Apple Pencilを使ってみた(ビデオ)

Apple自身、スタイラスについてネガティブな発言をしたこともあった。しかしそのAppleが、今回のイベントにてApple Pencilなるものを発表した。iPad Proにてピクセル単位で正確な入力をすることのできるデバイスだ。入力の際の遅延もほとんど感じられない。圧力と傾きを検知することができ、コンテンツ制作の現場で大きな力を発揮しそうだ。

このたび、TechCrunchでもこのApple Pencilを使ってみることができた。上のビデオで様子を紹介しているのでぜひご覧頂きたい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

市場から消えた(?)AmazonのFire Phone

sequence-02-still002

Appleがプレスイベントにて新たなiPhoneを市場に投入しようとする中、市場から消え去ろうとするデバイスがあるようだ。永久に離脱するつもりなのかはわからないが、しかし少なくとも現時点では市場を去ろうとしているようなのだ。GeekWireの情報によると、AmazonのFire Phoneの32GBおよび62GBモデルが売り切れになっており、再入荷の予定については不明となっているそうなのだ。

Amazonもただちに在庫を補充する予定ではないと述べている。

もちろん、在庫切れがすなわち市場からの撤退を意味するわけではない。しかしウオール・ストリート・ジャーナルも報じるように、どうやらAmazonはハードウェア分野の活動を減らしていくらしいとの噂もある。Fire Phone関連のエンジニアを解雇し、スマートフォン開発から手を引くのではないかという話も出てきているのだ。

Amazonも、Fire Phoneが8月末の段階でアメリカおよび国際市場でも売り切れ状態にあることを認めている。

なお、AmazonのFire TVも8月中旬から在庫切れ状態になっている。AmazonではFire Phoneと同じく、在庫切れのメッセージが表示される。しかし、このFire TVについては、Appleのイベント終了後に新しいモデルが発表されるだろうという噂が優勢だ。

噂を総合すれば、Fire Phone(すくなくとも現行バージョンのFire Phone)は消えてなくなるようなのだ。

Fire Phoneは、3D機能などや顔追跡カメラなどの機能を搭載して華々しいデビューを飾った。しかし結局のところFire Phoneは人気を獲得するにはいたらなかった。アナリストが言うには、消費者がAmazonに期待していたのは「高性能」などではなく「価格の安さ」と使い勝手の良さであった様子。Amazon製の高機能(しかもギーク向けの機能だったりする)などは、多くの人が望んでいなかったのだと言われている。

ここしばらくは在庫調整の必要性もありつつ、値下げ続くような状況でもあった。夏に入ってからは、価格は60ドルに下がったりもしている。本体価格を60ドルとするのに加え、Prime会費(アメリカでの標準価格は年間99ドル)を1年間無料としていたりもした。ちなみに、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、Amazonは10月に在庫となっていた170ドル分のデバイスの減損処理も行なっていたとのことだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

後付け型スマートロック「Akerun」のフォトシンスが4.5億円を資金調達

昨年のTechCrunch Tokyoスタートアップバトルのファイナリストでスマートロック「Akerun」を開発・提供するフォトシンスが、ジャフコ、YJキャピタル、ガイアックス、ベータカタリストの4社からの第三者割当増資による合計4.5億円の資金調達を実施したとTechCrunch Japanに明かした。フォトシンスはTechCrunch Tokyo 2014のファイナリストとして昨年デビューして、今年4月に製品販売を開始。サムターンと呼ばれる指で回すマンションやオフィスなどのロックに対して後付けするIoTデバイスによりスマートロック化する仕組みを提供する。

akerun

フォトシンス共同創業者でCEOの河瀬航大氏によれば、すでにアーリーアダプター層など個人での導入も進んでいるが、「法人で予想以上に反響をいただいている」という。中でも第三者へのカギの受け渡しが多いコワーキングスペースやAirbnb、オフィスで売れているそうだ。

導入する側はITリテラシーが高いケースが多いが、逆に利用側はそうとは限らない。「肝心のスマホを使うゲスト側のリテラシーがまちまちである点が課題かと感じています。特に不動産内覧の実証実験では顕著でした。仲介会社さんは意外とガラケーだったり、スマホであってもアプリの操作が苦手だったりする」(河瀬CEO)こうしたことから、この7月にはガラケー対応もしていて、特に「多くの方が出入りするエリアではフィーチャーフォン対応が必須」と考えているそうだ。Akerunによる解錠が必要な利用者でも、1度きりの場合はアプリのインストールや初期登録をするのは手間だという課題もある。この辺りも7月に発表したAkerun RemoteでURLによるワンタイムの鍵の払い出しなどで対応していくことができそうだ。

国内スマートロック市場では、ソニーとWiLが共同出資する「Qrio Smart Lock」(キュリオ スマートロック)のほか、2014年末に創業して不動産に特化したシステム開発を行うライナフの「Ninja Lock」、海外プロダクトの輸入販売としてM2モビリティーが販売する「danalock」などがある。

Raspberry Pi用「公式」タッチスクリーンディスプレイを使ってオリジナルの「PiPad」を作ろう!

front-centred

Orange Piの記事はお読み頂いただろうか。ついにシングルボードコンピューターは15ドルで提供されるようになったのだ。しかしそんな情報に惑わされず、「やっぱRaspberrypiでしょ」という人に朗報がやってきた。60ドルで買えるRaspberry Pi用のタッチスクリーンが登場したのだ。これを使えばRaspberry Piがコンパクトサイズのマルチタッチ・タブレットに変身する。

公式にライセンスされたこのタッチスクリーンは、HDMIコネクターを使わずにRaspberry PiのDSIないしDPIコネクターで接続する。一体型として動作するように、電源はボード本体から供給するようにしている。これによりRaspberry Piをデュアルディスプレイ化することも可能となる。デュアルディスプレイはともかく、タッチ入力がサポートされているのが嬉しい。

