フェイスブックが「Diem」資産売却でステーブルコインの野望を断念

WSJの報道によると、ブロックチェーンベースの決済システムに取り組む企業のコンソーシアムであるDiem Association(ディエム協会)が、技術資産をSilvergate Capital(シルバーゲート・キャピタル)に2億ドル(約230億7000万円)で売却することになったという。かつてFacebook(フェイスブック)として知られていたMeta(メタ)は、同協会の創設メンバーの1つだ。Diem(ディエム)は、Facebookが暗号資産に対して行った最も野心的な賭けの象徴だった。

Bloombergも米国時間1月25日、Metaがプロジェクトの背後にいる投資家らに資本を還元する方法として、Diemの資産を売却することに取り組んでいると報じていた。

Facebookは2019年に、もともとLibra(リブラ)と呼ばれていたこの暗号プロジェクトを発表した。それ以来、Diem AssociationとFacebookはともに何度も目標を縮小してきた。当初Libraは、フィアット通貨や証券の通貨バスケットと結びついたまったく新しい通貨になるはずだった。

Libra Association(リブラ協会)は当初から、規制当局や中央銀行からの強い反対にあった。多くの人は、Libraがソブリン通貨と競合し、マクロ経済に深刻な影響を与えると考えていた。シャドーバンキングやインフレを引き起こし、金融政策から逃れる手段になると考えられていたのである。

そこでLibra Associationは、より現実的なステーブルコインのあり方に方向転換することにした。新しい通貨を一から作るのではなく、単一通貨のステーブルコインを複数発行することにしたのである。例えば、1 LibraUSDは、常に1米ドルの価値を持つことになっていた。同じことがLibraGBPやLibraEURなどにも当てはまる。

しかし、その計画は再び変更された。Libra AssociationはDiem Associationとなり、Facebookは暗号資産ウォレット「Novi(ノビ)」のパイロット版を発表した。Noviは、協会のブロックチェーン(Diemネットワーク)上の協会のステーブルコイン(Diem)を使用する代わりに、通貨としてUSDP(Pax Dollar)を使用している。このステーブルコインはPaxos(パクソス)が発行し、Coinbase(コインベース)がカストディを担当している。

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数カ月前には、Metaの暗号資産に関するあらゆるプロジェクトを主導していたDavid Marcus(デビッド・マーカス)氏も同社を去っている。WSJによると、Diemの暗号資産はまだローンチされていないが、Silvergate Capitalは同社の口座にある現金を担保にステーブルコインの一部を発行する予定だったという。

Diem Associationの資産の売却が成立すれば、Metaと同協会のパートナーたちはいくらかの資金を取り戻し、Silvergate CapitalはDiemプロジェクトをつかさどる唯一の企業となる。

現在Diem Associationに関わっている企業には、Anchorage、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)、Checkout.com、Coinbase、Iliad、Spotify(スポティファイ)、Uber(ウーバー)、Union Square Venturesなどがある。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

IBMが医療データ管理「Watson Health」事業の大半をFrancisco Partnersに売却

拍子抜けするような結末だが、IBMは米国時間1月21日、Watson Health事業部門のデータ資産をプライベートエクイティ企業のFrancisco Partners(フランシスコ・パートナーズ)に売却した。両社は買収額を明らかにしていないが、以前の報道では約10億ドル(約1137億円)とされていた。

今回の取引でFranciscoは、Health Insights、MarketScan、Clinical Development、Social Program Management、Micromedex、イメージングソフトウェア製品など、Watson Health部門のさまざまな資産を取得する。これによりFrancisco Partnersは、幅広い医療データを傘下に収めることになる。

IBMは2015年にWatson Healthを立ち上げた際、データ駆動型の戦略に基づいてユニットを構築することで、この分野を支配することを望んでいた。そのために、PhytelやExplorysをはじめとする医療データ企業の買収を開始した。

その後、Merge Healthcareに10億ドル(約1137億円)を投じ、翌年にはTruven Health Analyticsを26億ドル(約2955億円)で買収した。同社はWatson Healthが人工知能(AI)の推進に役立つと期待していたが、この事業部門は見込まれていた成果を上げることができず、2019年にGinni Rometty(ジニー・ロメッティ)氏に代わってArvind Krishna(アルビンド・クリシュナ)氏がCEOに就任した際には、クリシュナ氏の優先順位は異なっていた

Francisco Partnersはこれらの資産をもとに、独立した新会社を設立することを計画している。この部門が期待通りの成果を上げられなかったことを考えるとやや意外な動きではあるが、少なくとも今のところは、同じ経営陣を維持する予定だという。

Francisco PartnersのプリンシパルであるJustin Chen(ジャスティン・チェン)氏は、新会社がその潜在能力を発揮できるよう、さらなるサポートを提供する予定だという。「Francisco Partnersは、企業と提携して部門のカーブアウトを実行することを重視しています。我々は、優秀な従業員と経営陣をサポートし、スタンドアロン企業がその潜在能力を最大限に発揮できるよう、成長機会に焦点を当てて支援し、顧客やパートナーに高い価値を提供することを楽しみにしています」と同氏は声明で述べている。

IBMがこの売却を行うのは、ヘルスケア分野が盛り上がっている中でのことだ。2021年、Oracle(オラクル)は280億ドル(約3兆1825億円)で電子カルテ企業のCernerを買収し、Microsoft(マイクロソフト)は200億ドル(約2兆2733億円)近くと見積もられる取引でNuance Communicationsを買収した。どちらの取引も規制当局の承認を得ていないが、大手企業がいかに医療分野を重視しているかを示している。

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そのため、この動きはMoor Insights & Strategyの主席アナリストであるPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏を驚かせたという。「傾向としてはより垂直なソリューションに移行しているので、非常に驚いています。それを考えると、いかに同部門の成績が悪かったかを潜在的に示しているともいえるでしょう」。

いずれにしても、今回の買収は規制当局の承認を待って行われ、第2四半期中に完了する予定だ。この取引には機密性の高い医療データが含まれていることから、さらに精査される可能性もある。

画像クレジット:Carolyn Cole / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Dragonfly)

Tencentは投資を続けつつも緊密な提携企業の株式を売却、中国政府のご機嫌とりか

Tencent Holdings Ltd.のマーティン・ラウ社長と、ポニー・マー会長兼CEO(画像クレジット:Brent Lewin/Bloomberg via Getty Images)

中国のインターネット界の巨人Tencent(テンセント)は、その膨大なポートフォリオを売却している。現地時間1月4日、同社はシンガポールのインターネット複合企業であるSeaの30億ドル(約3480億円)以上の株式を売却する計画を発表し、Seaの株式を21.3%から18.7%に切り下げ、議決権を10%以下にすることを発表した。

