食品デリバリーが好調を維持する中、GrubMarketが約64億円を調達

テクノロジーを活用して食品の調達と宅配に関するサービスをより使いやすくしてきた企業が今年、急成長を遂げている。新型コロナウイルスのせいでソーシャルディスタンスを確保するよう求められた(または強制された)数百万人の消費者が、ショッピングや外食を控えて人混みを避けるようにしているからだ。

そのような企業の1つであるGrubMarket(グラブマーケット)が本日、次のステップであるIPOを見据えた新たな資金調達ラウンドについて発表した。同社は、農産物やその他の商品を、消費者およびその他の食品再販サービス業者に供給している企業だ。

グラブマーケットは、消費者から農産物やその他の食品および家庭用品などの注文を受けて配達も行うB2Cプラットフォームであり、食料品店やキット食品会社、その他の食品系テックスタートアップ向けに再販用の農産物を供給するB2Bサービスでもある。同社は本日、シリーズD資金調達ラウンドで6000万ドル(約63億5800万円)を調達したと発表した。

グラブマーケットに詳しい筋からの情報によると、同社は利益を出しており、当初は2000万ドル(約21億1900万円)以上調達する計画はなかったが、その評価額は現在、前回ラウンドの2倍に相当する4億ドル~5億ドル(423億円~529億円)に達しているという。

調達資金の出資元は、BlackRock(ブラックロック)、Reimagined Ventures(リイマジンド・ベンチャー)、Trinity Capital Investment(トリニティ・キャピタル・インベストメント)、Celtic House Venture Partners(セルティック・ハウス・ベンチャー・パートナーズ)、Marubeni Ventures(マルベニ・ベンチャーズ)、Sixty Degree Capital(シックスティ・ディグリー・キャピタル)、およびMojo Partners(モジョ・パートナーズ)によって管理されているファンドとアカウント、および以前の投資会社であるGGV Capital(GGVキャピタル)、WI Harper Group(WIハーパー・グループ)、Digital Garage(デジタル・ガレージ)、CentreGold Capital(センターゴールド・キャピタル)、Scrum Ventures(スクラム・ベンチャー)、その他非公開の参加者だ。以前の投資会社にはY Combinator(ワイ・コンビネーター)も含まれている。グラブマーケットはワイ・コンビネーター主催の2015年冬季クラスに参加している。ちなみに、グラブマーケットの前回の資金調達は2019年4月で、評価額は2億2800万ドル(約241億6800万円)、調達額は2800万ドル(約29億6700万円)だった。

創業者兼CEOのMike Xu(マイク・シェイ)氏は次のように語る。「以前話した上場する計画は変わっていない。ただ、民間市場から問題なく資金を調達できていること、昨年から100%の成長を達成していること、現在(コロナ禍の影響で)IPO市場が不安定であることなどを考えると、正確な上場時期については明言できない」。とはいえ、同氏が近い将来の上場を見据えていることは明らかだ。

同氏は電話とメールの両方で「私の起業経歴において唯一の成功判定基準は、最終的に年商1000億ドル(約10兆5900億円)を達成できるかどうかだ」と話してくれた。「この目標を達成するためなら、粛々とハードワーキングを続ける。15年かかろうと50年かかろうと関係ない」。

この言葉に嘘はないと思う。今回同氏に電話をしたのもカリフォルニアでは深夜の時間帯だった。もう少し早い日中で都合のよい時間はないかと何度も尋ねたが無駄だった(食品ビジネスに忙殺されているため、朝の4時半くらいが最も頭が冴えるのだという)。同氏は落ち着いた振る舞いの大変穏やかな人物だが、この見かけに騙されてはいけない。仕事に対する集中力と意欲はすさまじい。

最近は、食品の購入、従来型の食料品店や実店舗の食品市場の話をするときに、食料品配達企業、レストラン配達プラットフォーム、キット食品サービスなど、アプリを使って利用者に食品や調理を届ける企業が話題にのぼることが多くなっている。利益は上げているもののあまり知られていないグラブマーケットは、こうしたあらゆるカテゴリーに属する食品関連企業を下支えする大手企業としての地位を築き上げてきた。今や、食糧生産者と対消費者企業との間の橋渡し役として重要な企業の1つとなっている。

同社は、市場のディスラプション(破壊的創造)と隙間という形のビジネスチャンスを見出した。食糧生産の世界では、配送業をはじめとする昔からの非テック系産業と同じく、昔ながらのやり方で大量の取引が行われている。そこでグラブマーケットは、食糧サプライチェーンのさまざまなセグメントを高速にかつ効率よく接続するソフトウェアを構築し、それを実行するための物流を提供し始めた。

もちろん、この分野はコロナ禍による健康被害がなくても進化しただろうと思われるが、コロナウイルスの発生と感染拡大によって、食料品宅配の需要が増大しただけでなく、食糧サプライチェーンを構成する各業者が、少ない接触頻度で、なおかつテクノロジーの導入によって効率よくやり取りできるようになったことが、グラブマーケットにとって追い風となったのは確かだ。

グラブマーケットのプラットフォームWholesaleWareによる売上高は、昨年の8倍以上に拡大しており、年間「数億ドル(数百億円)の食糧品卸売取引」を管理するまでになっている。

グラブマーケットのテクノロジーを支えているのはその莫大な取引量だ。まさに「規模の経済性」が機能している。同社は、サンフランシスコのベイエリア、ロサンゼルス、サンディエゴ、シアトル、テキサス州、ミシガン州、ボストン、ニューヨークなどで事業を展開しており、全米で21の倉庫を運営しているという。シェイ氏はグラブマーケットをベイアリアとカリフォルニアのその他の地域における「巨大食料品プロバイダー」と呼んでおり、サンフランシスコベイアリア東部の倉庫には226万キログラム以上の冷凍肉が保存されている。

同社の顧客には、500以上の食料品店、8000件のレストラン、2000社のオフィスが含まれており、Whole Foods(ホールフーズ)、Kroger(クローガー)、Albertson(アルバートソン)、Safeway(セイフウェイ)、Sprouts Farmers Market(スプラウツ・ファーマーズ・マーケット)、Raley’s Market(レイリーズ・マーケット)、99 Ranch Market(99ランチ・マーケット)、Blue Apron(ブルーエプロン)、Hello Fresh(ハローフレッシュ)、Fresh Direct(フレッシュダイレクト)、 Imperfect Foods(インパーフェクトフーズ)、Misfit Market(ミスフィットマーケット)、Sun Basket(サンバスケット)、GoodEggs(グッドエッグス)などの有名企業が名を連ねている。こうした企業は、グラブマーケットから供給された食料品をそのまま再販したり、キット食品などの自社製品に加工して販売したりしている。

グラブマーケットの成長の大部分は同社が扱う農産物と同様に有機的な(M&Aに頼らない自律的な)成長だが、その高い収益性を資金源としてM&Aにより成長した部分もある。同社は今年買収したBoston Organics(ボストン・オーガにクス)とEJ Food Distributor(EJフーズ・ディストリビューター)も含め、過去2年で15社ほどを買収している。

とはいえ、グラブマーケットにも成長期の苦しみがなかったわけではない。シェイ氏によると、食糧品配達業界の他社と同様、今年3月から4月にかけてのパンデミック発生時には大いに困惑したという。「一部の地域では1日あたりの配達量を制限する必要があった。また、新規の顧客は対応できるまで順番待ち状態になった」。それでも、B2Cビジネスは、市場によって差はあるが、3~5倍の成長を達成した。5月までには状況が落ち着きを取り戻し、B2B顧客の一部は各都市がロックダウンされた後も戻ってこなかったが、B2Bカテゴリー全体としては概ね回復したという。

グラブマーケットが企業として従量員と顧客の新型コロナウイルス感染を防ぐため非常に積極的な対策を講じている点は興味深い。ウイルス検査の実施がまったく追いついていない状況で、できるかぎり検査を実施するとともに、ソーシャルディスタンスや消毒なども徹底して行った。

「マスクに関しては強制はされていなかったが、広くマスクを配布した」とシェイ氏はいう。

これまでのところ、それが功を奏しているようだ。同氏によると、今年、検査結果が陽性だった従量員は数人だけだったという。4月に見つかった感染者は、検査ではなく(ミシガン州では検査は実施されていなかった)、毎日のチェックによって判明した。ある従業員に感染の兆候があることがわかったのだ。対応は迅速だった。同社創業以来、また食糧品サプライ業界全体で、最も忙しい時期だったにもかかわらず、施設は2週間閉鎖され消毒が行われた。

このような対応は、不正行為によって多くのリーダーたちに対する信頼が失墜しているように思われる時期において特筆すべきリーダーシップであり、グラブマーケットの力強い成長を後押しするものになる。

「急成長と純利益を継続している確かな実績があるグラブマーケットは、食糧品テクノロジーとeコマース分野のシリコンバレースタートアップとしては極めてまれなケースだ」とセルティックハウスベンチャーパートナーの管理パートナーJay Chen(ジェイ・チェン)氏は言う。「4年間で15倍の規模に成長した同社の創造性と資本効率性は、この分野では他社の追随を許さない。マイクは会社を慎重にかつ持続的に成長させるという素晴らしい仕事をした。同社が全米規模で急成長を遂げる時期にパートナーであることを誇りに思うと同時に、同社のSaaSスイートWholesaleWareの衰えを知らぬ勢いにわくわくしている。この分野では最高のSaaSスイートだ」。

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カテゴリー:フードテック

タグ:食品配達 資金調達 GrubMarket

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ヘッドホンでのマルチチャンネル再生は、意外に、というよりかなり難しい。耳を取り囲むように複数のドライバーを設置することが困難という前提に立てば、頭部伝達関数など演算により仮想的な音場を再現(バーチャルサラウンド)するしかなく、現在販売されているサラウンド対応をうたうヘッドホンはその考え方で実現されている。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

この困難な課題に対し新たなアプローチを試みたのが、JVC KENWOODVictorブランド。同社では耳穴に専用マイクを装着して個人の耳型や頭部の形状、スピーカーやリスニングルームを含むすべての音響特性を特性し、その音場を専用ヘッドホンで再現する「WiZMUSIC」を製品化しているが、そのベースとなる技術「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させたのだ。

それが「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」。測定用マイク内蔵の専用ワイヤレスヘッドホンと頭外定位音場処理を担うプロセッサーユニット、それらをコントロールするスマートフォンアプリで構成され、ヘッドホンでマルチチャンネル再生を実現する。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

JVC KENWOOD/Victorブランドの「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ここで留意したいのが、専用ワイヤレスヘッドホンは測定用マイクを内蔵し独自の2.4/5GHz帯デュアルバンドで接続されることを除けば、おおむね通常のステレオヘッドホンということ。

あらかじめ測定しておいた個人専用データ(EXOFIELDデータ)をもとに調整した頭部伝達関数と外耳道伝達関数を使い、プロセッサーユニットで演算処理することにより「自分の耳でマルチチャンネル再生を聴いたときの音」を再現、ヘッドホンに送信しているのだ。

バイノーラル録音した音源をヘッドホンで再生すると類似の効果を得られるが、それを演算により個々人に最適化して再現するといえば理解しやすいだろうか。

Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

もうひとつのポイントが、Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応していること。対応するチャンネル数は最大7.1.4ch、プロセッサーユニットには3系統のHDMI入力端子を装備、BDプレイヤーやFire TV Stickなどで再生したコンテンツを再生できる。NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画ストリーミングサービスは、(契約プランや映画タイトルにもよるが)Dolby ATMOS対応コンテンツを増やしているため、サラウンド音源不足の心配もない。夜中でもサラウンドの爆音で映画を見放題という夢のような環境が手に入るのだ。

簡単な導入作業で、パーソナル・ホームシアターが完成

導入は簡単。プロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続し、ヘッドホンを正しい位置に装着し専用アプリで測定を開始する。なにやらパチパチ聴こえるが、それが測定音だ。数分で作業は完了、完成したEXOFIELDデータをプロセッサーユニットに転送すれば準備OK、テレビやBDプレイヤーをHDMIケーブルでプロセッサーユニットに接続し、測定用ケーブルを外したヘッドホンを装着すれば、パーソナル・ホームシアターの完成だ。

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

扱いは繊細だが

もし「バーチャルサラウンド」を標榜するオーディオ機器を試聴した経験が(何度も)あるのなら、「本当に背後や横から音が聴こえるのか?」と効果を訝しく思うことだろう。それくらいバーチャルサラウンドは難しいし、効果があったとしても人によって程度が違う。耳や頭部の形/音の聞こえ方の個人差は、一律の頭部伝達関数では埋めきれないからだ。

きちんと個々人の聴こえ方を測定するXP-EXT1も、同一人物ですら効果にバラつきが生じる可能性はある。測定時と再生時でヘッドホンの位置が少しでも異なると、プロセッサーユニットが意図した音とズレが生じ、音の反射する方向など様々な要素に影響してしまうからだ。

つまり、ヘッドホンを測定時より少し下に、やや斜めに装着しただけでもサラウンドの効きは変わる。人間の聴覚はさように繊細なもので、それがXP-EXT1というデバイスの扱いの難しさでもある。

幸い、XP-EXT1にはEXOFIELDデータを4つまで登録できる。家族4人がそれぞれのデータを登録するもよし、ヘッドホンの微妙な装着ズレに備えひとりで4つのデータを登録するもよし。映画を見始める前に毎回測定し直すという使い方もアリだろう。

筆者はといえば、測定/装着に慎重だったせいか、映画で効果をはっきりと実感した。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(音声はDolby ATMOS)冒頭のシーンでは、主人公の脳内に響く心の声がいろいろな方向から聴こえるし、イモータン・ジョーの追跡部隊とのカーチェイスも臨場感たっぷり。

「スターシップ・トゥルーパーズ」(音声はリニアPCM 5.1ch)では、バグズの群れの真っ只中で機関銃を撃ちまくる気分に。スピーカーで聴くリアルサラウンドとはニュアンスの違いがあるにせよ、確かなサラウンド感がある。このコンテンツの場合、5.1chから7.1.4chへアップミックスされる ― XP-EXT1には2chや5.1chを7.1.4chの全方位の音に変換する機能がある ― ことも効果につながっているのだろう。

気になる点がないわけではない。付属のヘッドホンは密閉型でイヤーパッドは分厚く、通気性はいまひとつ。映画1本で平均2時間、装着から30分も経過すると耳もとが気になり始めるのは減点材料といわざるをえない。サラウンドを再現するための演算は専用ヘッドホンを前提とするため、自分好みのヘッドホンに交換できないこともウイークポイントだ。

「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という、代えがたい特長

それでもこのXP-EXT1には、「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という余人(機?)をもって代えがたい特長がある。

同じEXOFIELD技術を利用する「WiZMUSIC」が、東京・千駄ヶ谷にあるビクタースタジオの音をかなり忠実に再現するほどなのだから(筆者も経験している)、まだまだ伸び代はあるはず。

サラウンドを再現するための演算アルゴリズム、演算を行うプロセッサー、EXOFIELDデータを測定するためのマイク、そして音を出すヘッドホンと検討項目は多いが、願わくはシリーズ化され、ヘッドホンの選択肢も増え、さらにリアルサラウンドへ近づかんことを。

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応。規格名が画面上部に表示される

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: サラウンドVictorレビュー

深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ヘッドホンでのマルチチャンネル再生は、意外に、というよりかなり難しい。耳を取り囲むように複数のドライバーを設置することが困難という前提に立てば、頭部伝達関数など演算により仮想的な音場を再現(バーチャルサラウンド)するしかなく、現在販売されているサラウンド対応をうたうヘッドホンはその考え方で実現されている。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

この困難な課題に対し新たなアプローチを試みたのが、JVC KENWOODVictorブランド。同社では耳穴に専用マイクを装着して個人の耳型や頭部の形状、スピーカーやリスニングルームを含むすべての音響特性を特性し、その音場を専用ヘッドホンで再現する「WiZMUSIC」を製品化しているが、そのベースとなる技術「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させたのだ。

それが「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」。測定用マイク内蔵の専用ワイヤレスヘッドホンと頭外定位音場処理を担うプロセッサーユニット、それらをコントロールするスマートフォンアプリで構成され、ヘッドホンでマルチチャンネル再生を実現する。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

JVC KENWOOD/Victorブランドの「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ここで留意したいのが、専用ワイヤレスヘッドホンは測定用マイクを内蔵し独自の2.4/5GHz帯デュアルバンドで接続されることを除けば、おおむね通常のステレオヘッドホンということ。

あらかじめ測定しておいた個人専用データ(EXOFIELDデータ)をもとに調整した頭部伝達関数と外耳道伝達関数を使い、プロセッサーユニットで演算処理することにより「自分の耳でマルチチャンネル再生を聴いたときの音」を再現、ヘッドホンに送信しているのだ。

バイノーラル録音した音源をヘッドホンで再生すると類似の効果を得られるが、それを演算により個々人に最適化して再現するといえば理解しやすいだろうか。

Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

もうひとつのポイントが、Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応していること。対応するチャンネル数は最大7.1.4ch、プロセッサーユニットには3系統のHDMI入力端子を装備、BDプレイヤーやFire TV Stickなどで再生したコンテンツを再生できる。NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画ストリーミングサービスは、(契約プランや映画タイトルにもよるが)Dolby ATMOS対応コンテンツを増やしているため、サラウンド音源不足の心配もない。夜中でもサラウンドの爆音で映画を見放題という夢のような環境が手に入るのだ。

簡単な導入作業で、パーソナル・ホームシアターが完成

導入は簡単。プロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続し、ヘッドホンを正しい位置に装着し専用アプリで測定を開始する。なにやらパチパチ聴こえるが、それが測定音だ。数分で作業は完了、完成したEXOFIELDデータをプロセッサーユニットに転送すれば準備OK、テレビやBDプレイヤーをHDMIケーブルでプロセッサーユニットに接続し、測定用ケーブルを外したヘッドホンを装着すれば、パーソナル・ホームシアターの完成だ。

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

扱いは繊細だが

もし「バーチャルサラウンド」を標榜するオーディオ機器を試聴した経験が(何度も)あるのなら、「本当に背後や横から音が聴こえるのか?」と効果を訝しく思うことだろう。それくらいバーチャルサラウンドは難しいし、効果があったとしても人によって程度が違う。耳や頭部の形/音の聞こえ方の個人差は、一律の頭部伝達関数では埋めきれないからだ。

きちんと個々人の聴こえ方を測定するXP-EXT1も、同一人物ですら効果にバラつきが生じる可能性はある。測定時と再生時でヘッドホンの位置が少しでも異なると、プロセッサーユニットが意図した音とズレが生じ、音の反射する方向など様々な要素に影響してしまうからだ。

つまり、ヘッドホンを測定時より少し下に、やや斜めに装着しただけでもサラウンドの効きは変わる。人間の聴覚はさように繊細なもので、それがXP-EXT1というデバイスの扱いの難しさでもある。

幸い、XP-EXT1にはEXOFIELDデータを4つまで登録できる。家族4人がそれぞれのデータを登録するもよし、ヘッドホンの微妙な装着ズレに備えひとりで4つのデータを登録するもよし。映画を見始める前に毎回測定し直すという使い方もアリだろう。

筆者はといえば、測定/装着に慎重だったせいか、映画で効果をはっきりと実感した。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(音声はDolby ATMOS)冒頭のシーンでは、主人公の脳内に響く心の声がいろいろな方向から聴こえるし、イモータン・ジョーの追跡部隊とのカーチェイスも臨場感たっぷり。

「スターシップ・トゥルーパーズ」(音声はリニアPCM 5.1ch)では、バグズの群れの真っ只中で機関銃を撃ちまくる気分に。スピーカーで聴くリアルサラウンドとはニュアンスの違いがあるにせよ、確かなサラウンド感がある。このコンテンツの場合、5.1chから7.1.4chへアップミックスされる ― XP-EXT1には2chや5.1chを7.1.4chの全方位の音に変換する機能がある ― ことも効果につながっているのだろう。

気になる点がないわけではない。付属のヘッドホンは密閉型でイヤーパッドは分厚く、通気性はいまひとつ。映画1本で平均2時間、装着から30分も経過すると耳もとが気になり始めるのは減点材料といわざるをえない。サラウンドを再現するための演算は専用ヘッドホンを前提とするため、自分好みのヘッドホンに交換できないこともウイークポイントだ。

「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という、代えがたい特長

それでもこのXP-EXT1には、「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という余人(機?)をもって代えがたい特長がある。

同じEXOFIELD技術を利用する「WiZMUSIC」が、東京・千駄ヶ谷にあるビクタースタジオの音をかなり忠実に再現するほどなのだから(筆者も経験している)、まだまだ伸び代はあるはず。

サラウンドを再現するための演算アルゴリズム、演算を行うプロセッサー、EXOFIELDデータを測定するためのマイク、そして音を出すヘッドホンと検討項目は多いが、願わくはシリーズ化され、ヘッドホンの選択肢も増え、さらにリアルサラウンドへ近づかんことを。

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応。規格名が画面上部に表示される

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

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Marshallの最新Major IVヘッドフォンは80時間駆動や無線充電などの機能搭載、有線接続も可能

Marshall(マーシャル)の新しいMajor IVは、軽量の快適さとワイヤレス充電、そして最大80時間の再生時間を兼ね備えつつ、149.99ドル(1万5800円)という手ごろな価格なヘッドフォンだ。自宅でも外出先でも、ヘッドフォン市場ではほかに類を見ないユニークな機能を備えた素晴らしい製品かもしれない。

Majorシリーズの第4弾

これはMarshallのMajorシリーズのオーバーイヤー(オンイヤー)型ワイヤレスヘッドフォンの第4弾で、いくつかの新機能が加わっている。具体的には、旅行などで梱包する際によりコンパクトになるように折り畳み式の新フォールドクリップデザインを採用したほか、Qi規格を使ったワイヤレス充電を搭載する。

同社はまた、バッテリー寿命を大幅に改善しており、前世代の公称30時間以上から倍増以上の80時間をうたっている。象徴的なMarshallの外観を持つ四角形のイヤーカップを備えており、従来のペブルフェイクレザーはヘッドバンドに残るのみで、それ以外はフラットな印象だ。曲の再生・停止・曲送り・音量調節などの操作が可能マルチディレクショナル・コントロールノブも過去のMajorのデザインから引き継がれている。有線サウンド用の3.5mmソケットもあり、オーディオ出力をほかのヘッドフォンなどと共有できる。

箱の中には、ビンテージMarshallアンプ風のコイル状の3.5mmケーブルと有線充電用のUSB-Cケーブルが入っており、3時間のフル充電で80時間以上の使用が可能なほか、15分で15時間程度使用できる急速充電機能も備わっている。

クラシックなデザインを踏襲、無線充電中のスタイルもいい

Major IVのデザインは、クラシックなMarshallの美学に基づいている。両方のイヤーカップにMarshallのロゴがある。前述のように、イヤーカップの表面は滑らかでマットになっており見た目もよく、それぞれにシリコンの縁が付いているので、ワイヤレス充電器の上に置いてもイヤーカップの位置を保つことができる。

コンパクトなオーバーイヤー型ヘッドフォンで、軽量な素材を採用したことによって快適な着け心地を実現している。非常に軽く考え抜かれた高品質の素材で作られているように感じられ、耐久性の面でも長持ちするだろう。

Marshallのマルチディレクショナル・コントローラーは、ゴールドの外観で、前述のように音楽再生と音量を直感的に操作できるスマートなコントロール・インターフェースの両方を備えている。

サウンド面では、この価格帯では素晴らしい音質を提供する。低音は豊かで、高音はクリアだ。ノイズキャンセリング機能は備えておらず、周囲からから雑音は混じってしまうが、オーバーイヤー型なのではかなりの遮音効果がある。さらに、MarshallがMajor IVに搭載したクラス最高レベルのバッテリー持続時間によって音質がさらに向上している。実際のところ80時間以上というのは驚異的で、普段はあまり充電器のことを考えなくても少なくとも1~2週間使えるだろう。

普段使いできるお勧めのヘッドフォン

Marshallは新しいMajor IVで驚くべき価値を提供した。スタイル、パフォーマンス、品質を兼ね備えたヘッドフォンに、長時間のバッテリー寿命と汎用ワイヤレス充電機能を搭載したことはかなりの高評価だ。3.5mmステレオミニジャクでの有線オーディオ共有の魅了をさらに高めている。これなしではどこにも行きたくなくなるような、普段使いできるヘッドフォンだ。

Work From Home Gear

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Marshall、Major IV、ヘッドフォン、Work From Home Gear

画像クレジット:Marshall

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(翻訳:TechCrunch Japan)

日本風に見える中国のバラエティストアMinisoが高値で米国でのIPOを果たす

日本にインスパイアされたライフスタイルグッズを世界中の消費者に届けるバリューストアチェーンに、投資家たちが飛びついている。Minisoは米国時間10月15日、ニューヨークでの新規株式公開で6億800万ドル(約640億2000万円)を調達した。初値は予定価格帯の16.50〜18.50ドル(約1740〜1950円)を上回る24.40ドル(約2570円)で、初日の終わりには4.4%の上昇となった。

創業7年のこの企業は、名前もブランディングも商品もウェブサイトも日本企業を連想させるものだが、実は生まれも育ちも中国だ。さまざまな面で無印良品、ユニクロ、100円ショップのダイソーと著しく似ていて(RADII記事)、日本のライフスタイルの先輩を模倣しているといわれている。

画像クレジット:Miniso

TencentとHillhouse Capitalが投資しているMinisoは、意図的に、誤解を招くような形で、自社を日本企業であるかのようにブランディングしている。プレスリリースや国ごとのサイト(日本語サイトはこちら)といったパブリックメッセージには「2013年に日本人デザイナー三宅順也と中国の若手起業家 葉国富により東京で創設され」と書かれている。しかしIPOの目論見書には日本発祥であるとの記載は見当たらない。

代わりに文書には、中国南部の大都市である広州が同社の最初の拠点で、葉氏が単独の創業者であり現在の最高経営責任者であると記されている。主要な取締役や経営陣はすべて中国人らしい。

ブランディングが混乱していることはさておき、Minisoが価格に敏感で多くの品物の中から選びたいと考える若者の支持を集めていることは否定できない。中国の来店者の80%以上は40歳未満だ。2020年6月時点で、近くに製造業者が多いため中国で販売されている商品の95%以上が50元(約790円)未満となっている。同社は毎週100種類の新しいSKUを発売するという目標を誇示している。

2019年のMinisoの収益は14億ドル(約1474億2000万円)に達した。これに対し創業71年のユニクロは178億5000万ドル(約1兆8800億円)、創業40年の無印良品は41億7000万ドル(約4400億円)だ。

ユニクロを思わせる鮮やかな赤色で飾られたMinisoの店舗は現在80カ国以上に広がり、4200店のうち40%は中国以外にある。店舗の90%以上がフランチャイズ店で、これが急速に拡大できた理由のひとつである。しかしこのモデルは、他社が運営する巨大な店舗ネットワークに対してMinisoのコントロールはあまり効かないということでもある。

カテゴリー:ニュース
タグ:Miniso中国IPO

画像クレジット:Miniso

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(翻訳:Kaori Koyama)

今週の記事ランキング(2020.10.11〜10.15)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「5G、OLED、トリプルカメラを搭載し約6.5万円の高コスパスマホ「AQUOS zero5G basic」」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

5G対応のiPhone 12シリーズは10月16日午後9時に予約開始、10月23日から順次出荷

例年に比べて少し時間がかかったが、iPhone 12が登場した。そして予想どおり5Gを搭載している。Apple(アップル)のスマートフォンの最新モデルは、さまざまなサイズが用意される。

もちろん5Gの搭載は、新iPhoneの最も注目すべきポイントだ。スマートフォンに5Gを最初に搭載した会社からは大きく遅れての対応となるが、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響もあり、5G端末自体が普及していない。調査会社のCanalysの最近の数字によると、2020年上半期に出荷された携帯電話で5G対応端末が占める割合はわずか13%だった。この数字は、普及までい長い道のりがあることを意味する。だが、アップルがついに5G技術を採用することで確実に前進するだろう。

CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は、(TechCrunchの親会社の)Verizon(ベライゾン)のUWB(Ultra Wide Band)技術を発表した。5Gは本日発表されたすべての新モデルで利用できる。ただし、5Gの詳細は国や地域によって異なる。例えば米国ではミリ波(mmwave)も利用できる。

予想どおり、本体は全面的に再設計され、iPad Proからヒントを得たデザインを採用している。前機種のiPhone 11シリーズより11%薄く、軽くなっている。この再設計によって、同社はより多くのアンテナを端末の縁に詰め込むことが可能なった。

コーニングのガラスディスプレイも搭載する。アップルによると、Gorilla Glass(ゴリラガラス)のメーカーである同社と協力して、セラミックシールドと呼ばれる強固なガラスディスプレイを開発。搭載するディスプレイは有機ELで、ピクセル数はiPhone 11の2倍となる。

SoCには、iPad Airで発表済みのApple A14 Bionicチップを採用。CPUは6コア、GPUは4コアを搭載しており、後者はモバイルゲーム機としてiPhoneの存在感が増すだろう。同社はiPhone 12シリーズの発表に併せて、Riot GamesのLeague of Legends:Wild RiftのiPhone版も披露した。

予想どおり、ベースモデルのiPhone 12は、1200万画素のワイドレンズ、ウルトラワイドレンズのデュアルカメラを背面に搭載する。ナイトモードはすべてのモデルで改善され、前面カメラにも追加された。

また、MagSafeの名前が戻ってきた。もちろん、以前のMacBookシリーズに搭載されていた電源ポートのことではない。ここでいうMagSafeとは、デバイスの背面に組み込まれた磁気システムのことで、互換性のあるアクセサリーをデバイスに直接スナップさせることができる。これにはワイヤレス充電パッドやケースなど、アップルやサードパーティ製のさまざまな製品がたくさん含まれている。製品リストには、アップル独自のiPhoneとApple Watchのコンビネーション充電器も含まれている。開発中止になったAirPowerの復活ではないが、これはうれしいポイントだ。

充電に関しては、Lightningポートも健在だが、すでに一部のiPadには搭載されていない。なお今回、純正イヤフォンのEarpodsや電源アダプタなどのアクセサリが表面上は環境保護のためとして本体パッケージから削除された。

新しいiPhoneの税別価格は8万5800円からで、iPhone 12 miniより7万4800円より1万1000円高い。ハイエンドモデルとしてiPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxもあり、税別価格はそれぞれ10万6800円、11万7800円からとなっている。予約開始日は10月16日午後9時で、iPhone 12とiPhone 12 Proは10月23日から出荷が始まる。一方、iPhone 12 Pro MaxとiPhone 12 miniの出荷日は、11月13日となる。

Apple iPhone Event

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Apple、iPhone、Apple iPhone Evvent

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

急成長するタイの物流スタートアップFlash Expressが約210億円を調達

タイのeコマース企業と協業している創業2年のロジスティックスタートアップFlash Express(フラッシュ・エクスプレス)は米国時間10月12日、新たな投資ラウンドで2億ドル(約210億円)を調達したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミックによる需要で急成長中のマーケットに賭けるようだ。

シリーズDラウンドは、タイのコングロマリットである石油大手PTTの子会社PTT Oil and Retail Business Public Company Limitedがリードした。他に、東南アジアで大きなコングロマリットであるDurbelとKrungsri Finnovateも本ラウンドに参加し、Flash Expressのこれまでの調達総額は4億ドル(約420億円)になった。

ドアツードアのピックアップと配達サービスを展開しているFlash Expressは、この分野における民間企業としては2番目の規模だと主張している。Alibabaからも出資を受けているFlash Expressは小包1つの配達料金60セント(約58円)という低価格でマーケットに参入し、あっという間にかなりのマーケットシェアを獲得した。

同社はこの1年間、積極的に事業を拡大した。2019年の今頃、同社の配達拠点は1100カ所だったが現在では5000カ所を超え、138年の歴史を持つ郵便事業者のThailand Postを上回っている。

Flash Expressは現在、1日あたり小包100万個を配達している。昨年の今頃は5万個だった。同社はまた、完全自動分別システムにより1分間に小包10万個をさばけるようにするテクノロジーにもかなり投資した、としている。

CEOのKomsan Lee(コムサン・リー)氏は、調達した資金は新たなサービスの導入や他の東南アジアマーケットへの進出(具体的な国名は明らかにしなかった)にあてる計画だと述べた。「当社はまた、配達の質を高め、ロジスティックの効率化を図れる新たなテクノロジーの開発も準備している。さらに重要なことには、当社は中小企業の投資コストを下げることでそうした企業をサポートしたいと考えている。これは長期的にデジタル時代のタイ経済全体に貢献するものだと確信している」。

Retail Business Public Company Limitedは、増大する消費者の需要に対応するためにFlash Expressのロジスティックネットワークを活用する計画だ、と企業戦略、イノベーション、持続可能性を担当する上級副社長のRajsuda Rangsiyakull(ラージスダ・ランシヤックル)氏は述べている。

Flash Expressは、同様にAlibabaから出資を受けているBest Express(ベスト・エクスプレス)、2019年8月にIPOを申請したKerry Express(ケリー・エクスプレス)と競合する。

オンラインショッピングやデリバリーはここ数カ月急増したが、タイのロジスティックマーケット全体は今年、史上初めて縮小するとの予測がある。タイ運輸・物流協会の会長Chumpol Saichuer(チュンポール・サイチュアー)氏は先月、タイのロジスティック事業はすでに世界経済後退で大きな打撃を受けていると述べた。

カテゴリー:ニュース
タグ:Flash Expressタイ物流 / ロジスティクス資金調達

画像クレジット:Flash Express

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(翻訳:Mizoguchi

AC Venturesがインドネシアのスタートアップ向けに84.4億円の初のファンドを発表

インターネット経済が急成長(Googleレポート)している。世界で最も人口の多い国の1つであるインドネシアは、スタートアップに多くの機会を提供している。AC Venturesがそのシーンに、8000万ドル(約84億4000万円)のACV Capital III LPファンドで参加しようとしている。同社はインドネシア時間10月12日、ファンドの最初のクローズを発表した。すでに5600万ドル(約59億ドル)がコミットされている。

資本は今後3年間で、30社のインドネシアのスタートアップに投資される予定だが、最初は最大300万ドル(約3億2000万円)の小切手が、シードもしくはシリーズAステージの企業に渡される。

12人のチームでジャカルタを拠点とするACVは、AC Venturesとインディーズキャピタルによる戦略的アライアンスだ。ACVの創業パートナーは、AC Venturesの創業者でマネージングパートナーであるAdrian Li(アドリアン・リー)氏とMichael Soerijadji(マイケル・ソリジャジ)氏、並びにIndies CapitalのマネージングパートナーであるPandu Sjahrir(パンドゥ・サジャリア)氏だ。サジャリア氏また、インドネシアの2つのユニコーン、Gojek(ゴジェック)とSea(シー)の取締役も務めている。

同アライアンスはすでに、Shipper(シッパー)、Kargo(カーゴ)、Stockbit(ストックビット)、BukuWarung(ブクワルン)、ESB、Co-Learn(コラーン)、KitaBeli(キタベリ)、Aruna(アルナ)、Soul Parking(ソウル・パーキング)の9つのスタートアップに投資を行っている。同アライアンスはeコマース、金融技術、MSME(零細および中小企業)にサービスを提供するスタートアップ、ならびにデジタルメディア対応サービスに焦点を当てる予定で、リー氏はTechCrunchに対して、エンターテインメントに加えて教育やヘルスケアなどのセクターを網羅できると語った。

ACVはまた、投資先の企業と緊密に連携し、事業開発、主要な幹部の採用、その後の資金調達を通じて企業を指導していく予定だ。また、グロースハッキングや資金調達などのスキルについて創業者たちを指導するために、AC Academy(ACアカデミー)などのプログラムを立ち上げた。

インターネットの普及とオンライン決済は過去5年間で大幅に進んだが、eコマースは依然として、インドネシアの小売市場全体(JPモルガンレポート)のごく一部を占めているのに過ぎない。このことは、スタートアップにとってイノベーションを起こす余地が十分にあることを意味する。たとえば、インドネシアには600の無人島があるため、物流は非常に細分化されている。ACVの投資先であるShipperは、異なるプロバイダーを介した複数の出荷を売り手が一度に管理するのに役立つプラットフォームを提供する(未訳記事)。

ACV Capital IIIの資金調達は、COVID-19のパンデミックの前に始まったが、リー氏によればインドネシアのような国々では、危機がもたらした経済的犠牲にもかかわらず、多くの種類の技術の採用が加速する可能性があるという。たとえば、個人商店やその他の中小企業のデジタル化業務に焦点を当てているBukuWarungは、最近オンライン注文や非接触型決済の需要に応えてデジタル決済を開始した。別のACVポートフォリオ企業であるESBも、レストランに対して同じことを行っている(Deal Street Asia記事)。リー氏は、ソーシャルディスタンスの流れの中で、食品および飲料事業がオンライン注文とデリバリーに目を向けるにつれ、デジタル決済サービスへの関心が高まったのだと語る。

「私たちはインドネシアでいくつもの素晴らしいチャンスを見ています、そして私たちはインドネシアのスタートアップに世界から今まで以上の関心が集まっているのを知っています」とリー氏はいう。「インドネシアは世界で4番目に人口の多い国で、テクノロジーを通じることで、より良くより効率的に提供できる製品やサービスがたくさんあるのです」。

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画像クレジット:ACV

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(翻訳:sako)

「どう生きたいか?」と徹底的に寄り添う、ポジウィルがキャリアのパーソナル・トレーニングへ舵を切った理由

2020年9月、オンラインキャリアコーチングサービスを提供するポジウィルは、2018年9月より運営していたオンライン相談サービス「そうだんドットミー」の終了を発表した。

30分3980円からキャリアアドアイザーにキャリア相談ができる同サービスは、20代を中心に6000人以上のユーザーが利用。順調に伸びていたものの、代表の金井芽衣氏は「中長期的に徹底的なサポートができず、もどかしさを感じる場面も多くあった」と話す。

同社は10月5日にSTRIVEから1億5000万円の資金調達を実施。今後はもう1つの主軸事業であった「どんな人生を歩んでいきたいか?」を大切に、「生きかた視点」で理想のキャリアを描く キャリアのパーソナル・トレーニング「POSIWILL CAREER」の拡大に注力していくという。

短大から4年制大学への編入、憧れのリクルートでの挫折、起業するもサービスユーザーはたった1人。幾度の困難を乗り越え、新たに舵を切ったポジウィル代表の金井氏に、これまでの歩みとともに今後の事業展開について話を聞いた。

金井芽衣(@meiem326
1990年群馬県生まれ。埼玉純真短期大学を経て、法政大学キャリアデザイン学部に編入し、宮城まり子教授の下、キャリアカウンセリングを習得する。 2013年、リクルートキャリアに新卒入社し、人材紹介部門の法人営業として勤務。 2017年4月に退職し、同年8月にポジウィル株式会社を設立する。

短大から4年制へ編入、キャリアカウンセリングを学びたい一心だった

高校は進学校に入学するも全国大会で優勝しているチアリーディングに熱中し、一切勉強をしなかったという金井氏。「子どもが好きだから」と安易な理由で保育短大に進学する。そこで人生を変える大きな出来事に遭遇した。

「実習先の児童養護施設で虐待やネグレクトに遭う子どもたちに出会い、心が締め付けられました。私自身、両親が離婚しているので他人事には思えなくて。目の前の子どもたちのために自分に何ができるんだろうと考えるようになり、興味を持ったのがキャリアカウンセリングです。子どもたちが家庭環境で苦しまないようにするには、まずは親世代の心や環境に何か働きかけることが必要だと感じました」。

「キャリアカウンセリングについてきちんと勉強したい」という金井氏の強い思いを感じ取った学長から、法政大学キャリアデザイン学部の宮城まり子教授を紹介される。

「まりこ先生の講義を見学したとき、キャリアという学問やまり子先生の生き方や女性としての在り方に感銘を受けて。この人のもとで学びたいと思い、2年生のとき編入試験に挑戦することを決めました」。

編入予備校へ通い短大の単位を取りながら、半年間ひたすら勉強する日々が始まる。「同級生たちが短大生活を謳歌しているなか、スウェット姿で図書館や教室でずっと勉強していました。トータルで1000時間は勉強をしたと思います。当時の記憶がほとんどないくらい、ものすごく必死で。とっても辛かったですが、無事合格することができました」。

宮城まり子教授のもと、キャリア設計や形成など体系的な基礎知識をイチから学び、キャリアカウンセラーの資格も取得。大学3年のときにはリクルートキャリアでインターンを始める。

100人以上にOB訪問をして「リクルートノート」を作成

POSIWILL

「人の転機に携われるリクルートは、まさに憧れの職場でした。ぜったいに働きたい!と思い、インターンに留まらず、元リクルートの人が経営しているバーで働いたり、100人以上にOB訪問をして企業研究を1冊のノートにまとめて人事にメッセージを送り直接アピールしたりしました。ノートを見た人事の方には気持ち悪がられましたが(笑)、行動が実り内定をもらうことができました」。

2013年、新卒でリクルートキャリアの営業職として入社する。「一番大変な部署で働かせてほしい!」と伝え、配属されたのは大阪支社だった。だが、思った以上に成果が出ず、苦しむ日々が続く。同じ部署の3年限定の契約社員に「自分より給料が高いのになぜ成績が悪いのか」と言われたこともあり、存在していることが申し訳なくなったこともあったという。

しかし2年目に新しく着任した上司が結果を出せない金井氏と向き合い、直接指導してくれる機会に恵まれた。上司にすべてのアポやメールの内容を報告し、フィードバックをもらったことで、2年目下期には対前年比で数倍の売り上げを達成することができた。

まず「金井芽衣」を知ってもらい、サービスへの興味につなげた

20代のうちに事業をしたいという思いと、リクルート以上に好きな会社は見つからないだろうという確信から2017年、27歳のときに独立。そうだんドットミーの前身、30分500円でキャリア相談のできるミレニティというサービスを立ち上げた。しかし、サービスローンチを告知したものの、ユーザーは前職時代の後輩、たった一人だった。

「当時、キャリアの相談をいただくことが多かったのでので、キャリア×コーチングの需要は絶対にあると思いました。けれど知り合いの経営者たちから、『個人の影響力がないと、この手のサービスは伸びない』とアドバイスをもらって。たしかに、キャリアという人生の大きな選択をバックグラウンドの知らない人から受けたいとは思わないですよね」。

「だから『金井芽衣』自身をまず知ってもらおうと思い、積極的にメディアに出たりSNSを運用したりして、自分が起業するまでのストーリーを発信するようにしたんです。個人の知名度を上げたおかげで、そうだんドットミーをローンチしたときに初期ユーザーを獲得することができました」。

キャリアに悩みを持つ人は「そもそも何をしたいかわからない」という課題を抱えている

POSIWILL

2019年7月に正式ローンチされたそうだんドットミーは、約100人のキャリアアドバイザーが集まり、最大で6000人ほどの利用があった。

「そうだんドットミーを始めてわかったのは、ユーザーは転職などの目先の悩みだけでなく、『どう生きたらいいかわからない』『自分は何をしたいかわからない』など、根本的な悩みを持つ人が多いということ」。

「そこで立ち上げたのが、単発のキャリア相談で終わらず、中長期的にユーザーに寄り添い伴走するゲキサポ!キャリア(現:POSIWILL CAREER)です」。

ゲキサポ!キャリアは短期集中型のキャリアトレーニングサービス。75日プランでは10回のオンライン面談とチャットで、「やりたいことがわからない」「自分のよさがわからない」など転職を含め漠然としたキャリアの不安を相談することができる。

2019年8月にサービス開始し、1年後の成長率は37倍に。2020年10月にサービス名をPOSIWILL CAREERに変更。そうだんドットミーのクローズにともない、同社の主軸事業になった。

「今まで日本の人材系領域は、狭義の意味合いでの事業が多かったからこそ、私たちは広義の意味での『生き方そのもの』を支援できる会社になりたいなと考えています。目先の給料や肩書きではなく、長期的な視点に立ったキャリア選択ができるようなサービスを提供していきたいです」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ポジウィル

インシュアテックのThe Zebraの年換算売上高が約106億円に達し利益を計上

今年初めに資金を調達した保険マーケットプレイス(保険比較サイト)のスタートアップの一群に始まり、今夏に高い評価で公開した新しいタイプの保険会社のLemonade(レモネード)、Hippo(ヒッポ)の巨額の新ラウンド目前に迫るRoot(ルート)のユニコーンIPOまで、2020年は保険分野のスタートアップや成長志向の未公開テック企業にとって忙しい年となった。

そのニュースの流れは続いている。The Zebra(ザ・ゼブラ)が年換算売上高が約1億ドル(約106億円)に達したこと、そしておそらくさらに注目すべきことに利益を計上したことを発表したのだ。

同社はAccelがリードしたシリーズCで最初に3850万ドル(約41億円)を調達し、最終的には4350万ドル(約46億円)に達した。TechCrunchは2月、自動車保険と住宅保険市場のスタートアップを取り上げた際、それについても触れた。当時述べたように、同社は「今年新たに資金を調達したInsurify2300万ドル=約24億円)、Gabi2700万ドル=約29億円)、Policygenius(1億ドル=約106億円)」の仲間入りを果たした。

The ZebraはシリーズCサイクルの間に多くの財務実績指標を発表した。それには2019年に3700万ドル(約39億円)の売上高を計上したことや、シリーズCの頃に年換算売上高が6000万ドル(約64億円)に達したことが含まれる。今年は規模が2倍になり、2020年末までに年換算売上高が1億ドル(約106億円)を超える可能性があると述べた。

そうした経緯を踏まえて同社の最近の業績について見てみたい。

変化する市場

The Zebraによれば、同社は2020年5月に600万ドル(約6億4000万円)の純売上高を計上した。その数字は9月には約800万ドル(約8億5000万ドル)に増えた。掛け算ができる方向けには800万ドルに12を掛けると9600万ドル(約102億)、つまり1億ドル(約106億円)をわずかに下回る金額となる。The ZebraのCEOであるKeith Melnick(キース・メルニック)氏との電話によると、同社の9月は830万ドル(約8億8000万円)に非常に近く、年換算で1億ドルになる。

1億ドル(約106億円)ARR(年換算売上高)クラブのスタートアップの規模は多少ぶれる余地がある傾向があることを考えると、9月の最終的な売上高の集計の結果わずかに届かないとしても、足元の成長率であればZebraが1億ドル(約106億円)の売上高規模に達したと言ってもまったく問題はないように思える。このペースなら10月には(米ドルで)9桁のトップライン(売上高)に届くペースはずだ。

メルニック氏によると、Zebraの売上高の大部分は一回限りの性質だが、経常的な性質の売上高の割合が増えている。同氏によると、昨年はZebraの売上高の約2〜5%が経常的な性質を有しており、現在は最大で約10%になるという。(Zebraが保険約を締結し、それが更新されると手数料が再び得られる)

2020年の同社の急成長の原動力は何か。保険市場が変化したことも一因だ。対面販売に頼る保険ネットワークは、新型コロナウイルスのためにビジネスを推進する能力が低下した。The Zebraのような保険マーケットプレイスの参入にはオフラインの需要をオンラインに移す効果があった。メルニック氏はTechCrunchにその動きについて詳細に述べ、特定の広告チャネルで需要が減少したとき、同氏の会社は安価な在庫を活用することができたと付け加えた。

2020年はこれまでのところ、多くの要因によりThe Zebraに急速な成長がもたらされたようだ。次に来る問いは、インシュアテックのスタートアップ分野の他の関連プレーヤーも同様に成長したのかどうかだ。それについては数日後に続報する。

最後に、同社は現在利益を上げていると主張する。もちろん2020年において利益と言った場合、それはふわふわした言葉だから、TechCrunchは同社がその声明で何を意味していたのかを正確に知りたいと考えた。同社のCEOによると、収益性の「ゴールドスタンダード」である純利益はプラスだった。ゴールドスダンダードと言えるのは、純利益は非現金支出費用を含むあらゆる費用を反映しているからだ。スタートアップは純利益を実態より良く見せるために非現金支出費用を計算から除く傾向がある。

インシュアテック分野の他のプレーヤーが同様の軌道に乗っているなら、今年初めにこのセクターに参入した資本はすべて、先見の明があったということになる。

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画像クレジットGeran de Klerk / Unsplash under a Unsplash license.

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(翻訳:Mizoguchi

今週の記事ランキング(2020.10.4〜10.8)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、適切な農作業の判断と適時実行を行う完全無人農機を目指す」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

MicrosoftのEdgeが価格比較エンジンを搭載,

いまやEdgeブラウザーが安定バージョンになったMicrosoft(マイクロソフト)は、そのChromiumベースのブラウザーを競合製品から差別化する機能を作ることに力を注いでいる。

間もなくホリデーシーズンを迎えるため、同社が発表した新しい機能の1つが価格比較ツールあることは意外でないかもしれない。このツールはEdgeのブックマーキングサービス「Collections」の一部になる。目新しい機能ではないが、同社が機能を増やそうとしているのはいいことだ。今年はどんなホリデーシーズンになるのか予測もつかないが。

Edgeに搭載されるそのほかの新しい機能としては、CollectionsとPinterestの統合の一般的な可利用性、ウェブのコンテンツを捉える新しいスクリーンショットツール、PDFサポートの改良、テレビの番組などのストリーミングを離れた友だちと同期して見てブラウザーのサイドバーでチャットもできるTelepartyエクステンションのアップデートなどだ。

さらに、同社のMeet Nowサービスを統合して友達や家族や同僚とビデオミーティングができる。このビデオチャットの参加人数は最大50名で、画面の共有やミーティングの録画ができる。この機能は最初はEdgeのみの対応となるが、数週間後にウェブ上のOutlookやWindows 10のタスクバーからも使えるようになる。

決して新機能が少ないわけではないが、でも今回のハイライトはなんといっても価格比較エンジンだ。マイクロソフトのブラウザと検索ツール部門のプロダクトマネージャーを務めるDivya Kumar(ディバイヤ・クマール)氏は、「Collectionsは仕事や勉強のための便利な情報収集ツールだと思っていましたが、実はショッピングのために使う人がとても多いことがわかりました。そこで、Collectionsにもっといろんな情報があれば、いろんな人にとって便利だとひらめいたのです。そしてこの発想から、次にやることが決まりました」と語る。

Edgeは、Microsoft Bingの既存の価格比較エンジンとの接続を通じて、おそらくAmazonやBest Buyからユーザーが製品のサイトを保存していることを知り、価格を比較するオプションをブラウザーの右のツールバーに表示する。そこでチームにとって次の論理的なステップは、価格が変わったら通知することだ。同氏によると、それはすでにそのほかの機能とともにロードマップにあるが、そのほかの機能についてはまだ何も話せないそうだ。なお、Collectionsのリンクからユーザーが何かを買っても、マイクロソフトはアフィリエイト料金を請求しない。

ショッピングといえば、キャッシュバックプログラムのBing Rebatesがベータを終えてローンチした(その前に類似のプログラムを閉鎖した)。このプログラムには、WalmartやExpedia、Walgreens、Nvidiaなどが参加しているが、NVIDIAのキャッシュバック率は0.5%と小さい。一部の人にとっては、これがBingを使う理由になるかもしれないが、そのためにはMicrosoft Rewardsに会員登録しなければならない。

クマール氏は「Rebatesは私たちが提供しようとしているショッピングのストーリーの素晴らしい部分です。ブラウザーの中で、よりスマートなショッピング体験ができるはずです」と説明する。

また、Give with Bingプログラムの会員になると、慈善団体などにMicrosoft Rewardsのポイントで寄付できる。年末までは、ギフトにもポイントが付いていた。これが可能な国は、米国、英国、カナダ、オーストラリア、フランス、イタリア、ドイツ、そしてスペインだ。

ウェブで仕事をしていて、1日中スクリーンショットを取っている私のような人間にとっては、スクリーンショットツールのアップデートがありがたい。Edgeは以前からスクリーンショット機能は便利だったが、これまでは画面にあるものをコピーできるだけだった。今度からは、画面に表示されていなくてもページ全体をコピーでき、Edgeから直接保存や共有ができる。

iOSのユーザーでEdgeに切り換えた人や、切り換えを検討している人への朗報としては、iOS 14からのApple(アップル)の措置として、Edgeをデフォルトのブラウザーに指定できる。

関連記事:Microsoft Edgeでサーフィンができるようになった

カテゴリー:ソフトウェア
>タグ:Edge、マイクロソフト

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GMが車載インターフェースにUnreal Engineを採用、GMC Hammer EVに搭載へ

近日発売予定のGMC Hammer EV(GMCハマーEV)には、Unreal Engine(アンリアル・エンジン)を搭載した新しい車内ユーザー インターフェイスが採用される。Unreal Engineは強力な3Dプラットフォームで、最新のビデオゲームを支えるものであり、車内の乗員にダイナミックで堅牢な体験を提供するのに適しているだろう。

Unreal Engineの開発元であるEpic Games(エピック・ゲームス)は米国時間10月8日、同社のヒューマン・マシン・インターフェイス・プログラムの最新開発ツールを発表した。

GM(ゼネラルモーターズ)の現在の車載ユーザーインターフェースは、市場で最悪の部類に入る。世界有数の自動車メーカーとしては驚くべきことだが、Chevy(シボレー)、Buick(ビュイック)、GMC、Cadillac(キャデラック)の各車種では、インフォテインメントシステムにいつもがっかりさせられる。競合他社と比較するとGMの車のシステムは遅く退屈で、競合他社の車に見られる高度な機能が不足している。

Unreal Engineは強力なプラットフォームであり、GMのエンジニアにはほかの場所では見られない最新の機能やインターフェイスを搭載するための十分なスペースを提供するはずだ。

Epic Gamesが説明しているように、このプラットフォームには、デザイナーやエンジニアのワークフローを改善するための開発者ツールの包括的なセットが用意されいる。

今回のニュースは、Hammer EVがGMにとって極めて重要な製品であるという考えを裏付けるものだろう。同社は2020年の初めにスーパーボウルの広告スポットでプロジェクトを発表したが、それ以来、次期電気自動車についてはほとんど明らかにしていない。

なお、GMがUnreal Engineを追加車両に使用する意向があるかどうかは不明だ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM、GMC Hammer EV、Epic Games、Unreal Engine

画像クレジット:Epic Games

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(翻訳:TechCrunch Japan)

セキュリティ上の脆弱性により永久股間ロックの危険にさらされた「スマートな」貞操玩具

ほとんどすべてのガジェットや家電製品がインターネットに接続できるからといって、そうあるべきだと限らない自体が発生した。停電はこれらの「スマートな」デバイスを無用のものにしてしまう可能性があり、そしてそれらのデバイスの多くはハッキングされやすい脆弱なセキュリティを使用している。

最近になってある研究者が人気のあるセックス・トイに重大なセキュリティ上の欠陥があることを発見した。これにより、何万人ものユーザーの股間が壊滅的な結果を招く可能性がある。

英国を拠点とするセキュリティ会社のPen Test Partnersによると「世界初のアプリ制御型貞操観念デバイス」とうたわれているQiui Cellmateのインターネット接続型貞操観念ロックに欠陥があり、誰でも遠隔操作でユーザーのペニスを永久にロックできる可能性があったとのこと。

Qiuiの貞操ロックは、信頼できるパートナーがモバイルアプリを使ってBluetoothで遠隔操作でチャンバーをロック、ロック解除できる。そのアプリはAPIを使ってデバイスと通信するのだが、そのAPIはパスワードなしでオープンなままアクセス可能になっており、誰でもユーザーのデバイスを完全にコントロールできるようになっていたそうだ。

研究者によると、チャンバーはユーザーのペニスの下にある金属リングでロックするように設計されていたので「ユーザーを解放するには頑丈なボルトカッターや角度研磨機の介入が必要になるかもしれない」とコメントしている。

Pen Test Partners研究者であるAlex Lomas(アレックス・ロマス)氏はブログ記事で「攻撃者が全員の出入りを非常に素早くロックすることができる。緊急時のオーバーライド機能もないので、ロックされてしまった場合、脱出方法はありません」と書いている。また、セキュリティ保護されていないAPIは、ユーザーのアプリからプライベートメッセージや正確な位置情報にアクセスすることもできた。

Cellmateアプリの脆弱性により、誰でも認証されていないユーザーのプライベートメッセージや位置情報へのアクセスが可能になっていました。研究者によると、貞操装置のロックは遠隔操作も可能だという(画像クレジット:Qiui)

TechCrunchがこの脆弱性の存在を初めて知ったのは6月のことだ。研究者は中国に拠点を置くQiuiに、欠陥のあるAPIについて連絡を取った。脆弱性のあるAPIをオフラインにするとデバイスを使用している人は誰でもロックされてしまうため、開発者は新規ユーザー向けに新しいAPIを提供したが、既存ユーザー向けには安全ではないAPIが残ったままになっていた。

Qiuiの最高経営責任者であるJake Guo(ジェイク・グオ)氏は TechCrunchに対し、修正版は8月中に完成するだろうと語っていたが、その期限は過ぎた。「私たちは限られたチームです」と語り、ユーザーへのリスクを説明するフォローアップメールで同氏は「私たちが修正すると、さらに多くの問題が発生します」とも述べていた。

ロマス氏によるとQiuiは結局、脆弱性のあるAPIを修正するために課された3つの自主的な期限を逃した。公開を決定したのは、別の研究者から別のセキュリティ問題が発生したことを知ったPen Test Partnersが、Qiuiからの回答を得るのが難しいと判断したことがきっかけだ。「明らかにほかの研究者は、私たちとは無関係にこれらの問題を発見する可能性が高いため、公益性を考慮して公開することにしました」とロマス氏。

誰かが悪意を持って脆弱性のあるAPIを悪用したのかどうかは不明だ。ただ、アプリのいくつかのユーザーレビューはデバイスがロックされたままになるバグをアプリを持っていたことを訴えていた。具体的には以下のようなレビューがある。

3日後にアプリが完全に動かなくなり、困っています!

アプリの信頼性が低いため、装着時に既に2回引っかかっています。

1カ月くらいは動いていたのですが、もう少しで引っかかるところでした。幸いにもランダムにロックが解除されて脱出できました。その装置は、回復に1カ月近くかかる傷跡を残しました。

Qiuiは、インターネットに接続されていないデバイスには本来存在しないセキュリティ上の問題を持つ性具の長いリストに加わりました。2016年には研究者は、Bluetoothを搭載したPanty Buster(パンティバスター)のバグが、誰でもインターネット上でセックスのおもちゃを遠隔操作できるようにしたことを発見。2017年には、スマートなセックス玩具メーカーが、ユーザーの「非常に親密で機密性の高いデータ」を収集して記録していたとして告発された後、訴訟で和解した。

安全なセックスを実践し、スマートデバイスは使わないようにしよう。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Qiui Cellmate

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(翻訳:TechCrunch Japan)

フォローしている人がおすすめする自分に合った商品を発見、購入できるPickerが約1.6億円のシード資金を獲得

ユーザーがフォローしている人がおすすめしている商品を発見し、購入できるアプリPickerが、130万ユーロ(約1億6000万円)のシード資金を獲得した。このバルセロナのスタートアップを支援したのは、ベルリンのBtovだ。同社が調達した資金はこれで200万ユーロ(約2億5000万円)になるが、多くは様々なエンジェル投資家からのものとなる。

Daniel Ramos(ダニエル・ラモス)氏とConan Moriarty(コナン・モリアーティ)氏、Enric Gabarró(エンリク・ガバロ)氏が2018年に創業したPickerは、インフルエンサーや友だちやPickerのコミュニティからの推薦に基づいて商品を発見、購入できるマーケットプレースを提供する。iOS、Androidアプリは現在、スペインとドイツ、オーストリア、スイスで利用できる。

以前、Zalandoに在籍しインフルエンサーマーケティングの経験があるCEOのエンリク・ガバロ氏は、「現在、オンラインでの買い物はひどい状況にあり、良い商品がゴミ山の下に隠れている。大手のオンラインショップでカメラを検索すると、20万件以上の結果が出る。その中のどれが良いのか、それを知る方法はありません。レビューは匿名であり、誰もあなたのことを知りません。いつも言っていますが、Pickerはあなたが、あなたのためのベストな商品を見つけるための方法です。1人の信頼できる人の意見は、500件のレビューに優るものだからです」と主張する。

さらに広く言えば、ガバロ氏は友人、家族、コミュニティとそれらを共有し「優れた商品を強化」することがお金を節約し、環境にも貢献する最善の方法であり、それと同時に「信頼できる良いメーカーを支援し、愛する人たちを支援する」ことになると信じている。同社のキャッチフレーズは「stop buying more, buy better(たくさん買うな、上手に買え)」だ。

とはいえ、Pickerのユーザーはかなりの量の買い物をしているようで、同社は2020年に全世界での売り上げが200万ユーロ(約2億5000万円)に達成する予定であることを明らかにしている。さらに他の国でのローンチも準備中だ。

同社はさまざまなブランドやeコマースサイト、マーケットプレース、リセラーと提携し、個々の売上に対してマージンを得ているため、初期から黒字だガバロ氏はいう。またガバロ氏によれば、Picker上でキャンペーンを行いたいブランドもあるというが、まだテスト段階とのことだ。

「私たちのメインの顧客は25歳以上の女性で、ファッションやメイク、そして子供の物に関心がある。またスタートアップ関連の本やガーデニング、ウィスキー、庭仕事用の工具など、ニッチなカテゴリーもある。セックストイなんかもあるね」とガバロ氏はいう。隔離生活の間、スペインではセックストイの売り上げが増え、、ドイツではDIY用品が売れたという。パンデミックでネットショップが忙しくなったといっても、売れ筋は多様だ。

アジアにはPinduoduoという競合他社があるが、こちらはディスカウントにフォーカスしている。またヨーロッパには小さな競合他社が多い。そしてもちろんInstagramとPinterestも強敵だ。

「ソーシャルメディアは広告の視聴時間が主な収益源だったが、広告ではなく誰かの購入を収入源とするまったく新しいやり方もある。私たちは100%ユーザーの側に立ち、本当に買いたい、あるいはシェアしたい製品を見つけてもらいたいと考えている。ユーザーが、自分に一番合った商品を早く見つけて欲しいが、私たちのプラットフォームで長時間過ごすだけの状態にはなって欲しくない。ソーシャルを利用して商品を発見できるプラットフォームは、強力な差別化要因だと思う」とPickerのCEOは述べている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pickereコマースソーシャルコマース

画像クレジット: Picker

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルが次期iPhoneを10月13日に発表

アップルから新型iPhoneを披露するハードウェアイベントの招待状が配布された。このイベントは、Apple Watch Series 6と2台の新しいiPadが登場した最後の大きなイベントから約1カ月後に予定されている。

もちろん、まったく予想外の出来事ではない。CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は今年に入り、新型コロナウイルスの感染蔓延によるハードウェアサプライチェーンの問題により、同社の新しい主力製品の発売が遅れることを認めていた。

アップルの招待状(画像クレジット:Apple)

iPhone 12は、ついにアップル製品ラインに5G接続を提供することになり、新しいデザイン、チップ、そしてラインのすべてのエントリにOLEDを搭載することなる。5.4インチから6.4インチまで、全部で3種類の新モデルが発表される予定だ。同社はこの機会を利用して、そのほかのハードウェアの追加も行うに違いない。待望のオーバーイヤヘッドフォン、AirPods Studioがついに登場するのかも。

イベントは日本時間10月4日午前2時(米国太平洋夏時間10月3日午前10時)にスタートする。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

G SuiteがGoogle Workspaceにリブランド、チャットルームでドキュメント作成コラボも可能に

Google(グーグル)は、Gmail、Drive、Docs、Meetなどを含む企業向けのオンライン生産性とコラボレーションツールのセットであるG Suiteのリブランディングした。新しい名前は「Google Workspace」で、Googleは今年初めに新しいコラボレーションツールとGoogle Meetの統合サービスを発表したときに、すでにその名前をほのめかしていた。現在、これらの新しいツールはプレビューとして公開されているが、同社はサービスに新しい名前を付け、含まれるすべての生産性アプリの新しいロゴを導入することを決定した。

画像クレジット:Google

G Suiteは、同社の有料サービスのブランドとして、もともとは2016年にスタートしたものだ。米国時間10月6日の発表に先立って行われたプレスブリーフィングの中で、同社のJavier Soltero(ハビエル・ソルテロ)副社長兼GMは、「グーグルは、人々が使うサービスが人々が買うものと同じであることを保証したいと考えている」とコメントしている。

画像クレジット:Google

「Google Workspaceを選択することで、グーグルとのブランド提携を得ることができるのは、我々にとって非常に重要なことです。これらの製品はグーグルのフラッグシップ製品であり、Workspaceを仕事を完了するために必要なすべてのツールを統合した製品として顧客に認識してもらいたいと考えている」と付け加えた。

しかし、ブランドよりもはるかに重要なのは同社が本日、G Suite Workplaceの新機能をいくつか発表したことだ。ほとんどは今夏に同社発表済みの、Meet、Chat、Roomsの統合だ。同社は現在、これらすべてのコラボレーションツールを自社のアプリケーションに統合しており、現在Gmailはこれらすべてが統合されたサービスとなっている。

画像クレジット:Google

近日公開予定の新機能の中には、チャットルームでゲストと一緒にドキュメントを作成してコラボレーションする機能や、新しいタブで開かなくても度球面ント、シート、スライドでリンクされたファイルをプレビューできる機能がある。ドキュメントの中で誰かに@でメンションするとWorkplaceにもスマートチップがポップアップし、連絡先の詳細を表示したり、アクションを提案したりできる。

GmailとChatにはすでにピクチャー・イン・ピクチャーモードが搭載されており、これらのサービスではGoogle Meetのビデオ通話が可能だ。この機能は、Docs(ドキュメント)、Sheets(スプレッドシート)、Slides(スライド)にも今後数カ月のうちに展開される予定となっている。

料金はほとんど変わらないが、ネーミングは少し変化する。最も安いプランであるBusiness Starterは月額680円からで、より多くのストレージと大規模な会議のサポートを必要とするユーザーは、月額1360円のBusiness Standardプランを選ぶことが可能だ。新しいのは、追加のセキュリティ機能とVaultやモバイルデバイス管理機能などのコンプライアンスツールを含む、月額2040円のBusiness Plusプランだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google、Google Workspace

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

シンガポールGICとTPGがインド小売最大手Reliance Retailに1050億円を出資

シンガポールの政府投資公社GICはMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏のReliance Retail(リライアンス・リテイル)に7億5200万ドル(約790億円)、そしてTPGも2億5000万ドル(約260億円)投資する、と両社は現地時間10月3日深夜に明らかにした。

GICとTPGはインド最大の小売チェーンであるReliance Retailを支援する最新の著名投資家となる。Reliance Retailは姉妹会社のJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)と同様、インドで最も価値の大きなReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)の子会社だ。

GICとTPGの投資で、Reliance Retailのバリュエーションはプレマネーで585億ドル(約6兆2000億円)となる、と同社は述べた。40カ国で投資を行っているGICはReliance Retailの持ち分1.22%、一方のTPGは0.41%を取得する。

今回の発表は、Reliance Retailの忙しい週を締めくくるものだ。同社はこの3日間、Mubadalaによる8億5500万ドル(約900億円)での1.4%取得、Silver Lakeの2億5400万ドル(約268億円)での0.38%取得、General Atlanticの4億9800万ドル(約525億円)での0.84%取得を発表していた。

2006年創業のReliance Retailはインド国内6500市町村に1万2000店を展開し、毎週350万人が利用する。いくつかの調査会社の推定によると、インドでは全小売の売上高の97%が実在店舗でのものだ。

「Reliance Retailは引き続き広範なサプライチェーンと店舗ネットワーク、強固なロジスティックとデータインフラを用いて顧客や株主に価値を提供すると確信しています」とGICのCEO、Lim Chow Kiat(リム・チョウ・キアット)氏は声明で述べた。

Reliance Retailはスーパーマーケット、家電量販店、ファッション店舗、現金問屋を展開している。ここ数カ月で同社は小売マーケットでの独占を急速に進めた。インドで2番目に大きい小売チェーンであるFuture Group(ヒューチャーグループ)の一部を8月下旬に34億ドル(約3580億円)で買収した

Reliance Retailはまた、昨年末にJioMart(ジオマート)を立ち上げてeコマース分野にも進出した。Reliance RetailとJio Platformsの合同ベンチャーであるJioMartは国内200市町村で事業を展開し、WhatsApp(ワッツアップ)統合でFacebook(フェイスブック)と提携している。

Jio Platformsに今年57億ドル(約6000億円)を投資したFacebookは、インドに6000万店ある家族経営店や中小企業の店舗にデジタル化をもたらすためにRelianceと協業する方法を模索すると述べていた。

Jio Platformsは今年、一連の投資家から200億ドル(約2兆1000億円)超を調達した。投資家にはFacebook、Google(グーグル)、General Atlantic(ゼネラル・アトランティック)、Mubadala(ムバダラ)、Silver Lake(シルバーレイク)、KKRが含まれる。一部の業界幹部は、Jio Platformsへの投資はビジネスケースを伴っておらず、投資する外国企業が主にアンバニ氏とのつながりを深めるためのものだと主張した。アンバニ氏はインドで最も裕福な人物であり、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相とも近い。

Reliance Industriesの会長でマネジングディレクターであるアンバニ氏は声明文で「成功している長期投資を世界中で40年近く行っている実績を持つGICが、インドの小売を変革するというミッションでReliance Retailと提携することを嬉しく思います。GICのグローバルネットワークと長期提携の実績はインド小売のトランスフォーメーションにとってかけがえのないものです。今回の投資は当社の戦略とインドの可能性を強く支えるものです」と述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Reliance Retail、資金調達

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterが誤った情報と戦うためにツイートにコンテキストを追加する「Birdwatch」システムを開発中

Twitter(ツイッター)が「Birdwatch」(バードウォッチ)という名の新機能を開発している。同社はプラットフォーム上のツイートにノート形式でコンテキストを追加することで、誤った情報問題にアプローチしようとしていることを認めている。各ツイートの、現在ブロックや報告ツールが置かれているドロップダウンメニューから、対象のツイートを「Birdwatch」対象にすることができる(すなわちモデレートのフラグが立てられていることを意味する)。小さな双眼鏡ボタンは、Twitterタイムラインに公開されたツイート上にも表示される。そのボタンをクリックすると、ユーザーはツイートにつけられたノートの履歴を閲覧できる画面に移動する。

リバースエンジニアリング手法によって発掘されたBirdwatchのスクリーンショットによれば、「Birdwatch Notes」という名の新しいタブが、リスト、トピック、ブックマーク、モーメントなどの他の既存の機能とともにTwitterのサイドバーナビゲーションに追加される。

このセクションでは、「Birdwatch Notes」と呼ばれる、自分の書いたノートの履歴を追うことができる。

この機能は、この夏にTwitterのウェブサイト上で開発の初期段階のものが、リバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏によって初めて発見された。その時点では、Birdwatchには名前がなかったが、ツイートにフラグを付けたり、ツイートが誤解を招くものかどうかを投票したり、さらに説明のノートを追加したりするためのインターフェースが、明確に示されていた。

彼女による発見の数日後に、Twitterはウェブアプリを更新し、それ以上の調査はできなくなった。

しかし今週、今度はiOS上のTwitterのコードで、非常によく似たインターフェースが再び発見された。

モバイルでこの機能のスクリーンショットをさらにいくつかツイートした、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏によれば、Birdwatchを使用することで、ユーザーはツイートにノートを付け加えることができるという、これらのノートは、ツイート自身の上にある双眼鏡ボタンをクリックすると表示される。

すなわち、ツイートに対して行われたノートによる追加のコンテキストが、一般に公開されるということだ。

はっきりしていないのは、追加のコンテキストでツイートに注釈を付けるためのアクセス権が、Twitterのすべての人に与えられるのか、承認が必要なのか、それとも一部のユーザーまたはファクトチェッカーのみが利用できるのかということだ。

Twitterの早い時期からの利用者でハッシュタグの発明者でもあるChris Messina(クリス・メッシーナ)氏は、BirdwatchがTwitterの偽情報を取り締まるためのある種の「市民による監視」システムになるのではないかという懸念を表明していた(Twitter投稿)が、彼は正しかったようだ。

彼がTwitterのコード内で見つけた情報によれば、それらのノート(Birdwatch Notes)は「contribution」(貢献)と呼ばれ、どうやらクラウドソーシングシステムを暗示しているようだ。(結局のところ、ユーザーは自分だけが見るためのメモを書くのではなく、共有システムに 貢献するようだ)。

画像クレジット:クリス・メッシーナ氏

クラウドソーシングによるモデレートはTwitterにとって目新しいものではない。数年にわたり、TwitterのライブストリーミングアプリPeriscope(ペリスコープは)不正利用を抑え込むためにクラウドソーシング技術に依存して、リアルタイムストリームへのコメントをモデレートしてきた。

ただし、Birdwatchが非技術的な観点からどのように機能するかについては、まだ多くのことがわからないままだ。たとえば、誰もがツイートに注釈を付ける同じ権限を持っているのかどうか、このシステムを荒らそうとする試みがどのように処理されるのか、多数のネガティブな注釈が付けられたときにツイートはどうなるのかなどはわからない。

この数カ月間Twitterは、誤解を招いたり、虚偽だったり、扇情的な内容を含むツイートに対して、より厳しい姿勢をとろうとしてきた。それはトランプ大統領のツイートの一部に、ファクトチェックラベルを適用するまでになっており、その他のツイートをTwitterのルールに違反していることを通知して非表示にすることも行っている。しかし、Twitterはまず規模の拡大を目指して開発され、その後有害コンテンツに関するポリシーと手続きを決定しようとしてきたため、Twitterが全体にモデレーションを拡大する準備は、十分には整っていない。

Twitterにコメントを求めたところ、同社はBirdwatch計画に関する詳細の開示は拒否したが、この機能が誤った情報の拡散を防ぐために設計されていることは認めた。

「私たちは誤った情報の問題に対処し、Twitter上のツイートにより多くのコンテキストを提供するための、多くの方法を模索しています」とTwitterの広報担当者はTechCrunchに語った。「誤った情報は重大な問題であり、それに対処するためのさまざまな方法をテストする予定です」と彼らは付け加えた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:sako)