プログラミングについてはPythonのKivyライブラリを用いる。タッチスクリーンに加えて他の入力デバイスを加えることももちろん可能で、いろいろなスイッチやセンサーを加えれば、Raspberry Piを使ったホームオートメーションシステムなども作ることができよう。可能性は無限なのでくだくだと説明はしないが、ともかくRaspberry Piの世界が大いに広がることは間違いない。


 こちらで購入申込ができるのだが、残念ながら既にソールドアウトとなっている。なお3Dプリンター用のディスプレイスタンドも用意されている。ガラクタのように放り出しておくのではなく、見やすい角度で利用することができるわけだ。


 [原文へ

(翻訳:Maeda, H

スマートトイのMoffがバンダイナムコなどから1.6億円の資金調達——新領域と米国展開を強化

ウェアラブルデバイス「Moff Band」を2014年にリリースしたMoff。同社は9月7日、バンダイナムコエンターテインメント、ORSO、TomyK(既存株主でACCESS共同創業者である鎌田富久氏の会社だ)、個人投資家を引受先として、総額1億6000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

Moffは2013年10月の設立。大阪市主催のハッカソン「ものアプリハッカソン」をきっかけに、ウェアラブルデバイスの開発を目指すことになった(当時の話はこちらをご参考頂きたい)。2014年秋に日米で一般発売を開始したMoff Bandは、Amazon電子玩具カテゴリーで国内最高1位、米国最高2位を記録。販売台数に関しては明らかにしていないが、Moff代表取締役の高萩昭範氏いわく手応えは好調だという。

「Moff Band」

「Moff Band」

Moff Bandは内蔵する加速度センサーとジャイロセンサーによって人の動きを感知。Bluetoothで各種デバイスと連携する。例えば手を上下に振ることで、その動作に合わせて疑似的に楽器を演奏したりできる。

プロダクトは当初“スマートトイ”という触れ込みで製品を提供してきた。その先の構想はあったが、「いきなり(機能を)てんこ盛りにしても売れない。まずはベーシックなモノをと考えた」という。そしてトイというアプローチを通じて、「『体を動かす』ということはゲーム体験として通用するということが分かった」(高萩氏)という。そのため今後は低年齢層向けのトイにとどまらないプロダクトの展開を進める。

Moff Bandで取得した動作や姿勢の情報や独自のデータ解析技術を活用し、フィットネスやヘルスケアの分野でのゲーミフィケーション化を可能にするプラットフォーム「アクティブ・ゲーミフィケーション・プラットフォーム」を構築する。またパートナーとの事業開発も強化する。株主となったバンダイナムコエンターテイメントやORSOとのサービスの共同開発をすすめるほか、米国では10月以降大手玩具チェーン店と組んでの商品展開も予定している。

なおMoffは、米国展開の強化に向けて100%子会社の米国法人である「Moff USA」を設立したことも発表している。CEOには、米AppleやAT&T、ACCESS等で事業開発・アライアンス分野のVice Presidentを歴任したAlbert B. Chu氏が就任する。

左からMoff USA CEOのAlbert B. Chu氏、Moff代表取締役の高萩昭範氏

左からMoff USA CEOのAlbert B. Chu氏、Moff代表取締役の高萩昭範氏

9月9日のAppleイベント、iPad Pro、iPad Mini 4などが登場するとの噂

ipad-mini-3

9月9日にAppleのイベントが行われる。流布する噂から判断する限り、このイベントはどうやら長時間のものとなりそうだ。

9to5MacのMark Gurmanによると、iPhoneおよび新しい(そしてモニター周りの世界を一変させるかもしれないApple TV 4に加え、長らく噂されていたiPad Proおよび新しいiPad miniが登場することになりそうなのだ。

iPad Proというのは、MacBookサイズのタブレットだ。デバイスが大きくなっても問題となりにくい、法人利用を想定するデバイスだ。AppleはCiscoやIBMとのパートナーシップを発表していて、そのような中で、いよいよiPad Proが登場してくるのだろうと噂されている。

iPad ProはFourceTouchに対応したスタイラス入力インタフェースを備え、よりパワフルなスピーカーを備えているとされる。

Gurmanの情報ソースによれば、iPad Proのプレオーダーは10月末あたりにはじまり、11月に販売開始されるだろうとのことらしい。

そして消費者向けにはiPad miniも登場してくるだろうと噂されている。iPad mini 4はより強力なCPUを備え、そして薄くなっているだろうとの話。画面を分割して利用できるようにもなっているだろうと言われている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

バックパックに詰め込んで持ち運び、自動操縦で自在に自撮りビデオを撮影できる新型ドローンのSnap

screen-shot-2015-09-01-at-3-17-17-pm

Snapは、消費者向けドローンの世界に新風を送り込もうとしている。ヘビー級の最新版DJI Phantomと異なり、そしてテレビショッピングなどで売られているようなものとも違う新しい製品層を生み出そうとしているのだ。製造元のVantage Roboticsは、計量ウルトラコンパクトなボディに高性能カメラを搭載しようと考えた。

と、説明を読むよりもともかく上のビデオを見てみて欲しい。Snapの魅力が存分に伝わるビデオだと思う。

Snapはアプリケーションによりさまざまな自動操縦モードを設定することができる。そしてドローンに150メートル圏内を飛行させつつ、操縦者(操縦はしないわけだが)の側はそれぞれ他の作業を行うことができるようになっているのだ。搭載されているのは4Kカメラで、ジンバルのスタビライズ効果により、非常に安定したビデオを撮影することができる。

ドローンには、コンパクトであればあるほど使いやすいという面もあると思うのだ。Snapはバックパックにいれて持ち運べるほどにコンパクトで、そして頑丈だ。

Snapは現在Vantage Roboticsのサイトよりプレオーダーを受け付けている。プレオーダー価格の895ドルななかなかの高額だといえよう。しかしバックパックに詰め込んで出かけた外出先で、手軽に高性能カメラを空に飛ばすことができるわけで、価格に十分見合う楽しみを手に入れることができると思う。ドローンが大好きだという人のみならず、ドローン初心者にも新しいエクスペリエンスを提供してくれるだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

