BMWとフォードが出資する全固体電池デベロッパーSolid PowerがSPAC合併で上場へ

Ford(フォード)とBMWが出資する全固体電池デベロッパーのSolid Power(ソリッドパワー)が上場する。同社は米国時間6月15日、特別買収目的会社Decarbonization Plus Acquisition Corp IIIとの合併を通じてNASDAQに上場し、取引後の時価総額は12億ドル(約1320億円)になると明らかにした。

取引では現金約6億ドル(約660億円)を獲得する見込みで、ここにはKoch Strategic Platforms、Riverstone Energy Limited、Neuberger Berman、Van Eck Associates Corporationなどの投資家からの1億6500万ドル(約181億円)のPIPE(上場企業の私募増資)が含まれる。Solid Powerは声明文の中で、調達した資金は成長とオペレーションにあてると述べた。

全固体電池はバッテリーテクノロジーにおける待望の次なるブレークスルーだと多くの人は考えている。この名称は、従来のリチウムイオン電池にある陰極と陽極の間をイオンが動くメカニズム、液体電解質を使用していないためだ。これについてはMark Harris氏が2021年初めにExtra Crunch記事で詳しく書いた。この液体の構成要素を取り除くことで、全固体電池はより安全で、エネルギー密度もはるかに優れているとSolid Powerは話す。同社は6月15日の投資家向け説明会で、同社のバッテリーが1回のフル充電で航続距離500マイル(約805km)を提供でき、寿命は従来のバッテリーの8年の2倍超となる見込みだと説明した。

Ford Motor CompanyとBMW AGはSolid Powerの出荷能力について強気の見通しを持っていることを明らかにしてきた。2社はSolid Powerの2021年5月の1億3000万ドル(約143億円)のシリーズBラウンドをリードし、試験的に生産される自動車規模のバッテリーを2022年初めに納品するという共同開発契約を結んだ。

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SPACとの合併は2021年第4四半期に完了する見込みだとSolid Powerは述べた。ニューヨーク証券取引所ではティッカーシンボル「SLDP」で取引される。

Solid Powerは、SPAC経由で上場する最新のバッテリー会社だ。主要ライバルの1社はVolkswagenが出資するQuantumScapeで、同社は2020年9月にSPAC合併経由で上場し、企業価値33億ドル(約3631億円)とした。2021年初めには欧州のバッテリーメーカーFREYRとパワーシステムデベロッパーのMicrovastもいわゆる「白紙小切手」会社との合併を発表した

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画像クレジット:Solid Power

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードがコンパクトな新型ハイブリッドピックアップ「マーベリック」発表、市街地燃費17km/Lで約220万円から

Ford(フォード)は米国時間6月8日、潜在需要を喚起するコンパクトな新型ハイブリッドピックアップトラック「Maverick(マーベリック)」を発表した。

新型マーベリックは、これまでのフォードのピックアップトラックよりも小さくて扱いやすいサイズで、価格は1万9995ドル(約219万円)から。SUVやトラックのあるライフスタイルを欲しながらも、狭い市街地における取り回しや駐車のしやすさを求めるエントリーレベルの顧客に向けたモデルとなっている。

間もなく発売される「F-150 Lightning(ライトニング)」のように完全な電気自動車トラックではないものの、マーベリックはフォードの電動化推進計画の一環だ。同社は先日、電動化のための投資額を、これまで予定していた「2023年までに220億ドル(約2兆4080億円)」から、「2025年までに300億ドル(約3兆2840億円)」に引き上げると発表していた。

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また、マーベリックには、フォードのバンダイク・エレクトリック・パワートレイン・センター(かつてのバンダイク・トランスミッション工場)で設計・開発・テスト・製造された電気モーターを初めて搭載するという特徴もある。

コンパクトなピックアップは、市街地での駐車も簡単(画像クレジット:Ford Motor Company)

電気モーターを組み合わせた2.5リッター直列4気筒アトキンソンサイクル・エンジンは、最高出力191馬力と155ポンド・フィート(約210Nm)を発生し、CVT(無段変速機)を介して前輪を駆動する。最大2000ポンド(約907キログラム)までの牽引が可能だが、これは現在市販されている大型の5輪キャンピングカーを運ぼうと考えている人にとって魅力的ではないかもしれない。しかし、市街地における燃費の目標値がEPA(米国環境保護庁)基準で40mpg(17km/L)ということであるから、フォードは他にこのクルマの購入者を見つけることができるだろう。また、マーベリックには2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ「EcoBoost(エコブースト)」エンジンと8速トランスミッションの設定もあり、こちらは最高出力250馬力、最大トルク277ポンド・フィート(約376Nm)を発揮。前輪駆動の他に4輪駆動も選べ、オプションの「4K Tow Package(4Kトー・パッケージ)」を購入すれば、牽引能力は最大4000ポンド(約1814キログラム)に増大する。

トリムレベルはFシリーズと同様に「XL」「XLT」「Lariat(ラリアット)」の3種類が用意されている。

「メイカースペース」にもなる荷台

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「F-150」の荷台が5.5 × 4.3フィート(1676 × 1310ミリメートル)であるのに対し、マーベリックの荷台は4.5 × 4フィート(1372 × 1219ミリメートル)という上品なサイズで、さまざまな用途にフレキシブルに対応できるように設計されている。このメッセージを確実に伝えたいと考えたフォードは「flexbed(フレックスベッド)」というブランド名を付けた。

フォードの代表的なピックアップトラックであるF-150シリーズは、仕事で使う電動ツールのための十分な電力を供給できるソケットと収納力を備えたユーティリティー性を重視している。これに対しマーベリックは、DIYを楽しむ人向けに作られた。フォードは12個のアンカーポイントとスロットを用意し、オーナーが好きなように区切って使えるようにした。このフレックスベッドには、DIY用工具に最適な12ボルト20アンペアの電源ソケット2つと、フォードが「ノートパソコンやテールゲートパーティーのために」電力を供給すると書いている110ボルトのコンセント2つが装備されている。

テールゲートといえば、マーベリックのテールゲートは多段式になっており、ドライバーは荷物に合わせて最適な位置までテールゲートを開けて固定することができるため、ベッドエクステンダーとしての機能も備えている。

ベッドサイドの外から荷台に手を伸ばすことができるのも、小型ピックアップならではの特長だ。特にデザイナーは、女性の5分の1が手を伸ばせば届くようにすることを重視したという。

テクノロジー

マーベリックは、最近の新型車に期待されるとおりの完全なコネクテッド・ビークルだ。このフォードの最新ピックアップには、最大10台のデバイスにインターネット接続を提供するモデムが内蔵されており、Apple CarPlay(アップル・カープレイ)とAndroid Auto(アンドロイド・オート)にも標準で対応する。オーナーはスマートフォンから「FordPass(フォードパス)」アプリを使って、エンジンの始動 / 停止、ドアの施錠/ 解錠、燃料レベルの確認、そして広大な駐車場などではクルマの位置の確認などができる。

このコンパクトピックアップは「Ford Co-Pilot360(フォード・コパイロット360)」と呼ばれる先進運転支援機能も搭載しており、自動緊急ブレーキ付き衝突回避支援機能や、前方に他の車両がいない時に自動でハイビームに切り替えるヘッドランプが標準装備されている。さらにオプションで、車線変更時に斜め後方の死角を監視して危険を知らせるブラインドスポット・インフォメーション・システム、車線維持アシスト、アダプティブクルーズコントロールなども追加できる。また、走行状況に合わせてNormal(ノーマル)、Eco(省燃費)、Sport(スポーツ)、Slippery(滑りやすい路面)、Tow/Haul(牽引や重い荷物の積載時)と5種類のドライブモードに切り替えられる機能も標準装備となっている。

インテリア

マーベリックのインテリアは、スマートフォンの充電台を備えたセンターマットや、空調の吹出口など、人との関わりを示す部分にカラフルなアクセントが施されている。トリムにはフェイクレザーやフェイクウッドは使わず、石目調のテクスチャーや斑点模様のプラスティックを採用している。

後部座席に装備されたFord Integrated Tether Slots(フォード・インテグレーテッド・テザー・スロット)は、カップホルダーや子どもたちを楽しませるためのiPadホルダーなど、顧客が車内に追加したいさまざまなアクセサリーを組み合わせることができる。また、燃料タンクを後部座席の下ではなくキャビンの後方に配置したことで、シート下の収納スペースが大幅に拡大した。フォードによれば、このキャビンには、前述の「テールゲートパーティー」のための、氷の入ったバケツも収納できるという。

マーベリックでは、ドアのアームレストや後部座席用ドアのスピーカーを廃止することで、みんなが大好きなS’well(スウェル)のウォーターボトルを収納できるスペースが確保されている。

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タグ:Fordハイブリッドカー

画像クレジット:Ford Motor Company

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードがコンパクトな新型ピックアップトラック「マーベリック」の発表を予告

Ford(フォード)は、競争が激化するピックアップトラック市場であらゆる価格帯のモデルを提供するため「Maverick(マーベリック)」と呼ばれるエントリーレベルの新型トラックをラインアップに加える。

同社は米国時間6月8日にこのトラックを公開する予定であり、新たに開設したTikTok(ティックトック)チャンネルでデビューする初のフォード車になるという。主にオンラインで行われる正式発表には、女優のGabrielle Union(ガブリエル・ユニオン)を起用し、フォードの各ソーシャルチャンネルやHulu(フールー)、そして彼女自身のInstagram(インスタグラム)とTikTokチャンネルでも、この新型トラックを紹介するという。

今のところ、この新型車の姿はほとんど露出されておらず、YouTubeのティーザー広告で1秒ほど映るだけだ。一部公開されている写真を見ると、明らかにフォードのクルマで、コンパクトなトラックであることがわかる。その全貌や詳しい情報は来週まで待たなければならない(それ以前にリークされない限り)。

画像クレジット:Ford

フォードのピックアップ・ヒエラルキーにおいて、新型マーベリックはRanger(レンジャー)やFシリーズよりも下に位置することになる。ミッドサイズ・ピックアップのレンジャーで最も安価な「XL」グレードは、輸送費別で2万5070ドル(約276万円)からとなっているので、マーベリックは少なくともそれより数千ドル(数十万円)は安い価格から買えることになりそうだ。

マーベリックが、ハイブリッド車、電気自動車、ガソリン車のどれになるのか、フォードはまだ明らかにしていない。しかし「F150」にハイブリッド仕様や、最近発表された電気自動車の「F-150 Lightning(ライトニング)」を投入したフォードの最近の方向性を考えると、少なくともハイブリッド仕様が設定される可能性は高いと思われる。

