRI装置が赤字運用されてもいない。

「画像の注文はすでに入ってきています。センターは利益を上げています。センターはいかにテクノロジーが自分たちをディスラプトするかを目の当たりにしているため、参加し始めています。そして彼らは変化を手伝いたいと考えています」とアクス氏は述べた。

前立腺がんと乳がんが最初のターゲットだ。しかしより多くの、そしてより良いデータによって、多発性硬化症やパーキンソン病、他の神経変性疾患などの病気にも向上した診断と治療が提供される。

1つの企業が画像やテスト施設の運営、結果の統合など複数の業務を行うことで、プロバイダーの利用は大いに見込める。そしてHalo Dxは、医療データ管理とコミュニケーションという歴史的に無視されてきた分野に関わるために、企業グレードのソフトウェア専門性を持ち込もうとしている。

この分野の危険にさらされていたそうした側面について、アクス氏は同社の最高医療責任者であるJohn Feller(ジョン・フェラー)博士に従った。

「フェラー博士はこの問題をかなり上手に描写します。『私はあなたの体内を見ることができる最先端のMRI装置を持っています。しかし取り込みからストレージセンターに至るまで細分化されたソリューションのために、私はドットコム時代前に生きているように感じていて、不自由です』と表現しました」とアクス氏は回想した。「あなたが記録や推奨された追加のテストを見たくても、ソフトウェアベンダーは互いに話をせず、統合もしません。互いに話して欲しい3つのプロバイダーをあなたは抱え、そうしたプロバイダー間には1ダースのシステムがあります」。

アクス氏はHalo DxのアプローチをOne Medicalのものと比較した。そのアプローチで効率を向上させ、消費者との関係をより軽快かつ簡単なものにすることでやり取りの増加につながっている。

1億近くの義務を負い、極めて複雑でかなり規制が厳しい業界に飛び込むというのはいくつかの点でリスクのある動きのようにみえる。しかしチームは熟練していて、出資者は注目に値し、成長する可能性はすぐそこにある。そしてOne Medicalなどのような成功が関係者全員を大胆にした。

Zola Global Investorsがラウンドをリードし、医療、テック分野からの出資者は以下のとおりだ。Anne Wojcicki(アン・ウォイッキ)氏、Fred Moll(フレッド・モール)氏、Stephen Pomeranz(スティーブン・ポメランツ)氏、Bob Reed(ボブ・リード)氏、Robert Ciardi(ロバート・チャルディ)氏、Jim Pallotta(ジム・パロッタ)氏、そして信じないかもしれないがNFL殿堂入りした49ersのRonnie Lott(ロニー・ロット)氏もいる。

上記の、そしてその他の投資家らはHalo Dxがケアを拡大・向上させるために取っているモデルと特異なアプローチの両方に大きな自信を示す力強い声明に名を連ねた。しかしながら、ここではあなたがそうしたサービスを利用する必要がないことを願う。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Halo Diagnostics資金調達

画像クレジット:Halo Dx

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

柔軟な保険を提供する独インシュアテックHepsterがシリーズAで10.8億円調達

ドイツのインシュアテックプラットフォームであるHepster(ヘプスター)は、Element Venturesが主導するシリーズAラウンドで1000万ドル(約10億8000万円)を調達した。また、Seventure Partners、MBMV、GPS Venturesや、既存投資家も参加した。この資金は、自動化に重点を置きながらHepster保険エコシステムとそのネットワークを拡大するために使う。

ドイツの保険市場は新しいやり方が採用されるのが遅いことで有名だ。Hepsterはこの状況を利用するドイツの保険スタートアップとして、新しい波の一翼を担う。Hepsterを利用すれば、企業は個々のサービスや業界のニーズに合わせて保険契約をゼロから構築できる。例えばeコマースプレイヤーはHepsterが提供するような保険商品をeコマースの旅に組み込むことができる。

したがって、同社の製品は新しいセクターにより適している。例えばドイツの従来のブローカーがカバーすることが滅多になかったようなeバイクのシェアやピア・ツー_ピアレンタルプラットフォームなどだ。ただし、Hepsterは従来の確立された業界にも対応している。

同社には現在700を超えるパートナーがいる。欧州の自転車小売とレンタルを行うGreenstorm MobilityやBaron Mobility、ベルリンを拠点とするカーゴバイクプロバイダーのCitkarやミュンヘンのeバイクスタートアップSUSHIなどだ。

Hepsterの共同創業者でCEOのChristian Range(クリスチャン・レンジ)氏は、声明で次のように述べた。「API主導のエコシステムを備えた最先端のテクノロジーと高度なサービス指向のアプローチにより、私たちは他社とは一線を画しています」。