自転車版スマートウォッチともいえる「Haiku」。スマートフォンと連携して自転車ライドを充実サポート

haiku

自転車で走りながら、どちらに進むべきかを悩んだことのある人は多いことだろう。そうした経験を持つ人に、Haikuを提案してみたい。小さな自転車用コンピューターで、自転車用スマートウォッチ的な機能を持つ。開発したのはフランスのスタートアップで、現在Kickstarterキャンペーンを展開中。今なら70ドルでHaikuを入手できる。

Haikuは自転車のハンドル部に取り付けて用いるが、簡単につけはずしをすることができる。Bluetooth経由でスマートフォンと繋がり、進行方向など必要な情報を伝えてくれる。

Haikuを利用するのは自転車に乗っているときだけとなるので、デバイスには複雑なインタフェースなど全く備わっていない。目的地の設定などはスマートフォン側で行うようになっている。曲がるべき道にやってくれば、Haikuの画面上にシンプルな矢印が表示されるという仕組みだ。

スマートフォン側にメッセージを受け取ったり、電話着信があった場合には、Haikuに備わったカラーLEDが明滅して知らせてくれるようになっている。送られたメッセージをみたいときには、Haikuの前で手を振ればOKだ。走っている間は運転に集中し、そして停まった時に簡単にメッセージの確認などを行うことができるわけだ。

また、通常のサイクルコンピューターが行うようなこともできるようになっている。たとえばスマートフォン側のGPSを使って自転車の速度を計測することもできる。また走行データはStravaにアップロードされるようになっている。AppleのHealthKitやGoogle Fitと連携することも可能だ。

実は6月にプロトタイプを見せてもらったことがある。そのときに予定されていた機能はどうやらすべて盛り込まれたようだ。細部を見れば、Haikuのメンバーがみな自転車大好きな連中ばかりであることがよくわかる。ハンドルへの着脱の容易性をみても、自転車乗りのニーズに応えようとしていることがみてとれるだろう。自転車から離れるとき、高価なパーツは取り外して持ち運びたいと考えるのが普通なのだ。

Haikuにはボタンもなければ、またディスプレイもタッチ式になっていない。自転車乗りは往々にして手袋をつけているわけで、その点から考えても当然のことと思える。バッテリーは充電式(マイクロUSBケーブル)で、1回の充電で12時間動作するそうだ。

これを「タイヤの再発見」的デバイスであると考えてしまう人もいるかもしれない。確かに機能的にはスマートフォンないしスマートウォッチでできることばかりだからだ。しかし自転車に乗っているときに便利になるように、とする配慮が隅々まで行き届いている。スマートフォンがあればできることばかりではあるが、しかし自転車ライド時に「よりよく」行うことができるのだ。

  1. 2-haiku-green-insitu.jpg

  2. 3-haiku-blue-insitu.jpg

  3. 4-haiku-home2.jpg

  4. 5-haikuattache-noir.jpg

原文へ

(翻訳:Maeda, H

スマート体温計のKinsa、新たに赤ちゃんの利用を想定した耳式スマート体温計をリリース

kinsa

近隣の流行感染症などの情報も活用するスマート体温計を提供しているKinsaが、耳式の新タイプを発表した。

最初のモデルは標準的な(スマートではあるが)タイプの体温計だった。こちらの耳式体温計はワイヤレスで、スマートフォンアプリケーションとはBluetoothで接続する。

Kinsaによる説明をみてみよう。

曰く、Kinsaの体温計で子供(もちろん大人でも利用できる)の熱をはかると、ただちにアプリケーション側で記録される。もし医者にかかるような場合には、情報を簡単に提示することができるわけだ。さらに新しい耳式タイプ(Smart Ear Thermometer)のリリースにともない、ソフトウェア的なアップデートも行なっている。すなわちこれまでの記録を参照するだけでなく、状況に応じた「アドバイス」をくれるようにもなっているのだとのこと。

「アドバイス」をくれる機能は「Guidance」と名付けられたもので、これまでの履歴や測定結果などの情報に基づいて、どのようなアクションをとるべきかを教えてくれる。

「具合の悪い子供の熱が、38.9度なのかそれとも39度なのかということはあまり重要ではないでしょう」と共同ファウンダーのInder Singhは言う。「とにかく高熱時にどのように対応すべきなのかが問題のはずです。Guidance機能ではそうした際に役立つことを第一に考えました」。

Guidance機能は新型のSmart Ear Thermometerでも、そして以前のSmart Stick Thermometerでも利用することができる。

なお新しいSmart Ear Thermometerでは、熱をはかるのに要する時間はわずか1秒だとなっている。寝ている赤ん坊の熱が気になるときなどにも便利に使うことができる。

Smart Ear ThermometerとSmart Stick Thermometerが競合するのではないかというのも気になる点だ。Singhに尋ねてみると、対象となる利用者層が異なるのだとの話だった。耳式は主に赤ちゃんに使うことを想定しているのだとのこと(訳注:耳式は通常タイプに比べて測定値の正確性がやや低いという話もあるようです)。

Kinsaは、個人の体温データの蓄積するだけでなく、クラウドソーシングの機能も備えている。すなわち近隣や学校で風邪などが流行していないかを知る手助けとなるのだ。帰宅した子供が風邪やあるいは鎖球菌性咽頭炎などに感染したのではないかと判断する一助となる。

KinsaのSmart Ear Thermometerは現在Indiegogoでキャンペーン中だ。29ドル99セントの早期割引は既に完売となっている。キャンペーン終了後の価格は60ドルとなる予定だそうだ。

興味のある方はこちらでキャンペーンの状況を確認することもできる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

クラウド時代のスマートフォンを再発明するNextbit、Kickstarterで初の端末「Robin」を販売開始

Nextbitの「Robin」
Nextbitの「Robin」

Nextbitの「Robin」

iPhoneが世に出たのは2007年。Android端末の登場は2008年。そこから7〜8年が過ぎたが、その間に僕たちを取り巻くインフラ環境は大きく変化したのではないだろうか。