フォードF-150は、この米国の自動車メーカーの事業で収益の柱となっている製品だ。そこに電気自動車の兄弟が加わったことで、必要なラインナップはすべて揃ったかのように見えた。しかし、フォードはさらに、手頃な価格でもっと都市生活に適したピックアップを求める顧客のエントリーレベル市場も獲得したいと考えている。

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タグ:フォード自動車

画像クレジット:Ford/screenshot

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードが同社電気自動車計画の柱となるEVピックアップトラック「F-150ライトニング」を発表

米国自動車メーカーFord(フォード)の収益の柱となっているF-150に、電気自動車モデルが加わった。

米国時間5月19日に発表された完全電気ピックアップトラックF-150 Lightning(F-150ライトニング)は、フォードが220億ドル(約2兆4000億円)を投じて進めている電気自動車計画の柱だ。そして、フォードがこの1年の間に発表した3タイプの電気自動車のうちの1つでもある。また、収益の面では最も意味のあるものといえるだろう。フォードF-150ライトニングは、ミシガン州Dearborn(ディアボーン)にあるRouge(ルージュ)工場で生産され、電気自動車のMustang Mach-E(マスタング・マッハE)や、商用に特化し柔軟な構成が可能な電気カーゴバンE-Transit(Eトランジット)に続くモデルとなる。

F-150ライトニングは、フォードにとって挑戦的なプロジェクトだった。このピックアップトラックには、北米でベストセラーへと押し上げたガソリンエンジンモデルの特徴に加え、電気自動車ならではの新たなメリットが求められた。つまり、トルク、パフォーマンス、牽引力、そして全体的なレイアウトにおいて、その多くが商業目的で使用する顧客のニーズを満たす必要がある。仕様を見る限り、フォードはトルクとパワーを実現しながらも、キャビンと荷台はガソリンモデルと同じサイズを保っている。

これは重要なポイントだ。同じサイズにすることで、数千にもおよぶ既存のF-150トラックアクセサリーに対応することができるためだ。フォードが現在の顧客による買い替えを期待しているのであれば、今回のような判断は重要な意味を持つ。なお、今のところライトニングは、4ドアで5.5フィート(約1.68メートル)の荷台を持つスーパークルーのみが提供される予定だ。

F-150ライトニングは、ガソリンモデルの顧客による買い替えか、あるいはまったく新しい顧客層を獲得できるのか。この答えは、2022年春の発売を待たなければならない。

しかし、このライトニングはフォードのヒット商品になる可能性を秘めていると考えるアナリストもいる。

「フォードは、従来のF-150にバッテリーパックを搭載する以上のことをした」と、iSeeCars.com(アイ・シー・カーズ・ドットコム)のエグゼクティブアナリストであるKarl Brauer(カール・ブラウアー)氏は述べる。「ライトニングのデザイン、性能、先進的な機能に対する同社のアプローチによって、従来のエンジンでも魅力的なトラックになっていただろう。電気自動車のパワートレイン、瞬時トルク、積載量や牽引力の増強、さらには充電をシームレスに家への電力供給に切り替え、数日に渡って供給できる能力は、ライトニングの洗練されたスタイリング、すばやい加速、ハイテク設備に加えて、新たなメリットとなっている。フォードは、電気自動車へ移行することにともなうチャンスとリスクの両方を認識しており、F-150をバッテリー駆動の世界でも成長させると明確にコミットしている」。

ライトニングの基本仕様

F-150ライトニングには、トリムレベルが異なるベース、XLT、ラリアット、プラチナの4つのシリーズと、2つのバッテリーオプションが用意される。また、アルミ合金製のボディーに、2つのインボード電気モーターを搭載したこのトラックは、4輪駆動を標準装備し、独立型リアサスペンションを備えている。フォードは、現時点で2つの価格のみを公表している。ベースモデルは、連邦または州の税額控除前の価格で3万9974ドル(約434万円)、ミッドシリーズのXLTモデルは、5万2974ドル(約576万円)からとなる。予約サイトによると、フル装備のライトニングは9万474ドル(約983万円)となっている。なお、これらの価格には、デスティネーション料金(工場から販売店への配送料)と税金は含まれていない。

スタンダードレンジバッテリーモデル(他のトリムのスペックは未発表)のライトニングの全長は、232.7インチ(約5.91メートル)で、ガソリンエンジンのF-150よりも1インチ(2.54センチメートル)長い。ホイールベースは基本的に同じであり、ガソリンモデルやハイブリッドモデルとの差は、わずか10分の1インチ(2.54ミリメートル)だ。

F-150の4輪駆動タイプにおける、電気モーター車とガソリン車の大きな違いは、地上高だ。オリジナルのF-150の地上高が9.4インチ(約23.9センチメートル)だったのに対し、ライトニングでは8.9インチ(約22.6センチメートル)となっている。この0.5インチ(1.27センチメートル)の減少は、バッテリーやインボードモーターを地面の起伏から守るための金属製スキッドプレートによるものと考えられる。

スタンダードレンジバッテリーは、目標とする426 hp(約345kW)の出力と775 lb・ft(約1050 N・m)のトルクを実現した。また、エクステンデッドレンジバッテリーを搭載することにより、同じトルクで出力は563 hp(約420kW)まで向上する。フォードによると、これはF-150の中でも最も高い値だという。

バッテリーの目標航続距離は、スタンダードバッテリーで230マイル(約370キロメートル)、エクステンデッドバッテリーでは300マイル(約483キロメートル)にまで伸びる。しかし、ここで疑問が残る。ボートやトレーラーを牽引した場合、航続距離にどのような影響があるのだろうか。

フォードはその情報を提供しておらず、EPA(米国環境保護庁)が推定航続距離を発表し、ユーザーが車、ボート、スノーモービルなどを牽引するようになるまでは、はっきりしないかもしれない。

フォードは、ドライバーが充電する前に、あとどのくらいの距離を走行できるかを把握するための2つの機能を紹介している。1つ目の機能は「オンボード・スケール」と呼ばれるもので、トラックに搭載されたセンサーを使って積載量を推定し、ドライバーは自分の運ぶものの重さを知ることができるというものだ。ここで積載量、つまりトラックが積んで運ぶ重さは、牽引できる重さである牽引能力とは異なる。しかし、フォードによると「オンボード・スケール」は、牽引の情報、積載量、天候などを考慮した「インテリジェント・レンジ」という、さらに別の機能も使って情報を提供するという。

フォードは、積載量や牽引能力にも向き合っている。同社によると、ライトニングの新しいフレームには、F-150のフレームとしては最も強度の高いスチールが使用されており、最大2000ポンド(約907キログラム)の積載量と最大1万ポンド(約4536キログラム)の牽引力をサポートしているという。

ライトニングの車内

新しくモデルチェンジしたガソリンエンジンのF-150と同様に、ライトニングにもコネクテッドカー技術や先進のドライビングアシスト機能が惜しみなく搭載されている。ライトニングの上位モデルであるラリアットとプラチナには、フォードのSync 4A(シンク4A)インフォテイメントシステムが搭載されており、無線によるソフトウェアアップデートに対応している。つまり、ドライビングアシスト機能の追加や改善、地図を最新に保つなど、車の機能のアップグレードをシステムが行うということだ。Sync 4Aは、Sync AppLink(シンク・アプリンク)システムを介して、Waze(ウェイズ)やFord+Alexa(フォード・プラス・アレクサ)と呼ばれるAmazon Alexa(アマゾン・アレクサ)のフォード向けバージョンなど、サードパーティのアプリを提供する。

Sync 4Aシステムは、自然な音声コントロールとリアルタイムのマッピングを特徴とし、15.5インチ(約39.4センチメートル)のタッチスクリーンに表示される。このタッチスクリーンは、クロスオーバータイプの新しい電気自動車であるマスタング・マッハEに搭載されているものと同様のものだ。また、ドライバーの正面には、カスタマイズ可能な12インチ(約30.5センチメートル)のメーターパネルがある。このデジタルパネルは、バッテリーの動作状況、回生ブレーキ、先進的なドライビングアシスト機能など、ドライバーにとって重要な情報を提供する。

画像クレジット:Ford

「このクルマは、当社がこれまでに作った中で最もスマートなF-150だ」と、Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)のバッテリー電気自動車担当ゼネラルマネージャーであるDarren Palmer(ダレン・パーマー)氏はいう。そして「F-150ライトニングは、没入型タッチスクリーンを備えており、お客様が求めるすべての情報を瞬時に提供する。目的地、積載量、残りの航続距離などをリアルタイムで見ることができる。また、Ford Power-Up(フォード・パワーアップ)ソフトウェアアップデート機能により、この車をさらに気に入ってもらえるだろう」と続ける。

また、F-150ライトニングには、同社の新しいハンズフリー運転機能であるBlue Cruise(ブルークルーズ)が搭載される。この機能は、F-150エンジン車の2021年モデルとマスタング・マッハEの一部の2021年モデルにも搭載され、2021年後半のソフトウェアアップデートで利用可能になる。このハンズフリー運転機能は、カメラ、レーダーセンサー、ソフトウェアを使用して、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線中央維持、速度標識認識を統合することにより実現している。そして2021年4月の同社の発表では、約50万マイル(約80万キロメートル)の開発テストをパスしたことを公表している。また、このシステムでは、ドライバーの視線と頭の位置をモニタリングする車内カメラも実装され、視線を道路に集中させることができる。

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このハンズフリーシステムは、フォードのCo-Pilot360(コウパイロット360)テクノロジーを搭載した車両で利用可能であり、車線が分離された高速道路の特定区間でのみ機能する。このシステムは、2021年後半にソフトウェアアップデートにより展開され、まず北米の10万マイル(約16万キロメートル)以上の高速道路で利用可能となる予定だ。

充電と電源

電気自動車の運転には、もちろん充電が欠かせない。しかし、単にプラグインできるだけでは十分とはいえない。いつ、どこで、どのようにして充電できるのか把握できることが最も重要なポイントだ。フォードによると、トラックのバッテリー残量が総航続距離の3分の1を下回ると、顧客に通知されるという。このインテリジェントレンジは、前述した通り、牽引の情報、積載量、天候を考慮したもので、ドライバーにも通知される。また、付属のFordPass(フォードパス)アプリによって、充電可能な場所の情報も得られる。車内ではインフォテイメントシステムで充電ステーションを見つけてナビゲートすることができる。

