Microsoft、Skypeをリニューアル――ストーリーズ的Highlights追加、スワイプでカメラを起動

今日(米国時間6/1)、Microsoftはまったく新しくなったSkypeをリリースした。新しいSkypeアプリにはライバルのチャットサービス、Facebook MessengerやSnapchatの影響が明らかに見てとれる。つまりSkypeにはFacebookストーリーズに似たHighlightsが導入された。インターフェイスのDesignも一新され、スワイプするだけでビデオが利用できるようなるなど多数の新機能が追加されている。

Microsoftによれば、Skypeのリニューアルは1年以上前から準備が始まっていたという。Skypeとしては2006年にビデオ共有が導入されて以来の大型アップデートとなった。つまりチャット化のトレンドに驚いて大急ぎでアップデートが始められたとばかりは言えないわけだ。

新しいSkypeには、Facebook Messengerに対抗する独自のボットや拡張機能が追加されている。

Highlights – Skype版のストーリーズ

最近のソーシャル・アプリのやり方どおりスワイプでカメラを起動できる。ユーザーは写真なりビデオなりを撮る。説明のテキスト(手書きも可能)を入力し、Skype独自のスタンプで飾る。こうした定番の機能がすべて用意されている。

撮影したビデオは個別の相手やグループ・チャットで共有できるが、新しいSkypeアプリで目立つのはHighlightsでの共有だ。

新バージョンではカメラはメインのスクリーンで右からスワイプすると現れる。Highlightsでは左スワイプだ。

HighlightsはSkype版のストーリーズだ。これはMicrosoftも認めている。

Skype担当のMicrosoftのコーポレート・バイスプレジデントのAmritansh Raghavは、Facebookのメッセージング担当VP、David Marcusの発言を念頭において、「Facebookも言うとおり、このフィードのフォーマットはトレンドだ」と語った。【略】

Skypeにはストーリーズにない独自の機能が追加されている。

たとえばストーリーズの場合、共有されたコンテンツが24時間で消えるのに対して、、Highlightsでは1週間表示される(投稿したユーザーは設定により最大24ヶ月まで見ることができる)。またHighlightsはSkypeネットワーク全体に公開されず、Twitter式のフォロー・システムにより、ユーザーのHighlightsをフォローしている相手にのみ表示される。

また「共有」を選べば、Highlightsを個別の個人ないしグループの連絡相手に対して表示することが可能だ。これはその相手にHighlightsをフォローするよう勧める効果がある。相手がフォローしていない場合はそのつどマニュアルで相手を指定する必要があるのでスパムを送るために用いられないようになっている。

Highlightsを含めてSkypeの投稿に対して絵文字で使ってリアクションできる。Skypeはフェイスブックの「いいね!」、「すごいね!」などの各種リアクションを取り入れた。
親指アップが「いいね!」、ハートマークが「お気に入り」を表す等々だ。悲しい、笑える、驚いた、怒っている、なども絵文字で簡単に投稿できる。相手とのプライベートなチャットでは文章もタイプできる。

Bボット、アドイン

今日の新バージョンではSkypeのボットとアドインの機能が大きく拡張された。今後、Microsoftの人工知能アシスタントのCortanaと会話したりMSN.comからScoopを使って最新ニュースを検索したりできるようなる。

ボットがチャットに組み込まれるとアドインと呼ばれる。つまりチャット内から直接ボットに呼びかけることができる。「Scoop、Xについての最新のニュースは?(Scoop, what’s up with X?) 」といった具合にXについて知りたいことを検索できる。【略】

Microsoftのデモでは数多くのボットとアドインが登場している。これにはCortana、Scoopの他にGfycat、Giphy、MSN Weather、(Bing検索。Polls、Expedia、Stubhub、BigOven(クッキング)、YouTubeなどサードパーティのサービスも含まれる。ただしアメリカでCortanaが利用できるようになるのは6月に入ってからになる。

グループチャット

Highlightsとアドインは目立つ機能だがそれ以外にも数多くの改良が加えられている。

たとえば新Skypeでは好きな色を選ぶなどデザインのテーマをカスタマイズできる。あらゆる投稿にエモーティコンで反応できる―実際ビデオ通話でもエモーティコンが使える。一時的にオーバーレイを表示することによって非常に大きなエモーティコンの表示が可能だ。また通話の際に自分の背景色を選ぶこともできる。

ユーザーはビデオ通話中にメッセージをタイプできる。グループでのビデオチャットで音声で話すと発言者が紛れそうな場合に特に便利な機能だろう。

ビデオチャットの機能は今後も強化が予定されている。これにより、友達とゲームをプレイしたり、ストリーミング・ビデオをいっしょに見たりできるようになる。グループでのの「共同視聴」はTumblrのCaban、YouTubeのUptimeなど他のソーシャルメディアも力を入れている分野だ。

この中ではYouTubeが最初に共同視聴できるようになるだろうと観測されていたが、Skypeは多数のストリーミング・サービスと提携を進めているようだ。ゲームの共同プレイについてはMinecraft、SolitaireなどMicrosoftの既存ゲームがまずターゲットになる。

新SkypeはAndroid版が今日公開される。iOSは一月後になる見込み(iOSでは段階的なロールアウトがサポートされていないためだろう)。

デスクトップ版(Windows、Mac、Linux)、ウェブ版は及びXboxが新バージョンになるのはこの夏の予定。

〔日本版〕日本語Skypeアプリも近く新機能に対応するはずだが、自然言語処理をベースにしたボット機能は当分の間、英語のみのサポートになる可能性が高い。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

元Appleのデザイナーと元Twitterのエンジニアがチームを組んだプレミアムiPhoneカメラアプリHalide

元Appleのデザイナーと元Twitterのエンジニアがチームを組んで、本日(米国時間5月30日)iOSカメラアプリHalideを発表した。iPhoneの写真撮影に新しいオプションが加わった。質の高い写真を撮るためのさまざまなハイエンドツールを提供することが基本アイデアだが、物理的なカメラのダイアルを操作するときのように、様々な機能がジェスチャーを使った体の記憶として馴染むように工夫されている。

アプリのウェブサイトでの説明によれば、新しいアプリのジェスチャーベースのコントロールスキームは「古いライカやペンタックスといった偉大なフィルムカメラのように、直感的で触覚的」を目指したものということだ。

現在iOS向けには、Camera+やCamera Awesomeのような数多くの代替カメラアプリケーションがあるが、これらは「プロのように撮影したい」多数のユーザーに向けてマーケティングされている傾向がある。一方Halideは、まず第一にパワーユーザーを念頭に置いてデザインされている。つまり、写真撮影をある程度理解していて、露出をすばやく変更したり、スワイプでピントをマニュアル調整するようなことをしたいと思う人には、大いにアピールするということだ。

とはえ通常のiOSアプリのような自動モードも組み込まれている。このことで、トリッキーなショットを撮ろうとするときには、手伝いの必要なこともある初心者iPhoneカメラマンでも、アプリを使用できるようになる。

しかし、この自動モードは”A”ボタンをタップすることで解除することができるようにデザインされており、ISO、ホワイトバランス、シャッタースピードなどの特定の値を調整することができる。また、フォーカスピーキング(フォーカスの当たっている部分を強調表示し、ユーザーがマニュアルでピントを変えることができるようにする)、詳細なヒストグラム、適応レベルグリッド、そしてJPGとRAWによるキャプチャなどのプロフェッショナルツールも含まれている。

