飲食店向けSaaS運営のウェリコが5000万円を資金調達、ニッセイの「50M」プログラム第1期採択企業

飲食店向けSaaSを複数展開するウェリコは5月16日、ニッセイ・キャピタルおよび個人投資家を引受先とした第三者割当増資を4月に実施していたことを明らかにした。今回の調達はシードラウンドにあたり、調達金額は総額5000万円だ。

ウェリコは2017年4月の設立。代表取締役CEOの荒木れい氏はJPモルガン証券で投資銀行部門に所属し、M&A、資金調達などのアドバイザリーに従事した後、同社を創業した。

ウェリコが提供するのは、飲食店向けのウェブサービス群だ。「Menu Maker(メニューメーカー)」は、スマートフォンでおすすめメニューを作成できるサービス。手書きメニューに代わりデザインされたメニューを月額980円で何度でも作成でき、PDFやFaxで出力することが可能だ。

Oroshiru(オロシル)」は、飲食店が卸業者へのFax発注をスマートフォンで行えるサービス。今使っている発注書を利用でき、卸業者へはメールやFaxで従来通りに発注書が送られるので、業者との調整をすることなく導入可能だ。一度登録した商品は保存されて、再発注の際は入力の手間が省ける。また過去の発注情報を確認できるので、発注ミスを防止し、仕入を最適化することができる。こちらも無制限に利用可能なベーシックプランが月額980円で提供されている。

今回の調達は、先日第1期採択企業のデモデイがあったニッセイ・キャピタルのアクセラレーションプログラム「50M」の継続支援先として採択されたことによるもの。

ウェリコでは、今回の資金調達をもとに、サービス開発・拡大と人材獲得の強化を図るとしている。

Movable Typeが約4年半ぶりのメジャーバージョンアップ、コンテンツ活用機能をより充実させる

2001年秋、Ben Trottが妻のMenaのために開発した「Movable Type」は、ブログブームに乗って利用が広まり、またブームの牽引役も果たしたブログCMSの草分け的存在だ。今でこそ、ブログCMSとしてはオープンソースのWordPressにトップシェアを譲っているが、企業などの利用で日本では根強い人気を誇るCMSである。

そのMovable Typeに最新バージョンのMovable Type 7が登場し、5月16日に正式リリースされた。2013年10月のMovable Type 6リリースから約4年半ぶりのメジャーバージョンアップとなる。

コンテンツの可用性を高める新機能「コンテンツタイプ」

Movable Typeは、個人のウェブログ(2000年代初めごろはブログと略さずにこう呼ぶことが多かった)での利用から、ビジネスへも利用が広がり、その機能を拡張してきた。

2001年にTrott夫妻が設立したSix Apartは、2003年に伊藤穰一氏が率いるネオテニーから60万ドルの出資を受けたのを皮切りに、数社のベンチャーキャピタルやIntelなどから資金調達を実施。他社を買収しながらソフトウェアを開発し、サーバーホスティング付きの「TypePad」を提供するなど、サービスを成長させていた。

しかし、2010年にVideoEggとの併合により、SAY Mediaを設立した後は、2011年1月に子会社の日本法人シックス・アパートへ、Movable Typeに関する全権利とSix Apartブランドを譲渡。2011年2月にインフォコムの100%子会社となって再出発した日本のシックス・アパートは、その後2016年7月にEBO(Employee Buyout:従業員の自社株式取得による買収)を行い、独立している。

米国生まれのMovable Typeが現在、日本で利用され続けているのには、創成期の有志による熱心な日本語化の動きから始まり、最終的に日本で開発が続いていることが大きく寄与しているだろう。余談だが、日本語化に最も熱心に取り組んでいた有志のひとりが、現シックス・アパート取締役CTOの平田大治氏で、当時はほぼ、エバンジェリストとして活動していたと筆者は記憶している。

さて昔話はこれぐらいにして、最新バージョンのMovable Type 7の新しい機能、これまでのバージョンとの違いを見ていこう。

新バージョンの最も大きな特徴は、さまざまなコンテンツの形式に合わせて投稿画面を設計し、構造化されたデータが作成できる「コンテンツタイプ」機能の追加だ。

Movable Type 6(MT 6)まではブログCMSとしての延長線上で、「記事+カスタムフィールド」という形でコンテンツが管理されてきた。これに対し、Movable Type 7(MT 7)では「ある一定の型を持つ情報群をデータベース的に格納し、それを使ってページをつくる」ことができるようになっている。

具体例を見てみよう。下図は企業サイトでイベント告知などを行う際、告知ページに定型的に表示することが多い「講師」をコンテンツタイプとして設定するときの画面だ。

コンテンツタイプの編集画面。

MT 6では、型の決まった講師情報をイベント告知ページに入れようとなると、カスタムフィールドを告知ページに設けて、ページごとに編集を行う形となっていた。これでは、複数のイベントに同じ講師が登壇するとしても毎回講師情報の入力が必要だし、講師の肩書きなどが変われば修正は全ページで行うことになる。

MT 7では、コンテンツを要素ごとにコンポーネント化して再利用できる。コンテンツ内で他のコンテンツタイプを呼び出すこともできる。つまり、講師情報の場合なら、コンテンツタイプを使って格納しておいて、各イベントページで呼び出すことが可能となる。情報の流用がコピー&ペーストでない形で行えるので、コンテンツの可用性が高まる。

コンテンツ内での他のコンテンツタイプを呼び出し可能。

コンテンツタイプの作成、編集はドラッグ&ドロップで可能。フィールド設計イコール投稿画面の設計となるので、これまでは制作会社などが行っていた投稿画面の変更が、MT 7では標準機能で、エンドユーザーでも操作することが可能となっている(ユーザーによる変更ができないよう制限することもできる)。

コンテンツタイプにコンテンツを入力、編集する。

MT 6から搭載されているData APIでは、ブログや記事のデータの読み出し・編集がREST/JSON形式のAPIで行えるが、Data APIもコンテンツタイプに対応。コンテンツタイプとData APIを利用して、さまざまな形式のコンテンツをPC/スマホサイトだけでなく、アプリやデジタルサイネージ、印刷物などに使用できるほか、SNSなどのフォーマットに加工することも可能だ。

サイトからデータを引き出して表示、検索するなど、コンテンツを抽出・管理できる場としての性格が、MT 7では可用性が高まったことにより、さらに強まっている。

そのほかにもコンテンツの出力パス(ディレクトリ)を、コンテンツタイプに含まれるフィールドを利用して自由に設計でき、複数表示も可能なアーカイブ/マッピング機能や、コンテンツをブロック単位で構成・作成できるブロックエディタの搭載など、さまざまな機能追加や改善、UIの刷新が行われた。

5月16日にリリースされるのは、Movable Type 7のソフトウェア版、クラウド版、AMI版(AMI版はAWS による審査が終わり次第、公開予定)。上位版のMovable Type Advancedのリリースは10月の予定だ。

ブログCMSとしての手軽さとコンテンツ活用の両立を目指したMT 7

CMSとして国内では現在、5万サイト以上に導入されているMovable Type。「エンドユーザーは幅広く、官公庁、大企業から、士業や店舗など、さまざまな業種・規模の法人・事業者に利用されている」とCTOの平田氏は話す。

「特にセキュリティに関心があるユーザーの利用が多い」と平田氏。「Movable TypeはCMS自体の脆弱(ぜいじゃく)性には都度、すぐに対応してきた。またクラウド版では(セキュリティパッチが)自動反映される。またMovable Typeの大きな特徴は、静的ファイルの生成にも対応していること。官公庁などセキュリティの制限が厳しい環境も含め、いろいろな使い方ができる点が評価されている」という。

大企業では、イベント告知やオウンドメディアなどコンテンツの一部だけをMTで運用するなど、分割して利用されるケースも多いようだ。

平田氏は「今はウェブは一人で作るものではない。企業サイトを作る場合、制作会社やライター、担当者のいる現場など、さまざまな人のコラボが発生する。そうしたステークスホルダーが複数いる状態でも、大げさな承認フローを必要とせず、ユーザー側も制作者側も含めた幅広い人に使いやすく、というのがMTの目指すところ」と語る。そのため、コンテンツ公開承認フローのためのプラグインなども率先して取り入れているという。

「システム構築を手がけるパートナー企業が複数選べるのも、MTユーザーにとってのメリット」と言う平田氏は「中には一度WordPressにCMSを移行した後、MTに戻るユーザーもいる」と述べている。

今回のバージョンアップでは「これまでのブログCMSとしての手軽さと、長期的運用でのコンテンツ活用のしやすさを共存させ、本格的なCMSを使いやすく提供することを目指した」と平田氏は話している。

WordPressとの比較で高価だと言われがちなMTだが、担当部門単位でも取り回しやすく、安全にサイトを作れるというニーズを満たすことを考慮すれば、決して高額ではない、と平田氏は言う。

「サイトを作る理由は今や、マーケティングのため、顧客とのコミュニケーションのため、セールスのためなどと細分化し、コーポレート全体の話になるとは限らない。また管理についても、たとえ大企業でも実運営や予算面で情報システム部門がサイトのすべてを担当することは減っている」(平田氏)

そうした環境の中「公開が終わった後の巻き取りまで含めて考えると、長期的には、マルチサーバライセンスのMT Advancedを利用するほうが運用費や管理費が抑えられるケースもある」と平田氏は話していた。

シックス・アパート取締役CTO 平田大治氏

三井不動産が300億円規模のベンチャー投資事業、1社あたり数十億円規模の大型投資を予定

三井不動産は5月15日、主に日本国内において革新的な技術やサービスを持つグロースステージのスタートアップを対象とした、総額300億円の投資事業を開始することを明らかにした。本事業はベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン(GB)と共同で行い、1社あたり数十億円単位の大型投資を予定しているという。

三井不動産では2016年に50億円規模のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドをGBと設立。アーリー期のスタートアップを中心に、これまで国内外十数社への投資をしてきた。今回設立した新ファンドは従来の活動理念を受け継いだ上で、さらにグロースステージのスタートアップを対象にしたものだ。

投資するのは不動産テックやIoTなど三井不動産のアセットを活用できる領域の企業で、投資決定や投資先の支援はGBと共同で実施する。出資をきっかけに三井不動産グループの人的リソースや事業ノウハウ、商圏、街づくりのフィールドを提供していくという。

近年では10億円を超える大型の資金調達を行うスタートアップも増えてきている一方で、大型出資が可能な投資機関は限られている。三井不動産としては300億円のファンドを通じてスタートアップ側の選択肢を増やし、日本のエコシステムの発展にも寄与したいという考えがあるようだ。

なお同ファンドの重点投資領域は以下の通り。

  • 不動産テック
  • IoT
  • サイバーセキュリティ
  • シェアリングエコノミー
  • Eコマース
  • フィンテック
  • 環境およびエネルギー
  • ロボティクス
  • AIおよびビッグデータ
  • ヘルスケア

フリマアプリ「ラクマ」、販売手数料0円を終了。6月から「3.5%」に

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楽天傘下のフリマアプリ「ラクマ」(旧フリル)は5月15日、販売手数料0円のキャンペーンを6月4日で終了すると発表しました。

6月4日午前10時以降に出品した商品に関しては、売れた金額の「3.5%」が販売手数料として売上から差し引かれるとのこと。また、6月4日以前に出品した商品に関しても、購入者の支払いが6月11日午前11時以降となる場合、同様に販売手数料「3.5%」が発生するとしています。

なお、競合サービスの「メルカリ」は販売手数料を「10%」に設定しており、「ラクマ」は依然として販売手数料で優位に立っています。

Engadget 日本版からの転載。

フィールドセールス向けCRMを提供するUPWARDが約3億円調達

クラウドCRMサービスを提供するUPWARDは5月15日、Draper Nexus Venture PartnersSalesforce Ventures日本ベンチャーキャピタルアーキタイプベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、総額約3億円を調達したと発表した。

UPWARDは、CRMと位置情報を連携したフィールドセールス向けのクラウドサービスだ。従来のフィールドセールスでは、CRMにある情報をもとに準備をし、そこに書かれた住所に訪問するというのが一般的。一方、CRMと位置情報を組み合わせたUPWARDでは、例えば自社製品の資料請求を行った企業のオフィスがたまたま営業員の近くにあれば、ツールが自動的に「訪問すべき」というリコメンドを行う。

UPWARDはスマホアプリなので、急な案件でも出先からCRM情報を確認することもできる。営業計画の立案や効果的な訪問ルートの計算などもツール上で行うことが可能だ。活動報告や、実際の活動履歴をもとに自動でレポートを作成する機能もあるので、フィールドセールスに関わる作業を一括して行うことができる。

UPWARDの設立は2002年で、サービスは2011年からリリース。現在の導入社数は約200社だ。導入企業で多いのは、クルマや機械など単価が高い製品を扱う企業で、かつルート営業を行う企業なのだという。同社は今回調達した資金を利用して、フィールドセールスで必要となる入力作業をAIで自動化する機能などを開発する予定だ。

freeeがAPIエコノミー形成に向け「オープンプラットフォーム戦略」発表、バックオフィス効率化から全社最適化へ

クラウド会計ソフト freee」や「人事労務 freee」などバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスを複数展開するfreee。同社は5月15日、APIを活用した外部サービスとの連携を強化しAPIエコノミーの形成を目指す「freee オープンプラットフォーム」戦略を発表した。

今後は財務会計や人事労務分野以外のクラウドサービスともAPI連携を進めることで、クラウド上にあるさまざまなデータの一元管理、バックオフィス部門を超えた全社での業務最適化の実現を目指していく方針。開発者向けのコミュニティサイト公開、API連携の専任チーム設置など、サポート体制も強化する。

また具体的な連携サービス拡充の第1弾として、セールスフォースやサイボウズなど販売管理領域における連携パートナー8社を発表。営業部門と経理部門の連携をスムーズにし、債権管理業務の効率化を推進する。

複数クラウドサービスの導入により生まれた、新たな課題の解決へ

freeeの新戦略の背景にあるのは、クラウドサービスが普及したことによって生じた新たな非効率だ。ここ数年で業務効率化や生産性向上を目的に、クラウドサービスの導入が加速。2011年から2016年の5年間で普及率が2倍以上になっているという。

クラウドの導入によりチームや部門単位でデータの共有が進み効率化が進んできた一方で、1社当たりの導入サービス数も増加すると「システムごとにデータがバラバラになっていること」が新たな課題になるケースが増えてきた。つまりチーム単位では効率的だけど、各ツール間は連携できていないためにデータの転記業務や二度打ちが発生し、会社全体で見ると最適化がされていないという課題だ。

この状況を解消する手段として各システムをAPIでつなぎ、データを一元管理できるようにするという動きが進んでいる。freeeでも会計freeeをリリースした2013年からパブリックAPIを公開。その後も請求書APIや人事労務APIなどAPIの公開範囲を広げてきた。

とはいえ当初はクラウドサービスが今ほど普及していないこともあり、連携するサービスや領域もある程度限定的なものだったという。「ここ数年間でマーケットが大きく変化している。クラウドサービスを複数導入する企業も珍しくなくなり、(freeeでこれまでやってこなかったような領域の)他サービスとの連携の要望も増えてきた」(freee担当者)

第1弾は販売管理システムとの連携強化から

そのような流れを受けて、今後freeeでは会計、人事労務の領域で各種APIを順次公開していくとともに、販売管理や勤怠システム、グループウェアやコミュニケーション領域の各サービスとの連携を強化していく。

「これまでのAPI連携では経理部や人事部などバックオフィス領域の効率化に取り組んできた。これからはfreeeを使う前の工程や、freeeでは対応していない工程で使われているサービスとの連携を進める。経理や人事のためのサービスから、全社最適のサービスを目指していきたい」(freee担当者)

freeeでは連携サービス拡充の第1弾として、販売管理領域に取り組む方針。以下8社のパートナー企業と連携を開始し、営業部門と管理部門における債権管理業務の効率化から始める。

  • セールスフォースドットコム「Salesforce Sales Cloud 」
  • サイボウズ「kintone」
  • ゾーホージャパン「zoho CRM」
  • 日本オプロ「soarize」
  • ジオコード「ネクストSFA」
  • トレードシフトジャパン「Tradeshift」
  • レッドフォックス「cyzen」
  • 三和システム「NT-golf」「NTG-head」

また並行してAPI連携の専任チームによるサポート体制の強化や開発者コミュニティの形成にも力を入れる。その一環として開発者向けポータルサイト「freee Developers Community」を公開。freee APIを利用する開発者に対してテクニカルサポートや他の開発者に質問・相談できる仕組みを整えるほか、ハッカソンやミートアップを通じてエンジニアコミュニティを広げていく方針だという。

freeeが今回発表した新戦略の狙いは、API連携を通じてサービスの付加価値をあげていくこと。ただその先には「APIマーケットプレイス」という形で、APIを使ったマネタイズなどを進めていく展開も可能性の一つとして検討していくという。

たとえば2018年1月にはKDDIが、APIプロバイダーとAPI利用者をつなぐマーケットプレイス「KDDI IoTクラウド API Market」を公開している。これと似たように、将来「freee API マーケット」のようなものが生まれてくるのかもしれない。

 

少年ジャンプ50周年記念ファミコンは、アメリカのNESファンにスペシャルエディションの期待を抱かせる

日本のゲーマーと熱烈なマンガファンとその両方の人たちには、この夏すてきなプレゼントがやってくる。NES Classic Editionに週刊少年ジャンプの作品をテーマにしたゲームが満載されて発売される。人気のマンガ雑誌は50周年を祝って、この純金ファミコンも記念に作られた。

このジャンプをテーマにしたNESがアメリカで発売されるチャンスはゼロに等しい —— 第一に(わずかな例外を除き)ここに出てくるマンガを読んだアメリカ人はいない。第二にそれに関連するファミコンゲームをプレイしたことのある人はさらに少ない。

Familiar… and yet…

しかし私の中では、いつかほかのテーマのNES Classicが出来るのではないかという希望が育まれつつある。もちろんオリジナル機はすばらしいコレクションだが、やりたいゲームはまだ何十もある。

比較的簡単なハックでNESライブラリーにあるゲームの半数は走らせることができるが、Nintendoの公式バージョンはテストされ、おそらく完璧に動くように微調整もされている(ただしNESゲームではエミュレーション問題はあまり起きていない)。

レビュー:NES Classic Editionと全30ゲームを試してみた

もっと重要なこと。そんな仮想的テーマのコンソールには、私が喉から手が出るほど欲しかった新しいアクセサリー、たとえばNES AdvantageやZapper(どう使えるのかわからないが)やNES Maxがついてくるかもしれない。もしかしたらPower Gloveも?