「ドイツは最もタフな市場であり、最も多くの規制、最も多くの法律があります。ドイツには『ドイツで上手く行くならどこでも上手くいく』という表現があります。また、ドイツ人はあらゆる意味で保険が大好きなので、保険商品の販売という点では大きな市場です。したがって、ドイツには大きな市場の可能性があると思います」とレンジ氏はインタビューで語った。

Element VenturesのパートナーであるMichael McFadgen(マイケル・マクファジェン)氏は次のように述べた。「新しい業界やビジネスモデルが出現するにつれ、企業は従来のブローカーが現在提供してきたものよりもはるかに柔軟な保険の提案を必要とするようになっています。Hepsterはこの分野で突出した企業です。組み込み保険に注力することにより、今後数年間で見返りがあると思われます」。

カテゴリー:その他
タグ:Hepster保険ドイツ資金調達

画像クレジット:Hepster

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

現代のカップルに合わせた銀行サービスの形

Zeta(ゼタ)共同創業者Aditi Shekar(アディチ・シェカール)氏は3年間にわたって、カップルがカード決済や割り勘などで財布を共有して管理する方法を追跡してきた。その努力の結果、何万組ものカップルが無料の家計簿アプリ体験に登録するまでになった。こうして収集した情報が、ベンチャー支援のスタートアップとして結実した。

カップルが財布をひとまとめにできる新しいフィンテックプラットフォームのゼタは、共同名義の銀行口座というコンセプトを作りたいわけではない。口座を現代の家族に合わせた形にしようとしているのだ。現在、共同名義の口座というものには透明性が欠けており、人生におけるさまざまな関係から生じた複数のユーザーを口座に追加するオプションが欠けている。一般的な共同名義口座はほとんどの場合、お互いの口座に全面的にアクセスできるようにしているだけで、支払いを細かく分けることはできない。

付き合っている相手との割り勘や支払いにストレスを経験した彼女自身の経験から、起業したシェカール氏は「カップルが支払いに関してあれこれ考えずに済むようにすることが、ゼタの目標だ」と説明する。

シェカール氏と共同創業者のKevin Hopkins(ケヴィン・ホプキンス)氏はこのビジョンを背景に、Deciens Capital(デサイエンス・キャピタル)とPrecursor(プレカーサー)が率いるラウンドで150万ドル(約1億5740万円)を調達した。また、Chime(チャイム)、Square(スクエア)、PayPal(ペイパル)、Venmo(ベンモ)、Google(グーグル)、Facebook(フェイスブック)、Weight Watchers(ウェイトウォッチャーズ)の幹部も出資した。シェカール氏によると、資本政策表の57%は女性または有色人種だという。

「当社はある意味で、ベンモが対応できない分野にマッチする存在だと考えている。ベンモを使って、ときには1日に6回も互いにお金を送金し合っているカップルがいる。こうした面倒なやり取りを肩代わりしてあげたい」とシェカール氏は言う。ゼタはカップル向けのツールとして市場に参入したが、シェカール氏は、現代のあらゆる世帯が安心して運用できる口座になるという壮大な構想を練っている。

ゼタのようなツールは、毎日のお金の管理を簡単に済ませることが目的だ。つまり、家賃の支払いに必要な小切手の発行、食費の分割、ディナーの割り勘、お小遣いの支払いなどだ。

つまり、ゼタは既存の銀行口座にバンキングサービスを統合できるデジタルな部分を加えることで、First Republic(ファーストリパブリック)やChase(チェイス)に取って代わる存在となる。カップルがゼタをダウンロードすると、2人が持っている既存の口座をまとめるゼタの共同カードと共同名義の口座が用意される。共同カードを使用すると、カップルが同じ口座から支払うことが可能だ。

今のところ、ゼタの口座の主な使い方は2つだ。まず、家賃や住宅ローンなどの固定費を支払う際に使う方法。もう1つは、2人の目標(コロナ収束後の旅行や車や家など2人で共有する大きな買い物など)を達成するための預金口座として使う方法だ。利用者は自分のメイン口座からゼタに必要な額だけ入金しておき、2人の出費を支払う時にゼタのデビットカードで決済する。個人的な買い物には使用しない。

「直接振り込めるフィンテックは無数に存在するが、ゼタは既存の口座を基盤として利用できるため、残高を全額送金する必要はない」とシェカール氏は言う。

ゼタは手数料(マーチャントが支払いを処理するのに要する費用)から収益を得る。チャイムと同じ手法だ。手数料の一部がゼタに、一部が銀行に支払われる。

「付き合っている相手と一緒に家賃を支払ったり、請求書の支払いを共有したりする場合は、ゼタが自然な選択になる」と同氏は言う。

「率直にいって、従来の金融機関はユーザーをバラバラにしか見てこなかった。フィンテックは我々が思っているよりも社会の現状に合わせようとしている」とシェカール氏は言う。