Halideは、Ben SandofskySebastiaan de Withによって開発された。どちらもハイエンドの写真撮影に関する経験がある。Sandofskyは以前はPeriscopeのビデオ機能に携わり、HBOの”Silicon Valley”とShypの顧問を務め、TwitterでiPhone、iPad、Macアプリケーションの技術リーダーとして働いた。

一方de Withは元Appleのデザイナーで、Sony、T-Mobile、Mozillaなどを顧客としても仕事をしていたことがある。またNylas MailアプリをデザインしたサンフランシスコのデザインエージェンシーPictogramを経営していて、その他にもDoubletwistのデザインなどにも取り組んだ。彼は写真家でもあり、オートバイで旅行するときに写真を撮ることもよくある。

アプリの機能セット以外に、アプリを差別化しているものは、ジェスチャーベースのインターフェースだ。しかし、それらはタップでも利用できるので、すぐにすべてのジェスチャーを覚える必要はない。これにより、全体的な体験がより一貫したものとなり、新規ユーザーがアプリの機能にアクセスする方法を忘れることもない。

チームは、ジェスチャーベースのインターフェースはHalideを使いやすいものにしてくれるものだと考えている。たとえ経験の浅い写真家だったとしても。

「Halideの機能を楽しむには、露出補正、EV、あるいはマニュアルフォーカスなどの概念を理解する必要はありません」とde With。「だからこそ頑固な写真家だけではなく、なるべく多くの人びとに使って貰えることを期待しています」。

このアプリのもう1つの機能が「インスタントレビュー」だ。この機能では撮った写真を左右にスワイプすることで、ゴミ箱行きかお気に入りかをマークすることができる。またHalideで撮影した最後の写真を3D Touchでプレビューすることもできる。

ここ数年でiPhoneのセンサーが改善されて来たにもかかわらず、撮影経験自体が停滞していたことにチームが気が付いたことが、Halide開発のヒントになった。

「友人とハワイに行ったのですが、私は巨大なカメラを抱えてウロウロする奴でした」と、Sandofskyはどのように最初のアイデアを得たのかを説明した。「滝壺近くに行った時には、湿気が原因でカメラのセンサーが結露してしまったので、カメラ内部が乾燥するまで、1日撮影を止めなければなりませんでした」と彼は言う。「翌日は、iPhoneですべてを撮影しました。その当時、iOSには重要な機能が欠けていて、すべてのカメラアプリは問題を抱えていました。にもかかわらず、私はその小さなカメラの品質に感服しました。そして身軽になることで、どんなに旅を楽しむことができるようになったかを実感したのです」。

Sandofskyは、その旅行から自宅に向かうフライトの中で最初のプロトタイプを作成し、その後それをde Withに見せた。するとde Withがユーザー体験に関するさらなるアイデアを持っていることがわかったという。新しいカメラAPIが発表された昨年のWWDCの頃から、開発が正式に始まった。

そして1年後、アプリは発表の準備が整った。

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チームは、新しいアプリがデフォルトのカメラアプリを完全に置き換えるのではなく、ただのスナップ以上の素晴らしい写真を撮りたい時に備えられるようにしたい、と考えている。

このアプリの共同開発者たちはTechCrunchに対して、彼らが「情熱的副業プロジェクト」と呼ぶHalideは、自己資金で開発したものだと語った。

Halideは発売時には2.99ドルだが、来週以降は4.99ドルに値上がりする予定だ。もしそれがうまくいくようなら、チームは将来新しい価格体系を検討するかもしれないが、詳細には触れなかった。

このアプリは英語で提供されており、この後スペイン語、オランダ語、ドイツ語、フランス語へのローカリゼーションが計画されている。

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(翻訳:Sako)

Twitter、フォロー外のDMを受信前にレビュー可能に

Twitterは、フォローしていないユーザーからのダイレクトメッセージを受信前にレビューする機能を追加する。Facebookのメッセージ機能で以前から使われているしくみと同じだ。新しいDM確認機能では、フォローしていない人からのメッセージを受信する設定にしている人が、送られてきたメッセージに対して「削除」または「許可」を選択することができる。

メッセージを送った側は、こちらが「許可」を選択しないかぎり、メッセージが読まれたかどうかを知ることはできない。また、メッセージを削除した場合でも、相手は将来また送ることができる(そのために「ブロック」がある)。フォローしていない相手から送られてきたメディアは「許可」しない限り表示されないので、不快な画像やビデオを見なくてすむ。「メディアを表示」をタップすれば許可する前に見ることも可能。

フォローしていない人からの新しいメッセージは、受信箱で「リクエスト」というフラグがつけられる。自分を含むグループ会話も同様だ。これは、ユーザーがDMをオープンにすることを推奨しつつ、不快なメッセージや望まない相手のやりとりを避ける手段を提供する賢いやり方と言えるだろう。

本機能はiOSとAndroidアプリで今日から段階的に公開されるため、すでに見た人もいるかもしれないが、まだの人も、近々使えるようになるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Q&AサイトのQuoraがビデオアンサーの導入を試行中

新しいユニコーン企業であるQuoraは、テキストによるQ&Aよりも、さらに大きな野心を持っている。そして、ビデオ大手や他のスタートアップがその未来を邪魔することは難しそうだ。

今週Quoraはビデオアンサーのテストを開始した。なぜなら何かがどのように働くかを説明したり、あるタスクを行なう手順を示したり、あるいはあるものが他のものより優れている理由を述べる際に、テキストで説明するよりもビデオを利用する方が遥かに簡単なことがあるからだ。ベータグループのユーザーは、Quoraのユーザーたちが見ることのできる、補足的あるいは完全な回答ビデオを、iOSもしくはAndroidを使って撮影することができる。ビデオをアップロードすることで、より洗練されたコンテンツが提供されることになるが、スパムが増える懸念もある。

ウェブとモバイルにおけるQuoraビデオアンサー

これまでQuoraは、ユーザーたちに、テキスト、自らのサイトにアップロードされた写真、リンク、そしてYouTubeのようなプラットフォームからの埋め込みビデオだけを用いた回答を行なわせてきた。それが今は、積極的にビデオのアップロードを受け入れ、投稿を奨励しようとしている。

このビデオ機能と評価システムを組み合わせることで、Quoraは現在YouTubeの上でホストされている、ハウツービデオコンテンツをある程度奪うことができるだろう。YouTube上ではSEOと人気度合いによって、Q&Aの精度が犠牲になる可能性がある。Quoraのビデオ回答は、どれだけ共有され宣伝されたかではなく、コミュニティの中でどれだけ有用であるかの指標を用いて並べられる。

「私たちの使命は、世界の知識を共有して成長させることです。そして知識は、単に書かれているだけでなく、多くの形式で表現されます」こうTechCrunchに語るのは、Quoraのモバイル責任者Tommy MacWilliamだ。「テキストによる回答と同様に、人々はビデオ形式の回答に対して、質問への回答という観点から、プラス評価をしたりマイナス評価をしたりすることができます」。

一方Quoraがこの領域にやってくることで、Justin Kan’s mobile video Q&A app WhaleAsk Me Anything app Yamのような、より若い競合相手は大きな困難に立ち向かうことになるだろう。こうしたアプリは質問対するビデオアンサーの記録を簡単にすることに焦点を当てていて(回答者をよく見せるためのフィルタ機能なども提供されている)、どちらのアプリも回答者にお金を稼ぐ手段を提供している。

