Google I/O:Androidスマートウォッチお披露目―参加者にもれなく2個プレゼント!

Googleファンの諸君、うらやめ!

今朝(米国時間6/25)開幕したGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスの参加者はもれなく真新しいAndroid Wearベースのスマートウォッチをプレゼントしてもらえることになった。 参加者は今朝発表されたAndroid Wearウォッチのうち、Samsung Gear LiveかLG G3 Android Wearのいずれかを選ぶことができる。さらにMotorolaのMoto 360ウォッチもリリースされ次第プレゼントされる。

そう、スマートウォッチが2個もらえるのだ。ChromebookのプレゼントはなかったのでGoogleが気の毒に思ったのかもしれない。Googleは参加者が会場を出るときに段ボール(本物の段ボール、つまり貧乏人のバーチャルリアリティーだ)の記念品を配った。

さて、参加者がLGとSamsungのどちらを選ぶか見ものだ。

3月に公開されたウェアラブルデバイスのプラットフォーム、Android Wearのさまざまな機能が今朝のキーノートで紹介された。Google Nowスマートアシスタントを利用したカード式のUIもデモされた。

またAndroid Wear SDKが公開され、デベロッパーはインターフェイスやセンサー・コントロールのカスタマイズができるようになった。このSDKでは音声コマンド、スマートウォッチ間、タブレットスマートフォンとの通信も処理できる。

本日発売開始の新しいスマートウォッチにはスワイプでメッセージを非表示に、コンテキスト情報を表示する、などいくつかの新機能サポートされている。

〔日本版〕トップの画像の円形のモデルがMoto 360。2番めの画像の角型モデルの左がLG、右がSamsung。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Glass、ついに海外展開を開始

水曜日にマウンテンビューで開幕するI/Oデベロッパー・カンファレンスを目前に控え、Googleは現実拡張ウェアラブルデバイスであるGoogle Glassの国外販売を開始した。

これは4月にアメリカでの販売を招待制から、オープンなものに切り替えたのに続く措置だ。徐々に世界中の利用者に向け提供されていくことになるのだろう。

今回オープンとなったのはイギリスでの話で、これでマウンテンビュー風音声コントロールヘッドアップディスプレイを英国人も操作できるようになる。かなりの額(£1,000)を必要とはするが、Googleパワーを常に身に付ける人間カムコーダーとして活躍できるようになるわけだ。但し、知人をちょっとびっくりさせたいというだけならば、もう少し安い方法を考えた方が良いとは思う。

Google Glassの販売はGoogle Playにて行われる。依然としてExplorer Editionと呼ばれる早期体験希望者向けのベータ版という位置付けではある。Amazon Fire Phoneより高額で、利用する確かなメリットがなければなかなか手を出しにくいプロダクトではあるだろう。

それでも目の前に情報を投影させる機能を使うことにメリットが有ると考える人は、タンジェリンやスカイなどを含む5色から選ぶことができる。好みのフレームおよびシェードが同梱される。

(尚、ダイアンフォンファステンバーグのデザイナーフレームの販売も開始されたが、こちらは今のところアメリカ国内のみでの販売となっている。)

イギリス人向けGoogle Glassアプリケーションとしては、ガーディアン(Guardian)のものがある。最新ニュースやヘッドラインをGlassで確認することができる。また音楽検索アプリケーションのShazamや、フィットネスをゲーム化して楽しむZombies, Run!などは必携アプリケーションかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


I/O 2014開催近づく―Googleデベロッパー・カンファレンスのテーマはデザインとウェアラブル

今年もGoogleの大掛かりなデベロッパー・イベントの開催が近づいてきた。多くの読者がこの2日にわたるイベント〔日本時間6/26-6/27〕で何が発表されるのか興味をお持ちだろう。

今年のGoogleはアプリのデベロッパーだけでなく、デザイナーやマーケッターにもGoogleの戦略に関する詳細な情報を伝えようと力を入れているようだ。しかし一般エンド・ユーザーに直接関連する発表も数多く用意されているらしい。

Android Wear

事情に通じた情報源によれば、今年のI/Oの重要なテーマの一つはGoogleが今年3月に発表したAndroid Wearだという。このプラットフォームはスマートウォッチなどウェラブル・デバイスのためのAndroid OSの拡張機能だ。

メーカー数社がAndroid Wearを利用したスマートウォッチをデビューさせようとしている。なかでもMotorolaとLGはこの夏にMoto360 とLG G Watchをそれぞれローンチさせると発表している。暦の上ではすでに夏だから、I/Oでこれらのプロダクトが正式にお披露目されるのはまず間違いない。同時にAndroidWearの詳細についても多くのことを知ることになりそうだ。

Android車載システム

Appleは今年に入ってiOSの車載システム、CarPlayの普及に大いに力を入れている。当然、Googleも独自の車載モバイル・システムでAppleにに対抗してくるはずだ。1月に概要が発表され、GM、Audi、Hyundaiと提携しているものの、Android車載システムについてはまだ具体的な情報がほとんどない。しかし今年中にいくつかの新車種に搭載されるという。

GoogleはこのAndroid車載システムについて近く大規模なプレスイベントを計画しているらしい。

Android TV、ホームAndroid

今年、GoogleはIoT〔モノのインターネット〕などを通じてAndroidを通常のモバイル・デバイス以外の分野に拡張することに全力を挙げている。Goolge TVなどがその一例だが、Android TVプロジェクトも進行中といわれる。これもI/Oで発表されるかもしれない。

Android TVはGoogle TVとは異なりアプリ自身の機能よりもコンテンツに主題があると言われている。ただし具体的な内容はまったく分かっていない。Googleは最近子会社のNestを通じてDropcamを買収した。Nestは急速にホーム・オートメーションのハブに成長しつつある。Nest関連の発表もあるだろう。同時にGoogleのプラットフォームを利用したサードパーティーのプロダクトの紹介もあるかもしれない。

Android 5.0

Androidの新バージョンが今回のカンファレンスで発表される可能性は低いかもしれないが、それがどんなものになりそうかヒントがつかめるかもしれない。最近報じられたQuantum PaperはAndroidアプリに新しい統一的UIを導入しようとする野心的なプロジェクトで、Polymerは再利用可能なそのインターフェイス要素だという。