僕がその代表と思うのが「クラウド」だ。Googleのエリック・シュミットが「Cloud Computing」という表現をしたのは2006年で(AWSが正式にリリースされたのもこのタイミングだ)、Androidが登場した2008年時点でもクラウドの利用は今と比べるとまだまだという状態。個人向けのサービスになるとなおさらの話で、DorpboxやEvernoteが登場したのだって2008年になってから。無線LANの環境だって変化した。オフィスや自宅内などは別として、商業施設や店舗の公衆無線LANも増えたし、2009年からは新幹線の中でだって利用できるようになった。

つまり何が言いたいかというと、今のスマートフォンはクラウドとともに成長してきたのであって、“クラウドありき”で設計されたモノではないということだ。

今回紹介する米国のスタートアップ・Nextbitは、クラウドありきの今、スマートフォンを再発明するという。同社はクラウドファンディングサイトKickstarterにてAndroidベースのSIMフリー端末「Robin」を販売するプロジェクトを開始した。早期購入者は299ドル(すでに完売)からとなっており、2016年1月にもユーザーの手元に届く予定だ。

RobinはプロセッサにSnapdragon 808を搭載。メモリは内蔵32Gバイト(オンラインは100Gバイト)、ディスプレイは5.2インチのフルHD、リア13メガピクセル、フロント5メガピクセルのカメラを搭載。指紋認証も備える。製造はfoxconnが担当する。ちなみにこのRobinという名称はコミックや映画でおなじみの「バットマン」に登場するバットマンの相棒の「ロビン」から取ったのだそう。

RobinはAndroidベースのスマートフォンだが、その最大の特徴は「クラウドを使って内部メモリだけでなく、無限のストレージを提供する」というものだ。どういうことかというと、インストールしても使わないアプリなどを設定ごと自動的にクラウドにバックアップしていくのだ。

アプリをバックアップした場合、そのアプリのアイコンはグレーで表示される(僕が見たのはデモ版なのでその表現については変更があるかも知れない)。再びそのアプリを利用したければ、そのアイコンをタップすればいい。瞬時に再ダウンロードが行われ、ユーザーは最後に使用したのと同じ状態で利用を再開できるのだという。写真も同様に自動バックアップされ、普段は端末で見るのには問題ないサイズに圧縮されたものだけがローカルに残るといった具合だ。もちろん使用していなくても必ずローカルに残しておきたいアプリなどは、設定で任意に残すこともできる。

前述のDropboxやEvernote、最近ではGoogle フォトのようなプロダクトはあるが、Nextbitがすごいと思うところは、アプリのレイヤーでクラウドを扱うのではなく、OSのレイヤーで扱っていることだ。アプリのようにいちいち立ち上げなくても、ネットワーク環境にさえ繋がっていれば、クラウドを使ったほぼ無限のストレージに最適化してくれるのだ。バックアップ機能も備えており、端末を変更しても、Bluetoothのペアリングのような細かな設定までクラウド上からダウンロードしてすぐに利用できるのだという。

Nextbit CEOのTom Moss氏

Nextbit CEOのTom Moss氏

NextbitのCEOであるTom Moss氏は2007年にGoogleに入社。同年からAndroidのプロジェクトに参画。2008年にはアジアにおけるAndroidのおもにマーケティング領域を担当。日本に常駐し、キャリアやメーカーとの交渉を担当したとのことで、日本市場におけるAndroidの「育ての親」とも言うべき人物。

Moss氏は2010年夏には同社を退社。3LMなるスタートアップを立ち上げたが同社をMotorola Mobilityに売却。モトローラがGoogle傘下となったことから、Googleに出戻りするかたちとなった。その後Google、3LM両社でMoss氏を支えたエンジニアのMike Chang氏とともにNextbitを創業。さらにHTCでNexus Oneをはじめとした端末のデザインを担当したデザイナーのScott Croyle氏も同社に参画。Robinのデザインは同氏が担当している。

「クラウドは基本的に追加するもので、OSレベルで使われていなかった。そのためユーザーのストレージは尽きてしまう。NextbitのプロダクトはまさにクラウドOS。もちろんネットワークがなくても使えるものだ。これを完全に実現するには、(ソフトだけでなく)ハードウェアから作らなければならなかった」——Moss氏は自社のプロダクトについてこのように語る。

まずはKickstarter限定での販売となるし、その反応次第で戦略は変えていくということだが、今後は北米、イギリス、フランス、ドイツ、日本などの市場をターゲットにしたいという。「かつて日本にAndroidを紹介したからには日本でも成功したい。Robinのデザイン面でも日本のユーザーは意識している。魂のあるプロダクトを作りたかった」(Moss氏)

Moss氏は今後1年に1台ペースで端末をリリースしたいと語る。端末の価格にもこだわるという。「世界では、端末に700ドル以上払うならiPhoneを買うという人がほとんど。中にはSamsungを選ぶ人もいるが、iPhoneはブランドがあってAndroidにはまだそれがないという状況。だがハイスペックなAndroid端末を欲しがるユーザーはいるし、これからはそれを300〜400ドル程度で売る必要があると思う」(Moss氏)。しかしこの価格設定では、人も多ければ制作のプロセスも多い大手メーカーでは利益を出しにくいため販売できないはずだ。かといって中国のブランドが日本や欧米で認められるのは難しい。「だからこそ(Nextbitのような)新しいメーカーにはチャンスがある」という。

「『ちょっと違うね』じゃ面白くない。小さいことをやるんじゃなくて、新しいことをしたい。我々はハードもソフトも今までと全く違うものを作っていく」(Moss氏)

連邦航空局(FAA)、ドローンの飛行禁止区域を通知するアプリケーションのベータテストを開始

sevengables

iPhone-6-3今年のはじめ、Federal Aviation Administration(FAA)は、アプリケーションのテストを開始する旨をアナウンスしていた。ドローンの飛行可能地域(重要性に従った表現をするのなら「飛行“不”可能地域」)を示すためのものだ。そしてそのアプリケーションが、このたびベータ版として公開された。名前をB4UFLYといい、iOS版のみが用意されている。

ただし、今のところプライベートベータで、2ヶ月間の予定でテストすることになっているのだそうだ。Android版もリリース予定ではあるらしいが、リリースの時期についての情報は得られなかった。

さらに、プライベートベータはすでに申込多数で、使ってみるのもなかなか難しい状況にある様子。それでもemailing b4ufly@faa.govにてベータ版への招待を受け付けてはいる。

当方でもスクリーンショットをみただけだが、アプリケーションの使い方はいたって簡単であるようだ。飛行場や国立公園(今ではドローンを飛行させることが禁じられている)、ないしは他の飛行禁止地域に近づきすぎていないかを判定するのが、アプリケーションの主用途だ。

もちろん、実際に飛ばすときだけでなく、飛ばしてみたい場所の事前チェックに使うこともできる。非常にシンプルだが、ドローンを飛行させるにあたってはぜひとも知っておかなければならないことを教えてくれる。

飛行場から5マイル以内の地点では、飛行場の管制官や航空交通管制局の許可を得る必要がある。たいていの人はそのような手間をかけて飛行したいとは思わないもので、そういう場合には制限エリアではないところを探すことになる。FAAによれば、将来的には5マイルの制限エリア内でドローンを飛ばそうとしたときに、航空交通管制局に通知する機能も搭載する予定であるとのこと。

ドローンのを飛ばす人のほとんどは事件をおこしたいなどとは考えていないだろう。ドローンの飛行禁止区域を教えてくれるサービスや、アプリケーション(Hoverなど)もいろいろと出てきている。DJIのPhantomドローンには、制限区域内では飛行できないモデルもある。ただ、FAAのような公式機関がオフィシャルアプリケーションを出すことで、利用者の側がいっそうの安心感を得ることができるということもあるのだろう。

言うまでもないことだが、山火事などの災害現場での飛行も厳に慎むべきだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

「簡単に」ドローンを飛ばしたいのならDJI Phantom 3 Professionalの一択!

dji-phantom-3-pro-drone

DJIのドローンを「入門者向け」と考える人はほとんどいなかっただろう。しかしParrotを上回る人気を集め、非常に面白い機種を生み出していることには皆が賛成するところだろう。そのDJIだが、Phantom 3 Professionalは非常に簡単に操作でき、その意味では「入門者向け」とも言えるのではないかと思う。ホビー用ドローンに期待される機能はすべて備え、非常に美しい写真やビデオを撮影することができる。

このPhantom 3は、本来的に空撮用という位置づけだ。本体下部にはジンバル経由でカメラが接続されており、価格は1259ドルあたりとなっている。操縦にはプロポやスマートフォンから行う。スマートフォンから操作を行う場合、スマートフォン側からGPS情報などが送られるようになり、またドローンからの映像をリアルタイムで確認することができる。

コントロール面でもっとも新しいのは、クラッシュ・フリー化がいろいろと進化している点だ。木に衝突したりしても、十分なスペースさえあればソフトランディングを行うことができるのだ。操作的にはアイコン操作ひとつで離着陸を行うことができるのだ。たとえば離陸したい場合、スマートフォン側の離陸ボタンを押せばドローン側で離陸準備を行なって浮き上がる。着陸させたい場合にもホームボタンないし着陸ボタンを押して空から呼び戻すことができるようになっているのだ。ドローンはゆっくりとホーム指定位置に戻り、着陸動作を行うようになっている。ドローンが破損する最大の原因は着陸時の誤動作(誤操作)だ。しかし着陸時のミスは大幅に減ることになるだろう。

Professonalモデルのカメラは1200万画素で、いずれの高度においても4096x2160pのビデオを撮影することができるようになっている。ビデオ撮影時にもジンバルの働きにより、ほとんどぶれをなくした撮影が行える。強風下でも飛行可能で(実際的には飛行しない方が良いとは思う)、そのような中でもカメラは狙った被写体を安定して撮影することができる。これだけでも一度は試してみる価値があると思う。

オーバースペックだと感じる人もいるかもしれない。そういう人はPhantom 3 StandardやAdvancedを試してみてはどうだろう。こちらは価格が799ドルないし999ドルとなっている。撮影用のデバイスとしても、またフライトを楽しむためのプロダクトとしても、DJIのPhantom 3シリーズを大いに気に入っている。ドローンは短い間に急激な進化を遂げたが、中でもDJIの進化には目を見張る。安価なドローンもいろいろと出てきてはいる。しかしこれまで見てきた中で、もっとも容易に飛ばせるのがPhantom 3だと思う。機会があればぜひ試してみては如何だろうか。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

LG、箸箱サイズにて持ち運び/収納可能なフルサイズキーボードを発表

lg-rolly-keyboard-1

フルサイズのキーボードをポケットやバッグにいれて持ち運べたらいいのにと思う人は多いことだろう。そんな方にLGの新プロダクトはいかがだろう。

スマートフォンやタブレット向けのフルサイズQWERTYキーボードで、しまっておくときや運ぶときには箸箱状になるのだ。

名前は「Rolly Keyboard」という。デスクトップPCなどで使用するキーボードのキーは18mmだが、こちらは17mmと若干小さくなっている。単四乾電池を1本使い、デバイスとの接続にはBluetoothを使っている。LGのアナウンスでは、バッテリーは3ヶ月間もつのだとのこと。

「デュラブル」なポリカーボネートとABS樹脂製で、来週にベルリンで開催されるIFA Electronicsで発表するのだそうだ。G Pad IIと同様に、今のところ価格についてのアナウンスはない。アメリカでの発売開始時期は9月になる予定だそうで、その他の地域でも第4四半期になって販売を開始することになっているのだそうだ。

  1. lg-rolly-keyboard-2.jpg

  2. lg-rolly-keyboard-3.jpg

  3. lg-rolly-keyboard-4.jpg

  4. lg-rolly-keyboard-5.jpg

  5. lg-rolly-keyboard.jpg

原文へ

(翻訳:Maeda, H

3Dプリンター製ロケットパーツがいよいよ実用段階へ(さらにその先へ)

screen-shot-2015-08-26-at-1-29-03-pm1

NASAが、3Dプリントで製作したターボポンプのテストに成功したとアナウンスしている。このターボポンプは従来品に比べてパーツ数が45%少なくなっているそうだ。部品数が少なくなることで製造期間や予算も少なくてすむようになっている。またNASAは、他のさまざまなパーツも3Dプリント化してテストを行なっているところなのだそうだ。おもしろそうな未来を感じる話だ。

NASAの発表によれば、ターボポンプは「これまでに3Dプリントで製作したロケットエンジンパーツのうち、最も複雑なもののひとつです」とのこと。3万5000ポンドにも達する圧力を想定して、さまざまな環境下における15種類のテストを行ったのだとのこと。ターボポンプはNASCARの2倍の馬力となる2000馬力の力を産み出すのに使われるパーツだ。

発表を見る限り、ロケットパーツの製造工程に革新的な未来を持ち込む話であるように思われる。これからがとても楽しみになる。

マーシャル宇宙飛行センターのMary Beth Koleblは、今後はNASAにとってもますます3Dプリントの重要性が高まってくると述べている。

マーシャルではターボポンプのテストに加え、今後はほとんどのパーツを3Dプリントで製作したエンジンのテストも行う予定にしています。こうした方法がうまくいけば、NASAはロケットエンジンの開発にかかるコストやリスクを低減できるようになるのです。

06192015-027 (1)

NASAでターボポンプの開発に携わるNick Caseによれば、この種のパーツの開発およびテストには通常4年間が必要となるのだそうだ。それが3Dプリントを活用することにより、半分の時間に短縮できたという。

見る人がみればわかるかもしれないテストの様子を映したビデオを掲載しておこう。

以前には宇宙で3Dプリンターが使えるようになったという記事を掲載した。時代は進み、いつかは巨大な3Dプリンターで「印刷」された宇宙船の中で、小型宇宙船を「印刷」するような時代がくるのかもしれない。ちょっと不思議な感じのする世界だ。

print-head

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Androidの第2四半期の成長は伸び悩む―iPhoneは中国で圧倒的勝利(Gartner調べ)

2015-08-21-androidgartner

Gartnerが発表した’s 2015年第2四半期の世界のスマートフォン市場のレポートによれば、成長率は 2013年以来最低となった。この四半期のスマートフォンの販売台数3億3000万台で対前年同期比で13.5%の増加にとどまった。

Gartnerのアナリストによれば、この成長鈍化の主要な原因は中国市場の飽和にある。Gartnerは7月にもこの点を指摘していた。中国は1国で世界のスマートフォン販売台数の30%を占める最大の市場だ。

Gartnerの調査アナリスト、Anshul Guptaはコメントで次のように述べている。「この四半期では、中国市場の不振がスマートフォン市場全体の不振を招いている。中国ではスマートフォンの普及はすでに飽和点に達した。市場は買い替え需要に頼る段階に入っている。低価格の入門機を別にすれば、メーカーが中国市場で成長を維持するためには、上級機への買い替えを喚起する必要があり、フラグシップモデルの魅力をいかにアピールできるかがカギとなる。」

中国ではAndroidの頭打ちと対照的にAppleの好調なパフォーマンスが目立っている。 Gartnerによれば、AppleのiOSはここ3四半期連続でAndroidからシャアを奪っている(ことにファブレット・サイズの iPhone 6 Plusはアジアでのシェア拡大に大きな役割を果たした)。

Guptaによれば、成長率は伸び悩んでいるとはいえ、Android OSは依然として世界で82.2%のシェアを握っており、第2四半期の対前年同期比成長は11%だった。一方、AppleのiOSのシェアは
14.6%で、対前年同期比で15%台の成長を記録した。iOSのシェアは昨年同期に比べて12.2%アップしている。

Gartner

「Androidの市場シェアはこれが限界なのか?」というわれわれの質問に対してGuptaは「そうかもしれない。われわれはAndroidの最大シェアを82%程度と考えていた。しかし去年は83.5%から 84%程度までアップしていた」 と答えた。

またGuptaは「しかし世界的にみれば数量ベースではまだ拡大の余地が十分にある。今年のスマートフォンの販売台数は合計で12億台から12.5億台くらいだろう。全モバイル・デバイスの販売台数は18億台程度になるはずだから、まだ3分の1はスマートフォン・ベースになっていない。今後もAndroidは80%以上のシェアを維持するだろうから、販売台数の増加余地は大きい」と説明した。

GoogleのAndroid Oneは、自ら主要なベンダーになろうとしているというより、Android製品のさらなる競争を促すための呼び水という性格が強いとGuptaは見ており、「これによって途上国市場にAndroid Oneのライバル製品が多数現れた。またXiaomi、OnePlus、MotorolaなどがOSのアップデートを直接ユーザーに提供するようになったが、これもAndroid Oneの特長だ」と付け加えた。.

個々のメーカーについてGartnerのレポートを見ると、SamsungがGalaxy S6をリリースしたにもかかわらず、対前年同期比で4.3ポイントも市場シェアを落としたのが目立つ。販売台数も5.3%の減少となった。

対照的に、iPhoneの販売台数は36%アップし、 Appleのスマートフォンのシェアは 2.4ポイントアップした。Gartnerによれば、Appleは途上国、先進国、新規ユーザー、買い替えユーザーのすべてで強く、特に中国でのパフォーマンスは圧倒的だ。ここでは iPhoneの販売台数は68%もアップして1190万台が販売された。

Gartner

【後略】

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsung、Apple Watchに対抗するGear S2のビデオをリリース

samsung-gear-s2

Samsungは先週、ニューヨークにて大々的なイベントを行った。Galaxy Note 5およびGalaxy S6 Edge+を発表するためのものだった。しかしその場でSamsungは「Samsung Gear S2」のリリースが間近となっていることもアナウンスしていた。このS2だが、どうやらSamsung Gear Sとは全く別物となっているようだ。サイズは(もちろん)小型化し、よりファッショナブルなデバイスとなった。ライバルはもちろんApple Watchを想定しているのだろう。

デバイスの詳細についてはまだ明らかになってはいないが、SamsungのYouTubeチャネルにティーザービデオが投稿されたので紹介しておきたい(上に掲載しているものだ)。詳細については9月初旬のIFAプレスカンファレンスで明らかにするとのことで、ビデオ以外に新しい情報はリリースされていない。ビデオからわかることだけを簡単に確認しておこう。

まず誰でもすぐに気づくのが外見が丸型となったことだ。ベルトもどうやらメタル製のものが用意される様子。ビデオ中で表示される天気予報、タイムゾーン、ストップウォッチ、スポーツトラッキングアプリケーションなどは、スマートウオッチ用にカスタマイズされている。ビデオを見る限りでは、心拍計機能もも搭載されているようだ。情報をスニペット化することで、たとえば下の画像のように心拍を確認しながら会議の予定を表示するなど、さまざまな情報を同時に把握できるようになっている。

vlcsnap-2015-08-19-17h11m57s222

よくも悪くも、Gear Sから大きく変化しているところに注目しておきたい。Gear Sは3Gに対応し、スマートフォンの機能に頼ることなく、電話をかけることができた。画面に表示されるQWERTYキーボードを使ってチャットするようなこともできた。このQWERTYキーボードは、丸型となったGear S2には搭載されていないものと思われる。

画面に表示されるさまざまなデザインも新しくなっている。各種アイコンは丸くなり、よりおしゃれになっている。丸型アイコンについては、Appleも特許登録をしていない。Apple Watchのリリース後になって、Samsungも丸型アイコンを採用したことには何かウラ話があるのかどうかも気になるところではある。

このGear S2に搭載されるのがTizenなのか、それとも大幅にカスタマイズしてSamsungアプリケーションを載せたAndroid Wearなのかはまだよくわからない。また、上で「小型化された」と書いたが、実際のサイズも実はよくわからない。Gear Sの無骨さ(下の写真参照)が薄れていることを期待したい。機能はともかく、Gear Sは腕に装着するにはやや大きすぎたように思うのだ。

Galaxy_Gear_S_Still

原文へ

(翻訳:Maeda, H

349ドルのFotokite Phiは画期的GoPro用撮影ドローン―ケーブルで凧のように飛ばす

2015-08-19-fotokite-phi_1

ドローンはジャーナリズムにとって欠かせないツールになりつつある。ただ問題は一定以上のスキルを持った操縦者が必要なことだ。Fotokite はその問題を思いがけないユニークな方法で解決した。犬を散歩させるとき使うリードのような巻取り式ケーブルの先にドローンを取り付けたのだ。FotokiteにGoProを装着するとリードの持ち手を自動的に撮影する。距離は1 フィート(30センチ)から26フィート(8メートル)まで自由に変えられる。

今日(米国時間8/18)から、一般ユーザー向けのFotokite PhiというモデルがIndiegogoで予約受け付けを開始した。価格は349ドル(GoProは含まない)、2016年の早い時期に出荷予定だという。Fotokite ProはすでにBBCなどの放送局で採用されている。

このドローンは30センチほどの長さの筒状のケースにすっぽり収まるので、どこへでも簡単に持ち歩ける。また4基のプロペラは柔らかい素材が用いられ、プラスティックのガードで囲われるので安全性が高い。自由飛行するドローンを飛ばすのが危険な場所でも安全に空中撮影ができる。スイスとフランスでは人混みの付近でも飛行させる許可を得たという。

Fotokite-Phi_1

共同ファウンダーのLupashinがFotokiteのアイディアを得たのは、2011年にロシアで選挙の不正を巡って大規模なデモが行われたことだった。このデモはほとんど報道されないままで終わるところだったが、幸い都市の景観をドローンで撮影している写真家が居合わせた。そのビデオによってデモに参加した市民がいかに多数だったかが判明した。Lupashinはドローンがジャーナリズムに果たす役割の重要性を改めて認識したが、問題はドローンを飛ばす―特にデモや事件などの騒然とした現場でドローンを安全に飛ばすことの難しさだった。

そこでドローンを凧のようにケーブルでコントロールするというアイディアが生まれた。犬の散歩に使うのに似た自動巻取り式ケーブルを使えばドローン操縦者の必要をなくせるとLupashinは思いついた。GoPro装着マウントにケーブルを接続すればカメラは自動的につねに地上の持ち手の方向を向く。

Fotokite Phiが実際に使われている様子。

私はずいぶんたくさんのドローンを飛ばしてきたが、その大部分でクラッシュを経験している。しかしFotokite Phiを飛ばすのは簡単だ。円筒形のケースから本体を取り出して拡げ、軽くひねるように揺するとプロペラが回り始めるので、そっと手を離す。あとは適当な距離までケーブルを緩めていく。私はオフィっすの中でFotokiteを飛ばしながらあちこち歩きまわったがどこへもぶつけずにすんだ。

ケーブルのハンドルにはドローンの高度やカメラの向きを変えるリモコン・ボタンがついている。高度やカメラの向きを思ったとおりに設定するのは多少慣れがいる。しかし2本のジョイスティックを操る標準的なドローンのコントローラーに比べれば比較にならないほど簡単だ。Fotokiteを自由に操れるようになれば、市民ジャーナリストでも1人で空中撮影による取材ができる。

Fotokite Phi

ちなみに、一般ユーザー向けFotokite Phi とProの違いは飛行時間だ。Phiは約15分間飛行できる。また撮影可能時間はGoPro本体の能力による。これに対してProのケーブルは電源とデータ伝送が可能で、非圧縮でHDビデオをダウンリンクできる。つまり飛行時間にも撮影時間にも制限はない。

Fotokite Leash

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoPro用電動スタビライザー、Slickが予約受付中―アクションスポーツ録画に威力

2015-08-19-slick

今日(米国時間8/18)、新しいGoProアクセサリー、SlickIndiegogoでキャンペーンを開始した。GoProをヘルメットなどに直接固定するのではなく、まずSlickに装着し、 このスタビライザーをヘルメットなりドローンなりに取り付ける。Slickは取り付けにGoProの各種マウントが利用できる。価格は179ドルだ。

使用法は次のとおり。まず micro USBケーブルでバッテリーを充電する。次にGoProをスタビライザーにネジで固定する(防水ハウジングも使える)。Slickは3軸方向の動揺を打ち消す。バッテリーは2時間もつ。

Slick使用前と使用後の比較ビデオを下に貼っておく。

もちろんGoProビデオはソフトウェアでスタビライズすることもできるが、これは映像の一部を切り出す処理なので画質は相当に落ちる。

私はSlickのプロトタイプを実際にテストする機会があったが、周囲を見回して広い範囲を撮影するときに特に大きな効果があると感じた。つまり頭の動きにつれて突然画面が荒く動くのではなく、プロがパン撮影しているようにGoProがスムーズに向きを変えるのだ。

ユーザーがどんな動きをしてもGoProは一定の方向を向き続ける。Slickが動揺を巧みに吸収する動きは見ものだ。GoProユーザーの全員が必要とするアクセサリーではないかもしれないが、プロやハイアマのビデオ・クリエーターには魅力的なツールだろう。

Slickは防水で、GoPro Hero 3、Hero 3+、Hero 4、最新のHero 4 Session が利用可能だ。製品の出荷は2016年3月を予定している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lenovoのレイオフに続いてHTCも15%の人員をカット―Androidメーカーに厳しい時期が続く

2015-08-14-htc_logo-2

HTCは先週「大幅なコスト削減を行う」と発表したが、今日(米国時間8/13)、この努力の一環として人員の15%を削減することを明らかにした 。これは2250人の社員が解雇されることを意味する。

一時Androidスマートフォンのトップ・ブランドだったHTCは2015年の第2四半期決算で2億5200万ドルの営業赤字を計上し、会社評価額が事実上ゼロになるまで株価が下がった。

HTCはまた「われわれの核心的事業分野に集中することで利益の上がる成長を目指す」としている。具体的にはスマートフォン、仮想現実、ウェアラブル・デバイスの各分野にそれぞれ特化した事業部を新設する。これによってコストを3分の1程度削減できるという。その成果は新しい「トレンディーな」スマートフォンとして今年中に発表される予定だ。HTCは先週の投資家向けカンファレンス・コールで「消費者のHTCの製品に対する関心が薄れている」ことを率直に認めた。

台湾からこのニュースが届く数時間前、世界第5位のスマートフォン・メーカーであり世界最大のパソコン・メーカーであるLenovoが、3200人をレイオフすることを発表した。これは全従業員の5%にあたる。Lenovoの四半期決算も低調だった。XiaomiとHuawei以外のAndroidメーカーにとって厳しい時期が続きそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsungの新フラグシップモデル、Galaxy S6 Edge+はiPhone 6 Plusへの回答

2015-08-14-samsungedgeplus

今日(米国時間8/12)の大がかりなプレスカンファレンスでSamsungは新しいフラグシップモデル2機種を発表した。一つはGalaxy Note 5、もう一つはGalaxy S6 Edge+だ。Noteのアップデート情報は以前からたびたびリークされていたが、S6 Edge+はまったく新しいモデルで、ひとことで言えばiPhone 6 Plusのライバルだ。

S6 Edge+はNote 5と同一の5.7インチ曲面ディスプレイを採用しているが、よりスリムで軽く、実際の使用感は快適だ。Noteのパワーユーザーお気に入りのスタイラスペンその他の機能は欠いているが、一般的なスマートフォンより広いスクリーンはそれだけいろいろなことができる。

S6 Edge同様、Ege+もガラスとアルミでできている。プラスティック製のケースといっしょに交換可能なバッテリーとmicroSDカードも廃止された(メモリは(32GBと64GB)。その代わり、Edg+の重さはわずか153gだ。これはiPhone 6 PlusやGalaxy Note 5より軽い(iPhone 6 Plusは5.5インチ・スクリーンで172g)。

  1. img_1941.jpg

  2. img_1943.jpg

  3. img_1944.jpg

  4. img_1946.jpg

  5. img_1947.jpg

  6. img_1948.jpg

  7. img_1949.jpg

  8. img_1950.jpg

  9. img_1952.jpg

  10. img_1953.jpg

  11. p1040108.jpg

  12. p1040109.jpg

  13. p1040113.jpg

  14. p1040112.jpg

私はロンドンでSamsungのイベントに参加し、実機に触れてきた。Samsungは製品の高級感の演出で大いに進歩している。目にも美しく、手にした感触も良い。スクリーンも豪華な印象だ。ただし彩度が少し高すぎるかもしれない。

S6 Edge+で驚くのはなんといってもその軽さだ。ファブレットを手にしている感じがしないほど軽い。デバイスを立ち上げると思わずスクリーンに見入ってしまう。巧みにデザインされた曲面ディスプレイのおかげで、もっとずっと大きなスクリーンを見ているような錯覚に陥る。ユーザーはアプリをスクリーンの端にピン止めすることができるので、側面に回り込んだこの特徴的なエッジ部分にも多少の実用的な意味がある。

私は新モデルをこれよりわずかに小さいGalaxy S6 Edgeとくらべてみた。見た目はよく似ており、違いを見つけるのが難しいほどだ。ディスプレイは5.1インチから5.7インチに拡大されているが、天地のベゼルは同一、厚みも同じ。ボタンの種類、配置も同じだ。大型ディスプレイを備えた高機能Androidスマートフォンが必要なら、Edge+はその有力な選択肢になるだろう。

唯一の弱点は、iPhone最大の強みであるiOSとそのエコシステムをもたないことだ。ユーザーはiOSのエコシステムにアクセスできるということでプレミアム価格を払う。今回Samsungは価格について何も発表しなかったが、S6 Edge+もS6 Edgeと同様の価格帯となるなら、iPhone 6/6Plusとさほど変わりない金額となる。

Edge+は大容量のバッテリーを搭載しており、わずか分でフル充電する。カメラはS6 Edgeと同じだ。 実機をテストする機会がありしだいレビューしたい。今月末までに市販が開始されるもようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】