Apple、中国の特許裁判で逆転勝利

Appleには、知的財産権に関してやらなくてはならないことが山ほどある。しかし、中国の知財権裁判で下された判決には胸をなでおろしたことだろう。金曜日(米国時間3/24)、同法廷は、既に倒産した中国の小企業Shenzhen Bailiのデザイン特許をAppleが侵害したとした2016年5月の裁定を覆した。

裁判はiPhone 6および6 Plusの外観デザインが、Shenzhen Bailiのスマートフォン100Cのコピーだという同社の主張を巡って争われた。この会社は訴訟を起こした時点で「ほぼ存在していなかった」。また、100Cなるスマートフォンを見つけることも困難だった。

当初Appleは、iPhone 6製品ラインの中国での販売を差し止める命令を受けたが、直ちに行政不服審査を請求し、裁判所による追加検討がなされるまで製品の販売を続けることが許可された。被害は最小限だったとみられる。TechCrunchのSarah Perezが当時報じたように、このドラマが始まったときAppleは主力製品をiPhone 7に切り替えた後だった。

今回の裁定を受け、Shenzhen Bailiの弁護団は控訴を予定していると語った。Apple広報はコメントを発表していない。

最近Appleは中国市場で、XiaomiやBBK ElectronicsのOppoおよびVivoブランドなどの出現によってシェアを失っている。それでも依然としてAppleは市場でもっとも利益を上げている会社だ。具体的にはMotley Foolが書いているように、「2016年にAppleは、世界スマートフォン市場全体の利益の79%を占めながら、市場シェアはわずか14.5%だった」。

このたびの知財権裁判の裁定は、中国の法廷が常に地元企業に有利な判決をするわけではないことを少なくとも示した。保護主義的な判決への懸念を引き起こした例はほかにもあった。

昨年の春、革製品メーカーのXintong Tiandiが中国で “iphone” および “IPHONE” の商標を使ったバッグの製作を続けることを裁判所が許可した。Xintong Tiandiはこのブランド名を2007年に登録しており、Appleが中国でiPhoneを販売開始したのは2009年だった。Appleは商標登録の範囲に革製品を含めていなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

渋滞時に誰もが夢見た「あの乗り物」、中国が本気で現実化

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Facebookなどのソーシャルメディア上でいろいろなビデオを眺める習慣のある人ならば、きっと「車の上を超えていく乗り物」のコンセプトビデオを見たことがあると思う。ビデオは中国が制作したもので、乗り物は電車とバスのハイブリッドのような感じだ。

写真やビデオはあちこちに出回っていた。ただしそれらは合成によるもので、ほとんどの人はアイデアとしてはありだけれど実現するわけはないと考えていたと思うのだ。

しかし、中国がやってみせてくれた

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中国の新華社通信によると、実際の路上テストも行う段階なのだとのこと。名前はTransit Elevated Bus(TEB)というそうだ。実験は秦皇島市で行われた。ブレーキングによる燃費性能の変化に関する調査も行ったのだとのこと。

このTEBは電気で動く。長さは72フィート(22mほど)で幅25フィート(8m弱)だそうだ。すなわち複数レーンをまたいで走ることになる。定員は300名(複数台をつなげてより多くの人を運べるようにする考えもあるらしい)だ。実用走行時には時速40マイル(時速65kmほど)を考えているらしい。路上公共交通機関として、十分な速度だといえそうだ。

今回紹介されたものは、あくまでも実験段階のものだ。しかしそうであるにせよ、こんなものを実際に作ってしまうのは面白い。ブラジルやフランス、インド、あるいはインドネシアなどが導入も視野に興味を示しているのだとのこと。

新華社通信のサイトには、走行実験の様子を示すビデオも公開されている。

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(翻訳:Maeda, H

Xiaomi(シャオミ)初のノートPCはMacbook Airのライバルで540ドルから

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中国のスマートフォンおよびスマートデバイスメーカー、Xiaomiが同社初のノートPCを発表した ― そしてそのルックスは「A」で始まる会社の製品とよく似ている。

中国のIT巨人は今日のプレスイベントで新しいスマートフォン、Redmi Proを発表したが、さらにMi Notebook Airを被露して人々を驚かせた。名前まで聞き慣れているって?

ノートPCのサイズは2種類 ― 13.3インチと12.5インチ ― 、フルHDディスプレイ塔載でWindowsが走り、フルメタルボディーにタイプCのUSB充電とUSBスロット2つを備える。フルサイズのキーボードは個々のキーがApple風にバックライトで照らされる。同社のソフトウェアであるXiaomi Synchがプレインストールされており、Xiaomiスマートフォンとのデータ同期やウェアラブルのMi Bankを使ったノートPCのアンロックが可能。

価格は12.5インチモデルが3599CNY(人民元)、約540ドルからで、大型のメインモデルは4999 CNY(750ドル)。海外での発売は期待しないこと。なぜならXiaomi製品の多くは ― 特に新規参入のカテゴリーでは ― 中国のみが対象だからだ。今わかっているのは中国で8月2日から売り出されることだけだ。

内部にはIntel Core i5プロセッサーとDDR4 RAM 8GBおよび256GBのPCI SSD と拡張スロットが入っている。ゲーム用には専用グラフィックカードのNVIDIA GeForce 940MXがある。サイズは306.9 mm x 210.9 mm x 14.8 mmで、重量は1.28 kg。

小型モデルではスペックがやや下がり、Intel Core M3プロセッサー+内蔵グラフィックカードにRAM 4GBおよび拡張可能な 128 GB SSDが載る。

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例によってXiaomi製品を比較する基準はAppleだ。中国メーカー曰くMi Notebook Airは、同等のMacbook Airより薄く(13%)、5.56 mmのベゼルの効果でサイズはライバルより11%小さいという。

XiaomiのノートPCについては昨年から多くの憶測が飛び交っていたが、こうして実際の製品となった今、果たしてXiaomiがこれを何台出荷するのか興味深い。ちなみにこの会社は450億ドルという膨大な評価額の正当化に苦慮しているところだ。同社は2015年に「7000万台以上」の端末を販売しており、業界他社の多くが出荷を減らす中で前年の実績を上回ったことは評価に値するが、Xiaomiの当初目標には届かなかった。加えて、同社のスマートホームへの取り組み ― Xiaomiが中国消費者のための製品エコシステムを構築するというアイデア ― は未だに結実していない。

スマートホームはXiaomiの巨大な評価額を支える重要な促進力だ。ハードウェアビジネスは Xiaomiの賢い部品調達方式をもってしても薄利で競争が熾烈なため、点と点をつなぐデータとサービスのビジネスは、Xiaomiがライバルと一線を画すのに一役買うことになるだろう。

ノートPCは不必要な製品ラインだと見る向きもあり、モバイルファーストのインターネットユーザーが中心の中国では特にそうだが、ノートPCは中国消費者世帯のつながるデバイス全部を所有するというXiaomiの野望にぴったりあてはまる。少なくとも、あらゆるタイプのインターネット接続ハードウェア製品にとって魅力的なオプションであることは確かだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ガートナー曰く、2016年におけるスマートフォンの販売成長率は1桁台に後退見込み

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ICTアドバイザリー界の大手であるガートナーによれば、今年はスマートフォン販売の成長率が大幅に落ち込む見通しなのだそうだ。2015年は14.4パーセントの成長率だったものが、2016年には7パーセントまで下がる見込みであるとのこと。全世界をあわせても、今年のスマートフォン出荷額は15億ドルにとどまるみこみなのだそうだ。

成長率が最も高かったのは2010年で、前年比73パーセント増を記録していた。

スマートフォン市場の停滞については1年以上前から指摘されてはいる。先進欧米市場は飽和状態に近づいていて、また需要が先細る中国においても成長が鈍化しているからだ。モデルチェンジの際も、既存機能の性能アップ程度であることが多くなり、新モデル発表のたびに端末を買い換えるモチベーションも下がってきている。また、キャリアによる買い替え助成的意味をもつキャンペーンなども姿を消しつつある。

普及段階にあっては高額なスマートフォンの買い替えサイクルも2.2年ないし2.5年程度となっていた。それが3年以上と長くなりつつあるのが現状であるのだとのことだ。

もちろん、インドなどでは大いに成長の余地があるのだとも、ガートナーは言っている。フィーチャーフォンが販売台数中61パーセントを占めていて、スマートフォンの価格が十分に下がれば、一気にスマートフォンに買い換えるような展開も有り得るからだ。

インドにおける、今年のスマートフォンの販売台数は1億3900万台程度だそうで、これも昨年比で29.5パーセントの増加となる。しかしインドにおける携帯電話機の売れ筋価格は70ドル程度であり、そのような中でスマートフォンが売れるためには、価格帯が120ドル以下程度であることが必要なのだそうだ。すなわち、インドでいきなりAppleが大ブレイクということにはならなそうだ。しかし、インドのOEMメーカーであるIntexと契約を結んで、提供するSailfishなるスマートフォン向けOSの販路拡大を狙っているJollaなどにとってはチャンスと言えるだろう。

インドにおいて、はじめてSailfishで動作するIntex Aqua Fishは、120ドル未満の価格で今年中に市場投入される予定となっている。ただし、開発には遅れもあるようで、先月の広告では「数ヶ月のうちに登場」という表現になっていた。

中国をみてみると、スマートフォンの売り上げは横ばいとなっている。ガートナーによれば、5年のうちの成長率もさほど高いものとはならないだろうとのこと。市場は飽和状態になっており、また価格競争も激しい地域だからだ。ちなみに昨年は、携帯電話機のうち95パーセントがスマートフォンであったとのことだ。これからの成長を伺う中、地元の市場が飽和状態となってしまっていることはXiaomiなどにとっては厳しい話だといえるだろう。同社は先月、マイクロソフトと特許権購入についての契約を結び、海外での成長戦略を模索しているところだ。

一方でガートナーは、中国においては新たなベンダーが登場してくる余地もあるとしている。2018年までには、新しいスマートフォンメーカーが中国内のベスト5スマートフォンメーカーの一角に割り込んでくると見ているそうだ。「インターネット関連企業は、モバイルデバイスの開発に力を入れつつあります。サービスの利用者を拡大し、さらにロイヤルティをもってもらうために自社開発のデバイスを提供しようとする動きが拡大しているのです」と、ガートナーのアナリストであるAnnette Zimmermanは言っている。

また、アフリカにおけるサハラ以南の地域についても、スマートフォンベンダーにとっては魅力的なところだとしている。この地域では、昨年になってようやくスマートフォンの売り上げがフィーチャーフォンを上回ったところだ。この地域における動きも活発化していて、たとえばノキアは、一世を風靡したノキアブランドの使用許可を新興のスマートフォンOEMメーカーであるHMDに与えることで、この地域における市場拡大を目指している。

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(翻訳:Maeda, H

中国がインターネットユーザー全員の実名による登録を義務付けへ

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中国が、モバイル番号の登録をすべて実名で行わせる取り組みを再開している。国営の通信社China News Service(Google Translateからのリンク)によると、政府は中国でSIMカードを購入する者は、外国人も含めて全員、パスポート等の本人証明を提示すべし、と布告した。

その記事によると、今現在1億以上のSIMカードが実名で登録されていない。かねてから中国のMinistry of Industry and Information Technology (MIIT, 中華人民共和国工業情報化部)は、6年以上使用するモバイル番号を取得する際は実名を用いるべし、としている。MIITは、実名による登録はインターネットユーザーをオンライン犯罪から守る、と主張しているが、しかしもちろん、それにより検閲がやりやすくなる。

実名規制の実施の開始にあたってMIITは、中国の三つの通信企業、China Mobile, China Unicom, およびChina Telecomに、この規則を守らせようとしていた。そして2012年には、人気のマイクロブログサービスSina Weiboに命じて、ユーザーのアカウントにIDカードやモバイルフォーンの番号を伴わせるようにした。その後TencentのWeChatがSina Weiboの人気を上回るようになると、国はすべてのメッセージングサービスに対して、ユーザーの実名登録を義務付けた

さらに最近中国政府は、オンライン決済サービスのAlipayとWeChat Payに対して、7月1日までにユーザー名にID番号または中国本土の銀行口座情報を付随させよ、と命じた

しかしこれまでの6年が何かを語っているとするなら、中国は今後も依然として実名登録制の実施に困難を抱え続けるだろう。なによりもまず、偽のID番号や名前を使って規則を出しぬくことが、簡単にできる。そのことを、Tech In AsiaのCharles Custerも指摘している

ユーザーではなくサービスを提供するテクノロジー企業に強制しても、あまり効果はない。そもそも、彼らの何億というユーザー全員のアカウントを彼らの本人性に結びつける作業は時間と費用がかかりすぎてほぼ不可能であり、彼らのビジネスに負の効果をもたらすこともありえる。たとえばSina Weiboの場合は、実名登録規則以降、ユーザーの新規登録が落ち込んだと主張されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AppleのGarageBand、最新アップデートで中国伝統楽器のサウンドを採用

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Appleの、世界第2位の地域市場、中国に対する関心の高まりは、最近のDidi Chuxingへの10億ドルの投資に留まらない。中国での存在感を高めるべく、同社はそのコンテンツ作成ツールに、この国の創造力と想像力を取り込もうとしている。

今日(米国時間5/16)Appleは、音楽製作ソフトウェア、GarageBandのiOS版とMac版のアップデートを公開し、プログラムに中国伝統楽器のサウンドを本格的に組み込んだ。

既存ユーザーに無料で配布されるこのアップデートには、何種類かの中国楽器とスタイルを考慮した300以上のループが追加されており、guzheng(古箏)、dizi(笛子)、yangqin(揚琴)や、北京オペラ等がGarageBandの中国音楽コンテンツライブラリーに加わった。

伝統的響きのループで遊んだ後、ユーザーは新しい中国楽器で独自のカスタムサウンドを作ることができる。pipa(中国の琵琶)、erhu(二胡)、中国の打楽器等の音もある。3D Touchでビブラートや強さをリアルタイムで制御して、新しい楽器の複雑さを感じたり、コードをいくつかタップして、pipaやerhuの演奏をオートプレーに任せることができる。

新しい楽器とループの追加に加えて、Appleは中国のユーザーがGarageBandの楽曲を、当地で人気の高いソーシャルネットワーク、QQ、Youku等で簡単にシェアできるようにした。

もちろんこれは、GarageBandで最大のアップデートではないが、Appleが中国のユーザーを引きつけニーズを満たすために、MacとiOSのクリエイティブソフトウェアをどれほど密に統合できるかに注目していることを示す兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国がドメイン名の歴史を作る

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【編集部注:Alan DunnはCrunch Network寄稿者。NameCorpのマネージング・ディレクターで、デジタルネーミングの専門家、ブランドコンサルタントでもある。】

短いドメイン名の価値は常に高いものだが、今の企業が短いドメイン名を取ろうとすると、非常に高くつく。非常に。

今、殆ど知られていない市場が現れつつあり、毎月何千万ドルもの金が動いている。過去2年間で中国は最大のドメイン名バイヤーとなり、インターネット始まって以来のドメイン名投資物語が始まっている。

中国の投資家(および他のドメイン採鉱者)は、数字や短いドットコムを恐ろしい速さで買い漁っている。

ICANNポリシーに詳しいGeorge Kirikosは11月14日に、「676の2文字 .com ドメイン名のうち136を中国人登録者が所有しており、20%の壁を越えた(正確には20.1%)」とツイートした。

同じ週にTheDomains.comは、最近Verisignが、直近の3週間に320万件の新たなドットコムドメインが登録され、第2四半期全体よりも多かったと報告したという記事を書いた。

かつてドメイン名所有者が企業からのアプローチを待って持ち続けていた市場は、にわかに流動性の高い市場へと変わりつつある ― 過去10年間パズルに欠けていたピースだ。

伝統的に価値が低いとされる文字からなる3文字ドットコムは、1万~1万5000ドル程度で販売されていた。今は、5万ドルを超える勢いだ。

ドメイン名に対するこの新たな需要は容易には理解できない。

欧米の投資家は未だにこの中国市場に追いつき理解しようとしている段階だ。英語であまり使われない文字 ― q、z、j 等 ― は中国ではプレミアと考えられている。一方母音はプレミアではない。母音や v を含むドメイン名の価値は低い。

DNJournalを発行するRon Jacksonは、Give.com、Amber.com、Classic.com等の販売について定期的に報告している。しかし、現在の報告は殆どが短いドメイン名だ。実際、今年の販売トップ10(いずれも50万ドル以上)のうち9件が3文字以下だ。

買い手との接触方法さえも変わった。殆どの取引は中国でQQ ― 中国最大のインスタントメッセージングシステムだが北米では殆ど知られていない ― を通じて成立している。eNamingのTracy Fogartyがこう説明している:「殆どの提示はQQを通じて送られる。メールを使う人はおそらく10人に1人で、電話はもっと少ない」。

この爆発は多くの大金持を生んだが、それは一般に想像される人々ではない。多くの業界古参が乗り遅れた ― 何が中国人にとって魅力かを分析する方法を理解できなかった。この市場の長期的価値を疑う者もいるが、多くはこの先に倍賭けしようとしている。ハリウッド物語のあらゆる要素がたった今起きている。
市場動向調査の優れたサイトの一つがChaomi.ccで、販売履歴をグラフで見せている(外為や金等の相場と同様)。香港のドメイン投資家、Franky Tongの説明によると「chao mi」の文字通りの意味は「炒飯」だが、「ドメイン投機」の意味もある。ここからも、欧米投資家がデータ分析で手一杯らしいことがわかる。

過去5年間、ドメイン名登録の驚くべき節目がいくつか達成された。

  • 数字5桁の .com がすべて登録された。
  • 数字5桁の .net がすべて登録された。
  • 数字6桁の .com がすべて登録された。
  • 数字7桁の .com のうち、888で始まり888で終るか、ほぼあらゆる繰り返しパターンのものがすべて登録された。
  • 中国のプレミア文字を含む4文字 .org がすべて登録された。

数字8桁の .com ドメイン(1億種類ある)でさえ、0または4を含まない人気パターンを探すことは今や困難になりつつある。

一時の流行か、それとも歴史のはじまりか?

中国は米国とは全く異なる文化であり、富に関しては特にそうだ。中国の国民は貯蓄と富を築くことの重要性を習って育ち、われわれの消費者中心社会とは対照的だ。

短いドメイン名は今やコモディティーとなった。

裕福な人々は投資を好み、中国人投資家は移動可能な富に貪欲だ。Bitcoinの台頭はすぐに中国市場と結び付けられたが、中国規制当局が中国元による預金を禁止したため長くは続かなかった。Bitcoinは北米以外の多くの所有者にとっても(未だに)流動性の問題を抱えている。

しかしドメイン名は違う。まず、ドメイン名の稀少性は完全であり測定可能だ。2文字 .comや3文字 .comや8を含む4桁数字 .com の数は予め決まっている。

事実、何百万もあるように思えるドメイン名も、Bitcoinでは起きたこともないような稀少供給のプレミアムドメイン名へと容易に絞り込める。

ドメイン名に対するこの新しい需要を理解するのは容易でないが、それができた一部の人々はこの一年でほぼ一世代分の富を手に入れた。数十万ドルを稼いだ人々も数多い。

短いドメイン名は今やコモディティーとなった。流行は現れては消えるが、私にはこれが一時の流行とは思えない。今後浮き沈みは起きるのか?もちろん。しかし、われわれは歴史の始まりを目撃しているかもしれない ― 誰も予想していなかった確固たる市場を。

たぶん、あのドメイン名を買っておけばよかったということなのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DJIが農地の害虫駆除専門のドローン機種を発売、消費者市場よりも大きな市場をねらう

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中国深圳のDJIといえば、消費者向けドローンの高級品で有名だが、しかし同社の最新モデルを見るとドローンメーカーたちの今後の競合は、一般消費者市場ではないところで戦われる、という気がしてくる。

ローターが8つあるドローンAgras MG-1は、より安全な農薬散布の方法を提供することがねらいだ。これまではヘリや小型飛行機、何らかの陸上車、あるいは化学薬品を背負った人間が手に噴霧器を持って散布していた。

DJIによるとこのドローンは、一時間で7から10エーカーの農地に散布できる。

Wall Street Journalの記事によると、Agras MG-1の価格は約15000ドルで、中国と韓国で発売され、その後ほかの国向けの予約販売を開始する。数か月前Accelから7500万ドルを調達したDJIは、さまざまな業界に専門的に取り組むドローンソフトウェアのデベロッパの、エコシステムを作る気だ。ライバルのYuneecとEHANGも、それぞれ6000万ドル4200万ドルという大きな資金を獲得して、商用ドローンの開発に注力しようとしている。

 

 

農家以外の人は、Agras MG-1にそれほど関心を持てないかもしれない。これまでドローンの商用利用といえば、航空写真(やビデオ)の撮影とか、eコマースのデリバリが主に話題になっていた。でも農業は、今後最大のドローン市場になると予想されている。

Association for Unmanned Vehicle Systems International(国際無人機協会, AUVSI)によると、将来的に農業用ドローンは商用ドローン市場の80%を占める。Agras MG-1のような殺虫剤を散布する機種は、ドローンの農業利用のひとつの例にすぎない。ほかにもたとえば、高解像度のカメラを搭載した機種は作物の生育状態をモニタし、病害や干ばつの兆候を早期に教えてくれるだろう。

ただし農業経営は今どこの国でも厳しいから、今後はドローンがもたらす利益を具体的にかつ数字を上げて、農家に訴求していく必要がある。Agras MG-1は確かに、農業労働者が化学物質にさらされる時間を減らしてくれるが、現在の農薬散布方式に比べると、農地の単位面積あたりの費用が高い。しかも、一回の飛行でカバーできる農地面積も小さい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

超軽くて超クールなStaryの電動スケートボード、電池もモーターもどこかへ消えている

電動スケートボードは建前としてはクールだけど、本音としては、今やあまりにもありふれている。ほんとにいいのが欲しければ、中国に行くべきだ。

でもご心配なく。中国へはぼくらが代わりに行ったし、きみの代わりに良いスケボーを探してきた。

今月初めに行われたTechCrunch Beijingで、Staryのチームと仲良しになった。上海のとてもクールな会社で、CEOのRex Chenが、Staryのボードのデモを見せてくれた(上のビデオ)。このスケボーは、この前のKickstarterのキャンペーンで、目標額10万ドルに対して74万ドルも集めて、一躍注目された。

Staryのボードは最高時速18.6 MPHと速いけど、ものすごく軽い。電池は外付けでなく、ボード本体に収まっている。そしてモーターはどこだ? 後輪の中にひっそりと入っているのだ。さらに、片手に収まる小さなリモコンには、ぼくみたいな初心者のためにブレーキ(停止ボタン)もある。

つまりこれは、世界でいちばん、出しゃばらない電動スケートボードだ。

Kickstarterに間に合わなかった読者は、Stary.ioで買える。899ドルだ。ただし発売は2016年3月である。スケボーが大好きな人には、それぐらい待つ価値が十分にあるだろうね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

中国は、サイバーセキュリティー対策に同調するのか

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中国政府は米国政府の要請に応じて複数のハッカーを逮捕した。 中国国家主席習近平が米国を訪問する2週間前のことだ。

逮捕のニュースは金曜日(米国時間10/9)にWashington Postが報じ、中国のサイバーセキュリティがやや進歩した証であると伝えた。それは、オバマ政権が中国に対し、米人事局侵入をはじめとする同国が関与したとされる注目のハッキング事件を受け、厳しい経済制裁を行うと脅して緊張が高まる最中に起きた。

最近中国は、米国に対する攻撃を抑制すると発言していたが、今日の記事は中国が行動を起こしていることを明らかにした。この逮捕は、2週間前に米国が中国と交わしたサイバー協定よりもおそらく意味がある。当時多くの人々が空約束にすぎないと心配していた。

協定は歴史的合意であると言え、それは両国がサイバーセキュリティについて対話可能であることを示したからだった ー この問題は二国間に長年緊張をもたらしてきた。ホワイトハウスは概況報告書にこう書いている:

米国と中国は、両国政府とも企業機密その他の秘密ビジネス情報を含む知的財産権のサイバー犯罪を、企業あるいは商業部門に競合優位性を与える意図を持って、実行あるいは故意に支援しないことに合意する。

しかし、これはすぐにサイバーセキュリティ分野の専門家から批判を受けた。LawfareのPaul Rosenzweigは、協定に対し皮肉をこめてこう見出しを付けた「今の方がずっと安心できる」。協定は曖昧であり両者がどう責任を持つかについてほとんど説明がなされていなかった。

しかしStandord大学のサイバーセキュリティ学者、Herb Linは、このおかげで首脳会談が物別れに終わらなかったとしている。彼は、双方とも行動を起こす必要があった、と言った。

金曜日の報道は、その注意深い楽観論を裏付けた。米国と中国は両国間の協定を支持するために、今後も行動を起こし続ける必要があるのは明らかだが、少なくとも今回の逮捕は、中国が変わるためのドア開いたことを示している。

真のテストは、中国がいつまで協定を守れるかだ。習近平が米国を離れたわずか数日後、 The Daily Beastは、軍の仕事を請け負う米国企業を中国スパイが今もハッキングしていることを報じた。厳密に言えば、国家安全保障を目的としたこうしたハッキングは、必ずしも中国の商業的関心によるものではないが、最近の協定がいかに危ういかを浮き彫りにした。

逮捕も協定も、中国との関係改善に向けて有望な一歩を示すものたが、それは非常に長いであろう道のりのほんの始まりにすぎず、ただ一つの違反によっても脱線しかねない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Androidの第2四半期の成長は伸び悩む―iPhoneは中国で圧倒的勝利(Gartner調べ)

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Gartnerが発表した’s 2015年第2四半期の世界のスマートフォン市場のレポートによれば、成長率は 2013年以来最低となった。この四半期のスマートフォンの販売台数3億3000万台で対前年同期比で13.5%の増加にとどまった。

Gartnerのアナリストによれば、この成長鈍化の主要な原因は中国市場の飽和にある。Gartnerは7月にもこの点を指摘していた。中国は1国で世界のスマートフォン販売台数の30%を占める最大の市場だ。

Gartnerの調査アナリスト、Anshul Guptaはコメントで次のように述べている。「この四半期では、中国市場の不振がスマートフォン市場全体の不振を招いている。中国ではスマートフォンの普及はすでに飽和点に達した。市場は買い替え需要に頼る段階に入っている。低価格の入門機を別にすれば、メーカーが中国市場で成長を維持するためには、上級機への買い替えを喚起する必要があり、フラグシップモデルの魅力をいかにアピールできるかがカギとなる。」

中国ではAndroidの頭打ちと対照的にAppleの好調なパフォーマンスが目立っている。 Gartnerによれば、AppleのiOSはここ3四半期連続でAndroidからシャアを奪っている(ことにファブレット・サイズの iPhone 6 Plusはアジアでのシェア拡大に大きな役割を果たした)。

Guptaによれば、成長率は伸び悩んでいるとはいえ、Android OSは依然として世界で82.2%のシェアを握っており、第2四半期の対前年同期比成長は11%だった。一方、AppleのiOSのシェアは
14.6%で、対前年同期比で15%台の成長を記録した。iOSのシェアは昨年同期に比べて12.2%アップしている。

Gartner

「Androidの市場シェアはこれが限界なのか?」というわれわれの質問に対してGuptaは「そうかもしれない。われわれはAndroidの最大シェアを82%程度と考えていた。しかし去年は83.5%から 84%程度までアップしていた」 と答えた。

またGuptaは「しかし世界的にみれば数量ベースではまだ拡大の余地が十分にある。今年のスマートフォンの販売台数は合計で12億台から12.5億台くらいだろう。全モバイル・デバイスの販売台数は18億台程度になるはずだから、まだ3分の1はスマートフォン・ベースになっていない。今後もAndroidは80%以上のシェアを維持するだろうから、販売台数の増加余地は大きい」と説明した。

GoogleのAndroid Oneは、自ら主要なベンダーになろうとしているというより、Android製品のさらなる競争を促すための呼び水という性格が強いとGuptaは見ており、「これによって途上国市場にAndroid Oneのライバル製品が多数現れた。またXiaomi、OnePlus、MotorolaなどがOSのアップデートを直接ユーザーに提供するようになったが、これもAndroid Oneの特長だ」と付け加えた。.

個々のメーカーについてGartnerのレポートを見ると、SamsungがGalaxy S6をリリースしたにもかかわらず、対前年同期比で4.3ポイントも市場シェアを落としたのが目立つ。販売台数も5.3%の減少となった。

対照的に、iPhoneの販売台数は36%アップし、 Appleのスマートフォンのシェアは 2.4ポイントアップした。Gartnerによれば、Appleは途上国、先進国、新規ユーザー、買い替えユーザーのすべてで強く、特に中国でのパフォーマンスは圧倒的だ。ここでは iPhoneの販売台数は68%もアップして1190万台が販売された。

Gartner

【後略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lenovo、四半期決算の悪化を受け、3200名のレイオフを発表

世界最大のPCメーカーであり、さらにスマートフォンメーカーとしても5位の位置につけるLenovoが、従業員3200名のレイオフを発表した。前四半期の不調を受け、財政状況を改善しようとする狙いをもつものだ。

Lenovoのアナウンスによれば、レイオフの対象は非製造部門の人員で、今回のレイオフにより従業員数は5%減(非製造部門のみでの割合をみれば10%減)となるのだとのこと。これにより年間で10億3500万ドルの節約になるそうだ。レイオフ発表の前に行われた決算報告によれば、昨年比でみた営業利益は50%以上(1億500万ドル)の減少となっている。

売上についてみれば、昨年よりも3%増加した107億ドルとなっている。しかし世界規模でのPC需要の低迷と、中国の(やはり縮小傾向にある)スマートフォン市場における競争の激化が利益の減少をもたらしている。またラテンアメリカにおける為替変動がLenovo本体および子会社となるモトローラ・モビリティの足を引っ張ってもいる。

「この四半期は、ここ数年において最も厳しい状況にあったといえると思います」とLenovoのCEO兼チェアマンであるYuanqing Yangは述べている。「長期的な、持続可能な成長を実現するため、先を見越した対応を全社的に行う必要があると判断したということです」。

なお、レイオフと同時に不良在庫化していた3億ドル分のスマートフォンの償却も行った。さらにスマートフォンビジネスにおいて、モトローラ・モビリティとの連携を強めていくために6億ドルを投じたリストラを行うことも発表している。

最近の決算報告では、Android市場における厳しい発表が相次いでいる。たとえばHTCは2億5200万ドルの営業損失を出して新たな可能性を模索する中、企業価値が事実上ゼロとなる事態も発生している。韓国でもLGの売上は下落し、そしてSamsungもスマートフォン部門での不調が続いている。さらにいえば日本のソニーもスマートフォン分野における苦戦を続けている。

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(翻訳:Maeda, H

2015年Q3、iPhoneの販売台数は前年比35%アップの4750万台

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ことiPhoneに関して、Appleはとどまるところを知らないようだ。

爆発的四半期を2度続けた後 ― Appleは2015年Q1にiPhoneを史上最高の7450万台販売し、Q2には6100万台売った ― Appleは伝統的に動きの遅い四半期をのiPhone販売台数を4750万台で終えた。これは対前年比35%増だ。

アナリストの予測は5000万台、前年比42%増だった。言い換えれば、今期のiPhone販売台数はアナリストの予測をわずかに下回った。

iPhoneの販売は前期を下回り、前期はその前期を下回っていたが、重要なのは、通常秋の新機種発表は直前数ヵ月の販売低調を意味していることだ。

それでもiPhoneは、Appleが中国をはじめとする新市場を開拓する中、支配を続けている。同社は香港で4番目の店舗を開くことを発表した。中国全体では23番目になる。

iPadの販売をわずかに下がり、Appleは2015年Q3に1090万台を売った。アナリストの共通見解は、1100万台だった。

昨期もAppleはiPadの販売でアナリスト予測に届かず、前年同期の1600万台に対してわずか1260万台だった。今期の1090万台は前年比18%減、前期比13%減だった。もちろんこのカテゴリーは未だに新しいため ― iPadは発売からわずか5年 ― iPadの減少傾向が今後も続くかどうかはわからない。

それでも、Appleの最新iOSソフトウェアには、iPadでの画面分割マルチタスクと新しいQuickTypeキーボード(指をカーソル代わりにできる)が加わり、主として消費型ツールだったiPadを、生産的な使い方へと変身させる可能性がある。

一方Macは未だに上り調子で、Appleは6月28日までの3ヵ月間に470万台を販売した。これは前期比5%増、前年比9%増にあたる。

これはPC業界全体が不振を続ける中、極めて印象的だが、Appleの成功の大部分はリフレッシュされたMacBook ProとiMacのおかげだ。新しい、あり得ないほど薄いMacBookは4月10日(同四半期開始数日後)に発売開始され、改訂された15インチMacBook Proと27インチiMacが5月中旬に店頭に並んだことで、3製品共に輝く時間があった。もちろんこの夏には新学期に備えてデバイスを買い込むに違いない。

Appleは、Apple TV、Beats Electroncs、iPod、および話題の多いApple Watchについては個別の販売数を公表していないが、カテゴリー全体では26億ドルを売上げ、前年比49%増だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TechCrunch Chinaで見た中国スタートアップが晒されている異常な競争環境

編集部注この記事の筆者である宇佐美峻氏はmikan共同創業者で、英学習アプリの「mikan」を提供している。6月8日、9日に中国・上海で開催された「TechCrunch China: Shanghai」に参加して感じたことを、日本の若き学生起業家の視点からレポートしてもらった。

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すべての基本はWeChat

すでに多くの人が知っているとおり、中国といえばメッセージングアプリのWeChatの勢いがすごい。MAUが5億人を超えているという規模がすごいだけでなく、機能や利用シーンの多様さという意味でも、LINEの数年先を行っているという声があるほど、いまや中国ではWeChatが生活や仕事のインフラとなっています。タクシーの支払いもWeChat、弁当の支払いもWeChat、Facebookの代わりに友達とWeChat、そして名刺交換の代わりにWeChat、企業アカウントにいいねしてもらう代わりに、やっぱりWeChat。完全にWeChatがインフラ化しているのだと感じました。TechCrunch China: Shanghaiの会場で出会った人とも、話をしていて最後の方になると、必ず「WeChatやってる?Addして!」というコミュニケーションが発生します。

中国人は英語がペラペラ?

上海は国際的な都市で、日本人が起業するなら北京よりも上海のほうがやりやすいと聞いています。ただ、TechCrunch China: Shanghaiの会場には思ったよりも人が少なく、地元上海の人は少ない印象でした。逆に北京や香港、台湾、韓国から出てきているスタートアップが多くて、全体の5割くらいいたと思います。ちなみに、日本企業としての参加は、中国展開もしているKii Cloudの1社のみ。

各社ブースでは、ほとんど英語が通じませんでした。英語で話しかけると、声をかけられた人はコソコソと後ろの方に下がってしまって、違う人が出てきます。でも、出てきた人もちょっとしか喋れないといういう感じでした。

その一方、驚くの若い人たちの英語力。ボランティアスタッフは高校生ばかりでしたが、話を聞いてみると、9月からはカーネギーメロン大学を始めアメリカの有名大学に通うことになっている、というようなエリートたちでした。中国のスタートアップイベントでは、参加者たちよりも、その予備軍ともいえる、ボランティアの彼らの方がよっぽど英語ができた感じです。

中国のスタートアップは日本の100倍デカイ

中国のテック企業の規模はデカいです。例えば、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)と言われる中国テック企業の御三家の時価総額は、それぞれ9兆円、26兆円、23兆円です。日本のテック系企業であるDeNA、GREE、mixiなどの50〜100倍以上。さすがにソフトバンクや楽天、Yahooは2.5兆円〜8兆円程度ありますが、それでも時価総額では負けています。

まだ駆け出しのスタートアップでも差がありまます。日本だとdely(調達額は推定5000万円)に相当するデリバリーサービスの饿了么(ウーラマ)が、すでに4.6億ドル(500億円以上)調達したりしています。こちらに至っては、その差は1000倍以上です。

中国のスタートアップが晒されている異常な競争環境

セッションを聞いていて感じたことは、こんなに国内市場が大きいのに、それでも中国の人たちは常にものすごい危機感を持っているということです。危機感の原因は3つあるかと思います。

1つ目はBATの存在。ソフトバンクの2倍以上ある超巨大テック企業が虎視眈々と狙いをつけてM&Aを繰り返している環境なので、普通に戦っているとミスした途端に即座に喰われます。

2つ目はバブル。今がバブルで、近いうちに弾けるだろうということは冷静に認識していて、それでもどうやって生き残るのか、その上でどうやってBATに勝つのか、とみんな必死に考えています。

最後はグローバルでの苦戦。いかに国内市場が大きいといっても、まだまだ中国のプロダクトやサービスが海外で勝てているとは言えない状態です。そのことに彼らは大きな不満や悔しさを感じています。こんなに熾烈な中国国内の環境で戦っているのに、国内で勝てて海外で勝てないわけがないという思いがあるようです。

国内スタートアップのヒーロー、ドローン世界一のDJI

その中にあって、最近話題のドローンで世界ナンバーワン企業となっているDJIテクノロジー社は中国スタートアップ界でのヒーローとなっています。初めて海外でも成功した中国スタートアップとしてみんなが注目していて、セッションでは成功の秘密を聞いていました。DJIのスピーカーは、こんな風に答えていました。

「中国企業が海外に進出するのは本当に難しい。安さ以外の面で、品質、ブランドなどを確立するのは難しい。DJIがそれに成功したのはリーダーの強いこだわりによるところが大きい。彼はギークで、プロダクトのクオリティへのこだわりがとても強い。技術や産業界全体への投資や貢献も惜しまない」

それでも日本が勝つ方法とは?

中国のスタートアップ環境は急激に変わってきているようです。市場規模や資本力の点では、日本は大きく水をあけられています。こんな状況にあって、日本のスタートアップはアジアや世界でどう戦っていけばいいのでしょうか。

まずは世界を体感することが大事だと思います。今週末の21日には全編英語で世界中のスタートアップが集まる無料のイベントが開催されます。そういうところに足を運んでみてはいかがでしょうか。僕もそこで中国の著名なVCの方と英語でセッションをさせていただきます。

でも、それだけではないんですよね。ここまで見てきたように中国のスタートアップの競争環境は非常に熾烈で、飛び抜けているスタートアップのレベルは非常に高いです。正直、小さいマーケットで、ゆるい競争環境で、小さい勝負しかできていない自分たちが情けなくなりました。

まだ自分でも答えは分かりませんが、皆さんはどう思われますか? この答えを見つけるために、僕たちは最初から世界を狙ってチャレンジしていこうと思います。

おまけ:展示でみかけた「おもしろ」プロダクトたち

展示はIoTぽいものが多かったのですが、中でも一番人気だったのは「KAT」。いつも人だかりができていました。何かというと、上から人をヒモで吊るして、Oculusつけて、その場で縦横無尽に走り回ったりできるプロダクトです。直径1メートルのお盆のような上を走ると、その場で足が空回りするように仮想的に走れます。KATは今後、Kickstarterキャンペーンをやるようです。

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展示ではほかにも、AR的なカーナビディスプレイや、指紋認証のスマートロック、電動バイク、電動スクーター、iPod一体型のヘッドホン、3Dプリンタなどが目につきました。個人的にはプログラミング学習の「计蒜客」が面白かったです。日本だとプログラミング学習のスタートとアップとして「Progate」がありますが、计蒜客では実行する前にセミコロンを忘れているなどの文法ミスは指摘してくれるし、当然ブラウザ上で実行できるし、初心者が学習するのにとてもいいなと思いました。

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中国スマートフォン事情 ― 出荷台数が6年ぶりにマイナスとなる中でAppleが首位を奪取

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中国のスマートフォンマーケットが縮小しているらしいという分析をよく見るようになってきた。どうやらその分析は真実のようだ。IDCの最新レポートによれば、直近の四半期におけるスマートフォンの出荷台数が、6年ぶりに減少に転じたのだそうだ。

IDCによると、2015年Q1におけるスマートフォンの出荷台数は9880万台だったとのこと。前年比で4%の低下となっており、また前四半期比では8%低い数字になっている。IDCは前四半期の過剰在庫が今季の出荷台数の低迷に繋がったのだろうと述べている(インドでも出荷台数が減っていて、それも同じ原因という話だった)。

IDCのKitty Fok曰く「中国は新興市場であるとみなされることが多いものの、実際のところはアメリカ、イギリス、オーストラリア、あるいは日本と同様に、販売されている携帯電はのほとんどがスマートフォンであるというのが現状だ」と述べる。

すなわちスマートフォンの出荷台数を伸ばすためには、買い替え需要を喚起する必要があるということだ。これは最初のスマートフォンを購入させるよりも難しいことで、その難しさが成長に影を落としている面もあるのだろう。

但し、そうは言っても中国のスマートフォン市場は広大なものだ。規模としては世界最大を誇るものとなっている。そしてその中で、多くの国における状況と同じく、Appleが急激な成長を遂げてもいる。

IDCのデータでは、前四半期における中国での出荷台数中Appleは14.7%を占めていて、Xiaomi(小米科技)の13.7%やHuawei(ファーウェイ)の11.4%を上回る成績をおさめている。ここにSamsung(9.7%)およびLenovo/Motorola(8.3%)が加わってトップ5を形成している。ただし市場動向はいぜんとして流動的で、それぞれのメーカーのシェアは今後も動いていくのだと考えられる。

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たとえば前四半期のデータからも、シェアの流動性を見てとることができよう。2014年Q4にはXiaomi(小米科技)がSamsungを抜いて1位となったのがニュースとなった。しかしその3ヶ月後には、Samsungは5位となり、トップの座はAppleのものとなっている。

IDCは、中国においてはiPhone 6やiPhone 6+のような大画面スマートフォンへのニーズがまだまだ根強いものであるとしている。しかし新製品投入によるハロー効果が薄れる時期になって、Apple人気が続くかどうかはわからない。加えて中国におけるキャリア大手がこぞってAppleプロダクトを扱ったこともAppleにとってプラスに動いたが、しかしすでにコアマーケットを食いつくしてしまったと考えるむきもある。

シェアの観点でみると、Samsungの新しいS6やS6 Edgeの人気度合いも気になるところだ。Xiaomi(小米科技)も、同社のラインアップの中で最も高価となるMi Note Proをリリースして中国市場の争奪戦に加わっているところだ。

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(翻訳:Maeda, H

Baiduが日本向けの検索をひっそりと終了、ただしSimejiや広告事業などは継続

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すでに複数のメディアで報じられているとおり、百度が日本での検索エンジンの提供を終了した。ネット上ではほとんど話題になっていなかったような気もするが、同社の広報を代行しているPR会社経由で確認したところ3月の時点でサービスを終了しているとのこと。現在「www.baidu.jp」にアクセスすると、百度のコーポレートページが表示される。

ただし、百度自体が日本を撤退する訳ではない。昨年物議を醸した日本語IMEの「Simeji」は、3月にiOS向けの有料アプリ「Simeji Pro」を提供。4月にはAndroid向けに月額240円のプレミアム機能の提供を開始したばかり。

また、訪日中国人旅行者の誘致に向けた広告の取り扱いや国内で利用できるSIMカードの提供など、インバウンド需要にまつわる各種サービスを展開しており、こちらに関しては継続していくとのこと。

演奏を聴きながら自動的に楽譜をめくる音楽教育アプリTonaraが中国のインターネット大手Baiduから$5Mを調達

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イスラエル発のシートミュージックアプリTonaraが、中国の巨大インターネット企業Baiduとこれまでの投資家Carmel Venturesから500万ドルの資金を調達した。Lool Venturesも、この投資に参加した。

Baiduは中国最大の検索サービスだが、同社の企業開発担当シニアディレクターPeter Fangが、Tonaraの取締役会に入る。Tonaraによると、Baiduの支援により中国における事業拡大を加速できるという。

Baiduが投資している海外企業として、TonaraのほかにUberが挙げられる。同社はUberの、中国における戦略的パートナーでもある。

Tonaraアプリのそのほかのデジタルシートミュージックアプリとの違いは、演奏者の演奏にリアルタイムで“聴き入り”、練習や公演のときページを自動的にめくることにある。もうひとつの同社のアプリWolfieは、音楽を教える人のための教授と評価のツールだ。

Tonaraの新CEO Guy Baumanによると、中国ではBaiduとの協働により主にWolfieの販売促進に力を入れていく。

Baumanはこう述べる: “中国市場は単なるデジタルシートミュージックの市場にとどまらず、音楽教育市場としてのポテンシャルが大きい。中国でピアノを習っている人は5000万人以上おり、ヴァイオリンは1000万から2000万人が習っている”。

“Wolfiは教師が生徒を教え、やる気を出させることが主体で、ほかのアプリのように間違いの指摘や修正が主力ではない。このような、教えることに最適化されたツールを中国の巨大なオーディエンス人口に提供できることは、本当にすばらしい”。

中国でTonaraは、Wolfieのローンチに加え、中国の音楽学徒と教師のため専用のプロダクトとサービスも、今後提供して行く予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中国、アジアの政府・企業に10年前からサイバー攻撃を仕掛けてきた疑い

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中国政府は、過去10年間インドおよび東南アジア諸国の政府機関、企業、およびジャーナリストに対して仕掛けられたとされる、新たに発見されたサイバーアタックの責任を問われている。

セキュリティー会社のFireEyeが今日発表したレポートには、インド、マレーシア、ベトナム、タイ、ネパール、シンガポール、フィリピン、インドネシア等の国々を標的とした、大量の産業スパイ行動およびサイバースパイ攻撃が報告されている。攻撃は2005年に始まったと同社は言っている。

「これが中国政府の行動であるという確たる証拠はないが、あらゆる兆候が中国を指している。アジアでは巨大な知的財産が開発されている ― そこは新たな戦場だ」とFireEyeのアジア太平洋担当CTO、Bryce Bolandが本誌インタビューに答えて言った。「

Bolandは、FireEyeの「数ヵ月」に及ぶ調査の結果収集されたいくつかの証拠に言及した。具体的には、中国語で書かれた操作マニュアル、中国のデベロッパーが開発したと思われるコードベース、および中国の地方にある怪しい「製茶会社」等、いずれも中国の関与を示唆している。

FireEyeは、標的 ― 未公表 ― の特質からも、さらに重要なヒントが見つかると言った。

「彼らの標的は、中国政府が東南アジア重点地区の政治、経済および軍事問題、係争中の領土、ならびに中国共産党の正当性に関わる議論の諜報活動に必要とする情報を持っている可能性が高い」と同社は発表の中で言った。

FireEyeのレポートは、中国インターネット戦略に関する最近の厳しいメディア報道をも凌駕する。中国は、昨年世界インターネット会議を主催した際、(不当に)友好的な体裁を繕ったが、ウェブ監視への取り組みは益々高まっていると言われている。先週、Citizen LabはGreat Cannonに関する詳細なレポートを発行した。これは中国政府がウェブサイト ― 例えばGithub.com ― をダウンさせることのできる新技術であり、憂慮すべき直接かつ攻撃的なアプローチを用いている。

もちろん、FireEyeが指摘する攻撃が同国政府直接ではなく、専門的スパイ機関によるもので、それが中国企業あるいは中国政府自身に秘密を売ったという可能性もある。実行犯は幾重にも隔っていることが多く、具体的証拠の発見を困難にしている。

正体はともかく、犯行の規模と専門知識の高さは突出している。

「システムは非常に一貫性のある開発計画に沿っている。攻撃オペレーターのためにバックエンドツールを作る開発者2名、および攻撃ツールそのものを作る人物が他に1名いる」とBolandは語った。

FireEyeは、同グループが開発したマルウェアの識別可能な変化形を計200種類以上発見した ― 多作な犯行である。それらの攻撃がこれほど長い間検知されなかったことは、標的の機密性の高さを踏まえると不安を感じるが、明るい話題もある。Borlandの説明によると、攻撃基盤が長年変わらずにいたため、侵入の可能性を検証して必要な対処をすることはさほど難しくない。

「APT 30」 ― APTは ‘advanced persistent threat’[高度で永続的な脅威]を意味する ― と命名されたこの攻撃は、いくつかの特別に洗練された戦略を持ち、例えば最重要機密データを安全のためにオフラインに置くエアーギャップ・ネットワークに対するおそらく最初の攻撃を行っている。

「このグループは2006年からエアーギャップ・ネットワークを攻撃する能力を持っていた。これは極めて異例であり、知られている最初の事例は2008年と2009年のロシア人アタッカーらだった」とBolandは明かした。

FireEyeはこのレポートを、今日(米国時間4/12)の一般公開に先立ち、世界各国の一部諜報機関に提供している。Bolandはどの機関に接触したかを詳しく語らなかったが、FireEyeが自社の情報やレポートの詳細を中国政府に渡していないことは認めた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インターネットのサイトをダウンさせた‘Great Cannon, 巨砲’は中国の新兵器だった

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中国は、最近のGitHubや、自由なインターネットを唱導するグループGreat Fireなどに対する攻撃の背後の存在として多方面から疑われている。このほど得られた具体的な証拠によると、それは事実であり、しかも今回は新しい武器ないし兵器が使われたらしい。

トロント大学のMunk School of Global Affairs(国際問題のためのMunk冠名大学院)の中にある、ICTやセキュリティや人権問題の研究室Citizen Labからの報告書が、そう言っている。これら最近の攻撃を調べたCitizen Labは、データを横取りして特定のサイトへリダイレクトする強大なツールと、攻撃システムがそれを使ったことを見つけた。同研究室はそのツールを、‘Great Cannon’(巨砲)という愛称で呼んだ。

最近の攻撃は実際に展開された巨砲の最初のインスタンスだ。それらは、いくつかの理由により特記するに値する。まずそのスケールだ。Great Fireによると、何百万人ものユーザが一度にその攻撃の被害に遭っている。巨砲はBaiduをハイジャックし、同サイトがAmazon Web Servicesに払うべき一日あたりの料金を3万ドルに押し上げた。しかも、その巨砲氏はしつこい。Githubは過去最大の攻撃にさらされ、それが5日間も続いた。

Citizen Labが挙げる証拠は、中国の検閲システムGreat FirewallとGreat Cannonとの共通性だ。それは、この悪辣な攻撃の背後に中国がいることを、示唆している。中国はそれを否定しているが、中国のこのインターネット新兵器は今後もっと的を絞った攻撃に使われるかもしれないと懸念されている。

Edward SnowdenのリークはQUANTUMの存在をあばいた。それは、マルウェアを何百万ものコンピュータに植え付けることのできるNSAのツールだ。Citizen Labによると、中国のGreat Cannonはわずかな調整により同じことができる:

Great Cannonの構成に技術的には簡単な変更を加えることにより、特定のアドレスに向かうトラフィックではなく、特定のIPアドレスからのトラフィックを操作できるようになり、暗号化による保護を採用していない中国のいかなるサーバと通信している個人にもマルウェアを送り込むことができるようになる。

このツールが見つかったことにより、あらためてHTTPSなどによるセキュアなWeb閲覧の重要性が想起される。セキュリティが弱いと、Webサイトを閲覧するユーザの安全性を損なうことになるからだ。

しかしこのツールは全世界に対して露出されていたわけだから、これだけおおっぴらにそれを使う中国の動機は何だろう? それは中国の検閲行為と支配体制に対して異議を唱えているそのほかのサイトに対する警告のつもりだったのかもしれないが、いずれにしてもそれは、Webサイトを検閲するという受け身の戦法から、それらをダウンさせるという積極戦法に変わったことを意味しているみたいだから、今後が心配である

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Xiaomi(小米)副社長Hugo Barraインタビュー―これがスマートフォンを安く製造できる理由だ

そこそこ高いスペックと低価格という組み合わせのおかげでXiaomi(小米)のスマートフォンは昨年、6000万台も売れた。その結果、小米は販売台数ベースでSamsungを抜いて中国でナンバーワン、かつ世界で3位のスマートフォン・メーカーとなった。

小米のフラグシップモデル、Miは市場価格が300ドル前後だ。新製品のMi Note Proはこのシリーズとして初めて500ドルを切った。一方、廉価版のRedmiシリーズは150ドル以下だ。これと比較すると、AppleのフラグシップモデルのiPhoneはキャリヤ契約なしで1000ドル以上、Samsung Note、GalaxySシリーズもほぼ同様の価格帯だ。では小米がこのようなアグレッシブな低価格を実現できる秘密はどこにあるのだろう?

これには「小米はスマートフォンを原価で販売しており、利益は別のサービスから上げている」などさまざまな説が出されてきた。われわれは先週、北京で同社の国際部門担当副社長のHugo Barrae(元Google副社長)にインタビューすることに成功した。そこでBarraはベールの一端をわずかだが開いてくれた。

小米の低価格は品種を絞り込んでいることと、機種ごとの販売期間を長く取ることの組み合わせで支えられている

Barraは「小米の低価格は品種を絞り込んでいることと、機種ごとの販売期間を長く取ることの組み合わせで支えられている」と説明した。

注目すべき点は、小米は新モデルを発表した後も旧モデル(とそれに小改良を加えたモデル)を値引き価格で販売している。

「われわれの製品の販売期間は18ヶ月から24ヶ月だ。ほとんどの製品についてわれわれは発売開始後、3、4回の値下げを行う。Mi2、Mi2sは事実上、同一の製品だ」と Barraは説明した。「Mi2/Mi2sは26ヶ月連続して販売された。Redmi 1が最初に発売されたのは2013年9月で、われわれがRedmi 2を発表したのは今月に入ってからだ。つまり16ヶ月後となる」

これは重要な点だ。販売期間が長くなれば、小米は部品メーカーと再交渉して値引きさせることができる。

「われわれが製品の値下げができるのは、部品調達コストを次第に引き下げることができるからだ。われわれはこれによって利益率を向上させる代わりに製品価格の値下げを行っている。」とBarraは付け加えた。

「われわれのデバイスの部品の大部分は〔新モデルになっても〕同じだ。そこでサプライチェーンに関する限り、われわれはほとんどの部品をRedmi 1と同一契約で調達でき、同じように値引きができる。われわれはさらに調達コストの削減に取り組んでいる。その点で、われわれの製造するモデル数がごく少ないことは極めて重要だ。われわれは年に数機種しか新モデルを発表せず、シリーズも2つだけに抑えている」とバラは語った。

Barraは「この仕組みはごく単純だ」と述べたが、一つのモデルを2年から3年にわたって販売し続けるのは、単に部品調達価格の引き下げだけが目的ではないという。Barraは〔同一機種の長期販売によって〕ソフトウェアのアップデート、修理部品のストック、その他の顧客サービスも長期にわたって同一のまま維持でき、それに関するコストも引き下げられると指摘した。

「ポートフォリオ(製品の品揃え)を厳選することによって、われわれはあらゆる面でコスト削減に成功した」とBrraは言う。

もちろんこれ以外にも、販売を販売をオンラインに限定するというマーケティング戦略や部品調達を中国国内で近くに所在する供給業者に頼るなどの総合的なコスト削減の努力も重要な役割を果たしているが、やはりもっとも重要なのはサプライチェーン管理の成功だろう。今年、

小米はアジア地域から飛び出して世界的に展開する計画だ。これにともなってサプライチェーン管理によるコスト削減の重要性はますます大きくなるだろう。

小米はこれまでほとんどの売上をオンライン販売によっていたが、最近、インドでAirtelと提携するなど、中国以外の市場でパートナーを通じての販売をテストしている。また台湾、マレーシア、シンガポールでもパートナーと提携している。

去年、小米は2015年には1億台を販売できと予測した。2014年後半、同社は販売目標をさらに引き上げたということだが、改定された新たな2015年の目標の数字はまだ発表されていない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+