Googleマップのエンジニアが作った公共スペースを安全に再開するためのアプリ

新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威は続くが、その中にあって経済活動を円滑に再開しようと提案、あるいは開発されているテクノロジーは多数ある。そうした取り組みのひとつが、Keyholeの共同創業者だったBrian McClendon(ブライアン・マクレンドン)氏から米国時間5月22日に発表された。Keyholeは2004年にGoogleに買収され、Google EarthとGoogleマップのベースになった企業だ。マクレンドン氏が新たに始めたCVKey Projectは認可を受けた非営利団体で、症状を自己診断して一時的なQRコードを生成するアプリをリリースする。そのQRコードは、例えば図書館など、このプロジェクトに参加する各地の施設に入るための健康状態の「パス」として今後機能する。

CVKey Projectは、最終的には公共のスペースを安全に再開するのに役立つ一連のアプリをリリースしたい意向だ。先日、AppleとGoogleがリリースした濃厚接触通知APIを利用して、CVKeyのアプリにも通知機能が組み込まれるかもしれない。CVKeyは、現在の政府のガイドライン下でオープンしている施設と、その施設の新型コロナウイルス感染拡大防止ポリシーに関する情報を提供することも計画している。

CVKeyのアプローチの中心となるポイントは、アプリユーザーが共有スペースに入っても「安全な」人であると確認するために、アプリが生成するQRコードを利用することだ。マクレンドン氏によれば、利用者のプライバシーには配慮してシステムを設計しているという。個人を特定する情報や健康に関するデータが保管されるのはユーザーのデバイスのみで、ユーザーの同意なしにデータがクラウドサーバーにアップロードされたり共有されたりすることはない。共有した結果どうなるかという情報も提供される。ユーザーは自発的に自分の健康に関する情報を提供し、アプリが位置情報を求めることは一切ない。インターネットに接続していなくてもほとんどの機能が動作するとマクレンドン氏は説明している。

自分のQRコードを生成してこのシステムに参加している施設でスキャンすると、施設のポリシーに基づいて、ユーザーが中に入ってもいいかどうかがシンプルなバイナリで示される。施設側には、利用者の健康に関する情報は提供されない。コードが伝えるのは症状に関する項目(症状やその時期など)だけだ。その症状が公共スペースのポリシーに反していないかどうかが判定され、それによってアプリが入場の可否を判断する。

マクレンドン氏は、Google EarthやGoogleマップ、Uberで一緒に仕事をしていたManik Gupta(マニク・グプタ)氏とWaleed Kadous(ワリード・カドゥス)氏、そして公衆衛生の専門家で公共機関や民間組織で長くリーダーを務めてきたMarci Nielsen(マルシ・ニールセン)博士とともにCVKey Projectを立ち上げた。

CVKey Projectのアプリはまもなくリリースされる予定で、同プロジェクトではこのプログラムに参加するパートナーを募集している。新型コロナウイルス対策として作られているものはいずれも単純な解決策ではなく、それはこのプロジェクトも同様だが、感染拡大に対応するための大規模な戦略の一部となる可能性はある。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Uberはインドで従業員の1/4となる600名を解雇、一部操業再開も焼け石に水

Uberは米国時間5月26日に、インドで600名を解雇すると発表した。これは同国における同社労働者の25%となる。新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックを切り抜けるためのコスト削減を目的にしている。

解雇はカスタマサポートやドライバーサポート、事業開発、法務、ポリシー、マーケティング、財務など各チームに及ぶもので、2020年5月に6700名を解雇した同社グローバルなリストラの一環でもある。

2020年始めにインドでトップのライドシェアサービスを自称した米国の大企業は、今回解雇される社員には10ないし12週分の給与と、今後6カ月間の医療保険を提供するとしている。

Uberのインドと南アジア担当プレジデントのPradeep Parameswaran(プラディープ・パラメスワラン)氏は、スポークスパーソンを介して次のように述べている。「新型コロナウイルスの影響とその回復の見通しの困難さゆえに、Uberインドには労働力の縮小以外の方法がなくなった。ドライバーとライダーのサポートを始め、他の職種にもその影響は及ぶ。この人員削減は、今月すでに発表したグローバルな雇用縮小努力の一環である。本日はUberファミリーを去る仲間と会社の全員にとってとても悲しい日だ。しかし一度決定した以上は、未来への確信を持ってともに前進して行きたい」。

さらにパラメスワラン氏は「辞めるみなさんに、お詫び申し上げたい。ライダーとドライバーパートナーへのこれまでのご貢献に、心からの感謝を申し上げたい」と付け加えている。

Uberの発表前には、地元のライバルであるOlaが同様のコスト削減を強いられている。それにより先週は、同社の総労働力の35%にあたる1400人が職を失った

インドは2020年3月の終わりごろにロックダウンを発表し、全国のすべての公共交通を閉鎖した。しかし数週間前から政府は規制をやや緩和し、OlaやUberなどが全国的に新型コロナウイルス患者の密度が高くない地域で操業を再開している。ただし、Uber Poolなどの相乗りサービスは含まれていない。

世界のほとんどの場所でそうであるように、インドでも新型コロナウイルスのアウトブレークによりフードデリバリーや病院、旅行などの産業が止まってしまった。顧客たちが閉じこもることで、フードデリバリーのSwiggyとZomatoは合わせて2600人を解雇した(Swiggが2100人)。Uberのインドのフードデリバリー事業は、2020年始めにZomatoに売却されている

旅行と病院では、MakeMyTripとOyoが大幅な売上減により、最近の数カ月で数千名を解雇または一時解雇している

画像クレジット:Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

パンデミックの最中に中国の食品配達大手Meituanが10.8兆円の評価額を達成

Meituan(美团、メイトゥアン)の株価は米国時間5月26日に過去最高を記録し、その評価額は1000億ドル(約10兆8000億円)を超えた。

香港に上場するこの大企業は、旅行と輸送もある程度手掛けつつも食品配達に注力している企業であり、評価額がこの記憶すべき大台に乗った中国で3番目の企業となる。Tencent(腾讯、テンセント)とAlibaba(阿里巴巴、アリババ)はそれぞれ2013年2014年にその大台を突破している。

Tencentが支援するMeituanは、第1四半期の売上高が計画よりも減少し、第3四半期連続の黒字の後に15.8億人民元(約239億円)の純損失を計上したが、5月26日には株価が138香港ドル(約1919円)まで上昇した。

全国的なロックダウンが食品配達の必要性を高めたのかもしれないが、中国の消費者たちは新型コロナウイルス(COVID-19)がきっかけで引き起こされた経済悪化の中で、引き締めも行っている。結果として、全体的な食品配達取引は減少している。Meituanはまた、パンデミックの最中に働く配達員たちにインセンティブを支払わなければならず、店舗が潰れてしまわないように補助金を支払わなければならなかった。

希望の兆しも見えている。Meituanの1日あたりの平均取引数は18.2%減少して1510万回になったが、注文ごとの平均価格は14.4%上昇している。これは、従来はオフィスワーカーの習慣と考えられていたデリバリー式の食事が、自宅隔離中の家族にとって当たり前のものになったからだ。第1四半期には、Meituanのフードデリバリーサービスに多数の高級レストランが加わった。それらはパンデミック後の時代でも、高額の注文を引き受け続けるだろう。