しかしQuoraの1億9000万人のユーザー、2億22600万ドルの資金、8年間の先行者としての経験は大いなる強みだ。前身であるYahoo Answersとは対照的に品質を重視したブランディングを行いながら、慎重に専門家とコンテンツのネットワークを管理して来ている。このネットワークを打ち破るのは難しいかもしれない。

ビデオは、Quoraは本気のマネタイズをどのように始めるのか、という問いかけに対する回答かもしれない。この話題に関しては同社は少々口が重い。MacWilliamは「ベータプログラムを通して、私たちはビデオが回答者と視聴者の双方にどのようにフィットするかを学んでいる最中です。ともあれ今は素晴らしいプロダクトを作り上げることに専念しています」と語った。

Quoraのマネタイズの歩みは遅く、その最初のスポンサードクエスチョン広告フォーマットは非常に微妙で控えめだ。しかし、もしQuoraがビデオアンサーの後に動画広告を入れるようにするなら、視聴者の学習体験を損なうことなく、対象テーマに関心の高い層に、効果的に広告を届けることができるようになるだろう。

どのような種類のアプリであろうとも、モバイル上の全ては現在ビデオを用いて再定義されつつある。問題は、古いアプリたちが時代に乗っていくのか、それとも後に取り残されるのかということだ。

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(翻訳:Sako)

このコンセプトビデオは、iOS 11の大きな改善点を提案する

2017年になっても変わらない ―― 私はコンセプトビデオが大嫌いだ。しかしFederico ViticciとSam Beckettは再びチームを組んで、彼らの望むiOS 11をデザインした。これは普通のコンセプトビデオより説得力がある。

このビデオは特にiPadのiOSに焦点を絞っている。Shelfは興味深い新機能だ。画面の上端から引っぱり下ろしてデータの断片を保存しておける。ビジュアル化されたクリップボードマネージャーともいえる。複数アプリを横断して長期間作業する時に便利そうだ。

Viticciは、iPadをメイン・コンピューターとして長年使っている。これ以上熱烈なiPadユーザーを見つけるのは難しい。ビデオを見れば感じることができるだろう。

Appleがすでに次のレベルに進んでいることを私は願っている。あれだけ多くの社員がいれば、iPad機能に特化したiOS開発チームを構成することは難しくないはずだ。

AppleはiPadをコンピューターの未来だと考えている。必ずしもMacを完全に置き換えることはないだろうが、多くの場面でiPadの方が優れた選択肢になることは間違いない。もしAppleが未来のコンピューターに関するこのビジョンを追究していくなら、iOSを今の限界以上に拡張する必要がある。

Appleは6月5日の WWDC基調講演でiOSの新機能を発表するはずだ。iPadの新型が出てくる可能性もある。だから今はiPadをもっと強力にする良い機会だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Messenger、Instagramの通知を統合する実験――ファミリー・アプリの緊密化進む

Facebookファミリーのアプリの緊密化が進んでいる。Facebook本体、Messenger、Instagramのアプリはそれぞれ他のアプリからの通知を表示するテストを行っている。ユーザーはアプリ間を即座に切り替えて行き来することができる。

おせっかいな赤いアイコンが常に他のアプリを見て通知を確認するよう勧めるのでエンゲージメントは高まるはずだ。最初に着信があったのを見落としたり、アラートを意識的に消したり、そもそもプッシュ通知を受け取らないよう設定していても、新しい方式では数字入りの赤いボタンが光る。

一部のユーザーは新方式を嫌うはずだ。人間の本性として「何かを読んでいない」のは気になる。さらに青地のアプリに赤いドットは目立つので否応なしに注意を向けさせられることになる。

ソーシャルメディアのアナリスト、Mari Smithがこの実験に最初に気づいた。TechCrunchの取材に対してFacebookもこの機能の存在を認めた。

Facebookによれば「ユーザーが他のメンバーとつながり、何に関心を抱いているか知ることを容易にするような機能についてわれわれはごく小規模な実験を行っている。この中でFacebook、Messenger、Instagramそれぞれのアカウントを簡単に行き来できる方法もテストしている」ということだ。

実験の対象になっているユーザーの場合、Facebook、Messenger、Instagramアプリの上部のプロフィール・アイコンをタップするとファミリーのアプリ間を行き来するためのスイッチャーがポップアップする。スイッチャーアイコンには他のアプリに未読の通知があることが表示される。ユーザーは赤いドットで自分のアカウントのそれぞれに何通の未読通知があるかを知ることができる。タップすればそのアプリが起動する。Facebookファミリーの一員ではあるが、WhatsAppは今回のスイッチャーの実験には加えられていない。

Facebookは赤いドットでうるさく注意を引き続けることによって上記3種類のアプリを密接に関連付け、ユーザーがモバイル・デバイス上で過ごす時間の大部分を占領することを狙っている。簡単にいえば、デバイスのOSをバイパスしてしまおうという試みのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのInstant Appsを全ての開発者が利用可能になった

GoogleのInstant Appsは、ネイティブアプリのロード時間を(たとえ携帯電話にインストールされていなくても)ウェブページ並の速度にしようとしている。そうすることでウェブの世界とネイティブアプリの世界の間に橋渡しをしようとしているのだ。同社はこのプロジェクトを、まず昨年のGoogle I/Oカンファレンスで発表し、その後今年になってからもイベントで紹介していたものの、これまでは限られた開発者たちだけが利用可能なものにしていた。

本日(米国時間5月17日)同社は、Instant Appsが一般公開され、全ての開発者が利用できるようになったことを発表した。ユーザーはこうしたInstant AppsにGoogle検索の結果画面からアクセスすることも可能になる。

全ての開発者たちは、Googoleが新しく公開するAndroid Studio 3.0を用いることで、アプリケーションのモジュール化を行いやすくなる。

Googleによれば、既存のアプリを新しい技術に対応させるには通常4、5週間かかるということだ。

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(翻訳:Sako)

Android Goは、超低価格スマホ用の軽量版Android

現在世界中で20億台以上のAndroid端末が使われている。Googleは次の20億のことを考えている。それを実現するためにGoogleは新しいプロジェクト、Android Goを立ち上げた。Androidの次期バージョン(Android O)の軽量版でPlay Storeのアプリに最適化されている。

プロジェクトの焦点は、非常に低機能な端末、通信環境に制限のあるユーザー、および多言語対応だ。そしてこのOSはメモリーが1 GB以下の端末でも動く。Play Storeではこうした低価格端末で動作するアプリに焦点を当てていく予定だ。

そのアプリは10 MB以下で、インターネットにつながっていなくても正しく動作して、低速のシステム・オン・チップ(SoC)と少量のRAMを搭載した端末に対応していなければならない。

Sameer Smatは、Chromeのデータセーバーについて、最小限の通信量で多くのページを読み込むために不可欠な機能だと説明した。しかしこの会社の計画はそこで止まらない。

例えば、YouTube GoはYouTubeアプリの最適化バージョンだ。新たにプレビュー機能が加わり、ビデオを読み込む前に中を見ることができる。

このビデオを見たいと決めたら再生前に画質を選べるので通信容量を使い切らないよう気を付けることができる。WiFiがあれば、ビデオをダウンロードして後から見ることもできる。

この機能は従来YouTube Redの定期利用者に限定されていた。しかしYouTube Redは米国のみのサービスであり、Android Goは途上国をターゲットにしている。さらに、友達と一緒にビデオを見るときには、ピアツーピア転送を使って複数のAndroid Go端末の間でビデオを共有することまでできる。

将来はAndroidの全バージョンにAndroid Goタイプが作られる予定だ。Androidが強力になるにつれ、超低価格端末と低速ネットワークで動作するためにはAndroid Goが賢い選択と言えそうだ。Googleはハードウェアパートナーについてはまだ何も言っていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Slackがビデオ通話で画面共有サポート――Screenhero買収後2年目にやっと実現

スクリーンショットを送るだけでは十分でないことがある。Slackの有料ユーザーはビデオ通話機能を利用してライブで画面共有できるようになった。この機能が追加されたのはSlackがScreenheroを買収して2年後となった。当時Screenheroはエンタープライズ向けに画面共有を提供する社員6人のスタートアップで、Slackはキャッシュと株式によって同社を買収した。今後数日のうちに実施されるMacとWindowsアプリのアップデートに画面共有機能が含まれる予定だ。

Slackの画面共有を利用するのは簡単だ。まずビデオ通話を開始し、画面共有ボタンをクリックすればよい。複数のモニタを使っている場合、どの画面を共有するか選択することができる。画面共有中に個人情報が漏れないようウェブカメラは無効になりSlackの通知も表示されなくなる。共有される画面にはカーソルも表示されるので注目すべき場所を示すのは簡単だ。

Slackがアプリ中でネーティブに画面共有をサポートすることはサードパーティーの画面共有機能とライバル関係になる。これにはSkype、BlueJeans,、Appear.in、Google Hangouts、Zoomなどが含まれる。ただしサードパーティーとの協力関係に変化はなく、ユーザーは従来どおり画面共有にこれらのアプリを利用できる。

Slackはサードパーティーを含めたエコシステムの構築に力を入れているが、必要とあればコア機能を自らのネーティブ内で拡張するのをためらわないことが今回の画面共有機能のサポートで判明した。Slackにスマートな機能を追加することを考えているデベロッパーはこの点をもう一度よく考えてみる必要があるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、偽ライブビデオの取り締まりを厳格化

Facebookが、ライブビデオの誤解を招く利用方法を禁止しようとしている。同社がTechCrunchに伝えたところによると、Facebookは同サービスのポリシーのライブAPIの項目に、以下の記載を追加した。「このAPIを使って画像のみを公開しないでください(例:静止画像、アニメーション、ループ再生画像などを公開しない)。また、動かないものや風景の映像に関連したライブストリーム投票を行わないでください」。
(日本語版注:本稿掲載時点で日本語版ポリシーには未記載)

このポリシーに違反するビデオはFacebookでの露出度が下げられ、繰り返し違反したパブリッシャーはFacebookライブの利用を制限される。

今年1月にFacebookが2016年のトップ10ライブビデオを発表した後、TechCrunchは偽「ライブ」ビデオの摘発をFacebookに要求した。トップ10の半数は本当のライブとは言えず、静止した背景に重ねられた単なる投票やカウントダウンだった。

Facebookに寄せられたフィードバックによると、視聴者はそうした静止画やグラフィクスのみの中継を面白いライブコンテンツとは感じていない。昨年12月、Facebookはグラフィックスのみのライブビデオで「いいね!」やリアクションを使ってニュースフィードから投票させることを密かに禁止した。

今回Facebookはさらに一歩進めて、ライブ方式の浄化をはかっている。

ライブビデオが人を引き付けるのは、次に何がおきるかを期待する緊急性や意外性だ。もしユーザーが偽ライブビデオに慣れてしまうと、友達やフォローしているパブリッシャーが中継を始めたという通知が来ても、見に行くことは少なくなってしまうだろう。

本誌は、誤解を招くライブビデオのもう一つの形態も追及した:カウントダウンだ。この手の多くはコンピューターグラフィックスをループ映像に重ねたもので、上に貼ったBuzzFeedの年越しカウントダウンが典型例だ。しかしFacebookは、現実世界のカウントダウンが行われてループしてないものは現時点で禁止していない、と私に言った。それでも、投稿したパブリッシャーにネガティブなフィードバックが続くようであれば反応も落ち込むだろう。Facebookは今後もこうした状況を監視していくと言っている。

Facebookは「ライブする」という動詞を自分たちのものにするべくエンジニアリングとマーティングに膨大な資源を費やしてきた。ソーシャルコンテンツをライブで録画、閲覧する第一の場所としての座を維持し、長期的にこの投資を回収するためにはこうしたライブ中継の質を高く保つことが不可欠だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

バーやクラブで自分のお気に入りの曲を――WEDJはユーザー参加型のプレイリスト作成アプリ

今週末に開催されたHackathon at Disrupt NYに登場したWEDJ(読み方は”ウィーディージェー”で、”ウェッジ”ではない)は、ユーザー同時が協力して曲のプレイリストを作ることができるアプリ。パートタイムのハッカーたち4人によって制作されたこのアプリは、今はなきTurntable.FMの現実世界版とも言えるもので、バーやクラブ、オフィスなどでの利用を想定されたものだ。

ジオローケーション技術を利用したこのアプリでは、あらかじめ(店のオーナーによって)定められた範囲にいる人々が協力してプレイリストを作成する。ユーザーはGoogle Mapを通してプレイリスト作成に参加できる場所を検索することもできる。プレイリストの作成に参加したユーザーは、YouTubeやSoundCloudなどからお気に入りの曲を探し、プレイリストに追加する。他のユーザーは曲を再生する順番を決める投票に参加することができ、その後、店のオーナーが最終版のプレイリストを決定するという仕組みだ。

このように集められた曲は1つのプレイリストに集約され、投票によって決められた順番で再生される。「これにより、従来はDJの役割だったプロセスにユーザーが参加することができます」と語るのは、チームメンバーの1人で、普段は宝飾品の販売員として働くTravis DeSilva氏だ。WEDJのシステム自体はインターネット・ジュークボックスに似ているものの、WEDJにはモバイル端末を通した投票機能によって民主主義的な要素が加えられている。

もちろん、従来のジュークボックスとは違い、人々がこのアプリにお金を入れこむわけではない。そのため、WEDJのチームは今後アプリを継続して運用するにあたって今後のマネタイズ方法を模索していくという。可能性として考えられるのは、インターネット・ジュークボックスと同様に、お気に入りの曲の再生順を上げる代わりに追加料金を受け取るという方法だ。また、WEDJのチームは利用する店側に課金する方法も考えている。

WEDJをハッカソンプロジェクトから本当の意味でのプロダクトへと進化させるためには、まだ様々な課題が残っていることはチームメンバーも承知している。その1つが著作権の問題であり、プロダクト版のアプリではYouTubeやSoundCloudを曲を探すソースとして利用することはできなくなるだろう。しかし、このようなソーシャル・ミュージックアプリが、すでにスマートフォンによってプレイリストを作成しているバーやクラブに受け入れられることは容易に想像できる。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Facebookのグループは三つの質問で参加希望者を篩(ふるい)にかけられる、荒らしを防ぎ良質なメンバー確保のため

Facebookは、コミュニティ作りに関するMark Zuckerbergの約束を守って、Facebook Groupsの管理者ツールを改良している。これにより管理者は、参加希望者の適性を判断し、彼らがグループをスパムしたりトロールしたりすることなく、建設的な議論をもたらしてくれることを期待できる。

Facebookによると、この機能は全世界のグループ管理者全員にすでに展開済みである。Facebookのスポークスパーソンは、こう語った:

“新たな参加申し込みを篩(ふるい)にかけることは、管理者の大きな負担になる。特定的な情熱や目的を軸とするグループほど、その負担は厳しい。このようなグループに関して管理者はふつう、新メンバーを認めるために必要な特定の規準を持っている。そういうオープンエンドな質問を事前に確立しておけば、彼らはもっと早く入会リクエストを検討し承認することができる。また、自分の関心の支持や共有を求めている人びとは、もっと早く他の人びとと結びつくことができる。”

[質問は三つまで。答を見れるのは管理者とモデレーターのみ。]

グループの設定メニューには、管理者のための“入会を保留している者に質問をする”という項目がある。入会希望者が答える質問は最大三つまで、一つの質問は最大250文字までだ。答はグループにポストされず、管理者とモデレーター(司会者)だけが閲覧できる。グループの“Join(参加する)”ボタンを押した者は、ただちに質問に答なければならない。参加を招待された者は、通知の中にそのフォームへのリンクがある。参加申込者は、答が審査されるまでは、自分の答を編集できる。

これまでは、管理者が入会申込者に参加の動機を尋ねるときは、彼らの‘友だち’になるか、またはFacebook Messageを送っていた。しかしメッセージは、そのほかのメッセージの中に埋(うず)もれてしまう可能性もある。またそれを毎回行って答を調べる作業は、多くの管理者にとって負担が大きすぎる。だから、無差別に入会を認めてしまってグループの荒らしに悩まされるとか、あるいは逆に、プロフィール上の限られた情報をもとに入会を拒否したりしていた。後者では、入会にふさわしい、あるいはその会を本当に必要としている人も、グループのコミュニティと支援から排除されていた。

遡(さかのぼ)って2月にZuckerbergは、こう書いた:

“ネット上のコミュニティでも、あるいはオフラインのコミュニティでも、積極的で有能なリーダーのいることが、コミュニティを強くするための鍵であるという例を、これまで数多く見てきた。しかしながらFacebookのグループ機能には、リーダーのための、あるいはリーダーが育つための、便宜が組み込まれていない。”

グループのリーダーがこれらの質問を作って、その答に基づいて参加者を選定することは、リーダーに強力な権限を与える。また結果的にグループのディスカッションがより生産的になり、既存会員の嫌気(いやけ)を誘う、お邪魔で無益なポストを減らすだろう。

来月Facebookは、初めての、グループ管理者のためのコミュニティサミットをシカゴで開催する。そこではZuckerbergのマニフェストに概要が記されていた新しいプロダクトの発表もあるだろう。たとえば、サブグループ(下位的小グループ)を作る機能、モデレーターの役割の高度化と多様化(あるいは権限強化)、さまざまなコンテンツやグループの成長に関するアナリティクス(分析)機能、などだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AndroidのGoogle Mapsではナビゲーションリストの各場所(曲がり角など)でストリートビューの画像を見られるようになった

Google Mapsがこのたび秘かに実装した新しい機能で、行きたい場所までの道筋をたどるのが一層容易になった。それは、方向画面にストリートビューの画像を表示することだ。これまでもGoogle Mapsのアプリは、次の曲がり角やそこまでの距離を教えてくれたが、新しい機能によって、タップしてその場所のストリートビューの画像を見られるようになった。

最初に気づいたのはAndroid Policeだったが、この機能は数日前から広範囲に展開された、と言っている。Googleに問い合わせたら、5月の初めからすでに広く提供されていて、そして今回は全世界のユーザーにも提供された、と言った。

iOSバージョンのGoogle Mapsアプリはまだのようだが、Googleはその日程を確認しなかった。

ストリートビューの画像を見るためにユーザーは何もしなくてよい。いつものように、現在位置と目的地を入れて、その経路を見るだけだ。するとこれまでは曲がり角のリストだけだったところに、写真のサムネイルが並んでいる。そのサムネイルをタップすると、その場所の360度のストリートビューが現れる。その画像は、あなたが進もうとしている方向に合っている。

その画像は通常のストリートビューの画像と同じく、指をドラッグしてパンできる。そのとき道程の経路がブルーのラインで示される(下図)。画像上で、さらに前へ進んだり、メインの方向画面に戻ったりできる。

Street ViewとMapsの統合は、前にもGoogleが試したことがあった。Android Policeの指摘によると、Googleが同様の機能をWebに導入したのは2008年という大昔だ。こんなオプションは最初のDroidにもあった、と言うユーザーもいる。モバイルはAndroidだけ、という現状の理由は、よく分からない。

一部のユーザーはストリートビューのこの変化にもっと早く気づいたかもしれない。この機能は、リモートで行われている展開のようだから。

Google Mapsは、Google Play Storeで無料でダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

”詐欺写真”を見分けるアプリTruepic――開発元が175万ドル調達

「これって本当に写真の通りなの?」「私たちが借りようとしている家の写真って加工されてない?」「これは本当に自分が買おうとしてるものが写った写真なの? それともどこかの画像を流用したもの?」――このような質問に応えようとしているのが、写真認証テクノロジーを開発しているTruepicだ。本日同社は、コンシューマー向けのアプリと共に、Truepicの技術を利用したいと考えている企業のためのSDKを発表した。さらに175万ドルの資金調達についても明らかにしたTruepicは、「世界初のデジタル写真の公証人」になろうとしている。

Truepicの仕組みは次の通りだ。まずユーザーは、iOSAndroidの両OSに対応したTruepicのアプリか、TruepicのSDKが埋め込まれたサードパーティーのアプリを使って写真(もしくは動画)を撮る。すると特許取得済みのTruepicのテクノロジーが、撮影した画像に加工が施されていないかを確認し、タイムスタンプやジオコードをはじめとするメタデータと透かしを写真に追加する。オリジナルの写真はTruepicのサーバー上にアップされ、そのときに生成される6桁のコードとURLを使って元の写真を回収することもできる。さらに必要に応じてブロックチェーン技術を使い、写真データを複製することも可能だ。

その後ユーザーは、透かしが追加されたTruepic認証済みの写真を自由に使うことができ、写真を見た人は画像に埋め込まれたURLを辿ってTruepicのデータベースを確認することもできる。Tinderのようなデーティングサイトで、ユーザーがプロフィール写真に写っているのは自分であることを証明するために使ったり、Airbnbのようなサービス上で物件情報に信頼性を持たせたり、eBayのようなECサイトで、商品の状態を見せたり、保険を請求する際にダメージの状態を見せたりと、Truepicのサービスにはさまざまなユースケースが考えられる。

企業は月々の料金を支払えば、Truepicの軽量なエンタープライズ向けSDKをアプリ内に組み込み、写真撮影、認証、共有という全ての機能を自分たちのアプリ上で提供できるようになる。現在同社は10数社のベータ顧客にSDKを提供しており、Fortune 500の保険会社から大手美容ブランドまで顧客企業の分野はさまざまだ。まだAirbnbやTinderはTruepicを採用していないが、すでに両サービスのユーザーは同社の認証した写真をアップロードし始めているため、彼らもTruepicのSDKをうまく活用できるかもしれない。

「オンライン上の情報は簡単に改ざんできるようになり、自然さや現実感よりも完璧なものを求める考え方が広まってきました」とTruepicの共同ファウンダーでCOOのCraig Stackは語る。PhotoshopやInstagram、Snapchat、FaceTune、Meituなどの登場もあり、画像加工はもはや普通のことだ。「企業がインターネット上に溢れる手の加えられた画像への対策を欲している一方、消費者は他の人が本物だと信じられるような認証済みの写真を共有したいと考えています」とStackは説明する。「これこそTruepicの存在する理由です。私たちはアンチフィルター企業なんです」

以前Stackは、複数の保険会社に加え、後にTripAdvisorに買収されることになる、Flipkeyという別荘貸し出しサービスを提供するスタートアップに投資していた。そこでの経験から加工された画像の問題点に気づいた彼は、Truepicを設立することになる。設立にあたってStackは、Dashというペイメント企業を立ち上げてReserveに売却したJeff McGregorをCEOに迎えた。

そしてふたりは、FirstCallのファウンダーでThomson FinancialのCEOを務めたこともあるJeffrey Parkeや、Platinum TechnologyやHRスタートアップのSilkRoadを立ち上げたAndrew Flilpowski、ハーバードビジネススクールの教授でベンチャーキャピタリストでもあるWilliam Sahlmanが参加したシードラウンドで175万ドルを調達した。この資金は今後の売上の伸び具合も勘案しながら、人員増強やエンタープライズ向けSDKの正式ローンチにむけて使われる予定だ。

Truepic以外にも類似サービスを提供する企業は存在するが、既存のサービスは写真加工が一般に広まる前の早過ぎる段階で事業をスタートさせてしまったとMcGregorは考えている。Image EditedFotoForensicsImgOpsといったアプリでも、画像が修正されているかや、ウェブ上に同じ画像が公開されているかといったチェックができるが、基本的な機能しか揃っていない。

大企業は自社で画像認証システムを開発できるだろうし、実際にそうしている企業も存在するが、McGregorによれば「何か問題があったときに自分たちで全責任を負わず、どこか独立した組織に画像認証の責務を負わせることができるという意味で、『自分のケツは自分で拭く』Truepicのサプライヤーとしての側面を気に入っている企業」もいるという。月々の料金を払って、あとは専門家にお任せする方が良いと考えている企業もいるということだ。

もしもTruepicのコンシューマー向けアプリを使ったユーザーが、以前よりも多くの相手とデートできるようになったり、マーケットプレイスでの売上やレンタル回数が以前よりもあがったりということになれば、Truepicの透かしがバイラル化を保証する印のような存在になるかもしれない。法人顧客であれば、自社のサイトに透かし付きの画像を使って信頼度を向上させたり、ウェブサービスのプレミアムユーザー用の機能としてTruepicのテクノロジーを活用することもできる。

画像編集の盛り上がりは既に頂上を越えたと思っている人がいれば、ARが一般に広まるまでその考えを留めておいた方がいいだろう。既にSnapchatのフィルター機能では、肌を滑らかにしたり、自動的に写っている人を美しく見せたりすることができる。さらにAR技術が進めば、Photoshopを使ったことがない人でもプロ並みの偽造写真を作れるようになるかもしれないのだ。画像の編集は単純に楽しいものだが、ビジネスの妨げや詐欺、なりすましに繋がる可能性もある。しかしTruepicを使えば、本当の写真(true pics)と偽物を見分けられるようになるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

1人あたりのアプリ所持数、日本が世界1位――App Annieが発表

私たち日本人にとって、アプリ(特にゲームアプリ)は生活に欠かせないものであるようだ。

アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は5月12日、アプリの利用状況に関する調査レポートを公開した。これは、ユーザーのアプリ利用時間や所持数を国別に分析したもの。

今回の調査により、日本人1人あたりのアプリ所持数は平均100本以上で世界第1位であることが分かった。だが、本当に興味深いのは、この結果から読み取れる日本人のアプリの使い方に関する特性だ。

日本人が実際に利用するアプリの数は月平均で約30本以上。所持数との割合を考えると、他国より低い数字だと言えるだろう。だが、1日平均の利用数を見ると日本は世界5位の約10本となっている。

これについてApp Annieは、レポートの中で「(日本人の)アプリ所持数自体は世界に比べ高い数値を出していたものの、1日あたりの利用本数は平均値でした。日本は様々な種類のアプリをインストールし、その中から必要なものを数本ずつ毎月利用するという特性が垣間見れる」と分析している。

そのほかにも、日本人のゲームアプリの利用時間は1日あたり1時間を超え、同程度の時間をゲームに費やす日本と韓国が他国を圧倒していることも分かった。

他の国々の結果を見ても、モバイルゲームの平均利用時間は調査対象となったすべての国で2015年から2017年にかけて増加していることが分かる。これについてApp Annieは、「アプリストアの収益全体に占めるゲームの割合は約75%を占めているが、世界的にゲームゲームプレイ時間が増えている点は、モバイルゲームが今後も引き続きパブリッシャーに大きなビジネスチャンスをもたらすであろうことを示唆している」とコメントしている。

ところで、TechCrunch Japanでは以前に同じくApp Annieが発表したアプリの収益ランキングを取り上げたことがある。

アプリの収益ランキングTOP5

1位 Tencent 中国
2位 Supercell フィンランド
3位 NetEase 中国
4位 Machine Zone 米国
5位 Activision Blizzard 米国

上位の企業はいずれもゲームアプリに強い企業だ。1位のTencentはコミュニケーションアプリの「WeChat」のイメージが強いが、スマホゲームにもフォーカスする企業でもある。同社の2016年第4四半期の決算では、総収益が約63億ドルであった一方、スマホゲーム単体で15.5億ドルを稼ぎ出している。また、2位にランクインしたSupercell(「クラッシュ・オブ・クラン」で有名)は2016年6月にTencentに買収されている。

同じく、中国のNetEase、アメリカのMachine Zone、Activision Blizzardはいずれもスマホ向けゲームアプリを手がけている。

WindowsでiOSアプリを開発、テスト、公開できる――MicrosoftがXamarin Live Playerを発表

これまでもiOSのデベロッパーはMicrosoftのXamarinを利用してC#でアプリの開発ができた。 これにはXamarin.iOS for Visual Studioのような便利な開発環境が含まれていた。ただし依然として開発やテストにはMacが必要だった。今日(米国時間5/12)、MicrosoftがBuild 2017で発表したところによれば、デベロッパーはMacを使う必要がなくなった。

新しいXamarin Live Playerを利用すれば、iOSアプリの開発、導入、テスト、デバッグのすべてをWindowsパソコン上のVisual Studio環境から実行できる。

これによりMicrosoftはほぼ「円環を閉じた」ことになる。つまり多くのデベロッパーにとってWindows 10をクロスプラットフォーム開発のデファクト標準にするという最終目標にMicrosoftは大きく近づいた。

この機能を利用するには、デベロッパーはまずターゲットのiOSデバイスにXamarin Live Playerアプリをインストールし、表示されるQRコードをスキャンして開発用Windows 10パソコンとペアリングする必要がある。Xamarin Live PlayerはVirtual Studio自身に埋め込まれているので、デベロッパーはこのIDEが持つすべての機能を利用できる。たとえば、iOSデバイスでアプリを作動させながらパソコン側でそのソースコードを書き換えるライブ編集が可能だ。色の指定を書き換えると同時に結果をiOSデバイスで確認できる。

