温室栽培農家のための農業のGoogle Analytics(総合データ分析)を目指すAgrilyst

agrilyst-2

今日(米国時間9/21)TechCrunch Disrupt SF Battlefieldに登場したAgrilystは、温室に備え付けたセンサやそのほかのデータを利用して、温室栽培農家の農業を効率化しようとする。

AgrilystのCEOで協同ファウンダのAllison Kopfによると、ニューヨークの都市農家BrightFarmsで働いているときに、このサービスを着想した。この農家にはVCも投資していた。物理学を専攻した彼女は最初、農業の仕事をするつもりはなかったが、“改良の余地が大きく急成長産業である”ところから農業に惹かれた。

担当した仕事にはデータの取り扱いも含まれていたが、彼女が不満を感じたのは、定量的データが乏しいことと、複数のツールから集めたさまざまなデータを総合的に分析するツールがないことだった。

agrilyst 3

Kopfは、のちに同社のCTOになるJason CampとともにAgrilystを創り、今年の初めごろに、ニューヨーク市の省エネ環境保全振興アクセラレータNYC Acreに加わった。

屋外農家と違って温室栽培農家は、作物に当たる光の量や空気中の二酸化炭素の量など、作物の成長過程の環境を細かくコントロールできる。なお、二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスであるだけでなく、光合成を促進するための素材として温室農家自身が利用している。またビルの中など屋内で行われている温室栽培の多くは、水耕栽培システムを使って土を使わない農業をするため、コントロールする要素がさらに多い。

今では多くの温室に、CO2、光量、湿度などを計るセンサがあり(それにもちろん地温、気温)、農家がチェックするデータの量はかなり多いが、測定のためのハードウェアは進化が遅れている。Kopfによると、農家は毎日大量のデータにアクセスしているが、ハードウェアは少数の古い企業に支配されていて、彼らはイノベーションに関心がない。たとえばセンサはすべて物理的に配線されているので、システムの拡張がきわめて困難だ。

また、収量の測定は多くの場合手作業で行われている。値をノートに手書きで書く。そのため、センサからのデータと統合して分析されることはない。センサデータの変化と収量データをリアルタイムで相関してみることができないから、問題の早期発見もできない。問題は、それが実際に起きてからしか分からない。

Agrilystのプラットホームは、何よりもまずデータの統合化を目指す。ハードウェアの種類などにはこだわらないし、APIのない古いシステムでも、データをExcelにエクスポートできるならそれを利用する。Agrilystのメインのユーザインタフェイスであるダッシュボードが、それら統合したデータを総合的に分析した結果を表示し、収穫のスケジュールを示唆する。将来的には、収量予想も提供したい。

温室栽培農家は、CO2のレベルのほかに、作物に当たる光の量も比較的容易にコントロールできる。これまでのシステムは一定の時間に照明をonにし、offにするだけだが、Kopfは電力の安い時間帯に作物に光を当てるシステムを考えている。“植物はエネルギーをいつ得るかを気にしない”、とKopfは言う。夜中の電気代が安ければ、主に夜中に電気による光を当てればよい。

同社は今、6軒の温室栽培農家の協力を得てベータテストを行っている。本番展開時の料金は、月額1エーカーあたり1000ドルを予定している。

同社の長期的な構想としては、温室用のセンサのハードウェアシステムも、同社のサービス向けに最適化されたカスタム製品を提供していきたい。

Kopfによると、このシステムのマリファナ栽培への応用について、尋ねられることが多い。マリファナ栽培は基本的に同社の想定顧客ではないが、今後はひとつのユースケースとしてありえるかもしれない、と彼女は言う。しかし当面同社は、コロラド州の屋内マリファナ農家ではなく、東海岸のレタスやトマトを中心作物とする大規模温室栽培農家を対象にしていく。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人間の目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEがKickstarterで好調、Samsung Venturesからも資金調達

15196399541_7be3672f57_o

[筆者:Samantha O’Keefe ]
目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEを初めて見たのは、Disrupt SF 2014のStartup Battlefieldだった。そのとき同社は入賞はしなかったが、最初から東京大学とのコラボレーションがあるなど、その前途は明るいと思えた。

FOVEは5月にKickstarterのキャンペーンを立ち上げ、今月の初めに終了したときには1500名近くの支援者から、目標額25万ドルに対し48万ドルあまりを集めることができた。

キャンペーンの終了直前に同社が紹介したヘッドセットのニューバージョンは、大幅に改良され、より軽く、小さく、そして快適になっていた。とにかくその新しいデザインは、とてもすっきりしている。同社によると、フォームファクタの洗練と高品質化に努めたため、つけ心地が良くなり、留め金の改良により、どんな頭の形にもしっくり合うようになった。

数週間前にFOVEは同社のKickstarterのページをアップデートし、Samsung Venturesから資金を獲得したことを報告した(金額は公表せず)。この新たな資金により、トラッキング技術Valve LighthouseやOpenVRの統合をより強力に推進できる、と同社は述べている。

クラウドファンディングの成功を踏まえてFOVEはこれから、製品を実際に作って熱心な支援者たちの手に渡すための努力、そしてVRヘッドセットの機能増強に取り組むことになる。KickstarterキャンペーンとSamsung Venturesから順調に資金を得たFOVEは、これからいよいよハードウェアスタートアップとしての成長期に入る。

さて今年のBattlefieldは申し込みを締めきったけど、まだ生後二歳以下の若いスタートアップなら、Startup Alleyに出品する手がある。Disruptスタート後の月曜日と火曜日には、Alleyの出場者に対する来場者からの人気投票と本誌編集者の選別がある。そして選ばれた者は、Startup Battlefieldに出場してアイデアを売り込める。

また水曜日にAlleyの人気投票で選ばれると、ステージに立ってデモができる。

Startup Alleyのチケットはここで買える。あなたも、ぜひ、出てください!

本誌がDisruptを開催できるのは、スポンサーのおかげです。スポンサーになることに関心のある方は、こちらまでお問い合わせを: sponsors@techcrunch.com.

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人間の目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEがKickstarterで予約販売を開始

lifestyle3

目の動きでコントロールできる仮想現実(virtual reality, VR)ヘッドセットFOVEが、Kickstarterで予約販売を開始した。この東京のスタートアップは、昨年のTechCrunch Disrupt San Franciscoでファイナリストになり、今回Kickstarter上では締め切りまで44日を残す今日(米国時間5/20)、目標額25万ドルの2/3以上を達成している*。〔*: 日本時間5/21 12:00では21万ドルを突破。〕

FOVEという名前は網膜の中心を意味するfoveaに由来し、消費者製品としてのアイトラッキング(eye-tracking, 目を追う)VRヘッドセットはこれが世界初だ、と同社は主張している。

FOVEはfoveaを中心とするレンダリングを行うことにより、ユーザが今見ている方向の光景を高精細で描画する。協同ファウンダでCEOのYuka Kojima(Sonyエンタ出身)によると、高精細の描画を視界の中心部に限定して、レンダリングのための計算力を節約すると、スマートフォンなど、強力なPC以外のデバイスでも駆動できるようになる。

またゲームにおいては、プレーヤーがキャラクターとアイコンタクトをしたり、銃の照準を敵に合わせる、などのことができる。したがって、ゲームの没入性が増強される。

ゲームをFOVEに移植するためのSDKが来年リリースされるが、このヘッドセットの用途はゲーム以外にもっと広い。

たとえば、運動ニューロン疾患(ALSなど)の子どもが目でピアノを弾けるソフトウェアを、FOVEなら実装できる。同じく運動失調の人が、目でキーボードをタイプしたり、ゲームをプレイしたりもできるだろう。日本の研究者たちは、アスペルガー症候群や自閉症の人たちを支援するために、FOVEのアイトラッキング技術を利用することを、研究している。

 

このヘッドセットは、2016年5月の発売を予定している。Kojimaがこのスケジュールに確信を持っているのは、東芝とSamsungが“ハンズオンで”支援しているからだ。ディスプレイなどの主要部位は、彼らが作ってくれる。実動プロトタイプはすでに数種類あり、Kojimaによると、Kickstarterで集まったお金はアイトラッキング技術の磨き上げに投じる。とくに、両目の距離など、人の顔立ちの違いに合わせることが難題だ。また、使用している赤外線の安全対策にも取り組んでいる。製造は、そういうテストが完了してから開始される。

FOVEの昨年のDisruptでのプレゼンを、ここで見ることができる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TechCrunch Disrupt NY 2015の勝者は…浄水システム「Liquidity」に決定

disrupt-winner1

今年のDisrupt NYスタートアップ・バトルフィールドはすばらしかった。はじめに24の優れた会社が複数グループの業界リーダーたちから成る審査員の前でプレゼンを行う。参加したスタートアップは賞金5万ドルと誰もが欲しがるDisruptカップを目指して争った。

数時間にわたる慎重な審査の後、TechCrunch編集部が審査員のメモを塾読し、リストを以下のファイナリスト7組に絞った:生命細胞3Dプリンター、BioBots、魔法のようなハードウェアアクセラレーション技術、BitFusion.io、高度なセキュリティーを持つ認証ソリューション、Cloudwear、カスタマーサービス向け人工知能、DigitalGenius、浄水フィルター、Liquidity、バッテリー技術、Nucleus Scientificおよびウェブサイト作成サービス、PageCloud

7社は以下の本誌ファイナルジャッジの前でデモを行った:John Borthwick (Betaworks), Dennis Crowley (Foursquare), Eric Hippeau (Lerer Hippeau Ventures), Alfred Lin (Sequoia Capital), Rich Miner (Google Ventures), Brian Pokorny (SV Angel) and Alexia Tsotsis (TechCrunch)。

Disrupt SFスタートアップ・バトルフィールドの参加申し込みは6月中に開始される。質問はメールでSamantha O’Keefeまで:(sam@techcrunch.com)。

そして、TechCrunch Disrupt NY 2015バトルフィールドの勝者は・・・

優勝:Liquidity

Liquidityは水を浄化するシステム。このボトルは非常に精巧な密度のメッシュ状繊維を使用している。バクテリアは捕獲されるが水は通過する。フィルターの2~3ヵ月に1度交換すればよい。同社はこのフィルターを他の製品向けにライセンス供与する計画だ。低価格で実用的で効率が良い。これは15年間にわたる特許取得済みの大学における研究成果でもある。受賞に値する内容だ。

Liquidityの詳細は本誌の別稿を参照されたい。

  1. liquidity-finals10.jpg

  2. liquidity-finals5.jpg

  3. liquidity-finals4.jpg

  4. liquidity-finals3.jpg

  5. liquidity-finals7.jpg

  6. liquidity-finals6.jpg

  7. liquidity-finals9.jpg

  8. liquidity-finals8.jpg

  9. finals-judges2.jpg

  10. finals-judges3.jpg

  11. finals-judges1.jpg

  12. techcrunch-disrupt5.jpg

次点:DigitalGenius

DigitalGeniusはカスタマーサービスのための人工知能。例えば、テキストメッセージを使って何かを購入することができ、本物の人間と会話しているように感じる。他にも、サポートの自動化、塔乗の自動化、機械対機械コミュニケーション、店内体験のカスタマイズ等様々な応用が考えられる。舞台裏で動いている質問分類モジュールが実にすばらしく、時間と共に確実に賢くなっていく。

DigitalGeniusの詳細は本誌の別稿を参照されたい。

  1. digital-genius-finals1.jpg

  2. digital-genius-finals2.jpg

  3. digital-genius-finals3.jpg

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アプリケーションとライブラリをハードウェアの特性に合わせて最適化・高速化するBitfusion…元Intelの三名が起業

bitfusion11

今日のコンピュータは一般的にとても高速だが、アプリケーションの多くは、自分たちがその上で動くハードウェアプラットホーム向けに最適化されていない。ほとんどのライブラリがジェネリックなプラットホーム用にコンパイルされており、たとえば個々のCPUの固有の機能を有効に利用していない。

今日(米国時間5/1)TechCrunch Disrupt NYでデビューしたBitfusionは、デベロッパに代わってそのような最適化を行い、そのソリューションの最初の一回の適用でアプリケーションのスピードを10%から最大で60%は向上させる。それは、多くのアプリケーションが依存している著名なオープンソースのライブラリの、すでに最適化されているバージョンを選んでビルドするだけ、というソリューションだ。同社がねらっているターゲットは、製薬企業や生物情報科学関連の企業、それにデータ分析のソフトウェアなどだ。

同社はテキサス州オースチンで、元Intelの社員三人が創業し、今日はData CollectiveとResonant VC、およびGeekdomから145万ドルのシード資金を調達したことを公表した。Geekdomは、RackSpaceのファウンダや投資家たちが運営している投資企業だ。

ファウンダたちはIntel時代に、チップの設計からパブリッククラウドのインフラストラクチャ、スーパーコンピュータなど、あらゆるものを手がけた。CEOのSubbu Ramaが前に創ったSocialStockは、2012 Disrupt NYのBattlefieldでファイナリスト(決勝進出)になった。

Ramaは曰く、“ハードウェアとソフトウェアを一緒に同じテーブルの上に乗せたいのだ。うちは、ハードウェアの最大有効利用という、これまでみんなが避けてきた分野に挑戦している”。

Bitfusionは、ライブラリの再コンパイルや再編纂、それに特殊なバージョンの収集などにより、各プラットホーム向けの最適化を行う。でもそれは、顧客基盤を築くための最初のステップにすぎない。Ramaはそのステップを、“簡単な部分”と呼ぶ。

チームは今後、CPUだけでなくGPUやFPGAも最適化の視野に入れて、パフォーマンスの向上を10%ではなく10倍にすることを計画している。同社によると、今日のハードウェアメーカーは、自分たちのチップのより強力な機能にアクセスするためのスタンダードに合意している。

たとえばいくつものグループが、ハードウェアアクセラレータと科学計算とのあいだの標準インタフェイスとして、OpenCLをプッシュしている。でも今日の現実としては、デベロッパたちはOpenCLのサポートに傾くことなく、CUDA、HAS、AVX2などなど、多様な競合APIに向かっている。Bitfusionのチームは、同社がアプリケーションとライブラリを、そういうデベロッパのために、そして彼らの往々にして特殊なチップのために最適化することによって、そのバラバラの世界に橋渡しができる、と信じている。

今後に関してチームがとくに期待しているのは、プログラマブルなチップFPGA日本語)だ。FPGAは特定の問題に合わせてプログラムできるし、また一般的にソフトウェアよりもハードウェアの方が高速だから、デベロッパは大きなスピードアップを実現できる。今日のFPGAは標準性に乏しいが、しかし大手半導体メーカーの一部は真剣にFPGAについて検討しており、CPUすら、一部をFPGA化することによってスピードアップとユーザの自由性の拡大を図ろうとしている。

もうひとつ、Binary translation日本語)も、アプリケーションのスピードアップのためにBitfusionが注目している技術の一つだ。

同社は主に企業を顧客にして、彼らの特定のニーズやアーキテクチャに合ったソリューションを提供しようとしている。今後はそういう顧客のデータセンター用として、ハードウェアアクセラレータを組み込んだアプライアンスを提供して行く計画だ。そして今同社は、RackSpaceと協働して、ユーザがアプリケーションのスピードアップを実現できるための高速化クラウドの構築にも取り組んでいる。

  1. bitfusion18.jpg

  2. bitfusion17.jpg

  3. bitfusion16.jpg

  4. bitfusion15.jpg

  5. bitfusion14.jpg

  6. bitfusion13.jpg

  7. bitfusion12.jpg

  8. bitfusion11.jpg

  9. bitfusion10.jpg

  10. bitfusion9.jpg

  11. bitfusion8.jpg

  12. bitfusion7.jpg

  13. bitfusion6.jpg

  14. bitfusion5.jpg

  15. bitfusion4.jpg

  16. bitfusion3.jpg

  17. bitfusion2.jpg

  18. bitfusion1.jpg

Disrupt Q&A:

Q: 市場規模はどれぐらい?
A: 社内にそういう技能のない中小の企業はたくさんある。アプリケーションの高速化が重要な、メディアや仮想現実の企業が、とくに狙い目だ。

Q: ビジネスモデルは?
A: 三つのビジネスモデルがある。ソフトウェアと、アクセラレータを組み込んだアプライアンスと、RackSpaceとの協働による高速化クラウドだ。

Q: それはプラグ&プレイか?
A: うちが開発している技術は、ソフトウェアで高速化を図ったライブラリの、世界最大の集合だ。それらのライブラリを、たとえば、機械学習や生物情報科学の分野のアプリケーション向けにデプロイしている。デプロイプロセスはすべて自動化されている。

Q: 大企業は相手にしないのか?
A: 大企業はハードウェアを自作できるし、自分たちの特殊なアプリケーションを最適化する技能もある。でも、大型データセンターの最適化、というレベルでは今すでに大企業の顧客もいる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ContainerShipはコンテナ化したアプリケーションのマルチクラウド展開を助ける

containership5

今日(米国時間5/5)のDisrupt NYでは、ContainerShipがステージに登場して、コンテナに収めたアプリケーションを複数の異なるクラウドサービスへ容易にデプロイする技術を紹介した。ContainerShipは、このところ雨後の筍しているコンテナ関連サービスの一つで、アプリケーションをたとえば複数のクラウドプロバイダにまたがって展開する作業を助けてくれる。

ContainerShipのチームが述べる彼らの目標とは、ユーザ企業のインフラストラクチャを“ポータブル”にすることだ。

ContainerShipは、オープンソースでありながら商用化を志向している企業だ。つまりコアプロダクトはオープンソースだが、ContainerShip Cloudと呼ばれるプロダクトはユーザの頭数をベースとする有料制だ。

ContainerShipのセールスポイントは、ポータビリティ。同社は、ホスティングプロバイダの乗り換えをもっと簡単にやりたい、というデベロッパの願いに応える。簡単にとは、そのことに伴う複雑な技術をラップしてしまう、ということだ。そうやって面倒な部分をすべてContainerShipが引き受けるから、デベロッパは自分のアプリケーションを新しいクラウドプロバイダや、現在のプロバイダの新たなリージョンへ、容易にデプロイできる。

同社は、最初のうちは中小企業のスタートアップを主な顧客にしていきたいが、能力的には今からでも大企業のニーズに対応できる、と言っている。

今のところ同社のサービスの利用は無料で、いずれは有料化すると言っているが、その‘いずれ’がいつのことかは、未定だ。

今Dockerには、おそらくあなたご自身も含め、多くのデベロッパが夢中になっている。でも一歩引いて世界を見渡してみれば、大企業の世界ではレガシーでオンプレミスの技術への訣別が始まっている。だからそこには、ContainerShipのような企業が活躍すべき大きな機会が眠っている。Dockerの勢いは当分衰えないだろうから、ContainerShipが作っている“金鉱掘用のつるはし”も、順調に売れていきそうだ。

  1. containership11.jpg

  2. containership10.jpg

  3. containership9.jpg

  4. containership8.jpg

  5. containership7.jpg

  6. containership6.jpg

  7. containership5.jpg

  8. containership4.jpg

  9. containership3.jpg

  10. containership2.jpg

  11. containership1.jpg

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

完全にドラッグ&ドロップだけでWebサイトを作れるPageCloud…‘PowerPoint感覚’で

pagecloud13

今日(米国時間5/4)Disrupt NY 2015でローンチしたPageCloudは、ユーザが写真やビデオやテキストなどをWebページの上へドラッグ&ドロップして、お好みのWebサイトを作れる、というサービスだ。

Webサイト簡易制作サービスはWixSquarespaceなど、すでにいろいろあるが、PageCloudでは、既製のテンプレートやフォントなどの中からユーザが自由に選べる。そしてPageCloudが既存の類似ツールと違うのは、ページの成分(写真など)を外部からドラッグ&ドロップできるだけでなく、ページの中でもドラッグ&ドロップで場所を変えられることだ。

ユーザは、どこかのWebサイトで気に入ったフォントを見つけたら、それをPageCloudで作っているページへペーストしてそのフォントを使える。一つのページ全体のレイアウトをまるまるドラッグ&ドロップすることもできるし、いくつかの要素だけを持ってくることもできる。Photoshop上で作ったデザインをWebページへ持ち込むこともできる。

HTMLなどのコードを書かなかくてもWebサイトが作れる、というツールやサービスはかなり前からあるが、PageCloudのCEO Craig Fitzpatrickによると、ドラッグ&ドロップによるページの成分の自由な並べ替えは新しいから、特許まで取っているそうだ。

“ドラッグ&ドロップ方式のツールもあるけど、うちの場合はブラウザをPowerPointの完全なクローンのようなものにしてしまうから、気に入ったページ全体をドラッグ&ドロップして変更を加える、という使い方もできる”、と彼は述べる。

ブラウザさえあれば誰もが自由にWebサイトを作れるべきだ。
— PageCloudのファウンダCraig Fitzpatrick

FitzpatrickがPageCloudを作ったのは、コーディングのできない者にとってWebサイトを作ったりエディットすることがとても難しい、という現状が不満だったからだ。最初は、ちょっとした個人的プロジェクトだった。夜や週末を利用して、ある会社のいろんな部門が自分たちだけでサイトをエディットしたり内容を変えたりできるためのツールを作っていった。どんなに簡単なことでも、自分ではできないので技術屋である彼に相談が来る、という状況を何とかしたかった。

“Webサイトの制作や編集は、マーケティングの連中でもできるべきだ、といつも考えていた”、とFitzpatrickは言う。

PageCloudはこれまでの数か月間、数社の中小企業でベータテストを行い、また220万ドルのシード資金も獲得した。Fitzpatrickは、ブラウザを使える者なら誰でも自分の好きなWebサイトを作れるようにしたい、と言っている。

“ブラウザさえあれば誰もが自由にWebサイトを作れるべきだ”、と彼は述べる。

  1. pagecloud12.jpg

  2. pagecloud11.jpg

  3. pagecloud10.jpg

  4. pagecloud9.jpg

  5. pagecloud8.jpg

  6. pagecloud7.jpg

  7. pagecloud6.jpg

  8. pagecloud5.jpg

  9. pagecloud4.jpg

  10. pagecloud3.jpg

  11. pagecloud2.jpg

  12. pagecloud1.jpg

  13. pagecloud13.jpg

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スマート懐中電灯のFogo、Kickstarterでキャンペーン開始

Fogo Digitalのことは、今年のCESハードウェアバトル参加者として覚えている読者もいるかもしれない。そのFogoがスマート懐中電灯をKickstarterでデビューさせた。

Fogoの懐中電灯には、GPS受信機、位置座標を表示するための画面、内蔵バッテリーでスマホを充電するためのUSBポート、および今後販売が予定されている別売専用モジュールを追加するためのスマートポートがついている。

Fogoの1月のプレゼン以後、本誌は懐中電灯とモジユールのより具体的な内容と発売時期に関する情報を得た。Kickstarterの初期支援者は、懐中電灯単体が175ドル、トランシーバー機能モジュール付きなら225ドルで手に入る。早割終了後は、それぞれ25ドル高くなる。

トランシーバーの他にFogoは、衛星モデム、レーザー測距機、雪崩ビーコン等のモジュールを計画している。Fogoの共同ファウンダー、Tyler Gilbertは先週私に、衛星モデムが最優先項目で来年初めに提供する予定だと言った。他のモジュールも2016年中に販売される。

Fogoの外観デザインは、われわれが最後に見てから少し変わっていた。画面周囲のステンレス製ベゼルは、GPS受信能力を上げるために強化プラスチックで置き換えられた。GarminとGoProマウントのためのアダプターも開発中だ。

ソフトウェア面では、Active Battery Managementという新機能をGilbertは説明した。「GPSデータ、周囲の照明条件、バッテリーの充電状態、および推定移動期間に基づいて、懐中電灯の明るさおよびGPS追跡速度を最適化することによって、使用中にバッテリーがなくなることがないようにしている」。C++を使える人なら、API経由で機能をカスタマイズすることができる。

同社はクラウドファンディングで12万5000ドルの資金調達を見指している。出荷は9月(早割分)または10月の予定。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


CES:Peepleは、ドアの向こうに誰がいるかを知らせてくれるスマート覗き穴


Peepleは、ドアの向こうにいる人をスマホ画面に写し出す「つながっている」覗き穴だ。誰かがドアをノックすると、Peepleは写真を撮ってあなたのスマートフォンに送る。あなたが家にいてもいなくても、立ち寄った人をモニターすることができる。Peepleは、CESのハードウェア・バトルフィールドで戦っている。

「使い方は人それぞれです」と、共同ファウンダー・CEOのChris ChuterがCES前の電話インタビューで私に話した。「これが役に立つ重要な理由は、玄関ドアの前は死角だからです。ドアの前で何が起きているかあなたは知る由もありません」

これをセキュリティーのために使う人もいれば、配達人が来たことを確認するために使う人もいるし、電話の発信者番号のように、訪問者をより分けることもできる。初期ユーザーたちは、ドア前の状況をライブツイートしたり、ハウスクリーニングが来るのを見るのに使っていた。そしてもちろん、Peepleはホームパーティーを開いた時、ドアチャイムの大きな音を聞かずにすむためにも価値ある道具になるだろう。

要するに、Peepleはドアをノックした人のログを取るツールだ。Chuterがこのプロジェクトを思いついたのは、幼い息子2人が親の知らない間に家を出て道路で遊んでいた時だった。ドアを内側から開いた時でも、Peepleはそこで起きたことを記録する。

しくみは極めてシンプルだ。元からある覗き穴の前に小さな箱を取り付けるだけ。中にはカメラ、加速度計、バッテリー、およびWi-Fiチップセットが入っている。

誰かがドアをノックすると、デバイスが起動して写真を撮り家のWi-Fiネットワークに再接続する。次に写真とタイムスタンプをPeepleのサーバーに送る。そして、家主のスマートフォンにプッシュ通知がきて誰かが家の前にいることを知らされる。バッテリーは1回の充電で最低6ヵ月使用できる。

テキサス州オースチンを拠点とする3人のチームは、インキュベーター、Highway1の最新学期を卒業したばかりだ。

Peepleは3月頃にKickstarterキャンペーンを開始する予定。価格はまだ決まっていない。しかし一つ確実なことがある。この製品が出荷された暁には、あなたはもう“knock, knock – who’s there?”と言わずに済む。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


締切は今夜! 「深夜」までスタートアップバトルの参加企業を受け付けます

11月18日、19日のTechCrunch Tokyo 2014での目玉企画の1つ、スタートアップバトルの参加企業の受付締切がいよいよ今夜いっぱいとなったので関係者の皆さんにリマインドしたい。締め切りは本日3日金曜日の深夜23時59分だ。

いや、分かる。応募と簡単にいってもスタートアップでの仕事は1人3役ぐらいやっていて、多忙なもの。応募するつもりだったものがウッカリ締切日が来て、気付いたら夜! みたいなことは良くある。そして、実はぼくらの応募フォームにはそれなりの量の質問が用意されているので、提出には時間も必要だ。ということで、実はこれは例年のことだけれど、締め切り時刻は23時59分としつつ、TechCrunch Japanとしては学生が提出するレポートを待つ大学教員のような気持ちで「深夜いっぱい」は応募を受け付けているので、ともかく今夜間に合うように提出してもらえればと思う。

応募はこちらから

Photo / Adam Mayer


急げ! TechCrunch Tokyoスタートアップバトル応募締め切りは1週間後の金曜日!

恒例のスタートアップのお祭り「TechCrunch Tokyo 2014」を今年も11月に開催する。開催まで2カ月弱となってセッションプログラムの告知も順次開始しているが、メインコンテンツの1つでもある「スタートアップバトル」への登壇スタートアップの募集のほうは、実は締め切りが早めなので、イケてる起業家の皆さんにリマイドしたい。

応募の締め切りは10月3日金曜日23時59分まで!

バタバタするウィークデーを避けて、ぜひ週末にでも、こちらの応募フォームからエントリーしてほしい。

今年のTechCrunch Tokyo 2014は渋谷・ヒカリエの広々とした会場を借りている。去年の参加者数はユニークで約1500人。恐らく今年の参加者規模は過去最大になると思うので、ぜひ大勢の観衆、VCやTechCrunchスタッフの前で、プロダクトをお披露目してほしい。告知通り優勝賞金は100万円で、応募資格は、

・未ローンチまたは2014年1月以降にローンチしたデモが可能なプロダクト(サービス)を持つスタートアップ企業(未公開プロダクトを歓迎します)
・創業年数3年未満(2011年11月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。なお、このイベント以前に開催された他のイベントで受賞をしていないプロダクトを優先します。

となっている。事前審査で決勝進出の約10社を選出し、TechCrunch Tokyo 2014の2日目となる11月19日水曜日午後に決勝戦を行う。決勝では各社5分間でピッチをして、さらに5分の質疑応答時間をもうけている。

今年もTechCrunch本家からスタッフがやってきて審査員として加わるので、英語圏でのメディア露出をのぞむスタートアップにとっては売込みのチャンスでもある。ふつうにぼくを捕まえて「US TechCrunchのスタッフを紹介しろ!」と脅してもらえれば、「日本のスタートアップを世界へ」をミッションの1つと考えているぼくとしては全力でご紹介しようと思っている(というか、普段からUSへの紹介はやっているので、ken@techcrunch.com までどうぞという話なのだが)。


今年のTechCrunch Disrupt NYの勝者は・・・・・・Vurb

それは長く苦しい道だったが、ついにDisruptバトルフィールド勝者の栄冠に輝く時が来た。今年の一団は本当にすごかった。27のスタートアップが壇上でプレゼンを行った。ファイナリストの6組は、Boomerang CommerceISI TechnologyMimiMinkShowKit、そしてVurbだった。複数のハードウェアスタートアップに革新的ビジネスモデルや優れたエンジニアリングを含む驚くべき人々だ。しかし、Disruptカップを持ち帰れるのは1組だけ。

スタートアップ各社が、その前でデモを演じてみせたファイナル審査パネリストは、 John Borthwick (Betaworks)、Roelof Botha (Sequoia Capital)、Chris Dixon (Andreessen Horowitz)、Marissa Mayer (Yahoo)、Brian Pokorny (SV Angel)、そしてFred Wilson (Union Square Ventures)の面々だ。

そして、TechCrunch Disrupt NY 2014バトルフィールドの勝者をここに発表する。

最優秀賞:Vurb

Vurbは、ウェブおよびモバイル用のコンテキスト型検索エンジンだ。検索クエリを入力すると、必要な物すべてが検索エンジンを離れることなく手に入る。現在の検索対象は、場所、映画、およびメディア。近く、人、スタートアップ、その他の検索も加える予定だ。例えば、映画を検索すると、予告編、上映時間、レビュー、Netflixでその映画を見るためのリンク、IMDbスコア等が表示される。

Fred Wilsonが少々厳しいコメントを壇上で送った。「これは実に厄介な問題で、誰も解決できないし、いずれ君たちを潰すだろう」と彼は言った。しかし、どうやら他の審査員を説得することには成功したようだ。

Vurbの詳しい記事はここで読める。

情報開示:Vurbのシード出資者の一つはCrunchFundであり、この初期段階VCファンドを共同設立したMichael Arringtonは、TechCrunchのファウンダーでもある。

次点:ISI Technology

ISIテクノロジーは、賢い温水器、Model 1を作っている。見映えはよくないが、実用的だ。このデバイスは、一定温度を保ったお湯を即座に永久に提供する。WiFi接続機能を持ちスマートフォンアプリもある。

これは、温水器のNestと呼べるものだ ― ISI Techonologyは巨大な市場に挑戦している。さらに、今持っている温水器を拡張あるいは強化することもできる。Model 1の価格は399ドル。

本誌の詳しい記事はこちら

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


勝手にペグも回してくれるギター・チューニングマシンがDisruptに登場

Roadieは小さいながら非常に便利なツールだ。ギターのペグをかませて、そしてスマートフォン・アプリケーションに繋ぐ。すると各弦のチューニングを自動で行ってくれるのだ。現在行われているDisrupt NY Battlefieldにて「audience choice」(観客による人気投票)を獲得した。正確にチューニングすることができそして速い。ギターのチューニングを経験したことのある人なら、誰もがきっと欲しくなるのではないかと思う。

「私たちの会社はBand Industries」と言います。音楽関連テックプロダクトに注力しています。音楽に関わるエクスペリエンスをより豊かなものとしたいと考えているのです」と、共同ファウンダー兼CEOのHassane Slaibiは述べている。

最初に作ったデバイスが、このRoadieだ。価格は79ドルで、サイトからプレオーダーできるようになっている。発想は7月を予定しているとのこと。2014年1月にはKickstarterキャンペーンにて、みごと18万ドルほどの資金を調達している。

「レバノンのベイルートにはじまり、2年間にわたり開発に勤しんできました」とSlaibiは言う。その後、中国深セン市のスタートアップアクセラレーター・プログラムのHaxlr8rに参加した。

Roadieは、あらゆるギターに対応しているのが強みのひとつだ。エレキギターでもアコースティックギターでも、あるいはギター風のヘッドがあるものならRoadieを利用することができる(訳注:あらゆるとは言っても、さすがにヘッドレスは無理)。

技術面の説明もしておこう。RoadieはBluetooth経由でスマートフォンに接続する。スマートフォンこそが全体の中で中心的な役割を果たす。弦をはじくとスマートフォンがその音程を認識し、現在の状態をRoadieに伝える。そしてRoadieがチューニングを行うという仕組みになっているのだ。

4人のメンバーが属するBand Industriesは、Kicksatrterキャンペーンに加えてHaxlr8rより2万5000ドルの資金を調達している。今回、Disruptのステージに登場したことにより、今後はさらに多くの人から注目を集めることになるだろう。

訳注:原文サイトではDisrupt運営者側とのQAも掲載されています。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


TechCrunch Disruptヨーロッパの最優秀賞はスマート自転車ロックのLock8に決定!

今日(米国時間10/29)、2日にわたって開催された最初のTechCrunch Disruptヨーロッパが無事閉幕した。ハッカソン、数々の著名人による講演、スタートアップの劇的なプレゼンの後、最優勝賞の最終候補が4チーム残った(Import.ioLock8VoicesphereAsap54)。

今回のDisruptでは数百もの応募チームから厳正な審査の結果14チームが選定された。さらに聴衆の投票と編集部の推薦により、2日目に幸運な1チーム、Integreightが選ばれ、合わせて15チームとなった。最終候補の4チームはTechCrunchのファウンダー、元編集長のMichael Arrington、Index VenturesのNeil Rimer、Lakestarのファウンダー、Klaus Hommels、 500 StartupsのDave McClure、Silicon Valley BankのBindi Kariaによって審査された。

長い真剣な討議の末、審査の結果は以下のとおりとなった。

最優勝賞: Lock8

ロンドンとベルリンに本拠を置くLock8は自転車のスマート盗難防止デバイスを開発している。アメリカでもヨーロッパでも自転車の盗難は大問題だ。このデバイスには各種のセンサーが内蔵され、ワイヤを切断しようとしたりするとアラームを鳴らす。振動センサーだけでなく、温度センサーも内蔵されており、冷却スプレーやトーチによる攻撃も感知する。それでも自転車が盗まれた場合、GPSによって所有者に位置を通報する機能もある。

開発チームはクラウド資金調達を開始して市場投入の準備を進めている。 CTOのDaniel Zajarlas-Fainsodによれば、アメリカ市場での予定価格は199ドル、ヨーロッパでは69ポンドだという。Lock8では、自転車シェアリングを進めようとする自治体にも売り込みを図る計画だ。盗難を防止することによって大幅なコスト削減が可能になるという。


最優秀賞次点: Asap54

Asap54はファッション・テクノロジーのスタートアップだ。これは最近の急成長分野だ。このチームは画像認識技術と人工知能による推薦アルゴリズムを利用してユーザーのファション選びを助ける。ユーザーが自分が関心をもったファッション・アイテムを写真に撮ってAsap8に送ると、システムはそのアイテム、ないしそれとよく似たアイテムへのリンクを送り返してくれる。

Asap54はある面でPinterestとInstagramに似ているが、即座に購入行動につなげることができるのが大きなセールスポイントだ。現在200人のベータテスターに限定公開中で、ユーザーからのフィードバックをベースにさらに改良を加えていくという。現在、2万件のファッション・アイテムがこのシステムで識別可能だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


中小企業に自己機ホスティングのプライベートクラウド環境を提供するSher.ly, セキュリティは完璧

Sher.ly〔女の子の名前〕なんて、ジョークサイトか? いや、違う。このポーランドの企業は、中小企業の手持ちのマシンをセキュアで常時稼働のクラウドに変える。このエンタプライズ向けソリューションは、ファウンダのBlazej MarciniakMarek Cieslaが頑張ったおかげで、一部の読者も想像したと思うが、実装がきわめて容易である。

“それは常時動いているが、アクセスはスマートで、必要なデータを必要なときだけシンクして必要な人にアクセスさせる。自動的無差別的なシンクはしない”、とBlazej Marciniakは言う。“大きなファイルやモバイルでシンクするのは無意味だ。自分だけのストレージとネットワークを使い、よそでは何も共有しない。だから、Sher.lyは本質的にセキュアだ。データとトラフィックは暗号化され、アクセスは招待制のみだしね”。

彼曰く、“われわれはパブリッククラウドを信用しない”。

同社は2012年の11月にGVN Technologyという名前で創業され、PrivacyProtectorというプロダクトを作った。でも、それに対して世の中は無反応だったので、若いスタートアップによくあるように、さっさと方向転換をした。およそ20万ドルの資金を調達して製品を作ったが。でもその出だしは厳しかった。

“金がなくなり、次のシード資金が決まるまでの3か月は文無しのまま操業した”、とMarciniakは言う。“残念ながらポーランドではほかの選択肢が何もなかったから、できるだけ早くアメリカへ行きたいと思った。そしてやっと、アメリカで会社とコネを作った”。

同社の小さなチームは今、新しい機能の実装とアプリケーション本体の改良に力を入れている。“時間が大きなプレッシャーで、毎日が真剣勝負だ”、と彼は言う。今のユーザ数は100、今日はOS Xバージョンをリリースした。今日はまた、本誌のDisruptで一般公開にこぎつけた。

Marciniakは次のように言う: “チームがしっかりしてれば、何でもできる。一人では何もできないね。すぐれたチームなら、国籍などはどうでもいい。使いやすくて、データのセキュリティが完璧ならね。うちの目標は、データデリバリに伴う不安や心配をゼロにすること、顧客が自分たちの仕事だけに集中できる環境を作って提供することだ”。

〔ここにスライドが表示されないときは、原文を見てください。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iOS用簡易アプリ作成ツールAppArchitectはテンプレートなしの自由度が自慢

【抄訳】

RubyやPythonなどとは無縁な簡易アプリケーション制作が、昨年は大ブームになった。そして今年のDisrupt NY 2013のステージには、その新人AppArchitectが登場した。

AppArchitectを使うと、簡単なドラッグ&ドロップ操作だけで、iPhoneやiPadのアプリを作れる。プログラミングの経験は不要だ。

このツールを立ち上げると、まずiPadかiPhoneかと聞かれる。それからダッシュボードへ行く。そこには[Screens]、[Library]、[ Properties]といったタブがあり、背景色や画像やスタイルなどを選べる。背景も画像もテキストも地図もリンクも、すべてドラッグ&ドロップで配置できる。

アプリが完成したらテストと見直し〜作り直しを行う。それからApp Storeに提出して承認を待つ。

協同ファウンダのIlya Zatulovskiyは曰く、競合製品はとても多いけれどAppArchitectにはテンプレートというものがない、それが最大の差別化要因だ。ただしテンプレートがなければ、ユーザは最初から画面デザイン等の構想を自分で持っていなければならない。ユーザのタイプによっては、それがこの製品の欠点かもしれない。

でもテンプレートがないということは、起業家やクリエイターにも、自分でコードを書くプログラマ並の自由度が与えられる、ということを意味する。今のこのプラットホームでは、たとえばゲームを作るのは不可能かもしれないが、Ilyaによると、“このプラットホームは拡張性が完全で、うちのSDKを使ったプラグインをObjectve Cで書けばどんな機能でも実装できる”。〔余計な訳注: AppArchitect自身が多様で充実したコンポーネントライブラリを提供することが重要。〕

【中略】

簡易アプリ制作ツールは最近大人気で、たとえばAppy CoupleYappのように特定の分野(結婚式とイベント)専門のもあるかと思えば、Kleverbeastのようにドラッグ&ドロップであらゆる種類の個人的アプリを作れるのもある。

しかしAppArchitectはそれらの中で、テンプレートがないから自由度が大きいという点では、初めてのタイプだ。過去4か月の非公開ベータでは400名あまりのテスターが使ったが、今日(米国時間4/29)から一般公開される。

AppArchitectは、向こう数か月は無料だ。ビジネスモデルとしては、App Storeへの提出手間賃、プッシュ通知やアクセス分析などのバックエンドサービスを使うアプリは月額料金制、などを考えている。

多様な機能をワンセットにまとめた有料のプロプランも、準備中だ。

そして、今はAppArchitectはiOSのみだが、もうすぐAndroidなどにも拡張される。

Q&A

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))