GoogleもiOS版Chromeをアップデート―リンクからYouTubeなどのネーティブ・アプリが立ち上がる

今日のiOS版Chromeのアップデートではいくつか重要な機能の追加があった。

音声検索jに関するかぎり、Googleは依然としてライバルに大差をつけてトップを走っているが、今回さらに代名詞の解析という新たな人工知能レイヤーが追加された。Googleはこの機能を数ヶ月前に発表し、ただちにデスクトップとAndroid版に実装している。 たとえば、「アメリカの大統領は誰か?」と質問した後で次の質問をするときには「バラク・オバマ」といちいちフルネームを言わなくても「彼は何歳か?」のように表現することができる。

これはこれで便利な機能だが、ユーザーにとってずっと重要なアップデートは、ワンクリックで各種Googleアプリを呼び出すことができるようになったことだろう(ユーザーが複数のGoogleアカウントを持っている場合、それらをChromeに登録しておけば、アカウントを自由に選択できる)。

YouTube、Google Maps、Gmail、Google Drive、Google+などのGoogleのサービスへのリンクをChromeで開くと自動的に対応するGoogleのネーティブ・アプリが立ち上がる(インストールされている場合)。ユーザーはまたChromeの「設定」メニューからリンクの種類ごとに開くアプリを選択することができる。

他の多くのアプリと歩調を合わせて」、GoogleもまたChromeのデザインを簡素でフラットなiOS 7の新デザインにマッチするものとした。ただしChromeは以前からそっけないほどシンプルなデザインだったため、その違いは一見しては大きくない。また変更を受けた要素も比較的少ないようだ。

Chromeの新バージョンはApp Storeのこちらからインストールできる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iPhone 5sとiPhone 5c, どちらを買うべきか

iPhoneの新機種にはiPhone 5ciPhone 5sがある。だから、その日のために苦労してためたお金をどっちに投ずるべきか、迷う人も多い。本誌のリビューで詳しく述べたように、どちらも魅力的な製品だが、5cを選ぶべき、あるいは5sを選ぶべき、絶対強力な理由はあるだろうか? 以下に、迷っている人のための主な検討要素を挙げてみた。

カメラ

スマートフォンのカメラというものを大幅に改良しているPhone 5sは、カメラをとくに重視するユーザにとっては、これでキマリの機種だ。高価な傘を使わなくてもよいフラッシュ撮影やオフカメラユニット、ソフトボックスなどは基本的にまずいが、5sのTrue Toneフラッシュは5cのフラッシュよりも圧倒的に優れている。

フラッシュ以外にも、5sのセンサとレンズ部品はずっと良い。またプロセッサが高速なのでオートフォーカスやシャッターの起動も速い。ビデオのスローモーションやバーストモードも、人によっては絶対に5sを選ぶ決め手になるだろう。つまり、ほかの機会だけでなく、スマートフォンを使っているときでも写真に真剣な人は、お値段が高くても5sできまりだ。

コストパフォーマンス

コストパフォーマンスに関しては、iPhone 5cは非常に優れている。同じストレージサイズなら5sより100ドルも安いが、上に述べたカメラとプロセッサ(A7+M7)の速度や付加的能力(後述)を除けば、大きな違いは何もない。

iPhone 5cのデザインは意外なほど魅力的だ。ぼくなら5sにカラー版があれば(5sを選ぶとしたら)そっちを取るだろう。結論としては、iPhone 5, 4S, 4の現ユーザが、ごくふつうのアップグレードを望むなら5cだ。カメラやプロセッサを初め、いろいろ最先端を望むなら5s。

未来性

5sには、SoCのA7の上にモーションコプロセッサM7が載っているという秘密装備がある。A7は64ビットの処理能力を提供し、M7は省エネや動き追跡機能を提供する。これらの機能をフル活用したアプリが将来登場したとき、それを絶対に欲しいと今から思う人は、5sだ。

結局のところ、あなたに合ったスマートフォンは、あなたが個人的にいちばん魅力を感じたスマートフォンだ。それがAndroid機である可能性も、もちろんある。Androidはだめ、という点は何一つないが、でも二機種同時に出すというAppleの新しいやり方は、多くの消費者に、どっちかに決めなければならないという心の負担をもたらした。この記事で述べたことが、その負担解消のお役に立てば、幸いである。


iPhone 5sのビデオリビュー


iPhone 5cのビデオリビュー

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple AppStoreの「アプリ復活」機能は、ユーザーにとってはすばらしいが、デベロッパーには災難

今日(米国時間9/17)、あるRedditユーザーが、App StoreでiOSの旧バージョンを使っているユーザーが、互換性のある最後のバージョンのアプリをダウンロードできるようになったことを発見した。これはすばらしい機能で hwj、古いiOSしか動かないデバイスの所有者には朗報だ。

しかし、同機能の実現方法がデベロッパーにとって不透明であることが疑問を呼んでおり、ユーザーにとっても問題になる可能性がある。

実際しくみは極めて単純で、ユーザーにとってもわかりやすい。もしユーザーが旧バージョンのiOSしかサポートしていないデバイス ― 例えばiPhone 3GSとiOS 6 ― を持っていて、iOS 7でしか動作しない最新版アプリをダウンロードしようとすると、〈最後に互換だったバージョン〉がダウンロードされる。そこには面倒もなく、ユーザーは動作可能なバージョンが手に入るだけだ。

これは実に賢明なやり方であり、iOS 7の技術を今すぐ導入するかどうか、という一部デベロッパーのためらいを軽減させるだろう。私が話したデベロッパーの多くは、iOS 7専用バージョンのアプリも出荷する計画だ。新機能はそうしたデベロッパーにとっても、古いハードウェアのユーザーが自社アプリの旧バージョンを使ってくれるので有難い。

皮相的な見方をする人もいる。これがAppleのリスクヘッジだという考えだ ― 万が一、iOS 7への移行が遅れた時のために。先を急いだデベロッパーたちが取り残されずに済む。

このやり方のデベロッパーにとっての問題は、Dragon ForgedのKyle Richterらが早速指摘している。

「あらゆる複雑なアプリ、特にAPI駆動のアプリは、何年も放置された後に動作する可能性は稀少だ。動くとしてもひどく不安定でバグも多いだろう」とRichterは言う。「その結果は? ユーザーは水準以下の製品を公開したとデベロッパーを責める、なぜなら平均的ユーザーはソフトウェア開発の事情を理解していないから。これがアプリのレビュー評価を下げ、デベロッパーのサポート負荷を増やすことになる」

簡単な例を挙げると、お気に入りのTwitterクライアントの新しいV1.1 APIをサポートしていない旧バージョンを旧iOSにダウンロードすれば、バグが多発するか全く動かないかのどちらかだ。

デベロッパーコミュニティーの複数の情報源によると、AppleのiTunes Connectダッシュボードには、デベロッパーが自分のアプリのどのバージョンがどのiOSバージョンに配信されるかを見るオプションがない。この不透明さだけでも、カスタマーサポートを混乱させる原因になる。

しかも、デベロッパーには旧バージョンの問題を修正して再アップロードする手段もない。要するに、旧iOSユーザーは、デベロッパーが永久に修正できない問題を抱えたアプリをダウンロードすることになるかもしれない。これは多くのデベロッパーにとって悪夢だ。

また、この「アプリ復活」機能のシステムに詳しい情報源は、システムがそのように作られていることを確認している。デベロッパーは旧バージョンを修正して新しいバイナリーをアップロードすることも、古いバグ有バージョンを「消し去る」こともできない。

恐らくAppleは、デベロッパーが申請した旧バージョンアプリをすべて保存しているに違いないので、この機能を実現することが可能だったのだろう。

しかし、いくつかの要素によって問題の対象が絞られる可能性があることは指摘しておくべきだろう。第一に、iOSの移行率は常に極めて高い。(それが可能な)iOSユーザーの80~90%は、1~2週間のうちにiOS 6に移行している。もしiOS 7が問題なく立ち上がれば、iPhone 4以降のデバイスの殆どは、非常に早く新OSに移行し、こうした復活アプリの必要もなくなるだろう。

それでも、アップデートしない、あるいはできないユーザーが一定の割合存在する。そこにはiPhone(まだ存在している)、iPhone 3G、iPhone 3GS、iPod touch 1~4世代、および初代iPad等のユーザーも含まれる。

新機能の恩恵を一番受けるのはiPod touchユーザーだろうが、古いiPhone、iPadユーザーも使い勝手が上がるだろう。そのための複雑な操作も不要だ。ただApp Storeで新しいアプリをダウンロードすれば、自分のiOSで動くバージョンが手に入る。

残念ながら、それらのアプリのデベロッパーは同じ恩恵を受けることがなく、少々ひどい仕打ちを受ける。iTunes Connectのダッシュボードにちょっとした変更を加えるだけで、デベロッパーはどのバージョンのアプリが問題を起こしているのかがわかるし、さらには旧デバイス用のバージョンのアップロードもできるようになるのだが。

現時点でそれは起こりそうにないが、望みを持ち続けることはできる。

「デベロッパーが序列の一番下にいることは衆知の事実だ。Appleが何より第一に気にかけるのはAppleであり、次がユーザー、最後がデベロッパーだ」とRichterは言う。この言葉は、今回のケースにも正確にあてはまりそうだ。新システムはAppleのためにダウンロード数を増やし、ユーザーのために顧客体験を向上するが、デベロッパーには大きなサポート問題を残す。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iOS 7の一般公開を控えて、旧バージョンiOSデバイスに旧バージョン向けアプリのインストールが可能になっている

iOS 7はAppleが2007年にこのOSを発表して以来おそらくもっとも大幅なバージョンアップとなる。これほど大きなデザインの変化となればAppleにとってもユーザーに混乱や不便をもたらすリスクがある。Appleはこれに対処すべく、AppStoreに新たな機能を追加した。

アクセスしたデバイスに搭載されたiOSではアプリの最新バージョンが動作しない場合、動作する最新のバージョンをインストールすることが選択できるようになる。この新機能はあるRedditユーザーが発見し、The Vergeに記事が掲載された。このユーザーは第2世代のiPod TouchにInstagramをインストールしようとして変化に気づいたという。

iOS 7は9月18日以降、大半のiOSデバイスにダウンロードされる予定だ。しかしiPhone 3GSや最初のiPadにはiOS 7はインストールできない。これにともなってiOS7にアップデートできなかったデバイスのアプリについては互換性の問題が起きることが予想された。またiOS 7にアップデート可能な新しいiOSデバイスのユーザーの中にも新OSのデザインを嫌うなどの理由でアップデートを行わないものがあるだろう。Appleはこうしたユーザーが混乱しないように対策する必要があった。

つまりジョニー・アイブのフラットデザインが嫌いだなどの理由でiOS 7にアップデートしなくても、少なくとも当面は、インストールできるアプリが一気に減るというような目には合わずにすむというわけだ。

「作動する最新のアプリ」をダウンロードできる機能は、ユーザーだけでなくデベロッパーにもありがたい。デベロッパーもiOS 7向けのアプリがそれ以前のiOSでは正常に作動しないという問題に悩まされずにすむ。後方互換性を考慮せずにiOS7の機能を生かしたバージョンアップができるわけだ(ただしこの場合はiOS 7向けバージョンと以前のiOS向けバージョンの両方をメンテナンスするという負担が加わるわけだが)。

私もiOS 6.0.1のiPad miniでテストしてみた。iOS 6.1以降を必要とするWeatherbugアプリをインストールしようとすると下のスクリーンショットのようなメッセージが表示された。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleの「M7」モーションセンサーは、iPhone 5sの隠し玉だ

Appleは先日の発表イベントの壇上で、iPhone 5sの隠された新兵器を見せた。しかしその真のインパクトは、サードパーティー・デベロッパーがフルに活用するようになるまで当分見ることはないだろう。私が言っているのは、M7モーション・プロセッサーのことで、移動や距離の検知を最小のバッテリー消費で行い、著しいインパクトのある新しい使い方を可能にする。

M7は、サードパーティーのサポートがなくてもiPhone 5sにとって大きな恩恵だ ― 例えば、iPhoneがいつ特定の機能を有効にするか、何かをスローダウンするかの管理を高度に行い、ネットワークの検出頻度を減らすことによってバッテリー消費を抑えられる。これらの仕事に関してだけでもメインのAシリーズプロセッサーよりも効率が良く、これだけでもバッテリーを節約できるため、M7はすでに内蔵バッテリーの能力を最大限まで引き上げている。即ち、これまで以上に通話時間が長くなる。

M7は、iPhone 5sの電源管理や効率を高める方法をAppleに提供するだけでなく、サードパーティー・デベロッパーがこれを活用することもできる。すぐにわかるのが健康関連センサー市場で、プレゼンテーションの中で紹介されたMoveやNike+などのソフトウェアはこれまで以上に効率よくiPhoneのセンサーを活用できるようになるだろう。

M7の内蔵は、誰もが別のデバイスを持ち歩くことなく、Fitbitなどと同様のセンサーを手に入れたことを意味している。Bluetoothで同期したり、概して小さいこの手の品物を失くす心配も、新たに何かを腕に巻く必要もなくなる。そして、M7のCoreMotion APIはあらゆるデベロッパーに開放されているので、事実上全ユーザーが非常に強力なモーション・トラッキング装置を持ち歩いていることになり、その可能性を制限するのはデベロッパーの想像力だけだ。

よって将来は、ジェスチャー制御によるゲームや(iPhoneが、Apple TVに映し出されるタイトルをAirPlay経由でコントロールするところを想像してほしい)、フィットネス・トラッカー、さらにはCoreMotionを使ってバッテリー消費を最小限にしたり、使用する場所と時間によって機能を変えるなど、モーションセンサーを使った様々なアプリを見られるようになるだろう。例えば、自宅にいる時と外出中とで全く異なるモードを提供するアプリが考えられる。

AppleのiPhone 5sは、その変更部分の多くが真の革新的技術進歩である注目すべきアップグレードだ。指紋センサー、カメラ、M7等、いずれもそれ自体が印象深い技術的偉業だ。しかし特にM7に関しては、それがどれほど大きな世代交替であるかを一般ユーザーが気付くのは、今後提供されるであろう新しいソフトウェア体験が、何が大きく変わったかを徐々に明らかにした時だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iPhone 5sおよびiPhone 5c、簡単な操作体験ビデオ

Appleの新iPhone発表イベントは如何だっただろうか。実は発表会の直後にiPhone 5sおよび、若干財布に優しそうな弟分であるiPhone 5cにも触ってみることができた。

両デバイスのきちんとしたレビューはまた後の機会に行いたいと考えているが、取り敢えずは簡単なビデオハンズオンをご覧頂きたいと思う。

iPhone 5sインプレッション:

  • 金額や素材の違いから、iPhone 5sの方が高級そうな仕上がりであると期待している人は多いだろう。実機を手にとって見ても、ほとんどの人がそう感じるだろうと思う。5cはなかなか良い感じで手にも馴染んでくれるが、やはりプラスチック素材というのは高級なイメージにはなりにくいものだ。
  • 5sは非常に高速だ。64-bit CPUのおかげもあるのだろう。あまり詳細にはチェックしていないのだが、確認した限りの範囲では驚くほどに高速になっている。
  • iPhone 5に非常に似ている。色を見極め、指紋センサー付きのホームボタン、あるいはデュアル・フラッシュに気付く程度の知識がなければ、iPhone 5との区別は難しいだろう。
  • カメラのスローモーション機能はとても面白い。身近にスケートボードのスゴワザを決めてくれる人がいなかったのが残念だが、カメラに向かって馬鹿みたいに手を振ってみた。120FPSのスローモーションビデオはこれまでにない楽しさを感じさせてくれる。
  • また、十分に使い込んだわけではないが、指紋認証はおどろくほどうまく機能しているようだ。設定に必要な時間もごくわずかだ。設定後は直ちに、そして安定して動作する。設定した人と別の人がアクセスしようとしても、ただちにアクセスは拒否されてしまう。セキュアな環境が、フラストレーションなしに実現できている印象だ(ビデオ中で指を話したりタップしたりを繰り返しているが、これは設定中の動きだ。指紋の認識に失敗しているわけではない)。

iPhone 5cインプレッション:

  • 5sより安価なデバイスであるのだが、安っぽい感じはしない。確かに、洗練されているというものでもないが、決して悪くはない外観に仕上がっている。
  • 価格、ポップな色調、そしてAppleが投入したCMを見る限り、5cのターゲットは若年層であるような印象を受ける。
  • TechCrunchのライター陣の中でも、5cのケースについては…悪評がある。いろいろなカラーが選べるのは面白いと思うのだが、デザイン面で不人気となってしまっているようだ。クロックスの模倣のようにも見え、背面から見ると「hon」(honey:愛しいあなた、というような意味もある)と書いてあるように見えてしまうことを気持ち悪く感じる人もいるようだ。

取り敢えずは動作の様子なども見てもらいたく、簡単なビデオ(および感想)をアップロードした次第だ。来週には詳細なレビューをお届け出来ると思う。読者の方々は5sに5から乗り換える魅力を感じているだろうか。それとも5cに面白さを感じているだろうか。予約開始も楽しみだ。

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(翻訳:Maeda, H)


iPhone 5cは「廉価版」にあらず。Jony IveがiOS 7搭載用としての理想を追求したデバイスだ

ご存知だろうか。iPhone 5cの「C」は「cheap」(安い)の「C」ではない。実は「clueless」(何も分かっちゃいない)という単語の頭文字なのだ。

部外者の誰もが、Appleがこのデバイスにこめた思いを見損じている。Appleはそれを見越して「clueless」を名前に組み込んだのだ。

(本当は「color」の「C」。記事を派手に初めてみたかっただけだ)。

新iPhoneの発表イベントを見て、さらにiPhone 5cのビデオを見てみれば、AppleがiPhone 5cに込めた思いを理解できるはずだ。その「思い」とは、すなわちJony Iveによるものだ。

これまでにJony Iveのビデオは数多く見てきた。その中で、iPhone 5cの説明をしているIveこそ(iPhone 5sに比べても)エキサイトしているように見える。もちろんIve(そしてApple)は認めないだろう。これまでのビデオも含め、Iveはすべて自分の子(Appleのプロダクト)について語ってきたわけだ。しかしiPhone 5sのビデオなどとも比較して、何度も見てみて欲しい。

双方のビデオにおける態度が対照的であると感じないだろうか。Appleが投入した次世代の主役はiPhone 5sだ。しかしiPhone 5sはiPhone 5とほぼ同じデザインを踏襲している。すなわち、Iveがハードウェアのみに関わり、ソフトウェアのデザイン面に関わるようになる前に生み出されたものであるのだ。

つまり、IveがiPhone 5を生み出す時点からiOSのデザインに関わっていたのなら、きっとiPhone 5をこのようにデザインしただろうというものが、まさにiPhone 5cであると思うのだ。昨年冬の組織改編から、より広い範囲でのデザインを担当するようになり、それでIveは思うままのデザインを実現してきたのではないだろうか。

「iPhoneというのは“エクスペリエンス”を提供するものです。そして“エクスペリエンス”は、ハードウェアとソフトウェアの生み出すハーモニーにより提供されるものです。ハードウェアとソフトウェアをより一体化することにより、さらに素晴らしい“エクスペリエンス”を提供していきたいと考えているのです」と、Iveはビデオ中で語っている。ハードウェアおよびソフトウェアのデザインを一手に引き受ける責任者としての発言であり、その責任者がiPhone 5cを世に問うているわけだ。

今年の夏、WWDCにてiOS 7がはじめてお目見えしたとき、そのカラフルなパレットUIに皆が驚いたものだった。しかし、長くApple製品を使っている人(あるいは長くAppleおよびIveに注目している人)は、初代iMacを思い出し、確かにこれもAppleないしIveのやり方だと納得したのだった。13種類のカラーバリエーションを用意して、Apple再生に大いに役立った。まさにカラーこそAppleのウリとなっていたのだ。

確かにIveはそれからしばらく、プラスチックからユニボディのアルミニウム(Iveの口調で言えばアリュミナムのように聞こえるだろうか)へと路線を変更していった。しかしそういう時代を経て、Iveは原点に戻ってきたのではないかと思うのだ。芸術家が、異なる時代を過ごすようなものとも言えるだろう。

ソフトウェア面にも関与できる立場となり、今ならば、色彩を一層活用できると判断したのだろう。ますます思いのままの「エクスペリエンス」を提供できるようになるからだ。

「一貫性のあるデザインとは、形状、素材、そして色合いなどのミックスによって生まれるものです。それぞれが関係しあって、お互いを求める関わりあいの中でプロダクトが成立するのです」とIveは言っている。Iveの上司でありまた仕事仲間でもあったスティーブ・ジョブス曰く、デザインというものは表面的なものではなく、あるいは見かけだけのものでもなく、実は機能面に強く関わっているのだとのことだった。そしてこうしたデザインを行うためにはハードウェアとソフトウェアの双方に関わる必要がある。IveはiPhone 5cにおいて、その地位を獲得し、そして理想を実現したわけだ。

しかし、果たしてこのiPhone 5cは中国やインドといった、普及途上国での売り上げを伸ばすのに役立つのだろうか。おそらくさほど役に立たないに違いない。実は、廉価なiPhoneを途上国に売り込むのが目的だというのは、何もわかっていないレポートによるミスリードなのだ。プラスチック素材であることを見て、なるほど新興国用の廉価版iPhoneだと騒ぎ立てたのだが、実はAppleの目的はそこにはない。

iPhone 5cは、iPhone 5に代わるものとして登場してきているのだ。Appleは、4Sの販売は続けるものの、iPhone 5は店頭から引き上げることになっている。Iveは、自分でデザインしたソフトウェアの入れ物としてのハードウェアをデザインし、iPhone 5にとってかわるiPhone 5cに自分の思いのたけを詰め込んだのだ。

iPhone 5cを投入したことで、Appleは「前年モデル」などよりもはるかに魅力的な(販売助成値引きして99ドルという、手に入れやすい価格)モデルを提供できるようになった。また、デザイン面でほとんど変更のないiPhone 5とiPhone 5sが(色こそ違うものの)混乱を招くような自体も避けることができる。すなわちiPhone 5cの投入はまさに良いことずくめな話なわけだ。

但し、テック系の「専門家」や、ウォール・ストリート方面には、Appleの選択を「良いことずくめ」とはみない人も大勢いる。そうした人はともかく「安いiPhone」を期待していたのだ。また、キーボードを登載したiPhoneの登場を待ち続けている人もいるらしい。

Appleは、ライバルに強いられて何らかの行動をとるといったことのほとんどない企業だ。周りの動向を気にしてばかりいては、戦略を見失うことになる。Appleは常に自らの戦略を大事に育んできた。もしAppleが「安い」iPhoneを出せば、Appleが収支報告で利益率の低下をアナウンスするまではAppleを「評価」するのだろう。そうした「評価」を受ける「イノベーション」は、実のところ誰も得をしない選択であるのだ。

もちろんAppleも、中国などの新興市場を無視しているわけではない。Tim Cookはなんども繰り返して新興市場に言及している。しかしAppleは、自分たちがここぞと思ったタイミングで、自分たちが良いと思うプロダクトを投入するだけだ。もしかするとそれは新興市場の獲得という面でみれば遅すぎる行動になるかもしれない。しかしそれはまだ評価すべき時ではないだろう。ともかく、iPhone 5cが新興市場向けの安価なデバイスというわけではないことは明らかだと思うのだ。

iPhone 5cは「Jony IveのiPhone」とでも言うべきデバイスだ。色彩豊かで、そして美しく、何らかの代替物としてではなく、プラスチックの魅力を前面に押し出したデバイスだと言える。

「ハードウェアとソフトウェアがお互いに高め合ってひとつのデバイスとして結晶しているのです」。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple iPhone 5cに触ってみた:プラスチック筐体は手に馴染んで意外に快適

iPhone 5cおよびiPhone 5sが発表になった。iPhone 5cは価格を低く抑えたモデルではあるが、しかしながら非常に印象的なデバイスに仕上がっている。発表プレゼンテーションの直後にさわってみる機会があったので、報告しておきたい。簡単にまとめておけば、プラスチック筐体の本機は一体感あるデザインで、また非常に軽く、なかなか好印象を持つこととなった。

iPhone 5Cはブルー、グリーン、ピンク、イエロー、そしてホワイトの5色モデルが発表された。チップとディスプレイはiPhone 5と同じA6およびレティナディスプレイが搭載されている。iPhone 5との比較でもっとも進歩したところは、iPhone 5Cが過去最多のLTEバンドに対応したことだ。またバッテリーのもちも大幅に改善している。

もちろんパフォーマンスもよく、そのおかげもあって外見も一層可愛らしく見えてくる。また筐体はしっくりと手に馴染み、ラバーのような感じのタッチは、従来のどのiPhoneよりも安定して感じることでしょう。壁紙も本体の色に合わせて設定することができ、全体としての統一感をもたらします。何のカスタマイズをすることもなく、箱から出した瞬間から、他のデバイスとはちょっと違う可愛らしさを楽しむことができるだろう。

一緒に発表になったケースについても、ぱっと見の印象よりは良さそうに思える。なかなか頑丈そうで、それなりの衝撃からもiPhoneを守ってくれそうだ。裏地には柔らかなマイクロファイバーを採用し、iPhone 5cと組み合わせて楽しめる6種類が発表されている。ケースに開けられた穴から本体が見えるのも、色を組み合わせて楽しんでもらおうとする遊び心だろう。

いろいろと触ってみて、個人的に最も印象に残ったのはその軽さと、堅牢そうな様子だ。iPhone 5の金属とガラスからなる高級な印象とはまた異なるが、決して安物の印象はない。価格は抑えられ、搭載チップなども以前のモデルで利用されたものではある。しかしそれでもある種の「高級デバイス」に仕上がっていると思う。9月13日に予約受付が始まれば、おそらくはiPhone 5Cは多くのファンを獲得するのではないかと思っている。手に入れやすい価格の中で多くのバリューを提供しており、またiPhone 5から進化してさえいる。Appleが初めて行った価格戦略の行く末を注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、 iPhone 4Sを「無料モデル」として継続、iPhone 5は消滅

これはびっくり! iPhone 5は消えるが、iPhone 4sは、2年契約無料モデルとして提供され続ける。これは今や2年がすぎたiPhone 4sにとって予想外な動きだ。Appleは、iPad 2戦略をiPhoneにも適用しようとしている。

4sは途上国市場にとって重要な機種だ。たとえiOS 7ではかなり動きが鈍くても。多くの人々が、Appleは製品ラインアップからiPhone 4と4sを外し、iPhone 5を継続すると予想していた。しかしそうなれば、iPhone 5とiPhone 5cのどちらを選ぶべきかで消費者を迷わせることになる。

最大の難点は、iPhone 4sが未だに30ピンコネクターを使っていることだ。今回Appleは、同社のデバイスをすべてLightningコネクターにするつもりはない。また、ソフトウェア機能の中にはiPhone 4sでは使えないものが数多くある。

これでAppleの戦略ははっきりした。iPhone 4sとiPhone 5を続ける代わりに、同社は新しくiPhone 5cを出してコストを下げ、iPhone 5を置き換えた。iPhone 4sは、昨年採用した価格戦略のまま居残ることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple iPhone 5sに触ってみた:カメラと指紋認証を中心に

AppleのiPhone 5sは、iPhone 5の本格的改善版だ。ハードウェアの変更は、これまでiPhoneの “s” モデルで見た仕様や性能の改善を超えている。大きく派手な注目機能は、改善されたカメラと、全く新しいホームボタンに内蔵された指紋センサーで、これがAppleの新しい認証技術であるTouch IDを支える。

私の新機種ハンズオンの時間は、両機能に集中した。Apple社員がTouch IDの設定操作と、デバイスのアンロックやアプリ、iTunes Storeでの購入方法を手順を追って教えてくれた。1台のiPhone 5sで最大5種類の指紋を識別できるので、家族や友達が使えるようにすることもできる。

設定方法はほぼ直感的で、グラフィクスとテキストベースの説明でガイドされる。要するに、少し時間をかけてホームボタンのセンサーに指紋を覚えさせ、指を少し動かしたり、表面から少し持ち上げて戻したりする。グラフィクスでソフトウェアがどこまで指紋を認識したかが表示される(親指または人差し指のどちらでも使用できる)。設定にかかる時間は30秒から1分くらいで、完了後は何度試してもスムーズにアンロックできた。なお、同僚のGreg Kumparakの挑戦は拒否したので、誰でも受け入れるわけではないことも証明された。

Appleの新しいホームボタンが非常に魅力的なのは実用面だけではない ― 見た目も良い。ステンレス製のリングによってデバイスの美的感覚が著しく向上した。新しいカラーもいい。ブラックに代る「スペースグレー」はグラファイトか鉄のように見え、気に入るとは思っていなかったゴールドも実物は実に目にやさしい。

iPhone 5sで他に大きく変わったのは、ソフトウェア全般の高速化する64ビットプロセッサー以外では、カメラのハードウェアだ。5sの新しいカメラは非常に高度でソフトウェアも改善されている。新しいスローモー・ビデオ・モードはすばらしい。このカメラの画像は、すでに総合性能で業界最高水準と思われたモバイルカメラのさらに上を行くものだ。新たなデュアル・フラッシュもいい感じだ。光の足りない場面でずっとナチュラルなライティング効果を得られる。カメラの起動も速くなったのでこれまで以上に被写体を捕えやすくなる。

Appleが、一目で業界最高水準、あるいは間違いなく最高のスマートフォンと思える新iPhoneを発表することはさほどの驚きではない。しかし、驚かされたのは、内蔵指紋センサーがデバイスの全体的体験をここまで変えることだ ― おそらくみんなの予想をはるかに上回るペースで普及していくだろう。

iPhone 5sおよび5cのハンズオン・ビデオ

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(翻訳:Nob Takahashi)


TechCrunch版「今日のAppleイベントまとめ」

Appleのクパチーノでのイベントがやっと終わった。すでに大量の記事が書かれているが、さらに多くの記事がこれからアップロードされる。読者がいささか混乱しても責められないところだ。そこでAppleがこの数時間で発表した内容を以下に簡単にまとめてみた。TechCrunch版の「Appleイベントのまとめ」というところだ。

ハードウェア

AppleはiPhoneを2種類発表した。iPhone 5SiPhone 5Cだ。名前からも察することができるが、5SはiPhone 5の後継となるハイエンド機で、64ビットの強力なA7CPUに加えて、モーション処理用のM7コ・プロセッサを装備している。Touch ID指紋センサーがホームボタンに内蔵された。5Sの筐体はiPhone 5とほとんど同じ寸法だが、カラーバリエーションが増えて印象が変わった。白(いや銀らしい)、黒に加えて長らく噂に上っていた金が加わった。

カメラも大きく改良された。5Sのカメラはスペックとしては依然8メガピクセルだが撮像素子面積は拡大され、画質は向上した。720pのHD画質で120コマ/秒のスローモーションが撮れる。True ToneデュアルLEDフラッシュで写真が青みがかったり白飛びしたりするのを防ぐ。バーストモードでは毎秒10枚の静止画が撮影できる。

これらはすべて重要かつ歓迎すべきアップグレードだが、今回新たに搭載されたTouch ID指紋認証がもたらす影響が長期的には非常に大きいものになるかもしれない。

あと、面白いことに、今回の5Sの投入で製品ラインから消えたのは4Sではなく1年前に発表されたiPhone 5だった。これまではいちばん古いモデルが製品ラインから落とされていたのだが、今回AppleはiPhone 5と5Sの間で販売が分散することを嫌ったのだろう。キャリヤ契約ありの場合、16GBiPhone 5Sが199ドル、32GBが299ドル、64GBが399ドルとなる。発売開始は9月20日だ。

ここ数ヶ月無数の噂やリークの対象となってきた5CはApple初のiPhone廉価版モデルだ。予想通り5Cはカラフルな出で立ちで登場した。Appleはプラスティック・コートされたスティールフレームで筐体を強化し、アンテナとしても使っている。5Cの外観はこれまでのiPhoneと大いに違うが内部は4インチのRetinaディスプレイ、A6プロセッサなどiPhone5ほとんど同一だ。

5Cにもキャリヤ値引きはあるが、単体購入の場合、16GBの5Cは549ドル、32GBが649となる。たしかに5Sやこれまでのモデルに比べれば安いが、この価格ではこれまで言われていたように5CによってAppleが途上国の市場で大きくシェアを伸ばせるかどうかは疑問だ。

われわれのDarrell Etherington記者はクパチーノの会場で新モデルを短時間手に取ってみることができた。両モデルともに好感を持ったようだが、特に5Cに将来性を見出してる

9月18日にiOS 7公開

AppleはiPhoneの新モデルだけでなく、新しい強力なソフトウェアも発表した。iOS 7は9月18日から一般にダウンロードできるようになる。ただしすべてのiOSデバイスがアップグレードの対象となるわけではない。iOS 7はiPhone 4以降、iPad 2以降、iPad mini、第5世代iPod touchで作動する。

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Apple、iPhone 5Cを発表―CPUはA6、色は緑、黄、青、白、赤、金

今日(米国時間9/4)、AppleはiPhoneに史上初めて新しいシリーズを追加した。iPhone 5Cは緑、黄、青、白、赤、金の5色のプラスティック筐体で提供される。フレームはスティール製だがやはりプラスティックでコーティングされている。

プロセッサーはA6、カメラは8メガピクセルだ。Facetimeビデオチャット用のフロントカメラはHDにアップグレードされた。スティール・フレームはアンテナとして機能する。

iPhone 5Cの価格は2年のキャリヤ契約つきの場合、16GBが99ドル、32GBが199ドルだ。BlueTooth 4.0 LE、Wi-Fiはデュアルバンドの802.11a/b/g/nが内蔵される。またiPhone5Cはスマートフォンとしては対応するLTEバンドの数がもっとも多い。Appleがグローバル市場を強く意識していることが分かる。


iPhoneついに拡張される

iPhoneが登場して6年になるが、 これまでAppleは単一モデル政策を固く守ってきた。しかし市場セグメントの多様化とAndroidデバイスとの競争の激化にともない、シリーズを拡張しなければならないという圧力がAppleにかかっていた。キャリヤ契約にともなう大幅値引きによるマーケティングがうまく働かない市場向けに廉価版を投入する必要があった。

そうした市場の一つが中国だ。Appleは中国で確固とした地位を築いているものの、最近はSamsungなどのライバルに追い上げられている。また中国国産メーカーにもシェアを侵食されている。

Appleはこれまで最高級モデルのみを製造し、各市場のトップ・キャリヤにある種ブランドの代表の役割を担わせるという販売戦略を取ってきた。このキャリヤ補助による割引は先進国の大市場では今後も続けられるだろうが、割引なし廉価版iPhoneの投入は市場を大きく広げる可能性がある。9億人のユーザーを持つChinaMobile(中国移動通信)に提供されるならその影響は大きいだろう。

〔日本版:日本のAppleサイトのトップはiPhone 5Cになっている。〕

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iPhone 5S、3色で登場 ― CPU、カメラ、指紋認証など新技術も盛りだくさん

いよいよ次世代iPhoneが発表となった。

2色のiPhoneがデルとか、指紋認証機能が搭載されるというようなが流れていた。またおそらくはプロセッサおよびカメラのアップデートも行われるだろうと見られていた。

噂の真偽の程はどうだっただろうか。

いろいろとアナウンスがあったのだが、取り敢えずiPhone 5Sに関するところをみておこう。

カラーバリエーション

iPhone 5Sには噂通り「ゴールド」が加わった。また2色ではなく3色となっていて、あとのふたつは「スペースグレイ」と「シルバー」だ。

「ゴールド」についてはAppleらしくないとして反対する声も多かった。しかしMGの記事にもあったように、「ゴールド」は実際に登場することとなった。

「派手」な感じではなく、高級感のある「ゴールド」となっていて、まずAppleらしく仕上がっているとみて良いのだろう。また、じつのところiPhone 5のようにスレートにするよりも、ゴールドにする方が技術的に易しいというメリットもあるようだ。さらに、iPhoneのケースを見ると、どうやらゴールドの売れ行きが非常に良いようなのだ。つまりはiPhoneの「ゴールド化」を利用者が望んでいて、Appleはそれを提供しただけと見ることもできるわけだ。

デザイン

外見はiPhone 5からさほど大きく変わっているわけではない。バックパネルは2つの色にわけられていて、これはカラーバリエーションが生まれても同様となっている。スリムさも以前のものと変わらない。但し、ホームボタンは変わった。ボタンの中の四角はなくなり、ボタンの周りをリングが囲むデザインとなった(後述)。

新プロセッサ

外見的に大きな変更はないと書いたが、内部は全く異なったデバイスに仕上がっている。最大の変更点はA7プロセッサの採用だ。A7はAppleのデザインしたARM CPUだ。iOS 7も64ビットに最適化されており、A7はこれを最大限に活かす64ビット対応プロセッサとなっている。ダイサイズは102mm^2で、10億以上のトランジスタを集積するものとなっている。

簡単にいえばA6とほぼおなじサイズで、倍のトランジスタを搭載している計算になる。64ビットアプリケーションに加えて、32bitアプリケーションも動作するようになっている。

Appleによると、このプロセッサはA6と比較して2倍位上の性能を持つものなのだそうだ。初代iPhoneと比較すればCPUパフォーマンスは40倍となり、グラフィック性能も56倍になっているのだとのこと。

またM7というモーション・コプロセッサも搭載している。これはA7と連携して働くもので、ファイロスコープ、加速度センサ、およびコンパスからの情報を処理するようになっている。フィットネス系アプリケーションなどでも、このコプロセッサ搭載の恩恵を受けることになるのだとPhil Schillerは言っている。どうやらNikeが、5Sのアーキテクチャをフルに活用するアプリケーションを開発中のようだ。

バッテリーサイズについての言及はなかったが、A7はバッテリーを効率的に使えるようになっているとのこと。3G回戦で利用する場合、連続通話時間は10時間で、LTE環境でのブラウジングでも10時間利用できるそうだ。待ち受け時間は250時間で、オーディオ再生は40時間行うことができるとなっている。

カメラ

カメラもまたかなりのアップデートがなされた。iPhone 5との比較で、ピクセル面積を15%拡大している。。また開口部f/2.2で5枚構成のレンズを搭載しているとのこと。オートフォーカスおよび自動シャッター速度/露出補正機能を搭載している。

またTrue Toneという新世代デュアルLEDフラッシュも搭載している。これにより、従来のフラッシュ撮影時のような白飛びや、青みを配することができるようになっている。LEDの一方はノーマルなホワイトのもので、もう一方がアンバーとなっている。iPhoneは、この2つのLEDを1000通りの方法の中で最適な形で組み合わせ、部屋の明るさや被写体の明度に最適な形で写真を撮影する。

さらに手ぶれ補正はもちろん、秒間10枚を撮影するバーストモードもサポートしている。シャッターを押している間、秒間10枚の写真を撮影し続け、その中から最適な画像ないし一連の画像を選択して提示してくるようになっている。

さらに加えて、スローモーションオプションというものもサポートされた。これは720pで毎秒120フレームのビデオを撮影するものだ。撮影を終えたあとにスローモーションにする部分を選択する。選択外の部分はノーマル速度で再生される。

指紋認証センサー

これも噂通り、新しいiPhoneにはTouch IDと名付けられた指紋認証センサーが搭載されている。これによりさらなるセキュリティ性能が実現されるわけで、iOS 6のPassbookを一歩進めるユビキタス・モバイルペイメントシステムも実装できるようになる。

Appleによると、iPhone利用者の半数がパスコードの設定を行なっていないのだそうだ。Appleがホームボタンに指紋認証センサーを登載したのは、そうした状況に対処するためでもある。

センサーの厚みは170ミクロンで、解像度は500ppi。指がどの角度に傾いていても認識できるようになっている。尚、ホームボタンの周りにはステンレス製のセンサーがあって、指が近づいたことを認識するようになっている。つまり、もはやホームボタンは指を「置く」ための場所になったわけで、もう「押す」必要もなくなったわけだ。

動作の内容を説明すれば、このTouchIDスキャナは、高解像度で利用者の指を捉えて分析するわけだ。スキャナに読み取られた指の画像がどこに保存されるのかと心配になる人もいるかもしれない。もっともな心配だが、この画像がiCloudやAppleのサーバに保存されること決してないようになっている。

価格

以前のiPhoneと価格は変わらない設定になっている。2年契約の16GBモデルで、200ドルからということになっている。

  • 16GB: $199
  • 32GB: $299
  • 64GB: $399
  • iPhone 4S: free

現在のところまだプレオーダーは始まっていない。ただ店頭での発売は9月20日を予定している。

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(翻訳:Maeda, H)


iPhone 5Sの発表会場からライブでブログします

さあ、始まった。何か月も噂が飛び交い、推測の嵐が荒れ狂い、そしてついに、その時が来た。Appleが今日(米国時間9/10)これから、彼らがこれまでの数か月、何をしていたかを明かします。

Appleがこれから発表するものを完全に正しく知ることはできないが、それがiPhone 5Sと、もしかして廉価版のiPhone、噂の“5C”かもしれない、という兆候はかなり前からあった。

Appleの発表は太平洋時間午前10時に始まる(中部12時、東部午後1時、ロンドン午後6時)〔日本は11日午前2時〕。本誌はほぼリアルタイムのライブブログでそれをお伝えしよう。写真とコメントを載せ始めるのは、たぶん9時半ごろかな。だから、アクセスはお早めに!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OS X Mavericksのローンチは10月にずれ込む, Haswell搭載のMacBook Proと同時発表か

Appleのデスクトップオペレーティングシステムの次世代バージョンOS X Mavericks(OS X 10.9)はすでにデベロッパの手に渡っているが、消費者に届くのは10月以降のようだ。噂ではAppleは来週のiPhoneイベントで、または、少なくとも9月中にはローンチするかも、と言われているが、9to5MacAllThingsDはどちらも、10月の後半説を報じている。

上記両サイトに情報を提供している人たちによると、Appleは人と時間のほとんどを、iOS 7の発売を来週の新型iPhoneのローンチに間に合わせるために投じてきた。だからMavericksは10月後半に後回しだ。思い出せば確かにAppleは、Mavericksはこの秋、としか言っていない。10月も、もちろん秋。だから最初のスケジュールから外れていない。

MavericksではFinderが強化され、マルチモニタのサポートも改良、スタンドアロンのiBooksアプリケーションを提供、Macの電源管理の改良、などが盛り込まれる。プレビューを使ったデベロッパの感想では、最新のビルドはとても安定性が良いようだ、という。しかし一部には、前のリリースよりもやや後退しているとの声もある。いずれにせよ、安定性の問題でリリースが遅れているという見方もあり、もうしばらく待たされることは確かなようだ。

Mavericksは新型Macの発表と同時にローンチする、というビッグな想像もある。新型Macの企画の在庫を、Appleはつねにたくさん持っているはずだ。たとえばMac Proは合衆国で生産され、外付けI/Oで拡張性を担保するというラジカルな新デザインを採用した。MacBook Proも今準備中だが、これはIntelのHaswellプロセッサを採用し、Mavericksの省エネ機能と併せて、感動的なほどの電池寿命を実現するかもしれない。というわけで、OS X Mavericksとハードウェア新製品の同時発表は理にかなった期待でもある。Haswellを搭載した最新のMacBook Airを使ったことのある人なら、10.9を最高に輝かせる方法はそれしかない、とも思うだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPad 5とiPad Mini 2は今年第4四半期に登場するとアナリストが予測―iPad 2は引き続き販売へ

KGI Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuoのレポートによれば、AppleのiPad 5とiPad mini 2(公式なモデル名はまだ分からない。ここでは単に世代を指している)はやはり今年末に登場するようだ。通例アナリストのこうしたレポートは「当たるも八卦」だが、Kuoには低価格のiPhone 5Cやカラー・バリエーションの登場などをいち早く予測してきた実績がある。

Kuoの投資家向けレポート(9to5Macが引用)によれば、iPad 5とiPad mini 2は今月中に初期生産が開始されるが、全力生産に入るのは10月以降になるという。

一部では来る9月10日のAppleのプレスイベントで新世代のiPadも発表されるという観測もあったが、Kuoの予測はこれと違う。

Kuoはさらに、「Appleは当初、新iPadを2014年に入ってからリリースする予定だった」という。しかし競争の激化によってスケジュールを前倒しすることとした。しかしRetinaディスプレイを搭載しない安価なiPad miniのリリースは来年になるという。

もうひとつ興味ある予測は、iPad 2の製造は継続されるが、価格は引き下げられるとしている点だ。AppleはiPhoneの場合、過去2世代のモデルを廉価版として継続販売してきた。KooによればiPadについては廉価版の過去モデルとしてはiPad 2だけが提供されることになる。iPad 2は30ピンのコネクタを使用しているが、新iPadの登場を機にLightningコネクタに換装されるかもしれない。

今週に入ってiPad 5の筐体のビデオがUnbox Therapyで公開された。これが実際に製品版のパーツであるなら、iPad 5のデザインはiPad miniに強く影響を受けている。 KuoはiPad miniに新世代のA7プロセッサが搭載されるとしている。現行のminiはA5搭載だが、Retinaディスプレイを搭載すればCPUのパワーにも大きなテコ入れが必要になるのは自然だろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple、9月10日のiPhoneイベント招待状を報道陣に発送

先ほどAppleは、9月10日のiPhone特別イベントの招待状を発送した。イベントは、西海岸時刻午前10時から、クパチーノのAppleキャンパス10階で行われると案内に書かれている。同社や同社の来たるべき製品発表をめぐる噂に注目してきた人にとっては、何ら驚きはないだろう。

Appleは、この日に複数のデバイスを発表すると言われている。報道でiPhone “5C” と呼ばれている低コストiPhoneと、より高価なiPhone 5後継機種でこちらはiPhone “5S” と呼ばれるかもしれない。5Sは、カメラおよび内部の改善に加え、新たなゴールドカラーモデルが出ると言われている。iPhone 5Cは背面カバーがプラスチックになり、内部はiPhone 5と変わらないと報じられている。招待状には「これがみなさんの一日を明るくするはずです」というテキストと共にマルチカラーのドットが描かれており、iPhoneのカラーバリエーションという噂が的中していたことを暗示している。

Appleがこのイベントで何を発表するかには多くの注目が集まっている。Appleが初めて複数のiPhoneモデルを同時に発表するからだけではない。iOS 7もある。これはApple初のモバイルOS大改造で、iPhoneの出荷とほぼ同時期に公開される可能性が高い。噂が本当なら、その日は9月20日かその前後になるだろう。

ショウのその他のハイライトとしては、iTunes Radioの詳細が入るだろう。米国ユーザーには遅くともiOS 7と同時に提供される予定だ。しかし、やはりショウの中心はハードウェアだろう。これまでAppleの一貫した高価格モバイルに手の出なかった市場に進出することによって、iPhoneの世界市場を広げようというAppleの計画に世界は注目している。

本誌は同イベントに参加し、Appleの新スマートフォン計画の最新情報をお送りする予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleのCoreTextのバグでiOS 6とOS X 10.8のアプリがクラッシュ

【抄訳】

AppleのiOS 6とOS X 10.8AのレンダリングエンジンCoreTextのバグのため、どのアプリもアラビア語の文字列を表示しようとすると、すぐにクラッシュする。このバグを露呈する文字列は昨日発見され、ハッキングやプログラミング関連のコミュニティに広まり、Twitterにも登場した。それを自分のタイムラインで見てもTwitterはクラッシュする。

バグの影響を受けるのはiOS 6とOS X 10.8の上のアプリで、OS X 10.9 MavericksとiOS 7のベータリリースは無事だ。だから、これらの文字が引き起こすバグが何であれ、レンダリングエンジンの次のバージョンではすでに直っている。しかし今でもiOS 6を使っている人は、救われない。

CoreTextのバグなので、このフォントフレームワークにアクセスしてテキストを表示するアプリはどれでも被害を受ける。WebKitもCoreTextを使っているので、SafariなどWebKitを使っているアプリケーションもやられる。

下の画像は、その文字列を示している。文字列そのものはここに引用しない(当然ながら)。バグをどうしても体験したい人は、上のツイートを探してほしい。リンクはお教えしない。なお、TweetbotはCoreTextを使ってるはずなのに無事だった。

【中略】

Facebookはすでに対策をとり、この文字列の投稿を禁じている。投稿しようとすると、あなたのポストにはセキュリティの脆弱性が含まれている、というエラーメッセージが出る。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


金色のMac!

新型iPhoneで金色バージョンが出るかもしれない?!と話題になっているようですね。たまたま先日、知人が金色にカスタムペイントしたMacを自慢げに持ってきた際に写真を撮らせてもらったので参考がてら紹介します。 — SEO Japan

まずは写真をずらり。

この写真だと表現しきれてないんですが表面はピカピカで鏡みたいです。

テーブルの木目が綺麗に写り込んでます。

中もきっちり金尽くし。

ピカピカのキーボード。表面がハゲそうで普段使いは怖い?!

光ってます。

 

背面も金色。

リンゴマークは驚異のダイヤモンド仕上げ!


知人曰く、数年前に衝動買いしてしまったそうですが、余りに成り金的&日常的には使いにくく、ネタで持ち歩くには派手すぎる感もあり、結局押し入れにしまいこんだままだそうです。それもカワイソウなので陽の目を見てもらいましょう、ということで紹介させてもらいました。しかしiPhoneのゴールド版、本当に発売するんでしょうかね。。確かに中国では人気出そうですけど。 — SEO Japan [G+]

ゴールドiPhoneはどうだ?! ともかくAppleはこれまでも「色」で自己表現を行ってきた

流行というのは難しい。徹底的に貶されていたものでも、しばらくすると賞賛の対象になったりもする。何の話かと言えば、iPhone 5ゴールド版のことだ。どうやら9月の新機種投入時には、これまでのモノトーン調以外にゴールド版が出てきそうだ(やめてくれ。成金かよ、という声も大きい)。これまでのAppleが、いかに上手に「カラー」と付き合ってきたのかを見てみよう。

Appleは本質的に、無駄を省いた「ZEN」(禅)風のテイストで人気を集めていると言って良いだろう。しかし、歴史を振り返れば、実のところは「色とりどり」でアピールしてきた側面もある。復帰後のジョブズも、「色とりどり」なプロダクトを引っさげて、「インターネット」という新たな世界に乗り出しもした。

ロゴを振り返ってみても、1976年から1998年まではレインボーストライプだった。ジョブズがシックなものに変更するまで用いられた。ちなみに2008年、Gizmodeの757人のゲイないしレズビアンに対して行った調査によると、Appleの旧ロゴのおかげもあって、Appleはゲイフレンドリーな企業であると評価されたそうだ(訳注:レインボーフラッグを参照)。

このように一部で「ゲイ風」であると評価もされたこのカラフルなロゴは、Apple社2番目のものとなるロゴだった。最初は頭上に林檎が揺れるアイザック・ニュートンのイラストレーションをロゴとしていた。歴史を振り返り、手工業の時代へのオマージュを示すものだった。テック企業でありながら、そうしたロゴを選ぶというのは、なかなか面白い選択でもあった。その後に採用された齧られた林檎を彩ったレインボーカラーでは、「手工業」という意味合いはなくなったものの、色を使って「人間性」を感じさせるものとなった。「虹」は、しばしば別のもの(訳注:動画はほんの冗談。職場で音を出してみたりはしない方が良いかもしれない)を示す暗喩として用いられるものでもあるからだ。

Appleはプロダクトについても色を使って「人間性」あふれるデザインを実現しようとしてきた。1998年に登場してきた第一世代iMacは、抱きかかえるのにちょうど良いサイズの一体型コンピュータで、おかしのようなカラーバリエーションを用意したものだった。それまでの、遅くて、ネットワークに繋ぐこともできず、そしてジョブズが言うところの「ださい」(uuuuug-ly)コンピュータの代替として登場してきた。人々をインターネットの世界に導いてくれるマシンであり、半透明に色づくボディは確かに未来的な感じのするものだった。

「まるで他、進んだ星からやってきたかのようなスタイルです」とジョブズは言っていた。「素晴らしいデザイナーたちが暮らす星からです」。

ライム、タンジェリン、グレープ、ストロベリーなどがラインアップされ、すべてを味わってみたくなった人も多かったはずだ。過去に口にしたことのあるおいしいお菓子を連想させるという狙いもあったのだろう。その狙いはうまくいったように思う。ブルーダルメシアンやフラワーパワーといったカラーバリエーションは少々行き過ぎの感じではあったかもしれない。しかしそれもまた、それなりの面白さはあったと言えるだろう。

もちろんイマイチと受け取られたものもあった。1992年に500台限定で生産されたJLPGA PowerBook 170だ。JAPAN女子ゴルフツアー大会が開催されたことを記念してリリースされたものだ。ボンダイブルーのiMacの曲線美に魅せられたものとしては、少々ありきたりに見えはした。限定品という付加価値もあったので、まあこれはこれで「あり」だったのだろう。

失敗作を振り返ることが目的ではない。AppleはiPod nanoやShuffle、iPod touchやiPad miniのカラーバリエーションでは人気を獲得することができた。今度のゴールド版iPhone 5sも、こうした成功事例に連なる形で進化を遂げたものと見ることができるだろう(少なくともApple側の意図としてはそうだ)。。

付け加えておくと、ゴールド版のiPod miniは不人気のうちに姿を消した。ただゴールドiPhoneはピカピカの安物風ではなく、上品な「シャンパンゴールド」だとのことなので、iPod miniとはまた異なった評価を下されることになるのだろう。

モノクロのデザインというのは、どことなく高価そうな雰囲気を伝えるものだ。しかしiPodでみたように、シンプルなデザインに派手なカラーは意外に合うものでもある。齧られた林檎というシンプルな形の中に、レインボーカラーを配置することでApple社のロゴは大いなる注目を集めることができた。そうした面からも、Appleの「カラー戦略」には注目していきたいと思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H)