【レビュー】成熟した市場に参入する低価格の変わり種、Nothingのワイヤレスイヤフォン「Ear(1)」

Carl Pei(カール・ペイ)氏は、周囲を見回すと同じようなものであふれているという。そう感じているのは彼だけではない。完全なワイヤレス型イヤフォンは、Apple(アップル)が初期のAirPodsで発明したわけではないが、AirPodsが一種の転換期となって、多くの競合他社がこぞって同じようなイヤフォンを発売するようになった。Bluetoothイヤフォンほど短期間で成熟し融合した消費家電のカテゴリーを他に挙げろと言われても簡単には思いつかないだろう。ただし、数あるワイヤレス型イヤフォンの中からちょっとした変わり種を見つけるということなら話は別だ。

最近は、完全な実用性を備えたワイヤレス型イヤフォンが50ドル(約5400円)くらいでワンクリックで手に入る。200ドル(約2万1000円)も出せば本当に卓越したものが手に入る。しかし、多様性となると話は別だ。どれもこれも似たような製品に思える。細長いAirPods型のデザインと少し丸みのあるデザインのどちらを選ぶかという以外に、多様性と呼べる要素は見当たらない。つい最近まで、アクティブノイズキャンセリングとワイヤレス充電などの機能を備えているかどうかによって、このカテゴリーのプロダクトは高級とそれ以外に2分されていたが、今はどちらも当たり前の機能になってきている。

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2021年に新しい消費者向けハードウェア企業を立ち上げるとしよう。そして、最初の製品としてイヤフォンを選択したとする。どうすればよいだろうか。競合他社が乱立する市場で自社製品の差別化を図るだけでなく、Samsung(サムソン)、Google(グーグル)、Apple(アップル)といった大手と渡り合っていくには、何が必要だろうか?

価格はもちろん重要な要素の1つだ。「99ドル」(日本では税込1万2650円)というのは、かなり積極的な価格設定だ。ペイ氏は、TechCrunchの最初のインタビューでは、Ear (1)を100ドルを切る価格に設定したことを後悔しているようだった。Nothingは製品ごとに大きな利益を挙げるつもりは必ずしもないといって間違いないと思われる。ペイ氏の前の会社OnePlusと同様、同氏は低価格をその製品の最大の特徴にするのを嫌っているようだ。

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Ear (1)発売前のインタビューで、ペイ氏は、業界の現状をある種の「機能過剰」状態だと考えていると話していた。実際、さまざまなカテゴリーで、過去数年に渡り、終わることのないスペック競争が繰り広げられていた。その結果、機能によって差別化を図るのはますます難しくなっていった。それは、ここ数年のスマートフォンメーカーの端末の売り方を見ればよくわかる。その間、ワイヤレスヘッドフォンは「ワクワクする初期の混乱」状態から「極めて高品質な製品」状態へと、ごく短期間で移行した。

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個人的には、機能による差別化の余地はまだあると思う。例えば最近発売されたNuraTrueのイヤフォンを見てみよう。この会社は、3つのヘッドフォンモデルの特長である専用のオーディオテクノロジーを基盤として、通常とは反対のアプローチでイヤフォンにたどり着いた。

ペイ氏は、Ear (1)の発表記者会見で、Nothingは最初の製品を決定する前にまず、同社の美学的な理想を明確にしたことに触れた。そして、いつもどおり、製品の画像が表示される前に、デザイン会社Teenage Engineeringとのパートナーシップを発表した(初期の段階で我々が入手できた情報は、初期のコンセプトは、ペイ氏の祖母のタバコのパイプにヒントを得たということぐらいだった)。

他にもエコシステムに関する考えについても理想はあるが、これは、複数の製品がリリースされた後にはじめて具体的に考えるべきことだ。とりあえず現時点では、Ear (1)をあらゆる角度から見てみた。耳に装着したり、手のひらの上に置いたりしてみる(手のひらに置いたままではタイピングは難しいので、今は机の上に置いてこの記事を書いているが)。

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形状は明らかにAirPodsのものを借用しており、耳に装着するイヤピース部分から細長い柄が飛び出した形をしている。その点では、Ear (1)はすべてがNothing独自の製品であるとはいえない。とはいえ、完全なワイヤレス型イヤフォン自体の性質からして、取れる形状が限られているということは言えるだろう。筆者はもちろん製品デザイナーではないが、イヤフォンは耳に心地よくフィットする必要があるし、大き過ぎても重過ぎても、柄の部分があまり突き出ていても駄目だ。

ペイ氏によると、この製品のリリースが遅れた理由の1つは、最初に戻ってデザインをやり直したからだという。彼らが最終的にたどり着いたのは、ひと目でイヤフォンと分かるものの、独自の少し目を引くようなデザインだった。透明であるというのは美的観点からすると最大の差別化要因だ。ケースが透明なのは、こうした製品では珍しいので、とりわけ目を引く。イヤフォン本体については、透明なのは柄の部分だけだ。

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イヤピース部分単独で見ると、アップル製品にかなり似ている。光沢のある白の仕上がりと白のシリコン先端部が大きな部分を占めている。初期のレンダリングのとおり、イヤピース部分が透明でないのは、シンプルで現実的な理由からだ。イヤピース部分を構成するパーツが透けて見えるとあまりに見苦しいからだ。これは製品のリリースが遅れた別の要因でもある。つまり、製品を透明にすると、パーツや接着剤の見え方を考える必要があるのだ。普通なら完全に透明なケースの中央が広く白い部分で覆われているのも同じ理由からだ。充電パーツは見苦しいのだ(失礼、だが事実だ)。

スケルトン仕様にするとゴテゴテしたデザインになりがちだが、Nothingはデザイン的にもかなりよい感じに仕上がっているし、同時に異彩も放っている。それだけでもガジェット設計という単調な世界で何かを主張している感じだ。また、StockXと提携したことも、Nothingが追いかけているアーリーアダプターやインフルエンサーの影響を明らかに示している。

Ear (1)イヤフォンは、このカテゴリで、同じくスタイル重視のどのウィル・アイ・アム製品よりもずっと好感が持てる。Ear (1)は確かに目立つが、外でもひと際目を引くというほどではない。つまり、街を歩いていて「あの人の耳見て」と大声で指差されたり、止められたりすることはない(ウィルさん、失礼)。

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外観は、個人的には、気に入っている。気の利いた工夫も施されている。赤と白の点はそれぞれ、右と左のイヤピースを表している。これはRCAおよびその他のオーディオケーブルの色分けに従ったものだ。Nothingのロゴが点線の文字で刻印されており、回線基盤プリントを思わせる。この文字は、Nothingの大半の商標にも使われている。サプライチェーンベンダーとの交渉に多くの時間を費やした経験のある人物が立案したデザインであることは明らかだ。筆者がペイ氏に話を聞いたときも、同氏は、Nothingが本拠を置くロンドンではなく深センの周辺で、サプライチェーンの末端に関する問題の詳細を詰めていることが多かった。

イヤピースの感触も抜群だ。筆者は、さまざまなデザインのイヤピースを長時間装着した後、耳の痛みを感じることが多いことは前に述べた。Ear (1)を装着してニューヨーク市内を4時間ほど散歩したが、痛みや違和感はまったくなかった。また、耳の中でも非常に安定していた。充電ケースに戻すときにも、磁石でカチッと収まるのがとても心地よい(ここでも赤と白の色分けがされている)。

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ケースは平坦な四角形で角に丸みが付けられている。透明でなければ、ミントの缶詰によく似ている。フタを閉めるときにはカチッという音もする。数百回あるいは数千回開け閉めを繰り返した後も、このフタのかっちり感が持続するかどうか興味深いところだ。

Nothingによると、標準的な落下テストや負荷テストはすべて行っているものの、透明なプラチックは強度が高くても引っかき傷がつきやすいため、複数の鍵と同じポケットに入れた場合などは特に注意が必要だと警告している。ペイ氏は、こうした傷は最終的には魅力の1つにはなるだろうと言っているが、果たしてユーザーはどのように判断するだろうか。筆者は数日間使ってみて、鍵を同じポケットに入れるようなこともなかったが、ケースの底に長い引っかき傷がついた。この傷で別段クールな感じになったとも思わないが、みなさんはどうだろうか。

上蓋には大きなくぼみがあって、閉じたときにフタとイヤフォンがぶつからないようになっている。このくぼみは、ケースを何となくいじるときに親指を置くのにもちょうどよい。ぼんやりとフタを開け締めして、ソワソワした気持ちを落ち着かせるのにもよいのではないか。ちょっとしたことだが、よく考えられた細工だ。ケースの裏側には、USB-Cの充電ポートとBluetoothの同期ボタンがある。

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iOSを使っている場合は、アプリを介して、またBluetooth設定で、最初にイヤフォンを接続する必要がある。自社製はイヤフォンだけで、OSもチップもスマホ端末も作っていない会社には設定に関していろいろと厄介な面もある。が、厄介といっても大したことはないし、おそらくは1回行えば済むことだ。

Ear (1)はまずまずの音質で聞ける99ドル(日本では税込1万2650円)のイヤフォンだ。驚くほど良いとまでは言わないが、Sony WF-1000XM4や新しいNuraTrueなどと互角に渡り合えないからといってがっかりする人はいないと思う。決してオーディオマニア向けではないが、音楽やポドキャストを聞きながら、街をぶらぶらするにはもってこいだ。

アプリにはTeenage Engineeringによって調整されたエコライザーが組み込まれており、balanced、treble / bass、voice(ポッドキャストなどで使用)の3つの設定が用意されている。3つの違いはわかるが、かなり微妙だ。イヤフォンではこの位が限界だろう。エコライザーのカスタマイズに関しては、デジタル一眼レフカメラよりも全自動感が強い。Nothingとしては、作り手の意図するバランスからあまりかけ離れて欲しくないということだろう。筆者は、すべての設定を試してみたが、ほとんどbalanced設定にしていた。みなさんのご意見をお聞かせいただきたい。

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ANC設定にも、ノイズキャンセリング、トランスペアレント、オフの3種類が用意されている。ノイズキャンセリングは、必要に応じて、強度を調整できる。全体として、ANC機能は非常に優れており、ニューヨークの街の雑音をかなり消してくれる。しかし、一番強い設定にしても、クルマの音を完全にブロックするとまではいかない。個人的には、そのくらいでちょうどよいと感じる。

「イヤフォンを探す」設定も用意されている。こうしたものは、どうしてもソファのクッションの下などに入り込んでしまいがちだが、この設定で甲高い電子音を発するようにしておけば簡単に見つけられる。

画像クレジット:Brian Heater

一番不満に感じているのは、NuraTrueのイヤフォンでも感じた不満だ。Bluetooth接続が何度も切断されるのだ。音楽やポッドキャストに没頭していると、Bluetooth接続が切断されるのはイライラする。この現象は、イヤフォン、スマホ端末、チップ、オペレーティングシステムをすべて自社で作っている会社の製品では、あまり起こらない。新興スタートアップにとって、この点に関して競争するのはかなり厳しい。

難癖をつければ、数カ月間いろいろといじってみたものの、Ear (1)イヤフォンは過当競争気味のこの分野をひっくり返すような製品ではない。とはいえ、新興企業が消費者ハードウェアの分野に参入して、堅実な先発製品を市場から締め出すのを見るのはいつでもワクワクするものだ。ワイヤレス型イヤフォンという分野に低価格で新しい独自の製品を投入したNothingは、今後も注目していくに値する企業だ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:カール・ペイNothingイヤフォンレビュー

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

Nothingが新型ワイヤレスイヤフォン「Ear(1)」をついに公開、税込1万2650円で8月17日発売

Carl Pei(カール・ペイ)氏が初めてNothing(ナッシング)を世界に向けて発表してから5カ月余りが経過した。その間に、同社は時間の流れとともに少しずつ情報を流してきたように思われるが、いずれにせよ、我々は「Ear(1)」のすべてが明らかになるこの日をずっと待っていたような気がする。

ペイ氏とOnePlus(ワンプラス)とのつながりから生まれる話題性や期待感を備えた、新しいコンシューマーハードウェアのスタートアップとしては、非常に賢明な戦略だったと言えるだろう。我々は2月から現在までに発表された多くの(確かにすべてではないが)ニュースを取り上げ、その名前に関するジョークはほとんど聞き流してきた。

親しみやすい……昆虫を使ったマーケティングテーマに注目(画像クレジット:Nothing)

率直に言って、Nothingが発表したニュースの量は、想像を超えていた。ペイ氏へのインタビューでは、ノイズキャンセリング機能の他、99ドル(約1万900円)という価格が明らかになった。最近では、我々は透明な充電ケースの画像とバッテリー駆動時間(ケース併用でANCをオンにした状態で24時間、オフにした状態で36時間)についての情報を、StockX(ストックエックス)のオークションから手に入れた。実際、あとはイヤフォン本体(おわかりのように、これはかなり重要だ)が公開されるのを待つだけだった。

筆者との会話の中で、創業者のペイ氏は美学を重要な差別化要因として強調していた。確かに、このメッセージは、Nothingが公開するために選んだ画像によっていくぶん混乱していた。会社と製品に関連する最初に公開された画像は、実際にはデバイスのPCB(プリント回路基板)のシルエットだった。2つ目の画像は、ペイ氏が祖母のタバコパイプからインスピレーションを得たという初期のコンセプトだった。

画像クレジット:Nothing

このプロジェクトが、発売前にどれだけ繰り返し磨き上げられたかを、Nothingが強調したかったことは明らかだ。実際、当初の発売を数カ月延期したのも、こうした繰り返しがあったからだとペイ氏は話してくれた。まず1つは、Ear(1)を他の製品とは違うデザインにしたかったこと。そしてもう1つは、製品を(部分的にでも)透明にするために、さらに複雑な要素が加わったということ。つまり、内部(部品やそれらをつなぐ接着剤までも)が、外見と同じように美しくなければならないのだ。

Ear(1)についてすぐに言えることがある。それは「似て非なるもの」だということだ。フォームファクタの点から見れば、イヤパッドから長いステムが垂れ下がっているところは、Apple(アップル)のAirPodsに最も似ている。この製品の透明という特徴は、大部分がこのステムに表れている(ケースは別として)。パッド部分は不透明な白色だが、これははっきり言って内部が見苦しいという事実によるものだろう。

ステム部分には、左右を識別するための赤と白の単色のドットがタッチパネルに表示されている。これは、赤が右、白が左を表すRCAケーブルを意識したものだ。もう1つの優れた美的センスは、ステムの長さ方向にプリントされたNothingのロゴに表れている。ドット文字は回路基板のプリントに対するオマージュであり、Nothingのプレス資料にも使われている。反対側には2つのマグネットのドットがあり、ケースの充電ピンに接続する。

画像クレジット:Nothing

ケースは透明なプラスチック製で、一対の小さな丸い凹みがイヤフォンを固定する。3つめの大きな円形の窪みはケースを持った時に親指を置く場所になる。ケースの中央には白い帯が入っているが、これは見苦しい電子部品を隠しているのだろう。

イヤフォン本体には11.6mmのドライバーが搭載されており、デザインチームとしても携わったTeenage Engineering(ティーンエイジ・エンジニアリング)が、オーディオのチューニングを担当している。Bluetooth 5.2を搭載し、Active Noise Canceling(アクティブノイズキャンセリング)機能は、ノイズキャンセル効果が控えめな「Light(ライト)」モードと、強めの「Maximum(マキシマム)」モード、そしてオフになる「Transparency(トランスペアレンシー)」モードの3種類から選択できる。また、イヤフォンを見失った時にはアプリを使って探すことができるなど、他にもさまざまな機能を備えている。

日本での発売は8月17日。価格は税込1万2650円となっている。レビューの掲載を楽しみに待っていて欲しい。

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カテゴリー:ハードウェア
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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題を解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーは2021年7月27日、完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」(3万3000円)向けにソフトウェアアップデートの配信を開始しました。

アップデート後はBluetooth接続の安定性のほか、特定の条件でノイズキャンセリングや外音取り込みの効果が瞬間的に切れる事象などが改善するとしています。

なお、アップデートにはAndroid / iOSアプリ「Sony | Headphones Connect」が必要。ダウンロード中、データ転送中、アップデート実行中に、本体を充電ケースに収納したり、電源を切ったりすると、WF-1000XM4を使用できなくなる可能性があるとのことです。

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ちなみに、WF-1000XM4は人気で生産が追いつかず、SNSに「まだ入手できない」との投稿がアップされるなど、安定的な生産体制が求められている状況です。

前世代からの主な進化点は、統合プロセッサーV1によるノイズキャンセリング性能の向上に加え、Bluetooth用コーデックLDACや、圧縮音源をAI技術でアップスケールする DSEE Extreme に対応したこと。オブジェクトベースの360立体音響技術を使った音楽体験「360 Reality Audio」や、ヘッドホンを外さず相手と会話できる機能「スピーク・トゥ・チャット」、IPX4相当の防滴性能なども備えます。

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:オーディオ / 音響機器(用語)ガジェット(用語)Sony / ソニー(企業)ノイズキャンセリング(用語)Bluetooth(用語)ヘッドフォン / イヤフォン(用語)日本(国・地域)

Nothing初の完全ワイヤレスイヤフォン「Ear(1)」はノイキャン搭載で約1万900円

Nothingについてわかっていることは文字通りほとんどない。しかしこの若きハードウェアスタートアップは、そのことを利用して巧みなマーケティング活動をしている。7月27日に迫った同社初の製品である「Ear(1)」(イヤー・ワン)の発表を前に、Nothingのマーケティング部隊はごくわずかずつ情報を公開している。

発表イベントに先立ち、TechCrunchはファウンダーのCarl Pei(カール・ペイ)氏に、同氏の最新のハードウェア会社設立についてさまざまな話を聞いた。話の中で同氏は、近日発売の完全ワイヤレスイヤフォンについていくつか追加情報を披露した。

「ノイズキャンセリングのような最先端機能を備えたすばらしい製造品質の製品になります」とペイ氏はTechCrunchに話した。「私たちは主としてオンライン販売チャネルに焦点を絞っているので「手頃価格」とまでは言いませんが、消費者にとって十分公正な価格にすることができました。Ear(1)の場合、通常の不透明なデザインよりもずっとデザインコストがかかります。99米ドル、99ユーロ、99ポンドというのは納得のいく価格だと思います。機能的にはAirPods Proに似ていますが、AirPods Proは249ドル(約2万7500円)します。

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今のイヤフォン市場の価格設定はあらゆる範囲に広がっている。Apple(アップル)はAirPods Proで主流製品のハイエンドを支えている。Sony(ソニー)の最新製品は280ドル(約3万1000円)という本格的プレミアム価格で競り合っている。一方、スペクトラムの反対の端では、50ドル(約5500円)を切るイヤフォンを見つけるのも難しくないが、ローエンド製品の持続時間はさまざまだ。

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Ear(1)は99ドル(約1万900円)という思い切った価格設定で、Samsung Galaxy Buds(サムスン・ギャラクシー・バッズ)や最近発売されたGoogle Pixel Buds-A Series(グーグル・ピクセル・バッズAシリーズ)と同じ価格帯にある。Nothingの製品は、ノイズキャンセリングを含むAirPods Pro並の機能セットで優位を保つだろう。TechCrunch宛てのメールで同社は、アクティブノイズキャンセリングは高精度マイクロフォンを3基使って実現していると語った。Essential(エッセンシャル)から取得した知的財産権はこの最初の製品には使用されていない、とペイ氏は付け加えた。

社名をNothingに決める前、『Essential』は検討していた名前の1つでした」とペイ氏はいう。「この商標を買い取った理由はそれです。私たちはEssentialで何かする予定はありません」。

Nothingにとってこれは機能競争ではない、と彼は強調する。「今の子ども達が将来なりたいのはTikToker(ティックトッカー)やYouTuber(ユーチューバー)です」とペイ氏はTechCrunchに話した。「おそらく、テクノロジーが以前ほど感動を生まないからだと思います。消費者に聞いてみても、数年前と比べてテクノロジーをあまり気にしていません。ブランドがどんなコミュニケーションをしているかといえば、機能とスペックのことばかりです。この業界に崇高な目的を持っている人は誰もいません」。

ここでいう「崇高な目的」とはNothingのエコシステム活動、コネクティビティー、そしてユーザーの「デジタルライフをよりシームレスに」することだ。そしてそれは、名前が示すように、自分のやり方から抜け出すテック企業をつくる試みでもある。それは美的感覚の問題でもある。その新しいイヤフォンが透明になることを我々は知っている。発売が遅れる原因になった設計判断だ。

 

「世の中に透明な消費者家電製品が多くないのには理由があることがわかりました」とペイ氏は言った。「高品質なものを作るのは実に大変です。内側にあるものすべてが外側にあるものと同じように美しくなければなりません。チームが反復してきたのはそこです。それぞれのバージョンの違いはおそらくわからないでしょう。適切なマグネットを選ぶ(通常マグネットは製品の内側にあるのでユーザーには見えない)ことから最適な種類の接着剤を見つけることまで、不透明な製品を作っているときには解決する必要のない問題ですが、いったいどんな接着剤なら工業デザインを損なわないのでしょう」。

Nothingはコストを下げるために直販に頼ろうとしていない。初期のターゲットは英国、インド、ヨーロッパおよび北米で、日本、韓国などがそれに続く。同社はそれ以外の市場進出も検討している、とペイ氏はいう。Ear(1)は現在同社が準備している3つの製品群の1番目だ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが新型ワイヤレスイヤホン「Beats Studio Buds」発売、Android / iOS高速ペアリング、ノイキャン搭載で税込1万7800円

2019年に発売された時、Powerbeats Proは際立っていた。2年以上が過ぎた今も、市場で最もバランスの取れたワイヤレスイヤフォンの1つであり続けている。変わって欲しい点はもちろんいくつかある。2019年当時でさえ、ケースがあきれるほど大きかった。2021年になると、当時のケースはいっそうばかばかしく見える。そして、もちろん、ノイズキャンセリングは中級イヤフォンではほぼ標準になった。

数週間にわたる噂とリーク(世界一有名なアスリートの耳に着けられたあからさまなチラ見せを含む)を経て、Beats(ビーツ)の最新商品がついにベールを脱いだ。Beats Studio Buds(ビーツ・スタジオ・バッズ)の登場だ。これは、同社がすかさず述べたように、Powerbeats Proを置き換えるものではない。それも販売され続ける(しかし独自のアップグレードがない、ともいっていない)。

BeatsはApple(アップル)傘下ではあるが、このブランドはほとんどの面で従来どおり経営されている。Appleが手をつけるはるか以前から、大成功を収めたブランドだった。だから、明らかに壊れているもの以外は直さないことを選んだ。そして、テクノロジーは明らかに両陣営で共有されているが(たとえばPowerbeatsはH1チップを使っている)、Appleは自社ブランドのオーディオ製品(AirPodsなど)とBeats製品群との間に明確な線を引いている。BeatsがAppleのイベントに決して登場せず、翌週大きな発表をするのには理由がある。

画像クレジット:Brian Heater

AirPodsと比べて、Beatsの製品ラインは少々複雑だ。新しいStudio Budsは完全ワイヤレスイヤフォンだが、名前は同社の高級オーバーイヤーヘッドフォンから借りている。しかし新しいBudsはPowerbeats Proより本体もケースも明らかにコンパクトだ。さらに注目すべきこと、そして正直驚いたのが、その価格だ。

150ドル(日本では税込1万7800円)のStudio Budsは、発売から2年経ったPowerbeats Proの実勢オンライン価格である160~200ドル(約1万7600〜2万2000円)よりも少し安い。発売時は250ドル(約2万7500円)だったことを忘れてはいけない。さらに、AirPodsよりも50ドル(約5500円)安く、Galaxy Buds(ギャラクシー・バッズ)よりも20ドル(約2200円)安い。手に入る内容を考えればうれしい価格だ(ただし280ドル[日本では税込3万3000円前後]のソニー WF-1000XM4をレビューしたばかりなので私の基準が少々ずれているかもしれない)。

このソニー製品はもちろん別格だ。多くの人のためには他の中級ヘッドフォンと比較するほうがずっとフェアだろう。その意味で、Studio Budsの性能はかなりよい。最大の新機能はアクティブノイズキャンセリングで、これはPowerbeats Proが発表された時には標準からほど遠かったこと思い出して欲しい。しかし昨今ではこの価格帯でこれがないと大きな欠落に感じてしまう(Googleさん、あなたのことだよ)。

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もう1つ最初に触れる興味深い機能が、iOSとAndroid双方との高速ペアリングで、Studio Budsはその方面の先駆者となった。これがApple製品から出てきたのがちょっとおもしろいが、Appleはその部分でちょっとした自由を手に入れたのかもしれない。これは小さなことだ。つまるところ、ほとんどの人はiOS / Androidのワンタッチペアリングを1度しか使わないのだから。しかし、製品をできるだけ多くの潜在顧客に利用しやすくすることの利点は数多くある。

関連記事:【レビュー】ソニー新型「WF-1000XM4」は高性能ワイヤレスイヤフォンの新基準、2年待っただけの価値がある

新しい流線型デザインを私は気に入っている。上で述べたように、ケースはPowerbeatsよりずっと小さい。それでありながらStudio Budsの公式バッテリー寿命はイヤフォン単体で8時間、ケースを含めて計24時間だ。これはかなりの持続時間で最近急速に標準となりつつある。ケースの底面にはUSB-Cポート(AppleオンリーのLightningを離れた)があり、5分間の充電で1時間の再生時間を得られる。

画像クレジット:Brian Heater

ケースはAir Pods Proより幅が広く少し厚いが、楽にポケットに入る。少々安っぽいプラスチック感はあるが、マットフィニッシュの感触は悪くない。ブランディングはBeatsでは普通のうるささで、大きな白いボールド体の「b」が黒の背景に置かれている。イヤフォン本体にもロゴがあり、位置によって 「9」にも「6」にも見える。ケースのフタはカチッと閉まり、イヤフォンはマグネットですっきり収まる(ただしPowerbeats同様、正しい向きを見つけるのに少々コツがいる)。

イヤフォンもかなりコンパクトだ。イヤーフックはなくなった。正直これは賛否の分かれるところだ。私はPowerbeats Proのイヤーフックがいいと思わなかったが、イヤフォンのデザインによって耳に痛みを感じる人がいることを考えれば、負荷を耳たぶにかけるイヤーフックは最も心地よい選択肢だろうと感じている。

このStudio Budsはかなり快適で、私は着けたままワークアウトできたが(防水性能はIPX4)、ずれないようにするのに苦労したことも何度かあった。もちろんこれはPowerbeatsにはなかった問題だ。絶対に動いて欲しくないなら、ちょっと押し込んで固定することをおすすめする。

Beatsが復活させてくれたデザインで私の大のお気に入りなのがハードウェアボタンだ。Powerbeatsにもあったが、Studio Budsにもあった。気持ちの良いかすかなクリック感は完全タッチ式ボタンよりも好きだ。シングルクリックで再生 / 一時停止、長押しでアクティブノイズキャンセリングのオン / オフができる。

画像クレジット:Brian Heater

アクティブノイズキャンセリングはもちろんうれしい新機能だ。周囲の雑音に対してよい仕事をするが、ハイエンドシステムと同じ感覚を得ることはできない。音質もここ数年進歩している。Beatsは8.2 mmドライバーとさまざまな工夫によってこの価格帯として十分な音を提供している。「ボーッと座ってクラシカルソナタやエクスペリメンタルジャズのレコードの機微を楽しむ」イヤフォンではないが、「日常生活をしながら音楽やポッドキャストを聴く」には堅実なヘッドホンだ。

このイヤフォンにはよいところがたくさんあり、Powerbeats Proよりずっといい2021年の買い物だ。たとえ先行機種が発売された時ほど革新的ではないとしても。

Beats Studio Budsは本日予約受付開始で、6月24日に出荷予定だ。

【Japan編集部注】Beats Studio Budsの日本での価格は税込1万7800円。今夏発売予定となっており、希望者は通知を受けることができる。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleBeatsイヤフォン

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【レビュー】ソニー新型「WF-1000XM4」は高性能ワイヤレスイヤフォンの新基準、2年待っただけの価値がある

「WF-1000XM3」をレビューしてから2年弱になるが、その間ずっと、Sony(ソニー)のワイヤレスイヤフォンは高性能イヤフォンのスタンダードであり続けてきた。真面目な話、1カ月ほど前に別の新製品をレビューしたのだが、その時もやはり習慣で参照したぐらいだ。

これは、1年ごとのアップグレードサイクルが主流の昨今では珍しいことだ。ワイヤレスイヤフォン分野ではなおさらだ。ソニーが2019年半ばに本格的に参入したときには、市場はすでに混雑していると感じたし、状況は悪化する一方だ。しかしM3は、業界に新風を吹き込んだ。多くのメーカーがミドルエンドとローエンドを競っている中で、ソニーは真にプレミアムなものをリリースした。

関連記事:ソニーが新型完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」正式発表、さらに小型化・ノイキャン性能向上

AirPods Proが発売される半年前に、M3は優れたサウンドとノイズキャンセリング機能を引っさげて市場に登場した。後者は今でこそ標準化されているが、ソニーがM3に搭載したときには、ほとんど例のない機能だった。しかし、このヘッドフォンは好評を博したにもかかわらず、ソニーはその次の製品を出すのに2年もかけた。それも無理はない。非常に良いものをさらに改善するのは難しいことだ。

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「WF-1000XM4」は待っただけの価値がある、とご報告できてうれしく思う。ソニーは高級ヘッドフォンを得意としているが、この製品も例外ではない。今回のワイヤレスイヤフォンは、さまざまな面で以前のモデルよりも進化している。残念ながら、価格もそれに見合ったものになっている。もしあなたが、M3の230ドル(約2万5200円)は高いと思っていた場合、悪いニュースがある。新バージョンは、さらに50ドルを上乗せした280ドルだ(約3万700円、国内価格は税込3万3000円前後)。

その結果として生まれるいいニュースは、新しいヘッドフォンのリリースで、古い機種(M3)の価格は下がるということだ。軽く検索してみると、さまざまな場所で178ドル(約1万9500円)前後で販売されており、一般的なワイヤレスイヤフォンの価格に近いものとなっている。AirPods Proよりも30ドル(約3300円)高い新価格は、ソニーがスペクトルの中のプレミアムグレード側にあえて踏み込んでいることを意味する。価格を抑えるためのリソースと規模を持っている企業があるとすれば、それはソニーだ。

WF-1000XM4は価格に見合うだけの価値があるのだろうか?もちろん、これはかなり主観的な質問だ。間違いなくいえるのは、現在購入可能なワイヤレスイヤフォンの中で最高の音質を持っている部類に入るということだ。今のところ、オーバーイヤー型ヘッドフォンの体験をイヤーバッドで完全に再現できるとは思えない。しかし、ワイヤレスイヤフォンを使うことには確かな利点がある。それは携帯性と、言葉にできないほど暑い夏の日々に、耳を呼吸させるチャンスがあるということだ。

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ワイヤレスイヤフォンはもちろん、フィットネスにも適している。とはいえ、特にワークアウト用のヘッドフォンを探しているのであれば、おそらくこれを第一候補にすべきではない。IPX4相当の防滴性能を備えているので汗をかいても大丈夫だが、このイヤフォンはどちらかというと、飛行機に長時間乗るときや、デスクに座ってジャズのレコードを楽しむようなときに向いている。

その理由の1つは、この製品の大きさだ。前作よりもかなり小さくなったのは確かで(本体はサイズ10%減)、パドル型から外耳道の上にコンポーネントを配置するようになったのは効果的だが、長時間の使用にはまだ少し大きすぎる。また、これは個人差がかなりあるかと思うが、私は長時間装着していると耳が痛くなる傾向があった。MサイズのイヤーピースをSサイズに交換すると圧迫感が少し和らいだが(私はほぼすべての種類のイヤーピースでMサイズを使用する)、Sサイズにすると、アクティブノイズキャンセリング(ANS)機能を最大限に活用するためには必要不可欠な耳への密閉性が非常に悪くなった。それでも、最終的には鈍い痛みがないわけではなかった。

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ただ筆者は個人的に、フォームチップイヤーピースであまり良い経験をしたことがないという事実もお伝えしておくべきだろう。シリコンに比べて摩耗しやすく、耳垢がたまりやすい傾向があるのも影響している(この仕事はきれいごとばかりではない)。しかし、高級メーカーがこのルートを採用する理由は、快適性の観点から理解できる。

また、ソニーがサステナブルな紙製パッケージを採用したことにも賛辞を送りたいと思う。見た目は地味かもしれないが、あなたは自分のエレクトロニクスが入っていたパッケージをどれだけ頻繁に見るだろうか?私の中では、地球にとって少しでも良いものはネットプラスだ。そして、この充電ケースは見た目が非常に美しい。

ケースはM3より大幅に小さくなった(40%減)。前機種と比べ、ポケットに入れても邪魔にならないサイズだ。控えめなマットブラックで、上部にはかなり目立つSONYロゴが入っている。マグネットは強力で、イヤーバッドは小気味良くしっかりとケースに収まる。また、お互いにもくっつく。蓋の真下にある薄いLEDストリップは、充電状態に応じて緑または赤に光る。ケースは縦長なので、USB-Cポートは背面に配置されているが、Qi充電器を使ってワイヤレス充電することもできる。

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興味深いことに、電池持続時間の公称値はM3と同じだが、数字がシフトされている。オリジナルの前機種では、本体のみで6時間、それにケースが18時間を足していた。今回は本体のみで8時間、ケースでプラス16時間となっている。どちらにしても1日は使える計算だが、私は確かに、実際のイヤフォンに2時間追加されている方を好む。

イヤフォン本体は、ケースよりも少し派手なデザインだ。2つの円が交差するデザインで、上部は耳にぴったりと沿うように設計されている。外側は金属製のマイクがアクセントになっており、上部には2つ目のフラッシュマイクが設置されている。

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音質は本当にすばらしい。質の低いイヤーバッドでは聞き逃していた馴染みのある曲のディテールを新たに発見できるような、楽器の分離感がある。また、デフォルトのバランスもすばらしい。ソニーは低音を強調する必要がないので、そこに寄りかかってはいない。このヘッドフォンは、さまざまな種類の音楽やポッドキャストなど、幅広い分野ですばらしいサウンドを提供してくれる。

ノイズキャンセリング機能は、再び業界をリードしている。左のイヤーバッドをタップするだけで、ANCとアンビエントサウンド(外音取り込み)モードが切り替わるが、その違いはまるで昼と夜のようだ。非常に大きな音を出す野菜ジューサーも含め、この製品が遮断できる音には本当に感動した。また、このイヤフォンのBluetoothの範囲にも感心した。

イヤフォンに関しては、品質は値段相応というのが本当のところだ。今回も然り。ソニーは「WF-1000XM4」で再び、高性能ワイヤレスイヤフォンの基準を打ち立てることに成功した。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

ソニーが新型完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」正式発表、より小型化・ノイキャン性能向上

Sony(ソニー)がワイヤレスイヤフォンの水準を引き上げてから2年になる。Apple(アップル)がAirPods Proを発売する半年前に「WF-1000XM3」はサウンドとアクティブノイズキャンセリング(ANC)の新しいスタンダードを確立した。以来、その性能に匹敵する、ましてやそれ以上の製品はほとんどない。

数週間にわたるリーク情報の後、エレクトロニクスの巨人はついに「WF-1000XM4」を発表した。この製品は、オリジナルバージョンの音質とANCの両方を向上させると同社は主張している。これは高いハードルであり、同じく高い価格設定でもある。オリジナルは230ドル(約2万5200円)というすでに手痛い価格だったが、今作は280ドル(約3万700円)となり、ソニーはさらに踏み込んだ価格設定をしている。

ワイヤレスイヤフォンのカテゴリーは、2019年の時点ですでに混み合っているように感じられたが、2021年の状況とは比較にならない。また、50ドル(約5500円)以下の選択肢も最近はたくさんある(100ドル、約1万1000円以下でまともなソニーのイヤフォンを手に入れることも可能だ)。しかしソニーは、コストを下げる方法を見つけるのではなく、AirPods Proよりも30ドル(約3300円)高い、スペクトルの中のプレミアムグレードの地位を固めようとしている。

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とはいえ、M3で同社がどれだけ高いハードルを設定したかを考えると、この製品をテストするのが非常に楽しみだ(手許に届いたばかりなので、近日中にレポートする)。移動することがまた普通になってきたら、M4は最適な旅行用ヘッドフォンになるだろう。同社によると、この製品の秘密のソースは「V1」で、新設計のプロセッサーがANCと音質の両方を向上させているとのこと。

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「ソニーが特別に開発した新設計の『Integrated Processor V1(統合プロセッサーV1)』は、高い評価を得ているソニーのQN1eチップのノイズキャンセリング性能をさらに向上させています」と同社は述べている(M3はQN1eを搭載していた)。「各イヤホンの表面にフィードフォワード・フィードバックの2つのノイズセンサーマイクを搭載し、周囲の騒音を分析して高精度なノイズキャンセリングを実現しています」とも。

ビームフォーミングマイクも搭載されており、ユーザーの口元から直接音をキャプチャし、不要な周囲の騒音を低減する。また「新しい骨伝導型センサーは、ユーザーの声の振動のみを拾い、通話時にはよりクリアな音声を可能にします」という興味深い情報もある。

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新開発の6mmドライバーとともに、外出時の風切り音を自動で低減する機能を搭載。今回のリニューアルで、より豊かな低音と、歪みの少ない良い音を実現したという。もちろん、同社のハイレゾ・オーディオ・ワイヤレス技術も引き継いでおり、標準Bluetoothの3倍にあたる最大990kbpsのデータ転送が可能だという。

この製品は、ソニーの360 Reality Audioに対応している。ハイエンドのヘッドフォンでは、より多くのメーカーが拡張オーディオに向けた小さな一歩を踏み出していることは明らかだ。この機能はソニーのアプリで有効にする必要があり、当然ながら一部のサービスでのみ動作する。一方、アダプティブサウンドコントロールは、周囲の騒音に基づいて再生音量を調整する。

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前述したように、私は今デスクの上に現物があるのだが、すぐにお伝えできるのは、M3に比べて充電ケースが大幅に小さくなっており、フル充電で24時間のバッテリーライフがあるということだ。イヤフォン本体は最大8時間だが、これは上位機種の業界標準と同程度だ。急速充電にも対応しており、5分間の充電で1時間の再生が可能になる。

形状はM3からかなり変化した。長い翼状だったのが球根状になり、耳の穴の上に来るようになった。これにより、長時間の使用による圧迫感が軽減されるかどうか気になるところだ。イヤフォン本体はIPX4の防水性能を持ち、GoogleアシスタントとAlexa(アレクサ)の両方に対応している。また、Fast Pair機能でAndroidデバイスやWindows 10マシンとのペアリングも簡単に行える。

価格は280ドル(約3万700円、国内価格は6月9日発表予定)で、米国時間6月8日より販売開始される。

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【レビュー】グーグルの99ドルワイヤレスイヤフォン「Pixel Buds A-Series」はコスト削減努力の結晶

99ドル(約1万800円)という価格を実現するために機能を絞り込んだお値打ちイヤフォン

Google(グーグル)は多くのことをうまくやっている。しかし、これまでハードウェア戦略は真の意味ではその中に入っていなかった。だがここ数年同社は、少なくともPixel(ピクセル)やNest(ネスト)といったデバイスでは、ある程度の一貫性を保とうとしてきた、しかし特に前者は、すでに競争相手に溢れた市場の中で足場を固めるのに苦労し続けてきた。

Googleは2017年に、第1世代の「Pixel Buds」(ピクセルバッズ)でワイヤレスイヤフォンの分野に参入した。この製品は、デザイン的にも機能的にも、このカテゴリーの中では斬新なものだった。にもかかわらず、最終的には失敗に終わった。しかし、その努力に対しては「A査定」を与えても良いと思う。2020年4月に発売された第2世代の製品は、前作の多くの問題点を修正し、よりストレートなアプローチを追求した。

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米国時間6月3日に発表された「Pixel Buds A-Series」(ピクセルバッズAシリーズ)は、Googleのスマートフォンラインで成功を収めたアプローチを利用したものだ。最初のPixel Aスマートフォンが登場したのは、同社が携帯電話の販売不振をなんとかすべく対処を行っているときだった。この廉価版ラインへのアプローチは成功を収めて(Googleスマートフォンの基準では)よく売れ、苦境に立ったラインに明るいニュースをもたらすのに役立った。

再確認になるが、格安スマホと同じように、価格がものをいうのだ。ここで示された価格は99ドル(約1万800円、日本での価格は未定)だ。この価格は、新しいEcho Buds(119ドル、約1万3000円))やSamsung Galaxy Buds(110ドル、約1万2000円))よりも下で、さらにはAirPods 2(159ドル、約1万7000円)よりもはるかに安い。基本的に、中位クラスの完全ワイヤレスイヤフォンの価格設定の中では低価格帯を占めている。これよりも下位クラスではさらに競争が激しく、たとえばAnker(アンカー)のイヤフォンを40ドル(約4400円)前後で購入することができる。しかし、ブランド名から期待する相対的な基準で考えると、その価格設定はかなり大胆なものだ。

また、希望小売価格が170ドル(約1万9000円)の標準的なPixel Budsに比べても大幅に値下げされている(ただし、少し探せばずっと安く手に入れることができる)。今回のシリーズAは、標準的なPixel Budsに取って代わるものではなく、Pixel Budsを補完するものだ。このやり方は、価格帯では開きがあるもののApple(アップル)がAirPodsで行った戦略と同じだ。新しいイヤフォンが発売されたことで、多くのオンラインショップでの製品間の価格差がさらに縮まることを期待している。この記事を書いている時点では、Pixel Budsの2代目を99ドル(約1万800円)で販売しているところが少なくとも1カ所ある。

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当然のことながら、コストを下げるためには、多少の簡易化、あるいは必要のないものを取り除くことが必要だ。最終的には、あるユーザーにとっての価値は、低価格化と引き換えに何を失っても良いかによって決まる。失われるもののうち特に大きなものは以下のようなものだ。

  • ワイヤレス充電なし
  • センサーの低価格化により、アテンションアラート(サイレン、赤ちゃんの泣き声、犬の鳴き声などが聞こえると一瞬音量が小さくなる機能)なし
  • 通話や風に対するノイズ低減機能なし
  • 限られたタップジェスチャー

それ以外の点では、シリーズAはPixel Buds 2とよく似ていて、同様の12mmダイナミックスピーカードライバーや、デザインもほぼ同じものを採用している。実際、個人的にはあまりにも似ていることに驚かされた。大きさや形なども……・ここですぐにわかる唯一の違いはカラーリングだ。そのあたりには特に問題がなかったので、Googleは修正しなかったのだ。これまでのような大胆なマットカラーはない。今回のヘッドフォンには、光沢のある2つのカラーが採用されている。クリアリーホワイトとダークオリーブだ。Googleが私に送ってきたのは前者で、AirPodsよりも少しオフホワイト(Echo Budsのカラーリングに少し近い)で、濃いグレー部と組み合わせられている。もしもっと大胆なカラーがお好みなら、オレンジ(日本未発売)またはミントグリーンを使用した従来のイヤフォンを選ぶこともできる。私はオリジナルのマットなカラーリングの方が好きなのだが、会社としては何らかの差別化を図らなければならなかったのだろう。

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ケースは、従来のバージョンと同じ縦長の楕円デザインだ。AirPods Proと同程度の体積なので、ポケットに入れても違和感はない。USB-C充電ポートが底面にあり、前面のライトで充電状態を確認でき、同期ボタンは背面下部にある。上部の蓋を開けると、おなじみの2つのイヤフォンが現れる。

サイズと形状はPixel Budsとほぼ同じだが、うれしいことに長時間の使用でもかなり快適だ。そうした性質は、すべての競争相手に当てはまるものではない。シリコンチップはより良いフィット感を得るためにユーザーが交換可能することが可能だが、小さなシリコンイヤーチップはガッチリとはまりこんでしまう。私はそれでいいと思うが、人によって意見は異なるかもしれない。

今回のAシリーズ(まったくの余談だが、何度も資金調達ラウンドについて書いたせいでどうしても「シリーズA」と書きたくなってしまう)のサウンドは、これまでのものと同様にほどほどの仕上がりになっている。(なかなか休む時間が取れなかったような場合には)AirPods ProやSONY WF-1000XM3のような高級イヤフォンから、より高品質なサウンドを得ることができるが、日常的なリスニングや通話には、マイクの性能は多少落ちたとしても、今回のイヤフォンで十分対応できる。

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ノイズキャンセリング機能は搭載されていない。まあ標準のPixel Budsにもこの機能は搭載されていないので、それは当然予想されることだ。ノイズキャンセリングの標準搭載がだんだん進んでいることを考えると、当然Pixel Buds 3にはこの機能が搭載され、格安モデルとの差別化が図られることだろう。

1回の充電で5時間(通話2時間30分)、ケースを使うと12時間利用できるが、これもPixel Budsと同じだ。同様にIPX4の防水性・防汗性を備えている。Bluetooth接続はかなり強力だ。通常のイヤフォンでは別の部屋に移動した際に接続が切れることがよくあるが、今回の製品ではそのようなことはなかった。

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Android(6.0+)またはiOSデバイスにペアリングできる。当然ながら、Androidでは「Fast Pair」(ファーストプレイ)機能を使うことで便利に使うことができる。一方、Appleの携帯電話に対しては、ペアリングボタンを使用する必要がある。目玉機能の1つであるGoogleアシスタントも、Androidデバイスでしか使うことができない。これは、通知を有効にしたり、Google翻訳をリアルタイムに利用するためには、もっとも便利な手段だ。

Pixel Buds Aシリーズは、イヤフォンの世界に騒動を巻き起こすようなものではない。そのことはあまり重要ではないのだ。何よりもこの製品は、100ドル(約1万900円)以下でしっかりとした体験を提供するために、脂肪を削ぎ落としたものだ。その基準では、ほぼ成功している。

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

【レビュー】アマゾンの新Echo Budsはまずまずのアップグレード、ただし依然として卓越性は感じない

完全ワイヤレスイヤフォンほど急速に成熟化した家電カテゴリーはなかなか思い浮かばない。1、2年の間に、ひと握りの果敢なスタートアップから事実上あらゆるハードウェアメーカーまで、その流れを加速させた。Amazonがこの分野に参入したとき、すでに過密状態になっていたことは間違いない。

遅れて参入する場合に考えるべきは、何を強みとするかだ。結局のところ、初代Echo Budsには、40ドル(約4350円)でAnkerのイヤフォンを買うことができる世界で選択するに値する説得力は感じられなかった。他にも少々の懸案事項があったものの、筆者の同製品の評価記事は、結局かなり詰めが甘い内容に終わってしまった。

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1年と少しが経ち、Budsが再登場した。そしてもちろん、Amazonが初代モデルの懸念の一部に対処し、かなり堅実なアップグレードを提供したことは評価できる。さらに同社は、他社がProモデル用に控え置く機能をいくつか追加しながら、価格を129ドル(約1万4000円)に抑えている。

数日前からEcho Budsを主力ヘッドフォンとして使用しており、全体的に満足感を感じている。この製品はある意味中間的な位置づけにあるが、それでも私は「Price Is No Object」カテゴリーの他の製品をいくつか推奨しているし、Budsはローエンドに適合する価格というほどでもない。

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新しいEcho Budsは、SamsungのGalaxy Buds Plusと同等の価格で、ほとんどの面で遜色ない。最も注目に値するのは、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能が搭載されたことだ。このAmazonの最新製品は、最良のANCを提供しているわけではないし、他に最高レベルのものを備えているということもないが、価格面ではバランスの取れたサービスを実現している。

Alexaで経験してきたように、Apple、Google、Samsungといった自社のハンドセットに直接接続するデバイスを構築できる企業と競合するにあたり、Amazonは不利な立場にある。同社はこれまでのところ、独自の端末を開発しようとする試みに失敗しており、差別化のための別の方法を模索せざるを得なくなっている。

それは主にAlexaを象徴している。そして実際のところ、Echo Budsは同社のスマートアシスタントを充実させるもう1つの方法である。組み込みのAlexaは、そのエコシステムにすでに投資しているユーザーにとってはセールスポイントだ。私はGoogleアシスタントを好む傾向がある。特にGoogleの他のソフトウェアと統合されていることを勘案すればなおさらだが、多くの意図や目的において、そのパーソナルアシスタントは互換性が高い。

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新しいBudsは前機種よりかなり小さくなっているが、実際は小さいとは言えない。まだ少しかさばるし、室内で使っているときには問題はなかったが、週末に出かけた5マイル(約8km)の散歩では何度か緩んでしまった。そうした場合は、シリコン製のカバー(ウィングチップ)を装着するのがいいだろう。運動することを考えた場合にも、それがおそらく最適な選択肢だ。

しかし、ここでデザイン上の奇妙な見落としを発見した。カバーを付けると充電ケースが完全に閉じない。カチッと閉まらず、充電が微妙であることを昨晩痛感した。実際、右耳には「バッテリーが10%以下」という警告が表示され、左耳は90%台後半となっていた。ウィングチップを使うことになった場合は、ワークアウトの後に外すのがベストだ。また、あまり長く使いすぎると少し窮屈に感じてくる。

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TechCrunchのライターMattが最近指摘したように、このケースはAppleに強く触発されている。2つを並べれば違いは顕著になるものの、似ていることは否めない。

ケースは長めで、手触りは少し安っぽく感じる。形状が違うだけに、縦にまっすぐ収まるというメリットもある。このため充電ポート(USB-C)は、底面ではなくケースの背面に位置している。ワイヤレス充電ケースのオプションもあるが、20ドル(約2180円)プラスになる。ケースの上にはAmazonの矢印のロゴが施されているが(同社のブランディング力はあまり高くないかもしれない)、その印象はさりげなく最小限に抑えられている。イヤフォンにも目立たない程度に矢印がついている。

Amazonから届いたのは「グレイシャーホワイト」で、実際には薄いグレーだ。これもAirPodsとの違いが顕著な点だろう。Appleのデザインとの差別化を図る巧妙な手法なのだろうか?何とも言えない。

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ペアリングはかなり簡単に行える。AirPodsをiPhoneで、Galaxy BudsをSamsungで使うような感覚ではないが、Alexaアプリを何回かタップするだけだ。すべてのAlexa対応デバイスで実行するすべてのことに対してゼロ地点として機能する。しかし、ある時点で、アプリを少し分割したいと思うようになるかもしれない。もろ刃の剣とも言える。あまり多くのアプリは必要ではないのに、現時点でかなり騒がしい感じがある。

Budsを開いてペアリングすると、デバイスが前面に表示される。タップして、ANCモードとパススルーモードを切り替えたり(困ったことに筆者がBuds装着時に使わなかったモードがデフォルトになることがしばしばあった)、マイクのオン/オフを切り替えたり、オプトインのワークアウトモードを開始したりできる。より一貫性のあるワークアウトのトラッキングを求めている人にとっては、バンドや腕時計のような常時装着型のウェアラブルの方が好ましいだろう。

以前のモデルに比べて音が良くなっている。ノイズキャンセリングと同じように、より高価なシステムではより高音質の音を得ることができるが、この価格帯では、音楽、ポッドキャスト、通話などに安定した音質が得られる。デフォルトでは低音への依存度が高すぎて好みに合わなかったが、数回タップするとイコライザーのスライダーが表示されるので、そこで調整が可能だ。

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Bluetooth接続はかなり安定している。iPhoneを1カ所に置いた状態で家の中を歩き回ることができた。しかし屋外で長い距離を歩いていると、左右の間で時折同期の問題が起こり、エコーが生じた。また、耳から外したときにすぐにスイッチが切れるわけではないので、隣り合わせにして持つと鋭いフィードバックが返ってくる。

バッテリーはBuds本体で最大5時間(ANCオフなら6時間30分)、ケースに入れると15時間になる。AirPodsとAirPods Proではそれぞれ4時間30分と5時間、ケースを装着した場合は24時間だった。ケースに1度か2度入れておけば、丸1日使用できた。

新しいEcho Budsは、ほぼすべてのレベルにおいて以前のものよりアップグレードされており、中価格帯の堅牢なイヤフォンに仕上がっている。実際のところは、前の世代が失敗した「要因」の観点においてあまり対処されていない。Amazonにとっては、Alexaをより多くの製品に搭載することだろう。消費者にとっては、答えはそれほど単純なものではない。

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

ガジェット用フレキシブル太陽電池のExegerが41.7億円を調達、搭載ヘルメットとワイヤレスヘッドフォンが発売予定

光だけでガジェットを動かすのに十分な効率を誇るフレキシブル太陽電池技術「Powerfoyle」を10年以上にわたり開発してきたスウェーデンのExegerが、製造能力を拡大するために新たな資金を投入し、同国に第2工場を開設する。

今回調達した3800万ドル(約41億7000万円)のうち、2000万ドル(約21億9000万円)はSwedbankおよびSwedish Export Credit Corporation (SEK) からのデットファイナンスで、その内訳はSwedbankが1200万ドル(約13億2000万円、一部はスウェーデンの公的輸出信用機関[Export Credit Agency、EKN]が革新的企業向け投資信用保証の下で引き受け)、SEKが800万ドル(約8億8000万円、一部は汎EUの欧州投資基金[European Investment Fund、EIF]が引き受け)。残りの1800万ドル(約19億7000万円)はIlija Batljan Invest ABへの新株発行によるものである。

93万7500株の発行価格は1株19.2ドル(約2100円)で、これは同社の事前評価額8億6000万ドル(約940億円)に相当する。

SoftBankも2019年、Exegerに1000万ドルを2回に分けて総額2000万ドルの投資を行なっている。これは同社の技術の世界展開を加速し、太陽エネルギーへのさまざまな投資をさらに拡大するための戦略的パートナーシップである。

このスウェーデンの会社はこれまでにも、太陽電池技術の開発を目的として2014年に同国のエネルギー機関から融資を受けている。しかし、今回の資金調達ラウンドは商業ベース(EKNとEIFが一部引き受けているが)では初めてのものだ。

Exegerによると、同社の太陽電池技術は多様な形状や色彩にプリントすることが可能な唯一の技術であり、同社のPRの言葉を借りれば「あらゆる製品を無限のパワーでシームレスに強化できる」という。

現時点では、2つのデバイスがPowerfoyleの技術を統合している。1つは安全テールライトが統合された自転車用ヘルメット(POC)と、もう1つはワイヤレスヘッドフォン(Urbanista)だ。いずれも現時点では商用化に至っていないが、2021年6月から発売を予定している。

Exegerは、ストックホルムに建設予定の第2工場で2023年までに生産能力を10倍に拡大できるとしている。より広範な市場を早期にターゲットとし、自社技術の大量採用を加速するのが狙いだ。

同社が現在ターゲットとしている新規太陽電池技術の主な市場は、家電製品、スマートホーム、スマート職場、IoTなどである。

さらに多くのデバイスとの提携が2021年中に予定されている。

ExegerのPowerfoyle太陽電池はUrbanistaのヘッドフォンに統合されている(画像クレジット:Exeger/Urbanista)

「私たちはラウンドにラベルを付けることなく、資金調達に関するより現実的な視点を有しています」と創業者でCEOのGiovanni Fili(ジョヴァンニ・フィリィ)氏は語っている。「新技術や新規エネルギー源の開発、新たな産業の基盤の構築には時間を要します。そのため、私たちのような会社にはビジョンと全体戦略に賛同する長期的な戦略投資家が必要です。当社はこのことに多くの時間とエネルギーを費やしてきましたが、それが実を結びました。発明を商業的に立ち上げるために必要なリソースが、時間と資金の両面で会社にもたらされたのです。それが現在の私たちの状況です」。

フィリィ氏はまた「実現性を確信した」今、デットファイナンスを行うことを選択したと言い添えた。

「海外ではなくスウェーデンのストックホルムに新工場を建設する理由を尋ねられたときの答えと同じものです。当社はかねてより、商業化されれば次の工場の資金を確保する際にバランスシートの有効活用を開始すると述べてきました。SwedbankおよびSEKとの長期的な関係、そして融資の一部をEKNが引き受けてくれたスウェーデン政府の多大な支援のおかげで、これを前進させることができました」と同氏は続けた。

6月に発売される2つのデビューデバイスであるPOCのOmne EternalヘルメットとUrbanistaのLos Angelesヘッドフォンについて話をする中で、フィリィ氏はこのセルフパワー製品への関心は「私たちの期待を超えた」と述べている。

「Powerfoyleを搭載した製品は、室内灯でも自然の屋外灯でも、あらゆる光の下で充電可能です。光の強度に応じて充電速度が速くなります。例えば、POCヘルメットには安全灯を充電するUSBポートはありません。周囲の光が充電を維持するからです。自転車に乗っているときもそうでないときもです」と同氏はTechCrunchに語った。

「UrbanistaのワイヤレスヘッドフォンLos Angelesはすでにオンライン上で大きな関心を集めてます。屋外で1時間を過ごせば、3時間のバッテリー駆動時間を確保できます。つまりほとんどのユーザーは、充電の心配をする必要はありません。製品が明るい場所にある限り、どのような光でも常に充電可能です。これが当社の技術の重要な側面の1つであり、人々が必要とする場所で機能するように太陽電池を設計、開発してきました」。

「2021年は当社の商業的躍進の年です」と同氏は声明で付言した。「POCとUrbanistaの製品リリースが示すすばらしい反応は、今がセルフパワー製品を世界に紹介する絶好のタイミングであることを明確に物語っています。

2030年までに10億人の人々の生活に貢献するという当社のビジョンを実現するには、大量生産が必要です。そしてそれが現在、当社が工場の建設を進めている理由です」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

アマゾンの最新Echo Buds 2は恥知らずなアップルの模造品

これがAmazon(アマゾン)の最新ハードウェア製品で、デザインを一新したAlexa(アレクサ)のワイヤレスイヤフォンだ。TechCrunchはこの発表を取り上げ、スペックと機能を紹介した。もちろん動作も問題ないだろうが、そのケースのデザインはApple(アップル)のAirPod Proをそっくり真似ている。

これはただの怠慢だ。

アマゾンは長い間、他の製品の類似品、模倣品、クローンを販売し宣伝してきた。同様に、アマゾンは同じ行為をしたとしてサードパーティーの販売業者を訴えている。同社はまた、企業に投資し後にその製品のクローンを作ったとして非難されている。2020年にJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)CEOは議会の公聴会でこの件について証言したが、同社がこのプロセスを終わらせる保証はない。多くの場合、アマゾンがコピーする製品は同社のような巨大企業と戦うためのリソースを持たない、小さなスタートアップのプロダクトだ。

関連記事:アマゾンのAlexaイヤフォンの新モデルEcho Buds2はさらに小型化、ワイヤレス充電対応

2021年3月、カリフォルニアに拠点を置くPeak Design(ピークデザイン)は、アマゾンがピークデザインのトップ製品の1つを堂々とコピーしたことをYouTubeで抗議した。同社が指摘しているように、アマゾンのコピー商品は低品質な素材で作られた安価な模造品であり、ピークデザインのように倫理的な製造方法を採用していない。動画は瞬く間に拡散し450万回以上視聴され、アマゾンのいかがわしい慣行を浮き彫りにした。

最新のEcho Budsでは、アマゾンは小さなスタートアップではなく、マーケットリーダーをコピーした。要約すると、1兆ドル(約110兆円)以上の企業価値を持つ同社が2兆ドル(約220億円)の企業価値を持つアップルのベストセラー製品と、本質的に同じように見える製品をリリースしたということだ。

Echo Budsはアップルの250ドル(約2万7000円)のAirPod Proよりもずっと安い。標準のEcho Budsは100ドル(約1万1000円)、ワイヤレス充電機能つきのEcho Budsは120ドル(約1万3000円)だ。アマゾンがコピーしたのは、どこにでもあるAirPod Proケースだけだ。

ここでは消費者が敗者となる。多くの国よりも多くの資源を持っているため、アマゾンは世界レベルの製品を生産することができるが、ライバルの市場をリードする製品をコピーすることにした。結局のところトレンドを作るよりも、トレンドを追う方が簡単(かつ安価)なのだ。

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(文:Matt Burns、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アマゾンのAlexaイヤフォンの新モデルEcho Buds2はさらに小型化、ワイヤレス充電対応

Amazon(アマゾン)が最初のEcho Budsを発売してから、約1年半になる。TechCrunchは製品をレビューしたが、その評価はそれなりだった。Echo Budsは若干安かったものの、この分野では厳しい競争に晒されており、正直なところ、Alexa(アレクサ)を頭部に装着するというアイデアは、私にとってあまりエキサイティングなものではなかった。

しかし、この分野での最初の試みとしては悪くなかった。そしてアマゾンは今回、最初の製品にいくつかの微調整を加えて、2度目の挑戦をしている。1番のポイントは、20%の小型化と軽量化を実現した新デザインだ。ノズルが小さくなりイヤーチップが4サイズになったことで、より長時間快適に装着できるはずだ。また、イヤフォンはIPX4の耐汗性と耐候性を実現している。

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アマゾンは前モデルに採用されていたBose(ボーズ)のノイズキャンセリング機能から独自の技術に移行し、初代モデルと比較して2倍の効果があるとしている。また、AirPodsのようにQiによるワイヤレス充電に対応したケースも、オプションで用意されている。特に白いケースは、かなり見覚えがある。

関連記事:AirPods Proはワイヤレスイヤホンの価格水準を引き上げる

このケースは120ドル(約1万3000円)と、USB-Cケースよりも20ドル(約2200円)高い。なお、アマゾンは標準ケースを100ドル(約1万1000円)、ワイヤレス充電ケースを120ドルで販売するキャンペーンを実施している。また、Amazon Music UnlimitedとAudible Plusを6カ月利用できる特典も付属する。新型イヤフォンにはホワイトカラーも用意されている。製品は米国時間4月14日から予約受付を開始し、5月に出荷が開始される。

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今後のソフトウェアアップデートでは、ヘッドフォンに新しいVIPフィルターが搭載される予定だ。Echo Frameでも導入されたこの機能では、ユーザーは特定の送信者からの通知をフィルタリングできる。またAlexaだけでなく、SiriやGoogle アシスタントにもアクセスできるように設定できる。

関連記事:Amazon Echo Budsはノイキャンワイヤレスの価格破壊

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(文:Matt Burns、翻訳:塚本直樹 / Twitter

高機能マスク「Xupermask」が商品化、換気ファン・HEPAフィルターやノイキャン対応イヤホンを搭載

高機能マスク「Xupermask」が商品化、換気ファン・HEPAフィルターやノイキャン対応イヤホンも搭載

Xupermask

実業家としても知られるミュージシャン will.i.am が、デュアル換気ファンや交換可能なHEPAフィルタ、アクティブノイズキャンセル対応イヤホンを組み合わせた高機能マスク『Xupermask』を商品化しました。当然(?) LEDで光ります。

デザインを手掛けたのは映画バットマンやスパイダーマン等の衣装で知られるコスチュームデザイナー ホセ・フェルナンデス氏。映画『トロン:レガシー』に出演したダフト・パンクのヘルメットや、SpaceXの有人宇宙船Falcon 9用宇宙服も担当しています。

高機能マスク「Xupermask」が商品化、換気ファン・HEPAフィルターやノイキャン対応イヤホンも搭載

Xupermask

見た目だけのアクセサリというわけでもなく、HEPAフィルタや換気ファンといったマスクとしての機能については、航空宇宙事業から産業用・家庭用の空気清浄機も手掛けるハネウェルとのパートナーシップによる製造です。

イヤフォンはBluetooth 5.0通信とアクティブノイズキャンセリングに対応。マイクはマスクを着けたままでもクリアに通話できるよう、マスク内の音を拾う構造になっています。

全体としては、柔軟なファブリック素材のマスクと、口と鼻を覆う部分は密閉性を高めるシリコン製の樹脂素材に換気ファンとHEPAフィルタ、LEDライト等とバッテリー内蔵、さらに個別に外せるイヤホンから構成されています。

マスク自体は換気フィルタ部分の重さや長時間の着用を考慮して、耳掛けではなく後頭部まで回すバンド式。イヤホンは取り外したときもポケットにしまう必要なく、マスクに固定できます。カラーはブラックとホワイト。

高機能マスク「Xupermask」が商品化、換気ファン・HEPAフィルターやノイキャン対応イヤホンも搭載

Xupermask

will.i.am は人気グループ BEP (Black Eyed Peas)のフロントマン。成功したミュージシャンが自身のパブリシティと資金調達力を活かして起業にも手を出すのはよくある話ですが、will.i.am は重度のテクノロジー愛好家・ガジェットおたくとしても知られています。

これまでもインテルの「クリエイティブイノベーションディレクター」に就任したり、自身のテクノロジー企業 i.am+ を通じてヘッドフォンやスマートウォッチなどの製品をリリースしてきました。Xupermask のイヤホン部分は、以前 will.i.am が自身のブランドで販売したワイヤレスイヤホン BUTTONS に似た形状です。

高機能マスク「Xupermask」が商品化、換気ファン・HEPAフィルターやノイキャン対応イヤホンも搭載

Xupermask

Xupermask は公式サイトを通じて299ドルで販売予定。読みは普通に「スーパーマスク」のようです。

XUPERMASK – Modern tech for the modern world

Engadget日本版より転載)

カテゴリー:ハードウェア
タグ:ガジェット(用語)デザイン / デザイナー(用語)ファッション(用語)ヘッドフォン / イヤフォン(用語)

OnePlus創業者カール・ペイ氏のNothingがパイプから発想を得た「Concept 1」ワイヤレスイヤホンを披露

OnePlusの共同創業者であるCarl Pei(カール・ペイ)氏はここ数ヶ月の間に、彼の「Nothing」というコンセプトを、最近の記憶ではもっともバズっているハードウェア企業の一つへと変えてのけた。これは、どんな製品を提供していくかについての情報がほぼゼロに近かった企業にとって、離れ業と言うしかない。同社は先月、GVが主導した1500万ドル(約16億円)のシリーズAを含む約2200万ドル(約24億円)の資金を調達している

Nothingは先日、最初の製品となるワイヤレスイヤホンをこの夏にリリースすると発表した。自称「境界破り」のスタートアップにとっては、馴染みのある飽和状態のカテゴリーだ。もちろん、2014年のOnePlus Oneの発売前には、多くの人々がスマートフォンについて同じことを言ったが、そちらの事業はかなりうまくいっているように見える。

米国時間3月9日のブログ記事の中で、ペイ氏はNothingの理念をもう少し詳しく説明するとともに、まもなく発表される同社の最初の製品の先駆け、「Concept 1」に触れた(next to Nothing、なきに等しい、と呼ぶべきか)。このエントリーでは、Apple(アップル)のように大げさな言葉遣いで同社の計画が概説されているが、突き詰めていくとペイ氏は、ある意味クパチーノへのアンチテーゼのようなアプローチを示している。

この製品は半透明のデザインで、「スクリーンも専用デバイスもなく、ほとんど目立たないさりげない技術で、より人間らしく生きる力を与えてくれる」というアプローチで作られているという。スクリーンなし、という部分を信じるとすれば、同社はEssential IPを買収したにもかかわらず、Nothingが近々スマートフォンを発売する予定はないようだ。

もう一つ面白いパズルのピースは、身近なものからのインスピレーションだ。「Concept 1は、祖母のたばこパイプからインスピレーションを得ています」とのこと。 同社は2月下旬にスウェーデンのTeenage Engineering(ティーンエイジ・エンジニアリング)との提携を発表しており、同デザインハウスのCEOであるJesper Kouthoofd(ジェスパー・クースフッド)氏がNorhingのデザインリーダーとなっている。

Nothingが、リリース前のハイプサイクルを最大限に活用したことは評価されるべきだろう。いくつかの堅実な資金調達と、ペイ氏がOnePlus時代に築き上げた多くのファンの善意の間で、同社の最初のリリースは、今年もっとも待ち望まれているハードウェア発表の一つになりそうだ。ワイヤレスイヤホンで、これはなかなかの快挙といえる。

関連記事:Appleが「耳」の健康に関する研究結果を公開

カテゴリー:ハードウェア
タグ:イヤフォン

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

Appleが「耳」の健康に関する研究結果を公開

去る2019年、Apple(アップル)はResearch(リサーチ)を公開した。そのアプリはAppleがユーザーの健康に一層真剣に取り組むことを目指したもので、(当然ながら)iPhoneとApple Watchから集めたデータに基づいている。アプリは4部門の研究対象とともにスタートした。心臓の健康、女性の健康、運動および聴覚だ。

米国時間3月2日、同社は ミシガン大学公衆衛生学部と協力して、聴覚の研究結果を発表した。この日はWorld Hearing Day(国際耳の日)の前日にあたる。聴力の喪失は同社が力をいれている問題であり、ヘッドフォン分野への関わりが益々大きくなっていることが主な理由だ。

ヘッドフォンは、その普及とともに長期的聴覚障害の主要原因になっている。Appleは、同社のモバイルOSに騒音レベルの測定機能を組み込み、周囲の騒音が大きいときに警告できるようにした。この情報はヘルスアプリにも組み込まれ、ヘッドフォンと環境音両方の音量を表示する。後者も程度こそ低いが聴覚障害の要因の1つだ。

Appleの米国内「数千人」を対象とした研究によると、回答者の1/4がWHO(世界保健機構)の推奨する1日当たりの環境騒音暴露制限を超えていた。また50%が騒がしい環境で働いているあるいは働いていたと答えた。多くの人々がパンデミック下で在宅勤務に移行したにもかかわらず、その数値は大きい。

「パンデミックで多くの人々が在宅する中でも、被験者の25%が高い環境騒音への暴露を経験しています」とミシガン大学のRick Neitzel(リック・ナイツェル)准教授がこのニュースを伝えるリリース文で語った。「この研究結果は害を与える恐れのある暴露に対する我々の理解を深め、積極的に聴覚を保護する方法を見つけるのに役立つでしょう」。

なお、調査対象者の10%が1週間当たりの推奨ヘッドフォン利用時間を超過しており、1/4が週に数回以上耳鳴りを経験していた。

関連記事:iPhoneとApple Watchで健康調査に参加するための「Apple Research」アプリが米国で公開

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Apple聴覚ヘッドフォン

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ゼンハイザーがカスタムイヤフォン作成で3DプリントのFormlabsと提携

3Dプリントは過去10年で大きな進歩を遂げたが、この技術が主流になるかどうかについてはまだ疑問が残っている。一方で医療機器は大量生産されておらず、高度なパーソナライズが必要とされるため、非常に説得力のあるユースケースとなっている。たとえば矯正歯科などは、そのスイートスポットに該当するものの好例だ。

オーディオにもまた、多くの可能性が秘められている。たとえば装着者の耳のためにカスタムデザインされたイヤフォンを想像してみよう。この技術はこれまではハイエンドモデルでは利用できていたが、3Dプリントはこの技術をより幅広く普及させられるようになる可能性がある。

Sennheiser(ゼンハイザー)は今週、カスタムイヤフォンの3DプリントにFormlabsの技術を活用するパートナーシップを発表した。具体的には、ゼンハイザーは主に歯科用途に利用されている生体適合性材料のForm 3Bを使用する予定だ。製品の詳細は明かされていないが、同社のAMBEO部門がこの技術を使ってカスタムイヤフォンのイヤーチップを作成する予定だという。ユーザーはスマートフォンで自分の耳をスキャンし、それを送ってイヤーチップをプリントしてもらうことができる。

画像クレジット:Sennheiser

「Sennheiserとの技術提携は、製品開発においてよりカスタマイズされたユーザー中心のアプローチを可能にし、顧客が好きなブランドとの関わり方を変えることを目指しています」と、Formlabsのオーディオ部門を率いるIain McLeod(イアン・マクロード)氏はリリース文で述べている。「Formlabsは幅広い業界知識とスケーラブルなソリューション開発により、ユーザーに具体的なイノベーションを提供します。今回のケースでは、SennheiserのAMBEOチームと協力して他に類を見ないアクセス性の高いカスタムフィットエクスペリエンスを提供しています」。

製品はまだプロトタイプ段階だ。このような提携はヘッドフォンメーカーにとっては簡単なことのように思えるが、価格や拡張性などいくつか大きな問題点もある。明らかにこのような製品は標準的なイヤフォンよりも高価だが、このような目新しさを考えれば高価すぎるわけではない。

リリースでは「手頃な価格でシンプルなソリューションが、カスタムフィットイヤフォンを大量に3Dプリントすることを可能にしました」と述べている。それが本当に手頃な価格になるのかは、今後を見守る必要がある。

関連記事:大音量と自然な静音を両立させたノイキャンヘッドフォン、おすすめトップ3

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Sennheiser3DプリントFormlabsイヤフォン

画像クレジット: Formlabs

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

サムスン Galaxy Buds Proレビュー、優れたサウンドとノイキャン性能を持つAirPodsの強力なライバル

ワイヤレスイヤフォンで興奮するのは久しぶりかもしれない。メーカー側で展開が乏しかったからではない。実際はその逆だ。家電分野において、ワイヤレスイヤフォン部門は他のカテゴリーに比べてとても早く成熟した。大半の大手ハードウェアメーカーはワイヤレスイヤフォンの開発にしっかりと取り組み、それらの多くはかなり安い。

Samsung(サムスン)がこの部門に参入してしばらく経つ。同社に借りてこれまでに試したいくつかのモデルを気に入っていた。音質は良く、かなり快適で、全体的に万能だ。実際、商品を試して最後に筆者が提起した問題の1つは、SamsungがApple(アップル)のAirPods ProやSony(ソニー)のWF-1000XM3に匹敵するプロダクトを展開していないということだった。

そのラインナップ上の穴が、Galaxy Buds Proによって埋められた。Galaxy Buds Proは、Galaxy Buds LiveやGalaxy Buds+よりも上位となるハイエンドモデルだ。ネーミングの慣行はもう少しなんとかしても良さそうだが、全体においては些細な不満だ。Buds Proの価格は199ドル(約2万600円)で、Buds Liveより30ドル(約3100円)、 Buds+より50ドル(約5200円)高い。さらに重要なことに、Buds Proと最も類似しているAirPods Proと比べても50ドル安い。

AppleのAirPods Proと同様、Galaxy BudsはSamsungのデバイスと連携するよう特別に設計されている。他のAndroidデバイスともペアリングできるが、この場合ソフトウェアインテグレーションの重要な部分を使えない。これは正直なところ、どのスマホメーカーも自前のヘッドフォンを開発するという流れが今後主流になるということのようだ。そしてもちろんSamsungは、そうすることが合理的であるといえるだけの十分なマーケットシェアを持っている。

もしあなたが他のAndroidデバイスでGalaxy Budsを使いたいなら、Galaxy Wearablesアプリをダウンロードすることでペアリングできる。アプリを使わずにマニュアルでもペアリングできるが、その過程でかなりの機能を失うことになる。従来のGalaxy Budsモデルと同様に、ケースにはペアリングのための物理ボタンがない。

数世代のデバイスを展開し、Samsungは確かに基盤を整えた。そして2017年のHarman / AKG買収は明らかに一定の品質のオーディオアクセサリーを開発する能力において重要な役割を果たした。そのすべてがここに集結している。Samsungはデザイン面で確かな選択をした。充電ケースはかなりコンパクトだ。実際、筆者はパッケージを開けたときに少し驚いた。AirPodsケースほどの長さはないが、少し分厚い。いずれにせよ、Powerbeats Proと違って持ち歩くには十分コンパクトだ。

サイズを考えたとき、バッテリーのスペックはかなり印象的だ。Samsungによると、イヤフォン本体で5時間駆動し、ケースを使うと18時間となる。アクティブノイズキャンセリング(ANC)とBixbyをオフにすると、イヤフォンの駆動時間は8時間に、ケースを使った場合は28時間に延びる。筆者の場合、午前中の長い休息時にケースへの収納の心配をすることなくBuds Proをたっぷりと使えたといっておこう。他のワイヤレスイヤフォンではそうはいかない。

Buds Proは11mmのウーファーと6.5mmのツイーターを内蔵する。音楽あるいはポッドキャストを聴くときサウンドは全体的にうまく組み合わされている。もし音にこだわりがあるなら、アプリにあるイコライザーを触るといい。スライダーではなく6つのプリセットが用意されていて、完全自在に調整できるわけではない。しかしアプリでいじり回す必要性を筆者は感じなかった。

ANCもしっかりしている。この機能をオフにするまで、通りの騒音をかき消すのにいかに役立っているか筆者はさほど認識していなかった。オフにするには側面のタッチパネルを長押しするか、アプリで操作する。タッチパネル長押しではANCとトランスペアレントモードの切り替えや途中でのオフモードのスキップがデフォルトでできる。イコライザーのようにANCの程度も調整できる。

もしあなたが真のSamsungファンなら、Seamless Switchも使える。電話がかかってきたときにタブレットとスマホの間で切り替えできるものだ。気が利いたその他のSamsung特有の機能にはGalaxy S21でのビデオ撮影時に、イヤフォンを間に合わせの小型マイクのように使うことができるというものがある。置き忘れたBuds Proを探すのにSmartThingsアプリを使うことも可能だ。

イヤフォンそのもののデザインは、かなり豆に似ているBuds Live以来、流線型になっている。プレッシャーを和らげるために耳と接触するエリアを最小化するようデザインされている、とSamsungは話す。みんなが購入前にあらゆるイヤフォンを試せないのは残念だ。どれくらい自分の耳にフィットするかは、明らかに極めて個人的なものだからだ。

ただ、Buds Proを長い間装着すると、筆者の片耳が痛む傾向にあるのに気づいた。AirPods ProやPixel Budsではなかった問題だ(この点においては Powerbeats Proも素晴らしい)。そして半ば定期的にBuds Proをいじって、その過程でタッチメカニズムを起動しているのに気づいた(これはアプリでデフォルトオフにできる)。

Galaxy Buds Proでの筆者の問題のほとんどはかなり些細なものだ。もしあなたがSamsungユーザーならラインナップに加えるのに値する商品であり、素晴らしいイヤフォンだ。

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タグ:SamsungGalaxyGalaxy Budsイヤフォンレビュー

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(翻訳:Mizoguchi

サムスンがAirPods対抗のワイヤレスイヤフォンGalaxy Buds Pro発表、約2.1万円でリーズナブル

リーク前から、Galaxy Buds Proが登場することはみんな知っていた。Apple(アップル)のAirPods Proに負けないよう、Samsung(サムスン)が音質とアクティブノイズキャンセリング(ANC)を向上させることも折り込み済みだった。しかしここでの真の秘密兵器は価格だろう。

米国時間1月14日朝に行われたGalaxy S21の発表で、Samsungはワイヤレスイヤフォンのフラグシップモデルの価格を200ドル(約2万1000円)以下に抑え、AirPodsの希望価格よりも50ドル(約5200円)安く設定した。これは在庫処分の価格ではないが、199ドル(約2万1000円)というのはかなりリーズナブルだ。そしてSamsungの実績からしっかりしたものであることが期待できる。

Galaxy Buds Proのバッテリー駆動時間は5時間。ANCとBixby Voiceをオフにすると8時間になる。これくらい駆動すれば、イヤフォンなしの時間もやり過ごせる。そしてケースを使えば、駆動時間は18時間に、ANCとBixby Voiceがオフであれば28時間になる。かなり小さなケースでこの駆動時間はすごい。

画像クレジット:Samsung

デザインは、Galaxy Buds Liveのビーン(豆)デザインを改良したもので、デザインと耳の接触部分を減らすようエルゴノミックなものになっている。Samsungによると、ANCは周囲の音を最大99%遮断することができる。遮断の程度は変えられる。11mmのウーハーと6.5mmのツイーターを内蔵し、通話のためのマイクも搭載している。

スマホとタブレット間の自動切り替え、Dolbyヘッドトラッキング、Galaxy S21でのビデオ撮影のためのマイク機能など、Samsungデバイス向けの特別な機能もある。

Galaxy Buds Proは3色展開で、注文の受け付けは始まっている。米国時間1月15日発売。

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画像クレジット:Samsung

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(翻訳:Mizoguchi

Boseの最新睡眠イヤフォンSleepbuds IIは現時点で最も洗練されている

2020年は睡眠という点で不思議な年だった。筆者の睡眠レベルは「少なすぎる」と「多すぎる」の間を行ったり来たりしたが、多くの場合、前者に近づく傾向があった。2020年は、個人的なストレスからより大きな社会的懸念まで、睡眠不足のいい訳に事欠くことがなかった。

そしてありがたいことに、過去数年間、不眠の問題に対する技術的解決策が不足することもなかった。もちろん、時として根底にある問題を特定するのは難しいし、治すのはさらに難しい。特効薬はない。筆者がこの仕事でいつも得ている教訓だ。1つのテクノロジーですべての病気を治すことはできない(何年にもわたる大がかりで高額の治療で解決できないことは何もないと確信している)。

スリープイヤフォンはそれ自体新しい現象ではまったくない。Bose(ボーズ)は2018年半ばに本格的にこの分野に参入し、このカテゴリーに洗練された(そして高価な)アプローチを提示した。同社は、たとえばオーバーイヤーソリューションを提供するKokoon(コクーン)とはまったく異なる方向に進んだ。

Sleepbudsはその名が示すように完全ワイヤレスのイヤフォンだ。第2世代のこの製品は、Boseがオリジナルで抱えていた大きな問題をいくつか克服した。その中にバッテリーに関する深刻な苦情もあった。250ドル(日本では税込3万3000円)のイヤフォンへの影響はかなり大きく、それは文字通りひと仕事だった。

バッテリーと接続に関する苦情は、こう表現しても良いと思うが、すぐに解決されたようだ。筆者が数週間、就寝時に着脱したユニットは現在大きな接続の問題はない(電話をベッドの近くに置いているものと仮定する)。概ねバッテリーは一晩中もち、残量は20%弱となる。目を覚ましたらケースに入れて、数時間で充電される。

画像クレジット:Bose

とにかく作りはしっかりしている。会社名とそれから連想する価格からそう期待されているはずだ。スライド式のフタがついたランプ内蔵の金属製充電ケースからイヤフォン自体まで、デザインを全体的にきちんと掘り下げて見ていきたい。ささいなことが眠りの大きな障害になると思う人間として、筆者はイヤフォンが煩わしく感じられないことに好意的に驚いた。イヤフォンは快適に耳に滑り込み、耳と同じ高さに保たれるため、何かに引っかかることはない。柔らかくてゴムのようなウイングも、イヤフォンを所定の位置に保つ素晴らしい仕事をしている。

イヤフォンの最大の制限は、実際にはデザインによるものだ。オリジナルと同様、Sleepbuds IIは付属のアプリでのみ動作する。アプリでイヤフォンをペアリングして位置を特定し、Boseの音楽ライブラリーを提供する。同社のスリープサウンドのキュレーションは全般的に成功している。サウンドは、雨や風のような自然の音から、同社が選んだアンビエントトラック(環境音楽)まである。毎晩「Moby Dick(白鯨)」を読みながら海の音を聞く習慣がついた。とにかくこれは眠りにつくかなり良い方法だ。

機能をある程度限定するという判断を評価したい。筆者はおそらく、デバイスでポッドキャストやテレビ番組を聴き始めると思う。だが、バイノーラルビートやアンビエントセレクションなどにより、イヤフォンで何が達成できるのかを見極めたい。究極的には、消費者に選択肢を与えることは正味ではプラスになると思う。

とはいえ、イヤフォンは限られた(しかし拡大する)サウンドライブラリーに対応できるよう調整されている。アクティブノイズキャンセリングはないが、イヤフォン自体のパッシブキャンセリングとオンボードサウンドが、環境ノイズやいびきなどをうまく遮断する。おそらく、たとえば建設現場の騒音には適さないが、睡眠を妨げる微妙な障害にはうまく機能する。また長距離フライトにも適している。再開された時には。

睡眠市場向けイヤフォンは現在何点かあるが、Boseは現時点で最も洗練されたパッケージだと思う。価格は当然のことながら多くの人にとって障壁となると思われる。そして限られたサウンドライブラリーが断念する理由になる人もいるだろう。だがお金があり、眠りにつくのが難しいなら検討する価値がある。

関連記事:ボーズが睡眠に特化したイヤフォン新製品「Sleepbuds II」を発表

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タグ:Boseレビューイヤフォンレビュー

画像クレジット::Bose

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(翻訳:Mizoguchi

Qualcommのワイヤレスイヤフォン用新チップセットはノイキャンの向上と1日持つバッテリーを約束

現在、ワイヤレスイヤフォンの種類は非常に多く、追いかけていくのは大変だが、このビジネスに参入する新規および既存のメーカーが爆発的に増えた理由の1つは、Qualcomm (クアルコム)のBluetooth(ブルートゥース)オーディオSoC(QCC5100とQCC30xxシリーズなど)の登場である。そのQualcommが、米国時間12月16日、ワイヤレスポートフォリオに最新チップセットQCC305xを追加した。

当然のことながら、前身である3コアの304xと比較して、4つのより強力なコアを持つ、さらに強力なチップだ。しかしここで本当に有望なのは、この追加の処理能力を使うことでイヤフォンメーカーが適応型アクティブノイズキャンセレーションや、Alexa(アレクサ)やGoogleアシスタントを起動するためのウェイクワードサポートといった機能を、提供することができるようになるということだ。

新しいチップセットは、QualcommのaptX Adaptive(アプトエックス・アダプティブ)をサポートしており、最大96kHzのオーディオ解像度と、3マイクのエコーキャンセリング、そして外出時にも(あるいは最近ではZoom利用時にも)クリアな通話を可能とするノイズ抑制のためのaptX Voice(アプトエックス・ボイス)をサポートしている。また、処理能力が向上したにもかかわらず、Qualcommは終日のバッテリー駆動が可能であることも約束しているが、最終的にそれに応じてガジェットを調整するのは個々のメーカーの腕次第だ。

画像クレジット:Qualcomm

また新チップセットは、これから登場するBluetooth LE Audio規格も対応するように設計されている。この新しい規格はまだ最終決定されてはいないものの、単一のデバイスから複数の同期オーディオストリームに送り出す(ワイヤレスイヤフォンに便利な)マルチストリーム機能や、周囲の人とスマートフォンからの音楽を共有できる個人的オーディオ共有のような機能を約束している。また、空港やジムといった公共の場で、Bluetoothオーディオを来場者と共有できるようにするためのロケーションベースの共有機能もある。

Bluetooth LE Audioはまだこれからの技術だが、12月16日の発表に先立って行われた記者会見でQualcommは、規格が批准されれば新しいチップはそれに対応できるようになると繰り返し強調していた。

Qualcommの副社長で、音声、音楽、ウェアラブル担当ジェネラルマネージャーのJames Chapman(ジェームズ・チャップマン)氏は発表の中で「QCC305x SoCは、当社のミッドレンジの完全ワイヤレスイヤフォンポートフォリオに、最新かつ最高のオーディオ機能の多くをもたらすだけでなく、来たるべきBluetooth LE Audio規格の開発にも対応できるように設計されています」と語った。「この組み合わせにより、メーカーのみなさまは様々な価格帯でイノベーションを起こせる素晴らしい柔軟性を手に入れることが可能になり、あらゆる種類のエンターテイメントや生産的活動を完全ワイヤレスイヤフォンに依存している、現在のオーディオ消費者のみなさまのニーズを満たすお手伝いができると確信しています」。

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画像クレジット:Ramon Costa/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:sako)