6月20日、FacebookはRSSリーダーを発表か?!(プレスイベントを開催)

Google Readerがまもなく運用停止となるこの時期、Facebookがハッシュタグ機能の提供を開始した。そんな中、6月20日にプレス発表が行われるという謎めいた招待が届いている。Facebook上での「トレンドトピック」に関連するイベントのようだが、もしかするとフル機能を備えたRSSリーダー系プロダクトが発表されるのかもしれないと、評判になっている。

トレンドトピックを活用するものであっても、あるいはRSSリーダーであるにしても、いずれにしてもFacebookに蓄積される「シェア」情報が活用されることになる。人気ニュースはFacebook内でシェアされ、さらに広まっていくことになる。

今回のFacebookからの招待状につき、最初に言及したのはABC NewsのJoanna Sternだ。招待状には「小さなチームで大きなアイデア実現に向けた作業を展開中です。コーヒーと一緒に新プロダクトについての情報もご提供いたします」と記されている。ちなみにこの招待状は、通常のように電子メールで出されたものではなく、郵便を使って送られている。そして招待状には意味ありげにコーヒーカップの痕がある。コーヒーカップ痕といえば、コーヒーを飲みながら新聞をよんだとき、よく新聞の上に残ってしまうものでもある。

Facebookに集まっている情報をすべて入手するという方法はない。多くの情報が限定共有されていて、それをすべてすくい取るというようなことはできないのだ。しかしFacebook側は、そのすべての情報を検知することができる。匿名性を維持しながら広告にターゲティングデータを利用するのと同様にして、プライバシー問題に配慮しつつも、どういった情報が最も共有されており、またどのような層に広がっているのかという情報を活用していくことができる。

Facebookとして、そうした情報を活用しつつ、そして外部からの情報も内部に取り込んでいくRSS関連サービスを実現するのではないかとみられているのだ。投稿時に利用できるようになったハッシュタグとあわせて、さらに多くの情報を分類整理して、一層広く活用するための準備が整いつつあるように見えるのだ。

以前はいろいろな人から集まってくる情報を有効に活用する方法はあまりなかった。しかしついに今週、ハッシュタグの登場で活用の幅が広がった。Facebookのブログには次のように書かれている。「ハッシュタグはほんのスタートに過ぎません。あらに興味のあることについて、他の人がどんなことを言っているのかを発見しやすくする方法を提供していきます。それによって、これまで以上に人と繋がることができるようになります。今後、数週間ないし数ヶ月のうちに、さらなる機能をリリースしていく予定です」。

当然、次の一歩はニュースを効率的に扱うようにすることだろうと思う。絶対に間違いないと、個人的には思っている。ただ、今のところオフィシャルな確認は全くとれていない。

実際のところ、コンテンツ購読のための標準技術として利用されてきたRSSを活用できるようにするのかどうかはわからない。外部の情報ソースを指定して、指定したフィードを購読するというのは手間もかかるし、平均的Facebook利用者にとっては余計なサービスと受け取られる可能性もある。しかし、熱心なインターネット利用者からは歓迎される機能ともなり得るだろう。

しかしIngrid LundenがTechCrunchの記事に書いているように「RSSフィードに関係しそうなコードがFacebookのGraph APIに登場してきている(ディベロッパーでFacebookコードに詳しいTom Waddingtonが発見した)。RSSフィードとFacebook IDと結びつけ、RSS中のタイトル、URL、更新日時などを取得するコードもある。そしてそれに続くエントリ部の記述、および登録者情報もコーディングされている」。このコードはおそらく新プロダクトに関係するものなのではないかと思われる。但し、これは利用者自身のポストをRSSフィード化するものであり、RSSリーダー的な機能を持つものではないという可能性もある。

もしFacebookがRSSリーダー機能を提供するのだとすると、タイミング的にはパーフェクトだと思う。GoogleによるGoogle Readerサービスが終了する直前のリリースということになるのだ。20日に発表すれば、利用者にサービス乗り換えの時間を十分与えることができるだろう。

あるいは新プロダクトは、Facebook内の人気アイテムをRedditのようにリスト化して表示するというようなものなのかもしれない。そちらの方が、全ての利用者に対して簡単に価値あるサービスを提供することに繋がるのかもしれない。

いずれにせよ、既存サービスの単なるコピーではないことを期待している。Facebookに集まる情報を活用した、Facebookだからこそ提供できる、ニュース活用サービスを提供して欲しいものだと思う。

とにかくニュース関連のプロダクトというのは、Facebookにとって「大きな進歩」となり得るものだ。Facebookは、「自分の知り合い」、「利用者自身が興味のあるモノや情報」と繋がるためのサービスを提供してきた。ニュースとは、いわば「他の人が関心を持っている情報」だ。「繋がる」チャネルが増えることになるわけだ。サービスをリリースすれば、Facebook上での滞在時間もまた増加することになるだろう。より多くの情報を提供するようになり、そしてニュースとして流される情報に関連する広告を流す機会も増えることになる。自分の関心だけでによるのではない、さまざまな情報を提供してくれることにもなるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook、あらゆるTwitterハッシュタグ広告をハイジャック

Twitter #ブランドは絶滅危惧種になった。ハッシュタグは、Facebookがサポートすることによって汎用化されつつある。それはTwitterの重要な成長ベクトルが無効化することを意味する。従来、印刷メディアやテレビCMでハッシュタグが話題になるたびに、人々はTwitterへの参加を促された。これからは、既に自分が使っているSNSでそのリアルタイム会話に参加できる。

企業やイベントの望みは、自分たちへのソーシャルな言及が最大のリーチを得ることなので、万能ハッシュタグが使える時に「Twitterハッシュタグ」を宣伝することは意味をもたない。今後企業はハッシュタグの表示からTwitterロゴを外すか、Facebookロゴを追加するようになると私は予想する。

ハッシュタグがFacebookで普及するかどうかは未だわからない。Facebookで有名人やジャーナリストをTwitter流にフォローするフィード購読[現在はフォロー]機能は大ヒットにはなっていない。さらにハッシュタグは、Facebookへの書き込みの多くが友達とのみシェアされていて全体公開されていない、という課題にも直面しなければならない。

Facebookハッシュタグには一つ追い風がある。非常に人気のあるイベントでも、それについて赤の他人がTwiiterハッシュタグを付けて投稿しても私は興味をもたないだろう。しかし、Facebookハッシュタグを検索したりクリックしたりすれば、友達が何を言っているかを優先的に見ることができるかもしれない。個人的にはゲーム・オブ・スローンズ #redwedding に関して、友達や知り合いが話していることの方が、会ったこともない何百万もの人々から寄せられた純粋なソーシャル・メンションよりも気にかかる。

Facebookハッシュタグは大失敗に終るかもしれないし、たとえ少々人気を博したとしても、Twitterがリアルタイム会話の王者で居続けるに違いない。しかし今日のニュースによって、Twitterの〈独自の付加価値〉が減少する可能性がある。これはFacebookで現在進行中の、ライバルを蹴落とす「ほどほどの」戦略の一環である。他の誰かならもっとうまい方法を思いつくかもしれないが、Facebookはこれを、人々が新たに始める必要のないネットワーク上で、大規模に行っている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


【事例付き】BtoB企業がソーシャルメディアを活用する7つの方法

Webを営業に活用しようと取り組んでいるBtoB企業の中でも、ソーシャルメディアの活用方法はまだまだ手探り段階で、自社や業界の最新ニュースを中心に「お知らせ」として使っている場合が多いようです。

しかし、日本国内でソーシャルメディアの普及率が40%を超え、Facebookの月間アクティブユーザー数は1,900万人に成長した現在、BtoB企業でも、潜在顧客・見込み顧客がソーシャルメディア上にいる状況になっています。

今回は、先日シナジーマーケティング社に寄稿した記事の転載許可をいただきましたので、これからソーシャルメディア(Facebook、Twitter)に取り組むBtoB企業様向けに、7つの活用方法を事例付きでご紹介します!