ゼタが成功した理由には、多くの人が自分の口座を継続的かつ有意義な方法で共有したいと考えているということがある。また、銀行のサービスが個人よりもグループを重視する方向に、早期かつ大々的に移行する準備が整っているという理由もある。こうした移行は困難に思えるが、ベンモやSplitwise(スプリットワイズ)などのアプリ、また数週間前のGameStop(ゲームストップ)騒動のような現象が示すように、すでにソーシャルファイナンスが大きな流れであることを認識している。

マルチプレーヤーフィンテック(現状にフォーカスした消費者にやさしい銀行サービスを分類する用語)に参入することで注目を集めているスタートアップは他にもある。グループファイナンスプラットフォームであるBraid(ブレイド)は、同居世帯やサイドビジネス、創造的なプロジェクトまで、さまざまな利用者向けの取引に対応しようと考えている。

ブレイドの創業者Amanda Peyton(アマンダ・ペイトン)氏が説明するように、複数の人が共有できるソーシャルファイナンスという概念を2つのフェーズに分割すると、フェーズ1.0がVenmoである。フェーズ2.0では、「口座レベルと取引レベルでお金を共有できるようになる」と同氏は言う。

「現在、主流となっているさまざまな銀行サービスは、自分とパートナーのお金を別々に管理している。ソーシャルファイナンス2.0では、双方のお金という考え方が導入される」とペイトン氏は言う。

「銀行はこれまで、自行の顧客ベースを拡大することを優先させてきた。銀行はZelle(ゼル)のサービスを除いて、メインの預金口座が他行でもお金を共有できるサービスにはあまり投資してこなかった」と同氏は説明する。「そのような製品に投資しても、銀行は目に見える利益をほとんど得られないからだ」

「ゼタは、支払いや将来のための貯蓄など、カップルやファミリーに特化することでブレイドとの差別化を図っている。シェカール氏によると、税金の支払いや婚前契約など、さらに広範にわたってファミリー向けのサービスを今後サポートしていく予定だという。現時点では、ゼタの1口座につき2人までしか参加できないが、ブレイドの共同名義口座には複数のユーザーを追加する機能が用意されている。

ゼタにとって最大の課題は、利用するカップルが2人で運用する口座を共有できるほど充分に信頼し合っているかどうかという点だ。個人主義というのは、ツールが不足しているからという銀行側の手抜きの結果ではなく、自分のお金を自分で管理したいという利用者の選択の結果である。もちろん、お金を共有することの裏返しとして、カップルの関係が終わってしまったときのやり取りが面倒という問題がある。

画像クレジット: Zeta

「我々が構築した最初の機能は、口座の分割だった」とシェカール氏は言う。カップルが別れてしまったとき、共有口座のお金がどうなるのかについて、ゼタには明確な規定がない(というより、お金の折半を必要とする条項がない)。

ゼタは今後、「関係が終わってしまったときに」口座をどうするかについて、登録時に利用者に尋ねる機能を追加することを考えている。

「口座を共同で作る際には、相手を心から信頼している必要がある」と同氏は言う。「相手を信頼していないなら、ゼタを使う準備ができていないということだ」。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:資金調達

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

銀行の顧客満足度向上を支援するスタートアップ「Flourish」が1.6億円を調達

昨今、米国拠点の投資家がラテンアメリカのスタートアップを支援する話は珍しくない。

しかし、ラテンアメリカのVCが米国拠点のスタートアップに投資する話を聞くのは毎日のことではない。

カリフォルニア州バークリー拠点のフィンテックFlourish(フローリッシュ)は調達ラウンドで150万ドル(約1億6000万円)を獲得した。ラウンドはブラジルのベンチャーキャピタル、Canaryがリードした。Pedro Moura(ペドロ・モウラ)氏とJessica Eting(ジェシカ・エティング)氏が設立したこのスタートアップは銀行、フィンテック、信用組合などに「エンゲージメントと健全な金融」のためのソリューションを提供し、顧客の獲得、維持を支援することを目標にしている。

ラウンドにはXochi Ventures、First Check Ventures、Magma Capital、およびGV Angelsの他、元ブラジルBank of AmericaのCEOであるRodrigo Zavier(ロドリゴ・ザビエル)氏、元ScwabのBeth Stelluto(ベス・ステルト)氏、The People Fundのプレジデント兼CEOであるGustavo Lasala(グスタボ・ラサラ)氏、およびViva RealのファウンダーであるBrian Requarth(ブライアン・レクォース)氏といった戦略的エンジェル投資家も参加した。

米国、ボリビア、ブラジルに顧客を有するFlourishは、3つの柱からなるソリューションを開発した。

  • ユーザーが資産を蓄えあるいは投資することを動機づける報奨機構
  • ユーザーがルールをカスタマイズできる(好きなスポーツチームが勝った時は積立預金に15ドル入金するなど)自動化された少額貯金機能
  • 個人の入出金や消費パターンをQ&Aゲームにする金融知識モジュール

Flourishはまず米国で、CommonWealth and Opportunity Fundなどの組織と協力してエンドユーザー機構をテストすることから始めた。2019年に、SDKまたはAPI経由で銀行と統合可能なバンキングプラットフォームのパイロット版としてB2CバージョンのFlourishアプリ(Flourish Savings App)を公開した。現在は米国全土の銀行、小売店、フィンテック向けにエンゲージメントテクノロジーのライセンス供与も行っている。Flourishは自社のソリューションを、米国拠点の信用組合やSicoob(ブラジル最大の信用組合)およびボリビアのBancoSolにライセンスあるいはパイロット提供している。

同社は、ユーザーの活性化とエンゲージメントに焦点を合わせたパートナーシップモデルを通じて収益を上げている。

ともに移民であるモウラ氏とエティング氏は、カリフォルニア大学バークレー校のハースビジネススクールで出会った。モウラ氏は10代のときにブラジルから米国に渡り、エティング氏はフィリピン人の父とメキシコ系の母の娘だ。

2人は、前向きな金銭感覚を持ち、自分の財産を理解する能力を人々に与えるビジネスを構築する、という共通のミッションで繋がった。

現在11名からなるチームが米国、メキシコ、およびブラジルで働いている。新たな資金はラテンアメリカの顧客増加、追加雇用、およびFlourishプラットフォームの新機能開発に使う計画だ。

具体的には、ブラジル市場に焦点を当て、中南米のいくつかの国で規模を拡大する。

「ラテンアメリカ、より具体的にはブラジルが今我々にとって魅力的である理由が3つあります」とモウラ氏は語った。「現在B2B金融テクノロジーは生まれたばかりです。これに銀行規制の緩和、および責任あるプロダクトの需要が合わさって、ブラジルはFlourishにユニークなチャンスをもたらしているのです」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Flourish資金調達

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nob Takahashi / facebook

会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」を運営するAUTHENTIC JAPANが総額2億2000万円の資金調達実施

総額2億2000万円の資金調達を実施

総額2億2000万円の資金調達を実施

会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」を運営するAUTHENTIC JAPANは3月5日、第三者割当増資による1億5000万円の資金調達を行ったと発表した。引受先はUNICORNファンド投資事業有限責任組合と西日本新聞社、NCBベンチャー投資事業有限責任組合の3者で、日本政策金融公庫による7000万円の借入を合わせ、今回の調達総額は2億2000万円となった。

ココヘリは、山で遭難などが発生したとき、発信機型会員証と全国エリアの捜索ネットワークで会員の居場所を正確に把握し、位置情報を救助機関に引き継ぐ会員制捜索ヘリサービスだ。捜索は3回のフライトまで無料で、会員数は3万人を超えている。スタンダードプランは初年度の年会費が3650円で、以後5000円となる。プランにはスマホでの捜索機能や個人賠償責任制度、アウトドア用品保障が付いている。

ココヘリサービスで使用する発信機(会員証)は同社が開発し、専用アンテナを使えば最長16キロメートル先の遭難者の電波を捉える。山間部でもピンポイント、短時間で発見できる上、積雪時でも探し出すことができるという。全国34都道府県の警察、消防が導入している。

また、ココヘリによるこれまでの捜索案件28件中24件を解決した。未解決となった4件のうち1つは原因が不明だったが、1つは発信機の不携帯、2つは電源の入れ忘れと、サービスは高い捜索実績を持つ。

山岳遭難の捜索現場で実績を築いてきた同社は2020年11月に、捜索エリアを山から街に拡大し、年々増加する自然災害への対策として、災害特化捜索サービス「ココヘリタウン」をリリースした。今回の資金調達で、とくに自然災害の多い九州エリアでココヘリタウンのサービス展開を促進していく考えだ。

ココヘリタウンは、ココヘリ発信機(会員証)などを所有している人が行方不明になった場合や、救助を待っているときなど、上空から発信機の電波を捉える捜索ヘリコプターを有料でチャーターすることできる。自然災害に限らず、外出先での失踪や迷子、徘徊などでも出動するという。ココヘリと同様に、発信機による位置特定を行った後、救助機関に情報を引き継ぐサービスとなっている。

ココヘリタウンによるヘリチャーター料金の目安は1時間あたり20万円からとなる。価格は民間のヘリの場合で、警察や消防がヘリを動かす場合は費用がかからないこともある。