Quantum PaperとPolymerはAndroidアプリばかりでなく、iOSやGoogle独自のハードウェアも含めたさまざまなデバイスのインターフェイスの新しいデザイン・ガイドラインとなるようだ。今年、Googleはデザインの改良と統一化に全力を挙げるものとみられる。

デベロッパーの再定義

当然ながらソフトウェアのデベロッパーを中心とするものの、Googleは今年のI/Oではターゲットしてデザイナーやマーケッターにも重点が置かれるようだ。つまりアプリを開発して流通させるプロセスに関わる人々全てを対象とするということらしい。

われわれは現地取材を行い、ライブ・ブログも含めて報告する予定だ。

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このグラブはあなたをベートーヴェンにする

“映画のMatrixは見たことある?”、電話の向こうのThad Starnerは、興奮した声で私に尋ねた。 “ヘリを操縦できないTrinityの脳にインストラクションをアップロードして、操縦させるシーンがあっただろ。それと同じことを、やろうとしてるんだよ”。

このジョージア工科大学の教授が始めたウェアラブルの実験は、そのうち、誰もがギターやピアノや点字や、そして超高速で踊るダンスの名人になれる技術に育つかもしれない。

Starnerが作ったMobile Music Touchと呼ばれるグラブ(上図)を着けてピアノを弾くと、ベートーヴェンの曲を本物のベートーヴェン(名ピアニストでもあった)以上に上手に弾けるのだそうだ。

Starnerは、Google Glassの開発リーダーでもある。彼はこれまで20年あまり、何らかのコンピュータを頭に装着している。彼がディスプレイのあるウェアラブルコンピュータを初めて作ったのは、1993年にさかのぼる。彼はまた、ウェアラブルをベースとするAIと、人間とコンピュータの対話的関係(human computer interaction, HCI)にも深く関わっている。

彼のグラブは、重量挙げの選手が使うような、指のない革製の手袋に似ているが、その背中にはマイコン回路とそこからの配線とBluetooth通信機能がある。そのグラブがラップトップやモバイルデバイスなどと通信して、曲を演奏する。

Starnerはここ2年ほど、触覚学習(haptic learning)を研究していて、Mobile Music Touchグラブはその副産物だ。このデバイスがユーザの筋肉に誰かの筋肉の(または人工的な)記憶情報を注入することによって、ピアノの練習なんか一度もしたことのない人でも、ベートーヴェンを凌ぐピアノ演奏ができるのだ。

それに、筋肉の動きのパターンだけでなく、言葉を教えることもできる。彼は、手話や点字の例も挙げた。

脊髄を損傷している人たちの、助けになるかもしれない。“実際に第二椎骨と第四椎骨のあいだが破損している人に試してみたが、このグラブによって手の感覚を取り戻すことができた”、と彼は言う。それは一年がかりの成果で、ほかのリハビリ努力なしで行われた臨床試験だった。

この脊髄損傷の研究事例では、人間がそれを意識しない方がスキルの習得がはやい、という注目すべき結果が得られた。それは、受動的触覚学習(Passive Haptic Learning, PHL)と呼ばれる現象だ。ダンスやギターの演奏などでも、頭で考えるのではなく、体が覚えるという形で上達していく。Starnerは、それと同じことだと言う。

Starnerのグラブでは、人間がほかの、関係のないことをしていても、PHLによる学習効果が得られる。

“野球選手に、ビデオを見せてフォームの矯正ができるかい? できないだろ?”、と彼は問いかける。でも、実際にボールを投げてるときに正しい投げ方を教えることができたら、どうかな?”。そりゃ、すごいわ。

Starnerによれば、まだ彼のグラブでは、未経験者がいきなりヘリの操縦をすることはできない。それにもちろん、いきなり本物のベートーヴェンのようにピアノを弾くこともできない。でも、これまでの研究が示しているのは、ふつうに練習努力するよりもずっとはやく、高い精度で、いろんなスキルを習得できる可能性があることだ。

YouTubeビデオ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleのスマートウォッチは10月デビューか―2.5インチ曲面ディスプレイでワイヤレス充電

Reutersの記事によると、Appleは早ければ10月にスマートウォッチを発売する。これに備えて7月にも量産が開始される。このスマートウォッチのスクリーンは直径2.5インチ、やや角ばった形状で、バンドから少し浮き上がったアーチ型だという。またタッチ機能、ワイヤレス充電機能も備える。

記事によれば、Appleは発売後最初の1年で5000万台の販売を予定している。OEM生産に当たるのは台湾のQuantaコンピュータ社で、同社は現在小ロットの試作を行っている。試作バッチのディスプレイはLGが供給している。このスマートウォッチはSamsungのGear 2のものに似た心拍計を備えているという。

Appleがこの秋にスマートウォッチの発表を準備しているという情報は業界に広く知れ渡っているが、今回権威あるニュースメディアによるさらに具体的な報道が追加された。今月、日本の大手経済紙、日経もAppleはスマートウォッチを10月に発表すると報じた。この記事では曲面OLEDディスプレイが採用され、健康モニタ関連の機能が提供されるとしていた。これはReutersの記事の「アーチ型のディスプレイ」という情報と一致する。

一般的に言って、Appleが新製品の発表を控えて量産に入ると、製品の詳細に関する情報が次々にリークされる。新しいiPhoneのローンチの際も同様だった。そうした前例も考慮すれば、最近のAppleのスマートウォッチに関する情報もかなり確度が高いと考えられる。

Appleが角型のディスプレイを採用したというのが事実ならそのデザインはこれまでも噂されてきたように、NikeのFuelBandに近いのかもしれない。しかしデザインに関してはまだ十分に信頼できる情報は出ていない。ただし、スマートウォッチがAppleが秋に一般公開を予定しているiOS 8のHealth機能と連携することは間違いないだろう。

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日本はすでに代表が交代、米国はCEO未確定–井口氏退任に揺れるTelepathy

ウェアラブルデバイス「Telepathy One(テレパシー・ワン)」を開発中のTelepathyから、CEOの井口尊仁氏が退任するというエントリーを掲載したが、その続報をお届けする。

TechCrunch Japanでは、第1報を公開後、井口氏に替わって日本法人であるテレパシージャパン(Telepathyは米国法人が親会社であり、日本法人が子会社)の代表を務める鈴木健一氏とのアポイントを取り付けたため、東京・人形町の同社に向かった。だが同社に到着する直前で、「急な対応が必要な用件ができた」とのことで連絡もつかなくなり、当日の取材ができなくなった(同氏とは本記事公開前に連絡がついている。今後しかるべきタイミングで改めて取材を依頼したいと思っている)。だがその後、同社広報などを通じて一部の情報を確認することができた。なお井口氏自身からは「広報を通じて回答する」という旨の連絡をもらっている。