ライトニングには車載電源も搭載されており、スタンダードモデルでは2.4kW、ラリアットモデルとプラチナモデルでは9.6kWの電力が供給できる。これは「メガパワーフランク」と呼ばれるボンネット下のトランクにあるアウトレットからの最大2.4kW、キャビンと荷台のアウトレットからの最大7.2kWを合わせたものだ。

フォードはまた、9.6kWのバックアップ電源としての機能をアピールしている。停電の場合は3日間、配給制の場合は10日間、家庭に電力を供給できるとしている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Dragonfly)

フォードが電動化への投資を3.3兆円に引き上げ自社バッテリー研究開発を加速、30年までにEV比率40%に

Ford(フォード)は、2023年までに220億ドル(約2兆4000億円)を予定していた車両電動化への投資額を、2025年までに300億ドル(約3兆3000億円)に引き上げた。同社は米国時間5月25日の投資家向け説明会で「Ford+」と呼ばれる電気自動車(EV)とEV用バッテリーの開発戦略に新たな資金を投入することを発表した。

フォードは、2030年までに世界での販売台数に占める完全電気自動車の比率が40%になると予想しているという。同社は第1四半期に米国で6614台のMustang Mach-E(マスタング・マッハE)を販売し、先週F-150 Lightning(F-150 ライトニング)を発表して以来、すでに7万件の購入予約を受け付けたとのこと。

Ford+の計画は、自動車メーカー各社がEVの未来に対応するために必要な新しい道筋を示している。歴史的には、中国、日本、韓国が世界の電池製造の大部分を担ってきたが、大手OEMメーカーがEVの製造を開始すると、需要が供給をはるかに上回り、自動車メーカーは自社のリソースを開発に投入せざるを得なくなる。General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)はLGと共同でオハイオ州に電池工場を建設中であり、BMWはフォードと共同で固体電池スタートアップのSolid Power(ソリッドパワー)に出資した。

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フォードとBMWが全固体電池のSolid Powerに142.2億円を投入

今回の投資は「生産可能な固体電池がこの10年の終わりまでに実現する範囲にあるという当社の信念を裏づけるものです」と、フォードの最高製品プラットフォームおよびオペレーション責任者であるHau Thai-Tang(ハウ・タイ・タン)氏は投資家説明会で述べた。「Solid Powerの硫化物ベースの固体電解質とシリコンベースの負極化学は、航続距離の増加、コスト削減、車内スペースの拡大、そしてお客様にとっての価値と安全性の向上など、バッテリーのパフォーマンスを大きく向上させます」とも。

固体電池の製造プロセスは、既存のリチウムイオン電池の製造プロセスとあまり変わらないため、フォードは製造ラインや設備投資の約70%を再利用できるとタイ・タン氏は述べている。

フォードがミシガン州に建設中のバッテリー研究開発センター「Ion Park」では、150人の専門家が集まり、次世代のリチウムイオン化学物質と同社の新しいエネルギー密度の高いバッテリー技術「Ion Boost +」の研究、そして戦略的プランの作成を行っている。

「当社の最終的な目標は、サービスを含む総合的なエコシステムを提供し、BEV(バッテリー式電動自動車)でICE(内燃エンジン)車よりも高い収益性を実現することです」とタイ・タン氏は語った。

「Ion Boost +」のユニークなセルパウチ形式は、フォードの大型車に最適なだけでなく、2020年代半ばまでにバッテリーコストを40%削減することができるという。

「このセルのタイプと、高精度なセンシング技術を用いたフォード独自のバッテリー制御アルゴリズムの組み合わせにより、お客様により高い効率と航続距離を提供します」とタイ・タン氏は述べている。

また、フォードは商用車向けにリン酸リチウムイオンを用いたバッテリーセルを開発しており「Ion Boost Pro」と呼んでいる。そちらはより安価で、より少ない航続距離を必要とするデューティサイクルに適しているとのこと。

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フォードの電気自動車F-150 Lightningは停電時には家庭に電力を供給

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Aya Nakazato)

フォードの電気自動車F-150 Lightningは、停電時には家庭に電力を供給

ピックアップトラックのパワーは、トルクや馬力、牽引力や運搬力だけではない。米国時間5月19日に発表されたFord(フォード)の最新電気自動車「F-150 Lightning」は、停電時に顧客の家屋にエネルギーを供給できるシステムを搭載し、トラックのパワーに新たな意味を与えようとしている。

このような電気自動車ならではのメリットを消費者に伝えようとしているのは、フォードだけではない。Lucid Motors(ルーシッド・モーターズ)などの企業も、この機能をアピールしている。

2月にテキサス州で発生した大規模な停電では、数日間にわたって450万戸以上の家庭や企業で電力供給が停止し、結果として151人が命を落とすことになった。F-150 Lightningに搭載されている「Ford Intelligent Backup Power(フォード・インテリジェント・バックアップ・パワー)」は、車載バッテリーをフル充電した状態から最大3日間、家庭に9.6kWの電力を供給することができる。

フォードの電動車戦略を率いるRyan O’Gorman(ライアン・オゴーマン)氏は、実車公開に先立つビデオブリーフィングで、「F-150 Lightningのプラグが接続されていれば、停電時にIntelligent Backup Powerが自動的に作動し、家庭の電力を供給します」と語った。「電力が回復すると、トラックは自動的にバッテリーの充電に戻ります」。

太陽光発電、蓄電池、エネルギーサービスを提供するSunrun(サンラン)はフォードと提携し、オーナーの自宅に80アンペアのFord Charge Station Pro(フォード・チャージ・ステーション・プロ)と呼ばれる充電器と家庭用統合システムの設置を支援する。F-150 Lightningのエクステンデッド・レンジ・バッテリー仕様に標準で付くこれらの設備が、Intelligent Backup Powerシステムを介し、充電時には車載バッテリーに電力を供給し、停電時は逆に車載バッテリーの電力を家庭に供給する。Sunrunは、顧客に自宅用の太陽光発電と蓄電システムを設置するオプションも提供する。

画像クレジット:Ford

家から離れた場所で過ごしたい人は、F-150ハイブリッドの7.2kWから9.6kWへパワーアップした「Pro Power Onboard(プロ・パワー・オンボード)」を使えば、野外でもスピーカーやテレビから電動ダートバイク、丸ノコ、ジャックハンマーまで、あらゆるものに電力を供給することができる。このピックアップトラックは、荷台、車内、フランク(フロントのトランク)に、全部で11個のコンセントが装備されている。

Pro Power Onboardシステムはバッテリーの電力をインテリジェントに分配する。ドライバーが作業現場で電動工具を使っている時に、車載バッテリーの残量が3分の1以下になると、ドライバーのスマートフォンに通知が送られるので、そのまま作業を続けるか、それとも帰りの運転のためにバッテリーを節約するかを判断できる。

ただ、ドライバーは最寄りの充電スタンドまでの距離をあまり気にする必要はない。バッテリー残量で走行可能な距離が、最寄りの充電スタンドまでの距離に近づくと、Pro Power Onboardは自動的にオフになる。Intelligent Backup PowerやPro Power Onboardで消費したバッテリーの電力に関する情報は、フォードの専用アプリと車載インフォテインメント・スクリーンに表示される。

フォードの広報担当者によると、将来的には夜間の電気料金が安い時間帯に電気自動車のバッテリーを充電しておき、電力消費がピークになる電気料金が高い時間帯には車載バッテリーから家庭に電力を供給することで、電気代を節約できるようにすることも目指しているという。

「F-150 Lightningは、自動車のパワーという概念を再定義します」と、オゴーマン氏は語った。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードと韓国SK Innovationが米国でのEVバッテリー量産に向け合弁会社BlueOvalSKを発表

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)と韓国・ソウルに本社を置くSK Innovation(SKイノベーション)は米国時間5月20日、電気自動車用のバッテリーを米国内で製造する合弁法人を設立する了解覚書(MOU)を締結したと発表した。この合弁会社はBlueOvalSK(ブルーオーバルSK)と呼ばれ、2020年代半ばから年間約60GWhを生産する予定。今回のMOUは、Fordが電池生産能力を垂直的に発展させようとしている最新の兆候だ。

Fordの最高製品プラットフォームおよびオペレーション責任者であるHau Thai-Tang(ハウ・タイ・タン)氏は、20日に次のように述べた。「当初はMustang Mach-E(マスタング・マッハE)だけだったので、電池を供給元から購入するのが最も効率的だと考えていましたが、普及率が上がっていき、アーリーアダプタからアーリーマジョリティへと移行していくにつれて、このレベルの投資を正当化するのに十分な(生産)量を確保できるようになり、このパートナーシップを追求することになりました」。

FordのLisa Drake(リサ・ドレイク)COOは、20日に記者団に対し、所有構造は今後検討されていくと述べた。60GWhの生産能力は、おそらく2つの製造拠点にまたがることになると思われるが、北米の工場の場所を含め、両社はまだその計画を決定していないとドレイク氏は付け加えた。60GWhは、およそ60万台のEVを製造するのに十分なバッテリ容量に相当すると、タイ・タン氏は述べた。

Fordはここ数カ月、バッテリセルを大規模に製造する垂直統合型の能力を構築するために前進してきた。2021年4月、ミシガン州ディアボーンに本社を置く同社は、ミシガン州にバッテリー技術開発センターを開設することを発表した。また、BMWと共同で、ソリッドステート式バッテリ(全固体電池)開発企業であるSolid Power(ソリッドパワー)の1億3000万ドル(約141億5000万円)のシリーズBラウンドをリードした。

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しかしFordはこれまで、電池の自社生産にはあまり積極的ではなかった。タイ・タン氏は「当社の製品計画は大きく変わりました」と述べている。

このニュースは、フォードが同社の象徴的な車であり、米国で最も売れているトラックのEVバージョンとなる「F-150 Lightning(F-150 ライトニング)」を発表してから24時間も経っていないタイミングで届いた。ライトニングは、フォードが過去1年間にデビューさせた3台のEVのうちの1台で、2025年までに220億ドル(約2兆4000億円)をEVに投資するという同社の計画の礎となるものだ。

SK Innovationは、すでにジョージア州で26億ドル(約2830億円)を投じて2カ所のEV用バッテリー工場を建設中だ。そのうち1工場はすでにバッテリーを生産しており、もう1つの工場は2023年に操業を開始する予定。また、フォルクスワーゲン社を顧客として、テネシー州にも別の工場を建設中だ。FordとSK Innovationの関係は長年にわたっており、前者は2018年にSK Innovationをライトニングのバッテリーサプライヤーに選定していた。