しかし現時点では、Meituanの幹部は新型コロナウイルスによってもたらされた不確実性について警告を発している。「残りの2020年では、進行中のパンデミック対策、オフライン消費活動に対する消費者の信頼の不足、および店舗閉鎖のリスクなどの要因が、引き続き当社の業績に潜在的な影響を与えると予想しています」。

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(翻訳:sako)

Boxでも2021年まで従業員の在宅勤務が可能に

リモートの長期化を計画している企業が、また1社増えた。Boxだ。

米国時間5月22日の朝、BoxのCEOであるAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏は、今後も同社は「デジタルファーストの企業であり続ける」と発表した。具体的に同社が何をどうするのかはまだよくわからないが、重要なことのひとつは、Boxの社員は少なくとも2021年の1月まで「どこから仕事をしてもよい」ということだ。

オフィスを完全に捨てる、という意味ではない。今回の変化に関するブログ記事でレヴィ氏は、オフィスで仕事をしたい人はたくさんいる、また会社もオフィスというハブがあることの意義を十分に承知している、と書いている。彼によるとその意義とは「人と人が直接会えること、教え合えること、ネットワーキングとクリエイティビティが生まれること」だという。そこでBoxは、オフィスにも人がいるというハイブリッド方式を目指す。一方、今後の全社会議はすべてバーチャル、リモート雇用のための面接や新人研修は適宜調整、そして自分のホームオフィスを構えたい社員にはそのための経費を助成する。

このところ、在宅勤務やリモートワークを有効だと考える企業がますます増えているが、まだその本気の程度には差がある。BoxはGoogle(グーグル)やSpotifyと同じく2021年まで公式に認めるとしている。一方、SquareやTwitterは、それを恒久的な方針にした。

レヴィ氏は米国時間5月28日のExtra Crunch Liveでインタビューに応じる。その詳細はこちらに

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonの倉庫作業員8人が新型コロナで死亡

Amazonの従業員8人が新型コロナウイルス(COVID-19)で亡くなった。同社は倉庫作業員の感染拡大の状況を透明化せず調査を受けているが、その最中にこの知らせは届いた。

広報担当者はこの報道内容を認め、TechCrunchに対して「オハイオ州ランダルの施設で働いていた1人の仲間を失い、私たちは悲しみに暮れています。彼女の家族と愛する人たちのことを私たちは心に留め、彼女の同僚たちのサポートを行っています」という。

検査結果が陽性だったAmazon従業員の全体数は、不明のままだ。同社は、そうした情報は公表しないという立場をとり続けている。「その数字がきわめて重要だとは考えていません」とAmazonは、以前、TechCrunchに送った声明で述べている。また、次のようにも語っていた。

感染者の割合は、私たちが操業している地域社会の割合と同じか、それ以下です。隔離者の割合も同じです。隔離者の割合は、職場の状況を知る上で非常に重要な手がかりとなりますが、それが、社会的距離の確保に向けた私たちの賢明の努力が効果を表していることを示しています。HIPPA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に触れない部分を隠そうとする業者とは異なり、私たちは現場のすべての従業員に対し、陽性の診断が出た場合には必ず警告を発しています。この警告は、従業員に直接メッセージで送られ、陽性と診断された人物が最後に施設のどこにいたかを知らせています。

透明性の欠如は、Amazonの新型コロナウイルス感染症対策にまつわる数多くの批判の中のひとつだ。

出荷センターの従業員を保護するために、できることはすべて行っているが、従業員が倉庫内でウイルスに曝露する危険性を排除するのは、適切な個人防護具を使用したとしても困難であると同社は繰り返し主張してきた。2020年5月の初め、13の州の検事総長はAmazonに対して、ウイルスに感染した従業員の数を明らかにするよう要請する書簡を送った。

「要求はしましたが、新型コロナウイルスに感染した従業員、そしてそれが元で亡くなられた方の人数について、情報は得られていません」と書簡には書かれている。「この件に関して、貴各社の州ごとの内訳を提出するよう求めます」。

今週の初め、ニューヨーク・タイムズは、ペンシルベニア州北東部に特に深刻な倉庫があると伝えた。そこでは明らかに100人以上の従業員がウイルス検査を受け陽性と診断されたという。Amazonが公表していないため、正確な数字はわからない。米国時間5月21日、ウィスコンシン州の地元紙ミルウォーキー・ジャーナル・センティネルは、ケノーシャ近くの倉庫で少なくとも30人の従業員に陽性の検査結果が出たと伝えた。

自宅待機をする米国人のAmazonの配達への依存度が高まるにつれて、多くの州が定めている「必要な仕事」の担い手として作業員たちへの依存も増している。5月中旬、Amazonは1時間2ドル(約215円)の「危険手当」の支給を5月末まで延長すると発表したが、6月には通常の給与に戻るとし、次のように話した。

従業員のみなさんへの感謝と、増大する需要の対応のために、私たちは、新型コロナ禍が始まって以来、就業初日から給与の全額支払いを続けるとともに、従業員とパートナーに8億ドル(約860億円)近くを追加で支給してきました。需要の安定を受け、来月からは業界トップクラスの基本時給15ドル(約1615円)に戻す所存です。

Amazonは、新型コロナ禍の最中に社会的懸念を招いた数名の従業員を解雇したことから、追加的な調査の対象になっている。同社はその解雇は報復ではないと否定しているが、それが新たな書簡の発行につながる十分な理由となった。今回の書簡には、Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏、Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏も名を連ねている。

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新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

新型コロナで8月に延期されていたニューヨーク国際オートショーが中止

ニューヨーク国際オートショーの主催団体は、8月に延期していたイベントの開催を2020年は見送ることを決めた。新型コロナウイルス(COVID-19)のために正式に中止する、と米国時間5月22日に発表した。

次回の開催は2021年4月2〜11日で、報道機関向け発表日は3月31日〜4月1日だ。

広域ニューヨーク自動車ディーラー連盟が主催するニューヨーク国際オートショーは、ニューヨーク市のJacob K. Javits Convention Center(ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター)で4月10日に始まる予定だったが、新型コロナが欧州と北米に広がったことを受け、8月下旬に延期された。

ショーが例年開催されてきたJacob K. Javits Convention Centerは新型コロナ用野戦病院となった。患者は受けれ入れていない。しかし主催者によると、まだ病院として機能しており、先が見通せないために待機状態となっている。

同連盟の会長、Mark Schienberg(マーク・シェンベルク)氏は、ショーの構成を準備するには自動車メーカーや展示会のパートナーには「かなりの計画」が必要とされる、と記した。

「新型コロナで見通しが立たないため、2020年のショー開催の模索を続けるのは賢明ではないと判断し、その代わりさらにすばらしい2021年のショーに向けて準備する」と述べた。

「自動車販売業者の代表として、このコロナ危機が過ぎ去るときにニューヨーク地域、そして米国全体でかなりの新車需要が遅れて出てくると確信している」とシェンベルク氏は付け加えた。「このショーが消費者を誘導するプロセスでいかに重要かも理解している」。

関連記事:ニューヨークオートショーが新型コロナ懸念で8月に開催延期

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

パンデミック後に求められるオフィスの密度センサーのVergeSenseが9.7億円調達

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで施設の管理が注目を集めつつあるようだ。

米国のスタートアップVergeSense(バージセンス)はオフィス向けの「システムとしてのセンサー」プラットフォームを販売する。部屋にいる人の数をリアルタイムに把握したり、人の動きに基づく清掃のノーティフィケーションを送ったりする機能を備えている。同社は、セキュリティ大手Allegion(アレジオン)のコーポレートVCファンド、Allegion Venturesがリードする900万ドル(約9億7000万円)の戦略的投資をクローズした。

本ラウンドにはJLL Spark、Metaprop、Y Combinator、Pathbreaker Ventures、West Venturesも参加した。シードラウンドを含め、2017年創業のVergeSenseがこれまでに調達した額は1060万ドル(約11億円)になった。

ここ数週間、需要の増加が見られるとVergeSenseはTechCrunchに語った。オフィスのオーナーや管理者が新型コロナ時代に職場を安全なものにしようと取り組もうとしているからだ。同社によると、予約は順調に伸びていて前年同期比で500%増となる勢いだ(ただし同社は、新型コロナの感染拡大が始まった後に「アフターショック」があったとし、2020年初めに打撃を受けたことを認めている)。

パンデミックの前は、VergeSenseの顧客はいわゆる「職場での接触」を推進したがっていた。アイデアの共有やコラボを促進しようと、スタッフ同士の物理的な距離を縮めるというものだ。しかし今は反対のことが起こっている。ソーシャルディスンタンスの維持や部屋を使用する人数の制限は、オフィスを再開するにあたっては必須のものとなっているようだ。

VergeSenseにとって幸運なことに、同社の機械学習プラットフォームとセンサーがパックになったハードウェアはこれまでと同じように有用な数値を引き出すことができる。

同社はソーシャルディスンタンスのスコアや毎日の密度などのレポートといった新型コロナに関連する機能を提案するために顧客と協業してきた。今後大きな需要が出てくると思われるSmart Cleaning Planner機能もすでに開発した。VergeSenseはまた、同社のオープンAPIをオフィスのアプリを機能強化できることも想定している。これは、オフィスを利用する人の数が少ないクワイエットゾーンや時間帯を表示したりし、職場に戻っても大丈夫と従業員を安心させるのに役立つかもしれない。

もちろん多くのオフィスが当面、あるいは永久にクローズするかもしれない。たとえば、Twitter(ツイッター)は従業員に今後ずっと在宅勤務ができるとしている。在宅勤務はオフィスワーク職には可能だ。しかしVergeSenseと同社の投資家らは、オフィスは何らかの形で存続するが、例えば人と人の間の距離を検知できるスマートセンサーが必須となってくると確信している。

新型コロナでオフィスがどのように変わるかについて、VergeSenseの共同創業者Dan Ryan(ダン・ライアン)氏は「オフィスの数は全体的に少なくなると考えている」と話す。「多くの顧客が、小規模の地方オフィスを抱える必要性を再考している。それでも大規模のハブは維持しようと彼らは考えているが、そうしたハブは実際にはかなり異なったものとなる」。

「毎日の業務を行うのに必ずしもオフィスにいる必要がない人は、おそらく新型コロナ後は週に5日ではなく3日か2日オフィスに行くようになる。それは異なるタイプのオフィスを意味する。異なるレイアウト、異なる種の机などだ」。

「そうした傾向はすでに見られる。しかし多くの企業がリモートワークを含めた実験に消極的だ。生産性などへの影響が計り知れず、リモートワークに伴う多くの文化摩擦があるからだ。しかし我々は現在、あらゆる物事が同時に起こっている状況を進んでいる。そして今後もそうだろうと考えている。当社は、基本的にすべての顧客からのフィードバックに絶えず耳を傾けてきた」とも話す。

「既存顧客の多くがプロダクトの受け入れに前向きだ。通常我々が展開する手法は、顧客が手始めにまずいくつかのビルで導入し、その後段階的に広げていくというものだ。だが今、このデータのユースケースは密度管理であり、新型コロナのために安全性とコンプライアンスにつながっている。密度に関してはCDC(米国疾病予防管理センター)のガイドラインがあるが、密度を測定して報告できるツールを持つことは必要不可欠とされている」。

VergeSenseは現時点で70の顧客のために、1日あたり600万のセンサーレポートを処理している。顧客にはFORTUNE 1000の40社が含まれる。全部で15カ国にまたがる250のオフィスビルの2000万スクエアフィート(約185万平方メートル)にセンサーとSaasを提供している。

「かなり弱気な見方もある。オフィスがなくなってしまうというものだ」とライアン氏は付け加えた。「我々はそれはないと考えている。なぜならオフィスには目的があり、主には社会的な交流やフィジカルなコラボに根ざしているからだ」。

「我々はZoomとその効率性を愛しているが、フィジカルなコラボやコネクション、仕事を支えるすべての社会的な要素がなければ失われるものも多い」。

VergeSenseの新たな資金は新型コロナで増大している需要への対応と、ソフトウェア分析プラットフォームの拡張に使われる。

ライアン氏によると製品開発にも使われる。「より小型で、バージョンアップしていて、速く作動する」センサーと「追加のデータフィード」を含む、これまでのものとは別のセンサーハードウェアだ。

「現状では、主に人数を数えるだけだが、仕事環境の構築ではそれ以上のものについてのデータにかなり関心がある。環境に関するものだ」と述べ、追加のデータフィードを実装するつもりだと語る。「環境に関する他の周辺データに関心を持っている。空気の質や温度、湿度などだ。顧客は現在、一般的な環境データにこれまで以上に関心を向けている」。

「建物の健全性にかなりの関心が寄せられているが、これまでは、あればいいというものだった。しかしいま、空間の空気の質はどうなのか、コンディションは適切かといったところに関心が集まっている。そして従業員の期待はもっと高くなるだろうと考えている。オフィスビルに入る時、ビルの中の空気が質のいいものであって欲しいし、さらにもっといい質になって欲しいと思う。だからこそ(スマートスペースの)加速を考えている。すでに見られる動きではあるが、人々はもっと加速させたいと考えている」。

資金調達についての声明文で、Allegion Venturesの会長Rob Martens(ロブ・マーチンズ)氏は次のように述べた。「世界的な危機の真っ只中に、(VergeSenseのチームは)シニアのビジネスリーダーたちがソーシャルディスタンスを通じて職場を安全なものにすると同時に、生産性や雇用、費用対効果を維持できるようサポートしてきた。世界中の事業者や雇用主にとって職場の管理が現在、最も大きな課題になっているが、VergeSenseはデータ主導の職場をつくるという動きの最先端にいる」。

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterに続きSpotifyが従業員の在宅勤務を年末まで延長

新型コロナウイルスの危機が続く中、多くの大手テック企業が在宅勤務の方針を拡大しているが、Spotifyも今週、その仲間入りをした。無期限の在宅勤務を決定したTwitterほど極端ではないが、Spotifyのこの動きは働き方に対するオープンさが増していることの表れだ。

Varietyが報じたように、Spotifyでは新しい方針によりスタッフが2020年末まで在宅勤務を続けることができる。この指示は全世界の従業員を対象としている。Spotifyの本社はスウェーデンのストックホルムにあり、ニューヨーク、ロンドン、東京など各地に多くのオフィスを開設している。同社は79カ国で事業を運営している。

Spotifyの広報担当者はTechCrunchに対し、この動きを認めた。

5月21日、Spotifyの全従業員に対する在宅勤務の延長を全世界で発表した。我々は引き続き各地の当局のガイドラインに従い、安全と判断したら段階的にオフィスを再開する。従業員の健康と安全が最優先だ。従業員は誰も出社する必要はなく、年末まで在宅勤務を選択できる。

この発表は、FacebookやGoogleなどのテック大手に続くものだ。リモート勤務については多くの企業が長い間検討していたが、新型コロナウイルス(COVID-19)がその考え方を加速させた。ここ数カ月は、リモート勤務のモデルに対する厳しい試練のようなものだった。

多くの地域で事業が再開し始めても、感染拡大の第2波、第3波はあり得る。そのため、在宅勤務の延長はますます望ましいオプションとなっている。

参考記事:Twtterが社員の在宅勤務を期限なしに認める措置を発表

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(翻訳:Kaori Koyama)

PathSpotがしっかり手洗いできているか確認するスキャナーを販売、感染症防止を支援

新型コロナウイルスは、感染症の予防に手洗いが大変に有効であることを大勢の人々に思い出させてくれた。PathSpot(パススポット)のCEOで共同創設者のChristine Schindler(クリスティーン・シンドラー)氏は、この3カ月間のために、3年間を費やして準備してきた。

「私は手洗いのことで頭がいっぱいです」と医用生体工学と公衆衛生の経歴を持つシンドラー氏は言う。その情熱と自身の経歴を結び付け、おもにタンザニアのキリマンジャロ山周辺の病院のために低価格な機器を開発してきたことからPathSpotは生まれた。

PathSpotのCEOクリスティーン・シンドラー氏

PathSpotは「食品のサービス、管理、貯蔵」のあらゆる場面で使えるとシンドラー氏が主張する、手洗いのための衛生機器を販売している。顧客の範囲は、レストランから梱包施設、カフェテリア、農場にまで広がっている。

PathSpotが販売するスキャナーは、洗面台の脇の壁に設置される。手を洗った人たこの衛生機器に手を入れると、手の衛生状態に応じて緑また赤のライトが点灯する。

技術面では手指消毒剤のPurell(ピュレル)に及ばないが、ある程度までのファクトチェックは行える。PathSpotは、可視光の蛍光スペクトルによる画像化で、人の手に付着した感染症を引き起こす細菌が含まれる恐れのある、特定の汚染物質を検知する。特定の波長の光を手に照射してその画像を取り込み、いくつものフィルターやアルゴリズムを通すことで危険な物質の存在を識別するのだ。

シンドラー氏によれば、2秒以内に両手のスキャンが完了するという。これは、最も一般的な伝達ベクターを探し出す。例えば、大腸菌のような食中毒を引き起こす恐れのある糞便物質などだ。

「これは、手を洗ったかどうか、または手に水滴がついているかどうかを判別するものではありません」と彼女。「手洗いは軽く見られがちなので、たいていの人たちは手は洗ったつもりでも、20秒間しっかり洗ったわけではなく、また、使うべきところで石けんを使わなかったりもするからです」。

だがこれが、新型コロナウイルスから人を守ってくれるのだろうか。新型コロナウイルスは現在、呼吸飛沫や糞便物質から伝播・伝染すると言われているとシンドラー氏は指摘する。PathSpotは、後者に対応できるという。

しかし、米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、糞便物質に含まれる新型コロナウイルスが感染を引き起こすかどうかはいまだ不明だという。これまでに、人の糞便物質によって新型コロナウイルスが拡散したことを証拠付ける報告はなく、研究者たちはそのリスクは低いと考えている。

そうしたわけでPathSoptは、今のところは新型コロナウイルスに特別に対処できるわけではないが、日常的、そして感染症を引き起こす恐れのある汚染物質を見つけ出すことはできる。新型コロナウイルスの流行が始まってから、米国では人々の衛生意識が全体に高まっている。「この機器の利用率は、数百件の顧客の間で500%も上昇した」とシンドラー氏は話していた。

PathSpotのもうひとつの製品は、レストランとその従業員の衛生管理と教育を向上させるためのダッシュボードだ。「手の爪の下やアクセサリーの下にホットスポットがあれば、すぐにわかります」と彼女。「あらゆるホットスポットの場所を見ることができるのです」。

有効性について同社は、PathSpotを1カ月間使用した場合、汚染物質が75%減少し、6カ月間の使用で90%減少すると話している。

PathSpotは、サブスクリプションの月額料金で利用できる。これにはスキャナー本体とデータ解析用のダッシュボード、そして同社から実用的な助言が受けられるコンサルティングが含まれる。価格は、機器のサイズと数によって異なるが、シンドラー氏によれば「平均的なところで月額175ドル(約1万9000円)から」とのことだ。

PathSpotの競合相手には、これまで3180万ドル(約34億円)を調達したFoodLogiQ(フードロジック)、1320万ドル(約14億円)を調達したNima Sensor(ニーマ・センサー)、280万ドル(約3億円)を調達したImpact Vision(インパクト・ビジョン)、520万ドル(約5億6000万円)を調達したCoInspect(コンスペクト)が挙げられる。だがこれらの企業は食品とその調達に焦点を当てているのに対して、PathSpotはそれを扱う個人に焦点を当てているとシンドラー氏は主張している。

本日、同スタートアップはシリーズA投資として650万ドル(約7億円)の資金を調達したことを発表した。投資を主導したのは、Starbucks(スターバックス)とValor Equity Partners(バラー・エクイティ−・パートナーズ)が共同で創設したファンドValor Siren Ventures(バラー・サイレン・ベンチャーズ)だ。

新たな資金が追加され、PathSpotの知られている限りのベンチャー投資金は1050万ドル(約11億3000万円)となった。Valor Siren VenturesのパートナーであるRichard Tait(リチャード・テイト)氏は、PathSpotの取締役会の役員に就任する。

PathSpotは、その製品が一般の人々に受け入れられやすいこの時期に成長を遂げている。だがその主要な顧客であるレストランは、パンデミックの影響で不振にあえぎ、全従業員の給与支払いもまなならない状態だ。そこでPathSpotは、パンデミック後に台頭するであろう新世代のレストランに照準を合わせた。つまりデジタルに対応し、衛生を保つテクノロジーを採用せざるを得ない業者だ。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:金井哲夫)

アップルとグーグルが新型コロナ濃厚接触通知APIをリリース、各国公衆衛生機関はアプリ開発へ

Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染者と接触した可能性があることを通知するアプリのAPIを一般公開した。TechCrunchでも先月下旬、コロナウイルス接触者追跡APIとして報じている。両社はその後、名称をウイルスに対するExposure Notification System(曝露通知システム)に変更したが、この方が機能を正確に表現しているようだ。

このアプリのユーザーが新型コロナウイルス感染にしたと確定診断された場合、その情報は公衆衛生機関にもたらされる。公衆衛生機関はアプリを利用している他のユーザーで感染者と接触があった人々に対し感染リスクがあることを警告する。個人を識別できる情報や位置情報などのプライバシーは十分に保護される。

今回の正式公開によりすべての公衆衛生機関がアプリのAPIを使用できるようになった。これまで両社は開発に必要な情報を得るためにベータ版のみを公開していた。正確にいえば、APIを利用するのは公衆衛生機関の依頼を受けてアプリを開発するデベロッパーだ。 つまり両社自らがリスクの通知やモニターアプリを作っているわけではない。

両社によると、米国の州多数と5大陸の22カ国が、感染警告アプリの開発のために感染データを処理できるツールの提供を要請していたという。公衆衛生機関は今回のリリースでAPIを利用できるようになったが、さらに機能の拡充を望んでいる。これまでに両社は、当局者、疫学専門家、アプリのデベロッパーのために説明会や講習会を24回以上開催してきたという。

感染リスクを通知するAPI はユーザーを識別する必要があるため、デバイス内でランダムに生成される鍵を利用する分散型識別システムとなっている。識別鍵はユーザーが使用するデバイス自身の識別情報などにはリンクせず、短時間で破棄されて別の鍵で置き換えられる。このAPIを利用する場合、公衆衛生機関は、感染リスクのあるユーザーとの接触持続時間や距離で独自に設定することが可能だ。

さらに両社は、感染リスクがあると通知されたユーザーが公衆衛生当局に対して自発的に健康状態を提供できるようにする。この場合、当局がユーザーに直接連絡して適切な対応を指示できるようにしていくという。

APIの開発にあたり、両社はプライバシーに最大限に配慮したという。組み込まれたプライバシー保護機能には、例えばBluetoothメタデータ(信号強度や送信電力など)の暗号化も含まれる。このようなデータは、可能性は低いもののデバイスを特定し、ひいてはユーザー自身を特定することに利用される可能性があるためだ。

またユーザーから位置情報の利用許可を得る必要があるアプリにこのAPIの使用することは明示的に禁じられている。公衆衛生当局が開発している感染追跡用のアプリには位置情報データを利用しているものがあるが、そうしたアプリはこのAPIにアクセスできない。このためアプリの開発方針の変更(未訳記事)も行われている。

両社はAPIの公開に関して以下のような共同声明を発表した。

アウトブレイクの発生時に公衆衛生当局が使用してきた最も効果的な手法の1つに、接触追跡と呼ばれるものがあります。このアプローチを通じて公衆衛生当局者は、感染者に濃厚接触した可能性のある人々に接触し、検査し、治療し、助言する。コンタクト・トレーシングの新しい要素の1つが、濃厚接触通知です。プライバシー保護のためのデジタル技術を使用して、ウイルス感染者に濃厚接触した可能性のある人に通知します。Exposure Notificationには、迅速な通知という具体的な目標がありますが、これは無症状で感染する可能性のある新型コロナウイルスで感染の拡大を遅らせるために特に重要です。

この取り組みを支援するために、アップルとグーグルは協力して、Exposure Notifications技術を構築しました。これにより、公衆衛生機関が作成したアプリがAndroid端末とiPhoneの両方でより正確に、より確実に、より効果的に動作するようになります。ここ数週間、両社は協力して、世界中の公衆衛生当局者、科学者、プライバシー保護団体、政府指導者に働きかけ、彼らの意見や指導を取りまとめてきました。

本日より、当社の濃厚接触者通知技術は、iOSとAndroidの両方で公衆衛生機関に提供されています。私たちが開発したものはアプリではありません。各国の公衆衛生機関が、ユーザーがインストールする独自のアプリにAPIを組み込むことになります。私たちの技術は、これらのアプリがよりよく機能するように設計されています。システムはデバイスから位置情報を収集したり使用したりすることはありません。ユーザーの採用が成功の鍵であり、これらのアプリの使用を促進するためには、これらの強力なプライバシー保護が最善の方法であると私たちは考えています。

本日、この技術は世界中の公衆衛生機関の手の中にあり、彼らが先頭に立ち、私たちは彼らの努力を支援し続けていきます。

両社は感染警告機能をモバイルOSそのものに組み込むことを計画しており、今年後半のiOSおよびAndroidのアップデートで実施されると述べていた。ただしこの「第2段階」の内容はさらに修正される可能性がある。両社によれば「新型コロナウイルス感染抑制対策としてどのような機能がシステムレベルに搭載されるのが望ましいか公衆衛生当局と協議を続けている」とのことだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナウイルス 関連アップデート

Fitbitが北米ユーザーを対象に新型コロナ早期検知の研究を開始

Fitbit(フィットビット)の運動量を追跡するためのウェアラブルデバイスは、新型コロナウイルス(COVID-19)やインフルエンザの早期検知に使えるかどうかを確かめるために多くの研究機関にすでに活用されている。そして今度は、Fitbit が自前のFitbit COVID-19研究を立ち上げる。この研究ではユーザーが自身のFitbitモバイルアプリからサインアップできる。

この研究は、新型コロナ感染症状が出る前に感染を正確に検知するためのアルゴリズムを開発できるかどうか探るために活用される。これを確かめるのに必要なデータを集めるため、同社は米国とカナダのユーザーで新型コロナに感染したか現在感染している人、もしくは感染を疑わせるインフルエンザのような症状を有している人に、研究のためにいくつかの質問に応えるよう依頼する。

質問に対する参加者の答えは、新型コロナウイルス感染を初期段階で警告できるパターンを特定するために、ユーザーのFitbitデバイス経由で集められたデータとペアリングされる。症状が出る前の感染検知には多くのメリットがある。個人がより素早く自己隔離でき、他人への感染を予防できる。

早期検知はまた治療面でもメリットがある。医療従事者が早期に治療を開始でき、最悪の症状を防ぐことができるかもしれない。最終的にどんな治療法が開発されるかにもよるが、早期の検知は治療効果に大きな影響をもたらす。

同社は、研究参加者に新型コロナウイルスにかかったかどうか、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのような症状があったかどうか、症状の内容、人口統計的情報、病歴などについて質問する。研究への参加は任意で、参加を決めてからそうした情報を共有したくないとなった場合はいつでも参加を撤回できる。

新型コロナ早期検知は、経済再開のための安全で実用的な職場復帰戦略をサポートするものになり得る。また、研究結果で明らかにされる精度やどのデバイスを使うかにもよるが、テストと併用することで診断を広範に行う手段になるかもしれない。確認された新型コロナ診断というのは必ずしもテスト結果を意味する必要はない。診断というのは、生体データや症状の出方などいくつかの要因に基づく医師の判断だ。総合的な新型コロナ抑制策によっては、ウェアラブルの活用は新型コロナの感染の規模と広がりの評価において将来大きな役割を果たすことになる。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

たまには外へ出て大自然の中でIP55準拠のサムスン製屋外用4Kテレビを楽しもう

多くの人たちと同じく、家の中に閉じこもる生活を何カ月も続けていることだろう。だらだらしたり歩きまわったりくだらないテレビをたくさん見たり。たまには外へ出て、大自然の中でウルトラハイビジョンのテレビを見るのはどうだろう。

これまで屋外テレビといえば、SunBriteTV(サンブライトティービー)のような専門メーカーの世界だった。このたびSamsung(サムスン)は、この明らかにニッチなカテゴリーに、Terrace(テラス)シリーズをひっさげて参入した。価格も相当ニッチで、55インチモデルの3499ドル(約37万6500円)から75インチの6499ドル(約70万円)まで。

ひときわ高価なこのテレビは、水やホコリに対してIP55の耐候性を備える。2160pの画面は極めて高輝度な2000ニト(nits)で、太陽光の下で見るための明るさを備えている。必要なポートはすべてついているが、同社はワイヤレス接続に主眼を置いているので、ユーザーは電源をつなぐだけでいい。別売りの Terraceサウンドバーも同じIP55基準に適合している。これを加えてこのテレビセットをコンプリートさせるにはさらに1200ドル(約13万円)必要だ。

私だけかもしれないが、ニューヨークのアパートで何カ月も部屋に閉じこもり、不機嫌で少々不安定な気分の中、アパートの外にでてやりたいのはテレビを見ることではない。それにパンデミックは終わりに近づきつつある。もしあなたの気が向いて、屋外スペースと数千ドルの余裕があるなら、サムスンにとって意中の人だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナで空港保安検査が変わる、マスク着用は当然、手指消毒剤ボトルは機内持ち込み可に

米国の一部で再開の動きが始まり、多くの米国人がメモリアル・デーの週末に出かけたくてウズウズしているに違いない。来たるべき休日に備えて、TSA(米運輸保安局)がパンデミック中の航空機利用に関する新たなセキュリティー基準の概要を発表した。

一部は減便されたスケジュールの中ですでに始まっており、規則のほとんどは世界の国々で実施されてきたものとさほど変わらない。例えば、保安局は旅行者に対して十分なソーシャルディスタンスとマスクの着用を推奨している。

それ以外の多くは、手続きをできるだけ早め、係員と乗客の接触を回避するためのものだ。旅行者はチェックインの際に搭乗券を各自が手に持ち、係員に手渡さないよう求められている。自分でスキャンして係員に見えるように提示しなければならない。

食べ物は透明なビニール袋に入れ、他の機内持ち込み手荷物とは別にする。そうすることでTSAは荷物をくまなく探す手間が省ける。また、手指消毒剤に関しては例外が認められている。TSAは以下のように説明している。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴い、TSAは乗客1人あたり最大355mlボトル1本の液体手指消毒剤を、機内持ち込み手荷物の中に入れることを認める。乗客はX線検査の前に消毒剤を手荷物から出しておくこと。もし、手荷物に禁止品目が入っていた場合、乗客は手荷物と共に検査場外の処分テーブルへ誘導され、当該品目を取り除いて廃棄することになる。

規則の変更は比較的簡単なものだが、正直なところこの時期の旅行は悪魔に思える。密閉された金属チューブの中で、伝染性の高いウイルスに感染しているかもしれない乗客とともに飛行することのさまざまな心配に加え、保安検査は少人数の旅であっても大きな苦痛になりうる。ソーシャルディスタンスの徹底や検査レーンの縮小など、新たな手順が加わっている。

何度も言われていることだが、絶対に必要な移動でない限り、あなた自身と他の人たちのために自宅に留まることを考えて欲しい。

画像クレジット:Kobi Wolf/Bloomberg / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが社員半数をリモートワークに、シリコンバレー外に複数の拠点開設へ

Facebookの創業者でCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は新型コロナウイルス(COVID-19)危機が続く中で社員の生産性と安全性を両立させるため、シリコンバレー外の大都市に施設を建設することを計画している。タウンホール・ミーティングと呼ばれる社内向けビデオストリーミングで、同氏はプロジェクトの概要を明かした。

パンデミックにより社員の大部分が自宅からリモートで仕事をするようになったため、シリコンバレーはゴーストタウン化している。ハイテク大企業多数はシンボルとなってきたシリコンバレー本社の価値を見直しているところだ。

5月21日に同氏は、デンバー、ダラス、アトランタにFacebookの新しい拠点を設置すると述べた。またサンディエゴ、ポートランド、フィラデルフィア、ピッツバーグなど現在オフィスがある都市の周辺を対象にした新規採用に力を入れていくという。同氏は今後10年程度で米国カの社員の半数がフルタイムのリモートワークが可能になると考えている。

同氏はどのような職がリモートワークの対象となり得るかついても詳しく説明した。ハードウェア開発、データセンター運営、採用事業、利用約款策定、他企業との提携などの部門では、その場にいることが必要となるため、物理的なオフィスでの勤務が必要だろうという。

「大都市に住んでいる、あるいはそこに移住してもよいと考えている人々だけを採用の対象と考えていると、多様なコミュニティに属し多様な背景、多様な視点を持つ多くの人々を排除することになる」と同氏は述べた。

ただし、シリコンバレーの外により良い生活環境を探しているFacebook社員には注意すべき点がある。2021年1月1日からFacebookは社員すべての給与を地域化し、社員が住む地域の生活費にスライドさせる調整を行うという。

画像:Justin Sullivan / Staff / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アマゾンが新型コロナ禍中のインドでフードデリバリーを開始

Amazon(アマゾン)は、インドでオンラインフードデリバリー市場に参入する。地元大手のSwiggy(スウィギー)とZomato(ゾマト)が新型コロナウイルスのパンデミック時代をなんとか切り抜けようと従業員を解雇(未訳)する中での動きだ。

インドに65億ドル(約7000億円)超を投資したeコマース大企業のアマゾンは米国時間5月21日、バンガロールの一部エリアでフードデリバリーサービスAmazon Foodを立ち上げた。元々は昨年開始しようと計画していたが、その後今年3月立ち上げに後ろ倒しし(未訳)、さらにはインド政府が3月下旬に全土に出した外出禁止令によって延期されていた。

立ち上げまでの準備期間、アマゾンは今年初めにバンガロールのいくつかの提携レストランとフードデリバリーサービスのテストを進めていた。

「Amazon」アプリを通じて利用できるAmazon Foodは現在バンガロール郊外のベランダ、ハラルアー、マラサハリ、ホワイトフィールドで展開されている

「『顧客から、必需品の買い物に加えでアマゾンで調理された食事を注文できれば』との要望があった。これは、安全のために外出を控えている現状と密接に関連している」とアマゾンの広報担当はTechCrunchに語った。

「また地元の事業者があらゆるサポートを必要としていることも認識している。厳選されたローカルのレストランと我々の厳しい衛生基準をクリアしたクラウドキッチンに顧客が注文できるAmazon Foodをバンガロールの一部で立ち上げる。顧客が楽しい体験をしながら安全を確保できるよう、最も厳しい安全基準を導入している」と広報担当は付け加えた。このサービスをいつインド全土に拡大するのかについては語らなかった。

同社のフードデリバリー市場への参入は、Swiggyが支援するProsus Ventures(プロサス・ベンチャーズ)や、今年1月にUber(ウーバー)のEatsインド事業を買収した(未訳)創業11年のスタートアップZomato、バンガロールで事業展開しフードデリバリーを主要事業の1つと位置付けているGoogle(グーグル)が支援するDunzo(デゥンゾー)にとって(未訳)新たな脅威となるかもしれない。

これまでに合わせて20億ドル(約2150億円)以上を調達したSwiggyとZomatoはまだ黒字化できておらず、新規顧客の獲得と既存顧客の維持のために毎月1500万ドル(約16億円)超の損失を出している。

投資会社India QuotientのAnand Lunia(アナンド・ルニア)氏は今年初め「フードデリバリー会社は顧客の大半がサービスを利用するだけの経済的余裕がないため、プラットフォームの料理のコストを助成し続けるより他に方法がない」と話していた。

収益化への道を探し出すのは、米国のように発展した国と違ってインドではかなり難しい。バンガロール拠点の調査会社RedSeerの推定では、米国では各デリバリー料理の価格は33ドル(約3600円)だが、同じような料理がインドでは4ドル(約430円)だ。

さらには、マーケットを寡占してきたZomatoとSwiggyは新たな難題に直面している。多くの人が新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオンラインでフード注文するのに慎重になっているため、4月だけでSwiggyは従業員2100人超を、Zomatoは約520人を解雇した。両社ともそれぞれのプラットフォームでの注文は今年初めには300万件近くあったが、今では100万件に満たない。

バンガロール拠点のSwiggyはクラウドキッチンのオペレーションと関連事業をさらに縮小した。一方で5月21日に同社は、ジャールカンド州ラーンチーでアルコール飲料の配達を開始している。Zomatoもまた同日からアルコール飲料の配達サービスを提供すると明らかにした。そして両社はつい最近、グローサリーの配達も開始している。

アマゾンは近年、生鮮食品やグローサリーを販売するためにインドでPrime NowとAmazon Freshのプラットフォームを立ち上げ、その過程でいくつかの都市に倉庫を設けている。

画像クレジット: Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

グラクソ・スミスクラインとMammoth Biosciencesが携帯性の高い使い捨て新型コロナ検査キットを開発中

米国カリフォルニアに拠点を置く2017年設立のスタートアップMammoth Biosciences(マンモス・バイオサイエンス)は、新型コロナウイルス(COVID-19)に向けに、ゲノム編集技術の1つであるCRISPRベースの検査を開発するため、強力なパートナーと契約した。目指すのは、携帯性が高く使い捨て可能な検査プラットフォームを使って、正確で迅速な結果を得ること。同社は、新型コロナウイルス感染者のRNAからSARS-CoV-2を特定できる「DETECTR」プラットフォームを使用して検査を開発する。この検査は、Naturで発表された査読済みの研究を通じて、最近妥当性が認められた。

同社はすでにそのDETECTRプラットフォームを、米食品医薬品局(FDA)による緊急使用許可(EUA)申請へ送り込んでいる。また、グラクソ・スミスクライン(GSK)およびその消費者向けヘルスケア部門と提携して、広範な商用ならびに消費者利用が可能となるように、同社の開発と流通を拡張する予定だ。同社とGSKは、DETECTRに基づくC新型コロナウイルス専用の検査が、今年末までにFDA評価が受けられるように準備することを目指している。

目標は、まず米国内の医療施設で利用できるようにすることだ。新しい検査は20分未満で結果が得られ、患者から採取した鼻腔スワブ(綿棒状の検体採取キット)を使用してその場ですべての手順を実施できるため、医療施設での検査に対する現在の方法と比較して多くの利点を提供することができる。また完全に使い捨てであるため、医療専門家にとってより便利で、さらにはより安全なものである。

その後、パートナーたちは流通の拡大を計画しており、最終的には消費者に直接検査を届けるために店頭売りも考えられている。検査の性質から考えれば、他の在宅診断法と比べても管理はそれほど難しくない。これにより、感染した個人からの感染リスクをさらに低減し、検査をより実施しやすく、広範囲に広げることができる。

現在の開発タイムラインを考えると、少なくとも来年までは出荷されることはないだろう。しかし、進行中の世界的パンデミックの性質を考えると、継続的な戦略の1つとして、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を緩和するための検査機能の拡張への関心は続くだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:sako)

チャットボットで大学生のドロップアウトを減らす,姉妹が考案したEdSightsとは?

チャットボットに心を打ち明けるなんて気持ちが悪いと感じるかもしれないが、Claudia(クラウディア)とCarolina(キャロライナ)のRecchi(レッキ)の姉妹は、それこそ米国中の大学生がいま必要としているものだと考えた。

姉妹は、2017年、脱落の恐れが中程度から高程度の大学生が学校に留まれるよう支援し、大学の定着率を高めるための企業EdSights(エドサイツ)を共同で創設した。

EdSightsは、学校のマスコットに見せかけたチャットボットを使っている。学生に個人的な質問やメッセージを送り、自身の最大のストレスを理解させる。そして彼らを、経済、食事、メンタルヘルスを支援する大学の制度につなげてゆく。

パンデミックによって何百万人もの学生がキャンパスから離れて家で勉強している今、学生たちをつなぎとめる新しい方法を模索する大学から、姉妹は急成長のヒントを得た。

またパンデミックによって、学生たちは、以前にも増して正直な気持ちを返すようになった。

「世界中が大変なことになって、人々は職を失い、家計はなんとかギリギリの状態。今は、学校は緊急の問題ではない」とある学生は書いていた。「それでも、成績は成績。この先どうなるのか不透明な状態のまま、成績が私たちの将をが決められてしまう」

別の学生は「仕事場が閉鎖されて収入が途絶えた」と書いている。また、「外に出られないから、生活のいろいろなことから気を紛らすことができない」と訴える学生もいる。

チャットボットの他に、どれだけの学生がどのような問題に悩んでいるか、その割合を管理者に示すダッシュボードもEdSightsは提供している。同社は、退学の恐れが高い学生とその最大の問題に関する情報を扱っているため、プラットフォームではプライバシーが重要になる。EdSightsでは、米国家族教育権とプライバシー法(FERPA)とEU一般データ保護規則(GDPR)に準拠し、第三者に情報を見せたり売ったりはしないと話している。学生には、自身の記録の修正要求と、全記録を取得する権利が与えられる。

「秋に学生が戻って来ないのではないかと、大学側は明らかに恐れています」と姉妹は言う。「そこで、学生と確実につながり、大学に来ないまでも、大学とつながっているという感覚を学生に持たせたいと考えているのです」

同社は、1年をかけて顧客を16件まで増やした。その中には、ベイカー大学、ミズーリ・ウェスタン州立大学、ベテル大学、カルバー=ストックトン大学、ウェストミンスター大学などが含まれている。年間経常収益は前月比で平均68パーセントずつ増加し、2月に比べて収益は2倍になった。

大学がEdSightsに支払う利用料は、学生1人あたり15ドルから25ドル。ほとんどの大学が、全学生を含めている。

「以前は、1年生にだけ適用できるか、第一期生だけを含めることができるか、特別な支援が必要な学生にだけ使えるか、と聞いてくる大学が多くありました」とキャロライナ・レッキ氏。「今は、4年間をとおして学生に適用したいというだけでなく、大学院生にも使いたいと申し出てくる学校もあります。大学院はやったことがないので、新しい試みです」

この新たな情勢に乗った姉妹は、大勢の有名投資家から160万ドル(約1億7000万円)のベンチャー投資を調達した。このラウンドに参加した投資家には、Lakehouse VC(レイクハウスVC)、Kairos VC(カイロスVC)、The Fund(ザ・ファンド)などが含まれる。

またこの投資には、Warby Parker(ワービーパーカー)、Harry’s(ハリーズ)、Allbirds(オールバーズ)、Bonobos(ボノボス)、Rent the Runway(レント・ザ・ランウェイ)の創設者たちも加わった。

EdSightsの創設者姉妹は、歴史的に専門教育関連企業の条件規定書だけを受け付け、この分野には懐疑的だった専門分野を持たない投資家たちの興味を集めた理由のひとつとして、COVID-19があると話している。実際、彼女たちはいくつもの投資の申し出を断わることになったわけで、他の投資家たちが資金調達シーン全体を覆っていると主張する萎縮効果には、大きな差があった。

EdSightsが今回調達した資金は、一般の人々が教育とテクノロジーの交差点について考える際に、パンデミックによってどれほど細やかな事情を踏まえるようになったかを示す、新たなデータポイントとなった。

パンデミックの間、数百万人の学生を遠隔支援できるのはチャットボットだけかも知れない。それがいつになろうと学校が再開し始めたとき、このテクノロジーが世界にとって必要なものになるかどうかを証明するのは、EdSightsだ。

“新型コロナウイルス

画像クレジットnonchai

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(翻訳:金井哲夫)00

米食品医薬品局がColorの新型コロナウイルス高速検査技術を認可、LAMP法による検査工程を自動化

集団ゲノム検査サービスを提供するColorが、同社の新型コロナウイルス(COVID-19)検出技術に対し、米食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、FDA)から「緊急時使用認可」を得た。同社によると、その精度は現在承認されている最良の方法と互角、そして結果を得るまでの所要時間は約50%早くさまざまな供給要件に応ずる。つまり、より多い検査をより早く、そして従来のようなサプライチェーンの厳しい条件がなくても実行できる。そしてColorはその検査プロトコルを、他の検査機関などに一般公開する。

3月にColorは、処理能力の高い新型コロナウイルス検査施設を立ち上げると発表した。その所要時間短縮の大部分は、遺伝子増幅法の一種であるLAMP法による検査工程各部の自動化だ。この工程の自動化は、既存のRT-PCR検査では不可能とされていた。どちらの検査も分子レベルの検査で、体の中に実際にウイルスが存在することを検出するが、LAMP法は以前にジカ熱やデング熱を検査するテクニックとして使われたことがある。

Colorは、自社開発したLAMP検査プロトコルを無料でほかのラボの独自の実装用に提供する。加えて、同社が集団でのスクリーニング検査や通常の検査用に得たデータに基づいて設計したプロトコルも提供して、労働者の安全を確保したうえでの職場復帰努力を助ける。プロトコルには2つのフェーズがあり、ひとつは職場に感染者が一人も確認されなかったが高い警戒体制を維持したいという場合、第2は感染者が何名かいて封じ込めが必要な場合だ。

Colorはすでにサンフランシスコと協力して、市民の生活に必要不可欠な最前線の行政職員に対し、同社の検査プロトコルを適用している。また、ほかにも、MIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバード大学のブロード研究所やコーネル大学医学部ワイル研究所と共同で技術開発を進めている。今は多くの米国人が、ウイルスの拡散防止努力を継続しながらオフィスなどの再開を望んでいるが、Colorのような共同的取り組みには、知識の共有を早めその範囲を広げる利点がある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iOS 13.5へのアップデートで新型コロナ接触通知設定が利用可能に

Apple(アップル)は、Google(グーグル)と共同で開発した「接触通知API」のサポートを含むiOS 13.5をリリースした。新型コロナウイルスの感染拡大と戦う公衆衛生機関による接触の追跡をサポートする。このAPIを利用するには、公衆衛生機関が開発するサードパーティアプリが必要となる。アプリは、まだ1つもリリースされていないが、iOSデバイスのユーザーは、すでに「COVID-19接触のログ記録」という設定にアクセスできるようになっている。

ベータ版でも確認されていたように、接触記録の設定にアクセスするには「設定」アプリを使う。まず「プライバシー」セクションを開き、そこから「ヘルスケア」のサブメニューを選ぶと「COVID-19接触のログ記録」という設定が出てくる。これはデフォルトではオフになっている。承認済みのアプリを入手してインストールするまで、この機能をオンにすることはできない。そうしたアプリを利用する場合には、接触通知へのアクセスを承認するよう求めるポップアップが表示される。いったん承認しても、ここに戻れば通知機能をオフに切り替えることも可能だ。また、オプトアウトを選択した場合には、デバイスに記録されたの接触ログを手動で削除することもできる。

アップルとグーグルは、接触通知APIに対して、ユーザーによってコントロール可能な部分をできるだけ多くし、可視性を高めたいと考えていることを強調してきた。接触通知を実現するために、ランダムに生成した一時的なIDを使用し、それもサーバー側には保存しない。また、1つのアプリ内で位置情報サービスと接触通知APIを同時に使用することも禁止している。このように接触記録機能を手動でオンオフできるようにしたことは、このシステムに参加するユーザーが、どのような情報を、いつ共有するかということを、完全にコントロールできるようにするための1つの重要なステップとなる。

接触を追跡することは、感染症の蔓延と戦うための実績のある戦略だ。これまでは、感染した個人から聞き取ったり、感染期間の行動をできるだけ詳しく調査することで、潜在的な接触を追跡しようとしてきた。通信機能を備えた近年のデバイスを利用することで、こうしたことをずっと効率的かつ正確にできる可能性が生まれた。それでもグーグルとアップルは、プライバシーの専門家と協力し、ユーザーのプライバシーをリスクにさらすことなく、こうしたことを実現する手段を見つけ出そうとしてきた。その結果、照合処理も、サーバー側のデータベースではなく、ユーザーのデバイスでローカルに実行するものとなっている。

アップルとグーグルは、このAPIを利用するアプリを開発中の公衆衛生機関に協力している。また両社は、これはあくまでも暫定的な措置であって、いったん新型コロナウイルスの脅威が去れば、この機能自体を無効にするという前提で、最初から設計していることを明らかにしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラがフリーモント工場の操業再開を巡るアラメダ郡に対する訴訟を取り下げ

Tesla(テスラ)は、米国カリフォルニア州にあるフリーモント工場の再開強行を巡り、今月初めにアラメダ郡を相手に起こしていた訴訟を正式に取り下げた。

訴訟取り下げは5月20日に受理され、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏と郡の衛生、警察当局との戦いに幕が降ろされた。5月9日、同氏が訴訟および事業の州外への移動をほのめかした数時間後に訴状が提出され、アラメダ郡に対して差止および宣言的救済を求めた。Reuters(ロイター)が最初にこのニュースを報じた。

この訴訟は、テスラのフリーモント工場での生産再開計画が、郡の新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止策による外出禁止令延長によって阻止されたことを受けて起こされた。訴状提出の2日後にマスク氏は、郡の命令を無視して工場を再開した。

電気自動車の組み立てが行われているフリーモント工場における生産は、アラメダ郡ならびにカリフォルニア州ギャビン・ニューサム知事の発令した外出禁止令によって3月23日以来停止している。

マスク氏は操業再開の根拠として、ニューサム知事が発行した工場の再開を認める新たなガイダンスを挙げた。しかし州知事のガイダンスは、地方自治体がさらに制限の強い規則を適用する可能性があることを警告していた。アラメダ郡はほかの湾岸地区の郡や市とともに、外出禁止令を5月末まで延長した。後に命令は修正され、一部の制限が緩和されたが、製造業に対する制限は解除されなかった。

テスラと郡当局は、同社が社員を呼び戻して操業再開の準備に入ったあとも交渉を続けた。その結果、郡は同社が生産再開に備えた最小限の基本的作業を進めることを認めた。

画像クレジット:David Paul Morris / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook