中国の太陽光発電会社Hanergy、ソーラー電気自動車を公開

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かつて自動車を作れるのは自動車メーカーだけだった。しかしこの21世紀には、誰でも車の1台や4台を作れるようになった。例えば中国の太陽光発電会社も。薄膜ソーラーパネル製造大手のHanergy Holding Groupはソーラー自動車部門を設立し、ソーラーパワー車のプロトタイプ4台を北京で披露した。

誰でも車のアイデアを思いつくこの時代でも、製造まで持っていける者はごくわずかだ。Hanergyは昨年ソーラー自動車製造の計画を発表したが、日程通りにプロトタイプを作ることができず、業界アナリストから能力を疑問視される結果となった。

しかしこの夏Hanergyは、実際に走行可能なプロトタイプ、Hanergy Solar O、L、A、Rの4車種を披露した(頭文字に注意!)。それぞれ異なる利用場面に向けて作られている。いずれの車も軽量で、柔軟な薄膜ソーラーセルで実用上可能な限り覆われている。プレスリリースによると、ソーラーセルは5~6時間の太陽光で8~10 kWhのエネルギーを生成し、走行距離に直すと80 kmに相当するという。この距離はFiat 500eやVW e-Golf等の主要メーカー製EVとほぼ同等だ。

そのためにはかなり高い変換効率が必要だが、Hanergyの持つ太陽電池の変換効率は31.6%で、現在入手できる中で最高の効率だ。Hanergyは今後10年でこの数値を42%まで引き上げたいと考えており、そうなれば太陽光だけで車を走られるのに十分な電力を供給できる。なお、Hanergy車は他のEVと同じくリチウムイオンバッテリーをプラグイン充電することも可能で、太陽光とプラグインを合わせて320 km以上の走行が可能だ。

排ガスゼロのソーラー電気自動車に取り組んでいるのはHanergyだけではない。TeslaとSolarCityについて聞いたことのある読者もいるだろう。しばらく前から自動車関連ニュースを追っている人なら、2009年にデトロイトの自動車ショウで、屋根にソーラーパネルを載せたプロトタイプ車を展示したFisker Karmを覚えているかもしれない(会社は2013年に倒産しKarma Automotiveとして再出発した)。2014年には、Toyota Priusがムーンルーフにソーラーパネルを設置し、乗車前に車内を冷房するリモートエアコンに利用した。

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メルセデス・ベンツ、初の全電動大型トラックを発表

Mercedes-Benz Trucks; Urban eTruck; Elektro-Lkw; Weltpremiere; Elektromobilität; modulares Batteriekonzept; Verteilerverkehr

Daimlerは、これ以上電気自動車の「初めて」をTeslaに譲るつもりはない。ドイツの自動車メーカーは今日(米国時間7/27)シュトゥットガルトでMerecdes-Benz Urban eTruckを発表した。最大積載量26トンの全電動車は、初のクリーンエネルギー大型トラックだ。

Urbanの名前の通り都市部での使用を想定しており、大量輸送システムの短距離部分を受け持つ。最大走行距離が200 kmであることも理由のひとつだ。Urban eTruckのプロトタイプは既に近くで見ることもできるが、Daimlerは、「想定される」本格的生産時期は「2020年以降」だと言っている。

それでもDaimlerはこの発表でTeslaを出し抜いた。Tesla CEO Elon Muskはつい先週、電動トラックTesla Semiを開発中で、早ければ来年には発表する計画だと話したところだった。そしてDaimlerは将来の大型トラック発売を待っているだけではない。Urban eTruckに採用を予定している同社のFuso Canter E-Cellの技術は、最大積載量6トンの軽量輸送トラックで既に使用されており、ヨーロッパの運送会社、Hermesをはじめとする顧客と協力して現在テスト中だ。

Mercedes-Benz Trucks; Urban eTruck; Elektro-Lkw; Weltpremiere; Elektromobilität; modulares Batteriekonzept; Verteilerverkehr

排ガスと環境面の利点に加え、Urban eTruckのような電動トラックの使用は都市生活者にとって直接的なメリットがある ― 騒音の減少だ。市街地を走る大型トラックが赤信号で停止してからトップスピードになるまでの様子を近くで見たことのある人なら、巨大排気量のエンジンがスピードに乗るために格闘するあの音の苦痛を知っているだろう。

Urban eTruckの量産に向けて大きな技術障壁はなさそうだが ― Daimlerはこの車を駆動する動力伝達装置の進歩を称賛している ― 大量生産を妨げているのは費用対効果の問題である可能性が高い。プレスリリースでDaimerはバッテリーについて、1997年から2025年の間に価格は2.5分の1になり、性能は2.5倍になると予測している。

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Audi、自動運転技術に特化した子会社を設立へ

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Audiは、Daimlerらに続き電気自動車や自動運転車等、最先端技術への未来投資に力を入れていくと、CEO Rupert Stadlerは語った。先週末ドイツStuttgarter Zeitung紙(Reuters)でStadlerは、2025年までにAudiの全売上に占める電気自動車の割合を30%にする目標に加え、同社が無人運転技術に特化した子会社、SDS Companyを設立する計画を持っていることを明らかにした。

Audiの電気自動車計画では、2020年までに3種類のモデルを発売する予定であり、電気自動車生産ラインを強化するために社内リソースの大胆なシフトを行う、とStadlerは語った。電気自動車の製品ラインにはAシリーズの小型車が入る見込みで、A3の2ドアモデル等のコンパクト・ガソリン車は、未来に向けたプロジェクトに予算を明け渡すべく販売が中止される可能性もある。

Stadlerは無人運転への野望について、「ハンドルもペダルも不要になるロボットカーは都会交通に理想的だ」と同紙に語り、必要な技術を開発するために、Audiは今もダンスパートナーを探していると付け加えた。多くの自動車メーカーが通信会社やソフトウェア会社その他のIT専門家と組んで最先端の自動車ロードマップを描こうとしている。Audiも専門知識豊富な誰かに頼りたいようだ。

Audiは専門の子会社を作る前から自動運転技術に取り組んでいる。最近の走行テストでは、車線変更の前にその意思を伝えるために車線標示に寄る、といった繊細で人間的なしぐさをするところを見せて見出しを飾った

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これが自動車事故で生き延びるように進化した人間の体だ

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人間の体は今日の自動車事故の力に耐えられるほど早くは進化しない。

それを説明するためにオーストラリアの交通事故委員会(TAC)はGrahamを作った ― 人間そっくりの対話型モデルで、もし人間が激しい衝突に耐えられるように進化すればこうなるだろうという体の特徴を備えている。即ち、Grahamは現在重大な交通事故で生き残れる唯一の存在だ。あなたが彼のレベルまで進化しない限り。

この交通安全プロジェクトは、Grahamの体の8つのゾーンに焦点を絞った。脳、頭蓋骨、顔、首、胸郭、皮膚、膝、および脚(足)だ。研究結果は、衝突時の力に耐えるために体の各部位がどのように進化する必要があるかをゾーン毎に説明している。。

例えば、TACはGrahamの頭蓋骨を広げ脳脊髄液と靱帯を増やすことによって脳を衝突から守り、持ち主の安全性を高めた。

Grahamの胸郭は、樽のような形状と肋骨間でエアバッグの役割を果たす袋によって、保護能力が強化されている。

そしてTACはGrahamにひずめのような足を与え、関節を追加することで衝突時に外へ飛び出して大きな力を避けられるようにした。

ひづめのような足で衝突時の怪我を軽減する? 近未来の進化的特徴ではなさそうだ。しかしTACが伝えようとしているポイントはそこにある。進化に解決を任せるのではなく、その間に道路を改善することが重要なのだ。

「車は人間よりずっと早く進化してきた。われわれ自身の過ちから自分たちを守るために、あらゆる角度から道路を改善すべき理由をGrahamは教えてくれる」とTACのJoe Calafiore委員長がプレスリリースで語った。

TACは交通事故専門家、外傷外科医、およびメルボルンの芸術家と協力してGrahamを人間そっくりに作りあげた。

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イーロン・マスク、オートパイロットと「ベータ版」を巡る懸念に答える

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Elon MuskのTeslaマスタープラン第2章には、幹線道路交通安全局(NHTSA)が捜査中のオートパイロットを巡る懸念に対する、彼の最も強い返答が書かれている。当然ながら、Muskはオートパイロットのメリットとドライバーの安全に与える影響を支持する立場をとっている。

「最近発表された2015年のNHTSAレポートによると、交通事故死者数は8%増加して8900万マイル(約1億4300 km)に1人の割合だった。オートパイロットの走行距離はまもなくこの数字の2倍を越えようとしていて、システムは日々改善されている」とTesla CEOのElon Muskは “Autonomy” [自律性]と題した彼のプラン第2章に書いている。「誰かが要求しているTeslaのオートパイロットの無効化は、名前の由来でもある飛行機のオートパイロットを無効化するのと同じくらい意味をなさない」。

その後彼は、オートパイロットに付加されている「ベータ」という用語が、現時点の社内命名基準に沿った形式的なものにすぎないことを説明した。

「われわれがオートパイロットを『ベータ』と呼ぶ理由を説明することも重要だ」とMuskは続けた。「これは一般に言われるところのベータ版ソフトウェアではない。どのリリースも広範囲に及ぶ徹底した内部検証を経て顧客に届けられている。ベータと呼ぶのは、気を緩めず改善を続けていくことを示すためだ(オートパイロットは標準では常にオフになっている)。オートパイロットが全米平均より10倍安全になった時、ベータのラベルは外されるだろう」。

5月に起きたModel Sの死亡事故以来、オートパイロットは厳しい監視の目に曝されている。この事故をきっかけに先月NHTSAはオートパイロットの調査を開始した。Consumer Reports誌は、安全性の改善が確認されるまでオートパイロットを無効化するようTeslaに要求したが、NHTSAのトップであるMark Rosekindは今週サンフランシスコで行われたシンポジウムで、「1件の事象」によって同局が高度な自動化運転の開発推進をやめることはないと語った。

Muskが水曜日(米国時間7/20)の夜に説明した話の中にも、Teslaが自動運転システムの開発を中断する計画はない。実際、Muskは望ましい未来を描く中で、Teslaの自動運転車はオンデマンド乗車を必要とする人々のための車両連隊を構成すると説明している。

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Consumer Reports誌がTeslaに要請:安全が確認されるまでオートパイロットを無効化すべき

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Teslaのオートパイロットモードは、自立するにはまだ早いのか? Consumer Reportsはそう思っているようだ。

木曜日(米国時間7/14)同誌はTeslaに対して、システムの安全性が高くなるまで、ハンズフリー操作を無効にするよう要請した。Consumer Reportsは、専門家の調査の結果、一部のTeslaオーナーは車が自動走行すると信じ、緊急時に運転手が対応できずに危険な状態を生みだしていることがわかり、この決定に至った。

記事の中で、Consumer Reportsの消費者ポリシーおよび交通担当副社長、Laura MacCleeryはこう言っている。

同機能を「オートパイロット」として売ることによって、Teslaは消費者に誤った安心感を与えている。長期的に見れば、自動車の高度な積極的安全技術は私たちの交通を安全にする可能性がある。しかし現時点では、消費者が「オートパイロット」という未確認技術に基づく多くの約束を買わされていることを、私たちは大いに懸念している。「オートパイロット」は実際に車を運転できるわけではないにもかかわらず、運転手は何分間もハンドルから手を離していられる。Teslaは、運転手がハンドルを握っていること確認するようプログラムを更新するまで、自動操舵機能を無効にすべきだ。

Teslaは一切これを受け入れず、オートパイロット機能を強く擁護して、Consumer Reportsに反論した:

Teslaは常に改善を続けており、オートパイロット作動中のドライバーは一般のドライバーより安全であることを、数百万マイルの社内テストによって証明してきた。これからも技術の進歩に伴い、機能の強化、検証、提供を続けていく。個人にせよ団体からにせよ善意ある助言は有難く受け受るが、決定は現実世界のデータに基づいて行い、メディアの憶測にはよらない。

Teslaは、「オートパイロットによる1.3億マイルの走行の結果、死亡事故が1件確認された」と付け加えた。

Consumer Reportsによる要望の一週間前、規制当局はTeslaに書簡を送り、システムがハンドル操作を代わることをドライバー警告した時期のログを含め、オートパイロットの詳細記録を要求した。

その要求は、幹線道路交通安全局が継続中のTeslaのオートパイロットに関する調査の一環だ。Teslaは5月7日にオートパイロット作動中に起きたModel Sの死亡事故以来、監視の目に曝されている。先週Teslaは、オートパイロットを使っているドライバーは一般ドライバーより安全であると明言した。

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今年は、電気自動車の販売台数も種類も増える

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どこにでもEV(電気自動車)がいるなと感じている人は、今年はもっと感じるようになるだろう。Navigant Researchは、2016年にEV市場は前年比62%で成長し、今年だけで20万台近いEVが販売されると予測している。

Navigantは、今秋発売予定のChevy Bolt(希望小売価格3万7000ドル)のような、価格4万ドル以下の長距離走行バッテリー電気自動車(BEV)が成長の鍵を握ると指摘している。プレスリリースには他に、Tesla Model X、最新のChevy Volt、プラグインハイブリッド(PHEV)のPrius Prime、および近日発売予定のMitsubishi Outlander PHEV等も、流行を後押しすると書かれている。

過去5年間ほどで、EVは西海岸でちょっとした市場シェアを獲得してきた。Navigantによると、成長は北東部にもやってくるという。メーカーは、マサチューセッツ、ロードアイランド、バーモントという、カリフォルニアに続き2025年までに無公害車を増やすことを推進しているニューイングランドの各州で、目標達成に向けてマーケティングを強化する必要がある。

消費者にとって、EVの走行距離が延び、価格が下がり、車種が増えれば、自分に合ったモデルを見つけやすくなる。エネルギー省によると事態は少し改善されている。2015年には、2シーターから標準サイズSUVまで、9つのクラスからEVを選ぶことがてきた。昨年販売されたプラグイン電気自動車の半数以上、60%がNissan LeafやTesla Model Sのようなミッドサイズまたは大型車だった。

Navigant、エネルギー省ともに、プラグイン電気自動車の始まりは実質的に2011年で一致しており、当時は4種類のモデルがあった(トリビア向けのメモ:エネルギー省はTeslaを2011年発売としていない。同社はRoadsterの受注を停止しており、Model Sの量産車はその時点で生産が始まっていなかった)。今やその数は、全電動のFiat 500eからプラグインハイブリッドのVolvo XC90まで、29種類になった。

販売台数は2011年の2万台から12万台へと増え、これは6倍の大躍進だが未だに米国の全自動車販売の1%に満たない。Navigantの2016年予測が当たれば、EVはこのハードルを越えられるかもしれない。

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救急搬送にUberを使うのは、とんでもない考えだ

Paramedics taking patient on stretcher from ambulance to hospital

ワシントンDC消防署は、優先度の低い911通報の搬送にUberを利用する計画を検討している。NBC Washingtonが報じた。これはとんでもない考えだ。

ワシントンの計画では、通報者の状況を電話越しに判断できる看護師チームを雇い、状態が安定していればUberを利用させる。これは救急隊員の目的が、911通報者の病状を判断することであることを踏まえれば、既におかしい。

「転んで足首を骨折した人は、潜在的な症状を抱えている可能性がある」と、ワシントン地区の救命士、Alexia Haralambousは言った。「糖尿病急症が完全に発現していない場合に、そういう状態が起きうる。完全な救命手順を踏む中で、初動要員は最終的に患者の血糖値を調べ、値が高いと判定する」

搬送状態の悪さを考慮して、Uberはサイレンや緊急灯、通信用の大規模無線システム等も備える必要がある、とHaralambousは付け加えた。

数週間前、私は顎を縫った糸を抜くために地元の診療所を訪れた。そこで、心臓疾患の兆候を示したために心電図をとっている男性を見た。男性は、日常的な痛みだと思って受診した。しかし診断結果は深刻だった。医師は直ちに救急車で搬送することを薦めたが、男性は自分で運転することを選んだ。この人は自らの命だけでなく、路上の人々全員の命を危険に曝したことになる。たとえ訓練を受けていても、相乗りドライバーが患者と車両方の安全を確実に守れる可能性は低い。この患者が後部座席に乗っていたとしても、急激な病状の変化がドライバーの不意をつき、事故に結びつくかもしれない。

このような提携は、これまでの相乗り提携とかけ離れたものではない。UberはTechCrunchに、フロリダ州とジョージア州の一部の都市で、既に医療提携を結んでいると話した。Uberは、アトランタの慢性障害を持つ高齢者が予約診療やフィットネスクラブその他のサービスに行く手助けをしている。フロリダ州ゲインズビルでUberは、地元の出資者と協力してこのサービスが移動と自由を維持するためにどのように使えるかを、高齢者に伝えるテクノロジー講座を提供している。

本誌がLyftに問い合わせたところ、移動性の確保に悩む人々の交通を支援するために、同じような目標を同社も持っていると話した。

Lyftの使命は、車を最も必要としている人が、確実に乗れえるようにすることだ。われわれは、全国の公共機関や民間企業と協力して、これまで移動手段に恵まれていなかった人々の選択肢を広げる方法の検討を進めている。われわれは高齢者が ― その多くは定期的に医者の予約があり、移動手段が限られている ― 安全で確実に低価格で動き回れる方法を提供することに誇りを感じている。

いずれの提携の場合でも、意志決定権限は乗客の側にある。乗客はいつどんな時でも乗ることを選べる。ワシントンDCの計画で問題なのは、通報者の健康と安全が、病状を視覚的に評価できない遠く離れた看護師に委ねられていることだ。その結果患者は、市の予算が911通報の量に追いつかないというだけの理由で、不必要に危険な状態に曝される。

とはいえ、深刻な問題のために従来の枠にとらわれない解決策を真剣な考えるワシントンDCには、敬意を表したい。 何もかもUber化する必要はない、というだけのことだ。別の機会に願いたい。

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自動車メーカー+相乗りサービス、まとめ

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自動車メーカーは、交通の未来は一人一台ではないことに気付き始めている。ライドシェアリング、ライドヘイリング等の相乗り、および公共交通だ ― そしてその車はドライバーを必要としないかもしれない。このため多くの主要メーカーが「モビリティー会社」に転じようとしている。

動きは早かった。2016年前半だけで、いくつもの自動車メーカーが、すばらしき新交通世界で既に運用している輸送会社と提携交渉に入っており、BMWやDaimlerのように自社で輸送サービスを開発する会社もある。

今後数年で交通事情が変るにつれ、こうした提携が、自転車や徒歩を含め、地域での移動に多様な選択肢を生み出すことは間違いない。

  • BMW + ReachNow:ドイツの自動車メーカーはReachNowのパイロットプログラムを、サンフランシスコ地区でDriveNowブランドとして開始した。2015年末にはカリフォルニアでの運用を終えシアトルに移り、2016年4月からReachNowとして再出発した。これはフリーフローティング・カーシェアリング・サービスで、指定の駐車場所であればどこで拾ってどこで乗り捨ててもいい。BMWは、カリフォルニアのカープーリング会社、Scoopにも投資している。
  • Daimler + car2go:これはこのリストの中では異端だ。なぜならDaimlerはカーシェアリング暗黒期 ― 2008年 ― にこのcar2goサービスを立ち上げたからだ。同社はSmart ForTwoモデルのみ、一部の都市では電動モデルを使っている。今や同種のサービスの中では最大で、世界29都市で130万人以上のユーザーを持つ。
  • GM + Lyft:今年1月から、GMとLyftは未来のオンデマンド自動走行車ネットワークを共同で構築している。一方、両社は短期レンタルサービスのExpress Driveと提携し、適格車を必要とするLyftドライバーに貸し出している。パイロット都市のシカゴで、Chevy Equinoxを借りて65回以上客を乗せたLyftドライバーは、週99ドルのレンタル料金を免除される。
  • Toyota + Uber:ToyotaとUverは今年5月に提携を発表し、UberドライバーはUberの収入からリース料金を払いれようになった。面白いのはMirai Creation Investmentも契約に名を連ねていることで、Uberドライバーが水素動力のMirai車をカリフォルニアのようにある程度水素インフラのある州でリースできる可能性を示唆している。
  • VW + Gett:2016年5月、Volkswagenは世界60都市で相乗りサービスを運用するGett(旧 GetTaxi)に3億ドルを投資した。Gettは、Uber等の競合とは少し異なり、乗客を運ぶ許可を得たドライバーだけを使う。例えば、ロンドンのタクシーの半数はGettを使っているとプレスリリースに書かれている。

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Tesla、別の事故でもオートパイロット作動中だった疑い

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【本稿の執筆者はMark Lelinwalla】
Teslaのオートパイロット機能は、会社が気付いている以上に大きな問題かもしれない。先週金曜日(米国時間7/1)にデトロイトの画廊オーナーの2016年Tesla Model Xがペンシルベニア・ターンパイクで衝突して転倒した際、彼は事故当時車はオートパイロットモードだったと警察に伝えたと、Detroit Free Pressは報じた。

Model Xを運転していたAlbert Scaglioneと、義理の息子、Tim Yankeのふたりとも、ピッツバーグから東100マイルの場所で起きた事故から生還したが、Teslaのオートパイロットモードに対する監視の目は厳しくなるばかりだ。TeslaはElectrekに対する声明で、「事故当時にオートパイロットが作動していたことを示唆するデータはなく、顧客から連絡があるまで会社はこれ以上調査ができない」と語った。

Free Pressは、ペンシルベニア州警察の事故報告書によると、Model Xは「道路右」のガードレールに衝突し、「その後東方向レーンを横切ってコンクリート製中央分離帯にぶつかり東方向レーン上に転倒した、と報じている。Scaglioneは警察に、彼のModel Xが事故当時オートパイロットモードだったと伝えたとされている。

この事故の一日前、幹線道路交通安全局(NHTSA)はフロリダで起きた5月7日の死亡事故の調査を開始したばかりだった。その事故でTesla Model Sのオーナー、Joshua D Brownは同じ機能を作動させていた。7月5日にTeslaは、5月7日の事故について発生から9日後に規制当局に報告したと主張した。

NHTSAがフロリダのオートパイロット関連死亡事故を徹底的に調査しなくてはならないのと同様、ペンシルベニア州警察も、Model Xのオートパイロットが誤動作したかどうかを、詳しく調べる必要がある。現場の状況を報告した警察官、Dale VukovichはFree Pressに対して、別の車一台を巻き込んだこの事故に関して彼はScaglioneに出頭を命ずるだろうと話したが、罪状は明らかにしなかった。

今回のModel Xの事故について知る以前、Tesla CEO Elon Muskは、Brownの死に哀悼の意を表した後、これをリツイートした。

[毎年130万人が自動車事故で死んでいる。Teslaのオートパイロットで1人死んだだけで、人々は無人走行者は危険だと非難する。]

今度は何と言うのだろうか?

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米国規制当局、Teslaの死亡事故の調査を開始

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Teslaは今日(米国時間6/30)、最近同社のModel Sがオートパイロット作動中に起こした死亡事故について、国家道路交通安全局(NHTSA)が調査を開始したと発表した。

同社はこの件について、「悲劇的な損失」と題したブログ記事を今日投稿し、事故が、中央分離帯のある幹線道路で起きた「極めて稀な状況」であったことを詳しく説明している。

Teslaの説明は以下の通り、

オートパイロット、運転者のいずれも、明るい青空の下でトレーラートラックの白い側部に気付かず、ブレーキをかけなかった。トレーラーの高い車高と道路を横切る位置の組み合わせによって、極めて稀な衝突が生じ、Model Sはトレーラーの下に入り、トレーラーの底部がModel Sのフロントガラスに衝突した。

同社によると、Model Sがトレーラーの側部ではなく、前部あるいは後部と衝突していれは、衝突安全装置が作動していたという。Teslaは、未だにベータテスト中のオートパイロット機能のために、これまで苦労して安全手順を見直してきた。

Teslaは事故や運転手について詳しいことを発表しておらず、「Teslaの友人」であり、EVや技術コミュニティー一般に関わってきた人物であるとだけ伝えた。

被害者は、オハイオ州カントンのJoshua Brownと思われ、5月7日にフロリダの国道で起きた衝突事故で、自分の車の天井が引きはがされた際に死亡した。トラックの運転手に怪我はなかった。Teslaは、プライバシーへの配慮から公式には運転手の身元を明らかにしていない。

Brownは、顧客満足テクノロジーのスタートアップ、Nexu Innovationsのファウンダーで、今年4月に、合流してくるトラックとあわや衝突しそうになり、オートパイロットが作動してよけ切ったところのYouTubeビデオを公開して話題になった。

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NHTSAはTechCrunchに、事故に関わったのは2015年のModel Sで、フロリダ西部のウィリストンという小さな町で、トレーラートラック交差点を曲った時に起きたことを正式に伝えた。調査の結果、最終的に車両の安全が確認できなければ、大がかりなリコールを要請する可能性がある。

同局の主席報道官、Bryan Thomasは「NHTSAの不具合情報調査室は、事故当時作動していた自動運転システムの設計および性能を検査する。予備的調査にあたり、NHTSAはこの事故や他の自動運転システムに関連する情報の追加データを収集する」と話した。

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VWの排ガス不正事件、賠償金の内訳はこうだ

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6月28日、Volkswagenは米国規制当局(FTC(連邦取引委)を含む)、米国の一般原告団、および44の州との間で、TDIディーゼル不正問題に関する約150億ドルの賠償に合意したことを発表した。

おさらいが必要な人のために書いておくと、2015年秋、VWが同社のTDIディーゼルエンジンの制御ソフトウェアを改造し、排ガステスト中と通常走行時とで異なる振る舞いをさせていたことを研究者らが突き止めた。テスト中であることを検出すると ― ハンドルが真っすぐで、一定時間スピードや回転数が変わらない ― エンジンはクリーンな状態で動き、性能は損われるがテストには合格する。通常走行時は、性能が向上するとと共に排ガスも増加した。

賠償金額の内訳は以下の通り:

  • 47万5000台のVWおよびAudiのディーゼル車が、買い戻されるかリースが終了する
  • もし対象者全員がこの支払いを要求すれば、VWによると総額は103.3億ドルに上る
  • VWは「環境改善基金」に27億ドルを投資する
  • VWは米国での無公害車推進活動に20億ドル投資する
  • VWは44の州、ワシントンDC、およびプエルトリコにして6.03億ドルを支払い、消費者保護訴訟の解決に努める

これは、2.0リッターTDIエンジン塔載車のみが対象だ。今後さらに、3.0リッターTDIエンジン車についての示談 ― および追加の支払い ― が待っている。

もしあなたがTDI車のオーナーなら、いくつか選択肢がある。買い取りあるいはリース終了プラス現金、あるいは、排ガス基準に合致するよう車を改造させることができる。前者の場合、買い取り価格はNADA Used Car Guide 2015年9月号の”Clean Trade-In Value”(良好状態下取り価格)に基づく。後者の場合、車を所有し続け(ただし性能は損われる可能性が高い)た上でいくらかの現金をVWから受け取る。改造については、EPAおよびCARBの承認が下りてから実施される。

ソフトウェア改竄は2009年から2015年の車に影響を与えているので、あなたが以前TDI車を所有していて既に売却あるいは下取りに出していることも考えられる。がっかりするのはまだ早い ― その場合でもいくらか現金をもらえるかもしれない。まだウェブサイトに詳細は書かれれいないが、該当する人は注意しておく価値がある。

あなたがどの選択肢に該当するか、どれを利用したいか関わらず、まずこの夏に書類を提出して裁判所の承認を受ける必要がある。実際にTDIのオーナーが現金を手にするか改造を受けるのは2016年秋になる。

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Teslaの生物兵器防衛モードは、途上国市場に向けた天才的発想

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Teslaは今日(米国時間5/2)、同社の微粒子フィルターがいかに効果が高いかを示す詳細情報を披露した。ネタバレ注意:こいつはすごい。車の中の空気をきれいにするだけでなく、車の〈外〉の世界もきれいにする。なぜこれが重要かは、明白ではないかもしれない。同社は非常に限定された顧客を想定していて、これは中国とインドへの市場進出の鍵となるかもしれない。

はっきり言って、車内空気清浄機は何ら新しくない。1970年代後半から高級車に塔載され始め、1980年代半ばからはさらに多くの車種に採用されている。HEPAフィルターはさらに新奇だが、それはこのレベルの浄化をするためにはそもそも車の密閉度が高い必要があり、従来の自動車設計では優先されていなかったためでもある。

TTeslaの生物兵器防衛モードは、準致死量の汚染物質を数分のうちに検出不能にまで減らすことができる。すばらしい。さらに、車の外の汚染レベルも著しく下がっていることにも注目されたい。

Teslaの生物兵器防衛モードは、準致死量の汚染物質を数分のうちに検出不能にまで減らすことができる。すばらしい。さらに、車の外の汚染レベルも著しく下がっていることにも注目されたい。

HEPAフィルターを使うこと自体想像しにくいが、さらに生物兵器防衛モードでその上を行くことは、単なる派手な見世物行為なのか? 〈なぜ〉Teslaがこんなことをしているかは、まだ誰も解明していないようだ。

Teslaのブログには、いくつか自明な理由が書かれている。生物兵器について話せば見出しになる(上を見てごらん!)。しかし本当の論点は、工業規格の微粒子フィルターを使うことによって、Tesla Model SおよびModel Xが、工害のひどい環境に適していることを示すことだ。

もちろん現在のTesla車には様々な特徴があるが、一つないことと言えば「安い」ことだ。
この2つを合わせると、Teslaのターゲット顧客層のベン図が見えてくる。膨大な金銭を持ち、夥しい量の汚染に悩まされている人々だ。

工害は世界的問題だが分布は平等ではない

世界の公害都市トップ1000の約7%は米国にあり、これがパズルの1つ目のピースだ。自国市場のために特によく設計された車を作ることは常識だ ― 特に、公害に関して有利な立場にある電気自動車メーカーなら。

Top 1000

残りのデータも実に興味深く、なぜこの会社にとってこれが重要であるかのヒントを与えてくれる。インド、中国、トルコ、フランス、ドイツは、いずれもトップ1000に多くの都市を抱えている。どの市場も同じように裕福というわけではないが(これらの国々の一人当たりGDPは大きく異なる)、これらの国に、高級車を買える ― そして買う ― 人々が数多くいることは否定できない。

最も重度な公害に苦しんでいる国に限ると、データは大きく変わる。下のグラフは、WHOが「最も汚染されている」とする PM 2.5 が 25 µg/m³ を越える都市だけを見ている。

PM2.5 over 25

公害が中国経済を苦しめていることは明らかであり、最近の報告によると同国GDPの何と6.5%もが、公害対策関連に費されている

インドもひどく苦闘している。この国は世界の公害都市トップ20のうち13を占めている。ちょうど今日(米国時間5/2)、Death By Breathと題された20分のドキュメンタリーが公開され、デリー、パトナ、グワーリヤル等の空気汚染がいかにひどいかが紹介されている。

両国で興味深いのは、Teslaが実行しようとしていることにとって、まさしく完璧なターゲット市場であることだ。

「HEPAフィルターは、Teslaを公害地域に最適な車にする」と考えることは、誤った方向だと私は信じている。むしろ逆だ。Teslaは大成功したい市場を探していて、高度なフィルターを加えた純粋な〈理由〉は、それらの市場がひどい公害問題に悩まされているからだ。

Teslaは大量の車を売る

既に書いたように、車にHEPAフィルターを使うことは決して新しくないが、それをウリにすることは少なかった。むしろ巨大な燃料食いのSUVが、室内は世界一きれいでも、走ることで問題の原因になっているという事実によって少々割引かれてきた。純電気自動車会社であるTeslaは、途上国の富裕層に対して、ユニークな特徴を堂々と提供することができる。自分たちの吸う空気のことと、問題の一部にならないことの両方を気にかけている人々だ。

高級車の世界では、Teslaの価格は比較的平均に近い。この分野には様々な選択肢があり、強力な差別化要因は著しい効果を生む。EVであることはアピールの小さな部分にすぎないが、北京、香港、デリー、ドーハといった、公害の蔓延と富の集中がベン図で重なるピークでは、その効果は倍増する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「つながった車」にも、ウィルス対策ソフトが必要になる

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「つながった車」は互いに話すこと(vehicle-to-vehicle、V2V)が可能で、これからは走っている都市とも話せるようになる(vehicle-to-infractructre、V2I)。これは、私たちの車に悪い連中が話しかけてくるかもしれないことを、Jeepをハックする実験が示している。しかし、危険はハッキングだけではない。なぜなら、コンピューターのあるところには、必ずコンピューターウィルスが潜んでいるからだ。

これが、Argus Cyber Securityの取り組んでいる問題だ。たしかに、現時点で車から車へと多くのウィルスが伝染することはない。なぜなら、自動車がネットワークにつながったのは比較的最近のことだからだ。しかし、ArgusのVP、Yoni Heilbronnはメールのインタビューで、2020年に出荷が予想される9000万台の自動車のうち、約7000万台はつながっているという。コンピューターにウィルスがいると、データを盗まれたり悪用されたりして、それでも十分に困るが、車の中で起きた場合には物理的被害の可能性もある。

それでもまだ、車を完全に捨てて、大きな車輪の自転車で通勤する理由にはならない。自動車メーカーとIT企業は、協力して何年にも渡りこの問題の解決に取り組んでいる。「サイバーセキュリティーに効く銀の弾丸はない」とHeilbronnは言う。「『弾丸の種類』が必要だ」。それは、ハードウェアに組み込まれたセキュリティー対策や、多重に設定されたソフトウェアセキュリティーを意味する。「その組み込まれたソフトウェアを遠方からアップデートできれば、自動車メーカーや運送会社にとって強力なツールになる」とHeilbronnは言う。

消費者は、自分のつながった新車にArgusやその他のセキュリティソフトウェアが塔載されているかどうか、尋ねない限り知ることはない。車の安全とセキュリティーの責任を持つのは、究極的には自動車メーカーだからだ。「消費者はわれわれの存在を知らないかもしれないかもしれないが、ギリシャ神話のように、Argus[アルゴス]は監視する目となって、システムが成すべきことをし、それ以外決して何もしないことを確認する」。セキュリティーのニーズと標準が変わるにつれ、近いうちにMcAfeeやKasperskyをパソコンのために買うように、Agrusのソフトウェアを車のために買えるようになるかもしれない。

周辺機器のセキュリティーもすぐ重要になるかもしれない。なぜなら、既に車自身に様々な脆弱性が組み込まれているからだ。例えばダッシュボード下のOBD IIポートに差す「ドングル」がある。これは保険会社が利用量ベース料金のために使用することが多い他、運転のくせや車両の統計データを追跡する Zubieのような装置もある。これらのデバイスは外の世界と通信するが、それは外の世界からも通信できることを意味している。

「ドングルは車と物理的に接続し、内部ネットワークともつながっているので、あらゆるマルウェアがドングルのセキュリティー基準を破る可能性があり、通信リンクを通じてCANバス[車載マイクロコントローラーが通信するためのプロトコル]に悪意あるコードを注入し、車の操縦に望まない影響を及ぼすかもしれない」とHeilbronnは言う。ただ、現時点では「可能性がある」と彼が言っているのは明るい話題だ。

しかし約2年前、Argusは実際にZubieデバイスの脆弱性を発見し、遠隔から侵入して車の全制御を奪えることを示した。ArgusはZubieに責任ある情報開示を求め、同社は問題を修正し、改善を約束した。

〈つながる〉とは、単に携帯電話と車を無線で接続することだけではない(ちなみにそれも、潜在的な脆弱性である)。V2VとV2Iの通信は、無人走行自動車にとって重要なテクノロジーになるだろう。この通信を確実に信頼できるものにすることは、今後の発展にとって重要な検討課題だ。

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メルセデスの家庭用バッテリーは、Tesla Powerwallのライバルになれるか

Aus dem Auto ans Netz: Mercedes-Benz Energiespeicher eignen sich auch für die private Nutzung zur verlustfreien Zwischenspeicherung von überschüssigem Strom. / From cars to power grids: Mercedes-Benz energy storages are also suitable for private use to buffer surplus power virtually free of any losses.

Mercedes-Benzの電動自動車の高需要に向けて開発されたバッテリーが、家庭用エネルギー蓄積装置として新たな用途を探している。聞いたことがあるって? そう、Tesla Powerwallとよく似ている。

Mercedes-Benzの親会社であるDaimler AGによると、この蓄電装置は子会社のDeutsche ACCUMOTIVE(Daimlerは大文字が本当に好きだ)が製造している。バッテリーの販売、設置、支援は電気会社やソーラー技術会社等のパートナーが行う。蓄電装置はソーラーパネルと一緒に設置することが多いので、これは理にかなっている。装置はすでにドイツで販売されており、今後は海外にも広げていくとMercedesは言っている。

2.5 kWhの棒状リチイムイオンバッテリーモジュールを最大8本内蔵可能で、最大容量は20kWh。Mercedesによると、これはソーラーエネルギーの余剰分を蓄積し、後で「事実上無駄なく」使用するのに十分な容量だという。装置の価格は公表されていない。これは装置本体以外に、光電パネルや設置費用等、いくつかの部品と合わせて販売されるためのようだ。

Deutsche ACCUMOTIVEは、この種の装置を2015年から工業利用向けに製造している。システムがスケーラブルに設計されていたため、早期に家庭用市場に参入できた。Daimlerは、エネルギー蓄積子会社に大きく賭けている ― Deutsche ACCUMOTIVEの第2のバッテリー工場には5億ドル以上を投資していて2017年夏に稼動を始める。

一方、Tesla Energy Powerwallは同じ目的を、もっとスマートに実現していると言っていいだろう。Powerwallは6.4 kWhのエネルギー容量を「一日サイクルの利用」のために提供しているとウェブサイトに書いてある。Mercedesの装置と同じく、もっと多くのエネルギーを蓄積する必要のあるソーラーシステムのために複数台設置することもできる。Powerwallの価格はわかっている ― 3500ドルだ。その需要の高さは、昨年Powerwallが発表されたとき、 3万8000台の予約が入ったことからわかっている。それだけの需要があれば、Daimler AGのような実績あるバッテリー技術を持つライバルが参入するの余地は十分にありそうだ。

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ホンダとボルボ、電動化を進める

The connector for the all-new Volvo XC90 Twin Engine charge cable is located above the left front wheel arch.

Hondaは、同社のClarityシリーズに完全電動車およびプラグインハイブリッド車を加える計画があることを発表した。今年のHonda Clarityでは、どれでも好きなタイプを選ぶことができる、それが燃料電池車である限り。他の2種類が揃うのは2017年。

Hondaのゴールは、プラグインハイブリッドと燃料電池を含め、電動化の割合を2030年までに全売上の2/3にすることだ。現在、Honda Fit EVまたはAccordハイブリッドがあるので、あと2モデル追加されることで、極端な楽観主義に立てば、Hondaの電動化製品は約2倍になる。

ただし、Clarityの3車種は未だにニッチな製品であることをお忘れなく。燃料電池車はこの新技術に対応している南カリフォルニア地域に極く限られている。完全電動車はもう少し範囲が広く、米国の多くの都市部で充電環境が揃いつつあるが、変化の速度は遅い。プラグインハイブリッドは、主要地域に届く可能性が最も高いだろう。しばらく電気で走った後、通常のガソリンエンジンに戻ることができるからだ。殆どのプラグインハイブリッド車では、近所の用事や通勤ならほぼ完全に電動走行が可能だが、モンタナやカンザスに住む人たちは、ガソリンエンジンを積んでいてよかったと思うだろう。

同じ日に、Volvoは、同社の全車種に2タイプのハイブリッド車を追加し、最初の全電動自動車を2019年に発売すると発表した。プレスリリースで同社のHakan Samuels社長は、「Vovloはこの電動化への変遷の最先端を走りたいと考えている」と語った。既に多くのメーカーが少なくとも1種類のハイブリッドモデルを販売し、10種類以上から電気自動車を選べる今、「最先端」の船は既に出航している。

ただ、Volvoは早い動きや派手な製品で知られる会社ではないため、この大きな変化への準備に何年も費やすことは同社の性格から外れていない。彼らは2種類の車両アーキテクチャー ― 大型と小型 ― を開発し、それぞれがハイブリット、プラグインハイブリッド、およぼ電気駆動に対応する。最初に電動化されるのは、XC90 T8 ツインエンジン SUVで、近日中に発売され、S90フルサイズセダンがこれに続く。Volvoのゴールは2025年までに100万台の電動化自動車を販売することだ ― 同社が気候変動中立を目指しているのと同じ年だ。

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BMWとダイムラー、Apple Car交渉を中止

An anti-government protester holds up his iPhone with a sign "No Entry" during a demonstration near the Apple store on Fifth Avenue in New York on February 23, 2016. 
Apple is battling the US government over unlocking devices in at least 10 cases in addition to its high-profile dispute involving the iPhone of one of the San Bernardino attackers, court documents show. Apple has been locked in a legal and public relations battle with the US government in the California case, where the FBI is seeking technical assistance in hacking the iPhone of Syed Farook, a US citizen, who with his Pakistani wife Tashfeen Malik in December gunned down 14 people.
 / AFP / Jewel Samad        (Photo credit should read JEWEL SAMAD/AFP/Getty Images)

もしAppleが本当に自動車を作っているとしたら、それはUltimate Driving Machine™ではない。BMWとDaimlerは、Appleとの自動車協業に関する交渉を中止した。Handelsblattが報じた

リーダーシップとオーナーシップの行方を巡って、交渉は決裂した(BMWとは昨年、最近Daimlerと)と、ドイツ紙の情報源は伝えた ― そしてわれわれがAppleについて知っていることを踏まえれば、それはいかにもありそうな行き詰まりの原因である。車をメーカーのサービスではなく、Appleのサービスと密に統合するというアイデアは自動車メーカーをいら立たせた。もちろん自動車ブランドは、世界で最も強力に守られ、宣伝されているものの一つである。

Apple Car構想にまつわる噂は一年ほど前から渦巻いており、最近の雇用も十分以上に暗示している。しかし、それが自動車そのものなのか、自動車メーカーとの協業なのか、あるいはもっと控え目なcarOSの既存システムとの統合のようなことなのかは、誰の意見も一致していない。それでも一つ、全員が確信していることがある。数百人の社員が取り組んでいるプロジェクトは、遊びではない。

では、Appleと仕事をする相手はあと誰が残っているのか? 最新の噂は、Magna。複数の企業と協力して、限定生産車や単発製品を生産しているカナダ・オーストラリア系の特殊電動自動車メーカーだ。トップクラスの信用を持ち、ブランドへのこだわりが少なく、恐らく要求も少ないであろうMagnaは、Appleのような裕福な好事家とはお似合いだろう。

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アメリカ人は自動走行車を怖がっている

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今年1月、AAA(米国自動車協会)は18歳以上のドライバー約2000人を対象に電話調査を行い、ちょっと驚く結果を得た。回答者の75%が、「自分が乗った自動走行車に運転を任せるのは怖い」と答えた。20%はこれを受け入れ、残る5%は空飛ぶ車が出るのを待っていたいようだ。

Googleのテスト車のような完全自動走行車が、人間の介入なしに近くを走り回るという発想に慣れきるまでにはまだ数年かかりそうだ。一方では、ADAS(先進運転支援システム)と呼ばれる半自動運転システムが普及しようとしている。AAAの調査回答者の約半数が、車線離脱警告や、車線維持システム、および適応型クルーズコントロールを信頼している。2022年までに全車種に塔載される自動緊急ブレーキシステムを信頼している人はわずか44%で、自動駐車システムを信頼している人は36%にすぎなかった。

当然のことながら、自分の車で既にこれらのシステムを使っている人たちは、信頼している率が高い。自車でその技術を利用したことのある回答者の数字は、25~30ポイント跳ね上がる。例えば、車線維持システムを使っている人の84%が信頼しているのに対して、自分の車に装備していない回答者では50%だった。

完全自動走行車は殆どの人を恐れさせているが、上述のADAS機能については、次に買う車に付けたがっていると調査結果は示している。しかし、欲しい理由はみな同じではない。ベービーブーム世代は半自動化技術が欲しい理由に安全を挙げているのに対して、新世紀世代は利便性と最先端テクノロジーを欲しがっている。女性がストレスを減らすためにこうした機能を欲しいと答える傾向が強いというのは興味深い。

ADAS技術にさえ抵抗を示す人々の10人中8人以上は、ロボットより人間の方が運転がうまいことを理由に挙げている。(AAAの縦列駐車に関する調査結果は、この人たちの意見とは一致していない)。他に回答者の大きな部分を占める、若者ドライバーと子供を持つドライバーたちは、テクノロジーに余分なお金を払いたくないと答えた。また女性は、技術をよく知らないか、複雑すぎることを心配しているようだ。

今日の人たちがいくら心配しても、こうしたシステムはますます一般的になっていく。調査結果が示すように、ADAS機能を体験したこのあるドライバーは、ますますこれを信頼する。ひとたび車線維持を信じた人にとって、縦列駐車システムを信じるまでの道のりは短い。そしてそこから、ハンドルのない車の中でVR映画を見てくつろげるようになるのは、時間の問題だ。

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ロボットタクシーの実現に向けて—DeNAとZMPが合弁会社設立へ

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遺伝子解析からアイドル、キュレーションメディアまで新規事業を続々と発表しているディー・エヌ・エーだが、今度はZMPと組んで、ロボットタクシーの実現に向けて動き出した。両者は5月29日をめどに、合弁会社を設立。自動運転技術を活用した旅客運送事業の実現に向けた研究・開発を進めると発表した。

合弁会社の社名は「ロボットタクシー」(仮称)。資本金は7億円で、出資比率はDeNAが66.6%、ZMPが33.4%となっている。ZMP代表取締役社長の谷口恒氏が取締役会長に、DeNA執行役員 新規事業推進室長の中島宏氏が代表取締役社長にそれぞれ就任する。

ZMPは2001年の創業。当初はコンシューマ向けのロボットの開発・販売を手がけていた。30代以上の人であれば、同社のロボット「PINO」をアーティスト、宇多田ヒカルの「Can You Keep A Secret ? 」(2001年のヒット曲だ)のプロモーションビデオなんかで見たことがあるかもしれない。

そんな同社は現在、ロボットの技術を応用した自動運転技術開発用プラットフォーム「RoboCar」シリーズやセンサシステムの開発・販売を主力事業としている。IPOが間もなくと噂されたり、直近ではビジネスメディアへの露出も多いロボット関連の注目企業だ。

発表によると、合弁会社では DeNAのネットサービス運営ノウハウとZMPの自動運転に関する技術を連携させることで、ロボットタクシーやロボットバスなどの旅客運送事業の実現を目指すという。まずは自動運転技術の向上やサービスモデルの仮説検証などの実証実験を重ねていく計画だという。

DeNAはプレスリリースで次のように説明している。

過疎化や高齢化の進む地域のお年寄りや子ども、障がいのある方など不便な生活を送られている方々のサポートの役割なども担う新たな交通手段を実現させることでもあると考えており、ロボットタクシー事業の実現を通じて、将来的には日本の地方創生・地域再生の一助にもなれればと考えています。

また今回の発表にあわせて、DeNAでは「DeNA AUTOMOTIVE」のサイトをローンチしている。