最近では、ライバル企業であるLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)との企業秘密に関する紛争をめぐり、2021年4月に18億ドル(約1960億円)の和解が成立した。これは、SK Innovationがジョージア州での事業を停止することになりかねなかった2年間の紛争の末の和解だ。

韓国の2つのコングロマリットは、それぞれの自動車メーカーパートナーとともに、米国のバッテリー製造に数十億ドルを投資している。LG Energyは、GMとの合弁会社であるUltium Cells LLCのもと、オハイオ州とテネシー州に製造施設を建設している。

「スケールが意味を成すようになりました」とドレイク氏はいう。「動き出すには絶好のタイミングです」。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

フォードとBMWが全固体電池のSolid Powerに142.2億円を投入

BMWグループならびにFord Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)向けの、20アンペア時(Ah)の全固体電池セルを両手に持つSolid Power(ソリッド・パワー)の製造エンジニア。この全固体電池セルはコロラドにあるSolid Powerの試作ラインで製造された。

固体電池(SSB)システムは、長い間、電池技術の次のブレークスルーだと考えられてきたもので、複数のスタートアップが最初の製品化を競い合っている。自動車メーカーたちが、この技術に対するトップ投資家群の一角を占めている。各社とも電気自動車(EV)をより安全に、より速く、そして航続距離を拡大するための突破口を求めている。

そんな中、Ford Motor CompanyとBMWグループが、電池テクノロジー企業Solid Powerへ資金を投入した。

コロラド州ルイスビルを本社とする、SSB開発のSolid Powerは、米国時間5月3日に、その最新のラウンドとなる1億3000万ドル(約142億2000万円)のシリーズBが、FordとBMWによって主導されたと発表した。このことは、その2社がSSBが将来の輸送を支えるものだと考えていることを示している。今回の投資で、FordとBMWは対等な株式所有者となり、両社代表者はSolid Power の取締役会に参加する。

また今回のラウンドで、Solid Powerは米国エネルギー省のアルゴンヌ国立研究所からスピンアウトしたベンチャーキャピタルのVolta Energy Technologies(ボルタエナジー・テクノロジーズ)からも追加投資を受けた。

固体電池という名前は電解溶液を使わないことに由来している(Mark Harris記者が年頭のExtra Crunch記事で説明している)。通常の電解溶液は、可燃性で過熱の危険があるため、一般的にSSBは比較的安全だと考えられている。ライバルである電解溶液を使うリチウムイオン電池と比べたときのSSBの真の価値は、そのエネルギー密度だ。Solid Powerは、同社の電池は、既存の充電式電池に比べて50~100%エネルギー密度を向上させるとできるという。理論的には、よりエネルギー密度の高い電池を搭載した電気自動車は、1回の充電でより長い距離を移動することができる。

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この最新の投資ラウンドは、Solid Powerが自社史上最大のアンペア時間(Ah)出力を持つ電池セルを生産するために、製造力を強化するのに役立つ。FordならびにBMWとの個別の共同開発契約に基いて、同社は2022年以降、テストよ車両統合のために100Ahのセルの納入を開始する予定だ。

これまで同社は、2Ahと20Ahの出力を持つセルを製造してきた。Solid Powerはその声明の中で、2020年後半にFordとBMWによって、2Ahバッテリーセル「数百個」が検証されたと語っている。一方、同社は現在、標準リチウムイオン用の機器を使い、20Ahの固体電池をパイロットベースで生産している。

Solid Powerの広報担当者Will McKenna(ウィル・マッケナ)氏はTechCrunchに対して、9×20センチ22層で構成されてる20Ahパイロットセルとは対照的に、100Ahセルは、より大きな底面積とさらに多くの層を持つことになると語った(「レイヤー」とはカソードの数を指していると、マッケナ氏は説明した。20 Ahセルの中には22枚のカソードと22枚のアノードがあり、それぞれの間に全固体電解質セパレータが挟まれていて、すべてが単一のセルの中ににまとめられている)。

Solid Powerの製造法とは異なり、従来のリチウムイオン電池では、製造プロセスで電解質の充填と循環を行う必要がある。Solid Power によると、一般的なGWh規模のリチウムイオン製造施設における設備投資の5%から30%が、そうした追加工程に投入されている。

Solid Powerが自動車メーカーからの投資を受けたのは、今回が初めてではない。2018年に行われた2000万ドル(約21億9000万円)のシリーズAでは、BMWやFordの他、Samsung(サムスン)、Hyundai(ヒュンダイ)、Volta(ボルタ)などからの資本金を集めた。同社は、OEMたちの注目を集めている新しい企業群の1つなのだ。他の注目すべき例としては、Volkswagen(フォルクスワーゲン)が支援するQuantumscape(クアンタムスケープ)とGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)によるSESへの資金投入がある。

Fordは自身でも先進的な電池技術を研究していて、1億8500万ドル(約202億円)で電池R&Dラボを開設する予定であることを先週発表している

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

フォードが約200億円かけてEV向けバッテリーセル開発ラボを新設

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)はバッテリーセルとバッテリーを開発して製造するために1億8500万ドル(約201億円)のR&Dバッテリーラボを設置する。おそらく自社でバッテリーセルをつくることに向けた最初のステップだ。またラボの設置は、同社がバッテリーで走る電気自動車への移行において、もはや賭けではないという、消費者や他の自動車メーカーに向けた別のシグナルだ。

同社の幹部は、Fordがいつバッテリー製造をスケール展開するのか、タイムラインを示すのは却下したが、同社がこの施設をそうした未来の基礎を築くためのものとする意向であるのは明らかだ。

ミシガン州の南東に立地するFord Ion Parkでは、従業員150人超がバッテリーテクノロジー開発や研究、製造に取り組む予定だ。施設の面積は約20万平方フィート(約1万8580平方メートル)で、2022年末に開所する。同施設は近くのミシガン州アレンパークにある同社のバッテリーベンチマークテストラボのサポートを受ける。アレンパークのラボではすでにバッテリーセル製造と化学をテストしている。また、周辺ではディアボーンに同社の製品開発センターが、ロスビルにバッテリーセル組立と電動モーターのプラントがある。

新設する施設は、電動システムエンジニアリング担当ディレクターを務めるAnand Sankaran(アナンド・サンカラン)氏が率いる。サンカラン氏は施設について、次世代のリチウムイオンとソリッドステートのバッテリーを含む「ラボスケールとパイロットスケールのセル組立」のための「学習実験室」と形容した。

Fordは段階に分けてのBEV(Battery Electric Vehicle、二次電池式電気自動車)への移行を考えている、と同社のプロダクトプラットフォームオペレーション責任者のHau Thai-Tang(ハウ・タイ-タン)氏は説明した。BEVがアーリーアダプターに購入される最初の段階では、Fordは外部のサプライヤーパートナーと取り組んでいる。同社は現在、さらに多くのプロダクトをマーケットに投入し、BEVがマーケットシェアを拡大する第2段階に備えている。「第2段階に向けた次のトランジションの準備では、我々はFordが最終的に垂直統合へ向けたフレキシビリティと選択を持てるようにしたいと考えています」とタイ−タン氏は話した。

「電動革命をリードするための当社の計画は明らかに、当社がバッテリーエネルギーの密度における達成進捗具合とコストに左右されます」と同氏は4月27日に記者団に述べた。

「Ford Ion Parkチームの結成は、Fordが垂直統合して将来バッテリーを製造することにおける成功要因です」とも話した。「すばらしい走行距離、低コスト、高い品質を備えた大容量のバッテリーセルの供給と展開をうまくコントロールするのに役立ちます」。

これはバッテリーセルの米国内製造にとって大きな後押しとなりそうだ。バッテリーセル製造は現在、パナソニック(Teslaの主なサプライヤー)や、韓国拠点のLG化学、Fordの現在のバッテリーサプライヤーであるSK Innovationなどアジアの企業に独占されている。経営陣は、グローバルパンデミックと半導体不足によって、国内で管理されたサプライチェーンを持つことの重要性が浮き彫りになった、と述べた。

「バッテリーに関しては、かなり資本集約的な事業となることはわかっています。世界トップのサプライヤーは売上高の大きな部分をR&Dにあて、バッテリープラントを建設して動かすのに必要な資本的支出はかなりの額です。ですので、これを踏まえると、Ford専用の施設を持つために必要なスケールとボリュームは大きな考慮事項です。このトランジションの進行をどれくらい強気にとらえているかについてこれまで語ってきました。我々はいま、どこかの地点で垂直統合がすばらしいレベルであることを楽しむために十分なスケールがある、という地点にいます」とタイ-タン氏は述べた。

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タグ:Fordバッテリー電気自動車

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードがGMやテスラに対抗し手放し運転機能の導入を発表

Ford(フォード)は、2021年モデルのピックアップトラック「F-150」と電気自動車「Mustang Mach-E(マスタング・マックE)」の一部に、米国やカナダの高速道路で自動運転走行を可能にする新しいハンズフリー運転機能を、2021年後半のソフトウェアアップデートによって導入すると発表した。

フォードがTesla(テスラ)やGMの類似システムに対抗するために開発したこのBlueCruise(ブルークルーズ)と呼ばれるハンズフリー機能は、カメラやレーダーセンサー類とソフトウェアの組み合わせによって、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線中央維持、速度標識認識を実現するものだ。フォードはその開発において、約50万マイル(約80万5000キロメートル)の走行テストを行ったと、発表文とJim Farley(ジム・ファーリー)CEOのツイートで強調し、ベータ版ソフトウェアを顧客に提供するテスラのアプローチをそれとなく揶揄している。このシステムには、ドライバーの視線と頭の位置を監視する車内カメラも搭載されており、ドライバーの視線が道路に集中するように支援する。

このハンズフリー・システムは、フォードの「Co-Pilot360 Technology(コパイロット360テクノロジー)」を搭載した車両に、2021年後半に予定されているOTA(無線)ソフトウェアアップデートで提供され、手放し走行が許可されている高速道路の特定の区間のみで機能する。まずは北米の高速道路の10万マイル(約16万1000キロメートル)以上の区間で利用可能になる。

BlueCruise! 私たちは現実の世界でテストしているので、お客様がテストする必要はありません。

ただし、このシステムの利用は有料となる。BlueCruiseソフトウェアは、3年間のサービス使用料を含めて600ドル(約6万5000円)。ハードウェアのアップグレードは車両によって価格が異なり、例えばF-150は995ドル(約10万8000円)、マスタング Mach-Eは2600ドル(約28万3000円)の追加費用が必要だが、マスタング Mach-Eに設定されている仕様の中でも「California Route 1(カリフォルニア・ルート1)」「Premium(プレミアム)」「First Edition(ファースト・エディション)」にはBlueCruiseが標準で装備される。

現在では、ほとんどすべての自動車メーカーが何らかの運転支援機能を提供しているが、フォードは明らかに、最も有名で高性能なADAS(Advanced Driver-Assistance Systems、先進運転支援システム)を搭載しているGMとテスラに対抗し、シェアを奪うことを目指している。

フォードが、BlueCruiseを搭載した車両を初年度に10万台以上販売するという社内目標を達成するためには、このシステムが費用に見合うだけの価値があると、顧客に納得してもらうことが重要になるだろう。

GMの「Super Cruise(スーパークルーズ)」は、LiDARによる3Dマッピングデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサー類を組み合わせて使用し、運転席の乗員が注意を逸らさないように監視する「Driver Attention System(ドライバー・アテンション・システム)」も搭載する。テスラの運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」とは異なり、Super Cruiseのユーザーは必ずしもハンドルに手を置いておく必要はないが、目線はまっすぐ前を向いていなければならない。

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テスラのAutopilot機能も、カメラやレーダーなどのセンサー類にコンピューターの演算能力とソフトウェアを組み合わせたものだ。テスラの新車にはすべて標準装備されており、車線内における操舵、加速、制動を自動的に行う。テスラでは、ドライバーが注意を払っているかどうかを判断するために、ハンドルにドライバーが手を置いていることを感知するトルクセンサーを使用しているが、多くのオーナーはハンドルから手を離し、視線を道路から逸していられるようにするための裏技を見つけ、公開している。オーナーがFSD(Full Self-Drivingを意味するテスラ独自の名称)にアップグレードを希望する場合、テスラは1万ドル(約109万円)を請求するが、FSDは(その名称から想像するような)完全な自動運転システムというわけではない。だが、車線変更の自動化、信号や一時停止を認識して対処する機能、ルート上の車線変更を提案したり高速道路のインターチェンジや出口に向かって自動的に誘導するナビゲーション機能など、より高度な運転支援機能を備えている。

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フォードによると、BlueCruiseシステムはハンズフリーモードに移行すると、メーターパネルに文字を表示したり青色のランプを点灯させてドライバーにそれを伝えるため、色覚異常のある人にも認識できるという。

このハンズフリー・テクノロジーは、将来的に他のフォード車にも提供される予定だという。このシステムの使用を選択したドライバーには、ソフトウェアが改良を受ける度にアップデートが提供される。将来的には、ウインカーをタップするだけで車線変更ができる機能や、ロータリーやカーブを予測して車速を調整する機能などが追加される予定だ。地図データのアップデートも定期的に行われるという。

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タグ:フォード自動運転

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

半導体チップ不足によりGMがさら多くの工場を操業停止に

General Motors (ゼネラルモーターズ)は、インフォテインメント、パワーステアリング、ブレーキシステムなど、自動車で無数の動作を制御するために使用される半導体チップが引き続き不足しているため、より多くの工場を休止させることにした。すでに操業停止となっている北米の他の施設でも閉鎖を延長している。

GMは米国時間4月8日、8つの組立工場が一時的に閉鎖されていることを明らかにした。この一時的な工場閉鎖については、CNBCが最初に報じている。TechCrunchが問い合わせたところ、GMはこの閉鎖を認め、ミズーリ州のウェンツビル組立工場では来週から生産を再開する予定だと付け加えた。

「GMは、利用可能なすべての半導体を活用して、フルサイズトラックやSUVなど、最も人気があり需要の高い製品の製造・出荷をお客様に向けて続けています」と、広報担当者は電子メールに書いている。「私たちは、これらの工場で失われた生産量を可能な限り補うことに力を尽くしています」。

世界的な半導体チップ不足が長引く中、GMやフォードなどの自動車メーカーは工場を休止し、SUVのような利益率の高いクルマの生産にリソースを振り分けざるを得ないでいる。GMによれば、フルサイズトラックやフルサイズSUVの工場では、チップ不足による操業停止やシフト削減は行っていないという。また、自動車メーカーは、特定の部品を使わずにクルマを製造する方策も取るようになっている。例えば、GMは2021年3月、一部のピックアップトラックに、最大限の燃費向上を可能にするフューエルマネジメントモジュールを装着せずに生産すると発表した。

自動車メーカー各社は、この部品不足が2021年の業績にどのような影響を与えるかについてのガイダンスを発表している。フォードは、半導体不足のシナリオが2021年上半期まで延長された場合、コスト回収や下半期における一部の生産補填を差し引いても、10億ドル(約1093億円)から25億ドル(約2732億円)の収益減少になる可能性があると述べている。

GMは2021年2月、半導体の世界的な供給不足により、2021年の生産、収益、キャッシュフローに短期的な影響が出ると発表した。

Cadillac(キャデラック)XT5とキャデラックXT6、GMC Acadia(アカディア)を製造しているGMのテネシー州スプリングヒル組立工場は、4月12日から2週間にわたって操業を停止する予定だ。GMは4月19日から始まる週に、メキシコのラモス組立工場におけるChevrolet Blazer(シボレー・ブレイザー)の生産と、ミシガン州ランシングデルタタウンシップ組立工場でのChevrolet Traverse(シボレー・トラバース)およびBuick Enclave(ビュイック・エンクレーブ)の生産ラインを一時的に停止する。

GMはまた、ミシガン州ランシンググランドリバー組立工場の休業を4月26日の週まで延長した。キャデラックCT4とキャデラックCT5およびChevrolet Camaro(シボレー・カマロ)を生産しているこの工場は、3月15日から操業を停止している。

同自動車メーカーは、カナダのCAMI組立工場と、Chevrolet Malibu(シボレー・マリブ)やキャデラックXT4を生産しているカンザス州フェアファックス組立工場の操業停止を5月10日まで延長すると発表した。GMによると、両工場とも2月8日の週から停止しているという。

韓国にあるGMの富平2組立工場は2月8日から生産量を半分に減らしており、ブラジルのグラヴァタイ工場では4月と5月の間は休業期間となっている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードとロボットの関わりについて責任者に聞く、最近のロボット関連ニュースまとめ

Ford(フォード)は米国時間3月16日、7500万ドル(約81億7000万円)を投じてミシガン大学アナーバー校に新設した施設に、約100人の研究者やエンジニアを配置すると発表した。この件に関して、まだどこにも掲載していないインタビューをお届けしたいと思う。

フォードはTechCrunchに対し、この施設はインキュベーターではなく「当社のグローバルな研究と高度なエンジニアリングネットワークの延長線上にある」と述べた。同社はここで、自動運転の研究のみならず、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)のSpot(スポット)や、Agility Robotics(アジリティ・ロボティクス)のDigit(ディジット)のようなサードパーティ製ロボットをどのように利用するかについても、多くの研究を行う予定だ。フォードは数年前からAgilityと提携し、共同で研究やテストを行っていることが、2020年のCESで発表されている。

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現在、フォードは2台のDigitロボットを所有している。Agilityが最初に市販した2台だ。両社の提携がどのように展開するかによって、Agilityはおそらく、より積極的にロボット工学の業界に関わろうとする企業にとって、有力な買収対象となる可能性がある。

発表イベント終了後、フォードのテクニカルエキスパートであるMario Santillo(マリオ・サンティロ)氏から電話で話を聞いた。同氏はこの新たなロボット開発事業の責任者だ。その要点は以下の通り。

フォードはスタートアップ企業のAgility Roboticsと提携し、二足歩行ロボット「Digit」の研究とテストを行っている(画像クレジット:Ford/Agility Robotics)

フォードは自動運転以外に、ロボット分野でどのような取り組みをしているのですか?

フォードは実際にロボット工学のすべての分野を見据えています。私のチームでは、製造現場から消費者寄りの用途まで、あらゆる分野に注力しています。後者は例えば、Digitが配達車両から降りて、あなたの家の玄関先まで荷物を届けるというようなものですね。ミシガン大学は我々と協力することで、より良いユースケースの提供を目指しています。私たちは、必ずしもロボットを開発する必要はありませんが、DigitやSpotのようなロボットを使い、それらの精度を高め、フォードが本当に大切にしているものを届けられるようにして、最終的には人類のために役立てたいと考えています。

Agilityのチームとは、実際にどのくらい緊密に連携しているのですか?

非常に緊密に仕事をしています。ほぼ毎日のように起ち上げ、すべてを稼動させています。ほんの数カ月前に、ディアボーン(フォードの本拠)にDigitを導入したばかりですが、パロアルト(フォードの研究開発拠点)にもDigitがありますので、実際の使用例を得るという意味では、彼らの方が少し先を行っています。Agility Roboticsとは非常によく連携しています。どちらにも隠し事はありません。ミシガン大学と同じように、パートナーシップを組んで、より良いもの、便利なもの、そして安全なものを作るために協力したいと思っています。

実際の研究において、ミシガン大学はどのような役割を果たすのでしょうか?

大学は次世代のロボット工学者に教えることから始めているので、大きな役割を担っています。大学が行っている研究は、空、陸、海、宇宙など、実にロボット工学のあらゆる分野におよび、それらが相互に関連していることに驚かされます。ウォーキングラボでは、特にリハビリテーションロボットの研究に力を入れており、それはDigitの不整地を歩く能力を高めることに直接つながります。

今のところ、Digitが中心となっているのですね。

Digitは確かに、直接関わっています。しかし、フォードには多くの車輪付きロボットがあり、ミシガン大学で行われている研究に基づき、これらのロボットをどのように活用するかについて、多くの研究が行われています。

フォードは、ロボット分野のスタートアップ企業や技術の買収を積極的に検討していますか?

フォードは常に新しいニーズや企業を評価することに興味を持っていると思います。必ずしも「ノー」とは言いません。

画像クレジット:University of Waterloo

大学によるロボット工学のすばらしい研究の一例を挙げると、カナダのウォータールー大学では、ウェアラブルカメラと機械学習を利用して、ロボットの外骨格や義足がユーザーとより自然に相互作用できるようにする研究が行われている。研究者の1人は「私たちの開発している制御方法は、必ずしも人間の思考を必要としません。自律的に運転を行う自動走行車のように、私たちはそれ自体が自動的に歩行する自律型外骨格を設計しています」と語る。

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現在、多くの企業がモビリティやリハビリテーションを目的とした外骨格を製造している。ウォータールー大学の取り組みは、スマートフォンのアプリや外部からの制御が不要になるという点で、重要なステップとなるだろう。

画像クレジット:HAI Robotics

ロボット関連の資金調達のニュースとしては、Hai Robotics(ハイ・ロボッティクス)が、2020年末に発表したシリーズBに加え、1500万ドル(約16億3000万円)「近い」額のシリーズB+を完了した。「HAIPICK」自動倉庫システムを開発したこの深圳を拠点とする会社は、中国の物流ロボット製造会社の中でも、注目すべきメーカーの1つだ。同社のシステムは、細い支柱で組まれた背の高いロボットが、一度に最大8個のコンテナを動かすことができる。

Hai Roboticsによれば、同社のシステムは倉庫の作業効率を最大で4倍に向上させることができるという。このカテゴリーに参入した多くの企業と同様、新型コロナウイルスの感染流行が大きな好機となることが証明された。より多くの人々がeコマースを利用するようになり、企業は不要な操業停止を避けるために自動化に目を向けているからだ。

画像クレジット:Surfacide

私が野球のシーズン開幕に興奮しているからというわけでもないが、Red Sox(ボストン・レッドソックス)は2021年、Fenway Park(フェンウェイ・パーク)に紫外線消毒ロボットを配備すると発表した。現時点では、球団はSurfacide(サーフェサイド)から3台のロボットを購入しただけのようだが、このロボットは「チームのクラブハウスやトレーニングルームなどの密になる場所、スイートルームやトイレなどのファンの出入りが多い場所を消毒する」ことに注力する、より大規模な取り組みのごく一部であると思われる。

ちなみにロボット審判員のMLBデビューは、もう少し先になりそうだ

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Fordロボットミシガン大学

画像クレジット:Courtesy of Ford/Photo Tim LaBarge 2019

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードが世界的なチップ不足を理由に特定の部品を使わずにF-150トラックを生産

Ford(フォード)は世界的なチップ不足と寒波による部品不足の二重苦により、一部の電子モジュールを搭載していないピックアップトラック「 Ford F-150」とクロスオーバー「Edge」を製造すると発表した。

フォードによるとこれらの車両は製造されてから数週間保管され、モジュールが入手可能になり、包括的な品質チェックが完了した時点でディーラーに出荷されるという。またチップ関連部品の不足により、ルイビル組立工場の2021年3月18日と19日のシフトをキャンセルすると発表した。同社によるとEscapeとLincoln Corsairの生産は3月22日にショートシフトで再開され、3月23日にフル生産を再開する予定だ。

世界的なチップ不足が長引く中、特定の部品を使わずに自動車を製造することを決定したのはフォードだけではない。GMは3月第3週の初め、一部のピックアップトラックに燃料管理モジュールを搭載しないで生産すると発表したが、これはこれらの車両が最高の燃費性能を達成することを妨げることになる。

フォードとGMはこれまで、チップ不足が2021年の業績に影響を与えるとのガイダンスを発表しており、2021年前半まで半導体不足シナリオが続けば、チップ不足によるコストは下半期の一部の生産補填を差し引いても10億〜25億ドル(約1100億円〜2700億円)の間になる可能性があるとしている。GMは2021年2月「世界的なチップ不足は2021年の生産、収益、キャッシュフローに短期的な影響を及ぼします」 との見通しを示した。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Ford

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:塚本直樹 / Twitter

フォードがロボティクス研究でミシガン大学に研究者やエンジニアら100人を配置

Ford Motor Company(フォード・モーター)はミシガン大学アナーバーキャンパスのロボティクスとモビリティのための7500万ドル(約81億7400万円)の新施設に研究者とエンジニア100人を配置する。

Fordと同大学のコラボはこれが初めてではない。Fordはミシガン大学にとって最大の法人献金者であり、両者は以前もUM Ford Center for Autonomous Vehicles(ミシガン大学自動運転車Fordセンター)の開所でタッグを組んだ。しかし、Fordが大学のキャンパスにチームを配置するのは今回が初めてだ。

FordはTechCrunchに対し、配置はインキュベーターではなく「グローバル研究と高度エンジニアリングネットワークの拡張」だと明確に述べている。

この人員配置によりFordは、広さ13万4000平方フィート(約1万2500平方メートル)の4階建てビルの最上階から、ロボティクス研究と学生へアクセスできるようになる。その逆も然りだ。Fordはまた、自動運転車をテストするための4つのハイベイガレージと歩行ロボットラボを含む、他のビルにある研究ラボへもアクセスできるようになる。

周辺では同社は実世界の環境で車両をテストするためにメインストリートを模したMcityテスト施設で車両を走行させることもできる。同社は2015年にMcityで自動運転車をテストした初の自動車メーカーだった。

Fordの研究エリアは自動運転テクノロジーに限定されない。

「ロボティクス全域は車両を超えたアプリケーションを持ち、当社はそれをはっきりと認識しています」とFordのCTOであるKen Washington(ケン・ワシントン)氏は米国時間3月16日に述べた。「当社は車両に応用するためにロボティクスの能力を創造するとかなり前に決定しましたが、製造を含め、当社の商用車両でどのようにマーケットに登場するか再考し、幅広い潜在的応用や航空ロボットのような他の可能性のあるソリューションも持つことにしました」。

2020年1月にAgility Roboticsへの最初の注文がFordから入った。人間の仕事を行うためにセンサーを搭載している人型ロボットDigitだ。Fordは新しいビルで、知らない道でも移動できるBoston Dynamicsの有名な四つ足ロボットSpotとともにDigitを実験する。同社はこれらのロボットのモデルの実験をミシガン大学の新しい施設で行う。

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一般的なロボティクスとエンジニアリングの研究はMario Santillo(マリオ・サンティージョ)氏が率い、自動運転車部門は同社の自動運転車研究のテクニカルマネジャーTony Lockwood(トニー・ロックウッド)氏が率いる。

声明によると、提携の一環として同社とミシガン大学は「教育を十分に受けられていない学生にさらに多くの機会を提供するために」包括的カリキュラムを作る。新しいロボティクス研究所はこの分野をさらに公正なものにすることを目的としている、と同大学のエンジニアリング部長Alec Gallimore(アレック・ガリモア)氏は述べた。その目的のために、ジョージア州アトランタにある歴史的黒人学校の学生はロボティクス101コースを遠隔から受講できる。この授業は上級コースを提供していなかったハイスクールの学生のために「条件を平等にすべく」微積分を必須としていない。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードが2030年までに欧州向け全車両を電動化

Ford(フォード)は米国時間2月17日、2030年までに欧州市場において電気自動車のみの販売を目指す新戦略を発表した。そのために10億ドル(約1060億円)を投じてドイツのケルンにある工場を改修し、Volkswagen(フォルクスワーゲン)のプラットフォームを使用して電気自動車を生産する予定だ。更新された工場における最初の生産車は、2023年までに出荷される予定となっている。

ヨーロッパフォードのStuart Rowley(スチュアート・ローリー)社長は同日、オンライン記者会見で発表した。

この新しい戦略では、ガソリン車から電気自動車への段階的な移行を目指す。Fordは2024年までに欧州で生産するすべての商用車を電動化するとしている。その2年後には、全ラインナップを電気自動車またはプラグインハイブリッドカーに転換する計画だ。なお同社によれば、2030年以降も欧州ではガソリン車の商用車を販売するとしている。Fordは現在、欧州での販売台数の3分の2を電気自動車が占めると見ている。

Fordの発表は、2035年までに電気自動車を中心に生産するとしたGM(ゼネラルモーターズ)による同様の公約に続くもので、同社は2035年までにほぼEVのみを生産すると述べている。FordもGMも、GMがほとんど撤退した欧州市場では小さなプレイヤーであり、Fordの市場シェアはわずか5%に過ぎない。

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(文:Matt Burns、翻訳:塚本直樹 / Twitter

フォードが同社全体のデジタルトランスフォーメーション推進のためGoogle Cloud採用

Google(グーグル)とFord(フォード)は米国時間2月1日、2023年からFordとLincoln(リンカーン)ブランドの新型車にAndroid Automotive(アンドロイド・オートモーティブ)を搭載することを中心とした新たなパートナーシップを発表した。しかし、同時に両社は、Fordが優先的なクラウドプロバイダーとしてGoogle Cloud(グーグル・クラウド)を選択したことも発表した。

「Google Cloudによって、Fordはフロントオフィスから車両、製造工場の現場まで、デジタル変革を進めることになるでしょう」と、Google CloudのThomas Kurian(トーマス・クリアン)CEOは同日の記者会見で語った。「これによって、製品開発の現代化、製造・サプライチェーン管理の改善、従業員教育へのコンピュータビジョンAIの活用、組立ラインにおける機器の検査など、さまざまな応用が可能になります」。

GoogleとFordは、整備リクエストや下取りアラートのような機能を通じて、Fordのデータを収益化する新たな方法を模索していることも、クリアン氏は言及した。

「Fordは社内に世界クラスのデータインサイトとアナリティクスチームを持っています」と、Fordの戦略・パートナーシップ担当副社長であるDavid McClelland(デイビッド・マクレランド)氏は語った。「ソフトウェアの専門知識が豊富な人材を採用しており、この分野では大きな進歩を遂げています。そして、新しい自動運転事業の商業化に向けて急速に動いています。トーマス(・クリアン)と私が本日発表するこのニュースで、私たちはそのすべてにターボを効かせて加速化していきます」。

マクレランド氏は、Googleが「クラウド、Android、マップ、その他多くの分野を含め、同社のすべてを提供してくれた」と強調している。FordがGoogle CloudのAIツールを活用することも視野に入れているのは、この分野におけるGoogleの専門知識を考えれば当然のことだろう。この取り組みは、実際にクルマの運転に留まらず、Fordの製品開発、製造、サプライチェーンの近代化、Fordの工場における予知保全などにもおよぶ。

他の自動車メーカーと同様にFordもまた、収集したデータを利用して、クルマの購入時や整備のために時折(たぶん)ディーラーを訪れる体験を超えたドライバーとのつながりを作り出す方法を模索している。そのためには、顧客を理解し、パーソナライズされた体験を提供できる必要がある。

今回の発表は、Fordにとって多少の方向転換を意味する。これまでFordは、自動車業界におけるGoogleの役割を最小限に抑えるという明確な目標を持って、他の自動車メーカーと連合していたからだ。それからほんの数年後、今やFordとGoogleは自動車業界で最も深い絆で結ばれたパートナーとなった。

少し前には、FordがMicrosoft(マイクロソフト)と深いパートナーシップを結び、Fordの「Sync(シンク)」と呼ばれる車載情報技術を共同で開発していたことも、触れておくべきだろう。

「最初にベルトコンベアを導入した動く組み立てラインから、最新の運転支援技術に至るまで、Fordは約120年にわたり自動車業界のイノベーションを先導してきました」と、GoogleとAlphabet(アルファベット)のCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は語った。「GoogleのAI、データ分析、コンピューティング、クラウドプラットフォームを最大限に活用できるパートナーを組めることを誇りに思います。これによってFordのビジネス変革と、人々が道路で安全につながることができる自動車技術の構築を支援していきます」。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォードがグーグルと提携、同社とリンカーンの全車両にAndroid Automotive OS搭載

2023年から、何百万台というFord(フォード)とLincoln(リンカーン)ブランドの車両にAndroid(アンドロイド)オペレーティングシステムが搭載されるようになる。米国時間2月1日に6年間におよぶFordとGoogle(グーグル)の提携が発表され、その一環としてGoogleのアプリとサービスがドライバーに提供される。

今回の提携ではまた、新たな消費者エクスペリエンスやAndroid Automotiveオペレーティングシステムで動くサービスの開発を担当するTeam Upshiftという協業グループを設置する。顧客の車両購入方法を変えるサービスの開発などといった取り組みが考えられる。また、データを使った新ビジネスモデルの構築にも共同で取り組む。Google CloudのCEOであるThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏は、消費者にリアルタイムに通知を送ったりメンテナンスの要望に対処したりするのにデータを使うかもしれない、と説明した。

加えて、両社はFordが優先クラウドプロバイダーとしてGoogle Cloudを選んだことも発表した。

何年もの間GoogleやApple(アップル)のようなサードパーティ企業を避け、オープンソースのプラットフォームを推進していたFordにとって、今回の提携は方針転換となる。2017年にFordとToyota(トヨタ自動車)はFordのAppLinkのオープンソースソフトウェアに関連するSmartDeviceLink(SDL) Consortiumというコンソーシアムを結成した。当時の目的は、消費者がスマホアプリにどのように接続してコントロールするかという点でより多くの選択肢を提供するためにオープンソースのソフトウェアの開発を加速させることだった。

FordはSDL Consortiumはまだ活動しており、20以上のメンバーが参加しているとTechCrunchに語った。「SDLによって、モバイルアプリはFordが車内エクスペリエンスにイノベーションを持ち込む主要な方法となりました」とFordの広報担当は述べている。

Android Automotive OSをAndroid Autoと混同しないでほしい。Android AutoはOS上の二次インターフェースで、ユーザーのスマホに頼っている。Android Automotive OSはLinuxで駆動するオープンソースのモバイルオペレーティングシステムを手本にしている。しかしスマホやタブレットを動かす代わりにクルマで使えるように、Googleは部分的に手を加えた。

戦略・提携担当の副社長であるDavid McClelland(デイビッド・マクレランド)氏は、Googleとの提携がデータ分析チームの設置とソフトウェア専門知識の開発のための最近の取り組みと投資を「加速させる」と話した。

「GoogleとFordの提携が、イノベーションの原動力になると信じている」とマクレランド氏は述べた。「Fordの事業の現代化を加速させ、何より重要なことに顧客の期待を上回ることができます」。

Androidオペレーティングシステムの自社バージョンを車両に搭載しようと計画しているのはFordだけではないが、同社が提供するサービスと製品はユニークなものになるとマクレランド氏は強調した。

たとえば2017年にVolvo(ボルボ)はAndroid OSを活用すると発表し、その1年後に音声操作のGoogleアシスタント、Google Play Store、Googleマップ、その他のGoogleサービスを次世代Sensus情報システムに盛り込むと明らかにした。Volvo傘下の電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)も最新車両Polestar 2のインフォテイメントシステムを動かすのにAndroid Automotive OSを使っている。Googleは2019年、音楽や他のエンターテインメントアプリを車両のインフォテイメントシステムに持ってくるためにサードパーティのデベロッパーにAndroid Automotiveオペレーティングシステムを公開すると発表し、Polestar 2が第1弾となった。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi)

フォードの新型EV「マスタング・マックE」に初試乗、第一印象はがっかり

これは2021年型Ford Mustang Mach-E(フォード・マスタング・マックE)スポーツSUVのレビューではない

数週間前、私はこのフォードが間もなく発売するEVに、2時間という短い時間のみ乗ることができた。わずか数時間ほど運転しただけで結論を出すのは気が引ける。マックEにはもっと時間が必要だし、フォードがこの記事を読んだ後、私はおそらく長期テストの列の最後に並ぶことになるだろう。

私がマックEと短い時間を過ごしている間に、1つのことが明らかになった。マックEはマスタングと呼ばれるべきではないし、SUVと呼ばれるべきではない。

マックEをマスタングのSUVと呼ぶことで、フォードは実体のない体験を顧客に売り込もうとしている。これは意味論による議論ではない。マックEは、伝統的な作法に則ったスポーティSUVではない。それはAudi E-Tron Sportback(アウディ・イートロン・スポーツバック)やTesla Model X(テスラ・モデルX)を見ればわかるだろう。これらはマックEに欠落しているいくつかの重要な特性を備えている。マックEが小さく、ゆるく、締まりがなく感じるのに対し、これらのSUVは頑丈で、骨太で、パワフルだ。

気になる点はいくつかある。私はヴィークルダイナミクス(車両の運動性能)に疑問を感じた。スロットルは不快感を覚えるし、リアエンドはトラクションを維持するのに苦労している。航続距離(一度の満充電で走れる距離)はライバル車に比べて劣っており、AWD(4輪駆動)バージョンはテスラの競合モデルより80kmも短い。電気自動車において、運動性能や航続距離よりも重要なことが他にあるだろうか?

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初期の印象

数週間前、私は2021年式マスタング・マックE AWDに乗って、ミシガン州南部の慣れ親しんだルートを回った。自動車ジャーナリストなら、誰もがこの地域をミシガン州の地獄と呼ぶことを知っている。だが、そんな名前とは裏腹に、原生林の広葉樹が並び、クルマが息を吹き返すような緩やかなワインディングロードが続く素敵なエリアだ。幹線道路を降りて、砂利道でちょっとしたスリルを味わうのも楽しい。しかし、このエリアはマックEには優しくなかった。

短時間のテストだったが、いくつかの印象が残っている。

マックEは、安物のクロスオーバーのようにガタガタと走る。乗り心地やハンドリングに自信も安心も感じられない。「マスタング」という名前がついていても、マックEはマスタングのようには走らない(冗談は置いといて、最新型のマスタングは素晴らしいクルマだ)。マックEは、コーナーに飛び込んで安全に立ち上がることを期待できるようなクルマではない。ボディは大きく傾き、後輪はだらしなく滑り、マスタングという名前に対する敬意は失われてしまう。

アクセルは過敏で微妙な調整がやりづらい。ペダルに足を乗せるだけで、マックEは前方に飛び出す。アクセルペダルを戻すと積極的に作動する回生ブレーキと相まって、マックEの運転には慣れが必要だ。パワートレインは気力が感じられない。電気自動車には洗練させるための修練が必要だ。電気モーターは滑らかに、そしてドライバーの予想どおりにパワーを供給する必要がある。威圧することなく、ドライバーに興奮と自信を感じさせなければならない。難しい公式であり、最初から正解を導き出せる自動車メーカーはほとんどない。

運転してすぐに、AWDのマックEのハンドリングの酷さに困惑させられた。最近のEVは、運転しても安定しているが退屈なものが多い。しかしマックEは違う。リアエンドは乗用車にしては元気が良すぎる。かといってスポーティな性格というわけでもない。これでは単に粗雑で無頓着なだけだ。普通の交差点を曲がるだけで簡単にタイヤが滑ってしまう。アクセルペダルを踏み込んで車輪を回転させようとすると、後輪が空転しないように頻繁にトラクションコントロールが作動する。

マックEをスポーティなクルマと言い張ることで、フォードは自らの技術力以上のものを顧客に期待させようとしているのだ。だが、ドライバーがマックEの性能面に向き合うと、緩みが生じてしまう。私がマックEに試乗していた時、普通にコーナーを回っているのに後輪が予想外の挙動をしたり、車幅が広すぎると感じることが何度かあった。これはスピードが上がるとさらに誇張される。AWDシステムが雪や氷にどれだけ対応できるかも気がかりだ。私が試乗中に、砂利の上で何度か苦労したからだ。

試乗後、フォードのエンジニアにオーバーステアがあまりにも強いことについて尋ねると、彼は「ああ、そんな運転をした場合にはね」と答えた。それが引っかかったのは、私は自分のせいではないと思うからだ。私はミシガン州アナーバー周辺で、マックEを特にアグレッシブに走らせたわけではない。しかも路面は乾いていた。それなのに、私の短いドライブの間に、何度かトラクションコントロールが作動した。そんなことはあってはならないはずだ。

マックEは、真っ直ぐ走る分にはずっと良かった。加速は速い。アクセルペダルを床まで踏み込むと、マックEは後ろ足で路面を蹴り、勢いよく前方に飛び出す。テスラより速いかって?それはない。だが、それでもこの価格帯のクルマの中では一番速いし、信号が変わって発進する際に隣車線のクルマを置き去りにすることは容易だろう。

マックEには3つのドライブモードが用意されている。標準モードとエコノミーモードでは、粗雑で扱いにくい印象のあるパフォーマンスモードよりも、より洗練された秩序に基づいてパワーが供給される。どのモードでも、積極的に回生ブレーキを利用して、いわゆる「ワンペダル走行」(ブレーキペダルを使わず、アクセルペダルの開閉だけで加減速をまかなう走り方)が可能だ。

航続距離もマックEで考慮すべき要素の1つだ。EPA(米国環境保護庁)による推定航続距離は、テスラ Model Y(モデルY)のAWDバージョンが326マイル(約524.6km)であるのに対し、マックEのAWD仕様は最大270マイル(約434.5km)に過ぎない。

今回のような短いテストでは、マックEのバッテリーが現実の路上でどのくらいの距離を走れるかについて、判断を下すことはできない。それにはもっと長い時間、日常的にマックEと過ごし、街中と長距離の両方を含む様々な状況で実際に走らせる必要がある。私が報告できるのは、2時間のドライブの結果だけだ。その際に私は、1kWの電力で平均2.7マイル(約4.3km)の距離を走行した。クルマを返却した時、あと112マイル(約180.2km)の距離が走行可能と表示されており、バッテリー残量は56%だった。私が試乗したのは、容量88kWhのエクステンド・レンジ・バッテリー(標準バッテリーは68kWh)を搭載したAWDモデルだったが、EPAとフォードによると、このバージョンのマックEは1度の充電で270マイル(約434.5km)の距離を走行できるとされている。

マックEの価格設定は、4万2895ドル(約444.2万円)からと競争力がある。AWD+エクステンド・レンジ・バッテリー搭載バージョンは5万4700ドル(約566.5万円)からで、オプションを付ければさらに高くなる。米国の購入者のほとんどは、7500ドル(約77.7万円)の税額控除を受けることができる。テスラ Model 3(モデル3)は3万7990ドル(約393.4万円)から。ロングレンジAWDのModel 3は4万6990ドル(約486.7万円)から、クロスオーバーのModel Y(モデルY)は4万9990ドル(約517.7万円)からだ。

競合他社にも不利な面がある。テスラのModel 3とModel Yは、クラストップの航続距離を誇る斬新なクルマだが、製造品質に疑問が残るなど、欠点がないわけではない。他にもPolestar 2(ポールスター2)のような素晴らしいクルマはあるが、航続距離が短く、価格も5万9900ドル(約620.4万円)からと高い。

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マックEのインテリアは素晴らしい。だが、それで驚くことはなかった。フォードはそのクラスで最も美しいインテリアをいくつか作っているからだ。マックEの車内もとても素敵だ。

ほとんどのEVと同様に、フォードは伝統的な自動車の部品を現代的な同等品に置き換えるという大きなステップに踏み出した。メーターパネルの代わりに、小さな細長い液晶画面がドライバーの前に装備されている。高級感があり効率的だ。センタースタックには、メディアの再生や空調コントロール用の大型LCDスクリーンが設置されている。スクリーンの下部には回転するノブが取り付けられており、物理的な操作で音量調節が可能だ。私はこのボリュームノブがとても気に入った

シートも問題なさそうだ。私は2時間しか座っていないが。

車内は少し窮屈だが、小型クロスオーバーとしては許容範囲。ドライバーはコマンダーポジションと呼ばれる高い位置に座るので、これがこのSUVを選ぶ理由になるかもしれない。大人2人が座れる後部座席は、街中を巡る小旅行には最適だが、足元のスペースが不足しているので、長時間座っていたいとは思わない。

マックEの車内にはいくつかの楽しい装備も見られるが、私にはそれよりも運動性能に対する不満の方が大きかった。オーナーは自分のスマートフォンをクルマのキーとして使用でき、よくできたロードトリップマップのアプリを使ってドライブ前にナビゲーションルートを設定しておくことができる。ドアはボタン操作で開閉可能。それによってドアノブのないすっきりしたエクステリアを実現している。フォードはさらに、無線アップデートでハンズフリー運転機能も追加するという。しかし、これらの項目はほとんど重要ではない。残念な味のケーキを食べたとき、誰がその飾り付けを気にするだろうか?

長すぎて読む気がしない人へ

私はマックEに乗れることに興奮し、楽観的な気分で短い試乗に臨んだ。だが、私のこのクルマに対する第一印象は悪かった。私にとって、このフォード・マックEは、電気自動車の楽しさを、慣れ親しんだ車名と伝統ある自動車メーカーを通じて、大衆に届ける存在であるはずだった。私はミシガンに住んでいるフォードファンであり、地元の誇りを持ってマックEの開発を見てきた。それなのに、がっかりだ。

現時点では、私は自分の第一印象に基づき、消費者がフォード・マスタング・マックEを購入する前に、競合他車を試すように勧めすることしかできない。私はこのクルマがテスラよりも十分に買う価値があるとは思えない。

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タグ:フォード電気自動車Mustang Mach-Eレビュー

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(翻訳:TechCrunch Japan)

新型EVフォードマスタングMach-Eを体験、まずはタッチスクリーンの「ボリュームノブ」に感心

2021年型フォードマスタングMach-Eには巨大なタッチスクリーンが搭載されており、その下部にはボリュームコントロール用の大きなノブがある。私はこれがとても気に入った。タッチスクリーン上に、物理的なノブが備わっているのだ。それをひねって!回す!ひねるとカチッと手応えがある。このノブはタッチスクリーンのスライダーバーよりもはるかに使い勝手がよい。私は他の自動車メーカーに、フォードの先導に従うことを強くお勧めしたい。このノブは驚くほどシンプルなソリューションだ。

このノブの裏にはタッチスクリーンが感応する小さな帯が仕込まれており、ノブを回すとその部分がスクリーン上でドラッグされる。人間がタッチスクリーン上のスライダーを指で触れて操作したかのように、システムを騙すのだ。私が知る限り、このノブはスクリーンに接着されたプラスチックのパーツに過ぎない。

フォードがマスタングMach-Eに搭載したシステムは、巨大なタッチスクリーンと優れたユーザーインターフェースの間の幸せな妥協点である。ユーザーは回転するノブの恩恵を受けることができるが、フォードはそのために物理的な部品を追加で製作したり設置したりする必要がない。私の経験によれば、ボリュームのコントロールには知覚できるようなラグはなく、非常にうまく機能する。回転させれば音量を変更できるし、中央のボタンを押せばオーディオをミュートできる。思った通りに操作できるというのは、優れたデザインである証だ。

オーディオの音量は、回転するノブやダイヤル、ホイールで操作するべきである。議論の余地はない。

自動車メーカーは長い間、何度となくこれに替わるボリュームコントロールを導入してきたが、私はまだシンプルなノブより使いやすいものを見たことがない。

BMWは車内でジェスチャーコントロールを採用している。センタースタックの上に手を置き、片方の指を突き出して空中に円を描く。確かにこれはちゃんと機能する。私はいくつかの点でこのジェスチャーコントロールを良いと思う(未訳記事)が、しかし音量を変えるために指を回していると、馬鹿みたいに感じる時がある。

他にキャデラックなどの自動車メーカーは、音量をコントロールするためにタッチ感応式のスライダーバーを採用してきた。しかし、そのほとんどの自動車メーカーは、いくつかの理由からこのデザインを放棄してしまった。コントロール用のタッチスライダーはダッシュボードの表面に埋め込まれていることが多く、触れてもユーザーにフィードバックを返さない。また、システムの反応も遅いことが多く、イライラするばかりでちっともおもしろくない。

ありがたいことに、最近のほとんどのクルマには、メインのボリュームノブのほかに、ステアリングホイールにオーディオのコントロールが装備されている。回転するホイール式もあれば、上下ボタンを押して操作するものもあるが、私は明らかに回転ホイール派だ。

車内にタッチスクリーンが普及し始めると、より多くの自動車メーカーがボリュームのコントロールを画面上のスライドバーで行わせようとした。多くの場合、物理的なボタンよりもタッチスクリーンを使う方が安価だからだ。しかし、操作性は決して優れているわけではない。現在、ほとんどの自動車メーカーはインタラクティブなコンテンツを画面に表示し、音量とミュートのためのノブをダッシュボードの別の場所に設置するようになっている。

2021年型フォード マスタングMach-Eは運転するとどうだったかって?それは数日後まで話すことはできない。

ところでこの記事では、私に割り当てられた1カ月分の「ノブ」という言葉を消費してしまったことに留意していただきたい。全部で14回もこの言葉を使ってしまった。申し訳ない。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

EPA発表のフォードMustang Mach-Eの走行距離は340〜483kmと平凡な結果

EPA(米環境保護庁)はMustang Mach-E(マスタング・マッハ-E)に関する調査結果を発表したが、そこには良いニュースと悪いニュースが混在していた。モデルによって異なるが、EPAによれば、Mach-Eの走行距離は211マイル(約340km)から300マイル(約483km)の範囲に収まるとのこと。Mach-Eの走行距離はFord(フォード)が提示したものと一致しており、EPAがそれを認めた形になった。だがその一方で、この数値はライバルとなる他メーカーの車種をずいぶん下回るため、競争の激しい電気自動車市場では劣勢になるという問題がある。Fordは9月にMach-Eを値下げしている。

Mach-Eには、標準レンジと延長レンジの2タイプのパワートレーンがある。どちらも、オプションでデュアルモーターの全輪駆動仕様が選べる。延長レンジでは、走行距離が60〜70マイル(約70〜113km)延長される。このオプションを選択すれば、全輪駆動仕様で270マイル(約435km)、後輪駆動仕様で300マイル(約483km)走れるようになる。標準レンジでは、全輪駆動仕様が211マイル(約340km)、後輪駆動仕様が230マイル(約370km)だ。

これらの数値は、フォードがMach-Eで目標にしていたものとほぼ一致しており、同メーカーの技術力を向上が伺える。

だが、後輪駆動モデルの300マイルという最高の値ですら、Mach-EはTesla(テスラ)Model 3の走行距離を大きく下回る。Mustang Mach-Eと同等の価格でありながら、Model 3は400マイル(約644km)走ることができる。Mach-Eにより近いライバルとなるModel Yも、やはり走行距離で秀でている。デュアルモーターで全輪駆動というこのTeslaのクロスオーバーモデルは、同じ仕様のMach-Eの270マイル(約435km)に対して、最大走行距離が326マイル(約525km)と長い。

Mustang Mach-Eはフォード初となる主力電気自動車だ。予約していた人たちには12月から納車が開始される。この車両は、ますます競争が激しくなる分野に投入されようとしている。TeslaとともにMustang Mach-Eは、夢のようなPolestar(ポールスター)2やAudi(アウディ)の車種を増やしつつある電気自動車ラインアップ、Kia(起亜)やHyndai(現代)のお手頃なクロスオーバーなどと対抗して販売を伸ばさなければならない。あるものはこの同社初の電気自動車よりも走行距離が長く、あるものは価格が安い。

Mustang Mach-Eは、フォードによる電気自動車の最初の提案に過ぎない。走行距離がマーケットリーダーよりも劣ることは、同社も承知していたはずだ。目標は、楽しくて手頃な価格のフォード製電気自動車の「馬小屋」を立ち上げることのようだ。だとすれば、走行距離は短いものの、Mach-Eはその役割を果たしている。

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(翻訳:金井哲夫)