この動きは、TencentがJD.comの株式1600万ドル(約18億6000万円)を株主に渡すことを決定してから1カ月も経たないうちに行われた。この移行により、JD.comにおけるTencentのポジションは2.3%程度に低下することになる。この取引の一環として、Tencentの社長兼CEOであるPony Ma(馬化騰、ポニー・マー)氏の最側近Martin Lau(マーティン・ラウ)氏はJD.comの取締役を退任することになる。

中国のeコマース事業者JD.comとシンガポールのエンターテインメントとeコマースグループのSeaは、Tencentの最も重要な戦略の一部だ。同じくTencentが支援するPinduoduoが台頭する以前、JD.comは拡大するAlibabaのeコマース帝国に対するTencentの主要な防衛策だった。Seaのゲーム運営会社Garenaを通じて、Tencentが所有するタイトルは東南アジア全域で展開されている。

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Tencentは、中国の独占禁止法違反の取り締まりと「共同富裕」キャンペーンを背景にこれらの売却を行った。そのため、Tencentは政府のご機嫌を取るために、自ら強固な同盟関係を解消したのではないかという憶測が飛び交っている。この主張は、Tencentが株主へのクリスマスプレゼントとして、JD.comの株式分配を行ったことの説明にもなりそうだ。ビッグテックの影響力を抑制しようとする中国政府の取り組みに対する同様の回答として、AlibabaはTwitterに似たWeiboの株式の約30%を国営コングロマリットに売却することを検討していると、Bloombergは2021年12月に報じている。

TencentによるSea株売却の根拠は、あまり明確ではないようだ。一部の投資家は、中国からの投資に対するインドの厳しい姿勢と関連している可能性を指摘している。Seaのeコマース部門Shopeeは、インド市場に参入するための準備を進めてきた

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Tencentは、他のハイテク大手に対する影響力を減らそうとしているにもかかわらず、Tencentは全体的な投資ペースは落としていない。中国のスタートアップデータアグリゲータであるIT Juziによると、創業23年となる同社はこれまでに1200社以上に投資している。2021年だけでも278社に1300億元(約2兆3732億円)以上を投入し、過去最高を記録している。フードデリバリープラットフォームのMeituan、動画共有サイトのBilibili、Pinduoduoなど、他の主要な盟友に対するTencentの影響力を削いでいくのかはわかっていない。

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(文:Rita Liao、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ツイッターが約1210億円でモバイル広告プラットフォームMoPub売却を完了

Twitter(ツイッター)は米国時間1月3日、モバイル広告プラットフォームMoPub(モパブ)について、モバイルゲームメーカーでマーケティングソフトウェアプロバイダーのAppLovin(アップラビン)への現金10億5000万ドル(約1210億円)での売却を完了したと発表した。この取引は、Twitterが2023年までに売上高を75億ドル(約8650億円)超へと倍増させる計画を明らかにした後の2021年10月に発表されていた。MoPubはTwitterの2020年の年間売上高に約1億8800万ドル(約216億円)貢献したが、Twitterは現在、製品開発を加速させる中で他分野の開発にさらなる可能性を見出している。具体的には、パフォーマンスベースの広告、SMB、コマースにリソースを振り向けているとのことだ。

Twitterは1月3日、自社が所有・運営する製品の開発をさらに進める計画を改めて示した。

「MoPubの売却が完了し、当社は引き続きプラットフォーム全体の広告強化に注力します。当社の目標は、主要分野でより速い成長を実現し、製品開発を加速させることです」と、Twitterの収益製品担当GMであるBruce Falck(ブルース・ファルク)氏はプレスリリースで述べた。

TwitterのCFOであるNed Segal(ネド・シーガル)氏は以前、MoPubの売却により、Twitterがいかに同社のウェブサイトやモバイルアプリにおける「広告の大きな可能性」に集中できるようになるかを指摘していた

しかし今回の取引は、Twitterにとって広告だけでなく収益モデルを拡大できる新しい分野に投資する機会でもある。同社はここ1年ほどでTwitter Spacesという音声チャットルーム、ニュースレター(Revue買収による)、オンラインコミュニティ、誤情報を暴くプロジェクトBirdwatch、有料サブスクサービスTwitter BlueSuper Followやチップなどのクリエイターエコノミーツールと機能、暗号資産ライブショッピングなどのeコマースなどを立ち上げ、製品開発のペースを大幅に加速してきた。これらの製品を組み合わせることで、Twitterは、例えばチケット制イベントやサブスクの手数料など、新たな方法で売上を求める機会を増やすことができる。

MoPubの売却は、Apple(アップル)がモバイルオペレーティングシステムiOSの最新版で実施した変更によってモバイル広告業界が動揺していた時期に行われたものでもある。Appleの新しいプライバシー重視のツールにより、より多くの消費者がアプリや広告主による追跡をオプトアウトできるようになり、TwitterにとってMoPubのようなビジネスはさほど興味深いものでなくなっている。しかし、AppLovinは、MoPubの需要側と供給側のツールを、より大きなアプリ内メディエーションプラットフォームであるMAXに活用し、その後パブリッシャーと需要パートナーを統一プラットフォームに移行し、さらにビジネスを成長させすることにチャンスを見出している。同社は、2023年までに年間150億ドル(約1兆7300億円)以上の広告主支出の処理を見込んでいると話す

AppLovinによると、買収当時、MoPubのソフトウェアは4万5000のモバイルアプリで収益化の管理に使用され、特定可能なユーザー数は世界中で15億人に達した。現在では、数千のブランドや代理店を代表する150以上のDSPがAppLovin Exchangeに直接アクセスできるようになっている、とも話す。

「開発者は、より高い収益化の機会を促進し、ワークフローを合理化するためのより多くの機能の恩恵を受けていて、これはビジネスの収益増につながります。この統一プラットフォームの力は、今日の市場において比類のないものになると確信しています」とAppLovinの共同創業者でCEOのAdam Foroughi(アダム・フォルーギー)氏は声明で述べた。「より広範なモバイルアプリのエコシステムの成長を促進する、最大かつ最も堅牢なアプリ内広告プラットフォームの運営を目指し、この戦略的買収を実行することに興奮しています」。

この買収は2022年初めに完了するとされていた。

Twitterは1月3日、ネットワークメディエーション、Advanced Bidding、Marketplaceを含むMoPubのプラットフォームが2022年3月31日に廃止されることも明らかにした。MoPub DashboardとReportingは2022年4月8日まで利用可能だ。パブリッシャーは廃止から90日間内にMoPubプラットフォームからAppLovinのMAXプラットフォームへ移行することになる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが中核事業への投資を加速、モバイル広告MoPubを売却へ

Twitter(ツイッター)は米国時間10月6日、2013年に買収したモバイル広告プラットフォームMoPub(モパブ)を、モバイルゲームおよびマーケティングソフトウェアメーカーのAppLovin(アップロビン)に売却すると発表した。