BtoB企業でも使える7つの活用方法

1.Webサイトやブログのコンテンツへの集客経路として使う

コラムやお客様インタビュー、セミナーレポートなどの見込み顧客に役立つコンテンツをソーシャルメディア上で発信し、Webサイトやブログに誘導します。

どんなに良いコンテンツを作っても、見つけてもらえなければ、効果が出ることはありません。コンテンツを見つけてもらえるように自社のソーシャルメディアで告知しましょう。

新着ブログの記事を紹介しているContent Marketing LabのFacebookページ

2.ソーシャルボタンを設定して、コンテンツを拡散してもらう

Webサイトやブログにソーシャルボタンを設置して、見込み顧客がコンテンツを拡散しやすくします。

いいね!やツイート、はてブが集まれば、検索エンジンが「このページはユーザーから高い支持を得ている」と認識してくれるため、上位表示されやすくなります。

記事の目立つ位置にソーシャルボタンを設置しているbtraxスタッフブログ「freshtrax」

3.コンテンツを通して、リードを獲得する

自社のソーシャルメディアアカウントをフォローしているユーザーに、リード獲得につながる情報(セミナー情報や、ホワイトペーパー)を告知して、ソーシャルメディア経由でリード情報を獲得します。

ガイアックスのサイトではソーシャルメディア経由でのリード獲得が増加中

4.ソーシャルメディア上の声を聞く

BtoB企業の場合、企業名や製品名がソーシャルメディア上でつぶやかれることは少ないですが、プレスリリースやブログ記事に対する反応はソーシャルメディア上で確かめることができます。

INBOUND marketing blogの記事に対するソーシャルメディア上の反応

5.Facebookグループで交流する

弊社ではセミナーに参加いただいた方をFacebookのグループに招待し、セミナー後も継続的にディスカッションを行なっています。
共通の関心を持つ人たちを集めて、コミュニティを作りましょう。

6.業界の最新情報を配信して、ソートリーダーシップを発揮する

Webサイトやブログのコンテンツを配信する以外にも、TwitterやFacebookで業界の最新情報を発信することで、その分野に対するソートリーダーシップを発揮することができます。

ソートリーダーシップとは?
ソートリーダーシップ(Thought Leadership)とは、特定のセグメントや分野において将来を先取りしたテーマやソリューションを示し、人々の議論や思想形成を引き起こすことにより、そのテーマやソリューションについて改めてより深く考えるようにする活動を指す。

※カイロスマーケティング株式会社のブログより引用

タブレットやO2Oに関する最新情報を発信しているエスキュービズム社のFacebookページ

7.親近感を持ってもらう

社内の何気ない風景を伝えたり、情報発信にキャラクターを使うことで、企業として発信する情報がより身近に感じられ、親近感を持ってもらうことができます。

キャラクターを使い発信する情報をより身近に感じさせるスカイアークシステム社のFacebookページ

■最後に

以上、7つの活用方法をご紹介しましたが、大切なのは見込み顧客と中長期的な関係を築いていくことです。
そのためにソーシャルメディア上の声を聞きながら、見込み顧客に役立つコンテンツを継続的に発信し、その中で信頼感や親近感を持ってもらうようにソーシャルメディアを活用していきましょう。

※アイキャッチ画像:facebook website screenshot/Spencer E Holtaway

ザッカーバーグは(今でも)Facebookの株価に失望。広告ビジネスには「精通している」

Mark Zuckerbergは、今日(米国時間6/11)行われたFacebook株主総会の質疑応答前に、事前送付された質問の多くがIPO以来のFacebook株の業績に関するものであったことを明かした。それはありふれた質問であり、彼のコメントも、昨秋のTechCrunch Disruptカンファレンスを含め過去に話したものと同じような内容だった。

Zuckerbergは、多くの株主が株価の実績に満足していないことを認め、Facebookは、世界をもっとオープンでつながれたものにするという全社的使命を、より深く追求すると共に、「株主全員がすばらしい財政的リターンを得る」ことが必要だと語った。

「私たちは過去一年間の株価実績に失望している。重要なのは、そのために私たちは何をするのか、である」とZuckerbergは語った。

Zuckerbergは、回答の中であまり詳細に立ち入ることはなかったが、会社が常に「長期的展望」にたっていることを話した。彼は、Facebookが現在に至るまでに9年かかったことを挙げ、今後も株価だけではなく、サービスの改善、売上の向上、アプリの拡充などに引き続き焦点を当てていくと語った。

それに続く質問から判断するに、株主たちはこの回答に十分満足してはいないようだ。また、多くのコメントや質問に関してその険悪さうぶさ加減面白がる向きもあるが、これはFacebook株を買った一般人の多くが、結果的に損を出しているという(おそらく明白な)事実を思い出させるものだ。

彼らの不満に対するZuckerbergの回答は、主として冒頭のコメントの変化形にすぎなかったが、最後に聞かれた彼がどれだけの時間仕事に集中しているかという質問への答えは興味深かった。

「私は殆どの時間を、サービスやわれわれのユーザーが触れる部分の検討に割いている」と彼は言った。しかし、その「ユーザー」には、消費者、デベロッパー、広告主など様々なグループが含まれていることを指摘し、自分はFacebookの広告製品の検討に「有意義な」時間を費していると言って間違いないと付け加えた: 「私は当社の広告ビジネスに極めて精通している」。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleのPageに続きFacebookのZuckerbergもPRIZMへの関与を否定

Mark ZuckerbergがさきほどFacebook上で、FacebookがPRISMに関与したという非難に対し、個人として応答した。その中で彼は、同社のサーバへの“直接的アクセス”を政府に与えたことは一度もない、と言明している。

数時間前にはGoogleがやはり、PRISMをめぐるあれやこれやに対して応答した。この、PRISMと呼ばれる、NSAとFBIによる国家レベルのハッカー行為、いやクラッカー行為により、合衆国の情報技術系大企業Facebook、Google、Microsoft、Appleなどのサーバがアクセスされ、ユーザ情報が盗視された、と言われている。

Zuckの応答はLarry Pageのそれと、あまり変わらない:

PRISMに関するひどい報道に対して、個人的に応答したい。

Facebookは合衆国やそのほかの政府に弊社のサーバへの直接的なアクセスを与えるいかなる計画にも、加担したことはない。弊社は、Verizonが受け取ったとされているような、大量の情報やメタデータを求める、何らかの政府機関からの包括的要求や裁判所命令を受け取ったことは、一度もない。もし受け取っていたら、断固拒否したであろう。PRISMについても、昨日までは一度も聞いたことがない。

政府がFacebookにデータを求めるときには、弊社はその要求を慎重に精査し、正しい手順に従っていることと、すべての関連法に照らして要求が適法であることを確認し、法が正当に要求している情報である場合のみそれらを提供する。ユーザの情報の安全と保安のためには弊社は今後とも断固たる態度をとり続ける所存である。

すべての政府は、公共の安全のためのすべての施策に関し、透明性を確保すべきである。それが、市民の自由を守り、われわれが末永く望む安全で自由な社会を作るための、唯一の方法である。

このポストは私がこの記事を書いてる時点(日本時間6/8 7:00amごろ)で56000あまりのLikeを集めている。

なお、Pageの声明文とZuckerbergのそれは、とてもよく似ている。下に引用したツイート中にあるリンクのDocを、チェックしてみよう:

この計画に関わったとされるすべての企業が関与を否定している。それらは、Facebook、Google、Microsoft、Apple、Yahoo、Dropbox、PalTalk、そしてAOLだ。8社中5社は、いかなる政府機関にもサーバへの“直接的アクセス”を与えたことはない、と言っている。半数以上が、“PRISMという名を聞いたことがない”、という。PageとZuckerbergの両人は共に、“昨日初めて知った”と言っている。

各社の声明があまりにも似ていることを、陰謀説の根拠とする者もいる。それは必然的なドミノ効果だ、と見る向きもある。事実はいまだに闇の中だが、一社が関与を否定したら他もそれに従わざるを得ない。

〔訳注: 私はFacebookアカウントをアメリカのオレゴン州あたりからハックされ、Facebookを(パスワード変更後)完全脱会したけど、その完全脱会の“完全性”にもいまだに完全な信頼はおけない。Facebookは、こんな退屈な声明文ではなく、ログとその分析結果を公開したらどうだろう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook、今年下半期に広告の大幅改革を実施―現在の27種類を半減へ

Facebookはさきほどメンローパークの本社でプレスイベントを開催し、広告の種類を大幅に減らして広告システムを簡素化する計画を発表した。

広告プロダクト・マネージャーのFidji Simoによれば、Facebookは広告出稿プロセスを簡単でわかりやすいものに改良したいのだという。Simoは「現在Facebookには27種類の広告がある。どれをとってもそれ自身としてはすばらしいプロダクトだが、残念ながら全体としてはあまりに複雑なシステムになっている」と認めた。

これはつまり広告主が複雑さに恐れをなしたり敬遠したりする可能性があるということだ。Facebookのビジョンは、広告主が「何者で、何を伝えたいのか、何を達成したいのか」を告げるだけでシステムが最適な広告ユニットを選択できるようにすることだという。

少々わかりにくいが、Facebookは広告の料金決定のシステムを変えるつもりはないらしい。プレスイベントの会場からその点について質問があり、Andrew Bosworthは「現行の競争入札による料金決定プロセスはいっさい変更されない」と答えた。Simoは「改革は広告フォーマットを簡素化すること、あらゆる種類の広告でもっとも効果の高いスポンサード記事を表示すること、広告表示の一貫性を高めること、という3つの分野になる」と説明した。

たとえばFacebookは独立した広告としてのQuestionsを廃止する代わりに通常のFacebookページ広告に質問機能を追加する。広告ページに割引セールのサイトへのリンクを掲載するだけで足りるので割引セール広告も廃止する。またFacebookページ広告にページ広告自体とページの「いいね!」広告、ページのコメント広告と3種類あったのをページ広告に一本化し、Facebookシステムがソーシャル・コンテキストを判断して自動的に適切な位置に広告を表示する(下のスクリーンショットはその例)。

こうした広告システムの変更の大部分は今年の第3ないし第4四半期に実施されるという。ただし一部はそれより早く実施される。

Facebookはさきほど公式ブログに記事を詳細を解説する記事を発表した。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、6月11日の第1回株主総会をウェブ中継

Facebookの取締役と株主が6月11日に集合し、誰でもそこにバーチャル参加できる。Facebookは今日(米国時間6/4)、同社初の株主総会をウェブ中継すると発表した。この方針は今後のFacebookの株主総会の前例となる可能性が高い。Googleと似ているが、Apple非ストリーム集会とは対照的だ。

総会議題の中心は、Facebook取締役会メンバーの選出だ。株主への通知には、Facebookが現在の取締役のうち、去る4月に8年続けた取締役の座を退くことを発表したJim Breyerを除く全員の選出を依頼している。選出候補者は、Mark Zuckerberg、Sheryl Sandberg、Donald Graham、Marc Andreessen、Erskine Bowles、Reed Hastings、Peter  Thiel、および最新メンバーのSusan Desmond-Hellmann

総会では他に、Facebook幹部の報酬について、および株主がこの決議を行う頻度を1年、2年、あるいは3年に1度とするかを決める非拘束勧告的決議が行われる。株主は独立公認会計事務所、Ernst & Young LLPの指名、およびその他の必要事項を承認する。

太平洋時刻6月11日午前11時から、サンフランシスコ空港ウェスティンホテルで行われるこの総会は、Facebookが公開企業として迎えた最初の1年を締めくくるものだ。これまでに$FB株は、2012年5月18のIPO価格38ドルから、本日の23.52ドルへと下落し、2013年5月3日の28.31ドル以来下降を続けている。ウェブ中継のおかげで、果たして株主たちは株価に対する不満の声を上げるのか、あるいはCEO Mark Zuckerbergや取締役会に失望の意をぶつけるのかを、われわれも見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


アプリケーションのクラウド化の進展でサーバの売上が初めて落ち込む

Gartner Researchの調査報告によると、今年の第一四半期では、世界のサーバの売上高が前年同期比で5%減少し、IBMやHPなど上位五社(Dellを除く)がとくに大きく落ち込んだ。サーバの台数では、0.7%減少した。

しかしサーバの売上の減少は、意外ではない。近年雨後の筍したクラウドアプリケーションは今では数千件の規模に達し、その世界へのデベロッパたちの移行も急激に進んでいる。しかしそれらのアプリケーションがいくら増えても、大きなワークロードに対応できるパワーアップされたx86サーバに住み込むだけだから、サーバの新規売上には貢献しない。今のデベロッパは、サーバではなくクラウドに対して仕事をする。大企業も、昔のように高価なマシンを金に糸目を付けず潤沢に買い込むことはなくなった。

Gartnerの報告書では、x86サーバの台数は当四半期でほぼ横ばい、売上額では1.8%増加した。しかしサーバの売上は、機種の問題というよりベンダが今直面している問題だ。上位5社の売上は2013Q1で軒並み減少し、ただ一社Dell…x86専門!…だけが14.4%の増加を見た。

RISC/ItaniumのUnixサーバは前年同期比で台数が38.8%減、売上では35.8%減少した。メインフレームは世界全体で売上が3.6%上昇し、相変わらずのしぶとさを見せている。

ここにGoogleやFacebookやAmazonなどの名がないのは、彼らがサーバの買い手だからだ。クラウドサービスのベンダは、サーバの提供者のように見えて、実はサーバを買う側だ。しかも彼らは、車にたとえるとロールスロイスのような高級機を買うのではなく、必要な機能だけを実装した無駄のない安価なマシンをQuantaのようなところから一括大量仕入れしているから、サーバの売上データにあまり貢献しない。ちなみに今では、サーバの全世界売上7台のうち1台がQuantaで買われている

Open Compute Projectというディスラプティブな(革新的で破壊的な)プロジェクトも、無視できない。これはFacebookが率いるオープンハードウェアの運動だが、サーバやネットワークスイッチのオープンソース化を推進し、古い体質のサーバ業界にダメージを与えようとしている。Quantaも、今ではOpenCompute仕様のプロダクトの販売により力を入れようとしている。

サーバビジネスの現状は、来(きた)るべき未来を示唆している。ロールスロイス的サーバ機ベンダのカモだった大企業も、これからは超安値のサーバ市場と今急速に評価を高めつつあるオープンソースムーブメントに、適応して行かざるを得ない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook、Twitterにならってページと個人プロフィールにアカウント認証を導入

Facebookは先ほど、アカウントの認証機能の提供を開始した。これは影響力の大きいFacebookページおよびプロフィールについて、真正なユーザーによって所有されていることをFacebookが保証するものだ。これがTwitterの認証アカウントのコピーであるのは明らかで、個人ないし企業が真正であることを表示するために青いチェックマークが使われている点まで同じだ。チェックマークはページそのものに表示されるだけでなく、検索結果その他あらゆる場所に表示される。

現在、認証はフォロワー数が多く、影響力の大きいユーザー(著名人、ジャーナリスト、政府高官、有名ブランド・企業など)のFacebookページに限られている。Facebookによれば、個人のプロフィールの認証機能もすぐに公開されるという〔公開ずみ。アップデート参照〕。

Facebookはヘルプセンターに新たな項目を設け、ページやプロフィールの認証機能が提供されることを説明している。ただし具体的にどのようにして認証が行われるのか具体的な情報はない。チェックマークにマウスを載せると(日本語の場合)「認証済みページ(プロフィール)」というポップアップが表示される。Facebookでは「ユーザー側から認証を求めることはできない」という。Twitterの場合と同様、Facebook側から認証の確認を求めることになるようだ。

われわれはFacebookに対して認証手続きの詳細を取材しているところなので、新しいことが分かり次第フォローする。

Facebookは2012年の2月に一種の認証システムをスタートさせている。このときはユーザーがなんらかの身分証を提出するという方式だった。これはユーザーが実名ではなくニックネームを使う(俳優や作家の場合必要になる)ための手続きの一環だった。しかしこのプログラムで承認されても、そのことはどこにも表示されなかった点が今回の認証とは異なる。

FacebookはTwitterがすでにそうなっているようなメディア、ジャーナリスト、セレブなどの大規模な情報配信のチャンネルになろうと努めている。フォロー機能も昨年取り入れられ、相互承認が必要な友だち関係にならなくても、興味を持った相手の投稿を購読できるようになった。これはFacebookが「現実の知り合いのネットワーク」にとどまらず、放送の代替となるようなマスメディア機能を果たそうとしていることのはっきりした現れといってよい。

Facebookはまた2011年にソーシャルメディアのプロ、MashableのVadim Lavrusikをスカウトしている。Lavrusikは現在ジャーナリストにFacebookを主要な情報配信媒体として利用するよう熱心に働きかけている。認証済みチェックマークはセレブやジャーナリスト本人が(あるいは少なくとも本人が承認したPRチームが)アカウントを運営していることが分かる点で、その情報源としての信頼性と価値を大きくアップすることになる。

アップデート: われわれのJosh Constine記者はつい先ほど「プロフィールが承認済みとなった」という通知を受けた。Joshはこの件については何の要請もしておらず、また特に手続きも要請されなかった。彼のアカウントは通常の個人アカウントだが、フォロワーが17万人と大量であること、ジャーナリストとして著名であることなどから、自動的な承認の対象になったものだろう。Joshのアカウントを訪問あるいは検索すると青いチェックマークが現れる。

〔日本版〕安倍晋三首相のアカウントにも認証済みチェックマークがついていない。現時点では日本では認証機能は未公開のもよう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Amazon、巨大温室のようなバイオ・ドーム付き新本社の建設計画を発表―すぐ近所に立派な公園もあるんですけど

Amazonは未来的な本社ビルの建設計画を関係当局に提出したと報じられている。この計画では高層タワーに加えて半球形の温室のようなバイオドームが3棟併設される。このドーム内では多様な植物が育てられると同時に、公園のような環境で社員が働けるよう、オフィスおよび各種福利厚生施設が設けられる計画だという。

これがその計画案だ(最初に報じたのはGeekWire)。一般的に言って、たいへん洒落ていて未来的で、さらに流行に乗っている。

つまりAppleもだいぶ前になるが、宇宙船オフィスの計画を発表しているし、他の大手テクノロジー企業もオフィスに社員を引き止めておくために非常な努力を払っている。 最近もMarissa MayerがYahooの服務規程を改定してYahooの社員の在宅勤務を禁止して大きな話題になった。その後Yahooは昔ニューヨーク・タイムズの本社だったタイムズ・ビルに広いスペースを借りた。聞く所では、タイムズ・スクエアを見下ろすこのオフィスには、700人の社員を収容することができるという。

現在Google、Apple、Facebook、Amazonというテクノロジー企業のトップ社が期せずしてオフィス環境の整備に力を入れている。

Googleのオフィスはマウンテンビューの本社にせよ、ニューヨーク・オフィスにせよ、一流シェフが腕をふるう無料の食事が用意されるなどまずは最良の職場環境といってよいだろう。Appleはスティーブ・ジョブズの最後のビッグ・プロジェクトである空飛ぶ円盤のような新本社の建設に取り組んでいる。FacebookもGoogleと同様、チェス、ビデオゲーム、バスケット・コート、無料ランチなどの福利厚生をふんだんに提供している。

そういう次第で、第四の騎士たるAmazonも優秀な社員を引き止めておくためには何か手を打たねばならないと感じ始めたのだろう。誰にとってもよいことだ。社員は快適な環境で働くことができるし、雇用者は社員の能率が上がれば十分に投資の元が取れる。

とはいうものの、Amazonの場合、たった3ブロック先に完璧な公園があるのだが。

Here’s the full set of plans:

Amazon's new HQ design by John Cook

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


FacebookはIPOから1年でどう変わったか–12の重要な数字を見る

$FBは$26.25と低迷し、IPO時の$38から相当下げているが、しかし1年前の公開時に比べて企業は大きく成長している。一日のユーザは26%アップ、モバイルの月間ユーザは56%アップ、売上は38%アップだ。先進国では新規登録が枯渇気味だが、成長は順調で天敵も現れず、困難な初年度を無事に生き延びた。

〔以下の各項目のパーセンテージは、とくに記銘のないものは“アップ”を意味します。〕

  • Like(いいね!) – 45億 – 67% – 本年5月の1日平均。2012年8月では27億。
  • 共有コンテンツ数 – 47.5億 – 94% – 本年5月の1日平均。2012年8月では24.5億。

[データと画像はFacebook提供]

Like(いいね!)と共有の増加率はFacebookのユーザ数のそれを上回っており、ユーザのエンゲージメント(参加性)が強いことを表している。Facebookは飽きられつつあるという噂にも反している。Mooreの法則をもじったCEO Zuckerbergの法則によると、人びとの共有数は各年で倍増する。94%はほぼ倍増を意味するから、Markの説は当たっている。この数字の増加は、共有されたコンテンツを見に来るユーザが増えるという意味だから、Facebookの広告収入にとっても重要だ。

そのためFacebookは最近とくに、モバイル体験の参加性アップに努めている。とりわけFacebook Homeは、まだ絶対数は少ないものの、アクティブユーザのFacebook滞留時間を25%上げている。滞留時間が増えれば共有も増える、という算術だ。また人気の高いiOSとAndroidアプリは、HTML5からネイティブアプリに切り替えることによって倍速くなった。これもセッションタイムの増に貢献している。そのほか、コンテンツ特定型のニューズフィードで閲覧密度を高め、 グラフ検索によりデータの付加価値増と(その付加価値への)人びとの貢献度アップを図っている。

iOSとAndroidに関してはモバイルSDKを充実し、いろんなアプリがFacebook上でコンテンツを共有しやすいようにした。Facebookがデベロッパ育成に熱心なのも、そのためだ。デベロッパがwinすればFacebookもwinするという、winwinの関係がある。

  • 月間アクティブユーザ数 – 11.1億 – 23% – 2013年3月。2012年3月では9.01億。
  • 各日アクティブユーザ数 – 6.65億 – 26% – 2013年3月の平均。2012年3月の平均は5.26億。
  • モバイル月間アクティブユーザ数 – 7.51億 – 54% – 2013年3月。2012年3月では4.88億。
  • Instagram – 月間アクティブユーザ数1億 – 2013年2月。

Facebookの新規登録は今でも活発だが、地域によって差がある。2013Q1では、合衆国とカナダでのユーザ一人当たり収益$3.50に対し、インドとブラジルを含む途上国ではわずかに$0.50だ。Facebookのユーザ数が大きく増加しているのは後者の市場だが、増加ぶんがFacebookに持参する新規の‘ユーザ価値’は、したがって年々薄くなっている。

モバイルの成長も、同じ問題を抱える。デスクトップでは最大7つの広告を表示できるFacebookも、モバイルの小さな画面では遠慮しなければならない。だから、デスクトップからモバイルに移行するユーザが増えると、ユーザ一人当たりの広告収入は減る〔広告単価は同じか?〕。デベロッパが自分のアプリを見つけやすくするための、ニューズフィードへの課金にFacebookは期待しているが、アプリのローンチ数と途上国のスマートフォンユーザ数は今後増える一方だから、それは確かに成長市場だ。

しかし全体として見ると、Facebookは立ち上げから9年にして、いまだに強力に成長している。Facebookの、まるで空気や水のような遍在性が持つネットワーク効果は、もはや無敵だ。Facebookを、今の‘万人の万人のためのソーシャルネットワーク’の座から引きずり下ろすためには、何かものすごく画期的なものが必要だ。いまのところは、特定のユースケースを売りにする競合サイトはいくつかあっても、Facebookの、インターネットの住民登記所のような普遍的な性格に勝てるものは見あたらない。Facebookは、Instagramの例に見られるように、若干脅威を感じたものは自分で買ってしまうから、なかなかディスラプトされないし、その支配は今後何年も続くだろう。

  • 地域企業 – 1600万 – 100% – 2013年5月の企業ページ数。2012年6月では800万。
  • 投稿の宣伝(Promoted Posts) – 750万 – 2012年6月から2013年5月までの累積。
  • 売上 – 14.6億ドル – 38% – 2013Q1。2012Q1では10.6億ドル。
  • 広告収入 – 12.5億ドル – 43% – 2013Q1。2012Q1では8.72億ドル。
  • 社員数 – 4900 – 38% – 2013年3月。2012年3月では3,539。
  • 有料ゲームプレーヤー数 – 24%あまり – 2012年3月と2013年3月の対比。

明らかにFacebookは、公開企業になってからお金儲けにまじめに取り組むようになった。ゼロだったモバイルの売上は四半期で$375Mになり、総広告収入の30%を占めるに至った。それは昨年後半に立ち上げたモバイルアプリインストール広告に依るところが大きい。デベロッパが自分のアプリをFacebookのニューズフィードで宣伝すると、広告のリンクがユーザをApple App StoreやGoogle Playストアのダウンロードページへ連れて行くのだ。今やこれらのストアは大量のアプリで渋滞しているが、デベロッパたちは、だからなおさら、Facebookにお金を払って自分のアプリを見つけてもらおうとする。

FacebookのFacebook Exchangeも、広告ビジネスとして順調だ。これはユーザのブラウザの履歴を見て、そのユーザ向きと思われる広告を表示する。Facebookは、企業の通常の広告費のほかに、ターゲット広告のための広告予算も取れるようになった。これに対し、eコマースへの進出ともいえるFacebook Giftsは、あまりうまくいってない。Giftsは成績がよろしくないので、より魅力的なギフト/プレゼント買い物サイトへのオーバホールを迫られている。有料ゲーム等のさや取りも、あまり伸びていない。ゲームのモバイル化で今繁盛しているのは、Apple(iOS)とGoogle(Android)の二大陣営だ。Facebookは、いまいち。

Facebookがグラフ検索に広告を出し始めたことは、投資家を喜ばせるかもしれない。今はFacebookの通常のターゲット広告だが、キーワードターゲットを導入すればGoogleのAdWordsという強敵と互角に戦える。今後は地域企業もますます、ネット志向Web志向になってくるから、(彼らのページのある)Facebookにとっては有利な展開になる。今のところソーシャル広告の活用例が少ないが、でもターゲット性の希薄な印刷広告や電話帳広告からFacebookへの移行の流れが、これからはますます太くなる。

というわけで、これからのFacebookのお金儲けのネタはまだまだある。テレビコマーシャル的な自動再生ビデオ広告はまだやってないし(やるという噂はあるが)、モバイルの広告ネットワークも実験を中断してしまった。個人化〜ターゲット化された広告の再利用が進むと、一部のユーザは不快に思うかもしれないが、売上増には大きく貢献する。広告ネットワークでは、Facebookの無尽蔵な個人データが、よそで表示される広告にも利用されるのだから、自分のサイトやページの物理的な限界が打ち破られ、濡れ手で粟のような広告ビジネスとなる。こういうことを考えると、今のFacebookの株価は実体に対してあまりに低すぎる。

しかもFacebookの場合は、お金儲けに精を出しても本業の“世界を結びつける”仕事が阻害されない。広告は(とくにモバイルで)これからもどんどん増えるが、それはユーザがエンゲージメント意欲を削がれるほどの困惑材料ではない

Facebookは、成長し成熟した。毎年ユーザ数が倍増していたぴちぴちのスタートアップでは、もはやない。しかしその成熟は、まだ円熟にはほど遠い。そのデータとユーザアクションが持つ大きな潜在的付加価値は、まだ十分に掘り起こされていない。IPOを無難に切り抜け、ユーザ体験を損なうことはまったくなかったが、世界の基盤的ユーティリティとなった今とこれからは、直接的な金儲けよりも、そのコミュニティの長期的な健康に注力することによって、人びとの人生そのものをシリアスなビジネスに変えていけるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook Home、Google Playランキングで見る限りは人気は急「降下」中

他記事にも出てきているようにFacebook Homeの人気がいまひとつ上がらない。FacebookのCEOであるMark Zuckerbergが「次世代のFacebook」として投入したものだ。アプリケーションストア分析サービスの報告を見ても、Google Playでのランキングは登場時に話題を集めたとき以来、着実に低下し続けている。Facebook自体のアクティブユーザーは10億を超えているものの、Facebook Homeのダウンロード数は木曜日のアナウンス時点で100万程度であるとのことだった。またAT&TはFacebook Home搭載のHTC Firstの価格を99ドルから99セントに大幅値下げした。

いろいろなデータからわかるのは、Facebook Homeが苦戦を続けているらしいということだ。ユーザー獲得がなかなか進まない状況なのだ。

アプリケーションは、4月12日にGoogle Playで公開された。サポートデバイスはごく限られたもので、HTC One X、HTC One X+、Samsung Galaxy III、そしてGalaxy Note IIだった。HTC Firstには、予めFacebook Homeが搭載され、アプリケーションのリリースと同時に発売されることとなった。少しして、HTC OneおよびGalaxy S4でも利用できるようになった