すでに日本法人の代表は交代

まず日本法人だが、前述の通りですでに4月28日をもって井口氏から鈴木氏に代表取締役が変更されている。鈴木氏はこれまで同社のCTOも務めていた人物だ。米国法人に関しては、今日時点で解散の事実はないそうだ。一部の業界関係者からは「法人自体は存在しているが、すでに人が居ない」という証言も得ていたが、同社によると「そういう状況ではない」とのこと。また井口氏が務めていた米国法人CEOついては「正式に確定していない」のだという。

こういった状況ではあるが、井口氏の進退とあわせて気になるのは、やはり井口氏がその構想を語ってくれたTelepathy Oneが登場するか否かではないだろうか。イベント「TechCrunch Tokyo 2013」で井口氏は、2014年内の発売を目指していると語っていたが、現時点での公式な回答は「開発は進んでおり、マーケティング戦略でベストタイミングを探っているので今年中かは未定」というものだった。エンジニアは今も開発を続けている。

ハードウェアスタートアップはトラブルが起こりやすい

僕はあるハードウェアスタートアップの代表と話をしていたときに、「ウェアラブルデバイスを含めてハードウェアの分野は、開発しながら提供するということもできないので時間もかかるし、利害関係者も多くなる。だから(サービスを作るより)トラブルが起こりやすいものだ」と語っていたのが忘れられない。正直なところTelepathyに関しては——デバイスの形状から資金繰り、ビジネスの方向性、協力会社との関係、果てには井口氏の性格まで。さらにここ数日は同氏の進退についても——ただの噂か真実かはさておき、ありとあらゆる話が聞こえてくる。正式なプロダクトの姿すらお披露目されていない状況にもかかわらず、ここまで多くの話が聞こえてくるスタートアップはあまりない。それだけ同社に注目が集まっていることの表れでもあるのだろう。そのうち一部の内容に関しては関係者の証言を得ることができたが、Telepathyではその内容を否定している。

井口氏はあるインタビューで「世界で勝負するにはハッタリが必要」という話をしていたが、僕もスタートアップには自分たちの現状のリソースで実現できる以上の大きなビジョン、ハッタリは必要だと思っている。新しいプロダクトを生み出すには、そりゃ当然今の常識を越えていかないといけないだろう。だからこそ、Telepathyに関してもプロダクトを早く見たいと思ってしまう。

ともかく、「代表」という意味で井口氏がTelepahtyから退任した(厳密には米国についてはCEOは未定だ)が、会社としてはプロダクトの開発を引き続き進めるという。Telepathyの「顔」だった人物が離れ、同氏を支えてきた鈴木氏やエンジニアチームは果たしてどのようなプロダクトを我々に見せてくれるのだろうか。


Telepathy CEOの井口尊仁氏が退任–詳細は続報にて

数日前から関係者の間では噂になっていたのだが、ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発中の米Telepathy CEOである井口尊仁氏が退任したことが、関係各社への取材で分かった。

井口氏はTechCrunch Japanが手がけるスタートアップ向けイベント「TechCrunch Tokyo 2013」(当時僕はまだスタッフではなかったのだけど)にも登壇して、2014年内にもデバイスの提供を目指していると語ってくれていた。

TechCrunch Japanでは現在、日本にいるTelepathyのメンバーへのコンタクトをしている。詳細については追ってレポートする。


東北大の川島隆太教授が「Google Glassなんて3日で飽きる」と語ったワケ

5月に発表されたジェイアイエヌのメガネ型のウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズミーム)」。その機能や会見の様子はすでに当日の記事で紹介した。話を聞いてから少し時間が経過してしまったが、ここでは当日の展示会場で東北大学 加齢医学研究所の川島隆太教授に聞いた話を紹介したい。川島氏はジェイアイエヌに打診されて、4年前からJINS MEMEの開発に協力してきた。

僕はGoogle GlassやOculus Riftを初めて使ったときにやっぱり感動したし(普段メガネをつけていることもあって、正直それより重いデバイスの常時利用には慣れがな、とは必要だとは思ったけど)、もちろん川島氏の考え方だけがすべてではないと思う。ただ川島氏の声は、ウェアラブルデバイスやIoTといったテーマに注目が集まっている今、本当に必要とされ、利用されるデバイスがどんなモノなのかを考える1つのヒントになるのではないだろうか。

–最大のポイントは3点の眼電位のセンサーなのでしょうか。(眼電位は、角膜と網膜の電位差のこと。眼電位を計測することで、目の動きをモニターすることができる。これまで4点の測定が必要なセンサーば一般的だったが、JINS MEMEでは3点のセンサーを開発することで、通常の「メガネ」の形状にセンサーを収めることができた。詳細は過去記事を参考にして欲しい)

今までは眼電位センサーが4点あり、電圧の変化を計測しやすかったんです。ですが、JINS MEMEではあくまで「普通のメガネ」にどうセンサーを入れ込むかという点に技術屋は燃えました。もちろん電池もトランスミッターも一次解析装置もこの(JINS MEMEの)中に入れています。

半導体はオリジナルで設計しています。当然国内のものです。一番難しかったのは電池を小さくすることでした。電池(を取り出して)の交換は考えていません。非接触で充電できるようにします。データの吸い出しはUSBで実現しています。

まだまだ日本の技術ならいろいろ入れられると思うんです。(36グラムのJINS MEMEを持って)これでもまだまだ不満です(笑)

—2015年の発売ということですが、製品としてすでに完成形していませんか。

BtoBtoCで提供するのであれば、家電と同じで「誰でも使える」というものでないといけません。BtoBであればこのままでもいいでしょう。タクシー運転手やドライバーに使ってもらう、という姿はもう想像できます。ですが、もっともっと安定性を求めないといけません。

—あえて改善する点を挙げるとすればどこでしょうか。

もっとバッテリーが入ればいいですよね。ここ(フレームの細い部分を指して)に入ればなおいい。日本の技術に期待したいですよね。

–ジェイアイエヌから川島さんにメガネの製作に関する打診があったのは4年前ということでしたが、当時から同じような姿だったのでしょうか。

僕は脳のセンシングに関する研究をずっとやっていて、ウェアラブル領域には満足していたんですよ。ですがJINSさんがどうしてもやりたいと言っていて、だったらメガネにデバイスを入れ込もうとなりました。