Twitterは、2013年に約3億5000万ドル(約390億円)でMoPubを買収したが、今回は現金10億5000万ドル(約1170億円)で同社を売却する。MoPubによると、同社は2020年に、約1億8800万ドル(約210億円)の売上高でTwitterに貢献した。Twitterは以前、2023年までに年間収益を2倍にするという目標を掲げていた。

TwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏はプレスリリースの中で「今回の売却により、当社の収益プロダクトロードマップへのフォーカスと自信がさらに高まり、Twitterの長期的な成長を支える中核製品への投資を加速させることができます」と述べた。

TwitterのCFOであるNed Segal(ネッド・シーガル)氏は、今回の買収はTwitterが新製品の開発を急いでいる中で「巨大な」広告機会に再び焦点を合わせるための手段だと特徴づけた。シーガル氏によると、Twitterは今後、自社で運営する製品の開発を重視していくが、ここ数カ月、そのビジョンに合致した企業の買収に幅広く投資しているようだ。

Twitterはこれまで、ほとんど問題なく事業を進めてきたにもかかわらず、2021年に入ってビジネスを大きく変える動きをいくつも見せてきた。立て続けにプロダクトをリリースする中で、TwitterはSuper FollowsTicketed Spacesなどの機能により、クリエイター経済の爆発的な成長を利用した新たな収益源を模索しているが、これらのプロダクトの浸透は今のところ限定的だ

Twitterは2021年、広告なしの読書ツールScroll(優れていたが今はないニュースアグリゲーターNuzzelを含む)や、人気のニュースレタープラットフォームRevueなど、新しい方向性を示す多くの買収を行った。

Twitterはまた、Clubhouseのようなオーディオルームや、新しい関心事ベースのコミュニティを立ち上げ、プラットフォームを害のない快適に過ごせる場所にするための実験的な機能を数多く提供している。これらの機能は、有料の月額制サービスTwitter Blueの広範な立ち上げに向けて準備を進めていく上で、重要な役割を果たすはずだ。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Dellがまた大きなアセットを売却、BoomiをFrancisco PartnersとTPGに約4360億円で譲渡

Dell(デル)が2016年にEMCを巨額で買収した結果、負債の問題を抱えていることは広く知られているが、2021年数十億ドル(数千億円)規模で負債の一部削減に動いているようだ。最初のステップとして2021年4月、VMware(VMウェア)を別会社にスピンアウトした。この動きにより100億ドル(約1兆900億円)近くが削減されると見込まれる。

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米国時間5月2日夜、長く観測があった第2のステップへ踏み出した。Boomi(ブーミー)をプライベートエクイティ2社に40億ドル(約4360億円)で売却すると発表したのだ。TPGによるこの統合プラットフォーム会社の買収にFrancisco Partnersが加勢する。

Boomiは、Salesforceが2018年に65億ドル(約7090億円)で買収したMuleSoftと似たような会社だが、歴史は少し長い。どちらも異種システム間を接続し、統合の問題を抱える企業を支援する。Dellが何年にもわたるさまざまな買収で得た多数の会社を統合し機能させるためには非常に有用な資産のように見えるが、その必要性にキャッシュが勝った。

企業がサイロ化したシステムに閉じ込められたデータをより有効に活用する方法を模索する中、統合サービスの提供がますます必要とされている。Franciscoの幹部によると、Boomiがその役割を果たせる可能性があり、それが買収の主な理由の1つだ。

「アプリケーションとドメインのどんな組み合わせに対してもデータとワークフローを統合・接続できることはビジネスにおいて重要な機能です。あらゆる規模の企業がデータを最も価値のある資産に変えようとするとき、Boomiはその支援ができるポジションに位置していると確信しています」と、FranciscoのCEOであるDipanjan Deb(ディパンジャン・デブ)氏とパートナーのBrian Decker(ブライアン・デッカー)氏は声明で述べた。

ご想像のとおり、BoomiのCEOであるChris McNabb(クリス・マクナブ)氏は、新しい上司が同社の成長をどのように促進するかについて、前向きな姿勢を示した。「Francisco PartnersとTPGという一流の投資会社2社と提携することで、顧客がデータを使用して競争上の優位性を推進する能力を加速させることができます。これからの成長フェーズでBoomiは、顧客にさらに多くの価値を提供しながら、イノベーションと市場をさらに前進させる強みを持つポジションに立ちます」とマクナブ氏は声明で述べた。

上記のすべてはある程度真実なのかもしれないが、同社はまとまりのない大規模企業から離れ、プライベートエクイティ2社という機械装置に吸収される。この先どうなるのかは予測し難い。

Boomiは2000年に設立され、2010年にDellに売却された。現在1万5000人の顧客を抱えるが、Dellの負債については詳しく報じられている。Dellが最近実施したような数十億ドル(数千億円)の取引をつなぎ合わせてみれば、即座にカネの話になる。同社はVMwareの発表のときのように、この取引から得るキャッシュを負債の返済に充てるとは表明していないが、もちろん同じことが起こるはずだ。

買収取引は2021年後半に完了する予定だが、その前に通常要求される規制当局の審査を通る必要がある。

カテゴリー:その他
タグ:Dell売却

画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

身売り検討の報道を受けてクラウドサービスBoxの株価が上昇

2015年に上場したコンテンツとコラボの会社Box(ボックス)の株価は米国時間3月22日、同社が身売りを検討しているとのロイターの報道を受けて上昇した。TechCrunchは以前、乱調市況の数年を経て株価を上昇させるようBoxに対し投資家からのプレッシャーが高まっていると報じている

同日のBox株の終値は23.65ドル(約2570円)で、開始値から約5%上昇したが、ニュースが流れた直後に達した取引時間内の最高値26.47ドル(約2880円)を下回った。同社は5年と少し前に1株14ドル(約1520円)で上場し、取引初日の株価は本日と同じようなレベルで上昇した。

ユビキタスなCEO兼共同創業者のAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏のおかげもあってスタートアップ業界で有名なBoxは、そのペースは落ちてきているとはいえ、上場後は成長し続けてきた。長年のライバルDropbox(ドロップボックス)も上場後に成長のペースは鈍化した。両社とも直近の数四半期の売上高の伸びに関して収益性が上がったことを強調した。

しかしBoxが上場後に遭遇した問題は主に、競合するプロダクトを持つ超大手プラットフォーム企業もライフラインになり得るかもしれないというものだった。Google(グーグル)とMicrosoft(マイクロソフト)は取引で何年もBoxに挑んできたが、両社はレヴィ氏の会社にとって未来のホームになるかもしれない。

先週、BoxはMicrosoft Office 365をより緊密に統合するという取引を発表した。発表のタイミングを考えると、潜在的な取引の前にニュースが流れるかもしれないと推測するのは簡単だった。ロイターの記事は可能性に燃料を注いでいる。

ロイターの報道が正確かはわからないが、Box売却の可能性は理に適っている。

Boxにとって可能なオプションは私募増資を通じて再び非上場になることかもしれない、とロイターは報道した。かなりの売上高といくつかの問題を抱える成熟したSaaS企業を好む傾向にあるVistaやThoma Bravoのような企業が、苦戦しているSaaS企業を買収しようと急襲するかもしれない。企業を非上場とし、そして投資家のプレッシャーを抑制してうまく立ち回る余地を残すことで、ソフトウェア企業は時には新たな活力を見つけることができる。

Vistaが2016年に16億ドル(約1740億円)で買収し、2018年に47億5000万ドル(約5167億5250万円)でAdobeに売却したMarketoのケースを考えて欲しい。最終的にVistaは巨額の利益を手にし、Marketoはさらに幅広いマーケティングツールのプラットフォームを持つ企業の一部に落ち着いた。

カットできる経費、あるいは改善できる売却プロセスがBoxにあるかどうかは不明だ。しかしBoxの37億8000万ドル(約4112億2260万円)という市場価値はより大きなプライベートエクイティファンドの手に落ちるかもしれない。または、ビジネス顧客のリストかテクノロジー、あるいはどちらも切望する大手の法人向けソフトウェア企業が手を伸ばすかもしれない。

噂が本当であれば、シリコンバレーのスタートアップの寵児からIPO、そしてわずか6年で身売りと、Boxにとって驚くべき失脚となるかもしれない。これらは噂にすぎないと記しておくのは重要である一方で、Boxにとって記事は悪い兆しかもしれず、もしかするとではなく単に時間の問題かもしれない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Box売却

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

マカフィーが法人向け事業を約4370億円で売却、消費者向けビジネスに専念

セキュリティ企業のMcAfee(マカフィー)は米国時間3月9日、プライベートエクイティ企業のSymphony Technology Group(シンフォニー・テクノロジー・グループ)が率いるコンソーシアムに、法人向け事業を40億ドル(約4370億円)で売却すると発表した。

McAfeeは、2020年2月に同コンソーシアムが20億ドル(約2182億円)で買収したもう1つの法人向けセキュリティ企業、RSAと相性が良いはずだ。

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McAfeeの社長兼最高経営責任者であるPeter Leav(ピーター・リーヴ)氏は、同社のリソースを個人消費者向け事業に向けることに決めたと述べている。「今回の売却によって、McAfeeは消費者向けビジネスに専念し、消費者のためのパーソナルセキュリティ分野でリーダーとなるための戦略を加速させることが可能になります」と、リーヴ氏は声明で述べている。

McAfeeは、10年ぶりとなる再上場を果たした2020年、いくつかの動きを見せている。2021年1月には数百人の従業員を解雇し、テルアビブにあるソフトウェア開発センターを閉鎖したと報じられた。

シンフォニー社はRSA社の買収を直接指摘してはいないが、2つの投資は同社にとって大きな複合レガシーセキュリティ事業を生み出すことになる。どちらも強力なブランド認知度を持つが、市場ではより現代的な競合他社と比べると、いくらか競争力に陰りが見えていた。

McAfeeが2021年2月24日に発表した2020年第4四半期の決算報告書を見ると、一般消費者向け事業は法人向け事業よりもはるかに活発に成長していることがわかる。前者は前年同期比23%増であったのに対して、後者は5%とはるかに低い成長率だった。

通期では、2020年度の総収益が前年比10%増の29億ドル(約3165億円)と報告されている。内訳は、消費者向けの純収入が前年比20%増の16億ドル(約1746億円)、法人向けの純収入が通年でわずか1%増の13億ドル(約1419億円)となっている。

同社の歴史は複雑だ。1987年の創業当初は、ファイアウォールソフトウェアを販売することから始まった。2002年には株式公開を果たしたが、2010年にIntel(インテル)に77億ドルで買収され、上場廃止となった。2014年にIntel Security(インテル・セキュリティ)と社名が変わった後、2017年にインテルが過半数の株式を投資ファンドのTPGに42億ドル(約4583億円)で売却したことで、社名をMcAfeeに戻している。

今回の買収は、規制当局の監視の下、2021年末までに完了する見込みだ。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:McAfee売却

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

10億円で事業売却したSkeb創業者インタビュー、「コミュニティのプレイヤーであること」が個人開発の極意

2月12日、イラストコミッションサービス「Skeb」を運営する株式会社スケブは、実業之日本社に株式を売却し、同社の子会社となったことを発表した。売却額は10億円。Skebのサービス開始は2018年11月で、およそ2年での売却だった。

2月1日には、こちらもまた個人開発のプロダクトである技術情報共有サービス「Zenn」がクラスメソッドに売却を発表している。この1カ月の間に、個人開発プロダクトのイグジットが相次いだ形だ。スタートアップが事業売却するケースはこれまでにもあったが、資金調達をせず、個人開発のままサービスを育て、イグジットしたケースはまだそんなに多くないだろう。

今回、スケブの代表取締役社長を務める喜田一成氏に、個人開発でサービスを作るコツ、そして事業売却する際に注意すべき点について話を聞いた。

喜田一成氏の近影。アバター「なるがみ」

喜田氏はドワンゴやDMMなどで新規事業に携わった経歴を持つ。2016年1月より、個人事業としてクリエイター向け税務相談サービス「ドージン・ドット・タックス」を提供。2018年11月より、Skebの提供を開始した。

まずは、Skebがどんなサービスかについて説明したい。Skebは一見するとイラストの受発注サービスのようだが、サービス内容もコンセプトもそうしたサービスとは一線を画す。Skebは、クリエイターが国内外のファンからイラストや音声データのリクエストを募集して、それに応えるサービスだ。金銭の授受は発生するが、それはイラスト作成に対する報酬ではなく、クリエイターへの投げ銭である。

仕事の募集ではないので、作品について打ち合わせをすることはできないし、クリエイターとクライアントとのやりとりは、リクエストと納品の1往復に限られている。イラストは基本的に個人鑑賞の利用のみ可能で、二次利用することはできない。

Skebがこのような仕組みなのは、もともと日本の同人誌即売会にあるスケブの文化をベースにしているため、と喜田氏は説明する。スケブは、クリエイターが自分の同人誌を買っていただいたお礼として、ファンのスケッチブックにイラストを即興で描く文化のことだ。ただ、最近は、同人誌を買いもしないのにたくさんのイラストを頼む、というようなトラブルが多発していて、これを変えたいと思ったのがSkebを開発するきっかけだったと言う。

