Dovetail、顧客調査に特化したソフトウェア事業の拡大に向けて71.6億円調達

オーストラリアの顧客調査ソフトウェア企業であるDovetail(ダブテイル)は、Accel(アクセル)が主導する6300万ドル(約71億6000万円)のシリーズAラウンドを完了したと発表した。これにより、同社は総額7000万ドル(約80億円)強の資金を調達したことになり、同社が「7億ドル(約797億円)以上」とする評価額に新たな資金を加えたことになる。

この数字からもわかるように、これは一般的なシリーズAではなく、Accelによる、いわばレイターステージ(後期段階)の投資である。Accelはこれまでも、資金調達額が少なく、自己資金で運営していたテクノロジー企業が成長して大きな収益を上げるまで、大規模な投資を行ってきた

通常のシリーズAとは異なる今回のDovetailのラウンドについて、ここでは同社の初期の歴史と、同社が作っているものから説明する。

ゼロからの起業であったDovetail

TechCrunchは、Dovetailの共同創業者でCEOであるBenjamin Humphrey(ベンジャミン・ハンフリー)氏に、今回の増資について、会社の創業当初にさかのぼって話を聞いた。ニュージーランド出身のハンフリー氏は、ベイエリアのテクノロジー企業で勤務した後、オーストラリアのAtlassian(アトラシアン)に入社して数年間在籍。その後、ベンチャーキャピタルに頼らずにDovetailを共同創業した同氏は、Buffer(バッファ)やBasecamp(ベースキャンプ)といった有名なテクノロジー企業のように、自己資金で会社を成長させていくことを計画したという。

ニッチに聞こえるかもしれない顧客調査市場向けのソフトウェア開発だが、Dovetailは創業当初から十分な支持を得て、チームを6人に拡大し、年間約50万ドル(約7000万円)の売上を自力で達成するまでに成長した。その時点でベンチャー投資家からのアプローチがあり、2019年に約500万豪ドル(約4億円)というごく小さなラウンドを完了した、と同氏は話す。

そのラウンドに参加したFelicis Ventures(フェリシスベンチャーズ)は、2020年末に向けてさらに資本を投入したいと考えていたという。ハンフリー氏によれば、資金は十分だったので、市場でのポジションを示すために1億ドル(約114億円)を超える評価額で1回目のシードラウンドを完了した(教訓:資金調達に関しては、利益を上げて成長していることが真に「おいしい」スタートアップである)。

現在もこの調子である。新しい投資家であるAccelのRich Wong(リッチ・ウォン)氏とArun Mathew(アルン・マシュー)氏によると、DovetailはAccelが投資する機会を得るまで、調達した資金総額の半分しか使っていなかったという。

市場に「ソフトウェア企業は資金を消費せずに成長できる」という傾向はない。つまり、Dovetailが作っているものを買いたいという顧客がすでに存在したということである。

Dovetailが販売しているもの

前述のAccelの2人は、Dovetailが構築しているものを「顧客調査のための記録システム」という新しいカテゴリーで表現する。

ハンフリー氏はもっと平凡な言葉で、自社の製品を「リサーチャーのための生産性向上ツール」と称し、エンジニアにはGitHubがあり、デザイナーにはFigmaがあるが、顧客のリサーチャーには独自のソフトウェアが必要だと指摘する。同氏はさらに、シリコンバレーやもっと規模の大きいスタートアップ企業は、R&Dの「開発」部分のツール開発には力を入れてきたが「研究」部分はそうではなかった、と付け加えた。

Dovetailの製品は、NPS(ネットプロモータースコア)調査、音声、動画、テキストの回答からユーザーのフィードバックデータを収集し、それをチームでタグ付けして機械で分析し、組織全体で共有することができるソフトウェアである。ハンフリー氏によると、顧客に関する組織的な知識を蓄積し、より迅速な意思決定を行えるようにするための企業向けのリレーショナルデータベースを構築することが目標だ。

例えば、プロダクトマネージャー(PM)が会社を辞めると、彼らと同時にかなりの量の知識がなくなってしまう。新しいPMは知識がないので、仕事を回すために会社中を質問して回らなければならない。Dovetailの製品を使えば、調査から得たデータや知識を永続的に保存して利用することができる。

成長

筆者はDovetailの活動について学んでいる最中なので、同社が顧客調査ソフトウェア市場を開拓していく中で、より多くのことが達成されることを期待している。現段階でいえることは、Dovetailは雑草のように成長しているということだろうか。ハンフリー氏によると、同社は2021年、収益と顧客数を3倍にしたという。すべてセルフサービスで、数カ月前に初めてアカウントエグゼクティブを採用した企業が、である。まさしく製品が主導する成長だ。

製品主導の成長とは、実際のサービスや商品が顧客を引き寄せるという考え方で、本質的にはプロダクトマーケットフィット(PMF、顧客を満足させることのできる製品が適切な市場で受け入れられている状態)の概念を再構築したものである(あるいはPMFの本来の意味をさらに純粋にしたものかもしれない)。いずれにしても、投資家によれば、Dovetailはまだ創業からそれほど時間が経っていないにもかかわらず、2022年も前年と同じ成長率を達成するか、少なくともそれに近くなるという。同社はすでにユニコーンに近い存在なのだ。

ハンフリー氏自らが、今後数カ月間に新たな資本のニュースを教えてくれることはないだろう。2022年の後半に同社の成長について彼を質問攻めにしようと思う。

画像クレジット:Vladyslav Bobuskyi / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Dragonfly)

エンジニアの満足度を重視して生産性を上げるパフォーマンス管理ダッシュボード「Okay」

雇用主が「大辞職時代」における労働者の減少を何とかしようと模索し、在宅勤務の従業員をつなぎとめようとする中、Okay(オーケー)の共同創業者兼CEOであるAntoine Boulanger(アントワン・ブーランジェ)氏は「ナレッジワーカーにとって、生産性と従業員満足度の区別がなくなってきている」ことから、同社の定量的かつ共感的なマネジメント手法への需要が伸びているという。

TechCrunchでは2年前、エンジニアリングマネージャーが効果的で積極的に従事しているチームを率いるためのエンジニアリング可視化ツール「Okay」を紹介した。当時Okayは、Y Combinator(YC、Yコンビネータ)から220万ドル(約2億5000万円)の新規資金を調達したばかりだった。ブーランジェ氏は、共同創業者のTomas Barreto(トーマス・バレット)氏とともに、Boxでの出会いをきっかけにOkayを立ち上げたと語っていた。

「この2、3年で見られたのは、完全にリモート化されたチームをどのように管理すればよいのかという、人々、マネージャー、チームにとっての移行期でした」とブーランジェ氏は付け加えた。「人々は、より多くの可視性を求めており、チームで何が起こっているのかを理解したいと考えています。パンデミック初期には会議が増えましたが、人々はさまざまなことに慣れ、今はオフィスに戻ろうとする中で、同じような移行が再び起きています」。

Okayの一連のツールは、社内で構築されたツールの大部分を置き換えることを目的としており、エンジニアが生産性を感じて仕事に取り組めない原因となっている、中断された作業や不十分なツーリングの状況を把握できるようにする。同社の製品は、Googleカレンダー、GitHub、PagerDuty、CircleCIなどのソフトウェアを含む、企業の既存ツールと統合することができる。

過去1年間で、SourcegraphやmParticleなどの顧客を含め、売上と顧客数が約10倍に増加した。これは、アウトプットを測るのではなく、開発プロセスのボトルネックを特定することに焦点を当てた、エンジニアリングの生産性に対するアプローチによるものだとブーランジェ氏は考えている。

この勢いをさらに加速させるために、Okayは新たに440万ドル(約5億円)の資金を調達した。今回はKleiner Perkins(クライナー・パーキンス)が主導し、Stripe(ストライプ)のCEOであるPatrick Collison(パトリック・コリソン)氏、Plaid(プレイド)、Brex(ブレックス)、Instacart(インスタカート)の幹部らが参加した。

今回の資金調達は、統合オプションの数の拡大、新機能の追加、人材採用などに充てられる。ブーランジェ氏は、より大きな企業をサポートすることを目指している。同社が注力しているのは数百人のエンジニアを抱える企業がいる市場だが、いずれは数千人のエンジニアを擁する企業をサポートできるようにしたいとのこと。

同氏はこうも語っている。「複雑なデータを扱う製品の構築に3年を費やしたため、シニアチームにはこれに取り組んでもらい、お客様とのパートナーシップを築いてきました。エンジニアリングチーム、市場参入のための努力、そしてデザインをさらに倍増させたいと考えています。興奮しているエリアの1つは、クエリを共有する方法を確立し、社内の誰もがデータを共有できるようにすることです」。

画像クレジット:Okay

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

Google Workspace、無料の新プラン「Essentials」でシャドーITに全力投球

Google(グーグル)は米国時間2月3日、おそらくまだG Suiteと呼ばれているであろう同社の生産性サービス、Workspaceの新バージョンを発表した。今回発表された無料の新プラン「Google Workspace Essentials」によりGoogleは、Gmailを除く基本的なWorkspaceの生産性ツールを提供することで、より多くのビジネスユーザーをプラットフォームに呼び込みたいと考えている。

関連記事:G SuiteがGoogle Workspaceにリブランド、チャットルームでドキュメント作成コラボも可能に

これまでは、Google以外のメールアドレスでWorkspaceを利用するためには、14日間の試用後に月額6ドル(約690円)/ ユーザーのBusiness Starterアカウントにサインアップする必要があった。この有料プランがなくなるわけではないが、今では仕事用のメールアドレスでサインアップするだけでOKだ。クレジットカードは必要ない。

新しい無料プランは、基本的に既存のエントリーレベルであるBusiness Starterだが、ストレージ容量が30GBから15GBに減少している。それを除けば、最大100人のユーザーとのGoogle Meetを1回の通話で60分まで利用できたり、仕事のコラボレーションのためのSpacesや、同僚のゴシップを話すためのChatにアクセスできたりする。もちろん、Sheet、Slides、Docsなどの標準的なツールもすべて含まれている。

すでに仕事用のメールアドレスがあるので、このエディションにはGmailが含まれていない。Gmailから仕事用のアドレスでメールを送るのは難しいし、さまざまな混乱を招くことを考えれば、これは納得がいく。

画像クレジット:Google

だが、少し複雑な部分もある。1つのEssentials Starterチームアカウントには、25人のユーザーという上限がある。しかし同一企業内で、複数のチームアカウントを作成することができる。つまり、基本的にはチームの誰かがアカウントを作成し、より大きな会社で働いている場合は他のチームメンバーを招待する必要がある。

この動きによって、GoogleはシャドーITにまったく新しい世界を切り開こうとしている。Googleは発表の中で、次のように書いている。「Essentials Starterでは、従業員が自分の生産性向上ツールを簡単に選択でき、最新のコラボレーションを仕事に取り入れることができます」。すなわち、IT部門が選択しなければ、従業員が代わりに選択することになる。

また、データガバナンスやセキュリティに関するさまざまな問題も出てくる。

「Google Workspace Essentials Starterは、仕事でGoogle Workspaceを自分1人で、またはチームで簡単に使い始められるように設計されています」とGoogleの広報担当者は筆者の質問に対し説明してくれた。「ユーザーをチームに招待する機能など、いくつかの軽量な管理機能が含まれていますが、より詳細なIT管理や高度なセキュリティなどの機能は、Google Workspaceの有料プランでのみ利用可能です」とも。

おそらくこれにより、まだ有料のWorkspaceアカウントを持っていない大企業は、従業員が自分でアカウントを立ち上げるのを阻止するために、急いでサインアップすることになるだろう。

画像クレジット:Ingus Kruklitis

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

ユニコーン以上の価値があるWorkplaceにスピンアウトして欲しいVCと、それを手放したくないフェイスブック

Workplace(ワークプレイス)とは、もともとFacebook(フェイスブック)が従業員同士のコミュニケーションの場として作ったアプリである。友人や家族と楽しむためのものとして定着したFacebookと実質的に同じこのツールは、現在700万人以上のユーザーに利用されており、企業の社内コミュニケーションを支援するアプリとして地位を確立している。そして今、この人気を背景にWorkplaceには別の意味での注目が集まっているようだ。

Meta(メタ)に社名を変更する前、Facebookが企業投資家から「Workplaceをスピンオフして、スタートアップとしてバックアップさせて欲しい」という提案を受けていたという事実が浮上した。関係者によれば、この取引によってWorkplaceが独立していたら、少なくとも10億ドル(約1138億ドル)の「ユニコーン」として評価されていたとのことである。

情報源によるとこの話は進まなかったようだが、それは主にFacebook(現在はMeta)がWorkplaceを「戦略的資産」と見なしたからだという。MetaがFacebookやInstagram(インスタグラム)などのプラットフォーム上の広告から得ている数十億ドル(数千億円)に近い売上を、Workplaceが上げているわけではない。しかし、Metaの多様な側面を市場に強調するためには、Workplaceが重要なのだという。規制当局にとって、Facebook / Metaはあまりにも強力すぎるソーシャルネットワークなのであるのに対し、企業組織にとってFacebookは広告を販売する以外にもまだ多くのポテンシャルを秘めている存在なのである。

情報源によると「WorkplaceはFacebook(およびMeta)を大人っぽくみせてくれる」のだという。

MetaとWorkplaceの広報担当者はこの記事へのコメントを控え、何も伝えることはないと述べている。

どの投資家が関係していたかは明らかにされていないが、ある関係者によるとその企業投資家とは、資本注入を目的とした後期の成長ラウンド投資に重点を置く、エンタープライズに特化した投資家だという。

スピンアウトしたWorkplaceに出資しようという彼らのアプローチは、2021年レイトステージの投資家やプライベートエクイティの投資家らが成熟した大規模なテック企業を買収するために活動を活発化させていた時期(今もそうだが)と重なっている。Thoma Bravo(トーマス・ブラボー)は2021年、350億ドル(約3兆9840億円)を調達してこの分野でより多くの買収機会を得ようとしていたと報じられている(そしてそのためにさまざまな投資や買収を行ってきた)。2021年のプライベートエクイティによる買収総額は約800億ドル(約9兆円)に達し、2020年に比べて140%以上増加しているとBloomberg(ブルームバーグ)は推定している。

このペースは2022年も衰えそうにない。その中には、あまり主要ではなく収益性の悪い、どちらかといえば低迷中の資産を合理化してより多くの資本を回収しようと、大手テクノロジー企業に対して事業のスピンアウトを持ちかけるPE企業もある。ちょうど今日、Francisco Partners(フランシスコ・パートナーズ)はIBM(アイビーエム)のWatson Health(ワトソン・ヘルス)事業を約10億ドル(約1138億ドル)で買収することを発表した

SaaS展開の足がかりを構築

Metaの場合、Workplaceをスピンアウトさせるためには、2つの面での展開が必要となる。

企業面では同社の解体を求める声が上がっている。2022年1月初め、米連邦取引委員会(FTC)がWhatsApp(ワッツアップ)とInstagramの売却を求める訴訟の継続を裁判所が認めた他、報道によるとVR部門が反トラスト法違反ではないかという別の調査も行われているという。一部の投資家や株主にとってこの状況はチャンスだが、Metaにとってはあらゆる資産の保持を正当化するための検討が必要になってくるだろう。

Workplaceはこの数カ月間、重要な岐路に立たされていた。

多くの人材が離職したのである。その中には、1月BREX(ブレックス)のチーフプロダクトオフィサーに就任したKarandeep Anand(カランディープ・アナンド)氏や、ロンドンのベンチャー企業Felix Capital(フェリックス・キャピタル)のパートナーに就任したJulien Codorniou(ジュリアン・コドルニウ)氏というトップ2人の幹部も含まれている。その他多くの人たちも、新たな旅路をスタートさせるため同社のビルを去っていった。

これはMetaのPRの失敗が原因なのではなく、むしろごく自然な現象なのだと私は聞いている。これまでここにいたのはWorkplaceを一から作り上げるために集められた人々だ。同社の製品が成熟し、より明確な焦点を持った今こそ、新たな人員が入社して次のステージに取り組むのに適切な時期であるのだという(私の個人的な意見だが、Workplaceの新リーダーであるUjjwal Singh[ウジワル・シン]氏は、今のWorkplaceを率いるのにふさわしい人物だと感じている)。

しかしそれとはに、Metaが常に世論からバッシングを受けていることで従業員が疲弊しているのではないかという報道もある。Workplaceもこれは人ごとではない。以前Workplaceは最大手のレストランチェーンと大きな契約を結んだと私たちは理解しているのだが、その顧客は昨秋、穏やかでないニュースの数々と「評判の問題」を理由にその発表を控えるよう求めてきたという。

「他のSaaS企業ではありえないことだ」とある人物はいう。

これはWorkplaceを親会社から切り離すための良い理由となったはずだし、スピンアウトへの一歩ともなりえただろうが、Metaはそうは感じていないようだ。

Workplaceは製品として展開された当初から、実は大きな変化を遂げている。

もともとFacebookの「仕事版」として設立されたWorkplace。Facebookの従業員がすでにFacebookを使ってプライベートなグループでコミュニケーションをとっていたのを発展させたもので、Slack(スラック)やその他の職場向けチャットアプリの台頭に対抗する形で登場した。何十億もの人々がすでにFacebookを利用しているのだから、 当然Workplaceに優位性があるだろうというのが同社の当時の考えである。異なる種類のユーザーをターゲットにした新サービスを導入し、広告収益ではなく有料化という異なるビジネスモデルを採用することで、同社にとって新たなビジネスの可能性の扉を開いたのだ。

時とともにWorkplaceの焦点が変わろうとも、この戦略が変わることはほとんどない。もともとWorkplaceは、SlackやTeamsに対抗するためにナレッジワーカーを対象とした他の職場生産性向上ツールとの統合を数多く導入していたのだが、時が経つにつれ、Workplaceは主にモバイルで雇用主とコミュニケーションをとるデスクレスワーカーに支持されるようになったのである。つまり、ナレッジワーカーとデスクレスワーカーの両方に対応するコミュニケーションアプリになることがWorkplaceのスイートスポットとなったのだ。

「Teams、Slack 、Workplaceのどれかを選んでもらうのではなく、両方持っていてもいいのではないかと気づいたのです。他の会社はナレッジワーカーのためのリアルタイムのメッセージングコミュニケーションを扱って、Workplaceはそうではないサービスをすべての人のために提供すれば良いのです」と関係者は振り返る。