最初2年はメガネで何ができるかをずっと考えていました。アイデアに費やしました。最初は(ジェイアイエヌから)「頭をよくするメガネ」というテーマを言われたのですが、陳腐なアイデアしか出なかったんですよ。そこで発想転換して、「メガネじゃなきゃだめなものはなにか」と考えるようになりました。

—会見ではGoogle Glassのカメラのように、自然に身に付けるモノではなく、あえてつけるような装置は利用しないのではないか、と語っていました。

国の方針でビッグデータ解析を医療分野にも持っていくという流れがあり、国費も投入されていいます。そこで何か人に身に付けさせようと皆さん考えるんですが、うまくいかないと思います。

(川島氏を取り囲んでいた記者に向かって)皆さんGoogle Glassをかけますか? あれは本当に好きな人しか掛けないですよ。あれをみんながかける世界が来ると信じていたらあの会社(Google)は潰れる、くらい思っていいます。

だからこそ、普段必ず使う物の中にセンサーが入っていて、自然な生活の中でセンシング情報がたまっていって、その情報を健康なり何なりに使えるということが重要です。そういう物は今までありませんでした。

その点ではメガネは日本人には合っている素材です。これをBtoBtoCに展開できれば、面白い世界が待っていると思います。1年先に販売して広がると、情報科学分野の先生たちが一気に業界に入ってきていろんなこと——情報を我々の生活からキャッチアップしていくと——少し今とは違った世界になるでしょうね。

あとは、頭の加速度センサーのほうが、商売の可能性があると思っています。スポーツをやっている人って頭の動きをすごく気にするんです。一流のアスリートは頭が動かない(ブレない)んですよ。ではそれを今までどう測っていたかというと、モーションキャプチャーで数千万円かけないといけなかったんです。

JINS MEMEが出ると、数万円で自分の頭の動き、パフォーマンスなどを知ることができます。2020年のオリンピック市場も狙っていたりするんですよ。

–通信について教えて下さい。また会見では将来は老人の見守りなどに利用したいという話もありました。

今は汎用性が高いのでBluetoothを採用しています。カーナビとも直結しますし。将来的には、同意した人の情報をBluetoothでスマートフォンに飛ばして、どこかに持っていくということもできるでしょう。ただしそこはJINSでやるのではなく、公的機関や医療サービスを提供する事業者がやるのかもしれませんが。

今、本気で考えているのは認知症の対策です。認知症の方は歩行がすごくぶれるんです。では認知症のどれくらい前からそういう症状が出るのかが分かれば、その疑いが出たときにすぐに病院で見てもらって治療する、もしかしたら予防も実現するかもしれません。

—開発パートナーについて教えて下さい。

知っていますが、名前を挙げていいか分からないんでJINSさんに聞いて下さい(笑)

—例えばJINS MEMEに震える、光るといった機能を入れることは考えていますか。

フィードバックをメガネでやるのかという話です。スマートフォンでいいのではないかと考えています。重量も増やしたくありません。

Google Glassみたいにここ(目の前)にディスプレイがあるというのは、生活に支障を与えます。不自然なことはしたくない。あくまで自然の中でデータを計測して、自然に(情報や反応を)返すことが大事だと思っています。

–価格はいくらくらいでしょうか。

そんなに馬鹿高くはならない、お小遣いで買える額にできないかとは考えています。

—Googleは、コンタクトレンズにカメラを埋め込むという試みにも挑戦するようです。

それができたら面白いですね。ただコンタクトレンズ上で電子部品を走らせるのは少し怖いところがあります。角膜は再生しません。

今お話ししながら考えたのは、センシングのためのデバイスではでなくて、コンタクトレンズにコイルか何かを入れて、アンプ機能を持たせることはありえるかもしれません。ですが、それは「あえてつける」になってしまいますよね。そうなるとつけませんよ。Google Glassだって、買ったって本当に好きな人以外は3日で飽きちゃいますよ。


Google Glass、デザイナーフレームを纏ってお洒落に再登場

Google Glassがダイアンフォンファステンバーグ(Diane Von Furstenberg)とパートナーシップを結んだ。これにより、Google Glassがお洒落になる。フレームデザインは5種類が追加となり、カラーバリエーションは8色が加わる。これらニュータイプは6月の23日から、Net-A-PorterやGoogle Glassストアで購入することができるようになる。

今回のプロダクトが、デザイナーと組んだマッシュアップの最初のものとなる。イギリスのアイウェア界の巨人であるLuxotticaとパートナー契約を結んでいることで、今後はレイバンやオークリーブランドのフレームが登場してくることだろう。そう、ちかいうちにGoogle Glassアビエイターが登場してくる可能性もあるわけだ。

もちろん、フレームデザインは変わったものの、コンピューティングを担う部分のハードウェアは従来版と同じものだ。新しいフレームに併せてカラリングは行われるものの、中身は変わらない。価格の方は、これまでの1500ドルよりも若干高額となり、1620ドルとなる予定だとのこと。

GoogleとしてはGoogle Glassを「テックおたく」以外の「一般の人」に広めたい考えがある。そのためにも「お洒落」さが必要になってくるわけだ。そのために、新たな外観で広い層の人の注目を集めようとしている。「プロダクト」ではなく「アクセサリー」としての地位を獲得したいと考えているわけで、そのためにお洒落なフレームを身にまとってみたというわけだ。

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(翻訳:Maeda, H


Samsung、Android搭載のGalaxy GearでもTizenを利用可能にするアップデートを提供開始

新しいSamsung Gear 2は、前世代のGalaxy Gearにそっくりだ。おまけにUIを見て、異なるOSで動作しているなどと思わない人がほとんどだろう。実のところ、Gear 2がTizenで、GearはAndroidで動作しているのだ。そして新機種をTizenベースとしたSamsungは、旧機種のGearでもTizenを利用できるようにすると言っていた。それは本気の表明だったようで、実際に使えるようになったようだ(via SamMobile)。旧機種に、ダウンロードしたTizenをインストールすることができるようになった。

先に述べたように、ほとんどの人はAndroid版とTizen版の違いに気づかないのではないかと思われる。Samsungは、アイコンや画面パーツなどがほとんど同じに見えるようにデザインしたようだ。但し、バッテリーのもち時間は改善されているのだとのこと。またカメラを操作するボイスコマンドなどに加え、Tizen本体のみで音楽を楽しむことのできる機能も追加されている。

当初、Samsungはスマートフォンの分野でもTizenに軸足を移していくのだろうと思われていた。自らが開発に関わっているOSを利用することで、Googleの動きに左右されずに済むようになるからだ。自らの思い通りに開発を進めることができるようになる。しかし少なくとも今のところ、Samsungはスマートフォン後のモバイルデバイスにて、Tizen活用の道を探っているように思われる。そうした分野での方が、省電力性や軽快さを備えた標準OSとしての魅力が活かせると考えているようだ。

オリジナルGearのオーナーはSamsung Kies経由でアップデーターのダウンロードをすることができる。少なくとも今のところは、Gear単体でのアップロードは行えない。

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(翻訳:Maeda, H


文字通りウェアラブル(”着る”)なカメラNewViewWearなら撮(ってる/られてる)ことを意識しない

Elvis Costelloに、“Watching the Detectives”(探偵を見張る)というヒット曲がある。探偵を見張ることは実際には難しい。でも、いつでもonでいつでも撮影中のウェアラブルカメラNewViewWearなら、あなたはどんな凄腕の探偵でも”shoot, shoot, shoot”(撮る、撮る、撮る)できるし、彼がどこへ隠れようとしても “red dogs under illegal legs”(赤犬を連れた不法侵入者)であることがばれる*。〔*: これらは”Watching the Detectives”の歌詞の一部。〕

ライフキャスティングの人気がなくなったのは、それがちょっと気持ち悪いからだが、NewViewWarは無視できない。一見ただのシャツだが、中に常時onのカメラが隠れている。今Indiegogoで10万ドルを募集しており、出資すると小さなカメラと、撮影用の穴の開いたシャツをもらえる。カメラは、三回タップして目の前で起きた事象…5分間の過去…を記憶させたり、あるいは一日中撮りっぱなしにして、寝る前にその日一日をじっくり振り返ることもできる。

シャツとカメラのセットで199ドルだが、撮影モードは、連続撮影、ループ撮影、自動撮影から選ぶ。時間差撮影もできる。1080pのカメラとしては最小のサイズだし、一回の充電で数日使える。microSDカードでストレージを増量できる。

ビジネスでも私生活でも、人との対話を記録しておくことが今後重要になるにつれて、こんなデバイスの利用が増えるだろう。それはまるで、自分専用のInstagramが常時onになったようなものだが、いずれロシア人がダッシュボードカメラとして利用するようにもなりそうだ。でもそうなると、裸で運転は禁物です。冗談はさておき、これが今後どんな使われ方をするか、興味津々だ。自分が誰かに撮られていることがわかったら、あなたならどうするかな?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマホで体脂肪率を計れる–でもどうやって?

デバイスのメーカーたちは今、健康チェックの市場をさらに前進させる方法を躍起になって模索している。そして今日Jawboneが出願した特許は、市場の次の一歩に貢献するかもしれない。同社がUSPTO(合衆国特許局)に提出した特許出願書類は、体脂肪率をスマートフォンやタブレットなど既存のデバイスや、同社のリストバンドUP24などで計測する方法を記述している。その場合センサは、デバイスが標準で搭載しているものだけを使用する。

このパテントによると、計測システムはデバイスのディスプレイや加速度計、ジャイロスコープ、マイクロフォン、GPSなどなどをフル動員して、ユーザにまず、体脂肪率を測定するためにはデバイスを体のどこにどう置くのがベストかを指導する。それからシステムはデバイス内蔵の振動モーターを使って衝撃を発生させ、戻ってくる振動を測定する。戻ってくる振動の周波数は、衝撃が体脂肪を揺すった結果なので、その周波数からユーザの体脂肪率を推計できる。

そのためにデバイス上で動くアプリは、総合的な健康チェックアプリの一部、または体脂肪率測定専門のアプリとして提供される。これは、スマートフォンなどのデバイスを利用する新しい測定方法だ。これまでにあった体脂肪率測定方法は、Withingsのデジタル体重計Smart Body Analyzerのように、専用の機器を使う必要があった。

パテントのクレジットを与えられているAza Raskinは、Jawboneが2013年に、デザイン方面の人材獲得のために買収したMassive Healthのファウンダだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


話題先行の(?)スマートウォッチ。「インフルエンサー」はAppleおよびTim Cook

Appleは、今のところまだスマートウォッチ関連のプロダクトを発表していない。しかし既に、スマートウォッチ業界で2番めの影響力をもつ(influential)企業となっているのだそうだ。ちなみにトップはSamsungだ。

ランキング情報は、Appinionsの「Smart Watch Influencer」によるものだ(訳注:サイトで登録を行えば誰でもレポート全文を見ることができる)。1位となったSamsungはいくつかスマートウォッチを市場に送り出しているし、3位に位置するGoogleも、いくつかのプロダクトに関係している。そのような中で、まだ具体的プロダクトの存在しないAppleが2位になるというのは、すなわち市場からの期待の大きさを示すものとみることができよう。Appleの方がスマートウォッチ関連の質問を受けた際には、「ノー・コメント」と回答するのが常で、これもまた参入を否定するわけではないという意味に、市場には受け取られている。

Samsung、Apple、そしてGoogle以外のトップ10はMotorola、LG、Acer、Pebble、Sony、Intel、そしてMicrosoftとなっている。

この世界にはやくから参入していたPebbleは、影響力という観点からみると、ポジションを低下させているようだ。

さらに、人物毎にみても、NikeのCEOであるMike Parkerと、Misfit WearablesのCEOであるSonny Vuに続いてAppleのTim Cookが3位になっている。

先にも記した通り、Appleはウェアラブルの分野のプロダクトをまだリリースしていない。しかし動きが見て取れないわけでもない。たとえば医療系センターのエクスパートたちを入社させているし、またBurberryのCEOを販売戦略担当に据えたりもしている。さらにNikeのFuelBandのデザイナーも戦力に加えているようだ。

但し、影響力をもち、また有能な人材を採用しているからといって、AppleのiWatchが大成功をおさめるかどうかは、まだわからない。喜び勇んで購入した人が、引き出しに仕舞いこんでオシマイなどということになる可能性も、ないではない。

Editor’s Note: The data used in this report is taken from approximately 25,000 opinions relevant to the smart watch industry between February 10 and May 9, 2014.