ところで、最初のチャンスに買い損なった人も6月末には買うことができそうだ。

NintendoのNES Classic、6月29日に米国小売店舗で販売へ

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マクアケ、ふるさと納税型のクラウドファンディング「Makuakeガバメント」を開始

クラウドファンディングサービスを運営するマクアケは5月15日、地方自治体向けふるさと納税型クラウドファンディング「Makuakeガバメント」を開始すると発表した。

地方自治体の活性化を目的として2008年度から始まった「ふるさと納税」。地方自治体に寄付をすることで、寄付金の一部を所得税や住民税から控除できたり、地域の特産品をお礼としてもらえることなどが特徴だ。しかし、実際には寄付金の使い道ではなく返礼品ばかりが注目されてしまい、自治体のあいだで行き過ぎた返礼品競争が起きてしまうなどの問題が指摘されていた。

そのような背景のなか、マクアケは返礼品ではなく寄付金の使い道にフォーカスしたふるさと納税を目指し、Makuakeガバメントを開始した。

Makuakeガバメントで自治体を支援するユーザーには、通常のふるさと納税と同じく返礼品が贈られるほか、寄付金額の一部が所得税および住民税から控除される。最大の特徴は、Makuakeガバメントでは通常のクラウドファンディングのように、サイト上にあげられたプロジェクト毎に寄付できることだ。そのため、自分が寄付したお金の使い道を明確に知ることができる。

これまでにも、自治体が抱える問題を解決する手法としてクラウドファンディングに着目する例はあり、各自治体が独自にクラウドファンディングを立ち上げる「ガバメントクラウドファンディング」という言葉も生まれた。

しかし、すべての自治体が必ずしもPRやマーケティングに長けているわけではなく、結局は返礼品の魅力を前面に打ち出さざるを得ないという例もあったようだ。そのため、マクアケがこれまでに培ったPR面でのノウハウを自治体が活用できることも、本サービスの魅力の1つだとMakuke取締役の坊垣佳奈氏は話す。

Makuakeガバメントは本日よりサービスリリース。現時点で予定されているプロジェクトは以下の4つだ。坊垣氏によれば、それぞれ数百万円規模がゴールとして設定される見込みだという。

  • 岡山県西粟倉村:河川環境の再生に関するプロジェクト(6月末開始予定)
  • 京都府宇治市:宇治橋通り商店街の活性化に関するプロジェクト(6月初旬開始予定)
  • 北海道下川町:スキージャンプ選手の育成に関するプロジェクト(5月中開始予定)
  • 北海道紋別市:「オホーツクとっかりセンター」の施設改修に関するプロジェクト(6月中開始予定)

マクアケ取締役の坊垣佳奈氏

電子薬歴システムのカケハシが9億円調達、売上はすでに月4000万円

電子薬歴システム「Musubi」を提供するカケハシは5月14日、グロービス・キャピタル・パートナーズ伊藤忠テクノロジーベンチャーズSalesforce VenturesSMBCベンチャーキャピタルDraper Nexus Venture Partnersグリーベンチャーズ500 Startups Japanより、シリーズAラウンドで総額9億円の資金調達を実施したと発表した。

Musubiは、薬剤師が患者に対して行う服薬指導で利用するクラウドサービスだ。指導の内容は自動でクラウド上に蓄積されるため、コミュニケーションと同時に薬歴記入ができることが特徴。この時間短縮の効果は大きく、毎日2〜3時間の業務負担を大きく削減することが可能であるほか、患者の疾患、年齢、性別、アレルギーなどの情報や過去の薬歴などを参照して最適な指導を行うことができる。

カケハシは2018年3月に行われたB Dash Campピッチアリーナで優勝したスタートアップだ。壇上に上がった代表取締役の中尾豊氏は、同社の月次売上高はその当時すでに4000万円に達していると話し、会場を驚かせた。現在、Musubiには約8000店舗からの問い合わせがあり、それらの店舗への導入率は約6割だという。

カケハシは今回調達した資金を利用して、エンジニアとカスタマーサポートの人員を大幅に強化することを目指す。このタイミングで大型調達を行い、人員強化を行うことでサービスの改善点やニーズを現場から汲みあげることが必要であると考えたようだ。

カケハシは2016年3月の設立。これまでに2度の資金調達を行い、合計で約2.5億円を調達した。今回のラウンドを含む累計調達金額は約11.5億円となる。

メルカリの上場承認が正式に発表、直近決算期の売上高は220億円

5月14日、メルカリが東京証券取引所マザーズ市場への上場を申請し、それが承認されたことが明らかとなった。上場予定日は6月19日になる予定で、証券コードは4385。

有価証券報告書によると、直近の決算期にあたる2017年6月期の連結売上高は約220億円、当期純損失は約42億円だった。2016年6月期の売上高は約122億円、当期純損失は約3億4000万円だった。

株式保有割合は創業者の山田進太郎氏が28.83%、ユナイテッドが10.59%、共同創業者の富島寛氏が7.20%、グローバル・ブレインが5.60%となっている。

メルカリは2013年2月の創業。同年7月にはフリマアプリの「メルカリ」をリリースした。最近では、シェアサイクルの「メルチャリ」など、みずから新事業を次々に立ち上げるほか、日本のスタートアップであるKitchHikeやポケットマルシェなどへの直接投資も行うなど、名実ともにここ数年のスタートアップシーンを牽引してきた存在だ。スタートトゥデイの時価総額が1兆円を超えるなど、インターネット企業の時価総額に注目が集まるなか、メルカリの時価総額はいくらとなるのか。上場初日の株価に注目が集まる。

遠隔診療アプリとAI医療サービス開発の情報医療が三菱商事などから11億円を資金調達

このところ、ヘルステック分野のスタートアップによる資金調達が活発だ。5月7日にはAI問診システムと病名予測アプリ開発のUbieが3億円を調達を発表したばかり。そして今日5月14日、さらに3社のヘルステック関連ベンチャーが資金調達の実施を明らかにしている。

1つは健康管理アプリ「カロミル」を運営するライフログテクノロジーによる6000万円の調達。もう1つは電子薬歴システム「Musubi」を提供するカケハシ(詳しくは別の記事で紹介予定)。そして残る1社は、AIを活用した各種医療サービスと医療機関向けのオンライン診療サービス「curon(クロン)」を提供する情報医療だ。

情報医療が本日発表したのは、4月末までに実施された三菱商事など4社を引受先とする、総額11億円の第三者割当増資の実施。三菱商事以外の3社については社名が公開されていないが、いずれも事業会社とのことだ。同社にとって今回の資金調達はシリーズAラウンドにあたる。

情報医療は2015年11月、代表取締役CEOで医師でもある原聖吾氏らにより設立された。創業メンバーにはGunosyやREADYFORの創業にも関わり、ディープラーニングに関する著書も出版する、巣籠悠輔氏もCTOとして参画している。

写真左から代表取締役CEO 原聖吾氏、取締役CTO 巣籠悠輔氏、取締役COO 草間亮一氏。

同社が2016年より展開するcuronは、予約から問診、診察・処方、決済など、遠隔医療に必要な機能が一式そろった医療機関向けのオンライン診療サービス。初期費用・固定費なしで、PCだけでなくタブレットやスマートフォンなどからも利用できる。患者側も利用は無料。スマホアプリでいつでも診察・処方が受けられる。リリースから2年で約500の施設に導入されているという。

またAIを用いたサービスとしては、画像や患者行動からの疾病識別エンジンや、個々人の健康状態の将来予測エンジン、疾病・健康状態の維持管理をサポートするソリューションなどを開発・提供している。

3月には日本生命とともに糖尿病予備軍向けの予防プログラムの開発を開始。日本生命済生会付属・日生病院でのトライアルを経て、curonを使った、個々人に合わせた患者支援を展開していく予定だ。

冒頭でも触れたが、ヘルステック分野のスタートアップの台頭はめざましい。2018年4月から診療報酬が新設されたオンライン診療では、メドレーの「CLINICS(クリニクス)」やシェアメディカルの「MediLine(メディライン)」などの競合サービスがある。またAIを活用した医療ソリューションは、医療画像の診断支援技術を提供するエルピクセルや、医療画像解析、血液によるがんの早期診断技術を提供するプリファード・ネットワークス、医療、特に介護分野でAIを取り入れるエクサウィザーズなどのほか、スタートアップ以外でもさまざまな企業が参画する激戦区だ。

こうした中、情報医療では医療とAIの両方のプロフェッショナルがそろっている点を強みとして、事業を展開していこうとしている。またAIに関してはスペシャリストによる技術力に加え、curonを核として、大企業や大病院との提携により、精度の高いデータを蓄積できることも特色としている。

「他社のオンライン診療サービスでは、販売したところで終わる企業が多い。我々は医師と患者のやり取りをデータ化し、効果的な治療につなげていく」と情報医療ではコメント。「オンライン診療サービスとAIによる医療サービスを両輪として成長を目指す」と担当者は話す。

今回の調達資金は、機械学習や深層学習のエンジニアを中心に採用を強化するために投資していくとのこと。情報医療では今後、さらに多くのデータを持つ企業とタッグを組み、医療現場に合ったAIを提供していく考えだ。

週末や1週間の“短期ルームシェア”で新しい発見を、住の選択肢広げる「weeeks」が資金調達

週末や1週間の“短期ルームシェア”体験を通じて、普段の暮らしにはない新しい発見を得たり、ちょっとした刺激を取り入れられるサービス「weeeks(ウィークス)」。同サービスを運営するteritoruは5月14日、ANRIKLab Venture Partnersを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。具体的な調達金額は非公開だが、数千万円規模になるという。

調達した資金は組織体制の強化とサービスのさらなる成長に繋げる方針。その一環として6月には就活生100名を限定とした無料企画なども実施しながら、ユーザー拡大を目指していく。

冒頭でも触れたとおり、weeeksは短期間のルームシェア体験ができるサービス。ルームシェアをしたい人を探すサービスや、ルームシェアのできるスペースを探せるサービスは存在するが、weeeksの場合は人とスペースをまるっとコーディネートしているのが特徴だ。

ルームシェアを希望するユーザーには開始時期や期間などをチャットでリクエストする方法と、サイトに掲載している企画に申し込む方法を提供。個別でリクエストをした場合はヒアリングシートの回答からマッチ度が高いユーザーをレコメンドし、ルームメイトをマッチングする。weeeksでは民泊物件の管理会社と提携を結んでいるので、メンバーが決まったら提携先が持つホスト不在型の物件から適切なものを提供するという仕組みだ。

teritoru代表取締役の日置愛氏は「少しの間でも住む場所を変えて他者と暮らしてみると、気分転換になるだけでなく、会社と職場を往復する日常とは違った刺激や新しいつながりを得るきっかけにもなる」のがweeeksの価値だと語る。実際2月下旬にクローズドβ版を公開して以降、20〜30代の社会人を中心に利用が進んでいるという。

weeeks発案の企画は「週末限定のクッキングweeeks」や「1週間短期集中のプログラミング合宿」などがある。同じような趣味や共通の目的を持つユーザとの新たなつながりができるきっかけにもなりそうだ。

短期間ルームシェアで新たな「暮らしの選択肢」を

teritoruの創業は2017年の11月。日置氏がweeeksを立ち上げた背景には、ニューヨークの新聞社で飛び込み営業をしていた時の体験があるそうだ。

「場所を変えるだけでは人はなかなか変わらないと気づいた。場所は変化の入り口であって、そこで誰と出会い、どんなコミュニティに入っていくかこそが重要なのだと。その点ルームシェアは場所を変え、他者と暮らすことで価値観を広げたり、自分自身を変える機会になると考えた」(日置氏)

とはいえ経験もないのに、いきなり長期間知らない人とルームシェアをするのはハードルが高い。weeeksでは誰でも気軽にこのような体験をできるようにするため、リリース前に取った街頭アンケートをもとに期間は1週間に設定。現在は社会人ユーザーが多いこともあり、週末のみのルームシェアにも対応している。

1週間の相場はだいたい2万〜3万円、週末の場合はもっと安くなるので「地方在住者が東京での拠点として使う」なんてケースもあるそう。ちなみに日置氏自身も自分の家を持たず、weeeksを使って住まいを変えながら生活しているのだという。

クローズドβ版を公開してからの約2ヶ月間は、物件の築年数や主要駅からの距離・時間、ルームメイトの人数など各要素の検証に時間を使ってきた。今後はそこで得られた知見をもとに、ユーザー拡大へ向けて機能改善や新たな施策を実行していく段階になる。

6月には就活生100人を限定にした無料企画を実施するほか、コミュニティを盛り上げる“プロウィーカー“のような要素も検討しているそう。日置氏の話では「weeeksはコミュニティビジネスの要素が大きい」とのことで、人や特定のコミュニティを起点にした取り組みにも力を入れていくという。

「やりたいのは『住』の選択肢を増やしていくこと。ゆくゆくは気分によって好きな場所に住める、暮らしを選べるプラットフォームのようなものを作りたい。(weeeksを通じて)まずはユーザーも利用しやすい短期ルームシェアという形から、新しい選択肢を広げていく」(日置氏)

食事の写真からカロリーや栄養素を自動算出、健康管理アプリ「カロミル」が約6000万円を調達

AIを活用した健康管理アプリ「カロミル」を運営するライフログテクノロジー。同社は5月14日、電通サイエンスジャム(DSJ)、CSAJファンドFFGベンチャービジネスパートナーズを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

ライフログテクノロジーでは2018年1月にもDG Daiwa Venturesが運営するDG Labファンドから資金調達を実施。これらを合わせた総額の調達額は約6000万円になるという。

調達した資金により組織体制を強化し、AIの精度向上や食事データの取得、アスリートや疾病向けなどの新規事業開発に取り組む方針。また出資先であるDSJとは双方が保有するデータや知見を活用した共同研究を進めるべく、業務提携も始める。

スマホで食事を撮影すれば、カロリーや栄養素が自動で測定

カロミルは日々の食事や運動のログを、ダイエットや健康管理に活用できるヘルスケアアプリ。カロリーはもちろん、たんぱく質や脂質、糖質など細かい栄養素を残せるのが特徴だ。

栄養素の算出方法は登録されているメニューから選ぶ、自分で計算する、栄養士に分析依頼する(月10 回まで無料で依頼可能)、食事の写真から判定するなどいくつかある。その中でもカロミルが強化しているのが、食事の写真から自動的にカロリーや栄養素を算出する機能だ。

この機能は以前TechCrunchでも紹介したとおり、2017年9月からアプリ内に搭載しているもの。自社開発の食事画像解析AIにより、スマホで撮影した写真を「そもそも食事の画像かどうか」「(食事の場合)具体的なメニューは何か」を2段階で解析。該当するメニューのカロリーや栄養素を算出する。現在は約1000品目の食事メニューを識別でき、識別率は82%ほど。コンビニで販売されている商品やファミレスなど飲食店のメニューも含まれる。

ライフログテクノロジー代表取締役の棚橋繁行氏によると、この機能を搭載したことでユーザーの年齢層や幅が広がったそう。「もともとは特に20〜30代の女性によく使ってもらえていたが、20〜50代の男女であまり差がなくなってきた。いぜんより年齢層が上の人にも使ってもらえるようになったほか、疾病患者の方の利用も広がってきている」(棚橋氏)

現在もこの機能のコアとなる画像解析AIの精度向上に注力しているとのこと。今回の資金調達も、体制を強化しさらに研究開発を進めていくことが目的だ。

食事関連データを軸に事業拡大へ

今回ライフログテクノロジーでは資金調達と合わせて、調達先であるDSJとの業務提携を発表している。今後カロミルを通じて蓄積した食事(栄養素)データと、DSJが解析知見を持つ感性や脳波といった生体信号データの関連性を研究することで、食事がメンタルヘルスや労働生産性に与える影響を探っていく予定。これによってヘルスケア領域で、新たな未病対策や疾病予兆への改善助言なども可能になると考えているそうだ。

また将来的には食事関連データとさまざまなパーソナルログを連携し、マーケティング活用やスポーツ領域での事業展開も見据えているという。

「(自社にとって)食事データが1番コアになる部分で、それを活用した新たな事業展開を進めていく。ただ食事データをメインとしつつも、画像解析技術を軸にその他のライフログデータももっと管理しやすい仕組みを目指している。たとえば血圧や血糖、運動の記録なども写真を撮っておきさえすればデータ化できるようになると、ユーザーの利便性もサービスの可能性も広がる。今後は今まで以上にライフログを貯めていく時代になると思うので、まずはデータを残す煩わしさや手間を(画像解析AIなどの)技術を通じてなくしていきたい」(棚橋氏)

 

売りたいものを家に取りにくる出品代行サービス「トリクル」、梱包や発送など面倒な作業は一切不要に

売りたいものはたくさんあるけど、フリマサービスやオークションに出品するのは少し面倒ーーもしそんな悩みを抱えている人がいれば「トリクル」というサービスをチェックしてみるといいかもしれない。

5月11日にSpiceが公開した同サービスは、ユーザーが売りたい物を家まで取りに来て、販売代行までしてくれるというもの。商品の出品手続きや梱包、発送業務といった一連の作業が不要になることが特徴だ。

ユーザーがやることは、サイトから集荷日時を選んで当日スタッフに商品を渡すだけ。商品は1点から依頼でき、本や洋服、コスメ、家具など幅広いジャンルが対象になる(基本的には販売できるものが対象になるため、汚れがひどいものや大型の家具・家電など集荷できないケースもあるそう)。集荷は朝10時〜深夜24時までで費用は無料。現在対応しているエリアは渋谷区・港区・目黒区・品川区・世田谷区・新宿区だ。

集荷した商品はトリクル側がAmazonなど既存のマーケットプレイスやオークションサイトで販売。取引が完了したものについては、販売額から30%の手数料と購入者への送料を差し引いた金額がユーザーの取り分となる。ユーザーはサービスの画面上で商品のステータスが確認できるほか、売れた際にはSMSで通知を受けることができる。

Spice代表取締役の徳泉成夏氏によると、周囲の人に困っていることをヒアリングしてみたところ「家に売りたいものはあるけれど、売るのが面倒」だという声が数人からあがったそう。フリマアプリなど二次流通マーケットが成熟してきたからこそ、便利になる一方で、出品者側には丁寧なコミュニケーションやスピード感のある対応が求められるようにもなってきた。

そのような背景も含め、既存のチャネルで物を売るに至っていない人達が「面倒」だと感じている作業をなくすことができないかを検討。結果として梱包や配送の手間もなくし、ユーザーは家で商品を渡すだけで済むというアイデアに行き着いたのだという。

事前にテストリリースをしてみたところ、同じ課題を感じているユーザーが多く中には1人で200点以上の集荷を依頼して人もいたそう。商品としては洋服などが多く、数点のみというよりはある程度まとまった数の商品を売りたいユーザーが多いようだ。

「手数料がものすごく安いというわけではないし、値付けが自分でできるわけでもない。ただそれでも使いたいと思ってくれる人が一定数いると考えた。その人達にとって使いやすいサービスにしていきたい」(徳泉氏)

中古建機の販売プラットフォーム「ALLSTOCKER」のSORABITOが3.6億円を調達

中古建機販売プラットフォーム「ALLSTOCKER」を運営するSORABITOは5月10日、Spiral Ventures Japanマーケットエンタープライズちばぎんキャピタルらを引受先とした第三者割当増資により、総額3.6億円を調達したことを明らかにした。

ALLSTOCKERはオンライン上で建設機械や重機、運搬車両を売買できるプラットフォームだ。初期から日本国内だけでなく東南アジアを中心にグローバルで活用され、現時点では150を超える国と地域からのアクセスがあるという。サービスの正式リリースは2015年11月。建機の買取販売などに携わっていた経験のある青木隆幸氏(SORABITO代表取締役)が立ち上げたもので、このあたりの背景などは以前TechCrunchでも詳しく紹介している。

現在はマーケットプレイス形式の「ALLSTOCKERマーケット」とオークション形式の「ALLSTOCKERオークション」を運営。軸となるALLSTOCKERマーケットでは建機を売りたいユーザーと買いたいユーザーをオンライン上でマッチングし、現在は月間で100台規模の取引数になっているという。

青木氏は以前にも日本の中古建機は品質が高く、海外で人気があるという話をしていたが、このニーズはさらに高まっているそう。そのためここ1,2年はより使いやすく、安全な取引ができるようにプロダクトやオペレーション面の改良を進めるとともに、出品数を拡大する取り組みに力を入れてきた。

直近では伊藤忠建機との提携のほか、今回の調達先でもあるマーケットエンタープライズとも中古建機・重機の買取・販売で事業提携を締結している。

「海外での成約も増え、継続的な顧客もつくようになってきた。アジアを中心とした中古建機の流通プラットフォームとして、まずは欲しいと思った建機がきちんと手に入るような環境を作っていく。並行して海外での営業も進めながら(国内外で中古建機の需要と供給をつなぐ)架け橋のような存在を目指す」(青木氏)

SORABITOでは調達した資金を通じて運営体制を強化するとともにサービスの充実を図る方針。今回リード投資家となったSpiral Venturesはアジアでも精力的に投資をしているVCで、今後は投資家のサポートも受けながらさらなる海外展開を進めるという。

なお同社は2016年5月にGMO VenturePartners、グリーベンチャーズ、JA三井リース、オプトベンチャーズ、SMBC ベンチャーキャピタル、個人投資家の小泉文明氏や高野秀敏氏らから5億円を調達。2015年11月にもGMO VenturePartnersらから約1億円を調達している。

起業家の有安氏を含む6人のメンバー、ブロックチェーン特化のコワーキングスペース立ち上げへ

ブロックチェーン領域に特化したスタートアップのHashHub。同社は5月10日、会社の設立と仮想通貨とブロックチェーン領域に特化したスタジオ型コワーキングスペースを今年夏頃にも立ち上げることを発表した。設立メンバーは、仮想通貨領域のメディアの運営やウォレットの開発などを手がけてきた東晃慈氏(HashHubの代表取締役に就任)を中心とする6人。その中には、起業家でエンジェル投資家の有安伸宏氏も含まれる。

HashHubのコワーキングスペースは東京大学がある東京都本郷に設立される予定だ。ブロックチェーンを活用したビジネスを立ち上げたい個人やチームが対象となる。入居費用は月額3万5000円から。

HashHubは施設をコワーキングスペースとして開放する一方で、自社でもブロックチェーン技術を使ったプロダクトやサービスの開発を進める。入居者も巻き込みながら新しい事業の開発に取り組むという、“スタジオ型”のコワーキングスペースだ。また、HashHubはブロックチェーン技術がオープンソースで開発されることの重要性を認識しており、売上の一部をオープンソースでの開発支援にあて、開発者による勉強会やワークショップ、技術アドバイスを行っていくという。

設立背景について、代表取締役の東氏は「国内では仮想通貨の投機市場が大きく伸びたが、それ以外のビジネスが育っていない。この状況を打破しなければ、海外勢に遅れをとってしまうとの懸念からコワーキングスペースの運営に乗り出した」と語る。

また、有安氏は「『分散型の◯◯を作ります!』と意気込む起業家と会えるようになったのは、ここ最近のこと。しかし、従来のWebビジネスと比較すると、ブロックチェーン関連事業に必要なテクノロジーや法関係などのノウハウには、黎明期ならではの学びにくさがあります」と話し、ブロックチェーン領域でイノベーションをおこす起業家へのサポートの重要性を語った。

HashHubのコワーキングスペースは今年の夏頃にオープンする予定だ。入居申し込みや価格プランなどの詳細は、このWebページで確認できる。

「学習と人脈のハブ機能となる物理的な拠点の誕生は、エコシステムにとって王道的な布石。かつて、日本のWebビジネス黎明期に渋谷周辺が「ビットバレー」と名づけられ、多様なベンチャーが集積したように、様々なblockchain startupが日本でもポコポコと生まれてくることを期待している」(有安氏)

副業人材と企業をつなぐシューマツワーカーが4000万円調達、登録ユーザーは1300人

副業したい人材と企業をつなげる「シューマツワーカー」を運営するシューマツワーカーは5月10日、KLab Venture Partnersサイバーエージェント・ベンチャーズ、および大冨智弘氏ら複数の個人投資家から4000万円を調達したと発表した。今回の資金調達は、J-KISS型新株予約権方式によるものだ。

シューマツワーカーはエンジニアやデザイナー、マーケッターなどの「副業社員」を、人材を求める企業に紹介するというエージェント型のサービスだ。現在までの登録ユーザーは1300人で、これまでに約80社への紹介実績があるという。利用企業として紹介してもらった企業群を見る限り、現在のところスタートアップ企業による利用が多いようだ。

シューマツワーカー代表取締役の松村幸弥氏は、エンジニア人材の採用コストがあがり、スタートアップが良いエンジニアを雇いづらいくなったという背景があると説明する。そういった理由から、パラレルワーカーとしてエンジニアを雇いたいという企業側のニーズが高いのだという。加えて最近では人事や広報の人材に対する企業からの引き合いも多くなったようだ。

「“副業社員”という言葉を流行らせたい。副業というものがもっと身近になるような社会になってほしい」(松村氏)

シューマツワーカーは2016年9月の設立。今回の資金調達は同社にとってシードラウンドという位置づけとなる。ちなみに、TechCrunch Japanで以前紹介した副業系サービスのカオスマップはシューマツワーカーが作成したものだ。

AI人材プラットフォーム目指す「Aidemy」が9200万円を調達、教育サービスを皮切りに法人向けの新事業も

アイデミーのメンバー。前列中央が代表取締役CEOの石川聡彦氏

AIプログラミング学習サービス「Aidemy」を提供するアイデミーは5月10日、UTEC(東京大学エッジキャピタル)および9名の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額約9200万円を調達したことを明らかにした。

今回のラウンドに参加した個人投資家は、千葉功太郎氏、安藤祐輔氏、ユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏、ウルシステムズ代表取締役の漆原茂氏、キープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏氏、popIn代表取締役の程涛氏ら。アイデミーでは調達した資金を元に組織体制を強化し、B2B事業の拡大や学習コンテンツの拡充、2018年8月に予定している海外展開の準備を進めていく方針だ。

なお同社は2017年の6月にSkyland Venturesとファクトリアル代表取締役社長の金田喜人氏から、同年11月にUTEC、ペロリ創業者の中川綾太郎氏、クラウドワークス取締役副社長COOの成田修造氏から累計で約1700万円を調達している。

現役エンジニアも使うAIプログラミング学習サービス

Aidemyはディープラーニングや自然言語処理など、AI関連の技術を学べるプログラミング学習サービスだ。実践重視で実際にコードを書きながら学んでいくスタイルを採っていて、学習は全てブラウザ上で完結。特別な環境を用意することなくすぐに始められる。

プログラミング学習サービスと言えば、プログラミング未経験者や初学者のユーザーが多いイメージがあるかもしれない。そんな中でAidemyの特徴は現役のエンジニアが多く使っているということ。エンジニアと言ってもIT、機械、ケミカルと幅広いポジションのユーザーがいるそうだが、ほとんどが日常業務にAIを活用したいという目的で参加しているそうだ。

この辺りは先日TechCrunchでも紹介した通りで、2017年12月のリリースから約100日で1万ユーザーを突破。現在は16のコースを提供していて、ブロックチェーンなどAI以外の先端テクノロジーを学べる講座も始めた。

2018年4月からは有料プランをスタート。現在は新規コンテンツの開発と並行して6月にリリース予定の法人向けサービス「Aidemy Business」や、8月に公開を予定する海外版の準備を進めている。

キャリア支援やシステム開発支援など法人向け事業も強化

ここからはアイデミーの今後の展望についてもう少し紹介したい。先に言ってしまうと、アイデミーが目指しているのは「AIプログラミングサービスを入り口としたAI人材プラットフォーム」(石川氏)だ。

もし「プログラミング学習サービス」を軸に事業を広げていくのであれば、対応するジャンルやコースを増やしたり、最近増えている小・中学生向けのサービスなど、セグメントごとにサービスを提供することも考えられる。ただアイデミーの場合はそうではなく、「AI人材、AI技術」を軸にキャリア支援やシステム開発支援といった法人向けの事業を含め、事業を拡大していく方針だ。

「(個人向けの)プログラミング学習サービスは引き続き力を入れるが、それだけでは自分たちが目指す事業規模には届かないと考えているので、今後はB2B事業に本腰を入れていく。まずはすでに6社への導入が決まっているAidemy Businessを皮切りに、AIエンジニアの紹介事業や企業のAI開発を支援する事業にも取り組む。長期的にはエンジニア向けのPaaS(Platform as a Service)も提供していきたい」(石川氏)

人材紹介事業については2018年夏頃、開発支援事業については2018年末頃を目処に開始する計画。PaaSの提供に関しては2019年以降の予定で具体的な中身は今からつめるそうだが、AIアプリケーションのデプロイを簡単にするツールを想定しているという。

「イメージとしてはAIに特化したHerokuのようなツール。今後コンピュータサイエンスや機械学習の専門家ではない人も、AIの開発に携わるようになっていく。(アプリケーションを公開するまでの)敷居を下げることで様々な分野におけるAIの開発をサポートしていきたい」(石川氏)

石川氏によると、今は個人向けのプログラミング学習サービスがきっかけとなってAidemy Businessを導入したいという問い合わせに繋がったり、B2Bの営業が進めやすくなったりと良い循環が生まれてきているそう。アイデミーでは今後も月に2コース、年間30コンテンツの作成を目指すほか、VTuberを起用した動画教材など新たなコンテンツ開発にも力を入れつつ、そこを入り口にさらなる事業拡大を目指す。

リクルートが米国の企業口コミサービスGlassdoorを約1300億円で買収

リクルートホールディングスは5月9日、米国で求人情報検索サイトを運営するGlassdoorを約1300億円(12億米ドル)で買収したことを明らかにした。同金額でGlassdoorの発行済全株式を取得する。

GlassdoorはリクルートのHRテクノロジーセグメント傘下で、引き続き現経営陣のもと運営していく方針。同セグメント傘下のIndeedとも協働し、オンラインHR領域のさらなる事業拡大を目指す。

Glassdoorは2007年の創業。社員や求職者による企業の口コミ情報を軸にした、求人情報検索サイトを提供している。同サービスには2018年1月時点で約77万社に関する、4000万件以上の口コミが掲載。月間ユーザー数も5900万を超える。Crunchbaseによると、これまでTiger GlobalやBenchmark Capital、Battery Venturesらから2億ドル以上を調達している。

リクルートは2012年に求人検索サイトのIndeedを子会社化。中期的に米国およびグローバル市場において、Indeedの拡大とM&AによりHRテクノロジー事業を強化する戦略を掲げている。Indeedが仕事探しを簡単にするための検索技術を磨いてきた一方で、Glassdoorは求職者の意思決定をサポートする透明性の高い企業情報を蓄積することに注力してきた。今後も各々のブランドで運営を続けながら、求職者をサポートするという共通の目標に向かって協働し、さらなる事業成長を目指す方針だ。

リクルートでは今回の買収を通じて「オンライン求人検索、オンライン求人情報アグリゲーション、求職者と求人企業のマッチング、そして求職者による求人企業の口コミ情報によって、求職者の仕事探しを更に強力にサポートし、オンラインHR領域におけるポジションを確固たるものとします」としている。

学習管理サービス「Studyplus」が5億円調達、大型リニューアルでユーザーの裾野広げる

学習管理サービスを提供するスタディプラスは5月9日、Spiral Ventures JapanDBJキャピタル、およびmixiグループのアイ・マーキュリーキャピタルを引受先とした第三者割当増資を実施し、総額約5億円を調達したと発表した(実施は4月26日)。今回のラウンドを含む同社の累計調達金額は約9億2000万円となる。

スタディプラスが提供する学習管理サービス「Studyplus」は、ユーザーが日々の学習状況を記録したり、同じ進路を志望する学生らとのコミュニケーションを図ることができるサービスだ。主に学生をターゲットとしているが、実際にはそれに限らず、社会人などの利用もあるという。

また、同社は2016年より、「Studyplus for School」と名付けた塾・予備校向けのサービスを展開。Studyplusと同じく生徒が学習の進捗状況を記録できるほか、講師が生徒たちの進捗を管理するためのダッシュボードも併せて提供している。Studyplusは広告収入を基盤にした無料サービスだが、Studyplus for Schoolは1生徒(アカウント)あたり750円で提供されている。

現在、Studyplusの累計アカウント数は300万件。Studyplus for Schoolは、代々木ゼミナールなど約200校の予備校を通し数千人の学生に利用されているという。スタディプラス代表取締役の廣瀬高志氏によれば、「現在の売上の大半は(Studyplusからの)広告収入」だという。

同社は今回の資金調達を期に、これまではいわゆる“優等生タイプ”の学生にしか利用されていなかったStudyplusを大幅にリニューアルし、よりユーザーの裾野を広げることを目指すという。それと並行して、Studyplus for School事業の体制強化も図る。