そして、これが現在の Workplace の戦略の指針となっている。最近では、Microsoft Teams(マイクロソフトチームス)の機能をプラットフォームに統合して補完を行っている他、先に、同社はWhatsAppとの新たな統合を発表した。これはすでに最前線のチームに人気があるのだが、今後はWorkplaceでのコミュニケーションのため、より正式なインターフェースとなるようだ。また、MetaのVR事業とPortal(ポータル)との統合やサービス提供も予定されているという。

同社が最新のユーザー数を公表するのは2022年の後半になる予定だが、ある関係者によるとWorkplaceのユーザー数は現在1000万人近くに達しており、Walmart(ウォルマート)やAstra Zeneca(アストラゼネカ)など世界最大級の企業もその顧客リストに含まれているという。

Workplaceはこれまでに独立型製品として販売されていたこともあるが「今後独立型のアプリケーションとして販売されることはないと思います」と関係者は話している。

その代わりに、例えばビジネスメッセージングとWorkplaceを組み合わせて販売したり、Facebookのログイン機能と組み合わせて販売したりと、Metaにはさまざまな可能性が広がっている(CRMのスタートアップであるKustomer買収の背景には、このような企業への幅広い売り込みがあると思われるが、この買収はまだ完了していない)。

Workplaceを手放す準備などもっての他で、Metaはより大きなSaaSビジネスを構成する足がかりとしてWorkplaceを位置づけているようだ。果たしてMetaは独立会社のように、そのチャンスを逃さずに動けるだろうか。それができなければVCが舞台のそでで出番を待っているのである。

画像クレジット:Workplace

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

画面録画で情報共有、職場の生産性を高めるコラボプラットフォームCloudAppが約10億円調達

ビジュアルワークコミュニケーションツールのCloudApp(クラウドアップ)は、Grayhawk CapitalとNordic EyeがリードするシリーズAで930万ドル(約10億円)を調達した。このラウンドには、既存投資家のKickstart Fund、Cervin Ventures、New Ground Ventures、Bloomberg Beta、そして新たにPeninsula VenturesとForward VCが加わっている。また、CloudAppの顧客であるAtriumのCRO、Peter Kazanjy(ピーター・カザンジー)氏、Startup GrindとBevyのCEOであるDerek Andersen(ドレク・アンダーセン)氏も参加している。

CloudAppは、瞬時に共有できる動画、GIF、スクリーンショットを通じて、チームがより速く情報を共有できるようにすることを目的に2015年に設立された。このツールはHDビデオ、マークアップされた画像などをキャプチャしてワークフローに埋め込む、オールインワンの画面録画ソフトウェアだ。ユーザーが作成したファイルはすべてクラウド上に安全に保存され、CloudAppのネイティブMacアプリおよびWindowsアプリからアクセスできる他、パスワードで保護された安全なリンクを通じてウェブ上で共有することもできる。

同社の目標は、チームが電話や電子メールではなく、シンプルな共有可能な動画でメッセージを伝えられるようにすることだ。CloudAppは、ワークフローを中断することなくいつでも読むことができるビジュアルなボイスメールと自らを位置づけている。このツールはSlack、Atlassian、Trello、Zendesk、Asanaなど、数十のインテグレーションをサポートしている。サービス開始以来、CloudAppは400万人超のユーザーを獲得した。CloudAppの著名な顧客にはAdobe、Uber、Zendesk、Salesforceなどが含まれる。

CloudAppのCEOであるScott Smith(スコット・スミス)氏はTechCrunchに、今回調達した資金をツールの高速化、より深い統合、安全性向上のために使うと電子メールで述べた。同社はまた、より多くのチームが職場の生産性を高めるためにCloudAppに出会い、利用できるようにしたいと考えている。

画像クレジット:CloudApp

「これらの目標を達成するためには、当社がすでに持っているもの、つまりすばらしい人材がもう少し必要です」とスミス氏は話した。「スピードとユーザーエクスペリエンスを向上させるために、プロダクトチームとエンジニアリングチームを強化する予定です。また、マーケティングにも力を入れ、すべての職場でCloudAppがワークフローに欠かせない存在となるように努めます。営業チームの規模を拡大し、CloudAppを最も必要とするチームに直接提供できるようにします」。

将来については、従業員や顧客とのやりとりがこれまで以上に瞬時に検索・共有できるようになる世界をCloudAppは想定している、と同氏は話す。人工知能が最も関連性の高い重要なコンテンツを浮上させることができ、それがCloudAppのビジョンを可能にする、と同氏は指摘した。

「当初、我々はCloudAppを、共有する必要のあるものを非常に簡単かつ迅速に取り込むための方法だと考えていました。知識は力です。そこでチームは、ワークフローや統合を通じて、販売、サポート、製品、エンジニアリングチームなど、組織のあらゆる部分を助けるために使用できるコンテンツやクイックヘルプ動画のリポジトリを構築することができます」とスミス氏は書いている。「これからは非同期型の仕事です。そして、CloudAppは、すべてのチームメンバーがより生産的で超人的な存在になるのを支援できます」。

CloudAppのシリーズAは、2019年5月に発表された430万ドル(約5億円)のシードラウンドに続くものだ。シードラウンドはKickstart Seed Fundがリードし、既存投資家のCervin Ventures、Bloomberg Beta、当時Oracleの戦略担当副社長だったKyle York(カイル・ヨーク)氏も参加した。

画像クレジット:CloudApp

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマートカレンダーツールのClockwiseはAIを活用してリモートワークでの「燃え尽き」をなくす

時間管理とスマートカレンダーツールのClockwiseがシリーズCで4500万ドル(約51億6000万円)を調達した。このラウンドを主導したのはCoatueで、他にAtlassian Venturesとこれまでに投資していたAccel、Greylock Partners、Bain Capital Venturesも参加した。今回のラウンドでClockwiseの調達金額合計は7600万ドル(約87億1700万円)となった。ClockwiseはAIを活用して勤務中の時間の制約をなくし「燃え尽き」などリモートワークやハイブリッドワークに関連する問題の解決を目指す。

2016年にGary Lerhaupt(ゲイリー・ラーハウプト)氏、Matt Martin(マット・マーティン)氏、Mike Grinolds(マイク・グリノルズ)氏がClockwiseを創業した。この3人はRelateIQで働いているときに出会った。RelateIQは2014年にSalesforceに3億9000万ドル(約447億3000万円)で買収された。3人には共通のゴールがあった。それは人々が作業に集中する時間をもっと作れるようにしたいということだ。

ClockwiseのCEOであるマーティン氏はTechCrunchに対してメールで次のように述べた。「Clockwiseは現代の勤務時間のためのソリューションです。チームのスケジュールを最適化して、みんなの毎日にもっと時間を作ります。一緒に働いているときには存在感を得られ、1人で働いているときには集中できます。我々は、人々の時間を心から尊重し健康で持続可能な仕事の未来を作る、新しい働き方を実現します」。

Clockwiseのプラットフォームは2018年に公開され、これまでに400万件の会議を柔軟にリスケジュールしてきた。また邪魔されずに集中する「フォーカスタイム」を200万時間以上生み出してきた。フォーカスタイムはカレンダーを自動でブロックすることで作業に集中する時間の長さを可視化する機能だ。ClockwiseはNetflix、Twitter、Coinbase、Atlassian、Asana、Airtableなど1万以上の組織でカレンダーの最適化に使われている。

画像クレジット:Clockwise

現在、ClockwiseはCalendlyDoodleReclaimなどのスマートカレンダーやスケジューリングのツールと競合している。マーティン氏によれば、Clockwiseは同社が「タイムオーケストレーション」と呼んでいる新しいカテゴリーを作っている点が他のスマートカレンダープラットフォームとは違うという。タイムオーケストレーションとは、組織レベルでスケジュールをまとめる最新のやり方だ。

マーティン氏はこう説明する。「このカテゴリーは始まったばかりです。したがって我々の主な競合は、自分の時間を最適化しようとすると同僚の生産性にマイナスの影響を与えることがあると認識していない人々です。Clockwiseの優れている点は企業の勤務時間を調整することです。最大100万のカレンダーを並べ替えて、どんなチームでも全員にとってできるだけ最適なスケジュールを立てることができます」。

Clockwiseは今回の資金でAIテクノロジーを進化させ、同社プラットフォームを世界中のチームに導入することを目指す。全部門で人材採用を進め、現在は25のポジションを募集中で2022年中にさらに100のポジションを募集する予定だ。

マーティン氏は今後について、Clockwiseは勤務中の時間に関する制約をなくせるように引き続き成長し拡張していくと述べた。同氏は、Clockwiseは現在のところ社内会議の管理のみを対象に設計しているが将来的にはスケジュール機能が劇的に向上するだろうと説明した。

「我々は高度なAIと機械学習のモデルに投資して、フォーカスタイムの創出と質の高いミーティングの実施の両方に取り組んでいます。Clockwiseには、例えばMicrosoft 365を使っている何億人もの人たちに新しい働き方をもたらすような、魅力的な新しいプロダクトと機能拡張が今後たくさん予定されています」とマーティン氏はいう。

Clockwiseは2020年6月にBain Capital Venturesが主導するシリーズBで1800万ドル(約20億6500万円)を調達しており、今回はそれに続くシリーズCとなった。2019年6月にはGreylockとAccelが共同で主導した1100万ドル(約12億6000万円)のシリーズAを発表していた。

画像クレジット:Clockwise

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

「5年分のリクエストキューが初めてゼロに」社内ツール作成の負担を軽減するAirplaneが約9.6億円を調達し飛び立つ

Airplane(エアプレーン)は米国時間12月9日、内部ワークフローを自動化する開発者向けツール「runbooks(ランブックス)」のプライベートベータ版の提供を開始し、Product Huntに投稿した。

Airplaneのrunbookでは、エンジニアがタスクとビルトイン統合機能(SQL、REST API、Slackなど)を組み合わせて、複雑なマルチステップのワークフローを構築することができる。独自のJavaScriptコードを実行し、それをSQLデータベースに投入したり、Stripe(ストライプ)からデータを結合し、その結果をSlack(スラック)で送信するワークフローを迅速に構築でき、エンジニア以外のチームメンバーもアクセスできるようになっている。

Airplaneは、Benchmarkが支援しているBenchlingの元CTOであるJosh Ma(ジョシュ・マー)氏と、デジタルインサイトのスタートアップHeapの共同創業者であるRavi Parikh(ラヴィ・パリク)氏によって2020年に設立された。開発者を念頭に置いた2人は、エンジニアが社内ツールの構築に費やし、製品エンジニアリングから離れていた時間を取り戻そうと考えた。

Airplaneの共同創業者ジョシュ・マー氏とラヴィ・パリク氏(画像クレジット:Airplane)

パリク氏はTechCrunchに次のように語った。「私たちはアイデアのブレーンストーミングに時間を費やしましたが、自分たちの会社で見た大きな問題点の1つは、社内ツールの不足でした。(既存の)ツールによって顧客データを扱い、データの削除やアカウント統合などの問題を解決することはできましたが、カスタマーサクセスチームは、最終的にエンジニアリングチームにタスクをエスカレーションしなければならないこともありました」。

それによって、毎日何十枚ものチケットが積み重なり、エンジニアリングチームの業務に支障をきたす可能性もある。同社の最初の製品は、ダクトテープで貼られたようなつぎはぎのスクリプトやcronジョブを安全で再利用可能なツールに変換する「Airplane tasks」だったとパリク氏はいう。

リモートファーストの同社は、サンフランシスコとニューヨークに拠点を持ち、設立から間もないにもかかわらず、すでに数社の有料顧客と数百人のユーザーが、管理業務、顧客のオンボーディング、承認フロー、長期的なタスクなど、さまざまなユースケースでAirplaneを使いタスクを構築・実行している。

今回の製品発表は、Benchmarkが主導したシリーズAラウンドで同社が850万ドル(約9億6000万円)の資金を得たことが後押しとなった。今回の投資の一環として、Eric Vishria(エリック・ヴィシュリア)氏がAirplaneの取締役に就任する。

この1年間で、SaaS企業である同社は3カ国で10名のチームに成長した。今回の資金調達により、Airplaneは従業員数を2倍に増やし、セルフサービス製品の構築など、製品や技術の開発に投資することができる。

「以前は数時間、数日、あるいは数週間かかっていたことが、Airplaneでは2分から5分でできるようになりました」とパリク氏は語る。「エンジニアは、デプロイコマンドを実行し、ユーザーインターフェースを設定するだけです。あるお客様からは、当社の製品を採用したことで、5年にわたり積み重なっていたリクエストのキューを初めてゼロにすることができたと言われたこともあります」。

画像クレジット:Cavan Images / Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

Gadgetはeコマースアプリ開発者の生産性を高めるプラットフォームを提供

カナダのオタワに拠点を置くGadget(ガジェット)は、Shopify(ショッピファイ)の元社員2名によって設立された開発者の生産性向上を支援する企業だ。同社はシード資金として、850万ドル(約9億6700万円)を調達したことを発表した。この資金調達ラウンドは、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)とBessemer Venture Partners(ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ)が主導し、OpenAI(オープンAI)の共同創業者兼CTOであるGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏、Klarna(クラーナ)のCTOであるKoen Koppen(コエン・コッペン)氏、Shopifyのデータサイエンス・エンジニアリング部門の責任者を務めるSolmaz Shahalizadeh(ソルマズ・シャハリザデ)氏などが参加した。

2020年にHarry Brundage(ハリー・ブランデージ)氏とMohammad Hashemi(ムハンマド・ハシェム)氏が設立したGadgetは、eコマースアプリの開発者がコードを書く時間を削減する方法を提供することを目的としている。同社のプラットフォームを利用することで、開発者は作業にともなう無駄な仕事を省くことができ、アプリの構築と拡張をより効率的に行うことができる。

「私たちがGadgetを起ち上げた理由は、自分たちでさまざまなものを作ろうとしていた時に、何かを実現するまでには、どれほど長い時間がかかるかということに不満を感じたからです」と、CEOのブランデージ氏は、TechCrunchによるインタビューで語っている。「発売前の準備に何週間もかかるのは、フラストレーションがたまります。私たちは他の多くの人が同じ問題を抱えていると考え、それを解決するものを構築したいと思いました」。

Gadgetは、開発者が必要とするツール、ライブラリ、API、そしてベストプラクティスを1つにまとめ、開発者が、内蔵ステートマシン、自動アクセス制御、即時のAPI生成、他のSaaSプラットフォームとの統合など、一連の高度なプリミティブにアクセスしながら、データモデルを定義し、コードを書くことができるようにした。

画像クレジット:Gadget

今回調達した資金を使って、Gadgetはサーバーレススタックを公開し、Shopifyを手始めにサードパーティのAPIとの接続を構築する予定だ。ブランデージ氏とハシェム氏は、Shopifyの製品やエンジニアリングに関する専門的な知識を活用するために、まずはこの大手eコマース企業に注力する。

将来について、ブランデージ氏とハシェム氏は、重要なソフトウェアをより容易に開発できるようにするために、息の長い永続的な会社を作りたいと望んでいる。ブランデージ氏は、まだ作られていない実現可能な役に立つツールがたくさんあると指摘し、Gadgetは同社でそれらのツールを実現したいと考えている。

「ソフトウェア開発は転換期を迎えています」と、SequoiaのパートナーであるMike Vernal(マイク・ヴァーナル)は声明で述べている。「私たちが使用するソフトウェアに多くを期待するようになったことで、開発者はその要求に追いつくために、構築に使うツールに多くを求めるようになりました。Gadgetのプラットフォームは、eコマースの開発者が拡張性の高いソフトウェアを驚くほど速く構築できるように支援するという約束を果たしています」。

画像クレジット:Gadget

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

日々のプロセスを自動化、開発者が重要なタスクに集中できるようにするツールのRaycastが約16.9億円調達

開発者向け生産性向上ツールのRaycast(レイキャスト)は、Accel(アクセル)とCootue(クーチュ)を中心としたシリーズAで1500万ドル(約16億9100万円)の資金を調達した。また、このラウンドには、エンジェル投資家として、Hopin(ホピン)のCEO兼創業者であるJohnny Boufarhat(ジョニー・ブファルハット)氏、Stripe(ストライプ)の製品責任者であるJeff Weinstein(ジェフ・ワインスタイン)氏、GitHub(ギットハブ)の元CTOであるJason Warner(ジェイソン・ワーナー)氏、Checkout.com(チェックアウト・ドットコム)のCTOであるOtt Kaukver(オット・カウクバー)氏などが参加した。

Raycastは、元Facebook(フェイスブック)のソフトウェアエンジニアであるThomas Paul Mann(トーマス・ポール・マン)氏とPetr Nikolaev(ペトル・ニコラエフ)氏によって2020年に設立された。彼らは、異なるSaaSツール間で開発者が継続的にコンテキストスイッチを行うことで日々失われる時間を取り戻す方法を模索していた。

「私たちが会社を始めたのは、コンピューターとの向き合い方を改善したいと思ったからです。私たち自身も開発者として、ほとんど価値を提供しない忙しい作業に多くの時間を費やしていることに気づきました。むしろもっと重要な仕事に時間を費やしたいと思ったんです。これがRaycastの前提であり、仕事を早く終わらせるためのツールを提供します」RaycastのCEOであるトーマス・ポール・マンは、TechCrunchのインタビューに答えている。

Raycastは、コマンドラインにインスパイアされたインターフェースにより、開発者が情報を見つけ、更新することを容易にすることを目的としている。このプラットフォームは、日々のプロセスやタスクの自動化を可能にし、開発者が重要なタスクに集中できるようにする。このデスクトップソフトウェアは「Superhuman」や「Command E」などの同業他社を参考にしており、ユーザーはキーボードショートカットを使ってすばやくデータを引き出し、修正することができる。ユーザーは、Jiraでの課題の作成や再修正、GitHubでのプルリクエストのマージ、ドキュメントの検索などを簡単に行うことができる。基本的に、Apple(アップル)のSpotlight検索の開発者向けバージョンであり、ソフトウェアエンジニアが開発作業以外のすべての部分を単一のツールを使って操作できるようにすることを目的としている。

Raycastの成長に関して、わずか12カ月で、2020年10月に130人だったデイリーアクティブユーザーを現在までに1万1000人以上に増やし、その間に2000万以上のアクションがプラットフォーム上で実行されたと述べている。チームは現在12名のメンバーで構成されており、年内にはさらに多くの人材が入社する予定だ。

また、Raycastは、エクステンションAPIとストアをパブリックベータ版として公開し、開発者がカスタムエクステンションを構築し、チームやコミュニティで共有できるようにした。同社によると、このベータ版では、1カ月間にコミュニティが100以上のエクステンションを構築し、Figma、GitHub、Chrome、Notion、YouTube、Twitterなどのサービスにも接続しているという。Raycastは現在、エクステンションAPIとストアを公開し、世界中の開発者に開放している。

画像クレジット:Raycast

マン氏は、今回の資金調達について、Raycastは開発者の生産性向上分野のリーダーになりたいと語っている。「それが、今回の資金調達の目的です。今回の資金調達は、チームの規模をさらに拡大するために使用します。私たちは、このプラットフォームを誰もが利用できるようにして、誰もが望むツールを構築できるようにしたいと考えているんです」と述べている。

Raycastは今回の資金調達を利用して、開発者やツールのコミュニティの構築に注力し、プラットフォームの成長を加速させるとともに、チームレベルでのRaycastの導入も計画している。同社は今後も個人の開発者に重点を置いていくが、生産性向上のためのツールやワークフローを他の人と簡単に共有できるようにすることにも可能性を見出している。米国時間11月30日より、企業は早期アクセスプログラムに登録して、チーム向けの新機能を利用できるようになる。ユーザーは、チームのニーズに合わせてカスタムエクステンションやリンクを構築・配布できる、独自の社内ストアを作成することができるようになる。

「チームはエクステンションを構築し、それをチームメンバーと個人的に共有することができます。カスタムセットアップで生産性を向上させる社内ツールがあれば、チームメンバーも恩恵を受けることができるよう、それをチームメンバー内に共有することができます。これにより、チームとしての生産性を維持し、普段抱えている忙しい業務に費やす時間を節約することができます」とマン氏は語る。

RaycastのシリーズA資金は、2020年10月に行われた270万ドル(約3億円)のシードラウンドに続くものだ。今回のラウンドは、Accelがリードし、YC、Jeff Morris Jr.(ジェフ・モリスJr.)氏のChapter One(チャプター・ワン)ファンド、さらにエンジェル投資家のCharlie Cheever(チャーリー・チーバー)氏、Calvin French-Owen(カルヴィン・フレンチ・オウエン)氏、Manik Gupta(マニック・グプタ)氏が参加した。

AccelのパートナーであるAndrei Brasoveanu(アンドレイ・ブラソヴェアヌ)氏は「Raycastへのシード投資を担当して以来、Raycastが開発者コミュニティで成長し、牽引していることに感銘を受けてきました。これは、Raycastが開発者にとって不可欠なツールになる可能性を秘めているという当初の確信を裏付けるものであり、APIやストアの立ち上げやチームへの拡大によって、チームがさらに前進することに期待しています。我々は、トーマス氏とペトル氏の野心的な冒険を引き続きサポートできることをうれしく思います」と述べている。

画像クレジット:Raycast

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(文:Aisha Malik、翻訳:Akihito Mizukoshi)

どんな企業でもAIが使えるようになるツールを提供するH2O.ai、約1810億ドルのプレマネー評価で約123億ドルを調達

H2O.aiは、オープンソースのフレームワークと独自のアプリケーションを開発し、あらゆる企業が人工知能ベースのサービスを簡単に構築、運用できるようにするスタートアップである。AIアプリケーションがより一般的になり、テック企業以外の企業もAIを取り入れたいと考えるようになっていることもあり、同社への関心が一気に高まっている。そんなH2O.aiが今回、同社の成長を促進するために1億ドル(約122億8000万円)を調達。今回の資金調達により同社の価値は、ポストマネーで17億ドル(約1918億4000万円)、プレマネーで16億ドル(約1805億5000万円)となった。

今回のラウンドはシリーズEで、戦略的支援者であるCommonwealth Bank of Australia(CBA、オーストラリア・コモンウェルス銀行)がリードしている。CBAは同スタートアップの顧客でもあるのだが、今回の支援を利用して両者のパートナーシップを深め、新しいサービスを構築していく予定だ。今回の資金調達には、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)、Pivot Investment Partners(ピボット・インベストメント・パートナーズ)、Crane Venture Partners(クレーン・ベンチャー・パートナーズ)、Celesta Capital(セレスタ・キャピタル)などが参加。今回の資金調達を活用し、H2O.ai全体の製品をさらに充実させ、同社のH2O AI Hybrid Cloudプラットフォームの拡大を続けるために人材を採用することなどが計画されている。

顧客が戦略的支援者としてラウンドをリードしたのは今回が初めてではなく、2019年にはGoldman Sachsが同社シリーズDの7250万ドル(約81億8000万円)をリードしている。PitchBook(ピッチブック)のデータからも見られるように、H2Oの評価額は4億ドル(約451億3000万円)と評価されていた前回のラウンドから飛躍的に上昇しており、同社の成長率、そして同社が行っていることに対する一般的な需要の大きさがうかがえる。マウンテンビューに本社を置くH2O.aiは、これまでに2億4650万ドル(約278億円)を調達している。

関連記事:AI利用のハードルを下げるH2O.aiがゴールドマンサックスのリードで約77億円調達

直近2回のラウンドがいずれも、H2O.aiの顧客でもある大手銀行が主導しているという事実は、同スタートアップにとってのチャンスがどこにあるかを物語っている。以前、Workday(ワークデイ)に買収されたPlatfora(プラットフォラ)の共同創業者で、同社創業者兼CEOのSri Ambati(スリ・アンバティ)氏がメールで筆者に話してくれたところによると、現在同社のレベニューの約40%は、非常に広範で包括的な金融サービスの世界からもたらされているという。

「リテールバンキング、クレジットカード、ペイメントなど、PayPal(ペイパル)からMasterCard(マスターカード)までのほとんどすべての決済システムがH2Oの顧客です」と同氏。株式の分野では、債券、資産運用、住宅ローン担保証券などのサービスを提供している企業の数々がH2Oの技術を利用しており、MarketAxess(マーケットアクセス)、Franklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)、BNY Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)も「強力な」顧客であると述べている。

また、他の業種からのビジネスも増えているという。Unilever(ユニリーバ)やReckitt(レキットベンキーザー)、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)などの消費財、UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)などの物流配送、Chipotle(チポトレ)などのフードサービス、そしてAT&T(エーティーアンドティー)は「当社の最大の顧客の1つです」と話している。

同社の成功には新型コロナウイルスの存在もひと役買っている。

パンデミックを振り返り「製造業はサプライチェーンの混乱とデマンドセンシングにより、急成長を遂げました。我々はH2O AI Healthを立ち上げ、病院やプロバイダー、Aetna(エテナ)のような支払会社、製薬会社の顧客を支援したのです」と話している。

注目すべき点は、自社のワークフローにAIを導入して、自社の顧客にサービスを提供したいと考えている他の技術系企業との連携をH2O.aiが強化しようとしていることである。「バーティカルクラウドとSaaS ISVが最近の私たちの勝因です」。

同社は設立当初からH2Oと呼ばれるオープンソースのサービスを提供しており、現在では2万社以上の企業に利用されている。人気の理由の1つはその柔軟性にある。H2O.aiによると、同社のオープンソースフレームワークは、既存のビッグデータインフラ、ベアメタル、または既存のHadoop、Spark、Kubernetesクラスタの上で動作し、HDFS、Spark、S3、Azure Data Lakeなどのデータソースから、インメモリの分散型キーバリューストアに直接データを取り込むことができるという。

「当社のオープンソースプラットフォームは、お客様が独自のAIセンターオブコンピタンスとセンターオブエクセレンスを構築するための自由と能力を提供します。AIを山に例えると、私たちはお客様が山を征服するのを支援するシェルパのTenzing Norgay(テンジン・ノルゲイ)氏ようなものです」とアンバティ氏は同社のオープンソースツールについて話している。

エンジニアはカスタマイズされたアプリケーションを構築するためにこのフレームワークを使用することができるが、一方でH2O.ai独自のツールは、次に何が起こるかについてより良い洞察を得るために大量のデータを取り込むことで利益を得ることができる不正検知、解約予測、異常検知、価格最適化、信用スコアリングなどの分野においてより完成度の高いアプリケーションを提供している。これらのアプリケーションは、人間のアナリストやデータサイエンティストの仕事を補完するものであり、また場合によっては人間が行う基本的な作業を代替することも可能だ。現在、トータルで約45のアプリケーションが存在する。

将来的にこのようなツールを増やしていき、各分野の「アプリストア」でそれぞれの需要に合わせた独自の事前構築済みツールを提供していく計画だとアンバティ氏は話している。

H2O.aiの成長の原動力となっているトレンドは数年前から勢いを増している。

人工知能にはエンタープライズITの世界から大きな期待が寄せられている。機械学習、自然言語処理、コンピュータビジョンなどのツールをうまく活用すれば、生産性を向上させることができるだけでなく、企業にとってまったく新しい分野を切り開くことも可能となるからだ。長期的には、企業の運用コストやその他のコストを何十億ドルも削減することができるだろう。

しかし大きな問題として、多くの場合、組織にはAIを使ったプロジェクトを構築および遂行するための社内チームが不足していることが挙げられる。ニーズやパラメータの進化に伴い、インフラもすべて更新する必要があるのである。今やテクノロジーは企業のすべてに関わっているが、すべての企業がテック企業というわけではない。

H2O.aiは市場におけるこのギャップを埋めることを目的とした最初の、あるいは唯一のスタートアップではないが、他のスタートアップよりもこのタスクにおいて幾分か先を行っている。

Microsoft(マイクロソフト)やNVIDIA(エヌビディア)などの大手テック企業からの多額の資金提供と賛同を得て設立されたのがカナダのElement.AIだ。同社はAIを民主化してAIツールを構築・運用するためのリソースが不足していても企業がAIから恩恵を受けることができるようにし、AIを推進する多くのテック企業にビジネスを奪われないようにするというアイデアに取り組んでいた。同社はインテグレーションに重点を置いていたものの(AccentureのAIサービスのように)、コンセプトからビジネスへと大きくジャンプすることができず、最終的には2020年にServiceNow(サービスナウ)に買収され、企業向けのツールを構築する同社の取り組みを補完することになったのである。

アンバティ氏は、H2O.aiのビジネスのうちサービス分野はわずか10%程度で、残りの90%は製品によるものだと話しており、あるスタートアップのアプローチが成功し、別のスタートアップが失敗する理由を説明してくれた。

「データサイエンスやAIのサービスに魅了されるのは当然です。私たちの製品のメーカー文化に忠実になり、なおかつお客様の深い共感を築いて耳を傾けることが成功には欠かせません。お客様は当社のメーカー文化を体験し、自らもメーカーになる。私たちは継続的にソフトウェアをより簡単にし、AI Cloudを通じてローコード、再利用可能なレシピ、自動化を民主化してデータパイプライン、AI AppStoresを構築し、お客様が顧客体験、ブランド、コミュニティの改善に利用できるサービスとしてAIを提供しています」。

「私たちは単なる木ではなく森を育てているということが他社との大きな違いです。H2O AI Cloud、ローコードアプリケーション開発であるH2O Wave、H2O AI AppStores、Marketplace、H2O-3 Open Source MLは、すでにAIアプリケーションとソフトウェアの中核をなしており、私たちは顧客とそのパートナーや開発者のエコシステムと提携しています」。

これは投資家にも好評なプレーであり、ビジネスでもある。

CBAのCEOであるMatt Comyn(マット・コミン)氏は、声明中で次のように述べている。「オーストラリア・コモンウェルス銀行は、毎日収集される数百万のデータポイントという大きな資産を保有しています。H2O.aiへの投資と戦略的パートナーシップは、人工知能における当行のリーダーシップを拡大し、最終的には当行が最先端のデジタル提案や再構築された商品およびサービスを顧客に提供する能力を高めてくれることでしょう」。CBAのチーフデータ&アナリティクスオフィサーであるAndrew McMullan(アンドリュー・マクマラン)博士が、H2O.aiの取締役会に参画する予定となっている。

画像クレジット:Mario Simoes / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

要点をもとにAIが流れるようなEメール用文章を生成、受信トレイをゼロにするライティング生産性向上ツール「Flowrite」

TechCrunchがFlowrite(フローライト)に「強化されたGrammarly」ではないかと尋ねると、共同創業者でCEOのAaro Isosaari(アーロ・イソサーリ)氏は笑いながら、2020年夏の終わりから構築しているAIライティング生産性向上ツールに対しいつもそのようなコメントが返ってくると答えた。

このAIを搭載した相棒がいれば、電子メール作成のスピードアップによる「受信トレイゼロ」を目指すことも容易になりそうだ。少なくとも、毎日のように定型的なメールを大量に送信しているような人にとってはそうだろう。

Flowriteは具体的に何をするのか?Flowriteは、いくつかの指示(これを入力しなければなならない)を、本格的で読みやすい電子メールに変える。つまり、Grammarlyが文法や構文、スタイルなどの調整を提案して(既存の)文章を改善するのに役立つのに対し、Flowriteは電子メールやその他の専門的なメッセージングタイプの通信である限り、そもそも文章を書くのに役立つ。

電子メールは、FlowriteのAIモデルが訓練されたところだ、とイソサーリ氏はいう。そして、メール作成にどれだけの時間を費やす必要があるかという不満が、このスタートアップのインスピレーションとなった。そのため、GPT-3が使用されているコピーライティングなど、AIが生成する言葉の幅広い使用例ではなく、プロフェッショナルなコミュニケーションに焦点を当てている。

「以前の仕事では、電子メールやその他のメッセージングプラットフォームでさまざまな関係者とのコミュニケーションに毎日数時間を費やしていたので、これが自分の抱える問題であることはわかっていました。これは共同設立者である私たちだけの問題ではなく、何百万人もの人々が日々の仕事でより効果的かつ効率的なコミュニケーションをとることで恩恵を受けることができるのです」。

Flowriteの仕組みは次の通りだ。ユーザーが言いたいことの要点を箇条書きにした基本的な指示を出す。すると、AIを搭載したツールが残りの作業を行い、必要な情報を流れるように伝える完全な電子メールのテキストを生成してくれる。

丁寧な挨拶や署名を記入したり、求められているトーンや印象を伝えるための適切な表現を考えたりといった、文字数の多い作業は自動化されている。

電子メールテンプレート(電子メール生産性向上のための既存技術)と比較すると、AIを搭載したツールは文脈に適応し「固定されていない」ことが利点だとイソサーリ氏はいう。

当然のことだが、重要なポイントとして、ユーザーは送信する前にAIが提案した文章を確認し、編集や微調整を行うことができるので、人間はしっかりとエージェントとしてループに参加したままだ。

イソサーリ氏はセールスの電子メールを例に挙げる。この場合「すばらしい・電話で詳しい話をしよう・来週月曜日の午後」と指示を入力するだけで、必要な詳細情報に加えて「すべての挨拶」や「追加の形式」を含むFlowriteが生成したメールが送られてくる。

補足:FlowriteのTechCrunchへの最初の売り込みは電子メールによるものだったが、そのツールの使用は明らかに含まれていなかった。少なくとも、その電子メールには「この電子メールはFlowrittenされました」という開示はなかったが、後にイソサーリ氏から送られてきた(依頼されたPRを送るための)メールにはあった。これはおそらく、(AIを使って)スピードライティングしたい電子メールと、人間の頭脳をもっと使って作成したい(少なくとも自分で書いたように見せたい)電子メールの種類を示しているのではないだろうか。

イソサーリ氏はTechCrunchに次のように話した。「私たちは、あらゆる種類のプロフェッショナルが、日々のワークフローの一環として、より速く文章を書き、コミュニケーションを図ることができるよう、AIを搭載したライティングツールを構築しました。何百万人もの人々が、内外のさまざまな関係者との仕事上の電子メールやメッセージに毎日何時間も費やしていることを知っています。Flowriteは、人々がそれをより速く行えるようにサポートします」。

また、このAIツールは、失読症や英語が母国語ではないなどの特定の理由で文章を書くことが困難な人にとっても大きな助けとなる可能性があると、同氏はいう。

Flowriteは英語の電子メールしか作成できないという明らかな制約がある。GPT-3は他の言語のモデルを持っているが、イソサーリ氏は、そうした英語以外の言語の「人間らしい」反応の質は、英語の場合ほど良くないかもしれないと示唆し、よってFlowriteは当面の間、英語にフォーカスすると話す。

GPT-3の言語モデルを中核のAIテックとして使用しているが、最近では、自社で蓄積したデータを使って「微調整」を始めていて、イソサーリ氏は「すでに私たちは、GPT-3の上にラッパーを作るのではなく、さまざまなものを構築しています」と説明する。

また、この電子メール生産性向上ツールでは、AIがユーザーの文体に適応することを約束している。これにより、メールが速くなったからといって、無愛想なメールになることはない(「大丈夫?」と尋ねる新鮮な電子メールにつながるかもしれない)

この技術は、電子メールの履歴をすべてマイニングしているわけではなく、電子メールのスレッドの中で(ある場合は)直前の文脈だけを見ているとイソサーリ氏は話す。

Flowriteは、GPT-3の技術を利用しているため、現在はクラウド処理に依存しているが、今後はデバイス上での処理に移行したいと考えているという。当然ながら機密保持の問題にも対応できるはずだ。

今のところ、このツールはブラウザベースで、ウェブメールと統合されている。現在はChromeとGmailにしか対応していないが、今後はSlackなどのメッセージングプラットフォームにも対応していく予定だ(ただし、少なくとも当初はウェブアプリ版のみ)。

このツールはまだクローズドベータ版で、Flowriteは440万ドル(約5億円)のシード資金調達を発表したばかりだ。

同ラウンドはProject Aが主導し、Moonfire Venturesとエンジェル投資家のIlkka Paananen(イルッカ・パーナネン)氏(Supercellの共同創業者でCEO)、Sven Ahrens(スヴェン・アーレン)氏(Spotifyのグローバル・グロース・ディレクター)、Johannes Schildt(ヨハンズ・シルト)氏(Kryの共同創業者でCEO)が参加した。また、既投資家であるLifeline VenturesとSeedcampも今回のラウンドに参加した。

Flowriteは、どのようなタイプの電子メールや専門家に適しているのだろうか?コンテンツ面では「一般的に、返信する際に何らかの既存の文脈がある場合の返信」だとイソサーリ氏はいう。

「Flowriteは状況をよく理解し、自然な形でそれに対応することができます」と同氏は話す。「また、売り込みや提案のようなアウトリーチにも適しています。Flowriteがうまくいかないのは、非常に複雑なものを書きたい場合です。というのも、そのためには指示にすべての情報が必要だからです。そして、最終的な電子メールに近いかもしれない指示を書くのに多くの時間を費やす必要があるとしたら、その時点でFlowriteが提供できる価値はあまりありません」。

また「本当に短い電子メール」を送る場合には、明らかに実用的ではない。なぜなら、2、3の単語で答えるだけなら、自分で入力した方が早いからだ。

どのような人がFlowriteを使うのかという点では、ベータ版を利用しようとする幅広い層のアーリーアダプターがいるとイソサーリ氏はいう。しかし、同氏は主なユーザー像を「日常的に多くのコミュニケーションをとるエグゼクティブ、マネージャー、起業家」、つまり「自分自身について良い印象を与え、非常に思慮深いコミュニケーションをとる必要がある人」と表現している。

ビジネスモデルの面では、Flowriteはまずプロシューマー / 個人ユーザーに焦点を当てているが、イソサーリ氏によると、そこから拡大していく可能性があり、まずはチームをサポートすることになるかもしれない。また、将来的には企業向けに何らかのSaaSを提供することも想定している。

現在、ベータ版では料金を徴収していないが、来年初めには課金する予定だ。

「ベータ版が終了したら、収益化を開始します」と同氏は付け加え、2022年半ばにはベータ版からの完全なリリース(つまり、待機者がいなくなる)が可能であることを示唆している。

イソサーリ氏によれば、今回の資金調達は、主にエンジニアリング面でのチーム強化に充てられる。初期段階での主な目標は、AIと基幹プロダクトを中心としたツールアップだ。

また、機能の拡充も優先事項の1つだ。ここには、さまざまな電子メールクライアントとの併用など、ブラウザ間でツールを使用する「水平方向の方法」を追加することが含まれる。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

新世代チームコラボレーションツールAirtableのようなCRM構築を目指すAttio

Attioは、AirtableNotionZapierのような新世代のコラボレーションツールをよく知ってる人たち向けの新しいCRMだ。同社が作ろうとしているのは、ユーザーの顧客やサプライヤーやパートナーに関する重要な情報をすべて収められるプロダクトだが、それにはまた同時に、データを容易に編成し、一覧し、操作できる柔軟性がある。

AttioはPoint Nineがリードする770万ドル(約8億9000万円)のシードラウンドを調達し、これにBalderton CapitalHeadlineが参加した。同社の以前からの投資家であるPassion Capitalと、数名のエンジェル投資家も参加した。後者はFrontの共同創業者でCEOのMathilde Collin(マチルデ・コリン)氏、Loomの共同創業者でCTOのVinay Hiremath(ヴィネイ・ヒレマス)氏、LoomとHyperの共同創業者であるShahed Khan(シャヘド・カーン)氏、そしてIndeedの共同創業者であるPaul Forster(ポール・フォースター)氏らとなる。

投資家のリストがこんなに長いのも、創業者の経歴を見ればうなずける。Attioの共同創業者でCEOのNicolas Sharp(ニコラス・シャープ)氏は以前Passion Capitalのアソシエイトで、その後Alexander Christie(アレクサンダー・クリスティー)氏とともにAttioを起業。彼は、同社のディールフロー(取引の流れ)部分の処理に多大な時間を投じた。

シャープ氏は特に、AirtableとNotionからヒントを得たという。「現在、ビジネスソフトウェアの世界にはすばらしいことが起きつつあり、特に変化が著しいのはCRMです。今のCRMは、顧客が望むものを何でも作ることができます。その一方で、このようなことが起こっており、それ自体が興味深いものです。CRM市場では、新しい販売方法のパラダイムシフトが起きています。今や、さまざまなチャネルを通じて関係性を育むことが重要になっています」。

つまりCRMソフトはもはや、営業のチームに限定されていないということだ。現在では、A社で仕事をしている多くの人たちが、B社のさまざまな人たちとやりとりをしている。そのような状況で、単一のコンタクトポイントにこだわっていると全体の把握も、追跡もできなくなってしまう。

画像クレジット:Attio

Attioは、既存のさまざまなツールからデータを取り込む。アカウントをセットアップするときは、自分のチームのコンタクト(連絡先)もインポートする。また、メールの会話をCRMのプラットフォームと同期できる。共有のレベルは、メタデータだけか、または件名とメタデータかのどちらかを選ぶ。そしてもちろん、カレンダーの同期もできる。

そうやって設定したあと、AttioはユーザーデータをTwitter、LinkedIn、Facebookといったサードパーティのソースから自動的に補足する。自分の会社と特定のコンタクトとの最近の対話のタイムラインを見ることもでき、他の企業を検索して、その企業にいる自分が知っている人を調べることもできる。

さらにおもしろいのは、コレクションの構築だ。コレクションは、特定のプロジェクトのためのコンタクトのリストだ。例えばすべての投資家のコレクションを作ったり、営業のための情報通信チャネル(いわゆる「コネ」)のコレクションを作れる。知っている記者たちのコレクションもあるだろう。

コレクションの見方は、いろいろある。Airtableのように、行と列からなるスプレッドシート状のインターフェースで、データを加えてもよい。あるコレクションに必要になったら、新しい属性の列(カラム)を増設できる。

あるいは、コンタクトをあるカラムから別のカラムに移動できる。カレンダー形式でもよい。それぞれのビューは、さまざまなフィルターや整列(ソート)の基準でカスタマイズできる。

画像クレジット:Attio

Attioは、多くのSaaS同じような設計なので、チームで利用するのに適している。タブ方式で最新のアクティビティをそれぞれで確認できるし、タスクを作って注記を加えれば、そこからチームとしてのプロジェクトが始まる。

現在、同社には120社ほどの有料顧客がおり、Coca-ColaやSupercell、Saltpay、Causal、Upfront Venturesなどの企業でチームが利用している。しかし、このようにしてCRMを「再発明」しよとしているのはAttioだけではない。競合他社には、最近紹介したFolkや、4DegreesAffinityなどがいる。

シャープ氏がこのプロダクトを思いついたときは、競争がまだそれほど激しくなかった。「当時はNotionが開業したばかりでしたし、みんな新しいスプレッドシートや新しいノートアプリのようなものを開発していました。新しい原理をCRMに応用しようとしている人は皆無でした」とシャープ氏はいう。

ユーザーにとっては、CRMプラットフォームの選択肢は大きく増えた。この分野がどのように進化していくのか、興味深く見守っていきたい。

画像クレジット:Attio

画像クレジット:Attio

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ますます活躍する時間給労働者のシフト調整などを行うメッセージアプリ「When I Work」が約226億円調達

時間給労働者は全労働人口の約55%を占めているが、仕事の世界のために構築されたテクノロジーに関しては、いわゆる知識労働者がその空間を支配している。米国時間11月1日、前者のニーズに特化して作られたアプリを提供する企業が大規模な資金調達ラウンドを発表した。ビジネスソフトウェアの進化する展望、そして時間給労働者とシフト制労働者がますます活躍していることを示すものだ。

When I Work(ウェン・アイ・ワーク)は、企業に雇用されている時間給労働者のシフトへのサインアップ、同僚とのシフト交換、シフトに入れないときの経営者や他者への通知などを可能にする、広く利用されているメッセージングプラットフォームだ。同社はこのほど2億ドル(約226億円)の資金調達ラウンドを完了した。この資金は事業開発とプロダクトの拡充に充てられる。

今回の資金は単一の投資家であるBain Capital(ベイン・キャピタル)、具体的にはそのTech Opportunities Fund(テック・オポチュニティーズ・ファンド)によるもので、両者は評価額を明らかにしていないが「過半数の成長投資」と説明しており、約4億ドル(約451億円)を示唆している。When I Workの収益性は好調で、2020年の6月から続いている、とCEOのMartin Hartshorne(マーティン・ハートショーン)氏はインタビューで語っている。パンデミック渦中の生活と経済の不確実性の深刻さを考えると注目に値するものだ。11年前に2400万ドル(約25億円)ほどの資金を調達後、同社が確保した堅調な伸びが、今回の資金調達の理由につながった。

「当社は新たなフェーズに入りました」と同氏は述べ、現在の成長率は「35%を超えて」おり、利益を生み出していることを明らかにした。「顧客はプロダクトを気に入り、企業文化は実に優れています。すばらしいものを手に入れて、新しい段階に挑戦する時を迎えました」。

これまでの投資家にはArthur Ventures(アーサー・ベンチャーズ)、Drive Capital(ドライブ・キャピタル)、Greycroft(グレイクロフト)、High Alpha(ハイ・アルファ)などが名を連ねている。

2010年にミネアポリスで創業したWhen I Workが提供するアプリは、小規模ビジネスや有名どころのフランチャイズ(Dunkin’[ダンキン]、Ace Hardware[エース・ハードウェア]、Ben&Jerry’s[ベン&ジェリーズ]、Kenneth Cole[ケネス・コール]など)を中心に、全米の約20万のビジネスで約1000万人の時間給労働者に利用されている。その成長の一部は、特に市場のニーズの変化に起因している。一部の小売業者は事業を閉鎖せざるを得なくなり、完全に閉鎖したところもある一方で、ヘルスケアなどの他のセクターは勢いを増してきた。

2021年の第2四半期に同社が「ワクチン接種オペレーションのスピンアップ」としてシフトベースのシステムを構築し、50社を超える顧客を獲得したことにハートショーン氏は言及した。同社は計画として、米国におけるオポチュニティの強化を継続し、国際的な展開で他の市場への進出を開始することを視野に入れている。

アプリ自体に関しては、主にシフト制や時間給のスタッフとのコミュニケーションを容易にするためのツールの提供において、その存在を認められてきた。こうした人々の勤務時間の特徴として、会議時間に合わせて全員が同時に仕事をしている可能性は低く、仕事中のスケジュールも変動する可能性があり、顧客のトラフィックや従業員自身の状況に応じてシフトする必要のあるスケジュールも存在する、という側面がある。

その名が示すように、When I Workの最も使用されている機能はシフト管理とチームとのコミュニケーションであり、このセグメントの労働者にとって最大かつ最も一般的な生産性の課題に対処している。しかし、時間の経過とともに、同社はオーディエンスとエンゲージメントを活用して他のサービス、例えば給与管理の促進(より特化した給与管理ソフトウェアとの相互接続)、労働レポートやアナリティクスを追加してきている。この部分は、自律的な成長としても、そしておそらく買収という形での成長としても継続していく要素として見込まれている。

仕事の世界に対応するソフトウェアは、この10〜20年の間、いわゆる知識労働者に主に焦点を当ててきた。コンピュータやスマートフォンを装備し、ソフトウェアやアプリに依存する仕事に縛られているこのセグメントは、より多くのソフトウェアツールに自然に適合してきたものの、どちらかといえば時が経つにつれて専門化されるだけであり、特定の業界やユースケースに対応するものとなっている。

しかし、デジタル変革および一般の人々の間のスマートフォン利用の増加は、職場におけるソフトウェア向けのプロダクトやユースケースの幅を広げ、より広い範囲の労働者の利用につながる新たなオポチュニティを数多く提供している。全体として、人々は日々の仕事以外の生活の中でアプリやその他のデジタルプロダクトを使用する方向にシフトしており、そうした人々はまた、自分たちの仕事をより簡単にするためのツールを求めていて、それを受け入れる準備もできている。

When I Workの場合、従業員は自分のスマートフォンにアプリをインストールする。これは、このカテゴリーの労働者の間で個人所有デバイスの持ち込みが知識労働者よりもさらに強い傾向にあることを示している(ログイン方法は他の仕事用アプリと同様で、自分が働いている会社と自分の携帯電話番号やメールの情報に基づいている)。ハートショーン氏によると、成長の大部分は口コミによるもので、以前の仕事で同社のアプリを使ったことがある従業員が、新しい雇用主にその導入を勧めているという。

しかしそのより広範なトレンドを考えると、競合他社が存在することは驚くに値しない。またそこまでの存在にはまだ至っていないものの、同じセグメントの労働者に対応していて、競合相手となるポテンシャルがある企業も存在する。その中には次のような企業が含まれている。2021年初めに7100万ドル(約80億円)を調達したHomebase(ホームベース)、ホームサービスのプロに特化したWorkiz(ワークイズ)、現在は採用およびフルタイム以下の従業員のシフトへの登録を主な目的としているFountain(ファウンテン)とWonolo(ウォノロ)、WorkWhile(ワークホワイル)、現在はフロントラインの労働者のための生産性プラットフォームとして機能しているYoobic(ヨービック)、Squareが2021年初めに買収したCrew(クルー)、現在700万の有料ユーザーを擁するWorkplace(ワークプレイス)、そして9月に上場申請を行ったJustworks(ジャストワークス)。これらの中には同じユーザー層を対象としながらも機能が異なるものもあるという事実は、When I Workのロードマップのようなものを提示しており、それがどのように拡張され得るかも示している。

Bain Capital Tech Opportunities(ベイン・キャピタル・テック・オポチュニティーズ)でマネージングディレクターを務めるPhil Meicler(フィル・メイクラー)氏は、 When I Workのエンゲージメントが、この大きなフィールドで同社のアプリをより魅力あるものにしていると語っている。When I Workは、ユーザーの85%が少なくとも週に1回ログインし、利用するアプリとなっている。

「今日の現代的なワークフォースにおいて、これほどあきらかな生産性向上と強い従業員エンゲージメントをもたらすソリューションは他に類を見ないものです」。時間給労働セクターの労働力不足が最近ますます深刻になっていることを指摘しながら、メイクラー氏は続けた。「それを大規模かつ効率的に行うことは、実行に困難をともないます。成長と収益性の組み合わせは、When I Workに私たちが大きな期待を寄せた理由の中核部分でした」。

同氏はまた、BainはHRスイートの拡大継続を目指して「マーティン(・ハートショーン)氏のビジョンを共有している」と付け加えた。「その目的は、従業員が他に何を使うのか、彼らの生活をより楽にするために私たちはどのように拡張できるのかという、従業員の目を通してプロダクトを構築することに置かれています。そしてWhen I Workにはスケジューリングのすばらしい基盤があります。自律的に、またM&Aを通じて成長していくための独自のオポチュニティを同社は有しています」。

画像クレジット:Dunkin’

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

「ゾーンに入る」のを助けるアプリ「Centered」、仕事が30%早く終わりストレスも軽減

Centered(センタード)は、ユーザーが1日の流れを確認する手助けをし、仕事が達成できるようにカレンダーを守り、軌道修正に役立つパーソナルアシスタントを追加することができるアプリだ。このアプリでは、仕事を成し遂げるために他の人たちとバーチャルな会合をしたり、仕事に集中するように脳を働かせるための心地よいビートを流したりすることもできる。この会社はまだプロダクトを発売したばかりだが、あなたが健全に仕事に打ち込めるようにするために、390万ドル(約4億5000万円)の資金を調達した。

何かを成し遂げたり、その作業を楽しんだ人であれば、おそらく「フロー状態」(人によっては「ゾーン」と呼ぶこともある)を経験したことがあるだろう。しかし、多くのオフィス環境は、そんな状態になることができないように設定されている。仕事を終わらせるために、早朝出勤や残業、休日出勤といった馬鹿げたことをする人もいる。「朝7時に出社して、電話が鳴り始める前にオフィスで時間を過ごすのが好きだ」なんてセリフを言っている、あなたのことだ。

Centeredのアプリは、チームのメンバーがビデオフィードを介して小さなサムネイルとして表示されるバーチャルなコワーキングセッションを提供する。つまりこれは、同僚があなたの姿を見ることができれば(ただし、音や会話は聞こえない)、あなたはコードをレビューしなければならないときに、スマホをいじったり、6杯目のコーヒーを飲みに行ったりする可能性が低くなるだろうという考えに基づくものだ。また、このアプリには「フローミュージック」と呼ばれる、ゆっくりとしたテンポの環境音楽も鳴らすことができ、脳に仕事をする時間だと納得させるために役立つ。さらにパーソナルアシスタントも用意されており、同社の創業者はこれを「生産性を向上させるSiri」と表現している。

「飛行機の中でヘッドフォンをしていると、突然、気を散らすものが一切ないような感覚になることがあるでしょう? 周囲に邪魔する人がいないため、短時間に今まで書いたことがないほどたくさんの文章を書くことができたりします。これがCenteredで再現しようとしている体験です。フローセッションを開始すると、Noah(ノア)が出迎えてくれます。このボットは、あなたの作業をガイドしてくれます」と、Centeredの創業者兼CEOであるUlf Schwekendiek(ウルフ・シュエッケンディック)氏は説明する。「このアシスタントは、割り当てられた時間の半分を過ぎると知らせてくれます。あなたが気が散っていることに気づいたら、仕事に集中するよう促してくれます。親が宿題をするはずのあなたがゲームボーイに夢中になっていることに気づいて、他のことをするべきだと注意するようなものです」。

Centeredの創業者兼CEO、ウルフ・シュエッケンディック氏(画像クレジット:Centered)

Centeredは米国時間11月17日、Uncork Capital(アンコーク・キャピタル)とYes VC(イエスVC)が主導する投資ラウンドで390万ドルを調達し、JLL Spark(JLLスパーク)、Shrug Capital(シュラッグ・キャピタル)、Basement Fund(ベースメント・ファンド)、AVG Basement(AVGベースメント)、Remote First(リモート・ファースト)の他、多くのエンジェル投資家からも支援を受けたことを発表した。

「この資金調達によって、いくつかのことが可能になりました。もう、私1人ではありません。コーディングやデザインなど、すべてを業者に依頼することはなくなります」と、シュエッケンディック氏は語る。「私たちは、エンジニアリング、デザイン、コンテンツの各チームに人員を配置し始めました。より大きなコンテンツ契約を結び、より良い音楽やボイスオーバーを利用できるようになりました。しかし、本当におもしろいのは我々が持つデータです。私たちはこのデータの活用を始めたばかりです。人々がどのように働いているかを私たちは知っています。他の誰にも真似できません」。

実行中のCenteredアプリ(画像クレジット:Centered)

シュエッケンディック氏は、同社がデータを匿名で集計し、安全に取り扱っていると断言している。今回のラウンドでは、評価額は公表されていない。

「何千人もの人々が当社の製品を利用しています。初期のユーザーは、見積もっていた時間よりも平均30%早く仕事を終えられ、その結果、より幸せになり、ストレスが減ったと報告してくれました」と、シュエッケンディック氏は述べている。「トップユーザーは、Centeredを生産性向上のためのオペレーティングシステムとして1日に3〜5時間ほど使用しています。第1週目以降のユーザー維持率はほぼ100%であることもわかっています」。

画像クレジット:Centered

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)