Microsoftによれば、同社はあらかじめAppleと協議しており、Live PlayerがAppleの通常のコーディングの規則に完全に準拠していることをAppleが確認したという。

画像: Gh0stman/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FileMaker 16が、プロ向け機能も更に充実させてリリース

Appleの100%子会社であるFileMakerは、要するにMac、Windows、iOS、そしてウェブ上での業務アプリケーションを、非開発者たちが作ることができるようにしてきた会社だ。しかし、ここ数回のリリースをみると、どうやらプロフェッショナル開発者向けの機能も追加し始めたようだ。

FileMaker 16の発売に伴い、同社は(非開発者と開発者)それぞれの層に向けた新しい機能を追加してきているが、明らかに今回のリリースでは、経験豊かな開発者向けのよりよいサポートの提供に、力点が置かれている。

マーケットで35年以上の歴史と、100万人以上のアクティブなサブスクライバーを抱えるFileMakerのチームは、利用者たちが何を望んでおり、さらにそれをどのように見せれば良いかについては明らかに心得ている。その中心的な市場は今でも、小規模なプロジェクトに対してそれを使用する、中小企業の顧客たちだ。しかし、その状況は少し変わりつつあると、FileMakerのプラットフォームエヴァンジェリズムディレクターのLeCatesが話してくれた。「いま世の中で起きているようにみえる興味深いものの1つは、たとえエンタープライズレベルであったとしても、プロの開発者でさえ省コードあるいはコードレスのプロダクトを検討しているということです」。彼はこの種のツールに関する市場全体について教えてくれた上に、GoogleやMicrosoftのような競合他社たちが、現在このカテゴリに注目しつつあるのもとてもエキサイティングだと付け加えた。

彼は、プロとアマチュア開発者に対する支援を、排他的に考える必要はないと思っている。結局のところ、ほとんどの省コードプラットフォームの可能性を全部引き出すためには、遅かれ早かれコードを書く必要になるのだから(そして、もしプラットフォームはそうしたことを許さないなら、その制約を越えようともがくところで大変なフラストレーションを感じることになっていた)。

「私たちは数十年に渡る経験を持っていますし、明らかにされてきたアイデアの力を常に信じてきました」とLeCatesは言った。「私たちはグラフィカルで宣言的な方法で開発を行えるようにしようとしていますが、もしあなたがプロなら更に深いところに降りて行くことが可能です」。

同氏はまた、同社は昨年、アマチュア開発者を適切な道に導く助けとなる、多くの教育コンテンツを立ち上げたと述べた。

FileMaker 16では、例えば、iBeaconsやGPSロケーションへのサポートが強化されていたりする。これは元々は前回のリリースで追加されたものだが、今や開発者たちはバックグラウンドのビーコンを監視したり(前のバージョンでは自ら積極的にスキャンに行かなければならなかった)、ジオフェンス(ある特定のエリアに対する境界)を設定するアプリケーションを開発することが可能になった。また例えば、領収書や請求書を生成したい顧客のための印刷ソリューションと同様に、署名取り込み機能なども強化されている。

しかし、より高度な開発者たちに対しては、REST APIも提供されるようになったので、開発者たちは例えばcurlを用いて、実質的にほぼどのようなRESTful APIにもアクセスすることができるようになる。そしてFileMaker自身も、FileMakerアプリから標準的なJSON形式でデータを公開するデータAPIを提供するようになった。また、Tableau(有名なBIツール)と統合するためのデータコネクタも用意されている。「多くのプロ開発者たちが、これを利用して、簡単に魔法を作りだすことができるでしょう」とLeCatesは述べている。

他の新機能には、複雑なレイアウトを変更する簡単な方法や、最終的なアプリで見たいアニメーションを宣言するためのサポートなども含まれる(これまでは、カスタマイズの方法が全く与えられていなかった)。また、OAuth 2.0もサポートされているので、これによってユーザーはサードパーティの認証システムを統合することができる。ユーザーはまた、Amazon、Google、およびMicrosoft Azureの認証情報を利用してサインインすることもできる。

LeCatesによれば、今回のリリースの主たるメッセージは、開発者たちにより多くのコントロールを与えるということだ。また最新のリリースでは、FileMakerは年次リリースサイクルに切り替わった。このことによって、同社は市場の変化に少しだけ早く対応できるようになるだけでなく、LeCatesが指摘するように、構築には時間がかかる長期的に必要とされる機能を追加していくことも可能になった。例えば、今回のリリースで公開された機能の多くは、前回の更新時にチームによって投入されていたインフラストラクチャ上に構築されている。

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(翻訳:Sako)

Snapchat、写真を「フォトショップ」するマジック消しゴムを公開

こんどはSnapchatがInstagramを真似する番だ。しかも一歩先を行っている。今日(米国時間5/9)Snapchatは、一連のクリエイティブ・ツールを公開した。その中にはInstagramを真似た機能もあり、例えば写真の表示時間の10秒の制限をなくし、ただし一度閉じると削除されるオプションが加わった。しかし、Snapchatが新たに追加した写真から現実世界の物体を消し去る機能は、ビジュアルコミュニケーションの先端を行くものだ。

クリエイティブ機能が増えたことを受け、Snapchatはツール類を画面右側に並べて使いやすくした。

新しいクリエイティブ機能の概要は以下の通り。

時間制限なしオプション ―― Snapchatのフォトタイマーで無限アイコンを選ぶと、友達は好きなだけ写真を見ていることができる。写真を閉じればやはり消滅する。これは、住所などの重要な情報を写真で送るときに便利だ。すでにInstagramは、ストーリーズとダイレクトメッセージで無制限閲覧機能を提供している。

ビデオのループ再生 ―― 編集画面右側のループアイコンをタップすると、ビデオを無限にループさせられる。短いビデオや特別に注目させたい瞬間を送るのに最適だ。SnapはこのGIFスタイルの機能でInstagramのBoomerangに対抗する。

絵文字ブラシ ―― お絵かきのブラシに絵文字を使えるようになった。ペン先の代わりに絵文字の軌跡を描くことができる。これで一文字ずつ貼り付ける手間が省ける。Instagramも似たような機能をクリスマスのキャンディケーンで試したことがあるが、現在は通常のマーカーや蛍光ペンなどだけが使える。

マジック消しゴム ―― 写真に写っている物体を消したり、抜けている部分を埋めて目立たなくすることができるようになった。マジック消しゴムアイコンを選んで消したい部分をなぞると、Snapchatが自動的に「フォトショップ」してくれる。

さて次なる興味は、はたしていつInstagramが自前のマジック消しゴムと絵文字ブラシを出してくるかだ。

TechCrunchがまとめた最新調査によると、Instagramストーリーズが出た後もSnapchatユーザーは忠誠心を示している。しかし、今後もInstagramがSnapchatの看板機能を真似し続けて世界中の既存ユーザーに提供していくことができれば、Snapの成長は阻害されるかもしれない。Snapは、ユーザー基盤はさほど大きくないが、クールなクリエイティブツールを最初に利用できるサービスとして、新規ユーザーを引き付けるためにはイノベーションを起こし続ける必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モバイル版ウェブからInstagramに写真を投稿できる―データ量節約で世界でユーザー拡大を狙う

Instagramはモバイル向けウェブサイトを大幅に強化した。世界中で写真共有のハブになることを目指しており、国際的な成長を実現するために行われたアップグレードだ。これによりネットワークが遅すぎたりデータプランが高価すぎたりして専用アプリを使いたくいユーザーでもInstagramを自由に利用できるようにするのが狙いだ。このアップグレードでInstagramは閲覧、投稿を含む専用アプリのコア機能を軽量化し、モバイル版ウェブ上で実現している。.

ユーザーはInstagramのモバイル・ウェブから写真投稿ができる。

これまでInstagramのウェブページはデスクトップ、モバイルとも軽量化されているものの閲覧、フォロー、検索、「いいね!」など最小限の機能が利用できるだけだった。デスクトップからの写真投稿は今でもできない。しかし3月からInstagramはモバイルウェブの共有機能の強化を開始し、最新のInstagramでは
Explore〔虫眼鏡アイコン〕タブも利用可能になった。ただしビデオのアップロード、フィルター、ストーリーズ、ディレクト・メッセージはモバイルウェブからは使えない。

Matt Navarraが発見した新バージョンについてわれわれは Instagramに取材してみた。「Instagram.comにモバイルからアクセスした場合、モバイル・デバイスでの利用に最適化されたバージョンが表示される。これは利用するデバイスやネットワーク環境によらず誰もが快適なInstagram体験を可能にすることを助けることを意図している」という。

このアップデートはInstagramのユーザーの80%がアメリカ以外の居住者だということを念頭においた成長戦略に基づくものだろう。この戦略に基づく最近のアップデートの例としては、ウェブからのログイン、特に低価格Androidデバイスでのログイン過程の改善、オフライン機能の追加などがある。これらはあらゆる環境でのInstagramをスピードアップし、 ユーザーを7億人の大台に乗せることを助けた。最後の1億人はわずか4ヶ月で追加された。それ以前の数年間、Instagramでは1億人を追加するのに平均9ヶ月かかっていた。

途上国のユーザーの多くはInstagramのアプリを即座にダウンロードできるほど高速のモバイル環境にない場合が多い。無線網が遅い場合もあるし、アプリやコンテンツ保存のために十分な記憶容量がモバイル・デバイスにない場合もある。またデータプランが禁止的に高価なことも多い。

モバイル・ウェブ版が強化されればユーザーはアプリをダウンロードしてインストールする手間をかける必要がない。これにより待ち時間、保存容量、データ転送コストを大幅に節約しながらInstagramの基本機能を利用できる。

ただしこうしたリリースはInstagram Liteのような軽量版のネイティブ・アプリが必要なのではないかという疑問を再燃させるかもしれない。同じFacebookグループではデータ転送量を最小化することを念頭においたFacebook Liteアプリが2億ユーザーを獲得しており、Messenger Liteアプリも成功を収めている。

Instagramのモバイル・ウェブでは写真の投稿とExploreタブの利用が可能になった

いずれにせよ、モバイル・ウェブの強化でInstagramの使い勝手は主要なライバル、Snapchatの先を行くことになった。 Snapchatはビデオ・ヘビーなサービスなので、運営するSnap
Incは途上国の接続環境に対応することに高い優先順位を与えていない。これは途上国市場がマネタイズの対象として価値が低いこととも関連しているだろう。このことは途上国の画像共有ではInstagramが事実上の標準となる道を開いたのと同じだ。InstagramはSnapchat Storiesのクローンをリリースして2億人のDAU(1日あたりアクティブ・ユーザー)を集めているが、これはSnapchatの全ユーザー以上の人数だ。

途上国のネットワークも安価なAndroidスマートフォンの能力も今後次第に改善されるだろう。そうなればInstagramは途上国市場でも十分な収益を確保できるようになるだろう。グローバル市場での現在の急速な成長はInstagramに強力なネットワーク効果をもたらし、ユーザーを予めInstagramにロックインすることを可能にするはずだ。

ソーシャル・ネットワークは先進国市場ではほぼ飽和状態だ。SNSはそれ以外の市場での成長戦略を考える必要に迫られている。遠く離れた場所のわれわれとは環境の異なる市場のユーザーでも決して無視するわけにはいかない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、Android版Chromeのオフライン機能を強化――ダウンロードと読み込みが簡単に

Googleは昨年12月、Chrome for Androidにダウンロード機能を追加した。これにより、ユーザーはウェブページ、楽曲、ビデオなどをローカル・デバイスにダウンロードし、オフラインでアクセスできるようになった。今日(米国時間5/8)、GoogleはAndroid版Chromeのオフライン機能を強化したバージョンをリリースした。これによりファイルの保存、オフラインでの読み込みが簡単になり、また保存したファイルの検索も容易になった。

Chrome for Androidでウェブページをダウンロードするには画面の右上端からメニューを開き、上部の保存アイコン(「ブックマークする」の青い星型アイコンの右側)をタップする。続いてこの同じメニューのドロップダウンリストから「ダウンロード」を選択すると内容を表示させることができる。

新しいバージョンではコンテンツをセーブする機能がこれ以外にも追加されて簡単になった。そのひとつは保存したいURLを長押しすることだ。これは新しいタブを開くために長押しするのと同じ要領だ。すると「リンク先をダウンロードする」オプションがポップアップ表示される。ユーザーは「シークレットモード」でタブを開くこともできる。Googleによれば「長押し」は「新しいタブ」オプションで表示される「おすすめ」ページのアイコンでも有効だ。長押しすると「新しいタブで開く」、「シークレットタブで開く」、「リンクをダウンロード」、「削除」というメニューが表示される。

「新しいタブ」ページにはすでダウンロードした記事も表示される。このアイコンには「ダウンロードずみ」の青のチェックマークが付く。

このアップデートでChromeはInstapaperやPocketのようなサービスに近い使い勝手になった。これらのサービスはダウンロードずみコンテンツのリストを表示してオフラインで読み込むのを簡単にする。ときおりオフラインに保存する程度の使い方ならChromeの新機能は十分専用サービスの代りになりそうだ。またページをブックマークする代わりにダウンロードして後で読むといった使い方もできる。

ブラウザ自体に内臓された機能なのでChromeのオフライン・セーブ機能はカジュアル・ユーザーの間でも広く使われそうだ。ヘビー・ユーザー以外はスタンドアローンのオフライン保存アプリをあまり利用していない。

Googleは「ダウンロードして後で読む」機能は無線網の電波が届かない場所に行く場合や今月のデータプランを使い果たしてしまった場合などことに有効だ」と指摘している。

もう一つの機能強化は、ダウンロード・ボタンがさらに多くの場面で表示されるようになったことだ。たとえばダウンロードずみ記事をオフラインで読んでいるときに機能しないリンクに行き当たることがある。このとき画面下部に「後でダウンロード」という青いマークが表示される。このアイコンをタップするとChromeは次にオンラインになったときにURL先のコンテンツを自動的にダウンロードする。

GoogleによればChromeユーザーは毎週4500万ページをダウンロードしているという。つまりオフラインでコンテンツを読む需要はそれなりにあるということだ。

ここで紹介した新機能はすでにChrome on Android最新版に実装されている

〔日本版〕Chrome for Androidで「新しいタブ」を開き、「おすすめ」アイコンを長押しして「リンクをダウンロード」を含んだオプションがポップアップすれば最新版になっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+