予め言っておけば、こうして一部の機種でしか利用できなかったのも普及を妨げる一因とはなったのだろう。

いずれにせよ、Facebook Homeが、ダウンロード可能な国々のストアで最高の成績をおさめたのが4月24日だった。しかしそこから主要マーケットで徐々にランキングを落としてきているのだ。すなわち、まず話題になっているアプリケーションに多くの利用者が注目したものの、癖のあるものであるという情報が広まり、新たに導入しようと考える人が減っていったのだろうと思われる。

App Annieのデータにも、人気上昇と下降の様子が現れている。公開されるとすぐにFacebook Homeはアメリカ国内における全体順位で72位まで上昇した。これが4月の16日だ。4月の23日までには8ヵ国でトップ100入りする成績をおさめた(ノルウェイ、シンガポール、カナダ、デンマーク、オーストラリア、香港、ハンガリー、イギリス)。そしてトップ500には38ヵ国で入り込んでいた。しかしそれから4月末に向けてランクを落とし始め、トップ500に入っているのは29ヵ国で、トップ100を記録している場所はなくなってしまった。

以降、いずれのマーケットでもまだトップ100への返り咲きを果たすことができずにいる。

Distimoの分析でも同様の結果が出ているだ。4月末(4/29)の調査では、Facebook Homeはルクセンブルクにて、最高の83位の位置にいて、ポルトガルでは477位だった。しかしこの段階で既に、ランキングを落としつつあるのだ。

下の表は、Facebook Homeの4月29日段階でのランクと、それが4月24日からどのように変化したかを示すものだ。ランクの変動幅は各国の順位を示すバーの上に小さな数字で記されている。

そしてさらに数日後(5/8)、Distimoは状況がさらに悪くなっているということを発見した。フランス、ドイツ、ブラジル、およびアルゼンチン等の主要国では全体ランキングの500位からも脱落している。

そして上位に位置する国の数はさらに減りつつあるのが現状だ(下の表と上の表では国の数がかなり違ってきていることがお分かりいただけるだろう)。

アメリカ、ドイツ、オーストラリアのみを対象として折れ線グラフにも示してみた。

App Annieの調査でも順位の下落が顕著となっている。5月10日の段階で、Facebook Homeが上位500位に入っている国は19しかない。それらの中における最高位はノルウェイの191位で、トップ100には遠く及ばないような状況となっているのだ。

たいていの国では300位ないし400位あたりにいるようだ。たとえばアメリカでの順位は338位となっている。

復活はあるのか?

このような現状を見る限り、Facebook Homeは「ヒット」とは遠い状況にあるといえるだろう。

少し前にFacebook Homeの状況についてFacebook自体が論じていた中で、「100万程度のダウンロード数」ということをアナウンスしていた。しかしそれはあくまでダウンロード数のことであり、アクティブユーザーの話ではなかった。ここまでに示してきたデータを見る限り、ダウンロード数すらも思い通りに伸びていかない状況となってしまいそうだ。

但し、Homeを使っている人のエンゲージメント率は確かに高まっている。先のFacebookからの発表記事によれば、Homeの利用者の間ではFacebookの利用時間が全体で25%伸びたのだとのこと。細かくみるとコメントや「いいね!」が25%の伸び、チャットの利用率が7%、そしてメッセージの利用率も10%伸びているのだそうだ。

ただ、現段階での目標はダウンロードしてくれる人を増やすことだろう。そしてもちろん、それを使ってもらえるようにしなければならない。Facebookも、もちろんその方向で考えており、アイコンドック(ホーム画面の下部に、よく利用するアイコンを登録しておく機能)を追加したり、Dash Barという機能でチャットの相手を見つけやすくなる機能などを搭載することとした。またこれまでの方針を変更し、ホーム画面の代替物としてではなく、既存システムの上で動作するレイヤー型のアプリケーションとしての方向も目指しているようだ。これにより、利用者がFacebook Homeの導入までに行ったカスタマイズなどが消え去ってしまうこともなくなる。

Facebookの方針転換を含む変更が「間に合う」のかどうかは今後を見てみないとわからない。もしかするとFacebook Homeについてネガティブな評価をしているアーリーアダプターたちが、期待を失い、そして興味をなくしてしまうこともあるかも知れない。

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(翻訳:Maeda, H)


FacebookのiPhoneカルチャーが、HomeのAndroidへの過激な侵入を生んだ

Facebookは、Androidユーザーにとってウィジェットやドックやアプリフォルダーがいかに重要かを認識せず、それらをHomeに入れないという大きな過ちを犯した。その理由は、HomeをテストしたFacebook社員の一部がふだんはiPhoneを持ち歩いていたからであることを確認した。”droidfooding”[Anroidを無償配布してテストさせること]の不足によってFacebookはこれらの機能を追加しそこない、その結果Homeは提供以来1ヵ月でわずかに100万ダウンロードだ。

11月にも書いたように、Facebookはより多くの社員に “droidfooding”を行おうとしている。問題は、Facebookが何年も前から社員にiPhoneを渡してきたことだ。Facebook社員はAndroid端末をリクエストすることもできるが、言わなければAppleの電話機が渡されるのが普通だ。それはFacebookユーザーの間でiPhoneのシェアの方が大きかった1年前には危険ではなかったが、その後Anrdoidが爆発的に増えてリードを奪った。もしFacebookが最大のオーディエンスにリーチしたいのであれば、社員をGoogleモバイルOSと共に生活させる必要がある。

“droidfooder”の不足は、Facebookの新しい “apperating system” であるHomeが登場するまで深刻な問題ではなかった。HomeはAndroidのロック画面とホーム画面とアプリランチャーを、facebook中心の体験で置き換える。Homeは、端末のスリープを解除した直後に、ニュースフィードを閲覧するための大きくて美しい「カバーフィード」を表示する。そこには、リアルタイム情報のウィジェットを作ったり、よく使うアプリを常に見えているドックに置いたり、アプリをフォルダーにまとめたりする機能はない。

初めてHomeを使ってみた時、私はカバーフィードとチャットヘッドに感動したが、Androidのパーソナル化が失われたことには動揺しなかった。それは、私がiPhoneユーザーだからだ。

iPhoneにはそもそもウィジェットがないので、何が足りないかも実はわからなかった。私は “Facebook Phone” ことHTC Firstの新品貸し出し機でHomeを使った。自分のiOSドックやフォルダーをAndroidに移行できるなどとは期待しなかった。自分の体験がいく分「非パーソナル化」されることを受け容れた。私はうぶであった。

本当の問題は、Facebookの開発者たちも同じようにうぶだったことだ。私が話をした社員たちは、iPhoneユーザーにHomeをテストさせたために、Facebookは人々のウィジェットやドックやフォルダーを置き換えることがいかに問題であるかを見落したことを認めた。一般的なアプリと異なり、新しいAndroid端末を社員に渡してテストするだけでは不十分だ。必要なのは長期間の熱心なAndroidユーザーだった。Facebookは望むほど多くの人数を社内に持っていない。

先週木曜日(5/9)にFacebook本社で、技術担当VPのCory Ondrejkaと、製品ディレクターのAdam Mosseriは、これがHomeの致命的欠陥であることを認めた。それは人々がダウンロードしてアクティブにHomeを利用するのをためらう理由であり、Google PlayストアでHomeの評価が星1つや2つになることに繋がっている。こうしたレビューに加え、自分のパーソナライズしたAndroidランチャーを手放したくないという人々の思いが、Facebook Homeをランキングのはるか彼方と追いやっている。Sarah Perezが昨日詳しく報じたように、Homeがトップ100アプリから外れたことを複数の分析会社が伝えている。

「Homeにドックがないことは問題だというフィードバックを数多くもらっている」とOndrejkaは言った。そこでFacebookは、月例アップデートの最初の何回かは、Homeのステータスエディターを改善したり広告で収益化を始めるのではなく、考えを改めた。Homeを「ロック画面とホーム画面を置き換えるもの」であると売り込むのをやめ、代わりにFacebookはこれを、既存スマートフォンに被せた薄いレイヤーであると言ってトーンを下げた。

そのためにまず、ユーザーが他のアプリをアクセスする方法を正確に示した、もっと詳細な新規ユーザー体験を提供する。次に右の写真にあるような「ドック」を導入する。ユーザーは最近もっともよく使ったアプリ4本をここにインポートできる。Mosseriは私に、facebookはユーザーがAndroidをカスタマイズした作業をHomeのために犠牲にしてほしくないと考えていると言った。最終的にFacebookは、アプリをフォルダー化するシステムやHomeにフォルダーをインポートする機能や、ウィジェットを表示する方法などを追加するだろう。

「あなたの古いランチャーからあなたの新しいランチャーへの移行をスムーズにしたかった」と計画している変更についてMoserriは語った。Facebookは、Homeを公開する前にそれが最優先であることを知り得たはずだが、同社のiPhoneカルチャーは、そこで声を上げる者が誰もいないことを意味している。

Homeには大きな可能性がある。弱点を受け入れてHomeに落ち着いた人々は、Facebookで過ごす時間が25%増えている。しかし、ダウンロード数は100万以下で停滞しており、そのAndroidへの過激な浸入は人々を追いやり、アクティブユーザーはずっと少ないはずだ。

これ以上明白なことはない。もしFacebookが、1 Hacker Wayの本社ビルでもっと多くのポケットにAndroidを入れられなければ、これからもモバイルでつまづき続けることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


生まれたてのブログがアクセスを獲得する為の 7 ステップ

生まれたばかりのブログや Web サイトにアクセスを呼び込むのは至難の技です。
ブログを公開している以上アクセス数は気になりますし、なるべく多くの人に見てもらいたいと思うのが素直な気持ちでは無いでしょうか。

今日はそんな生まれたばかりのブログがアクセスを獲得するにはどうすれば良いかをご紹介したいと思います。勿論、既に運用しているブログにも応用できるものもありますので、参考にして頂けると幸いです。

特に奇をてらった施策や秘密の裏技をご紹介しているわけではないので、このブログの初月 PV をご覧の上参考になりそうであれば是非読んでみて下さい。何かのお役に立てば嬉しいです。

Twitter で記事タイトルと URL を呟く


基本中の基本ですね。
この時点で「なーんだ…。」と思ってしまう方も居るかも知れませんが、ちょっと待って頂きたい。これは何も、よくある SNS 活用を促しているのではありません。

既に持っているアカウントでも、新規に取得したアカウントでも何でも結構です。
たとえフォロワーが居なくとも、Twitter で呟く事に意味があります。

手動でも自動でも良いので、過剰にならない程度の頻度で呟きましょう。
勿論、フォロワー数が多く、既に多数のフォロワーと友好な関係が築けているアカウントの方が有用なのは言うまでもありませんが、Twitter で呟く事の意義は別にあります。

SEO の観点から Twitter を利用する

生まれたてのブログはコンテンツも少なく、満足な SEO 効果を発揮する事が出来ません。また、基本的には被リンクも無いですし、ドメインの年齢も低いとくれば、インターネットの世界ではまさに赤子のような脆弱さです。知名度も皆無と言って良いでしょう。

そこで Twitter を利用します。

インターネットを利用していて Twitter を知らない人は居ないでしょう。
Twitter には確固たる運用実績とコンテンツの集積があり、SEO 的にも優れています。(少なくとも、生まれたてのブログよりは。)

その為、Twitter で記事名やブログ名、URL を呟く事でインターネットと言う世界にあなたのブログの痕跡を残す事が出来ます。
そしてこれが、何かの拍子に検索で引っかかって、あなたのブログへの入口となるのです。

Twitter はフォロワーへのアピールではなく、Web 上に足跡を残すつもりで呟きましょう。暫くは、ブログ名で検索しても自分のブログよりも Twitter が上位に表示される場合も少なくありません。

ブログのランキングサイトに登録する

やがて殆ど意味を成さなくなるブログランキングですが、生まれたてのブログにとっては大切なアクセス源になります。『にほんブログ村』などの、代表的なランキングサイトに登録してみましょう。

少し面倒でも、最初は毎日自分でバナーをクリックしてランクを上げるよう務める事も重要です。もしも友人に頼めるなら、暫くの間クリックしてくれるようお願いすると更に効果的です。
ブログランキングからのアクセスは決して多くは無いかも知れませんが、生まれたてのブログにとっては貴重な数字です。

PING を整備する

Ping 自体に直接的なアクセスアップを期待する事は難しいかも知れません。
しかし、ブログの更新情報をより多くの場所に通知する事によって、検索エンジンにクロールされる速度がアップする可能性はあります。

Google ウェブマスターツールに登録する

Google ウェブマスターツールは、ブログや Web サイトに関してセキュリティや SEO などの総合的な観点から解析・管理してくれる、文字通りウェブマスターの為のツールです。

Google ウェブマスターツールにブログを登録する事で、少なくとも Google はあなたのブログを素早く正確にクロールする事が出来るようになります。また、セキュリティ上の観点からも Google ウェブマスターツールの登録は有益なものです。

将来的にコンテンツを見直す時のデータも蓄積される為、まさに一石二鳥です。

検索エンジン用サイトマップの作成

併せて検索エンジン用のサイトマップも作成して、ウェブマスターツールに登録しておくと良いでしょう。WordPress なら自動で最新のサイトマップを作成してくれる便利なプラグインがあります。

是非活用しましょう。

同好の士を見つける

あなたのブログで主に扱っている話題と、同じ話題に興味がありそうな人を探しましょう。
例えば、私のブログは WordPress についての記事が多く用意されています。ですから、WordPress に興味がありそうな人やコミュニティと接点を持つことで、よりアクセスアップに繋がる可能性があります。

極端な例ですが、WordPress の記事をグルメブロガーや政治経済・教育について熱く語っているブロガーに薦めてみても、あまり良い反応が得られるとは想像しがたいでしょう。

ガーデニングのブログなら、同じくガーデニングのブログ。
グルメならグルメ、ペットならペット、本や映画についてのブログであれば、同じような事を記事にしているブロガーや Web サイトの方と積極的に交流を計ってみるとブログそのものがもっと面白くなるでしょう。

Twitter や Facebook を活用したり、ブログランキングのコミュニティに登録したりすると探し易いです。

ひたすらコンテンツ量を増やす

ブログや Web サイトは一朝一夕でできる物ではありません。
一つ一つのコンテンツが集まって、やっとアクセス数が伸びて行きます。

その為、小手先の施策はここまでにして、あとはひたすらコンテンツをたくさん作りましょう。SEO なんかも気にしなくて大丈夫です。
真実を言うならば、アクセスアップには SEO の質より記事の量です。

とは言え殆ど内容の無いコンテンツばかりを増やすのは逆効果です。キチンと中身のある、読んだ人にとって有益なコンテンツを丁寧に作り上げましょう。
そうしていくうちに、ひとりコメントを下さり、ひとり Twitter で仲良くなり、ひとり呟きをRTして下さり、そのうち自然とコンテンツがシェアされるようになっていきます。

大切なのはしっかりと良質なコンテンツを、できる限りたくさん作る事のみです。

まとめ

なぜこんな記事を書こうかと思ったのかと言うと、世の中にはとても面白いけどアクセス数がそれ程無いブログと言うのが結構あるみたいです。

そういうブログを見てるとアピールの仕方と言うか、どう言う風にアクセスアップを図って行けば良いのかが分からなくて困惑してる印象を受けるんです。
アクセス数をもっと増やしたい!でも、どうすれば良いのか分からない…って。

SEO はかなり細かい話になりますし、そもそもあれが必要なブログは限られていると個人的には思います。

それよりももっと身近なアクセスアップ方法として、全くと言って良い程アクセス数が無い生まれたてのブログにも使えるものをまとめてみました。

勿論、アクセス数が全てでは無いのは承知の上です。
私もあまり神経質にならない方が良いと思いますし、このブログについては実はたまーに見る程度です。

しかし、アクセス数がひとつのモチベーションになるのも、また事実。
世の中に埋もれる面白いブログや Web サイトの管理者がモチベーションを無くして去って行ってしまうと寂しいので、少しでもアクセス数を稼ぐ方法がシェアされればと思い記事を書きました。

あなたのサイトが大きくなるまでのほんの少しの間、この記事が何かのお役に立てば幸いです。

生まれたてのブログがアクセスを獲得する為の 7 ステップ is a post from: Room 402

Facebookスマホの出足は鈍い?―AT&TはHTC Firstの価格を99ドルから99セントに大幅値下げ

FacebookがFacebook Homeの普及を助けるためにさらに努力が必要だと感じたのかもしれない。あるいはAT&TとHTCが売上をもう少し伸ばしたかったのかもしれない。いずれにしても、デビューからまだ1と月たっていないのに、最初のFacebookスマホ、HTC Firstの価格が99ドルから0.99セントへと引き下げられた(AT&Tとの契約が必要)。標準のAndroidと高速LTE接続機能が備わった携帯にしてはお買い得だ。

Facebookは私の取材に対して「“われわれはAT&Tの決定を歓迎している。Facebook Mobileのページでも新価格を告知している。AT&TはHTCとSamsung Galaxy S4についても特別割引キャンペーンを実施中だ。だからこの値下げはFirstの売れ行きとは直接関係ない。あくまでキャリヤ側の販売努力だ。どんな携帯も時間がやがて値下がりする」と答えた。

Facebookは「Facebook Homeを搭載した独自携帯の開発に関して他のメーカーとも引き続き協力している」としているのでHTC Firstが最後のFacebook携帯になるわけではないだろう。しかし、HTC Firstについての私の最大の不満はカメラがしょぼいことだったが、その欠点を帳消しにするほどの人気は得ていないようだ。5メガピクセルのカメラは暗いところに弱い上に起動に手間がかかりシャッターチャンスを逃しやすい。

独自のAndroidアプリのHomeの方もダウンロード数は100万に届いていない。とすればHomeがデフォールトで組み込まれたAndroid携帯を99ドル出して買うユーザーはそれよりだいぶ少なかっただろうと推定できる。しかしHomeは今後改善が進むはずだ。ユーザーはHomeのUIが「非直感的」であることに強い不満を抱いているが、昨日も書いたように、Fcebookは毎月のアップデートで早急に対処するはずだ。特にホームスクリーンからアプリのフォルダをすっかり隠してしまうのを止めるべきだと思う。

HomeのUIが改良されればHTCはカメラを改良した新しいFirstを出すだろう。そうなれば売れ行きも上向きになるだろう。それにFacebookは新しいCMを準備したほうがよい。最初のFirstとHomeのCMはストーリーにむやみに邪魔が入る奇妙なものだった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook Home、既存システムの代替としてではなく、その上で動作する「レイヤー」として生まれ変わるべき

「Androidはどこへ行った?」。Facebook Homeのレビュー時によく出てくる文句だ。一所懸命にウィジェットの設定を行ったホーム画面が消えてしまい、呆然とする人が多いのだ。Facebookが自前のHome画面をヒットさせたいと思うのならば、利用者それぞれがそれまでに構築した画面にもすぐアクセスできるようにしておく必要があると思う。Facebookも利用者の声は気になるはずだ。現在のようにトレードオフ関係を提供するのではなく、両立的なFacebook Homeを提供するようにすべきだと考えるが如何だろうか。

Facebookの主張としては、Homeとは「世界をアプリケーション経由ではなく、人間を通して見つめる、全く新しいエクスペリエンスを提供する」ものだ。しかしこの「新しいエクスペリエンス」が、それまでの利用者の行為を無にしてしまうことに、多くの利用者が当惑している。アプリケーションの置き場所を考えて、フォルダ毎に整理して、最初の画面に表示するアプリケーションを注意深く選んだはずだった。常に表示して欲しい情報を提供してくれるウィジェットも、場所を探してきちんと配置したはずだった。Facebook Homeを利用するために、そうしたすべての努力をなかったことにしても良いと考える人は少ないはずなのだ。

幸いなことに、FacebookはHomeを毎月アップデートするとアナウンスしている。最初のアップデートは5月12日になる予定だ。いろいろと追加すると面白そうな機能は思いつく。しかし何かを追加する前に、まずはきっちりと地歩を固めるところから始めてもらいたいと思うのだ。

よりオープンな環境を目指すべき

利用者の感想を知るために、Facebook Homeに関する多くのレビューを読んでみた。ジャーナリストやテック系の人々は、私自身を含めて、カバーフィードとチャットヘッドに注目している。こうした人々はインストール時に複雑な設定をする必要があっても別に苦にしない人々だ。しかし、一般の人はFacebook Homeをインストールした瞬間から、慣れ親しんだAndroid環境を失ってしまって混乱してしまっているようなのだ。

もちろん、Facebook Homeを気に入っている人はいる。最初は驚いてもすぐに慣れたと言っている人も多い。しかしGoogle Playには1つ星のレビューも溢れているのだ。いくつかレビューを見てみよう(利用者の声をそのまま紹介している)。

  • 直感的な操作ができない。ごちゃごちゃしてとても使いにくくなってしまった。結局4、5時間でアンインストール。従来のホームスクリーンに簡単に戻れるようになるのでなければ、もう決して再インストールすることはない。Victoria Wiley
  • スマートフォンが乗っ取られてしまった感じ。とても使い勝手の悪い新しいOSに変わってしまったような気がする。joe smith
  • ウィジェットはどこに消えてしまったんだ? 全くもって使えない。David Marner
  • これまでの設定は何もかも全て消えてしまう。J Erickson

こうした感想や、ここでは取り上げなかった同種の意見を見る限り、Facebook Homeは、従来の環境との切り替えをもっとうまくやる必要があることがわかる。「Complete Action Using」(標準をFacebook Homeに切り替える)というようなメッセージが出ても、たいていの人は何のことかわからず、あるいは判断せずに処理をすすめてしまう。ホーム画面が切り替わってしまうことを、もう少し丁寧に説明すべきだと思う。また、Facebook Homeをインストールして、その環境を使うことに設定したにしても、使えるようになった機能の説明だけを提供するのではなく、さまざまな方向から変更点を説明して、元に戻すための情報も提供すべきだと思うのだ。

利用者の苦労を無にしてはいけない

Facebook Homeではウィジェットがなく、またアプリケーションフォルダには未対応となっている。もちろんこうした状態はすぐにも改善されることと思う。FacebookのProduct部門DirectorのAdam Mosseriは「フォルダーやウィジェットなど、当初から導入したいと考えていながらできなかった機能も多くあります。しかし次々にアップデートしていくことが既定路線です。すぐにみなさんの期待に応じた機能が実装されるはずです」と述べている。

ホーム画面に新しい仕組みを導入しているので、現状のまま進むならばウィジェットやフォルダについても独自の方式で実装していくことになるのだろう。しかしそのようなスタイルでは利用者の不満はおさまらないと思われる。利用者が行なってきたカスタマイズを台無しにするようなアプローチでは、世の中に認められることとはならないだろう。

すなわちFacebookはなんとかして新しいFacebook Homeと、従来型のウィジェット処理システムおよびフォルダ機能の両立を目指していくことが必要となる。このためには全く新しいホーム画面というスタンスから、既存のシステムの上に乗るある種のレイヤー型サービスとして完全に生まれ変わることが必要となる。必要に応じてFacebook Homeを消して、従来のホーム画面や、これまでに行なってきたカスタマイズ画面が利用できるようになるのが理想だ。従来のフォルダやウィジェットは、新しいHomeの「引き出し」に入れておいて、必要な際に取り出して利用するというスタイルを採用しても、利用者にとっては非常に使いやすいものとなるだろう。

現在のところ、カバーフィードの画面で左スワイプするとFacebookメッセンジャーが表示され、右スワイプで利用したアプリケーションの一覧画面になる。そして上スワイプでよく使うアプリケーションが表示されるようになっている。ここに下スワイプを加えるべきだと思うのだ。表示すべきはもちろんFacebook Home以前から使っていたホーム画面だ。あるいは上スワイプで従来のホームに戻っても良いかもしれない。

こうした修正が成されれば、Facebook Homeはより多くの人に受け入れられ、そしてFacebookの利用時間を大幅に伸ばす人も出てくるだろう。Facebook Home以前から使っていた環境を捨てなくて良いとなれば、導入にあたっての障壁も消え去ることとなる。現在の50万ないし100万ダウンロードという数字を大幅に塗り替え、新しい環境を楽しむ人も増えるに違いない。アプリケーションではなくて、人を通して世界と繋がるというコンセプトが気に入っている人は多い。但し、そういう人もアプリケーションを捨てようとまでは考えていないことを、Facebookは認識すべきだと思う。

[Image Credits: Marcio Jose Sanchez / AP, Dashburst]

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(翻訳:Maeda, H)


Facebookに買収されたParseがモバイルデベロッパ向けのWebホスティングを提供開始

モバイルデベロッパのためのバックエンドサービスParseは、最近Facebookに買収されて、Facebookのデベロッパ向けサービスを担うことになった。そのParseが、このほどホスティングサービスを立ち上げた。それは主に、モバイルデベロッパのWeb進出を助けるためである。買収によってParseの事業は拡大し、同社がホストしているアプリの数は買収の発表以降30%アップの8万となった。

“Parseはモバイルアプリの構築に利用されているが、でもユーザがWeb進出や“.com”URLのランディングページが欲しくなったときには、これまでは、ログインはParseからでもWebサイトはほかのサービス、たとえばHerokuやApp Engineなどからサーブされていた”、Parseの協同ファウンダIlya Sukharはこう説明する。“そこでうち自身が、完全な機能のあるWebホスティングプラットホームを立ち上げることにしたのだ”。

Sukharによると、そのプロジェクトの開発にはこれまでの4ないし6週間を要した。Facebookとの交渉が進んでいるときも、手を休めなかった。

ParseのホスティングでWebページをサーブすると、ページ上に表示されるユーザデータをParseのDataプロダクトから簡単に取り出せる。だからたとえば、モバイル上のゲームのハイスコア表をWebページに表示する、なんてことも容易にできる。

ParseのHostingは、これまでParseが提供していたData, Social, Push(プッシュ通知), Cloud Codeなどのプロダクト群の一環となる〔ParseのWebページ上ではHostingがいちばん最初に紹介される〕。

Sukharによると、Facebookによる買収はデベロッパたちの嫌気や退社を喚起しなかった(買収額は8500万ドル+社員引き留めボーナスと言われている)。Facebookによる買収の発表時には6万だったアプリも、今では8万に増えている。“ユーザや社員がParse離れをする、という説も一部にはあったが、それはなく、今ではすべての数字が上向きだ”、と彼は言う。

Pareseには、Apple、Yahoo、Dropboxなども関心を示していたが、最終的にはFacebookが競り合いに勝った。Facebookにとっては、初めてのB2Bの収益源ができたことになる。またInstagramの場合と同様に、買収企業のチームには最大限の自律性(Facebookからの無干渉)を与え、彼らのプロダクトの成長を期待している。Facebookは、ParseのSaaS方式の収益モデルにも干渉していない*。〔*余計な訳注: SaaSというよりも、むしろPaaS。Parseという社名は、その駄洒落だと思う。何らかのパーサを提供しているわけではないから。〕

Parseはまだ、お祝いパーティーなどをやっていない。“ほかにやるべきことが山のようにあるからね”、と彼は言う。

〔Parse過去記事。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


成長第一、広告は二の次:Facebook戦略はInstagramにも

山火事のように燃え広がっている時に、はした金のために水を注すことはない。Facebookは広告を我慢することでウェブとモバイルアプリの成長を促し、同じ戦略をInstagramにも使おうとしている。ウォール街は写真アプリ買収に費した7億ドル超を取り戻すよう、Facebookにわめきかけているが、Mark Zuckerbergは今日の10セントのために明日の1ドルを捨てるつもりはない。

Facebookが広告に真剣に取り組むまでには何年も要した。成長とユーザー体験を何よりも重視したからだ。Facebook初の広告は「フライヤー」と呼ばれるキャンパス内イベントの宣伝だった。それはソーシャルネットワークの価値を損うことなくうまく適合した。Facebookがより伝統的な広告主に対して販売を開始した時、広告ユニットは小さく、本来のコンテンツが前面中央を占めるようサイドバーに追いやられていた。他で見られる派手なバナーやポップアップと比べると、Facebookは保護区のように見えた。この戦略は奏功し、またたく間に何億人ものユーザーを集めた。

Facebookは2008年7月にiPhoneアプリを公開した。3年間、一切広告はなかった。世界がモバイルへと移行し始めた時、Facebookはこれを欲得ではなく心から歓迎したいと考えた。2010年から2011年にかけて、Facebookのスマートフォンアプリは驚異的なペースで成長し、モバイルの一番人気となった。最も勢いのある時に広告で邪魔していたらモバイルの成長は止まっていたかもしれない。

2011年末までに、FacebookアプリはiOS、Android版合わせて5700万人以上の日間アクティブユーザーを持ち、月間アクティブはその2倍近かった。友達にFacebookアプリをダウンロードさせることに罪の意識はなかった。HTML5に頼ったたために最速とは言えなかったが、広告主から金を引き出すために限られた画面領域を浪費することはなかった。

2012年初期、ついにFacebookはモバイルおよびデスクトップのニュースフィードに広告を表示すると発表した。その頃までに先進国の多くの人々はすでに、Facebookのウェブとスマートフォンアプリを使っていた。最重要市場である米国、英国、カナダの成長は滴り程度までに鈍化していた。成長は主としてFacebookの多機能電話アプリを利用している発展途上国によるものだった。

ウェブやiOS、Androidのフィードに広告を出し始めた時、Facebookにとって失うものはごくわずかだった。Facebookアプリがバイラルに広がり多くのユーザーを増やすことは、第一世界でもはや必要なかった。必要なのは人々が〈離れる〉のを防ぐことだけだった。広告はFacebookが人々の反応を確かめられるよう、ゆっくりと表れはじめ、わずかな広告のためにフィードを見なくなる人の数がさほどでもないとわかると加速された。

戦略は成功した。Facebookがもっと早く収益化を始めていれば預金がさらに数十億ドル増えていたのは確かだ。しかし、収益のために大量のユーザーと好意的な評価を犠牲にしていたかもしれない。とは言うものの、Facebookが先週の収支会見でこの写真アプリに広告を載せる計画はないと語ったのは少々驚かされた。需要がないからではない、とZuckerbergは言った。

「Instagramは実に良くやっていて成長も実に早く、それがこのアプリにとって正しい方向だと私は考えている。そして今はこの巨大なコミュニティーを作り上げる絶好の機会であり、100%そこに集中すべきだ。ビジネスチャンスに関しても私は極めて楽観的だ。Facebookで広告を出している多くの企業が、Instagramにコンテンツを載せて高いエンゲージメント率を得ている。だからもっとこれを拡大したいと言う話も来ているし、それはわれわれが考えていることでもある。しかし今は ― 私としては彼らがここまで急成長していることを誇りに思うだけだ。成長は益々早く、1億人達成はFacebookよりも早かった」

おそらくFacebookがInstagramに成長のために十分な時間を与え、成功する広告体験を見つけた時、彼らがこの買収を収益化するのを見ることになるだろう。やり方にはいくらでも選択肢がある。

Instagramはブランド広告の美しい写真をフィードに流すことができるだろうが、ユーザーにクリックさせてブラウザーに飛ばすことは避けるかもしれない。だから私は、Instagramは企業がフォロワーを増やすための広告から始め、ユーザーをアプリに滞留させようとするだろうと思う。

企業は自分たちが投稿した写真を、まだフォローしていないユーザーにも見せるために、料金を払うかもしれない。こうしたフォロー広告のソーシャル版では、ブランドをフォローしている人の友達やフォロワーをターゲットすることも考えられる。あるいは、Instagramの新しい写真タグ付け機能を使って、ブランドがユーザーの写真のリーチを増やせるようにすることも考えられる。例えば私が自分の靴の写真にNikeをタグ付けしたら、Nikeはフォロワーを増やすために料金を払って、この写真を友達のフィードのトップに表示させたり、投稿した一週間後に再び表示させたりするかもしれない。

またInstagramは、Twitterのプロモーテッドアカウントのように、特定ブランドのフォローを薦める推奨アカウントを試すこともできる。テベロッパーが料金を払ってフィードにアプリを表示してダウンロードさせるアプリインストール広告は、Facebookの新たな寵児となったが、Instagramでも同じことができるかもしれない。

FacebookとInstagramがこの「成長>広告」戦略をとれるのは、長期的に考えているからだ。Googleが月ロケットを打ち上げようというほどの長期ではないが、Facebookは少なくともしばらくの間、この分野を支配し続けることを確信している。巨大なユーザーベースとネットワーク効果が、幸運にも彼らに若干の余裕をもたらしている。しかし、ギャンブルであることに変わりはない。Instagramが広告を始める頃までに何か新しいメディアがユーザーの注目をさらっていくリスクは常にある。それは綱渡りのようではあるが、健全なコミュニティーと上質な体験、そして維持可能なビジネスモデルへと通じる道だ。

[画像提供:Metrowest, MacStories

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、広告売上の30%、3.75億ドルがモバイルから

Facebookの広告売上の1/3近くがモバイルプラットフォームから来ていることが、同社の最新業績報告からわかった。Facebookの全広告売上12.5億ドル中、約3.75億ドルは同社の新しいモバイルアプリ・インストール広告などから来ている。

前四半期、モバイル広告売上は3.059億ドルで、全広告の23%だった。つまり、対前四半期では22.5%伸びている。

現在Facebookは、月間10億人のユーザーの約3/4がモバイル端末を使っているため、このプラットフォームから相応の収益をあげる必要がある。アナリストや投資家たちは、Facebookがデスクトップ広告からモバイルへといかにうまく転身できるかを凝視している。

AppleやGoogleと異なり、Facebookは自前のスマートフォンOSやハードウェアを持っていない。デスクトップのFacebookプラットフォームでゲームやアプリに対して行っているような、アプリ販売やアプリ内購入による売上はない。

広告は、Facebookがモバイルユーザーを収益化する鍵となる方法だ。昨年中頃まで、Facebookには本格的にモバイル端末から収益をあげるプログラムがなかった。しかし、その後モバイルニュースフィード内のアプリ広告に積極的に乗り出した。アプリの発見やユーザー獲得は世界中のモバイルデベロッパーにとって未だに困難な問題であることから、モバイルニュースフィードは絶好の機会だった。

昨日、Facebookの広告担当製品ディレクター、Gokul RajaramはニューヨークのTechCrunch Disruptで、モバイルインストール広告は「業績好調であり、真に質の高い行動を起こすユーザーを広告主に送り込んでいる」と語った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、月間アクティブユーザー数11.1億人23%増、日間アクティブ6.65億人26%増、モバイル月間アクティブ7.51億人54%増

2012年Q4、FacebookのモバイルMAU(月間アクティブユーザー数)が初めてデスクトップを越えた。その傾向は2013年Q1でも変わらず、MAUは7.51億だった。今日発表されたFacebookのQ1業績による。

今月の一部報道に反して、Facebookのユーザーが減ることはなく、むしろ200万人増えた。アジアは今も最もユーザーが伸びている地域であることが、今日Facebookが提供したスライドに示されている。収支会見の中でCOO Sheryl Sandbergは、モバイル広告がアジアでは特に好調だと語った。

2013年Q1ユーザー数の対前年比の詳細を以下に示す。

- 日間アクティブユーザー(DAUs)は2013年3月時点で平均6.65億人で前年比26%増。
- 月間アクティブユーザー(MAU)は同じく11.1億人、23%増。
- モバイルMAUは7.51億人、54%増。

月間アクティブユーザー数全体が前期より伸びている。

興味があるのは、特定の年齢層で伸びが早いかどうかだ。このソーシャルネットワークが世界中で多くの人に利用されているとしても、若い世代は他のプラットフォームでソーシャルな時間を費しているのではないかと考える向きもある。もちろん昨年Facebookが写真共有アプリのInstagramを買収した理由の一つはそれだ。若者たちは唯一のソーシャルネットワークとしてそこにたむろしていた。CEO Mark Zuckerbergは、InstagramはFacebookが同じ規模だった時よりも早く成長していると言っている。理由はもう一つある。

モバイルユーザーの成長はモバイル広告売上も増やし、全広告売上の30%、3.75億ドルへとした。本誌のJosh Constineが予言した通り、モバイルアプリ・インストール広告は間違いなく役立った。

[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)