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(翻訳:Maeda, H


機械式時計にハイテクを搭載したKairosスマートウォッチがプレオーダーの受付けを開始

腕時計好きは世界中にたくさん存在する。FossilやRolexやOmegaなど、本当に素晴らしいものがたくさんある。そんな中に割り込もうとするKairosをご紹介しよう。エンジニア、デザイナー、そしてアントレプレナーが集結して、機械式の自動巻き時計でありながら、表面のガラス上にはインターネットからの通知を表示することのできるものを創りだしたのだ。

スイス製のSoprod A10BV-2を搭載したモデルと、シチズンファインテックミヨタの82S7を搭載したものがある。これで時計を組み立てれば、できあがるのは普通の機械式時計だ。Kairosはガラス部分に半透明のTOLED QVGAを搭載して、アイコンやアプリケーションから通知される情報を表示するようにしたのだ。尚、ドットマトリクス方式のディスプレイを搭載するモデルもある。こちらは文字と、電池残量を示すアイコンを表示するようになっている。

「機能面でいえば、SamsungのスマートウォッチやPebbleと同様です」と、ファウンダーのひとりであるSam Yangは述べる。「通知機能、リモートコントロール機能、フィットネス管理機能などを搭載しているわけです。これまでのものと異なるのは、機械式時計と半透明の電子ディスプレイを組み合わせた点です」。

韓国にてYangは、17歳のときにリモートエンジンスターター関連の会社を設立し、その後、ファッションブランドのマネジメントビジネスを立ち上げた。今回のスマートウォッチも、テックとファッションを融合させたものと見ることができるだろう。

「腕時計が大好きなのです。スマートウォッチでありながら、従来の時計好きの人にも興味を持って貰えるようなものを作りたかったのです」とのこと。ファウンダーは他に3人いて、Ken Yoonはルノー出身、Kyo Young JinはSamsungおよびLGで働いていた。そしてGabriel Gonzalesはファームウェアのプログラマーだ。時計の機械部分は、Patek Philippeでウォッチメーカーとして修行して、スイス製時計のマーケターをしているFrederic Weberの手になるものだ。

ムーブメントを機械式にしたことで、アナログタイプのスマートウォッチに感じていた不満を解決してくれた。すなわち秒針の動きがスムーズになったのだ。

機械式ムーブメントとスマートウォッチを組み合わせたことに大きな意味はあるのだろうか。それは、強いこだわりによるものというわけでもないようだ。

「スタート地点は素敵な機械式時計です。格好良い機械式時計に、スマートウォッチ風機能を付けることはできないかと考えたわけです」とYangは述べている。

時計ビジネスの規模にも魅力を感じたのだとのこと。

「昨年1年間で、190万台のスマートウォッチが売れています。また、普通の腕時計は12億台が販売されたようです。そのうちの77%が機械式ムーブメントのもので、2900万台がスイス製であったとのことです」と述べる。こうした数字を背景に、新旧を組み合わせることで、ウェアラブルの世界に新しい動きを持ち込みたいと考えているわけだ。

Kairosは金融関連企業からのシード投資と、シンガポールおよび香港の企業からのシリーズAを完了している。500台を試験販売し、そしてこの度、プレオーダーの受付も開始した。最も安価なモデルは499ドルからとなっている。

こうしたものというのは、往々にしてあっという間に消え去っていくことも多い。しかしメンバーは経験豊かで、機械式時計の人気を背景としたデザインは魅力的だろう。成功する可能性も大きいと考えている。機械時計のメーカーの多くはスマートウォッチには距離を置いたスタンスをとっている。しかしそこにテックを組み合わせることにより生み出されたハイブリッドモデルには、やはり大きな魅力があるように思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H


ウルヴァリンの爪をDIYしたマッドガイ、今度は天井を歩くシューズを開発

近付くと危険そうな若者(Colin Furze)がガレージで製作した全自動ウルヴァリン・クロウはお気にめしただろうか。彼は今後もX-MenをテーマにしたDIYを続けていくと言っていた。その話がはやくも現実のものとなったので紹介しておこう。

今回作ってみたのはマグニートー風に天井を歩くためのシューズだ。

おせじにも「自在に動き回る」とは言えない。しかし自分でも絶対に使ってみたい。

仕組みはどうなっているのか。ビデオを見ればわかる通り、磁力を利用したものだ。

シューズの底には電磁石が配置されている(使わなくなった電子レンジにあったコイルを再利用しているのだそうだ)。それぞれの電磁石には長いケーブルが繋がっていて、手元のスイッチで磁力のオンオフを行うことができる。オフにしないと、次の一歩を踏み出すことができないのだ。

靴に電磁石を付けるということ自体は、べつに難しいものでもないだろう。しかしそれでも打撲や骨折なしに動けるようになるのは大変なことだった様子。上の「公式版」を作るにあたってのメイキングビデオも公開されているので、ぜひともご覧頂きたい(訳注:下のビデオの方が圧倒的に面白いと思います)。

落下して大変な様子になるのを見たくはないという人もいることだろう。ネタバレで恐縮だが、落下にはしっかり備えているし、落ちても平気なような対策は施されている。

自分でも作ってみようと思った人も多いに違いない。上のビデオからもわかるように、成功のためには狂気ともいえそうな執念が必要であるようだ。

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マッドなガレージ発明家、ウルヴァリンの武器をリアルに再現して鼻高々

映画ファン(とテックファン)のみなさん、こんにちは。「多分自分ではやらない方が良いDIY」を紹介しよう。

何を紹介するのかと言えば、たっぷりの創造性とちょっぴりの狂気をもった、ガレージ発明家たるColin Furzeの生み出したものだ。何を生み出したかといえば、あの「ウルヴァリン」の爪だ。もちろん出し入れは自由だ。見ての通り、かなり危険なモノに見える(少なくともビデオの中の彼は相当に危険だ)。

他にも同じようなものを作った人もいる。しかし、ただ飛び出すだけというものが多かった。いったん出したら(そっと隠れて)手作業でしまうものばかりだったように思う。それはかなり情けない。

ここで紹介しているものでは圧縮空気を使って、自在に入れたり出したりすることができる。確かに実際的な機能を実現するために、バックパックをしょわなければならないというマイナスもある。しかし本物に限りなく近いウルヴァリンの爪を身にまといたいなら、少なくとも今のところはこれがベストの選択肢なのではないだろうか。

入れたり出したりを充分に堪能したら、爪をバックパックにしまって帰ることもできるわけだ。

ところで、ビデオに登場している人物に見覚えがある人もいることだろう。彼は以前から奇妙なDIYを世に問うているのだ。たとえば2007年には、非力なスクーターで走る「Wall Of Death」にトライしている。

2012年には、時速6km程度のモビリティスクーターを、時速100km以上も出るモンスターに改造してもいる。

Furzeは、近いうちに(新しいX-Menシリーズである「フューチャー&パスト」にあわせるのだろう)X-Men関連のDIYプロジェクトを行う予定であるとも言っている。どんなクリエイティブを見せてくれるのか、楽しみにしていようと思う。

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Samsung、Google Glass対抗製品を9月にリリース予定?!

まだいろいろな縛りがあるらしいものの、Google Glassはかなりの人が自由に入手できるプロダクトとなってきているようだ。いろいろなハードルがありながらも、一応は「パブリック」なプロダクトとなった様子。そのような状況の中、Googleのライバルたらんとする競合メーカーも同様のデバイスをリリースする予定にしているらしい。Business Korea(via Business Insider)が伝えるところによればSamsungの従業員から「Gear Glass」という名前のデバイスが、今秋にベルリンで行われるIFAエレクトロニクスショーに出品されるという情報が寄せられたとのことだ。

「Gear Glass」というのはアイウェア部分とイヤホン部分を備えたヘッドセットデバイスであるとのこと。Samsungが推進するTizen OSを搭載したものなのだそうだ。Tizenは現在Samsungの腕時計型デバイスのGearシリーズで用いられている。昨年リリースされた第一世代のGalaxy Gearシリーズから、OSの変更があったわけだ。ウェアラブルデバイスについてみた場合、Tizenには消費電力が低いというメリットがある。充電器に繋いでおく時間が、より短くて済む。

ちなみにSamsungは、ウェアラブルデバイスについて「Gear」というシリーズ名を使用していく意向であるようだ。発表されるらしいGear Glassについては、この「Gear」という名称を使うらしいということ以外、実は詳細がわかっていない。ただ「Glass」の名前が示すように、インタフェースや利用法については、Google Glassと同じようなものであると想定して良いようだ。

今や、あらゆる企業がGlass型デバイスの開発を行っていると言っても過言ではない状況だ。マイクロソフトやAppleなどは各種関連特許を申請中で、EpsonやSonyなどもプロダクトのリリースを予定していると伝えられている。「マーケット」が確立する前に、そのシェアを奪い合う状況が生じつつあるといえるかもしれない。しかし企業というものは、新しいアイデアに飛びつくのがその使命だということもできる。自社の成功が保証されていないにしても、チャレンジせずにはいられない分野であるといえるのかもしれない。

*注:冒頭に掲載している写真は、ずいぶん前にSmasung Glassとして提示されたもの。リリース予定とされるデバイスのものでないことはご注意いただきたい。

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Parrot、高性能カメラを搭載し、Oculus Riftとも連携する第三世代ドローンを発表

「Bebop」と名付けられた第三世代AR Droneが発表された。言わずと知れたParrotの最新モデルで、従来のものに比べて大きく機能強化が行われている。新しいドローンをひとことで説明するならば「空飛ぶカメラ」で、撮影している画像を直接Oculus Riftに流すこともできるようだ。ドローンによるエクスペリエンスが全く新しいものとなりそうだ。

Bebopの中央に鎮座するのは1400万画素の魚眼レンズカメラだ。このレンズと搭載しているソフトウェアを組み合わせて滑らかなビデオを撮影することもできる。ドローンをホバリングさせた状態で、パンやティルトすることもできる。

搭載しているレンズの画角は180度もあるので、無用な部分もフレームに入ってくることになる。しかしコントローラーから必要な部分だけを撮影して残りは捨てるようにと設定することもできる。またドローンが風などで揺れているときも安定した映像を撮影することも可能だ。

Phantomなど競合のドローンと比べると、カメラ機能での優位性が非常に大きなものとなる。

通信にはこれまでのAR Drone同様にWifiを用いる。Bebopは4つのアンテナを搭載していて、2.4GHzおよび5GHzに対応している。操作可能距離についてはWifiそのものの制限による。但しBebopはこれについても策を講じている。

その策というのは、Bebopと同時に発表されたSkycontrollerだ。これを使うことで、Bebopの操作可能距離を2kmにまで伸ばすらしい。コントローラーの中央には操作に使うスマートフォンないしタブレットをマウントする。コントローラーにはアンテナおよびブースターが搭載されていて、コントローラー側の出力を36dBmにブーストする。

これだけでも相当に魅力的だと思うのだが、Skycontrollerを使うと、Bebopが撮影するビデオをOculus Riftにストリーミングすることができる。つまり操作する本人がBebopになったかのような気分を味わうことができるわけだ。使ってみた人の話によると、少なくとも現時点では若干のタイムラグはあるようだ。

尚、GNSSチップセットが搭載されていて、GPS、GLONASS、およびGALILEOのデータを使って自律的に飛行開始地点に戻ってくることもできる。

航続時間はこれまでと同様に12分となっている。これは少々残念なところだ。

Bebopの価格についての発表はまだない。しかし300ドルだったParrot AR Drone 2.0や、Phantomから出ている1000ドルのモデルよりは高額になるだろうとのこと。本年の第4四半期に発売開始予定なのだそうだ。

Bebopは非常に面白そうに感じる。これまでの経験からParrotはマーケットのニーズを掴んでいて、多くの人が望む形を実現したということなのだろう。飛行自体を楽しむ目的に加えて、高性能カメラを搭載することで、想定利用者層が大きく広がることとなる。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon U.S.、サイト内にウェアラブル用の専用ストアを開設

うっかり見逃してしまっている人も多いかもしれないが、Amazonがサイト内にウェアラブル・ストアを開設している。従来からあるカテゴリーに、新しく「ウェアラブル」カテゴリーを追加したのだ。扱われているのはMisfit Shine、Jawbone UP24、そしてNarrative Clipなどさまざまなウェアラブルデバイスだ。

さらにウェアラブルの中もFitness & Wellness、Healthcare、Cameras、Smart Watches、Family, Kids & Petsなどのカテゴリーが作られている。いろいろと見て回ると、TechCrunchで紹介したデバイスも多いようだ。たとえば姿勢モニターのLumoback、Fitbitシリーズ、スマートウォッチのPebble、あるいはGoProなどのアクションカメラ系については多くの方々がよくご存知だろう。「Editor’s Corner」も用意されていて、こちらはSarah Zangが担当し、Gizmodeのスポンサードコンテンツが紹介されたりもするようだ。

「購入ガイド」(Buying Guides)のページもあり、ライフスタイルやニーズによって、適切なデバイスを選ぶためのヒントが掲載されている。またビデオデモンストレーションや、製品紹介ビデオなども掲載されている。ウェアラブルがどのようなシーンで活用できるのかという記事もある。ウェアラブルプロダクトの認知度は高まりつつあるものの、まだ実際に所有している人は少ないという調査結果もある。そのような中、利用者となる可能性のある層に対して丁寧な説明を心がけるのは理に適ったことであるだろう。

個人的にはウェアラブルにも多いに興味がある。しかし今の段階から専用のトップカテゴリーを用意しておくほどのものだろうか。もちろんAmazonはそう考えたわけだ。これからはさらに商品カテゴリーが増えてくることも期待でき、今後に向けて楽しみなページではある。

訳注:訳出時現在、ページ内のリンクが正常に動作していないようです。但しこれも一時的であり、間もなく正常に機能し始めるものと思われますので訳出しておきます。

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Maeda, H


続々と参入者が増えるキッズ向けウェアラブル。Tinitellは簡単電話+GPS機能に特化

デバイスメーカーにとって、すくなくともここしばらくは「ウェアラブル」が注目すべきバトルフィールドとなる。Tinitellも、子供向けのウェアラブルフォン+GPSトラッカーを投入してきた。最新の技術を用いて、子供の手首に装着できるようなサイズにおさめたプロダクトだ。

製作したのは昨年設立されたスウェーデンのスタートアップだ。10万ドルの資金調達を目指してKickstarterキャンペーンを展開している。資金を調達して来年4月からの出荷開始を目指している。本稿訳出時点で24日のキャンペーン期間を残して7万4千ドルほどを調達している。

Tinitellはそのサイズのみでなく、操作方法についてもコンパクトにうまくまとめられているようだ。デバイス自体にスクリーンはなく、物理的なボタンで操作するようになっている。電話をかける相手は音声認識で選択するようになっている。

たとえば「ママ」といえば、予め「ママ」として登録しておいた相手が通話相手として選ばれる。もちろんボリュームキーを押すことで、リストから電話相手を選ぶこともできる。選んだ相手を表示するスクリーンはないので、音声にて現在選択されている相手を通知してくれる。

ちなみに音声認識は、完璧に発話を認識する仕組みではなく、予め録音しておいた音声ラベルとのマッチングを行うものだ。これにより、さほど処理能力の高くせずとも機能を実装できるようにと工夫しているわけだ。

通話相手リストの追加を行うにはTinitellのウェブサイトないしアプリケーションから行う。こうした仕組みにより、子供が誰と通話できるかを親の側で設定できるようになっているわけだ。また、現在の場所を地図上に表示することもできるようになっている。

通話網へは2G GSM SIMを介して接続している。搭載しているバッテリーは、一回の充電で1時間の連続通話を行うことができる。あるいはスタンバイモードならば1週間はもつのだそうだ。子供たちといえば外で乱暴に遊ぶこともあるわけで、防水および防塵設計ともなっている。

「他の子のお父さんと話すうちにTinitellのアイデアを思いついたのです」とファウンダーのMats Hornは言っている。「子供が外で遊びたいと言ったときに、携帯電話を持たせていないことが気になったのだそうです。その子は以前携帯電話を失くしてしまったことがあり、それで親のスマートフォンを貸すのもどうかと感じたようです。ちょうど料理をしていて、子供と一緒に外に行くこともできませんでした。結局子供は部屋でiPad遊びをしていたのだそうです。それはちょっと残念なことだと感じました」。

「自分が子供の頃を思い出すと、外で遊ぶことが何より好きでした。その当時のことを思い出してみて、子供用のシンプルな携帯電話というものがあっても良いのではないかと思ったのです。いろいろな機能を付け加えることは必要ないと考えました。スピーカーとマイク、そして簡単に通話でき、そして自分の場所を通知することができれば良いと考えたのです」。

Hornは子供向けのシンプル携帯電話の市場には大きなチャンスがあると感じているようだ。もちろん彼もいろいろと「子供向け」を主張するデバイスがあることは承知している。しかしたとえばTinitellは「ウェアラブル」であり、その面だけでも通常のデバイスと比較して優位性をもつのだと主張している。確かにウェアラブルであれば、うっかりなくしてしまう可能性を多いに減らすことにはなるだろう。GPS機能の面でみても、Loccaなどのような無骨さがないのもまた魅力となり得ると考えているようだ。もちろん、こうした「優位性」がTinitellの市場獲得に繋がるのかどうかはまだわからない。

確かにウェアラブルというのは「カンブリア大爆発」の現代版になりそうな気配もありそうに思える。ウェアラブルを投入するさまざまな企業が便利さを強くアピールしていもいる(もちろんRufus Cuffのようなデバイスをみて「そりゃないわ」と感じている人もいることだろう)。

Tinitellは、ウェアラブルの将来に、そしてとくに子供用のウェアラブルの将来に賭けているわけだ。この分野には将来性があると考えているところは他にもある。たとえばMoffという腕輪型ウェアラブルも、子供たちの遊びジェスチャーにサウンドエフェクトを加えることで多くの子供たちに使ってもらえるはずだと考えている。GuardianというBluetooth LEを使った位置情報トラッキングのためのウェアラブルもある。これもまた子供の居場所を通知するためのツールとして登場してきたものだ。

子供用ウェアラブル全体でみたとき、コストも普及に関わる大きな要因となるだろう。TinitellはKickstarterの初期割引で99ドルの価格を提示している。こちらが完売となれば、価格kは149ドルとなる。「安価」であるとはいえない価格だ。

Horn曰く、Tinitellの開発には個人資産を投じ、そして足りない部分は借金で補ってきたとのこと。2013年にはスウェーデンの最も大きなアントレプレナーシップコンペティションのひとつで賞を獲得してもいる。

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(翻訳:Maeda, H