トランプ政権、国境での無令状捜査で訴えられる

国境の壁を巡る戦いが議会で激化する中、もう一つ国境にまつわる戦いが熱を帯びている。水曜日(米国時間9/13)、電子フロンティア財団(EFF)とアメリカ自由人権協会(ACLU)は、国境での無令状捜索で国土安全保障省(DHS)を訴えた。この Alasaad 対 Duke裁判で、上記2団体は米国国境でパソコンやスマートフォンを令状なしで捜査された11名の代理を務める。国土安全保障省のElaine Duke長官代理は、首席補佐官としてホワイトハウスの中核に入ったジョン・ケリー国務長官の後を引き継いだ。

裁判で原告が陳述した内容は実に興味深いものだった。11人中10人は米国市民であり、残る1人は永住者だ。EFFによると、何人かはイスラム教徒および有色人種であり、政府によるこうした人々を標的にした旅行・移民政策の強化によって標的に選ばれた可能性が高い。原告団には、NASAの技術者、学生、ジャーナリスト、および海外旅行から帰国した退役軍人も含まれていた。国境警備員にスマートフォンを数か月間取り上げられた人々もいるが、誰も具体的な罪には問われていない。

NASA技術者のSidd Bikkannavarの場合、休暇をチリで過ごした後帰国したとき、ヒューストン空港の職員に、パスワードを使ってロック解除するよう強制され端末を手渡した。職員は30分間にわたって電話機を調べ、「アルゴリズム」使って内容を調査していると説明した。別のケースでは、ロック解除された電話機を国境警備員に没収されたうえ暴行を受けたと訴えた。EFFのリリース文には原告全員の名前と申し立て内容が書かれている。

「政府は国境をプライベートデータを探るための捜査網に使ってはならない。」とACLU弁護士のEsha Bhandariは言う。「電子機器には、メール、テキスト、連絡先、写真、仕事の書類、医療や財務記録など、われわれの個人生活を詳しく描き出す情報が大量に入っている。憲法修正第4条は、政府が国境でスマートフォンやノートパソコンの内容を捜査するために令状を必要としている」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米法務省、反トランプサイト訪問者のIPアドレス提出要求を取り下げる

米国法務省(DOJ)は、大統領就任式に向けた「反トランプ」サイト訪問者のIPアドレス提出要求を取り下げた。これはDreamHostの勝利と言える。同社は先週、disruptj20.orgの閲覧者を危険であるとしてそのIPアドレスを要求したDOJをプライバシー侵害であると非難し、世間の注目を集めた

法務省は裁判所への回答の中で、DreamHostの所有する問題のIPアドレス130万件の情報は、元々存在を知らなかったと主張し、対象外とするよう要求を修正した。またDOJは裁判所に対し、非公開ブログ記事のテキストおよび写真は除外するよう依頼した。

「政府が知らなかったのは…2017年1月20日の暴動の計画、組織、および参加者に関する捜査に必要な情報以上の閲覧者データをDreamHostが保持していたことだ。DreamHostが数多くのプレスリリースや反対表明で言及している130万件のIPアドレス関連情報に、政府は一切関心がない。捜査の焦点は宣誓供述書に書かれている暴動に絞られている。」

書簡によると、政府は捜査令状の範囲を超える情報は除外する意向だが、DraeamHostは捜査令状そのものが「不適切」であるとしてこの問題についての対話を拒否している。法務省は、捜査令状が合法であるという立場を貫いている。「DreamHostの主張に反して、捜査令状は『現政権の反対派を見つけるため』に使われるためのものではなく、今後使われることもない」と裁判所宛ての書簡に書かれている。

一方、DreamHostは計画通りに行動するつもりだ。DreamHostは、”Narrowing the Scope“[範囲を狭める]と題したブログ記事で、これはプライバシーの勝利であると祝いつつ、今週裁判所で予定されている、「この令状が提起した憲法修正1条および4条の問題」の議論に向けて準備を整えている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、ネオナチ・サイトへのドメイン提供を解約――Daily Stormerはシャーロッツビルの犠牲者を罵倒

ドメイン・ホスティング・サービスの大手、GoDaddyがネオナチ・サイト、Daily Stormerへのドメイン提供を解約した後、同サイトはGoogleにドメイン登録を移していた。しかしGoogleもドメイン名登録の契約を解約した。

Googleの広報担当者はTechCrunchの取材に対して、「Daily Stormerにサービス約款違反があったため、われわれは同サイトのGoogle Domainsにおけるドメイン登録をキャンセルした」と述べた。ただしこの記事の執筆時点はではまだサイトは生きており、whois検索するとDaily StormerのレジストラーとしてGoogleが表示される。Daily Stormerは暴力的、反ユダヤ主義的な白人優越主義的見解を宣伝するサイトとして知られている。

自ら「世界でもっともジェノサイド的な共和党サイト」と名乗るDaily Stomerはシャーロッツビルの襲撃事件の犠牲者を罵倒したため、まずGoDaddyがドメイン登録を拒否した。続いてハッカー集団のAnonymousの攻撃を受けたとして週末からこうしたニュースがマスコミの大見出しになっていた。今日、Anonymous関連のTwitterアカウント、@YourAnonNewsはこのハッキングはサイトへのトラフィックを増加させるためのフェイクニュースだと否定した。

シャーロッツビルにおける白人優越主義の集会に抗議するデモが自動車テロに遭い、死傷者を出した事件に関連して、Daily Stormerが犠牲となったHeather Heyerを罵倒する記事を掲載したため、GoDaddyは土曜日にサイトのドメイン登録を解除していた。GoDaddyはこの決定について、「問題の記事が現実の暴力的事件の直後に発表されたことに鑑み、われわれはこの記事が更なる暴力的事件を誘発する危険があると判断した。これはわれわれのサービス約款に反する行為となる」という声明を発表している。

Featured Image: JOSH EDELSON/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ネット中立性規則の廃止に反対するオンライン抗議集会にネットの自由をもとめる数百万の声が集結

昨日(米国時間7/12)は、かねてから騒がれていたネット上の抗議集会“Net Neutrality Day of Action”(ネット中立性に対するアクションの日)で、何千ものWebサイトと人とサービスが、FCCによるネット中立性ルールの廃止案に対する、人びとの関心を喚起した。そしてその結果は、相当感動的だった。

抗議のためのWebの利用は、画面にポップアップを出すとか、サイトを一時的に乗っ取っておかしなメッセージを表示するなど、ネット中立性をめぐるディベートへの参加勧誘が中心になる。

Tumblr, Twitter, Netflix, Yelp, Kickstarter, Mozilla, Vimeo, Spotify, Airbnb, Amazon, Reddit, Etsy, YouTube, Twitchなどなど、多くのサイトがこの抗議集会用のページを特製した。本誌はその中の14の快(怪)作を、ギャラリーに集めてみた(下図はKickstarterのだ)。

これだけの露出量があり、しかもフィードバックが容易だから、反応も巨大だった。画面のボタンを押せば地元出身の議員にメッセージが行ったり、FCCにコメントを送る特設サイトもあった。

オンライン抗議集会の成果:

  • 200万のコメントがFCCへ行く(非力なサーバーなので数日に分けて送られる。彼らの側の便宜的なシステムダウンは今回なかった)。
  • 500万のメールが議会へ(一定の時間間隔で)。
  • 12万4000の電話が議員たちへ。
  • 20の議員事務所を実際に訪問。そのほかのノンネットアクション(リアルアクション)もあった。
  • 数十名の有名セレブや政治家たちが発言。

まだ勝利にはほど遠い。しかもFCCの代表者たちが言ったように、当委員会のやり方は民主主義ではなく、委員たちに一般大衆の要求に応じる義務はない。…どんなに圧倒的多数の要求であっても。

昨日は、今よりもさらに強力なネット中立性規則を求める声もあった。この規則が存在する理由と、それに対する反対意見をよく知りたい人は、本誌TechCrunchの記事を読んでみよう:

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

政府のデータ要求からユーザーを保護する(or しない)IT企業はここだ

電子フロンティア財団(EFF)の最新レポート、”Who Has Your Back?” には、IT巨人たちが政府の侵略的データ要求からユーザーを保護するためにしていること ―― あるいはしていないこと ―― が詳しく書かれている。

この年次レポートには、米国4大ワイヤレスネットワーク事業者を始め、IT業界最大手の各社が揃って取り上げられている。勝者と敗者には、読者の予想通りのものもあるが、ちょっとした驚きもいくつかあった。

EFFは以下の5種類の分野についてそれぞれ5つ星で各社を評価した:業界のプライバシー慣習に従っているか、データ要求についてユーザーに通知しているか、ユーザーを第三者に売っているか、口外禁止命令に反抗しているかSection 702に基づく監視の廃止あるいは改訂を支持しているか。このレーティングシステムでは、5つ星はユーザーのデータを売り渡している可能性が最も低いことを意味し、星ゼロは、政府のデータ要求からユーザーを保護する努力を全く行っていないことを意味している。

「われわれは、政府による無制限なデータ利用を阻止する暫定行動を測定する具体的基準をいくつか定めた。このレポートを通じて、私たちのデジタル生活が政府の侵略的・非民主的監視の対象にならないよう、IT企業がポリシーを見直すことを願っている」とEFFは書いている。

5つ星★★★★★:

  • Adobe
  • Credo Mobile
  • Dropbox
  • Lyft
  • Pinterest
  • Sonic
  • Uber(これが入るとは思わなかっただろう!)
  • Wickr
  • WordPress

4つ星★★★★(敢闘賞)

  • Apple
  • Facebook
  • Google
  • LinkedIn
  • Microsoft
  • Slack
  • Yahoo

1つ星★の敗者たちの共通点にお気づきだろうか

  • AT&T
  • Comcast
  • T-Mobile
  • Verizon

2つ星★★(不名誉賞)

  • Amazon
  • WhatsApp

3つ星ランクには、Airbnb、Snap、およびTwitterが入った。なお、このレーティングシステムは「政府要求」によるユーザープライバシーが対象であることに注意されたい。広告主その他に関するユーザープライバシー全般についてではない(FacebookやGoogleのことを言っている)。各社の強みと弱みについては、報告書の会社別詳細を参照されたい。

ご存知でない方のために書いておくと、EFFはプライバシー問題に関する非常に有意義ななまとめを提供している組織だ。数多くのポリシーをこのレポートのようなスコアカードにまとめて毎年公開している。近く公開される2017 Secure Messaging Scorecard[2017年安全なメッセージングアプリ・スコアカード]にも注目されたい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トランプにブロックされたTwitterユーザーが憲法(基本的人権)違反で彼を訴訟

今日(米国時間7/11)提出された訴状で、一部のTwitterユーザーが、自分たちをブロックしたとして大統領を訴えている。原告はKnight First Amendment Institute at Columbia University(コロンビア大学憲法修正第一条に関するKnight研究所)となっていて、トランプはユーザーをブロックすることによって言論を抑圧し、“個々の原告の公開フォーラムへの参加に対し、主観に基づく制約を課している”、としている。

この提訴の前に同研究所は、6月6日の書簡で、一部のユーザーをブロックするトランプの決定を非難した。それを継ぐ形の今回の訴訟は、トランプのTwitterアカウントは公開フォーラムの一部であり、ユーザーをブロックすることは修正第一条の権利を侵犯し、憲法違反である、と主張している。

