Google Pixel 4のカメラはAIと機械学習で圧倒的、ハイブリッドズームも可能に

これが長らく噂になっていたGooglePixel 4だ。Googleのハードウェアイベントで実機に触ることができたのでご紹介しよう。現場で撮影した写真も何枚か掲載した。

Googleの日頃の水準からしても新しいスマートフォンに関する情報は大量にリークされていた。このリークは頭打ちのスマートフォン需要を喚起するためにGoogleが意識的に情報を流していたのだと一部では推測している。いずれにせよ新Pixel 4の出荷は1024日、799ドルから(日本での公式発表は間もなくの予定)となる。.

新デバイスのフロント側の見た目はさほど大きく変わってはいない。標準のPixel 4には従来どおりかなりの幅のベゼルが天地にある。フロントカメラは流行の切り欠きやスクリーン透過式で設置されてはいない。

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しかしリアは大きく進化している。ここ2世代ほど単一カメラで来たGoogleだが、ついにトレンドのカメラアレイを採用した。 iPhone 11に似た四角い枠の中に2台のカメラが設置されている。

水平に並んだ2台のカメラの上にセンサー、下にフラッシュがある。カメラは広角と望遠で、それぞれ12メガピクセルと16メガピクセルだという。 撮影した写真は下を見ていただきたい。ほとんど理想を実現したカメラだと感じた。本格的レビューは落ち着いてテストができるようになってからとなるが、とりあえずの印象はお伝えできるかと思う。

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正直、このカメラには興奮させられた。Googleは(いつものとおり)人工知能、機械学習には圧倒的な力を発揮した。単一カメラでもソフトウェアによって高い撮影能力を実現していたが、今回デュアルカメラに進化したことで現在の市場で最高水準のカメラに仕上がっているようだ。

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詳しくはカメラのレビューを中心とした記事に譲るが、撮影能力はあらゆる面で進化してる。現行モデルでも非常に優れている夜景モード、ポートレートがさらに改良され、AIを活用したハイブリッドズーム機能が加わった。これは新しい望遠レンズによる物理的ズーム画像とデジタル処理によるズームをAIによって最適に組合わるものだという。今日のイベントにはエリザベス女王のポートレートを撮影したことでよく知られている世界的写真家のアニー・レイボヴィッツ氏が登壇してGoogleと共同でPixel 4を使った撮影プロジェクトを進めていると語った。レイボヴィッツ氏に十分ならもちろん私にも十分以上だ。

 
 

録音機能も進化しており、特に我々のようにインタビューを仕事の重要な一部としているジャーナリストには大きな期待を抱かせるものだった。正直、今回は周囲があまりに騒がしく十分なテストができなかったが、これも後日、ちゃんとレビューする予定だ。ともあれ、いちいちクラウドにアップせずにデバイス内で音声の文字起こしができるようになったのは大進歩だと思う。

これによりレスポンスが速くなったのはもちろんだが、機密性の高いインタビューの場合でもプライバシーがはるかによく守られるようになることが大きい。録音をスタートさせると、録音中を示す灰色の帯が音声を探知するとブルーに変わる。ここで「文字起こし」(transcript)をタップすればその場で結果が表示される。その後はソーシャルメディアに投稿してもいいし、Googleドライブに保存してもいい。

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Googleがマイクロジェスチャー認識とデバイスを握ることで反応するアクティブエッジ機能したのは興味深い。他のメーカーも各種試みたもののあまり成功していない分野だ。Googleが採用したレーダー処理チップが指のジェスチャー認識の向上にどの程度の効果を発揮するのか検証してみたい。

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Googleはマイクロジェスチャーを認識するSoli機能を普及させるためにピカチューに手を振る、指差すなどの動作をすると応えてくれるポケモンゲームを作っている。正直言って私はそれらの効果にやや懐疑的だ。指のジェスチャーを高精度で認識できるというのは画期的テクノロジーだが、ユーザーに新しいインプット方式を学習させるのは容易なことではない。

ただしデバイスを取り上げて覗きこめばアンロックされる機能は便利だし、ユーザー側で新しい動作を学ぶ必要はない。ここでもPiexl 4内蔵のレーダーがユーザーの顔の認識精度のアップにひと役買っているという。

Piexl 4の出荷は1024日から、価格は799ドルからだ。準備ができしだいもっと本格的なレビューをお届けする。

Japan編集部追記】 Pixel 4他の新ハードウェアに関してはGoogleストアで間もなく(1016朝)公開の予定。ジェスチャーを認識するSoli機能は端末発売時には日本はカバーされないものの「近日対応」とのこと。小出力レーダーが日本の技適をクリアしていないためという情報がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Pixel 4やPiexbook Goの登場は確実か、来週のGoogle新製品発表イベント予測まとめ

米国ニューヨークでは紅葉も始まり、すっかり秋の気配。つまり新ハードウェアがお披露目される季節だ。マンハッタンでは来週水曜の10月15日(日本では10月16日)にハードウェアイベントを予定している。

例年どおり、メインとなるのは同社のハードウェアのフラグシップであるPixelシリーズだが、Google Nest(Google Home)のアップデートも多数登場するだろう。スマートディスプレイ、Google Nest Hubが発表されたのは昨年のこのイベントだった。

Google(グーグル)の新しいハードウェアについての予測や噂はしばらく前から渦巻いている。Pixelシリーズに加えてPixelbookシリーズがアップデートされるだろう。Pixel Budsの新製品も発表されるかもしれない。現在判明していることをことをまとめてみた。まずはメインテーマから見ていこう。

最新スマートフォンのPixel 4とPixel 4 XLが発表されるのは間違いない。 グーグル自身が上のビデオのように新製品を予告している。この間のリーク写真で一貫しているのはiPhoneに似た四角い枠の中に2台のカメラを水平に並べた三角形のアレイというデザインが採用されていることだろう。Evan Brassの新たなリーク写真でもカメラが2台になっていることがわかる。

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グーグルはこれまでの「カメラは1台で十分」という方針を捨ててメインカメラ2台方式とした、Pixel 3ではカメラは1台だったがAI画像処理ソフトが駆使され夜景モードなど非常に高い画質を実現していた。今回はソニー製の1600万画素で望遠レンズ搭載のカメラが追加されており、写真性能が驚異的なものになっているのではないかと期待されている。

赤外線ビームにより撮影した画像の各ピクセルごとに光の反射時間を計測して一挙に3次元マップを生成できるToF(Time of Flight)センサーについてはまだ情報が少ない。ユーザーの顔でロックを自動解除する機能や手のジェスチャーで楽曲をスキップしたりボリュームを下げたしする3D認識機能が追加されることも予想されている。

OSはAndroid 10がプリインストールされる。5Gモデルも以前から噂に上っているが、今回登場する確率は低い。録音の自動文字起こし機能も噂されており、実現すれば私のようにインタビューを職業の一部としている記者にとってはこのうえなくありがたい。

まとめると、Pixelは5.6インチ標準サイズと、縦長6.3インチのXLの2シリーズとなる。カラーバリエーションにはホワイト、ブラックに新しくオレンジが加わる。

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ChromeOS搭載デバイスではプレムアムモデルとして新しいPixelbook Goが発表されるはずだ。 9to5Googleの記事によれば、これは現行Pixlebookのアップデートというよりまったくの新製品と考えたほうがいい。ストレートなノートパソコンというより、軽量化や携帯性に重点を置いたMacbook Air的な製品となるようだ。

GoogleはPixelbookシリーズの今後の展開について詳しいことは明かしていないが、Chromebookカテゴリーの製品が全体として大きな成功を収めている以上、なにか計画していることは間違いない。高性能化して低価格化するというのが順当な方向だが、そうなるとライバルと同程度の価格帯になるかもしれない。

リーク情報によれば13.3インチ、4Kのタッチスクリーン、ポートはUSB-Cが左右に設置される。ポート数が少なすぎるというのが前モデルに対する最大の不満だったから、2基のまま変化なしというのはやや不満が残る。

新しいスマートイヤフォン、Pixel Budsは出るだろうか?出てもいいはずだ。オリジナルのGoogle Budsは市場では空振り気味だった。しかしアップルやBeats(ビーツ)、Samsung(サムスン)、ソニーなどライバルがそろってスマートイヤフォンに力を入れているのだからグーグルが単に眺めているということはないだろう。同社のソフトウェア能力をもってすれば、他社と差別化できるような製品を開発できるのではないか?

来週のイベントにはGoogle Nest/Homeシリーズの製品が多数登場するはずだ。長くベストセラーを続けているGoogle Home Miniもとうとうアップされるらしい。Google Home MiniもNestファミリーのメンバーになったのだから、それらしい製品名に変える必要もある。音質を改善しカラーバリエーションを増やすなどが考えられる。本質的な部分に大きな変化はないだろうが、あの低価格なら気にすることはない。

もうひとつ以前から期待されているのがGoogle Wifiのアップデートだ。これもHomeからNestに分類が変わるはず。噂によればGoogleはスマートハウス、スマートディスプレイなどNestシリーズの各製品とのスマートシナジーを期待しているというのだが、どんなものだろう。

TechCrunchはGoogleのイベントをライブ(日本時間10月15日午後11時から)でカバーする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Galaxy Note 10は約10万円で米国向け出荷開始

Samsung(サムスン)は年に2回フラグシップモデルを発表するというプロダクトサイクルを守っている。つまり消費者は年に2回ハイエンドの最新Androidハードウェアを手に入れるチャンスがあるわけだ。今年もGalaxy S10シリーズのリリースから半年が経過し、新しいGalaxy Noteが出荷される季節となった。ちなみにGalaxy S10+は、ディスプレイが6.8インチと巨大なのが一番の特色だ。しかしGalaxy S10のディスプレイも6.3インチで十分大きい。

前にも書いたように、Galaxy Note 10は(ほんのわずかだが)前モデルよりスクリーンもフットプリントも小さくなっている。サムスンによれば、これは初めてNoteを購入するユーザーにアピールするためだという。もしかするとこのスリム化は、Galaxy Sシリーズのユーザーに対し、S-Penが使えるNoteの訴求ポイントになるかもしれない。

小型化によるもうひとつのメリットは価格だ。Galaxy Note 10は949ドル(約10万円)からと、ハイエンドの大型スマートフォンとしては異例の1000ドル以下の設定だ。需要が一巡してスマートフォンの購入がダウンしているため、多くのメーカーがモデルを値上げしている中、Galaxy Note 10の価格はライバルにとってショッキングだろう。Galaxy S10+ですら、1100ドル(約11.6万円)からとGalaxy Note 10より高価だ。

Samsung Galaxy Note10先週の紹介記事を要約するなら「もともと優れたプロダクトがさらに改良された」といえる。革命的な新機能が新たに搭載されたわけではないが、デザインはスマートでカメラ始め各種機能はすべてトップクラスの能力を備えている。ピカピカで大画面モデルがお好みならGalaxy Noteは有力な候補だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

サムスンの新Galaxy Noteの画面は6.3と6.8、出荷8月23日で価格950ドルから

新しいGalaxy Note、Note+はすごいプロダクトだった。スタイラスが復活したが、それだけではない。2011年には5.3インチのスマートフォンというのは突拍子もない考えに思えた。当時4インチのiPhoneをプッシュするのに忙しかったスティーブ・ジョブズ氏はプレスカンファレンスで「そんなもの誰も買うわけがない」とGalaxyの大型モデルを批判したのは有名だ。

しかし現在のスマートフォンのディスプレイの平均的サイズは5.5インチ前後。サイズに関してサムスンが勝ったのは明らかだ。もちろんスクリーン対ボディの比率が年々改善されたことも大きい。ジョブズはスクリーンが大型化するとボディが平均的なユーザーの手に収まらなくなると考えたのだが、この心配は無用だった。

サムスンは米国時間8月7日、米国ニューヨークのブルックリンで開催した大掛かりなプレスカンファレンスで大型化のトレンドをさらに進めた。新しいGalaxy Note(写真左)とNote+(写真右)はどちらも優秀なプロダクトだったが、サイズは特に注目の部分だ。

Note 10+は6.8インチのデバイスで、いくつもの面で他のフラグシップモデルとの差別化が図られている(しばらく前に発表されたNote S Plusはその名前のとおり、スマートスタイラスを復活させたのが最も大きな特徴だった)。

Note 10、Note 10+の両モデルを少し使ってみて、まずサムスンのデザイン能力に強い印象を受けたことを認めざるをえない。10+は6.4インチのNote 9と筐体サイズはほとんど同一だ。つまりスマートフォンとしては6.8インチという大きなデバイスでありながら持ち歩きに邪魔にならない。

また別の注目すべき点は、サムスンが標準タイプのNoteのディスプレイを6.4インチから6.3インチに縮小したことだ。いや、そのとおり。小さくなったのだ。これは最近のマートフォンでは非常に珍しい。

このデザイン変更の背景には、「スクリーンの小型化は最初のユーザーの購入バリアを下げる」という考え方があったに違いない。0.1インチの違いにそんな効果があるかどうかは別として、スクリーン対ボディ比率の改善によってNote 10は現行Note 9よりはるかに小型に感じられる。

以下、プレスカンファレンスで発表された両モデルのスペックを比較しておこう。両モデルとも出荷は8月23日だ。米国向けには5Gモデルも用意される。

Galaxy Note 10

  • ディスプレイ:6.3インチ、FHD+ AMOLED、 解像度2280×1080(401ppi)
  • バッテリー:3500mAh
  • メモリー:8GB
  • ストレージ:256GB
  • 価格:949ドルから

Galaxy Note 10+

  • ディスプレイ:6.8インチ、Quad HD+ AMOLED、解像度3040×1440(498ppi)
  • バッテリー:4300mAh
  • メモリー:12GB
  • ストレージ:256GB、512GB
  • カメラ:5GモデルではメインカメラにTOF(タイムオブフライト)検知センサーを装備。奥行きを検知しAR環境で必須となる周囲の3次元モデル化に役立てる
  • 価格:1100ドルから

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Galaxy Noteイベントで何が発表されるのか予測してみた

これまでもサムスンの情報ガードはあまり固いとは言えなかった。もっともこれはわざとそうしていた疑いが強い。サムスンは実際の製品発表に先立ってネット界隈が噂で盛り上がるのを期待しているようだ。

米国時間8月7日にブルックリンで開催されるGalax Noteイベントも例外ではない。われれはすでに大量のリーク情報を得ているが、わかっていることを振り返ってみよう。

先週、サムスンはGalaxy Tab S6を発表した。これはiPad Proに対抗するサムスンのタブレットのフラグシップだが、発表方法が比較的地味だったのは、来るべきイベントに対する配慮だったかもしれない。またApple(アップル)とGoogle(サムスン)はハイエンドタブレットをすでに発表しており、タイミングが少しばかり遅かったきらいはある。いずれにせよGalaxyイベンドでは多数の製品が発表されそうだという期待は大きくなった。

Galaxy Note 10

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サムスンが「ひとつのデバイス」より好きなものがあるとすれば「たくさんのデバイス」だ。 Galaxy Sにたくさんのモデルを投入したなに続いて、さらに2、3のデバイスが発表される予定だ。

Galaxy Noteについては、Plus、Proが追加されることは確実だ。現行のGalaxy Noteのスクリーンのサイズが小さ過ぎると考えて買い控えている人間がどのくらいいたかはともかく、新モデルは現在の6.3インチよりわずかに大きい6.8インチディスプレイをサポートする(どちらもAMOLED)。このサイズは普通に考えればタブレットだが、サムスンはボディーに対するスクリーンのサイズを拡大することで注力しているのでマンホールの葢のような大きく重いデバイスにはなっていないかもしれない。

こちらは大型Noteほど確実ではないが、 5Gモデルが発表されるかどうかが注目されている。戦略的観点からいえば、ここで5Gを出すことには意味がある。サムスンは先月発表したS10では全モデルを5Gにした。キャリヤの対応は遅れぎみとはいえ、デバイスの5G化のトレンドの先端を走っていることにサムスンは大きなプライドを持っているはずだ。

噂ではメインカメラは3基となるという。うち1基は1600万画素の超広角レンズとなり、Pro/Plusモデルには奥行きを検知できる反射時間測定センサーが装備される。プロセッサーはSnapdragon 855 PlusというQualcomm(クアルコム)のトップエンド製品になる。このチップは数週間前に発表されたばかりでNoteは初めての商用プロダクトの一つだ。

バッテリーも強化され、3600mAhまたは4300mAhが搭載される。メモリーは標準が8GB、Plusが12GBとなる。おっと、それからUSB-Cをヘッドフォンジャックに変換するドングルが出るはずだ。

Galaxy Watch Active 2

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ウェアラブル方面ではGalaxy Watchに新モデルが投入されるだろう。Galaxy Watch Activeが発表されてからまだ半年経っていないが、早くも新バージョンが出ると噂されている。サイズは直径40mmと44mm、最新のApple Watchに対抗してECG(心電図)、転倒モニター機能も追加されているはずだ。またタッチセンサーが採用され回転式の物理的ベゼルは廃止されるという情報もある。

その他

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折り畳み式ディスプレイを採用するGalaxy Foldに関してさらに何か情報が出てくることは間違いない。今のところプロダクトの発表は9月ごろという大まかなスケジュールはわかっているが、もうすこしはっきりしたスケジュールの発表を期待している。鳴り物入りで期待を持たせたあげくテスト用に配布された初期製品がトラブルに見舞われ、実機の発表が大きく延期されたいわくつきのプロダクトだ。

同様に行方不明になっているのがGalaxy Homeだ。HomePodのライバルとなるべき製品でほぼ1年前にアナウンスされた。正確にいってどんなプロダクトが用意されているのか、発表はいつか、後続の情報がまったくない。

日本時間では、すべは8月8日明け方に始まるイベントで明らかになる。我々はイベントを現地でカバーする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

「順調な上半期」という発表の裏でファーウェイが語らなかったのは「スマホの伸びゼロ」

米国時間7月30日、Huawei(ファーウェイ)は「順調さ」を強調した上半期報告を発表し、メディアはおおむね受け入れれたようだ。しかしここで語られていない大きな問題がある。第1四半期から第2四半期にかけて同社のスマートフォンの売上の伸びはゼロだったのだ。

テレコム機器とスマートフォンの有力メーカーであるファーウェイは2019年上半期の決算を発表し、米国の制裁措置にもかかわらず、上半期の売上が23.2%増加し、4013億元(583.1億ドル、約6.3兆円)に達したと発表した。 同社の上半期のスマートフォン出荷台数は1億1800万台となり、対前年比24%のアップだった。

なるほど好調な上半期だったといえようが、では四半期単位ではどうなっていたのだろう?ファーウェイは発表していないが、簡単な計算で語られなかった事実を知ることができる。同社は第1四半期に対前年比で収入を39%を伸ばしている。つまり上半期の成績が好調だったのは第1四半期のせいで、第2四半期は足を引っ張っていたことが分かる。

ファーウェイは上半期の売上が前年比23.2%アップしたと言っている。しかしQ1が39%アップだったことを考えれば Q2はそうとう悪かったに違いない。

ファーウェイは第1四半期にスマートフォンを5900万台出荷している。つまり上半期の出荷合計1億1800万台から5900万台を引けば第2四半期の出荷台数も5900万台だったとわかる。テクノロジージャーナリストのAlex Barredo(アレックス・バレード)氏が Twitterで指摘したように、 これまで同社の第2四半期のスマートフォン出荷台数は第1四半期を大きく上回ってきた。

ファーウェイのスマートフォン売上はこれまで第1四半期から第2四半期にかけて大きく伸びていた(平均(32.5%のアップ)。ところがトランプ大統領の制裁発動の後、今年は伸びゼロ。これはすごい効果だ。

中国国内ではファーウェイのスマートフォン売上は伸びている。市場調査会社、Canalysが調べた国内販売のデータでは、第1四半期(2990万台)に対して第2四半期( 3730万台)となっている。しかし国内販売の伸びは国際市場での落ち込みを帳消しにするほどの力がなかったわけだ。実際ファーウェイのファウンダーの任正非(Ren Zhengfei)氏自身、6月に同社の海外市場でのスマートフォン売上は最大40%程度下落する可能性があると予想していた

この打撃が生じた理由は複数ある。制裁によってファーウェイは米国の提携企業が開発したコアテクノロジーから締め出されることになった。例えば、Google(グーグル)はファーウェイに対しAndroidサービスの重要な部分を提供することを停止した。Android OSそのものはオープンソースであり引き続き利用できるが、米国の貿易規則はグーグルがファーウェイにソフトウェアアップデートを提供することを禁じている。

半導体メーカーのARMもファーウェイとの関係を断つことを余儀なくされた。米国による制裁措置の打撃を緩和するためめに、ファーウェイは独自の半導体やスマートフォンOSを開発しているというニュースも流れた(のちに同社はこのOSは産業向けのものだと主張している)。しかしこうした措置が効果を挙げるとしても、だいぶ時間がかかるだろう。

もちろんファーウェイという巨人にとってスマートフォンのような消費者向けプロダクトは事業の一部分に過ぎない。しかし同社のエンタープライズ向け事業もまた攻撃を受けている。米国では価格の安さから小規模な地域キャリアの多くがファーウェイを利用してきた。しかし制裁措置以来、関係を断つ会社が増加している。トランプ政権は西側諸国に対し5Gネットワーク構築にあたって同社の機器を採用しなよう強く働きかけている。

簡単にいえば、米国のブラックリストに載せられ、米企業とビジネス関係を持つことができなくなったことはファーウェイに対して非常な圧迫となっている。ワシントンは一定の猶予期間を設け、一部製品については同社との輸出入の再開を認めたが、すでに大きな打撃が与えられたことは明らかだ。ファウンダーの任氏は先月、「米国の制裁措置はひっくるめて300億ドルの収入の落ち込みをもたらすかもしれない」と述べている。

ファーウェイの会長、 梁華(Liang Hua、写真)氏は本日の声明で「我々は困難な時期を迎えている」と認めたが、同時に「前途が明るいものであることに確信がある。1200億元にのぼる今年のR&D関連投資を含め、我々は予定どおり投資を進める。いくつかの困難を克服し、最悪の時期を後にして、今後は新たな成長段階に入れることに自信を持っている」と述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Pixel 4は顔認証とレーダー利用の「モーションセンス」を搭載

 Googleの次世代スマートフォン、Pixel 4についてはだいぶ以前からリーク情報が出ていた。それに加えてGoogle自身が、発売直前のプレゼンですべてを明らかにする伝統的手法ではなく、外観写真など情報を少しずつ出すPR戦術を採用している。

米国時間7月29日、GoogleはPixel 4の新しいビデオクリップをYouTubeにアップした。実際に入手できるのは今秋になってからのはずだが、ビデオで紹介された「モーションセンス」と顔認証は魅力的な新機能だ。

「モーションセンス」はPixel 4がユーザーの手のジェスチャーを認識し、対応する動作をするというものだ。 音楽を聞いているならスキップして次の曲を再生したり、アラームをスヌーズさせたり、着信音を消したりできる。Googleによれば対応動作は今後拡大されるという。Pixel 4のモーションセンスはGoogleが開発したSoliをベースにしている。これはカメラではなくレーダーを利用して手のジェスチャーなどを認識するテクノロジーだ。

最初に発表されたのは20015年のGoogle I/Oカンファレンスだったが、しばらく音沙汰がなく、2016年のGoogle I/Oでいくつかの応用が発表された。ここでは指で時計のリューズを巻くジェスチャーなどの微細な動きを認識できることがデモされた。また今年1月には電波利用機器とし連邦通信委員会から認証を得ており、実用化が近いことが予測されていた。

Pixel 4はSoliテクノロジーを搭載する最初の商用プロダクトとなるが、Googleは「Piexe 4販売開始の際にSoliが搭載されるのは一部の国となる」と述べている。米国の場合と同様、各国でも電波利用機器としての認証を得る手続きが必要だからだろう。

Googleはまた顔認証によるロック解除機能も搭載する。これはAndroid OS自体でもサポートされていたが、Pixel 4の実装はこれまでとは大いに異なるようだ。これにもSoliテクノロジーが用いられている。ユーザーがデバイスに手をのばすとSoliがそれを認識して顔認識センサーを起動し、データが一致すればアンロックされる。つまりユーザーがスマートフォンを顔の前に持ってきたときにはすでにアンロック済みで、すぐに使える状態になっているわけだ。この自動アンロックシステムは他のアプリの認証にも利用できるという。

顔認証によるアンロックは支払いを含めて各種のAndroidアプリへのログインに用いることができる。またこうした顔認証はデバイス内で完結する。 これはAppleがFace IDで用いているのと似ているが、ユーザーのプライバシーを確保するために顔認識情報をデバイスの外に出さない仕組みだ。さらにセキュリティを確保するために、顔認識関連情報は他の情報と別個にTitan Mというカスタムチップ内に保管される。これもAppleのFace IDと同様のアプローチだ。

公開までだいぶ期間があったが、Googleでは6月に外観写真(あるいは写真的精細度のCG)を公開し、メインカメラが複数台になるなど新機能を見せて消費者の関心をかき立ててきた。今回のアップデートも同様のアプローチだが、使い勝手に関する重要な機能が明らかになった。これまでの例からするとプロダクトの最終的な発表は10月になる見込みだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Pixel 4カメラはメインが3基でセルフィーはベゼルに2基か

先月の今頃、GoogleはPixel 4の写真をツイートで公開して、皆をびっくりさせた。この写真で判明したのはおもにリア側だったが、リリースは今年10月の予定だったから、多少ネタバレの気味もあった。Googleはメディアによるリークが起きないうちに摘み取ってしまいたかったのかもしれない。もちろんAppleが新世代iPhoneの宣伝に力を入れる前に、Pixel 4では複数カメラが採用されることを強調するのがこの写真の主なメッセージだったはずだ。

OnLeakがアップした映像によれば、Piexel 4には3基のメインカメラと2基のセルフィーカメラが装備される。フロントのセルフィー・カメラは上部ベゼルに設置されるようだ。前回の写真でGoogleがフロント上部の公開を急がなかった理由がわかる。6.25インチのディスプレイの上部ベゼルはかなりの幅があり、Googleがディスプレイ透過型のホールパンチカメラを採用するつもりがなかったことが分かる。

ライバル各社がセルフィーカメラをディスプレイの後ろに隠したり、本体からポップアップさせたりすることを試みているのに対してGoogleが追随しなかったのにはそれなりの理由があるのだろう。それに大型のPixel XLのディスプレイにはセルフィー用ノッチが設けられている。小型のPixelには設ける必要がなかったというだけだったのかもしれない。

幸い興味をひいているようなので1月前の写真に続く#Pixel4のリーク画像をアップした。ビデオは#Pixel4XLの最初の360°ビデオだ。5Kで描写しているし寸法もつかんだ。

もちろん実機が初期のリークのとおりにリリースされとは限らないのでこうした情報は多少割引しておく必要はある。しかしこの情報源はこれまで高い実績を誇ってきた。

外観は別として今回流れた噂には魅力的な新機能の情報がいくつか含まれている。Pixe 4では背面の指紋センサーが廃止されたので、Googleはロック解除を顔認証ないしディスプレイ内指紋認証に変えたようだ。Qualcommの超音波指紋認証が利用されているのかもしれない。

Pixel4はセルフィーカメラは2基で、トップベゼルが広いのは(まだ推測にすぎないが)何らかのジェスチャーを認識するためらしい。Pixelのカメラの改良は続いており、リアカメラは3基が並んでいる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Samsung、「Foldで問題を起したのは残念、折りたたみディスプレイ開発は続行」

The Independentによれば、Samsungのモバイル事業のCEO、DJ Koh氏はジャーナリストとの会見で同社の最近のGalaxy Foldのハードウェア問題に触れ、「残念だった。十分な準備が整う前に出荷してしまった」と述べた。

この感想には誰も異存がないだろう。Samsungが何年も前から予告していた折りたたみ式ディスプレイだが、われわれも報じたとおり、 出荷は時期尚早だった。折りたためるディスプレイはここ10年のモバイル・デバイスで最大のイノベーションになるはずであり、Samsungは何がなんでも一番乗りしたかったらしい。一般販売前に配布した評価用のデバイスにはたちまち多数の故障が見つかり、Samsungは急ブレーキを踏むことを余儀なくされた。

当初Samsungは問題を一部のレビュアーのせいにしようとした。しかし不具合が広範囲に発生していることを知り、結局はディスプレイ自体に問題があったことを認めた。Samsungの最初のフォールディング・スマートフォンが発売されるはずだった期日を過ぎて2月以上になるが、まだ出荷時期が発表されていない。もっともSamsungは近々はっきりした出荷時期を発表すると約束している。

Samsungは折りたたみ式スマートフォンの出荷がキャンセルされたという噂を強く否定している。 Koh氏もプレス・ミーティングで次のように述べた

われわれは現在もSamsung Foldの出荷準備を続けている。私がミスを犯したことは認めるが、折りたたみできるディスプレイは復活を目指している。現在2000台以上のデバイスがあらゆる条件でテストされている。われわれはすべての問題を検討している。一部の問題は部内の開発プロセスでは認識されていなかったが、多数のテスターのおかげではっきり知ることができた。

今回もKoh氏はFoldの新しいリリース期日は明らかにしなかったが、情報によればNoteの次世代バージョンはこの8月にリリースされるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleの次世代スマホPixel4はメインカメラは少なくとも2基に

Googleが準備中のPixel 4がどういうスマートフォンになるのか、今週に入って各種の噂が渦巻いている。 そこでGoogleはTwitterの公式アカウントで裏と表の外観写真をリークした。

下にエンベッドしたのが@MadeByGoogleによるそのツイートだ。Googleは「かなり注目を集めているようなので、写真をお目にかけよう!実機が出させるようになるまでしばし待たれよ」と書いている。

Pixel 4のデザインは今週、まずPricebabaというスマートフォンの情報を扱うブログに掲載された。

裏側のデザインが現行製品と比べて大きく変わっているのが目を引く。Pixel 3の場合、レンズ、センサー、フラッシュが1基ずつ横に並び、長方形の枠に囲まれている。これに対してリーク写真のデバイスではカメラ部分が正方形になっている。ここにカメラが少なくとも2基、フラッシュ、他のセンサー2基が収まるもようだ。さらに現行製品にある指紋センサーが見当たらない。

表側は下半分の写真しか公開されておらず、この部分には目立った変化はないようだ。

Pixel 3の場合、(カメラの夜景モード以外では)ハードウェアの能力にあまりこだわらず、Googleが力を入れていたのはもっぱら機械学習の成果を活かすソフトウェア面だった。

今回Googleは他社にかなり遅れてデュアル・カメラを採用した。Pixel 3でGoogleは「他の多くのデバイスが複数のカメラで実現する以上のレベルを機械学習アルゴリズムによって1台で達成している」と主張していた。もちろんこれはこれで事実だったが、カメラを追加できれば当然そのメリットがある。Googleも遅ればせながらデュアル・カメラの時代に参入するようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

TikTokの親会社ByteDanceがスマホを開発しているという噂

世界でもっとも企業価値の高いスタートアップであり、世界的に人気の動画アプリTikTokの運営会社ByteDanceにとって、この2カ月間は何かと忙しかった。北京に本社を置く同社は、仕事の共同作業アプリLark、インスタントメッセージ・アプリFeiliao音楽ストリーミング・アプリなどなど、アプリの品揃えを次々に増やしてきたが、ついに、ハードウエアの世界への野心的な一歩を踏み出そうとしているようだ。

Bytedanceは、自前のスマートフォンの開発を計画している。Financial Times(有料版)は、2つの情報筋からの話として伝えている。ByteDanceの広報担当者は、この件に関してコメントを控えたが、中国のインターネット企業の間では、ユーザー数を増やす方法として、最初から自社アプリをインストールしたスマートフォンを販売するスタイルが長期にわたって人気だったことから、その噂に特段の驚きはない。

しかもByteDanceには、もっと多くのユーザー獲得チャンネルを開拓しなけらばならない差し迫った事情がある。Bloombergの記事によると、この2年ほどで急速に成長したByteDanceだが、昨年、中国での広告収入低迷の煽りを受け、目標収益の達成に初めて失敗している。

ByteDanceよりも前から市場にいる企業の中に、自撮りアプリのメーカーMeituがあるが、同社は写真編集アプリなどの自社製アプリ一式をあらかじめインストールしたスマートフォンを開発した。先日、その部門はXiaomiに売却され、Xiaomiは女性ユーザーや新規ユーザーの獲得数を増やそうと試みている。Snowが所有するカメラアプリB612やByteDanceのFaceuも、Meituのすぐ後に迫っている。

中国のインターネット業界の黎明期においては、その他の企業は、多くの資産を持たないアプローチを好んだ。Baidu、Alibaba、Tencentは、中国の技術界を牽引する企業として、まとめて「BAT」と呼ばれているが、彼らはみな、Android ROMをカスタマイズして使っている。これなら、スマートフォンのメーカーがプリインストールした市販のROMよりも、多くの機能が使える。

Alibabaの野心は、2016年のMeizuに対する5億9000万ドル(約650億円)の投資からも伺える。このEコマースの巨人は、携帯端末メーカーのためにオペレーティングシステムを注文生産するという冒険に打って出た。最近では3月、WeChatのオーナーであるTencentが、ゲーム用スマートフォンのメーカーRazerと手を組んで、ハードウエアをカバーする数々の構想に挑むことにした。

 

TikTokの親会社ByteDanceは無料音楽ストリーミング・アプリの立ち上げを計画(本文は英語)

ByteDanceのスマートフォン開発には、以前から兆候があった。同社は、1月、スマートフォンのメーカーSmartisanからいくつかの特許を買い取り、従業員も数名引き抜いたことを認めている。しかしその当時、同社は、この取り引きは「教育ビジネスを研究するため」と話していた。Smartisanの事業は教育とはほとんど関係ないことを考えると、この声明はおかしい。少なくともこの提携は、このモバイルインターネットの新興企業にハードウエア開発能力を与えている。

事実、Financial Timesの情報筋は、ByteDanceの創設者Zhang Yimingは「ByteDanceのアプリがあらかじめインストールされたスマートフォンを長年夢見ていた」と伝えている。とは言え、これは非常に厳しい戦いになるはずだ。少なくともスマートフォンの売り上げが低迷し、Huawei、Vivo、Oppo、Xiaomi、Appleといったメーカーがしっかりと堀を固めている中での過酷な競争となる。

ByteDanceは、モバイルアプリの帝国を築いたお陰で、古巣を遠く離れても有利な立場にいられる。同社は、世界的な足場をしっかりと固めることに成功した数少ない(最初だと主張する人も多いが)中国のインターネット系スタートアップのひとつだ。TikTokは、この数カ月間、世界のアプリランキングのトップの地位を保っている。しかし、世界のより大きな市場では、障害物に悩まされてもいる。

アメリカでは、連邦取引委員会が子どものプライバシー保護ための法律に違反したとして、TikTokに罰金を科したTikTokの近年の成長をおもに支えているインドでは、不法なコンテンツが含まれているとして、政府から一時的にアプリを使用禁止にされるという問題が降りかかった。

中国企業にはセキュリティー問題がついてまわるとするワシントンの懸念があるために、アメリカ市場に浸透するのは難しいかも知れないが、インドには現在、中国ブランドがひしめいている。Counterpointの調査によれば、第一四半期はXiaomiを筆頭とする中国メーカーが、インドのスマートフォン市場の66パーセントという大きなシェアを握っているという。ということは、ByteDanceは、同盟を組むであろうSmartisanと共に、インドの地元ライバルのみならず、故郷の市場で見慣れた顔ぶれとも戦うことになる。

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(翻訳:金井哲夫)

北米のスマートフォン出荷台数が過去5年間で最低に

スマートフォン調査会社からまたまた暗いニュース。 Canalys によると、2019年第1四半期の北米スマートフォン市場は過去5年間で最低だった。それだけではない。これは全世界の傾向とも一致している。市場は停滞し、メーカーはまだ大パニックに陥っていないようだが、考慮すべき事態であることは間違いない。

第1四半期の出荷台数は昨年の4440万台から3640万台へと減少した。Canalysによると、この落ち込みは同社が記録を取り始めてから最大であり、その主要因として「アップルの精彩を欠いた実績とZTEの凋落」を挙げている

アップルは依然として集団の先頭を走り北米市場の40%を占めている。これには旧機種の値下げ販売も貢献している。しかし、サムスンはGalaxy S10の発売を追い風にして差を縮めている。同社は対前年比3%アップで市場の29.3%を占めている。

LG、レノボ、およびTCLがトップ5の残りに入り、中でも後者の2社は大きくシェアを伸ばした。それ以外のメーカーは大きく落ち込み、出荷台数は65%減少した。アナリストは差し迫った5Gの登場が今後の市場を活気づかせると確信しているようだが、その勢いを維持することはメーカーにとって容易ではない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Motorola Razrが縦に折り畳みで復活か?

MotorolaのRazrは上のスクリーンショットのようなデザインで近くリバイバルするかもしれない。Weibo他のオンラインに新しいRazrのものだとするリーク画像が流れて注目を集めている。ディスプレイはGalaxy Foldとは逆に縦に畳む方式で、オリジナルのRazrにたいへんよく似た外観となっている。

折り畳みテクノロジーのユースケースとしては他のデザインより納得性が高い。Galaxy Foldなどは「広げるとタブレットになるスマートフォン」であるのに対して、Motorolaのデザインは「広げるとスマートフォンになるコンパクトなデバイス」を目指しているようだ。

価格については依然として不明だが、ウォールストリートジャーナルは「市販される場合、1500ドル前後になるだろう」と観測していた。 つまりこのデザインで実際の製品としてリリースされるかどうかはまだ分からない。.

折りたたみディスプレイはサムスンのGalaxy Foldがパイオニアだった。市販に先立ってジャーナリストにテスト機が配られたが、一部はわずか数日で不具合を生じてしまった。Samsungは初期ロットの不良を確認し出荷をキャンセルした。

リーク画像が流れた後もMotorolaはリリースに関する情報を発表していない。サムスンのトラブルを考えると、Motorolaが実機の出荷に関して慎重な姿勢を取っているのは理解できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Galaxy Foldの画面は驚くほど脆い、分解レポートが公開される

サムスンが初期調査に乗り出す中、iFixitは折り畳みスマートフォン「Galaxy Fold」の詳細な分解レポートを公開した。その内容は第1世代デバイスの野心を褒め称えつつも、いくつかの明らかな欠陥を指摘している。

iFixitによるおなじみの19ステップの徹底的な分解レポートで注目したいのは、「驚くほど脆い」と評されたディスプレイの構造だ。iFixitが同サイトにて「驚くほど」とまで表現することは、めったにない。

サムスンが発売日の延期と共に発表した声明では、「初期調査では、上下のヒンジの露出部分からの衝撃が、ディスプレイに問題を生じさせた可能性がある」としていた。その脆い構造が、レポートでは実際に確認された形となった。

また、サムスンの他のデバイスにも付属しているので、多くのレビューアーが間違えて剥がした画面の保護レイヤーについても、iFixitは報告している。「確認されたすべてのケースにおいて、この保護レイヤーを剥がすことはディスプレイの損傷につながる。ディスプレイは保護レイヤーなしでも動作するが、密接に接着されており、ディスプレイが壊れるほどの力をかけない限り取り除くことはできないほど画面は脆かった」

一方で、iFixitはヒンジの構造には感心していたが、蝶番部分の大きな隙間は異物の混入を招き、ヒンジやディスプレイの間に挟まる可能性があると指摘している。これはサムスンによる「なんらかの物質がデバイス内部に入り込み、ディスプレイのパフォーマンスに影響を与えた可能性がある」という説明とも一致している。

そして分解レポートは、このような問題がごく少数のレビュー用端末に限らない可能性にも触れている。サムスンが上記の問題を解決することを願うばかりだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

不具合報道から6日目だが私のGalaxy Foldは異常なし

iPhoneの電話番号からSMSする必要があってGalaxy FoldからiPhone XSに戻ってみると、画面がおそろしく狭く感じられた。Foldに対する苦情のニュースが浮上してから「このデバイスをサムスンに返品するつもりはあるのか?」と何度か尋ねられたが、答えたは「ノー、まったく考えていない」だ。スマートフォンのスクリーンが大型化するのは必然の流れだし、折りたためる画面は重要な一歩だと思う。

もちろんこのトレンドがメインストリームになるのは1、2世代先のことだろう。最初のプロダクトだけにFoldは大きすぎ、かさばりすぎる感じがする(この点はメディアでもすでに何度も指摘されている)。今日空港を通ったが航空会社やセキュリティーのスタッフ(職業がら毎日大量のスマートフォンを見ている)は私のGalaxy Foldを目にしてとても感心していた。

今朝はバスルームのシンクにFoldを45度の角度で立てかけ、歯を磨きながらニュースを見たがこれは具合がよかった。飛行機に乗る予定だったのだから、ついでに映画を数本ダウンロードしておけばよかったと後で気づいた。デルタ航空のシートバックのモニタよりFoldの画面のほうがはるかにきれいだ。

外側画面には指紋がつきやすく、開いて使うと内側画面はむやみに埃を集める。特にスクリーンプロテクターの端に埃がつきやすい。スクリーンプロテクターは普通のスマートフォンのスクリーン保護フィルムのように見えるが、フォルディングスクリーンの重要な一部となるレイヤーでこれを剥がせば正常に作動しなくなる。

記事トップの写真はアスレチックス対マリナーズの試合だ(中央の黒い線は影)。もちろん畳んだ状態でもフロントカメラで写真を撮れるが、こだとモニターが小さすぎる。人前でFoldを広げてリアカメラを使うとiPadで写真を撮るような居心地の悪さを感じる。しかし慣れてしまえばとても快適だ。

というわけで今のところ私のFoldは快調に作動している一方、ジャーナリストとしては報道された不具合についてのサムスンの公式見解の発表を待っているところだ。中国でのリリースは延期されたものの、 米国でのリリース予定は4月26日で変更はない。.

引き続きレポートする。

【訳者注】Heater記者によるSamsung Foldの詳しい紹介記事はこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

スマートフォン出荷台数は2020年に回復へ(ガートナー調査)

幾度かの苦難の年を経て、2020年は携帯電話出荷台数が復活する年になるとGartner(ガートナー)の最新予測が伝えた。しかし端末メーカー各社はまだトンネルを抜け出していない。2021年には再び数字が下がると予測されている。

アナリスト会社のGartnerは、このカテゴリーが2019年に0.5%下降すると見ている。これは、この数年同社が計測を始めて以来始めてのマイナス成長だったこととも一致する。来年は成長の伸びが期待されており、これはアップグレードサイクルによるものだが、端末メーカーは今後数年の成長鈍化を覚悟しておく必要がある。2021年には、さらに下降することが予想されている。

商品の高額化、中国などにおける経済成長の鈍化、および買い替え動機の減少などが停滞の要因だ。Gartnerは、高級端末の平均寿命が現在の2.6年から2023年には2.8年に伸びると考えている。丸め誤差のようにも思えるが影響を与えるには十分だ。

私は、来る5G移行への流れがある程度の成長要因になると予想している。一方のGartnerは、先月のMWCでフォームファクターが注目の的となった折りたたみ型について、当然ながら慎重な構えだ。

「ユーザーは折りたたみ型端末を通常のスマートフォンと同じように使い、1日に何百回も手にとって、時々折返してはプラスチック画面でタイピングすると思われるので、折りたたみ方によってはすぐに傷がつくだろう」とGartnerのリサーチ・ディレクターであるRoberta Cozza氏が調査結果のリリース文で語った。「向こう5年間折りたたみ電話は、製造上の課題からニッチ製品であり続けるだろう。画面の表面だけでなく、価格も今後下がっていくとわれわれは予想しているが障壁になるだろう。現在2000ドルの折りたたみ端末は、新しいもの好きのユーザーにとっても、まだトレードオフが多すぎる」。

納得。ただし長期的には良くなっていく見込みで、2023年の折りたたみ型出荷台数は3000万台になるだろう(市場全体の約5%)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

シャオミが3つ折りスマーフォンを再度チラ見せ

Xiaomi(シャオミ)は今年1月に続き、再度折りたたみスマートフォンを披露した。

Weiboアカウントに投稿された今回の動画では、タブレットとしても、あるいは折りたたむことでスマートフォンとしても使える「三つ折りスマートフォン」の姿が確認できる。また、折りたたみ状態ではインスタントヌードルの上に載せられるほどコンパクトなようだ。

Xiaomiは現在もこの折りたたみスマートフォンの開発をすすめている。すでに端末を投入しているSamsung(サムスン)やHuawei(ファーウェイ)、中国Royole(ロヨル)とは異なり、すぐに製品が登場することはなさそうだ。

Xiaomiのスマートフォンは2カ所を折り曲げるという点で、1カ所を折り曲げる上記の端末とは異なる。その開発が難しいことは容易に想像できるが、実際のプロトタイプは実に印象的だ。動画を見る限りハードウェアやソフトウェアの完成度は高いのだが、折りたたみ機構が端末を分厚くしているのもまた事実である。

現時点では、Xiaomiがこのままの姿で折りたたみスマートフォンをリリースするかどうかは、はっきりしない。ただし廉価な端末で知られる同社のこと、SamsungやHuaweiの第1世代折りたたみスマートフォンとは異なり、2000ドル以下で製品が投入されることを期待してもいいかもしれない。

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(文/塚本直樹 Twitter

Galaxy Foldの画面折り曲げテスト動画が公開

Samsung(サムスン)の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」はまだ謎が多い。2月のアンパックイベントにて公開された同端末は、MWCではガラスの向こう側に鎮座していた。

そしてSamsungが本日公開した動画では、Galaxy Foldをストレステストにかけている様子が確認できる。

Samsungによれば、Galaxy Foldのディスプレイは20万回の開閉動作に耐えられるとしている。これはおよそ、5年間で1日に100回折りたたんだ回数に相当する。

動画では、Samsungなどのメーカーがどのようにして耐久回数を決定しているのかが見て取れる。同社によれば、この機械を使えば約1週間で20万回の折り曲げ試験が実施できるそうだ。なんにせよ、製品をこの手に取る日が楽しみである。

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(文/塚本直樹 Twitter

Huawei P30 Pro/P30発表 ペリスコープレンズと深度センサーでカメラ性能刷新

Huawei(ファーウェイ)はプレスカンファレンスにて、新型フラッグシップスマートフォン「P30 Pro」「P30」を発表した。両端末とも、前モデルの「P20シリーズ」から全面的にアップデートされている。

まず外観上の進化として、両スマートフォンは小型な水滴型ノッチを搭載。またディスプレイには指紋認証機能が内蔵されている。ディスプレイサイズはP20 Pro/P20の5.8/6.1インチから、6.1/6.47インチに大型化しており、画面のアスペクト比は18.7:9から19.5:9に変更された。

P30 ProはiPhone XRよりも細いのだが、それでも個人的には手に余るサイズに感じられた。

背面パネルの素材はガラスで、角度により美しい色の変化をみせる。フレームはアルミ製だ。カーブディスプレイと裏側側面のカーブした形状のおかげで、スリムに感じられるのは好印象。本体上下の縁は平らに仕上げられており、手のひらに馴染む感触だ。

P30 ProとP30のスペックは似ており、両方とも2340×1080ドットの有機ELディスプレイを搭載している。

2機種の大きな違いは、P30 Proがカーブディスプレイなのにたいし、P30は平らなディスプレイを採用していることだ。なお、イヤホンジャックを搭載しているのはP30のみとなっている。

両機種とも、本体カラーは5パターン。ブリーシング・クリスタル、アンバー・サンライズ、パール・ホワイト、ブラック、オーロラが用意されている。アンバー・サンライズはレッドとオレンジのグラデーションカラーで、パール・ホワイトはホワイトとピンクのグラデーションカラー、オーロラはブルーとターコイズのグラデーションカラーだ。

 

背面には4カメラを搭載

カメラ性能には特にこだわりのあるHuawei。P30 Proではなんと背面に4カメラが搭載されている。

 

  • メインカメラは4000万画素/焦点距離27mm/f値1.6で光学手ブレ補正に対応
  • 超広角カメラは2000万画素/焦点距離16mm/f値2.2
  • 望遠カメラは800万画素/f値3.4かつ5倍ズーム(焦点距離125mm)を実現。こちらも光学手ブレ補正に対応
  • フラッシュ下には赤外線の照射で物体の深度を測定するToFセンサーを搭載

P30 ProではToFセンサーのおかげで、より上質なボケ効果が楽しめる。またメインカメラと望遠カメラの組み合わせにより、10倍のハイブリッドズームも実現した。

望遠カメラにはペリスコープレンズを採用。ガラスで光軸を曲げるこのレンズのおかげで、スマートフォンが分厚くならずに高倍率ズームが可能となった。

次に、P30のカメラスペックをみてみよう。

  • メインカメラは4000万画素/f値1.8で光学手ブレ補正に対応
  • 超広角カメラは1600万画素/f値2.2
  • 望遠カメラは800万画素で3倍の光学ズームを実現
  • ToFセンサーはなし

さらに、ハードウェアだけでなくソフトウェアの支援により、光学/電子手ブレ補正のおかげでナイトモードの性能がずっと進化している。また、フロントカメラも2400万画素から3200万画素に進化し、HDR撮影や暗所下での高感度撮影が楽しめる。

内部スペックまとめ

プロセッサには、Mate 20シリーズにも搭載されているKirin 980を採用。OSはAndroid Pie 9.1で、独自インターフェイスのEMUIが搭載されている。

USB-C経由では40W充電に対応し、最高15Wのワイヤレス充電も利用できる。P30 Proのバッテリー容量は4200mAhで、ワイヤレスリバース充電により他のデバイスの充電も可能だ。

P30 ProはIP68、P30はIP53の防塵・防水性能に対応。またディスプレイを振動させることで、スピーカーとして利用する。

ワイヤレスイヤホンも登場

新型ワイヤレスイヤホンのFreeLaceは、BeatsXのようにネックバンドが存在。こちらはネックバンドを取り外し、スマートフォンに直接差し込んで音楽を視聴することもできる。

USB Type-C経由で5分充電すれば、4時間の音楽視聴が可能。本体色はグラファイト・ブラック、アンバー・サンライズ、エメラルド・グリーン、ムーンライト・シルバーが用意されている。

イヤホン同士は磁力でくっつき、首にぶら下げて持ち運べる。それぞれを外せば、自動で電話にでたり音楽を再生することが可能。逆にくっつければ、電話をきったり音楽が停止する。なお、FreeLaceは単品で販売される予定だ。

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(文/塚本直樹 Twitter

EnergizerのP18K Popはスマホ付き18000 mAh大容量バッテリー

これこそが、みんなが求めていた機能だ。

スマートフォンのレビュー記事を読むとき、最初に知りたいことの一つはバッテリーの持続時間が自分の利用形態に合っているかだ。もしスペックの中で意味があるのはバッテリー寿命だけだったらどうなるだろう?

バルセロナで行われているMWCで、携帯電話メーカーのAvenir TelecomはEnergizerブランドの強烈なパンチ力をもつ巨体で注目を集めている。

P18K Popには18000 mAhという超大型バッテリーが組み込まれている。メーカーは丸2日間動画を見続けてもバッテリーがなくならない、と言っている。ちなみに今読者のポケットの中にある携帯電話のバッテリーは2500~3500 mAhくらいなので、ふつうの使い方なら数日間もちそうだ。

消費者は、果てしなく端末を薄くしたいというメーカーの欲求に必ずしも興奮していない。もちろんいちばん薄い部分の厚さが18 mmのP18K Popにとってそんな問題はない。ふしぎなことにここまで厚くしたのに、ヘッドホンジャックをつける余裕はなかったようだ

この大きな図体にどの程度の市場があるのかまったくわからないが、パリ拠点のAvenir Telecomは、この夏には消費者向けに出荷を始めると言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook