ハイエンド・ゲーム機器のRazerがCES感謝祭―24時間に限り周辺機器が半値

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ハイエンド・ゲーム機と周辺機器メーカーのRazerは今年のCESで強い印象を残した多数の新製品を発表した。そのRazerがCESイベント感謝祭として登録ユーザーにすべての周辺機器を50%割引で提供するという。このセールスは24時間に限られる。〔日本版:アジア地区では本日(1/15)午前11時スタート〕。

このセールス(発見したThe Vergeに感謝)はアメリカ太平洋時間では1月14日午後6時スタートだ。リストにはマウス、キーボード、ヘッドフォン、マイクなど同社の定評ある機器がずらりと並んでいる。ただし残念ながらこの大幅割引には先ごろ発表されたRazer Blade Stealthのような強力な本体は含まれていない。また購入はお一人様1点に限られるので選択に注意。Razerではこの措置について「なるべく多数のユーザーにセールスに参加してもらうため」としている。

そういう点に注意する必要があるが、ハイエンドのゲーム周辺機器に興味ある読者にとっては要チェックのイベントだ。このセールスに参加するためにはRazerの顧客IDを取得しておく必要があるが、今回は取得のいいチャンスかもしれない。

Razerのページには世界時計が表示され、北米、アジア、ヨーロッパの各地域での24時間セールス・マラソン開始までのカウントダウンが表示されている。

ゲームの世界に詳しくない読者に説明しておくと、Razerは間違いなく最高レベルのゲームマシンとゲーム用周辺機器のメーカーだ。Razerは最近、アメリカ生まれのメーカーがアジアで何ができるかの見本となるような未来的ストアをバンコクに開設した。われわれのミニツアーのビデオはこちらの記事からも見ることができる。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)</P

インド当局、FacebookのFree Basicsに一時中止要請

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Facebookのプロジェクト、Internet.orgが提供するサービスであるFree Basicが、今週インドで厳しい状況に立たされている。まず、同社のメールキャンペーンが強引で誤解を与えるとして批判された。そして今度は、FacebookのパートナーであるReliance Communicationsが、インドの通信規制当局(TRAI)からの要求を受け、同社ネットワークでFree Basicsのサービスを一時中止することに同意した。

このニュースはTimes of Indiaが最初に報じた後、Reliance Communicationsが声明で認めた。「TRAIの指示により、FreeBasicsの商用開始は、当局の詳細検討後に具体的な認可が下りるまで一旦中止する」とRelianceの広報担当者はメールに書いた。

これは一大事だ。なぜならTRAIは、来月最終決定を下す前にネット中立性に関する聴聞を予定しており、決定内容によってはFree Basicsのインド国内での継続運用に主要な改訂が強いられる可能性があるからだ。

Facebookの広報担当者は、「われわれはFree Basics、Relianceおよび関係当局との協力によって、インドの人々がつながる手助けをすることを強く決意している」

Free Basicsに関する情報は今でもRelianceのサイトにある。同社はインドで4番目に大きい通信事業者で、6月現在で1.1億人のユーザーがおり、先月全ユーザーがFree Basicsを利用できるようにした

インドはFree Basicsが提供されている36ヵ国の一つにすぎないが、Facebookにとってインドは、1.3億人のユーザーを抱える米国に次ぐ世界第2位の市場であり、重要な実験台だ。

Free BasicsはFacebookのInternet.orgによる取組みであり、その背景にある考えは利他的に思える。プログラムは、途上国で通信事業パートナーのユーザーに、データ料金を課金せずにサービスを提供する。利用できるのは、ニュースサイト、天気予報、医療情報の他、FacebookのソーシャルネットワークとMessengerも含まれる。しかし、Free Basicsはインターネットサービスプロバイダーと組んで、一部のサイトやサービスにトラフィックを誘導することで、ネット中立性の精神に反していると批判する向きもある。

TRAIの支持を取りつけることは、議論を呼んだ先週Facebookが行った「Free Basicsを救え」キャンペーンの最重要目的だった。ユーザーがサービスにログインするとすぐにメールが送られ、Free Basicsを支持する出来合いのメッセージをTRAIに送るよう促される。キャンペーンはインドのユーザーのみに向けられたものだったが、月曜日に米国の一部ユーザーにも
通知が送られ間違いであったと発表した

Facebookは、TRAI聴聞までにインドでのFree Basicsに対する熱狂を高めることを諦めていない。同社はさらに、プログラム推進のために広告板やテレビ、新聞等の広告を買うという珍しい手段にも出ている

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国がドメイン名の歴史を作る

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【編集部注:Alan DunnはCrunch Network寄稿者。NameCorpのマネージング・ディレクターで、デジタルネーミングの専門家、ブランドコンサルタントでもある。】

短いドメイン名の価値は常に高いものだが、今の企業が短いドメイン名を取ろうとすると、非常に高くつく。非常に。

今、殆ど知られていない市場が現れつつあり、毎月何千万ドルもの金が動いている。過去2年間で中国は最大のドメイン名バイヤーとなり、インターネット始まって以来のドメイン名投資物語が始まっている。

中国の投資家(および他のドメイン採鉱者)は、数字や短いドットコムを恐ろしい速さで買い漁っている。

ICANNポリシーに詳しいGeorge Kirikosは11月14日に、「676の2文字 .com ドメイン名のうち136を中国人登録者が所有しており、20%の壁を越えた(正確には20.1%)」とツイートした。

同じ週にTheDomains.comは、最近Verisignが、直近の3週間に320万件の新たなドットコムドメインが登録され、第2四半期全体よりも多かったと報告したという記事を書いた。

かつてドメイン名所有者が企業からのアプローチを待って持ち続けていた市場は、にわかに流動性の高い市場へと変わりつつある ― 過去10年間パズルに欠けていたピースだ。

伝統的に価値が低いとされる文字からなる3文字ドットコムは、1万~1万5000ドル程度で販売されていた。今は、5万ドルを超える勢いだ。

ドメイン名に対するこの新たな需要は容易には理解できない。

欧米の投資家は未だにこの中国市場に追いつき理解しようとしている段階だ。英語であまり使われない文字 ― q、z、j 等 ― は中国ではプレミアと考えられている。一方母音はプレミアではない。母音や v を含むドメイン名の価値は低い。

DNJournalを発行するRon Jacksonは、Give.com、Amber.com、Classic.com等の販売について定期的に報告している。しかし、現在の報告は殆どが短いドメイン名だ。実際、今年の販売トップ10(いずれも50万ドル以上)のうち9件が3文字以下だ。

買い手との接触方法さえも変わった。殆どの取引は中国でQQ ― 中国最大のインスタントメッセージングシステムだが北米では殆ど知られていない ― を通じて成立している。eNamingのTracy Fogartyがこう説明している:「殆どの提示はQQを通じて送られる。メールを使う人はおそらく10人に1人で、電話はもっと少ない」。

この爆発は多くの大金持を生んだが、それは一般に想像される人々ではない。多くの業界古参が乗り遅れた ― 何が中国人にとって魅力かを分析する方法を理解できなかった。この市場の長期的価値を疑う者もいるが、多くはこの先に倍賭けしようとしている。ハリウッド物語のあらゆる要素がたった今起きている。
市場動向調査の優れたサイトの一つがChaomi.ccで、販売履歴をグラフで見せている(外為や金等の相場と同様)。香港のドメイン投資家、Franky Tongの説明によると「chao mi」の文字通りの意味は「炒飯」だが、「ドメイン投機」の意味もある。ここからも、欧米投資家がデータ分析で手一杯らしいことがわかる。

過去5年間、ドメイン名登録の驚くべき節目がいくつか達成された。

  • 数字5桁の .com がすべて登録された。
  • 数字5桁の .net がすべて登録された。
  • 数字6桁の .com がすべて登録された。
  • 数字7桁の .com のうち、888で始まり888で終るか、ほぼあらゆる繰り返しパターンのものがすべて登録された。
  • 中国のプレミア文字を含む4文字 .org がすべて登録された。

数字8桁の .com ドメイン(1億種類ある)でさえ、0または4を含まない人気パターンを探すことは今や困難になりつつある。

一時の流行か、それとも歴史のはじまりか?

中国は米国とは全く異なる文化であり、富に関しては特にそうだ。中国の国民は貯蓄と富を築くことの重要性を習って育ち、われわれの消費者中心社会とは対照的だ。

短いドメイン名は今やコモディティーとなった。

裕福な人々は投資を好み、中国人投資家は移動可能な富に貪欲だ。Bitcoinの台頭はすぐに中国市場と結び付けられたが、中国規制当局が中国元による預金を禁止したため長くは続かなかった。Bitcoinは北米以外の多くの所有者にとっても(未だに)流動性の問題を抱えている。

しかしドメイン名は違う。まず、ドメイン名の稀少性は完全であり測定可能だ。2文字 .comや3文字 .comや8を含む4桁数字 .com の数は予め決まっている。

事実、何百万もあるように思えるドメイン名も、Bitcoinでは起きたこともないような稀少供給のプレミアムドメイン名へと容易に絞り込める。

ドメイン名に対するこの新しい需要を理解するのは容易でないが、それができた一部の人々はこの一年でほぼ一世代分の富を手に入れた。数十万ドルを稼いだ人々も数多い。

短いドメイン名は今やコモディティーとなった。流行は現れては消えるが、私にはこれが一時の流行とは思えない。今後浮き沈みは起きるのか?もちろん。しかし、われわれは歴史の始まりを目撃しているかもしれない ― 誰も予想していなかった確固たる市場を。

たぶん、あのドメイン名を買っておけばよかったということなのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの野心的無料ネット接続、Internet.orgのアプリがインド全域で利用可能に

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Facebookは途上国向けにインターネット接続を無料で提供しようという野心的なInternet.org計画を進めてきた。この努力が実を結び、今やインド全域でReliance Communicationsのネットワークを利用した基本サービスの接続アプリ、 Free Basicsが無料で利用できるようになった。このプロジェクトは途上国の人々に無料でネットへのアクセスを提供しようとするものだ。ただし一部からはこれに批判の声が上がっていた。

Reliance Communicationsはインドで第4位のテレコム企業で、6月時点で1億1000万の登録契約者がいる。同社の発表によれば、ユーザーはこのアプリを使ってFacebookとFacebookメッセンジャーに加えて、Wikipedia、BBCニュース、Bing検索、Dictionary.com、各種ローカルニュースなど公共性の高いサイトにアクセスできるという。

これに対して批判者は、Internet.orgはごく一部のサイトへのアクセスを無料化することでインターネットに差別を持ち込んでおり、ネット中立性の精神を破壊するものだとしている。

Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグは、「Internet.orgは基本的なサービスへの接続を無料化しようとするもので(アプリの名前もそこから来ている)、それ以外のサイトへのアクセスを何ら制限するものではない」と反論している。Internet.orgはさらにデベロッパーその他のパートナーがFree Basicsサービスの充実に協力しやくする方法を各種発表している。

当初Internet.orgに対し、膨大なユーザーを抱えるFacebookが一部のサービスを優遇することによって副作用が生じることが懸念されていた。しかしこうしたFacebook側の対処によって批判はかなり弱められた形だ。

Free Basicsはインドに加えて南アジア、東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど世界の途上国、30ヵ国に展開されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

日本のウェアラブル技術スタートアップMoffが、米教育テレビ局PBS KIDSと提携

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セサミストリートや”Wild Kratts” 等の子供番組を制作している由緒ある教育テレビ局、Public Broadcasting Serviceの一部門であるPBS KIDSが、初めてウェアラブル技術に参入する。PBS Kidsが今日(米国時間11/19)公開した新しいアプリ、PBS KIDS PartyはMoff Bandと連携して動作する。東京拠点のMoffにとって、PBSは米国で最初の主要パートナーであり、これは大きな収獲だ。

Moffは2ヵ月前にシード資金130万ドルを調達し、その殆どは米国での市場シェア獲得に使用される。このBluetoothリストバンドは、活動のトラッキングだけでなく、ゲームコントローラーとしても働くことでライバルと差別化し、スラップ式ブレスレットは子供でも簡単に使えるよう作られている(PBD KIDS Partyアプリは5~8歳児が対象)。

Moffが最初にPBS KIDSとつながったのは2月のニューヨーク・トイフェアだった。ファウンダーの高萩昭範氏は、知名度の高いブランドと提携することが、Moff Bandが米国で認知度を高める助けになることを願っている。

「PBS KIDSは米国の子供や親たちの間で存在感が高く、そこと提携できる幸運に恵まれたことを嬉しく思う」と彼はメールで言った。「この提携は、Moff Bandおよびわれわれの技術プラットフォームを、子供たち、親たち、そして未来の協同パートナーに売り込むための確固たる信用を当社に与えてくれる」。

PBS KIDS Partyアプリには現在4つの教育アプリがあり、Moff Bandなしでも利用できる。


アプリを開くと子供たちにMoff Bandを使えば機能を強化できることが示される。高萩氏はこれがウェアラブルに54.99ドルを費やす説得材料になることを期待している。

「Moffのことをまだ聞いたことがない人たちにとって、このアプリがMoff Bandを買う真のインセンティブになると信じている。子供も親も、このアプリと共に利用できるウェアラブル技術に価値を見出すはずだ」と高萩氏は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、中国の製造パートナーをグリーン化する太陽光エネルギー計画を発表

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Appleは自社の国際事業を再利用可能エネルギーによってより効率化するべく、数十億ドルの資金を投入してきた。グリーンピースからの賞賛を勝ち取ったこの取り組みの大部分は、米国およびヨーロッパに向けられてきたが、今日(米国時間10/21)Appleは初めて、中国 ― 同社の売上が大きく花を咲かせつつある国 — でのビジネスもグリーンにする一連の取り組みを発表した。

CEO Tim Cookの中国訪問に合わせて、Appleは中国の製造パートナーと協力して、彼らが「エネルギー効率を高め、製造工程にクリーンエネルギーを使用する」手助けをすることを発表した。またAppleは、Foxconnを含めその現地製造業者との協同で、今後数年間で2ギガワット以上の「クリーン」なエネルギーを追加することも説明した。

この行動だけでも注目に値する。なぜならAppleの中国拠点製造工場は、長年にわたり環境を汚染していると非難されてきたからだ。去る2011年、iPhoneサプライヤーのPegatronは、環境問題で叱責され、2013年にはAppleが、有害金属で汚染された水を川に流したとして告発されたFoxconnとUniMicronを締め付けを厳しくしたと報じられた

一企業の取り組みによって中国の製造業界が一気に浄化されることはないが、Appleが現地パートナーに対して、環境にもっと優しくするよう圧力をかけていることは大きな前進だ。実際Foxconnは今日、2018年までに太陽光発電400メガワット ― 同社がiPhoneの「最終製造工程」に使うエネルギーと同等と言っている ― を自社で作ると確約したことは、変化の可能性を示す証拠だ。

Appleは今日、現在中国での活動はカーボンニュートラル(炭素中立)であることも公表した。これは ― 四川省の40メガワット太陽光発電システムが完成したおかげで ― 同社が現在中国の事務所や店舗で使用している以上の電力を生み出しているためだ。

米国の巨人はまだ道は半ばであると言い、中国の北部、東部および南部のプロジェクトを通じて、200メガワットを追加できるよう、太陽光発電プロジェクトを拡大する計画だ。追加施設が稼動開始すれば、同社のグリーンエネルギー生成機構は「中国の26万5000世帯が年間に使用するエネルギーに相当する電力を生み出し、Appleサプライチェーンが使用するエネルギーと相殺される」。

「気象変動はわれわれの時代の大きな課題の一つであり、今こそ行動を起こす時だ」とCookは声明文で語った。「新たなグリーンエネルギーへの移行には、革新と野心と目的が必要だ。われわれは、世界をわれわれが見つけた時より良くすることを熱烈に信じ、他の多くのサプライヤー、パートナー、企業らもこの重要な取り組みに参加してくれることを願っている。

Appleは間違いなく後続のための基準を設定している。同社は米国および中国で炭素中立を実現し、国際事業の87%を再生可能エネルギーで賄っていると標榜している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国は、サイバーセキュリティー対策に同調するのか

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中国政府は米国政府の要請に応じて複数のハッカーを逮捕した。 中国国家主席習近平が米国を訪問する2週間前のことだ。

逮捕のニュースは金曜日(米国時間10/9)にWashington Postが報じ、中国のサイバーセキュリティがやや進歩した証であると伝えた。それは、オバマ政権が中国に対し、米人事局侵入をはじめとする同国が関与したとされる注目のハッキング事件を受け、厳しい経済制裁を行うと脅して緊張が高まる最中に起きた。

最近中国は、米国に対する攻撃を抑制すると発言していたが、今日の記事は中国が行動を起こしていることを明らかにした。この逮捕は、2週間前に米国が中国と交わしたサイバー協定よりもおそらく意味がある。当時多くの人々が空約束にすぎないと心配していた。

協定は歴史的合意であると言え、それは両国がサイバーセキュリティについて対話可能であることを示したからだった ー この問題は二国間に長年緊張をもたらしてきた。ホワイトハウスは概況報告書にこう書いている:

米国と中国は、両国政府とも企業機密その他の秘密ビジネス情報を含む知的財産権のサイバー犯罪を、企業あるいは商業部門に競合優位性を与える意図を持って、実行あるいは故意に支援しないことに合意する。

しかし、これはすぐにサイバーセキュリティ分野の専門家から批判を受けた。LawfareのPaul Rosenzweigは、協定に対し皮肉をこめてこう見出しを付けた「今の方がずっと安心できる」。協定は曖昧であり両者がどう責任を持つかについてほとんど説明がなされていなかった。

しかしStandord大学のサイバーセキュリティ学者、Herb Linは、このおかげで首脳会談が物別れに終わらなかったとしている。彼は、双方とも行動を起こす必要があった、と言った。

金曜日の報道は、その注意深い楽観論を裏付けた。米国と中国は両国間の協定を支持するために、今後も行動を起こし続ける必要があるのは明らかだが、少なくとも今回の逮捕は、中国が変わるためのドア開いたことを示している。

真のテストは、中国がいつまで協定を守れるかだ。習近平が米国を離れたわずか数日後、 The Daily Beastは、軍の仕事を請け負う米国企業を中国スパイが今もハッキングしていることを報じた。厳密に言えば、国家安全保障を目的としたこうしたハッキングは、必ずしも中国の商業的関心によるものではないが、最近の協定がいかに危ういかを浮き彫りにした。

逮捕も協定も、中国との関係改善に向けて有望な一歩を示すものたが、それは非常に長いであろう道のりのほんの始まりにすぎず、ただ一つの違反によっても脱線しかねない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

香港で6歳児からプログラミングを教えるFirst Code Academyが順調に成長…現代社会の必須の第三外国語に

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[筆者: Josh Steimie]…デジタルマーケティングサービスMWIのCEO。同社のオフィスは合衆国と香港にあり、彼はCMOs at Work: How Top Marketers Build Customer Loyaltyの著者。

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#ILookLikeAnEngineerの人気の高まりとともに、プログラマのステレオタイプが壊されつつある。First Code AcademyのファウンダMichelle Sunも、そんなプログラマのステレオタイプ像から外れた人物の一人だ。同社は、6歳から上の子どもたちに、プログラミングを教えている。

自分にその気はなかったのに、ある種の集団セクハラ事件を契機にILookLikeAnEngineerを始めざるをえなかったIsis Wengerと同様、Sunも若くて女性で美人で、そしてプログラマだ。多くの人が、この4つのうちの1つは他の3つとミスマッチだ、と思うかもしれない。でもSunは、まさにそれによって、プログラマのステレオタイプをぶち壊そうとしているし、そこからさらに次の歩みを始めようとしている。

Sunは香港生まれだが、ここでは3歳にも満たない子どもたちが名門幼稚園の面接試験を受け、その後も子どもたちは学歴競争に明け暮れる日々を送る。

子どもたちのすべての関心や興味を、学歴競争が踏みにじる。若い脳を、丸暗記主義が支配する。香港の地下鉄の駅には、入試専門の家庭教師のポスターが氾濫している。まるで彼らが、ポップスターであるかのように。

香港っ子の目標は何だろう? 銀行やそのほかの金融企業に安定的な職を得て、企業内の出世の階段を上(のぼ)っていくことだ。でもSunは、それが未来に向かう理想のキャリアパスだとは思っていない。“これからの世界は、成績優秀な学生など求めていない”、と彼女は語る。“自分の記憶から情報を取り出すことだけが上手な人間は、もはや必要とされない。そんなことは、Googleがやってくれる。私たちにとって本当に必要な人間は、何かを創り出して、世界をもっと良い場所にできる人たちだ。そしてプログラミングは、子どもたちをそんな道の上に乗せる”。

SunはFirst Code Academyを始めるまでに、いくつかの起業を経験した。たとえばその中の、二人がお互いにスマートフォンをぶつけ合えば情報を共有できるBumpは、2013年にGoogleに買収された。スケジュールを共有するソーシャルメディアBufferも、彼女の作だ。Bufferを作ったあと彼女は、また新しいホットなアプリを作ることではなく、別の方向へ関心を向けた。

Sunはこう語る: “最初私は、テクノロジとその製品が多くの人びとに与えるインパクトに、心を惹かれた。プログラミングは最初のスタートアップを作ったときに始めた。そのとき、デベロッパのチームと一緒に仕事をして、彼らがやってることの中身に関心を持った。技術者たちと、もっと内容のあるコミュニケーションをしたかった。そこでまず、プログラミングに関する本を山のように読んだ”。

それから彼女は、女性のためのソフトウェアエンジニア育成校として有名なHackbright Academyに入学した。その、毎日一日中プログラミング漬けという環境の中で、プログラミングのスキルを磨いた。

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“Hackbrightでは、LinkedInやDropboxのような大きなテクノロジ企業が主催するハッカソンに参加した。そして、プログラミングの能力があれば仕事も人生も無限の可能性が開けることを確信した”。

卒業後ベイエリアで仕事をしていたSunは、中学校の女子生徒たちにプログラミングを教える機会に遭遇し、そのときの経験から、あらためてアジアにおける教育について考えるようになった。香港に帰国した彼女は、児童生徒にプログラミングを教える教育をアジアでも始めよう、と思い立った。彼女のFirst Code Academyは最初、女の子だけの一日かぎりのプログラミング教室だったが、その後の2年間で、6歳から18歳までの学齢層に、さまざまなコースを提供するようになった。

“私たちの使命は、次世代の人たちに、テクノロジを利用するクリエイターになれるための力をつけていくこと”、とSunは語る。“この世代でリーダーになる人たちは、どんな分野でも、テクノロジをしっかり理解していることが、必須の要件だ。テクノロジだけでなく、医療でも法律でも金融でも何でも”。

クラウドベースのBIソフトウェアを提供しているDomoのCMO Heather Zynczakも、同じ考えだ。ZynczakもSunと同じくプログラマ出身だが、Domoにおけるマーケティングの仕事をうまくやるためには、その経験と知識が必須だ、と痛感している。

Zynczakは語る: “最初に就職したのは、今AccentureになってるAndersen Consultingだったけど、そこでプログラミングをやらされた。週に80時間、プログラムを書いたが、その経験があったおかげで、今の私はCTOとも話ができるし、ソフトウェアシステムを選べるし、だれかが‘multi-tenancy systems’*なんて最新のテクノロジ用語を使っても、すぐに理解できる”。〔*: multi-tenancy systems, ref1ref2。〕

本当に必要なのは、何かを創り出して、世界をもっと良いところにできる人たちだ。そしてプログラミングは、子どもたちをそんな道に乗せる。
— Michelle Sun

Zynczakは続ける: “マーケティングも最近はますますデジタル化し、テクノロジの導入が進んでいるから、プログラミングの経験は今の私の本業にも役立つ”。

Sunはこう語る: “プログラミングは読み書きの次のリテラシーだ。英語の次に、誰もが学ぶ必要のある外国語だ。中国とビジネスをするためには中国語を学ぶ必要があるのと同じように、ビジネスだけでなく今の社会で生活するために勉強する必要のある新しい言葉が、プログラミングだ”。

SunのFirst Code Academyは、同社のオフィスと、香港市内の学校で教えている。カリキュラムは5年で、6歳から始まる。コースはプログラミングの基礎に始まり、最後は生徒が完全なアプリ/アプリケーションを自分で作れるようにする。

また、プログラミングを学んでいる子どもとまともな会話ができるようになりたい、という親の要望に応えて、親子教室も開いている。それは効果を上げている。また、今年の夏は3人の生徒がMITの招待でボストンへ行き、自分たちのアプリケーションを見せた。最近ではシンガポールでも体験教室を開いている。

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Sunによると、いくつかの点でアジアは、プログラマに向いた環境だ。“アジアの子は算数や理科がよくできるし、そのほかの学科の成績も良いから、プログラミングの上達も早い。でも卒業して子どもでなくなった人たちのための、簡便な勉強と体験の場がない。大学に入ってやっとプログラミングの基礎を教わるのでは、遅い。一般的に新しい言葉は、大人よりも子どもが早く覚える。子どもたちはプログラミングを、遊びや趣味として学んでいく”。

First Code Academyでプログラミングを勉強するようになると、そのほかの重要な生活スキルも身につく。たとえば失敗を悪と見なすアジアの文化的規範を無視し、むしろ失敗から、重要な学習体験を得る。そういう前向きの姿勢が、日常の生き方にも反映する。Sunによると、失敗をおそれて、人前では話もできない慢性ビビリ少年がある日入学してきた。

“最初の二つのコースを終えたころから、彼は問題の答を確信をもって大声で言えるようになった。彼は、失敗は全然OKだ、ということを学んだ。自分が作ったアプリケーションがクラッシュしたら、問題を見つけ、直し、それを、ちゃんと動くようになるまで何度も繰り返す。人生も、それと同じよ”。

画像提供: Kevon Cheung(First Code Academy)

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BuzzFeedがYahoo Japanとパートナーして日本進出

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BuzzFeedYahoo Japanとのジョイントベンチャーにサインした。Yahoo Japanは、最近Googleにわずかに抜かれるまでは、日本でトップの検索ポータルだった

BuzzFeedはこれまで、合衆国に加え、イギリス、フランス、オーストラリア、インド、ドイツ、メキシコ、カナダの計8か国でローカライズしたニューズフィードを提供してきたが、同社によると(7月の場合)全トラフィックの45%が合衆国以外だ。しかし国際展開にあたってご当地にローカルパートナーを設けるのは、今回のYahoo Japanの例が初めてである。

Yahoo Japanは、BuzzFeedの日本語と日本文化への適応を助けるが、それは多くの外国企業にとって難題であり、また今回は日本人オーディエンスの心を一瞬でつかむ見出し作り、という課題もある。Yahoo Japanは、日本のインターネットユーザの88%が同社のユーザであり、月間ページビューは560億に達する、と主張している。ユーザの約半分は年齢層が20歳から39歳で、それはBuzzFeedのターゲットとほぼ一致する。

Yahoo Japan自身もアメリカの企業(Yahoo!)と日本企業(SoftBank)のジョイントベンチャーだ。BuzzFeedによると同社はYahoo Japanに同社のブランド力と独自の技術プラットホームとネイティブ広告を提供し、ただし“編集と創造の独立性”は維持する。

BuzzFeedはこれまで5回のラウンドで計9630万ドルを調達している。最近のシリーズEはAndreessen Horowitzのリードによる5000万ドルで、発表は2014年8月に行われた。

BuzzFeed参考記事(日本語)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

日本ではコーポレート・ベンチャーキャピタルが主流

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【本稿の筆者、James Rineyは、DeNA Venture Capital Groupのプリンシパル】

アメリカで資金調達を考えるとき、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)は「プランC」とほぼ同義だ。有力ベンチャーキャピタルから資金を得られなければプランBの準大手へと移る。それに失敗したときのプランCが、コーポレートだ。

例外はあっても、コーポレートは最後の手段と考えられがちだ。そこはあなたの会社が売れ残ったり、評価額が高すぎてそんな会社に小切手を書く頓狂な投資家は山ほどの「馬鹿マネー」を持っているところだけ、というときに行く場所だ。

「やつらは最低だ!」とUnion Square VenturesのFred Wilsonは言う。「彼らは会社の成功にも起業家の成功にも興味がない。大企業は自分たちの利益を最大化するために存在している。いい人や寛大になることはない。そんなものは彼らのDNAにない、だから投資家として最低なのだ」。

企業から資金調達することは米国で、とくにシリコンバレーでは理想的と言えないかもしれない。しかし日本では、IT起業家にコーポレート・ベンチャーキャピタルを嫌う贅沢は許されない。

CVC Participation Japan

様々な意味で、ベンチャーキャピタルとは基本的に企業の資金であり、それはコーポレート・ベンチャーキャピタルとしてだけでなく、個別ファンドの限定パートナーという形をとる場合もある。米国では圧倒的大部分の資金が年金基金、寄付、ファンドオブファンドなどの機関投資家から来ているが、日本では大半が企業からだ。

この相違は、日本の投資家の方がずっとリスク回避的であり、ベンチャーキャピタルは資金を投じるには危険すぎると広く理解されているためだ。そして、残念ながら、リターンはこの嫌悪感を乗り越えられるようなシリコンバレー並みにはいたっていない。

その結果、起業家の利用できるリスクマネーは著しく少ない。2014年、日本では9.6億ドルがベンチャーキャピタルに投じられたのに対して、米国では480億ドルだった ー 50倍の違いだ。エンジェル投資に関しては、違いは約10億ドル対241億ドルだ。言い換えれば、日本の起業家にはわずか19.6億ドルしか用意されていない。これは、おおよそAndreeseen Horowitzで5番目のファンドに相当する規模だ。

CVC Participation North America

ではなぜ日本企業はスタートアップに投資するのか?理由は他の国々の企業投資家とそう変わらない。企業投資の目的は金銭的見返りだけではない。経営的見地から、コーポレート・ベンチャー部門は、研究開発あるいは経営企画経費として見られている。

研究開発のニーズは、最新トレンドから目を離さなず、会社の中核ビジネスに影響を与えるものを手遅れになる前に発見することで満たされる。経営企画面からは、買収先企業を見つけるとともに、将来の提携を見越して有望な企業との関係を築くための機構の一つだ。要するに、彼らがVCをリスキーと考えているかどうかはあまり関係ない:金銭的見返りは主目的ではない。

スタートアップの資金の多くはいずれにせよ企業から来るため、企業マネーがなんらかの意味で独立マネーより劣るという発想は実はない。

実際、強力なブランドを持つ有力企業から資金を調達することは、市場に対して見せる姿勢として悪くない。体質的にリスクを嫌う国では、ブランド企業の後ろ盾は安定を意味し、その安定は途方もなく役に立つ。

CVC Participation Asia

名もない小さなスタートアップにとって、1年後も会社が存続していることを信じてもらえれば、ずっと顧客を説得しやすい。同じことは、優れた人材を雇うときにも言える。企業の後押しは、あなたのスタートアップという手漕ぎボートが、起業精神の嵐に出会っても沈没しないという幻想を与える。

認識は場所によって変わる。日出ずる国の起業投資家は、ベンチャーワールドのSequoiaだったり、Andreessen Horowitzだったりする。直観に反するかもしれないが、日本について聞くユニークな話は、おそらくこれが初めてではないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

シンガポールのテクノロジー・ブログ、E27が65万ドルを調達―さらに300万ドルのラウンドを準備

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今年に入ってアジアのテクノロジー・ブログの活動が目立つようになってきた。シンガポールに本拠を置くE27はこのほど65万ドルのつなぎ資金を調達したが、年内にさらに大きな資金調達ラウンドを準備している。

2006年に創立されたE27はアジアのテクノロジーとスタートアップのニュースを報ずるブログで、 関連するイベントも運営している。フラグシップとなるイベントはEchelonカンファレンスで、今年はBraintreeがスポンサーとなって2日にわたって開催された。

TechCrunchが複数の情報源から聞いたところによると、今回既存の投資家から調達された65万ドルは、今年中に予定されている本格的な資金調達(300万ドル前後とされている)を行うまでのつなぎの資金だという。

E27の共同ファウンダー、CEOのMohan BelaniはTechCrunchの取材に対して資金調達の事実は認めたが、使途など詳しい情報を明かすことは避けた。

E27は2013年に61万5000ドルの資金を調達している。投資家には8capita Partners、Ardent Capital、B Dash Ventures、Pinehurst Advisorsなど東南アジアのベンチャーキャピタルが数多く含まれている。

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今回のE27の資金調達のタイミングは、その最大のライバル、今年Y-Combinatorのクラスを卒業したTech In Asiaテクノロジー・コミュニティーのハブとなるべく400万ドルを調達したことと関係があるかもしれない。Tech In Asiaは、E27やわれわれTechCrunchのようなストレートなニュースブログからユーザー生成コンテンツ(UGC)を本格的に取り入れたソーシャル・メディア的な方向に戦略を転換している。

ユーザー生成コンテンツ、特にAsk Me AnythingスタイルのQ&A機能は興味ある情報を生み出しており、トラフィックの急増をもたらしているという。一方で、TechCrunchが聞いたところでは課題もあるようだ。われわれはアジアのテクノロジー界の有力者から、UGCの導入後、Tech in Asiaのニュースの品質が急落したという強い懸念の声を聞いている。この懸念が実際Tech In Asiaがまさにターゲットしているコミュニティーに広く共有されているすれば大きな問題だ。

逆にE27にとっては、信頼できるストレートなニュースを提供することでTech In Asiaに対して差別化を図れるチャンスかもしれない。今回の資金や近く調達予定の資金はこの方向に投資されるのかもしれない。事情に通じた情報源よれば、現在E27のトラフィックはTech In Asiaを大きく下回っているという。Tech In Asiaは最近、月間で2400万のページビューがあると発表している(E27はトラフィックについて詳細を明かすことを避けた)。

しかしまずは300万ドルの資金調達が実現するかどうか、また実現した場合、誰が投資家として参加するかが注目される。

もちろんアジアにおけるテクノロジー・ブログはTech In AsiaとE27(それにわれわれTechCrunch)だけにとどまるものではない。プリント・メディアのベテラン・ジャーナリストによって作られたDigital News Asiaも昨年30万ドルの資金調達を行っている。またDeal Street Asia もアジアでの取材チームの拡充に力を入れている。同サイトは最近、E27が売りに出ているという記事を掲載した。しかしE27に近い情報源がわれわれに述べたところではそのような事実はないという。

地域は少し離れるが、この3月にNews Corpはインドのメディア、VC Circleを買収している

皮肉なことに、ライバルのTech In Asiaが400万ドルの調達に成功したことが投資家にアジアのおけるテクノロジー・メディアは有望な投資先だと考えさせることになり、E27の資金調達のチャンスを拡げたのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

楽天、東京の一風変わった旅行サイト、Voyaginを買収

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楽天は、日本最大のEコマースサイトを運営するだけでなく、同国最大級のオンライン旅行代理店として、毎月380万件の宿泊を取扱っている。

このたび同社は、東京拠点のツアー計画スタートアップ、Voyaginを買収し、その視野をホテルとフライトからさらに広げようとしている。

契約の金銭条件は公表されていないが、Voyaginの共同ファウンダー、高橋理志氏とTushar Khandelwalは、楽天はキャッシュで支払い、現在50%以上の株式を保有していると語った。本誌は、同社が2012年末にスタートした数ヵ月後にVoyaginを紹介した。旅行者に、地元住民主催の一風変わった旅を提供するサービスだ。

現在同サイトには、1800以上のアクティビティーが掲載され、この一年間で3万人以上の旅行者にサービスを提供した。主な市場は東京、京都、沖縄,およびバリだが、Voyaginは、その他の東南アジアおよび中国にも拡大する計画だ。

Voyaginは、楽天の旅行カタログを増やし、現在国内が殆どのユーザーを海外からも多く呼び寄せる手助けをする。Voyaginの従業員は13名だが、今回の資金でエンジニリング、セールス、および運営チームの強化を行う計画だ。

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日本への旅行は、最近の円安および中国、タイ、マレーシア、イントネシア、ベトナムに対するのザ政策緩和によってブームとなっている。去る4月、約180万人の外国旅行者が日本を訪れ、これは対前年比43.3%増だった。この数字は、さらに速く成長することが見込まれる。日本が2020年に東京オリンピックを控えているためだ。

サイトは今後も別ブランドとして運営されるが、Khandelwalは、楽天の他の旅行部門との統合に取り組んでいると話した。

「楽天は既に日本最大のOTA[オンライン旅行代理店]だが、OTAとしてあらゆる分野をカバーしたいと考えている。既にフライトとホテルを提供しており、Voyaginによってこの分野の最後の1マイルをカバーすることが可能になる」とKhandelwalは言った。「楽天はアジアでもOTAの拡大に興味を持っている。われわれは既に旅行とアクティビティーのアジア拠点プラットフォームへの旅をスタートしているので、楽天の拡大に役立つことができる」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ファブレットは、スマホとタブレットを食っている

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ここ数年明らかになりつつあること:スマートフォンユーザーは、通話より画面を使う時間の方が多くなるにつれ大きなスマホを求める。そして、スーパーサイズモバイル端末への欲求が減少する傾向はない ― Yahoo傘下のモバイル分析会社Flurryの最新レポートによる。

同社は毎月追跡している16億台の端末から上位875機種(2015年3月の全セッション中87%を占めると同社は言っている)を対象に、画面サイズ別の全世界端末利用状況を調べた。Flurryは、ファブレットのシェアが1年前と比べて3倍以上に増えていることを発見した。

2014年1月、Flurryの記録によるとファブレットのアクティブユーザーはわずか6%で、「ミディアムサイズ機(画面サイズ3.5~4.9インチ)」は68%だった。しかし今年3月、ファブレットの利用が20%へと急増したのに対して、ミディアム機は59%に減少した。

フルサイズのタブレットも、ファブレットに食われアクティブユーザーのシェアを落とした。

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Apple初のファブレット、iPhone 6 Plusは昨秋発売された ― Appleプラットフォームに居続けたいiOSユーザーにようやくi-ファブレットの選択肢を与えた。抑圧されていた欲求がファブレット利用を推進したことは明白だ。

とは言えファブレットを支配しているのはAndroidだ ― 大画面Androidスマートフォンの選択肢の数と唯一つのiPhoneを比べれば当然だ。Flurryによると、約1/3(36%) のAndroidユーザーがファブレットを使っているのに対してiOSユーザーではわずか4%だ。つまりiOSデベロッパーは今も小さな画面向けの体験作りに焦点を当てている ― あるいはiPadアプリも(フルサイズタブレットは全iOS利用の1/5を占める)。

対象的に、Androidのフルサイズタブレットは極めて弱い(わずか3%)― これはAndroidタブレットが総崩れであるという誰もが知る事実を強調するだけでなく、Androidの方が大画面スマホを長期間売っているので、フルサイズタブレットの推進力も需要も小さいことを意味している。

Flurry

Flurryは、ファブレットを提供しているAndroid端末メーカーの成長を示すグラフも掲載しており、それによると2013年にファブレットがAndroid機に占める割合はわずか10%だった。しかし、2年が過ぎ、ファブレットは全Android端末の1/3近く(27%)にまで成長した。つまり、Androidファブレット〈こそ〉がAndroidタブレットなのである。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo、Yahoo Japan株35.5%、90億ドルの将来性を占うべく投資顧問を迎える

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今日(米国時間4/21)、YahooのQ1決算を説明するビデオストリームで、CEO Marissa Mayerは就任以来17のオフィスを大型効率化戦略の一環として閉鎖したと語った。そしてYahooは、国際的ポジションのさらに大きな変更を計画しているようだ。同社は35.5%を保有するYahoo Japan株の扱いに関してアドバイザーを雇った。Yahoo Japanは長年日本の国内ポータルとして、Softbankとのジョイントベンチャーが運営している。

果たして持ち株すべてを売却するのか? それともGrouponがTicket Monsterで行ったように一部のみを処分するのか。まだ誰にもわからない。Mayerは、会社がどう決断するにせよそれが「重要優先事項」であり、「入念な調査」が必要であることを強調した。

その後CFOのKen Goldmanも彼女の言葉を繰り返し「持ち株の価値を最大化することに集中し続ける」と語った。

Yahooの持ち株35.5%は、90億ドル近い価値と推定される。Yahoo自身も、検索および広告契約を通じて同社から年間2.5億ドルの収益を上げていることが、会見ビデオ中のアナリストからの質問でわかった。株式売却がこの売上に与える影響について尋ねられたGoldmanは、「まだ何とも言えないが…投資顧問と相談することになるだろう」と答えた。

当然このニュースは、売上利益共に予想を下回った決算報告後な落ち込んだ同社の株価を上昇させる要因となった。

Mayerは本件について、今後の会見で正式発表すると語った。

SoftbankとYahooは、日本初のウェブポータルとして1996年に最初のジョイントベンチャーを作った。同サイトが今でもYahooの古いロゴを使い続けているのは驚きである。

Yahoo Japanは1997に東京の株式市場に上場した。同社株は現在も取引きされている。Softbankは、Yahooと並びAlibabaが上場してすぐに株主となっている。AlibabaはYahooの株を購入する候補者の一つと考えられる。

Mayer体制のYahooは、米国内市場への取り組みと投資に集中してきたが、アジア地区での閉鎖とレイオフが目立つ中でも、他の地域への投資は考えている。Mayerは今日、台湾および香港が今もYahooの重要な市場であり、同社が最近買収した会社を拡大する足がかりとして成熟した基盤となり得ると語った。

「こうした地域は最近買収したTumblr、Flurry、Brightroll等を進出させるのに適した市場だと考えている。当社が国際市場に足跡を残すために、これらの投資を生かす方法を探っている」と彼女は言った。。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国、アジアの政府・企業に10年前からサイバー攻撃を仕掛けてきた疑い

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中国政府は、過去10年間インドおよび東南アジア諸国の政府機関、企業、およびジャーナリストに対して仕掛けられたとされる、新たに発見されたサイバーアタックの責任を問われている。

セキュリティー会社のFireEyeが今日発表したレポートには、インド、マレーシア、ベトナム、タイ、ネパール、シンガポール、フィリピン、インドネシア等の国々を標的とした、大量の産業スパイ行動およびサイバースパイ攻撃が報告されている。攻撃は2005年に始まったと同社は言っている。

「これが中国政府の行動であるという確たる証拠はないが、あらゆる兆候が中国を指している。アジアでは巨大な知的財産が開発されている ― そこは新たな戦場だ」とFireEyeのアジア太平洋担当CTO、Bryce Bolandが本誌インタビューに答えて言った。「

Bolandは、FireEyeの「数ヵ月」に及ぶ調査の結果収集されたいくつかの証拠に言及した。具体的には、中国語で書かれた操作マニュアル、中国のデベロッパーが開発したと思われるコードベース、および中国の地方にある怪しい「製茶会社」等、いずれも中国の関与を示唆している。

FireEyeは、標的 ― 未公表 ― の特質からも、さらに重要なヒントが見つかると言った。

「彼らの標的は、中国政府が東南アジア重点地区の政治、経済および軍事問題、係争中の領土、ならびに中国共産党の正当性に関わる議論の諜報活動に必要とする情報を持っている可能性が高い」と同社は発表の中で言った。

FireEyeのレポートは、中国インターネット戦略に関する最近の厳しいメディア報道をも凌駕する。中国は、昨年世界インターネット会議を主催した際、(不当に)友好的な体裁を繕ったが、ウェブ監視への取り組みは益々高まっていると言われている。先週、Citizen LabはGreat Cannonに関する詳細なレポートを発行した。これは中国政府がウェブサイト ― 例えばGithub.com ― をダウンさせることのできる新技術であり、憂慮すべき直接かつ攻撃的なアプローチを用いている。

もちろん、FireEyeが指摘する攻撃が同国政府直接ではなく、専門的スパイ機関によるもので、それが中国企業あるいは中国政府自身に秘密を売ったという可能性もある。実行犯は幾重にも隔っていることが多く、具体的証拠の発見を困難にしている。

正体はともかく、犯行の規模と専門知識の高さは突出している。

「システムは非常に一貫性のある開発計画に沿っている。攻撃オペレーターのためにバックエンドツールを作る開発者2名、および攻撃ツールそのものを作る人物が他に1名いる」とBolandは語った。

FireEyeは、同グループが開発したマルウェアの識別可能な変化形を計200種類以上発見した ― 多作な犯行である。それらの攻撃がこれほど長い間検知されなかったことは、標的の機密性の高さを踏まえると不安を感じるが、明るい話題もある。Borlandの説明によると、攻撃基盤が長年変わらずにいたため、侵入の可能性を検証して必要な対処をすることはさほど難しくない。

「APT 30」 ― APTは ‘advanced persistent threat’[高度で永続的な脅威]を意味する ― と命名されたこの攻撃は、いくつかの特別に洗練された戦略を持ち、例えば最重要機密データを安全のためにオフラインに置くエアーギャップ・ネットワークに対するおそらく最初の攻撃を行っている。

「このグループは2006年からエアーギャップ・ネットワークを攻撃する能力を持っていた。これは極めて異例であり、知られている最初の事例は2008年と2009年のロシア人アタッカーらだった」とBolandは明かした。

FireEyeはこのレポートを、今日(米国時間4/12)の一般公開に先立ち、世界各国の一部諜報機関に提供している。Bolandはどの機関に接触したかを詳しく語らなかったが、FireEyeが自社の情報やレポートの詳細を中国政府に渡していないことは認めた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サムスン電子、Q1売上ダウン予測も復活の構え

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先ほどSamsung Electronicsは第1四半期の売上予測を発表し、激化する競争によるスマートフォン売上低迷を受け、再び経常利益の下落を予測していると語った。

Samsungは、2015年Q1の経常利益を5兆9000万ウォン(約54億ドル)、対前年比30%減と予測していると話した。これは同社の過去18ヵ月における売上下落を取り戻すものではないが、少なくともDow Jonesがまとめたアナリスト予測の35%減よりはよい。

またSamsung Electroncsは、売上予測を47兆ウォン(約433億ドル)、前年比12.4%ダウンと発表した。

Xiaomi等の会社が台頭するにつれ、Samsungのスマートフォン売上は落ち込んだ。同社は2014年Q4の決算報告でモバイルが昨年の営業利益のわずか58%を占めていることを公表した。2013年の70%から大幅な減少だ。さらに同社は当期のスマートフォン売上も引き続き下落すると予測していることも語った。

Samsungはスマートフォン市場のトップ返り咲きを果たすべく(あるいは多少でも遅れを取り戻すために)、Galaxy S6およびGalaxy S6 edgeを必死に売り込んでいる。同社が旗艦スマートフォンを2機種同時に発売するのは初めてのことだ

両機種ともガラスと金属で作られており、これはプラスチック製だったSamsungの前機種が、魅力に欠け安っぽいという激しい批判を浴びたのを受け、使用を決めた材料だ。

同社はこの四半期スマートフォン事業強化にあたって自己防衛的に行動している兆候が見られる。例えば、昨日Samsungは、保証延長業者のSquareTradeによるSamsung製スマートフォンの耐久性を批判するYouTubeビデオに答えて、自らも自社を擁護する詳細なビデオを公開した

さらにSamsungは、2015年Q1の収支に関するプレス説明会を先週行い、これは四半期予測に関してめったにコメントしない同社にとって極めて異例なことだった。

説明の中で、Samsungの未来戦略室広報責任者のLee Joonは、記者団にこう伝えた、「Samsung Electronicsの収益予測について多くの記事が書かれている。1~3月期決算では利益が改善されたことを報告するつもりであると言ってもよいだろう」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

日本のPeatix、500万ドルを調達してチケット販売サービスを世界展開


日本拠点のモバイルイベント・チケット販売スタートアップ、Peatixが、デジタルガレージのリードで500万ドルのシリーズBラウンドを完了した。国際的プレゼンスとテクノロジーの発展を目指す。

東京に本社に拠点を置くデジタルガレージは、同社の投資子会社DG Incubationを通じてTwitterやKiip等に投資している。今回のラウンドには他に、Singapore Press Holdings、日本の広報会社、Sunny Side Up、および既に出資しているFidelity Growth Partners JapanDraper Nexusも参加した。

Peatixのサービスはモバイルチケット販売プラットフォームで、主催者はイベントに関するあらゆる物事を、参加者にチケットを配るところまですべてモバイル端末から管理できる。同社が提供する斬新な「color sync」チケットシステムは、QRコード等の既存システムより速くて簡単に使えるという(昨年本誌のTechCrunch Japanイベントでも利用した)。

Peatixは当初日本のみでサービスを提供していたが、2013年夏にシリーズAラウンドで300万ドルを調達してから海外進出を始めた。現在東京、ニューヨーク、およびシンガポールにオフィスを持つ同社は、Peatixプラットフォームで処理されているチケットの約20%が日本国外のものであると、共同ファウンダー・CEOの原田卓氏がTechCrunchに話した。

原田氏はPeatixがマレーシアのクアラルンプールにオフィスを設立中で、その他の市場も評価していることを明かした。ヨーロッパが次の「明確な」ステップであり、香港への進出も可能性が高いと彼は言った。

チケット販売は競争が熾烈な業界であり、同社は小規模の「非伝統的」イベントに焦点を絞り ― 2%という手数料は非常に競争力がある ― モバイルファーストのプラットフォームを提供することで差別化をはかっている 。

同スタートアップは、これまでに5万件以上のイベントで120万枚以上のチケットを販売したと言っている。昨年のチケット売上は2013年の2倍以上だった。今回新たに調達した資金は、この成長を続け、さらに海外展開を進め、モバイルアプリとイベント発見システムを改善するために使われる。

原田氏によると、現在販売されているチケットの15%は、Peatixの発見システムでイベントに遭遇したユーザーによる。彼は新機能によってその数字をさらに増やしたいと考えていて、この方法で参加者を獲得したイベントからの収益化も視野に入れていると言った。

さらに同社は、イベントとスポンサー企業を結びつけるビジネスも開始した。当初は日本とシンガポールでスタートし、例えばチケットにUberのクーポンを付けて帰宅のタクシーをディスカウント価格で利用できるようにすることで、米国の相乗りサービスが新規顧客を獲得する手助けをする、といったマッチングを行う。

原田氏は、同社の日本での事業は海外ビジネスより「2年早くスタート」したにもかかわらず、「1~2年のうちに」海外売上が日本を上回ると予測していることを強調した。

Peatixは、国内事業に甘んずることなく海外拡大を目指す、新たなタイプの日本発スタートアップの一つだ ― 他にも、FlipboardのライバルSmartnewsアプリ収益化スタートアップのMetaps等がある。海外に進出することと、そこで成功することは別の話だ。原田氏は、米国市場は「非常に競争が激しい」ことを認めたつつ、この国の壮大なスケールを踏まえればまだまだ多くの可能性があると信じていると言った。

同社は今年米国の他の都市にも進出するべく、エバンジャリスト・コミュニティーマネージャーの小人数チームを派遣することで、Peatixのアイデアを地元のコミュニティーやイベント主催者に広めていく計画だ。口コミと事業自体の成長が、次の出資を受けるまでの目標だ。

原田氏は、コミュニティー、特に初めての、あるいは収益化の方法に馴じみのないイベント主催者にサービスを提供することがPeatixの目的だと言う。例えば下のビデオは、猫専門誌のためのフォトグラファー(Japan FTW!)や、もっと目立たない分野で事業を営む人たちの事例を紹介している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


IDCレポート:インドにおけるスマートフォン出荷台数が前四半期比で初めて減少

インドはアジアのスマートフォン市場の中で、もっとも急速に伸びているマーケットであると言えるだろう。ただ、そのインドにおけるスマートフォンの四半期ベースでの出荷台数が、はじめて前の四半期を下回ることとなったようだ。IDCのレポートによると、10月および11月の祝祭日期間の中、販売店での在庫量がかさんだことが四半期ベースでの低迷に繋がったようだ。

2014年第4四半期におけるスマートフォンの出荷台数は4%の下落となった。但しフィーチャーフォンの方は14%の下落となっており、スマートフォンへのシフトは進んでいると見ることもできる。フィーチャーフォンの出荷台数は、SamsungやMicromaxの安価なスマートフォンに押されて、2013年頃から低下傾向にある。

IDCからの最新の数字が示すように、減少率がそれほど大きいというわけではないものの、フィーチャーフォンは明らかにスマートフォンへと移り変わりつつある。2014年第4四半期に出荷された携帯電話のうち、35%がスマートフォンであったとのこと。1年前が13%であったことを考えれば、かなりの伸びであると言えるだろう。

ちなみに余剰在庫の影響から、2015年第1四半期においても、スマートフォンの出荷台数は低く抑えられることとなっただろうというのがIDCの見込みだ。

そのような中、4G対応を行なっているスマートフォンベンダーは、それほどの落ち込みを経験せずに済んでいるようでもある。通信会社側の方でも、4G LTEサービスの投入を準備してきている。利用者側も不安定な3G回線には不満を抱いていて、4Gに対応した端末およびデータプランへの乗り換えをいまかいまかと待ち受けている。中国のXiaomi(小米科技)やHuawei(ファーフェイ)などは、既にインドに対して安価な4Gスマートフォンを投入している。

2014年第4四半期の状況をメーカー毎にも見ておこう。Samsungが22%のシェアを握り、変わらずにトップに立っている。但しiPhoneや他のスマートフォンの成長をうけて、そのシェアは減少傾向にある。第2位に位置しているのはMicromaxで、シェアは18%となっている。それに続いて3位はIntex(シェアは8%)、そしてLavaが7%でXiaomiが4%と続いている。

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(翻訳:Maeda, H


Uberの最大のライバルはSoftBankだった―アジア各地でタクシーアプリに大型投資

アメリカ在住の読者なら、Uberの最大のライバルはLyftとと考えるだろう。Lyftはアメリカの多くの都市でUberとサービスを激しく競い合っており、両社の戦術にはいかがわしいもの少なくない。しかし、意外にも、Uberにとってもっとも手強いライバルがアジアから現れた。さらに驚きなのはその相手が日本の巨大テレコム企業だという点だ。

2014年10月に2億1000万ドルをインドのOlaに投資するまで、SoftBankはスマートタクシー・ビジネスにはまったく関係していなかった。この投資はインドのスタートアップに総額100億ドルを投資するというSoftBankの一大プロジェクトの最初の例として発表された。

なるほどUberのライバルになり得るスマートタクシーへの最初の大型投資ではあったものの、OlaはSoftBankが投資した他の多くのインドのスタートアップの一つにすぎないと見られていた。

しかし、SoftBankの投資はOlaにとどまらず、東南アジアでは2億5000万ドルをGrabTaxiに、 さらに先週は6億ドルを中国のKuadi Dache〔快的打車、Quick Taxi〕に投資した。

これらのSoftBankAsiaの投資先はすべてUber的なスマートフォンを利用したタクシー配車サービスを運営している。SoftBankはこうした事業のアジア外への展開を狙っているに違いない。
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一方、Alibabaは2014年4月にアメリカでLyftへの2億5000万ドルの投資ラウンドを

リードした。Lyftによれば、この資金は「国際展開のために用いられる」とされた。当時、Alibabaがなぜアメリカのタクシーアプリのスタートアップに投資するのか、いささか奇妙なものと見られた。もっともAlibabaはアメリカでチャットアプリのTangoなど多数のスタートアップに投資しておりそうした北米市場進出の一環だろうと考えられた。

しかし、SoftBankとAlibabaは長く密接な関係を保っている。SoftBankがAlibabaへの最初期の投資家であることはよく知られている。しかも両社ともKuadi Dache(快的打車)に出資しているのだ。もしかするとSoftBankのタクシーアプリ戦略にはLyftも含まれることになるのかもしれない。今後SoftBankはLyftに直接に出資するか、あるいはAlibabaを通じて情報や戦略の共有を行い、タクシーアプリに関するSoftBankアライアンスの一環に組み込むことになるかもしれない。

ではSoftBankがこれほど大々的にタクシーアプリに進出しようとするその理由は何だろう?

大きな理由の一つは、SoftBankがアジアを中心とする新興のeコマース市場に進出しようとしているからだ。たとえば昨年はインドネシアのTokopediaに1億ドルを出資している。またインドのSnapdealの6億2700万ドルのラウンドにも参加しており、同じくインドのHousing.comも支援している。

SoftBankがこうした出資先を何らかの形でひとつのネットワークにまとめようとしていることは容易に想像される。その方式はアプリの統合かもしれないし、ゆるいアライアンスのような形になるかもしれない。あるいは情報やマーケティング戦術の共有などのなるかもしれない。

オンデマンド運輸が秘める巨大な影響力を考えれば、タクシーアプリを投資先に加えることは極めて重要だ。

オンデマンド運輸が秘める巨大な影響力を考えれば、タクシーアプリを投資先に加えることは極めて重要だ。

まず、タクシーアプリは何百万という人々が移動のために日々利用する。第二に、タクシーアプリを核とするオンデマンド交通システムはあらゆる種類のオフライン・サービスから利用される物流ネットワークのプラットフォームとなり得る。 たとえば、Uberのロジスティクス分野での可能性を考えてみるとよい

Andreessen HorowitzのBenedict Evansが的確に指摘したように、モバイル・アプリが将来も繁栄を続けるという保証はない。しかしモバイルの将来がアプリ・ベースになろうとウェブ・ベースになろうと、SoftBankはeコマースとオンデマンド交通のようなサービスの間には強力なシナジーが存在すると確信しているに違いない。このシナジーを具体化するもっとも手近な第一歩として選ばれたのがタクシーアプリなのだろう。

昨年Uberは25億ドルの資金を集めた。しかしSoftBankは時価総額は700億ドル(それでも孫正義CEOは「低すぎる額」と考えている)という巨人だ。SoftBankが参戦したとなれば、Uberは近々また資金調達を行う必要があるかもしれない。

SoftBankはこの件に関するわれわれの取材を断った。しかし広報担当者は、SoftBankが「世界各地で投資しているインターネット企業間のシナジーを最大化するよう努力している」ことを確認した。

また、「当面OlaとGrabTaxiの間で提携が行われる予定はない。しかしSoftBankは将来何らかのシナジーがあることを期待している」と付け加えた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Xiaomi(小米)副社長Hugo Barraインタビュー―これがスマートフォンを安く製造できる理由だ

そこそこ高いスペックと低価格という組み合わせのおかげでXiaomi(小米)のスマートフォンは昨年、6000万台も売れた。その結果、小米は販売台数ベースでSamsungを抜いて中国でナンバーワン、かつ世界で3位のスマートフォン・メーカーとなった。

小米のフラグシップモデル、Miは市場価格が300ドル前後だ。新製品のMi Note Proはこのシリーズとして初めて500ドルを切った。一方、廉価版のRedmiシリーズは150ドル以下だ。これと比較すると、AppleのフラグシップモデルのiPhoneはキャリヤ契約なしで1000ドル以上、Samsung Note、GalaxySシリーズもほぼ同様の価格帯だ。では小米がこのようなアグレッシブな低価格を実現できる秘密はどこにあるのだろう?

これには「小米はスマートフォンを原価で販売しており、利益は別のサービスから上げている」などさまざまな説が出されてきた。われわれは先週、北京で同社の国際部門担当副社長のHugo Barrae(元Google副社長)にインタビューすることに成功した。そこでBarraはベールの一端をわずかだが開いてくれた。

小米の低価格は品種を絞り込んでいることと、機種ごとの販売期間を長く取ることの組み合わせで支えられている

Barraは「小米の低価格は品種を絞り込んでいることと、機種ごとの販売期間を長く取ることの組み合わせで支えられている」と説明した。

注目すべき点は、小米は新モデルを発表した後も旧モデル(とそれに小改良を加えたモデル)を値引き価格で販売している。

「われわれの製品の販売期間は18ヶ月から24ヶ月だ。ほとんどの製品についてわれわれは発売開始後、3、4回の値下げを行う。Mi2、Mi2sは事実上、同一の製品だ」と Barraは説明した。「Mi2/Mi2sは26ヶ月連続して販売された。Redmi 1が最初に発売されたのは2013年9月で、われわれがRedmi 2を発表したのは今月に入ってからだ。つまり16ヶ月後となる」

これは重要な点だ。販売期間が長くなれば、小米は部品メーカーと再交渉して値引きさせることができる。

「われわれが製品の値下げができるのは、部品調達コストを次第に引き下げることができるからだ。われわれはこれによって利益率を向上させる代わりに製品価格の値下げを行っている。」とBarraは付け加えた。

「われわれのデバイスの部品の大部分は〔新モデルになっても〕同じだ。そこでサプライチェーンに関する限り、われわれはほとんどの部品をRedmi 1と同一契約で調達でき、同じように値引きができる。われわれはさらに調達コストの削減に取り組んでいる。その点で、われわれの製造するモデル数がごく少ないことは極めて重要だ。われわれは年に数機種しか新モデルを発表せず、シリーズも2つだけに抑えている」とバラは語った。

Barraは「この仕組みはごく単純だ」と述べたが、一つのモデルを2年から3年にわたって販売し続けるのは、単に部品調達価格の引き下げだけが目的ではないという。Barraは〔同一機種の長期販売によって〕ソフトウェアのアップデート、修理部品のストック、その他の顧客サービスも長期にわたって同一のまま維持でき、それに関するコストも引き下げられると指摘した。

「ポートフォリオ(製品の品揃え)を厳選することによって、われわれはあらゆる面でコスト削減に成功した」とBrraは言う。

もちろんこれ以外にも、販売を販売をオンラインに限定するというマーケティング戦略や部品調達を中国国内で近くに所在する供給業者に頼るなどの総合的なコスト削減の努力も重要な役割を果たしているが、やはりもっとも重要なのはサプライチェーン管理の成功だろう。今年、

小米はアジア地域から飛び出して世界的に展開する計画だ。これにともなってサプライチェーン管理によるコスト削減の重要性はますます大きくなるだろう。

小米はこれまでほとんどの売上をオンライン販売によっていたが、最近、インドでAirtelと提携するなど、中国以外の市場でパートナーを通じての販売をテストしている。また台湾、マレーシア、シンガポールでもパートナーと提携している。

去年、小米は2015年には1億台を販売できと予測した。2014年後半、同社は販売目標をさらに引き上げたということだが、改定された新たな2015年の目標の数字はまだ発表されていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+