ニューヨーク南部地区連邦裁判所に提出された訴状は、こう訴えている:

“トランプ大統領のTwitterアカウント@realDonaldTrumpは政府に関するニュースと情報の重要なソースになっており、大統領による、あるいは大統領宛の、あるいはまた大統領に関する重要な公開フォーラムである。このフォーラムで、反対論者を抑圧する努力において被告は、大統領や彼の政策を批判したTwitterユーザーを排除し、“ブロック”した。この行いは憲法違反であり、この訴訟はその停止を求めるものである。”

訴訟は、さまざまな場面でトランプの怒りを買った7名のユーザーを代表している。たとえば@aynrandpaulryanと@joepabikeは、彼のローマ法王訪問を揶揄したツイートの後でブロックされ、別の一人は#fakeleader(偽りのリーダー)というハッシュタグで彼を批判してブロックされた。

被告としては、トランプ本人のほかに、ホワイトハウスのコミュニケーションをコントロールしているかのような報道官Sean Spicerと、ホワイトハウスのソーシャルメディアディレクターDaniel Scavinoの名も挙がっている。

一見、大げさで無理な訴件のようにも見えるが、しかしニュースや政策の多くが、コミュニケーションの規範を嬉々として踏みにじるホワイトハウスお気に入りのプラットホームからのみ散布されていることを考えると、必ずしもそうではないだろう。Twitterがホワイトハウスの公式のチャネルであり、大統領が国民に語りかける唯一の方法であることを考慮すると、この申し立ては結局、それほどクレイジーではないのかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アメリカの核施設のハックは今のところかなり表層的、と国土安全保障省と連邦捜査局が報告

The New York Timesが、アメリカの核施設に対してしつこく行われているサイバーセキュリティの問題に光を当てている。その記事によると、いくつかの製造施設とエネルギー施設が5月に始まった攻撃で侵入されている。

Timesが入手したDHS(国土安全保障省)とFBIの連名報告書には、具体的なターゲットとしてカンザス州のWolf Creek Nuclear Operating Corporationの名前が挙げられているが、そのほかの施設もターゲットだったことが示唆されている。FBIとDHSの共同声明は赤信号ではなく“黄信号”とされ、“有効な対策が必要な情報であるが、関連組織の外部に共有されたとしてもプライバシーや信望やオペレーションにリスクをもたらすものではない”、としている。

本誌の取材に対してDHSは両省を代表する形で、ハッカーは各施設の“管理と事務レベルのネットワーク”より先へは侵入していない、と明かし、システムエラーやそのほかの破壊行為につながるような深部のコントロールシステムは無傷だった、と暗示している。

“国土安全保障省と連邦捜査局は、エネルギー部門の諸機関に影響を及ぼしているサイバー攻撃の可能性を熟知している。しかし公共の安全が危険にさらされている兆候はなく、影響があったとしてもそれらは、管理および事務レベルのネットワークに限定されていると思われる”、とDHSのスポークスパーソンが本誌に語った。

“公的機関と民間部門のパートナーシップを一層推進するために、FBIとDHSは定常的に、民間の業界に対してさまざまなサイバー攻撃の兆候をアドバイスし、持続的なサイバー犯罪に対してシステムアドミニストレーターたちが防備できるよう、支援している”。

犯人についてはまだ何も分かっていないようだが、そのハッカーたちは職員個人をターゲットにして多様な手口を行使しているようだ。あるスピアフィッシングのテクニックは、上級のエンジニアにMicrosoft Wordで書いた履歴書にマルウェアを忍ばせたものを送り、それを開かせようとする。また、man-in-the-middle中間者攻撃)やwatering hole水飲み場型攻撃)を使って、被害者に気づかれることなく認証情報を盗む手口もある。

両省の報告書は、最近では産業施設やインフラ施設が餌食になることが多い、と言っている。先週はKaspersky Labsが、6月のランサムウェア容疑行為が、石油、ガス、そして製造業をターゲットにして、広範な感染の広がりを狙ったことを明らかにした。その同じマルウェアはチェルノブイリの放射能自動監視システムを無能化し、手動への切り替えを余儀なくした。

アメリカの核施設とエネルギー施設は、彼らのシステムへのサイバー攻撃に対する備えを日に日に強化しているが、アメリカでも世界でも、重要なインフラストラクチャシステムの防御の限界を試すハックが、今後は増加すると思われる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

今回のマルウェア攻撃の標的は半数以上が工業分野

今週の大規模マルウェア攻撃の標的 ―― および意図した効果 ―― を調査しているサイバーセキュリティ会社、Kaspersky Labsの最新レポートが、いくつか興味深い洞察を与えている。

当初Petyaという名前で知られる商用マルウェアの変種と考えられていたその攻撃は、大規模なランサムウェアスキームの一つとみられた。しかし事態が進むにつれ、攻撃は金目当てより破壊目的であることが明らかになってきた。身代金を支払っても影響を受けたシステムのロックを解除すの復号キーが手に入らなかったからだ。,

しかも、本稿執筆時点でこの攻撃が 生み出したのはわずか3.99 BTC(約1万ドル)にすぎない。一方、大規模なシステム麻痺によって主要空港、銀行、さらには チェルノブイリの放射能監視システムまでもが運用を停止した。一見ランサムウェアに見えるこの攻撃の影響を受けたシステムは、60%以上がウクライナに存在している。

Kaspersky Labsの報告によると、金融分野の被害が最も大きいものの、ほかの標的の50%以上が製造、石油、およびガスの分野に分類される。

「これはこのマルウェア作戦が経済的利益を目的としたランサムウェアではないという説を支持している」とKaspersky Labsがブログで分析している」。これはランサムウェアを装った「ワイパー」(データ破壊プログラム)と見られている。

Kasperskyはブログでこう説明している:

ExPetr(Petya)のような脅威は、重要なインフラストラクチャーや工業部門にとって著しく危険であり、攻撃の標的になったオートメーションや制御システムなどの技術プロセスが影響を受ける可能性がある。その種の攻撃は企業の生産や金融だけでなく人間の安全にも影響を与えかねない。

分析によると、多くの製造業がExPetr(Petya)マルウェアの攻撃を受けている。工場制御システムが影響を受けた事例もあるが、ほとんどのケースは企業のネットワークのみが被害を受けている。

このマルウェアをどう呼ぶかについては数多くの議論がなされているが、Kasperskyらは“ExPetr”と呼び、良く知られているランサムウェアのPetyaの変種であるPetrWrapと区別している。McAfeeの研究者らもマルウェアがPetyaに関係しているという説に懐疑的だ。「たしかにPetyaに似ているが、逸脱している部分もある」とMcAfeeのチーフサイエンティスト、Raj Samaniが今週TechCrunchに伝えた。

かつてPetyaと呼ばれたこのランサムウェアの分析に結論を出すにはまだ早いが、事態が複雑化していることは間違いない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bill Gates, Reid Hoffman, Sam Altmanらがグローバルな署名運動サイトChange.orgに$30Mを投資

LinkedInの協同ファウンダーReid Hoffmanが今日(米国時間5/26)、社会的正義を実現するための署名運動サイトChange.orgに大きく賭けることを発表した。彼は3000万ドルの投資ラウンドをリードし、それにBill GatesやY Combinatorの社長Sam Altmanらのビッグネームが参加する。

HoffmanはLinkedInにこう書いている: “Change.orgは集団的アクションのためのグローバルなハブであり、市民参加が大きくなりつつある今の時代における重要な民主化勢力である。それは、重要な問題や政策に関して、ロビイストを雇わなくても本物のインパクトを及ぼすことのできる世界を実現する”。

この組織は2007年に今のCEO Ben Rattrayが創った。その後、世界中の2億人近い人びとがこのサイトを使って、人権、環境、教育、健康などの問題に関する気づき(awareness)を喚起してきた。

Rattrayは、そのグローバルなミッションについて書いている: “私たちは今、より参加性の高い新しい形の民主主義の、初期的な発展途上段階にいる。そして、市民の参加性を変革することのできるテクノロジーの力を実際に実現するためには、私たちの声がより広く到達し、より深い関わりを可能にするためのツールを作る必要がある”。

シリコンバレーで、もはやマンネリの常套句が、「“世界を変える(change the world)”ものを作る」、だ。

でもChange.orgは、NPOではなく利益を追うビジネスだ。同社は企業や非営利団体などに陳情や署名活動のスポンサーとして寄付を求め、それが同社の年間2000万ドルの収益になっている。しかしそれでも、社員の30%をレイオフすることを避けられなかった(2016年)。その後彼らはクラウドファンディングを導入し、今ではそれがChange.orgに“数百万ドルの収入”をもたらしている。

HoffmanがChange.orgのチームに賭けるのは、これが初めてではない。2014年には、Richard Branson, Ashton Kutcher, Twitterの協同ファウンダーEv Williamsらと並んで、名士らによる大きな投資に参加した。

また2012年には、Change.orgは4200万ドルあまりを調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AIに投資するTaserは、ボディカメラを使った犯罪予測システムを開発か

主たる事業を非致死性兵器から警察用ボディカメラに転換すると発表した時、スタンガンで知られるその会社は警察の説明責任に興味を示しているかと思われた。しかしthe Intercept およびTaserの2017年警察技術報告書の分析によると、実態はもっと複雑であり、はるかに薄気味悪いものらしい。

現在はAxonと呼ばれるその会社がボディカメラ部門を設立したのは数年前だが、2017年になって事業を拡大している。2月にDextroとFossil Groupという AI企業2社を買収して以来、この会社が新たな機械学習チームの目標を警察活動においていることを示す兆候が見られている。

同社は予言的警察活動システム構築への関与を明確に否定し、「当社が顧客のために予測を立てることはない」と主張しているが、報告書には同社が「公共安全に関するあらゆる情報の収集と分析を自動化し、これまで不可能だった実態解明の鍵を見つけ出すこと」を目標としていると公然と書かれている。報告書のAIおよび機械学習に関する部分では、ほかの業界が顧客の行動予測に活用している巨大データ群から優れた洞察を抽出していることを誇っている。

「トム・クルーズの映画『マイノリティ・リポート』に出てくる認識予測のレベルには達していないかもしれないが、個人の行動パターンは特定の振る舞いをする確率を知るための有効な情報になりつつある。そして当社のデータセットがさらに大きくなれば、確実なパターンを見つける分析アルゴリズムはさらに精緻化されるだろう。予言的警察活動が拡大することは必然だ。私はこれを悪いことだと考えていないし、TASERの2つの原則とも一致している。命を守ること、そして真実を守ることだ。善良な市民のプライバシーと権利を守りつつ、この2つの称賛されるべき目標の達成を促進するテクノロジーがあるなら、それを採用すべきだ」

Taserが人工知能につぎ込んでいる膨大な投資を考えれば、警察が生死にかかわる判断を下すのを助けるデータを提供することは、この会社の得意とするところだろう。同社が独自に設置した倫理委員会がその使命をどう果たしていくのかについては、今後を見守るしかない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アジット・パイFCC委員長、ネット中立性について今週、講演予定

FCC〔連邦通信委員会〕のアジット・パイ(Ajit Pai)委員長がインターネット中立性問題に関して手の内を見せるようだ。Reutersの記事によれば、パイ委員長は「インターネット規制の将来」について水曜日(米国時間) に講演する予定だ。

TechCrunchはFCCに委員長の講演が行われることを確認したが、講演のテーマは公式発表されていないという。パイ委員長はバルセロナで開催されたMWCでこれまでのFCCのインターネット規制のアプローチに関して「強権的で古臭いやり方」だったと批判していた。

Broadband Privacy Rule(ブロードバンド・プライバシー規則)はFCCが自ら廃止しなくても Congressional Review Act〔議会審査法〕によって無効とされる可能性がある。またFCCのゼロ・レーティングに関する調査の中止も、そもそもこの調査自体が強制力のないものだった。しかし2015年のOpen Internet Order〔オープン・インターネット指令〕はFCCのインターネット規制の根拠となる重要な命令であり、無造作にしまいこめるような存在ではない。今週予定されている講演はFCC委員長が2年前にFCCが獲得したネット通信に対する規制を撤廃する計画を公に説明する最初の機会となる。

これまでに明らかにされたパイ委員長の姿勢から推測できるのは、パイ委員長はトム・ウィーラー前委員長の政策に反対であり、インターネット・サービスをタイトルII〔電気通信サービス〕ではなく、タイトルI〔情報サービス〕に分類すべきだと考えているという点だ。

パイ委員長はタイトルⅡを根拠とする前委員長の方針を違法だとしており、インターネットの規制に関してFCCは権限を逸脱していると批判している。もしパイ委員長がインターネットに関するタイトルⅡの権限を正式に否定するなら、ネット中立性に関する規則は事実上効力を失うことになる。つまり法律があっても警察がない状態のようなものだ。おそらくはその代りに別の(願わくばより優れた)規則が制定されるはずだが、それには数ヶ月かそれ以上かかるのが普通だ。その間、ネット中立性に関しては強制力のある規則がない状態となる。

仮にこうしたアプローチが取られるとしても、インターネット中立性問題に関する指令の無効化にはプライバシー規則の撤廃などよりはるかに時間がかかり、多大の準備が必要となるだろう。プライバシーに関する規則にしても、まだ無効化は効力を発揮しておらず、依然としてCongressional Review Actの適用を受ける可能性ある期間内だ。

パイ委員長が講演するイベントはFreedomWorksの主催だ。これは右派リバタリアン系の組織でオバマケアの撤廃を主張したことがある(この団体は自サイトでTechCrunchのイラストのいくつかを無断で使用しているのでひょっとすると著作権にも反対しているのかもしれない(もちろん単なる不注意かもしれない。問い合わせ中だ)。

なおSmall Business and Entrepreneurship Councilもイベントの共催者だ。この協議会もBroadband Privacy Ruleの撤廃を含めて最近のFCCの政策には全面的に賛成している。両組織にコメントを求めてあるので、なんらかの回答があればアップデートする。

画像:Tom Williams/CQ Roll Call/Getty Images

〔日本版〕Congressional Review Actにより、議会は連邦行政庁の規則、命令に関して上下両院共同の反対決議を行うことができ、行政庁が一定期間内に決議の趣旨に沿った新たな規則等を制定しない場合には自ら無効化できる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

インターネットプロバイダーのプライバシー保護要件を無にする決定にトランプ大統領が署名

これで、正式に決まりだ。大統領が、昨年までのルールを覆す決定に署名した。インターネットのプロバイダがユーザーの閲覧履歴を集めたり売ったりすることを禁ずる、強力なプライバシー保護が、これでなくなった。

これは意外ではない。先週議会が承認したことを、ホワイトハウスが支持しただけだから。上院でそれは議決されたが、15名の共和党議員が下院の決定に反対した。

そのとき書いたように、問題のルールは年内有効になっていたので、すぐには事態は変わらない。ただし、Congressional Review Actという法律があるので、昨年と同じ主旨の法律をまた成立させ復帰させることはできない。

ブロードバンドのプロバイダーも通信企業と見なされるので、FTCの監督下にはないが、FCCはこれを覆そうとしている。実際にそうなるまでは、あなたのWeb閲覧は安全だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ISPがユーザーの承諾なしで個人データを収集してもよい、と米上院が議決、下院はどうなるかな?

FCCが昨年作ったブロードバンドのプライバシー規則は、上院における昨夜の激しい議論と今朝(米国時間3/23)の投票により、危機に瀕している。この規則でとくに重要なのは、ISPがそのサービスから得た、閲覧履歴などの要注意データを使用するためには消費者の許可を要する、という部分だ。

これは、まずいんじゃない、ねぇ? 昨晩の記事に詳しく書いたけど、1996年の通信法の制定を主導したマサチューセツ州のEd Markeyをはじめ、多くの上院議員が、この議決に反対した。

上院は50対48で、規則廃止に傾いた。規則が廃止されるだけでなく、Congressional Review Act(CRA)という法律により、同様の規則の今後の制定もできない。次は、下院だ。

FCCのMignon Clyburn委員とFTCのTerrell McSweeny委員が、共同声明で次のように述べている: “大統領の署名によりこの法律は、広く支持されていたブロードバンドのプライバシーの枠組みを無効にし、ケーブルとブロードバンドのプロバイダーは、顧客の重要な個人情報を売る前に承諾を得るべし、という要件を廃棄する”。

ネットアクセスに関する消費者保護団体Access Nowの法務担当Nathan Whiteは、こう言う: “この決議は人権と市民的自由よりも企業の利益を優先している。下院が消費者のために立ち上がり、インターネットのプライバシー保護がCRAによって葬り去られることを防ぐ必要がある”。

関連記事(未訳)〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イギリスでも大型電子機器の持ち込み禁止へ―、中東・北アフリカ6カ国からの直行便が対象

中東・北アフリカの10ヶ所の空港から運航されている直行便への、スマートフォンより大きな電子機器の持ち込みがアメリカで禁止された後、イギリスでも同様の禁止令が発布された

イギリス版の禁止令では、6カ国(トルコ、レバノン、ヨルダン、エジプト、チュニジア、サウジアラビア)14ヶ所の空港から運航されている直行便が対象となる。

両国の規制の対象となっている空港(そして航空会社)には重複しているところもあるが、イギリスの禁止令では、ノートパソコン、タブレット、ポータブルDVDプレイヤーだけでなく、サイズの大きな携帯電話も客室内への持ち込みができないようになっている。長さ16cm、幅9.3cm、厚さ1.5cmがそのサイズ制限だ。これはiPhone 7 Plusのサイズよりも大きいため、そこまで多くの人には影響を与えないと思われるが、アメリカの禁止令のもとでは大きなファブレットが持ち込めるのかどうかについて疑問が残る。

アメリカ同様、対象となるイギリス行きの直行便の乗客は、大きな電子機器を全て預入荷物の中に入れなければならない(結果的に盗難のリスクが高まる)。

アメリカの禁止令では国内の航空会社には影響がなかったが、イギリスでは国内の航空会社6社が対象空港からの直行便を運航しているため禁止令の影響を受けることになる。ブリティッシュ・エアウェイズ、イージージェット、Jet2.com、モナーク航空、トーマス・クック航空、トムソン航空がその6社だ。国外の航空会社としては、トルコ航空、ペガサス航空、アトラスグローバル、ミドル・イースト航空、エジプト航空、ロイヤル・ヨルダン航空、チュニスエア、サウジアラビア航空が影響を受ける。

エミレーツ航空、カタール航空、クウェート航空、ロイヤル・エア・モロッコ、エティハド航空が運航する直行便もアメリカでは対象となっている一方で、イギリスでは対象外とされているのは興味深い。

両国の禁止令が対象としている空港や国に違いがあるのは、両国への直行便を運航しているか否かに関係している。アメリカの政府高官によれば、禁止令は”吟味された外交情報”をもとに発布されたとのことだが、直近で脅威となるような情報が発端となったのかどうかは未だによくわかっていない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

米電子機器持ち込み禁止令の対象はイスラム教国からの直行便―、航空会社9社に影響

昨日の混乱の後、中東や北アフリカからアメリカに向かうフライトでは、スマートフォンよりも大きな電子機器の機内持ち込みが本当に禁止されることになるという情報を、新たに政府高官から入手した。この禁止令が施行されると、乗客はノートパソコン、タブレット、ゲーム機、カメラ、ポータブルDVDプレイヤーといった電子機器を預入荷物の中にいれなければいけなくなる。なお、禁止令がいつ頃解除されるかについては決まっていない。

運輸保安局(TSA)の”緊急修正”と呼ばれるこの禁止令によって、中東と北アフリカにある以下の10ヶ所の空港から運航している航空会社9社に影響が及ぶことになる。

  • クィーンアリア国際空港(ヨルダン)
  • カイロ国際空港(エジプト)
  • アタテュルク国際空港(トルコ)
  • キング・アブドゥルアズィーズ国際空港(サウジアラビア)
  • キング・ハーリド国際空港(サウジアラビア)
  • クウェート国際空港(クウェート)
  • ハマド国際空港(カタール)
  • ムハンマド5世国際空港(モロッコ)
  • ドバイ国際空港(ドバイ首長国・アラブ首長国連邦)
  • アブダビ国際空港(アブダビ首長国・アラブ首長国連邦)

実際に影響を受けることになるのは、ロイヤル・ヨルダン航空、エジプト航空、トルコ航空、サウジアラビア航空、クウェート航空、ロイアル・エア・モロッコ、カタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空だ。この9社は、合計で1日あたり50便のアメリカ行きフライトを運航している。

各航空会社には、電子機器の持ち込みに関する禁止令に応じるまで、96時間の猶予期間が与えらえているが、もしも応じなかった場合、連邦航空局(FAA)がその航空会社の権利を剥奪し、アメリカへの渡航を禁じる可能性もある。例えば、昨年トルコのアタテュルク国際空港で起きたテロ事件を受けて、FAAが同空港から運航する全ての航空機のアメリカ入国を一時的に禁止していたことを考えると、アメリカ政府がこのような対応をとること自体は全く予想外というわけではない。

この禁止令が対象にしているのは、前述の空港からアメリカに直行するフライトのみであり、影響を受ける航空会社や空港の所在国はなんの関係もないと、政府関係者は強調していた。その一方で、対象となる空港とアメリカの空港間で直行便を運航しているアメリカの航空会社は一社もないため、国内の航空会社は禁止令の影響を全く受けないということにもすぐ気がつく。

なぜアメリカ政府はこのタイミングで禁止令を施行しようとしているのだろうか?政府関係者は具体的な脅威については触れず、テロ組織が電子機器に爆発物を隠して旅客機に持ち込もうとしていることを示す情報をもとに、政府は禁止令を発布したと語っている。この関係者によれば、2016年2月にモガディシュ(ソマリア)発ジブチ行きのダーロ航空159便で起きた爆発事件でも電子機器が使われていたようだが、1年以上前に起きた事件を理由にこの段階で禁止令を出すのも不自然だ。

突然で対象がランダムな印象を受けるだけでなく、この禁止令には明らかな問題もいくつかある。まず、FAAは火災発生の可能性を理由に、リチウムイオン電池を預入荷物に入れることを明確に禁じている(電池の発火事故で昨年話題になったホバーボードのことを覚えているだろうか?)。客室であれば電池に火がついても簡単に消すことができるが、貨物室ではそうはいかない。

さらにノートパソコンといった高価な電子機器を預入荷物の中に入れると、もちろん盗難のリスクが増える。アメリカで液体の持ち込みに関する3-1-1ルールが導入されるきっかけとなったテロ未遂事件を受けて、イギリスが2006年に似たような電子機器の持ち込み禁止令を施行した際には、荷物の盗難が急増したと報じられていた

FAAは航空会社と協力しながら、貨物室にコンピューターを保管するための最善策を模索しているが、私の知る限り、彼らの最善策とはそもそも貨物室でコンピューターを保管しないということのようだ。そうなると、禁止令の影響を受ける航空会社は、一体どのようにして禁止令に応じながら、乗客のノートパソコンを貨物室で預かればいいのだろうか(もしかしたら電子機器は別のチェックを受けるようになるのかもしれない)?ちなみにパイロットや乗務員に関しては、恐らく空港や航路に関する情報を表示したり、飛行計画を立てたりするためにタブレットを使うことが多いということを理由に、禁止令の対象からは外されている。

今回の禁止令では、主要イスラム教国からのフライトのみが対象となっていることから、先の入国禁止令との関連性を疑わずにはいられない。一方で入国禁止令の対象となっていた国は、電子機器の持ち込み禁止令の対象となっている空港の所在国とは異なる。

長年アメリカの航空会社の多くが、カタール航空やエティハド航空、エミレーツ航空といった競合が各国政府から受け取っている助成金について不満の声を挙げていたことも知っておいた方がよいだろう。なお私たちが話を聞いた政府高官は、先月各航空会社のCEOがトランプ大統領に直接苦情を伝えたことと、今回の禁止令の間には何の関係もないと強く否定していた。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

米規制当局、指定13か国からのフライトで携帯電話より大きい電子機器を禁止

米国規制当局は中東およびアフリカの航空会社各社に対して、近々乗客は携帯電話より大きい電子機器はチェックインしなくてはならなくなると通告した。数多くメディアが報じた。つまり、遠からず対象の航空会社の乗客はノートパソコン、タブレット、Kindle、ポータブルゲーム機などはチェックイン荷物に入れなくてはならなくなる。

この禁止令についてはいまだに情報が錯綜している。例えば、どの国のどの航空会社が対象なのかもはっきりしていない。CNNのJon Ostrowerは、この新たな措置の影響を受ける航空会社は10社以上に上ると報じているが、具体的な会社名は不明だ。

これまでにロイヤル・ヨルダン航空だけがこの件についてツイートしている(しかし後に削除した)。エミレーツ航空などの主要中東航空会社はどこもこのノートパソコン禁止令についてコメントしていない。本誌は対象となりうる航空会社数社に連絡を取っているがまだ返信はない。例えばカタール航空の予約係と話したところ、まったくこの電子機器規制については知らなかった。

アップデートサウディア航空もこの大型電子機器禁止についてツイートした。

運輸保安局(TSA)にも問い合わせたところ、国土安全保障省(DHS)を紹介された。DHSから受け取った声明は以下の通り。「本省は安全保障予防措置の可能性についてはコメントしないが、時期が来れば情報を提供する」。

ロイヤル・ヨルダン航空のツイート(後に削除された)

この禁止令がいつまで有効なのかもわかっていない。初期の報道では禁止期間が96時間かと思われたが、どうやら航空会社が指示に従うまでの猶予期間が96時間らしい。

TSAが発令したとGuardianが報じているこの命令の理由もはっきりしていない。しかし、テロリストの脅威が迫っているとの情報に対する行動である可能性はある。

ほとんどの航空会社が、リチウムイオン電池を電源とするあらゆる機器のチェックインを禁止していることを踏まえると、今回の決定は実に紛らわしい。これらの航空会社を利用する乗客は、対象デバイスをチェックインできるのか、一切持ってはいけないのか、いずれかを意味することになる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Airbnb、Lyftら58社、トランプの改訂入国禁止令に反対する法廷助言書を提出

Airbnb、Lyftを始めとするテクノロジー企業58社は、明日施行予定のドナルド・トランプ大統領による改訂入国禁止令を阻止するための法廷助言書を提出した。この助言書は、ハワイ州が起こしたイスラム主流国からの入国を制限する大統領令の暫定的差し止めを要求する訴訟を支持するものだ。

助言書は予定されている入国制限は米国企業にとって痛手であることを主張し、「法廷助言者らの従業員や顧客に深刻な危害を加え、その結果米国の企業および従業員に膨大かつ修復不能な損害を与え米国の主要な業界の成長を抑制する」と述べている。

先月、テクノロジー企業97社は、トランプの当初の入国禁止令に反対する法廷助言書に署名した。Warby Parker、Udacity、Square、Twilio、Postmates、Pinterestらも署名に加わった。

「我が国への入国を出身地によって禁止することは間違っている」とAirbnbの政策責任者、Chris Lehaneが声明で語った。「われわれのコミュニティのミッションは、誰がどこにでも属せるようにすることであり、われわれの価値観と相反する政策には反対の立場をとる」

なお、当初の入国拒否令は7か国のイスラム主流国からの入国を制限していた。現在の法案はイラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメン、およびシリアの6か国からの入国を90日間制限試用としている。また難民の米国入国を120日間禁止している。今回の提案で変わるのは、イラクが対象国から除外され、移民の永久禁止が緩和されたことだ。

アップデート:Uber広報によると、同社も法廷助言書に加わった。「われわれの意見は変わっていない。トランプ大統領の入国禁止は不当であり間違っている。今後もUberコミュニティで影響を受ける人々のために戦っていく」とTechCrunchに話した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トランプの元選挙参謀の家族のテキストメッセージがハックされ闇サイト上で公開

gettyimages-623681613-e1484861214147

トランプの選挙戦とロシアとの関係をめぐる疑問が高まる中、大統領の元側近の少なくとも一人が、DNC的扱い*を受けたようだ。〔*: DNC, Democratic National Committee, 民主党全国委員会; DNC的扱い, ハックされたこと〕

Politicoの記事によると、今闇サイト(dark web)に出回っているデータダンプの中には、Paul Manafortの娘Andreaが送受した28万あまりのテキストメッセージがある。Manafortは2016年の8月までトランプの選挙参謀だったが、ウクライナの親ロシア派たちとの仲が明らかとなって以降、退いた。

そのテキストの中でAndrea Manafortは、彼女の父親の“ウクライナにおける仕事と報酬は法的にも疑義がある”と述べ、彼がウクライナの前大統領Viktor Yanukovycとの関係を通じて蓄積した富を “血で汚れた金(blood money)”と呼んでいる。Yanukovycは現在ウクライナで国事犯として訴追され、ロシアに逃亡している。

このハックはAndrea ManafortのiPhoneのデータにアクセスして行われた、と見られており、そのデータはローカルに保存されるか、またはiCloudのアカウントへシンクされていたもののようだ。Politicoの記事は、ファイルをポストした“活動家ハッカー集団(hacktivist collective)”の名を挙げていないし、自分たちが最初の発見者だとも言っていない。先週のPoliticoの記事は、Manafortがトランプの大統領選に仕えていた間、恐喝されていた、と報じている。これも、今回のテキストと同じWebサイトがニュースソースのようだ。

8月にPaul Manafortは、娘の一人がフィッシングによりハックされたと疑い、Andreaにこう警告したらしい: “お前の姉〔妹?〕がハックされた。今日彼女から来たメールは、‘重要なドキュメント’があった、Googleのスプレッドシートを共有した、と言っている。もちろん、それを開いてはいけない!”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alexaの録音内容を警察が聴くことは憲法修正第一条のプライバシー保護に反するとAmazonが主張

amazon-echo-03

昨年晩く明らかになったように、AmazonのEchoスピーカーが、実は2015年にアーカンソー州で起きた殺人事件の捜査で重要な証拠物件になっていた。そのスマートホームアシスタントの音声の録音を、警察が調べようとしたためだ。しかし今年になってこの巨大テクノロジー企業は反撃に転じ、録音されていたユーザーのコマンドとAlexaの応答は共に、保護されるべき談話だ、と主張した。

先週提出された長大なファイルでAmazonは、これまでユーザーの購入履歴の要請には応じたけれども、Alexaの録音の要請は“憲法修正第一条とプライバシーの原則に抵触するおそれがあるので、裁判所が今回の事案の特別の難度に鑑み、州に対し特段の特例を認めないかぎりは、命令書は廃棄されるべきである”、と主張している。

同社の説明によると、捜査を妨害する意図はないけれども、録音を政府機関の手に渡すことは消費者のプライバシーの権利を冒涜するものである。同社は2010年に同社が関わった裁定を、次のように引用している: “…人が読んだもの、聞いたもの、見たものに対する政府による追跡や検閲の不安があることは、修正第一条の実践を毀損する”。

この場合AmazonとACLUの解釈では、憲法修正第一条が、顧客の記録をノースカロライナ州歳入局に渡すことからAmazonを保護している、となる。

そのファイルでは、Echoはすでにユーザー数がとても多いから、記録の開示が悪い前例となり、Amazon製品にかぎらず、音声を使用する家庭用デバイス全般に対するプライバシーの不安感を多くの人びとに広める〔==営業妨害になる〕、と企業としての主張も展開している。自社製品の宣伝の意図も、ありそうだけれど。

Echoが2015年の殺人事件の重要物件になったのは、その年の11月終わり頃の夜に殺されたアーカンソー州の住民Victor Collinsの、死因等に関する何らかの手がかりが得られるとして、警察がそのデバイスを差し押さえたからだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トランプが安全でないAndroidスマートフォンを使っていることに関し一部の議員が調査を要求

CHARLESTON, SC - FEBRUARY 18: Republican presidential candidate Donald Trump talks talks on the phone while making a stop for lunch between campaign events at Fratello's Italian Tavern in North Charleston, SC on Thursday Feb. 18, 2016. (Photo by Jabin Botsford/The Washington Post via Getty Images)

新大統領になりたてほやほやのトランプが、安全でないAndroidスマートフォンを、いったんは捨てたけど、実は捨ててなかったらしい、という話はその後どうなったのか? しかし2017年の政治はその後も狂気の大洪水だから、スマホの件など忘れ去られてしまったようだ。

でも今日(米国時間2/17)それは、再び頭をもたげてきた。カリフォルニア州選出の下院議員Ted Lieuが、トランプが今でも安全でないAndroidスマートフォン(Samsungの昔の機種Galaxy S3らしい)を使っているので、大統領のセキュリティが破綻している、という一連の報道について調査をするよう提案したのだ。

Lieu議員は、“大統領は常識的なセキュリティ対策を全面的に無視しているという言語道断な失態により国のセキュリティを危険にさらしている”という報道を下院の政府改革委員会が調査するよう、求めている

彼のその書簡に付随するプレスリリースは、トランプが私邸の晩餐会で核戦略について語っている、という報道にも言及している。書簡の文面はこうだ: “サイバーセキュリティの専門家たちの意見は、大統領がシークレットサービスからの度重なる警告にも関わらず使用しているとされる、通常のAndroidスマートフォンは、容易にハックできる、という点で一致している。それは、国のセキュリティに対する言語道断の侮辱である”。

この書簡には彼のほかに15名の議員の署名があり、ホワイトハウスのスタッフが安全でないメールアカウントを使用した、という選挙期間中に話題になったおなじみの問題にも言及している: “クリントン長官による私的メールの使用をめぐる共和党議員の懸念も、ここであらためて想起したい。そのような通信の安全性と、法が求めている記録手続きの適切性を確定するために、公聴会が必要である”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))