ヒットプロダクトを作るには「コミュニティのプレイヤーであること」

登録者数100万人を超えるほどに成長したSkebだが、ヒットサービスを個人開発するコツはあるかと聞いたところ、喜田氏は重要な要素が3つあると説明した。

「1つ目はエンジニアリングの知識。2つ目は経営企画の知識。3つ目は、自身がそのコミュニティに属しているプレイヤーであることです」。

最初の2つは作りたいものができれば、後からでも覚えられるのでさほど重要ではない。本当に大事なのは3つ目、と喜田氏は強調する。

「自身がコミュニティに属しているプレイヤーであることが重要です。例えば、イラストレーターさん向けのサービスが作りたいなら、自身もイラストレーターになる必要があります。僕も同人作品だけで相当作りました。だからこそ問題点が見えてきたし、僕のことを知っているコミュニティの人がたくさんいるので、『この人がやっているなら信用できる』とプロダクトを使ってくれました。この分野で事業をやりたいからコミュニティを作ろう、そういう人が集まる場を作ろうというのは失敗します」。

スケブに関しても、喜田氏がいかにイラストレーターの立場になってサービス作りをしているかが窺える。クリエイターとクライアントに打ち合わせをさせないのは、クライアントの過度な要求からクリエイターを守る意味合いもあるという。

「日本では、お金を出す方が偉いとなりがちです」と喜田氏。「クライアントは後になってやっぱりここを変えてとか、無制限にリテイクを求め、クリエイターが直さないといけなくなる。そういうトラブルも多かったので、それをどうにかしたいという思いがありました」。

手数料に関しても、クラウドソース系のサービスは20%から30%というところが多いが、Skebは6.8%と良心的。さらにSkebではリクエスト金額の値崩れが起きないように気を配っているという。例えば、Skebのクリエイター検索にはキーワード検索しかなく、値段順のソートはない。クリエイターがリクエスト金額を安く設定しても、露出する機会は増えないので、安く設定する意味がなくなる。

価格が下がりそうな要素を排除しているのは、放っておくとクリエイターが自ら条件を下げてしまうためと喜田氏は説明する。その理由は、リクエストがほしいからというのもあるが、自分に自信がなく、お金を受け取ることにためらいを感じているのも大きいという。

「スケブで一番多い要望は、10円とか0円で募集させてほしいというものです。みなさん、自分に自信がないのです。なので、スケブでお金をもらう体験を通して、自分は求められていることを知り、イラストレーターとして自信をつけてほしいと思っています」。

個人開発の限界

クリエイターファーストの姿勢が支持され、Skebの平均取引単価は1万2000円、月間取引高約2億円を誇るサービスとなった。自動翻訳機能と越境決済機能により海外からの利用も増えている。サービスは好調だが、売却を考えたのは、1人で不正送金への対応や億単位の金額を扱うことへの不安が出てきたためだと喜田氏は説明する。

売却先に実業之日本社を選んだのは、彼らが歴史のある大企業で、Skebの事業とシナジーがあることに加え、実業之日本社の代表取締役社長を務める岩野裕一氏がSkebのコンセプトに理解があったことが決め手と話す。

「今回、10社以上からお声がけいただいていました。ただ、実際M&Aの交渉の中で経営者と話をすると、スケブのことをよく理解してもらえていないところもありました。けれど、岩野社長だけは『あー、推しね、なるほど』と一瞬で理解されたんです。だったら大丈夫かな、ということで決めました。理解がないとダメなので、その理解が一番あったのが岩野社長で、実業之日本社ということです。

また、株式は100%譲渡しますが、今後の方針決定も自由にやって欲しいと言われています。エンジニアの採用面とかはかなり協力に支援いただいていますが、運営方針は任されているので、そういった自由度の高さも決め手のひとつです」。

喜田氏は買収を機にSkebの開発業務から引退するが、引き続きスケブの代表取締役として事業の拡大と新たなクリエイター支援事業を行っていく予定だ。親会社からの採用支援に加え、社労士や就労規則を活用できることなど、さっそくグループ会社である強みを活かせていると喜田氏は話す。また、今後開発から身を引くことでできた時間で、VRアバター販売・改変代行プラットフォーム「ポリゴンテーラー」の開発を進める考えだという。

売却時に気をつけるべきこと

事業売却を検討する際に気をつけるべき点について聞いたところ、喜田氏は「契約書の確認」と「ゴールを決めること」の2つが重要と話した。

「契約書を作っているのは相手側の弁護士です。契約書の中身には、表明保証といって、数ページに渡り、これに間違いありません、絶対に御社に不利益はないです、のようにいろいろと保証を求められます。相手方に悪気はなく、その企業を守るために弁護士が入れている内容なのですが、そのままサインすると大変なことになります。なので、こちら側も顧問の弁護士と司法書士、税理士の3人にチェックしてもらう必要があります。必ず専門家に契約書を見てもらうというのがポイントの1つです」。

「もう1つ、自身のゴールを決めることが大事です。売り切って終わりなのか、それともその会社の子会社になって引き続き事業を拡大していくのか。それとも株を一部持ったまま上場を目指すのか。売る段階で自分がどうしたいのか決めてください。受け身でやっていてはダメです」。

スタートアップというとVCから調達して急拡大を目指す会社を指すことが多い。TechCrunch Japanでもそうしたスタートアップを多数取り上げてきた。けれど、VCから調達してサービスを成長させる道以外にも、個人開発を追求してイグジットを果たす事例が出てきたのは開発に携わる人たちにとって良い傾向なのではないかと思う。どちらの道の方が優れているということではないが、自身に合った道を選ぶ際の参考になるかもしれない。

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タグ:Skebインタビュー売却

TikTok米国事業のオラクルへの強制売却が棚上げ

TikTokの米国事業の売却が強制されるという非常識な話に終止符が打たれると報道されている。TikTokは、Joe Biden(ジョー・バイデン)政権下での退屈なニューノーマルであるように思われる整然とした、そして合理的な政策立案への移行の犠牲者だ。

2020年秋、当時のDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領政権下で米政府は、Oracle(オラクル)やWalmart(ウォルマート)を含む買い手グループへのTikTok売却を強制することで「ギャングの資本主義」を試みた

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その試みは最初からうまくいかなかった。TikTokの親会社ByteDance(バイトダンス)は米政府を相手取った訴訟のほとんどで勝訴した。成功している外国企業の成長を最も薄っぺらなセキュリティ上の理由で妨害しようと米政府は喜んで政治的資本を注いだようだが、ByteDanceは訴訟という思い切った手段にでた。

そして現在、ウォールストリートジャーナル紙が、この件に詳しい情報筋の話として売却を前に進めようとする米政府の取り組みは「無期限に棚上げされている」と報じた。

しかしながら、TikTokのデータ収集に関する懸念、それからアプリ上のコンテンツを操作・検閲している可能性があるため、TikTokと米国家安全当局の間で協議は続いている。

一方で、国家安全保障会議の広報担当Emily Horne(エミリー・ホーン)氏によると、外国政府による侵入または海外で開発された技術の使用によるデータプライバシーとセキュリティへのあらゆる潜在的脅威を米国は調べている。

「我々が直面しているあらゆる脅威を克服する米国のデータ保障に向けた総合的なアプローチを構築します」とホーン氏はウォールストリートジャーナル紙に述べた。「ここには、中国アプリや米国で提供されている他のソフトウェアによって提起されたリスクも含みます。我々が直面しているリスクの総合理解という観点から、今後数カ月で特定のケースをレビューする予定です」。

2020年、中国企業所有のショートビデオ配信サービスTikTokの米国の投資グループへの売却を強制しようと、当時のトランプ大統領はTikTok禁止を命令した

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そのプロセスの一環で、対米外国投資委員会はByteDanceに米国事業を売却するよう命じている。

TikTokは、米国が大統領選挙で混乱していた2020年11月、ワシントンの裁判所に上訴した。

この裁判はまだ係争中だが、別の連邦裁判所は米政府によるTikTok禁止の一時差し止めを命じた。

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タグ:ByteDanceTikTokOracle売却

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberは空飛ぶタクシー事業ElevateをJoby Aviationに売却、最後の夢の事業から撤退

Uber(ウーバー)は空飛ぶタクシー事業Elevate(エレベート)をJoby Aviation(ジョビー・エイビエーション)に譲渡した。同配車サービス企業は、主軸事業に専念して利益を出そうと、いくつもの壮大な構想の事業を売却してきたが、これが最後の1つとなる。

発表された取引は、UberがJobyに7500万ドル(約78億2000万円)を投資し、両社のパートナーシップを拡大するという合弁契約の中の一部だ。2019年に、完全電動垂直離着陸乗用航空機を開発しているUberとJobyは、UberのElevate事業のための車両パートナーとなる契約に署名している。Jobyは、空飛ぶタクシーサービスを2023年までに開始することを約束した最初のパートナーだった。

この7500万ドルの投資は、JobyのシリーズCラウンドの一環として2020年1月に投資され、これまで公表されていなかった5000万ドル(約52億1000万円)への追加投資だとUberは話している。現在までにJoby Aviationは、8億2000万ドル(約854億7000万円)を調達した。Uberは、このスタートアップに対して合計で1億2500万ドル(約130億3000万円)を支援している。

2021年の初めに締結が予定されているこの契約に従い、2つのパートナー企業は、それぞれのサービスを統合して互いのアプリに提供することに合意している。

「高度な航空輸送業は、環境と未来の世代に飛躍的な利益をもたらす可能性があります」と、UnberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は声明の中で述べている。「この契約により、私たちは、この分野の明白なリーダーであるJobyとのパートナー関係を深め、これらのテクノロジーのための市場作りを加速します」。

Jobyは数あるリーダーの中の1つと思われるが、Elevateはたしかに競合他社も利用するベンチマークを確立するなど、この新興産業の形作りに貢献してきた。

「Uber Elevateのチームは、この業界に重要な役割を果たしたばかりでなく、10年以上の経験を活かして大変に優れたソフトウェアツールを開発し、オンデマンドの移動サービスを可能にしました」と、Joby AviationのCEOであるJoeBen Bevirt(ジョーベン・ビバート)氏は声明で語っている。「それらのツールと新しいチームメンバーは、私たちの商業サービスの開始を加速する上で欠かすことができません」。

1年前、Uberのビジネスモデルは「以上すべてのアプローチ」と分類できた。つまり、配車サービス、マイクロモビリティー、流通、梱包、食品宅配などを含むあらゆる形態の運送業から収益を上げる戦略だ。新型コロナウイルスのパンデミックとコスロシャヒ氏の収益重視の方針により、Uberはその冒険的な事業を処分し、Postmates(ポストメイツ)を買収(未訳記事)して配達サービスを強化する方向に急ぐこととなった。

現在ではUberは、2020年の一連の取引で手放したマイクロモビリティー、流通、自動運転車の手腕を保ったまま、配車サービスと配達に専念する企業となった。

JobyとElevateの合弁は、2020年結ばれたUberの別の2つの合弁とよく似ている。Uberは、マイクロモビリティーのスタートアップLime(ライム)への1億7000万ドル(約77億2000万円)の投資ラウンドを主導した。この取引の一環として、LimeはUnerのマイクロモビリティー事業Jump(ジャンプ)を買収。Jumpの従業員の大半にあたる400人を解雇した。今週の初めには、自動運転車スタートアップのAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、合弁契約を通じてUberの自動運転部門(ATG)の買収を巡る交渉に同意した。合弁後の両社の評価額の合計は100億ドル(約1兆422億7000万円)となる。

Limeと、そして今回のJobyとの取引と同じく、Auroraも最後の評価額が72億5000万ドル(約7555億5000万円)だったUner ATGに現金は支払わない。その代わりにUberは、AuroraにATGの株式持ち分を譲渡した上に4億ドル(約416億9000万円)を投資し、Auroraは合弁後の株式の26%をUberに渡すことが、米証券取引委員会の資料に記されている。

Uberによると、10月に同社はUber Freight(ウーバー・フリート)事業の株式5億ドル(約521億1000万円)分を、ニューヨークの投資会社Greenbriar Equity Groupが率いる投資家グループに売却した。この取引では、同部門の投資後の評価額を33億ドル(約3439億円)としている。Jump、Evelate、ATGの場合とは違い、Uberは、Uber Freightの株式の過半数は現在も持ち続けている。

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タグ:UberElevateJoby Aviation売却空飛ぶタクシー

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(翻訳:金井哲夫)

Uberが自動運転部門Uber ATGを売却、購入したAuroraの企業価値は1兆円超え

Sequioa Capital(セコイア・キャピタル)とAmazon(アマゾン)が出資する自動運転車のスタートアップ、Aurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、Uber(ウーバー)の自動運転部門(Uber ATG)を買収する契約で同社と合意した。複雑な契約の結果、合併後の企業価値は100億ドル(約1兆400億円)に達する見込みだ。

AuroraはUber ATGのために現金を支払わない。Uber ATGは2019年にトヨタ、DENSO(デンソー)、およびSoftBank(ソフトバンク)のVision Fund(ビジョンファンド)から10億ドル(約1040億円)の出資を受けた後、企業価値が72億5000万ドル(約7550億円)になった。代わりに、UBerがATG持ち株をAuroraに譲渡し、4億ドル(約420億円)を出資する。その結果Uberは合併後企業の26%を保有することになると米国証券取引委員会(SEC)に提出した資料に書かれている。忘れている人にために書いておくと、UberはUber ATG株の86.2%(完全希薄化ベース)を保有している。Uber ATGの株主は、Auroraの少数株主になる。ちなみに契約が完了すると、Uberと既存ATG株主およびAuroraに継続雇用されるATG従業員を合わせると、Auroraの約40%(完全希薄化ベース)を保有することに注目されたい。

Uber CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は新たに拡張したAuroraの取締役に就任する。

2017年創業のAuroraは完全自動運転用ソフトウェアスタックの開発に注力する企業で、人間のドライバーが運転しなくても車両が高速道路や市街地を走ることのできるテクノロジーに基づいている。AuroraはGreylock Partners、Sequoia Capital、Amazon、T. Rowe Priceなど著名なベンチャーキャピタルや投資運用会社、メーカーなどの注目を集めた。理由の一部は創業者であるSterling Anderson(スターリング・アンダーソン)氏、Drew Bagnell(ドリュー・バグネル)氏、およびChris Urmson(クリス・アームソン)氏が揃って自動運転業界で豊富な経験をもつベテランだからだ。

アームソン氏はGoogle(グーグル)の自動運転プロジェクトがスピンアウトしてAlphabet(アルファベット)傘下のWaymoとなる前の責任者だった。アンダーソン氏はTesla Model Xと同社のオートパイロットプログラムの開発・製造責任者として最もよく知られている。カーネギーメロン大学准教授のバグネル氏は、Uberの自律研究の立ち上げを支援し、ピッツバーグのAdvanced Technologies Center(先進技術センター)で自律・認知チームを率いていた。

Auroraはまず自動運転トラックを市場に出す計画だ。しかしアームソン氏は、同社がロボタクシーなど他の自動運転スタックのアプリケーションも追求を続けていると付け加えた。Uber ATGとの契約によって、Auroraは人材と運用可能な設備を手に入れる。しかし、契約はほかにも重要な意味が2つある。Uber ATGの出資者、特にトヨタとの関係構築、そしてUberとの提携による巨大ライドシェアリングプラットフォームの活用だ。

「私たちがこの会社をつくるとき念頭に置いていたのはスケールに合わせて作ること。誰もが最高の仕事ができる環境を作ろう、ということです」とアームソン氏は12月7日のインタビューで語った。「そしてそれから素晴らしいチームを探して引き入れる。これは才能とテクノロジーを組み合わせる方法の一つであり、今回はつながりを得ることもできました」。

この発表はTechCrunchの11月の記事を裏付けるとともに、ピッツバーグ、サンフランシスコ、トロントで操業している1200人のビジネスユニットであるUber ATGが、自分より小さなライバルと合併するという紛れもない大事業の幕開けである。

Uber ATGの社員全員がAuroraに合流するかどうかは明らかになっていない。Auroraでは600人の従業員が働き、サンフランシスコ・ベイエリア、ピッツバーグ、テキサス、モンタナ州モーズマンに拠点がある。少なくとも幹部の1人、Uber ATG CEOのEric Meyhofer(エリック・メイホーファー)氏は加わらない。

アームソン氏は、会社とそれぞれの技術の統合は急がず進めることを強調した。

「今後60日間に私たちが行う最もおもしろいことの1つは、2つチームを1つにすることです」とアームソン氏はいう。「その後、我々が市場に出す最初の製品を加速するテクノロジーは何かを少し冷静に見極め、既存のAuroraチームのものであれ、新しいAuroraチームで作られるものであれ、それを強化して推し進めます。それがアイデアでもコードでもハードウェアでも、市場に出す時間を早めるものであれば」。

会社は人材とテクノロジーの評価をできるだけ早く行う、とアームソンは語った。

Uberの自動運転車の歴史

Uberにとってこの取引は、会社がコアビジネスであるライドシェアリングとデリバリーに焦点を絞りつつある中、未だにスピンオフも売却もしていなかった金のかかる最後の部門を際立たせた。この1年間に、Uberはシェアードマイクロモビリティー部門のJumpを手放し、成長はするも未だ利益を上げていないロジスティクス部門のUber Freightの株を売り、Postmatesを買収した。Uberは、同社の無人空中タクシー事業のUber Elevateの買収を交渉中とも報じられている。

Uber ATGは長期的な金銭的利益が約束されている事業の1つだが、多くの痛みと論争と初期費用が、設立したほぼその瞬間から生まれ出た。

2015年初め、Uberは自動運転車への取り組みを開始し、カーネギーメロン大学のロボティクス研究所との戦略提携を発表した。この無人自動車テクノロジーを共同開発する契約は、Uberが研究所から何十人という研究者や科学者を引き抜く(WSJ記事)という結果になった。1年後、Uberは自動運転トラックのOttoを買収した。グーグルの花形エンジニアだったAnthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキー)氏とグーグルのベテラン社員であるLior Ron(リオ・ルロン)氏、Claire Delaunay(クレア・ドローネ)氏、Don Burnette(ドン・バーネット)氏の3名が設立したスタートアップだ。

買収の2カ月後、グーグルはレヴァンドフスキー氏とルロン氏に対して2件の仲裁請求を行った。Uberはいずれの仲裁の当事者でもなかった。仲裁はうまくいったが、それとは別にWaymoが2017年2月に企業秘密窃盗と特許侵害でUberを訴えた。裁判まで行ったが2018年に和解したその訴訟で、Waymoはレヴァンドフスキー氏が企業秘密を盗み、その後それがUberによって使用されたと主張した。

裁判が終わりUberは開発を加速したが、そのほぼ直後に自動運転試験車の1台が、非常用運転手が運転席にいる状態で死亡事故を起こし、2018年3月に歩行者に衝突して死に至らしめた。業界全体が一時停止し、Uberはテストをすべて中断した。

Uberは2019年春にUber ATGを別会社化した。トヨタ、自動車部品メーカーのデンソー、およびソフトバンクのVision Fundから10億ドルの資金を調達した後のことだ。このスピンオフに関しても、Uberは金のかかる事態に直面する。Uberは11月、ATGおよび「その他のテクノロジー」(Uber Elevateを含む)で2020年9月30日までの9カ月間に3億300万ドル(約315億6000蔓延)の純損失を計上した。Uberは、ATGおよび「その他のテクノロジープログラム」の取り組みで4億5700万ドル(約476億円)の研究開発費が発生したとS-1書類に書いている。

Auroraの価値とは?

Uber ATGを悩ましてきた数々問題の傷跡をよそに、アームソン氏は同社には価値ある資産となる人材といくつかの興味深いテクノロジーがある、と主張する。

「自動車向け次世代ハードウェアを設計するために彼らが行なっていることは非常に興味深いものです」と同氏はいう。「ソフトウェア面で彼らは、予言および予言を認知システムと組み合わせる実に面白いアイデアを持っています」。

この契約に詳しいある人物は、Uber ATGには貴重で有能な中級レベルと初級レベルのエンジニアが在籍しているため、Auroraにとって特に魅力的な買収だと語った。

これはAuroraにとって初めての買収ではないが、最大で最も複雑であることは間違いない。2019年にAuroraは、モンタナ州ボーズマン拠点のLiDAR(ライダー)企業であるBlackmore(未訳記事)とシミュレーションのスタートアップである7D Labsを買収した。Auroraは自社の「no jerks(悪党はいない)」ポリシーと企業カルチャーを喧伝しつつ、何百という新しい人たちを吸収しようとしている。

合併後の統合には数カ月や数年かかることがあり、技術的あるいは戦略的な進捗を遅らせかねない。アームソン氏の考えは違うようだ。

「むしろ、目標実現を加速します」と彼は語った。

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タグ:UberUber ATGAurora売却自動運転

画像クレジット:Aurora

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BuzzFeedによる買収を受けブラジル版とインド版HuffPost閉鎖

HuffPostBuzzFeedの一部になりつつあるが、HuffPost IndiaHuffPost Brasilは移行しない。両サイトは米国時間11月24日に閉鎖される。

「今日は@huffpostIndiaの最後の日です」と、Aman Sethi(アマン・セティ)編集長はツイートした。「あらゆるニュース、ストーリー、レポーター。これは私が働いた中で、最大のニュースルームです(自分がリーダーという特権を持っていたとはまだ信じられない)。 私たちの記事を読み、ジャーナリズムを支援してくれた皆さんに感謝します」。

先週、BuzzFeedはVerizon Media(ベライゾン・メディア、TechCrunchも所属している)との広範な取引の一環として、HuffPostを買収すると発表した。買収の一環として、両社はコンテンツのシンジケーションと広告で協力する。

Verizon Mediaは声明で「私達はHuffPostがインド版とブラジル版を直ちに終了したことを確認しました」と述べた。「HuffPost IndiaとHuffPost Brazilのチームの努力と組織への貢献に感謝します」。

The Daily BeastのMaxwell Tani(マクスウェル・タニ)氏は、BuzzFeedのCEOであるJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)の内部コメントと思われるものをツイートした中で、同社は「ブラジル版とインド版を引き受けることは法的に許されていません」と述べている。インドでは「外国企業は報道機関を所有することは許されていません」としており、BuzzFeedはBuzzFeedを販売する条件によりブラジルで営業できないと主張した。

関連記事:BuzzFeedがVerizon MediaからHuffPost(旧The Huffington Post)を買収

カテゴリー:ネットサービス
タグ:売却インドブラジル

画像クレジット:picture alliance / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

BuzzFeedがVerizon MediaからHuffPost(旧The Huffington Post)を買収

HuffPostのオーナーが変わった。現在の親会社であるVerizon Mediaが、同サイトをBuzzFeedに売却する合意に達したのだ。

The Wall Street Journalがこのニュースを最初に報じ、それは株式取引だと説明している。Verizon MediaもBuzzFeedに投資し、このデジタルメディア企業の少数株主になる。

契約には両社間でコンテンツを互いに配信する合意があり、また広告で協力するとともに、合同のイノベーショングループを作ってその他の収益化機会を探求する。

BuzzFeedのプレスリリースで述べられているように、この契約でHuffPostはぐるっと1周し、元の位置に戻ってきたことになる。BuzzFeedの共同創業者でCEOのJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏は、かつて「The Huffington Post」という名前で知られていたメディアの創業者の1人だったからだ。

「メジャーなニュースアウトレットに育っていく初期のHuffPostの姿を、昨日のことのように思い出す。しかしBuzzFeedがこの買収を行ったのは、HuffPostの未来と、今後何年間もメディアのあり方を定義していくそのポテンシャルを信じているためです。HuffPostが加わったことによって私たちのメディアネットワークは読者が増え、あらゆる同業他社と比べても読者が私たちのコンテンツと過ごす時間が長くなるでしょう」とペレッティ氏は声明で述べている。

AOLが10年近く前に3億1500万ドル(約327億2000万円)でThe Huffington Postを買収し(未訳記事)、それから数か月後にTechCrunchを買収した。

この買収はジャーナリズムとデジタルメディアの世界への本格的な進出と見られたが、その後企業レベルでの一連の変化が生じて、AOLをVerizonが買収し(未訳記事)、VerizonはYahooも買収(未訳記事)、さらに両社を合わせた組織をまずOathと改名(未訳記事)、そしてその後Verizon Mediaになった(未訳記事、現在でもTechCrunchのオーナー)。この買収の背後にいた役員のTim Armstrong(
ティム・アームストロング)氏は、2018年に同社を去った(未訳記事)。

何年も前から、HuffPostの売却は何度も噂になっていた。2019年にVerizon MediaのCEOであるGuru Gowrappan(グル・ゴウラパン)氏は、HuffPostは売却しない「我々のコンテンツの核だからだ」といっていた。

BuzzFeedは、HuffPostの新しい編集長も探している。その席は、2020年3月にLydia Polgreen(リディア・ポルグリーン)氏が辞めて(Huffington記事)から空いている。

カテゴリー:その他
タグ:売却

画像クレジット:Drew Angerer /  Getty Images

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa

ファーウェイが低価格ブランド「Honor」を約1兆6000億円で売却の報道

数週間にわたって噂されていた売却の可能性について、Huawei(ファーウェイ)はHonorブランドを売却することで合意したと報じられている。​米国時間11月10日のReuters(ロイター)報道によると、苦境にあるこのハードウェアメーカーは、深圳市政府と携帯電話販売業者のDigital Chinaを含む買い手のコンソーシアムに、同ブランドを売却する予定だという。

「事情に詳しい人々」の引用によるレポートでは、Honorユニットの売却価格は152億ドル(約1兆6000億円)だとされている。​Honorの新しいオーナーは、ブランドの7000人もの従業員(管理職を含む)の多くを維持し、約3年間で上場する計画だと伝えられている。​Honorは中国、ヨーロッパ、米国で低価格デバイスを中心に展開してきた。今回の売却により、ファーウェイは自社ブランドのハイエンド製品に特化することになるだろう。

この取引はしばらく前から噂されていたが、どうやらその結論はJoe Biden(ジョー・バイデン)氏の大統領選勝利をきっかけに出てきたようだ。ファーウェイ​が現金による取引を継続すると決定したことからも、同社が米国の新大統領下で国際的な情勢がすぐに変わると考えていないことは明らかなようだ。

​このニュースは、米国による制裁に絡む困難が続いていることを受けて伝えられた。​Google(グーグル)のような企業の技術にアクセスできないことは、世界第2位の携帯電話メーカーにとっても大きな打撃であることが証明された。同社の​中国における販売は堅調に推移しているが、それでも打撃を受けている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:HuaweiHonor売却

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter